以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る放電ランプについて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る光源装置1の概略外観図である。光源装置1は、感光性樹脂を光硬化によりモノマーからポリマーに硬化させるUVキュアリング等において紫外光を供給する装置である。図1は、光源装置1を筐体10の背面10a側から見た場合の斜視図である。背面10aに対向する前面(図1において図示せず)には、ランプユニット100からの光が出射される出射口が設けられている。出射口には不図示の光ファイバー・バンドルが接続され、該光ファイバー・バンドルによってランプユニット100からの光が所定のワークに導光される。光源装置1の筐体10には、ランプユニット100と、ランプユニット100に電力を供給する電源装置(不図示)、ランプユニット100の光量を調整する調光装置等(不図示)が収納されている。筐体10の側面には、ランプ交換用扉200が設けられている。ランプ交換用扉200は、その一端部側(前面側)が筐体10に回動可能に軸支されており、他端部側(背面10a側)を筐体10の外側に引き出すことにより、筐体10の側面が開くようになっている。ランプユニット100は、内部に放電ランプ500(後述)を備え、該放電ランプ500からの光を出射する略直方体のユニット(部品)であり、その側板が係止金具を介してランプ交換用扉200の内面にねじ止めされている。
従って、ランプ交換用扉200を開くと、ランプユニット100とランプ交換用扉200とが、ランプ交換用扉200の一端部側を中心として一体的に回動し、ランプユニット100が筐体10の外側に露出する。このように、本実施形態ではランプ交換用扉200を開く操作を行うだけでランプユニット100を筐体10から露出した状態にすることができるため、ランプユニット100の各部へのアクセスが容易になり放電ランプ500の交換作業をより迅速に行うことができるようになっている。
ランプユニット100の背面パネル101は、金属からなる矩形の板状部材であり、背面パネル101にはランプホルダ300が取り付けられている。後述するように、放電ランプ500をランプユニット100に装着する際は、放電ランプ500をランプホルダ300からランプユニット100内に挿入する(図6)。なお、ランプユニット100のケース(ランプケース)において背面パネル101に対向する位置に前面パネル(図1において図示せず)が設けられており、前面パネル側がランプユニット100の出射口側となる。ランプユニット100の構成や機能等の詳細については後述する。
ここで、図1に示すように、ランプ交換用扉200を開けてランプユニット100が露出した状態において、ランプユニット100の各稜線方向をX軸、Y軸、Z軸と定義する。つまり、本実施形態においては、背面パネル101と平行な面をXY平面とし、背面パネル101の水平方向及び垂直方向にそれぞれX軸及びY軸を定義する。さらに、XY平面に直交し、ランプユニット100の背面パネル101から前面パネルに向かう方向を正とするZ軸を定義する。以下、他の図を参照する場合も、X軸、Y軸、Z軸は上記の通り定義されているものとして説明する。
図2は、本発明の一実施形態に係る光源装置1に備えられるランプユニット100の構造を説明する図である。図2(a)は、ランプユニット100を背面パネル101側から見たときの正面図である。また、図2(b)は、ランプユニット100の内部構成及びランプホルダ300の構成を説明する上面図であり、説明の便宜のため、ランプユニット100の上面パネルを省略して示している。背面パネル101は、パネル固定ねじ102によってランプユニット100の背面に固定されている。図3は、図2(a)に示す位置にあるレバー301をレバー軸302を中心に回動して、レバー301の向きを反転させた状態を示す図である。
図4は、本発明の一実施形態に係る光源装置1のランプユニット100に収容される放電ランプ500の構成を説明する斜視図である。図4(a)は、放電ランプ500の分解斜視図であり、図4(b)は、組立後の放電ランプ500の斜視図である。なお、本明細書においては、放電ランプ500の中心軸(XY平面に直交しZ軸に平行な軸)をBZとする。
ランプ本体520は、紫外光透過性や耐熱性に優れた石英ガラス等を用いて形成された発光管を備えた市販のランプである。ランプ本体520の両端には、ねじ部523が突出する基端口金525と、ねじ部527が突出する先端口金526が設けられている。また、ランプ本体520の一部には、XY平面における内径がランプ本体520の他の部分よりも大きい楕円球状のバルブ521が形成されている。ランプ本体520の製造工程においては、バルブ521からランプ本体520内に水銀や希ガス等からなる放電媒体を封入し封止するため、バルブ521の表面にはチップ部522が形成されている。ランプ本体520には、先端側(ランプ本体520に対してZ軸正側)に陽極側の口金530が取付けられ、基端側(ランプ本体520に対してZ軸負側)に陰極側の口金(固定用口金)510が取付けられる。
図5は、本実施形態に係る放電ランプ500の陰極側の口金510の概略外観図である。図5(a)は口金510の正面図であり、図5(b)は口金510の右側面図であり、図5(c)は口金510の背面図である。口金510は、真鍮等の金属からなる略円筒形状の部材である。口金510の外周面には、フランジ513が突出しており、フランジ513を挟んで先端側(Z軸正側)に第1胴部515、基端側(Z軸負側)に第2胴部511が形成されている。
第1胴部515は、後述するランプホルダ300の開口部311(図2)からランプユニット100内に挿入される部分である。第1胴部515は、円筒形状をしており、第1胴部515の先端外周面は、テーパ状に面取りされている。また、第1胴部515の右側側面及び左側側面(図5において不図示)には、外周面(第1の領域)の一部を、中心軸BZからの距離が互いに等しい2つのYZ平面でDカットした一対のカット面516(第2の領域)を備えている。なお、別の実施形態においては、カット面516は、第1胴部515の右側側面にのみ形成されてもよい。
第2胴部511は、第1胴部515と同じ外径で円筒形状に形成されている。第2胴部511の外周面には、上方(Y軸の正方向)に向かって垂直に突出する係合ピン512が設けられている。係合ピン512は、後述するようにランプ交換用治具(放電ランプ着脱工具)600の係合溝602、603との係合部として機能する(図9)。
フランジ513は、口金510の外周面から円盤状に張り出しており、ランプホルダ300に取付けられたときに、放電ランプ500をランプホルダ300に対して位置決め固定する。図5(a)〜(c)に示すように、フランジ513は、上端部(中心軸BZに対してY軸正側)と下端部(中心軸BZに対してY軸負側)がそれぞれXZ平面に平行な平面でDカットされた形状(短尺部)を有している。また、フランジ513のXY平面における円弧部分の外周形状(長尺部)は、中心軸BZを中心とする円の円弧と一致する。さらに、フランジ513の一隅には、受け部514が形成されている。受け部514は、後述するように放電ランプ500をランプホルダ300に装着するときに平行ピン308(図2(a))と係合するように形成されている。
また、フランジ513は、XY平面において中心軸BZを中心に非点対称形に形成されている。具体的には、XY平面において、フランジ513の上端が第1胴部515及び第2胴部511の外周と一致するように構成され、フランジ513の下端が第1胴部515及び第2胴部511の外周と間隔dだけ離れるように構成されている。すなわち、図5(b)に示すように、フランジ513は、中心軸BZからフランジ513の上端面513aに下ろした垂線の長さ(第1の長さ)をLa、中心軸BZからフランジ513の下端面513bに下ろした垂線の長さ(第2の長さ)をLbとすると、Lb−La=dとなるように形成されている。また、後述するように、本実施形態では、フランジ513の基端側(Z軸負側)の平面部518が基準面Rに当接するように構成されており(図7)、放電ランプ500がランプホルダ300に装着されたとき、放電ランプ500のアーク輝点の位置がランプユニット100内の楕円ミラー103(後述)の第1焦点の位置と一致する。また、図5(c)に示すように、フランジ513の先端側(Z軸正側)の平面部519には、フランジ513を後述する左フランジ係合部309と右フランジ係合部310に収容したときにプランジャ315(図7)が嵌まり込む皿もみ517が形成されている。
また、図4(a)、(b)、図5(a)、(b)、(c)に示すように、口金510の内部には、ランプ本体520の基端部が挿入されるランプ挿入孔533と、ランプ本体520の基端口金525と係合する係合孔528と、基端口金525のねじ部523が挿通されるねじ部挿通孔536と、ねじ部523と螺合するナット524a等が挿入されるナット挿入孔534とが中心軸BZに沿って連通して形成されている。ねじ部挿通穴536の内径は、係合孔528の内径よりも小さくなっており(すなわち、段付きになっており)、ねじ部挿通孔536の先端側(係合孔528側)の開口部周辺には放電ランプ500の基端口金525が当接するランプ当接面529が形成されている。また、ねじ部挿通孔536の内径は、ナット挿入孔534の内径よりも小さくなっており(すなわち、段付きになっており)、ねじ部523の外径よりも若干大きく構成されている。ねじ部挿通孔536の基端側(ナット挿入孔534側)の開口部周辺にはナット524a等が固定される固定面532が形成されている。
次に、放電ランプ500の組立方法について説明する。先ず、上記のように構成された陰極側の口金510とランプ本体520との接合について説明する。第1胴部515(すなわち、ランプ挿入孔533)にランプ本体520の基端口金525を挿入すると、基端口金525はランプ当接面529で当て止まり、ねじ部523がねじ部挿通孔536に挿通されて、ナット挿入孔534側(すなわち、ナット当接面532側)に露出する。そして、この状態で、放電ランプ500が点灯したときに、放電ランプ500の陰極(不図示)近傍に発生する輝点と、楕円ミラー103(図6)の第1焦点が一致するように、口金510とランプ本体520との相対的な位置関係を調整する。具体的には、ねじ部523とねじ部挿通孔536間の遊びを利用してXY平面内での位置を調整すると共に、基端口金525とランプ当接面529との間に不図示の調整部材(例えば、ワッシャ、シム等)を挿入してZ軸方向の位置を調整する。また、放電ランプ500がランプユニット100に取付けられたときに、放電ランプ500のチップ部522が中心軸BZの高さよりも低い位置に位置するように、ランプ本体520を中心軸BZを中心として回転させ、回転方向の位置を調整する。そして、口金510とランプ本体520との相対的な位置関係を調整した後、ねじ部523に平ワッシャ524c、バネワッシャ524b、ナット524aを順に取付け、ナット524aを締め込んで固定し、ランプ本体520の基端部と口金510との間(すなわち、ランプ挿入孔533内)に接着剤を流し込み両者を接着固定する。以上により、陰極側の口金510とランプ本体520との接合が完了する。
次に、陽極側の口金530とランプ本体520との接合について説明する。図4(a)、(b)に示すように、陽極側の口金530は、真鍮等の金属からなる有底の円筒形状部材である。後述するように、口金530は、放電ランプ500をランプユニット100に装着したときに、ランプユニット100の陽極接続部104と電気的に接続される(図6)。また、口金530の内部には、ランプ本体520の先端口金526を挿入するための挿入孔531が形成されている。挿入孔531の先端側は縮径しており、ランプ本体520の先端口金526に設けられたねじ部527と螺合するねじ孔(図示せず)が形成されている。陽極側の口金530とランプ本体520とを接合する場合、ランプ本体520の先端口金526を口金530の挿入孔531に挿入し、ねじ部527を挿入孔531内のねじ孔と螺合させる。以上により、陽極側の口金530とランプ本体520との接合が完了する。
このように、陰極側の口金510とランプ本体520と陽極側の口金530とを、中心軸BZに沿って一体的に接合することにより、図4(b)に示すような放電ランプ500が完成する。
次に、再び図2(a)、(b)を参照しながら、ランプホルダ300の構成について説明する。ランプユニット100の背面パネル101には、放電ランプ500を支持するランプホルダ300が取り付けられている。ランプホルダ300は、レバー301、レバー軸302、レバー軸受303、ホルダベース305を有する。ランプホルダ300の各構成部材は、真鍮やステンレス等の金属によって形成されている。ホルダベース305の前面(Z軸負側)には、クランプ306が形成されている。
クランプ306は、放電ランプ500の挿入口としての機能と放電ランプ500の口金510を固定して放電ランプ500を基準面Rに位置決めする機能を有する部材である。放電ランプ500の挿入や位置決め等の詳細については後述する。図2(a)、(b)に示すように、クランプ306は、放電ランプ500を挿通するための円形の開口部311を有する。ここで、クランプ306の開口部311の中心を通り、XY平面に直交しZ軸に平行な軸AZを規定する。本実施形態においては、開口部311の内径は、口金510の第1胴部515の最大外径に略等しくなっている。
図2(a)に示すように、クランプ306の左右両端には、放電ランプ500の口金510に設けられたフランジ513を収容する左フランジ係合部309及び右フランジ係合部310が形成されている。図2(b)に示すように、左フランジ係合部309及び右フランジ係合部310は、XZ平面における断面が略L字型となるようにクランプ306の正面306aからZ軸負側に突出し、正面306aと、左フランジ係合部309及び右フランジ係合部310との間に形成された隙間にフランジ513を収容する(詳細は後述)。本実施形態では、放電ランプ500をクランプ306の開口部311に挿通し、陰極側の口金510のフランジ513をクランプ306の正面306aに当接させた後、口金510をXY平面において時計回り方向に回転させると、フランジ513が正面306a上を摺動して左フランジ係合部309と右フランジ係合部310に収容されるように構成されている。なお、左フランジ係合部309及び右フランジ係合部310の内側(すなわち、軸AZ側)は、YZ平面に平行な平面で直線上に切断されており、平坦部309a及び310aが形成されている。
ここで、軸AZから左フランジ係合部309の平坦部309aに下ろした垂線の長さをLlとし、軸AZから右フランジ係合部310の平坦部310aに下ろした垂線の長さをLrとすると、Ll<Lrとなるように構成されている。具体的には、本実施形態においては、Llは、フランジ513の長さLaと略同一か、あるいはLaより長く、且つ、La+dより短くなるように設定されている(図5)。また、Lrは、フランジ513の長さLbと略同一か、Lbよりも若干長くなるように設定されている。このため、放電ランプ500がランプホルダ300に取付けられるとき、フランジ513の上端面513a及び下端面513bが平坦部309a及び310aと対向するように平坦部309aと310aの間に挿入されて、フランジ513がクランプ306の正面306aに当接する(詳細は後述)。なお、Ll及びLrは、いずれか一方が他方よりも長くなるように(すなわち、非対称に)構成されていればよく、別の実施形態としては、Ll>Lrとなるように構成されてもよい。
また、図2(a)に示すように、左フランジ係合部309の左上側には、クランプ306の正面からZ軸負方向に向かって突出する棒状部材である平行ピン308が設けられている。クランプ306は、クランプ固定ねじ(図示せず)によってホルダベース305に固定されている。ホルダベース305は、放電ランプ500を挿通できるように、クランプ306の開口部311及び背面パネル101の開口部(図示せず)と同様の開口部(図示せず)を有する円盤状の部材である。ホルダベース305は、ホルダベース固定ねじ307によって背面パネル101に固定される。
また、クランプ306の上面には、レバー軸受303がレバー軸受固定ねじ304によって固定されている。レバー軸受303は、レバー軸302の下端部のねじ溝(不図示)と螺合するねじ孔314が形成された部材である。クランプ306には、レバー軸受303のねじ孔314の開口部と対向する位置に、開口部311まで貫通する貫通孔313が設けられている。
レバー301は、開口部311に挿入された放電ランプ500の口金510をランプホルダ300に固定する、あるいは固定を解除するために操作する部材である。レバー301は、一端がレバー軸302の上端部に接合されており、レバー軸302の下端部の外周には、レバー軸受303のねじ孔314と螺合するらせん状のねじ溝が形成されている。
図2(a)及び図3に示すように、図2(a)に示す位置にあるレバー301をレバー軸302を中心に回動して、レバー301の向きを反転させると、レバー軸302の下端部が、レバー301の回動に合わせてレバー軸受303のねじ孔314内及びクランプ306の貫通孔313内を進み、クランプ306の開口部311の上側から、レバー軸302の先端である押圧部312が突出するようになっている。押圧部312が開口部311から突出することによって、放電ランプ500の口金510がランプホルダ300に固定される。
図6は、本実施形態の放電ランプ500がランプホルダ300に取付けられる様子を説明する図であり、本実施形態に係るランプユニット100の一部の構成、ランプホルダ300、放電ランプ500を示す上面図である。図6(a)は、放電ランプ500がランプホルダ300に挿入される直前の状態を示し、図6(b)は、放電ランプ500がランプホルダ300に取付けられた後の状態を示している。図6(a)、(b)に示すように、ランプユニット100は、楕円ミラー103及び陽極接続部104を備える。楕円ミラー103は、ランプホルダ300によってランプユニット100に装着固定された放電ランプ500の放射光を光源装置1の出射口(不図示)へ反射する反射部材である。放電ランプ500がランプユニット100に装着されたとき、陽極接続部104が陽極側の口金530に当接し、電気的に接続されるように構成されている。また、陽極接続部104は、ばね等の付勢手段(図示せず)を有し、適当な押圧力で放電ランプ500の先端をランプホルダ300側に付勢する。付勢手段としては、トーションばね、コイルばね、渦巻きばね、竹の子ばね、皿ばね、輪ばねを用いるのが好適である。
図6(a)に示すように、放電ランプ500をランプユニット100に装着するときは、まず、放電ランプ500の口金510をXY平面において回転させ、フランジ513がランプホルダ300の左フランジ係合部309と右フランジ係合部310との間を通過するように(つまり、挟まるように)向きを調整する。図2(a)及び図5(b)に示すように、本実施形態では、放電ランプ500の口金510の中心軸BZからフランジ513の下端面513bに下ろした垂線の長さLb(=La+d)は、中心軸AZから左フランジ係合部309の平坦部309aに下ろした垂線の長さLl(<La+d)よりも長くなっている。このため、仮にフランジ513の上端面513aが右フランジ係合部310の平坦部310aと対向し、フランジ513の下端面513bが左フランジ係合部309の平坦部309aと対向するように(すなわち、口金510の向きを図6(a)に示す状態から180°回転させた状態で)放電ランプ500を開口部311に挿入しようとしても、フランジ513の裏面側(先端側)の平面部519が左フランジ係合部309の正面309bに当接してしまうため、それ以上放電ランプ500をランプユニット100の奥に挿入できなくなる。このように、本実施形態においては、フランジ513の外周縁部を、中心軸BZと直交する方向に延びるように形成された上端面513a及び下端面513b(直線部)と、第1胴部515と同心(すなわち、中心軸BZを中心とする)円の円弧部とによって、中心軸BZに対して非点対称形状に形成することにより、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際の口金510の挿入方向(つまり、放電ランプ500の向き)を規制している。
上述したように、陰極側の口金510をクランプ306の開口部311に挿入したとき、クランプの正面306aと、左フランジ係合部309の平坦部309aと、右フランジ係合部310の平坦部310aとが、フランジ513を受け入れるフランジ受け部を形成している。陰極側の口金510の向きを調整して、陽極側の口金530から先にクランプ306の開口部311に挿入していくと、フランジ513が左フランジ係合部309と右フランジ係合部310との間を通過して、フランジ513がクランプ306の正面306aに当接する。次に、口金510をXY平面において時計回りに回転させ、フランジ513を左フランジ係合部309と右フランジ係合部310内(つまり、正面306aと、左フランジ係合部309及び右フランジ係合部310との間に形成された隙間)に収容する。口金510を時計回りに回転させ続けると、フランジ513の受け部514が、クランプ306の平行ピン308に当たり、それ以上口金510を時計回りに回転させることができなくなる。このように、本実施形態においては、口金510の回転に伴う放電ランプ500の回転をフランジ513の受け部514によって規制している。そして、放電ランプ500の回転が規制されたとき、放電ランプ500のチップ部522が、中心軸BZの高さよりも低い位置(つまり、中心軸BZを含む水平面よりも下方)であって、中心軸BZの真下以外に位置するように構成されている。
図7は、放電ランプ500がランプホルダ300に取付けられた状態の口金510及びクランプ306の一部断面図である。なお、図7においては、図面を明瞭にするために、口金510内のランプ本体520及びナット524等は図示を省略している。図7に示すように、クランプ306には、左フランジ係合部309の裏面309cと対向する面にプランジャ315が設けられている。そして、フランジ513の受け部514が、クランプ306の平行ピン308に当接したとき、プランジャ315が、フランジ513の皿もみ517に嵌まり込むように構成されている。このため、フランジ513が左フランジ係合部309内で位置ずれしないように固定されると共に、フランジ513が左フランジ係合部309の裏面309c側に付勢される。上述の通り、放電ランプ500は陽極接続部104の付勢手段によってZ軸負方向へ付勢されているが、本実施形態においては、この付勢手段の付勢力に加えて、プランジャ315の付勢力によって、フランジ513を基準面Rである左フランジ係合部309の裏面309cに確実に当接させて位置決めしている。
陽極接続部104の付勢手段のみを用いてフランジ513を基準面Rに位置決めする場合、付勢手段による付勢力はランプ本体520を経由して口金510に伝わる。このため、この付勢力を強くしすぎると、ランプ本体520が高温かつ高圧の状態になった場合に、この付勢力が原因でランプ本体520が破損する可能性がある。そこで、本実施形態では、フランジ513を基準面Rに位置決めする機能をプランジャ315にも分担させることにより、陽極接続部104による付勢力が不要に高くならないようにしている。
また、プランジャ315によってフランジ513を付勢すると、プランジャ315が皿もみ517に嵌まり込んだときにクリック感が得られるため、放電ランプ500を回転させたときにフランジ513が左フランジ係合部309内で確実に位置決めされたことをユーザが容易に認識することができる。なお、図示及び詳細な説明は省略するが、右フランジ係合部310においても、左フランジ係合部309と同様の構成が採られている。
このように放電ランプ500をランプホルダ300に取付けた後、レバー301をレバー軸302を中心として回動させて、図6(b)に示すようにレバー301の向きを反転させる。上述の通り、レバー301の向きを反転させると、レバー301の回動に合わせて、クランプ306の開口部311の上側から押圧部312が突出するため、口金510の第1胴部515が開口部311内で押圧固定される。
次に、第1胴部515に形成されたカット面516について説明する。図5(b)、(c)に示すカット面516のX軸方向の深さは、図3に示す押圧部312が開口部311に突出したときのY軸方向の長さよりも長くなるように形成されている。このため、例えば図6(a)に示すように放電ランプ500の向きを調整して、放電ランプ500をランプユニット100に挿し込んだだけの状態でレバー301を回動しても、押圧部312が第1胴部515に当接せず、押圧部312によって口金510をクランプ306に固定することができない。すなわち、本実施形態においては、カット面516を形成することで、放電ランプ500をランプホルダ300に正しく位置決めしていない状態で、レバー301を回動して放電ランプ500を固定するといった誤装着を防止している。
また、上述の通り、放電ランプ500がランプホルダ300に取付けられたとき、バルブ521のチップ部522は、中心軸BZを含む水平面よりも下方であって、中心軸BZの真下以外に位置するように構成されている。チップ部522は、放電ランプ500内に水銀や希ガス等からなる放電媒体を封入し、かつ封止するために設けられるものであるが、バルブ521の内面において窪みが形成されるといった問題がある。バルブ521の内面において窪みが形成されると、その位置によっては熱溜まりとなったり、水銀が溜まってしまうといった問題が発生する。具体的には、本実施形態の放電ランプ500はランプユニット100内に水平な姿勢で(つまり、XZ平面上に)装着されるため、チップ部522のY軸方向の位置が中心軸BZよりも高いと(つまり、中心軸BZを含む水平面よりも上方にあると)チップ部522が熱溜まりとなって熱が集中し、放電ランプの寿命が短くなるといった懸念がある。また、放電ランプ500がランプユニット100内に装着されたときに、チップ部522が真下(つまり、Y軸方向負側)に位置すると、チップ部522内に水銀が溜まるため、水銀が蒸発してガス化するまでに要する時間が長くなり、放電ランプ500が安定点灯するまでに要する時間(つまり、光量が一定となるまでに要する時間)が長くなるといった懸念がある。そこで、本実施形態においては、放電ランプ500がランプユニット100内に装着されたとき、チップ部522が、中心軸BZを含む水平面よりも下方であって、中心軸BZの真下以外に位置するように構成することで、かかる問題を解決している。なお、チップ部522は、中心軸BZの方向から見たときに、中心軸BZとチップ部522とを結ぶ仮想直線が、中心軸BZを含む水平面と略45°の角度で交差するように、中心軸BZの斜め下方に配置されることが望ましい。
以上のように、本実施形態においては、放電ランプ500のフランジ513を非点対称形状とすることによって放電ランプ500のランプユニット100への挿入方向を規制し、放電ランプ500の誤装着を防止している。また、フランジ513の受け部514や口金510のカット面516によって口金510の回転位置を規制することで、ランプユニット100に対して放電ランプ500を適正な姿勢で取り付けることができるように構成されている。
放電ランプ500を交換する際には、口金510をランプホルダ300から取り外す操作を行って放電ランプ500をランプユニット100から引き抜き、その上で上述したように放電ランプ500をランプユニット100に装着する。しかし、ランプ交換時(すなわち、消灯直後)は、ランプ本体520のみならず口金510、530も非常に高温になっているため、口金510を直接手で触れるには口金510が適当な温度に冷えるまで待たなければならず、放電ランプ500を直ちにランプユニット100から取り外すことができないことによるダウンタイム(非稼働時間)が発生してしまう。そこで、本実施形態においては、このダウンタイムを短縮するため、ランプ交換用治具600を使用して、放電ランプ500の着脱をおこなっている。
図8は、本実施形態におけるランプ交換用治具600(ランプ着脱工具)の概略外観図である。図8(b)は、図8(a)のランプ交換用治具600の配置を、円筒軸心を中心に180°回転させたときの図である。図8(a)及び図8(b)のそれぞれは、左から順にランプ交換用治具600の正面図、上面図、背面図を示している。また、図9は、本実施形態に係る放電ランプ500にランプ交換用治具600が取り付けられる様子を示す斜視図である。ランプ交換用治具600は、真鍮やステンレス等の金属からなる中空円筒形状の部材である。図8(a)、(b)に示すように、ランプ交換用治具600の本体部601の先端(背面側)には、外周面から内周面に貫通し、口金510の係合ピン512を受け入れる略L字型の係合溝602、603が形成されている。本実施形態では、係合溝602、603は、本体部601の先端において互いに向かい合う位置に面対称に形成されている。後述するように、係合溝602は、放電ランプ500をランプユニット100に装着する際に係合ピン512に係合させる溝であり、係合溝603は、放電ランプ500をランプユニット100から取り外す際に係合ピン512に係合させる溝である。ランプ交換用治具600の内周面は、ランプ交換用治具600の基端側において縮径されており、ランプ交換用治具600の基端面には円環状の指標部604が形成されている。本実施形態においては、ランプ交換用治具600をZ軸正方向に見たとき(すなわち、正面から見たとき)に、先端の係合溝602、603の位置がわかるように、指標部604の係合溝602に対応する位置に指標「SET」が、係合溝603に対応する位置に指標「RELEASE」がそれぞれ付されている。
係合溝602の先端開口部602aに口金510の係合ピン512を挿入し、ランプ交換用治具600をXY平面において時計回りに回転させると、係合ピン512は係合溝602に沿って係合し、係合ピン512が末端部602bまで進むと、口金510とランプ交換用治具600とは、回転方向(時計方向)及びZ方向において完全に固定される。一方、係合溝603の先端開口部603aに口金510の係合ピン512を挿入し、ランプ交換用治具600をXY平面において反時計回り方向に回転させると、係合ピン512は係合溝603に沿って係合し、係合ピン512が末端部603bまで進むと、口金510とランプ交換用治具600とは、回転方向(反時計方向)及びZ方向において完全に固定される。
指標部604の裏面側(すなわち、内周面の段差部)には、円環状の板ばね605が配置されている。板ばね605は、ステンレス鋼等の金属からなる円環の薄板を山折りにした部材である。板ばね605は、山折りの頂点がランプ交換用治具600の先端側を向くように配置される。ランプ交換用治具600を口金510の第2胴部511に装着すると、係合ピン512が係合溝602の奥へ進むが、このとき、ランプ交換用治具600の板ばね605が、第2胴部511の基端面を軸BZに沿って放電ランプ500先端側に付勢するため、この付勢力により係合ピン512が係合溝602の末端部602bにて固定される。従って、放電ランプ500をランプ交換用治具600と一体として保持することができる。なお、係合溝603と係合ピン512が係合する場合も、本体部601を反時計回りに回転させる点を除けば同様であり、係合ピン512が末端部603aにて固定される。なお、板ばね605は、上述の機能を有すれば、皿ばね等種々のばねに置き換えてもよい。
以上のように、本実施形態においては、ランプ交換用治具600を用いて放電ランプ500を保持する構成としたことにより、放電ランプ500が高温な状態であっても、放電ランプ500をランプユニット100から取り外して新しい放電ランプに交換することができる。このため、ランプ交換時のダウンタイムが好適に短縮される。
次に、本実施形態のランプ交換用治具600を用いて、放電ランプ500を交換する方法について詳述する。まず、放電ランプ500をランプユニット100に装着する場合について説明する。放電ランプ500を装着する場合、最初に、ランプ交換用扉200を開き、ランプユニット100を筐体10から露出させる(図1)。次に、図9に示すように、ランプ交換用治具600の指標部604に付された指標「SET」に対応して本体部601の先端に設けられた係合溝602に、放電ランプ500の口金510に設けられた係合ピン512を挿入し、係合ピン512が係合溝602の末端部602bに位置するまで本体部601を時計回りに回転させて、ランプ交換用治具600と口金510とを連結させる。
図10は、放電ランプ500をランプユニット100に装着する様子を順に示す図である。図10(a)に示すように、ランプ交換用治具600と一体となった放電ランプ500を、ランプホルダ300のクランプ306の開口部311に挿入する。つまり、図6(a)に示すように、放電ランプ500は、中心軸BZを開口部311の中心軸AZに合わせて挿入される。なお、放電ランプ500を挿入する際、フランジ513の上端面513aがクランプ306の左フランジ係合部309の内周面309aと、フランジ513の下端面513bがクランプ306の右フランジ係合部310の内周面310aと、それぞれ対向するように、ランプ交換用治具600を用いて放電ランプ500の向きを調整する。
放電ランプ500(すなわち、陰極側の口金510)を正しい向きに調整してクランプ306に挿入すると、陽極側の口金530がランプユニット100の陽極接続部104に当接して陽極接続部104を若干Z軸正方向へ押し込むと共に、フランジ513がクランプ306の正面306aに当て止まる(図6(b))。上述したように陽極接続部104は、図示しない付勢手段を有するため、口金530の押し込みに対する反発力によって放電ランプ500をZ軸負方向側へ付勢する。次に、図10(b)に示すように、フランジ513をクランプ306に押し当てた状態で、ランプ交換用治具600をXY平面において時計回りに約90°回転させると、ランプ交換用治具600の回転に合わせてフランジ513が回転移動し、フランジ513の周縁部(円弧部分)が、一方は左フランジ係合部309に、他方は右フランジ係合部310にそれぞれ収容される。フランジ513がクランプ306に取付けられると、プランジャ315の付勢力によってZ軸負方向側に付勢され、また口金530が陽極接続部104の付勢力によってZ軸負方向側に付勢されるため、フランジ513はクランプ306の基準面Rに確実に当接して位置決めされる。
図10(c)に示すように、フランジ513が左フランジ係合部309と右フランジ係合部310内で位置決めされたら、レバー301をレバー軸302を中心として回転させ、レバー301の向きを反転させる。上述したように、レバー301の回動に合わせて、クランプ306の開口部311に押圧部312が突出するため、口金510の第1胴部515が押圧固定される。
レバー301を回動して口金510をクランプ306に固定したら、図10(d)に示すようにランプ交換用治具600を反時計回りに回転させて係合溝602と係合ピン512との係合を解除し、Z軸負方向へ引き抜く。ランプ交換用治具600を引き抜くと、図10(e)に示すように放電ランプ500のランプユニット100への装着が完了する。
放電ランプ500の装着が完了したら、ランプ交換用扉200を閉じてランプユニット100を筐体10に収容する。そして、光源装置1の電源をオンにしてランプユニット100を始動すると、ランプユニット100の図示しない点灯回路によって、陽極接続部104とランプホルダ300間に高電圧が印加される。陽極接続部104に印加された電圧は、陽極側の口金530を経由してバルブ521内の陽極(図示せず)に印加される。また、ランプホルダ300に印加された電圧は、陰極側の口金510を経由してバルブ521内の陰極(図示せず)に印加される。その結果、バルブ521内の陽極と陰極間に高電圧が印加され、陽極と陰極間に絶縁破壊が生じ、アーク放電が開始する。アーク放電が開始すると、点灯回路は、アーク放電を維持するように電流を供給する。このため、放電ランプ500が安定して点灯する。上述の通り、本実施形態においては、口金510のフランジ513が基準面Rに正確に位置決めされているため、バルブ521内のアーク輝点の位置が楕円ミラー103の第1焦点の位置と一致している。このため、放電ランプ500から放射された光を効率よく光源装置1の出射口に導くことができる。
次に、寿命を迎えた放電ランプ500を交換する場合について説明する。図11は、放電ランプ500をランプユニット100から取り外す様子を順に示す図である。まず、放電ランプ500を取り外す場合、放電ランプ500の装着時と同様、ランプ交換用扉200を開いて、ランプユニット100が露出した状態にする。次に、図11(a)に示すように、ランプ交換用治具600を口金510の第2胴部511に嵌める。具体的には、ランプ交換用治具600の指標部604に付された指標「RELEASE」に対応して本体部601の先端に設けられた係合溝603に係合ピン512を挿入する。そして、図11(b)に示すように、係合ピン512が係合溝603の末端部603bに位置するまで本体部601を反時計回りに回転させて、ランプ交換用治具600と口金510とを連結させる。
次に、図11(c)に示すように、レバー301をレバー軸302を中心に回動させ、レバー301の向きを反転させる。レバー301の回動に合わせて押圧部312がY軸正方向へ移動して口金510の第1胴部515の押圧固定が解除され、開口部311に突出しない位置まで退避する。レバー301を回動して押圧部312による口金510の押圧固定を解除したら、図11(d)に示すように、ランプ交換用治具600を反時計回りに約90°回転させる。このとき、ランプ交換用治具600の回転に伴ってフランジ513が回転するため、プランジャ315とフランジ513の皿もみ517との嵌合が解除される。
図11(e)に示すように、ランプ交換用治具600を回転させて、フランジ513がZ軸方向で左フランジ係合部309及び右フランジ係合部310と重ならない位置、すなわち、放電ランプ500をクランプ306に挿入したときと同じ位置(図10(b)参照)まで移動させる。そして、その位置でランプ交換用治具600をZ軸負方向に引くと、フランジ513が左フランジ係合部309と右フランジ係合部310の間を通り抜け、放電ランプ500をランプユニット100から引き抜くことができる。図11(f)に示すように、ランプ交換用治具600を用いて放電ランプ500をランプユニット100から完全に引き抜いたら、別のランプ交換用治具600’を取付けた新品の放電ランプ500’をランプユニット100に装着する。放電ランプ500’の装着については、放電ランプ500を装着する場合と同じであるため説明は省略する。
以上のように、本実施形態においては、ランプ交換用治具600を使用して放電ランプ500の交換ができるように構成されている。従って、ランプ寿命や不具合等の要因により、放電ランプ500を消灯直後に交換する場合であっても、高温の口金510に直接触れることなく確実に放電ランプ500を保持してランプユニット100から引き抜き、新品の放電ランプ500’をランプユニット100に誤装着を回避しつつ装着することができる。このため、従前の放電ランプの交換と比較して放電ランプ交換時のダウンタイムを短縮することができる。
以上が本発明の一実施形態の説明である。本発明の実施形態は、上記に説明したものに限定されず、本発明の技術的思想の範囲において様々な変形が可能である。例えば、本実施形態においては、口金510が第2胴部511を備える構成であると説明したが、第2胴部511は必ずしも必要ない。
図12は、本実施形態の放電ランプ500の変形例を示す図である。図12に示すように、本変形例においては、放電ランプ700の陰極側の口金710が第2胴部を備えず、第1胴部715とフランジ713のみで構成されている点で、本実施形態の放電ランプ500とは異なる。また、フランジ713の基端面側に、開口孔725、726が形成され、ランプ交換用治具800には、開口孔725、726に嵌合する形状の突起805、806と、ねじ部723、ナット724a、バネワッシャ724b及び平ワッシャ724cを収容するための貫通孔807が形成されている点で、本実施形態の口金510及びランプ交換用治具600とは異なっている。なお、開口孔725、726は、中心軸CZを挟んだ対称な位置に、少なくとも2つ以上形成されていればよい。このような構成によれば、フランジ713の開口孔725、726にランプ交換用治具800の突起805、806を嵌合させて放電ランプ700を回転させることができるため、本実施形態と同様、放電ランプ700を容易に交換することができる。
また、本実施形態においては、フランジ513を中心軸BZに対して非点対称形状に形成することにより、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際の挿入方向を規制したが、この構成に限定されるものではない。挿入方向が規制されれば他の構成を適用してもよく、またLl、Lr、La、Lb、dの長さを適宜変更して構成することもできる。
また、本実施形態のフランジ513は、軸AZから上端面513aまでの距離が軸AZから下端面513bまでの距離に比較して短くなるように構成したが、逆に軸AZから上端面513aまでの距離が中心軸BZから下端面513bまでの距離に比較して長くなるように構成してもよい。さらに、本実施形態においては、フランジ513は、上端部と下端部をそれぞれDカットした形状としたが、この構成に限定されるものではなく、フランジ513の外周縁部は、中心軸BZに対して非点対称となる任意の形状を採用することができる。
また、本実施形態においては、フランジ513の外周縁部は、中心軸BZ方向から見たときに、中心軸BZを通りX軸方向に延びる直線(仮想直線)を対称軸として非線対称形に形成され、中心軸BZを通りY軸方向に延びる直線(仮想直線)を対称軸として線対称形に形成されることで、全体として非点対称形状になっているが、ランプホルダ300に取付けることができれば他の形状を適用することも可能である。
図13〜図15は、本実施形態の口金510に形成されたフランジ513の変形例を示す図である。図13(a)〜(f)、図14(a)〜(f)及び図15(a)は、図5(a)と同様、中心軸BZ方向から見たときの、フランジ513の変形例を示す図であり、説明の便宜のため、各変形例のフランジ(フランジ513に相当する部分)を実線で示し、その他の部分(第2胴部511の外周等)を破線で示している。また、図15(b)は、図15(a)に示すフランジが形成された口金(口金510に相当する部分)の斜視図である。なお、図13(a)〜(f)、図14(a)〜(f)及び図15(a)において、片方向矢印は、中心軸BZと直交するX軸及びY軸を示している。
図13(a)は、フランジ513の第1の変形例を示す図である。本変形例のフランジ513Aは、受け部514が形成されていない点で、本実施形態のフランジ513と異なっており、放電ランプ500がランプホルダ300に装着されたときに、上端面513Aaが平行ピン308と当接することにより回転規制されるように構成されている。本変形例においては、Y軸方向に沿って形成されたフランジ513Aの上端面513AaからX軸に対して下ろされる仮想垂線の長さ(第1の長さ)をm1とし、下端面513AbからX軸に対して下ろされる仮想垂線の長さ(第2の長さ)をm2とし、X軸方向に形成されたフランジ513Aの外周縁部(つまり、フランジ513Aの左側端面513Ac(円弧部分)及び右側端面513Ad(円弧部分))と中心軸BZとを結ぶ仮想直線の長さ(第3の長さ)をn1とした場合、m1とm2とが異なり、かつn1がm1及びm2のいずれよりも長くなるように形成されている。つまり、本変形例のフランジ513Aの外周縁部は、中心軸BZ方向から見たときに、X軸に対して非線対称形に、かつY軸に対して線対称形に形成されており、中心軸BZに対して非点対称形に形成されている。従って、このような形状のフランジ513Aによれば、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際に、口金510Aの挿入方向(つまり、放電ランプ500の向き)を規制することができる。
図13(b)は、フランジ513の第2の変形例を示す図である。本変形例のフランジ513Bの外周縁部は、中心軸BZを中心とする楕円形状に形成されている点で、本実施形態のフランジ513と異なる。つまり、本変形例のフランジ513Bの外周縁部には、楕円弧状に形成されたY軸方向正側の上端面513Ba、楕円弧状に形成されたY軸方向負側の下端面513Bb、楕円弧状に形成されたX軸方向負側の左側端面513Bc、及び楕円弧状に形成されたX軸方向正側の右側端面513Bdが形成されている。本変形例においては、Y軸方向に沿って形成されたフランジ513Bの上端面513BaからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第1の長さ)をm1とし、下端面513BbからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さの長さ(第2の長さ)をm2とし、X軸方向に形成されたフランジ513Bの外周縁部(つまり、フランジ513Bの左側端面513Bc及び右側端面513Bd)と中心軸BZとを結ぶ仮想直線のうち最も長い仮想直線の長さ(第3の長さ)をn1とした場合、m1とm2とが異なり、かつn1がm1及びm2のいずれよりも長くなるように形成されている。つまり、本変形例のフランジ513Bの外周縁部は、中心軸BZ方向から見たときに、X軸に対して非線対称形に、かつY軸に対して線対称形に形成されており、中心軸BZに対して非点対称形に形成されている。従って、このような形状のフランジ513Bによれば、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際に、口金510Bの挿入方向(つまり、放電ランプ500の向き)を規制することができる。
図13(c)は、フランジ513の第3の変形例を示す図である。本変形例のフランジ513Cの外周縁部は、第2の変形例のフランジ513Bの左側端面513Bc及び右側端面513Bdの一部に第1の変形例のフランジ513Aの円弧部分を組み合わせた形状を呈している。つまり、フランジ513Cの上端面513Ca及び下端面513Cbは楕円弧状に形成されており、右側端面513Cdの第1象限の領域及び左側端面513Ccの第3象限の領域は、中心軸BZを中心とする円弧で形成され、左側端面513Ccの第2象限の領域及び右側端面513Cdの第4象限の領域は、中心軸BZを中心とする楕円弧で形成されている。また、本変形例においては、上端面513Caと右側端面513Cdとの間に円弧状に窪んだ凹部513Ceが形成され、下端面513Cbと左側端面513Ccとの間に円弧状に窪んだ凹部513Cfが形成されている。本変形例においても、Y軸方向に沿って形成されたフランジ513Cの上端面513CaからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第1の長さ)をm1とし、下端面513CbからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さの長さ(第2の長さ)をm2とし、X軸方向に形成されたフランジ513Cの外周縁部(つまり、フランジ513Cの左側端面513Cc及び右側端面513Cd)と中心軸BZとを結ぶ仮想直線のうち最も長い仮想直線の長さ(第3の長さ)をn1とした場合、m1とm2とが異なり、かつn1がm1及びm2のいずれよりも長くなるように形成されている。つまり、本変形例のフランジ513Cの外周縁部は、中心軸BZ方向から見たときに、X軸に対して非線対称形に、かつY軸に対しても非線対称形に形成されており、中心軸BZに対して非点対称形に形成されている。従って、このような形状のフランジ513Cによれば、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際に、口金510Cの挿入方向(つまり、放電ランプ500の向き)を規制することができる。
図13(d)は、フランジ513の第4の変形例を示す図である。本変形例のフランジ513Dの外周縁部は、第1の変形例のフランジ513Aの左側端面513Ac(円弧部分)及び右側端面513Ad(円弧部分)に相当する部分が4つの直線で(つまり、多角形状に)形成されている点で第1の変形例のフランジ513Aとは異なる。本変形例においても、Y軸方向に沿って形成されたフランジ513Dの上端面513DaからX軸に対して下ろされる仮想垂線の長さ(第1の長さ)をm1とし、下端面513DbからX軸に対して下ろされる仮想垂線の長さ(第2の長さ)をm2とし、X軸方向に形成されたフランジ513Dの外周縁部(つまり、フランジ513Dの左側端面513Dc及び右側端面513Dd)と中心軸BZとを結ぶ仮想直線の長さ(第3の長さ)をn1とした場合、m1とm2とが異なり、かつn1がm1及びm2のいずれよりも長くなるように形成されている。つまり、本変形例のフランジ513Dの外周縁部は、中心軸BZ方向から見たときに、X軸に対して非線対称形に、かつY軸に対して線対称形に形成されており、中心軸BZに対して非点対称形に形成されている。従って、このような形状のフランジ513Dによれば、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際に、口金510Dの挿入方向(つまり、放電ランプ500の向き)を規制することができる。
図13(e)は、フランジ513の第5の変形例を示す図である。本変形例のフランジ513Eの外周縁部は、第2の変形例のフランジ513Bの右側と、第1の変形例のフランジ513Aの左側とを組み合わせた形状を呈している。つまり、フランジ513Eの左側端面513Ecは、中心軸BZを中心とする円弧で形成され、フランジ513Eの右側端面513Edは、中心軸BZを中心とする楕円弧で形成されている。本変形例においても、Y軸方向に沿って形成されたフランジ513Eの上端面513EaからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第1の長さ)をm1とし、下端面513EbからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第2の長さ)をm2とし、X軸方向に形成されたフランジ513Eの外周縁部(つまり、フランジ513Eの左側端面Ec及び右側端面Ed)と中心軸BZとを結ぶ仮想直線のうち最も長い仮想直線の長さ(第3の長さ)をn1とした場合、m1とm2とが異なり、かつn1がm1及びm2のいずれよりも長くなるように形成されている。つまり、本変形例のフランジ513Eの外周縁部は、中心軸BZ方向から見たときに、X軸に対して非線対称形に、かつY軸に対しても非線対称形に形成されており、中心軸BZに対して非点対称形に形成されている。従って、このような形状のフランジ513Eによれば、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際に、口金510Eの挿入方向(つまり、放電ランプ500の向き)を規制することができる。
図13(f)は、フランジ513の第6の変形例を示す図である。本変形例のフランジ513Fの外周縁部は、第1の変形例のフランジ513Aの左下部分(第3象限の領域)及び右上部分(第1象限の領域)を第2胴部511の外周に沿って切り欠いた形状を呈しており、第1象限の領域には切り欠き部513Fgが形成され、第3象限の領域には切り欠き部513Fhが形成されている。そして、フランジ513Fの左側端面513Fcと切り欠き部513Fhとの間には、円弧状に窪んだ凹部513Ffが形成され、右側端面513Fdと切り欠き部513Fgとの間には、円弧状に突出した凸部513Feが形成されている。本変形例においても、Y軸方向に沿って形成されたフランジ513Fの上端面513FaからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第1の長さ)をm1とし、下端面513FbからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第2の長さ)をm2とし、X軸方向に形成されたフランジ513Fの外周縁部(つまり、フランジ513Fの左側端面513Fc及び右側端面513Fd)と中心軸BZとを結ぶ仮想直線のうち最も長い仮想直線の長さ(第3の長さ)をn1とした場合、m1とm2とが異なり、かつn1がm1及びm2のいずれよりも長くなるように形成されている。つまり、本変形例のフランジ513Fの外周縁部は、中心軸BZ方向から見たときに、X軸に対して非線対称形に、かつY軸に対しても非線対称形に形成されており、中心軸BZに対して非点対称形に形成されている。従って、このような形状のフランジ513Fによれば、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際に、口金510Fの挿入方向(つまり、放電ランプ500の向き)を規制することができる。
図14(a)は、フランジ513の第7の変形例を示す図である。本変形例のフランジ513Gは、中心軸BZを中心に、45°、135°、225°、315°の方向にそれぞれ略矩形状に張り出すように第1フランジ部513G1、第2フランジ部513G2、第3フランジ部513G3及び第4フランジ部513G4より構成されている。第1フランジ部513G1及び第2フランジ部513G2の上端は、X軸と平行となるように切り欠かれており、上端面513Gaが形成されている。また、第3フランジ部513G3及び第4フランジ部513G4の下端は、X軸と平行となるように切り欠かれており、下端面513Gbが形成されている。本変形例においても、Y軸方向に沿って形成されたフランジ513Gの上端面513GaからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第1の長さ)をm1とし、下端面513GbからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第2の長さ)をm2とし、X軸方向に形成されたフランジ513Gの外周縁部(つまり、第1フランジ部513G1の右側端面513G1d、第2フランジ部513G2の左側端面513G2c、第3フランジ部513G3の左側端面513G3c及び第4フランジ部513G4の右側端面513G4d)と中心軸BZとを結ぶ仮想直線のうち最も長い仮想直線の長さ(第3の長さ)をn1とした場合、m1とm2とが異なり、かつn1がm1及びm2のいずれよりも長くなるように形成されている。つまり、本変形例のフランジ513Gの外周縁部は、中心軸BZ方向から見たときに、X軸に対して非線対称形に、かつY軸に対して線対称形に形成されており、中心軸BZに対して非点対称形に形成されている。従って、このような形状のフランジ513Gによれば、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際に、口金510Gの挿入方向(つまり、放電ランプ500の向き)を規制することができる。
図14(b)は、フランジ513の第8の変形例を示す図である。本変形例のフランジ513Hは、中心軸BZを中心に、30°、150°、210°、330°の方向にそれぞれ略台形状に張り出すように形成された第1フランジ部513H1、第2フランジ部513H2、第3フランジ部513H3及び第4フランジ部513H4と、Y軸方向に沿って上側に突出するように形成された第5フランジ部513H5と、Y軸方向に沿って下側に突出するように形成された第6フランジ部513H6とより構成されている。第5フランジ部513G5の上端には、X軸と平行な上端面513Haが形成されている。また、第6フランジ部513G6の下端には、X軸と平行な下端面513Hbが形成されている。本変形例においても、Y軸方向に沿って形成されたフランジ513Hの上端面513HaからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第1の長さ)をm1とし、下端面513HbからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第2の長さ)をm2とし、X軸方向に形成されたフランジ513Hの外周縁部(つまり、第1フランジ部513H1の右側端面513H1d、第2フランジ部513H2の左側端面513H2c、第3フランジ部513H3の左側端面513H3c及び第4フランジ部513H4の右側端面513H4d)と中心軸BZとを結ぶ仮想直線のうち最も長い仮想直線の長さ(第3の長さ)をn1とした場合、m1とm2とが異なり、かつn1がm1及びm2のいずれよりも長くなるように形成されている。つまり、本変形例のフランジ513Hの外周縁部は、中心軸BZ方向から見たときに、X軸に対して非線対称形に、かつY軸に対して線対称形に形成されており、中心軸BZに対して非点対称形に形成されている。従って、このような形状のフランジ513Hによれば、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際に、口金510Hの挿入方向(つまり、放電ランプ500の向き)を規制することができる。
図14(c)は、フランジ513の第9の変形例を示す図である。本変形例のフランジ513Iの外周縁部は、第1の変形例のフランジ513Aの一部を切り欠いて、全体として略扇形の形状を呈しており、中心軸BZ方向から見たときに、X軸方向に沿って右側(X軸方向正側)に略台形状に張り出すように形成された第1フランジ部513I1と、X軸方向に沿って左側(X軸方向負側)に略扇形状に張り出すように形成された第2フランジ部513I2とにより構成されている。第2フランジ部513I2の上端には、X軸に対して下降傾斜した上端面513Iaが形成されている。また、第2フランジ部513I2の下端には、X軸に対して上昇傾斜した下端面513Ibが形成されている。本変形例においても、Y軸方向に沿って形成されたフランジ513Iの上端面513IaからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第1の長さ)をm1とし、下端面513IbからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第2の長さ)をm2とし、X軸方向に形成されたフランジ513Iの外周縁部(つまり、第1フランジ部513I1の右側端面513Id及び第2フランジ部513I2の左側端面513Ic)と中心軸BZとを結ぶ仮想直線のうち最も長い仮想直線の長さ(第3の長さ)をn1とした場合、m1とm2とが異なり、かつn1がm1及びm2のいずれよりも長くなるように形成されている。つまり、本変形例のフランジ513Iの外周縁部は、中心軸BZ方向から見たときに、X軸に対して非線対称形に、かつY軸に対しても非線対称形に形成されており、中心軸BZに対して非点対称形に形成されている。従って、このような形状のフランジ513Iによれば、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際に、口金510Iの挿入方向(つまり、放電ランプ500の向き)を規制することができる。
図14(d)は、フランジ513の第10の変形例を示す図である。本変形例のフランジ513Jの外周縁部は、左側端面513Jcが左下方向に大きく張り出し、また右側端面513Jdが右下方向に大きく張り出し、おむすび型の形状を呈している。本変形例においても、Y軸方向に沿って形成されたフランジ513Jの上端面513JaからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第1の長さ)をm1とし、下端面513JbからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第2の長さ)をm2とし、X軸方向に形成されたフランジ513Jの外周縁部(つまり、フランジ513Jの左側端面513Jc及び右側端面513Jd)と中心軸BZとを結ぶ仮想直線のうち最も長い仮想直線の長さ(第3の長さ)をn1とした場合、m1とm2とが異なり、かつn1がm1及びm2のいずれよりも長くなるように形成されている。つまり、本変形例のフランジ513Jの外周縁部は、中心軸BZ方向から見たときに、X軸に対して非線対称形に、かつY軸に対して線対称形に形成されており、中心軸BZに対して非点対称形に形成されている。従って、このような形状のフランジ513Jによれば、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際に、口金510Bの挿入方向(つまり、放電ランプ500の向き)を規制することができる。
図14(e)は、フランジ513の第11の変形例を示す図である。本変形例のフランジ513Kの外周縁部は、第1の変形例のフランジ513Aの右側端面513Ad及び下端面513Abに相当する部分に凹凸が形成されている点で第1の変形例のフランジ513Aとは異なる。本変形例においても、Y軸方向に沿って形成されたフランジ513Kの上端面513KaからX軸に対して下ろされる仮想垂線の長さ(第1の長さ)をm1とし、下端面513KbからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第2の長さ)をm2とし、X軸方向に形成されたフランジ513Kの外周縁部(つまり、右側端面513Kd及び左側端面513Kc)と中心軸BZとを結ぶ仮想直線のうち最も長い仮想直線の長さ(第3の長さ)をn1とした場合、m1とm2とが異なり、かつn1がm1及びm2のいずれよりも長くなるように形成されている。つまり、本変形例のフランジ513Kの外周縁部は、中心軸BZ方向から見たときに、X軸に対して非線対称形に、かつY軸に対しても非線対称形に形成されており、中心軸BZに対して非点対称形に形成されている。従って、このような形状のフランジ513Kによれば、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際に、口金510Iの挿入方向(つまり、放電ランプ500の向き)を規制することができる。
図14(f)は、フランジ513の第12の変形例を示す図である。本変形例のフランジ513Lの外周縁部は、所定の自由曲線で形成された、上端面513La、下端面513Lb、左側端面513Lc及び右側端面513Ldを備える点で第1の変形例のフランジ513Aと異なる。本変形例においても、Y軸方向に沿って形成されたフランジ513Lの上端面513LaからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第1の長さ)をm1とし、下端面513LbからX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さの長さ(第2の長さ)をm2とし、X軸方向に形成されたフランジ513Lの外周縁部(つまり、右側端面513Ld及び左側端面513Lc)と中心軸BZとを結ぶ仮想直線のうち最も長い仮想直線の長さ(第3の長さ)をn1とした場合、m1とm2とが異なり、かつn1がm1及びm2のいずれよりも長くなるように形成されている。つまり、本変形例のフランジ513Lの外周縁部は、中心軸BZ方向から見たときに、X軸に対して非線対称形に、かつY軸に対しても非線対称形に形成されており、中心軸BZに対して非点対称形に形成されている。従って、このような形状のフランジ513Lによれば、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際に、口金510Lの挿入方向(つまり、放電ランプ500の向き)を規制することができる。
図15(a)及び(b)は、フランジ513の第13の変形例を示す図である。本変形例のフランジ513Mは、中心軸BZ方向から見たときに、X軸方向に沿って右側(X軸方向正側)に突出するように形成された円柱状の第1フランジ部513M1と、X軸方向に沿って左側(X軸方向負側)に突出するように形成された円柱状の第2フランジ部513M2と、Y軸方向に沿って下側(Y軸方向負側)に突出するように形成された円柱状の第3フランジ部513M3とで構成されている。つまり、本変形例においては、第1フランジ部513M1の先端に右側端面513Mdが形成され、第2フランジ部513M2の先端に左側端面513Mcが形成され、第3フランジ部513M3の先端に下端面513Mbが形成される。そして、本変形例においては、Y軸方向正側(つまり上側)にフランジ513Mが形成されていないため、口金510Mの外周面510Maがフランジ513Mの上端面として機能するようになっている。本変形例においても、Y軸方向に沿って形成されたフランジ513Mの上端面(つまり、口金510Mの外周面510Ma)からX軸に対して下ろされる仮想垂線の長さ(第1の長さ)をm1とし、下端面513MbからX軸に対して下ろされる仮想垂線の長さ(第2の長さ)をm2とし、X軸方向に形成されたフランジ513Mの外周縁部(つまり、第1フランジ部513M1の右側端面513Md、第2フランジ部513M2の左側端面513Mc)と中心軸BZとを結ぶ仮想直線の長さ(第3の長さ)をn1とした場合、m1とm2とが異なり、かつn1がm1及びm2のいずれよりも長くなるように形成されている。つまり、本変形例のフランジ513Mの外周縁部は、中心軸BZ方向から見たときに、X軸に対して非線対称形に、かつY軸に対して線対称形に形成されており、中心軸BZに対して非点対称形に形成されている。従って、このような形状のフランジ513Mによれば、放電ランプ500をランプユニット100に挿入する際に、口金510Mの挿入方向(つまり、放電ランプ500の向き)を規制することができる。なお、本変形例においては、第1フランジ部513M1、第2フランジ部513M2及び第3フランジ部513M3が円柱状の形状となっている。このため、本変形例のフランジ513Mを有する口金510Mがクランプ306に装着されたとき(つまり、第1フランジ部513M1が右フランジ係合部310内に収容され、第2フランジ部513M2が左フランジ係合部309内に収容されたとき)、第1フランジ部513M1及び第2フランジ部513M2と基準面Rとは、線状に当接する。このように、本実施形態のフランジ513、第1〜第12の変形例のフランジ513A〜510Lのように、フランジの基端側は必ずしも平面である必要はなく、基準面Rに対して線状に当接する形状でもよく、また平面にエンボス加工等を施して、基準面Rに対して点状に当接する形状としてもよい。
また、本実施形態及び第1〜第13の変形例においては、いずれも、Y軸方向に沿って形成されたフランジの上端面からX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第1の長さ)m1と、下端面からX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さの長さ(第2の長さ)m2と、X軸方向に形成されたフランジの外周縁部と中心軸BZとを結ぶ仮想直線のうち最も長い仮想直線の長さ(第3の長さ)n1とを定義し、これら3つのパラメータの関係からフランジの外周縁部の形状を特定したが(つまり、m1とm2とが異なり、かつn1がm1及びm2のいずれよりも長くなるように形成されていると説明したが)、第1〜第13の変形例のフランジの外周縁部の形状は他の観点からも特定することが可能である。例えば、Y軸方向に沿って形成されたフランジの上端面からX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第1の長さ)m1と、下端面からX軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い仮想垂線の長さ(第2の長さ)m2と、X軸方向に形成されたフランジの一端の外周縁部(つまり、フランジの右側端面)からY軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い垂線の長さ(第3の長さ)n1と、X軸方向に形成されたフランジの他端の外周縁部(つまり、フランジの左側端面)からY軸に対して下ろされる仮想垂線のうち最も長い垂線の長さ(第4の長さ)n2とを定義し、これら4つのパラメータの関係からフランジの外周縁部の形状を特定することもできる。なお、この場合、本実施形態のフランジ513、第1〜第13の変形例のフランジ513A〜510Mは、いずれも、n1とn2との和が、m1とm2との和よりも長くなるように形成されている。
また、本実施形態の放電ランプ500においては、口金510の第1胴部515に、外周面の一部をYZ平面でDカットしたカット面516が形成されていると説明したが、カット面516は、必ずしもこのような構成に限定されるものではない。
上述したように、放電ランプ500をランプユニット100に挿し込んだだけの状態では、カット面516が押圧部312と対向し、放電ランプ500を固定することができないように構成することで、放電ランプ500の誤装着を防止しているが、口金510を回転させ、放電ランプ500がランプホルダ300に正しく位置決めされない限り(つまり、口金510の第1胴部515の外周面が押圧部312と対向しない限り)、放電ランプ500を固定することができないように構成すればよく、カット面516は、必ずしも平面のみで構成されている必要はない。
図16及び図17は、本実施形態の放電ランプ500の変形例を示す図である。図16に示す放電ランプ500Aは、口金510の第1胴部515の外周面を周方向に延び、カット面516と連続するように形成された溝部517を備える点で、本実施形態の放電ランプ500と異なる。溝部517は、放電ランプ500をランプユニット100に挿し込んで口金510を時計回りに回転させたときに、押圧部312と対向する第1胴部515の所定範囲に形成されており、溝部517の幅は、押圧部312の先端部の幅(直径)よりも若干大きく、溝部517の深さは、押圧部312が開口部311に突出したときの突出量よりも深く、溝部517の先端は、放電ランプ500が完全に装着されたときに押圧部312と対向する第1胴部515の外周面の手前まで延びている。つまり、本変形例においては、放電ランプ500が完全に装着されるまで、第1胴部515の外周面が押圧部312と対向せず、レバー301を回動させても放電ランプ500を固定することができないように構成されている。
図17に示す放電ランプ500Bは、図16に示す放電ランプ500Aの更なる変形例であり、溝部517Mが第1胴部515の先端部(Z軸方向正側の端部)にわたって形成されている点で、図16に示す放電ランプ500Aの溝部517と異なる。溝部517Mをこのように構成すれば、図16に示す放電ランプ500Aの溝部517と同様、放電ランプ500が完全に装着されるまで、第1胴部515の外周面が押圧部312と対向せず、レバー301を回動させても放電ランプ500を固定することができない。
このように、放電ランプ500の誤装着を防止するためには、放電ランプ500が完全に装着されるまで、押圧部312が口金510の第1胴部515に当接しないように構成すればよく、例えば、放電ランプ500が完全に装着されたときに押圧部312と対向する第1胴部515の所定エリアのみが一段高くなり(つまり、押圧部312との距離が短くなり)、それ以外の部分が一段低くなるように(つまり、押圧部312との距離が長くなるように)構成してもよい。
なお、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって、制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれることが意図される。