JP5915972B2 - 手洗い器付き小便器 - Google Patents
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Description
このように構成された本発明においては、人体検知手段が人体を検知していた時間から、手洗い検知手段が手洗いを検知していた時間を差し引いた第1時間(T3)が、第1所定時間(T4)より大きいか否かで、使用者が排泄行為を行ったか否かを検出することができ、第1時間(T3)が、第1所定時間(T4)より大きい場合には、使用者が排泄行為を行ったと判断して、人体検知手段が人体を検知している状態の終了後、便器吐水部から、洗浄水の吐水を行い、第1時間(T3)が、第1所定時間(T4)以下の場合には、使用者が排泄行為を行わなかったと判断して、人体検知手段が人体を検知している状態の終了後、便器吐水部から、洗浄水の吐水を行わないことにより節水化を達成することができる。
このように構成された本発明においては、手洗い検知手段が手洗いの検知を開始した時刻(tB)から、人体検知手段が人体の検知を開始した時刻(tA)を差し引いた第2時間(T5)が、第2所定時間(T6)より短い場合には、排泄が終了して人体検知手段が人体を検知している状態が終了した後、便器吐水部が、予め一定に設定された予定洗浄水量を吐水することができ、便器ボウル部が洗浄不良となることを防ぐことができる。
さらに、手洗い検知手段が手洗いの検知を開始した時刻(tB)から、人体検知手段が人体の検知を開始した時刻(tA)を差し引いた第2時間(T5)が、第2所定時間(T6)以上である場合には、排泄が終了して人体検知手段が人体を検知している状態が終了した後、便器吐水部が、予め一定に設定された予定洗浄水量から手洗吐水部から吐水された洗浄水量を差し引いた洗浄水量を吐水することができるので、便器吐水部が、手洗吐水部から吐水された洗浄水量に応じて、吐水する洗浄水量を減じることができ、節水化を達成することができる。よって、節水化と便器洗浄性能を両立することができる。
このように構成された本発明においては、手洗い検知手段が手洗いの検知を開始した時刻(t B )から、人体検知手段が人体の検知を開始した時刻(t A )を差し引いた第2時間(T5)が、10秒〜50秒の第2所定時間(T6)より短い場合には、排泄が終了して人体検知手段が人体を検知している状態が終了した後、便器吐水部が、予め一定に設定された予定洗浄水量を吐水することができ、便器ボウル部が洗浄不良となることを防ぐことができる。さらに、手洗い検知手段が手洗いの検知を開始した時刻(t B )から、人体検知手段が人体の検知を開始した時刻(t A )を差し引いた第2時間(T5)が、10秒〜50秒の第2所定時間(T6)以上である場合には、排泄が終了して人体検知手段が人体を検知している状態が終了した後、便器吐水部が、予め一定に設定された予定洗浄水量から手洗吐水部から吐水された洗浄水量を差し引いた洗浄水量を吐水することができるので、便器吐水部が、手洗吐水部から吐水された洗浄水量に応じて、吐水する洗浄水量を減じることができ、節水化を達成することができる。よって、節水化と便器洗浄性能を両立することができる。
このように構成された本発明においては、人体検知手段が人体を検知していた時間(T1)から、手洗い検知手段が手洗いを検知していた時間(T2)を差し引いた第1時間(T3)が、0秒〜10秒の第1所定時間(T4)より大きいか否かで、使用者が排泄行為を行ったか否かを検出することができ、第1時間(T3)が、0秒〜10秒の第1所定時間(T4)より大きい場合には、使用者が排泄行為を行ったと判断して、人体検知手段が人体を検知している状態の終了後、便器吐水部から、洗浄水の吐水を行い、第1時間(T3)が、0秒〜10秒の第1所定時間(T4)以下の場合には、使用者が排泄行為を行わなかったと判断して、人体検知手段が人体を検知している状態の終了後、便器吐水部から、洗浄水の吐水を行わないことにより節水化を達成することができる。
小便器本体2は、便器ボウル部8を洗浄する洗浄水を放射状に吐水するスプレッダ6と、スプレッダ6から吐水された洗浄水を受ける便器ボウル部8とを備えている。
ボウル部側面壁12は、小便器本体2の上部から底部まで延び、手洗い器本体4をその前面左右両側から後方にかけて覆うような壁形状に形成され、手洗い器本体4から下方に延びる流面を形成している。段部14は、スプレッダ6近傍から便器ボウル部8の底部前方まで下方に張り出して湾曲した弧状に延びている。
図1乃至図3に示すように、手洗ボウル部26は、ボウル形状(鉢形状)に形成され、手洗吐水部24の下方に配置されている。図3に示すように、この手洗ボウル部26が形成されている領域は、平面視で、便器ボウル部8が形成されている領域の内側に配置されている。
手洗ボウル部26は、手洗ボウル部26の底部26aを備え、この底部26aには、6つの手洗排水口28が形成され、手洗排水口28が鉛直方向下方に延びて便器ボウル部8内側と連通し、手洗排水口28から排出された洗浄水を便器ボウル部8に供給するようになっている。
便器吐水制御部34は、建築物の壁面30の裏側に配置され、細菌抑制装置38、後述する手洗吐水制御部56、他の手洗い器付き小便器の便器吐水制御部等と接続しながら連動して制御できるようにされている。
便器吐水電磁弁36は、便器給水流路10に設けられ、便器吐水制御部34から送られる制御信号に基づいて開閉される。
電気温水器制御部42は、建物給水設備側の給水管50及び給湯管52と接続される電気温水器54と、手洗吐水用赤外センサ40が検出した検出情報に基づいて、手洗い器本体4の手洗洗浄作用を制御する制御手段である手洗吐水制御部56と、この手洗吐水制御部56からの制御信号に従って、電気温水器54と手洗い器給水流路41との間の弁体を開閉し、洗浄水を手洗吐水部24から吐水させる吐水手段である手洗吐水電磁弁58とを備えている。
手洗吐水制御部56は、便器吐水制御部34、手洗吐水用赤外センサ40、電気温水器54及び手洗吐水電磁弁58等に接続され、これらの装置と連動して所定の手洗い動作を行うように制御することができる。
手洗吐水電磁弁58は、手洗い器給水流路41と接続され、この上流側には電気温水器54を介して給湯管52と、給水管50と連通する流路が接続されている、この手洗吐水電磁弁58は、手洗吐水制御部56から送られる制御信号に基づいて開閉される。
先ず、本発明の実施形態による手洗い器付き小便器1による小便洗浄動作の流れのみを説明する。
通常、使用者が手洗い器付き小便器1の前に立つと、光電センサ32が使用者の存在を検知して検知信号を便器吐水制御部34に送り、検知状態を開始し、便器吐水制御部34は使用者の存在を認識する。使用者が手洗い器付き小便器1の便器ボウル部8に放尿を終え、放尿を済ませた使用者が手洗い器付き小便器1の前から立ち去るときに、光電センサ32が使用者の存在を検知している状態が終了する。光電センサ32が非検出状態となると、便器吐水制御部34は使用者が手洗い器付き小便器1から立ち去ったと認識して、便器吐水制御部34は小便洗浄動作を開始する。
便器吐水制御部34は、便器吐水電磁弁36に制御信号を送って便器吐水電磁弁36を開き、洗浄水をスプレッダ6から便器ボウル部8に吐水させる。吐水される洗浄水の水量は後述するように所定の流量に設定されている。スプレッダ6から吐水される洗浄水は、スプレッダ6から放射状方向に、便器ボウル部8のボウル部側面壁12及び段部14の面上に拡がるような向きに吐水され、便器ボウル部8の内面全体にわたって高い瞬間流量で流下しながら便器ボウル部8の良好な洗浄を行うことができる。洗浄水は、便器ボウル部8を流下し便器排水口18より排出され、この下流の排水トラップ管路20を通過し、横引配管22に流入し、さらに下流の排水配管(図示せず)に向かって流れる。
スプレッダ6からの所定の瞬間流量の吐水が一定時間継続されると、便器吐水制御部34は、便器吐水電磁弁36を閉止して、スプレッダ6からの吐水を終了させる。
使用者が、手洗い器付き小便器1の前に立った状態において、手指及び小物等を手洗吐水用赤外センサ40の検出範囲に移動させると、手洗吐水用赤外センサ40が手等を検知して検知信号を手洗吐水制御部56に送り、手洗吐水制御部56が手洗洗浄動作を開始し、手洗吐水制御部56が手洗吐水電磁弁58を開いて、手洗吐水を開始する。吐水される洗浄水は低い瞬間流量でほぼ一定に設定されている。手洗吐水が開始されると、手洗吐水制御部56が、手洗吐水用赤外センサ40の検出情報或いは手洗吐水電磁弁58の開閉情報等にもとづいて手洗吐水開始時間、手洗吐水継続時間、手洗吐水量等をモニター(計測)して、これらの情報等を便器吐水制御部34に伝達する。
洗浄水は、手洗吐水部24から手洗ボウル部26に向かって吐水され、手洗ボウル部26内の洗浄水は、手洗排水口28を通って流下し、小便器本体2の便器ボウル部8に流入し、ボウル部側面壁12に沿って流下する。流下した洗浄水は、便器排水口18より排出されるが、便器排水口18から排水トラップ管路20に流入し、この排水トラップ管路20を通過した洗浄水は、横引配管22に流入し、さらに下流の排水配管(図示せず)に流出する。
手洗吐水用赤外センサ40が使用者の手等の存在を検出しなくなると、手洗吐水制御部56が手洗吐水電磁弁58を閉止して、手洗吐水部24からの吐水を停止させる。
図5は、本発明の実施形態による手洗い器付き小便器1の一連の洗浄動作の流れを示すフローチャートである。ここで、図5において、Sは各ステップを示している。図6は、本発明の実施形態による手洗い器付き小便器1において、各洗浄パターンにおける手洗いと放尿のタイミングについて説明する図である。ここで、図6において、手洗いセンサは手洗吐水用赤外センサ40を示し、対人センサは光電センサ32を示し、横軸は対人センサが人体を検知してからの時間(秒)及び時点を示す時刻tA及びtBを示し、符号Aは光電センサ32が人体を検知している状態の開始を示し、符号Bは手洗吐水用赤外センサ40の手洗い検知状態の開始を示し、符号Cは手洗吐水用赤外センサ40の手洗い検知状態の終了を示し、及び符号Dは光電センサ32が人体を検知している状態の終了を示し、使用者の放尿行為がA、B、C及びDに対してどのタイミングで行われるかを示している。図7の(a)は、一般的な小便器において、109名の使用者が放尿を行った場合の放尿前時間E(秒)、放尿時間F(秒)、放尿後時間G(秒)、及び、放尿前時間E(秒)と放尿時間F(秒)と放尿後時間G(秒)とを合計した便器前立ち時間E+F+G(秒)をそれぞれ測定した後に、それぞれ平均した実験結果を示す図であり、図7の(b)は、図7(a)の実験における、放尿前時間E(秒)、放尿時間F(秒)、放尿後時間G(秒)、及び、放尿前時間E(秒)と放尿時間F(秒)と放尿後時間G(秒)とを合計した便器前立ち時間E+F+G(秒)との関係を示すタイムチャートである。
この際、手洗吐水制御部56及び便器吐水制御部34が、手洗吐水用赤外センサ40が手洗い等を検知した状態を開始(図6の符号B)した時刻を計測し、さらに、手洗吐水用赤外センサ40が手洗い等を検知した状態の継続時間及び終了時刻(図6の符号C)を計測する。このとき、手洗吐水制御部56は、手洗吐水が開始されてから手洗吐水が終了(図6の符号C)されるまでの手洗吐水量をモニター計測及び/或いは流量と開弁時間によって計算し、この手洗吐水量の情報を便器吐水制御部34に伝達する。このモニター計測或いは流量計算等は、便器吐水制御部34によって全部又は一部が行われてもよい。手洗吐水部24が吐水を終了するときには、手洗吐水制御部56は、この手洗吐水量のモニター等を終了する。このS2は、手洗吐水用赤外センサ40が手等を検知する検知状態が、光電センサ32が人体を検知している状態より先に発生する場合には、S1よりも先に、このS2の手洗吐水制御部56及び便器吐水制御部34が手洗吐水用赤外センサ40が手等を検知する検知状態の計測が開始されてもよい。
ここで、人体検知時間T1は、光電センサ32が人体を検知している状態を開始(図6の符号A)した後、人体を検知している状態を終了(図6の符号D)するまでの時間であり、手検知センサ検知時間T2は、手洗吐水用赤外センサ40が手洗いを検知している状態を開始(図6の符号B)した後、手洗いを検知している状態を終了(図6の符号C)するまでの時間である。
光電センサ32が人体を検知している状態を継続していた人体検知時間T1から、手洗吐水用赤外センサ40が手洗いを検知している状態を継続していた手検知センサ検知時間T2を差し引いた第1差引き時間T3は、使用者が小便器本体2の対面に直立姿勢でいるであろう想定時間のうち、使用者が手洗いを行っている時間を除いた時間であり、使用者が放尿をする場合には放尿のために必要と想定される時間を含み、使用者が放尿をしないで立ち去る場合には放尿のために必要と想定される時間に満たない時間である。
第1所定時間T4は、光電センサ32が人体を検知している状態を継続していた人体検知時間T1から、手洗吐水用赤外センサ40が手洗いを検知している状態を継続していた手検知センサ検知時間T2を差し引いた第1差引き時間T3が、第1所定時間T4より大きい場合には、便器吐水制御部34が使用者が放尿を行ったと判断し、前記第1差引き時間T3が、第1所定時間T4以下である場合には、便器吐水制御部34が使用者が放尿を行っていないと判断する、判定基準として設定されている。
この第1所定時間T4は、多数の使用者が一般的に放尿行為の前に必要とするであろう放尿前時間E(いわゆる放尿ためらい時間など)を基準として設定される。
前記第1差引き時間T3が、第1所定時間T4より大きい場合には、放尿行為の前に必要とするであろう放尿前時間Eが経過しているため、例えば、使用者が、小便器本体2の対面に立ち、放尿行為を行い、手洗いを行って立ち去ることが想定される。
なお、この第1所定時間T4は、図7の(a)に示すように、放尿前時間Eは平均で9.7秒かかるという実験結果に基づいて0秒〜10秒の時間に設定され、例えば本実施形態では5秒の時間に設定されている。
S4において、人体検知時間T1から、手検知センサ検知時間T2を差し引いた第1差引き時間T3が、第1所定時間T4以下である場合には、便器吐水制御部34が使用者の放尿が行われなかったと判断して、S9に進む。
S5においては、この第2差引き時間T5が、第2所定時間T6より小さい場合には、便器吐水制御部34が、手洗い吐水が、使用者が放尿を終了する前に行われたと判断し、S8に進む。
従って、前記第2差引き時間T5が、第2所定時間T6より小さい場合には、使用者が放尿行為の前に必要とするであろう放尿前時間が経過する時間の前に手洗いを行っているため、例えば、使用者が、小便器本体2の対面に立ち、手洗いを先に行って、次に放尿行為を行い、立ち去る場合が想定される。
前記第2差引き時間T5が、第2所定時間T6以上である場合には、使用者が放尿行為を行うのに必要と想定される時間が経過した後に手洗いを行っていることになるので、例えば、使用者が、小便器本体2の対面に立ち、先に放尿行為を行い、次に手洗いを行って、立ち去る場合が想定される。
スプレッダ6から吐水される予め一定に設定された予定洗浄水量は、2.0Lに設定されており、2.0Lから例えば0.5Lの手洗吐水部24から吐水された洗浄水量を差し引いた1.5Lの洗浄水量がスプレッダ6から吐水すべき洗浄水量として算出される。予定洗浄水量は、2.5Lに設定されてもよく、その場合には、例えば2.5Lから例えば0.5Lの手洗吐水部24から吐水された洗浄水量を差し引いた2.0Lの洗浄水量がスプレッダ6から吐水すべき洗浄水量として算出されるようにしてもよい。
従って、S7に規定する節水洗浄パターンの洗浄においては、S4において使用者が放尿を行ったと判断され且つS5において使用者が放尿を終了した後に手洗い吐水が行われたと判断される場合に、手洗吐水部24から吐水された洗浄水が放尿後の便器ボウル部8の洗浄に寄与しているので、手洗吐水部24から吐水された洗浄水量分の洗浄水量を、光電センサ32の人体検知状態が終了(図6の符号D)した後スプレッダ6から吐水する予定の洗浄水量から差し引いて節水化に寄与することができる。
S7においてスプレッダ6からの吐水が終了するとエンドに進み、便器吐水制御部34は、便器吐水電磁弁36を閉弁し、スプレッダ6からの吐水を停止させて、一連の洗浄動作を終了させる。
S8に規定する予定洗浄パターンの洗浄においては、S4において使用者が放尿を行ったと判断され且つS5において使用者が放尿を終了する前に手洗い吐水が行われたと判断する場合に、手洗吐水部24から吐水された洗浄水が放尿前に便器ボウル部8を流下しているので、手洗吐水部24からの洗浄水は放尿後の便器ボウル部8の洗浄に寄与することができない。使用者が放尿を終了する前に手洗い吐水が行われた場合に、便器吐水制御部34が、便器ボウル部8を洗浄するのに必要な予め一定に設定された予定洗浄水量を確保して、スプレッダ6から吐水させることにより、手洗吐水部24から吐水された洗浄水量を便器ボウル部8を洗浄するのに必要な洗浄水量から減じてしまい、便器ボウル部8の洗浄が不良となることを防ぐようになっている。
S8においてスプレッダ6からの吐水が終了するとエンドに進み、便器吐水制御部34は、便器吐水電磁弁36を閉弁し、スプレッダ6からの吐水を停止させて、一連の洗浄動作を終了させる。
使用者が複数回手洗いを行う場合には、便器吐水制御部34は、それぞれの手洗い検知に対してS5の判定を行う。
例えば具体的には、第1回目の手洗い検知において、第1回目に手洗吐水用赤外センサ40が手洗いを検知している状態を開始した時刻tB1から、光電センサ32が人体を検知している状態を開始した時刻tAを差し引いた第2差引き時間T51が、第2所定時間T6より小さい場合には、便器吐水制御部34が、使用者が放尿を終了する前に手洗い吐水が行われた場合と判断して、S5からS8に進ませる判断を行い、第1回目の手洗い検知において手洗吐水部24から吐水された洗浄水量分の洗浄水量をスプレッダ6から吐水する予定の洗浄水量から差し引かない判断を行う。次に、第2回目の手洗い検知において、第2回目に手洗吐水用赤外センサ40が手洗いを検知している状態を開始した時刻tB2から、光電センサ32が人体を検知している状態を開始した時刻tAを差し引いた第2差引き時間T52が、第2所定時間T6以上である場合には、便器吐水制御部34が、使用者が放尿を終了した後に手洗い吐水が行われた場合が含まれると判断して、S5からS6及びS7に進ませる処理を行い、第2回目の手洗い検知において手洗吐水部24から吐水された洗浄水量分の洗浄水量をスプレッダ6から吐水する予定の洗浄水量から差し引くようになっている。
図7の(a)及び(b)に示すように、本実験は、一般的な小便器において、人体の検知を行う赤外センサと、放尿を検知して放尿の開始及び終了を測定できるマイクロ波センサとを設けて行われ、図7(b)中の人体検知は赤外センサにより行われる人体検知を示し、図7(b)中の尿検知はマイクロ波センサにより行われる放尿の検知を示している。
ここで、本実験に際し、放尿前時間E(秒)及び放尿時間F(秒)が経過するまでにかかる時間(すなわち、使用者が小便器の前に立ってから放尿を終了するまでにかかる時間)を、ヒストグラムを用いて分析を行った。この結果、109名の被験者のうちの108名の被験者が約24(秒)を中心に10秒〜50秒の間に分布し、被験者の放尿行為が終了する最短時間が約10秒であり、使用者の放尿行為が終了する最長時間が約50秒であるという結果が得られた。すなわち、小便器を使用するほとんどの被験者が、小便器本体の前に立ってから、10秒〜50秒の時間内には放尿行為を終えていることが確認できた。
この結果により、使用者が、一般的には、放尿を行うためには、約10秒間以上の時間にわたって小便器の前に立っている必要があることを確認し、さらに、約50秒間以内の時間にわたって小便器の前に立った状態で十分に放尿を終えることができることが分かった。また、使用者が放尿行為を行ったか否かの判断及び使用者が放尿行為を行ったタイミングについての判断に利用することができることが分かった。
上述した本発明の実施形態による手洗い器付き小便器1によれば、光電センサ32が人体を検知していた時間T1から、手洗吐水用赤外センサ40が手洗いを検知していた時間T2を差し引いた第1差引き時間T3が、第1所定時間T4より大きいか否かで、使用者が排泄行為を行ったか否かを検出することができ、この第1差引き時間T3が、第1所定時間T4より大きい場合には、使用者が排泄行為を行ったと判断して、光電センサ32が人体を検知している状態の終了後、スプレッダ6から、洗浄水の吐水を行い、この第1差引き時間T3が、第1所定時間T4以下の場合には、使用者が排泄行為を行わなかったと判断して、光電センサ32が人体を検知している状態の終了後、スプレッダ6から、洗浄水の吐水を行わないことにより節水化を達成することができる。
さらに、手洗吐水用赤外センサ40が手洗いの検知を開始した時刻tBから、光電センサ32が人体の検知を開始した時刻tAを差し引いた第2差引き時間T5が、第2所定時間T6以上である場合には、排泄が終了して光電センサ32が人体を検知している状態が終了した後、スプレッダ6が、予め一定に設定された予定洗浄水量から手洗吐水部から吐水された洗浄水量を差し引いた洗浄水量を吐水することができるので、スプレッダ6が、手洗吐水部24から吐水された洗浄水量に応じて、吐水する洗浄水量を減じることができ、節水化を達成することができる。よって、節水化と便器洗浄性能を両立することができる。
さらに、手洗吐水用赤外センサ40が手洗いの検知を開始した時刻tBから、光電センサ32が人体の検知を開始した時刻tAを差し引いた第2差引き時間T5が、10秒〜50秒の第2所定時間T6以上である場合には、排泄が終了して光電センサ32が人体を検知している状態が終了した後、スプレッダ6が、予め一定に設定された予定洗浄水量から手洗吐水部から吐水された洗浄水量を差し引いた洗浄水量を吐水することができるので、スプレッダ6が、手洗吐水部24から吐水された洗浄水量に応じて、吐水する洗浄水量を減じることができ、節水化を達成することができる。よって、節水化と便器洗浄性能を両立することができる。
2 小便器本体
4 手洗い器本体
6 スプレッダ
8 便器ボウル部
18 便器排水口
24 手洗吐水部
26 手洗ボウル部
26a 底部
28 手洗排水口
32 光電センサ
34 便器吐水制御部
40 手洗吐水用赤外センサ
56 手洗吐水制御部
E 放尿前時間
F 放尿時間
G 放尿後時間
T1 人体検知時間
T2 手検知センサ検知時間
T3 第1時間
T4 第1所定時間
T5 第2時間
T6 第2所定時間
tA 時刻
tB 時刻
Claims (4)
- 手洗い器を備えた手洗い器付き小便器であって、
使用者の手洗いを検知する手洗い検知手段と、この手洗い検知手段からの検知信号により手洗い用の洗浄水を吐水する手洗吐水部と、この手洗吐水部から吐水された洗浄水を受ける手洗ボウル部と、この手洗ボウル部の底部に形成された手洗排水口と、を備えた手洗い器本体と、
使用者を検知する人体検知手段と、小便洗浄用の洗浄水を吐水する便器吐水部と、上記手洗ボウル部から下方に延び上記手洗排水口から供給された洗浄水及び上記便器吐水部から吐水された洗浄水を受ける便器ボウル部と、この便器ボウル部の底部に形成され洗浄水を下流側に形成された排水流路へ排出する便器排水口と、を備えた小便器本体と、
上記手洗い検知手段及び上記人体検知手段からの検知信号に基づいて上記手洗吐水部及び上記便器吐水部からの洗浄水の吐水を制御する制御部と、を有し、
上記制御部は、上記人体検知手段が人体を検知していた時間(T1)から、上記手洗い検知手段が手洗いを検知していた時間(T2)を差し引いた第1時間(T3)が、第1所定時間(T4)より大きい場合には、上記人体検知手段が人体を検知している状態の終了後、上記便器吐水部から、洗浄水の吐水を行い、
上記第1時間(T3)が、第1所定時間(T4)以下の場合には、上記人体検知手段が人体を検知している状態の終了後、上記便器吐水部から、洗浄水の吐水を行わないことを特徴とする手洗い器付き小便器。 - 上記制御部は、上記手洗い検知手段が手洗いの検知を開始した時刻(tB)から、上記人体検知手段が人体の検知を開始した時刻(tA)を差し引いた第2時間(T5)が、第2所定時間(T6)以上である場合には、上記人体検知手段が人体を検知している状態の終了後、上記便器吐水部から、予め一定に設定された予定洗浄水量から上記手洗吐水部から吐水された洗浄水量を差し引いた洗浄水量を吐水させ、
上記制御部は、上記第2時間(T5)が、第2所定時間(T6)より短い場合には、上記人体検知手段が人体を検知している状態の終了後、上記便器吐水部から、予め一定に設定された予定洗浄水量を吐水させる請求項1に記載の手洗い器付き小便器。 - 上記第2所定時間(T6)は、10秒〜50秒の時間に設定される請求項2に記載の手洗い器付き小便器。
- 上記第1所定時間(T4)は、0秒〜10秒の時間に設定される請求項1乃至3の何れか1項に記載の手洗い器付き小便器。
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