第1の発明は、下面に塵埃を吸引する吸込口を有する吸込具本体と、一端が前記吸込具本体の後方の中央部に取り付けられた接続管と、前記吸込具本体に設けられており、被清掃面を照射するLED素子の発光部からなる第1の照明手段及び第2の照明手段と、を備え、前記第1の照明手段及び前記第2の照明手段の取り付け位置は、前記吸込具本体の左右の端部から60mm以内で、かつ、前記吸込具本体の前端部から20mm以内で、かつ前記吸込具本体の底面が接する被清掃面から30mm以上60mm以下の高さとなる位置に配置され、前記第1の照明手段の光軸と前記第2の照明手段の光軸とが前記吸込具本体の前方で交差するように設けられ、前記第1の照明手段の光軸と前記第2の照明手段の光軸とがなす角度が60°以上120°以下となるように設置され、かつ、前記第1の照明手段の光軸及び前記第2の照明手段の光軸と被清掃面との成す角度が15°以上35°以下となるように設置することで、前記吸込具本体の長手方向の幅の範囲内で吸込具本体の手前から前方にかけての被清掃面を広範囲に照明できるよう構成した電気掃除機用吸込具としたものである。
これにより、第1の照明手段及び第2の照明手段から照射された光によって、吸込具本体の長手方向の幅の範囲内で吸込具本体の手前から前方にかけての被清掃面を広範囲に照明することができるため、吸込具本体の前方の被清掃面上に第1の照明手段または第2の照明手段から照射された光によって照明されない部分が形成されることを十分に防止することができ、被清掃面上の塵埃の視認性を向上させることができるとともに、電気掃除機用吸込具の使い勝手を向上させることができる。
また、第1の照明手段及び第2の照明手段から照射された光が被清掃面で反射し、吸込具本体の前方の被清掃面上に存在する塵埃が視認しにくくなることを十分に防止することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、第1の照明手段及び第2の照明手段は、第1の照明手段の光軸と第2の照明手段の光軸とが接続管の中心軸に対して線対称となるように設けられているものである。
これにより、第1の照明手段の光軸と第2の発明手段の光軸とが吸込具本体の後方の中央部に取付けられた接続管の中心軸上で交差する構成となるため、第1の照明手段及び第2の照明手段から照射された光によって、吸込具本体の前方の被清掃面を広範囲に照明することができ、被清掃面上の塵埃の視認性を向上させることができる。
第3の発明は、特に、第1または第2の発明において、吸込具本体には、被清掃面を照射するLED素子の発光部からなる第3の照明手段及び第4の照明手段が設けられており、第3の照明手段は、第1の照明手段の外側に設けられており、第4の照明手段は、第2の照明手段の外側に設けられており、第3の照明手段及び第4の照明手段は、第3の照明手段の光軸と第4の照明手段の光軸とが前記吸込具本体の前方で交差するように設けられているものである。
これにより、吸込具本体の前方の被清掃面のうち、第1の照明手段及び第2の照明手段から照射された光によって照明される領域よりも外側の領域を第3の照明手段及び第4の照明手段から照射される光によって照明することができる。そのため、第1の照明手段、第2の照明手段、第3の照明手段、及び、第4の照明手段によって、吸込具本体の前方の
被清掃面を広範囲に照明することができるため、吸込具本体の前方の被清掃面に第1の照明手段、第2の照明手段、第3の照明手段、または、第4の照明手段から照射された光によって照明されない部分が形成されることをさらに十分に防止することができ、被清掃面上の塵埃の視認性をさらに向上させることができるとともに、電気掃除機用吸込具の使い勝手をさらに向上させることができる。
第4の発明は、特に、第3の発明において、第3の照明手段及び第4の照明手段は、第3の照明手段の光軸と第4の照明手段の光軸とが、第1の照明手段の光軸と第2の照明手段の光軸との交点よりも前方で交差するように設けられているものである。
これにより、第3の照明手段及び第4の照明手段から照射された光によって、吸込具本体の前方の被清掃面のうち、第1の照明手段及び第2の照明手段から照射された光によって照明される領域よりもさらに前方の領域を照明することができる。そのため、第1の照明手段、第2の照明手段、第3の照明手段、及び、第4の照明手段によって、吸込具本体の前方の被清掃面を広範囲に照明することができるため、吸込具本体の前方の被清掃面に第1の照明手段、第2の照明手段、第3の照明手段、または、第4の照明手段から照射された光によって照明されない部分が形成されることをさらに十分に防止することができ、被清掃面上の塵埃の視認性をさらに向上させることができるとともに、電気掃除機用吸込具のさらに使い勝手を向上させることができる。
第5の発明は、特に、第3または第4の発明において、第3の照明手段及び第4の照明手段は、第3の照明手段の光軸と第4の照明手段の光軸とが接続管の中心軸に対して線対称となるように設けられているものである。
これにより、第3の照明手段の光軸と第4の発明手段の光軸とが吸込具本体の後方の中央部に取付けられた接続管の中心軸上で交差する構成となるため、第3の照明手段から照射された光と第4の照明手段から照射された光とを吸込具本体の前方の中央部に集光することができる。そのため、吸込具本体の前方の中央部に位置する被清掃面上に存在する塵埃を第3の照明手段及び第4の照明手段の両方から照射される光によって照明することができるため、吸込具本体の前方の中央部に位置する被清掃面上に存在する塵埃の視認性をさらに向上させることができ、電気掃除機用吸込具の使い勝手を向上させることができる。
第6の発明は、特に、第4または第5の発明において、第3の照明手段及び第4の照明手段は、第3の照明手段の光軸と第4の照明手段の光軸とがなす角度が10°以上40°以下となるように設置され、かつ、第3の照明手段の光軸及び第4の照明手段の光軸と被清掃面とが成す角度が15°以上35°以下となるように設置されているものである。
これにより、吸込具本体の前方の被清掃面のうち、第1の照明手段及び第2の照明手段から照射された光によって照明される領域以外の領域を第3の照明手段及び第4の照明手段から照射された光によって広範囲に照明することができるとともに、第3の照明手段及び第4の照明手段から照射された光が被清掃面で反射し、吸込具本体の前方の被清掃面上に存在する塵埃が視認しにくくなることを十分に防止することができる。
そのため、吸込具本体の前方の被清掃面上に第1の照明手段、第2の照明手段、第3の照明手段、または、第4の照明手段から照射された光によって照明されない部分が形成されることをさらに十分に防止することができ、被清掃面上の塵埃の視認性をさらに向上させることができるとともに、電気掃除機用吸込具の使い勝手をさらに向上させることができる。
第7の発明は、吸引風を発生させる電動送風機を内蔵する電気掃除機本体と、請求項1
〜6のうちの何れか1項に記載の電気掃除機用吸込具と、を備えた電気掃除機である。
これにより、被清掃面上の塵埃の視認性を向上させることができ、電気掃除機用吸込具の使い勝手を向上させることができるとともに、電気掃除機の使い勝手を向上させることができる。
以下、図面を参照しながら本発明の電気掃除機の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、以下の説明では、同一または相当部分には同一符号付し、重複する説明は省略する。
(実施の形態1)
本発明の電気掃除機用吸込具の実施の形態1について、図1〜図5を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態1における電気掃除機用吸込具を装着した電気掃除機の全体斜視図である。また、図2は、本発明の実施の形態1における電気掃除機用吸込具の全体斜視図である。さらに、図3は、本発明の実施の形態1における電気掃除機用吸込具の下面図である。また、図4は、本発明の実施の形態1における吸込具本体の部分分解図である。さらに、図5は、図2に示した電気掃除機用吸込具のA−A線での吸込具本体の断面図である。
図1に示すように、電気掃除機100は、主として、吸引風を発生させる電動送風機1aを内蔵する掃除機本体1と、被清掃面の塵埃を吸引する電気掃除機用吸込具2と、一端が掃除機本体1に着脱自在に接続されるホース3と、一端がホース3の他端に着脱自在に接続され、他端が電気掃除機用吸込具2に着脱自在に接続される伸縮自在或いは継ぎ自在の延長管4と、から構成されている。
掃除機本体1には、吸引風を発生させる電動送風機1aと、電動送風機1aの上流側に配置されており、電動送風機1aで発生された吸引風によって吸引された塵埃を捕集する集塵部1bと、が内蔵されている。また、掃除機本体1の前部には、集塵部1bと連通する吸引口1cが形成されている。さらに、掃除機本体1の後方の両側には、一対の走行用の車輪(図示せず)が回動自在に取り付けられている。また、掃除機本体1の下面の前方には、走行用のキャスター(図示せず)が回転自在に取り付けられている。
ホース3は、ホース3の掃除機本体1側の端部に設けられ、掃除機本体1の吸引口1cに着脱自在に接続される接続パイプ3aと、ホース3の延長管4側の端部に設けられ、延長管4と着脱自在に接続されるとともに、使用者が掃除する際に保持する把手部3bを有する先端パイプ3cと、を有している。
図2〜図4に示すように、電気掃除機用吸込具2は、主として、下面に塵埃を吸引する吸込口5aを有する吸込具本体5と、吸込具本体5の後方の中央部に着脱自在に接続される補助吸込具6と、補助吸込具6の後部に回動自在に取付けられた接続管7と、から構成されている。なお、本実施の形態においては、電気掃除機用吸込具2が、吸込具本体5に着脱自在に接続される補助吸込具6を有し、この補助吸込具6に接続管7が回動自在に取り付けられている構成について説明するが、電気掃除機用吸込具2は、主として、吸込具本体5と、接続管7と、から構成され、接続管7が吸込具本体5の後方の中央部に回動自在に取り付けられている構成であってもよい。
補助吸込具6の下面には、吸込具本体5から補助吸込具6が取り外された状態において、被清掃面の塵埃を吸引する開口部(図示せず)が形成されており、この開口部(図示せず)は、吸込具本体5に補助吸込具6が取付けられた状態において、吸込具本体5の吸込
口5aと連通するように構成されている。また、補助吸込具6の側面には、後述する着脱操作部11の係合部11bと係合する被係合部(図示せず)が形成されている。さらに、補助吸込具6の後部には、開口部(図示せず)と連通する接続管7が回動自在に取り付けられている。
接続管7は、一端が補助吸込具6の後部に回動自在に取り付けられる第1の接続管部7aと、一端が第1の接続管部7aの他端に回動自在に取り付けられるとともに、他端に延長管4が着脱自在に取り付けられる第2の接続管部7bと、から構成されている。第1の接続管部7aは、吸込具本体5の左右方向、すなわち、吸込具本体5の長手方向に回動自在となるように補助吸込具6の後部に取り付けられている。また、第2の接続管部7bは、被清掃面に対して高低方向、すなわち、吸込具本体5の上下方向に回動自在となるように第1の接続管部7aの他端に取り付けられている。
吸込具本体5は、吸込具本体5の吸込口5aに臨むように吸込具本体5に配置され、被清掃面の塵埃を掻きあげる回転ブラシ8と、吸込具本体5の後部に配置され、回転ブラシ8を回転駆動する電動機9と、回転ブラシ8と電動機9とを連結するベルト10と、を内蔵している。
吸込具本体5の後部には、吸込具本体5の後部の中央部に補助吸込具6を着脱自在に保持する着脱操作部11が配置されている。着脱操作部11は、使用者が吸込具本体5から補助吸込具6を取り外す際に操作する操作部11aと、補助吸込具6に設けられた被係合部(図示せず)と係合し、補助吸込具6を吸込具本体5の後部の中央部に保持する係合部11bと、操作部11aの動作に連動して補助吸込具6を吸込具本体5の上方へと押し上げる押上部11cと、から構成されている。そして、着脱操作部11は、使用者により操作部11aが下方へと押し下げされると、係合部11bと被係合部(図示せず)との係合が解除するとともに、押上部11cによって補助吸込具6を吸込具本体5の上方へと押し上げ、補助吸込具6を吸込具本体5から取り外すように構成されている。
図4及び図5に示すように、吸込具本体5の前部には、吸込具本体5の前方を照射する第1の照明手段12及び第2の照明手段13と、第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射された光を吸込具本体5の前方に透過させる窓部材14と、が配置されている。
図4に示すように、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1と接続管7の中心軸P0とが吸込具本体5の前方で交差するとともに、第2の照明手段13の光軸P2と接続管7の中心軸P0とが吸込具本体5の前方で交差するようにそれぞれ所定角度傾斜させて配置されており、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段の光軸P2とが吸込具本体5の前方で交差するように吸込具本体5の前部に配置されている。
ここで、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とが接続管7の中心軸P0に対して線対称となるように、すなわち、第1の照明手段12及び第2の照明手段13の接続管7の中心軸P0からの距離が同一距離となるように、吸込具本体5の前部にそれぞれ配置されていることが好ましい。この構成により、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とが吸込具本体5の前方の接続管7の中心軸P0上で交差することになり、第1の照明手段12から照射された光と第2の照明手段13から照射された光とを吸込具本体5の前方の中央部に集光することができる。そのため、吸込具本体5の前方の中央部に位置する被清掃面上に存在する塵埃を第1の照明手段12及び第2の照明手段13の両方から照射される光によって照明することができるため、吸込具本体5の前方の中央部に位置する被
清掃面上に存在する塵埃の視認性を向上させることができる。
また、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1が60°≦X1≦120°となるように吸込具本体5の前部に配置されていることが好ましく、さらに好ましくは、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1が80°≦X1≦100°となるように吸込具本体5の前部に配置されていることが好ましい。
以下、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1について、実験より導き出した結果について説明する。
実験は、吸込具本体5の前方の被清掃面上のうち、吸込具本体5の長手方向の幅Wの範囲内で、かつ、吸込具本体5の前端部からの距離Hが0mm以上500mm以下の範囲内にある被清掃面を測定領域Yとし、この測定領域Yにおいて、第1の照明手段12から照射された光、または、第2の照明手段13から照射された光が当たらない領域(以下、「暗部領域」という)が測定領域Yの面積に占める割合を計測して行った。また、実験は、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を0°≦X1<180°の範囲内で0°から5°間隔で変化させて行った。さらに、実験に使用した第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2での光度が最も大きいLED素子で、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2での光度が8〜18カンデラであるLED素子を使用した。また、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、半値角X0が15°以上65°以下の範囲にあるLED素子を使用し、半値角X0を5°間隔で変化させて実験を行った。さらに、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、半値角及び光度が同一のLED素子を使用した。また、吸込具本体5は、吸込具本体5の長手方向の幅Wを250mm以上300mm以下の範囲にあるものを使用した。さらに、第1の照明手段12及び第2の照明手段13の取り付け位置は、第1の照明手段12及び第2の照明手段13として使用したLED素子の発光部(図示せず)の位置が吸込具本体5の左右の端部から60mm以内で、かつ、吸込具本体5の前端部から20mm以内となる範囲内で変化させて実験を行った。ここで、本実施の形態における半値角とは、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2上での明るさを100%とした場合に、この明るさの50%の明るさとなる角度であり、図4中の矢印X0で示す角度をいう。
第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1をX1<60°に設定した場合、特に、測定領域Yにおいて、吸込具本体5の前端部に近い吸込具本体5の前方の中央部に暗部領域が形成されてしまい、測定領域Yにおいて、40%以上の領域に暗部領域が形成されてしまった。そのため、測定領域Yに形成された暗部領域内に存在する塵埃を確実に視認することができず、測定領域Y内での塵埃の視認性が低下してしまい、測定領域Y内の塵埃を取り残してしまう場合があった。
また、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1をX1>120°に設定した場合、特に、吸込具本体5の前端部から遠い位置に暗部領域が形成されてしまい、測定領域Yにおいて、40%以上の領域に暗部領域が形成されてしまった。そのため、測定領域Yに形成された暗部領域内に存在する塵埃を確実に視認することができず、測定領域Y内での塵埃の視認性が低下してしまい、測定領域Y内の塵埃を取り残してしまう場合があった。
一方、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を60°≦X1≦120°に設定した場合、測定領域Yに形成される暗部領域の割合を40%未満に抑えることができ、第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射さ
れた光によって測定領域Yの広範囲を照明することができた。そのため、測定領域Yでの塵埃の視認性を向上させることができ、測定領域Yにおける塵埃の取り残しを十分に防止することができた。また、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を80°≦X1≦100°に設定した場合においては、測定領域Yに形成される暗部領域の割合を30%未満に抑えることができ、第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射された光によってさらに測定領域Yの広範囲を照明することができた。そのため、測定領域Yでの塵埃の視認性をさらに向上させることができ、測定領域Yにおける塵埃の取り残しをさらに十分に防止することができた。
以上より、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1が60°≦X1≦120°となるように吸込具本体5の前部に配置されていることが好ましく、さらに好ましくは、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1が80°≦X1≦100°となるように吸込具本体5の前部に配置されていることが好ましい。
また、図5に示すように、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とが交差するように、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2が被清掃面に対して角度X2傾斜するように配置されていることが好ましい。この構成により、第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射された光によって吸込具本体5の前方の被清掃面を広範囲に照明することができるため、吸込具本体5の前方の被清掃面上に第1の照明手段12または第2の照明手段13から照射された光によって照明されない部分が形成されることを十分に防止することができ、被清掃面上の塵埃の視認性を向上させることができる。
ここで、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2が、15°≦X2≦35°となるように吸込具本体5の前部に配置されていることが好ましい。
以下、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2について、実験より導き出した結果について説明する。なお、上述した第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1に関する実験と同一部分または相当する部分については、説明を省略する。
実験は、上述した第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1に関する実験と同様に、測定領域Yにおいて、第1の照明手段12から照射された光、または、第2の照明手段13から照射された光が当たらない領域(以下、「暗部領域」という)が測定領域Yの面積に占める割合を計測して行った。また、実験は、被清掃面を木床とし、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2を0°≦X2<90°未満の範囲内で0°から5°間隔で変化させて行った。さらに、実験は、第1の照明手段12及び第2の照明手段13を吸込具本体5の前部に取り付ける高さを、第1の照明手段12及び第2の照明手段13として使用したLED素子の発光部(図示せず)の位置が被清掃面から30mm以上60mm以下の高さとなる範囲内で変化させて行った。また、上述した第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1に関する実験と同様に、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2での光度が8〜18カンデラであるLED素子を使用した。さらに、上述した第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1に関する実験と同様に、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1、第1の照明手段12及び第2の照明手段13の半値角、及び、第1の照明手
段12及び第2の照明手段13の取り付け位置を変化させて実験を行った。また、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、同一の高さに取り付けるとともに、同一の光度及び半値角を有するLED素子を使用した。
第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2をX2<15°に設定した場合、特に、測定領域Yにおいて、吸込具本体5の前端部に近い吸込具本体5の前方の中央部に暗部領域が形成されてしまい、測定領域Yにおいて、40%以上の領域に暗部領域が形成されてしまった。そのため、測定領域Yに形成された暗部領域内に存在する塵埃を確実に視認することができず、測定領域Y内での塵埃の視認性が低下してしまい、測定領域Y内の塵埃を取り残してしまう場合があった。
また、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2をX2>35°に設定した場合、特に、吸込具本体5の前端部から遠い位置に暗部領域が形成されてしまい、測定領域Yにおいて、40%以上の領域に暗部領域が形成されてしまった。そのため、測定領域Yに形成された暗部領域内に存在する塵埃を確実に視認することができず、測定領域Y内での塵埃の視認性が低下してしまい、測定領域Y内の塵埃を取り残してしまう場合があった。また、測定領域Yにおける第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射された光によって照明されている領域において、第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射された光が被清掃面で反射されてしまい、第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射された光によって照明されている領域内にある塵埃を確実に視認できない場合があった。そのため、測定領域Y内での塵埃の視認性が低下してしまい、測定領域Y内の塵埃を取り残してしまう場合があった。
一方、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2を15°≦X2≦35°の範囲で設定した場合、測定領域Yに形成される暗部領域の割合を40%未満に抑えることができ、第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射された光によって測定領域Yの広範囲を照明することができた。そのため、測定領域Yでの塵埃の視認性を向上させることができ、測定領域Yにおける塵埃の取り残しを十分に防止することができた。また、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を60°≦X1≦120°に設定し、かつ、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2を15°≦X2≦35°に設定した場合、測定領域Yに形成される暗部領域の割合を30%未満に抑えることができ、第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射された光によって測定領域Yの広範囲を照明することができた。そのため、測定領域Yでの塵埃の視認性をさらに向上させることができ、測定領域Yにおける塵埃の取り残しをさらに十分に防止することができた。
以上より、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とが交差する角度X2が15°≦X2≦35°の範囲で設定されていることが好ましい。また、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とが吸込具本体5の前方で交差し、かつ、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面と吸込具本体5の前方で交差していることがさらに好ましく、さらに好ましくは、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1が60°≦X1≦120°で、かつ、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とが交差する角度X2が15°≦X2≦35°となるように配置されていることが好ましい。
以上のように構成された電気掃除機用吸込具2及びこの電気掃除機用吸込具2を備えた
電気掃除機100について、以下、その動作及び作用を説明する。
使用者が掃除機本体1にホース3、延長管4、及び、電気掃除機用吸込具2を接続し、電気掃除機100の運転を開始すると、電動送風機1aで吸引風が発生されるとともに、電動機9によって回転ブラシ8が回転駆動される。この状態で、使用者が電気掃除機用吸込具2を被清掃面上で移動させると、被清掃面上の塵埃が回転ブラシ8によって掻きあげられるとともに、電動送風機1aで発生された吸引風によって、被清掃面上の塵埃が電気掃除機用吸込具2に形成された吸込口5aから吸引される。電気掃除機用吸込具2の吸込口5aから吸引された塵埃は、吸込具本体5、接続管7、延長管4、及び、ホース3を介して、掃除機本体1の前部に形成された吸引口1cから掃除機本体1の内部へと流入し、集塵部1bで塵埃が捕集される。
このとき、使用者により第1の照明手段12及び第2の照明手段13が点灯されると、第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射された光によって、吸込具本体5の前方の被清掃面が広範囲に亘って照明される。ここで、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、使用者が電気掃除機100の運転を開始した際に自動的に点灯されるように構成されていてもよく、また、電気掃除機用吸込具2や把手部3bに第1の照明手段12及び第2の照明手段13を点灯するためのスイッチ(図示せず)を形成し、この操作部が使用者により操作された際に、第1の照明手段12及び第2の照明手段13が点灯するように構成されていてもよい。
使用者により第1の照明手段12及び第2の照明手段13が点灯され、第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射された光によって、吸込具本体5の前方の被清掃面が照明されると、第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射された光が吸込具本体5の前方の被清掃面上に存在する塵埃に照射され、被清掃面上に塵埃の影が発生する。被清掃面上に発生した塵埃の影は、実際の塵埃の大きさよりも大きなものとなるため、通常、使用者の肉眼では視認することが困難な大きさの塵埃についても、使用者の肉眼で視認することが可能となる。
本実施の形態においては、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とが吸込具本体5の前方で交差するように構成されているため、吸込具本体5の前方の被清掃面を広範囲に亘って照明することができる。そのため、吸込具本体5の前方の被清掃面上に第1の照明手段12または第2の照明手段13から照射された光によって照明されない部分が形成されることを十分に防止することができるため、使用者が被清掃面上の塵埃を容易に視認することができ、電気掃除機用吸込具2及び電気掃除機100の使い勝手を向上させることができる。また、吸込具本体5の前方の被清掃面のうち、第1の照明手段12から照射される光と第2の照明手段13から照射される光との両方によって照明される領域においては、第1の照明手段12の光によって照明される方向と第2の照明手段13の光によって照明される方向との両方向に塵埃の影を発生させることができる。そのため、吸込具本体5の前方の被清掃面のうち、第1の照明手段12から照射される光と第2の照明手段13から照射される光との両方によって照明される領域においては、吸込具本体5の前方の被清掃面のうち、第1の照明手段12から照射される光、または、第2の照明手段13から照射される光の何れか一方のみで照射される領域に比べ、被清掃面上に存在する塵埃の視認性を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とが交差するように構成されているため、吸込具本体5の前方の被清掃面を広範囲に亘って照明することができる。そのため、吸込具本体5の前方の被清掃面上に第1の照明手段12または第2の照明手段13から照射された光によって照明されない部分が形成されることを十分に防止することができるため、被清掃面上の塵埃の視
認性を向上させることができ、電気掃除機用吸込具2及び電気掃除機100の使い勝手を向上させることができる。
さらに、本実施の形態においては、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1が60°≦X1≦120°となるように構成されているとともに、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2が15°≦X2≦35°となるように構成されているため、吸込具本体5の前方の被清掃面を広範囲に亘って照明することができ、吸込具本体5の前方の被清掃面上に第1の照明手段12または第2の照明手段13から照射された光によって照明されない部分が形成されることを十分に防止することができる。また、吸込具本体5の前方の被清掃面のうち、第1の照明手段12または第2の照明手段13によって照明されている領域において、第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射された光が被清掃面で反射され、反射された光が使用者の目に向かうことを十分に防止することができる。そのため、吸込具本体5の前方の被清掃面上に存在する塵埃の視認性を向上させることができ、電気掃除機用吸込具2及び電気掃除機100の使い勝手を向上させることができる。
(実施の形態2)
本発明の実施の形態2について、図6を用いて説明する。なお、上述した実施の形態1と同一構成部品については同一符号を付して、その説明を省略する。
図6は、本発明の実施の形態2における吸込具本体の部分断面図である。
図6に示すように、吸込具本体5の前部には、吸込具本体5の前方を照射する第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16と、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16から照射された光を吸込具本体5の前方に透過させる窓部材14と、が配置されている。
図6に示すように、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1と接続管7の中心軸P0とが吸込具本体5の前方で交差するとともに、第2の照明手段13の光軸P2と接続管7の中心軸P0とが吸込具本体5の前方で交差するように吸込具本体5の前部にそれぞれ配置されており、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とが吸込具本体5の前方で交差するように吸込具本体5の前部に配置されている。
また、図6に示すように、第3の照明手段15及び第4の照明手段16は、第1の照明手段12及び第2の照明手段13の外側にそれぞれ配置されている。また、第3の照明手段15及び第4の照明手段16は、第3の照明手段15の光軸P3と接続管7の中心軸P0と吸込具本体5の前方で交差するとともに、第4の照明手段16の光軸P4と接続管7の中心軸P0とが吸込具本体5の前方で交差するように、それぞれ所定角度傾斜させて配置されており、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とが吸込具本体5の前方で交差するように配置されている。
ここで、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とが接続管7の中心軸P0で線対称となるように、すなわち、第1の照明手段12及び第2の照明手段13の接続管7の中心軸P0からの距離が同一距離となるように、吸込具本体5の前部にそれぞれ配置されていることが好ましい。また、第3の照明手段15及び第4の照明手段16は、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とが接続管7の中心軸P0で線対称となるように、すなわち、第3の照明手段15及び第4の照明手段16の接続管7の中心軸P0からの距離が
同一距離となるように、吸込具本体5の前部にそれぞれ配置されていることが好ましい。この構成により、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とが吸込具本体5の前方の接続管7の中心軸P0上で交差するとともに、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とが吸込具本体5の前方の接続管7の中心軸P0上で交差することになる。そのため、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16から照射された光を吸込具本体5の前方の中央部に位置する被清掃面上に集光することができるため、吸込具本体5の前方の中央部に位置する被清掃面上に存在する塵埃を第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16から照射される光によって照明することができ、吸込具本体5の前方の中央部に位置する被清掃面上に存在する塵埃の視認性を向上させることができる。
また、第3の照明手段15及び第4の照明手段16は、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とが、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2との交点よりも前方で交差するように構成されていることが好ましい。この構成により、吸込具本体5の前方の被清掃面のうち、第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射された光によって照明されている領域よりもさらに前方の領域を、第3の照明手段15及び第4の照明手段16から照射された光によって照明することができる。また、吸込具本体5の前方の被清掃面のうち、第1の照明手段12及び第2の照明手段13から照射された光によって照明されていない領域を、第3の照明手段15及び第4の照明手段16から照射された光によって照明することができる。そのため、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16によって、吸込具本体5の前方の被清掃面を広範囲に照明することができるため、吸込具本体5の前方の被清掃面に、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、または、第4の照明手段16から照射された光によって照明されない部分が形成されることをさらに十分に防止することができ、被清掃面上の塵埃の視認性をさらに向上させることができる。
さらに、第3の照明手段15及び第4の照明手段16は、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とがなす角度X3が10°≦X3≦40°となるように吸込具本体5の前部に配置されていることが好ましい。
以下、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とがなす角度X3について、実験より導き出した結果について説明する。なお、上述した実施の形態1における第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1に関する実験と同一部分または相当する部分については、説明を省略する。
実験は、上述した実施の形態1における第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1に関する実験と同様に、測定領域Yにおいて、第1の照明手段12から照射された光、または、第2の照明手段13から照射された光が当たらない領域(以下、「暗部領域」という)が測定領域Yの面積に占める割合を計測して行った。また、実験は、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を60°≦X2≦120°の範囲で5°間隔で変化させるとともに、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とがなる角度X3を0°≦X3<180°の範囲で0°から5°間隔で変化させて行った。さらに、実験は、第3の照明手段15及び第4の照明手段16を第1の照明手段12及び第2の照明手段に配置して行うとともに、第3の照明手段15及び第4の照明手段16として使用したLED素子の発光部(図示せず)の位置が吸込具本体5の左右の端部から50mm以内で、かつ、吸込具本体5の前端部から20mm以内となる範囲内で変化させて実験を行った。また、上述した実施の形態1における第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2
とがなす角度X1に関する実験と同様に、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16の半値角を変化させて実験を行った。さらに、少なくとも、第1の照明手段12と第2の照明手段13、第3の照明手段15と第4の照明手段16、とは、半値角、光度、及び、取り付け位置が同一となるようにした。
第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とがなす角度X3をX3<10°とした場合、及び、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とがなす角度X3をX3>40°とした場合、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を60°≦X1≦120°となるように設定しているため、測定領域Yに形成される暗部領域の割合を40%未満に抑えることはできるものの、測定領域Yに形成される暗部領域の割合を30%未満に抑えることができなかった。そのため、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1のみを60°≦X1≦120°の範囲で設定した場合に比べ、測定領域Yに形成された暗部領域を低減することができず、測定領域Y内での塵埃の視認性を向上させることができなかった。
一方、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とがなす角度X3を10°≦X3≦40°とした場合、測定領域Yに形成される暗部領域の割合を30%未満に抑えることができた。そのため、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1のみを60°≦X1≦120°の範囲で設定した場合に比べ、測定領域Yに形成された暗部領域を低減することができ、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16から照射された光によって測定領域Yの広範囲を照明することができたとともに、測定領域Yでの塵埃の視認性をさらに向上させることができた。
以上より、第3の照明手段15及び第4の照明手段16は、第1の照明手段12及び第2の照明手段13の外側にそれぞれ配置されているとともに、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とが交差する交点よりも前方で第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とが交差するように構成されていることが好ましく、さらに好ましくは、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1が60°≦X1≦120°で、かつ、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とが交差する角度X3が10°≦X3≦40°となるように配置されていることが好ましい。
また、上述した実施の形態1と同様に、第3の照明手段15及び第4の照明手段16は、第3の照明手段15の光軸P3及び第4の照明手段16の光軸P4と被清掃面とが交差するように、第3の照明手段15の光軸P3及び第4の照明手段16の光軸P4が被清掃面に対して角度X4傾斜するように配置されていることが好ましい。この構成により、第3の照明手段15及び第4の照明手段16から照射された光によって吸込具本体5の前方の被清掃面を広範囲に照明することができるため、吸込具本体5の前方の被清掃面上に第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、または、第4の照明手段16から照射された光によって照明されない部分が形成されることを十分に防止することができ、被清掃面上の塵埃の視認性を向上させることができる。
ここで、第3の照明手段15及び第4の照明手段16は、第3の照明手段15の光軸P3及び第4の照明手段16の光軸P4と被清掃面とがなす角度X4が15°≦X4≦35°となるように吸込具本体5の前部に配置されていることが好ましい。
以下、第3の照明手段15の光軸P3及び第4の照明手段16の光軸P4と被清掃面とがなす角度X4について、上述した実施の形態1における第1の照明手段12の光軸P1
及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2に関する実験と同様に、実験を行った。
実験は、上述した実施の形態1における第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2に関する実験と同様に、測定領域Yにおいて、第1の照明手段12から照射された光、または、第2の照明手段13から照射された光が当たらない領域(以下、「暗部領域」という)が測定領域Yの面積に占める割合を計測するとともに、被清掃面を木床とし、第3の照明手段15の光軸P3及び第4の照明手段16の光軸P4と被清掃面とがなす角度X4を0°≦X4<90°未満の範囲内で0°から5°間隔で変化させて行った。また、第1の照明手段12及び第2の照明手段13は、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1が60°≦X1≦120°となる範囲で5°間隔で変化させるとともに、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2を15°≦X2≦35°の範囲で5°間隔で変化させて実験を行った。さらに、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とがなす角度X3を0°≦X3<180°の範囲で0°から5°間隔で変化させて行った。また、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16は、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16の半値角を変化させて実験を行った。さらに、少なくとも、第1の照明手段12と第2の照明手段13、第3の照明手段15と第4の照明手段16、とは、半値角、光度、及び、取り付け位置が同一となるようにした。
第3の照明手段15の光軸P3及び第4の照明手段16の光軸P4と被清掃面とがなす角度X4をX4<15°に設定した場合、特に、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を60°≦X1≦120°となるように設定し、かつ、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2を15°≦X2≦35°となるように設定した際に、吸込具本体5の左右の端部付近に形成されていた暗部領域を低減することができず、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を60°≦X1≦120°となるように設定し、かつ、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2を15°≦X2≦35°となるように設定した場合に比べ、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、または、第4の照明手段16から照射された光によって測定領域Yの広範囲を照明することができなかった。
また、第3の照明手段15の光軸P3及び第4の照明手段16の光軸P4と被清掃面とがなす角度X4をX4>35°に設定した場合、特に、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を60°≦X1≦120°となるように設定し、かつ、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2を15°≦X2≦35°となるように設定した際に、吸込具本体5の前端部から遠い位置に形成されていた暗部領域を低減することができず、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を60°≦X1≦120°となるように設定し、かつ、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2を15°≦X2≦35°となるように設定した場合に比べ、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、または、第4の照明手段16から照射された光によって測定領域Yの広範囲を照明することができなかった。また、上述した実施の形態1における第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2に関する実験と同様に、第3の照明手段15の光軸P3及び第4の照明手段16の光軸P4と被清掃面とがなす角度X4をX4>35°に設定した場合、測定領域Yにおける第3の照明手段15及び第4の照明手段16から照射された光によって照明されている領域において、第3の照明手段15及び
第4の照明手段16から照射された光が被清掃面で反射されてしまい、第3の照明手段15及び第4の照明手段16から照射された光によって照明されている領域内にある塵埃を確実に視認できない場合があった。
一方、第3の照明手段15の光軸P3及び第4の照明手段16の光軸P4と被清掃面とがなす角度X4を15°≦X4≦35°の範囲で設定した場合、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を60°≦X1≦120°となるように設定し、かつ、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2を15°≦X2≦35°となるように設定した場合に比べ、測定領域Yに形成される暗部領域の割合を30%未満に抑えることができ、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、または、第4の照明手段16から照射された光によって測定領域Yの広範囲を照明することができたとともに、第3の照明手段15及び第4の照明手段16から照射された光が被清掃面で反射されてしまうことを十分に防止できた。そのため、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を60°≦X1≦120°となるように設定し、かつ、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2を15°≦X2≦35°となるように設定した場合に比べ、測定領域Yでの塵埃の視認性をさらに向上させることができ、測定領域Yにおける塵埃の取り残しをさらに十分に防止することができた。また、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を60°≦X1≦120°となるように設定し、かつ、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2を15°≦X2≦35°となるように設定するとともに、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とがなす角度X3を10°≦X3≦40°に設定し、かつ、第3の照明手段15の光軸P3及び第4の照明手段16の光軸P4と被清掃面とがなす角度X4を15°≦X4≦35°に設定した場合、測定領域Yに形成される暗部領域の割合を20%未満に抑えることができ、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、または、第4の照明手段16から照射された光によって測定領域Yの広範囲を照明することができ、測定領域Yにおける塵埃の取り残しをさらに十分に防止することができた。
以上より、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を60°≦X1≦120°となるように設定し、かつ、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2を15°≦X2≦35°となるように設定した場合、第3の照明手段15及び第4の照明手段16は、第3の照明手段15の光軸P3及び第4の照明手段16の光軸P4と被清掃面とがなす角度X4を15°≦X4≦35°に設定されていることが好ましい。また、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を60°≦X1≦120°となるように設定し、かつ、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2を15°≦X2≦35°となるように設定されている場合、第3の照明手段15及び第4の照明手段16は、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とがなす角度X3が10°≦X3≦40°に設定され、かつ、第3の照明手段15の光軸P3及び第4の照明手段16の光軸P4と被清掃面とがなす角度X4が15°≦X4≦35°に設定されていることが好ましい。
以上のように構成された電気掃除機用吸込具2及びこの電気掃除機用吸込具2を備えた電気掃除機100について、以下、その動作及び作用を説明する。
上述した実施の形態1と同様に、使用者により電気掃除機100の運転を開始され、電動送風機1a及び電動機9が駆動されると、被清掃面上の塵埃が回転ブラシ8によって掻きあげられるとともに、電動送風機1aで発生された吸引風によって、被清掃面上の塵埃
が電気掃除機用吸込具2に形成された吸込口5aから吸引される。電気掃除機用吸込具2の吸込口5aから吸引された塵埃は、吸込具本体5、接続管7、延長管4、及び、ホース3を介して、掃除機本体1の前部に形成された吸引口1cから掃除機本体1の内部へと流入し、集塵部1bで塵埃が捕集される。
このとき、使用者により第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16が点灯されると、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、または、第4の照明手段16から照射された光によって、吸込具本体5の前方の被清掃面が広範囲に亘って照明される。ここで、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16は、使用者が電気掃除機100の運転を開始した際に自動的に点灯されるように構成されていてもよく、また、電気掃除機用吸込具2や把手部3bに第1の照明手段12及び第2の照明手段13を点灯するためのスイッチ(図示せず)を形成し、この操作部が使用者により操作された際に、第1の照明手段12及び第2の照明手段13が点灯するように構成されていてもよい。また、第1の照明手段12及び第2の照明手段13と、第3の照明手段15及び第4の照明手段16とは同時に点灯されてもよく、また、別々に点灯されてもよい。
使用者により第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16が点灯され、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16から照射された光によって、吸込具本体5の前方の被清掃面が照明されると、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16から照射された光が吸込具本体5の前方の被清掃面上に存在する塵埃に照射され、被清掃面上に塵埃の影が発生する。被清掃面上に発生した塵埃の影は、実際の塵埃の大きさよりも大きなものとなるため、通常、使用者の肉眼では視認することが困難な大きさの塵埃についても、使用者の肉眼で視認することが可能となる。
本実施の形態においては、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とが吸込具本体5の前方で交差するとともに、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とが、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2との交点よりも前方で交差するように構成されているため、第1の照明手段12及び第2の照明手段13のみで被清掃面を照明した場合に比べ、吸込具本体5の前方の被清掃面をより広範囲に亘って照明することができる。そのため、吸込具本体5の前方の被清掃面上に第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16から照射された光によって照明されない部分が形成されることをさらに十分に防止することができるため、使用者が被清掃面上の塵埃をさらに容易に視認することができ、電気掃除機用吸込具2及び電気掃除機100の使い勝手をさらに向上させることができる。また、吸込具本体5の前方の被清掃面のうち、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16から照射される光のうち、少なくとも2つの光によって照明される領域においては、照明される光の方向に塵埃の影がそれぞれ形成されることになる。そのため、吸込具本体5の前方の被清掃面のうち、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16から照射される光のうち、少なくとも2つの光によって照明される領域においては、吸込具本体5の前方の被清掃面のうち、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、または、第4の照明手段16から照射される光の何れか一つの光のみで照射される領域に比べ、被清掃面上に存在する塵埃の視認性を向上させることができる。
また、本実施の形態においては、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とが交差するとともに、第3の照明手段15の光軸P3及び第4の照明手段16の光軸P4と被清掃面とが交差するように構成されているため、第1の照明手段12及び第2の照明手段13のみで被清掃面を照明した場合に比べ、第1の照明手
段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、及び、第4の照明手段16から照射される光によって、吸込具本体5の前方の被清掃面をより広範囲に亘って照明することができる。そのため、吸込具本体5の前方の被清掃面上に第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、または、第4の照明手段16から照射された光によって照明されない部分が形成されることをさらに十分に防止することができるため、被清掃面上の塵埃の視認性をさらに向上させることができ、電気掃除機用吸込具2及び電気掃除機100の使い勝手をさらに向上させることができる。
さらに、本実施の形態においては、第1の照明手段12の光軸P1と第2の照明手段13の光軸P2とがなす角度X1を60°≦X1≦120°となるように設定し、かつ、第1の照明手段12の光軸P1及び第2の照明手段13の光軸P2と被清掃面とがなす角度X2を15°≦X2≦35°となるように設定するとともに、第3の照明手段15の光軸P3と第4の照明手段16の光軸P4とがなす角度X3を10°≦X3≦40°に設定し、かつ、第3の照明手段15の光軸P3及び第4の照明手段16の光軸P4と被清掃面とがなす角度X4を15°≦X4≦35°に設定しているため、第1の照明手段12及び第2の照明手段13のみで被清掃面を照明した場合に比べ、吸込具本体5の前方の被清掃面をさらに広範囲に亘って照明することができ、吸込具本体5の前方の被清掃面上に第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、または、第4の照明手段16から照射された光によって照明されない部分が形成されることを十分に防止することができる。また、吸込具本体5の前方の被清掃面のうち、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、または、第4の照明手段16によって照明されている領域において、第1の照明手段12、第2の照明手段13、第3の照明手段15、または、第4の照明手段16から照射された光が被清掃面で反射され、反射された光が使用者の目に向かうことを十分に防止することができる。そのため、吸込具本体5の前方の被清掃面上に存在する塵埃の視認性を向上させることができ、電気掃除機用吸込具2及び電気掃除機100の使い勝手を向上させることができる。