図1は、本発明に係るPTP包装体の抱き合わせ装置を含む包装システムにより製造される包装箱体の一例を示している。係る包装箱体は、PTP包装体1を複数枚積層して構成される積層体にカード型の服薬指示書2をさらに重ねた状態で包装箱3内に収納した状態となり、さらに、図示省略するが、薬剤の効能等を記載した能書といった添付文書も適宜位置に同封する。
PTP包装体1はカード型であり、図2(a)に示すように、全体が矩形の厚紙からなるカード型包装材4の間に錠剤を収納したPTPシート5を挟み込んで封止した構造からなる。カード型包装材4の表紙4aと裏紙4bとは、一枚の大きな厚紙の中心線を対称にして互いに向き合うように折り込むことで形成される。二枚の別々の厚紙で挟み込んでも良い。
PTPシート5は、錠剤6を収納するポケット部5aが適宜位置に形成された容器フィルム5bと、ポケット部5aの開口側を閉塞するように容器フィルム5bにシールされた蓋フィルム5cとを備え、ポケット部5a内に錠剤6が密封収納された構成となる。本例では、錠剤6が細長・棒状となっているため、ポケット部5aも略長円状となっている。
表紙4aと裏紙4bの所定位置にはポケット部5aの形状に対応する略長円状の孔部4c,4dが設けられている。この孔部4c,4dは、ポケット部5aに対向する位置に設定されて、PTPシート5を挟み込んだ状態では、表紙4aの孔部4cからはポケット部5aが突出し、裏紙4bの孔部4dにはポケット部5aに対向する蓋フィルム5c(容器フィルムとの未シール部位)が臨むようになっている。これにより、ポケット部5aを押して中身の錠剤6を押し出すと、錠剤6は裏紙4bの孔部4dからカード型のPTP包装体1の外へ取り出すことができる。
さらに本実施形態では、PTPシート5の平面積に比べて表紙4aの平面積を大きい設定としている。これにともない、表紙4aには、所定の情報の記載領域4eが確保される。この記載領域4eは、例えば服用上の注意・留意事項等を予め印刷して記載する領域として使用するとよい。また、この記載領域4eは白紙領域とし、患者に渡す際に医師等が当該領域に注意・伝達事項その他の情報を書き込む領域として使用しても良い。
図2(a)に示すように、PTP包装体1の積層体は、PTP包装体1を二枚で一組とし、互いのポケット部5aすなわち表紙4a同士が向き合うようにしたものを複数組積層して構成する。また、二枚のPTP包装体1を抱き合わせる際に、左右を反転し、片方のPTP包装体1のポケット部5aが他方のPTP包装体1の表示領域4eに対向するようにする。
ブック型の服薬指示書2は、図2(b)に示すように、複数枚の服薬指示シート2aを束ねて構成する。この服薬指示シート2aは、同封するPTP包装体1の枚数と同一枚数備え、例えばその一辺で剥離可能な接着剤で一体化する。この服薬指示シート2aは、薬剤についての効用、服用時の留意事項その他の情報を記載する。服薬指示シート2aは、能書に記載するものと同等、或いはより詳細な情報を記載するとよい。これにより、例えば医者等が患者にPTP包装体1を渡す際に、服薬指示書2から服薬指示シート2aを1枚剥がし、その剥がした服薬指示シート2aをPTP包装体1とともに渡すことができる。
このようにすると、患者は、渡された自己が服用する薬剤についての詳細な情報を服薬指示シート2aによって知ることができ、安心して正しい服用をすることができる。さらに、本実施形態のようにPTP包装体1が2個の錠剤を収容する形態とすると、PTP包装体1は全体として小さくなり、記載領域4dの面積もあまり確保できない。よって服用上の留意事項などについて十分な情報を記載できないおそれがある。本実施形態では、服薬指示シート2aを添付して渡すことができるので、当該服薬指示シート2aに十分な情報を記載でき、患者等に対して適切な情報提供ができる。
また、服薬指示シート2aは、そのシート全体に各種の情報を記載することができるため、PTP包装体1に記載する場合に比べて大きな記載領域を確保できる。さらに、PTPシート5を挟み込むカード型包装材4は、PTPシート5を保護することからもある程度強度を有する厚紙としているので厚みも増すが、服薬指示シート2aは普通紙等の薄い紙で構成することができ、PTP包装体1を枚数分用意しても全体としての嵩はさほど増えないで済む。
さらに、複数のPTP包装体1の積層方向に合せて服薬指示書2も重ねるレイアウトとしたため、PTP包装体1と服薬指示書2は平行で同じ並びとなるので、例えばそれらを一括して把持した状態で包装箱3内に箱詰めすることができる。
図3は、本発明に係るPTP包装体の抱き合わせ装置20が組み込まれる包装システムにおける上流側の構成を示している。展開状態のカード型包装材4を所定ピッチで搬送するフィンガーコンベア等からなる搬送コンベア装置10の搬送ラインの横にパレット11が配置され、そのパレット11に一片ずつに分離されたPTPシート5がポケット部を下にした状態でセットされている。このパレット11上のPTPシート5は、吸着面を確保するため露出する平坦になるようにポケット部が下になる姿勢とし、平坦な蓋フィルムが上側に露出した状態としている。そこで、その蓋フィルムに対して図示省略のロボットアームの先端に設けた吸着部にてPTPシート5を吸着保持し、隣接する搬送コンベア装置10上のカード型包装材4の所定位置に移し替える。
すなわち、搬送コンベア装置10上の領域A1では、展開状態のカード型包装材4が位置している。本実施形態では、搬送コンベア装置10上では、展開状態のカード型包装材4は、進行方向右側に表紙4aが位置するようにしており、この表示4aの外側にパレット11が配置される。
カード型包装材4がそのまま前進移動して領域A2に至ると、上述した吸着部付きのロボットアームによりポケット部が下向きのPTPシート5を吸着保持し、ポケット部を孔部4c内に挿入するように位置合わせをしてカード型包装材4上に移し替える。
二個のPTPシート5がセットされたカード型包装材4は、さらに前進移動し領域A3に至る。領域A3には、図示省略の折り曲げ装置が配置されており、カード型包装材4の裏紙4bを起こす。さらに領域A4において起立した裏紙4bをさらに90度折り曲げて表紙4a上に重ねる。これにより、PTPシート5は、表紙4aと裏紙4bとで挟み込まれる。また、この領域A3から領域A4に至る途中で、カード型包装材4の所定位置に糊が塗布されるため、上記の挟み込みにより封止されて一つのPTP包装体1が製造される。
このPTP包装体1は、ポケット部が下に向いた姿勢のまま搬送コンベア装置10の搬出側情報に配置されたオーバーヘットコンベア13によりタイミングを合わせて次段のPTP包装体の抱き合わせ装置20に向けて搬出される。搬送コンベア装置10の搬送方向と、PTP包装体の抱き合わせ装置20の搬送方向は直交しており、PTP包装体1の搬送姿勢が縦長の状態から横長の状態に変換される。
図4は、本発明に係るPTP包装体の抱き合わせ装置20を示す正面図であり、図5はその平面図である。図6〜図8はその側面図である。PTP包装体の抱き合わせ装置20は、上流から順に第一搬送装置たる第一プッシャーユニット21、PTP包装体を上下の搬送路に振分けるエレベータ装置22,第二搬送装置たる第二プッシャーユニット23を備えている。
第一プッシャーユニット21は、前後に二個の製品受け部を備えた左右一対の第一プッシャー25を所定の軌跡で前後進移動する。一対の第一プッシャー25は、ポケット部が下向きのPTP包装体1の進行方向の両サイド近傍を下から支えるもので、図9,図10に拡大して示すように帯状のベース25aの上面の前後両端並びに中央に仕切り片25b,25c,25dが突出した形態としている。PTP包装体の抱き合わせ装置20の搬送方向の前端の仕切り片25bと中央の仕切り片25cの間のベース25a部分が第1搬送部B1となり、中央の仕切り片25cと後端の仕切り片25dの間のベース25a部分が第2搬送部B2となる。
一対の第一プッシャー25は、その底面で連結される支持プレート28に支持されて一体となる。支持プレート28の底面に取り付けたスライダ26は、搬送方向に沿って伸びるガイドレール27に連携されている。また、第一プッシャー25は、第一リンク機構29に連携されており、これにより、第一プッシャー25はガイドレール27に案内されて前後進移動する。すなわち、一対の第一プッシャー25の取り付け箇所と反対側の支持プレート28の上面には、外面に上下に伸びるカム溝30aが形成れたカム板30が起立形成されている。第一リンク機構29の先端29aに連携されたカムフロア31が、このカム溝30aに符合する。第一リンク機構29の他端29bは、回転板32に形成されるカムに連携され回転板32の回転運動に伴い第一リンク機構29の他端29bは上下方向の往復直線運動をする。そして、第一リンク機構29にて運動方向が変換され、カムフロア31が連携れた先端部ではPTP包装体の抱き合わせ装置20の搬送方向に沿って水平方向の往復直線運動を行う。よって、係る往復直線運動の力がカム板30を介して支持プレート28ひいては第一プッシャー25に伝わり、当該第一プッシャー25は搬送方向に沿って前後進移動する。この前後進移動は、上述したようにガイドレール27とスライダ26の連携により案内され、安定して行われる。
また、ガイドレール27は、ガイドロッド33を介して中間プレート34上に支持されている。中間プレート34は、第二リンク機構35に連携される。第二リンク機構35の下端はカム機構に連携され、第一リンク機構29と同様に所定のタイミングで昇降移動する。この昇降移動がガイドロッド33を介してガイドレール27に伝わる。ガイドロッド33は、ガイド軸受け部36に連携されており起立状態を維持しながら昇降移動する。
これにより、第一プッシャー25は、両リンク機構29,35を介して上下方向と前後方向の搬送力を受け、ボックスモーションのように上昇移動し、その上昇位置のまま前進移動し、その後下降移動し下降位置のまま後退移動する動きを繰り返し行う。また前後方向の移動距離は、第一プッシャー25の前後の仕切り片の配置ピッチとしている。つまり、後退位置では、第二搬送部B2は上流側の搬送コンベア装置10の搬送口に臨み、当該搬送コンベア装置10から搬出されてくるPTP包装体1を受け取られるようになっている。そして、第一プッシャー25が前進移動して前方位置に至ると、第二搬送部B2は後退位置における第一搬送部B1が存在していた位置に至り、第一搬送部B1は次段のエレベータ装置22の設置位置に至る。
さらに本実施形態では、第一プッシャー25の上昇移動距離が二段階に制御される。すなわち、後述するように、エレベータ装置22は、第一プッシャーユニット21から搬出されて供給されるPTP包装体1を上昇させたり、上昇させること無くそのままにしたりすることで上下二段に重ねる。そこで、通常動作時では、仕切り片25bの上端位置がエレベータ装置22内に進入する際に、エレベータ装置22にて上昇させたPTP包装体1に接触しない第一高さ位置と、上昇させたPTP包装体1に接触する第二高さ位置をとる。この第一高さ位置と第二高さ位置の切り替えは、例えばカム機構やシリンダなどを利用して行う。
さらに、第一プッシャー25が下降移動した際に各搬送部B1,B2上のPTP包装体1がいっしょに下降しないようにするため、適宜位置に搬送路を構成する底板37が配置されている。つまり、図4等に示すように、底板37は、所定の間隔をおいて平行に配置された3つの帯板を備え、隣接する帯板間に形成される帯状のスロット37a内にそれぞれの第一プッシャー25が挿入配置される。両第一プッシャー25は、スロット37aに沿って前後進移動可能となっており、図6等に示すように第一プッシャー25が上昇位置にあると、その第一プッシャー25のベース25aの上面が底板37の上面とほぼ面一になり仕切り片25b〜25dが底板37の、第一プッシャー25が下降位置にあると仕切り片25b〜25dの上端が底板37の上面よりも低い位置になる。
さらに第一プッシャー25の前端の仕切り片25bは、後述するようにエレベータ装置22にて二段に重ねられた一対のPTP包装体1を第二プッシャーユニット23に移し替える機能も備える。
この第一プッシャーユニット21におけるPTP包装体1の搬送は、図12〜図14に示すようになるが、後述のエレベータ装置22との動作にも連動もしているため具体的な作用・動作は後述する。
エレベータ装置22は、図4,図5,図11等に示すように、昇降移動する三枚の押し上げ部材40,40′と、その押し上げ部材40,40′で押し上げられたPTP包装体1の両サイドを支持し上昇位置を保持する左右一対の支持部材41を備える。
押し上げ部材40,40′は、図14,図15にも示すように連結プレート43上に三枚を平行に起立配置して一体化する。両サイドに配置された押し上げ部材40は、PTPシート1の両サイド(ポケット部5aの外側)を支持し、中央の押し上げ部材40′はポケット部5a間を支持する。そして、その中央の押し上げ部材40′の上端は平坦面となっていてPTP包装体1に対して押し上げ部材40′の全長に渡って接触する。また、左右両サイドの押し上げ部材40の上面には、搬送方向に沿って複数の凹部40aが形成されており、凹部40aが形成されていない上端面にてPTP包装体1を支える。連結プレート43の下面にはシリンダ44のシリンダロッド44aが連結される。シリンダロッド44が往復動作することにより、連結プレート43ひいては押し上げ部材40,40′が昇降する。
支持部材41は、略L字型のプレートからなりそれぞれの片側に複数枚ずつ(この例では4枚ずつ)搬送方向に並ぶように配置する。支持部材41は、起立した柱部41aと、その柱部41aの下端に外側に向けて突出するベース部41bを備え、L字型のプレートの折れ曲がる部位に回転軸41cが連係される。図11に示すように柱部41aが垂直に起立した状態を基準姿勢とし、支持部材41はこの基準姿勢から回転軸41cを回転中心として柱部41aが外に向けて所定角度倒れる開放姿勢をとれる。さらにベース部41bの先端(回転軸41cと反対側)にはスプリング46の一端が連係され、そのスプリング46の他端は、機枠48に固定される。スプリング46は、弾性復元力が圧縮方向に働いており、ベース部41bの先端を上昇させる方向(柱部41aが垂直に起立した基準姿勢に復帰する方向)に付勢する。
柱部41aの内側面には、PTP包装体1の側縁を受ける第一受け部41dを設け、その第一受け部41dの上方には搬送ラインの中央に向かって突出する庇部41eを設け、その庇部41eの上面が第二受け部41fとなる。庇部41eの下面は傾斜面となる。
第一受け部41dは、柱部41aの内側面(左右一対の支持部材41の対向面)の所定部位を柱部41dの奥側(搬送ラインから外側に離れる方向)に窪ませる(凹部を形成する)ことで形成される。そして、左右一対の柱部41aの内側面間の距離は、PTP包装体1の搬送方向にとって横幅よりも狭くしており、さらに第一受け部41dは、上流側の第一プッシャーユニット21における搬送路を構成する底板37の上面とほぼ同一の高さに設定されている。これにより、第一プッシャーユニット21から送り出されてくるPTP包装体1は、この第一受け部41dで受けるようになる。
図11,図15(a−1),(a−2)の状態から押し上げ部材40,40′が上昇移動すると、左右両サイドに設けた押し上げ部材40の凹部40a内に庇部41eが入り込み、押し上げ部材40の上端は庇部41eの上面の第二受け部41fよりも上方に位置する。これにより、第一受け部41dの上にPTP包装体1が支持されている状態で押し上げ部材40,40′が上昇移動すると、そのPTP包装体1が持ち上げられる。そして、PTP包装体1は厚紙のカード型包装材4で構成されある程度の強度もあることから庇部41eの傾斜面を外側に付勢しながら上昇し、その上昇時に左右一対の柱部41aを押し広げながら移動する(図15(b−1),(b−2))。庇部41eを乗り越えると、庇部41eに係っていた外に向けて付勢力が無くなるためスプリング46の弾性復元力により支持部材41は基準姿勢に復帰する(図15(c−1),(c−2))。よって、当該乗り越えたPTP包装体1の下方に第二受け部41fが存在し支持可能となる。
次に図12〜図16を用い、第一プッシャーユニット21並びにエレベータ装置22の作用を説明する。まず上流側の搬送コンベア装置10から搬出されてくるPTP包装体1は、底板37の上流側、すなわち、図12(a)に示すように第一プッシャー25が後退位置にいる場合の第二搬送部B2上に供給される。そこで、第一プッシャー25が上昇移動して仕切り片が底板37より上方に突出すると、上記の供給されたPTP包装体1は第二搬送部B2を構成する中央の仕切り片25cと後端の仕切り片25dの間に位置し、その状態で第一プッシャー25が前進移動すると後端の仕切り片25dから搬送力を受け前進移動する。その後第一プッシャー25は下降移動して後退移動するので、後退移動時には仕切り片25c,25dは上記の前進移動させたPTP包装体1に接触しないため、当該PTP包装体1は前進移動した位置に留まる。そして、係る後退移動するまでの所定のタイミングで、搬送コンベア装置10から次に搬出さて来るPTP包装体が底板37の上流側に供給される。この状態が、図12(a)に示す状態である。
この図12(a)に示す状態では、底板37の上に前後に二個のPTP包装体1が置かれた状態となっている。この状態から、第二リンク機構35の駆動により第一プッシャー25が第一高さ位置まで上昇移動して仕切り片25b,25c,25dが底板37より上方に突出すると、底板37上の前後のPTP包装体1はそれぞれ第一搬送部B1と第二搬送部B2にセットされる(図12(b))。
その状態で第一リンク機構29の駆動により第一プッシャー25が前進移動すると、図12(c)に示すように、第一搬送部B1はエレベータ装置22内に進み、各PTP包装体1も前進移動する。つまり、第一搬送部B1内のPTP包装体1は、エレベータ装置22内に挿入され、第二搬送部B2内のPTP包装体1は、底板37の前方位置に至る。エレベータ装置22内に挿入されたPTP包装体1は、図15(a−1),(a−2)に示すように、左右一対の支持部材41の第一受け部41dにてその両側縁を支持する。
その後第一プッシャー25は下降移動する(図12(d))。すると、仕切り片25c,25d,25eの上端は、底板37よりも下方に位置し、第一プッシャー25は、底板37上のPTP包装体1や支持部材41で支持されたPTP包装体1と非接触の状態となる。
この第一プッシャー25の下降移動時に、シリンダ43の駆動により押し上げ部材40,40′が上昇し、第一受け部41dにて支持されているPTP包装体1を上方に持ち上げる。すると、図15(b−1),(b−2)に示すように、PTP包装体1は庇部41eの下側の傾斜面を外側に付勢しながら上昇し、その上昇時に左右一対の柱部41aを押し広げながら上昇移動し、PTP包装体1が庇部41eを乗り越えると、スプリング46の弾性復元力により支持部材41は基準姿勢に復帰する(図15(c−1),(c−2))。押し上げ部材40,40′が最上方位置にあるとき、図15(c−1)に示すように、押し上げ部材40,40′の上端は、基準姿勢に復帰した支持部材41の第二受け部41fよりも若干上方に位置する。
次いで、第一プッシャー25は下降位置のまま後退移動し、元の待機位置に復帰し次の搬送に備える(図13(a))。このとき、押し上げ部材40,40′も下降移動する。すると、当初は押し上げ部材40,40′の下降に追従してPTP包装体1も下降するが、PTP包装体1が支持部材41の第二受け部41fに当たるとそれ以上の下降が抑止され押し上げ部材40,40′のみが下降移動する(図16(a−1),(a−2))。これにより、PTP包装体1の第一受け部41dから上側の第二受け部41fへの移送が完了する。
第一プッシャー25は上述した「上昇→前進→下降→後退」を繰り返し行い、PTP包装体1を1個分ずつ前進移動する。よって、図13(a)に示す待機位置に至った第一プッシャー25は、その後第一高さ位置まで上昇移動して第一搬送部B1と第二搬送部B2内にそれぞれPTP包装体1を位置させ(図13(b))、その状態で前進移動して第一搬送部B1内のPTP包装体1をエレベータ装置22内に搬送し(図13(c))、その後第一プッシャー25が下降移動する(図13(d))。すると、図16(b−1),(b−2)に示すように、今回搬送されてきたPTP包装体1は、下側の第一受け部41dに支持される。また、第一プッシャー25は第一高さ位置で移動するため、エレベータ装置22を移動する前端の仕切り片25bは、第二受け部41fで支持されているPTP包装体1に接触せず、当該PTP包装体1は第二受け部41f上に留まる。
よって、エレベータ装置22内では、前回搬送されてきて持ち上げられて第二受け部41fにて支持されているPTP包装体1とともに、二枚のPTP包装体1が上下に所定の間隔を隔てて配置された状態となる。
本実施形態では、このエレベータ装置22内の二枚のPTP包装体1の搬出も第一プッシャーユニット21が行う。すなわち、下降移動した第一プッシャー25は、その後後退移動して待機位置に至り(図14(a))、再び第一プッシャー25が第二高さ位置まで上昇し(図14(b))、前進移動して第一搬送部B1内のPTP包装体1をエレベータ装置22内に供給する(図14(c))。このとき、第一プッシャー25が第二高さ位置を前進移動するため、前側の仕切り片25bがエレベータ装置22内に置かれた二枚のPTP包装体1の後端縁に接触し(図14(b))、第一プッシャー25の前進移動にともないその仕切り片25bが二枚のPTP包装体1を次段の第二プッシャーユニット23に向けて押し出す(図14(c))。
第二プッシャーユニット23は、上下に平行に配置された上側搬送路51及び下側搬送路52と、両搬送路51,52上のPTP包装体1を前方に搬送する第二プッシャー53と、その第二プッシャー53の駆動機構54を備える。上側搬送51と下側搬送路52は、それぞれエレベータ装置22内の第二受け部41fと第一受け部41dの高さと同一に配置され、各受け部41f,41dから送り出されてくるPTP包装体1を受け取れるようになる。
図18,図19等に示すように、上側搬送路51は、複数の帯板を前後に連結して構成されほぼ全長に渡って水平で搬出側の先端51aが徐々に下降する傾斜面となっている。下側搬送路52は、その中間地点に空間部52aが形成されており、その空間部52a内にて後述の反転装置70が配置される。また、図7等に示すように、両搬送路51,52を構成する帯板は、その両側面が側壁板50に連結され、所定の高さ位置に固定される。側壁板50の上端は、上側搬送路51の上面よりも上方に突出すると共に、内側に向けて折れ曲がっており、上側搬送51の上方を覆うガイド板50aとなる。上側搬送路51上のPTP包装体1は、その搬送方向両サイドの上方にガイド板50aが位置した状態で搬送され、上方に飛び出るのが抑止される。
第二プッシャー53は、天板53aの下面に複数の仕切り片53bが吊り下げられて固定されて一体化している。この第二プッシャー53の駆動機構54は、以下のようになっている。第二プッシャー53の天板53aの上面に連結板55の一端を取り付け、連結板55の他端にはスライダ56を取り付ける。スライダ56は、搬送方向に伸びるように配置されたガイドレール57に連携され、前後進移動が案内される。
図7等に示すように、第二プッシャー53は、第三リンク機構65に連携されており、これにより、第二プッシャー53はガイドレール57に案内されて前後進移動する。すなわち、第二プッシャー53の取り付け箇所と反対側の連結板55には、外面に上下に伸びるカム溝66aが形成れたカム板66が垂下形成されている。第三リンク機構65の先端65aに連携されたカムフロア67が、このカム溝66aに符合する。第三リンク機構65の他端は、回転板68に形成されるカムに連携され回転板68の回転運動に伴い第三リンク機構65の他端は上下方向の往復直線運動をする。そして、第三リンク機構65にて運動方向が変換され、カムフロア67が連携れた先端部ではPTP包装体の抱き合わせ装置20の搬送方向に沿って水平方向の往復直線運動を行う。よって、係る往復直線運動の力がカム板66を介して連結板55ひいては第二プッシャー53に伝わり、当該第二プッシャー53は搬送方向に沿って前後進移動する。この前後進移動は、上述したようにガイドレール57とスライダ56の連携により案内され、安定して行われる。
また、ガイドレール57は、ガイドロッド58を介して中間プレート59上に支持されている。中間プレート59は、第四リンク機構60に連携される。第四リンク機構60の下端はカム機構に連携され、所定のタイミングで昇降移動する。この昇降移動がガイドロッド58を介してガイドレール57に伝わる。ガイドロッド58は、ガイド軸受け部61に連携されており起立状態を維持しながら昇降移動する。
これにより、第二プッシャー53は、両リンク機構60,65を介して上下方向と前後方向の搬送力を受け、ボックスモーションのように下降移動し、その下降位置のまま前進移動し、その後上昇移動し上昇位置のまま後退移動する動きを繰り返し行う。また前後方向の移動距離は、第二プッシャー53の前後の仕切り片53bの配置ピッチとしている。
反転装置70は、PTP包装体1の両側縁を把持する把持部71を備え、その把持部71を180度回転(自転)させたり、その把持部71を昇降移動させたりする。把持部71は、図20に示すように例えば二枚の板バネ71aを用い、中央部71a′を接触或いは近接させるとともに、両端71a″が互いに離れる構成を採る。これにより、対となる板バネ71aの両端71a″は開いているのでどちら側からでもスムーズにPTP包装体1が入り込むことができ、当該両端71a″はテーパ面となり中央に行くに従って徐々に狭くなっているため、スムーズに奥まで進入し、最終的に中央部71a′の接触部分に入り込む。中央部71a′に挟まれた状態では、板バネのバネ弾性力によってしっかりと保持される。そして、板バネ71aのバネ弾性力によって保持されているだけであるため、挟まれた状態のPTP包装体1に対して搬送方向の力が外部から加わると、二枚の板バネ71aの間をそのまま前進し搬出される。
把持部71は、その左右両端にてアーム72の先端に設けた軸受部73にて回転自在に連係され、その軸受部73を回転中心として自転する。軸受部73は、複数のプーリ74に掛け渡された伝達ベルト75を介して駆動モータ76に連係されており、その駆動モータ76の回転出力を受けて回転する。さらにアーム72は、その基端側で支柱78に正逆回転自在に支持され、さらにアーム72は、第五リンク機構77に連係され、正逆回転する。よって、アーム72の先端は昇降する。
次に、第二プッシャーユニット50,反転装置70の作用を説明する。図18(a)に示すようにPTP包装体1は、エレベータ装置21よりポケット部5aが下向きの姿勢で上側搬送路51,下側搬送路52に供給されるため、両搬送路51,52の搬入側ではその姿勢のまま搬送される。
図18(a)は、第二プッシャー53の待機位置の状態を示している。この待機位置では、第二プッシャー53が上昇して仕切り片53bの下端が上側搬送路51より上方にあり、さらに、上流側に位置している。また、後述するように第二プッシャー53が待機位置にいるときには、把持部71で把持されたPTP包装体1は上下が判定されておりポケット部5aは上を向いた姿勢となっている。
この待機位置の状態から第四リンク機構60の駆動により第二プッシャー53が下降移動して仕切り片53bが下側搬送路52上のPTP包装体1より下方に位置すると、両搬送路51,52上の各PTP包装体1はそれぞれ前後の仕切り片53の間の空間内に位置する(図18(b))。
その状態で第三リンク機構65の駆動により第二プッシャー53が前進移動すると、図18(c)に示すように、各PTP包装体1は、上流側の仕切り片53bによって前方へ付勢されて前進移動する。これにより、把持部71に把持されていたPTP包装体1も前方へ押し出されていき、第二プッシャー53が最前方位置に至ると、図19(a)に示すように、把持部71に把持されていたポケット部5aが上を向いたPTP包装体1は完全に前方に押し出されて下流側に続く下側搬送路52に移し替えられる。よって、空間部52aより下流側では、上側搬送路51ではポケット部5aが下向きのPTP包装体1が搬送され、下側搬送路52ではポケット部5aが上向きのPTP包装体1が搬送されることになり、上下を進むPTP包装体1はポケット部5aが対向する姿勢で搬送される。そして、上側搬送路51の搬出側の先端51a上のPTP包装体1は、徐々に下降移動し下側搬送路52上のPTP包装体1に接近していき、最終的に上下のPTP包装体1はポケット部5aが対向する抱き合わされた状態で搬出される。
また、上記の前進移動に伴い、空間部52aの直前の上流側に位置していたPTP包装体1は、ポケット部5aが上向きの姿勢のまま把持部71に挿入される(図22(a)→(b))。この後、第二プッシャー53は上昇移動する(図19(b))。すると、仕切り片53bの下端は、上側搬送路51上のPTP包装体1よりも上方に位置し、第二プッシャー53は、PTP包装体1と非接触の状態となる。そして、第二プッシャー53が後退移動することで図18(a)に示す待機位置に戻る。
この第二プッシャー53の上昇移動から後退移動するまでの所定のタイミングで、反転装置70は図22(c)以降の処理を行いPTP包装体1の上下を反転する。すなわち、アーム72が図中時計方向に回転してその先端が下降移動しながら、把持部71も回転させる(図22(c)→(d))。把持部71の回転に伴い把持部71は起立するが、アーム72の先端を下降させているため、把持部71は上側搬送路51と干渉することなく回転する。その後、上記と逆にアーム72が図中反時計方向に回転してその先端が上昇移動しながら、把持部71もさらに回転を続け、最終的に180度回転することで把持部71に把持されたPTP包装体1は上下が反転される(図23(a)→(b))。その後の工程で上下が反転されてポケット部5aが上向きのPTP包装体1は、把持部71から押し出されるとともに、次のポケット部5aが下向きのPTP包装体1が把持部71に挿入される(図23(c))。
PTP包装体の抱き合わせ装置20の下流側には、箱詰め装置が配置される。PTP包装体の抱き合わせ装置20を通過することでポケット部5aが向かい合うようにして抱き合わされた二枚のPTP包装体1が水平状態で搬送され、箱詰め装置の第一搬送コンベア装置80に一組ずつ供給される。第一搬送コンベア装置80は、垂直平面内で回転するエンドレスチェーン84に複数のバケット81を取り付けて構成される。エンドレスチェーン84は、前後に配置された駆動軸12に装着された駆動スプロケット85と従動軸83に装着された従動スプロケット86間に掛け渡され、駆動軸12の回転に伴い垂直平面内を間欠的に公転移動する。
バケット81は、進行方向の前後に所定の間隔をおいて配置される一対のバケット片81aを有し、抱き合わされた二枚のPTP包装体1は、前後のバケット片81a間に供給される。すなわち、バケット片81aが水平状態にあるときに上流側から搬送されてきた一組のPTP包装体1が当該バット片81a間に供給される。その後バケット81が公転移動しバケット片81aが起立すると、それにともない二枚のPTP包装体1も起立し、その状態のまま前進移動する。
バケット81は、先端(エンドレスチェーン非接続側)及び両側方が開放されている。そこで、当該先端や側方からPTP包装体1をバケット81に対して出し入れできる。バケット81は、水平状態のPTP包装体1の受け取り位置から公転移動して起立し、その状態のまま上方移動区間を前進移動した後駆動スプロケットに沿って下方に移動し、下方移動区間を通って元のPTP包装体の受け取り位置に至る。バケット81の上方移動区間の所定領域(複数個のバケット81の存在領域)がバケット81内のPTP包装体1の搬出領域となり、係る搬出領域に近接して受け渡し装置90が配置される。搬出領域からは、一つの包装箱に箱詰めする一束(複数組)のPTP包装体1群が一括して搬出される。
この受け渡し装置90は、第一搬送コンベア装置80と平行に配置される第二搬送コンベア装置100に対して、複数組のPTP包装体1を一括して移し替えるものである。受け渡し装置90は、第一搬送コンベア装置80の搬送方向と直交方向に伸びる搬送路91を有し、搬送路91の上方には、左右一対のサイドガイド板92と、そのサイドガイド板92の間に適宜の間隔をおいて配置される中間ガイド板93が起立配置される。サイドガイド板92並びに中間ガイド板93は、ともに第一搬送コンベア装置80から離れる先端に行くほど中央に寄るように、受け渡し装置90の搬送方向に対して斜めに配置される。
第一搬送コンベア装置80の搬出領域側の端部におけるサイドガイド板92と隣接する中間ガイド板93間の距離、並びに隣接する中間ガイド板93相互の距離は、バケット81の配置ピッチに合わせている。第一搬送コンベア装置80は、各バケット81が隣接する中間ガイド板93間の空間に対向した際に一時停止する。この一時停止した状態でバケット81の受け渡し装置90側の側面からPTP包装体1が搬出されると、その搬出されたPTP包装体1は対向するサイドガイド板92と中間ガイド板93との間、隣接する中間ガイド板93間の空間に移る。
中間ガイド板93が存在する区間では、各一組のPTP包装体1は、各ガイド板92,93で仕切られている空間を起立した状態のまま移動する。上述したように各ガイド板22,23は中央に寄せられるように斜めに配置されているため、上記の仕切られた空間も斜めに進むように配置され、当該空間を移動するPTP包装体1は搬送路91上を斜めに移動する。
左右一対のガイド板92の先端側の離反距離は、一つの包装箱に箱詰めする一束(複数組)のPTP包装体1群の積層方向の幅に合わせて設定される。よって、中間ガイド板23が中央を除いて設けられていない後半の区間では、各PTP包装体1は、左右一対のサイドガイド板92間に詰めて(幅寄せされて)起立した状態で移動する。
さらに受け渡し装置90は、搬送路91の上方を搬送方向に沿って往復移動し、PTP包装体1を前方(第二搬送コンベア装置100側)に押し出すプッシャー板94を備える。このプッシャー板94は、取付部材99を介してシリンダ95のシリンダロッド95aの先端に連結される。シリンダ95は、シリンダロッド95aを上下方向に往復動作する。これにより、シリンダロッド95aの往復動作に追従してプッシャー板94は昇降する。さらにシリンダ95は、連結プレート98にて片持ち支持される。連結プレート98は、LMガイド96に連係される。LMガイド96は、搬送路91の搬送方向と平行に配置されたガイドレールと、そのガイドレールに往復移動可能に装着されたスライダとを有する。そしてそのスライダに連結プレート98の下面中央が連結される。さらに連結プレート98の先端は、図外のベルト駆動装置に連結される。ベルト駆動装置は、ベルトが往復移動(正逆反転移動)する。これに追従して連結された連結プレート98ひいてはシリンダ95,プッシャー板94が往復移動し、係る往復移動をLMガイド26により安定的に確保する。
よって、プッシャー板94が下降位置にて前進移動することでPTP包装体1は第二搬送コンベア装置100に向けて前進し、プッシャー板94が後退移動は当該プッシャー板94は上昇移動した状態で行われるため、プッシャー板94とPTP包装体1との干渉は生じない。よって、一群の複数組のPTP包装体1は、第二搬送コンベア装置100の前フィンガー101,後フィンガー102間の空間内に供給される。