以下、本発明に係る画像読取装置を備えた画像形成装置の一例としての複合機を図面に基づいて説明する。図1は、複合機の概略断面図である。図1に示すように、複合機1は、コピー、プリンター、及びスキャナー等の複数の機能を兼ね備えたものであり、本体部2と、本体部2の左方に配設されたスタックトレイ3と、ユーザーが種々の操作指令等を入力するための操作部36と、本体部2の上部に配設された画像読取部4と、画像読取部4の上方に配設された原稿搬送部5とを備えている。
本体部2は、複数の給紙カセット23と、給紙カセット23から記録紙(記録媒体)を1枚ずつ繰り出して画像形成部25へ搬送する給紙ローラー24と、給紙カセット23から搬送されてきた記録紙に画像を形成する画像形成部25とを備えている。
画像形成部25は、後述する画像記憶部70(図3)に記憶された画像に基づき、レーザー光等を出力して感光体ドラム26を露光する光学ユニット27と、感光体ドラム26上にトナー像を形成する現像部28と、感光体ドラム26上のトナー像を記録紙に転写する転写部29と、トナー像が転写された記録紙を加熱してトナー像を記録紙に定着させる一対のローラー30及び31からなる定着装置32と、画像形成部25内の用紙搬送路中に設けられ、記録紙をスタックトレイ3または排出トレイ33まで搬送する搬送ローラー対34及び35等とを備えている。
操作部36は、ユーザーが印刷実行指示を入力するためのスタートキー361と、印刷部数等を入力するためのテンキー362と、各種複写動作の操作ガイド情報等を表示し、これら各種設定入力用にタッチパネル機能を有する液晶ディスプレイ等からなる表示部363と、表示部363で設定された設定内容等をリセットするリセットキー364と、実行中の印刷(画像形成)動作を停止させるためのストップキー365と、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能及びファクシミリ機能を切り換えるための機能切換キー366とを備えている。
図2は、画像読取部4及び原稿搬送部5の概略断面図である。画像読取部4は、原稿の画像を光学的に取得して画像信号を出力する。画像読取部4は、図2に示すように、コンタクトガラス410、光源42、第1ミラー431、第2ミラー432、第3ミラー433、第1キャリッジ46、第2キャリッジ47、結像レンズ48、CCD(Charge Coupled Device)49を備えている。光源42及び第1ミラー431は第1キャリッジ46によって支持され、第2ミラー432及び第3ミラー433は第2キャリッジ47によって支持されている。
コンタクトガラス410は、幅広の原稿載置用ガラス412と原稿載置用ガラス412の図2中左側に位置する細長い原稿自動読取用ガラス411とから構成されている。
画像読取部4による原稿の画像読取方法には、原稿載置用ガラス412上に載置された原稿の画像を読み取るフラットベッド読取モードと、原稿搬送部5によって原稿を搬送させ、原稿が読取位置413を通過する際に、原稿の画像を読み取るADF読取モードの2種類の方法が存在する。
具体的には、フラットベッド読取モードでは、光源42が原稿載置用ガラス412上に載置された原稿を照射し、当該原稿からの反射光が第1ミラー431、第2ミラー432、第3ミラー433の順に反射して、結像レンズ48に入射する。結像レンズ48に入射した光は、CCD49の受光面で光電変換によって結像され、画像信号として出力される。1ライン分の読み取りが終了すると、原稿の主走査方向(図2の紙面に対して垂直方向)と直交する方向(副走査方向、矢印Y方向)に第1キャリッジ46及び第2キャリッジ47が移動され、次のラインの読み取りが行われる。
一方、ADF読取モードでは、後述するように原稿搬送部5によって搬送された原稿が、原稿自動読取用ガラス411と読取ガイド56との隙間部である読取位置413を通過するとき、光源42が原稿自動読取用ガラス411を介して原稿に光を照射する。そして、当該原稿からの反射光が第1ミラー431、第2ミラー432、第3ミラー433の順に反射して、結像レンズ48に入射し、該結像レンズ48に入射した光がCCD49の受光面で光電変換によって結像されて画像信号として出力される。1ライン分の読み取りが終了すると、原稿が原稿搬送部5によって搬送され、次のラインの読み取りが行われる。
原稿搬送部5は、図2に示すように、開閉カバー50、原稿トレイ(載置部)51、ピックアップローラー52、分離ローラー53、レジストローラー54、読取ガイド56、排出ローラー55、及び原稿排出トレイ59を備え、ADF(Auto Document Feeder:自動給紙装置)を構成する。また、原稿搬送部5には、原稿検出センサー91、アクチュエーター92、及び読取検出センサー93が備えられている。
開閉カバー50は、原稿搬送部5によって原稿が搬送される搬送経路を開閉自在に覆うカバーである。例えば、搬送経路内で紙詰まり等の異常が発生したときには、ユーザーが開閉カバー50を開放した状態(図2の破線で示す状態)にして、搬送経路から原稿を取り除くことができる。
原稿トレイ51は、複数枚の原稿が載置される場所である。原稿トレイ51の底面には、例えば、上方への付勢力でリフト板を移動させる等の方法で、原稿を上方に持ち上げる図略のリフト機構が設けられている。原稿トレイ51に原稿が載置されると、リフト機構によってリフト板が上方に持ち上げられ、最上部の原稿がピックアップローラー52に接触するように構成されている。
ピックアップローラー52は、原稿トレイ51の最上部の原稿に接触し、回転駆動して、一枚ずつ最上部の原稿を分離ローラー53に向けて送出する。ピックアップローラー52は、原稿の後端を送出してから予め定められた紙間時間が経過した後に、次の原稿の送出を開始する。つまり、ピックアップローラー52は、原稿トレイ51に載置された原稿を予め定められた紙間時間を空けながら一枚ずつ繰り出す。ここにいう予め定められた紙間時間は、例えば、試験運転等の実験値に基づいて、搬送中に紙詰まり等の搬送異常が発生しないように、搬送中の原稿である搬送原稿の後端がピックアップローラー52を通過してから次の原稿の先端がピックアップローラー52を通過するまでの時間間隔に設定されている。
分離ローラー53は、ピックアップローラー52から繰り出される原稿をレジストローラー54に向けて1枚ずつ送出する。
レジストローラー54は、対峙するコロとの間でニップを形成し、搬送されてきた原稿を、調整された所定のタイミングで読取位置413へと送出する。
読取ガイド56は、レジストローラー54の下流側であって、画像読取部4のコンタクトガラス410に対峙するようにして配置されている。読取ガイド56は、原稿の幅方向(主走査方向)に長いものであり、例えば、その長さ方向の両端部に設けたコイルばね等による付勢力によって、コンタクトガラス410に向けて押圧される。読取ガイド56の下面は、長さ方向の両端部が中央部よりも下側に突出し、原稿搬送部5を閉姿勢にしたときに、長さ方向の両端部がコンタクトガラス410に当接するように構成され、中央部とコンタクトガラス410との間で形成される一定の隙間を原稿が通過するように構成されている。つまり、上記のADF読取モードでは、この読取ガイド56と原稿自動読取用ガラス411との間を原稿が通過するときに、原稿の画像面が読み取られる。
排出ローラー55は、原稿の搬送方向において読取位置413よりも下流側に配置され、読取位置413で読み取られた原稿を原稿排出トレイ59に排出する。
原稿排出トレイ59は、その積載面が排出ローラー55の近傍では排出ローラー55の下方に位置し、排出方向に沿って上方に傾斜する形状をなし、排出原稿を積層することができる。
原稿検出センサー91は、発光素子と受光素子とを原稿搬送部5内の両側面(図2の紙面に対して垂直方向の両側面)に備えた光透過型センサーで構成されている。原稿検出センサー91は、ピックアップローラー52の下方近傍に設けられている。原稿検出センサー91は、原稿トレイ51に原稿が載置され、最上部の原稿がピックアップローラー52に接触しているときは、発光素子から発光された光が当該原稿によって遮光されるため、受光素子によって、原稿が有ることを示すローレベルの検出信号を出力する。一方、原稿トレイ51に原稿が載置されていない場合には、発光素子から発光された光が受光素子によって受光されるため、受光素子によって、原稿が無いことを示すハイレベルの検出信号を出力する。
尚、原稿検出センサー91は、これに限定する趣旨ではなく、光反射型センサーで構成されていてもよい。また、原稿検出センサー91は、光センサーに限らず、例えば、原稿トレイ51の底面に備えられたバネ等で上方に付勢されたアクチュエーターが、原稿に触れて下方に移動することによって、原稿トレイ51に原稿が載置されていることを検出する等、機械的なセンサーで構成されていてもよい。
アクチュエーター92は、原稿の幅方向(主走査方向、図2の紙面に対して垂直な方向)に伸びる回転軸によって回動自在に支持されている。アクチュエーター92は、図2に示すように、原稿の幅方向視で略「く」の字形状を有し、原稿の搬送方向においてレジストローラー54よりも上流側の所定位置で、その一端が原稿の搬送経路上に突出するように構成されている。アクチュエーター92の一端に、原稿搬送部5により搬送されてきた原稿が触れると、原稿の搬送動作に伴ってその一端が下方に回動する。
読取検出センサー93は、発光素子と受光素子とを原稿搬送部5内の両側面(図2の紙面に対して垂直方向の両側面)に備えた光透過型センサーで構成されている。読取検出センサー93は、図2の点線部に示すように、アクチュエーター92の一端が原稿の搬送動作に伴って下方に回動した状態にあるときの、アクチュエーター92の他端と同じ高さの位置に設けられている。
読取検出センサー93は、発光部から受光部に向けて発光された光が遮光されていない間は、ハイレベルの検出信号を出力し、発光部から受光部に向けて発光された光が、アクチュエーター92の他端によって遮光されている間は、ローレベルの検出信号を出力する。
つまり、アクチュエーター92の一端に搬送されてきた原稿の先端が触れた後、原稿の先端がレジストローラー54に向けて搬送されると、図2の点線部に示すように、アクチュエーター92の一端が下方に回動する一方、アクチュエーター92の他端は、読取検出センサー93と同じ高さまで回動する。これによって、読取検出センサー93の発光部から受光部に向けて発光された光が遮光され、読取検出センサー93から出力される検出信号がハイレベルからローレベルに切り替わる。
一方、原稿の後端がレジストローラー54を通過することによって、アクチュエーター92の一端が原稿に触れなくなると、図2の実線部に示すように、アクチュエーター92の一端が元の位置に戻るようにして上方に回動する一方、アクチュエーター92の他端は、読取検出センサー93と同じ高さの位置から下方に回動する。これによって、読取検出センサー93の発光部から受光部に向けて発光された光が遮光されなくなり、読取検出センサー93から出力される検出信号がローレベルからハイレベルに切り替わる。
尚、読取検出センサー93は、これに限定する趣旨ではなく、光反射型センサーで構成されていてもよい。
また、原稿搬送部5は、原稿押さえとしても機能しており、例えば、複合機1の背面側(図1及び図2における紙面裏側)の図略のヒンジ部にて、本体部2に回動自在に支持され、コンタクトガラス410を覆う閉姿勢とコンタクトガラス410を露出させる開姿勢とを取り得るように構成されている。つまり、上記のフラットベッド読取モードでは、原稿搬送部5を閉姿勢にして、原稿載置用ガラス412に載置した原稿が押さえつけられ、ユーザーによる操作部36の操作によって、当該原稿の画像面が読み取られる。
次に、複合機1の電気的な構成について図3を用いて説明する。図3は、複合機1の電気的な構成の一例を示すブロック図である。複合機1は、複合機1の各部の動作制御を司るコントローラー7を備えている。コントローラー7は、例えば、CPUと、ROMやRAM等のメモリーと、を備えたマイクロコンピュータで構成されており、メモリーに記憶された各種制御プログラムをCPUによって実行することによって各部の動作制御を行う。
コントローラー7は、上記の画像読取部4、操作部36、各種検出センサー91,93、各種ローラー52,53,54,55、及び、画像形成部25と互いに通信可能なように接続されている。
コントローラー7は、例えば、画像記憶部70、モーター制御部71、搬送検出部72、最終原稿判断部73、異常検出部74、読取時間計測部75、読取時間記憶部76、第一読取判断部77、第二読取判断部78、復旧処理実行部79、読取画像置換部80、検出履歴記憶部81、モード選択部82、及び画像処理部83として機能する制御プログラムをCPUによって実行することによって、原稿搬送部5及び画像読取部4を用いた原稿の画像の読み取り動作の制御を行う。
画像記憶部70は、例えば、RAM等のメモリーで構成されている。画像記憶部70には、画像読取部4によって読み取られた各原稿の画像が記憶される。
モーター制御部71は、各種ローラー52,53,54,55を駆動させる図略の各モーターに駆動信号を出力し、各種ローラー52,53,54,55をそれぞれ予め定められた所定速度で回転駆動させる制御を行う。尚、各モーターは、例えば、ステッピングモーターで構成されており、駆動信号のパルス数に応じて、所定角度だけ回転駆動する。
搬送検出部72は、各種ローラー52,53,54,55によって、搬送される原稿の先端及び後端が、読取位置413に到達したことを検出する。
具体的には、搬送検出部72は、読取検出センサー93から出力された検出信号が、ハイレベルの信号からローレベルの信号に変化した後、つまり、原稿の先端が原稿の搬送方向においてレジストローラー54よりも上流側の所定位置に到達した後、レジストローラー54を駆動させるモーターの駆動信号のパルス数が、予め定められたパルス数に到達したときに、原稿の先端が読取位置413に到達したことを検出する。
同様に、搬送検出部72は、読取検出センサー93から出力された検出信号がローレベルの信号からハイレベルの信号に変化した後、つまり、原稿の後端が原稿の搬送方向においてレジストローラー54よりも上流側の所定位置に到達した後、レジストローラー54を駆動させるモーターの駆動信号のパルス数が、予め定められたパルス数に到達したときに、原稿の後端が読取位置413に到達したことを検出する。
尚、予め定められたパルス数は、例えば、試験運転等の実験値に基づいて、上記のレジストローラー54よりも上流側の所定位置から読取位置413までの所定距離分、原稿を搬送するためにレジストローラー54を駆動させるモーターを回転させたときの駆動信号のパルス数に定められている。
最終原稿判断部73は、原稿搬送部5によって搬送中の原稿である搬送原稿が、原稿トレイ51に載置された複数枚の原稿のうちの最終の原稿である最終原稿であるか否かを判断する。最終原稿判断部73による搬送原稿が最終原稿であるか否かの判断処理の詳細については後述する。
異常検出部74は、最終原稿判断部73によって搬送原稿が最終原稿ではないと判断され、且つ、搬送検出部72によって当該搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが検出された場合において、搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが検出されたときから予め定められた読取制限時間が経過するまでの間に、搬送原稿の次に搬送される原稿である次原稿の先端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されなかったときに、異常が発生したことを検出する。
尚、読取制限時間は、搬送原稿の後端が読取位置413に到達してから次原稿の先端が読取位置413に到達するのに必要な時間を確保しつつも必要以上に長くならないように、ピックアップローラー52から原稿が繰り出される時間間隔を示す上記の紙間時間に誤差とする時間を余分に含めた時間に設定されている。
読取時間計測部75は、搬送原稿の先端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されてから、その搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されるまでの時間、つまり、当該搬送原稿1枚分の読み取りに要する時間である実読取時間を計測する。
読取時間記憶部76は、例えば、RAM等のメモリーで構成されている。読取時間記憶部76には、読取時間計測部75で計測された各原稿の実読取時間が記憶される。
第一読取判断部77は、最終原稿判断部73によって搬送原稿が最終原稿ではないと判断され、且つ、搬送検出部72によって搬送原稿の先端が読取位置413に到達したことが検出されたときにおいて、異常検出部74によって異常が検出されないまま、次原稿の先端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されたときに、画像読取部4による搬送原稿の画像の読み取りが完了したものと判断する。
第二読取判断部78は、最終原稿判断部73によって搬送原稿が最終原稿ではないと判断され、且つ、搬送検出部72によって搬送原稿の先端が読取位置413に到達したことが検出されたときにおいて、搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されたときに、画像読取部4による搬送原稿の画像の読み取りが完了したものと判断する。
復旧処理実行部79は、後述のモード選択部82によって第二読取モードが選択された場合において、異常検出部74によって異常が発生したことが検出されたときに、読取復旧処理を実行する。読取復旧処理では、異常検出部74によって異常が発生したことが検出された場合に、原稿トレイ51に載置されていたものと同一の複数枚の原稿を再び原稿トレイ51に載置させることを促す画面を表示部363に表示する等して、同一の複数枚の原稿を再び原稿トレイ51に載置させるようユーザーに案内する処理を行う。そして、読取復旧処理では、原稿トレイ51に複数枚の原稿が載置されると、原稿搬送部5によって複数枚の原稿を搬送させ、異常検出部74によって異常が発生したことが検出されたときの搬送原稿である異常発生原稿から画像読取部4によって読み取らせる処理を行う。
読取画像置換部80は、後述のモード選択部82によって第二読取モードが選択された場合において、復旧処理実行部79によって読取復旧処理が実行された場合に、読取復旧処理によって異常発生原稿を読み取った原稿が、読取復旧処理の実行前に画像記憶部70に記憶された異常発生原稿に対応する画像と同一か否かを判断し、同一でないと判断した場合に、画像記憶部70に記憶されている異常発生原稿に対応する画像を、読取復旧処理によって異常発生原稿を読み取った画像に置き換える。
具体的には、読取画像置換部80は、復旧処理実行部79によって読取復旧処理が実行された場合に、読取時間計測部75によって計測された異常発生原稿に対応する実読取時間が、読取時間記憶部76に記憶されている異常発生原稿に対応する実読取時間と一致するときに、異常発生原稿を読み取った画像の搬送方向の長さが一致するものとして、読取復旧処理によって異常発生原稿を読み取った画像が、読取復旧処理の実行前に画像記憶部70に記憶された異常発生原稿に対応する画像と同一と判断する。
検出履歴記憶部81は、例えば、RAM等のメモリーで構成されている。検出履歴記憶部81には、例えば、異常検出部74によって異常が発生したことが検出されたことの累積回数等、異常検出部74によって異常が発生したことが検出されたことの履歴が記憶される。尚、検出履歴記憶部81に記憶される履歴は、累積回数に限定する趣旨ではない。例えば、異常検出部74によって異常が発生したことが検出される度に、そのときの日付及び時刻が履歴として検出履歴記憶部81に記憶されてもよい。
モード選択部82は、第一読取判断部77によって搬送原稿の画像の読み取りが完了したことを判断する第一読取モードと、第二読取判断部78によって搬送原稿の画像の読み取りが完了したことを判断する第二読取モードのうち、何れか一つを選択する。
具体的には、モード選択部82は、検出履歴記憶部81に記憶された、異常検出部74によって異常が発生したことが検出されたことの履歴が、予め定められた頻度以上の頻度で検出されたことを示す場合は、第一読取モードを選択する。また、モード選択部82は、検出履歴記憶部81に記憶された、異常検出部74によって異常が発生したことが検出されたことの履歴が、上記予め定められた頻度未満の頻度で検出されたことを示す場合は、第二読取モードを選択する。尚、予め定められた頻度には、例えば、試験運転等の実験値に基づいて、異常検出部74によって異常が発生したことが検出されたことの累積回数を示す値が用いられる。
画像処理部83は、画像読取部4によって読み取られた画像に対して、例えば、シェーディング補正や、レベル補正、ガンマ補正等の補正処理、画像の拡大又は縮小処理や画像データの圧縮処理などの加工処理、及び画像の濃度分布の解析処理等の画像処理を施す。
以下、原稿搬送部5及び画像読取部4を用いた原稿の画像の読み取り動作の流れについて、図4乃至図8を用いて説明する。図4は、モード選択部82を用いた第一読取モードと第二読取モードの切り替え動作の一例を示すフローチャートである。
図4に示すように、コントローラー7によって、例えば、操作部36から入力されたコピー機能の実行指示に基づいて、ADF読取モードで原稿を読み取る動作が開始されると、モード選択部82は、検出履歴記憶部81に記憶されている異常検出部74によって異常が発生したことが検出された累積回数が、予め定められた累積回数を超えているか否かを判定する(S1)。
検出履歴記憶部81に記憶されている異常検出部74によって異常が発生したことが検出された累積回数が、予め定められた累積回数を超えている場合(S1;YES)、モード選択部82は、第一読取モードを選択し、第一読取モードを選択したことを示す情報(例えば「1」)をメモリーに記憶する(S2)。
一方、検出履歴記憶部81に記憶されている異常検出部74によって異常が発生したことが検出された累積回数が、予め定められた累積回数を超えていない場合(S1;NO)、モード選択部82は、第二読取モードを選択し、第二読取モードを選択したことを示す情報(例えば「2」)をメモリーに記憶する(S3)。
メモリーに第一読取モードを選択したことを示す情報(例えば「1」)が記憶されている場合(S4;YES)、コントローラー7は、第一読取モードで、つまり、第一読取判断部77によって画像読取部4による搬送原稿の画像の読み取りが完了したことを判断させながら、原稿搬送部5及び画像読取部4によって原稿トレイ51に載置された複数枚の原稿の画像の読取動作を行わせる(S5)。
一方、メモリーに第二読取モードを選択したことを示す情報(例えば「2」)が記憶されていた場合(S4;NO)、コントローラー7は、第二読取モードで、つまり、第二読取判断部78によって画像読取部4による搬送原稿の画像の読み取りが完了したことを判断させながら、原稿搬送部5及び画像読取部4によって原稿トレイ51に載置された複数枚の原稿の画像の読取動作を行わせる(S6)。
図5は、第一読取モードにおける原稿搬送部5及び画像読取部4を用いた原稿の画像の読取動作の一例を示すフローチャートである。図6は、原稿搬送部5を用いた原稿搬送動作中に行われる原稿搬送状況記憶処理の一例を示すフローチャートである。図5に示すように、ステップS5(図4)において、第一読取モードでの原稿の画像の読取動作が開始されると、モーター制御部71は、各種ローラー52,53,54,55の駆動用モーターの駆動を開始し、原稿トレイ51の最上部の原稿の給紙を開始する(S21)。
ステップS21が実行された後、最終原稿判断部73は、後述のステップS22以降の処理と並行して原稿搬送状況記憶処理を開始する。
図6に示すように、最終原稿判断部73は、原稿搬送状況記憶処理を開始すると、後述する搬送枚数と後述する原稿総枚数がメモリーに記憶されている場合は、これをそれぞれ削除(初期化)する(S41)。そして、最終原稿判断部73は、ピックアップローラー52によって原稿が繰り出される度に、搬送した原稿の枚数をカウントアップし、当該カウントアップした後の枚数を搬送枚数としてメモリーに記憶する(S42)。そして、最終原稿判断部73は、原稿検出センサー91によって原稿トレイ51に原稿が載置されているか否かを検出させる(S43)。
ステップS43において、原稿検出センサー91からローレベルの検出信号が出力されないことによって、原稿トレイ51に原稿が載置されていないことが検出された場合(S43;NO)、つまり、原稿トレイ51に載置されていた原稿の全てがピックアップローラー52によって繰り出された場合、最終原稿判断部73は、ステップS42でメモリーに記憶した搬送枚数を原稿の総枚数(原稿総枚数)を示すものとしてメモリーに記憶する(S44)。ステップS43において、原稿検出センサー91からローレベルの検出信号が出力されることによって、原稿トレイ51に原稿が載置されていることが検出された場合(S43;YES)、つまり、ピックアップローラー52によって繰り出されていない原稿が原稿トレイ51に存在する場合は、最終原稿判断部73は、ステップS42に戻って搬送した原稿の枚数をカウントする。
図5に戻り、ステップS21が実行された後、搬送中の原稿である搬送原稿の先端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されるまでの間(S22;NO)、モーター制御部71による各種ローラー52,53,54,55の駆動用モーターの駆動によって、原稿の搬送が行われる。そして、搬送中の原稿である搬送原稿の先端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されると(S22;YES)、コントローラー7は、画像読取部4によって当該搬送原稿の画像の読み取りを開始させ、また、読取時間計測部75は、例えば、図略のタイマー回路等を用いて、当該ステップS22において搬送原稿の先端が読取位置413に到達したことが検出された時点からの経過時間の計測を開始する。つまり、これによって、読取時間計測部75は、当該搬送原稿の実読取時間の計測を開始する(S23)。
次に、搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されると(S24;YES)、異常検出部74は、例えば、図略のタイマー回路等を用いて、当該ステップS24において搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが検出された時点からの経過時間の計測を開始する(S25)。また、読取時間計測部75は、当該搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが検出された時点で、ステップS23において計測を開始した経過時間の計測を終了し、当該計測結果の経過時間を当該搬送原稿の実読取時間として読取時間記憶部76に記憶する(S26)。
次に、最終原稿判断部73は、並行して行われている原稿搬送状況記憶処理によってメモリーに原稿総枚数が記憶されていない場合は(S27;NO)、並行してステップS44(図6)の処理が行われていず、つまり、ステップS43(図6)において原稿が原稿トレイ51に載置されていることが検出されている状況(S43;YES)であるため、搬送原稿が最終の原稿ではないと判断する。
そして、異常検出部74は、最終原稿判断部73によって搬送原稿が最終の原稿ではないと判断された場合において(S27;NO)、ステップS25で計測を開始した経過時間の計測値が予め定められた読取制限時間を超えていたときは(S28;YES)、搬送原稿の画像の読み取り中に異常が発生したものと判断して、例えば、異常の発生を検出したことを示す旨のメッセージを表示部363に表示する等して、当該異常の発生を検出したことをユーザーに報知するとともに、検出履歴記憶部81に記憶されている異常の発生を検出した累積回数をカウントアップして(S35)、原稿の画像の読取動作を終了する。
一方、ステップS28において、ステップS25で計測が開始された経過時間の計測値が読取制限時間を超えていない場合であって(S28;NO)、搬送検出部72によって搬送原稿の次の原稿である次原稿の先端が読取位置413に到達したことが検出されない間は(S29;NO)、ステップS28に戻ることを繰り返す。そして、ステップS29において、搬送検出部72によって、次原稿の先端が読取位置413に到達したことが検出された場合は(S29;YES)、第一読取判断部77は、搬送原稿の画像の読み取りが完了したものとして、読み取りが完了した原稿の枚数をカウントアップし、当該カウントアップした枚数を読取完了枚数としてメモリーに記憶する(S30)。
そして、読取時間計測部75は、当該ステップS29において次原稿の先端が読取位置413に到達したことが検出された時点からの経過時間の計測を開始する。つまり、これによって、読取時間計測部75は、当該次原稿の実読取時間の計測を開始する(S31)。そして、第一読取判断部77は、ステップS29で先端の到達が検出された次原稿(搬送原稿の次の原稿)を搬送原稿として処理をステップS24に移行する。搬送検出部72は、当該ステップS24において、当該新たに搬送原稿とされた原稿の後端が読取位置413に到達したか否かの検出を行う。尚、これ以降に行われるステップS26では、ステップS31で計測を開始した経過時間の計測値が実読取時間として用いられる。
また、ステップS27において、並行して行われている原稿搬送状況記憶処理によってメモリーに原稿総枚数が記憶されていた場合、つまり、原稿トレイ51に載置された全ての原稿がピックアップローラー52によって繰り出された場合であっても(S27;YES)、メモリーに記憶されている読取完了枚数に、ステップS22で原稿の先端の到達が確認された原稿による1枚分を加算した枚数が、メモリーに記憶されている原稿総枚数未満になるときがある(S32;YES)。例えば、原稿の大きさが小さく、原稿トレイ51に載置された全ての原稿がピックアップローラー52によって繰り出されてはいるが、搬送経路上に複数枚の原稿が存在している状態で、搬送中の原稿が読取位置413に到達したようなときである。したがって、最終原稿判断部73は、このようなときも(S32;YES)、搬送原稿が最終原稿ではないと判断する。
そして、異常検出部74は、最終原稿判断部73によって搬送原稿が最終の原稿ではないと判断された場合において(S32;YES)、ステップS25で計測が開始された経過時間の計測値が予め定められた読取制限時間を超えていたときは(S28;YES)、搬送原稿の画像の読み取り中に異常が発生したものと判断して、当該異常の発生を検出したことをユーザーに報知するとともに、検出履歴記憶部81に記憶されている異常の発生を検出した累積回数をカウントアップし(S35)、原稿の画像の読取動作を終了する。
一方、ステップS27において、最終原稿判断部73は、並行して行っている原稿搬送状況記憶処理によってメモリーに原稿総枚数を記憶した場合であって(S27;YES)、メモリーに記憶されている読取完了枚数に、ステップS22で原稿の先端の到達が確認された原稿1枚分を加算した枚数が、当該メモリーに記憶されている原稿総枚数に達しているときには(S32;NO)、搬送原稿が最終原稿であると判断する。
そして、最終原稿判断部73によって搬送原稿が最終原稿であると判断された場合において(S32;NO)、ステップS26で読取時間計測部75によって読取時間記憶部76に記憶された当該最終原稿に対応する実読取時間が、所定の原稿1枚当りの読取時間よりも短いときには(S33;YES)、異常検出部74は、例えば、当該最終原稿の画像の読み取りが開始されてから、開閉カバー50が開かれることによってレジストローラー54が振動し、最終原稿が正常な搬送方向とは異なる方向にずれて読取位置413に搬送される等に起因して、途中で読み取りの処理が終了してしまったものとして、異常が発生したことを検出する。そして、異常検出部74は、当該異常の発生を検出したことをユーザーに報知するとともに、検出履歴記憶部81に記憶されている異常の発生を検出した累積回数をカウントアップし(S34)、原稿の画像の読取動作を終了する。
尚、異常検出部74は、ステップS33の実行前に、ステップS26の実行によって読取時間記憶部76に記憶された、最終原稿より前に搬送された原稿に対応する実読取時間のうち、最小値の実読取時間を、ステップS33で用いる原稿1枚当りの読取時間として設定する。ただし、これに限らず、異常検出部74は、ステップS33の実行前に、ステップS26の実行によって読取時間記憶部76に記憶された、最終原稿より前に搬送された原稿に対応する実読取時間の平均値を、ステップS33で用いる原稿1枚当りの読取時間として設定するように構成してもよい。
また、原稿1枚当たりの読取時間を原稿の読取中に設定するのではなく、原稿の読取前に予め設定しておいてもよい。例えば、試験運転等の実験値に基づいて、ある基準となる大きさ(例えば、A4)の原稿を原稿搬送部5によって搬送させた場合に、原稿の先端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されてから、その原稿の後端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されるまでの時間をROMに予め記憶しておき、異常検出部74は、ステップS33の実行前に、当該ROMに記憶されている時間を読み出して、ステップS33で用いる原稿1枚当りの読取時間として用いるように構成してもよい。
一方、ステップS33において、ステップS26で読取時間計測部75によって読取時間記憶部76に記憶された当該最終原稿に対応する実読取時間が、所定の原稿1枚当りの読取時間以上であるときには(S33;NO)、第一読取判断部77は、最終原稿の画像の読み取りが完了したものとして、原稿の画像の読取動作を終了する。
図7は、第二読取モードにおける原稿搬送部5及び画像読取部4を用いた原稿の画像の読取動作の一例を示すフローチャートである。また、図8は、読取復旧処理の一例を示すフローチャートである。図7に示すように、ステップS6(図4)において、第二読取モードでの原稿の画像の読取動作が開始されると、モーター制御部71は、各種ローラー52,53,54,55の駆動用モーターの駆動を開始し、原稿トレイ51の最上部の原稿の給紙を開始する(S51)。
ステップS51が実行された後、最終原稿判断部73は、後述のステップS52以降の処理と並行して、図6に示した原稿搬送状況記憶処理を開始する。
ステップS51が実行された後、搬送中の原稿である搬送原稿の先端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されるまでの間(S52;NO)、モーター制御部71による各種ローラー52,53,54,55の駆動用モーターの駆動によって、原稿の搬送が行われる。そして、搬送中の原稿である搬送原稿の先端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されると(S52;YES)、異常検出部74は、読取位置413に到達した原稿の枚数をカウントアップし、当該カウントアップした後の枚数を読取開始枚数としてメモリーに記憶する(S53)。また、コントローラー7は、画像読取部4によって当該搬送原稿の画像の読み取りを開始させる(S54)。尚、コントローラー7は、画像読取部4によって、読取位置413で読み取られた画像を1ライン分ずつ画像記憶部70に記憶する。
また、読取時間計測部75は、例えば、図略のタイマー回路等を用いて、当該ステップS52において搬送原稿の先端が読取位置413に到達したことが検出された時点からの経過時間の計測を開始する。つまり、これによって、読取時間計測部75は、当該搬送原稿の実読取時間の計測を開始する(S55)。
そして、搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されると(S56;YES)、異常検出部74は、例えば、図略のタイマー回路等を用いて、当該ステップS56において搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが検出された時点からの経過時間の計測を開始し(S57)、第二読取判断部78は、搬送原稿の画像の読み取りが完了したものと判断して、読み取りが完了した原稿の枚数をカウントアップし、当該カウントアップした枚数を読取完了枚数としてメモリーに記憶する(S58)。また、読取時間計測部75は、当該搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが検出された時点で、ステップS55において計測を開始した経過時間の計測を終了し、当該計測結果の経過時間を当該搬送原稿の実読取時間として読取時間記憶部76に記憶する(S59)。
次に、最終原稿判断部73は、並行して行われている原稿搬送状況記憶処理によってメモリーに原稿総枚数が記憶されていない場合は(S60;NO)、並行してステップS44(図6)の処理が行われていず、つまり、ステップS43(図6)において原稿が原稿トレイ51に載置されていることが検出されている状況(S43;YES)であるため、搬送原稿が最終の原稿ではないと判断する。
また、ステップS60において、並行して行われている原稿搬送状況記憶処理によってメモリーに原稿総枚数が記憶されていた場合(S60;YES)、つまり、原稿トレイ51に載置された全ての原稿がピックアップローラー52によって繰り出された場合であっても、メモリーに記憶されている読取開始枚数が、メモリーに記憶されている原稿総枚数未満になるときがある(S63;YES)。例えば、原稿の大きさが小さく、原稿トレイ51に載置された全ての原稿がピックアップローラー52によって繰り出されてはいるが、搬送経路上に複数枚の原稿が存在している状態で、搬送中の原稿が読取位置413に到達したようなときである。したがって、最終原稿判断部73は、このようなときも(S63;YES)、搬送原稿が最終原稿ではないと判断する。
一方、最終原稿判断部73は、ステップS60において、並行して行われている原稿搬送状況記憶処理によってメモリーに原稿総枚数が記憶されていた場合であって(S60;YES)、メモリーに記憶されている読取開始枚数が、メモリーに記憶されている原稿総枚数に達しているときには(S63;NO)、搬送原稿が最終原稿であると判断する。
そして、最終原稿判断部73によって搬送原稿が最終の原稿であると判断された場合には(S63;NO)、コントローラー7は、原稿の画像の読取動作を終了する。
一方、最終原稿判断部73によって搬送原稿が最終の原稿ではないと判断された場合(S60;NO又はS63;YES)、異常検出部74は、ステップS57で計測を開始した経過時間の計測値が予め定められた読取制限時間を超えているか否かを判定する(S61)。
異常検出部74は、ステップS61において、ステップS57で計測を開始した経過時間の計測値が予め定められた読取制限時間を超えていないと判定したときにおいて(S61;NO)、搬送検出部72によって搬送原稿の次の原稿である次原稿の先端が読取位置413に到達したことが検出されていないときは(S62;NO)、再びステップS61の判定処理を行う。そして、ステップS61において、ステップS57で計測を開始した経過時間の計測値が読取制限時間を超えていないと判定され(S61;NO)、且つ、ステップS62において、搬送検出部72によって、次原稿の先端が読取位置413に到達したことが検出されたときには(S62;YES)、コントローラー7は、当該ステップS62で先端の到達が検出された次原稿(搬送原稿の次の原稿)を搬送原稿として処理をステップS53に移行する。
一方、異常検出部74は、ステップS61において、ステップS57で計測を開始した経過時間の計測値が予め定められた読取制限時間を超えていると判定したときには(S61;YES)、搬送原稿の画像の読み取り中に異常が発生したものと判断して、当該異常の発生を検出したことをユーザーに報知するとともに、検出履歴記憶部81に記憶されている異常の発生を検出した累積回数をカウントアップする(S64)。
このとき、ステップS54でメモリーに記憶された読取開始枚数は、ステップS64で異常検出部74によって異常が発生したことが検出されたときの搬送原稿が原稿トレイ51に載置された原稿のうちの何枚目の原稿であるかを示していると考えられる。そこで、異常検出部74は、当該読取開始枚数を、異常発生原稿を特定する情報としてメモリーに記憶し、これによって、異常発生原稿を特定する(S65)。
ステップS65が実行されると、コントローラー7は、復旧処理実行部79によって後述の読取復旧処理を実行させた後(S66)、原稿の画像の読み取り動作を終了する。
次に、復旧処理実行部79によって実行される読取復旧処理について詳述する。図8に示すように、復旧処理実行部79は、ステップS66(図7)の読取復旧処理を開始すると、原稿トレイ51に載置されていたものと同一の複数枚の原稿を再び原稿トレイ51に載置させることを促す画面を表示部363に表示し、これによって、同一の複数枚の原稿を再び原稿トレイ51に載置させるようユーザーに案内する(S71)。
その後、復旧処理実行部79は、原稿検出センサー91によって原稿トレイ51に原稿が載置されているか否かを検出させ(S72)、原稿検出センサー91からローレベルの検出信号が出力されることによって、原稿トレイ51に原稿が載置されていることが検出された場合は(S72;YES)、再び同一の複数枚の原稿が原稿トレイ51に載置されたものとして、ステップS51(図7)と同様に、原稿トレイ51の最上部の原稿の給紙を開始させる(S73)。
そして、復旧処理実行部79は、搬送中の原稿である搬送原稿の先端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出される度に(S74;YES)、読取位置413に先端が到達した原稿の枚数をカウントアップし、当該カウントアップした後の枚数を復旧時搬送枚数としてメモリーに記憶する(S75)。
そして、復旧処理実行部79は、ステップS75においてメモリーに記憶された復旧時搬送枚数が、ステップS65(図7)においてメモリーに記憶された異常発生原稿を特定する情報が示す枚数に一致するか否かを判定する。つまり、これによって、復旧処理実行部79は、当該搬送原稿が異常発生原稿であるか否かを判定する(S76)。
復旧処理実行部79は、ステップS76において、復旧時搬送枚数が、異常発生原稿を特定する情報が示す枚数に一致しないと判定した場合、つまり、当該搬送原稿が異常発生原稿ではないと判定した場合には(S76;NO)、画像読取部4に当該搬送原稿を読み取らせることなく、ステップS73に戻って、当該搬送原稿の次の原稿の給紙を開始させる。
一方、復旧処理実行部79は、ステップS76において、復旧時搬送枚数が、異常発生原稿を特定する情報が示す枚数に一致すると判定した場合、つまり、当該搬送原稿が異常発生原稿であると判定した場合には(S76;YES)、ステップS75においてメモリーに記憶された復旧時搬送枚数を、読取開始枚数としてメモリーに記憶し(S77)、画像読取部4によって当該異常発生原稿の画像の読み取りを開始させる(S78)。尚、復旧処理実行部79は、画像読取部4によって読取位置413で読み取られた異常発生原稿の画像を1ライン分ずつメモリーに記憶する。
また、読取時間計測部75は、例えば、図略のタイマー回路等を用いて、ステップS74において異常発生原稿の先端が読取位置413に到達したことが検出された時点からの経過時間の計測を開始する。つまり、これによって、読取時間計測部75は、異常発生原稿の実読取時間の計測を開始する(S79)。
そして、異常発生原稿の後端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されると(S80;YES)、読取画像置換部80は、当該検出時点において読取時間計測部75によって計測されている経過時間、つまり、当該読取復旧処理における異常発生原稿の実読取時間が、当該読取復旧処理の実行前にステップS59(図7)で読取時間記憶部76に記憶された当該異常発生原稿の実読取時間と一致するか否かを判断する(S81)。
そして、読取画像置換部80は、ステップS81において、当該読取復旧処理における異常発生原稿の実読取時間が、当該読取復旧処理の実行前にステップS59(図7)で読取時間記憶部76に記憶された当該異常発生原稿の実読取時間と一致しないと判断した場合は(S81;NO)、当該読取復旧処理の実行前に画像記憶部70に記憶された当該異常発生原稿に対応する画像を、メモリーに記憶されている、当該読取復旧処理において画像読取部4によって読み取られた異常発生原稿の画像に置き換える(S82)。
また、読取画像置換部80は、ステップS82を実行した場合は、読取時間記憶部76に記憶されている当該異常発生原稿に対応する実読取時間を、ステップS80で異常発生原稿の後端が読取位置413に到達したことが検出された時点において読取時間計測部75によって計測されている経過時間、つまり、当該読取復旧処理における異常発生原稿の実読取時間に置き換える(S83)。
そして、復旧処理実行部79は、ステップS83の実行後、ステップS60(図7)に処理を移行し、読み取りが完了していない残りの原稿である、異常発生原稿の次の原稿からの原稿の画像を読み取らせる。
一方、読取画像置換部80は、ステップS81において、当該読取復旧処理における異常発生原稿の実読取時間が、当該読取復旧処理の実行前にステップS59(図7)で読取時間記憶部76に記憶された当該異常発生原稿の実読取時間と一致すると判断した場合は(S81;YES)、当該読取復旧処理の実行前に画像記憶部70に記憶された当該異常発生原稿に対応する画像を置き換えることなくそのままにして、ステップS60(図7)に処理を移行する。
つまり、本実施形態に係る複合機1は、原稿トレイ51と、画像読取部4と、原稿検出センサー91と、アクチュエーター92と、読取検出センサー93と、原稿搬送部5と、画像記憶部70と、搬送検出部72と、最終原稿判断部73と、異常検出部74と、読取時間計測部75と、読取時間記憶部76と、第一読取判断部77と、第二読取判断部78と、復旧処理実行部79と、読取画像置換部80と、検出履歴記憶部81と、モード選択部82と、を備えて、本発明に係る画像形成装置を構成する。
ところで、搬送原稿の先端が読取位置413に到達することによって、画像読取部4によって搬送原稿の画像の読み取りが開始されるようになってから、開閉カバー50が開かれることによって、例えば、レジストローラー54が振動し、原稿が正常な搬送方向とは異なる方向にずれて読取位置413に搬送されたり、或いは、搬送原稿が正常に読取位置413に搬送されてはいるが、読取位置413に装置外部からの光が紛れ込んだり等して、原稿の画像を正常に読み取ることができない状態になる虞がある。
上記実施形態の構成によれば、最終原稿判断部73によって搬送原稿が最終原稿ではないと判断された場合において(ステップS27でNO若しくはステップS32でYES、
又は、ステップS60でNO若しくはステップS63でYES)、上記のように、搬送原稿の画像の読み取り途中で開閉カバー50が開かれたままの状態であることによって、搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが検出されたときから読取制限時間が経過するまでの間に、次原稿の先端が読取位置413に到達しないときには(ステップS29でNO且つステップS28でYES、又は、ステップS62でNO且つステップS61でYES)、異常検出部74によって異常が発生したことが検出される(ステップS35又はステップS64)。つまり、開閉カバー50の開閉状態を検知するための開閉検知センサーを設けなくても、上記のように、原稿の画像を正常に読み取ることができない状態を、異常が発生した状態として適切に検出することができる。
また、モード選択部82によって第一読取モードが選択された場合は(ステップS2)、第一読取判断部77によって搬送原稿の画像の読み取りが完了したことが判断される。ここで、第一読取判断部77は、最終原稿判断部73によって搬送原稿が最終原稿ではないと判断され(ステップS27でNO又はステップS32でYES)、且つ、搬送検出部72によって搬送原稿の先端が読取位置413に到達したことが検出され(ステップS22でYES)、画像読取部4によって搬送原稿の画像の読み取りが開始されるようになった場合において、異常検出部74によって異常が検出されないまま、次原稿の先端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されたときに(ステップS28でNO、ステップS29でYES)、画像読取部4による搬送原稿の画像の読み取りが完了したものと判断する(ステップS30)。
つまり、モード選択部82によって第一読取モードが選択された場合は、異常検出部74によって異常が検出されないまま、次原稿の先端が読取位置413に到着して、画像読取部4によって次原稿の画像の読み取りが開始されるようになったことによって、次原稿の前の搬送原稿の画像の読み取りが正常に完了したことを確実に判断することができる。これによって、搬送原稿の画像の読み取りが正常に完了していない状態で誤って読み取りの完了であると判断することが回避される。従って、開閉カバー50が開放されて原稿の画像を正常に読み取ることができない状態で誤って原稿の画像を読み取る虞を低減することができる。
一方、モード選択部82によって第二読取モードが選択された場合は(ステップS3)、第二読取判断部78によって搬送原稿の画像の読み取りが完了したことが判断される。ここで、第二読取判断部78は、最終原稿判断部73によって搬送原稿が最終原稿ではないと判断され(ステップS60でNO又はステップS63でYES)、且つ、搬送検出部72によって搬送原稿の先端が読取位置413に到達したことが検出され(ステップS52でYES)、画像読取部4によって搬送原稿の画像の読み取りが開始されるようになった場合において(ステップS54)、搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが搬送検出部72によって検出されたときに(ステップS56でYES)、画像読取部4による搬送原稿の画像の読み取りが完了したものと判断する(ステップS58)。
つまり、モード選択部82によって第二読取モードが選択された場合は、搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが検知された時点で搬送原稿の画像の読み取りが完了したものと判断されるので、モード選択部82によって第一読取モードが選択された場合に比して、搬送原稿の画像の読み取りが完了したことを早めに判断し、迅速に搬送原稿の画像の読み取りを完了することができる。
また、モード選択部82によって第二読取モードが選択された場合において、上記のように搬送原稿の画像を読み取っている途中で開閉カバー50が開かれると、例えば、レジストローラー54が振動し、搬送原稿が正常な搬送方向とは異なる方向にずれて読取位置413に搬送されたことに起因して、通常よりも早めに搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが検出される虞がある。この場合、当該搬送原稿の画像の読み取り途中であっても、搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが検出された時点でその読み取りが完了したものと判断され、その後、異常検出部74によって異常の発生が検出されることとなる。
つまり、モード選択部82によって第二読取モードが選択された場合において、異常検出部74によって異常の発生が検出されたときには、当該異常が発生したときの搬送原稿の画像は途中までしか読み取られていなかったとしても読み取りの処理は完了している。このため、本複合機1では、モード選択部82によって第一読取モードが選択された場合に比して早い時点で、当該異常が発生したときの搬送原稿以降の原稿を再び原稿トレイ51に載置して読み取り直す動作に移行する。その結果、迅速に、複数枚の原稿の画像の読み取りを完了させることができる。
このように、本複合機1では、モード選択部82によって第一読取モードを選択するか、又は、第二読取モードを選択するかによって、開閉カバー50が開放されて原稿の画像を正常に読み取ることができない状態で誤って原稿の画像を読み取る虞を低減することを優先するか、迅速に複数枚の原稿を読み取ることを優先するかを選択することができる。
また、上記実施形態の構成によれば、モード選択部82によって第二読取モードが選択された場合において(ステップS3)、異常検出部74によって異常が発生したことが検出されたときには(ステップS64)、復旧処理実行部79によって読取復旧処理が実行される(ステップS66)。そして、読取復旧処理において、読取時間計測部75によって計測された異常発生原稿に対応する実読取時間が、読取時間記憶部76に記憶されている異常発生原稿に対応する実読取時間と一致しないときには(ステップS81でNO)、異常発生原稿を読取復旧処理によって読み取った画像が、読取復旧処理の実行前に画像記憶部70に記憶された異常発生原稿に対応する画像と同一でないものとして、画像記憶部70に記憶されている異常発生原稿に対応する画像が、読取復旧処理によって異常発生原稿を読み取った画像に置き換えられる(ステップS82)。
つまり、ステップS81によって、異常の発生が検出される前後で異常発生原稿を読み取ったときの実読取時間が一致するか否か、即ち、当該異常発生原稿を読み取った画像の搬送方向の長さが一致するか否かを条件として、異常発生前後で異常発生原稿を読み取った画像が同一であるか否かが適切に判断される。
また、モード選択部82によって第二読取モードが選択された場合において、例えば、搬送原稿の画像を読み取っている途中で開閉カバー50が開かれることによって、通常よりも早めに搬送原稿の後端が読取位置413に到達したことが検出され、これによって、当該搬送原稿の画像の読み取りが途中までしか行われていない状態で異常の発生が検出されたとしても、読取復旧処理を実行することによって、迅速に、異常発生原稿である当該搬送原稿以降の原稿の画像を読み取り直すことができる。
また、読取復旧処理によって異常発生原稿を読み取った画像が、画像記憶部70に記憶された異常発生原稿に対応する画像と同一でない場合、異常の発生が検出される前に異常発生原稿の画像の読み取りが正常に完了していなかったと考えられるので、このような場合には、読取復旧処理によって読み取った異常発生原稿の画像を画像記憶部70に記憶し直すことができる。これによって、複数枚の原稿の画像を確実に読み取って画像記憶部70に記憶することができる。
また、上記実施形態の構成によれば、原稿の搬送中に異常が発生する頻度が高い場合であるか否かを、検出履歴記憶部81に記憶された履歴を用いて判別することができる(ステップS1)。そして、原稿の搬送中に異常が発生する頻度が高いと判別したときには(ステップS1でYES)、モード選択部82によって第一読取モードが選択される(ステップS2)。
つまり、原稿の搬送中に異常が発生する頻度が高く、原稿の画像を読み取り直す機会が多い場合は、その後、原稿の画像を読み取り直すことに煩わしさを感じる虞が高いと考えられるが、このような場合に第一読取モードを選択して、読み取りに失敗した画像に基づき用紙に画像を形成する虞を低減することによって、原稿の画像を読み取り直す機会を低減して、原稿の画像を読み取り直すことに煩わしさを感じる虞を低減することができる。
また、ステップS1において、原稿の搬送中に異常が発生する頻度が低いと判別したときには(ステップS1でNO)、モード選択部82によって第二読取モードが選択される(ステップS3)。
つまり、原稿の搬送中に異常が発生する頻度が低く、原稿の画像を読み取り直す機会が少ない場合は、原稿の画像を読み取り直すことに煩わしさを感じる虞は低いと考えられるので、このような場合に第二読取モードを選択して、迅速に、原稿の画像を読み取ることができる。
また、上記実施形態の構成によれば、モード選択部82によって第一読取モードが選択された場合には、開閉カバー50が開放されて原稿の画像を正常に読み取ることができない状態で誤って原稿の画像を読み取る虞を低減することができる。このため、画像形成部25によって、誤って読み取った画像を用いて用紙に画像を形成させる虞を低減することができ、これによって、用紙を無駄に消費する虞を低減することができる。また、モード選択部82によって第二読取モードが選択された場合には、迅速に複数枚の原稿を読み取らせることができる。このため、複数枚の原稿の画像の読み取りを開始してから、当該複数枚の原稿の画像を読み取った画像を用紙に形成し終えるまでに要する時間を低減することができる。
尚、上記実施形態において図1乃至図8に示した構成及び設定は単なる一例に過ぎず、本発明を当該実施形態に限定する趣旨ではない。
例えば、図8に示す読取復旧処理において、読取画像置換部80は、ステップS81(図8)において、異常発生原稿に対応する実読取時間が読取時間記憶部76に記憶されている異常発生原稿に対応する実読取時間と一致すること(第一条件)を満たすか否かを判定する処理に加えて、ステップS78からステップS80によって異常発生原稿を読み取った画像に対して画像処理部83によって画像処理を行わせるとともに、ステップS64(図7)で異常の発生が検出される前に、画像記憶部70に記憶された異常発生原稿を読み取った画像に対しても画像処理部83によって画像処理を行わせるように構成してもよい。そして、画像処理を施した2つの画像に関わる情報が一致すること(第二条件)を満たすか否かを判定する処理を更に行うように構成してもよい。尚、画像処理を施した画像に関わる情報とは、例えば、画像処理として圧縮処理を行った場合は、圧縮処理後の画像のデータサイズを示し、画像処理として画像の濃度分布の解析処理を行った場合は、その解析結果である濃度分布を示す。
そして、このように構成したステップS81において、第一条件及び第二条件をともに満たす場合には、画像記憶部70に記憶されている異常発生原稿に対応する画像を、ステップS78からステップS80によって異常発生原稿を読み取った画像に置き換えることなく、そのままステップS60に処理を移行する一方、第一条件及び第二条件のうちの一つ以上の条件を満たさない場合には、ステップS82に処理を移行して、画像記憶部70に記憶されている異常発生原稿に対応する画像を、ステップS78からステップS80によって異常発生原稿を読み取った画像に置き換えるように構成してもよい。
この構成によれば、当該変更されたステップS81によって、第一条件と第二条件とをともに満たすことを条件として、異常発生前後で異常発生原稿の一枚前の原稿を読み取った画像が同一であることの判断を行うため、第一条件を満たすことだけを条件として当該判断を行う場合に比して、当該判断の精度を向上することができる。
または、読取時間計測部75及び読取時間記憶部76を備えない簡素化した構成とし、図5に示す第一読取モードにおける原稿の画像の読取動作において、ステップS23と、ステップS31と、ステップS26と、ステップS33と、ステップS34と、を実行しないように簡素化して構成してもよい。また、これに合わせて、図7に示すステップS55及びステップS59、並びに、図8に示すステップS79及びステップS83を実行しないように簡素化して構成してもよい。更に、これに合わせて、読取画像置換部80は、上記のステップS81に代えて、ステップS78からステップS80によって異常発生原稿を読み取った画像に対して画像処理部83によって画像処理を行わせるとともに、ステップS64で異常の発生が検出される前に、画像記憶部70に記憶された異常発生原稿を読み取った画像に対しても画像処理部83によって画像処理を行わせ、当該画像処理を施した2つの画像に関わる情報が一致することを満たすか否かを判定するように構成してもよい。尚、画像処理を施した画像に関わる情報とは、例えば、画像処理として圧縮処理を行った場合は、圧縮処理後の画像のデータサイズを示し、画像処理として画像の濃度分布の解析処理を行った場合は、その解析結果である濃度分布を示す。
この変更されたステップS81によれば、異常発生前後で異常発生原稿を読み取った画像に画像処理を施した画像に関わる情報(例えば、読み取った画像に圧縮処理を施した後のデータサイズや、読み取った画像の濃度分布等)が一致するか否かを条件として、異常発生前後で異常発生原稿を読み取った画像が同一であるか否かを適切に判断することができる。
また、原稿搬送経路上に同時に複数枚の原稿が存在しない構成とし、図5に示す第一読取モードにおける原稿の画像の読取動作において、最終原稿判断部73が、ステップS32及び原稿搬送記憶処理(図6)を実行せず、ステップS27においてメモリーに原稿総枚数が記憶されているか否かを判定する代わりに、ステップS43(図6)と同様、原稿検出センサー91によって原稿トレイ51に原稿が載置されているか否かを検出するように構成してもよい。そして、最終原稿判断部73は、当該ステップS27において、原稿検出センサー91によって原稿トレイ51に原稿が載置されていることが検出された場合には、搬送原稿が最終原稿ではないと判断するように構成してもよい。
これと同様に、原稿搬送経路上に同時に複数枚の原稿が存在しない構成とし、図7に示す第二読取モードにおける原稿の画像の読取動作において、最終原稿判断部73が、ステップS63及び原稿搬送記憶処理(図6)を実行せず、ステップS60においてメモリーに原稿総枚数が記憶されているか否かを判定する代わりに、ステップS43(図6)と同様、原稿検出センサー91によって原稿トレイ51に原稿が載置されているか否かを検出するように構成してもよい。そして、最終原稿判断部73は、当該ステップS60において、原稿検出センサー91によって原稿トレイ51に原稿が載置されていることが検出された場合には、搬送原稿が最終原稿ではないと判断するように構成してもよい。
また、アクチュエーター92は、図2に示す、原稿の搬送方向においてレジストローラー54よりも上流側に設けられる構成に限らず、例えば図9に示すように、原稿の搬送方向においてレジストローラー54よりも下流側に設けられる構成であってもよい。これに合わせて、読取検出センサー93は、図9の点線部に示すように、アクチュエーター92の一端が原稿の搬送動作に伴って下方に回動した状態にあるときの、アクチュエーター92の他端と同じ高さの位置に設けるように構成してもよい。
図2に示すように、アクチュエーター92及び読取検出センサー93が配置されている場合には、アクチュエーター92の一端に原稿の先端が触れた後、原稿の後端がアクチュエーター92の一端に触れなくなるまでの間に開閉カバー50が開かれたときに、原稿が浮き上がって、アクチュエーター92の一端が原稿に触れなくなり、図2の実線に示す状態に戻る虞がある。この場合、読取検出センサー93は、通常よりも早く原稿の後端がアクチュエーター92の位置に到達したものとして誤って検出することとなり、これによって、搬送検出部72は、通常よりも早く原稿の後端が読取位置413に到達したものと誤って検出する虞がある。
これに対して、図9に示すように、アクチュエーター92及び読取検出センサー93が配置されている場合には、アクチュエーター92の一端に原稿の先端が触れた後、原稿の後端がアクチュエーター92の一端に触れなくなるまでの間に開閉カバー50が開かれたとしても、原稿はレジストローラー54とこれに対峙するコロによって挟み込まれた状態になるため、アクチュエーター92の一端が原稿に触れなくなる状態(図9の実線に示す状態)に戻る虞は低減される。これによって、読取検出センサー93が、通常よりも早く原稿の後端がアクチュエーター92の位置に到達したものとして誤って検出する虞が軽減されるので、搬送検出部72による原稿の後端が読取位置413に到達したことの検出精度を向上することができる。
また、各種信号がハイレベル又はローレベルである場合に示される情報が、上記実施形態とは反対の意味を示すように構成してもよい。
また、上記のステップS1に代えて、モード選択部82は、第一読取モード又は第二読取モードの何れかをユーザーによって選択入力させる画面を表示部363に表示し、ユーザーによって選択入力された内容に従って、第一読取モード又は第二読取モードを選択するように構成してもよい。そして、これに合わせて、検出履歴記憶部81を備えない構成とし、図5に示すステップS34及びステップS35、並びに、図7に示すステップS64における、検出履歴記憶部81に記憶されている異常の発生を検出した累積回数をカウントアップする処理を行わないように簡素化して構成してもよい。
また、復旧処理実行部79及び読取画像置換部80を備えない簡素化した構成とし、これに合わせて、ステップS66を行わないように簡素化して構成してもよい。これに合わせて、異常検出部74は、例えば、ステップS65において、異常発生原稿を特定する情報として読取開始枚数をメモリーに記憶する処理に代えて、原稿トレイ51に載置されていた複数枚の原稿のうち、当該読取開始枚数目の原稿の搬送中に異常が発生したため、当該読取開始枚数目の原稿から最終原稿までの原稿を再び原稿トレイ51に載置して読み取り直させることをユーザーに促す画面を表示部363に表示するように構成してもよい。
尚、上記実施形態においては、本発明に係る画像形成装置の一例として複合機を例に説明したが、本発明は、プリンター、コピー機、スキャナー、或いはFAX等の画像形成装置にも適用可能である。