JP6481000B2 - ヘッドレスト - Google Patents
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Description
ヘッドレストにより得られる快適性や安全性は、ヘッドレストが乗員の頭部に対して適切な位置であることが重要となる。そこで、ヘッドレストピラーによるヘッドレストの高さ調整だけでなく、前後方向の位置も調整できる技術が開発されている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の技術においてはラチェット構造を有するロック機構が採用されており、ラチェット部材のラチェット歯とポールの爪部とを噛み合わせたり、ロック解除ワイヤーによってポールを操作して爪部をラチェット歯から外したりすることで、ヘッドレストフレームを前後方向に回動させて位置調整できるようになっている。
ところで、ヘッドレストフレーム内に収容される可動機構の安定した動作を確保するために、可動機構の支持剛性を高めたいという要望がある。
左右に配置される横軸部を有するヘッドレストピラーと、
前記横軸部に固定される、左右に対し垂直面による板状体で形成されたロックブラケットと、
乗員の頭部を受ける正面部と、前記正面部と組み合って一体となる背面部と、を有するヘッドレスト本体と、
前記ヘッドレスト本体を、前記ロックブラケットに対して複数の位置でロックするロック機構と、を備えており、
前記正面部の上端には、前記背面部と組み合うための爪部が形成されており、
前記爪部は、前記ロックブラケットの前記垂直面の延長上に配置されている
ことを特徴とする。
前記正面部の内側には凸部が形成されており、
前記凸部は、上下方向に伸長するとともに、左右方向に並んでおり、
前記ロックブラケット及び爪部は、前記左右方向に並んだ凸部の間に配置されている
ことを特徴とする。
請求項1に記載のヘッドレストにおいて、
前記左右方向に並んだ凸部間を連結する、左右方向に伸長する凸部が設けられており、
前記爪部は、前記左右方向に伸長する凸部よりも上方に配置されている
ことを特徴とする。
請求項2に記載のヘッドレストにおいて、
前記ロックブラケットは、前記左右方向に伸長する凸部よりも下方に配置されている
ことを特徴とする。
請求項1から3のいずれか一項に記載のヘッドレストにおいて、
前記正面部には、前記上下方向に伸長する凸部の左右方向に離間して、前記背面部と組み合うための他の爪部が設けられている
ことを特徴とする。
請求項4に記載のヘッドレストにおいて、
前記左右方向に並んだ凸部間を連結する、左右方向に伸長する凸部が設けられており、
前記他の爪部は、前記左右方向に伸長する凸部よりも下方に設けられている
ことを特徴とする。
請求項4又は5に記載のヘッドレストにおいて、
前記他の爪部は、前記ロックブラケットの下端部よりも上方に設けられている
ことを特徴とする。
請求項4から6のいずれか一項に記載のヘッドレストにおいて、
前記ヘッドレスト本体の側部には、前記ロック機構を操作するボタンが設けられており、
前記他の爪部の上端部は、前記ボタンの上端部よりも上方に配置されている
ことを特徴とする。
請求項1から7のいずれか一項に記載のヘッドレストにおいて、
前記ロックブラケット及び前記正面部の上端に形成された爪部は、前記ピラーの左右それぞれ配置された支柱の間に配置されている
ことを特徴とする。
これら一対の支柱1a,1aと横軸部1bとは一体形成されており、これら一対の支柱1a,1aと横軸部1bとの中間に位置する部位は屈曲形状を成している。
また、前記一対の支柱1a,1aと横軸部1bとのうち、少なくとも横軸部1bは断面正円状に形成されている。
このロックブラケット4は左右方向に薄厚な、かつ上下方向に長尺な金属製の板状体であり、突端部5には、ラチェット部35が形成されている。
また、基端部に、アーチ型の軸受け面を形成することによって、前記横軸部1bを把持するようにして、この横軸部1bに設けられている。また、この基端部は横軸部1bに対して溶接等により強固に接合固定されている。
一方の長孔4aは、前記ラチェット部35の下側に配置されているが、他方の長孔4bは、一方の長孔4aよりもヘッドレストピラー1側に形成されるガイド凹部64の下側に配置されている。なお、他方の長孔4bよりも下側には、さらに正円状の孔4cが形成されている。これら一方および他方の長孔4a,4bと孔4cは、前記ロックブラケット4を左右に貫通するようにして形成されている。
また、これら一方および他方の長孔4a,4bと孔4cは、下方に設けられる孔ほど前後方向に短くなるように設定されている。すなわち、前後方向長さが一番長いのは一方の長孔4aであり、次に他方の長孔4bであり、次に孔4cとなっている。
複数の付勢部材3,3は、ヘッドレストフレーム9とヘッドレストピラー1の横軸部1bとの間に設けられるものであり、ヘッドレストフレーム9を横軸部1bに引き寄せる方向に付勢している。なお、これら付勢部材3はコイルバネとされている。
なお、取付部2,2は、横軸部1bに対して溶接等により強固に接合固定されている。また、これら取付部2,2は、斜め上向きで後方に向かって突出している。
内部には、ヘッドレストフレーム9のヘッドレストピラー1に対する移動を可能とする可動機構が収容されている。すなわち、ヘッドレストフレーム9は、可動機構をカバーしており、外部から可動機構への荷重や衝撃を軽減したり、クッションパッドとなる樹脂が内部に浸入することを防いだりしている。
正面部10および背面部19は、周縁部が互いに噛み合うように構成されるとともに、正面部10の周縁部に沿って配置される複数の引掛け爪部15…と、背面部19の周縁部に沿って配置される複数の引掛け凹部25…とを互いに係合させてなる嵌合構造を有している。そして、これら正面部10と背面部19とを嵌合させて組み合わせることで内部に空洞ができるように構成されている。
なお、正面部10と背面部19は嵌合構造を有することによって確実に組み合わせることができるが、組み立て時により嵌合しやすくするために、これら正面部10と背面部19との間に位置決め手段を設けるようにしても良い。
この正面部10は、前面壁部11と、周壁12と、膨出部13,13と、底壁14と、凸部16と、把持部17,17等を有している。また、前面壁部11と、周壁12と、膨出部13,13と、底壁14とは、図3等に示すように、前記横軸部1bよりも前方に位置している。
この前面壁部11の周縁部に沿って前記周壁12と、膨出部13,13と、底壁14とが一体形成されている。
この周壁12には、図6に示すようなボタン32を取り付けるためのボタン取付部12aが側方に突出するようにして一体形成されている。ボタン取付部12aの突出方向側端面には、ボタン32のボタン保持部34を、ボタン取付部12aに嵌め込むための切欠部12bが形成されている。
さらに、この周壁12には、前記ボタン取付部12aとは反対側の位置に切欠部12dが形成されている。この切欠部12dは、後述するロック部材38をヘッドレストフレーム9内部側に挿入するためのものである。
この底壁14には、図1に示すような化粧縁部材28,28を嵌め込むための切欠部14a,14aが形成されている。
複数の凸形状部分として、凸部16A,16Aと、凸部16B,16Bと、凸部16Cと、凸部16Dとが、前記前面壁部11の背面側に設けられている。
これら凸部16A,16Aは、前記可動機構と並設されるものであり、一方の凸部16Aの壁160と、他方の凸部16Aの壁161とは互いに対向している。
これら2本の凸部16A,16Aと連結部162とは一体形成されており、これら凸部16A,16Aと連結部162との中間に位置する部位は屈曲形状を成している。すなわち、2本の凸部16A,16Aと連結部162とは、正面部10の背面側を正面から見た際に略逆U字状に形成されている。
また、後述するが、これら凸部16A,16Aは、図9および図10に示すように、これら凸部16A,16Aと一体形成されるとともに前記可動機構側に突出する突出部163a〜163eを備えている。
なお、これら凸部16C,16Dの基端部側は、互いに連結されるとともに、前記前面壁部11と2本の凸部16A,16Aにも連結されている。図1に示すように、凸部16Cは一方の凸部16A側に配置されており、凸部16Dは他方の凸部16A側に配置されている。また、凸部16Dの突端部側は、前記凸部16Cの突端部からも、前記他方の凸部16Aの壁161からも離間して配置されている。
また、これら把持部17,17と、前記2本の凸部16A,16Aとは連結されている。すなわち、凸部16Aの下方に把持部17が配置され、これら凸部16Aと把持部17とが一体形成された状態になっている。
さらに、把持部17,17には、これら把持部17,17の左右外側面から外側に向かって段差を形成する段差部17a,17aがそれぞれ設けられている。これによって把持部17,17を横方向に太くすることができ、より確実に横軸部1bを把持できるので好ましい。
これら突出部163d,163eは、一見すると凹状に形成されたような形態となっているが、把持部17,17の背面部19側面から前記横軸部1b側に向かって、かつ把持部17,17の内方に向かって突出している形態とされている。突出部163d,163eが形成された部分は剛性の高い部分となるので、前記横軸部1bを確実に支えることができ、横軸部1bの変位を確実に規制できる。
また、このように取付部2,2間に把持部17,17が設けられる場合に限られず、逆に、把持部17,17間に取付部2,2が設けられていても、これら取付部2,2によってヘッドレストフレーム9の左右位置を規制できるようになっている。
この下部開放部18は、ヘッドレスト組み立て時において、正面部10を、ロックブラケット4が固定された状態のヘッドレストピラー1に取り付ける際に、前記ロックブラケット4が挿入される挿入口として機能する。
この背面部19は、後面壁部20と、周壁21と、膨出部23,23と、底壁24等を有している。
この後面壁部20の周縁部に沿って前記周壁21と、膨出部23,23と、底壁24とが一体形成されている。
この後方突出部26のヘッドレストフレーム9内部側には、図4に示すように、凹部26aが形成されており、この凹部26aは、前記可動機構のうち、この後面壁部20側に変位する部分が入り込む空間とされている。
これら後方突出部27,27のヘッドレストフレーム9内部側には、図4に示すように、凹部27a,27aがそれぞれ形成されており、これら凹部27a,27aには、取付部2,2が収容される。
この周壁21には、図6に示すようなボタン32を取り付けるためのボタン取付部21aが側方に突出するようにして一体形成されている。ボタン取付部21aの突出方向側端面には、ボタン32のボタン保持部34を、ボタン取付部21aに嵌め込むための切欠部21bが形成されている。
また、この周壁21には、ボタン取付部21aとは反対の位置に、図15および図16に示すような他端部係合部材43に当接して、他端部係合部材43の外側への移動を規制するとともに、前記切欠部12dを閉塞する当接部22が一体形成されている。
この底壁24には、図1に示すような化粧縁部材28,28を嵌め込むための切欠部24a,24aが形成されている。
前記底壁14に形成された切欠部14a,14aと、前記底壁24に形成された切欠部24a,24aは、正面部10と背面部19とを組み合わせることによって、底壁14,24に長孔状の開口部を2つ形成できるようになっている。
そして、これら2つの長孔状の開口部に化粧縁部材28,28がそれぞれ取り付けられ、長孔状の開口部の縁部を化粧することができる。
化粧縁部材28は、前記支柱1aが挿通されるスリット29と、周壁部30と、鍔部31とを備えている。
すなわち、この鍔部31は、前記底壁14,24に形成された長孔状の開口部よりも大径となるように形成されており、化粧縁部材28が、長孔状の開口部からヘッドレストフレーム9内部に没入することを防ぐことができる。
前記ボタン取付部12aに形成された切欠部12bと、前記ボタン取付部21aに形成された切欠部21bは、正面部10と背面部19とを組み合わせることによって、ボタン取付部12a,21aの突出方向側端面に長孔状の開口部を形成できるようになっている。
そして、この長孔状の開口部にボタン32が取り付けられ、このボタン32で前記可動機構を操作できる。
前記ボタン32は、ボタン本体33と、前記ボタン保持部34とからなる。
この筒状部34aのヘッドレストフレーム9外部側端部周縁には、前記長孔状の開口部よりも大径に形成された鍔部34bが設けられている。さらに、筒状部34aのヘッドレストフレーム9内部側端部には、ボタン取付部12a,21aの内周部に形成される引掛けリブ12c,21cに係止する係止部34cが設けられている。
また、このボタン本体33は、前記筒状部34aの内部側端部に引っ掛かるストッパー板部33aを有している。これによって、ボタン本体33のうち、外側に露出する端面は、ボタン保持部34の鍔部34bよりも外側に突出しない構成となっている。
可動機構は、図7に示すように、前記ヘッドレストフレーム9を、前記ロックブラケット4に対して前後方向に複数の位置でロックするロック機構と、前記ヘッドレストフレーム9の前後方向への移動をガイドするガイド機構と、を備えている。なお、ヘッドレストフレーム9の前後方向への移動は、上述のように前後方向に回動することを指しており、ロック機構によって回動方向に複数の位置で、ヘッドレストフレーム9をロックすることができる。
また、前記ヘッドレストピラー1やロックブラケット4、ヘッドレストフレーム9には、これらロック機構およびガイド機構を動作させるために必要な、または、これらロック機構およびガイド機構の動作をより良好にするために必要な構成が具備されているものとする。
これら複数の係合歯36…は前方に傾斜しており、複数の凹溝37…にはロック部材38が挿入される。つまり、ロック部材38は凹溝37に挿入され、係合歯36に引っ掛かるように構成されている。すなわち、ラチェット部35は、前記ヘッドレストフレーム9の前方への移動を許容し、後方への移動を規制するラチェット構造を備えていることになる。
なお、前記凹溝37も、前記係合歯36の傾斜に沿って延在するようにして形成されており、凹溝37の延在方向の最深部が底部37aとされている。ロック部材38は、この凹溝37の底部37aに到達するまで深く挿入されるようになっている。
この連結部6は、ロックブラケット4の突端部5に一体形成されており、ロックブラケット4の突端部5の前端側に設けられる前端部7と、突端部5の後端側に設けられる後端部8とを有する。
そして、連結部6は、これら前端部7および後端部8によって支持されることによってラチェット部35から離間して配置できるようになっている。すなわち、この連結部6は、前記ラチェット部35の上方にアーチ状に設けられている。
また、連結部6の後端部8は、図4,図5,図17(d)に示すように、前記ヘッドレストフレーム9の正面部10の最前傾時に、このヘッドレストフレーム9の背面部19に最も近接するように設定されており、連結部6の後端部8のラチェット部35側面は、前方に傾斜する複数の係合歯36…に対応して前方に傾斜している。
さらに、連結部6の後端部8は、ラチェット部35側面だけでなく、背面部19側面も前方に傾斜しているため、後端部8自体が前傾している。したがって、ロックブラケット4の突端部5の後端は角が削られたような状態となる。すなわち、ヘッドレストフレーム9の背面部19に最も近接するように設定される連結部6の後端部8が、ヘッドレストフレーム9の最前傾時に、このヘッドレストフレーム9の背面側に大きく突出することを防ぐことができるので、ヘッドレストが前後方向に大型化することを抑制でき、ヘッドレストのコンパクト化に貢献できる。
また、このような連結部6の後端部8と対向する位置に、前記背面部19の後方突出部26が設けられている。そして、この後方突出部26の凹部26aに、連結部6の後端部8とロックブラケット4の後端側とが入り込み、収容されるようになっている。
なお、本実施の形態において、これら被保持部39と、係合部40と、中間部41とは一体形成されており、略J字型となるように構成されている。すなわち、ロック部材38は、一本の金属棒を屈曲加工することにより形成されている。また、本実施の形態では中間部41を備えるものとしたが、少なくとも被保持部39と係合部40とを備えていればよいものとする。
また、被保持部39および係合部40の先端部はテーパ状に形成されている。
また、前記被保持部39は、前記ボタン32付近から他方の凸部16A付近までの長さを有する長尺部分とされており、前記係合部40は、前記他方の凸部16A付近から凸部16C付近までの長さを有する短尺部分とされている。
このロック部材38Aの場合、本実施の形態のロック部材38とは係合部40のラチェット部35への挿入方向が異なる。
すなわち、このロック部材38Aは、係合部40をラチェット部35から引き抜くことによってヘッドレストフレーム9のロックを解除できる構成となっている。このように係合部40を引き抜く方向に操作するロック部材38Aによれば、操作の確実性を向上させることができる。
これに伴って、係合部40も左右方向、すなわち自身の長さ方向に沿って移動できるようになっている。このように移動可能に設定された係合部40を、前記ラチェット部35側に移動して前記係合歯36および連結部6の後端部8に噛み合わせることによって、前記ヘッドレストフレーム9を、前記ロックブラケット4に対して前後方向に複数の位置でロックすることができる。
また、係合部40を、前記ラチェット部35とは反対側に移動して前記係合歯36および連結部6の後端部8に噛み合わない状態とすることによって、前記ヘッドレストフレーム9のロックを解除することができる。
なお、係合部40は、被保持部39と共に左右方向に配置され、前記ラチェット部35側に移動して係合歯36および連結部6の後端部8に噛み合うものである。したがって、この係合部40は、ラチェット部35内に挿入されるだけでなく、前記連結部6によって周囲を囲まれることにもなる。これによって、ラチェット部35に挿入されたロック部材38は、連結部6によって上方の位置や、前方および後方の位置を規制できる。
すなわち、被保持部39と係合部40とが、中間部41を介して、ハの字型に広がっていたり、逆ハの字型に狭まったり、その位置関係にバラつきが見られる場合があるが、被保持部用長孔63の長手方向の向きと、前記複数の凹溝37…の深さ方向の向きとを略一致させることによって、このようなバラつきを吸収できる。
この突出部163aは、図1に示すように、ヘッドレストフレーム9の製造段階で、凸部16Aと一体に成形されており、これに伴って、この突出部163aが位置する部位の凸部16Aの背面部19側面には凹部が形成された状態となっている。そして、図2に示すように、凸部16Aに対応して前面壁部11の正面側に形成される凹部側に突出している。
また、突出部163aには被保持部39を挿通させるための孔が形成されており、この孔は、前記被保持部用長孔63と略等しい形状に設定されるとともに連続して設けられている。このように突出部163aが形成された部分は剛性の高い部分となるので、前記被保持部39を確実に支えることができる。
なお、前記他方の凸部16Aに形成される係合部用長孔62は、壁161を貫通しており、前記凸部16Dに形成される係合部用長孔62は、凸部16Dを左右方向に貫通している。前記凸部16Cに形成される係合部用長孔62は、図9に示すように、凸部16Cを貫通しないように設定されている。
また、これら凸部16C,16Dにそれぞれ形成される係合部用長孔62は、前記ラチェット部35に対向している。また、凸部16Aの壁161に形成される係合部用長孔62も、前記凸部16C,16Dにそれぞれ形成される係合部用長孔62と並んで配置されているので、凸部16Dを介して、前記ラチェット部35と対向したような状態となっている。
これによって、ロック部材38の係合部40も、係合部用長孔62と同様の範囲内に設けられることになり、係合部40の動作範囲も、同様の範囲内に収めることができるので、ヘッドレストフレーム9の前後方向のコンパクト化を図ることができる。
すなわち、ヘッドレストフレーム9自体は、前記横軸部1bとの間に設けられた前記複数の付勢部材3,3によって横軸部1b側に常に引き寄せられている状態となっている。したがって、ロック部材38の被保持部39も、常に横軸部1b側に引き寄せられている状態となっている。
さらに、係合部40と被保持部39は中間部41を介して連結されているから、係合部40も横軸部1b側に引き寄せられるが、この係合部40は、前記付勢手段によって係合部用長孔62の延在方向下方に常に押し付けられている。つまり、係合部用長孔62を含むヘッドレストフレーム9が横軸部1b側に付勢されており、係合部用長孔62の延在方向下方の縁部が前記係合部40の前方側に強固に当接することになる。これに伴って、係合部40は、係合歯36および連結部6の後端部8のラチェット部側面8aに強固に当接して、これら係合歯36および連結部6の後端部8のラチェット部側面8aに噛み合うことになる。さらに、係合部40は、付勢手段によって凹溝37の底部37aに当接することになる。
このようにして係合部40は、互いに交差する凹溝37…と係合部用長孔62の双方に接することになる。この時、係合部40は、前記凹溝37の底部37aに位置している。さらに、係合部40の中心軸40aは、図18に示すように、側面視において、前記係合部40と凹溝37とが接する部位P1と、前記係合部40と係合部用長孔62とが接する部位P2とを結ぶ仮想線V1よりも凹溝37の底部37a側に位置している。
この保持部55は、図13に示すように、前記被保持部39および係合部40の連結部材53側端部と、前記中間部41とが挿入される筒状部分を指している。この保持部55の内部には、図示はしないが、前記中間部41の脱落を抑制する爪部が設けられている。
この凹部57は、前記第一係合部54の保持部55と一体形成される円状の底壁部57aと、この底壁部57aの周縁部に沿って立設される周壁部57bとからなる。
また、係止部58は、前記底壁部57aに設けられる半円状の突起部59と、矩形状の突起部60とからなる。
突起部59と突起部60との間には隙間が形成されており、この隙間は、前記付勢部材42の一端部42aの直径と略等しくなるように設定されている。また、前記周壁部57bの内径は、前記付勢部材42の一端部42a側の外径よりも若干大きくなるように設定されている。したがって、付勢部材42の一端部42aは、前記突起部59と突起部60との間の隙間に係合されるとともに、この付勢部材42の一端部42a側の円状部分は凹部57によって保持される。
また、前記第二係合部56の直径は、ロック部材38の中間部41の長さよりも短くなるように設定されている。さらに、この第二係合部56は、前記被保持部39よりも係合部40側に若干近接して配置されている。これにより、第二係合部56が被保持部39側に近接して配置されるよりも、前記付勢部材42による回転方向への付勢力を伝達しやすいので好ましい。
この連結部材挿入部164は、前記第一係合部54が挿入される第一挿入部164aと、前記第二係合部56が挿入される第二挿入部164bとを備えている。
第一挿入部164aの凸部16Aに対する形成深さは、前記他方の凸部16Aの左右方向の長さよりも壁161の厚さ分の長さを差し引いた長さと略等しくなるように設定されている。
また、第二挿入部164bの凸部16Aに対する形成深さは、前記連結部材53の形状に対応して、前記第二係合部56の周壁部57bの高さと略等しくなるように設定されている。
また、第一挿入部164aの底壁は、前記他方の凸部16Aの壁161であり、この底壁である壁161には、上述のように、係合部用長孔62と被保持部用長孔63とが形成されている。
また、上述のように前記ロック部材38の係合部40は、前記付勢部材42によって被保持部39を軸にして回転する。前記第一挿入部164aおよび第二挿入部164bは、係合部用長孔62に向かうにつれて幅広になるように形成されており、係合部40を回転させるためのスペースを確保している。
さらに、この連結部材挿入部164は、前記他方の凸部16Aに形成されているため、図2に示すように、この凸部16Aに対応して前面壁部11の正面側に形成される凹部側に突出している。
また、この固定板部44のヘッドレストフレーム9内部側面には、リブ44a,44bが形成されている。これらリブ44a,44bは縦横に格子状に配置されており、固定板部44の剛性を高めることができる。
また、係止部46は、周壁部45aの内側で前記固定板部44に設けられる半円状の突起部47と、矩形状の突起部48とからなる。
突起部47と突起部48との間には隙間が形成されており、この隙間は、前記付勢部材42の他端部42bの直径と略等しくなるように設定されている。さらに、半円状の突起部47には、突起部48側面に突出する爪部47aを備えている。
また、半円状の突起部47は、縦リブ44aの延長線上に配置されないように設定されている。すなわち、半円状の突起部47には爪部47aが形成されているので、突起部47,48間に付勢部材42の他端部42bを係合させるためには、この半円状の突起部47に若干の撓みが必要となる。したがって、この突起部47を、縦リブ44aの延長線上に配置しない構成としている。
そして、この回転規制部49は、図1,図11,図16に示すように、前記他端部係合部材43の直線状の上端部に対して上方から当接する上端押さえ部50と、他端部係合部材43の直線状の下端部に対して下方から当接する下端押さえ部51と、他端部係合部材43の曲線状の前端部に対して前方から当接する前端押さえ部52と、他端部係合部材43の曲線状の後端部に対して後方から当接する後端押さえ部52aと、を備えている。これら各押さえ部50,51,52,52aは、前記他端部係合部材43の周囲の形状に対応した形状となっている。
また、前記後端押さえ部52aは、図4に示すように、前記背面部19の周壁21に一体形成されている。
本実施の形態において、このガイド凹部64は、前記ロックブラケット4を左右の厚さ方向に貫通して形成されることによって前記ラチェット部35と、水平面に直角な同一平面上に設けられている。
この場合、ロックブラケット4を貫通しないガイド凹部は、一部が前記ラチェット部35と、水平面に直角な同一平面上に設けられることになる。
また、ガイド凹部64を、ロックブラケット4を貫通するもの、ロックブラケット4を貫通しないもののいずれにしても、このガイド凹部64は、前記ラチェット部35よりも、ロックブラケット4の基端部側に設けられている。
本実施の形態では、前記ガイド凹部64はロックブラケット4を貫通して形成されているため、このガイド凹部64に挿通されている。
なお、このガイド部材65は金属製であるため、熱等の影響を受けにくい。
すなわち、前記ヘッドレストフレーム9の凸部16A,16Aには、ガイド部材65が挿通される孔部66…がそれぞれ形成されている。これら孔部66…は、前記ガイド部材65によって、前記壁160を含む一方の凸部16Aを左右に貫通する位置と、前記壁161を含む他方の凸部16Aを左右に貫通する位置とにそれぞれ形成されている。
これら突出部163b,163cは、図1に示すように、ヘッドレストフレーム9の製造段階で、凸部16A,16Aと一体に成形されており、これに伴って、この突出部163b,163cが位置する部位の凸部16A,16Aの背面部19側面には凹部が形成された状態となっている。そして、図2に示すように、凸部16A,16Aに対応して前面壁部11の正面側に形成される凹部側に突出している。
また、突出部163b,163cにはガイド部材65を挿通させるための孔が形成されており、この孔は、前記孔部66…と略等しい形状に設定されるとともに連続して設けられている。このように突出部163b,163cが形成された部分は剛性の高い部分となるので、前記ガイド部材65を確実に支えることができる。
なお、ガイド部材65の両端部はテーパ形状とされており、各孔部66,165に挿通しやすくなっている。
すなわち、前記凸部16B,16Bの外側に位置する背面部19の周壁21によって、前記ガイド部材65の軸方向への移動を規制できるようになっている。
これによって、このガイド部材65によるヘッドレストフレーム9のガイドを安定的に行うことができる。
まず、ヘッドレストピラー1の横軸部1bに、取付部2,2と、ロックブラケット4とを固定する。そして、正面部10の下部開放部18にロックブラケット4を挿入するようにして、この正面部10を横軸部1bに取り付ける。この時、把持部17,17によって横軸部1bを把持する。
係合部40は、ラチェット部35にも挿通させるようにする。また、被保持部39は、凸部16A,16Aに形成された各被保持部用長孔63…にも挿通させるようにし、先端部がボタン取付部12aに到達するまで確実に差し込む。この時、連結部材53は、図3に示すように、連結部材挿入部164に収容された状態となる。
また、ボタン取付部12aにはボタン保持部34およびボタン本体33を収容しておき、被保持部39の先端部が差し込まれた時に、この先端部がボタン本体33に取り付けられるようにする。
さらに、ガイド部材65は、背面部19の周壁21によって軸方向への移動を規制され、他端部係合部材43は、当接部22が当接し、この当接部22によって支持されることになる。また、突出支持部20aが、前記横軸部1bの中央部と、この横軸部1bよりも下方に位置する正面部10の底壁14との間に差し込まれることになる。
以上のようにしてヘッドレストを組み立てることができる。
ヘッドレストの動作は、図17に示すように、前記ヘッドレストピラー1の横軸部1bに対して前後方向に回動自在に取り付けられたヘッドレストフレーム9の前後方向への回動に基づくものである。
また、ヘッドレストフレーム9は、前記付勢部材3,3によって横軸部1b側に引き寄せる方向に付勢されている。したがって、図17(a)に示すように、ヘッドレストフレーム9が後方に引き寄せられるとともに、前記ロック部材38の係合部40が、ラチェット部35の凹溝37のうち、最も後方にある凹溝37に挿入され、連結部6の後端部8に噛み合っている状態が、ヘッドレストフレーム9の通常位置とされている。
これによって、係合部40が、図17(b)に示すように、ラチェット部35に挿入されたまま、最後方の凹溝37の底部37aから離れて、最後方の係合歯36の後端面36aに沿って上方にスライドしていくことになる。
そして、係合部40が、最後方の係合歯36の上端部を乗り越えた時、この係合部40は、前記付勢部材42の付勢力によって、後方から2番目の凹溝37の底部37aに向かって自動的に移動し、図17(c)に示すように、この2番目の凹溝37の底部37aに嵌まるとともに、最後方の係合歯36に噛み合う。
すなわち、係合部40は、2番目の凹溝37の底部37aに嵌まり、最後方の係合歯36に噛み合うのと同時に、係合部用長孔62の延在方向の下方へと移動する動作を行う。
図17(d)に示すように、係合部40が最前方の凹溝37に挿入され、最前方の係合歯36に噛み合っている状態が、ヘッドレストフレーム9の前後方向への移動の最前位置である。
係合部40は、被保持部39のスライドに連動してラチェット部35から離脱し、先端部が、前記凸部16Dに形成された係合部用長孔62に移動する。
係合部40は、ヘッドレストフレーム9が最後部へと戻った後に、付勢部材42の付勢力によって再びラチェット部35に挿入され、図17(a)に示すように、最後方にある凹溝37に挿入され、連結部6の後端部8に噛み合う。すなわち、通常位置へと戻ることになる。
すなわち、ヘッドレストフレーム9の通常位置においては、図17(a)に示すように、ガイド部材65はガイド凹部64の延在方向の後端に位置している。また、ヘッドレストフレーム9の最前位置においては、図17(d)に示すように、ガイド部材65はガイド凹部64の延在方向の前端付近に位置している。
この状態で、さらにヘッドレストフレーム9を前方に移動させようとした場合は、係合部40と係合部用長孔62の延在方向の上端との間に強い力が加わる前に、ガイド部材65がガイド凹部64の延在方向の前端に当接する。これによって、ヘッドレストフレーム9が前方に移動できないように規制できるので、係合部40と係合部用長孔62の延在方向の上端との間に強い力が加わることを防ぐことができる。
以上のようにしてヘッドレストを動作させることができる。
さらに、中空状のヘッドレストフレーム9は凸部16A,16Aを含んで構成されるので、これら凸部16A,16Aによってヘッドレストフレーム9自体の剛性を向上させることができる。
また、前記ヘッドレストフレーム9は、前記ガイド部材65が貫通する凸部16A,16Aだけでなく、このガイド部材65が貫通する凸16A,16A部よりも左右の外側に離間して配置される他の凸部16B,16Bによって自身の剛性をより向上させることができる。
さらに、このようなガイド部材65に対して前記付勢部材3,3が設けられているので、これら付勢部材3,3のガイド部材65側端部は、ガイド部材65が貫通する凸部16A,16Aと、この凸部16Aよりも左右の外側に離間して配置される他の凸部16Bとの間に位置することになる。したがって、これら付勢部材3,3のガイド部材65側端部が左右のどちらに移動したとしても凸部16A,16Bがストッパーとして機能するので、ガイド部材65から脱落することをより一層抑制することができる。
また、ガイド部材65は、このガイド部材65が貫通する凸部16A,16Aによって両持ち保持されるとともに、この凸部16Aと他の凸部16Bとの間でも両持ち保持されているため、前記付勢部材3,3の付勢力によって変形することをより一層抑制することができる。
1b 横軸部
3 付勢部材
4 ロックブラケット
6 連結部
8 後端部
8a ラチェット部側面
9 ヘッドレストフレーム
10 正面部
16A 凸部
160 壁
161 壁
19 背面部
35 ラチェット部
36 係合歯
36a 後端面
37 凹溝
37a 底部
38 ロック部材
39 被保持部
40 係合部
40a 中心軸
42 付勢部材
42a 一端部
42b 他端部
43 他端部係合部材
44 固定板部
45 凹部
46 係止部
49 回転規制部
53 連結部材
54 第一係合部
56 第二係合部
57 凹部
58 係止部
62 係合部用長孔
63 被保持部用長孔
64 ガイド凹部
65 ガイド部材
Claims (8)
- 左右に配置される横軸部を有するヘッドレストピラーと、
前記横軸部に固定される、左右に対し垂直面による板状体で形成されたロックブラケットと、
乗員の頭部を受ける正面部と、前記正面部と組み合って一体となる背面部と、を有するヘッドレスト本体と、
前記ヘッドレスト本体を、前記ロックブラケットに対して複数の位置でロックするロック機構と、を備えており、
前記正面部の上端には、前記背面部と組み合うための爪部が形成されており、
前記爪部は、前記ロックブラケットの前記垂直面の延長上に配置されている
ヘッドレストであって、
前記正面部の内側には凸部が形成されており、
前記凸部は、上下方向に伸長するとともに、左右方向に並んでおり、
前記ロックブラケット及び爪部は、前記左右方向に並んだ凸部の間に配置されている
ことを特徴とする記載のヘッドレスト。 - 前記左右方向に並んだ凸部間を連結する、左右方向に伸長する凸部が設けられており、
前記爪部は、前記左右方向に伸長する凸部よりも上方に配置されている
ことを特徴とする請求項1に記載のヘッドレスト。 - 前記ロックブラケットは、前記左右方向に伸長する凸部よりも下方に配置されている
ことを特徴とする請求項2に記載のヘッドレスト。 - 前記正面部には、前記上下方向に伸長する凸部の左右方向に離間して、前記背面部と組み合うための他の爪部が設けられている
ことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のヘッドレスト。 - 前記左右方向に並んだ凸部間を連結する、左右方向に伸長する凸部が設けられており、
前記他の爪部は、前記左右方向に伸長する凸部よりも下方に設けられている
ことを特徴とする請求項4に記載のヘッドレスト。 - 前記他の爪部は、前記ロックブラケットの下端部よりも上方に設けられている
ことを特徴とする請求項4又は5に記載のヘッドレスト。 - 前記ヘッドレスト本体の側部には、前記ロック機構を操作するボタンが設けられており、
前記他の爪部の上端部は、前記ボタンの上端部よりも上方に配置されている
ことを特徴とする請求項4から6のいずれか一項に記載のヘッドレスト。 - 前記ロックブラケット及び前記正面部の上端に形成された爪部は、前記ピラーの左右それぞれ配置された支柱の間に配置されている
ことを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載のヘッドレスト。
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