JP5908320B2 - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アイドルストップ制御を行う車両における内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
従来より、アイドルストップ後の内燃機関の再始動時における燃費改善技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2010−223174号公報
特許文献1に係る燃料噴射装置は、内燃機関の排気系に設けられたヒータレスのO センサで検知された酸素濃度で検出される空燃比を燃料噴射量にフィードバックして空燃比の最適化するO フィードバック制御を行っており、O センサの検出値に基づくO フィードバック係数を1パラメータとして燃料噴射量を決定している。
このO フィードバック係数アイドルストップ直前の値を記憶し、内燃機関の再始動時に所定時間増量噴射を行った後に、記憶しておいたO フィードバック係数での噴射量制御を行う方法が開示されている。
このような制御によれば、内燃機関の再始動時、予め記憶しておいたO フィードバック係数に早めに復帰できるため、より低燃費にすることができる。
しかし、内燃機関の再始動時直後の増量噴射時間については、エンジン水温に応じて設定すると説明されているが、具体的な方法は開示されていない。
エンジン水温(または油温)とO センサの素子温度との間に相関関係はあるものの、必ずしも一対一で対応するとは限らない。
従って、実際には、内燃機関の温度に応じて増量噴射時間を設定するよりも、アイドルストップ中にO センサの素子温度が不活性になっている可能性を考慮して、O センサが確実に活性温度に達するよう余裕を持った一定時間(例えば、5秒間)の増量噴射を行うことが行われていた。
この増量噴射時間は、アイドルストップの時間が非常に長い等、現実的に考えられるO センサがかなり冷える条件を想定したものであるため、通常のアイドルストップ時に適用するには長過ぎる場合も多い。
したがって、増量噴射時間を一定時間とする制御は、低燃費化の観点から課題となる。
本発明は、かかる点に鑑みなされたもので、その目的とする処は、アイドルストップ後の内燃機関の再始動時における増量噴射時間をO センサの活性化に基づき最適化して低燃費化を図ることができる内燃機関の燃料噴射制御装置を供する点にある。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、
車両に搭載される内燃機関の吸気系に燃料を噴射する燃料噴射装置(60)と、
内燃機関の排気系に設けられるO センサ(61)と、
所定のアイドルストップ制御条件を満たすとアイドルストップ制御に入り内燃機関を停止に導き、所定の再始動条件を満たすと内燃機関を再始動するアイドルストップ制御手段(51)とを備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、
アイドルストップ後の内燃機関の再始動時における前記O センサ(61)の素子温度である再始動時O センサ温度(Y)を、アイドルストップに入る直前の内燃機関の運転状態であるIS直前運転状態およびアイドルストップ領域(Re)のアイドルストップ経過時間(xe)から推測する再始動時O センサ温度推測手段(53)と、
前記再始動時O センサ温度推測手段(53)が推測した再始動時O センサ温度(Y)に基づき燃料増量噴射時間(Tr)を設定する増量噴射時間設定手段(54)とを備え、
内燃機関の再始動時点から前記増量噴射時間設定手段(54)が設定した燃料増量噴射時間(Tr)だけ前記燃料噴射装置(60)をオープン制御して燃料を増量して噴射し、その後前記O センサ(61)が検出する酸素濃度に基づくO フィードバック制御に入る内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
前記アイドルストップ制御手段(51)は、
前記スロットル全閉領域内に、燃料噴射を行わないフューエルカット領域(Rb)を設定し、
前記スロットル全閉領域(Rbc)内に、前記フューエルカット後に機関回転数がアイドル回転数に低下する低下領域(Rc)を設定し、
前記再始動時O センサ温度推測手段(53)は、
前記IS直前運転状態として、
前記フューエルカット領域(Rb)の時間幅(xb)から該フューエルカット領域(Rb)におけるO センサ温度の温度低下量(b・xb)を推測し、
前記温度低下量(b・xb)から求められるフューエルカット領域(Rb)の終端における温度であるFC終端温度と前記O センサ(61)のアイドル回転数における収束温度である所定のアイドル温度との温度差(ΔY)から該低下領域(Rc)における前記O センサ(61)の低下温度勾配(c)を求め、
前記低下領域(Rc)の時間幅(xc)と前記低下温度勾配(c)から該低下領域(Rc)の温度低下量(c・xc)を推測することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置である。
請求項2記載の発明は、
請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記アイドルストップ制御手段(51)は、
前記IS直前運転状態では、アイドル回転数より高回転の機関回転数からアクセルスロットル弁(35v)を全閉にすることで、アイドル回転数に移るスロットル全閉領域(Rbc)を設定し、
再始動時O センサ温度推測手段(53)は、前記スロットル全閉領域(Rbc)の初期のO センサ初期温度(a)をアクセルスロットル弁(35v)を全閉にする直前の機関回転数から推測し、同O センサ初期温度(a)を初期温度として再始動時O センサ温度(Y)を推測することを特徴とする。
請求項3記載の発明は、
請求項1または請求項2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、
前記アイドルストップ制御手段(51)は、
前記IS直前運転状態では、前記スロットル全閉領域の後、所定時間のアイドル領域(Rd)と該アイドル領域(Rd)後の機関回転数が0に落ちる機関減速停止領域(Rd´)とを設定し、
前記再始動時O センサ温度推測手段(53)は、
前記アイドル領域(Rd)と前記機関減速停止領域(Rd´)における前記O センサ(61)の温度低下量(d)を推測することを特徴とする。
請求項4記載の発明は、
請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の内燃機関の燃料噴射制御装置において、 前記アイドルストップ経過時間(xe)から前記アイドルストップ領域(Re)の前記O センサ(61)の温度低下量(e・xe)が推測されることを特徴とする。
出願人は研究の結果、多くの車両でヒータレスのO センサ温度(O センサの素子温度)は、機関回転数のピーク回転領域やアイドル領域を除いて、内燃機関の運転状態と略一対一の対応関係にあることを発見した。
そこで、請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、アイドルストップに入る直前の内燃機関の運転状態であるIS直前運転状態からアイドルストップに入る直前のO センサ温度を推測することができ、推測されたO センサ温度からアイドルストップ経過時間を考慮すれば、再始動時O センサ温度(Y)を比較的精度良く推測することができる。
アイドルストップ制御手段(51)が、スロットル全閉領域(Rbc)内に燃料噴射を行わないフューエルカット領域(Rb)を設定する。
フューエルカット領域(Rb)では、O センサ(61)は外気温と略同等の温度である吸気に晒される。
吸気の温度は排気ガス温度よりはるかに低いため、O センサ温度はフューエルカット領域(Rb)で一気に低下することになる。
そこで、フューエルカット領域(Rb)のO センサ温度の温度低下勾配(b)を実験等で求めておけば、該フューエルカット領域(Rb)の時間幅(xb)を計測することで、該フューエルカット領域(Rb)のO センサ温度の温度低下量(b・xb)を精度良く推測することができる。
アイドルストップ制御手段(51)が、スロットル全閉領域内に、前記フューエルカット後に機関回転数がアイドル回転数に低下する低下領域(Rc)を設定する。
この低下領域(Rc)で、O センサ温度は緩い勾配で温度低下するが、この勾配は、フューエルカット終了直後のO センサ温度であるFC終端温度とアイドル温度との温度差(ΔY)によって変わる。
そこで、低下領域における温度低下勾配(c)を実験等によって求めておけば、該低下領域(Rc)の時間幅(xc)を計測することで、該低下領域(Rc)のO センサ温度の温度低下量(c・xc)を精度良く推測することができる。
再始動時O センサ温度(Y)に基づき燃料増量噴射時間(Tr)を設定し、燃料増量噴射時間(Tr)だけ燃料噴射装置をオープン制御して燃料を増量して噴射することで、O センサが活性温度になるまでの増量補正を必要最小限に抑えられるため、早期にO フィードバック制御に復帰することと燃費の向上を両立することができる。
請求項2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、単位時間にO センサ(61)が何サイクル分排気ガスに晒されたかを示すパラメータである機関回転数、特にアクセルスロットル弁(35v)を全閉にする直前の機関回転数からスロットル全閉領域(Rbc)のO センサ初期温度(a)を推測でき、同O センサ初期温度(a)を初期温度として再始動時O センサ温度(Y)を推測することができる。
請求項3記載の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、アイドルストップ制御手段(51)が、スロットル全閉領域の後、所定時間のアイドル領域(Rd)と該アイドル領域後の機関回転数が0に落ちる機関減速停止領域(Rd´)とを設定する。
アイドル領域(Rd)と機関減速停止領域(Rd´)は運転状態の影響を受け難く、O センサ温度の低下に関しては1つの領域として扱い、車両ごとに実験等により該アイドル領域(Rd)と機関減速停止領域(Rd´)におけるO センサ温度の温度低下量(d)を求めることができ、該アイドル領域(Rd)と機関減速停止領域(Rd´)のO センサ温度の温度低下量(d)を精度良く推測することができる。
請求項4記載の内燃機関の燃料噴射制御装置によれば、アイドルストップ領域(Re)のO センサ温度の低下勾配(e)を実験等により求めておけば、アイドルストップ経過時間(xe)を計測することで、アイドルストップ領域(Re)のO センサ温度の温度低下量(e・xe)を精度良く推測することができる。
本発明の一実施の形態に係る自動二輪車の全体側面図である。 燃料噴射制御装置の簡略システム図である。 再始動時O センサ温度Yと燃料増量噴射時間Trの対応関係を示すグラフである。 内燃機関の1運転状態からアイドルストップに入り再始動したときのO センサ温度と機関回転数の変化を示すグラフである。 内燃機関の別の運転状態からアイドルストップに入り再始動したときのO センサ温度と機関回転数の変化を示すグラフである。 内燃機関のまた別の運転状態からアイドルストップに入り再始動したときのO センサ温度と機関回転数の変化を示すグラフである。 内燃機関のさらに別の運転状態からアイドルストップに入り再始動したときのO センサ温度と機関回転数の変化を示すグラフである。
以下、本発明に係る一実施の形態について図1ないし図7に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した一実施の形態に係るスクータ型の自動二輪車1の側面図である。
車体前部2と車体後部3とが、低いフロア部4を介して連結されており、車体の骨格をなす車体フレームは、概ねダウンチューブ6とメインパイプ7とからなる。
すなわち車体前部2のヘッドパイプ5からダウンチューブ6が下方へ延出し、同ダウンチューブ6は下端で水平に屈曲してフロア部4の下方を後方へ延び、その後端において左右一対のメインパイプ7が連結され、メインパイプ7は該連結部から斜め後方に立ち上がって所定高さで水平に屈曲して後方に延びている。
同メインパイプ7により燃料タンクや収納ボックスが支持され、その上方にシート8が配置されている。
一方車体前部2においては、ヘッドパイプ5に軸支されて上方に操向ハンドル11が設けられ、下方にフロントフォーク12が延びてその下端に前輪13が軸支されている。
メインパイプ7の斜め傾斜部の中央付近にブラケット15が突設され、同ブラケット15に軸支されたリンク部材16を介してパワーユニット20が揺動自在に連結支持されている。
パワーユニット20は、ユニットケース21の前部に内燃機関30が構成され、内燃機関30から後方にかけてベルト式無段変速機が配設され、その後部に減速ギヤ機構を一体に備えたもので、減速ギヤ機構の出力軸が後車軸で後輪17が取り付けられる。
該パワーユニット20は、ユニットケース21の前部において前面上部に左右一対のパワーユニットハンガ21h,21hが前方に突出しており、前記リンク部材16の下端にピボット軸19を介してパワーユニットハンガ21h,21hが連結され、他方で揺動自在の後部においてユニットケース21の後端のブラケット27と前記メインパイプ7との間にリヤクッション18が介装されている(図1参照)。
内燃機関30は、単気筒の4ストロークサイクル内燃機関で、ユニットケース21の前面からシリンダブロック31、シリンダヘッド32およびシリンダヘッドカバー33が重ねられて略水平に近い状態にまで大きく前傾した姿勢で突出している。
シリンダヘッド32における上側の吸気ポートから上方に延出し後方へ屈曲した吸気管34にアクセルスロットル弁35vを内蔵するスロットルボディ35が接続され、同スロットルボディ35より後方へ延出した連結管36がユニットケース21の後半部に後輪17の左側に沿って配置されたエアクリーナ37に接続されている。
また、シリンダヘッド32における下側の排気ポートから下方に延出し後方へ屈曲した排気管38が右寄りに偏って後方へ延びて後輪17の右側のマフラー39(図2参照)に接続される。
そして、内燃機関30の吸気管34には燃料噴射弁60が吸気ポートに燃料を噴射するように設けられている。
また、内燃機関30の排気ポートまたは排気管38には、排気中の酸素濃度を検知するO センサ61が設けられている。
内燃機関30はECU(エンジン制御ユニット)50により制御される。
燃料噴射弁60による燃料噴射制御もECU50で行われ、この燃料噴射制御装置の簡略システム図を図2に示す。
ECU50は、所定のアイドルストップ制御条件を満たすとアイドルストップ制御に入り内燃機関を停止に導き、所定の再始動条件を満たすと内燃機関を再始動するアイドルストップ制御手段51と、燃料噴射弁60を駆動制御する燃料噴射制御手段52を備えている。
燃料噴射制御手段52は、アイドルストップ後の内燃機関の再始動時における前記O センサ61の素子温度である再始動時O センサ温度Yを推測する再始動O センサ温度推測手段53と燃料増量噴射時間Trを設定する増量噴射時間設定手段54を含んでいる。
ECU50には、O センサ61から検出酸素濃度、機関回転数センサ62から機関回転数、スロットル開度センサ63からスロットル開度、吸気温センサ64から吸気温度、水温/油温センサ65から機関温度等が入力され、内燃機関30の運転状態が監視され、運転状態に応じて燃料噴射制御手段52は燃料噴射弁60の燃料噴射制御を行う。
O センサ温度(O センサの素子温度)は、機関回転数のピーク回転領域やアイドル領域を除いて、内燃機関の運転状態と略一対一の対応関係にあることから、
アイドルストップに入る直前の内燃機関の運転状態であるIS直前運転状態からアイドルストップに入る直前のO センサ温度を推測することができ、推測されたO センサ温度からアイドルストップ経過時間を考慮すれば、再始動時O センサ温度Yを比較的精度良く推測することができる。
この再始動時O センサ温度Yが高ければ、再始動時の増量燃料噴射量は少なくてすみ、すなわち燃料増量噴射時間Trを短くして早期にO フィードバック制御に復帰させることができ、再始動時O センサ温度Yが低ければ、燃料増量噴射時間Trを長くしてO センサ61の活性化を促し、できるだけ早くO フィードバック制御に復帰させることができる。
そこで、再始動時O センサ温度Yと燃料増量噴射時間Trの対応関係を実験等により予め求めてあり、その対応関係のグラフを図3に示す。
再始動時O センサ温度Yに対して燃料増量噴射時間Trは直線的に右肩下がりの変化し、再始動時O センサ温度Yが高くなるほど燃料増量噴射時間Trは短くなる。
燃料増量噴射時間Trは最大でも5秒間であり、再始動時O センサ温度Yが約320℃を越えているときは、燃料増量噴射時間Trは0秒で、再始動時に燃料増量噴射はせず、直ぐにO フィードバック制御に入ることになる。
以下、内燃機関の各種運転状態からアイドルストップに入り再始動したときのO センサ温度と機関回転数の変化を、図4ないし図7に示し説明する。
図4は、内燃機関が高い機関回転数で運転されていたときから減速して停車するときのO センサ温度と機関回転数の変化を示している。
図4において、O センサ温度の変化を実線で示し、機関回転数の変化を破線で示している。
機関回転数が0rpmとなっているt5〜t6の間の領域が、アイドルストップ領域Reであり、t6時点が内燃機関の再始動時である。
アイドルストップ領域Reに入る直前の内燃機関の運転状態であるIS直前運転状態において、アクセルスロットル弁35vを全閉にすることで、アイドル回転数に移るスロットル全閉領域Rbcが設定されている。
図4において、t1〜t3の間がスロットル全閉領域Rbcである。
内燃機関の機関回転数は、単位時間にO センサ61が何サイクル分排気ガスに晒されたかを示すパラメータであり、したがって、アクセルスロットル弁35vを全閉にする直前(t1時点近辺)の機関回転数からスロットル全閉領域Rbcの初期(t1時点近辺)におけるO センサ温度であるO センサ初期温度aが推測することができる。
O センサ初期温度aは、再始動時O センサ温度Yを推測するときの初期温度となる。
このO センサ初期温度aは、吸気温度によって補正可能であり、吸気温度が低いほどO センサ初期温度aも低くなる。
吸気温度は、燃料噴射システムに設けられた吸気温センサ64によって検出できる。
なお、スロットル開度が大きい程、燃料の消費量が増え、排気ガスの有する熱量も増すことから、O センサ初期温度aを、アクセルスロットル弁35vを全閉にする直前(t1時点近辺)のスロットル開度から推測するようにしてもよい。
前記スロットル全閉領域Rbc内には、燃料噴射を行わないフューエルカット領域Rbが設定されている。
図4において、t1〜t2の間がフューエルカット領域Rbである。
フューエルカット領域Rbでは、O センサ(61)は外気温と略同等の温度である吸気に晒される。
吸気の温度は排気ガス温度よりはるかに低いため、O センサ温度はフューエルカット領域Rbで一気に低下することになる。
そこで、フューエルカット領域RbのO センサ温度の温度低下勾配bを実験等で求めておけば、該フューエルカット領域Rbの時間幅xbを計測することで、該フューエルカット領域RbのO センサ温度の温度低下量は、温度低下勾配bに時間幅xbを乗算したb・xbとして精度良く推測することができる。
なお、この温度低下勾配bは、吸気温度によって補正可能であり、吸気温度が低いほど温度低下勾配bは大きい。
したがって、フューエルカット領域Rbの終了直後のO センサ温度であるFC終端温度は、O センサ初期温度aからフューエルカット領域RbのO センサ温度の温度低下量b・xbを減算したa−b・xbとして演算できる。
スロットル全閉領域Rbc内には、前記フューエルカット領域Rb後に機関回転数がアイドル回転数に低下する低下領域Rcが設定されている。
図4において、t2〜t3の間が低下領域Rcである。
この低下領域Rcで、O センサ温度は緩い勾配で温度低下するが、この勾配cは、フューエルカット終了直後のO センサ温度であるFC終端温度a−b・xbとアイドル温度Yi(実施例では約400℃の一定温度)との温度差ΔY(=a−b・xb−Yi)によって変わる。
そこで、低下領域Rcにおける温度低下勾配cを実験等によって求めておけば、該低下領域Rcの時間幅xcを計測することで、該低下領域RcのO センサ温度の温度低下量は、温度低下勾配cに時間幅xcを乗算したc・xcとして精度良く推測することができる。
したがって、低下領域Rcの終了時(t3時点)のO センサ温度は、FC終端温度a−b・xbから温度低下量c・xcを減算したa−b・xb−c・xcとして演算できる。
なお、温度低下勾配cは、内燃機関や完成車の仕様によって変わる。
スロットル全閉領域Rbcの後、所定時間のアイドル領域Rdと該アイドル領域Rd後の機関回転数が0に落ちアイドルストップに入る機関減速停止領域Rd´とが設定されている。
図4において、t3〜t4の間がアイドル領域Rdであり、一定時間に決められており、t4〜t5の間が機関減速停止領域Rd´である。
機関回転数は、アイドル領域Rdで若干上昇し、機関減速停止領域Rd´では下降して0となっている。
一方、O センサ温度は、アイドル領域Rdで略維持され、アイドル領域Rdが終了したところで一気に若干下降した後に機関減速停止領域Rd´で緩やかに下降しているが、O センサ温度に関してアイドル領域Rdと機関減速停止領域Rd´は、内燃機関の運転状態の影響を受け難い領域であり、したがって、アイドル領域Rdと機関減速停止領域Rd´を1つの領域として扱い、車両ごとに実験等によりアイドル領域Rdと機関減速停止領域Rd´におけるO センサ温度の温度低下量dを求めておくことができる。
なお、温度低下量dは、吸気温度によって補正可能であり、吸気温度が低いほど温度低下勾配bは大きい。
この温度低下量dは精度の良い推測値である。
したがって、機関減速停止領域Rd´の終了時(t5時点)のO センサ温度は、低下領域Rcの終了時(t3時点)のO センサ温度a−b・xb−c・xcから温度低下量dを減算したa−b・xb−c・xc−dとして演算できる。
機関減速停止領域Rd´の終了時(t5時点)から始まるアイドルストップ領域Reでは、O センサ温度は時間とともに低下するので、アイドルストップ領域ReのO センサ温度の低下勾配eを、予め実験等により求めておけば、アイドルストップ経過時間xeを計測することで、アイドルストップ領域ReのO センサ温度の温度低下量は、温度低下勾配eにアイドルストップ経過時間xeを乗算したe・xeとして精度良く推測することができる。
なお、この低下勾配eは、吸気温度によって補正可能であり、吸気温度が低いほど温度低下勾配bは大きい。
したがって、アイドルストップ領域Reの終了時すなわち内燃機関の再始動時(t6時点)におけるO センサ温度すなわち再始動時O センサ温度Yは、機関減速停止領域Rd´の終了時(t5時点)のO センサ温度a−b・xb−c・xc−dから温度低下量e・xeを減算したa−b・xb−c・xc−d−e・xeとして演算できる。
すなわち、再始動時O センサ温度Yは、Y=a−b・xb−c・xc−d−e・xeとして演算されて、比較的精度良く推測することができる。
図4に示された例では、再始動時O センサ温度Yは、約360℃であり、アイドル温度Yi(約400℃)よりは低いがO センサ活性温度Ya(約300℃)よりは高く、図3の再始動時O センサ温度Yと燃料増量噴射時間Trの対応関係を示すグラフに照らしてみると、燃料増量噴射時間Trは0秒であり、よって内燃機関の再始動時に燃料増量噴射は実行せず、直ぐにO フィードバック制御に入ることになる。
なお、内燃機関の再始動は、アイドルストップ中に運転者がスロットル操作をすることで、実行される。
図5は、内燃機関が比較的低い機関回転数で運転されていたときから減速して停車するときのO センサ温度と機関回転数の変化を示している。
このときも、アイドルストップ経過時間xeが短時間であったので、再始動時O センサ温度Yはアイドル温度Yiより若干低い390℃となっている。
したがって、図3のグラフに照らしてみても燃料増量噴射時間Trは0秒であり、内燃機関の再始動時に燃料増量噴射は実行せず、直ぐにO フィードバック制御に入ることになる。
図6は、図5に示された場合と同じく、内燃機関が比較的低い機関回転数で運転されていたときから減速して停車するときのO センサ温度と機関回転数の変化を示しているが、アイドルストップ経過時間xeがより長くなっている。
したがって、再始動時O センサ温度Yはより低下して約320℃となっている。
この再始動時O センサ温度Yは、O センサ活性温度Yaより若干高く、図3のグラフに照らしてみても燃料増量噴射時間Trは略0秒であり、320℃を下回るような再始動時O センサ温度Yであれば0秒でない燃料増量噴射時間Trが設定されることになる。
図7は、図6に示す例で、アイドルストップ経過時間xeだけを延長して示したものである。
ある時点でO センサ温度は、O センサ活性温度Yaを下回っており、例えば図7に示すt6時点でスロットル操作があり内燃機関の再始動が開始されたとすると、再始動時O センサ温度Yは、約200℃であり、再始動時O センサ温度Yが200℃であると、図3のグラフに照らしてみると、燃料増量噴射時間Trは約2秒間に設定される。
したがって、内燃機関の再始動時に燃料増量噴射時間Trである約2秒間だけ燃料噴射弁60をオープン制御して燃料を増量して噴射してO センサ61の活性化を促進し、その後O センサ61が検出する酸素濃度に基づくO フィードバック制御に入ることになる。
以上のように、O センサが活性温度になるまでの増量補正を必要最小限に抑えられるため、早期にO フィードバック制御に復帰することと燃費の向上を両立することができる。
前記アイドルストップ領域ReにおけるO センサ温度の低下勾配eは、アイドルストップ経過時間xeの長さが数秒から数十秒のスパンで、短い場合、中程度の場合、長い場合のそれぞれについて、低下勾配e1,e2,e3を求めておいてもよい。
なお、e1>e2>e3の関係にある。
このような低下勾配e1,e2,e3を使用することにより、一層精度の高い再始動時O センサ温度Yを予測可能となる。
また、再始動時O センサ温度Yについては、機関温度により補正を加えてもよい。
機関温度は、内燃機関に設けられた水温/油温センサ65により検出できる。
Y…再始動時O センサ温度、Tr…燃料増量噴射時間、
Rbc…スロットル全閉領域、Rb…フューエルカット領域、Rc…低下領域、Rd…アイドル領域、Rd´…機関減速停止領域、Re…アイドルストップ領域、
30…内燃機関、35…スロットルボディ、35v…アクセルスロットル弁、
50…ECU、51…アイドルストップ制御手段、52…燃料噴射制御手段、53…再始動O センサ温度推測手段、54…増量噴射時間設定手段、
60…燃料噴射弁、61…O センサ、62…機関回転数センサ、63…スロットル開度センサ、64…吸気温センサ、65…水温/油温センサ。

Claims (4)

  1. 車両に搭載される内燃機関の吸気系に燃料を噴射する燃料噴射装置(60)と、
    内燃機関の排気系に設けられるO センサ(61)と、
    所定のアイドルストップ制御条件を満たすとアイドルストップ制御に入り内燃機関を停止に導き、所定の再始動条件を満たすと内燃機関を再始動するアイドルストップ制御手段(51)とを備えた内燃機関の燃料噴射制御装置において、
    アイドルストップ後の内燃機関の再始動時における前記O センサ(61)の素子温度である再始動時O センサ温度(Y)を、アイドルストップに入る直前の内燃機関の運転状態であるIS直前運転状態およびアイドルストップ領域(Re)のアイドルストップ経過時間(xe)から推測する再始動時O センサ温度推測手段(53)と、
    前記再始動時O センサ温度推測手段(53)が推測した再始動時O センサ温度(Y)に基づき燃料増量噴射時間(Tr)を設定する増量噴射時間設定手段(54)とを備え、
    内燃機関の再始動時点から前記増量噴射時間設定手段(54)が設定した燃料増量噴射時間(Tr)だけ前記燃料噴射装置(60)をオープン制御して燃料を増量して噴射し、その後前記O センサ(61)が検出する酸素濃度に基づくO フィードバック制御に入る内燃機関の燃料噴射制御装置であって、
    前記アイドルストップ制御手段(51)は、
    前記スロットル全閉領域内に、燃料噴射を行わないフューエルカット領域(Rb)を設定し、
    前記スロットル全閉領域(Rbc)内に、前記フューエルカット後に機関回転数がアイドル回転数に低下する低下領域(Rc)を設定し、
    前記再始動時O センサ温度推測手段(53)は、
    前記フューエルカット領域(Rb)の時間幅(xb)から該フューエルカット領域(Rb)におけるO センサ温度の温度低下量(b・xb)を推測し、
    前記温度低下量(b・xb)から求められるフューエルカット領域(Rb)の終端における温度であるFC終端温度と前記O センサ(61)のアイドル回転数における収束温度である所定のアイドル温度との温度差(ΔY)から該低下領域(Rc)における前記O センサ(61)の低下温度勾配(c)を求め、
    前記低下領域(Rc)の時間幅(xc)と前記低下温度勾配(c)から該低下領域(Rc)の温度低下量(c・xc)を推測することを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記アイドルストップ制御手段(51)は、
    前記IS直前運転状態では、アイドル回転数より高回転の機関回転数からアクセルスロットル弁(35v)を全閉にすることで、アイドル回転数に移るスロットル全閉領域(Rbc)を設定し、
    前記再始動時O センサ温度推測手段(53)は、
    前記スロットル全閉領域(Rbc)の初期のO センサ初期温度(a)をアクセルスロットル弁(35v)を全閉にする直前の機関回転数から推測し、同O センサ初期温度(a)を初期温度として再始動時O センサ温度(Y)を推測することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記アイドルストップ制御手段(51)は、
    前記IS直前運転状態では、前記スロットル全閉領域の後、所定時間のアイドル領域(Rd)と該アイドル領域(Rd)後の機関回転数が0に落ちる機関減速停止領域(Rd´)とを設定し、
    前記再始動時O センサ温度推測手段(53)は、
    前記アイドル領域(Rd)と前記機関減速停止領域(Rd´)における前記O センサ(61)の温度低下量(d)を推測することを特徴とする請求項1または請求項2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記アイドルストップ経過時間(xe)から前記アイドルストップ領域(Re)の前記O センサ(61)の温度低下量(e・xe)が推測されることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか1項記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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