JP5910564B2 - 焼結用点火炉およびその操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、焼結用点火炉およびその操業方法に関するものである。
従来から、粉鉱石等の焼結原料を焼結して焼結鉱を製造する焼結機には、焼結用点火炉が用いられる。一般に、焼結鉱は、ドワイトロイド式等の焼結機によって製造される。例えば図9に示すように、焼結機100は、キャタピラ等によって無端状に連結された複数のパレット101と、パレット101の下方に配置された複数のウィンドボックス102とを備え、ウィンドボックス102に比してパレット101の移動方向の上流側に、焼結用点火炉103と、床敷用ホッパ104と、原料ホッパ105とを備える。また、焼結機100は、各ウィンドボックス102に通じるダクト106と、パレット101の排出側に配置された破砕機107と、送風機109からの冷却空気によって焼結鉱を冷却する冷却機108とを備える。
焼結機100において、パレット101は、焼結原料等を収容する金属製(例えば鉄製等)の箱であり、床敷ホッパ104から原料ホッパ105および点火炉103を順に経てウィンドボックス102上を通過する方向に連続的に移動する。床敷ホッパ104は、パレット101の底面に粉鉱石等の所定原料を供給して床敷層を形成する。原料ホッパ105は、パレット101内の床敷層上に焼結原料を装入して焼結原料層を形成する。なお、焼結原料は、粉鉱石等の焼結対象材および燃料(例えば粉コークス)等を混合した粉状原料である。焼結用点火炉103は、燃料ガスと燃焼用空気とを混合噴射して火炎を形成するバーナ(図示せず)と、このバーナを支持しつつパレット101内の焼結原料層表面を覆うバーナフード(図示せず)とを有する。焼結用点火炉103は、バーナの火炎によって、パレット101内の焼結原料層表面の粉コークスに点火する。パレット101内では、バーナフードに覆われた焼結原料層表面の粉コークスが着火して燃焼する。この粉コークスの燃焼は、ウィンドボックス102がパレット101の上方から下方に向けて大気を吸引することにより、焼結原料層の上層から下層へ移行する。焼結原料は、この粉コークスの燃焼熱により、部分的に溶融して結合する。このような焼結原料の溶融結合(すなわち焼結)は、上述した粉コークスの燃焼の移行に伴って、パレット101内の全領域に進行する。この結果、焼結鉱が製造される。なお、ウィンドボックス102によってパレット101から吸引された高温の排ガスは、ダクト106を通じて排出される。
一方、製造された焼結鉱は、図9の太線矢印に示されるように、パレット101から破砕機107に向けて排出され、破砕機107によって破砕される。破砕された焼結鉱は、冷却機108によって冷却される。送風機109から冷却機108へ送風された冷却空気は、熱交換によって焼結鉱を冷却後、高温の排ガスとして冷却機108から排出される(図9の破線矢印参照)。
なお、上述した焼結用点火炉に関する従来技術として、例えば、バーナフードの下部に高温排ガスの吹き出し口を配設し、この吹き出し口から吹き出す高温排ガスにより、バーナフードの側壁近傍からパレット内への外気の吸引を遮断するものがある(特許文献1参照)。また、燃料ガス噴射用ノズルの先端部と燃焼用空気噴射用ノズルの先端部とが埋め込まれたセラミック製のキャップを耐火物製天井壁中に取り付けた構造の焼結原料点火用バーナもある(特許文献2参照)。
特許第2534419号公報 特公平8−16522号公報
一般に、焼結用点火炉のバーナによって焼結原料(詳細には焼結原料中の粉コークス)を着火させるために要する着火時間は、焼結原料層表面の高温化に伴って短くなり、焼結原料層表面の低温化に伴って長くなる。すなわち、より短時間に効率よく焼結原料を着火させるためには、焼結用点火炉のバーナの火炎を焼結原料層に直接衝突させて焼結原料層表面の温度を高める(例えば1300℃以上の温度にする)ことが有効である。
しかしながら、焼結用点火炉のバーナフード内では、バーナの火炎を焼結原料層に衝突させることにより、多くの場合、焼結原料層表面から粉状の焼結原料が舞い上がる。舞い上がった焼結原料は、焼結原料を着火させ得る高温の着火雰囲気中において溶融しつつ高温浮遊物となって浮遊し、その後、バーナ先端のガス噴射口やその周囲の耐火物(以下、これらを纏めてバーナ先端領域と適宜いう)に付着する。上述した従来技術では、このようなバーナ先端領域への高温浮遊物の付着を防止することは困難である。このため、焼結原料層に対するバーナの火炎の衝突に伴い、バーナ先端領域への高温浮遊物の付着が進行し、この結果、ガス噴射口が閉塞される可能性がある。これに起因して、バーナの火炎が乱れるのみならず、焼結原料に加えるバーナの火力が低下することから焼結原料の着火効率が低下してしまう。
なお、上述した特許文献2に記載の従来技術では、焼結機の保守点検または操業トラブル等、定期的または不定期的な状況に応じて、バーナの火炎噴射の停止および再開を繰り返した場合、バーナの各ガス噴射ノズルを保護するためのセラミック製のキャップが温度変化に起因する熱応力によって破損する可能性がある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであって、バーナ先端領域への高温浮遊物の付着を防止でき、この結果、安定した火炎によって焼結原料を効率よく着火させることが可能な焼結用点火炉およびその操業方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明にかかる焼結用点火炉は、パレット内に装入された焼結原料の幅方向の全域に亘って、前記焼結原料の表面を覆うフードと、前記フードの上部に配置される火炎噴射口を有し、前記火炎噴射口から前記焼結原料の表面に向け、前記焼結原料の幅方向に広がる火炎を噴射するバーナと、前記火炎噴射口を挟むように前記フードの上部に配置される複数のガス噴射ノズルを有し、前記複数のガス噴射ノズルから前記焼結原料の表面に向けて噴射するガスによって、前記焼結原料の幅方向の全域に亘り、前記フードに覆われる内部領域のうちの前記火炎噴射口に面する部分領域を挟む一対のガスカーテンを形成するガス噴射部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる焼結用点火炉は、上記の発明において、前記ガス噴射部は、前記バーナの火炎噴射に用いられる燃焼用空気に比して高温の前記ガスを噴射して、前記一対のガスカーテンを形成することを特徴とする。
また、本発明にかかる焼結用点火炉は、上記の発明において、前記ガスは、前記焼結原料を焼結して焼結鉱を製造する焼結機からの排ガスであることを特徴とする。
また、本発明にかかる焼結用点火炉は、上記の発明において、前記焼結原料の表面に対する前記複数のガス噴射ノズルの噴射口高さおよび噴射口角度の少なくとも一つを変更可能な可変機構と、前記バーナによる火炎の噴射に用いられる燃料ガスの流量を計測する流量計と、前記燃料ガスの流量をもとに、前記複数のガス噴射ノズルの昇降量および角度変更量の少なくとも一つを算出する演算処理部と、前記演算処理部の算出結果に応じて、前記噴射口高さおよび前記噴射口角度の少なくとも一つを変更するように前記可変機構を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
また、本発明にかかる焼結用点火炉の操業方法は、パレット内に装入された焼結原料の幅方向の全域に亘って前記焼結原料の表面をフードで覆い、前記フードの上部に配置したバーナの火炎噴射口から前記焼結原料の表面に向けて、前記焼結原料の幅方向に広がる火炎を噴射するとともに、前記火炎噴射口を挟むように前記フードの上部に配置した複数のガス噴射ノズルから前記焼結原料の表面に向けてガスを噴射することにより、前記焼結原料の幅方向の全域に亘って、前記フードに覆われる内部領域のうちの前記火炎噴射口に面する部分領域を挟む一対のガスカーテンを形成することを特徴とする。
また、本発明にかかる焼結用点火炉の操業方法は、上記の発明において、前記バーナの火炎噴射に用いられる燃焼用空気に比して高温の前記ガスを噴射して、前記一対のガスカーテンを形成することを特徴とする。
また、本発明にかかる焼結用点火炉の操業方法は、上記の発明において、前記ガスとして、前記焼結原料を焼結して焼結鉱を製造する焼結機からの排ガスを用いることを特徴とする。
また、本発明にかかる焼結用点火炉の操業方法は、上記の発明において、前記バーナによる火炎の噴射に用いられる燃料ガスの流量を計測し、前記燃料ガスの流量をもとに、前記複数のガス噴射ノズルの昇降量および角度変更量の少なくとも一つを算出する演算処理を行い、前記演算処理の算出結果に応じて、前記焼結原料の表面に対する前記複数のガス噴射ノズルの噴射口高さおよび噴射口角度の少なくとも一つを変更することを特徴とする。
本発明によれば、バーナ先端領域への高温浮遊物の付着を防止でき、この結果、安定した火炎によって焼結原料を効率よく着火させることができるという効果を奏する。
図1は、本発明の実施の形態1にかかる焼結用点火炉の一構成例を示す模式図である。 図2は、この実施の形態1にかかる焼結用点火炉を上方から見た図である。 図3は、本発明の実施の形態1におけるガスカーテンの一例を示す模式図である。 図4は、本発明の実施の形態1にかかる焼結用点火炉の操業方法を説明するための図である。 図5は、本発明の実施の形態2にかかる焼結用点火炉の一構成例を示す模式図である。 図6は、本発明の実施の形態3にかかる焼結用点火炉の一構成例を示す模式図である。 図7は、本発明の実施の形態3におけるガス噴射ノズルの噴射口高さの変更動作を示す模式図である。 図8は、本発明の実施の形態3におけるガス噴射ノズルの噴射口角度の変更動作を示す模式図である。 図9は、焼結機の一構成例を示す模式図である。
以下に、添付図面を参照して、本発明にかかる焼結用点火炉およびその操業方法の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本実施の形態により、本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
まず、本発明の実施の形態1にかかる焼結用点火炉の構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1にかかる焼結用点火炉の一構成例を示す模式図である。図2は、この実施の形態1にかかる焼結用点火炉を上方から見た図である。なお、図1には、図2に示す焼結原料15の幅方向から見た焼結用点火炉の断面構造が模式的に図示されている。
図1,2に示すように、本実施の形態1にかかる焼結用点火炉1は、焼結原料15の表面を覆うフード2と、フード2によって覆われた焼結原料15を加熱するバーナ3と、バーナ3の火炎噴射口等を内側に挟む一対のガスカーテン13,14を形成するガス噴射部11とを備える。
フード2は、バーナ3による加熱対象の焼結原料15を覆うものである。具体的には、図1,2に示すように、フード2は、焼結原料15の搬送方向に対向する前壁2aおよび後壁2bと、焼結原料15の幅方向に対向する側壁2c,2dと、天井面をなす上壁2eとによって構成される。前壁2a、後壁2b、および側壁2c,2dは、枠状に一体形成される。上壁2eは、前壁2a、後壁2b、および側壁2c,2dの各内壁の所定部分に固定配置される。このような構成を有するフード2は、焼結用点火炉1が設置される焼結機のパレット(例えば図9に示した焼結機100のパレット101)内に装入された焼結原料15の幅方向の全域に亘って、焼結原料15の表面を覆う。これと同時に、フード2は、焼結原料15に面する高温の内部領域R1を形成する。
なお、焼結原料15の幅方向は、上述したパレットの搬送方向および深さ方向(焼結原料15の層厚方向)に対して垂直な方向である。また、焼結原料15の搬送方向は、このパレットの搬送方向と同じ方向である。
バーナ3は、燃料ガスG1と燃焼用空気G2とを混合噴射して火炎を形成するものである。具体的には、図1,2に示しように、バーナ3は、燃料ガスG1を噴射するための機構として、燃料ガス管4と燃料ガス供給管5と燃料ガス噴射ノズル6とを備える。また、バーナ3は、燃焼用空気G2を噴射するための機構として、燃焼用空気管7と空気供給管8と空気噴射ノズル9とを備える。
燃料ガス管4および燃料ガス供給管5は、図1,2に示すように、焼結原料15の幅方向に延在する管であり、フード2の上壁2eの上方に配置される。燃料ガス管4は、燃焼用空気管7内に固定配置され、焼結原料15の幅方向に沿って設けられた複数の配管を介して燃料ガス供給管5と連通する。燃料ガス供給管5は、所定の外部装置(図示せず)から燃料ガスG1を受け入れ、この燃料ガスG1を燃料ガス管4内へ供給する。なお、燃料ガスG1は、コークス炉ガス、またはコークス炉ガスを含む混合ガス等である。例えば、コークス炉ガスとして、水素(H2)の組成比が56.2[%]であり、一酸化炭素(CO)の組成比が6.5[%]であり、メタン(CH4)の組成比が28.0[%]であり、窒素(N2)の組成比が3.8[%]であるガスが用いられる。このようなガス組成を有するコークス炉ガスの発熱量は、18.8[MJ/Nm3]である。なお、燃料ガスG1のガス組成は、ガスクロマトグラフィーを用いて測定し、発熱量は、ガス組成をもとに算出した。
燃料ガス噴射ノズル6は、燃料ガス管4と連通し、燃料ガス管4から下方(焼結原料15側)に延出する。燃料ガス噴射ノズル6の噴射口は、図1に示すように、空気噴射ノズル9の噴射口内の出口近傍に配置され、焼結原料15の表面に対向する。燃料ガス噴射ノズル6は、燃料ガス管4を通じて燃料ガス供給管5から流通する燃料ガスG1を焼結原料15の表面に向けて噴射する(図1の破線矢印参照)。
燃焼用空気管7および空気供給管8は、図1,2に示すように、焼結原料15の幅方向に延在する管であり、フード2の上壁2eの上方に配置される。燃焼用空気管7は、焼結原料15の幅方向に沿って設けられた複数の配管を介して空気供給管8と連通する。また、燃焼用空気管7は、燃料ガス管4を内包し、燃焼用空気管7の内壁と燃料ガス管4の外壁との間に燃焼用空気G2の流通経路を形成する。空気供給管8は、所定の外部装置(図示せず)から燃焼用空気G2を受け入れ、この燃焼用空気G2を燃焼用空気管7内へ供給する。なお、燃焼用空気G2は、例えば常温(15[℃]以上、25[℃]以下)の空気である。
空気噴射ノズル9は、燃焼用空気管7と連通し、燃焼用空気管7から下方(焼結原料15側)に延出する。空気噴射ノズル9は、フード2の上壁2eに形成された開口部に挿通固定される。このように上壁2eに配置された空気噴射ノズル9の噴射口は、図1に示すように、燃料ガス噴射ノズル6の噴射口と同様に焼結原料15の表面に対向する。空気噴射ノズル9は、燃焼用空気管7を通じて空気供給管8から流通する燃焼用空気G2を焼結原料15の表面に向けて噴射する(図1の破線矢印参照)。
上述したような構成を有するバーナ3は、図1に示すように、フード2の上部、すなわち上壁2eに配置されるガス噴射口10を有する。ここで、ガス噴射口10は、上述した燃料ガスG1と燃焼用空気G2とを混合噴射して形成される火炎の噴射口であり、燃料ガス噴射ノズル6の噴射口と空気噴射ノズル9の噴射口とによって構成される。バーナ3は、火炎噴射口をなすガス噴射口10から焼結原料15の表面に向け、焼結原料15の幅方向の全域に亘って広がる火炎を噴射する。バーナ3は、このように噴射した火炎を焼結原料15の表面に衝突させ、これにより、焼結原料15の幅方向の全域に亘って焼結原料15の表面を加熱する。この結果、バーナ3は、焼結原料15(詳細には焼結原料15中の粉コークス等の燃料)を着火させる。
なお、このようなバーナ3の燃料ガス噴射ノズル6および空気噴射ノズル9の各々は、焼結原料15の幅方向に延伸するスリット状の噴射口を有するスリット型ノズルであってもよいし、焼結原料15の幅方向に沿って複数の噴射口を有する多孔型ノズルであってもよい。あるいは、燃料ガス噴射ノズル6および空気噴射ノズル9の各々は、焼結原料15の幅方向に広い矩形状の噴射口を有する面燃焼用ノズルであってもよい。すなわち、本発明において、バーナ3は、焼結原料15の幅方向に広がる火炎を噴射するものであればよく、その火炎噴射方式は、特に問われない。
ガス噴射部11は、フード2によって覆われる内部領域R1に、バーナ3のガス噴射口10およびその周辺領域(すなわちバーナ先端領域)を保護する一対のガスカーテン13,14を形成するものである。具体的には、ガス噴射部11は、複数のガス供給管11a,11bと複数のガス噴射ノズル12a,12bとを有する。ガス供給管11aおよびガス噴射ノズル12aは、一方のガスカーテン13を形成するためのものであり、ガス供給管11bおよびガス噴射ノズル12bは、他方のガスカーテン14を形成するためのものである。
ガス供給管11a,11bは、図1,2に示すように、焼結原料15の幅方向に延在する管であり、フード2の上壁2eの上方に配置される。ガス供給管11a,11bは、焼結原料15の幅方向に沿って設けられた複数の配管を介してガス噴射ノズル12a,12bと各々連通する。ガス供給管11a,11bは、外部から所定のガスG3を受け入れる。ガス供給管11aは、このガスG3をガス噴射ノズル12aへ供給する。ガス供給管11bは、このガスG3をガス噴射ノズル12bへ供給する。なお、ガスG3として、例えば、空気または窒素等の不活性ガスが用いられる。また、フード2による内部領域R1の高温雰囲気を維持するという観点から、ガスG3は、バーナ3の火炎噴射に用いられる燃焼用空気G2に比して高温(少なくとも常温以上)のガスであることが望ましい。
複数のガス噴射ノズル12a,12bは、図1に示すように、バーナ3の火炎噴射口であるガス噴射口10を挟むようにフード2の上部(上壁2e)に固定配置される。また、これら複数のガス噴射ノズル12a,12bの各々は、図2に示すように、焼結原料15の幅方向に延在し、フード2の側壁2cと側壁2dとの間の全領域に亘り、焼結原料15の表面に対向する噴射口を有する。ガス噴射ノズル12aは、配管を通じてガス供給管11aから流通するガスG3を焼結原料15の表面に向けて噴射し、ガス噴射ノズル12bは、配管を通じてガス供給管11bから流通するガスG3を焼結原料15の表面に向けて噴射する(図1の破線矢印参照)。
なお、複数のガス噴射ノズル12a,12bの各々は、焼結原料15の幅方向に延伸するスリット状の噴射口を有するスリット型ノズルであってもよいし、焼結原料15の幅方向に沿って複数の噴射口を有する多孔型ノズルであってもよい。
上述したような構成を有するガス噴射部11は、フード2の上壁2aに配置された複数のガス噴射ノズル12a,12bから焼結原料15の表面に向けてガスG3を噴射する。ガス噴射部11は、このように噴射したガスG3によって、焼結原料15の幅方向の全域に亘り、フード2によって覆われる内部領域R1のうちのバーナ3の火炎噴射口に面する部分領域R2を挟む一対のガスカーテン13,14を形成する。図3は、本発明の実施の形態1におけるガスカーテンの一例を示す模式図である。なお、図3には、焼結原料15の搬送方向から見たガスカーテン13が図示されている。ガスカーテン13は、図3に示すように、ガス噴射ノズル12aから焼結原料15の表面に向けて焼結原料15の幅方向の全域に亘り一様に噴射されたガスG3からなる。このようなガスカーテン13は、フード2の一方の側壁2cと他方の側壁2dとの間の全領域に亘って、焼結原料15の幅方向に連続的に広がる。なお、特に図示しないが、他方のガスカーテン14は、図3に示すガスカーテン13と同様に、フード2の側壁2c,2d間の全領域に亘って焼結原料15の幅方向に連続的に広がる。上述したような一対のガスカーテン13,14は、フード2の側壁2c,2dと協働して、フード2の内部領域R1のうちのバーナ3の火炎噴射口に面する部分領域R2を挟む。すなわち、部分領域R2は、一対のガスカーテン13,14と、フード2の側壁2c,2dとによって囲まれる。なお、この部分領域R2には、図1に示すように、バーナ3のガス噴射口10およびその周辺領域(バーナ先端領域)と、ガス噴射口10から噴射された火炎と、このバーナ3の火炎による焼結原料15の加熱部分16とが含まれる。
つぎに、本発明の実施の形態1にかかる焼結用点火炉1の操業方法(以下、点火炉操業方法と適宜略す)について説明する。図4は、本発明の実施の形態1にかかる焼結用点火炉1の操業方法を説明するための図である。以下、図3,4,9を参照しつつ、本実施の形態1にかかる点火炉操業方法を説明する。
本実施の形態1にかかる点火炉操業方法では、図9に示した従来の焼結用点火炉103の代わりに、焼結用点火炉1が焼結機100に設置される。焼結機100は、焼結原料15を装入したパレット101を順次、焼結用点火炉1に向けて搬送する。焼結用点火炉1は、上述した一対のガスカーテン13,14を形成してバーナ先端領域を保護しつつ、パレット101内の焼結原料15の表面に火炎を衝突させて焼結原料15を加熱する。
すなわち、本実施の形態1にかかる点火炉操業方法では、パレット101内に装入された焼結原料15の幅方向の全域に亘って焼結原料15の表面をフード2で覆い、フード2の上部に配置したバーナ3の火炎噴射口(ガス噴射口10)から焼結原料15の表面に向けて、焼結原料15の幅方向に広がる火炎を噴射する。この焼結原料15に対するバーナ3の火炎噴射では、燃料ガス供給管5から燃料ガス管を通じて燃料ガス噴射ノズル6から焼結原料15の表面に噴射される燃料ガスG1の流量と、空気供給管8から燃焼用空気管7を通じて空気噴射ノズル9から焼結原料15の表面に噴射される燃焼用空気G2の流量とを適度に調節する。これによって、バーナ3のガス噴射口10から焼結原料15の表面に噴射される火炎の流速を、焼結原料15の加熱に好適な流速に調整する。バーナ3は、焼結用点火炉1の通常操業において、継続的に火炎を噴射する。なお、バーナ3は、所定の着火装置(図示せず)によって着火して火炎を噴射するが、このバーナ3の火炎噴射タイミングは、パレット101内の焼結原料15がフード2内へ搬送される以前のタイミングであればよい。
一方、本実施の形態1にかかる点火炉操業方法では、上述した焼結原料15に対する火炎噴射と同時に、ガス噴射部11の複数のガス噴射ノズル12a,12bから焼結原料15の表面に向けてガスG3を噴射する。これにより、焼結原料15の幅方向の全域に亘って、フード2に覆われる内部領域R1のうちのバーナ3のガス噴射口10に面する部分領域R2を挟む一対のガスカーテン13,14を形成する。
このガスカーテン13,14の形成において、複数のガス噴射ノズル12a,12bは、上述したように、バーナ3のガス噴射口10を挟むようにフード2の上部である上壁2eに配置され、ガス供給管11a,11bからのガスG3を各々噴射する。この場合、各ガス噴射ノズル12a,12bからは、バーナ3の火炎噴射に用いられる燃焼用空気G2に比して高温(少なくとも常温以上)のガスG3を噴射することが望ましい。また、ガス供給管11aからガス噴射ノズル12aへ供給されるガスG3の流量と、ガス供給管11bからガス噴射ノズル12bへ供給されるガスG3の流量とを適度に調整する。これによって、ガスカーテン13,14をなすガスG3の流速を、焼結原料15の舞い上がりが発生しない程度に高めた最適流速に調整する。例えば、このガスG3の流速は、上述したバーナ3の火炎流速に比して低く設定される。ガス噴射部11は、焼結用点火炉1の通常操業において、上述したバーナ3の火炎を内側に挟むように継続的に一対のガスカーテン13,14を形成する。なお、ガスカーテン13,14の形成タイミング、すなわち、複数のガス噴射ノズル12a,12bからのガスG3の噴射タイミングは、パレット101内の焼結原料15の表面にバーナ3の火炎を衝突させる以前のタイミングであればよい。
ここで、上述したようなガスカーテン13,14を形成しない従来の焼結用点火炉では、焼結原料の表面にバーナの火炎を噴射して焼結原料を加熱する際、焼結原料と火炎との衝突に伴い、焼結用点火炉のフード内に焼結原料が舞い上がる。舞い上がった焼結原料は、フード内の高温雰囲気中において溶融しつつ高温浮遊物となって浮遊する。一方、バーナ先端領域では、バーナの火炎噴射口からの燃料ガスおよび燃焼用空気の噴射によるエジェクター効果に起因して、循環流が形成される。フード内の高温浮遊物は、この循環流の影響を受けることにより、バーナ先端領域に向けて浮遊し(図4に示す二点鎖線参照)、その後、バーナ先端領域に付着する。このようなバーナ先端領域への高温浮遊物の付着は、焼結原料表面に対する火炎の衝突に伴って進行し、ついには、バーナの火炎噴射口の閉塞や火炎噴射口周辺の耐火物の破損を引き起こす。このことは、焼結用点火炉のメンテナンス頻度の増大やバーナの寿命悪化のみならず、焼結原料に加えるバーナの火力の低下を招来し、これに起因して焼結原料の着火効率が低下することから、焼結原料の着火に要する燃料ガス量が無駄に増大してしまう。
これに対し、本実施の形態1にかかる焼結用点火炉1は、図3,4に示したように、焼結原料15の幅方向の全域に亘り、フード2の内部領域R1のうちのバーナ3のガス噴射口10に面する部分領域R2を挟む一対のガスカーテン13,14を形成している。一対のガスカーテン13,14の各々は、フード2の上部から下方の焼結原料15の表面に向かう下向流のガスG3からなる。このような各ガスカーテン13,14は、上述したバーナのエジェクター効果による循環流を抑制し、これによって、高温浮遊物の流れを遮断する。これに加え、各ガスカーテン13,14は、バーナ3の火炎と焼結原料15との衝突に伴い一時的に舞い上がった焼結原料15の粒状物17を、バーナ先端領域側へ浮遊させずに焼結原料15の表面側へ押し流す(図4に示す実線矢印参照)。一方、フード2の下端の隙間からは、図4に示すように、焼結原料15の燃焼に伴って外気G4がフード2の内部領域R1へ流入する。フード2の内部領域R1のうちの部分領域R2の外側では、外気G4の流入に伴って焼結原料15が舞い上がる場合がある。この外気G4によって舞い上がった焼結原料15の粒状物17は、たとえ高温浮遊物となって浮遊したとしても、各ガスカーテン13,14によって焼結原料15の表面側へ押し流される。
上述したようなガスカーテン13,14の作用によって、フード2の内部領域R1における焼結原料15の高温浮遊物の発生が抑制される。このため、バーナ先端領域への高温浮遊物の付着が防止され、これによって、バーナ3のガス噴射口10の閉塞を防止し且つガス噴射口10周辺の耐火物の劣化を抑制することができる。この結果、焼結用点火炉1(特にバーナ3)のメンテナンス頻度を低減できるとともに、バーナ3の寿命を従来に比して延ばすことができる。さらには、焼結原料15に対し、安定したバーナ3の火力を加えることができ、これによって、焼結原料15の着火に好適な所望の温度(例えば1300[℃]以上の温度)で安定して焼結原料15を加熱することができる。この結果、従来に比して短時間に効率よく焼結原料15を着火できることから、焼結原料15の着火に要する燃料ガス量を低減することができる。
一方、上述した一対のガスカーテン13,14の代わりに、焼結原料15の幅方向の全域に亘って延在する一対のセラミック板をフード2の上壁2eに設け、この一対のセラミック板によってフード2の部分領域R2を挟むようにすれば、バーナ先端領域への高温浮遊物の付着を抑制できる。しかし、このような一対のセラミック板では、バーナ3の火炎近傍とそれ以外の部分との温度差に伴う熱応力に起因して破損する可能性がある。したがって、バーナ先端領域への高温浮遊物の付着を長期間、継続的に防止することは困難である。これに対し、本実施の形態1におけるガスカーテン13,14は、継続的に噴射されるガスG3からなるため、破損することもなければ、劣化することもない。このため、ガスカーテン13,14により、バーナ先端領域への高温浮遊物の付着を長期間、継続的且つ安定して防止することができる。
以上、説明したように、本発明の実施の形態1では、パレット内の焼結原料の表面を覆うフードの上部に配置したバーナの火炎噴射口から焼結原料の表面に向けて、焼結原料の幅方向に広がる火炎を噴射するとともに、このバーナの火炎噴射口を挟むようにフードの上部に配置した複数のガス噴射ノズルから焼結原料の表面に向けてガスを噴射し、このガスの噴射により、焼結原料の幅方向の全域に亘って、フードに覆われる内部領域のうちのバーナの火炎噴射口に面する部分領域を挟む一対のガスカーテンを形成するように構成した。
このため、バーナ先端領域への焼結原料の浮遊を引き起こす循環流を一対のガスカーテンによって遮断できる。これに加え、バーナの火炎と焼結原料との衝突に伴って舞い上がった焼結原料の粒状物を、それが高温浮遊物になってバーナ先端領域に付着する以前に、各ガスカーテンの下方流によって焼結原料表面へ押し流すことができる。また、このフード内の部分領域の外側において舞い上がった高温浮遊物がバーナ先端領域に浮遊して付着する事態を各ガスカーテンによって阻止することができる。したがって、バーナ先端領域への高温浮遊物の付着を防止でき、これによって、バーナの火炎噴射口の閉塞を防止できるとともに、この火炎噴射口周辺の耐火物の劣化を抑制できる。この結果、バーナの火力低下および火炎の乱れを防止できることから、安定した火炎により、所望の温度以上(例えば1300[℃]以上)で短時間に効率よく焼結原料を着火させることができる。本実施の形態1にかかる焼結用点火炉を用いることによって、焼結原料の着火に要するバーナの燃料ガス使用率を従来に比して約2[%]低減することができる。
また、バーナの火炎噴射口の閉塞防止と火炎噴射口周辺の耐火物の劣化抑制とを実現できることから、従来に比してバーナの寿命を延ばすことができるとともに、焼結用点火炉(特にバーナ)のメンテナンス頻度の低減を促進することができる。この結果、焼結用点火炉のメンテナンスに要する手間を軽減することができる。
さらに、バーナの火炎と焼結原料との衝突に伴って舞い上がった焼結原料の粒状物を各ガスカーテンの下方流によって焼結原料表面へ押し流すことができるので、バーナの火炎噴射口を焼結原料の表面に一層近づけることができる。これにより、焼結原料に加えるバーナの火力を落とすことなく、焼結原料の表面に噴射するバーナの火炎を弱めることができる。この結果、焼結原料の着火に要するバーナの燃料ガス使用率の低減を促進することができる。
(実施の形態2)
つぎに、本発明の実施の形態2について説明する。上述した実施の形態1では、空気または不活性ガス等のガスG3を焼結原料15の表面に噴射して一対のガスカーテン13,14を形成していたが、本実施の形態2では、焼結機から回収した排ガスを焼結原料15の表面に噴射して一対のガスカーテンを形成している。
まず、本発明の実施の形態2にかかる焼結用点火炉の構成について説明する。図5は、本発明の実施の形態2にかかる焼結用点火炉の一構成例を示す模式図である。なお、図5には、焼結原料15の幅方向から見た焼結用点火炉の断面構造が模式的に図示されている。図5に示すように、本実施の形態2にかかる焼結用点火炉21は、上述した実施の形態1にかかる焼結用点火炉1のようにガスG3を噴射して一対のガスカーテン13,14を形成する代わりに、高温な排ガスG23を噴射して高温な一対のガスカーテン23,24を形成する。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
本実施の形態2において、ガス噴射部11は、例えば図9に示す焼結機100からの高温な排ガスG23を噴射して高温な一対のガスカーテン23,24を形成する。焼結機100は、パレット101内の焼結原料15を焼結して焼結鉱を製造するものであり、本実施の形態2において、従来の焼結用点火炉103の代わりに焼結用点火炉21を備える。ガス噴出部11のガス供給管11a,11bは、配管および送風機等の設備(図示せず)を介して焼結機100の冷却機108と接続される。ガス供給管11a,11bは、冷却機108が焼結鉱を冷却処理することによって生じる高温な排ガスG23を、配管等を通じて受け入れる。ガス供給管11aは、この排ガスG23をガス噴射ノズル12aへ供給し、ガス供給管11bは、この排ガスG23をガス噴射ノズル12bへ供給する。
なお、排ガスG23の温度は、常温に比して極めて高温であり、ガス供給管11a,11bおよびガス噴射ノズル12a,12b等、排ガスG23が流通する各設備の耐熱性を加味して設定される。例えば、排ガスG23として、200[℃]以上、500[℃]以下の高温ガスが用いられる。
また、本実施の形態2において、ガス噴射ノズル12aは、配管を通じてガス供給管11aから流通する排ガスG23を焼結原料15の表面に向けて噴射し、ガス噴射ノズル12bは、配管を通じてガス供給管11bから流通する排ガスG23を焼結原料15の表面に向けて噴射する(図5の破線矢印参照)。このような排ガスG23の噴射によって形成される一対のガスカーテン23,24は、実施の形態1における一対のガスカーテン13,14に比して高温であること以外、一対のガスカーテン13,14と同様である。
つぎに、本発明の実施の形態2にかかる焼結用点火炉21の操業方法について説明する。本実施の形態2にかかる焼結用点火炉21の操業方法は、焼結機100からの高温な排ガスG23を噴射することによって高温な一対のガスカーテン23,24を形成する点以外、上述した実施の形態1と同じである。以下、図5を参照しつつ、本実施の形態2の点火炉操業方法における一対のガスカーテン23,24の形成について説明する。
本実施の形態2にかかる点火炉操業方法では、焼結機100からの高温な排ガスG23を用いて高温な一対のガスカーテン23,24を形成する。すなわち、焼結原料15に対する火炎噴射と同時に、ガス噴射部11の複数のガス噴射ノズル12a,12bから焼結原料15の表面に向けて排ガスG23を噴射する。これにより、焼結原料15の幅方向の全域に亘って、フード2の内部領域R1のうちのバーナ3の火炎噴射口(ガス噴射口10)に面する部分領域R2を挟む高温な一対のガスカーテン23,24を形成する。詳細には、ガス噴射ノズル12aから噴射した排ガスG23によって一方のガスカーテン23を形成し、ガス噴射ノズル12bから噴射した排ガスG23によって他方のガスカーテン24を形成する。
上述したガスカーテン23,24の形成においては、ガス供給管11aからガス噴射ノズル12aへ供給される排ガスG23の流量と、ガス供給管11bからガス噴射ノズル12bへ供給される排ガスG23の流量とを適度に調整する。これによって、ガスカーテン23,24をなす排ガスG23の流速を、焼結原料15の舞い上がりが発生しない程度に高めた最適流速に調整する。例えば、この排ガスG23の流速は、上述したバーナ3の火炎流速に比して低く設定される。ガス噴射部11は、焼結用点火炉21の通常操業において、上述したバーナ3の火炎を内側に挟むように継続的に一対のガスカーテン23,24を形成する。なお、ガスカーテン23,24の形成タイミング、すなわち、複数のガス噴射ノズル12a,12bからの排ガスG23の噴射タイミングは、パレット101内の焼結原料15の表面にバーナ3の火炎を衝突させる以前のタイミングであればよい。
以上、説明したように、本発明の実施の形態2では、バーナの火炎噴射口を挟むようにフードの上部に配置した複数のガス噴射ノズルから焼結原料の表面に向けて、焼結機からの高温排ガスを噴射し、この高温排ガスの噴射により、焼結原料の幅方向の全域に亘って、フードに覆われる内部領域のうちのバーナの火炎噴射口に面する部分領域を挟む一対の高温ガスカーテンを形成するように構成し、その他を実施の形態1と同様に構成した。
このため、上述した実施の形態1の場合と同様の作用効果を享受するとともに、フードの内部領域に高温ガスカーテンの顕熱を多く持ち込むことができる。これにより、常温のガスの噴射によって一対のガスカーテンを形成する場合に比して、フードの内部領域(特に、バーナの火炎噴射口に面する部分領域)を、焼結原料を着火させ得る高温な雰囲気(例えば1300[℃]以上の雰囲気)に容易に維持できる。この結果、実施の形態1の場合に比してより短時間に効率よく焼結原料を着火できることから、焼結原料の着火に要するバーナの燃料ガス使用率を一層低減(例えば従来に比して約4[%]低減)することができる。
(実施の形態3)
つぎに、本発明の実施の形態3について説明する。上述した実施の形態1では、一対のガスカーテン13,14を形成するための各ガス噴射ノズル12a,12bの噴射口高さおよび噴射口角度を固定していたが、本実施の形態3では、バーナ3による火炎噴射に用いられる燃料ガスG1の流量に応じて、各ガス噴射ノズル12a,12bの噴射口高さおよび噴射口角度を変更している。
まず、本発明の実施の形態3にかかる焼結用点火炉の構成について説明する。図6は、本発明の実施の形態3にかかる焼結用点火炉の一構成例を示す模式図である。なお、図6には、焼結原料15の幅方向から見た焼結用点火炉の断面構造が模式的に図示されている。図6に示すように、本実施の形態3にかかる焼結用点火炉31は、上述した実施の形態1にかかる焼結用点火炉1のガス噴射部11に代えてガス噴射部32を備える。ガス噴射部32は、実施の形態1におけるガス噴射部11のガス噴射ノズル12a,12bに代えて可動式のガス噴射ノズル32a,32bを備える。また、焼結用点火炉31は、ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さを変更する昇降駆動部33と、ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口角度を変更する角度駆動部34と、燃料ガスG1の流量を計測する流量計35と、各種設定を行う設定部36と、上記の噴射口高さおよび噴射口角度の演算処理を行う演算処理部37と、昇降駆動部33および角度駆動部34の駆動制御を行う制御部38とを備える。その他の構成は実施の形態1と同じであり、同一構成部分には同一符号を付している。
ガス噴射部32は、上述した実施の形態1と同様な一対のガスカーテン13,14を形成するものであり、複数のガス供給管11a,11bと複数のガス噴射ノズル32a,32bとを有する。ガス供給管11aおよびガス噴射ノズル32aは、一方のガスカーテン13を形成するためのものであり、ガス供給管11bおよびガス噴射ノズル32bは、他方のガスカーテン14を形成するためのものである。
複数のガス噴射ノズル32a,32bは、図6に示すように、バーナ3の火炎噴射口であるガス噴射口10を挟むようにフード2の上部(上壁2e)に配置される。また、これら複数のガス噴射ノズル32a,32bの各々は、実施の形態1におけるガス噴射ノズル12a,12bと同様に、焼結原料15の幅方向に延在し、フード2の側壁2cと側壁2dとの間の全領域に亘り、焼結原料15の表面に対向する噴射口を有する(図2参照)。ガス噴射ノズル32aは、配管を通じてガス供給管11aから流通するガスG3を焼結原料15の表面に向けて噴射し、ガス噴射ノズル32bは、配管を通じてガス供給管11bから流通するガスG3を焼結原料15の表面に向けて噴射する(図6の破線矢印参照)。
また、複数のガス噴射ノズル32a,32bの各々は、焼結原料15の表面を基準とする噴射口高さおよび噴射口角度を変更可能な可動式ノズルである。図7は、本発明の実施の形態3におけるガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さの変更動作を示す模式図である。図8は、本発明の実施の形態3におけるガス噴射ノズル32a,32bの噴射口角度の変更動作を示す模式図である。図7に示すように、各ガス噴射ノズル32a,32bは、フード2の上壁2eから焼結原料15の表面に向かって下降する。これによって、各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口は、焼結原料15の表面に近づく。すなわち、焼結原料15の表面に対する各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さは、低くなる。また、各ガス噴射ノズル32a,32bは、焼結原料15側からフード2の上壁2eに向かって上昇する。これによって、各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口は、焼結原料15の表面から遠退く。すなわち、焼結原料15の表面に対する各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さは、高くなる。一方、各ガス噴射ノズル32a,32bは、図8に示すように、バーナ3のガス噴射口10に向かう方向に傾動する。これによって、焼結原料15の表面に対する各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口角度は、一対のガスカーテン13,14の間隔を狭める方向に変化する。また、各ガス噴射ノズル32a,32bは、バーナ3のガス噴射口10から遠退く方向に傾動する。これによって、焼結原料15の表面に対する各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口角度は、一対のガスカーテン13,14の間隔を広げる方向に変化する。
なお、複数のガス噴射ノズル32a,32bの各構造は、上述したように噴射口高さおよび噴射口角度を変更可能であること以外、上述した実施の形態1における複数のガス噴射ノズル12a,12bと同様である。また、複数のガス噴射ノズル32a,32bの各々は、焼結原料15の幅方向に延伸するスリット状の噴射口を有するスリット型ノズルであってもよいし、焼結原料15の幅方向に沿って複数の噴射口を有する多孔型ノズルであってもよい。
上述したような構成を有するガス噴射部32は、フード2の上壁2aに配置された複数のガス噴射ノズル32a,32bから焼結原料15の表面に向けてガスG3を噴射する。ガス噴射部32は、実施の形態1におけるガス噴射部11と同様に、噴射したガスG3によって、焼結原料15の幅方向の全域に亘り、フード2によって覆われる内部領域R1のうちのバーナ3の火炎噴射口に面する部分領域R2を挟む一対のガスカーテン13,14を形成する。一方、ガス噴射部32は、ガス噴射ノズル32a,32bの各噴射口高さを変更することにより、焼結原料15の表面を基準とする各ガスカーテン13,14の高さを変更する。また、ガス噴射部32は、ガス噴射ノズル32a,32bの各噴射口角度を変更することにより、焼結原料15の表面を基準とする各ガスカーテン13,14の角度を変更する。
昇降駆動部33および角度駆動部34は、駆動軸等(図示せず)を介して各ガス噴射ノズル32a,32bと各々接続される。昇降駆動部33は、図7に示すように、フード2の上壁2eと焼結原料15との間において各ガス噴射ノズル32a,32bを昇降動作させる。これによって、昇降駆動部33は、焼結原料15の表面を基準とする各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さを変更する。角度駆動部34は、図8に示すように、フード2の上壁2eに配置されたバーナ3のガス噴射口10に対して接近または離間する方向に各ガス噴射ノズル32a,32bを傾動作させる。これによって、角度駆動部34は、焼結原料15の表面を基準とする各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口角度を変更する。上述したような機能を有する昇降駆動部33および角度駆動部34は、焼結原料15の表面に対する複数のガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さおよび噴射口角度の少なくとも一つを変更可能な可変機構を構成する。
流量計35は、バーナ3による火炎噴射に用いられる燃料ガスG1の流量を計測するものである。具体的には、流量計35は、バーナ3の燃料ガス供給管5の近傍に配置される。流量計35は、連続的または断続的に燃料ガス供給管5内のガス流量を計測する。流量計35は、このガス流量の計測結果を、バーナ3による火炎噴射に用いられる燃料ガスG1の流量として演算処理部37に順次送信する。
設定部36は、入力キーおよびマウス等の入力デバイスを用いて実現され、操作者の入力操作に対応して各種設定情報を演算処理部37に入力する。例えば、設定部36は、燃料ガスG1の流量と各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さとの相関を示す情報と、燃料ガスG1の流量と各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口角度との相関を示す情報とを演算処理部37に入力する。これによって、設定部36は、これらの相関情報を演算処理部37に設定する。また、設定部36は、各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さの上限および下限を示す情報と、各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口角度の上限および下限を示す情報とを演算処理部37に入力する。これによって、設定部36は、これら噴射口高さおよび噴射口角度の各上限下限を演算処理部37に設定する。
演算処理部37は、複数のガス噴射ノズル32a,32bの各噴射口高さおよび各噴射口角度の変更制御に必要な演算処理を行う。具体的には、演算処理部37は、バーナ3の燃料ガスG1の流量計測結果を流量計35から順次受信する。演算処理部37は、流量計35によって計測された燃料ガスG1の流量をもとに、複数のガス噴射ノズル32a,32bの昇降量および角度変更量を算出する。この場合、演算処理部37は、予め設定された燃料ガスG1の流量と噴射口高さとの相関をもとに、現在の燃料ガスG1の流量に応じた各ガス噴射ノズル32a,32bの昇降量を算出する。この演算処理において、演算処理部37は、予め設定された噴射口高さの上限下限を満足する昇降量を算出する。また、演算処理部37は、予め設定された燃料ガスG1の流量と噴射口角度との相関をもとに、現在の燃料ガスG1の流量に応じた各ガス噴射ノズル32a,32bの角度変更量を算出する。この演算処理において、演算処理部37は、予め設定された噴射口角度の上限下限を満足する角度変更量を算出する。演算処理部37は、上述した演算処理を実行する都度、算出した各ガス噴射ノズル32a,32bの昇降量および角度変更量を制御部38に送信する。
制御部38は、燃料ガスG1の流量に応じた各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さおよび噴射口角度の制御機能を実現するためのプログラム等を記憶するメモリおよびこのメモリ内のプログラムを実行するCPU等を用いて実現される。制御部38は、演算処理部37の算出結果に応じて、各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さおよび噴射口角度の少なくとも一つを変更するように、上述した可変機構、すなわち、昇降駆動部33および角度駆動部34を制御する。具体的には、制御部38は、各ガス噴射ノズル32a,32bの昇降量および角度変更量の各算出結果を演算処理部37から受信する。制御部38は、演算処理部37によって算出された昇降量に応じて昇降駆動部33を制御し、この昇降駆動部33の制御を通して、各ガス噴射ノズル32a,32bの昇降動作を制御する。これにより、制御部38は、燃料ガスG1の流量に対応して、各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さを制御する。また、制御部38は、演算処理部37によって算出された角度変更量に応じて角度駆動部34を制御し、この角度駆動部34の制御を通して、各ガス噴射ノズル32a,32bの傾動作を制御する。これにより、制御部38は、燃料ガスG1の流量に対応して、各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口角度を制御する。
つぎに、本発明の実施の形態3にかかる焼結用点火炉31の操業方法について説明する。本実施の形態3にかかる焼結用点火炉31の操業方法は、燃料ガスG1の流量に応じて各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さおよび噴射口角度の少なくとも一つを変更する点以外、上述した実施の形態1と同じである。以下、図6〜8を参照しつつ、本実施の形態3の点火炉操業方法における各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さおよび噴射口角度の少なくとも一つの変更について説明する。
本実施の形態3にかかる点火炉操業方法では、バーナ3による火炎の噴射に用いられる燃料ガスG1の流量を流量計35によって計測し、この計測した燃料ガスG1の流量をもとに、複数のガス噴射ノズル32a,32bの昇降量および角度変更量を算出する演算処理を行う。この演算処理では、演算処理部37によって、燃料ガスG1の流量に応じた昇降量を、噴射口高さの上限下限を満足するように算出し、燃料ガスG1の流量に応じた角度変更量を、噴射口角度の上限下限を満足するように算出する。その後、この演算処理の算出結果に応じて、焼結原料15の表面に対する複数のガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さおよび噴射口角度の少なくとも一つを変更する。
上述したガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さの変更において、制御部38は、演算処理部37によって算出された昇降量に応じて昇降駆動部33を制御する。昇降駆動部33は、制御部38の制御に基づき、この昇降量分、各ガス噴射ノズル32a,32bを昇降する。例えば、バーナ3の火炎の増強、すなわち、燃料ガスG1の流量増加に伴い、昇降駆動部33は、上述した昇降量の算出値分、各ガス噴射ノズル32a,32bを上昇させる。この場合、各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口は、フード2の上壁2eの高さを上限にして上昇する(図7参照)。この結果、焼結原料15の表面を基準とする各ガスカーテン13,14の高さが増加する。一方、バーナ3の火炎の減少(弱化)、すなわち、燃料ガスG1の流量減少に伴い、昇降駆動部33は、上述した昇降量の算出値分、各ガス噴射ノズル32a,32bを下降させる。この場合、各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口は、焼結原料15の表面から所定の高さを下限にして下降する(図7参照)。この結果、焼結原料15の表面を基準とする各ガスカーテン13,14の高さが減少する。なお、昇降量の算出値が零値である場合、制御部38は、各ガス噴射ノズル32a,32bを昇降せず現状の噴射口高さを維持するように、昇降駆動部33を制御する。昇降駆動部33は、この制御部38の制御に基づき、各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さを変更しない。
一方、上述したガス噴射ノズル32a,32bの噴射口角度の変更において、制御部38は、演算処理部37によって算出された角度変更量に応じて角度駆動部34を制御する。角度駆動部34は、制御部38の制御に基づき、この角度変更量分、各ガス噴射ノズル32a,32bを傾動する。例えば、燃料ガスG1の流量増加に伴い、角度駆動部34は、上述した角度変更量の算出値分、バーナ3のガス噴射口10に向かう方向に各ガス噴射ノズル32a,32bを傾ける。この場合、各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口は、焼結原料15の加熱部分16と各ガスカーテン13,14とを接触させない最大角度を上限にして、ガス噴射口10側に傾動する。この結果、焼結原料15の加熱部分16と各ガスカーテン13,14との非接触を満足しつつガスカーテン13,14の間隔が狭まる(図8参照)。一方、燃料ガスG1の流量減少に伴い、角度駆動部34は、上述した角度変更量の算出値分、バーナ3のガス噴射口10から離間する方向に各ガス噴射ノズル32a,32bを傾ける。この場合、各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口は、フード2の上壁2eの端面とガス噴射ノズル32a,32bの側面とが接触する角度を下限にして、上壁2eの端面側に傾動する(図8参照)。この結果、ガスカーテン13,14の間隔は広がる。なお、角度変更量の算出値が零値である場合、制御部38は、各ガス噴射ノズル32a,32bを傾動させず現状の噴射口角度を維持するように、角度駆動部34を制御する。角度駆動部34は、この制御部38の制御に基づき、各ガス噴射ノズル32a,32bの噴射口角度を変更しない。
以上、説明したように、本発明の実施の形態3では、バーナの火炎噴射に用いられる燃料ガスの流量を計測し、計測した燃料ガスの流量をもとに、複数のガス噴射ノズルの昇降量および角度変更量を算出し、昇降量および角度変更量の各算出結果に応じて、焼結原料表面に対する複数のガス噴射ノズルの噴射口高さおよび噴射口角度の少なくとも一つを変更するように構成し、その他を実施の形態1と同様に構成した。
このため、上述した実施の形態1の場合と同様の作用効果を享受するとともに、バーナの火炎噴射の強弱に対応して、一対のガスカーテンの高さ、角度、および間隔を最適化することができる。これにより、バーナの火炎と焼結原料との衝突に伴って舞い上がる高温浮遊物を一層効率よく低減できるとともに、バーナ先端領域への高温浮遊物の付着をより確実に防止できる。この結果、焼結原料表面に対するバーナの火炎噴射を安定化して、焼結用点火炉の操業の安定化を促進できることから、焼結原料の着火に要するバーナの燃料ガス使用率を一層低減(例えば従来に比して約10[%]低減)することができる。
また、バーナの火炎と焼結原料との衝突に伴って舞い上がった焼結原料の粒状物を、各ガスカーテンの下方流によって一層確実に焼結原料表面へ押し流すことができる。このため、焼結原料の表面にバーナの火炎噴射口をより一層近づけることができる。これにより、焼結原料に加えるバーナの火力を落とすことなく、焼結原料の表面に噴射するバーナの火炎を効率よく弱めることができる。この結果、焼結原料の着火に要するバーナの燃料ガス使用率の低減を一層促進することができる。
なお、上述した実施の形態1〜3では、バーナの火炎噴射口を挟む一対のガス噴射ノズルからガスを噴射して一対のガスカーテンを形成していたが、これに限らず、一対のガスカーテンを形成するためのガス噴射ノズルは、3つ以上配置されてもよい。
また、上述した実施の形態2では、焼結機100の冷却機108から排出される高温な排ガスG23を用いて高温な一対のガスカーテン23,24を形成していたが、これに限らず、焼結機100のウィンドボックス102から排出される高温の排ガスを用いて高温な一対のガスカーテン23,24を形成してもよい。
さらに、上述した実施の形態3では、外部から供給されるガスG3の噴射によって一対のガスカーテン13,14を形成していたが、これに限らず、焼結機100からの高温な排ガスG23の噴射によって高温な一対のガスカーテン23,24を形成してもよい。すなわち、上述した実施の形態2と実施の形態3とを組み合わせてもよい。
また、上述した実施の形態3では、バーナ3の燃料ガスG1の流量をもとに、複数のガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さおよび噴射口角度を算出していたが、これに限らず、燃料ガスG1の流量の程度に対応して、複数のガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さおよび噴射口角度のいずれか一方を算出してもよい。すなわち、演算処理部37は、燃料ガスG1の流量をもとに、複数のガス噴射ノズル32a,32bの噴射口高さおよび噴射口角度の少なくとも一方を算出すればよい。
さらに、上述した実施の形態3では、ガス噴射部32のうちの各ガス噴射ノズル32a,32bを昇降していたが、これに限らず、ノズル部分を含むガス噴射部32全体を昇降することによって、ガス噴射部32の噴射口高さを変更してもよい。
また、上述した実施の形態により本発明が限定されるものではなく、上述した各構成要素を適宜組み合わせて構成したものも本発明に含まれる。その他、上述した実施の形態に基づいて当業者等によりなされる他の実施の形態、実施例および運用技術等は全て本発明に含まれる。
1,21,31,103 焼結用点火炉
2 フード
2a 前壁
2b 後壁
2c,2d 側壁
2e 上壁
3 バーナ
4 燃料ガス管
5 燃料ガス供給管
6 燃料ガス噴射ノズル
7 燃焼用空気管
8 空気供給管
9 空気噴射ノズル
10 ガス噴射口
11,32 ガス噴射部
11a,11b ガス供給管
12a,12b,32a,32b ガス噴射ノズル
13,14,23,24 ガスカーテン
15 焼結原料
16 加熱部分
17 粒状物
33 昇降駆動部
34 角度駆動部
35 流量計
36 設定部
37 演算処理部
38 制御部
100 焼結機
101 パレット
102 ウィンドボックス
104 床敷用ホッパ
105 原料ホッパ
106 ダクト
107 破砕機
108 冷却機
109 送風機
G1 燃料ガス
G2 燃焼用空気
G3 ガス
G4 外気
G23 排ガス
R1 内部領域
R2 部分領域

Claims (8)

  1. パレットの搬送方向および深さ方向に対して垂直な方向における前記パレット内の焼結原料の全域に亘って、前記焼結原料の表面を覆うフードと、
    前記フードの上部に配置される火炎噴射口を有し、前記火炎噴射口から前記焼結原料の表面に向け、前記焼結原料の前記垂直な方向に広がる火炎を噴射するバーナと、
    前記火炎噴射口を挟むように前記フードの上部に配置される複数のガス噴射ノズルを有し、前記複数のガス噴射ノズルから前記焼結原料の表面に向けて噴射するガスによって、前記垂直な方向における前記焼結原料の全域に亘り、前記フードに覆われる内部領域のうちの前記火炎噴射口に面する部分領域を挟む一対のガスカーテンを形成するガス噴射部と、
    を備えたことを特徴とする焼結用点火炉。
  2. 前記ガス噴射部は、前記バーナの火炎噴射に用いられる燃焼用空気に比して高温の前記ガスを噴射して、前記一対のガスカーテンを形成することを特徴とする請求項1に記載の焼結用点火炉。
  3. 前記ガスは、前記焼結原料を焼結して焼結鉱を製造する焼結機からの排ガスであることを特徴とする請求項2に記載の焼結用点火炉。
  4. 前記焼結原料の表面に対する前記複数のガス噴射ノズルの噴射口高さおよび噴射口角度の少なくとも一つを変更可能な可変機構と、
    前記バーナによる火炎の噴射に用いられる燃料ガスの流量を計測する流量計と、
    前記燃料ガスの流量をもとに、前記複数のガス噴射ノズルの昇降量および角度変更量の少なくとも一つを算出する演算処理部と、
    前記演算処理部の算出結果に応じて、前記噴射口高さおよび前記噴射口角度の少なくとも一つを変更するように前記可変機構を制御する制御部と、
    を備えたことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の焼結用点火炉。
  5. パレットの搬送方向および深さ方向に対して垂直な方向における前記パレット内の焼結原料の全域に亘って前記焼結原料の表面をフードで覆い、前記フードの上部に配置したバーナの火炎噴射口から前記焼結原料の表面に向けて、前記焼結原料の前記垂直な方向に広がる火炎を噴射するとともに、
    前記火炎噴射口を挟むように前記フードの上部に配置した複数のガス噴射ノズルから前記焼結原料の表面に向けてガスを噴射することにより、前記垂直な方向における前記焼結原料の全域に亘って、前記フードに覆われる内部領域のうちの前記火炎噴射口に面する部分領域を挟む一対のガスカーテンを形成することを特徴とする焼結用点火炉の操業方法。
  6. 前記バーナの火炎噴射に用いられる燃焼用空気に比して高温の前記ガスを噴射して、前記一対のガスカーテンを形成することを特徴とする請求項5に記載の焼結用点火炉の操業方法。
  7. 前記ガスとして、前記焼結原料を焼結して焼結鉱を製造する焼結機からの排ガスを用いることを特徴とする請求項6に記載の焼結用点火炉の操業方法。
  8. 前記バーナによる火炎の噴射に用いられる燃料ガスの流量を計測し、
    前記燃料ガスの流量をもとに、前記複数のガス噴射ノズルの昇降量および角度変更量の少なくとも一つを算出する演算処理を行い、
    前記演算処理の算出結果に応じて、前記焼結原料の表面に対する前記複数のガス噴射ノズルの噴射口高さおよび噴射口角度の少なくとも一つを変更することを特徴とする請求項5〜7のいずれか一つに記載の焼結用点火炉の操業方法。
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