JP5912792B2 - 保育器 - Google Patents
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Description
このような切換型の保育器は、フードの側壁部が、左右に配置される左右側処置扉及び頭側・足側に配置される端部側処置扉の4面の壁部で構成されており、キャノピーが、これら4面の処置扉で構成されたフード側壁部と嵌合することにより閉鎖型保育器の状態となる。また、左右側処置扉及び足側処置扉は下方に倒すことにより個々の処置扉が別々に開放され得るように構成される。そして、児収容室の側方の一部又は三方の処置扉を開放状態として、児に対する診察、処置などを任意の方向から行えるようになっている。
なお、端部側処置扉は、児の向きにより足側と頭側とが設定される。
また、キャノピーパッキンにより端部側処置扉を起立状態に保持でき、左右側処置扉を開放状態とした際にも、端部側処置扉の開放方向への移動を規制して不用意に開閉されることを防止することができる。
この場合、閉鎖状態においては凸条部により端部側処置扉が児処置室内方側に付勢され、キャノピーと端部側処置扉との間のシール性を高めることができるとともに、端部側処置扉が不用意に開閉されることを防止することができる。
凸条部よりも高く形成された突出部により、端部側処置扉に対して二重に壁が立設した構造としており、閉鎖時において端部側処置扉が不用意に開放されることを確実に防止することができる。
[保育器の全体構成]
保育器1は、図9〜図11に全体を示したように、キャスター2により移動自在な架台3と、この架台3の上に垂直に立設された支柱4と、この支柱4の上端に設けられたフレーム5と、このフレーム5の上に設置された基台6と、この基台6の上に設けられ児収容室7を囲むフード8と、フレーム5の一端部でフード8の側方位置に垂直に設けられた2本のガイド柱9,10と、これらガイド柱の一方(ガイド柱10)の上端に設けられた加熱器11とを備えており、ガイド柱の他方(ガイド柱9)の上端には、フード8の天井を構成するキャノピー(天蓋)12が取り付けられている。
支柱4は内部にフレーム5を上下移動する昇降機構を内蔵しており、架台3の側部に、昇降機構を操作するためのペダル13が設けられている。
また、図9〜図11ではキャノピー12を下降させてフード8を閉じた状態、図13はキャノピー12を上昇させて児収容室7の上方を開放した状態を示している。また、この図13においては、加熱器11も上昇させ、児収容室7を加熱した状態を示している。
このように、この保育器1は、図9〜図11に示す閉鎖型保育器、及び図13に示す開放型保育器の両方の形態の機能を有している。
また、児収容室7内の床板16の上には、児を載せる臥床台15が設けられている。この臥床台15は、長さ方向の中央部が水平な軸(図示略)により揺動自在に支持されるとともに、頭側の一端部が昇降機構31に支持され、この一端部を持ち上げることにより、水平方向に対して傾斜した姿勢に保持できるようになっている。その昇降機構31は、フード8の外側に設けられる。
左側処置扉17、右側処置扉18及び足側処置扉19には、これら処置扉17〜19を起立させた状態で左側処置扉17及び右側処置扉18と足側処置扉19とを互いに固定する扉固定手段40が設けられている。
扉固定手段40は、図1及び図2に示すように、左側処置扉17及び右側処置扉18に回動可能に取り付けられた開閉ツマミ41と、足側処置扉19の両側部に取り付けられた開閉ツマミ受け46とで構成される。
フード8には、キャノピー12を降下させて閉鎖状態とした際に、各処置扉17〜20とキャノピー12との間に配置され、これらを閉止状態に保持する処置扉パッキン51及びキャノピーパッキン61が設けられている。このうち処置扉パッキン51は、図7に示すように、左側処置扉17及び右側処置扉18の上端部に取り付けられ、閉鎖状態においてキャノピー12と左右側処置扉17,18との間に配置される。また、キャノピーパッキン61は、図4に示すように、キャノピー枠71を介してキャノピー12の前面と後面とに取り付けられ、閉鎖状態において足側処置扉19及び頭側処置扉20とキャノピー12との間に配置される。
キャノピー枠71は、キャノピー12の下端部に沿うバー状に形成され、その下端部にビス等により取り付けられる。また、その横断面は円弧状に形成され、その両側部に、キャノピーパッキン61に嵌り込む凸条72,73がそれぞれ形成されている。
また、キャノピーパッキン61は、図4及び図6に示すように、キャノピー枠71に沿って取り付けられる横断面が円弧状の取付部62と、足側処置扉19の内側面に接触するシール部63を有する縦壁部64と、これら取付部62と縦壁部64との間を繋ぐ接続部65と、足側処置扉19の外側面に沿って設けられる凸条部66と、凸条部66の外側にその凸条部66よりも高く突出する突出部67とが一体に形成されている。
図13に示すように、キャノピー12を上昇させ、児収容室7を開放状態に切り替えた場合における左側処置扉17及び右側処置扉18、足側処置扉19の開閉操作について説明する。
扉固定手段40により各処置扉17〜20を閉じた状態から、左側処置扉17及び右側処置扉18、足側処置扉19を開放する場合、図1の白抜き矢印で示すように、扉固定手段40の開閉ツマミ41の鉤部43を上方に向けて回転(図1では左回転)させて、開閉ツマミ受け46内から開閉ツマミ41のレバー部42を脱出させると、左側処置扉17及び右側処置扉18と足側処置扉19との固定が解除される。その後、各処置扉17〜19を回動させることによって、各処置扉17〜19を開放することができる。
また、各処置扉17〜19を起立状態に戻すには、上述の操作とは逆の操作で、処置扉17〜19を起立状態とし、開閉ツマミ41のレバー部42を開閉ツマミ受け46の凹部47に嵌入させるとともに、鉤部43を開閉ツマミ受け46から突出させ、開閉ツマミ受け46の側面に引っ掛けた状態に保持する。これにより、左側処置扉17及び右側処置扉18の回動を規制するとともに、足側処置扉19の回動も規制して、各処置扉17〜19を互いに起立状態に固定することができ、左右側処置扉17,18をロックした時に、足側処置扉19も確実にロックすることができる。
図13に示すようにキャノピー12を上昇させて児収容室7の上方を開放した状態から、図9に示すようにキャノピー12を下降させて、児収容室7を閉鎖状態に切り替える場合について説明する。
扉固定手段40により各処置扉17〜20を閉じた状態で、キャノピー12を下降させた場合、キャノピー12に取り付けられたキャノピーパッキン61も一体となって移動し、足側処置扉19及び頭側処置扉20とキャノピー12との間に配置される。この際、キャノピーパッキン61に設けられた縦壁部64と凸条部66との間に、足側処置扉19の上端部が嵌合し、キャノピー12と足側処置扉19との位置合わせとともに、キャノピー12と足側処置扉19との間のシールがなされる。
また、キャノピー12と左側処置扉17及び右側処置扉18との間は、左側処置扉17及び右側処置扉18に取り付けられた処置扉パッキン51によりシールされる。処置扉パッキン51のシール部53は、先端部55が内側下方に折り曲げられ中腹部56が上方に突出した状態に形成されており、その先端部55が、キャノピー12の下降に伴って外側に押され、キャノピー12の外周面と接触した状態に保持されることにより、左側処置扉17及び右側処置扉18とキャノピー12との間がシールされる。
図1の白抜き矢印で示すように、扉固定手段40の開閉ツマミ41の鉤部43を上方に向けて回転(図1では左回転)させて、開閉ツマミ受け46内から開閉ツマミ41のレバー部42を脱出させると、左側処置扉17及び右側処置扉18と足側処置扉19及び頭側処置扉20との固定が解除される。このとき、足側処置扉19は、左側処置扉17及び右側処置扉18との固定が解除されているが、その上端部がキャノピーパッキン61により固定されているため、起立状態に保持される。この状態で、左側処置扉17及び右側処置扉18を回動させることによって、各処置扉17,18を開放することができる。左側処置扉17のみを開放すると、図12に示す状態となる。
前述の実施形態では、左右側処置扉17,18に対して足側処置扉19及び頭側処置扉20を図9等に示すように配置したが、児収容室7内に寝かせられる児の向きにより、足側と頭側とを逆にして使用される場合も想定される。その場合は、手入れ窓ユニット26を取り付けた足側処置扉19が児の頭側となる。
本実施形態では、図の符号19を足側処置扉、符号20を頭側処置扉としたが、逆に、符号19が頭側処置扉、符号20が足側処置扉となる場合も想定して、本発明では、これらを端部側処置扉を称している。
2 キャスター
3 架台
4 支柱
5 フレーム
6 基台
7 児収容室
8 フード
9,10 ガイド柱
11 加熱器
12 キャノピー
13 ペダル
15 臥床台
16 床板
17 左側処置扉
18 右側処置扉
19 足側処置扉(端部側処置扉)
20 頭側処置扉
21 凸条
25,26 手入れ窓ユニット
27 手入れ窓
28 手入れ扉
30 グロメット部材
31 昇降機構
32 ロッド
33 軸
40 扉固定手段
41 開閉ツマミ
42 レバー部
43 鉤部
44 薄肉部
45 基端部
47 凹部
51 処置扉パッキン
52 取付部
53 シール部
54 凹溝
55 先端部
56 中腹部
61 キャノピーパッキン
62 取付部
63 シール部
64 縦壁部
65 接続部
66,66a,66b 凸条部
67 突出部
68 凹溝
71 キャノピー枠
72 凸条
Claims (4)
- 児収容室を構成するフードのキャノピーが側壁部から分離され該キャノピーを昇降させることによって前記児収容室を閉鎖状態と開放状態とに切り替えて使用することが可能な保育器であって、
前記フードの側壁部は、児の左右側に配置される左側処置扉及び右側処置扉と、頭側又は足側に配置される端部側処置扉とで構成され、左側処置扉及び右側処置扉と、少なくとも一方の端部側処置扉は起立状態から開放する方向に回動自在に支持されるとともに、これら処置扉の起立状態において前記左側処置扉及び前記右側処置扉と前記一方の端部側処置扉とを互いに固定する扉固定手段を備えており、
該扉固定手段は、
前記左側処置扉及び前記右側処置扉に回動可能に取り付けられ、薄肉部と、該薄肉部の先端に形成された鉤部と、を有する開閉ツマミと、
前記一方の端部側処置扉の両側部に取り付けられて凹状に形成された開閉ツマミ受けと、で構成され、
前記開閉ツマミ受けに前記開閉ツマミの前記薄肉部を嵌入させるとともに、前記鉤部を前記開閉ツマミ受けから突出させ、前記鉤部を前記開閉ツマミ受けに引っ掛けることにより、前記左側処置扉及び前記右側処置扉と前記一方の端部側処置扉とが起立状態に固定されることを特徴とする保育器。 - 前記キャノピーには、前記閉鎖状態において前記一方の端部側処置扉の上端部に当接し前記一方の端部側処置扉との間を閉止状態に保持するキャノピーパッキンが設けられており、該キャノピーパッキンは、前記一方の端部側処置扉の内側面に接触するシール部を有する縦壁部と、該一方の端部側処置扉の外側面に沿って設けられる凸条部とを備え、前記閉鎖状態において前記縦壁部と前記凸条部との間に前記一方の端部側処置扉の上端部が嵌合する構成とされていることを特徴とする請求項1記載の保育器。
- 前記キャノピーパッキンの凸条部は、その一部が前記一方の端部側処置扉の上端面外周縁に架かるように設けられていることを特徴とする請求項2記載の保育器。
- 前記キャノピーパッキンの前記凸条部の外側には、該凸条部よりも高く突出する突出部が設けられていることを特徴とする請求項2又は3に記載の保育器。
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