以下、上記課題を解決するための他の手段について課題及び効果を付して説明し、その後に実施の形態を説明する。
近年の遊技機は、非常に精密な電子部品を組み込んだり、あるいは精緻な型成型を行った部品を使用したりしなければならず、全ての部品を一箇所で形成することは不可能になってきている。そこで、各種部品を異なる場所、言い換えればその技術が得意な部品メーカーで製造し、これを出願人のようなセットメーカーで完成品として組立てることが行われており、これによって製造コストの低減が図られるようになってきているのである。
一方、近年発生してきているこの種の遊技機に対する不正行為は、上述したような部品の複雑化に伴って複雑かつ巧妙になってきており、遊技機が多数設置されている所謂ホール(パチンコ店やスロット専門店等)での不正行為は勿論、上述した部品の流通過程においても不正がなされる現状にある。このため、出願人のようなセットメーカーでは、各部品メーカーから搬入されてきた部品が正規のものであるか否かのチェックを行わなければならないことは勿論、ホールへ出荷される遊技機が正規のものであるか否かのチェックも行わなくてはならない。
また、遊技機が多数設置されているホール側においても、設置してある遊技機に不正行為がなされていないか否かを常時チェックする必要があり、特に遊技のための回路基板に不正がなされているか否かのチェックは、上述した部品の複雑化と、遊技機の設置台数が多数であることから、負担が大きくなる作業となっている。
この種の遊技機における不正行為の内、回路基板に関するものは、これを不正に取り外して当該基板内のROM(CPUやROMが1チップ化されている場合は当該チップ)を交換し遊技内容を変更したり、リード線等により外部から不正な電気信号を回路基板に入力させたりする等が数多く報告されており、従来より各種の不正対策が検討されている。例えば、基板ボックスを透明ケース体にて構成して回路基板の状態を外部から容易に視認できるようにする、基板ボックスに封印構造(いわゆる、カシメ構造)を持たせて基板ボックスの開封時には破壊等による開封履歴を残すようにする、又は、基板ボックスを構成する上下一対のケース体の接合部に再貼付不可能であり剥がすと痕跡が残る封印シールを貼付する等の不正対策が採用されている(例えば特開2003−180917号公報参照)。
ところで、遊技機においては、当該遊技機ごと、あるいは主制御装置のような遊技のための回路基板ごとに、各種のID情報(識別情報)が付されており、それら各ID情報により遊技機やこれに採用されている回路基板の管理が可能となっている。各種のID情報としては、以下に述べるように、(1)〜(6)が現在採用されている。(例えば特開2007−330276号公報、段落0155〜段落0158参照)
(1)遊技盤用の証紙ラベルに記された遊技盤ID情報
遊技盤用の証紙ラベルは、例えば遊技盤に貼付され、遊技盤ID情報として遊技盤の製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、遊技機製造番号(例えば、No.1234567
)、及びそれらの各データを二次元コード化したQRコード(登録商標)が記されている。
(2)枠用の証紙ラベルに記された枠ID情報
枠用の証紙ラベルは、遊技盤等を開閉可能に支持する本体枠に貼付され、枠ID情報として本体枠の製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、遊技機製造番号(例えば、No.
1234567)、及びそれらの各データを二次元コード化したQRコード(登録商標)が記されている。
(3)識別シールに記された主基板ID情報
識別シールは、主制御装置等の回路基板を収納する基板ボックスに貼付され、(主)基板ID情報として製造メーカコード(例えば、SY−F)、製造番号(例えば、No.12
34567)、及びそれらの各データを二次元コード化したQRコード(登録商標)が記されている。
(4)識別シールに記された遊技機ID情報
識別シールは、主制御装置等の回路基板を収納する基板ボックスに貼付され、遊技機ID情報として製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、機種名(例えば、××物語)、機種コード(例えば、12345A)、及びそれらの各データを二次元コード化したQRコード(登録商標)が記されている。
(5)ICタグのタグID情報
ICタグは、主制御装置等の回路基板を収納する基板ボックス等の封印シールに組み付けられ、タグID情報として製造メーカ名(又は複数のメーカごとに付されたメーカ固有番号)、遊技機固有のID番号が格納されている。
(6)マイコンチップに格納されたチップID情報
マイコンチップは、主制御装置等の回路基板に実装され、チップID情報としてチップ固有番号等が記憶されている。
上記(1)〜(6)の各情報は、製造メーカにおいて遊技機の製造段階ですべて遊技機ごとに付与され、ラベル等の貼付が行われる。ただし、上記(6)のチップID情報に関しては、遊技機製造メーカでなく、チップ製造メーカにおいてチップ固有番号等の書き込みが行われる。そして遊技機の組立完了後には、遊技機が梱包され、遊技ホールなど、指定の供給先に出荷される。かかる場合において、上記(1)〜(6)の各情報は、製造メーカで遊技機ごとに対応させて遊技機管理データとして登録され、非公開データとして記憶保持される。このとき、遊技機管理データとして、遊技機ごとに出荷先、出荷日時に関する出荷データも併せて登録される。
ホールなどにおいて、遊技機を新規に設置する場合には、当該遊技ホールの管理者などによって、製造メーカから出荷され納品された遊技機個々に各種ID情報の確認が行われる。このとき、スキャナ装置を用いて各種ID情報の読み取りが行われるとともに、その読み取った各種ID情報が前記遊技機管理データと照合され、遊技機が真正品であるか否かなどの確認(認証)が行われる。これにより、遊技機の搬送途中において当該遊技機が不正品に差し替えられたりしても、その不正品の判定が可能となる。また、遊技機の新規設置時以外にも、遊技機稼働開始後における定期又は不定期の遊技機チェック時や、主基板交換時、遊技盤交換時(板替え時)などにおいても同様に、上記ID情報の読み取り及び照合などが適宜行われる。
ただし、上記(1)〜(6)の各情報のうち、遊技ホールの管理者などによって読み取られるID情報は(1)〜(5)の情報であり、(6)の情報に関しては、特定の遊技機認証機関(警察機関等)において読み取られる情報となっている。
しかしながら、上記のような各種のID情報や識別情報を利用した不正対策が施されていても、未だに不正行為が行われることが考えられ、前述した封印構造や封印シール等を採用した回路基板装置であっても、不正の痕跡が残らないようにして巧妙に不正を施すといったことが考えられる。封印シールについては、例えば巧妙に封印シール(あるいは証紙ラベルや識別シール)を一旦剥がし、その後再び基板ボックスに貼り直して元の状態に戻すようにする不正が考えられる。こうした不正行為が行われる場合、遊技機を設置する遊技ホール等において多大な不利益が生じるおそれがあった。
上記特許文献で採用されている不正対策、つまり、基板ボックスを構成する上下一対のケース体の接合部に再貼付不可能であり剥がすと痕跡が残る封印シールを貼付する等の不正対策では、封印シールを剥がした痕跡が残っていれば、ケース体の接合部が開放されたことをチェックできるものであるから、不正行為がなされたことを直接的にチェックできるものではない。
そこで、本発明者等は、不正行為がなされたか否かのチェックを簡単にすることができるようにするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、特に、回路基板に関する不正行為が、回路基板を不正に取り外して当該基板内のROMを交換し遊技内容を変更するもの等である場合には、この回路基板を収納している基板ボックスを開放しなければならないことに着目して、本発明を完成したのである。
すなわち、本発明の目的とするところは、不正行為がなされた際の基板ボックスの開放履歴を、札片の破損という現象によって残すことができて、この破損履歴を視認または認識することによって、不正行為がなされたことを簡単にチェックすることのできる遊技機を提供することにある。
以上の課題を解決するために、まず、発明1の採った手段は、遊技のための回路基板が収納されて、ボックスベースとボックスカバーとを備えた基板ボックスを、遊技盤の裏面側に組み付けた遊技機であって、前記基板ボックスの一側部に設けた札片取付部と、この札片取付部に取り付けた札片と、この札片を覆いながら前記札片取付部に取り付けられるカバーと、このカバー内に装着されて、当該カバーの前記札片取付部に対する取付解除を行うとともに、この取付解除以前に前記札片に破損履歴を残す爪部材とを備えたことである。
この発明1の遊技機では、遊技のための回路基板が収納されて、ボックスベースとボックスカバーとを備えた基板ボックスの一側部に札片取付部が形成されていて、この札片取付部に札片が取り付けてある。この遊技機において使用される札片としては、「証紙ラベル」、「識別シール」、図16に示すような「ICタグ」、そして「マイコンチップ」等が考えられるが、本発明で述べている札片は、基板ボックスの一側部に形成した札片取付部に取り付けられるのであれば、これらの全てを含むものである。
この発明1の遊技機によれば、前記基板ボックスの一側部に設けた札片取付部に取り付けた札片が前記カバーによって覆われているから、例えば、ホールに設置された当該遊技機のトラブル解消のために、札片が取り付けてある基板ボックスをホール通路側に開放してホール店員が触れたとしても、札片はカバーによって損傷が与えられないように保護される。なお、札片を覆っているカバーが透明または半透明材料によって形成されていれば、札片の状態を外部から簡単に視認し得る。
また、この発明1の遊技機によれば、前記カバー内に装着した押圧部によって、前記カバーの前記札片取付部に対する取付解除が行えるようにしたから、例えば基板ボックス内に収納した回路基板の交換を行うためにボックスカバーをボックスベースから外す前提としての、前記札片取付部からの前記カバーの取り外しを行うことができる。
さらに、この発明1の遊技機によれば、爪部材が、カバーの取付解除以前に前記札片に破損履歴を残すものであるから、例えば基板ボックス内に収納した回路基板の交換を行う場合は勿論、回路基板を不正に取り外して当該基板内のROMを交換し遊技内容を変更する不正行為を行った場合にも、前記回路基板を収納している基板ボックの開放事実が札片に残される。
特に、不正行為を行って基板ボックスの開放がなされる場合には、カバーの取付解除以前に、爪部材によって前記札片に破損履歴が残されるから、この破損履歴を視認するか、札片が破損によって機能しなくなることによって、当該遊技機に不正行為がなされたことを容易にチェックすることができる。なお、基板ボックス内に収納した回路基板の交換を行う場合は、前記札片に残された破損履歴によって、未だ交換が完了していないことを視認または認識することができる。
従って、この発明1に係る遊技機によれば、不正行為がなされた際の基板ボックスの開放事実が、札片への破損という現象によって残されることになり、不正行為がなされたことのチェックが破損履歴を人の視認または機械的認識によって行えるものとなっているのである。
また、発明2に係る手段は、前記札片取付部を、前記ボックスベース及びボックスカバーの各一側部にそれぞれ一体的に形成されて、前記回路基板を前記ボックスベースとボックスカバーとの間に収納してこれらのボックスベースとボックスカバーとを一体化したときに重なり合うものとしたことである。
この発明2に係る遊技機では、前記札片取付部を、前記ボックスベース及びボックスカバーの各一側部にそれぞれ一体的に形成したから、前記札片取付部を、前記ボックスベース及びボックスカバーの製造時に同時に形成できて、前記基板ボックスの製造を容易なものにする。
また、この発明2の遊技機では、前記各札片取付部を、前記ボックスベースとボックスカバーとを一体化したときに重なり合うものとしたから、前記各札片取付部における前記札片の取付箇所あるいは取付面積を小さなものとし得て、前記札片の取付けを容易にし得るのである。
上記課題を解決するために、発明3に係る手段は、前記札片を、前記札片取付部を跨いで取り付けるようにしたことである。ここで、「札片が前記札片取付部を跨ぐ」とは、前記札片取付部が単数の場合は、札片が前記札片取付部の端部を包み込んで跨ぐことを意味し、前記札片取付部が複数の場合は、札片が前記札片取付部の端部の合わせ目を跨ぐことを意味する。
この発明3の遊技機によれば、「札片が前記札片取付部を跨ぐ」ようにしたから、回路基板の基板ボックスからの取り出しや、基板ボックス内への不正な電子部品の装着などを目的として基板ボックスを開放する場合には、札片を必ず破損させなければならない。そのため、札片の破損によって、不正行為の発見が可能となるのである。
また、発明4の手段は、前記爪部材を、前記カバーから突出する押圧部と、前記札片を破損させる爪部分と、前記カバーの前記札片取付部に対する取付解除を行う取付解除部とを備えたものとしたことである。
この発明4の遊技機によれば、前記爪部材を、前記カバーから突出する押圧部を備えたものとしたから、この突出している押圧部を前記カバー内に押し込むことによって、前記爪部材をも前記カバー内に押し込むことができる。逆に、この押圧部が前記カバーから突出していなければ、前記爪部材がカバー内に押し込まれている、つまり札片の破損がなされたことを示していることになる。
また、前記爪部材は、前記札片を破損させる爪部分を備えているから、前記押圧部を押
し込むことによって前記カバー内に押し込まれたとき、この爪部分によって前記札片の破損がなされることになる。
さらに、前記爪部材は、前記カバーの前記札片取付部に対する取付解除を行う取付解除部を備えているから、前記押圧部を押し込むことによって当該爪部材が前記カバー内に押し込まれたとき、前記カバーを前記札片取付部から外すことができるのである。
その他の手段1:
また、その他の手段1として、前記札片取付部に対するカバーの取り付けを、前記札片取付部側に設けた係止部に前記カバーに形成した係止突起を係止させて行うようにすることができる。
その他の手段1に係る遊技機によれば、前記札片取付部側に設けた係止部に前記カバーに形成した係止突起を係止させて、前記札片取付部に対するカバーの取り付けを行うようにしたから、例えばネジのような別部品を全く使用しないでカバーの取り付けが行える。
逆に、この他の手段1によれば、前記札片取付部側に設けた係止部から、前記カバーに形成した係止突起を外すだけで、前記札片取付部から前記カバーが取り外せるのである。
その他の手段2:
その他の手段2としては、前記札片を、当該遊技機または前記回路基板ごとに個別に付与された識別情報を有するものとすることができる。
この他の手段2の遊技機では、前記札片に、当該遊技機または前記回路基板ごとに個別に付与された識別情報が付与されているのであるから、この識別情報をチェックすることによって、当該遊技機、及びこれに使用されている前記回路基板が正規のものであるか否かを調べることができる。
その他の手段3:
その他の手段3としては、前記基板ボックスの他側部を、前記遊技盤の裏面側にヒンジ金具によって開閉自在に組み付けるとともに、前記ボックスカバーの前記ヒンジ金具側の他側部を封止部によって前記ボックスベースに封止できるようにしたことがある。
このその他の手段3の遊技機によれば、前記基板ボックスの他側部が、前記遊技盤の裏面側にヒンジ金具によって開閉自在に組み付けられるのであるから、前記基板ボックスの一側部に取り付けてある前記札片を、前記ヒンジ金具、つまり金属部分から遠ざけることができる。
また、このその他の手段3の遊技機によれば、前記ボックスカバーの前記ヒンジ金具側の他側部を封止部によって前記ボックスベースに封止できるようにしたから、前記封止部を破壊しない限り、当該基板ボックス内の前記回路基板の不正交換が行えない。当該基板ボックス内の回路基板を不正交換するために、前記封止部を破壊すれば、この封止部に破壊や溶解などによる痕跡が残るから、この痕跡によって不正交換が行なわれたことを直ちに発見することができる。
さらに、このその他の手段3の遊技機によれば、前記基板ボックスの他側部を前記ヒンジ金具によって開閉自在に組み付けたことともあいまって、基板ボックスの他側部での開放を困難にし、結局基板ボックスの一側部での開放を行わなければならないものうになっている。つまり、この手段3の遊技機によれば、前記基板ボックスを開放するには、その一側部に取り付けた札片を破損しなければならないものになっているのである。
以上、説明した各発明においては、
「遊技のための回路基板が収納されて、ボックスベースとボックスカバーとを備えた基板ボックスを、遊技盤の裏面側に組み付けた遊技機であって、
前記基板ボックスの一側部に設けた札片取付部と、この札片取付部に取り付けた札片と、この札片を覆いながら前記札片取付部に取り付けられるカバーと、このカバー内に装着されて、当該カバーの前記札片取付部に対する取付解除を行うとともに、この取付解除以前に前記札片に破損履歴を残す爪部材とを備えたこと」
にその構成上の主たる特徴があり、これにより、不正行為がなされた際の基板ボックスの開放履歴を、札片の破損という現象によって残すことができて、この破損履歴を視認または認識することによって、不正行為がなされたことを簡単にチェックすることのできる遊技機を提供することができる。
次に、上記各発明を、図面に示した実施の形態である遊技機100(パチンコ機)について説明するが、この実施形態の遊技機100は、上記各発明の全てを含むものである。
図1には、本発明を適用した遊技機100の正面図が示してある。この遊技機100は、ホール(パチンコ店)の島を構成している土台部分に立設される外枠10を有しているものであり、この外枠10に対しては、図2に示したように、図示右側の上下に設けた枢軸12によって、本体枠11が開閉自在に取り付けてある。なお、外枠10には、図1にも示したように、ガラスを支持した前面枠13が開閉自在に取り付けられるものである。
外枠10に対して上下の枢軸12によって連結した本体枠11には、図1及び図2に示したように、前面側に遊技領域を形成した遊技盤20が取り付けてある。この遊技盤20の裏面には、図2及び図3に示したように、裏パックユニット30や基板ボックス40が取り付けてあり、本実施形態では、図4に示したように、基板ボックス40の下側にスペーサボックス60を配置し、このスペーサボックス60の内側に球集合板70を配置するようにしてある。
ここで、図2に示した基板ボックス40の図示右側側部(当該遊技機100の正面側から見れば左側になる)を「一側部」と言うこととし、この一側部とは反対側、つまり、図2に示した基板ボックス40の図示左側側部を「他側部」ということとする。
基板ボックス40は、図7及び図8に示したように、遊技盤20側に配置されるボックスベース40aと、このボックスベース40aに嵌合されるボックスカバー40bとからなり、これらのボックスベース40a及びボックスカバー40bによって形成される空間内には、図7に示したように、回路基板40cが収納されるものである。これらのボックスベース40a及びボックスカバー40bは、非磁性体材料、つまり合成樹脂によってそれぞれ一体成形したものであり、特に本実施形態のボックスカバー40bについては、当該基板ボックス40内の外部からの視認を容易にするために、透明または半透明の合成樹脂材料によって形成してある。
また、この基板ボックス40には、図3に示したように、その図示左側側縁(他側部)に5個の第1封止部43が、また右側側縁(一側部)には、図7に示したように、2個の第2封止部44が形成してある。なお、本実施形態に係る基板ボックス40では、そのボックスカバー40bが、ボックスベース40aに対して横方向からスライド嵌合されるものであるが、これらのボックスベース40a及びボックスカバー40bの嵌合方法は、上下方向からスライド嵌合できるようにしたり、あるいは蝶番などで開閉できるように実施してもよいものである。
そして、この基板ボックス40は、図4に示したように、その裏面の一方側に取り付けられるベース部材41を介して、球集合板70側に取り付けたヒンジ金具42により、球集合板70、従って遊技盤20に対して、図3から図4に示したような開閉が自在に行えるように連結したものである。
ベース部材41は、図4にも示したように、枢軸12とは反対側部分になる基板ボックス40の裏面に、固定後に外すことができなくなるワンウエイネジや破断ネジによって一体的に取り付けられるものであり、図5に示したように、基板ボックス40を構成するボックスベース40aの裏面(遊技盤20側になる面)に取付けられるものである。
すなわち、このベース部材41は、ボックスベース40aの裏面側に、挟持板とこれによってベース部材41に一体化される係止金具とを介在させた状態で取り付けられるものである。この場合、ボックスベース40aの裏面に形成してある係止突起によって、当該ベース部材41の位置決めがなされる。
ベース部材41をボックスベース40aの裏面に取り付けるにあたって挟持された係止金具は、ヒンジ金具42の先端の抜け止めと固定を行うものであり、金属製のものである。すなわち、この係止金具は、ヒンジ金具42が差し込まれたときに、その先端を係止するものであり、これによってヒンジ金具42の基板ボックス40からの抜け止めを行うものである。
ヒンジ金具42は、図3及び図4に示したようなものであり、球集合板70の内側に差し込まれたヒンジ取付具の先端に、例えば金属製のリベットや枢軸によって回動自在に連結されるものである。勿論、球集合板70は遊技盤20の裏面に固定されるものであるから、以上のヒンジ取付具及びヒンジ金具42によって球集合板70に連結された基板ボックス40は、遊技盤20の裏面に取り付けられることになり、図4に示したような開閉が自由に行えるものとなる。
さて、この基板ボックス40の左右両側縁には、図3及び図7に示したように、第1封止部43及び第2封止部44がそれぞれ形成してある。これらの第1封止部43及び第2封止部44は、実際には基板ボックス40を構成しているボックスベース40a及びボックスカバー40bの左右両端縁に一体的に形成されるものであり、従って非磁性材料からなるものである。なお、これらの第1封止部43及び第2封止部44を封止したときには、回路基板40cからの配線を引き出すための穴が、ボックスベース40a及びボックスカバー40bの何れか少なくとも一方に形成される。
これらの第1封止部43及び第2封止部44は、図に示した実施形態では、それぞれ5個及び2個形成してあり、それぞれ独立したものとしてある。勿論、これらの第1封止部43及び第2封止部44の数や大きさは、適宜選定できるものである。
まず、第1封止部43については、ボックスベース40a及びボックスカバー40bの、ヒンジ金具42側の側部にそれぞれ一体的に形成されて、互いにボックスベース40aとボックスカバー40bとを閉じたとき重なり合うベース側封止部及びカバー側封止部と、これら重なり合ったベース側封止部及びカバー側封止部間に挿入されて、両者間の離間を阻止する封止金具とにより構成してある。
すなわち、この実施形態の遊技機100では、その第1封止部43の構成をボックスベース40a及びボックスカバー40bのヒンジ部材側の側部に、ベース側封止部及びカバー側封止部をそれぞれ一体的に形成したものである。これらのベース側封止部及びカバー側封止部は、ボックスベース40aとボックスカバー40bとを閉じたとき、互いに重な
り合うものである。
これら重なり合ったベース側封止部及びカバー側封止部間に封止金具が挿入されたとき、この封止金具によって両者間の相対移動が阻止されることになる。そして、本実施形態では、封止金具と係合する二本の係止突起を有するストッパがベース側係止部内に収納してあり、このストッパ内に封止金具が挿入されることにより、二本の係止突起がベース側係止部内で少し開いて、このストッパがカバー側係止部側に係合するようにしてある。
もし、この第1封止部43の封止を解いて、内部の回路基板40cの不正交換を行った場合には、この封止を解いた状況(破壊や溶融した跡)が第1封止部43のどこかに残るはずである。この跡が残っていれば、回路基板40cの不正交換が行われたことを示すものであるから、この第1封止部43の状況によって不正をチェックすることができる。
各第1封止部43の封止において金属製の封止金具を使用したとしても、この第1封止部43は基板ボックス40の札片50とは反対側に位置しているから、これらの封止金具によって電磁波が吸収されてしまうという悪影響を、アンテナ部53を有するタイプの札片50に与えることはない。
一方、各第2封止部44については、本実施形態の場合、ボックスベース40a及びボックスカバー40b側のそれぞれについて、図示はしていないが、スライド嵌合し合った場合に互いに係合する穴、またはこの穴に係合する爪(係合突起)が形成してある。当該係合突起を形成した第2封止部44は、合成樹脂によってボックスベース40aまたはボックスカバー40bと一体成形したものであるから、この係合突起はある程度の弾性を有したものとなっている。
この第2封止部44には、これに形成した係合突起を外部から視認できる開口が形成してあるから、当該第2封止部44における係合突起による封止を外したい場合には、この係合突起を「キー」等を使用して押し込み、穴と爪との係合を解くようにするのである。
さて、本実施形態の基板ボックス40は、図7及び図8に示したように、遊技盤20の裏面側に固定されるボックスベース40aと、このボックスベース40aに上述した封止部43及び44等を利用して取り付けられるボックスカバー40bとを備えているもので、これらのボックスベース40a及びボックスカバー40bの間には、図7にも示したように、回路基板40cを収納できる空間が形成される。
これらのボックスベース40a及びボックスカバー40bの各一側部、つまり、図7の図示右側部には、札片取付部45a及び札片取付部45bがそれぞれ一体的に形成してあり、これらの札片取付部45a及び札片取付部45bは、図7及び図8に示したように、回路基板40cを収納してボックスベース40aとボックスカバー40bとを一体化したとき、互いに重なり合うものである。また、これらの札片取付部45a及び札片取付部45bには、図7にも示したように、固定穴48a及び挿入穴48bがそれぞれ形成してあって、これらの固定穴48a及び挿入穴48bを利用して、図7中の仮想線にて示したように、固定ネジ48が取り付けられるものであり、これにより、札片取付部45a及び札片取付部45bが重なり合った状態で固定されるものである。
札片取付部45aは、図7及び図8に示したように、2個の第2封止部44の間で図示右方向に突出するものであり、固定ネジ48用の固定穴48aを有しているものである。また、この札片取付部45aの上下端部には、後述するカバー46側の係止突起46aが係合される係止部45cが形成してあり、この札片取付部45aのその他の面は、後述する札片50を貼付し易くするために、平面としてある。
一方、特に本実施形態に係る札片取付部45bは、図7及び図8に示したように、上記札片取付部45aに重なり合う形状に形成したもので、当該札片取付部45bの、後述する爪部材47の爪部分47aが進行してくる部分には切込49が形成してある。この切込49の数や形成位置は、後述する爪部材47の爪部分47aに応じて種々変更できるが、札片50が後述するアンテナ部53を有するものである場合に、札片50の破損と共にこのアンテナ部53の破壊をも行えるようにすることを考えると、図7に示したように、札片取付部45bの上下方向の中間部分に複数個設けるのが、最も好ましい。勿論、この札片取付部45bには、前述したように、固定ネジ48が挿入される挿入穴48bが形成してある。
重なった状態で固定された札片取付部45aおよび札片取付部45bには、図4、図10の(a)、あるいは図12の(a)に示したように、その重なった部分を跨いで後述する札片50が取り付けられるのである。このとき、札片取付部45b側に形成してある切込49は、この札片50によって完全に覆われるのであり、この札片50が後述するようなアンテナ部53を有するものである場合には、このアンテナ部53は各切込49と交差する状態となる。
札片50が跨いだ状態で貼付された札片取付部45aおよび札片取付部45bには、図7及び図8に示したように、爪部材47を収納しながらカバー46が取り付けられる。カバー46は、両札片取付部45a・45bとこれに貼付した札片50の全体を包み込みながら基板ボックス40の一側部に取り付けられるものであり、例えば図10及び図14の各(a)に示したように、内部に一体的に形成した係止突起46aを上下に有し、当該カバー46の側面中央に、後述する爪部材47側の押圧部47bを突出させる窓46bを形成したものである。
爪部材47は、図7に示したように、本体47Aと、これに設けた係止穴内に係合される脚部を有した押圧部47bとからなるものであり、本体47Aの図示左側中央には、カバー46を札片取付部45a及び札片取付部45bに取り付けたとき、札片取付部45bに形成してある切込49に対向することになる爪部分47aが設けてある。一方、この本体47Aの図示右側中央に取り付けられる押圧部47bは、図9及び図10に示したように、カバー46の窓46bから突出するものであり、基板ボックス40の開放を行う場合に押圧されて、当該爪部材47全体を図10の(a)の図示左方へ移動させるものである。
また、この爪部材47を構成している本体47Aの図示上下には、例えば図7に示したように、取付解除部47cが形成してある。この取付解除部47cは、当該爪部材47を押圧部47bによって押し込んだとき、図10及び図12の各(a)に示した変化から理解できるように、カバー46内の各係止突起46aを押し広げるものであり、これにより札片取付部45a・45bに取り付けたカバー46を外すものである。
なお、本実施形態の爪部材47に形成してある爪部分47aは、図7、図8及び図10の(a)に示したように、札片取付部45b側の二つの切込49に侵入し得る2個の爪と、これらの爪の間を連結する板部47d(図8中の拡大部分図参照)とを有したもので、各爪の先端は、図10の(a)に示したように、板部47dより突出したものとしてある。そして、板部47dは、当該爪部材47が押圧部47bにて押し込まれたとき、札片取付部45a側に形成した凹所45d(図7及び図8参照)内に侵入するものである。
ここで、以上のカバー46及び爪部材47の詳細な動きを説明すると、まず、このカバー46内には、例えば図14の(a)に示したように、爪部材47が組み込まれる。勿論
、この爪部材47は、例えば図7に示したように、押圧部47bを本体47Aに組み付けて一体的なものとされている。
以上のカバー46及び爪部材47は、図9〜図11に示したように、重ね合わせて固定した札片取付部45a・45bに札片50を貼付した部分、つまり基板ボックス40の一側部に取り付けられるのであるが、このときには、図10及び図11の各(b)に示したように、爪部材47を構成している押圧部47bはカバー46の窓46bから外方に突出した状態となる。また、カバー46内にては、図10の(a)にて示したように、札片取付部45bの係止部45cに、カバー46の内部に形成した係止突起46aの先端が係止していて、カバー46の、基板ボックス40の一側部に対する取付が完了している。そして、図10の(a)に示したように、爪部材47側の爪部分47aは札片50に対向しているのみで当該札片50を破損させることがなく、爪部材47側の各取付解除部47cは係止突起46aに当接しているのみで拡開されていない状態にある。
ここで、図12の(b)及び図13の(a)及び(b)に示したように、押圧部47bがカバー46の窓46b内に押し込まれると、当該爪部材47全体はカバー46内にて札片50に向けて進行する。これにより、爪部材47の各爪部分47aは札片取付部45b側の切込49内に侵入するとともに、爪部材47の板部47dは札片取付部45aの凹所内に侵入するから、札片50は、図12及び図14の各(a)に示したように、部分的に破損される。そして、この札片50が破損されたとき、あるいはその後に、図12の(a)に示したように、爪部材47側の各取付解除部47cが各係止突起46aを拡開させることになるから、これらの係止突起46aと札片取付部45b側の係止部45cとの係合が解除される。
そこで、図14及び図15に示したように、押圧部47bを押したままカバー46を引き抜けば、当該カバー46及び中の爪部材47は、札片50に破損部分を残した状態で、基板ボックス40の一側部から外されるのである。
さて、札片50であるが、本実施形態では、図16に示したような構成のものを採用している。つまり、この札片50は、図16の(a)に示したように、札片取付部45a・45bに貼付できるようにした矩形状のベースシート51と、このベースシート51の表面の対角線上に取り付けた長尺なアンテナ部53と、このアンテナ部53の中心部に設けたICチップ52とからなるものである。
つまり、このICチップ52は、ベースシート51の点対称位置に設けたものであり、当該札片50を基板ボックス40の一側部に取り付けたとき、両札片取付部45a・45bの重ね合わせ部分であって、札片取付部45b側の両切込49間に位置するようにしてある。また、この札片50を構成しているベースシート51は矩形状に形成してあって、その長辺側が縦になるように、札片取付部45a・45bに貼付されるものであり、図16の(a)に示した左右両側部分は、両札片取付部45a・45bのそれぞれに均等に貼付されるものであって、上記ICチップ52、及びこのICチップ52の周囲のアンテナ部53が札片取付部45b側の両切込49間に位置するようになっている。
ここで、本実施形態では、アンテナ部53と固定ネジ48との位置関係が特徴的なものとなっている。そこで、以下に係る位置関係について詳細に説明する。
アンテナ部53はベースシート51の対角線上に設けられているから、その両端部は、図7に示すように、札片取付部45a及び45bにおいて、挿入穴48bを避けるようにして配置されることになる。このようにアンテナ部53が配置されることにより、アンテナ部53の両端部は対応する固定ネジ48の頭部から離れることになる。つまり、札片5
0を札片取付部45a・45bに貼付したとき、アンテナ部53と固定ネジ48とは離間されることになる。
また、アンテナ部53と固定ネジ48との間には両者を介在する介在部材が設けられていない。つまり、アンテナ部53と固定ネジ48との間には空間が設けられている。これにより、アンテナ部53が挿入穴48b内に向けて撓みにくくなり、アンテナ部53と固定ネジ48の頭部とを対峙させた構成において両者を確実に離間させることができる。例えば、アンテナ部53が固定ネジ48に接触すると設定された共振周波数(本実施の形態では、2.45GHz)が変化してしまい、ICチップ52に格納されたID情報がスキャナ装置によって読み取れなくなるおそれがあるが、本実施の形態における構成によればかかる不都合の発生を防止することができる。
また、図7に示した通り、各札片取付部45a・45bには囲み部が形成されており、ベースシート51の周縁は囲み部に近接している。したがって、ベースシート51の貼り付け作業に際しては、ベースシート51が囲み部によって囲まれた領域内からはみ出ないように貼り付けることで、アンテナ部53の両端部が、挿入穴48bから離れ、固定ネジ48の頭部からも離れる。また、札片取付部45a・45bの囲み部によって囲まれる領域は、ベースシート51の面積よりも広くなっている。これにより、ベースシート51の貼り付け作業に際しては、貼り付け位置に所定のゆとりが生まれ、貼り付け作業の作業性が向上されている。さらに、上記のとおり札片50は矩形状のベースシート51の中心に対して点対称となるように配置されているため、ベースシート51を上下逆に貼り付けたとしても、アンテナ部53の両端部が固定ネジ48の頭部からはなれることになる。
また、この札片50は、上記「背景技術」でも説明した通り、現在のところ、当該遊技機100ごと、あるいは主制御装置のような遊技のための回路基板40cごとに付された各種のID情報を有するものである。この各種のID情報としては、次の(1)〜(6)のようなものが現在採用されている。
(1)遊技盤用の証紙ラベルに記された遊技盤ID情報
遊技盤用の証紙ラベルは、例えば遊技盤に貼付され、遊技盤ID情報として遊技盤の製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、遊技機製造番号(例えば、No.1234567
)、及びそれらの各データを二次元コード化した押圧部47b取付解除部47cコードが記されている。
(2)枠用の証紙ラベルに記された枠ID情報
枠用の証紙ラベルは、遊技盤等を開閉可能に支持する本体枠に貼付され、枠ID情報として本体枠の製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、遊技機製造番号(例えば、No.
1234567)、及びそれらの各データを二次元コード化した押圧部47b取付解除部47cコードが記されている。
(3)識別シールに記された主基板ID情報
識別シールは、主制御装置等の回路基板を収納する基板ボックスに貼付され、(主)基板ID情報として製造メーカコード(例えば、札片50挿入穴48b−ボックスベース40a)、製造番号(例えば、No.1234567)、及びそれらの各データを二次元コー
ド化した押圧部47b取付解除部47cコードが記されている。
(4)識別シールに記された遊技機ID情報
識別シールは、主制御装置等の回路基板を収納する基板ボックスに貼付され、遊技機ID情報として製造メーカ名(例えば、(株)××物産)、機種名(例えば、××物語)、機種コード(例えば、12345A)、及びそれらの各データを二次元コード化した押圧部47b取付解除部47cコードが記されている。
(5)ICタグのタグID情報
ICタグは、主制御装置等の回路基板を収納する基板ボックス等の封印シールに組み付けられ、タグID情報として製造メーカ名(又は複数のメーカごとに付されたメーカ固有
番号)、遊技機固有のID番号が格納されている。
(6)マイコンチップに格納されたチップID情報
マイコンチップは、主制御装置等の回路基板に実装され、チップID情報としてチップ固有番号等が記憶されている。
換言すれば、基板ボックス40の一側部に貼付される札片50としては、図16に示したようなものに限らず、(1)の「遊技盤用の証紙ラベル」、(2)の「枠用の証紙ラベル」、(3)及び(4)の「識別シール」、(5)の「ICタグ」、そして、(6)の「マイコンチップ」が適用されるものである。
そして、この実施形態の遊技機100で採用している札片50は、図16に示したようなアンテナ部53付きのICチップ52を有しているものであったから、外部のスキャナーによって電磁波を照射したとき、ICチップ52に書き込まれている当該遊技機100の識別情報や製造番号などの各種情報を、この札片50に直接接触しなくてもスキャナーに伝達することができるものである。
上記ICチップ52が、メモリ領域としてデータ書き替え不可な不揮発性メモリ領域(ROM)を有し、そのメモリ領域に前記識別情報を記憶保持させたものであれば、このICチップ52においてデータ書き換え不可のメモリ領域に識別情報が記憶保持されるため、識別情報が不正に改ざんされる等の不都合が抑制できる。
また、本実施例における遊技機100のように、基板ボックス40の一側部における分割部分(札片取付部45a・45bの間)を跨ぐようにして札片50を貼り付ければ、基板基板40cの取り出しや、基板ボックス40内への不正な電子部品の装着などを目的として基板ボックス40を開放する場合には、札片50を一旦剥がしたり破損させなければならない。そのため、上記のとおり札片50を破損させることに伴い、その後の札片50の再使用を不可とすることができる。これにより、不正行為の発見が可能となる。
ところで、本実施形態の遊技機100は、図4〜図7に示したように、基板ボックス40の下側にスペーサボックス60を介在させるようにしている。このスペーサボックス60は、合成樹脂製のものであり、その表面側は図4に示したように略平面的なものであるが、その裏側は、図6に示したように、多数のリブを形成することによって、遊技盤20側に向けて開口した多数の空間を有したものとしてある。これらのリブは、当該スペーサボックス60に剛性を付与するとともに、中に物(例えば不正基板など)が入れられないようにするものである。
このスペーサボックス60は、図4に示したように、ヒンジによって後述する球集合板70に開閉自在に連結したものであり、このスペーサボックス60を閉じたときには、図4にも示したように、その上側に、ヒンジ金具によって球集合板70側に連結した基板ボックス40を配置できるようにしたものである。
また、このスペーサボックス60の表面側には、図3に示したように、係止部が突出形成してある。この係止部は、当該スペーサボックス60の上に閉じられてきた基板ボックス40を係止するものであり、これを右方向に押すことによって基板ボックス40を開放し得るようにするものである。
さて、球集合板70であるが、この球集合板70は、遊技盤20に形成してある入賞口から転動してきたパチンコ球を受けながら、その入賞を検知する各種スイッチを内蔵したものであり、周囲のベース板にて遊技盤20側に取り付けられるものである。
そして、この実施形態の遊技機100では、上記球集合板70のベース板を遊技盤20の裏面に取り付けるにあたって、ベース板と一体的に形成した止め部から挿通して遊技盤20の裏面に螺着したビスの頭部をキャップで覆うようにしてある。
一方、ワイヤハーネス80は、図3及び図4に示したように、遊技盤20の裏面側であって、上述した基板ボックス40や、その上側にある裏パックユニット30等の間に接続されるものであり、概略遊技盤20の裏面側の略中心部分に配置してある。つまり、このワイヤハーネス80は、本体枠11の回動中心である枢軸12から離れた位置に存在するものである。
以上の結果、当該遊技機100において使用されるワイヤハーネス80が札片50に近接しないことになり、当該遊技機100を製造する際や、当該遊技機100の設置店でのトラブル解消のため等に本体枠11を開閉する際の、このワイヤハーネス80の取り外し作業や接続作業を、札片50には全く悪影響を与えずに行えるものである。
しかも、電気が通るワイヤハーネス80が札片50から離れているから、札片50からの情報の読み出しは、ワイヤハーネス80から悪影響を受けることなく正確に行えるのである。