JP5909324B2 - 防水コネクタ - Google Patents

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本発明は防水コネクタに関する。
例えばコンピュータやスマートフォンなどの小型携帯端末において、ケーブルを用いてデータ通信をする際用いられるコネクタには、頻繁な抜き差しやコネクタにかかる外力に耐えうる堅牢性に加え、近年ますます高速化するデータ伝送速度に対応するため、外部からのノイズを遮断するシールド性が要求される。このような要求を満たすため、ある種のコネクタは、例えばUSB(Universal Serial Bus)コネクタやIEEE1394コネクタに見られるように、金属端子がインサート成形により合成樹脂に一体に成形され、舌状に突き出すような形状となっている端子部と、その周囲を覆う箱状のケース部とを備えている。これにより、端子部の堅牢性を確保しつつ、コネクタが接続された際には接地されるケース部により、電磁波シールド性を持たせる構造である。
ところで、小型携帯端末においては、想定される使用環境がさまざまであるため、防水性能が要求される場合がある。そのような端末に用いられるコネクタは、上述した堅牢性、シールド性に加え、防水性をも備えなければならない。
引用文献1には、絶縁性材料から成る本体部の表面に金属層を形成して端子部とし、該端子部の両端部の間において前記端子部を横切る方向に延在する仕切部材を前記本体部と一体化するように形成するようにして、前記端子部の両端部を液密に仕切る防水プラグが記載されている。
引用文献2には、受け側コンタクトと受けシールドケースとをインサート成形により一体化して構成されたレセプタクルが記載されている。
特開2007−250332号公報 特開2007−179943号公報
引用文献1のプラグは、仕切り部材が箱状でないため、突き出した端子部に対しシールド性を付与することができない。引用文献2のレセプタクルは、シールド性は有するが、受けシールドケースが金属製であり、製造コストの点から金属板を曲げ加工することにより製造されるため、防水性を付与することができない。
この点について、端子部、ケース部をともに合成樹脂により成形するようにすればコネクタに防水性を付与することができるが、箱状のケース部の内部に収容される端子部に対して金属端子をインサート成型することは、成形型内部で金属端子を保持することができないため、技術的に極めて困難である。さりとて、端子部及びケース部を有するコネクタのハウジングを合成樹脂により成形したのち、金属端子を圧入するようにすると、金属端子の圧入穴から水漏れが発生するため、別途シール材を塗布する工程が必要となり、製造コストの上昇を招く。
本発明は、かかる事情に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、端子部と、かかる端子部を収容する箱状のケース部を有し、防水性を備えたコネクタを安価に提供することである。
かかる課題を解決するために、本発明に係る防水コネクタは、金属端子がインサート成形により合成樹脂に一体に成形されてなる端子部と、前記端子部を収容する箱状の合成樹脂製のケース部と、を有し、前記端子部と前記ケース部はシール構造を介して互いに液密に結合されている。
上記本発明によれば、端子部と、かかる端子部を収容する箱状のケース部を有し、防水性を備えたコネクタを安価に提供することができる。
本発明の第1の実施形態に係る防水コネクタの正面側斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る端子部の正面側斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係る端子部の背面側斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るケース部の正面側斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るケース部の背面側斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るシールド部材の正面側斜視図である。 カバーを備えた本発明の第1の実施形態に係る防水コネクタの正面側斜視図である。 本発明の第1の実施形態に係るカバーの正面側斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る防水コネクタの正面側斜視図である。 本発明の第2の実施形態におけるシールド部材の正面側斜視図である。 本発明の第2の実施形態におけるカバーの正面側斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係る防水コネクタの正面側斜視図である。 本発明の第3の実施形態に係るシールド部材の正面側斜視図である。 本発明の第4の実施形態に係る防水コネクタの正面側斜視図である。
以下、本発明の第1の実施形態を図1乃至6を参照しつつ説明する。図1は、本発明の第1の実施形態に係る防水コネクタ100の正面側斜視図である。防水コネクタ100は、金属端子10がインサート成形により合成樹脂製の端子ベース11に一体に成形されてなる端子部1と、端子部1を収容する箱状の合成樹脂製のケース部2とからなっており、端子部1とケース部2とは、後述するように、液密に結合されている。
ここで、ケース部2が箱状である、とは本明細書においては、ケース部2の形状が、ある特定方向の軸(本実施形態では、防水コネクタ100の接続方向)の周囲を切れ目なく取り囲むように覆う形状であることを指している。したがって、ケース部2が箱状であることは、ケース部2が必ずしもいわゆる箱の底にあたる部分を有することを要求するものではない。実際、後ほど説明するように、本実施形態のケース部2は防水コネクタ100の開口側(図中手前側)と、その反対側(図中奥側)の両方に開口を有しており、角筒状の形状を有している。また、本実施形態のケース部2は、正面視において矩形の形状を有しているが、この形状は特に限定されるものでなく、他の任意の形状であってよい。
また、ケース部2が端子部1を収容する、とは本明細書においては、端子部1の主要な部分、特に、端子部1のうち、防水コネクタ100の開口側に露出する部分がケース部2の内側の空間内に位置することを意味している。
図2Aは、端子部1の正面側斜視図、図2Bは端子部1の背面側斜視図である。金属端子10は、本実施形態では6本が等ピッチで平行かつ同一平面状に配置されているが、これは一例であり、金属端子10の数及び配置は、コネクタの規格等に応じて適宜変更してよい。金属端子10は、端子ベース11及びフランジ部12とインサート成形により一体に成形されている。端子ベース11は、防水コネクタ100と対になる相手側のコネクタに挿入される部分である。そして、図2Aに示されているように端子ベース11上に露出している金属端子10は、フランジ部12に液密に埋没し、図2Bに示されているように端子部1の背面側に再び露出する。背面側における金属端子10の位置は、基板との接続に適した位置とするのが好ましく、本実施形態では、最も下側となっている。
フランジ部12は、端子ベース11から周囲に広がる壁状の部分であり、その外周には適宜のシール構造13が設けられる。本実施形態では、シール構造13は、Oリングであるが、シール構造13は、後述するように、ケース部2と液密に嵌合するものであればどのようなものであってもよく、他にも、Vリング、Xリングを用いても、フランジ部12の外周に設けられ、弾性又は塑性変形することによりケース部2に密着する畝であっても、ラビリンスシール構造等であってもよい。フランジ部12の上面には、ケース部2と端子部1をスナップ固定するためのスナップ突起14が示されている。
図3Aは、ケース部2の正面側斜視図、図3Bはケース部2の背面側斜視図である。ケース部2は、図示の通り箱状となっており、正面側と背面側の開口、及び、上部に設けられ、端子部1のスナップ突起14(図2A参照)と係合し端子部1を固定するスナップ穴20以外には開口している部分はない。本実施形態では、ケース部2は、インサート成形により電磁波シールドのための金属製のシールド部材21と一体に成形されている。そして、ケース部2の上面には外周面側露出部22が、ケース部2の内面には内面側露出部23がそれぞれ2か所ずつ設けられており(上面側の内面側露出部23は図面では見えていない)、当該外周面側露出部22及び内面側露出部23においては、シールド部材21が露出している。凹部24は、インサート成形の際に、シールド部材21を型の内部で保持するため必要となる部分であり、成形の都合上生じる形状である。シールド部材21は、凹部24においても、ケース部2の外周面側に露出している。
ここで、外周面側露出部22は、シールド部材21と後述するカバーとを電気的に接続するための端子として機能する。したがって、外周面側露出部22の位置は、カバーとの導通がとれるようなケース部2の外周面の少なくとも一部分であればどこであってもよく、その形状も任意である。また、外周面側露出部22の数は特に限定されないが、本実施形態のように複数設けるようにすると、複数の外周面側露出部22のいずれかにおいて導通が失われた場合にもシールド部材21とカバーとの導通を維持することができ好ましい。また、外周面側露出部22は、カバーと接触させるため、ケース部2の外周面と面一であることが好ましい。
また、内面側露出部23は、防水コネクタ100に接続される相手側コネクタのシールド部材との導通を確立するための端子として機能する。内面側露出部23の位置及び形状もまた、かかる機能を発揮できる限りにおいて、どのようなものであってもよい。内面側露出部23の数についても限定されないが、外周面側露出部22同様、複数とするとより確実に相手側コネクタのシールド部材と電気的導通を確立することができる。
ケース部2の内面の少なくとも一部、本実施形態では両側面に位置する部分には、防水コネクタ100の開口側、即ち正面側(図3Aの手前側)からみてケース部2の肉厚が減少する段差25が形成されている。そして、減少した肉厚は、再度増加することなく背面側の開口へと続いている。このような形状は、ケース部2を成形する際に、成形されたケース部2を正面側へと抜き取るだけで成形型から剥離できるため都合がよい。また、段差25の角にあたる部分には、図示の通りシールド部材21が露出しており、シールド部材21が段差25を構成する。この点について、段差25は、防水コネクタ100に接続される相手側コネクタに設けられる、抜け止めのフックと係合するためのものである。そのため、段差25の特に角部は摩耗や変形により損傷しやすいが、かかる部分を金属製のシールド部材21により構成することにより、段差25を合成樹脂により構成するものに比して、防水コネクタ100の耐久性は飛躍的に高められる。なお、段差25の位置、形状及び数をどのように定めるかはコネクタの規格に応じて適宜設定してよい。
なお、ケース部2を構成する材料の強度が実用上十分に確保される場合には、段差25の角にあたる部分にシールド部材21を露出させなくともよい。あるいは、段差25の角にあたる部分に、シールド部材21とは別個の補強部材、例えば、金属片を配置することにより段差25の角部を補強し、防水コネクタ100の耐久性を高めるようにしてもよい。この場合、補強部材は、ケース部2とインサート成形により一体に成形されていてもよいし、ケース部2の成形後に接着あるいは溶着等の適宜の方法により一体に結合されていてもよい。
図3Bには、ケース部2の背面側に設けられた嵌合部26が示されている。嵌合部26は、図2Aに示す端子部1のフランジ部12と相補的な形状である開口であり、ケース部2の背面側から、端子部1を挿入し、嵌合部26の内面にフランジ部12の外周が嵌合することによって、シール構造13の作用により、端子部1とケース部2は互いに液密に結合される。この際、ケース部2のスナップ穴20に端子部1のスナップ突起14が引っ掛かることにより、端子部1とケース部2は互いに外れることなく固定される。しかしながら、端子部1とケース部2を互いに固定する方法は、本実施形態で示したスナップ止め以外にも公知のいかなる方法を用いても差し支えない。
図4は、シールド部材21の正面側斜視図である。図示の通り、シールド部材21は、本実施形態では、金属板を打ち抜き、曲げ加工を施すことにより一体の部材として製作されている。また、シールド部材21の外周面側露出部22に対応する部分(図3A参照)は外側に、内面側露出部23に対応する部分(図3A参照)は内側に膨らむような形状となっている。シールド部材21の下面側には、折り曲げ加工により突起27が形成されているが、これは、シールド部材21を接地するための端子であり、突起27はケース部2の樹脂を貫通して外周面側に露出する。しかしながら、シールド部材21の接地を外周面側露出部22により確保する場合には、突起27は必ずしも必要ではない。シールド部材21を構成する金属板の端面同士が向き合う突き合わせ部28は、溶接やロウ付け等により接合してもよいし、特に接合せずそのままとしておいてもよい。
以上説明した本実施形態に係る防水コネクタ100は、さらにカバー3を備えていてもよい。図5は、カバー3を備えた本実施形態に係る防水コネクタ100の正面側斜視図、図6は、カバー3の正面側斜視図である。カバー3は、図6に示されているとおり、コ字状の金属部材であり、図5に示すように、ケース部2の上面及び両側面を覆う形状である。そして、図3Aに示す外周面側露出部22において、シールド部材21とレーザ溶接等により接合され、電気的に接続される。これにより、防水コネクタ100のシールドがより効果的になされる。なお、ここで示したカバー3の形状は一例であり、種々の変形を加えてよい。例えば、カバー3の端部に端子を設け接地するようにしたり、防水コネクタ100を基板にネジ止めするためのフランジを設けたりする等である。
続いて、本発明の第2の実施形態を図7乃至9を参照しつつ説明する。なお、本実施形態は、第1の実施形態と比して、シールド部材21及びカバー3が複数片に分割されている点が相違しており、その他の点についてはおおむね同一であるから、両者に共通する部材については同一の符号を付し、重複する説明は省略することとする。
図7は、本実施形態に係る防水コネクタ200の正面側斜視図である。なお、同図は、先の実施形態における図5に対応する図である。防水コネクタ200においては、カバーが複数片、この場合は上カバー3a及び下カバー3bの2片に分割されており、ケース部2の上面及び両側面に加え、背面及び底面をもシールドするようになっている。
図8は、本実施形態におけるシールド部材の正面側斜視図であり、シールド部材もまた複数片、この場合は上シールド部材21a及び下シールド部材21bの2片に分割されている。また、図9は、本実施形態におけるカバーの正面側斜視図である。
そして、本実施形態における防水コネクタ200において、上カバー3a及び下カバー3bを省略した場合の正面側斜視図は先の実施形態における図3Aと同様であり、外周面側露出部22がケース部2の上面に2か所設けられる。さらに、同図には現れないが、ケース部2の下面にも外周面側露出部22が、上面と同様に2か所設けられる。そして、図9に示す上カバー3aは、ケース部2の上面に設けられた外周面側露出部22において上シールド部材21aと接合され、導通が確保される。また、下カバー3bは、ケース部2の下面に設けられた外周面側露出部22において下シールド部材21bと接合され、導通が確保される。すなわち、シールド部材が複数の部分に分割されている場合には、それぞれの部分について外周面側露出部22が設けられ、さらにそれぞれの外周面側露出部22について、カバーと電気的に接続される。
この点について、図8を参照して説明すると、シールド部材が図示のように複数片に分割されている場合には、各シールド部材片同士の電気的な接続が必ずしも確保されないため、それぞれの分割片に対し別途接地するための端子として機能する部分が必要となるのである。なお、シールド部材を図8に示すように上シールド部材21aと下シールド部材21bに分割するのは、曲げ加工がそれぞれ1パスで済む形状とすることにより加工を容易にする意図である。シールド部材をどのように分割するかは、加工上或いは材料の利用上の観点、防水コネクタ200の規格や形状を考量して適宜定めてよい。
再び図9を参照すると、上カバー3a及び下カバー3bは、それぞれ、下側に突出する端子30a及び30bを有している。この端子30a及び30bは、基板に電気的に接続され、接地電位をとるためのものである。このように、分割されたそれぞれのカバーの部分について、端子が設けられているのは、先に説明したシールド部材の場合と同様、それぞれの分割片を確実に接地するためである。カバーをどのように分割するかは、加工上、材料の利用上、防水コネクタ200の規格や形状を考量して適宜定めてよい。
なお、以上説明した第1及び第2の実施形態において、外周面側露出部、段差やカバーは必須のものではなく、これらを省略してもよい。以下に図10及び11を参照して説明する本発明の第3の実施形態は、外周面側露出部、段差やカバーを省略し、単純な形態にて構成したものである。本実施形態においても、先の実施形態と共通する部材については同一の符号を付し、重複する説明は省略することとする。
図10は本実施形態に係る防水コネクタ300の正面側斜視図である。防水コネクタ300では、外周面側露出部や段差は形成されないため、同図中においてシールド部材がケース部2から露出している部分は、内面側露出部23である。この内面側露出部は、第1の実施形態において説明したと同様、防水コネクタ300と接続される相手側コネクタのシールド部材との導通を確立するための端子である。また、ケース部2の上面には、スナップ穴20及び凹部24が見えているが、これらもまた第1の実施形態において説明したものと同様のものである。すなわち、スナップ穴20は端子部1とケース部2をスナップ機構により互いに外れることなく固定するためのもので、凹部24は、インサート成形によりケース部2を成形する際に、シールド部材を型の内部で保持するため必要となる部分である。端子部1の形状及び構造、並びに、端子部1とケース部2の接続方法及び接続構造は第1の実施形態において説明したものと同一である。
図11は本実施形態におけるシールド部材21の正面側斜視図である。本実施形態におけるシールド部材21もまた、金属板を打ち抜き、曲げ加工を施すことにより一体の部材として製作されたものであり、内面側露出部23に対応する部分(図10参照)は内側に膨らむような形状となっている。シールド部材21の下面側には、折り曲げ加工により、ケース部2の樹脂を貫通して外周面側に露出する突起27が設けられており、かかる突起27を端子としてシールド部材21は接地されるようになっている。シールド部材21を構成する金属板の端面同士が向き合う突き合わせ部28を接合するか否かは本実施形態においても任意である。
同図に示されるように、シールド部材21の両側面の形状は、先の実施形態のもの(例えば、図4参照)に比して、奥行き方向の幅が太く、その面積が大きくなっている。そのため、本実施形態における防水コネクタ300は、シールド部材21による電磁波等のノイズのシールド性能に優れている。なお、シールド部材21の上面の背面側及び、下面の背面側には、それぞれ切り欠き29a及び29bが設けられている。上面に設けられる切り欠き29aは、ケース部2と端子部1を互いに固定するためのスナップ構造を受容するための逃げ代であり、図10に示されるスナップ穴20は、この切り欠き29aに相当する位置に設けられる。また同時に、切り欠き29aは、内面側露出部23の奥行き方向の長さを決定するためのものでもある。すなわち、切り欠き29aが設けられている部分のシールド部材21の奥行き方向の長さは、内面側露出部23の奥行き方向の長さと等しい。また、下面に設けられる切り欠き29bについても同様であり、切り欠き29bが設けられている部分のシールド部材21の奥行き方向の長さは、内面側露出部23の奥行き方向の長さと等しくなる。なお、切り欠き29a、29bが設けられている部分のシールド部材21の奥行き方向の長さが内面側露出部23の奥行き方向の長さと一致するのは、図11に示すように、本実施形態においてはシールド部材21を金属板の曲げ加工により製作しているためである。内面側露出部23を形成するための部分、すなわち、シールド部材21が内側に膨らむような形状となっている部分を曲げ加工でなく、例えば張り出し加工により形成する場合には、切り欠き29a、29bが設けられている部分のシールド部材21の奥行き方向の長さと内面側露出部23の奥行き方向の長さとは必ずしも一致しない。その場合、切り欠き29bは設けずともよい。また、ケース部2と端子部1を互いに固定するための構造によっては、切り欠き29aを省略してもよい。
続いて、本発明の第4の実施形態を図12を参照して説明する。なお、本実施形態は、端子部1に対し、さらにインサート成型を行うことによりケース部2を端子部1と液密に結合している点が先の第1乃至第3の実施形態と異なっている。本実施形態においても、先の実施形態と共通する部材については同一の符号を付し、重複する説明は省略することとする。
図12は、本発明の第4の実施形態に係る防水コネクタ400の正面側斜視図である。防水コネクタ400は、金属端子10がインサート成形により合成樹脂製の端子ベース11に一体に成形されてなる端子部1に、さらにインサート成形を行うことにより、端子部1を収容する箱状の合成樹脂製のケース部2を液密に結合したものである。なお、本実施形態において、ケース部2を成形する際に、先の実施形態において説明したシールド部材をもインサート成形するか否かは任意である。シールド部材の機能及び形状については先の実施形態と同様であるから、本実施形態においては、説明の簡略化のため、ケース部2にシールド部材はインサート成形されていないものとする。そのため、図12には先の第1及び第2の実施形態に見られた外周面側露出部や、第1乃至第3の実施形態に見られた内面側露出部は示されていない。しかしながら、本実施形態の説明は、シールド部材をインサート成形するものを除外することを意図するものではない。
なお、以上説明した本発明の実施形態の一つの観点においては、端子部は、外周にシール構造を有するフランジ部を有し、フランジ部の外周がシール構造を介してケース部の内面に嵌合することにより、端子部とケース部は互いに液密に結合されている。
このようにすると、組み立てが簡便かつ製造が容易な構造によりコネクタの防水性が得られる。
また、本発明の実施形態の別の観点においては、ケース部は、インサート成形により金属製のシールド部材と一体に成形されてなる。
このようにすると、別途シール材の塗布等の工程を必要とせず、シールド性を有するケースが得られる。
また、本発明の実施形態の別の観点においては、ケース部の内面の少なくとも一部分は、防水コネクタの開口側からみて肉厚が減少する段差を有し、ケース部の内面に露出するシールド部材が段差を構成する。
このようにすると、耐久性の高いロック機構が容易に得られる。
また、本発明の実施形態の別の観点においては、ケース部は、ケース部の外周面の少なくとも一部分においてシールド部材が露出する露出部を有する。
このようにすると、かかる露出部を利用してシールド部材を他の部材と電気的に接続することができる。
また、本発明の実施形態の別の観点においては、露出部は複数設けられている。
このようにすると、シールド部材と他の部材との導通を確実にすることができる。
また、本発明の実施形態の別の観点においては、シールド部材は複数の部分に分割されており、露出部は分割されたそれぞれのシールド部材の部分に対して設けられている。
このようにすると、分割されたそれぞれのシールド部材の部分について、他の部材と確実に電気的に接続することができる。
また、本発明の実施形態の別の観点においては、ケース部を覆う金属製のカバーをさらに有し、カバーは露出部と電気的に接続される。
このようにすると、シールド性能をさらに高めることができる。
また、本発明の実施形態の別の観点においては、カバーは複数の部分に分割されており、分割されたそれぞれのカバーの部分は、基板に電気的に接続するための端子を有する。
このようにすると、分割されたそれぞれのカバーの部分について、基板と確実に電気的に接続することができる。
また、本発明の実施形態の別の観点においては、ケース部の内面の少なくとも一部分は、防水コネクタの開口側からみて肉厚が減少する段差を有する。
このようにすると、複雑かつ高価な金型を使用せずともロック機構を容易に得られる。
また、本発明の実施形態の別の観点においては、金属端子がインサート成形により合成樹脂に一体に成形されてなる端子部と、端子部を収容する箱状の合成樹脂製のケース部と、を有し、端子部は、インサート成型によりケース部に液密に結合されている。
このようにすると、部品点数が少なく、低コストの防水コネクタが得られる。
なお、本明細書で示した各実施形態は、本発明を実施する上での一例を示すものであり、本発明の技術的範囲を各実施形態において示された具体的な構成に限定するものではない。各実施形態において示された各部材の形状や配置、数等は、必要に応じて適宜設計乃至は変更されてよい。
1 端子部、2 ケース部、3 カバー、10 金属端子、11 端子ベース、12 フランジ部、13 シール構造、14 スナップ突起、15 底面、20 スナップ穴、21 シールド部材、21a 上シールド部材、21b 下シールド部材、22 外周面側露出部、23 内面側露出部、24 凹部、25 段差、26 嵌合部、27 突起、28 突き合わせ部、29a,29b 切り欠き、3 カバー、3a 上カバー、3b 下カバー、30a,30b 端子、100,200,300,400 防水コネクタ。

Claims (7)

  1. 防水コネクタであって、
    金属端子がインサート成形により合成樹脂に一体に成形されてなる端子部と、
    前記端子部を収容する箱状の合成樹脂製のケース部と、を有し、
    前記端子部は、外周にシール構造を有するフランジ部を有し、
    前記フランジ部の外周が前記シール構造を介して前記ケース部の内面に嵌合することにより、前記端子部と前記ケース部は互いに液密に結合され、
    前記ケース部は、インサート成形により金属製のシールド部材と一体に成形され、
    前記ケース部の内面の少なくとも一部分は、前記防水コネクタの開口側からみて肉厚が減少する段差を有し、前記ケース部の内面に露出する前記シールド部材が前記段差を構成し、
    前記段差は、前記防水コネクタに接続される相手側コネクタに設けられる抜け止めのフックと係合する、
    防水コネクタ。
  2. 前記ケース部は、前記ケース部の外周面の少なくとも一部分において前記シールド部材が露出する露出部を有する請求項1記載の防水コネクタ。
  3. 前記露出部は複数設けられている請求項2記載の防水コネクタ。
  4. 前記シールド部材は複数の部分に分割されており、前記露出部は分割されたそれぞれの前記シールド部材の部分に対して設けられている請求項3記載の防水コネクタ。
  5. 前記ケース部を覆う金属製のカバーをさらに有し、前記カバーは前記露出部と電気的に接続される請求項1乃至4のいずれかに記載の防水コネクタ。
  6. 前記カバーは複数の部分に分割されており、分割されたそれぞれの前記カバーの部分は、基板に電気的に接続するための端子を有する請求項5記載の防水コネクタ。
  7. 防水コネクタであって、
    金属端子がインサート成形により合成樹脂に一体に成形されてなる端子部と、
    前記端子部を収容する箱状の合成樹脂製のケース部と、を有し、
    前記端子部は、インサート成形により前記ケース部に液密に結合され、
    前記ケース部は、インサート成形により金属製のシールド部材と一体に成形され、
    前記ケース部の内面の少なくとも一部分は、前記防水コネクタの開口側からみて肉厚が減少する段差を有し、前記ケース部の内面に露出する前記シールド部材が前記段差を構成し、
    前記段差は、前記防水コネクタに接続される相手側コネクタに設けられる抜け止めのフックと係合する、
    防水コネクタ。
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