JP5911685B2 - ヘッドレスト - Google Patents
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Description
ヘッドレストにより得られる快適性や安全性は、ヘッドレストが乗員の頭部に対して適切な位置であることが重要となる。そこで、ヘッドレストピラーによるヘッドレストの高さ調整だけでなく、前後方向の位置も調整できる技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術においては、ヘッドレストフレームの前傾操作に伴って、ラチェット部材の係合歯と係止部材の爪部とが噛み合わせられ、ヘッドレストフレームの角度を段階的に調整できるようになっている。
また、特許文献1に記載のヘッドレストにおいては、ヘッドレストピラーの横軸部に対して、可動機構とヘッドレストフレームとを別々に組み付けているため、例えば可動機構とヘッドレストフレームとを同時に組み付けることが可能なヘッドレストに比して、組み付け性や作業性が低下する場合がある。
前記ヘッドレストピラーに前後方向に位置調整可能に形成されるとともに、乗員の頭部を受ける中空状のヘッドレストフレームと、
前記ヘッドレストフレームを、前記ロックブラケットに対して前後方向に複数の位置でロックおよびロック解除するロック機構と、を備えており、
前記ヘッドレストフレームは、前記ロック機構を保持する第一フレームと、
前記ロック機構を被覆するようにして前記第一フレームと組み合わせられる第二フレームと、を有しており、
前記ロック機構は、前記ロックブラケットに保持されるとともに、前記ヘッドレストフレームの移動方向に沿って交互に配置される複数の係合歯および複数の凹溝を備えるラチェット部と、
前記ヘッドレストフレームに保持されるとともに左右方向に配置される被保持部と、この被保持部の左右方向への動作と連動するように設定されるとともに前記被保持部と平行に配置され、前記ヘッドレストフレームの移動に伴って前記複数の係合歯に噛み合う係合部とを含んで構成されるロック部材と、
前記被保持部に対して、前記係合部を前記ラチェット部に向かって付勢する付勢力を付与する付勢手段を有することを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のヘッドレストにおいて、前記被保持部は、左右方向に延在する中心軸の軸周りに回動可能とされており、
前記係合部は、この被保持部の軸周りの回動に連動して前記凹溝の底部に当接または離間する方向に移動可能とされており、
前記被保持部は、前記付勢手段の一端部が取り付けられる被取付部を有しており、
前記付勢手段は、前記被保持部を中心軸の軸周りに回動させる方向に付勢する付勢力を付与するように設定され、前記被取付部は、前記被保持部に対して、この被保持部の中心軸と離れる方向にずらして配置されていることを特徴とする。
前記ヘッドレストピラーに前後方向に位置調整可能に形成されるとともに、乗員の頭部を受ける中空状のヘッドレストフレームと、
前記ヘッドレストフレームを、前記ロックブラケットに対して前後方向に複数の位置でロックおよびロック解除するロック機構と、を備えており、
前記ヘッドレストフレームは、前記ロック機構を保持する第一フレームと、
前記ロック機構を被覆するようにして前記第一フレームと組み合わせられる第二フレームと、を有しており、
前記ロック機構は、前記ロックブラケットに保持されるとともに、前記ヘッドレストフレームの移動方向に沿って交互に配置される複数の係合歯および複数の凹溝を備えるラチェット部と、
前記ヘッドレストフレームに保持されるとともに左右方向に配置される被保持部と、この被保持部の動作と連動するように設定されるとともに、前記ヘッドレストフレームの移動に伴って前記複数の係合歯に噛み合う係合部とを含んで構成されるロック部材と、
前記被保持部に対して、前記係合部を前記ラチェット部に向かって付勢する付勢力を付与する付勢手段を有しており、
前記被保持部は、左右方向に延在する中心軸の軸周りに回動可能とされており、
前記係合部は、この被保持部の軸周りの回動に連動して前記凹溝の底部に当接または離間する方向に移動可能とされており、
前記被保持部は、前記付勢手段の一端部が取り付けられる被取付部を有しており、
前記付勢手段は、前記被保持部を中心軸の軸周りに回動させる方向に付勢する付勢力を付与するように設定され、前記被取付部は、前記被保持部に対して、この被保持部の中心軸と離れる方向にずらして配置されていることを特徴とする。
前記付勢部材は上下方向に配置されていることを特徴とする。
前記一方および他方の凸部それぞれには、これら一方および他方の凸部を左右方向に貫通するとともに、前記被保持部が挿通される挿通孔が形成されており、
前記挿通孔は、前記被取付部が挿通される逃げ部を備えており、
前記挿通孔のうち隣り合う挿通孔の逃げ部同士は、側面視において向きが異なるようにして前記一方および他方の凸部に形成されていることを特徴とする。
前記被保持部を操作する操作部は、この被保持部の他端部側に設けられており、
前記付勢部材は、前記ロックブラケットよりも前記操作部側に取り付けられていることを特徴とする。
さらに、第一フレームによってロック機構を保持できるので、例えば第一フレームと第二フレームのそれぞれにロック機構を保持させて、これら第一フレームと第二フレームとを組み合わせる場合に比して、組み付け性や作業性を向上させることができる。
また、請求項2に記載の発明によれば、付勢手段は、被保持部を中心軸の軸周りに回動させる方向に付勢する付勢力を付与するように設定されており、付勢手段の一端部が取り付けられる被取付部が、軸周りに回動可能な被保持部に対して、この被保持部の中心軸と離れる方向にずらして配置されているので、付勢手段によって被保持部を常に軸周りに回転させる方向に付勢できる。
これによって、被保持部の軸周りの回動に連動して凹溝の底部に当接または離間する方向に移動可能な係合部を、凹溝の底部に当接する方向に付勢できるので、係合部を凹溝底部側に押し付けることができ、係合部と複数の係合歯との良好な噛み合わせ状態が得られる。さらに、被保持部を操作することによって係合部を凹溝の底部から離間する方向に移動させれば、この係合部を、付勢手段による付勢力によって、凹溝の底部に当接する方向に戻すことができる。
したがって、付勢手段には、係合部をラチェット部に噛み合う方向に付勢する性質と、係合部を凹溝の底部に当接させる方向に付勢する性質との、2つの性質を持たせることができる。
さらに、第一フレームによってロック機構を保持できるので、例えば第一フレームと第二フレームのそれぞれにロック機構を保持させて、これら第一フレームと第二フレームとを組み合わせる場合に比して、組み付け性や作業性を向上させることができる。
また、付勢手段は、被保持部を中心軸の軸周りに回動させる方向に付勢する付勢力を付与するように設定されており、付勢手段の一端部が取り付けられる被取付部が、軸周りに回動可能な被保持部に対して、この被保持部の中心軸と離れる方向にずらして配置されているので、付勢手段によって被保持部を常に軸周りに回転させる方向に付勢できる。
これによって、被保持部の軸周りの回動に連動して凹溝の底部に当接または離間する方向に移動可能な係合部を、凹溝の底部に当接する方向に付勢できるので、係合部を凹溝底部側に押し付けることができ、係合部と複数の係合歯との良好な噛み合わせ状態が得られる。さらに、被保持部を操作することによって係合部を凹溝の底部から離間する方向に移動させれば、この係合部を、付勢手段による付勢力によって、凹溝の底部に当接する方向に戻すことができる。
したがって、付勢手段には、係合部をラチェット部に噛み合う方向に付勢する性質と、係合部を凹溝の底部に当接させる方向に付勢する性質との、2つの性質を持たせることができる。
また、付勢部材は上下方向に配置されているので、左右方向に配置された被保持部とは交差する方向に配置されることになる。これによって、例えば付勢部材を、被保持部と同様に左右方向に配置する場合に比して、付勢部材をヘッドレストフレーム内に収容するためのスペースを確保しやすくなる。さらに、ヘッドレストの左右方向の小型化を図ることができる。
本実施の形態において符号1は、ヘッドレストを構成するヘッドレストピラーを示す。このヘッドレストピラー1は、図1,図3,図6に示すように、左右に離間する一対の支柱1a,1aと、これら一対の支柱1a,1aの上端部間に架設される横軸部1bと、を有する。
これら一対の支柱1a,1aと横軸部1bとは一体形成されており、これら一対の支柱1a,1aと横軸部1bとの中間に位置する部位は屈曲形状を成している。
また、前記一対の支柱1a,1aと横軸部1bとのうち、少なくとも横軸部1bは断面正円状に形成されている。
このロックブラケット4は左右方向の厚さが薄く、かつ上下方向に長尺な金属製の板状体であり、突端部5には、ラチェット部35が形成されている。
また、基端部に、アーチ型の軸受け面を形成することによって、前記横軸部1bを把持するようにして、この横軸部1bに設けられている。また、この基端部は横軸部1bに対して溶接等により強固に接合固定されている。
複数の付勢部材3,3は、ヘッドレストフレーム9とヘッドレストピラー1の横軸部1bとの間に設けられるものであり、ヘッドレストフレーム9を横軸部1bに引き寄せる方向に付勢している。なお、これら付勢部材3はコイルバネとされている。
なお、取付部2,2は、横軸部1bに対して溶接等により強固に接合固定されている。また、これら取付部2,2は、斜め上向きで後方に向かって突出している。
内部には、ヘッドレストフレーム9のヘッドレストピラー1に対する移動を可能とする可動機構が収容されている。すなわち、ヘッドレストフレーム9は、可動機構をカバーしており、外部から可動機構への荷重や衝撃を軽減したり、クッションパッドとなる樹脂が内部に浸入することを防いだりしている。
第一フレーム10および第二フレーム19は、周縁部が互いに噛み合うように構成されるとともに、第一フレーム10の周縁部に沿って配置される複数の引掛け爪部15…と、第二フレーム19の周縁部に沿って配置される複数の引掛け凹部25…とを互いに係合させてなる嵌合構造を有している。そして、これら第一フレーム10と第二フレーム19とを嵌合させて組み合わせることで内部に空洞ができるように構成されている。
なお、第一フレーム10と第二フレーム19は嵌合構造を有することによって確実に組み合わせることができるが、組み立て時に、より嵌合しやすくするために、これら第一フレーム10と第二フレーム19との間に位置決め手段を設けるようにしても良い。
この第一フレーム10は、前面壁部11と、周壁12と、膨出部13,13と、底壁14と、凸部16と、把持部17,17等を有している。また、前面壁部11と、周壁12と、膨出部13,13と、底壁14とは、図6,図9等に示すように、前記横軸部1b付近から、この横軸部1bよりも前方にかけて配置されている。
この前面壁部11の周縁部に沿って前記周壁12と、膨出部13,13と、底壁14とが一体形成されている。
この周壁12には、図1,図6に示すようなボタン32を取り付けるためのボタン取付部12aが側方に突出するようにして一体形成されている。ボタン取付部12aの突出方向側端面には、ボタン32のボタン保持部34を、ボタン取付部12aに嵌め込むための切欠部12bが形成されている。
この底壁14には、図6に示すような化粧縁部材28,28を嵌め込むための切欠部14a,14aが形成されている。
複数の凸形状部分として、凸部16A,16Aと、凸部16B,16Bとが、前記前面壁部11の背面側に設けられている。
図1において左側に位置する一方の凸部16Aは互いに対向する壁160a,160bを有し、右側に位置する他方の凸部16Aは互いに対向する壁161a,161bを有する。
一方および他方の凸部16A,16Aは、前記可動機構と並設されるものであり、一方の凸部16Aの壁160bと、他方の凸部16Aの壁161aとは互いに対向している。
これら2本の凸部16A,16Aと連結部162とは一体形成されており、これら凸部16A,16Aと連結部162との中間に位置する部位は屈曲形状を成している。すなわち、2本の凸部16A,16Aと連結部162とは、第一フレーム10の背面側を正面から見た際に略逆U字状に形成されている。
また、後述するが、これら凸部16A,16Aは、図1および図6に示すように、これら凸部16A,16Aと一体形成されるとともに前記可動機構の被保持部39およびガイド部材65側に突出する突出部163a〜163d、ヘッドレストピラー1の横軸部1b側に突出する突出部163e,163fを備えている。
また、これら把持部17,17と、前記2本の凸部16A,16Aとは連結されている。すなわち、凸部16Aの下方に把持部17が配置され、これら凸部16Aと把持部17とが一体形成された状態になっている。
さらに、把持部17,17には、これら把持部17,17の左右外側面から外側に向かって段差を形成する段差部17a,17aがそれぞれ設けられている。これによって把持部17,17を横方向に太くすることができ、より安定的に横軸部1bを把持できるので好ましい。
これら突出部163e,163fは、一見すると凹状に形成されたような形態となっているが、把持部17,17の第二フレーム19側面から前記横軸部1b側に向かって、かつ把持部17,17の内方に向かって突出している形態とされている。突出部163e,163fが形成された部分は剛性の高い部分となるので、把持部17,17自体の強度を高めることができる。これによって、把持部17,17の破損を抑制し、ヘッドレストフレーム9を、前記横軸部1b上に安定的に支持するのに貢献することができる。
また、このように取付部2,2間に把持部17,17が設けられる場合に限られず、逆に、把持部17,17間に取付部2,2が設けられていても、これら取付部2,2によってヘッドレストフレーム9の左右位置を規制できるようになっている。
この下部開放部18は、ヘッドレスト組み立て時において、第一フレーム10を、ロックブラケット4が固定された状態のヘッドレストピラー1に取り付ける際に、前記ロックブラケット4が挿入される挿入口として機能する。
この第二フレーム19は、後面壁部20と、周壁21と、膨出部23,23と、底壁24等を有している。
この後面壁部20の周縁部に沿って前記周壁21と、膨出部23,23と、底壁24とが一体形成されている。
この後方突出部26のヘッドレストフレーム9内部側には、図3に示すように、凹部26aが形成されており、この凹部26aは、前記可動機構のうち、この後面壁部20側に変位する部分が入り込む空間とされている。
これら後方突出部27,27のヘッドレストフレーム9内部側には、図3に示すように、凹部27a,27aがそれぞれ形成されており、これら凹部27a,27aには、取付部2,2が収容される。
この周壁21には、図1に示すボタン32を取り付けるためのボタン取付部21aが側方に突出するようにして一体形成されている。ボタン取付部21aの突出方向側端面には、ボタン32のボタン保持部34を、ボタン取付部21aに嵌め込むための切欠部21bが形成されている。
この底壁24には、図6に示すような化粧縁部材28,28を嵌め込むための切欠部24a,24aが形成されている。
前記底壁14に形成された切欠部14a,14aと、前記底壁24に形成された切欠部24a,24aは、第一フレーム10と第二フレーム19とを組み合わせることによって、底壁14,24に長孔状の開口部を2つ形成できるようになっている。
そして、これら2つの長孔状の開口部に化粧縁部材28,28がそれぞれ取り付けられ、長孔状の開口部の縁部を化粧することができる。
化粧縁部材28は、前記支柱1aが挿通されるスリット29と、周壁部30と、鍔部31とを備えている。
すなわち、この鍔部31は、前記底壁14,24に形成された長孔状の開口部よりも大径となるように形成されており、化粧縁部材28が、長孔状の開口部からヘッドレストフレーム9内部に没入することを防ぐことができる。
前記ボタン取付部12aに形成された切欠部12bと、前記ボタン取付部21aに形成された切欠部21bは、第一フレーム10と第二フレーム19とを組み合わせることによって、ボタン取付部12a,21aの突出方向側端面に長孔状の開口部を形成できるようになっている。
そして、この長孔状の開口部にボタン32が取り付けられ、このボタン32で前記可動機構を操作できる。
前記ボタン32は、ボタン本体33と、前記ボタン保持部34とからなる。
この筒状部34aのヘッドレストフレーム9外部側端部周縁には、前記長孔状の開口部よりも大径に形成された鍔部34bが設けられている。
また、この筒状部34aの鍔部34bとは反対側には、ボタン本体33の内側端部が当接する当接板部34cが設けられている。この当接板部34cには、後述する被保持部39を挿通させるための挿通孔が形成されている。
さらに、筒状部34aのヘッドレストフレーム9内部側端部には、ボタン取付部12a,21aの内周部に形成される引掛けリブ12c,21cに係止する係止部34dが設けられている。
可動機構は、図1,図5〜図7,図9に示すように、前記ヘッドレストフレーム9を、前記ロックブラケット4に対して前後方向に複数の位置でロックするロック機構と、前記ヘッドレストフレーム9の前後方向への移動をガイドするガイド機構と、を備えている。なお、ヘッドレストフレーム9の前後方向への移動は、上述のように前後方向に回動することを指しており、ロック機構によって回動方向に複数の位置で、ヘッドレストフレーム9をロックすることができる。
また、前記ヘッドレストピラー1やロックブラケット4、ヘッドレストフレーム9には、これらロック機構およびガイド機構を動作させるために必要な、または、これらロック機構およびガイド機構の動作をより良好にするために必要な構成が具備されているものとする。
ラチェット部35は、図5,図7,図9等に示すように、前記ロックブラケット4に保持されるものである。本実施の形態において、このラチェット部35は、前記ロックブラケット4の突端部5に一体形成されており、前記ヘッドレストフレーム9の移動方向に沿って交互に配置される複数の係合歯36…および複数の凹溝37…を備えている。
これら複数の係合歯36…は前方に傾斜しており、複数の凹溝37…にはロック部材38が挿入される。つまり、ロック部材38は凹溝37に挿入され、係合歯36に引っ掛かるように構成されている。すなわち、ラチェット部35は、前記ヘッドレストフレーム9の前方への移動を許容し、後方への移動を規制するラチェット構造を備えていることになる。
なお、前記凹溝37も、前記係合歯36の傾斜に沿って延在するようにして形成されており、凹溝37の延在方向の最深部が底部37aとされている。ロック部材38は、この凹溝37の底部37aに到達するまで深く挿入されるようになっている。
この連結部6は、ロックブラケット4の突端部5に一体形成されており、ロックブラケット4の突端部5の前端側に設けられる前端部7と、突端部5の後端側に設けられる後端部8とを有する。
そして、連結部6は、これら前端部7および後端部8によって支持されることによってラチェット部35から離間して配置できるようになっている。すなわち、この連結部6は、前記ラチェット部35の上方にアーチ状に設けられている。
また、連結部6の後端部8は、図3,図4,図9(d)に示すように、前記ヘッドレストフレーム9の第一フレーム10の最前傾時に、このヘッドレストフレーム9の第二フレーム19に最も近接するように設定されており、連結部6の後端部8のラチェット部35側面は、前方に傾斜する複数の係合歯36…に対応して前方に傾斜している。
さらに、連結部6の後端部8は、ラチェット部35側面だけでなく、第二フレーム19側面も前方に傾斜しているため、後端部8自体が前傾している。したがって、ロックブラケット4の突端部5の後端は角が削られたような状態となる。すなわち、ヘッドレストフレーム9の第二フレーム19に最も近接するように設定される連結部6の後端部8が、ヘッドレストフレーム9の最前傾時に、このヘッドレストフレーム9の背面側に大きく突出することを防ぐことができるので、ヘッドレストが前後方向に大型化することを抑制でき、ヘッドレストのコンパクト化に貢献できる。
また、このような連結部6の後端部8と対向する位置に、前記第二フレーム19の後方突出部26が設けられている。そして、この後方突出部26の凹部26aに、連結部6の後端部8とロックブラケット4の後端側とが入り込み、収容されるようになっている。
なお、本実施の形態において、これら被保持部39と、係合部40と、連結部41とは一体形成されており、略J字型となるように構成されている。すなわち、ロック部材38は、一本の金属棒を屈曲加工することにより、前記被保持部39の他端部から係合部40の他端部にかけて折り返すようにして形成されている。
また、被保持部39および係合部40の先端部はテーパ状に形成されている。
また、被保持部39は、前記ボタン32付近から他方の凸部16Aの壁161b付近までの長さを有する長尺部分とされており、係合部40は、前記他方の凸部16Aの壁161b付近からロックブラケット4付近までの長さを有する短尺部分とされている。
また、この被保持部39は、この被保持部39のボタン32側の他端部が前記ボタン本体33に取付固定されているため、ボタン本体33が前記ボタン保持部34の筒状部34aに沿って進退するのに応じて、前記ヘッドレストフレーム9によって保持されながら左右方向、すなわち自身の長さ方向に沿って移動できるように設定されている。
これに伴って、係合部40も左右方向、すなわち自身の長さ方向に沿って移動できるようになっている。このように移動可能に設定された係合部40を、前記ラチェット部35側に移動して前記係合歯36および連結部6の後端部8に噛み合わせることによって、前記ヘッドレストフレーム9を、前記ロックブラケット4に対して前後方向に複数の位置でロックすることができる。
また、係合部40を、前記ラチェット部35とは反対側に移動して前記係合歯36および連結部6の後端部8に噛み合わない状態とすることによって、前記ヘッドレストフレーム9のロックを解除することができる。
なお、係合部40は、被保持部39と共に左右方向に配置され、前記ラチェット部35側に移動して係合歯36および連結部6の後端部8に噛み合うものである。したがって、この係合部40は、図5,図7,図9に示すように、ラチェット部35内に挿入されるだけでなく、前記連結部6によって周囲を囲まれることにもなる。これによって、ラチェット部35に挿入されたロック部材38は、連結部6によって上方の位置や、前方および後方の位置を規制できる。
この被取付部39aは、前記被保持部39の一部をプレス加工するとともに穴あけ加工することによって前記被保持部39と一体形成されている。したがって、この被取付部39aは、図5に示すように、前記被保持部39よりも肉薄に形成されているので、前記孔部39cを形成しやすい。また、このように被取付部39aは前記被保持部39をプレス加工することによって一体形成されているので、例えば別部材を被保持部39に一体的に取り付ける場合に比して軽量化を図ることができる。
また、この被取付部39aは、前記被保持部39に対して、この被保持部39の中心軸と離れる方向にずらして配置されている。より詳細には、前記環状部39bが、図5,図7に示すように、被保持部39の中心軸と、係合部40の中心軸40aとを結ぶ線(図中の一転鎖線)に沿って配置されている。この被取付部39aに取り付けられる付勢部材42の一端部42a(後述する)は、前記被保持部39の中心軸に対して直交する方向にずらして配置されることになる。ただし、これに限定されるものではなく、ロック機構を確実に動作させることができる範囲で、本実施の形態とは異なる角度に適宜変更してもよい。
そして、このような被保持部39は、左右方向に延在する中心軸の軸周りに回動可能とされており、これに伴って、前記係合部40は、この被保持部39の軸周りの回動に連動して前記凹溝37の底部37aに当接または離間する方向に移動可能とされている。
挿通孔63は、図6,図7に示すように、前記被取付部39aが挿通される逃げ部63a,63aを備えており、これら逃げ部63a,63aは、正円状の挿通孔63本体の中心部を介して互いに相反する方向に延在するように形成されている。
隣り合う挿通孔63,63の逃げ部63a,63a同士は、図6および図7に示すように、前記挿通孔63に挿通された被保持部39の中心軸と、前記係合部40が後述する係合部用長孔62の一端部(前端)側に位置する場合の中心軸40aとを結ぶ線に沿って配置される第一パターンと、前記被保持部39の中心軸と、前記係合部40が後述する係合部用長孔62の他端部(後端)側に位置する場合の中心軸40aとを結ぶ線に沿って配置される第二パターンのうち、いずれかのパターンに従って配置されている。
本実施の形態においては、前記他方の凸部16Aの壁161bに形成された挿通孔63は、第二パターンに従って配置されており、壁161aに形成された挿通孔63は、第一パターンに従って配置されている。また、前記一方の凸部16Aの壁160bに形成された挿通孔63は、第二パターンに従って配置されており、壁160aに形成された挿通孔63は、第一パターンに従って配置されている。
したがって、これら挿通孔63…に前記被保持部39を挿通させる際には、被保持部39を中心軸の軸周りに回動させて、前記被取付部39aの向きを変えながら挿通させることになる。
これら突出部163a,163bは、ヘッドレストフレーム9の製造段階で、凸部16A,16Aと一体成形されており、これに伴って、これら突出部163a,163bが位置する部位の凸部16Aの第二フレーム19側面には凹部が形成された状態となっている。そして、これら突出部163a,163bは、図2に示すように、凸部16Aに対応して前面壁部11の正面側に形成される凹部側に突出した状態となっている。このように突出部163a,163bが形成された部分は剛性の高い部分となるので、一方および他方の凸部16A,16A自体の強度を高めることができるとともに、前記被保持部39を安定的に支えることができる。
なお、図示はしないが、これら突出部163a,163bの内部は、前記被保持部39だけでなく、前記被取付部39aも挿通させることができるように空洞状に形成されており、この空洞部の左右に、前記挿通孔63,63がそれぞれ形成されている。
また、壁161aに形成された係合部用長孔62は、前記ラチェット部35に対向するようにして配置されている。
これによって、ロック部材38の係合部40も、係合部用長孔62と同様の範囲内に設けられることになり、係合部40の動作範囲も、同様の範囲内に収めることができるので、ヘッドレストフレーム9の前後方向のコンパクト化を図ることができる。
すなわち、ヘッドレストフレーム9自体は、前記横軸部1bとの間に設けられた前記複数の付勢部材3,3によって横軸部1b側に常に引き寄せられている状態となっている。したがって、ロック部材38の被保持部39も、常に横軸部1b側に引き寄せられている状態となっている。
さらに、係合部40と被保持部39は連結部41を介して連結されているから、係合部40も横軸部1b側に引き寄せられるが、この係合部40は、前記付勢手段によって係合部用長孔62の延在方向下方に常に押し付けられている。つまり、係合部用長孔62を含むヘッドレストフレーム9が横軸部1b側に付勢されており、係合部用長孔62の延在方向下方の縁部が前記係合部40の前方側に強固に当接することになる。これに伴って、係合部40は、係合歯36および連結部6の後端部8のラチェット部側面8aに強固に当接して、これら係合歯36および連結部6の後端部8のラチェット部側面8aに噛み合うことになる。さらに、係合部40は、付勢手段によって凹溝37の底部37aに当接することになる。
このようにして係合部40は、互いに交差する凹溝37…と係合部用長孔62の双方に接することになる。この時、係合部40は、前記凹溝37の底部37aに位置している。さらに、係合部40の中心軸40aは、図7に示すように、側面視において、前記係合部40と凹溝37とが接する部位P1と、前記係合部40と係合部用長孔62とが接する部位P2とを結ぶ仮想線V1よりも凹溝37の底部37a側に位置している。
また、この付勢部材42の一端部42aおよび他端部42bは、フック状に形成されている。
さらに、付勢部材42は、前記ロックブラケット4よりも、操作部である前記ボタン32側に取り付けられているため、例えば前記ボタン32のボタン本体33を前記ボタン保持部34に対して着脱可能に組み付けた場合には、ボタン本体33を取り外せば、ヘッドレストフレーム9内の付勢部材42の組み付け状態の確認が可能となることから、メンテナンス性が向上する。また、前記ボタン本体32を透明もしくは半透明の材料で形成すれば、ボタン本体33をボタン保持部34に取り付けた状態のままでも、ヘッドレストフレーム9内の付勢部材42の組み付け状態の確認が可能となる。
このように付勢部材42に二つの性質を持たせるために、前記被保持部39の被取付部39aは、図1および図5に示すように、後述するガイド部材65の被取付部65aよりも前記被保持部39の一端部側に配置されるとともに、後述するガイド部材65の被取付部65aよりも前方に配置されている。つまり、この付勢部材42は、垂直面に対して傾けて取り付けられており、下方に位置する他端部42bが、上方に位置する一端部42aよりもラチェット部35から離間して設けられた状態となる。
また、付勢部材42は、通常の状態よりも伸長させた状態で、前記被保持部39の被取付部39aと、後述するガイド部材65の被取付部65aとの間に架設されている。
すなわち、この付勢部材42は引張バネであるため、伸長させた状態では常に元の状態に戻ろうとする力が作用する。この力を利用して、前記係合部40を前記ラチェット部35に向かって付勢できるとともに、前記係合部40を前記凹溝37の底部37aに向かって付勢できる。これによって、前記係合部40を、常にロック状態となるように付勢することができる。
本実施の形態においては、前記被取付部39aと一方の凸部16Aの壁160aとの間隔は、例えば15mm程度とされており、前記ボタン本体33と当接板部34cとの間隔は、例えば13mm程度とされている。
なお、前記係合部40の先端部が、前記ラチェット部35から離脱するまでの長さは、前記ボタン本体33と当接板部34cとの間隔よりも短くなるように設定されている。つまり、前記ボタン32を押して被保持部39を軸方向にスライドさせた時に、前記ボタン本体33が当接板部34cに当接するまでの間に、前記係合部40をラチェット部35から離脱させることができる。これによって、確実にロック解除を行うことができる。
また、前記付勢部材42によって係合部40を間接的にラチェット部35に向かって付勢するので、この係合部40を複数の凹溝37…に差し込むことができる。さらに、前記被保持部39を操作することによって係合部40をラチェット部35から離間する方向に移動させれば、この係合部40を、前記付勢部材42による付勢力によって、ラチェット部35に噛み合う方向に戻すことができる。すなわち、前記ヘッドレストフレーム9を、前記ロックブラケット4に対して前後方向に複数の位置でロックおよびロック解除することができる。
ガイド機構のガイド凹部64は、図9に示すように、前記ロックブラケット4の側面に、前記ヘッドレストフレーム9の移動方向に沿って長尺に形成されるものである。
本実施の形態において、このガイド凹部64は、前記ロックブラケット4を左右の厚さ方向に貫通して形成されることによって前記ラチェット部35と、水平面に直角な同一平面上に設けられている。
これによって、このガイド部材65によるヘッドレストフレーム9のガイドを安定的に行うことができる。
この場合、ロックブラケット4を貫通しないガイド凹部は、一部が前記ラチェット部35と、水平面に直角な同一平面上に設けられることになる。
また、ガイド凹部64を、ロックブラケット4を貫通するもの、ロックブラケット4を貫通しないもののいずれにしても、このガイド凹部64は、前記ラチェット部35よりも、ロックブラケット4の基端部側に設けられている。
本実施の形態では、前記ガイド凹部64はロックブラケット4を貫通して形成されているため、このガイド凹部64に挿通されている。
なお、このガイド部材65は金属製であるため、熱等の影響を受けにくい。
この被取付部65aは、前記ガイド部材65の一部をプレス加工するとともに穴あけ加工することによって前記ガイド部材65と一体形成されている。
また、本実施の形態では、前記付勢部材42は、前記ロックブラケット4よりも前記ボタン32側に取り付けられているため、この被取付部65aも前記ガイド部材65の前記ボタン32側に設けられている。
すなわち、前記ヘッドレストフレーム9の凸部16A,16Aには、ガイド部材65が挿通される孔部66…がそれぞれ形成されている。これら孔部66…は、前記ガイド部材65によって、前記壁160a,160bを左右に貫通する位置と、前記壁161a,161bを左右に貫通する位置とにそれぞれ形成されている。
これら突出部163c,163dは、ヘッドレストフレーム9の製造段階で、凸部16A,16Aと一体成形されており、これに伴って、これら突出部163c,163dが位置する部位の凸部16Aの第二フレーム19側面には凹部が形成された状態となっている。そして、これら突出部163c,163dは、図2に示すように、凸部16Aに対応して前面壁部11の正面側に形成される凹部側に突出した状態となっている。
また、突出部163c,163dにはガイド部材65を挿通させるための孔が形成されており、この孔は、前記孔部66…と略等しい形状に設定されるとともに連続して設けられている。このように突出部163c,163dが形成された部分は剛性の高い部分となるので、一方および他方の凸部16A,16A自体の強度を高めることができるとともに、前記ガイド部材65を安定的に支えることができる。
前記孔部165は、図8に示すように、前記被取付部65aが挿通される逃げ部165a,165aを備えており、これら逃げ部165a,165aは、正円状の孔部165本体の中心部を介して互いに相反する方向に延在している。これによって、ガイド部材65を孔部165に挿通させる際に、前記被取付部65aも逃げ部165a,165aに確実に挿通させることができる。
なお、ガイド部材65の両端部はテーパ形状とされており、凸部16Aに形成された各孔部66…と、凸部16Bに形成された孔部165およびストッパー部166に挿入しやすくなっている。
また、付勢部材3,3のうち、前記ボタン32側の付勢部材3のヘッドレストフレーム9側端部は、前記一方の凸部16Aと、前記ガイド部材65の被取付部65aとの間に設けられている。
また、このように凸部16Aと凸部16Bとによって両持ち保持されて剛性の高い状態のガイド部材65に対して、前記被取付部65aを介して、前記付勢部材42の他端部42bを取り付けることができる。
まず、ヘッドレストピラー1の横軸部1bに、取付部2,2と、ロックブラケット4とを固定する。そして、第一フレーム10の下部開放部18にロックブラケット4を挿入するようにして、この第一フレーム10を横軸部1bに取り付ける。この時、把持部17,17によって横軸部1bを把持する。
そして、付勢部材3,3を、ガイド部材65と取付部2,2との間に取り付ける。
また、ボタン取付部12aにはボタン保持部34およびボタン本体33を収容しておき、被保持部39の先端部が差し込まれた時に、この先端部がボタン本体33に取り付けられるようにする。
なお、図7に示すように、一方の凸部16Aの壁161bに形成された挿通孔63の逃げ部63a,63aは、前記第一パターンに従って配置され、この壁161bに対向する壁161aに形成された挿通孔63の逃げ部63a,63aは前記第二パターンに従って配置されており、互いに向きが異なる。
さらに、他方の凸部16Aの壁160bに形成された挿通孔63の逃げ部63a,63aも、第一パターンに従って配置され、この壁160bに対向する壁160aに形成された挿通孔63の逃げ部63a,63aも第二パターンに従って配置されており、互いに向きが異なる。
このため、被保持部39を各挿通孔63…に挿通させる際は、この被保持部39を軸周りに交互に回動させながら、壁161bに形成された挿通孔63から、壁160aに形成された挿通孔63に向かって、前記被取付部39aを挿通させるようにする。
そして、この付勢部材42の付勢力によって、前記ロック部材38自体が前記ボタン32側に引き寄せられ、前記係合部40が前記ラチェット部35の凹溝37の底部37aに押し付けられることになる。
さらに、ガイド部材65は、第二フレーム19の周壁21によって軸方向への移動を規制される。
また、突出支持部20aが、前記横軸部1bの中央部と、この横軸部1bよりも下方に位置する第一フレーム10の底壁14との間に差し込まれることになる。
以上のようにしてヘッドレストを組み立てることができる。
このようなヘッドレストは、前記ヘッドレストフレーム9と一体化されるとともに発泡樹脂等からなるクッションパッド(図示せず)によって覆われる。
ヘッドレストの動作は、図9に示すように、前記ヘッドレストピラー1の横軸部1bに対して前後方向に回動自在に取り付けられたヘッドレストフレーム9の前後方向への回動に基づくものである。
また、ヘッドレストフレーム9は、前記付勢部材3,3によって横軸部1b側に引き寄せる方向に付勢されている。したがって、図9(a)に示すように、ヘッドレストフレーム9が後方に引き寄せられるとともに、前記ロック部材38の係合部40が、ラチェット部35の凹溝37のうち、最も後方にある凹溝37に挿入され、連結部6の後端部8に噛み合っている状態が、ヘッドレストフレーム9の通常位置とされている。
これによって、係合部40が、図9(b)に示すように、ラチェット部35に挿入されたまま、最後方の凹溝37の底部37aから離れて、最後方の係合歯36の後端面36aに沿って上方にスライドしていくことになる。
これに伴って、前記被保持部39も軸周りに回動することになり、前記被取付部39aも被保持部39とともに回動することになる。この時の被取付部39aには、前記付勢部材42によって、より強い付勢力が付与されている。
そして、係合部40が、最後方の係合歯36の上端部を乗り越えた時、この係合部40は、前記付勢部材42の付勢力によって、後方から2番目の凹溝37の底部37aに向かって自動的に移動し、図9(c)に示すように、この2番目の凹溝37の底部37aに嵌まるとともに、最後方の係合歯36に噛み合う。
また、これに伴って、前記被保持部39および被取付部39aは、前記付勢部材42による強い付勢力が解除された状態、すなわち、通常の状態に戻ることになる。
すなわち、係合部40は、2番目の凹溝37の底部37aに嵌まり、最後方の係合歯36に噛み合うのと同時に、係合部用長孔62の延在方向の下方へと移動する動作を行う。
図9(d)に示すように、係合部40が最前方の凹溝37に挿入され、最前方の係合歯36に噛み合っている状態が、ヘッドレストフレーム9の前後方向への移動の最前位置である。
係合部40は、被保持部39のスライドに連動してラチェット部35から離脱する。
係合部40は、ヘッドレストフレーム9が最後部へと戻った後に、付勢部材42の付勢力によって再びラチェット部35に挿入され、図9(a)に示すように、最後方にある凹溝37に挿入され、連結部6の後端部8に噛み合う。すなわち、通常位置へと戻ることになる。
すなわち、ヘッドレストフレーム9の通常位置においては、図9(a)に示すように、ガイド部材65はガイド凹部64の延在方向の後端に位置している。また、ヘッドレストフレーム9の最前位置においては、図9(d)に示すように、ガイド部材65はガイド凹部64の延在方向の前端付近に位置している。
この状態で、さらにヘッドレストフレーム9を前方に移動させようとした場合は、係合部40と係合部用長孔62の延在方向の上端との間に強い力が加わる前に、ガイド部材65がガイド凹部64の延在方向の前端に当接する。これによって、ヘッドレストフレーム9が前方に移動できないように規制できるので、係合部40と係合部用長孔62の延在方向の上端との間に強い力が加わることを防ぐことができる。
以上のようにしてヘッドレストを動作させることができる。
さらに、前記第一フレーム10によってロック機構を保持できるので、例えば第一フレーム10と第二フレーム19のそれぞれにロック機構を保持させて、これら第一フレーム10と第二フレーム19とを組み合わせる場合に比して、組み付け性や作業性を向上させることができる。
これによって、前記被保持部39の軸周りの回動に連動して凹溝37の底部37aに当接または離間する方向に移動可能な係合部40を、凹溝37の底部37aに当接する方向に付勢できるので、前記係合部40を凹溝37の底部37a側に押し付けることができ、係合部40と複数の係合歯36…との良好な噛み合わせ状態が得られる。さらに、前記被保持部39を操作することによって係合部40を凹溝37の底部37aから離間する方向に移動させれば、この係合部40を、前記付勢部材42による付勢力によって、凹溝37の底部37aに当接する方向に戻すことができる。
したがって、前記付勢部材42には、前記係合部40をラチェット部35に噛み合う方向に付勢する性質と、前記係合部40を凹溝37の底部37aに当接させる方向に付勢する性質との、2つの性質を持たせることができる。
また、この付勢部材42は上下方向に配置されているので、左右方向に配置された被保持部39とは交差する方向に配置されることになる。これによって、例えば付勢部材42を、被保持部39と同様に左右方向に配置する場合に比して、この付勢部材42をヘッドレストフレーム9内に収容するためのスペースを確保しやすくなる。さらに、ヘッドレストの左右方向の小型化を図ることができる。
1b 横軸部
3 付勢部材
4 ロックブラケット
9 ヘッドレストフレーム
10 第一フレーム
16A 凸部
16B 凸部
160a 壁
160b 壁
161a 壁
161b 壁
19 第二フレーム
35 ラチェット部
36 係合歯
36a 後端面
37 凹溝
37a 底部
38 ロック部材
39 被保持部
39a 被取付部
40 係合部
40a 中心軸
42 付勢部材
42a 一端部
42b 他端部
62 係合部用長孔
63 挿通孔
63a 逃げ部
64 ガイド凹部
65 ガイド部材
65a 被取付部
Claims (7)
- ヘッドレストピラーに支持されるロックブラケットと、
前記ヘッドレストピラーに前後方向に位置調整可能に形成されるとともに、乗員の頭部を受ける中空状のヘッドレストフレームと、
前記ヘッドレストフレームを、前記ロックブラケットに対して前後方向に複数の位置でロックおよびロック解除するロック機構と、を備えており、
前記ヘッドレストフレームは、前記ロック機構を保持する第一フレームと、
前記ロック機構を被覆するようにして前記第一フレームと組み合わせられる第二フレームと、を有しており、
前記ロック機構は、前記ロックブラケットに保持されるとともに、前記ヘッドレストフレームの移動方向に沿って交互に配置される複数の係合歯および複数の凹溝を備えるラチェット部と、
前記ヘッドレストフレームに保持されるとともに左右方向に配置される被保持部と、この被保持部の左右方向への動作と連動するように設定されるとともに前記被保持部と平行に配置され、前記ヘッドレストフレームの移動に伴って前記複数の係合歯に噛み合う係合部とを含んで構成されるロック部材と、
前記被保持部に対して、前記係合部を前記ラチェット部に向かって付勢する付勢力を付与する付勢手段を有することを特徴とするヘッドレスト。 - 前記被保持部は、左右方向に延在する中心軸の軸周りに回動可能とされており、
前記係合部は、この被保持部の軸周りの回動に連動して前記凹溝の底部に当接または離間する方向に移動可能とされており、
前記被保持部は、前記付勢手段の一端部が取り付けられる被取付部を有しており、
前記付勢手段は、前記被保持部を中心軸の軸周りに回動させる方向に付勢する付勢力を付与するように設定され、前記被取付部は、前記被保持部に対して、この被保持部の中心軸と離れる方向にずらして配置されていることを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト。 - ヘッドレストピラーに支持されるロックブラケットと、
前記ヘッドレストピラーに前後方向に位置調整可能に形成されるとともに、乗員の頭部を受ける中空状のヘッドレストフレームと、
前記ヘッドレストフレームを、前記ロックブラケットに対して前後方向に複数の位置でロックおよびロック解除するロック機構と、を備えており、
前記ヘッドレストフレームは、前記ロック機構を保持する第一フレームと、
前記ロック機構を被覆するようにして前記第一フレームと組み合わせられる第二フレームと、を有しており、
前記ロック機構は、前記ロックブラケットに保持されるとともに、前記ヘッドレストフレームの移動方向に沿って交互に配置される複数の係合歯および複数の凹溝を備えるラチェット部と、
前記ヘッドレストフレームに保持されるとともに左右方向に配置される被保持部と、この被保持部の動作と連動するように設定されるとともに、前記ヘッドレストフレームの移動に伴って前記複数の係合歯に噛み合う係合部とを含んで構成されるロック部材と、
前記被保持部に対して、前記係合部を前記ラチェット部に向かって付勢する付勢力を付与する付勢手段を有しており、
前記被保持部は、左右方向に延在する中心軸の軸周りに回動可能とされており、
前記係合部は、この被保持部の軸周りの回動に連動して前記凹溝の底部に当接または離間する方向に移動可能とされており、
前記被保持部は、前記付勢手段の一端部が取り付けられる被取付部を有しており、
前記付勢手段は、前記被保持部を中心軸の軸周りに回動させる方向に付勢する付勢力を付与するように設定され、前記被取付部は、前記被保持部に対して、この被保持部の中心軸と離れる方向にずらして配置されていることを特徴とするヘッドレスト。 - 前記被取付部は、前記被保持部と一体形成されていることを特徴とする請求項2または3に記載のヘッドレスト。
- 前記付勢手段は、一端部が前記被取付部に取り付けられるとともに、他端部が前記ヘッドレストフレーム側に取り付けられる付勢部材とされており、
前記付勢部材は上下方向に配置されていることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載のヘッドレスト。 - 前記ヘッドレストフレームは、前記ロックブラケットに並設される一方および他方の凸部を有しており、
前記一方および他方の凸部それぞれには、これら一方および他方の凸部を左右方向に貫通するとともに、前記被保持部が挿通される挿通孔が形成されており、
前記挿通孔は、前記被取付部が挿通される逃げ部を備えており、
前記挿通孔のうち隣り合う挿通孔の逃げ部同士は、側面視において向きが異なるようにして前記一方および他方の凸部に形成されていることを特徴とする請求項2〜5のいずれか一項に記載のヘッドレスト。 - 前記ロック部材は、前記被保持部と、前記係合部と、これら被保持部と係合部の一端部同士を連結する連結部とを含んで構成されることによって、前記被保持部の他端部から係合部の他端部にかけて折り返すようにして形成されており、
前記被保持部を操作する操作部は、この被保持部の他端部側に設けられており、
前記付勢手段は、前記ロックブラケットよりも前記操作部側に取り付けられていることを特徴とする請求項5または6に記載のヘッドレスト。
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