JP5909136B2 - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
この空気入りタイヤによれば、「ショルダーブロックのショルダー側壁に、タイヤ回転軸に沿った断面で見たときに階段形状を形成する複数個の補助陸部を配置することにより、主にショルダーブロックが雪中に入った際は、補助陸部のエッジが通常のブロックのエッジと同様に機能する。」とされ、「そして、このようなエッジを有する補助陸部はタイヤ周方向に延びているので、雪上でのコーナリング時に有効となる。」とされている。
そして、その規格とは、タイヤが生産または使用される地域に有効な産業規格によって決められたものであり、例えば、アメリカ合衆国では、“THE TIRE AND RIM ASSOCIATION INC.のYEAR BOOK”であり、欧州では、“The European Tyre and Rim Technical OrganizationのSTANDARDS MANUAL”であり、日本では日本自動車タイヤ協会の“JATMA YEAR BOOK”である。
ここにおいて、この発明の空気入りタイヤでは、前記トレッド踏面に、トレッド周方向に対し傾斜して延びてトレッド端に到るラグ溝を設けるとともに、該ラグ溝を、前記バットレス部表面まで延長させて形成し、バットレス部表面で、前記ラグ溝の延長部分が、前記回転方向の後方側に向けて折れ曲がって延びて、前記隆起部の急傾斜面に到達するものとすることが好ましい。
またここでは、隆起部を、タイヤ半径方向に対し、その隆起部の、サイドウォール部側の部分よりもトレッド端側の部分で、前記回転方向の前方側に向けて傾斜するものとしたことにより、隆起部の急傾斜面との間に挟まれる雪を、トレッド端側へ逃がすことなく急傾斜面で取り囲んで、そこで押し固める雪による雪柱剪断力がさらに高まるので、雪上トラクション性能を一層向上させることができる。
図1に示すところにおいて、図中1は、この発明の実施形態のタイヤが具えるトレッド部を、また2は、前記トレッド部1の両側のそれぞれに連続してタイヤ半径方向内側に延びる一対のサイドウォール部のうちの、一方のサイドウォール部をそれぞれ示し、そして3は、トレッド部1に形成されたトレッド踏面を示す。
なお詳細は図示しないが、この空気入りタイヤも、一般的なタイヤと同様に、上記のトレッド部1およびサイドウォール部2に加えて、それぞれのサイドウォール部2のタイヤ半径方向内側に連なる一対のビード部を具えるとともに、内部に、一対のビード部間にトロイダル状に延びる、たとえばラジアル構造のカーカスと、該カーカスのタイヤ半径方向外側に設けたベルトおよびトレッドゴム等とを有するものである。
またここでは、各隆起部5,6で、いずれも平坦面とした上記の急傾斜面5a,6aと緩傾斜面5b,6bとを連結して、その連結箇所に、トレッド周方向に沿う図示の断面では急傾斜面5a,6aと緩傾斜面5b,6bとの交点をなす頂部5c,6cを形成する。
また、タイヤが深雪に埋没して走行不能となるスタック時には、タイヤを回転方向Xと逆方向に回転させることにより、緩傾斜面5b,6bの勾配が緩やかなことに起因する、隆起部5,6の、周囲の雪に対する小さな抵抗力の下で、バットレス部表面4への凹凸形状の付与に起因する雪上フローティング性能の低下を抑制して、スタックからの脱出が容易なものとなる。
なお図3に示すところでは、バットレス部表面4との段差部分27を構成する段差面27aもまた、バットレス部表面4に対する傾き角度を90°よりも小さくしている。
なお、図2に示す隆起部5,6では、急傾斜面5aと6aとのそれぞれの傾き角度αは互いに等しいものとし、また、緩傾斜面5bと6bとそれぞれの傾き角度βは互いに等しいものとしたが、図示は省略するが、タイヤ周方向に隣接する隆起部のそれぞれの急傾斜面の傾き角度の相互、および/または、それぞれの緩傾斜面の傾き角度の相互は、異なるものとすることもできる。
これを言い換えれば、隆起部5,6を、タイヤ半径方向に延在させた場合、さらには、隆起部5,6の、トレッド端E側の部分を回転方向Xの後方側に向けて、その隆起部5,6を傾斜させた場合は、深雪路の走行時に、隆起部5,6の急傾斜面5a,6aの、回転方向Xの前方側に蓄積する雪が、タイヤの回転に伴い、トレッド端E側に逃げ易くなって、隆起部5,6で十分大きな雪柱剪断力が得られないおそれがある。
そしてここでは、バットレス部表面4の、トレッド端Eへの隣接領域に、トレッド踏面3に開口するとともにバットレス部表面4よりトレッド部1の内方に窪ませた一個以上、図では二個の凹部8,9を、隆起部5,6から独立させて設ける。これによれば、凹部8,9に雪が入り込むことによる雪柱剪断力を、隆起部5,6での雪柱剪断力とは別個独立して発揮させることができて、雪上トラクション性能を大きく向上させることができる。
このように凹部8,9を隆起部5,6から独立させたときは、タイヤの負荷転動に伴って、たとえば、トレッド端Eの凹部8,9内に生じることのあるクラックの、隆起部5,6への進展、さらにはサイドウォール部2への進展を、凹部8,9と隆起部5,6との間に介在させた上記の段差部9a、表面部分4bないしは細溝等で防ぐことができる。
なお、上記のセンターリブ11および、各ブロック13〜15のそれぞれには、少なくとも一端側で周囲のラグ溝10ないし連通溝12に開口する直線状もしくは、少なくとも一部がジグザグ状の複数本のサイプ16を形成している。
このことによれば、図1,2に示すように、前記延長部分10aの折れ曲がり箇所10bの先端で延長部分10aを閉塞するように立ち塞がる急傾斜面5aが、その急傾斜面5aの、回転方向Xの前方側で、トレッド踏面3からラグ溝10を経て送給される雪をも押し固めるべく機能して、そこでの雪柱剪断力が増加することから、雪上トラクション性能のさらなる向上をもたらすことができる。
2 サイドウォール部
3 トレッド踏面
4 バットレス部表面
4a 窪み部分
5,6,25,26 隆起部
5a,6a,25a,26a 急傾斜面
5b,6b,25b,26b 緩傾斜面
5c,6c 頂部
7 段差部分
8,9 凹部
9a 段差部
10 ラグ溝
10a ラグ溝の延長部分
10b 折れ曲がり箇所
10c 幅方向延在部分
10d 突出溝部
11 センターリブ
12 連通溝
13 センター側ブロック
14 中間ブロック
15 ショルダー側ブロック
16 サイプ
17 浅溝
X 回転方向
E トレッド端
C タイヤ赤道面
A バットレス部表面の表面領域
P1,P2 急傾斜面、緩傾斜面の端点
α,β 急傾斜面、緩傾斜面の傾き角度
θ 隆起部の傾斜角度
Claims (4)
- トレッド部と、該トレッド部から連続してタイヤ半径方向内側に延びる一対のサイドウォール部と、各サイドウォール部のタイヤ半径方向内側に連続する一対のビード部とを具える、車両が前進する回転方向を指定して用いる空気入りタイヤであって、
前記トレッド部に形成されるトレッド踏面のトレッド端から、前記サイドウォール部に到るまでの間のバットレス部の該表面よりもタイヤ幅方向の内側に入り込んだ表面領域に、サイドウォール部側からトレッド端に向けて延びる隆起部を設け、
前記隆起部が、バットレス部表面に対し、前記回転方向の前方側に傾いて前記バットレス部表面からタイヤ内側へ向けて延びる、勾配の急な急傾斜面、および、該急傾斜面から前記回転方向の後方側に延び、該急傾斜面に比して前記バットレス部表面からタイヤ内側へ向かう傾斜が緩やかな緩傾斜面を有するとともに、前記隆起部が、タイヤ半径方向に対し、該隆起部の、サイドウォール部側の部分よりもトレッド端側の部分で、前記回転方向の前方側に向けて傾斜してなる空気入りタイヤ。 - 二個以上の前記隆起部を、トレッド周方向に相互に隣接させて配置してなる、請求項1に記載の空気入りタイヤ。
- 前記トレッド踏面に、トレッド周方向に対し傾斜して延びてトレッド端に到るラグ溝を設けるとともに、該ラグ溝を、前記バットレス部表面まで延長させて形成し、バットレス部表面で、前記ラグ溝の延長部分が、前記回転方向の後方側に向けて折れ曲がって延びて、前記隆起部の急傾斜面に到達するものとしてなる、請求項1もしくは2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記隆起部を、トレッド端に達する手前まで延在させ、
前記バットレス部表面の、トレッド端への隣接領域に、トレッド踏面に開口するとともに該バットレス部表面より窪ませた一個以上の凹部を、前記隆起部から独立させて設けてなる、請求項1〜3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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