本発明の実施形態に係るレンズ集合体(ウェハレンズ)1は、図1で示すように、本体部(成形品本体部;レンズ本体部)3と離型用部材(剥離用部材;タグ)5とを備えて構成されている。成形品本体部3は、硬化した紫外線硬化樹脂等の透明な樹脂等の材料で構成されており、レンズ部(要部)7と周辺部9とを備えている。
レンズ部7は、製品もしくは半製品になる部位であり、製品もしくは半製品としての機能を発揮する。周辺部9は、レンズ部7とつながっていてレンズ部7とともに一体成形される部位である。また、周辺部9が、製品もしくは半製品としての機能を発揮することはほとんど無い。さらに、レンズ集合体1(成形品本体部3)が成形された後、周辺部9の総てがレンズ部7といっしょに使用される場合もあるし、周辺部9の一部がレンズ部7といっしょに使用される場合もあるし、周辺部9がレンズ部7から切り離される場合もある。
さらに説明すると、成形品本体部3には、球冠状の複数の凹部11と球冠状の複数の凸部13とが設けられている。凹部11と凸部13とが設けられていないとすれば、成形品本体部3は、たとえば、円板状等の板状(平板状)に形成されている。各凹凸部11,13(図5等で示す型M1,M2で形成されたパターン)は、成形品本体部3の厚さ方向の両面に、所定の間隔をあけて設けられている。
レンズ集合体1(成形品本体部3)をこの厚さ方向から見ると、成形品本体部3の厚さ方向の一方の面(図1(b)では上面)に設けられている各凹部11それぞれの中心の位置と、成形品本体部3の厚さ方向の他方の面(図1(b)では下面)に設けられている各凸部13それぞれの中心の位置とは、お互いに一致している(図1(a)等参照)。
このように構成されているレンズ集合体1は、たとえば、1つの凹部11とこれに対向する1つの凸部13とを備えた複数のレンズ部7と、周辺部9とに分けられる。そして、周辺部9から分けられた各レンズ部7は、これにCCDやCMOSセンサ等の撮像素子を設けることで、たとえば携帯電話のカメラ部に使用される。
レンズ部7や周辺部9の形状についてさらに説明すると、1つのレンズ部7は、メニスカスレンズ(凹レンズまたは凸レンズ)の形状になっている。周辺部9は、図1(a)に示すレンズ集合体1において、総てのレンズ部7を取り除いた形状になっている(成形品本体部3に多数の円形な貫通孔が形成された形状になっている)。
なお、レンズ部7の外周は、凹部11の外周と一致しているが、レンズ部7の外周が凸部13の外径と一致していてもよいし、レンズ部7の外周が凹部11の外径や凸部13の外径と一致していなくてもよい。
さらに、凹部11の外径が凸部13の外径よりも大きくなっているが、凹部11の外径や凸部13の外径を適宜変更してもよいし、凹部11を凸部とし、凸部13を凹部としてもよい。すなわち、レンズ部7として、メニスカスレンズだけでなく、両凸レンズ、平凸レンズ、両凹レンズ、平凹レンズを得るようにしてもよい。
図1(a)等では、凹凸部11,13の数を少なく描いている。実際には、成形品本体部3の外径は、4インチから8インチ程度であり、凹凸部11,13は、数百個から数千個設けられている。
成形品本体部3を構成する成形材料として、紫外線硬化樹脂の代わりに、所定の波長の電磁波の照射で硬化する樹脂もしくは熱可塑性樹脂もしくは熱硬化性樹脂等の樹脂やガラス等の材料を掲げることができるが、ここでは、紫外線硬化樹脂を例に掲げて説明する。
離型用部材5は、図1や図17等で示すように、基端側部位15と先端側部位17とで構成されている。先端側部位17は成形品本体部3から突出している。基端側部位15の表面の一部位は成形品本体部3に接触している。また、離型用部材5は、基端側部位15の表面の残りの他部位が露出するようにして、成形品本体部3に一体的に設けられている。さらに、離型用部材5は、上記残りの他部位の少なくとも一部の表面が粘着性を備えている。
離型用部材5についてさらに説明すると、離型用部材5は、粘着材21と板状に形成されたタグ本体部19とを具備している。また、離型用部材5は、この厚さ方向が成形品本体部3の厚さ方向と一致している。
タグ本体部19の長手方向一方の側の部位である基端側部位15では厚さ方向の一方の面(図1(b)では上面)が露出し厚さ方向の他方の面(図1(b)では下面)が成形品本体部3に接触している。タグ本体部19の長手方向の他方の側の部位である先端側部位(基端側部位15を除いた残りの部位)17は、成形品本体部3のたとえば外周から突出している。また、粘着材21は、基端側部位15における露出面の少なくとも一部(たとえば全面)に、薄い膜状になって設けられている(図2(a)参照)。
粘着材21が設けられている離型用部材5もタグ本体部19とほぼ同形状の板状になっており、離型用部材5の長手方向は、成形品本体部3の厚さ方向と直交しており、成形品本体部3の径方向と一致している。離型用部材5では、長手方向の寸法(図1(a)では左右方向)が幅方向(長手方向と厚さ方向とに直交する方向;図1(a)では上下方向)の寸法よりも大きくなっているが、幅方向の寸法が長手方向の寸法よりも大きくなっていてもよい。また、粘着材21に代えて接着力の弱い接着材をタグ本体部19に設けてあってもよい。さらに、タグ本体部19自体が粘着性を備えていてもよい。
レンズ集合体1では、離型用部材5の厚さ方向の一方の面(基端側部位15で成形品本体部3から露出している面;図1(b)では上面)が、成形品本体部3の厚さ方向の一方の面(図1(b)では上面)と同一平面上に存在している。そして、離型用部材5の基端側部位15では、離型用部材5の側面(幅方向の両側や長手方向で基端側部位15の端部に位置している面)23A,23B,23Cも、成形品本体部3に接触している。
タグ本体部19は、たとえば、薄い合成樹脂板で構成されており、これにより、離型用部材5は、この厚さ方向で弾性変形して容易に曲がるようになっている。
なお、粘着材21は、図2(a)で示すように、たとえば、基端側部位15の全体に重なるように設けられているが、基端側部位15よりも小さい部位15Aにのみ粘着材21を設けてあってもよいし、基端側部位15よりも大きい部位15Bにのみ粘着材21を設けてあってもよい。
また、図2(b)、(c)で示すように、離型用部材5と成形品本体部3との間の固着力を高めるために、離型用部材5の基端側部位15に貫通孔25を設け、この貫通孔25に成形品本体部3を入り込ませてもよい。
さらに、離型用部材5を複数設けてあってもよい。この場合、各離型用部材5は、成形品本体部3の周辺部(成形品本体部3の外周)に所定の間隔をあけて配置されているものとする。そして、各離型用部材5の先端側部位17が、成形品本体部3からたとえば放射状に突出しているもとする。
ここで、レンズ集合体1の製造方法について説明すると、レンズ集合体1は、離型用部材貼付工程と成形材料供給工程と成形材料成形工程と離型工程(剥離工程)とを経て製造される。
離型用部材貼付工程は、離型用部材(タグ)5を、粘着材21を用いて型に貼り付ける(固定する)工程である。なお、離型用部材5は、前述したように、基端側部位15と先端側部位17とで構成されたタグ本体部19と、基端側部位15の少なくとも一部に設けられている薄い膜状の粘着材21とを具備している。
成形材料供給工程は、型に未硬化の成形材料を供給する工程である。
成形材料成形工程は、成形材料供給工程で供給した未硬化の成形材料が所定形状(成形品本体部3の形状)になるまで、前記型内で流動させた後、成形材料を硬化して成形する工程である。
上記流動によって、離型用部材貼り付け工程で貼り付けられた離型用部材5におけるタグ本体部19の基端側部位15が、成形材料供給工程で供給された未硬化の成形材料内に入り込むようになる(基端側部位15の一部が未硬化の成形材料に接するようになる)。
この入り込んだ状態では、離型用部材5におけるタグ本体部19の基端側部位15のうちで、粘着材21によって型に貼り付いている部位が粘着材21を間にして型と対向して成形材料とは非接触の状態になっており、離型用部材5におけるタグ本体部19の基端側部位15のうちで、型に貼り付いていない部位が、成形材料に接触している。
なお、上述したように、上記流動をしても、離型用部材貼り付け工程で貼り付けられた離型用部材5におけるタグ本体部19の先端側部位17が、成形材料供給工程で供給された未硬化の成形材料から突出している。
離型工程(剥離工程)は、成形材料成形工程で成形材料を硬化して成形した後、突出している離型用部材5におけるタグ本体部19の先端側部位17を引っ張ることで、硬化した成形材料を型から離す(硬化した成形材料の一部である離型用部材5周辺近傍の部位を型から剥離させる)工程である。
レンズ集合体1の製造方法についてさら詳しく説明すると、レンズ集合体1は、離型用部材貼付工程(上述した離型用部材貼付工程とほぼ同様な工程)と成形材料供給工程(上述した成形材料供給工程とほぼ同様な工程)と型位置決め工程と成形材料硬化工程と離型工程(上述した離型工程とほぼ同様な工程)とを経て製造される。
離型用部材貼付工程は、離型用部材(タグ)5を、粘着材21を用いて第2の型(たとえば上型M2の周辺部側)に貼り付ける(固定する)工程である(図10参照)。
成形材料供給工程は、第2の型(上型M2)が第1の型(下型M1)から所定の距離だけ離れている状態で、第1の型、第2の型の少なくともいずれかの型(たとえば、下型M1の中央部)に未硬化の成形材料を供給する工程である(図10参照)。
型位置決め工程は、第1の型に前記第2の型を相対的に接近させて(たとえば、上型M2を下降して)位置決めする工程である(図11参照)。
型位置決め工程で位置決めされることで、離型用部材5におけるタグ本体部19の基端側部位15が、成形材料供給工程で供給された未硬化の成形材料内に上述したごとく入り込む。
型位置決め工程で位置決めされることで、離型用部材5におけるタグ本体部19の先端側部位17が、成形材料供給工程で供給された未硬化の成形材料から突出している。
型位置決め工程で型M1,M2同士がお互いに近づくことで、下型M1の中央部に供給された未硬化の成形材料が型M1,M2の間を流動して型M1,M2の周辺部まで広がり、未硬化の成形材料(硬化によって成形品本体部3になる成形材料)が板状の形状になる。また、未硬化の成形材料が型M1,M2の周辺部にまで広がることで、未硬化の成形材料内に、離型用部材5の基端側部位15が上述したごとく入り込む。
成形材料硬化工程は、型位置決め工程で型M1,M2の位置決めをした後、紫外線硬化樹脂で構成された成形材料に紫外線を照射して成形材料を硬化する工程である(図11参照)。
離型工程(剥離工程)は、成形材料硬化工程で成形材料を硬化した後、上型M2を下型M1から相対的に離し(図12参照)、突出している離型用部材5の先端側部位17を引っ張ることで、硬化した成形材料を上型もしくは下型(たとえば、上型M2)から離す(レンズ集合体1を上型M2から離すきっかけをつくる;離し始めの状態をつくる;離型用部材5が設けられている部位およびこの近傍の部位のみでレンズ集合体1の成形品本体部3が上型M2から剥離され離れた形態にする)工程である(図13〜図16参照)。
次に、レンズ集合体1の製造システム(成形品成形システム)31(図3、図4参照)について説明する。上述したレンズ集合体1の製造方法(成形品成形方法)は、たとえば、レンズ集合体製造システム31によってなされる。
レンズ集合体製造システム31は、成形装置33とタグ貼り付け装置35とを備えて構成されている。成形装置33は、図5、図6等で示すように、第1の型設置体(下型設置体)37と第2の型設置体(上型設置体)39と成形材料硬化装置(たとえば、紫外線発生装置)41と制御装置(CPUを有する制御装置)43とを備えて構成されている。
下型設置体37には、真空吸着やボルト等の締結具を用いて下型M1が一体的に設置されるようになっている。
上型設置体39には、真空吸着やボルト等の締結具を用いて上型M2が一体的に設置されるようになっている。上型設置体39は、下型設置体37から離れて下型設置体37の上方に設けられており、下型設置体37に対して接近もしくは離反する方向(上下方向)で下型設置体37に対して相対的に移動位置決めされるようになっている(たとえば、上型設置体39のみが移動して移動位置決めされるようになっている)。
下型M1は、下型設置体37の上面に設置され、上型M2は上型設置体39の下面に設置されるようになっている。下型設置体37に設置された下型M1と、上型設置体39に設置された上型M2とはお互いが対向している。また、下型設置体37に設置された下型M1と上型設置体39に設置された上型M2とを上下方向から見ると、下型M1と上型M2とはお互いが重なっている。
成形材料硬化装置41は、下型設置体37に設置された下型M1、上型設置体39に設置された上型M2の少なくともいずれかに、詳細は後述する成形材料供給装置45もしくは手動等によって供給された未硬化の成形材料である供給済み未硬化成形材料(液体状もしくは流動体状の紫外線硬化樹脂)を硬化する装置である。なお、成形材料が紫外線硬化樹脂であるので、成形材料硬化装置41として紫外線発生装置が採用されるが、成形材料が熱硬化性樹脂や熱可塑性樹脂である場合には、成形材料硬化装置としてヒータやクーラが採用される。さらに、成形材料が紫外線硬化樹脂である場合において、成形材料硬化装置41として紫外線発生装置に加えてヒータ等が採用される場合がある。
離型用部材貼付装置(タグ貼付装置)35は、粘着材21を用いて、離型用部材5を下型M1もしくは上型M2(たとえば、上型M2)に貼り付ける(固定する)装置である。
ここで、成形装置33についてさらに詳しく説明する(図5、図6等参照)。
説明の便宜のために、水平な一方向をX軸方向とし、水平な他の一方向であってX軸方向に対して直交する方向をY軸方向とし、X軸方向とY軸方向とに直交する上下方向をZ軸方向とする。
成形装置33は、たとえば、ベース体47を備えている。ベース体47の上面の中央部には、水平方向移動位置決め装置49が載置されている。水平方向移動位置決め装置49は、基台51とテーブル53とを備えて構成されている。
基台51は、ベース体47に一体的に設けられている。テーブル53は、基台51に載置されており、たとえば、X軸方向、Y軸方向、および、γ軸まわりで、基台51に対して所定量だけ移動(回動)自在になっている。γ軸は、水平方向移動位置決め装置49の中心を通ってZ軸方向に延びている軸である。
そして、図示しないサーボモータ等のアクチュエータによって、テーブル53が基台51に対して、上述したX軸方向等で移動位置決め(回動位置決め)されるように構成されている。
なお、テーブル53が基台51に対して、さらに、α軸まわり、β軸まわりで所定量だけ回動位置決め自在になっていてもよい。すなわち、テーブル53の姿勢がジンバル機構によって回動位置決め自在になっていてもよい。α軸は、水平方向移動位置決め装置49の中心を通ってX軸方向に延びている軸であり、β軸は、水平方向移動位置決め装置49の中心を通ってY軸方向に延びている軸である。
テーブル53の上面には、ロードセル55を介して下型設置体37が設けられている。下型設置体37は、下型設置体本体部57と保持部(たとえば、図3に示すチャック用真空ポンプ60で稼動する真空吸着部)59とを備えて構成されている。下型設置体本体部は、矩形な板状に形成されており、この厚さ方向が上下方向になるようにして、ロードセル55を間にしてテーブル53に一体的に設けられている。
保持部59は、下型設置体本体部57よりも小さい矩形な板状に形成されている。保持部59は、この厚さ方向が上下方向になるようにして、下型設置体本体部57の上面の中央部で、下型設置体本体部57に一体的に設けられている。
下型M1は、円形等の平板状に形成されており、厚さ方向が上下方向になるようにして、保持部59の上面の中央部で、保持部59に設置され保持されるようになっている。下型M1が保持部59に設置され保持されている状態では、下型M1の上面に、レンズ集合体1の凸部13に応じた凹部(図示せず)が形成されている。
また、下型設置体本体部57には、ベロース61が設けられている。ベロース61は、レンズ集合体1を成形するときに、上型設置体39、図示しない真空ポンプと協働して、レンズ集合体1の成形環境を真空状態にするためのものである。
また、成形装置33では、ベース体47の上面の両端部から一対の支柱63が立設されている。支柱63はベース体47に一体的に設けられている。
一対の支柱63のそれぞれには、上下動テーブル67が設けられている。上下動テーブル67は、リニアガイドベアリング69を介して支柱63に支持されており、サーボモータ71等のアクチュエータによって、Z軸方向で移動位置決め自在になっている。なお、一対のサーボモータ71は同期して駆動するようになっており、一対の上下動テーブル67は、Z軸方向で同期して移動するようになっている。
一対の上下動テーブル67の間には、上型設置体39を構成している連結体65が設けられている。連結体65は、一対の上下動テーブル67に一体的に設けられている。
連結体65の中央部には、Z軸方向で連結体65を貫通している貫通孔73が設けられており、貫通孔73には、紫外線を透過する材料(たとえば、石英ガラス)で構成されたバックアップ材(バックアップガラス)75が一体的に設けられている。バックアップガラス75(上型設置体39)の下面は、水平方向に展開しており、保持部59(下型設置体37)の上面と対向している。
上型M2は、下型M1と同様にして円形等の平板状に形成されており、厚さ方向が上下方向になるようにして、バックアップガラス75の下面の中央部で、ボルト等の締結具を用いて、バックアップガラス75に設置され保持されるようになっている。上型M2がバックアップガラス75(連結体65)に設置され保持されている状態では、上型M2の下面に、レンズ集合体1の凹部11に応じた凸部(図示せず)が形成されている。
なお、成形材料として紫外線硬化樹脂を採用しているので、上型M2は、紫外線が透過する材料(たとえば石英ガラス)で構成されている。下型M1は、金属で構成されていてもよいし、石英ガラス等で構成されていてもよい。
また、成形装置33には、カメラ77が設けられている。カメラ77は、連結体65の上部で連結体65に支持されており、貫通孔73等を通して、上型設置体39に設置されている上型M2のアイマーク(図示せず)と、下型設置体37に設置されている下型M1のアイマーク(図示せず)とを撮影することができるようになっている。
カメラ77での撮影結果に応じて、下型設置体37に設置されている下型M1に対する、上型設置体39に設置されている上型M2の位置ずれ量(X軸方向、Y軸方向、γ軸まわり)を、制御装置43でもとめることができるようになっている。
そして、制御装置43でもとめた位置ずれ量に応じて、制御装置43の制御の下、テーブル53を移動位置決めし、下型設置体37に設置されている下型M1に対する、上型設置体39に設置されている上型M2の位置ずれ量を無くすことができるようになっている。
また、紫外線発生装置41は、連結体65の上部で連結体65に支持されており、貫通孔73等を通して、発生した紫外線を成形材料に照射することができるようになっている。
なお、カメラ77と紫外線発生装置41とは、お互いの干渉を避けるため、適宜移動することができるようになっている(図5の破線参照)。
次に、制御装置43について詳しく説明する。
制御装置43は、メモリ(図示せず)に予め格納されているプログラムにしたがって、次に示す制御をするようになっている。
まず、上型設置体39に設置されている上型M2が下型設置体37に設置されている下型M1から離れている状態(図9で示すように、上型設置体39が上昇している状態)で、離型用部材貼付装置(タグ貼り付け装置)35で上型M2もしくは下型M1(たとえば、上型M2)に離型用部材5を貼り付ける(図10参照)。
この貼り付け後、供給済み未硬化成形材料(たとえば、下型M1の上面に供給された所定量の未硬化紫外線硬化樹脂)内に離型用部材5の基端側部位15が上述したごとく入り込み、離型用部材5の先端側部位17が供給済み未硬化成形材料から突出し、供給済み未硬化成形材料が所定の形状(成形品本体部3の形状)になるように、上型設置体39に設置された上型M2を下降させ、下型設置体37に設置された下型M1に所定の距離まで近づけて位置決めする(図11参照)。
この位置決め後に、カメラ77を用いて、各型M1,M2のアイマークを撮影し、各型M1,M2の位置ずれを補正する。
この補正後に、下型設置体37とベロース61と上型設置体39とで形成された閉空間62内を真空状態にし、紫外線発生装置41から紫外線を発して、成形材料を硬化する。
また、レンズ集合体製造システム31には、成形品剥離装置79が設けられている。
成形品剥離装置79は、成形材料硬化装置41によって硬化した成形材料(成形品本体部3)から突出している離型用部材5を引っ張ることで、下型M1もしくは上型M2(たとえば上型M2)から硬化した成形材料と離型用部材5とで構成されたレンズ集合体1を外す(剥がす)装置である。
成形品剥離装置79が設けられていることで、制御装置43は、成形材料硬化装置41で成形材料を硬化した後(図11参照)、上型設置体39を上昇させて下型設置体37から離し(図12参照)、この後に、成形品剥離装置79によって、下型M1もしくは上型M2(たとえば上型M2)からレンズ集合体1を外す(剥がす)制御をするようになっている(図12〜図15参照)。
なお、成形材料硬化装置41で成形材料を硬化した後に上型設置体39を下型設置体37から離すと、図12で示すように、離型用部材5が貼り付けられた上型M2に、硬化した成形材料と離型用部材5とが貼り付き(レンズ集合体1が貼り付けたまま残り)、離型用部材5が貼り付けられなかった下型M1が、硬化した成形材料から離れるようになっている。このように、硬化した成形材料が上型M2に貼り付く(残る)ようにするために、従来の場合と同様にして、たとえば、成形品本体部3の形状を上型M2に接する面(成形時に上型M2に貼り付く面)と下型M1に接する面(成形時に下型M1に貼り付く面)とで変えてある。
すなわち、図1で示すように、成形品本体部3の上面(上型M2に貼り付く面)に形成されている凹部11の直径が、成形品本体部3の下面(下型M1に貼り付く面)に形成されている凸部13の直径よりも大きくなっており、成形品本体部3における、上型M2に貼り付いている部位の面積が下型M1に貼り付いている部位の面積よりも大きくなっている。
成形品剥離装置79は、たとえば、レンズ集合体1を上型M2から離すきっかけをつくる装置である(離し始めの状態をつくる装置である)。すなわち、成形品剥離装置79によって、離型用部材5が設けられている部位およびこの近傍の部位のみで、レンズ集合体1(成形品本体部3)が上型M2から離れた状態になるのである。
また、レンズ集合体製造システム31には、成形材料供給装置45や成形品搬出装置81が設けられている。
成形材料供給装置45は、下型設置体37に設置された下型M1、上型設置体39に設置された上型M2の少なくともいずれかに(たとえば、下型設置体37に設置された下型M1の上に)、未硬化の成形材料を供給する装置である。
成形材料供給装置45は、図3や図6で示すように、制御装置43の制御の下、ディスペンサ87をコントロールするコントローラ83と、未硬化の紫外線硬化樹脂を蓄えている樹脂タンク85と、ディスペンサ87と、未硬化の紫外線硬化樹脂を吐出するノズル89とを備えて構成されている。
ノズル89は、図6に実線と破線とで示すように、上型設置体39との干渉を避ける等のために移動可能になっている。
成形材料供給装置45を設けた場合、制御装置43は、離型用部材5の貼り付け後、成形材料供給装置45を用いて、たとえば、下型設置体37に設置された下型M1の上面中央部に、未硬化の成形材料を供給する制御をするようになっている。
成形品搬出装置81は、成形品剥離装置79で上型M2から一部が外れたレンズ集合体1を、上型設置体39に設置されている上型M2から完全に外し、この外したレンズ集合体1を搬出する装置である。
成形品搬出装置81を設けた場合、制御装置43は、成形品剥離装置79で上型設置体39に設置されている上型M2から一部が外れたレンズ集合体1を、成形品搬出装置81を用いて上型設置体39に設置されている上型M2から完全に外し、この外したレンズ集合体1を成形装置33から搬出する制御をするようになっている。
さらに、レンズ集合体製造システム31には、タグ供給貼り付け装置(タグローダ)91が設けられている。なお、タグ貼り付け装置35は、タグ供給貼り付け装置91の一部を構成している。
タグ供給貼り付け装置91は、図19等で示すように、タグ集合体収容部93と、タグ取り出し部95と、タグ貼り付け部97(タグ貼り付け装置35)とを備えて構成されている。
タグ集合体収容部93は、タグ集合体(タグ積層体)99を収容するように構成されている。
タグ集合体99は、市販されているものであり、タグ5が複数枚、これらの厚さ方向でお互いに重なって構成されている。タグ5は、上述したように、また、図17で示すように、板状に形成されたタグ本体部19とこのタグ本体部19の基端側部位15における厚さ方向の一方の面の少なくとも一部に設けられた薄い膜状の粘着材21とを具備している。
そして、タグ集合体99では、1枚のタグ5(5A)の厚さ方向の一方の面(たとえば下面)の全面に、上記1枚のタグとは別の1枚のタグ5(5B)の厚さ方向の他方の面(たとえば、上面)の全面が接触し、しかも、粘着材21がタグ5の長手方向(たとえば、左右方向)で交互に位置するようにして、タグ5が複数枚重なっている(図18参照)。
タグ5やタグ本体部19は、たとえば、細長い矩形な板状に形成されている。したがって、タグ集合体99は、細長い直方体状に形成されている(図17等参照)。
タグ集合体99について、さらに詳しく説明する。ここで説明の便宜のために、タグ5の厚さ方向や各タグ5が重なっている方向を上下方向とする。最も上方のタグ(一番目のタグ)5Aは、この下面であって長手方向の一方の側(図18では、左側)に粘着材21が設けられている。一番目のタグ5Aの下で一番目のタグ5Aに接触して重なっている二番目のタグ5Bは、この下面であって長手方向の他方の側(図18では、右側)に粘着材21が設けられている。また、二番目のタグ5Bの下で二番目のタグ5Bに接触して重なっている三番目のタグ5Cは、この下面であって長手方向の一方の側(図18では、左側)に粘着材21が設けられている。四番目以降のタグ5も同様に、粘着材21が交互に位置して、その上に位置するタグ5に重なっている。なお、最も下のタグは、擬似タグ5Zであり、これには、粘着材が設けられていない。
なお、タグ集合体99では、これらの重なっている各タグ5同士は、粘着材21によってお互いがくっついているが、お互いのタグ5は、容易に(タグ5の形態や機能を損なうような大きな力を加えることなく粘着材21によってくっついているところを剥がすだけで)1枚ずつ分離されるようになっている。
タグ取り出し部95は、タグ集合体収容部93に収容されているタグ集合体99から、タグ5を枚葉で(1枚ずつ)取り出すように構成されている。タグ貼り付け部97は、タグ取り出し部95で取り出したタグ5を、対象物(たとえば、上型M2)に貼り付けるように構成されている。
ここで、タグ供給貼り付け装置91についてより詳しく説明する。
説明の便宜のために、水平な一方向をU軸方向とし、水平な他の一方向であってU軸方向に対して直交する方向をV軸方向とし、U軸方向とV軸方向とに直交する上下方向をZ軸方向(上下方向)とする。
タグ集合体収容部93は、タグ集合体99を内部に収容する第1の筐体101Aと、この第1の筐体101Aと同様に構成されタグ集合体99を内部に収容する第2の筐体101Bとを備えている。
第1の筐体101A(第2の筐体101B)は、直方体状の内部空間103を有し、この内部空間103内にタグ集合体99が収容されるようになっている。なお、内部空間103の高さ方向はZ軸方向になっており、内部空間103の長手方向はU軸方向になっており、内部空間103の幅方向はV軸方向になっている。
内部空間103の高さ寸法は、タグ集合体99の高さ寸法よりも大きくなっており、内部空間103の幅寸法は、タグ集合体99の幅寸法よりも僅かに大きくなっており、内部空間103の長手方向の寸法は、タグ集合体99の長手方向のよりも大きくなっている(タグ集合体99の長手方向の寸法の2倍以下の寸法になっている)。
タグ集合体99は、高さ方向(タグ5の厚さ方向)が内部空間103の高さ方向と一致し、幅方向が内部空間103の幅方向と一致し、長手方向が内部空間103の長手方向と一致するようにして、内部空間103内に収容される。この収容された状態では、各タグ5の粘着材21は、各タグ5においてタグ本体部19の下側に位置しており、タグ集合体99の擬似タグ5Zが内部空間103の底壁に接触しており、内部空間103の長手方向(U軸方向)で、タグ集合体99が、内部空間103の一方の側の内壁、もしくは、内部空間の他方の側の内壁に接触している(図19、図22参照)。
第1の筐体101A(第2の筐体101B)の上部には、タグ集合体99を構成しているタグ5を1枚ずつ取り出すためのタグ取り出し口105が形成されている。タグ取り出し口105は、第1の筐体101A(内部空間103)の長手方向の中央部に形成されている。
また、タグ集合体99が内部空間103内に収容された状態では、一番上のタグ(第1のタグ)5Aの長手方向の一方の側の部位が、タグ集合体99から剥がれて、タグ取り出し口105を通って第1の筐体101A(第2の筐体101B)の上方に突出している。第1のタグ5Aにおいて、第1の筐体101A(第2の筐体101B)の上方に突出している部位は、先端側部位17であり、基端側部位15は、粘着材21によってタグ集合体99に貼り付いており内部空間103内に存在している。しかも、第1のタグ5Aの基端側部位の端部(タグ集合体99の長手方向の一方の端部)が、内部空間103の長手方向の一方の内壁に接触しており、タグ集合体の長手方向の他方の端部が、内部空間103の長手方向の他方の内壁から離れている(図19参照)。
そして、詳しくは後述するタグ取り出し部95を用いて第1のタグ5Aを、第1の筐体101A(第2の筐体101B)の内部空間103から上方に取り出す(抜き取る)ときに、第1のタグ5Aがタグ集合体99(第2のタグ5B)から離れ、二番目に位置していたタグ(第2のタグ)5Bが一番上のタグになる。また、第1のタグ5Aを取り出すとき、タグ集合体99がこの長手方向(U軸方向)で内部空間103内を移動し、取り出しが終了したときに、タグ集合体99の長手方向の他方の端部が、内部空間103の長手方向の他方の内壁に接触している状態になる(図22参照)。
同様にして、第2のタグ5Bを取り出すと、第2のタグ5Bがタグ集合体(第3のタグ5C)から離れ、三番目に位置していたタグ(第3のタグ)5Cが一番上のタグになる。また、第2のタグ5Bを取り出すとき、タグ集合体99がこの長手方向で内部空間103内を移動し、取り出しがが終了したときに、タグ集合体99の長手方向の一方の端部が、内部空間103の長手方向の一方の内壁に接触している状態になる。
第4のタグ以後のタグ5の取り出しにおいても、第1のタグ5A、第2のタグ5Bの場合と同様にして、タグ集合体99がこの長手方向で内部空間103内を移動する。
第1の筐体101A(第2の筐体101B)には、タグ積層体位置検出(確認)センサ107A,107Bと、タグ検出(確認)センサ109とが設けられている。
タグ積層体位置検出センサ107Aは、たとえば、反射式の光電センサで構成されており、第1の筐体101A(第2の筐体101B)の下側であって内部空間103の長手方向の一端部側で、図示しないブラケットを介して、第1の筐体101A(第2の筐体101B)に一体的に設けられている。そして、下壁にあいている貫通孔を介して、タグ集合体99の有無(存在もしくは非存在)を検出することができるようになっている。
タグ積層体位置検出センサ107Bもタグ積層体位置検出センサ107Aと同様にして、たとえば、反射式の光電センサで構成されており、第1の筐体101A(第2の筐体101B)の下側であって内部空間103の長手方向の他端部側で、図示しないブラケットを介して、第1の筐体101A(第2の筐体101B)に一体的に設けられている。そして、下壁にあいている貫通孔を介して、タグ集合体99の有無(存在もしくは非存在)を検出することができるようになっている。
タグ積層体位置検出センサ107A,107Bを設けてあることで、タグ取り出し部95で、内部空間103内に収容されているタグ集合体99からタグ5を取り出したとき、この取り出したタグ5のいずれの側に粘着材21が設けられているのかを判別することができるようになっている。
すなわち、図19に示すように、第1の筐体101Aの内部空間103の左側(長手方向の一端部側)にタグ集合体99が位置している状態(タグ積層体位置検出センサ107Aのみがタグ集合体99を検出している状態)で、タグ5を取り出すと、図22で示すようになる。図22で示す状態では、タグ5(タグ本体部19)の右側に、粘着材21が位置している。
一方、図28に示すように、第1の筐体101Aの内部空間103の右側(長手方向の他端部側)にタグ集合体99が位置している状態(タグ積層体位置検出センサ107Bのみがタグ集合体99を検出している状態)で、タグ5を取り出したときも、図22で示すようになるが、この状態では、タグ5(タグ本体部19)の左側に、粘着材21が位置する。
タグ検出センサ109は、たとえば、投受光式の光電センサで構成されており、第1の筐体101A(第2の筐体101B)の上側で、図示しないブラケットを介して、第1の筐体101A(第2の筐体101B)に一体的に設けられている。そして、内部空間103からタグ5の先端側部位17が上方に突出しているか否かを検出することができるようになっている。これにより、第1の筐体101A(第2の筐体101B)の内部空間103内にタグ集合体99(タグ5)が存在しているか否かを検出することや、タグ取り出し部95によるタグ5の取り出しが良好になされたか否かを検出することができるようになっている。
また、第1の筐体101Aと第2の筐体101Bとは、インデックス位置決め部111によって、180°のインデックス位置決めがなされるようになっている。
インデックス位置決め部111は、インデックスベース体113と回動体115とを備えて構成されている。回動体115の一方の端部には、第1の筐体101Aが一体的に設けられており、回動体115の他方の端部には、第2の筐体101Bが一体的に設けられている。回動体115の中央部は、インデックスベース体113に係合している。
そして、Z軸方向に延びた軸C2を回動中心にして、図示しないサーボモータやシリンダのアクチュエータによって、回動体115(第1の筐体101A,第2の筐体101B)がインデックスベース体113に対して、180°の角度でインデックス位置決めされるようになっている。すなわち、図19に示す状態から、第1の筐体101Aと第2の筐体101Bとが入れ替わり、図30で示す状態になるのである。
なお、インデックスベース体113は、レンズ集合体製造システム31の基礎体117(図3参照)に一体的に設けられている。成形装置33のベース体47も、基礎体117に一体的に設けられている。
タグ取り出し部95は、前述したように、タグ集合体収容部93に収容されているタグ集合体99から、タグ5を枚葉で(1枚ずつ)取り出す装置であり、第1の筐体101Aの上方に設けられている。
また、タグ取り出し部95は、図19等で示すように、タグ5を把持するための一対のツメ部119を備えたタグ把持部121と、タグ把持部121を支持している把持部支持体123と、把持部支持体123を支持している把持部ベース体125と、把持部ベース体を支持している移動体127と、移動体127を支持している移動体支持体129と、たとえば投受光式光電センサで構成されているタグチャック位置検出センサ131とを備えて構成されている。
タグ把持部121は、図19に示す状態で、把持部支持体123の下端部で、Z軸方向に延びた軸C3を中心にして、ロータリシリンダ等のアクチュエータ133により、把持部支持体123に対して180°の角度でインデックス位置決め自在になっている。
ツメ部(把持用ツメ部)119は、タグ把持部121の下方に突出しており、一対のツメ部119が開閉することで、タグ5を把持し、また、タグ5を開放することができるようになっている。
把持部支持体123は、把持部ベース体125に対してZ軸方向で移動自在になっており、図示しないシリンダ等のアクチュエータによって、把持部ベース体125に対してZ軸方向で、上端位置(図19参照)と下端位置(図22参照)との2つの位置に移動位置決めされるようになっている。
把持部ベース体125は、V軸方向に延びた軸C1を中心にして、ロータリシリンダ等のアクチュエータにより、移動体127に対して90°の角度でインデックス位置決め自在になっている。すなわち、図19に示す状態から図23等で示す状態に、インデックス位置決めされるようになっている。
移動体127は、基礎体117に一体的に支持されている移動体支持体129に対してU軸方向で移動自在になっており、図示しないサーボモータ等のアクチュエータによって、移動体支持体129に対してU軸方向で移動位置決めされるようになっている。なお、移動体127の位置は、図示しないリニアエンコーダ等の位置検出装置によって測定することができるようになっている。
タグチャック位置検出センサ131と上記リニアエンコーダとによって、一対のツメ部119による、タグ5の把持長さ(図22に示す長さL1)を検出することができるようになっている。すなわち、図23〜図24の間の状態で、タグチャック位置検出センサ131がタグ5(タグ5の先端)を検出したときにおける上記リニアエンコーダの値を読み取ることで、制御装置43が、図22に示す長さL1を算出することができるようになっている。
タグ貼り付け部97と成形品剥離装置79と成形品搬出装置81とは、たとえば、小型の産業用ロボット137(図3参照)のロボットハンド135の先端に設けられている(図7参照)。
詳しく説明すると、ロボットハンド135の先端には、ロータリシリンダ139等のアクチュエータを介して、直方体状の基端側支持体141が設けられている。
ここで説明の便宜のために、ロボットハンド135の長手方向をA軸方向とし、A軸方向に対して直交する一方向をB軸方向とし、A軸とB軸とに直交する方向をC軸方向とする。
基端側支持体141は、ロボットハンド135をこの先端側に延長するようにして設けられている(基端部側がロボットハンド135側に位置し、先端部側がロボットハンド135とは反対側に位置し、A軸方向でロボットハンド135から延出している)。
基端側支持体141の先端には、円板状の先端側支持体143が一体的に設けられている。なお、ロータリシリンダ139によって、基端側支持体141と先端側支持体143とが、先端側支持体143等の中心を通りA軸方向に延びた軸CA1を中心にして、180°の角度でインデックス位置決めされるようになっている。図7に示す状態では、先端側支持体143の厚さ方向がC軸方向と一致しているが、図7から基端側支持体141と先端側支持体143とを180°インデックス位置決めした状態でも、先端側支持体143の厚さ方向がC軸方向と一致する。すなわち、成形品吸着パッド145とタグ吸着パッド147との上下関係が逆転するようになっている。
成形品吸着パッド(真空吸着パッド)145は、真空吸着によってレンズ集合体1(成形品本体部3)を保持する装置である。成形品吸着パッド145は複数設けられており、各成形品吸着パッド145は、先端側支持体143の厚さ方向の一方の面であって先端側支持体143の外周の近傍で、先端側支持体143の円形状の外周に沿って、一定の間隔で配置されている。
タグ吸着パッド147は、真空吸着によってタグ5を保持する装置である。タグ吸着パッド147は、先端側支持体143の厚さ方向の他方の面であって、たとえば、先端側支持体143の外周の近傍で、基端側支持体141の近くに配置されている。
タグ把持部(離型用部材把持部)149は、基端側支持体141の先端側に設けられており、基端側ツメ部構成体151と先端側ツメ部構成体153とを備えて構成されている。基端側ツメ部構成体151の上端(C軸方向の一端;図7で示す状態で上方)には、基端側ツメ部155が形成されている。先端側ツメ部構成体153の上端(C軸方向の一端)には、先端側ツメ部157が形成されている。
基端側ツメ部構成体151は、基端側ツメ部155が基端側支持体141の上方(図7で示す状態で上方)で基端側支持体141から突出するようにして、基端側支持体141に支持されている。また、基端側ツメ部構成体151は、シリンダ等のアクチュエータにより基端側支持体141に対してC軸方向で移動自在になっている。
先端側ツメ部構成体153は、先端側ツメ部157が基端側ツメ部155の上方に(図7で示す状態で上方)に位置するようにして、基端側ツメ部構成体151に支持されている。また、先端側ツメ部構成体153は、シリンダ等のアクチュエータにより基端側ツメ部構成体151に対してC軸方向で移動自在になっている。
これにより、先端側ツメ部157が基端側ツメ部155に対して接近もしくは離反する方向で移動し、先端側ツメ部157と基端側ツメ部155とでタグ5を把持し、もしくは把持したタグ5を開放することができるようになっている。また、タグ把持部149(タグ5を把持する部位である先端側ツメ部157、基端側ツメ部155)がC軸方向で基端側支持体141に対して移動自在になっている。
上記記載から理解されるように、タグ貼り付け部97は、たとえば、産業用ロボット137のロボットハンド135と基端側支持体141と先端側支持体143とタグ吸着パッド147とを備えて構成されていることになる。
また、成形品剥離装置79は、たとえば、産業用ロボット137のロボットハンド135と基端側支持体141とタグ把持部149とを備えて構成されていることになる。
また、成形品搬出装置81は、たとえば、産業用ロボット137のロボットハンド135と基端側支持体141と先端側支持体143と成形品吸着パッド145とを備えて構成されていることになる。
さらに、タグ貼り付け部97、成形品剥離装置79、成形品搬出装置81では、産業用ロボット137のロボットハンド135と基端側支持体141とが共用されており、ロータリシリンダ139等の切り替え装置によって、タグ貼り付け部97、成形品剥離装置79、成形品搬出装置81等の切り替えができるように構成されている。
すなわち、図7に示すように、成形品吸着パッド145や基端側ツメ部155や先端側ツメ部157が、基端側支持体141や先端側支持体143の上側に位置しているときには、成形品吸着パッド145が成形品剥離装置79としての機能を発揮し、基端側ツメ部155と先端側ツメ部157とが成形品搬出装置81としての機能を発揮するようになっている。一方、ロータリシリンダ139により、図7に示す状態から基端側支持体141と先端側支持体143とが180°インデックスされ、先端側支持体143の上下面が入れ替わったときには、タグ吸着パッド147が、タグ貼り付け部97としての機能を発揮するようになっている。
ところで、成形品搬出装置81は、成形品剥離装置79で一部が上型設置体39に設置されている上型M2から外れたレンズ集合体1(成形品本体部3)を、成形品吸着パッド145で全体的に吸着して引っ張ることで、レンズ集合体1の全体を上型M2から完全に離す(取り外す)ように構成されている。
さらに、レンズ集合体1の全体を上型M2から完全に離離した後、成形品吸着パッド145でレンズ集合体1を吸着したまま、次の装置(たとえば、図3で示す測定装置159)まで搬送するようになっている。さらに、成形品搬出装置81は、レンズ集合体1の他の搬送をもするようになっている。たとえば、測定装置159からレンズ集合体1を搬出し、この搬出したレンズ集合体1を図3に示すカセットチェンジャ161まで搬送するようになっている。
さらに、レンズ集合体製造システム31には、上述した測定装置159と、上述した産業用ロボット137と、搬送スライダ163と、エンクロージャ165と、上述したカセットチェンジャ161と、空調装置167と、レンズ集合体製造システム31の温度を一定に保つためにチラー169と、ヘパフィルタ171とが設けられている。
測定装置159は、レンズ集合体1における凹部11に対する凸部13の位置ずれ量を、たとえば、図示しないカメラで撮影することで測定する装置であり、基礎体117に支持されている。測定装置159で測定された位置ずれ量が、制御装置43によって、成形装置33にフィードバックされ、成形装置33において、凹部11に対する凸部13の位置ずれ量を無くすべく、テーブル53の位置が適宜補正されるようになっている。
産業用ロボット137は、基礎体117に支持されている。搬送スライダ163は、成形品搬出装置81によって、測定装置159から搬出されたレンズ集合体1を成形品搬出装置81から受け取る装置であり、基礎体117に支持されている。
搬送スライダ163が受け取ったレンズ集合体1は、カセットチェンジャ161を介して、レンズ集合体製造システム31の外部に排出されるようになっている。
エンクロージャ165は、成形材料供給装置45のディスペンサ87やノズル89、成形装置33、産業用ロボット137、測定装置159、タグ貼り付け部97、成形品剥離装置79、成形品搬出装置81、搬送スライダ163、カセットチェンジャ161を囲っており、エンクロージャ165の内部にダストが入り込むこと等を防止している。
空調装置167は、ヘパフィルタ171と協働してエンクロージャ165内にクリーンな空気を送り込むものである。
次に、レンズ集合体製造システム31の動作について説明する。
図3では、矢印AR1が未硬化の成形材料の流れを示しており、矢印AR2がレンズ集合体1の流れを示している。
矢印AR1で示すように、制御装置43の制御の下、未硬化の成形材料が成形装置33に供給され、また、タグ供給貼り付け装置91によりタグ5が成形装置33に供給され、成形装置33によってレンズ集合体1が成形される。
成形されたレンズ集合体1は、産業用ロボット137により、測定装置159を経て搬送スライダ163まで搬送される。
搬送スライダ163まで搬送されたレンズ集合体1は、カセットチェンジャ161を介して、レンズ集合体製造システム31の外部に搬出される。
次に、成形装置33(成形品剥離装置79、成形品搬出装置81等を含む)の動作について詳しく説明する。
まず、初期状態では、図5や図6や図9で示すように、下型設置体37に下型M1が設置されており、上型設置体39に上型M2が設置されており、上型設置体39が上昇しており、カメラ77が退避しており、紫外線発生装置41は紫外線を発生していないものとする。
上記初期状態において、制御装置43の制御の下、タグ貼り付け装置35で上型M2に離型用部材5を貼り付ける(図10参照)。
この貼り付け後、成形材料供給装置45で、下型設置体37に設置された下型M1の上面中央部に、未硬化の成形材料を供給する(図10参照)。すなわち、図6に破線で示す位置のノズル89を移動し、未硬化の成形材料を供給する。
続いて、供給された未硬化成形材料内に離型用部材5の基端側部位15が入り込み、離型用部材5の先端側部位17が供給済み未硬化成形材料から突出し、供給済み未硬化成形材料が所定の形状(成形品本体部3の形状)になるように、上型設置体39に設置された上型M2を下降させ、下型設置体37に設置された下型M1に所定の距離まで近づけて位置決めする(図11参照)。
この位置決め後に、カメラ77を図5に破線で示す撮影位置まで移動し、カメラ77を用いて、各型M1,M2のアイマークを撮影し、各型M1,M2の位置ずれを補正する。なお、測定装置159の測定結果も参照して各型M1,M2の位置ずれを補正する場合もある。
この補正後に、カメラ77を退避させ、下型設置体37とベロース61と上型設置体39とで形成された閉空間62内を真空状態にし、紫外線発生装置41から紫外線を発して、成形材料を硬化する(図11等参照)。
続いて、上記閉空間62内を大気圧に戻し、上型設置体39を上昇させて、レンズ集合体1を下型M1から離す(図12参照)。
続いて、成形品剥離装置79のタグ把持部149で、レンズ集合体1のタグ5を把持し(図13参照)、タグ把持部149を下降させて、レンズ集合体1の一部を上型M2から剥がす(図14参照)。
続いて、成形品吸着パッド145を用いてレンズ集合体1を吸着し、基端側支持体141と先端側支持体143とを下降して、上型設置体39に設置されている上型M2からレンズ集合体1を完全に外し(図15参照)、この外したレンズ集合体1を成形装置33から測定装置159まで搬送し、上記初期状態に戻る。
ここで、図13〜図15で示す、レンズ集合体1の離型についてさらに説明する。
前記離型をするときには(離型工程では)、突出している離型用部材5におけるタグ本体部19の先端側部位17をタグ把持部149等で引っ張ることで、硬化した成形材料における離型用部材5近傍の部位(硬化した成形材料の一部と離型用部材5)を上型M2から剥離させる。
この剥離後に、複数の吸着パッド(たとえば真空吸着パッド)145を個別に制御して、硬化した成形材料(レンズ集合体1)の全体を上型M2から離す。
前記離型をするときの制御(コントロール)の態様についてさらに詳しく説明する。複数の真空吸着パッド145は、お互いが離れて配置されており、各真空吸着パッド145は、硬化した成形材料のほぼ全体(たとえば外周近傍の全周)を真空吸着することができるようになっている。すなわち、図7や図8で示すように円周に沿って各真空吸着パッド145が配置されていることで、円板状の成形材料(レンズ集合体1)の外周近傍部位のほぼ全体をほぼ均一な力で吸着することができるようになっている。
各真空吸着パッド145のそれぞれは、電磁切り換え弁等の切り換え弁を介して真空ポンプ(図3に示す真空ポンプ60でもよいし、図示しない他の真空ポンプであってもよい)に接続されている。
そして、硬化した成形材料における離型用部材5近傍の部位を上型M2から剥離させた後に、まず、この剥離した部位およびこの近傍の真空吸着パッド145を電磁切り換え弁によりオンして真空吸着を行い、続いて、真空吸着を行う真空吸着パッド145の数を次第に増やしていくことで、硬化した成形材料の全体を上型M2から離すようになっている。
なお、真空吸着を行う真空吸着パッド145の数を次第に増やす場合には、剥離した部位からこの剥離した部位の反対側に位置する部位に向かって、真空吸着を行う真空吸着パッド145の数を次第に増やすようになっている。また、切り換え弁に代えてもしくは加えて圧力制御弁(たとえば電気的な制御によって真空引きの圧力を変えることができる弁)を用いて各真空吸着パッド145の吸引力を制御し、硬化した成形材料の全体を上型M2から離すようにしてもよい。
さらに、離型のとき、図7に示す先端部側支持体143等を、前述した複数の真空吸着パッド145の制御に同期させて上下方向に移動させてもよい。
詳しく説明すると、まず、図13で示す状態で、タグ把持部149を下降して、硬化した成形材料(レンズ集合体1)の一部(図13の右側の端部とこの近傍の部位)を上型M2から剥離する。このとき、総ての真空吸着パッド145はオフしており真空吸着を行なっていない。
続いて、タグ把持部149による離型用部材5の把持を止めて、先端部側支持体143等を上昇し、総ての真空吸着パッド145をレンズ集合体1に接触させる(真空引きが可能な状態にする)。
続いて、真空吸着をオンする真空吸着パッド145を図13等の右から左に向かって次第の増やす動作に同期させて、先端部側支持体143等(総ての真空吸着パッド145)を下降する。このとき、真空吸着パッド145の空(から)引きが無いようにすることが望ましい。
これにより図15に示すように、上型M2からのレンズ集合体1の分離がなされる。
次に、タグ供給貼り付け装置91の動作について説明する。
まず、初期状態では、図19(図28でもよい。)で示すように、一対のツメ部119が開いており、把持部支持体123が下降しており、タグ把持部121(一対のツメ部119)が筐体101Aのタグ取り出し口105の真上に位置しており、筐体101A,101B内には、タグ集合体99が収容されており、筐体101A,101Bのタグ取り出し口105からは、一番上のタグ5Aの先端側部位17が突出しているものとする。
上記初期状態において、把持部支持体123を下降し(図20参照)、一対のツメ部119でタグ5を把持し(図21参照)、把持部支持体123を上昇する(図22参照)。
図22で示す状態では、粘着材21が、タグ5(タグ本体部19)の右側に位置しているので、そのままでよい。しかし、第2のタグ5Bを取り出した場合(図28で示す状態から取り出した場合)には、粘着材21が、タグ5(タグ本体部19)の左側に位置するので、把持部支持体123を軸C3を中心にして180°インデクスし、粘着材21が、タグ5の右側に位置する状態にする。
続いて、把持部ベース体125を90°インデックス位置決めし(図23参照)、移動体127を移動し、タグチャック位置検出センサ131でタグ5の把持位置を検出する(図24参照)。
続いて、タグ把持部121で把持しているタグ5がタグチャック位置検出センサ131から離れる方向に、移動体127を移動位置決めする(図25参照)。たとえば、図25で示す状態によって(移動体支持体129に対する移動体127の位置によって)、上型M2に貼り付けられるタグ5の位置(上型M2に対する位置)が決まってしまうので、移動体127の移動位置決めは、タグチャック位置検出センサ131で検出した値を用いてなされるようになっている。
続いて、図26で示すように、基端側支持体141、先端側支持体143(ロボットハンド135)を適宜移動してタグ吸着パッド147でタグ5を吸着する(タグ5の基端側部位15の粘着材21が設けられている面とは反対側の面を吸着する)。
続いて、図27で示すように、タグ把持部121によるタグの把持をやめてタグ5を開放する。
続いて、基端側支持体141、先端側支持体143(ロボットハンド135)を適宜移動して、図10で示すように、タグを上型M2の端部に粘着材21を用いて貼り付ける。また、把持部ベース体125を90°インデックス位置決めするとともに、移動体127を適宜移動して、図28に示す初期状態になる。
なお、タグ5を1枚ずつ逐次取り出して第1の筐体101A内のタグ5が無くなった場合(第1の筐体101A内に粘着材21がついていない擬似タグ5Zのみが残った場合)には、擬似タグ5Zを取り出して、この取り出した擬似タグ5Zを所定の場所(たとえば図示しない擬似タグ回収部)まで搬送し、擬似タグ5Zの把持をやめて擬似タグ5Zを開放し、擬似タグ5Zを擬似タグ回収部で回収する。
そして、図29で示すように、第1の筐体101A内のタグ5や擬似タグ5Zが無くなった場合には、筐体101A,101Bを180°インデックス位置決めし、第1の筐体101Aの位置と、第2の筐体101Bの位置とを交換し、第2の筐体101Bからタグ5を供給している間に第1の筐体101A内にタグ集合体99を供給すればよい(図30参照)。
レンズ集合体1によれば、レンズ集合体1が離型用部材5を備えており、離型用部材5を引っ張ることで、レンズ集合体1を上型M2から離す(離型する;剥離する)ことができるので、レンズ集合体1の離型を容易に行うことができる。
たとえば、直径が4インチの成形品を型から取り外すときに、成形品の全体を型から離れる方向(型の面に対して垂直な方向;図12では真下方向)に移動させると、220Nよりも大きな力が必要になり、ロボットでの取り外しは、極めて困難である。一方、上述したように、離型用部材5を使用すれば、1N程度の力で取り外す(剥がす)ことができ、ロボットでの取り外しが可能になる。
また、レンズ集合体1によれば、離型用部材5が、レンズ集合体1の周辺部9に設けられているので、離型用部材5が邪魔にならず、離型用部材5が存在しないレンズ部7を容易に得ることができる。
また、レンズ集合体1によれば、離型用部材5が粘着材21を備えており、この粘着材21で離型用部材5を上型M2に仮に固定することができるので、レンズ集合体1の成形時における離型用部材5の位置ずれを防止することができる。なお、レンズ集合体1における成形品本体部3と離型用部材5との固着力は、レンズ集合体1を上型M2から外す力(素手では発揮できない大きさの力)に耐え得る程度に十分に大きいが、粘着材21による離型用部材5の上型M2への粘着力は、人が素手で上型M2から離型用部材5を容易に離すことができる程度なので、粘着材21が、レンズ集合体1を上型M2から離すときにこれを阻害することはない。
タグ供給貼り付け装置91によれば、タグ5が積層されて構成されタグ集合体収容部93に収容されているタグ集合体99を、タグ取り出し部95とタグ貼り付け部97とを用いて1枚ずつ効率良く対象物(たとえば上型M2)に貼り付けることができる。
ところで、上記説明では、型M1,M2として石英ガラスや金属製のものを採用しているが、図16で示すように、型として、樹脂モールドM3を採用してもよい。この場合、樹脂モールドM3は紫外線を通す接着剤で、バックアップガラス75に接着されているものとする。
また、上記説明では、レンズ部7が複数設けられているレンズ集合体1を例に掲げて説明しているが、レンズ部7が1つだけになっているものを成形品として採用してもよい。また、レンズ以外のものを成形品として採用してもよい。たとえば、要部としてモスアイ構造を備えたものを採用してもよい。さらに、要部と周辺部とに分かれていないものを成形品として使用してもよい。
さらに、上記説明では、上型M2にのみ離型用部材5を貼り付けているが、上型M2と下型M1との両方に離型用部材5を貼り付けてもよい。
このように、上型M2と下型M1との両方に離型用部材5を貼り付けることで得られるレンズ集合体には、2つの離型用部材5が存在する。2つの離型用部材5のうちの1つの離型用部材5は、図1(b)で示すように、レンズ集合体1の左端上側に位置するが、2つの離型用部材5のうちの他の1つの離型用部材5(図示せず)は、図1(b)で示すレンズ集合体1の左端下側に位置する。
なお、上記2つのレンズ集合体同士の干渉(タグ把持部149で把持するときに、誤って把持目標とする離型用部材とは別の離型用部材を把持してしまうこと)を避けるために、2つの離型用部材5を位相を変えて配置してもよい。すなわち、図1(a)で示す1つの離型用部材5をレンズ集合体1の中心まわりで反時計まわりに5°程度ずらし、図示しない他の1つの離型用部材5を、図1(a)で示す1つの離型用部材5をレンズ集合体1の中心まわりで時計まわりに5°程度ずらして配置してもよい。
上型M2と下型M1との両方に離型用部材5を貼り付ける場合、硬化した成形材料が上型M2(下型M1でもよい)に貼り付いているか否かの検出をする貼り付き状態検出装置(センサ)173を設けることとする(図8参照)。
センサ173は、硬化した成形材料の有無を検出するためのセンサであり、各真空吸着パッド145と同じ側で、先端側支持体143のたとえば中心に設けられている。各真空吸着パッド145で硬化した成形材料を真空吸着するときに、硬化した成形材料との干渉をさけるために、センサ173の突出高さは各真空吸着パッド145の突出高さよりも低くなっている。また、センサ173で硬化した成形材料が上型M2に貼り付いているか否かの検出結果により、センサ173で硬化した成形材料が、上型M2、下型M1のいずれに貼り付いているのかを検出することができるのである。
なお、センサ173は、たとえば超音波距離計で構成されており、型方向(Z軸方向)の距離(センサ173から被測定物までの距離)を測定することにより、硬化した成形材料が型に貼り付いているか否かを検出するようになっている。
そして、成形材料硬化装置41で成形材料を硬化した後、上型設置体39を下型設置体37から相対的に離し、この後、貼り付き状態検出装置173によって硬化した成形材料が上型M2に貼り付いているか否かの検出をし、この検出結果に応じて、成形品剥離装置79を用いて、硬化した成形材料が貼り付いている型(成形材料が上型M2に貼り付いている場合には上型M2、成形材料が上型M2に貼り付いていない場合には下型M1)からレンズ集合体1を取り外す制御を制御装置43がするようになっている。
なお、成形品剥離装置79は、先端側支持体143等を図10等で示す軸CA1を中心にして180°の角度でインデックス位置決めすることで、硬化した成形材料が上型M2、下型M1のいずれに貼り付いていても、硬化した成形材料を剥離することができるようになっている。センサ173による硬化した成形材料の検出も同様に軸CA1を中心したインデックス位置決めによりできるようになっている。さらに、成形品搬出装置81による搬出も同様に軸CA1を中心したインデックス位置決めによりできるようになっている。
上述したように、上型M2と下型M1との両方に離型用部材5を貼り付けることで、成形材料の硬化後上型M2を下型M1から離したときに、ごく稀に、硬化した成形材料が上型M2ではなくて下型M1に貼り付いても、硬化した成形材料を下型M1から確実に取り外してレンズ集合体1を得ることができる。