以下、本発明をその一種であるパチンコ遊技機に具体化した一実施形態を図1〜図24に従って説明する。
図1に示すように、パチンコ遊技機の遊技盤10のほぼ中央には、液晶ディスプレイ型の画像表示部GHを有する演出表示装置11(表示手段、報知手段、事前演出実行手段)が配設されている。演出表示装置11には、複数列(本実施形態では3列)の図柄列を変動させて行う図柄変動ゲームを含み、該ゲームに関連して実行される各種の表示演出が画像表示される。本実施形態において演出表示装置11の図柄変動ゲームでは、複数列(本実施形態では3列)の図柄からなる図柄組み合わせを導出する。なお、演出表示装置11の図柄変動ゲームは、表示演出を多様化するための飾り図柄(演出図柄、以下、「飾図」と示す)を用いて行われる。また、以下の説明では、演出表示装置11で行われる図柄変動ゲームを、「飾図変動ゲーム」と示す場合がある。
また、演出表示装置11の右下には、複数個(本実施形態では7個)の第1特図発光部を有する第1特別図柄表示装置12aが、演出表示装置11の左下には、複数個(本実施形態では7個)の第2特図発光部を有する第2特別図柄表示装置12bが、それぞれ配設されている。第1特別図柄表示装置12a又は第2特別図柄表示装置12bでは、特別図柄(以下、「特図」と示す)を変動させて表示する変動ゲームが行われる。特図は、大当りか否かの内部抽選(大当り抽選)の結果、及び小当りか否かの内部抽選(小当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。本実施形態において、変動ゲームは、各表示装置12a,12bにおいて、特図の変動表示が開始されてから確定停止表示される迄を1回として実行される。以下、第1特別図柄表示装置12aの図柄変動ゲームを「第1特図変動ゲーム」と示し、第1特図変動ゲームで用いる特図を「特図1」と示す。また、第2特別図柄表示装置12bの図柄変動ゲームを「第2特図変動ゲーム」と示し、第2特図変動ゲームで用いる特図を「特図2」と示す。また、以下の説明で、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームを纏めて示す場合には「特図変動ゲーム」と示す。また、以下の説明で、単に「特図」と示す場合には、特図1と特図2の両図柄を示すものとする。また、単に「図柄変動ゲーム」と示す場合には、特図変動ゲームと飾図変動ゲームの両方を示すものとする。
第1特別図柄表示装置12aと第2特別図柄表示装置12bには、複数種類(本実施形態では、105種類)の特図の中から、当り抽選(大当り抽選及び小当り抽選)の抽選結果に応じて選択された特図が、特図変動ゲームの終了によって確定停止表示される。105種類の特図は、大当りを認識し得る図柄となる100種類の大当り図柄(大当り表示結果に相当する)と、小当りを認識し得る図柄となる4種類の小当り図柄(小当り表示結果に相当する)と、はずれを認識し得る図柄となる1種類のはずれ図柄とに分類される。大当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、大当り遊技が付与される。また、小当り図柄が確定停止表示された場合、遊技者には、小当り遊技が付与される。以下の説明では、「大当り遊技」と「小当り遊技」を纏めて「当り遊技」と記載する場合がある。また、「大当り」と「小当り」を纏めて「当り」と記載する場合がある。
また、演出表示装置11には、図柄列毎に複数種類の飾図が表示される。そして、各図柄列は、図柄変動ゲームが開始すると、所定の変動方向に図柄の変動(縦スクロール変動)が開始される。図柄の変動(変動表示)とは、演出表示装置11、第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bにおいて、表示図柄の種類を変化させながら図柄又は図柄列が動作している状態を示す。
演出表示装置11は、第1特別図柄表示装置12a及び第2特別図柄表示装置12bに比較して大きい表示領域で構成されるとともに、飾図は特図に比較して遥かに大きく表示される。このため、遊技者は、演出表示装置11に確定停止表示された飾図から当り又ははずれを認識し得る。そして、演出表示装置11には、特図変動ゲームの表示結果に応じた表示結果が表示される。
特図変動ゲームで大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合には、原則、演出表示装置11にも大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図による大当り図柄は、全列の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせ([222],[777]など)とされている。
また、特図変動ゲームではずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される場合には、原則、演出表示装置11にもはずれ図柄(はずれ表示結果)が確定停止表示される。本実施形態において、飾図によるはずれ図柄は、原則、全列の図柄が異なる図柄となる図柄組み合わせ([135],[246]など)、又は1列の図柄が他の2列の図柄とは異なる図柄となる図柄組み合わせ([151],[767]など)とされている。
また、特図変動ゲームで小当り図柄(小当り表示結果)が確定停止表示される場合には、演出表示装置11に確変示唆図柄(確変示唆表示結果)が確定停止表示される。また、特図変動ゲームで大当りを認識し得る大当り図柄(大当り表示結果)が確定停止表示される場合でも、演出表示装置11に確変示唆図柄(確変示唆表示結果)が確定停止表示される場合もある。なお、確変示唆図柄は、大当り抽選の抽選確率が低確率(通常確率)状態から高確率状態に変動する確率変動状態(以下、「確変状態」と示す)が付与される可能性があることを示唆する図柄である。本実施形態において、飾図による確変示唆図柄は、はずれの図柄組み合わせの中でも、特定の図柄組み合わせ([123]や[121]など)が該当する。
また、演出表示装置11では、遊技者側から見て左列→右列→中列の順に図柄列の変動が停止するとともに、変動停止によって図柄列毎に飾図が一旦停止表示される。そして、本実施形態では、特定の複数列(左右の2列)の図柄が同一図柄となる図柄組み合わせが、リーチの図柄組み合わせとなる。図柄の変動が停止するとは、演出表示装置11において図柄が停止表示されている状態を示す。そして、停止表示には、図柄がゆれ変動状態で表示されている一旦停止表示と、図柄が確定停止している確定停止表示とがある。本実施形態では、複数の図柄列のうち左列が第1停止列、右列が第2停止列、中列が第3停止列(最終停止列)となり、左列及び右列がリーチを形成するリーチ形成列となる。そして、本実施形態では、第2停止列に図柄を導出してリーチを形成した後、最終停止列に図柄を導出するまでに行われる演出が、リーチ演出となる。なお、以下の説明では、「リーチ演出」を「リーチ変動」と示す場合がある。
第1特別図柄表示装置12aの左下には、複数個(本実施形態では2個)の第1特図保留発光部を有する第1特別図柄保留表示装置13aが配設されている。第1特別図柄保留表示装置13aは、機内部で記憶した特図1用の始動保留球(第1始動保留球)の記憶数を遊技者に報知する。以下、第1始動保留球の記憶数を「第1保留記憶数」と示す。第1保留記憶数は、遊技盤10に配設した第1始動入賞口14に遊技球が入球することで「1」加算される一方で、第1特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に第1始動入賞口14へ遊技球が入球すると、第1保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。
第2特別図柄表示装置12bの右下方には、複数個(本実施形態では2個)の第2特図保留発光部を有する第2特別図柄保留表示装置13bが配設されている。第2特別図柄保留表示装置13bは、機内部で記憶した特図2用の始動保留球(第2始動保留球)の記憶数を遊技者に報知する。以下、第2始動保留球の記憶数を「第2保留記憶数」と示す。第2保留記憶数は、遊技盤10に配設した第2始動入賞口15に遊技球が入球することで「1」加算される一方で、第2特図変動ゲームの開始により「1」減算される。したがって、図柄変動ゲーム中に第2始動入賞口15へ遊技球が入球すると、第2保留記憶数は更に加算されるとともに、所定の上限数(本実施形態では「4」)まで累積される。
また、第2特別図柄保留表示装置13bの右下方には、複数個(本実施形態では2個)の普図発光部を有する普通図柄表示装置20が配設されている。普通図柄表示装置20では、複数種類の普通図柄を変動させて表示する普通図柄変動ゲームが行われる。普通図柄は、普通当りか否かの内部抽選(普通当り抽選)の結果を示す報知用の図柄である。なお、以下、普通図柄を「普図」と示し、普通図柄ゲームを「普図ゲーム」と示す。また、この普図ゲームにおいても、遊技盤10に配設した作動ゲート19に遊技球が通過(入球)することで普図用の始動保留球(普図始動保留球)が記憶される。この普図始動保留球の記憶数(普図保留記憶数)は、作動ゲート19への遊技球の通過により、所定の上限数(本実施形態では「4」)を上限として「1」加算される一方で、普図ゲームの開始により「1」減算される。
また、本実施形態において、第1特図変動ゲームと第2特図変動ゲームとが同時に実行されないように構成されており、特図変動ゲームが終了した場合に第1保留記憶数と第2保留記憶数とが共に「1」以上であるときには、第2保留記憶数に基づく第2特図変動ゲームが優先して実行される。また、本実施形態において、特図変動ゲームと普図ゲームとは同時に実行可能である。
また、画像表示部GHの下方領域には、第1保留記憶数を画像表示するための第1保留画像表示領域(保留記憶数表示手段)Haと、第2保留記憶数を画像表示するための第2保留画像表示領域Hbが、各別に形成されている。第1,第2保留画像表示領域Ha,Hbは、各保留記憶数の上限数に対応する4つの個別表示領域を有して構成されている。そして、各保留画像表示領域Ha,Hbでは、各保留記憶数に対応する個数の個別表示領域が、保留有表示の態様で画像表示される。例えば、保留記憶数「2」の場合には、対応する2個の個別表示領域が保留有表示の態様で画像表示される一方で、残りの個別表示領域が保留無表示の態様で画像表示される。すなわち、個別表示領域は、始動保留球毎に個別対応している。なお、図1では、第1保留記憶数の保留有表示の態様を左下がりの斜線で示すとともに、第2保留記憶数の保留有表示の態様を右下がりの斜線で示している。第1保留画像表示領域Haと第2保留画像表示領域Hbは、遊技者が常に注目する画像表示部GHに形成されている。このため、遊技者は、第1保留画像表示領域Haと第2保留画像表示領域Hbのそれぞれにおいて保留有表示の態様で画像表示された個別表示領域の個数から、第1保留記憶数及び第2保留記憶数を認識する。
そして、本実施形態では、第1保留画像表示領域Haを用いて後に詳述する事前演出を実行させるようになっている。事前演出は、当該演出の対象となる始動保留球に基づく図柄変動ゲームが実行される以前に、当該ゲームが大当りとなる可能性があることを予告する演出である。事前演出は複数設定されており、特に第1保留画像表示領域Haを用いた事前演出では、当該演出の対象となる始動保留球に対応する個別表示領域の保留有表示の態様(報知態様)を、他の個別表示領域の保留有表示の態様とは異なる態様とすることによって実行される。具体的には、第1個別表示領域Ha1〜Ha4が、通常色(青色)とは異なる色で発光することによって、演出が実行される。以下、第1保留画像表示領域Haを用いた事前演出を「保留変化演出」と示す。
演出表示装置11の下方には、遊技球の第1入賞口14aを有する、検知手段を構成する第1始動入賞口14が配設されている。第1始動入賞口14の奥方には入球した遊技球を検知する第1始動口スイッチSW1(図5に示す)が配設されている。第1始動入賞口14は、入球した遊技球を第1始動口スイッチSW1で検知することにより、第1特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、第1始動入賞口14の下方には、遊技球の第2入賞口15aを有する、検知手段を構成する第2始動入賞口15が配設されている。第2始動入賞口15は普通電動役物とされ、普通電動役物ソレノイドSOL1(図5に示す)の作動により開閉動作を行う開閉部材としての開閉羽根16を備えている。第2始動入賞口15は、開閉羽根16の開動作により入口が拡大されて遊技球が入球し易い開状態(第1状態)とされる一方で、開閉羽根16の閉動作により入口が拡大されずに遊技球が入球し難い閉状態(第2状態)とされる。そして、第2始動入賞口15の奥方には入球した遊技球を検知する第2始動口スイッチSW2(図5に示す)が配設されている。第2始動入賞口15は、入球した遊技球を第2始動口スイッチSW2で検知することにより、第2特図変動ゲームの始動条件と予め定めた個数の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。
また、演出表示装置11の右方には、作動ゲート19が配設されている。作動ゲート19の奥方には、通過した遊技球を検知するゲートスイッチSW4(図5に示す)が配設されている。作動ゲート19は、通過した遊技球をゲートスイッチSW4で検知することにより、普図ゲームの始動条件を付与し得る。普図ゲームは、第2始動入賞口15の開閉羽根16を開状態とするか否かの抽選結果を導出するために行われる演出である。即ち、普通当り抽選に当選すると、開閉羽根16の開放によって第2始動入賞口15に遊技球を入球させ易くなり、遊技者は、第2特図変動ゲームの始動条件と賞球を容易に獲得できる機会を得ることができる。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率を低確率状態から高確率状態に変動(向上)させる確率変動(以下「確変」と示す)状態を付与可能に構成されている。本実施形態において確変状態は、次回大当り遊技が生起されるまでの間、付与される。確変状態は、大当り抽選の当選確率が高確率に変動して大当りが生起され易くなるため、遊技者にとって有利な状態となる。なお、「次回大当り遊技が生起されるまで」という期間は、低確率状態時における大当り抽選の抽選確率(本実施形態では、205/65536≒1/320)の逆数よりも小さい回数で確変状態が終了しない期間でもある。
また、本実施形態のパチンコ遊技機は、変動時間短縮(以下、「変短」と示す)機能を備えている。変短機能は、普図ゲームの変動時間が短縮されるとともに、作動ゲート19の通過に基づく普図当り抽選の抽選確率を低確率状態から高確率状態に変動させる変短状態を付与する機能である。変短状態は、次回大当りが生起されるまでの間、予め定めた回数の図柄変動ゲームが行われるまでの間、又は前記回数に達する前に大当りが生起されるまでの間、付与される。なお、変短状態が付与されると、非変短状態時に比して、普図当りか否かの普図当り判定(普図当り抽選)の当選確率が高くなる。また、変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間は、非変短状態時に行われる普図ゲームの変動時間よりも短縮される。さらに、普図当りとなる普図ゲームの終了後、普図当り時の遊技状態に応じて開閉羽根16の開放態様が異なる。具体的には、非変短状態には開閉羽根16が、第1開放時間(例えば、0.2(秒))で第1回数(例えば、1(回))分開放される一方で、変短状態時には開閉羽根16が、第2開放時間(例えば、1.5(秒))で第2回数(例えば、3(回))分開放される。また、変短状態では、変短状態が付与されていないとき(以下、「非変短状態」と示す)と比べて、特図変動ゲーム(及び飾図変動ゲーム)の変動時間が短縮される場合がある。変短状態は、開閉羽根16が遊技者にとって有利に動作し、単位時間当りの第2始動入賞口15への入球率が向上するため、遊技者にとって有利な状態となり得る。そして、変短状態は、開閉羽根16の単位時間あたりの開放時間の増加を伴う開放時間増加状態であって、開放時間の増加によって入球率が向上する入球率向上状態でもある。
また、第2始動入賞口15の下方には、大入賞口ソレノイドSOL2(図5に示す)の作動により開閉動作を行う大入賞口扉17を備えた大入賞口18が配設されている。大入賞口18の奥方には、入球した遊技球を検知するカウントスイッチSW3(図5に示す)が配設されている。大入賞口18は、入球した遊技球をカウントスイッチSW3で検知することにより、予め定めた個数(例えば、15個)の賞球としての遊技球の払出条件を付与し得る。大入賞口18は、当り遊技中に大入賞口扉17の開動作によって開放されることで遊技球の入球が許容される。このため、当り遊技中、遊技者は、賞球を獲得できる機会を得ることができる。
以下、本実施形態のパチンコ遊技機に規定する大当り遊技及び小当り遊技について図2に従って説明する。また、以下の説明では、パチンコ遊技機の遊技状態として、非確変状態、かつ非変短状態を「低確+変短なし」と示すとともに、非確変状態、かつ変短状態を「低確+変短あり」と示す。また、確変状態、かつ非変短状態を「高確+変短なし」と示すとともに、確変状態、かつ変短状態を「高確+変短あり」と示す。なお、図2において「ラウンド遊技時間」で示す項目に記載した各種値は、大当り遊技を構成する1回のラウンド遊技時間を示しているが、小当り遊技に関しては、1回あたりの大入賞口18の開放時間を示している。
大当り遊技は、大当り抽選で大当りに当選し、第1特図変動ゲーム又は第2特図変動ゲームで大当り図柄が確定停止表示されて該ゲームの終了後、開始される。大当り遊技が開始すると、最初に大当り遊技の開始を示すオープニング演出が行われる。オープニング演出の終了後には、大入賞口18が開放されるラウンド遊技が予め定めた規定ラウンド数を上限(本実施形態では、15ラウンド又は11ラウンド)として複数回行われる。1回のラウンド遊技は、大入賞口18の開閉が所定回数行われるまでであり、1回のラウンド遊技中に大入賞口18は、規定個数(入球上限個数)の遊技球が入球するまでの間、又は規定時間(ラウンド遊技時間)が経過するまでの間、開放される。また、ラウンド遊技では、ラウンド演出が行われる。そして、大当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われ、大当り遊技は終了される。
本実施形態のパチンコ遊技機では、大当り抽選に当選した場合、図2に示す4種類の大当りの中から1つの大当りが決定され、その決定された大当りに基づく大当り遊技が付与される。4種類の大当りのうち、何れの大当りとするかは、大当り抽選に当選した場合に決定する特図(大当り図柄)の種類に応じて決定される。本実施形態において100種類の特図の大当り図柄は、特図毎に分類される。
図柄Aには、特図1の大当り図柄として15種類が、図柄Bには、特図1の大当り図柄として27種類が、図柄Cには、特図1の大当り図柄として25種類が、図柄Dには、特図1の大当り図柄として33種類がそれぞれ振分けられている。また、図2に示す図柄Eには、特図1の小当り図柄として4種類が振分けられている。
一方、図柄aには、特図2の大当り図柄として33種類が、図柄bには、特図2の大当り図柄として34種類が、図柄dには、特図2の大当り図柄として33種類がそれぞれ振分けられている。また、図2に示す図柄eには、特図2の小当り図柄として4種類が振分けられている。
図柄A,aの大当りは、1回のラウンド遊技時間を「25秒」に定めた15ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に次の大当りに当選するまで、高確率状態と変短状態を付与する。また、以下の説明では、図柄A,aの大当りを「大当りA」と示す場合がある。
図柄B,bの大当りは、1回のラウンド遊技時間を「25秒」に定めた11ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に次の大当りに当選するまで、高確率状態と変短状態を付与する。また、以下の説明では、図柄B,bの大当りを「大当りB」と示す場合がある。
図柄Cの大当りは、1回のラウンド遊技時間を「0.04秒」に定めた11ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に次の大当りに当選するまで、高確率状態を付与する。一方、図柄Cの大当りは、当選時の遊技状態に応じて、大当り遊技終了後に異なる条件下で変短状態を付与する。具体的に言えば、当選時の遊技状態が「低確+変短なし」の場合、変短状態を付与しない。一方、当選時の遊技状態が、「低確+変短なし」以外の遊技状態の場合、次の大当りに当選するまで、変短状態を付与する。以下の説明では、図柄Cの大当りを「大当りC」と示す場合がある。
図柄D,dの大当りは、1回のラウンド遊技時間を「25秒」に定めた11ラウンド大当り遊技を付与するとともに、当選時の遊技状態に関係なく、大当り遊技終了後に低確率状態を付与する。つまり、図柄D,dの大当りは、非確変大当りとなる。一方、図柄D,dの大当りは、大当り遊技終了後に、50回の図柄変動ゲームが終了するまでを変短上限回数として変短状態を付与する。以下の説明では、図柄D,dの大当りを「大当りD」と示す場合がある。
また、図柄E,eの小当りは、小当り遊技を付与するとともに、小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り抽選の当選時における遊技状態で継続させるようになっている。なお、以下の説明では、図柄E,eの小当りを「小当りE」と示す。小当りEでは、小当り抽選の当選時に高確率状態が付与されていれば小当り遊技の終了後にも高確率状態を継続して付与させる一方、高確率状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも高確率状態を付与しない。また、小当りEでは、小当り抽選の当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技の終了後にも変短状態を継続して付与させる一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技の終了後にも変短状態を付与しない。
小当り遊技は、大入賞口18を1回あたりの開放時間を「0.04秒」として11回、開放動作させる。なお、小当り遊技における大入賞口18の開放態様は、大当りCにおける大入賞口18の開放態様と同一設定とされている。このため、大入賞口18の開放態様からは、大当りCに当選したのか、又は小当りEに当選したのかを判別し難くなっている。すなわち、大当りCと小当りEは、賞球獲得において期待はできないが、高確率状態が付与されているのかを遊技者に秘匿する状態(高確率状態であることを潜伏させる状態)を作り出すための当りとして位置付けられている。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に設定された演出モードの種類を、図4に従って説明する。
演出モードは、大当り抽選の抽選確率が、低確率状態であるか、又は高確率状態であるかを遊技者に示唆するものである。本実施形態では、非変短状態時の演出モードとして、通常モードM1aと、先読みモードM1bと、第1潜確モードM1cと、が設定されている。一方、変短状態時の演出モードとして、第2潜確モードM2と、高確確定モードM3と、が設定されている。
通常モードM1aは、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の時に滞在する演出モードである。本実施形態において通常モードM1aは、他の演出モードと比較して最も高確率状態である期待度が低い演出モードとされている。本実施形態では、通常モードM1aが、低期待度モードに相当する。
先読みモードM1bは、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の時に滞在する演出モードであって、先読みモードM1bに移行させるか否かの移行抽選に当選した場合に移行するようになっている。なお、先読みモードM1bには、最大で第1保留記憶数の上限数と同一数だけ滞在可能となっている。本実施形態では、先読みモードM1bが、特別潜確モードに相当する。また、先読みモードM1bに移行することが、事前演出に相当する。
第1潜確モードM1cは、「低確+変短なし」又は「高確+変短なし」の時に滞在するとともに、予め定めた規定回数(本実施形態では20回)だけ設定される演出モードである。そして、第1潜確モードM1cでは、その規定回数以内に予め定めた移行条件が成立することによって、図柄の背面に表示される背景画像が変化する。第1潜確モードM1cの背景画像としては、大当り抽選の抽選確率が高確率状態であることへの期待度(高確期待度)の高低に応じて、青背景と、緑背景と、赤背景とが設定されている。なお、第1潜確モードM1cの背景画像では、青背景<緑背景<赤背景の順に高確期待度が高い背景画像として位置付けられている。高確期待度とは、確変状態時の出現率と非確変状態時の出現率を合算した全体の出現率に対する確変状態時の出現率によって規定されており、全体出現率に対して高確率状態である場合の出現率の割合が高いほど高くなる。なお、赤背景は、高確率状態である場合のみ設定される。
第2潜確モードM2は、「低確+変短あり」又は「高確+変短あり」の時に滞在する演出モードである。また、高確確定モードM3は、「高確+変短あり」の時に滞在する演出モードである。
また、各演出モードでは、背景画像と、「○○モード中」のように設定されている演出モードのメッセージが演出モード毎に設定されている。演出モードに応じた背景画像とメッセージを画像表示させることにより、遊技者は、現在の演出モードを認識し得る。ただし、前述したように、赤背景は、高確率状態である場合のみ設定されるが、高確確定モードM3が設定されているときのように高確率状態であることを確定的に報知しているわけではない。本実施形態では、第1潜確モードM1cの赤背景が、特殊報知態様に相当する。
次に、パチンコ遊技機の制御構成を図5に従って説明する。
機裏側には、パチンコ遊技機全体を制御する主制御基板30が装着されている。主制御基板30は、パチンコ遊技機全体を制御するための各種処理を実行するとともに、該処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)を出力する。また、機裏側には、統括制御基板31と表示制御基板32が装着されている。
統括制御基板31は、主制御基板30が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、表示制御基板32を制御する。また、表示制御基板32は、主制御基板30と統括制御基板31が出力した制御信号(制御コマンド)に基づき、演出表示装置11の表示態様(図柄、背景、文字などの表示画像など)を制御する。
以下、主制御基板30、統括制御基板31及び表示制御基板32の具体的構成を説明する。
主制御基板30には、制御動作を所定の手順で実行する主制御用CPU30aと、主制御用CPU30aの制御プログラムを格納する主制御用ROM30bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる主制御用RAM30cが設けられている。そして、主制御用CPU30aには、各種スイッチSW1〜SW4が遊技球を検知して出力する検知信号を入力可能に接続されている。また、主制御用CPU30aには、第1特別図柄表示装置12a、第2特別図柄表示装置12b、第1特別図柄保留表示装置13a、第2特別図柄保留表示装置13b、普通図柄表示装置20、普通電動役物ソレノイドSOL1、及び大入賞口ソレノイドSOL2が接続されている。
また、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、普図当り判定用乱数、特図振分用乱数、及び変動パターン振分用乱数などの各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。当り判定用乱数は、大当り抽選(大当り判定)及び小当り抽選(小当り判定)で用いる乱数である。リーチ判定用乱数は、大当り抽選及び小当り抽選に当選しなかった場合、すなわちはずれの場合にリーチの形成を許可するか否かのリーチ許可抽選(リーチ許可判定)で用いる乱数である。普図当り判定用乱数は、普図当りか否かの普図当り抽選で用いる乱数である。特図振分用乱数は、大当り抽選で当選した場合に特別図柄の大当り図柄を決定する際に用いられる乱数である。
変動パターン振分用乱数は、変動パターンを選択し、決定する際に用いる乱数である。本実施形態では、2種類の変動パターン振分用乱数R1,R2(以下、振分用乱数R1,R2と示す)を用いて変動パターンを選択(決定)するようになっている。2種類の振分用乱数R1,R2は、それぞれが取り得る数値範囲(乱数更新処理において乱数値が更新される範囲)が異なるとともに、変動パターンの選択に係る処理において用途が異なっている。振分用乱数R1の取り得る数値は、「0」〜「250」までの全251通りに設定されており、選択グループを特定する際に用いるグループ選択用の乱数として機能する。なお、選択グループとは、振分用乱数R1で特定される変動パターンの集合体である。ちなみに、該選択グループは、リーチ演出の実行を特定する変動パターンのみで構成される変動パターンの集合体であるリーチグループと、はずれ演出用の変動パターンのみで構成される変動パターンの集合体である非リーチグループの総称である。
また、振分用乱数R2の取り得る数値は、「0」〜「198」までの全199通りに設定されており、振分用乱数R1の値を用いて特定した選択グループから変動パターンを特定する際に用いる変動パターン選択用の乱数として機能する。本実施形態では、変動パターン振分用乱数R1が、振分用乱数に相当する。また、主制御用RAM30cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
また、主制御用ROM30bには、メイン制御プログラムや複数種類の変動パターンが記憶されている。変動パターンは、図柄変動ゲームが開始してから図柄変動ゲームが終了するまでの間の演出(表示演出、発光演出、音声演出)のベースとなるパターンであって、図柄変動ゲームの演出内容及び演出時間(変動時間)を特定し得る。そして、変動パターンは、当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用からなる変動内容毎に分類されている。
当り変動は、大当り抽選又は小当り抽選に当選した場合に行われる変動である。そして、当り変動では、特図変動ゲームにおいて最終的に大当り図柄又は小当り図柄を確定停止表示させる。一方、当り変動では、飾図変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的に大当り図柄又は確変示唆図柄を確定停止表示させる。
はずれリーチ変動は、大当り抽選及び小当り抽選に当選せずに、リーチ許可抽選に当選し、かつ選択グループのうち、リーチ演出を実行するはずれリーチ変動用の変動パターンのみを対応付けたリーチグループが決定された場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれリーチ変動では、飾図変動ゲームにおいて、リーチ演出を経て、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。
はずれ変動は、大当り抽選、小当り抽選、及びリーチ許可抽選の何れにも当選しなかった場合、及びリーチ許可抽選に当選したが、リーチグループが決定されなかった場合に行われ、特図変動ゲームにおいて最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。一方、はずれ変動では、飾図変動ゲームにおいて、リーチ演出を経ないで、最終的にはずれ図柄を確定停止表示させる。なお、特図変動ゲームでは、特図の変動が開始されると、リーチ演出を行うことなく、変動時間の経過時まで特図の変動が継続される。そして、当り変動用、はずれリーチ変動用及びはずれ変動用の変動パターンは、それぞれ複数種類あり、何れかが選択される。
また、主制御用ROM30bには、大当り判定値、小当り判定値、リーチ判定値、及び普図当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、大当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜65535までの全65536通りの整数)の中から定められている。低確率状態用の大当り判定値は、205個に設定されている。一方、本実施形態において高確率状態用の大当り判定値は、上記205個の値に1695個の値を加えた合計1900個に設定されている。そして、低確率状態用の大当り判定値と高確率状態用の大当り判定値は、その総数は異なるが、設定値については一部の値(205個の値)が共通値とされている。すなわち、この共通値とされる205個の値は、低確率状態時及び高確率状態時の何れの状態においても当り判定用乱数の値と一致する値とされている。一方、高確率状態用の大当り判定値において、前記共通値を除く他の値(1695個)は、低確率状態用の大当り判定値(共通値)とは異なる非共通値とされている。この非共通値とされる1695個の値は、大当り抽選時の遊技状態に応じて、大当り判定値と一致する場合と一致しない場合とがある。具体的に言えば、非共通値は、低確率状態時の大当り抽選において、当り判定用乱数の値とは一致しない。その一方で、非共通値は、高確率状態時の大当り抽選において、当り判定用乱数の値と一致する。
小当り判定値は、小当り抽選で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(0〜65535までの全65536通りの整数)の中から、大当り判定値と重複しないように定められている。本実施形態では、特図1(第1保留記憶数)に基づく小当り抽選用の小当り判定値として205個の値が設定されている一方で、特図2(第2保留記憶数)に基づく小当り抽選用の小当り判定値として1個の値が設定されている。これにより、特図1の小当り抽選で当選する確率は65536分の205となり、特図2の小当り抽選で当選する確率は65536分の1となり、特図2の小当り抽選の当選確率が、特図1の小当り抽選の当選確率に比して低確率に設定されている。換言すれば、本実施形態では、特図1の小当り抽選の当選確率が、特図2の小当り抽選の当選確率に比して高確率に設定されている。
リーチ判定値は、リーチ許可抽選で用いる判定値であり、リーチ判定用乱数の取り得る数値(0〜240までの全241通りの整数)の中から定められている。図3に示すように、非変短状態時用のリーチ判定値は、保留記憶数にかかわらず、大当り抽選の抽選確率のみに従って定められている。具体的には、特図1における低確率状態時用のリーチ判定値として33個の値が設定されており、リーチ許可抽選で当選する確率は241分の33となる。一方、特図1における高確率状態時用のリーチ判定値として20個の値が設定されており、リーチ許可抽選で当選する確率は241分の20となる。なお、非変短状態時における特図2のリーチ判定値は設定されていない。
また、変短状態時用のリーチ判定値も、保留記憶数にかかわらず、大当り抽選の抽選確率のみに従って定められている。具体的には、特図2における低確率状態時用のリーチ判定値として60個の値が設定されており、リーチ許可抽選で当選する確率は241分の60となる。一方、特図2における高確率状態時用のリーチ判定値として24個の値が設定されており、リーチ許可抽選で当選する確率は241分の24となる。なお、変短状態時における特図1のリーチ判定値は設定されていない。
普図当り判定値は、普図当りか否かの内部抽選(普図当り抽選)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る数値(0〜250までの全251通りの整数)の中から定められている。本実施形態では、非変短状態用の普図当り判定値として10個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は251分の10となる。一方、本実施形態では、変短状態用の普図当り判定値として250個の値が設定されており、普図当り抽選で当選する確率は251分の250となる。
次に、本実施形態のパチンコ遊技機に設定された変動パターンについて、図6〜図8を参照して説明する。なお、図6は、非変短状態時の大当り判定及び小当り判定が否定判定された際に参照される変動パターン振分テーブルTA1(以下、テーブルTA1と示す)である。図7は、非変短状態時の大当り判定又は小当り判定が肯定判定された際に参照される変動パターン振分テーブルTA2(以下、テーブルTA2と示す)である。図8(a)は、変短状態時に参照されるはずれ用の変動パターン振分テーブルTB1(以下、テーブルTB1と示す)である。図8(b)は、変短状態時に参照される当り用の変動パターン振分テーブルTB2(以下、テーブルTB2と示す)である。
最初に、非変短状態で第1特図変動ゲームが実行されるときに選択される変動パターンについて、図6及び図7に従って説明する。
図6に示すように、非変短状態時におけるはずれ変動用の変動パターンとして、変動パターンP1〜P4の4種類が設定されている。変動パターンP1は変動内容として「通常変動T1」を特定し、変動パターンP2は変動内容として「短縮変動T2」を特定し、変動パターンP3は変動内容として「超短縮変動T3」を特定し、変動パターンP4は変動内容として「通常変動T4」を特定する変動パターンである。「通常変動」では、図柄変動ゲームの開始後、各図柄列の図柄(飾図)が予め定めた変動停止順(本実施形態では、左列→右列→中列)に従って変動が停止されて図柄が導出される。なお、「通常変動T1」と「通常変動T4」では、「通常変動T4」の方が、変動時間が長く設定されている。また、「短縮変動T2」及び「超短縮変動T3」では、図柄変動ゲームの開始後、各図柄列の変動がほぼ同一のタイミングで停止されて各図柄列に図柄が導出される。なお、「短縮変動T2」と「超短縮変動T3」では、「超短縮変動T3」の方が、変動時間が短く設定されている。
また、はずれリーチ変動用の変動パターンとして、変動パターンP5〜P14の10種類が設定されている。一方、図7に示すように、当り変動用の変動パターンとして、変動パターンP15〜P29の15種類が設定されている。そして、本実施形態では、同一のリーチ演出の演出内容を定めた当り変動用の変動パターンとはずれリーチ変動用の変動パターンを設定している。そして、各リーチ演出の演出内容では、大当りになる場合の出現率とはずれになる場合の出現率を合算した全体出現率に対し、大当りになる場合の出現率の割合を示す大当り期待度がそれぞれ算出されるようになっている。このため、大当り期待度は、全体出現率に対して大当りになる場合の出現率の割合が高いほど高くなる。なお、大当り期待度を設定するための出現率は、各変動パターンに対して振分けられる変動パターン振分用乱数(特に振分用乱数R1)の振分け態様(振分け個数)によって規定することができる。
さらに、本実施形態の変動パターンは、リーチ演出の演出内容に定められた大当り期待度の違いから、大きく7つのリーチグループに分類することができる。7つのリーチグループには、「特別リーチグループ(図中、「特別」と示す)」、「弱弱リーチグループ(図中、「弱弱」と示す)」、及び「弱リーチグループ(図中、「弱」と示す)」が含まれている。加えて、「中リーチグループ(図中、「中」と示す)」、「強リーチグループ(図中、「強」と示す)」、「全回転リーチグループ(図中、「全回転」と示す)」、及び「特殊リーチグループ(図中、「特殊」と示す)」も含まれている。つまり、大当り期待度が高く設定された変動パターンが対応付けられたリーチグループは、大当り期待度が高く設定されたリーチグループであるとも言える。なお、図7に示す「特殊リーチグループ」は第1特図変動ゲーム時に選択可能なリーチグループとして設定されていないので、詳細は、非変短状態で第2特図変動ゲームが実行されるときに選択される変動パターンを説明するときに具体的に説明する。
また、図7及び図8(b)に示すように、大当り抽選又は小当り抽選に当選したときに選択可能とした選択グループは、当り変動用の変動パターンのみで構成されるリーチグループである。図7及び図8(b)では、保留記憶数にかかわらず、当りの種類に応じて、リーチグループ毎に振分用乱数R1の取り得る値(0〜250までの全251通りの整数)が対応付けられている。
一方、図6及び図8(a)に示すように、リーチ許可抽選に当選したときに選択可能とした選択グループは、はずれリーチ変動用の変動パターンのみで構成されるリーチグループ及びはずれ変動用の変動パターンのみで構成される非リーチグループの2つである。なお、図6及び図8(a)では、リーチグループと非リーチグループによって構成される変動パターンの集合体を「選択範囲」と示している。本実施形態では、5つの選択範囲(第1選択範囲F1〜第5選択範囲F5)が設定されており、選択範囲毎に振分用乱数R1の取り得る値(0〜250までの全251通りの整数)が対応付けられている。5つの選択範囲には、弱弱リーチグループと非リーチグループとで構成される第1選択範囲F1と、弱リーチグループと非リーチグループとで構成される第2選択範囲F2と、中リーチグループと非リーチグループとで構成される第3選択範囲F3とが設定されている。加えて、強リーチグループと非リーチグループとで構成される第4選択範囲F4と、特別リーチグループと非リーチグループとで構成される第5選択範囲F5も設定されている。
そして、各選択範囲において、振分用乱数R1の値によってリーチグループが特定されたときには、該グループの中からはずれリーチ変動用の変動パターンが選択される一方で、振分用乱数R1の値によって非リーチグループが特定されたときには、該グループの中からはずれ変動用の変動パターンが選択されるようになっている。なお、リーチ許可抽選に当選しなかった場合は、はずれ変動用の変動パターンが選択されるようになっている。
以下、はずれ時における振分用乱数R1と選択範囲との関連性について、図6に従って説明する。
例えば、図6に示すように、第1保留記憶数が「1」又は「2」の場合に選択可能な選択範囲は、選択範囲F1〜F5である。第1選択範囲F1には、「0」〜「185」で示す186個の振分用乱数R1の値が振り分けられている一方で、第2選択範囲F2には、「186」〜「225」で示す40個の振分用乱数R1の値が振り分けられている。第3選択範囲F3には、「226」〜「241」で示す16個の振分用乱数R1の値が振り分けられている一方で、第4選択範囲F4には、「242」〜「249」で示す8個の振分用乱数R1の値が振り分けられている。第5選択範囲F5には、「250」で示す1個の振分用乱数R1の値が振り分けられている。同様に、第1保留記憶数が「3」又は「4」の場合も、第1保留記憶数「1」,「2」の場合と同じ数ずつ選択範囲F1〜F5に振分用乱数R1の値が振り分けられている。
これにより、同一の振分用乱数R1の値を取得した場合、第1保留記憶数が如何なる値であっても異なる選択範囲が選択されることがない。例えば、「100」で示す振分用乱数R1の値を取得した場合、第1保留記憶数が「1」であるならば、第1選択範囲F1において「弱弱リーチグループ」が特定される。一方、第1保留記憶数が「3」であるならば、第1選択範囲F1において「非リーチグループ」が特定される。
その一方で、各選択範囲では、リーチグループと非リーチグループに対応付ける振分用乱数R1の個数を、第1保留記憶数に応じて異ならせている。例えば、図6に示すように、第1保留記憶数が「1」又は「2」である場合、第1選択範囲F1において、「0」〜「185」で示す186個の振分用乱数R1の値が、「弱弱リーチグループ」に振り分けられている一方で、「非リーチグループ」には振分用乱数R1の値が振り分けられていない。その一方で、第1保留記憶数が「3」である場合、第1選択範囲F1において、「0」〜「67」で示す68個の振分用乱数R1の値が、「弱弱リーチグループ」に振り分けられている一方で、「68」〜「185」で示す118個の振分用乱数R1の値が、「非リーチグループ」に振り分けられている。また、第1保留記憶数が「4」である場合、第1選択範囲F1において、「0」で示す1個の振分用乱数R1の値が、「弱弱リーチグループ」に振り分けられている一方で、「1」〜「185」で示す186個の振分用乱数R1の値が、「非リーチグループ」に対応付けられている。
このように、同一の選択範囲において、リーチグループ及び非リーチグループに対する振分用乱数R1の個数を保留記憶数に応じて変更することで、同一の振分用乱数R1の値を取得している場合であっても、保留記憶数の違いによってリーチグループが選択される場合と、非リーチグループが選択される場合とがある。より詳細には、保留記憶数が多いほど非リーチグループが選択される割合が高くなるように振分用乱数R1の値を対応付けている。ただし、前述した「0」で示す振分用乱数R1の値のように、各選択範囲F1〜F5では、保留記憶数にかかわらず、必ず「リーチグループ」を特定する値がそれぞれ1個以上設定されている。
また、図6及び図8(a)に示すように、第4選択範囲F4において、保留記憶数が「4」である場合にも「強リーチグループ」に対して振分用乱数R1の値を対応付けているので、保留記憶数が多いことによりリーチ演出の出現率が低下する場合であっても、「強リーチグループ」に属するリーチ演出が実行される可能性がある。これにより、保留記憶数が多い場合にリーチ演出が実行されたときであっても、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出を出現させる機会を与えることができる。
また、図8(a)に示すように、第2特図変動ゲームでは、変短状態中の各選択範囲F2〜F4において、非リーチグループに振分用乱数R1の値を対応付けていない。これにより、変短状態中の第2特図変動ゲームに対応する飾図変動ゲームでは、リーチ許可抽選に当選したのであれば、必ずリーチ演出が実行されることになる。
次に、大当り時における振分用乱数R1とリーチグループとの関連性について、図7に従って説明する。なお、図7及び図8(b)における「R1振分」の項目に記載されている数値は、そのリーチグループに対応付けられている振分用乱数R1の個数を示す。
例えば、図7に示すように、図柄Aの場合に選択可能なリーチグループは、「弱リーチグループ」、「中リーチグループ」、「強リーチグループ」、「全回転リーチグループ」、及び「特別リーチグループ」である。「弱リーチグループ」には、「0」〜「4」で示す5個の振分用乱数R1の値が振り分けられている一方で、「中リーチグループ」には、「5」〜「14」で示す10個の振分用乱数R1の値が振り分けられている。「強リーチグループ」には、「15」〜「189」で示す175個の振分用乱数R1の値が振り分けられている一方で、「全回転リーチグループ」には、「190」〜「209」で示す20個の振分用乱数R1の値が振り分けられている。「特別リーチグループ」には、「210」〜「250」で示す41個の振分用乱数R1の値が振り分けられている。
一方、図柄Bの場合に選択可能なリーチグループは、「弱リーチグループ」、「中リーチグループ」、「強リーチグループ」、及び「特別リーチグループ」である。「弱リーチグループ」には、「0」〜「6」で示す7個の振分用乱数R1の値が振り分けられている一方で、「中リーチグループ」には、「7」〜「19」で示す13個の振分用乱数R1の値が振り分けられている。「強リーチグループ」には、「20」〜「200」で示す181個の振分用乱数R1の値が振り分けられている一方で、「特別リーチグループ」には、「201」〜「250」で示す50個の振分用乱数R1の値が振り分けられている。
このような振分態様を設定することにより、例えば、大当りAの当選時に振分用乱数R1の値「100」を取得したとすると、「強リーチグループ」が特定されることになる。
本実施形態では、取得した振分用乱数R1と一致する整数の値が、変動判定値に相当する。さらに、変動判定値のうち、リーチグループを特定する振分用乱数R1と一致する整数の値が、特定判定値に相当する。また、特定判定値のうち、第1選択範囲F1における振分用乱数R1の値「0」のように、保留記憶数にかかわらず共通して「リーチ」と事前判定される振分用乱数R1の取り得る値が、共通判定値に相当する。一方、選択範囲として振分けられた振分用乱数R1の取り得る値のうち、リーチグループに対応付けられていない値、すなわち、非リーチグループに対応付けられた値が、非特定判定値に相当する。
次に、各選択グループに分類される変動パターンについて、図6及び図7に従って説明する。まず、非変短状態で第1特図変動ゲームが実行されるときに選択される変動パターンについて説明する。ちなみに、変動パターン振分テーブルでは、振分用乱数R1によって特定される選択グループ毎に振分用乱数R2の取り得る値(0〜198までの全199通りの整数)が対応付けられている。したがって、各種変動パターンは、振分用乱数R1で特定される選択グループの中から、取得した振分用乱数R2と一致する値が対応付けられているものが選択されることになる。
「特別リーチグループ」に分類される変動パターンは、変動内容として「特別リーチV1」を特定する変動パターンP5,P17及び「特別リーチV2」を特定する変動パターンP14,P18である。以下、特別リーチグループに分類される変動パターンで特定されるリーチ演出の内容を「特別リーチ」と示す場合がある。「弱弱リーチグループ」に分類される変動パターンは、変動内容として「リーチWW1」及び「リーチWW2」をそれぞれ特定する変動パターンP6,P7である。なお、変動内容として「リーチWW1」及び「リーチWW2」を特定する変動パターンは、当り変動用の変動パターンとして設定されていないので、これらの変動パターンが分類された「弱弱リーチグループ」は、はずれ時専用のリーチグループとなる。以下、弱弱リーチグループに分類される変動パターンで特定されるリーチ演出の内容を「弱弱リーチ」と示す場合がある。「弱リーチグループ」に分類される変動パターンは、変動内容として「リーチW1」を特定する変動パターンP8,P15、「リーチW2」を特定する変動パターンP9,P16、及び「モード移行W1」を特定する変動パターンP26である。なお、「モード移行」とは、当り遊技終了後に演出モードの移行を指示する内容を定めた変動内容である。以下、弱リーチグループに分類される変動パターンで特定されるリーチ演出の内容を「弱リーチ」と示す場合がある。
「中リーチグループ」に分類される変動パターンは、変動内容として「リーチM1」を特定する変動パターンP12,P23及び「リーチM2」を特定する変動パターンP13,P24、及び「モード移行M1」を特定する変動パターンP25である。以下、中リーチグループに分類される変動パターンで特定されるリーチ演出の内容を「中リーチ」と示す場合がある。「強リーチグループ」に分類される変動パターンは、変動内容として「リーチS1」を特定する変動パターンP10,P20、「リーチS2」を特定する変動パターンP11,P21、及び「モード移行S1」を特定する変動パターンP27である。以下、強リーチグループに分類される変動パターンで特定されるリーチ演出の内容を「強リーチ」と示す場合がある。「全回転リーチグループ」は、変動内容として「リーチZ1」及び「リーチZ2」をそれぞれ特定する変動パターンP19,P22である。「全回転」は、リーチ演出において、全ての図柄列を同一図柄とした状態(大当りの図柄組み合わせを形成した状態)で、各図柄列を変動表示させ、1つの大当りの図柄組み合わせを導出する演出である。また、本実施形態において「全回転リーチ」は、その出現によって大当りを確定的に認識し得る大当り確定演出として位置付けられているので、これらの変動パターンが分類された「全回転リーチグループ」は、当り時専用のリーチグループとなる。以下、全回転リーチグループに分類される変動パターンで特定されるリーチ演出の内容を「全回転リーチ」と示す場合がある。
そして、本実施形態では、リーチ演出に定められた大当り期待度が、弱弱リーチ<弱リーチ<中リーチ<強リーチ<特別リーチ<全回転リーチの順に高くなっている。これにより、弱弱リーチグループ<弱リーチグループ<中リーチグループ<強リーチグループ<特別リーチグループ<全回転リーチグループの順に大当り期待度が高いリーチグループとなる。
また、第1特図変動ゲームにおいてリーチ許可抽選に当選しなかった場合、第1保留記憶数に応じて変動パターンP1〜P4のうちいずれかを選択可能となるように振分用乱数R2の値が対応付けられている。
次に、非変短状態で第2特図変動ゲームが実行されるときに選択される変動パターンについて、図6及び図7に従って説明する。
図6に示すように、非変短状態時の第2特図変動ゲームで大当り抽選及び小当り抽選に当選しなかった場合、第2保留記憶数にかかわらず、変動パターンP3のみが選択可能となるように振分用乱数R1,R2の値が対応付けられている。これにより、非変短状態時の第2特図変動ゲームで大当り又は小当りとならない場合、第2保留記憶数にかかわらず、短時間で図柄変動ゲームが終了することになる。なお、この例における「非変短状態時の第2特図変動ゲームで大当り抽選及び小当り抽選に当選しなかった場合」には、以下の状態を含む。すなわち、非変短状態時の第2特図変動ゲームでリーチ許可抽選に当選しなかった場合と、変短状態時の第2特図変動ゲームでリーチ許可抽選に当選したが、変短状態の終了によって非変短状態となったときの第2特図変動ゲームではリーチ許可抽選に当選しなかった場合と、を含む。
本実施形態では、始動入賞口14,15に遊技球が入球した時点で、その始動保留球に基づく図柄変動ゲームが大当りとなるか否か、又はリーチとなる場合にはどのリーチ演出で実行されるのかなどを、図柄変動ゲームの開始タイミングよりも前に事前に判定する事前判定処理を実行可能となっている。詳細には、事前判定処理では、特別図柄入力処理において遊技球の入球に伴って取得された当り判定用乱数の値やリーチ判定用乱数の値を事前判定し、その事前判定の結果を指示する事前判定コマンドを生成及び出力が行われる。そして、変短状態時に第2始動入賞口15に遊技球が入球した時点では「リーチ」と事前判定されたが、「リーチ」と事前判定された始動保留球に基づく第2特図変動ゲームの開始時には変短状態が終了していたとする。この場合、非変短状態時における特図2のリーチ判定値を設定していないので、「リーチ許可」と判定されることがない。このような場合に限って、「弱リーチグループ」に分類されるはずれ変動用の変動パターンP3を選択可能となるように振分用乱数R1の値が対応付けられている。
一方、図7に示すように、「特殊リーチグループ」に分類される変動パターンは、変動内容として「特殊リーチQ1」及び「特殊リーチQ2」をそれぞれ特定する変動パターンP28,P29である。また、本実施形態において「特殊リーチ」は、その出現によって当り(大当り又は小当り)を確定的に認識し得る確定演出として位置付けられているので、これらの変動パターンが分類された「特殊リーチグループ」は、当り時専用のリーチグループとなる。また、「特殊リーチグループ」は、第2特図変動ゲームの実行時にしか対応付けていないので、非変短状態時に実行される第2特図変動ゲームで大当り抽選又は小当り抽選に当選した場合、必ず、「特殊リーチ」のリーチ演出を経て抽選結果が導出されることになる。
次に、変短状態で特図変動ゲームが実行されるときに選択される変動パターンについて、図8(a),(b)に従って説明する。ちなみに、本実施形態では、変短状態時の演出モードとして、第2潜確モードM2と高確確定モードM3を設定しているので、これらの演出モードでは共通の振分テーブルから変動パターンが選択されることになる。
図8(a)に示すように、変短状態時におけるはずれ変動用の変動パターンとして、変動パターンP30〜P32の3種類が設定されている。変動パターンP30は変動内容として「通常変動TT1」を特定し、変動パターンP31は変動内容として「短縮変動TT2」を特定し、変動パターンP32は変動内容として「超短縮変動TT3」を特定する変動パターンである。ちなみに、変動パターンP30に定められた図柄の停止順序は、「通常変動T1」を特定する変動パターンP1に定められた図柄の停止順序と同一である。また、変動パターンP31に定められた図柄の停止順序は、「短縮変動T2」を特定する変動パターンP2に定められた図柄の停止順序と同一である。また、変動パターンP32に定められた図柄の停止順序は、「超短縮変動T3」を特定する変動パターンP3に定められた図柄の停止順序と同一である。ただし、変動パターンP30〜P32に定められた変動時間は、同一の停止順序が定められた各変動パターンP1〜P3に定められた変動時間よりも短い。
また、図8(a)に示すように、変短状態時におけるはずれリーチ変動用の変動パターンとして、変動パターンP33〜P36の4種類が設定されている。一方、図8(b)に示すように、変短状態時における当り変動用の変動パターンとして、変動パターンP28,P29,P37〜P44の10種類が設定されている。
次に、変短状態で実行される第1特図変動ゲーム用のリーチグループに対応付けられた変動パターンについて、図8(a)に従って説明する。
図8(a)に示すように、変短状態で実行される第1特図変動ゲームで大当り抽選及び小当り抽選に当選しなかった場合、第1保留記憶数にかかわらず、「通常変動TT1」を特定する変動パターンP30のみが選択可能となるように振分用乱数R2の値が対応付けられている。これにより、変短状態時の第1特図変動ゲームで大当り又は小当りとならない場合、第1保留記憶数にかかわらず、「通常変動」の内容で図柄変動ゲームが実行されるため、第2始動保留球を蓄積するための時間を稼ぐことができる。
次に、変短状態で実行される第2特図変動ゲーム用のリーチグループに対応付けられた変動パターンについて、図8(a)に従って説明する。
図8(a)に示すように、「弱リーチグループ」に分類される変動パターンは、変動内容として「短縮変動TT2」を特定する変動パターンP31、及び「超短縮変動TT3」を特定する変動パターンP32である。「中リーチグループ」に分類される変動パターンは、変動内容として「リーチM3」を特定する変動パターンP33、及び「リーチM5」を特定する変動パターンP35である。「強リーチグループ」に分類される変動パターンは、変動内容として「リーチS4」を特定する変動パターンP34、及び「リーチS6」を特定する変動パターンP36である。一方、第2特図変動ゲームにおいてリーチ許可抽選に当選しなかった場合、第2保留記憶数に応じて変動パターンP30〜P32のうちいずれかを選択可能となるように振分用乱数R2の値が対応付けられている。
次に、変短状態で実行される第1特図変動ゲーム用のリーチグループに対応付けられた変動パターンについて、図8(b)に従って説明する。
図8(b)に示すように、「弱リーチグループ」に分類される変動パターンは、変動内容として「特殊リーチQ1」及び「特殊リーチQ2」を特定する変動パターンP28,P29である。なお、図7を用いて前述したように、非変短状態時における第2特図変動ゲームで大当り抽選又は小当り抽選に当選した際には、「特殊リーチグループ」に分類される変動パターンP28,P29を選択可能となるように振分用乱数R1,R2を対応付けている。つまり、本実施形態では、変短状態時には第2特図変動ゲームが実行され易い一方で、非変短状態時には第1特図変動ゲームが実行され易くなっているが、変短状態の有無に応じて実行され易くなっている特図変動ゲームとは異なる方の図柄変動ゲームで大当りとなる場合、「特殊リーチ」のリーチ演出を経て抽選結果が導出され易いことになる。なお、変短状態時における第1特図変動ゲームで大当りとなる場合は、「弱リーチグループ」以外のリーチグループから変動パターンが選択されることがない。
次に、変短状態で実行される第2特図変動ゲーム用のリーチグループに対応付けられた変動パターンについて、図8(b)に従って説明する。
図8(b)に示すように、「弱リーチグループ」に分類される変動パターンは、変動内容として「リーチW3」、「リーチW4」、「リーチW6」をそれぞれ特定する変動パターンP38,P41,P44である。「中リーチグループ」に分類される変動パターンは、変動内容として「リーチM3」、「リーチM4」、「リーチM6」をそれぞれ特定する変動パターンP37,P40,P43である。「強リーチグループ」に分類される変動パターンは、変動内容として「リーチS4」、「リーチS5」をそれぞれ特定する変動パターンP39,P42である。「特殊リーチグループ」に分類される変動パターンは、変動内容として「特殊リーチQ1」を特定する変動パターンP28である。
本実施形態では、リーチ変動を伴わないはずれ変動が、非特定変動内容に相当する。また、はずれリーチ変動が、特定変動内容に相当する。そして、図6のテーブルTA1や、図8(a)のテーブルTB1のように、保留記憶数毎に振分けられた振分用乱数R1によって特定される選択グループを構成する変動パターンが、はずれ変動内容群に相当する。例えば、図6に示す第1保留記憶数「3」に対応する第2選択範囲F2では、該選択範囲を構成する変動パターンP2,P4,P8,P9が、はずれ変動内容群に相当する。また、リーチグループと非リーチグループとで構成される第1選択範囲F1〜第5選択範囲F5が、特定グループに相当する。
次に、統括制御基板31について説明する。
統括制御基板31には、制御動作を所定の手順で実行することができる統括制御用CPU31aと、統括制御用CPU31aの統括制御プログラムや各種のテーブルを格納する統括制御用ROM31bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる統括制御用RAM31cが設けられている。統括制御用CPU31aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新する乱数更新処理(乱数生成処理)を実行する。また、統括制御用RAM31cには、パチンコ遊技機の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)される。
次に、表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32には、制御動作を所定の手順で実行することができる表示制御用CPU32aと、表示制御用CPU32aの制御プログラムを格納する表示制御用ROM32bと、必要なデータの書き込み及び読み出しができる表示制御用RAM32cが設けられている。表示制御用CPU32aには、演出表示装置11が接続されている。また、表示制御用ROM32bには、各種の画像データ(図柄、背景、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。
以下、主制御基板30、統括制御基板31、及び表示制御基板32が実行する制御内容を説明する。
まず、主制御基板30の主制御用CPU30aが、メイン制御プログラムに基づき実行する特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理について説明する。本実施形態において主制御用CPU30aは、所定の制御周期(例えば、4ms)毎に特別図柄入力処理や特別図柄開始処理などの各種処理を実行する。
最初に、特別図柄入力処理について図9に従って説明する。
主制御用CPU30aは、第1始動入賞口14に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS10)。ステップS10において主制御用CPU30aは、第1始動口スイッチSW1が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS10の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、第2始動入賞口15に遊技球が入球したか否かを判定する(ステップS11)。ステップS11において主制御用CPU30aは、第2始動口スイッチSW2が遊技球を検知した時に出力する検知信号を入力したか否かを判定する。ステップS11の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。一方、ステップS11の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS12)。ステップS12の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、ステップS12の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第2保留記憶数を1加算し、第2保留記憶数を書き換える(ステップS13)。また、主制御用CPU30aは、1加算後の第2保留記憶数を表すように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を変更する。また、主制御用CPU30aは、加算後の第2保留記憶数を指示する第2保留指定コマンドを統括制御基板31に出力するために送信バッファにセットする。この第2保留指定コマンドは、次周期からの制御周期において統括制御基板31に出力される。画像表示部GHの第2保留画像表示領域Hbの画像表示は、第2保留指定コマンドで指示される保留記憶数によって表示の態様が制御される。
そして、ステップS13の終了後、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、及び振分用乱数R1の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第2保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS14)。その後、主制御用CPU30aは、ステップS19に移行する。
一方、ステップS10の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップS15)。ステップS15の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、ステップS15の判定結果が肯定(第1保留記憶数<4)の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を1加算し、第1保留記憶数を書き換える(ステップS16)。また、主制御用CPU30aは、1加算後の第1保留記憶数を表すように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を変更する。本実施形態では、ステップS13,S16の処理により、第1始動入賞口14又は第2始動入賞口15に入球した遊技球は始動保留球として主制御用RAM30cに記憶されることから、主制御用RAM30cは、始動口スイッチSW1,SW2で検知された遊技球を始動保留球として記憶する保留記憶手段として機能する。
また、主制御用CPU30aは、加算後の第1保留記憶数を指示する第1保留指定コマンドを統括制御基板31に出力するために送信バッファにセットする。この第1保留指定コマンドは、次周期からの制御周期において統括制御基板31に出力される。画像表示部GHの第1保留画像表示領域Ha(第1個別表示領域Ha1〜Ha4)の画像表示は、第1保留指定コマンドで指示される保留記憶数によって表示の態様が制御される。
そして、ステップS16の終了後、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値、リーチ判定用乱数の値、特図振分用乱数の値、及び振分用乱数R1の値を主制御用RAM30cから読み出して取得し、該値を第1保留記憶数に対応する主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する(ステップS17)。
次に、主制御用CPU30aは、変短状態が付与されているか否かを判定する(ステップS18)。ステップS18において主制御用CPU30aは、遊技状態フラグとしての作動フラグの設定値が「1」である場合に変短状態を認識するとともに、ステップS18を肯定判定して特別図柄入力処理を終了する。これにより、変短状態中は、特図1に基づく後述の事前判定処理を実行しないことになる。本実施形態のパチンコ遊技機では、第2始動入賞口15に遊技球が入球した場合、それ以前に第1保留記憶数が1以上となっている場合であっても、第1特図変動ゲームを保留しておき、優先的に第2特図変動ゲームを実行させている。このため、第2始動入賞口15に遊技球が入球し易く、第2特図変動ゲームが連続して実行され易い変短状態が付与されている場合に、第1保留記憶数分の第1特図変動ゲームを対象とした事前演出の実行を設定したとする。この場合、第2特図変動ゲームが優先的に実行されて第2保留記憶数がなくなるまで若しくは変短状態が終了するまで事前演出が終了しなくなる虞がある。そこで、主制御用CPU30aは、変短状態が付与されている場合、第1保留記憶数に基づく事前判定処理を実行しないようになっている。これにより、主制御用CPU30aは、変短状態中、第1始動入賞口14に遊技球が入球しても第1特図変動ゲームに関する事前判定処理を実行しないことで、事前演出が終了しなくなるということを確実に防止している。
一方で、主制御用CPU30aは、作動フラグの設定値が「0」である場合に非変短状態を認識するとともに、ステップS18を否定判定してステップS19に移行する。また、前述したように第2特図変動ゲームでは、ステップS18を実行せずにステップS19に移行するため、変短状態の有無を問わずに事前判定処理が実行されることになる。
ステップS19に移行した主制御用CPU30aは、ステップS14又はステップS17で取得した当り判定用乱数の値と大当り判定値(低確率状態用の大当り判定値又は高確率状態用の大当り判定値)を比較し、両値が一致するか否かを事前判定(事前大当り判定)する事前判定処理を行う。
ステップS19の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、大当りとなることを事前に認識することになる。より詳しくは、共通値と一致する当り判定用乱数の値を取得した場合、検知した第1始動保留球又は第2始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当り抽選の抽選確率にかかわらず、大当りとなることを事前に認識する。一方、非共通値と一致する当り判定用乱数の値を取得した場合、検知した第1始動保留球又は第2始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、高確率状態である場合のみ大当りとなることを事前に認識する。
そして、ステップS19を肯定判定した主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された第1保留記憶数又は第2保留記憶数、及びステップS14又はステップS17で取得した特図振分用乱数の値と振分用乱数R1の値を確認する(ステップS20)。そして、主制御用CPU30aは、これらの値に基づいて大当りの種類とリーチグループを事前に特定し、確認した第1保留記憶数又は第2保留記憶数に対応する大当り用の事前判定コマンドを送信バッファにセットする(ステップS21)。このとき、非変短状態中に始動保留球が記憶された場合、テーブルTA2(図7)が参照される。一方、変短状態中に始動保留球が記憶された場合、テーブルTB2(図8(b))が参照される。
また、主制御用CPU30aは、共通値と一致する当り判定用乱数の値を取得した場合、共通値と一致していることを示す事前判定コマンド(以下、共通大当り用の事前判定コマンドと示す)を、特図変動ゲームの種類にしたがって生成する。一方、非共通値と一致する当り判定用乱数の値を取得した場合、非共通値と一致していることを示す事前判定コマンド(以下、非共通大当り用の事前判定コマンドと示す)を、特図変動ゲームの種類にしたがって生成する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
一方、ステップS19の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、当り判定用乱数の値と小当り判定値を比較し、両値が一致するか否かを事前判定(事前小当り判定)する(ステップS22)。ステップS22の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、検知した第1始動保留球又は第2始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、小当りとなることを事前に認識することになる。その後、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶された第1保留記憶数又は第2保留記憶数及びステップS14又はステップS17で取得した振分用乱数R1の値を確認し(ステップS23)、確認した第1保留記憶数又は第2保留記憶数に対応する小当り用の事前判定コマンドを送信バッファにセットする(ステップS24)。このとき、非変短状態中に始動保留球が記憶された場合、テーブルTA2(図7)が参照される。一方、変短状態中に始動保留球が記憶された場合、テーブルTB2(図8(b))が参照される。
一方、ステップS22の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、検知した第1始動保留球又は第2始動保留球に基づく図柄変動ゲームが、大当り及び小当りとならないことを事前に認識する。そして、主制御用CPU30aは、遊技状態に対応したリーチ判定値を特定するために、確変状態の有無及び変短状態の有無をそれぞれ確認する(ステップS25)。ステップS25において主制御用CPU30aは、遊技状態フラグとしての確変フラグの設定値が「0」である場合に、非確変状態(低確率状態)を認識する一方で、確変フラグの設定値が「1」である場合に、確変状態(高確率状態)を認識する。なお、作動フラグによる変短状態の確認方法は前述しているため、ここでは説明を省略する。
次に、主制御用CPU30aは、ステップS14又はステップS17で取得したリーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、両値が一致するか否かを事前判定(事前リーチ許可判定)する事前判定処理を行う(ステップS26)。本実施形態では、図3に示すように、同一の遊技状態において事前リーチ許可判定を実行する際に参照する当選用のリーチ判定値を、保留記憶数にかかわらず同一値としている。したがって、事前リーチ許可判定では、その判定実行時の遊技状態用として設定されたリーチ判定値と一致するリーチ判定用乱数を取得しているのであれば、保留記憶数にかかわらず、リーチ演出が実行される可能性があることになる。ただし、本実施形態では、事前リーチ許可判定に当選しても必ずリーチ演出が実行されるわけではないので、ステップS26では、リーチ演出の実行を許可しても良いか否かが判定されていることになる。ステップS26の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS30に移行する。
一方、ステップS26の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数又は第2保留記憶数とステップS14又はステップS17で取得した振分用乱数R1の値を確認する(ステップS27)。そして、主制御用CPU30aは、ステップS14又はステップS17で取得した振分用乱数R1の値が、リーチグループを特定する値であるか否かを判定する(ステップS28)。具体的に説明すると、非変短状態中に始動保留球が記憶された場合、テーブルTA1(図6)が参照される。一方、変短状態中に始動保留球が記憶された場合、テーブルTB1(図8(a))が参照される。
ステップS14又はステップS17で取得した振分用乱数R1の値がリーチグループを特定している場合、主制御用CPU30aは、ステップS28を肯定判定する。そして、ステップS28を肯定判定した主制御用CPU30aは、リーチになることを事前に認識する。ただし、特別図柄開始処理の実行時点における保留記憶数によっては、「リーチ変動を伴わないはずれ」となる場合もある。その後、主制御用CPU30aは、ステップS29に移行し、ステップS28の判定結果を示すはずれリーチ用の事前判定コマンドを送信バッファにセットする。なお、本実施形態では、取得した振分用乱数R1の値が、保留記憶数にかかわらずリーチグループを特定可能な値であった場合、特図開始処理の実行時点における保留記憶数にかかわらず、必ず「リーチグループ」が選択されることになる。これにより、主制御用CPU30aは、取得した値が共通してリーチと判定されるリーチ判定値と一致するか否かを事前判定しているとも言えるので、主制御用CPU30aは、共通値判定手段としても機能する。
一方、ステップS14又はステップS17で取得した振分用乱数R1の値が非リーチグループを特定している場合、主制御用CPU30aは、ステップS28を否定判定する。そして、ステップS28を否定判定した主制御用CPU30aは、リーチにならないことを事前に認識する。ただし、特別図柄開始処理の実行時点における第1保留記憶数又は第2保留記憶数によっては、「リーチ変動を伴うはずれ」となる場合もある。その後、主制御用CPU30aは、ステップS30に移行し、ステップS28の判定結果を示すはずれ用の事前判定コマンドを送信バッファにセットする。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄入力処理を終了する。
このように、本実施形態では、非リーチグループに振分用乱数R1の値を対応付けた選択範囲を設定しているため、ステップS26に示す事前リーチ許可判定が肯定判定された場合であっても、リーチ演出の実行が決定されないこともある。また、本実施形態では、保留記憶数が多くなるほど、非リーチグループに対して振分用乱数R1の値を多く対応付けている。これにより、事前リーチ許可判定では、同一の遊技状態であれば、保留記憶数にかかわらず、同一の確率で事前リーチ許可判定が肯定判定されるが、その後、保留記憶数を参照してリーチグループが決定されるので、保留記憶数が多いほどリーチ演出の実行が決定されないことになる。
本実施形態では、取得した振分用乱数R1の値と該振分用乱数R1の取り得る範囲の整数値とを比較し、一致した整数値に対応付けられた選択グループを特定し、その選択グループの中から振分用乱数R2の値に基づいて変動パターンを決定する主制御用CPU30aが、変動内容決定手段として機能する。また、ステップS19の事前大当り判定、ステップS22の事前小当り判定、及びステップS26の事前リーチ許可判定を行って図柄変動ゲームの演出内容を事前に判定する主制御用CPU30aが、事前判定手段として機能する。また、主制御用CPU30aが取得した振分用乱数R1の値を記憶する主制御用RAM30cが、乱数記憶手段として機能する。さらに、取得した振分用乱数R1の値を乱数記憶手段に記憶させる主制御用CPU30aが、乱数取得手段として機能する。
以下、事前判定コマンドの一例について、図10及び図11に従って説明する。
図10(a)及び図11(a)は、非変短状態時の事前判定において、ステップS29又はステップS30にて生成されるはずれリーチ用の事前判定コマンドである。なお、図10(a)は、特図1用の事前判定コマンドである一方で、図11(a)は、特図2用の事前判定コマンドである。図10(b)及び図11(b)は、非変短状態時の事前判定において、ステップS21,S24にて生成される当り用の事前判定コマンドである。なお、図10(b)は、特図1用の事前判定コマンドである一方で、図11(b)は、特図2用の事前判定コマンドである。図11(c)は、変短状態時の事前判定において、ステップS29にて生成されるはずれリーチ用の事前判定コマンドである。図11(d)は、変短状態時の事前判定において、ステップS21,S24にて生成される当り用の事前判定コマンドである。なお、前述したように、本実施形態では、変短状態中、特図1に基づく事前判定を行わないので、図11に示すように、変短状態中の特図1に基づく事前判定コマンドは設定されていない。また、図10及び図11において、「変P」で示す項目は、対応する事前判定コマンドで特定される変動パターンを示している。また、図10及び図11において「保1」〜「保4」で示す項目は、対応する事前判定コマンドを示しており、より詳しくは、向かって左側が「上位バイト」を示し、向かって右側が「下位バイト」を示している。
本実施形態では、「当りの種類」、「リーチグループ」、「保留記憶数」、「特図変動ゲームの種類(第1特図変動ゲーム又は第2特図変動ゲーム)」、及び「共通値と一致した大当りであるか否か」の5つの情報の組み合わせから特定される1つの特定内容と1つの事前判定コマンドが、1対1で対応付けられている。
例えば、図10(a)に示すように、「D1H00H」は、第1保留記憶数「1」に基づく第1特図変動ゲームで、弱弱リーチグループが選択されたことを示している。一方、「D2H05H」は、第1保留記憶数「2」に基づく第1特図変動ゲームで、非リーチグループが選択されたことを示している。また、図10(b)に示すように、「D5H00H」は、第1保留記憶数「1」に基づく第1特図変動ゲームが、共通値と一致し、かつ大当りAとなり、さらに、弱リーチグループが選択されたことを示している。一方、「DCH33H」は、第1保留記憶数「4」に基づく第1特図変動ゲームが、非共通値と一致し、かつ大当りDとなり、さらに、特別リーチグループが選択されたことを示している。
ところで、前述したように、5つの情報の組み合わせから特定される1つの特定内容と1つの事前判定コマンドを、1対1で対応付けているが、図11(a),(c)では、演出モード毎に異なる変動内容に対して同一の事前判定コマンド(D1H08H〜D4H08H)を対応付けている。これにより、同一の事前判定コマンドであっても、演出モードの種類によってそのコマンドが特定する変動内容が異なることになる。
具体的に説明すると、図11(a)に示すように、非変短状態時における特図2用の事前判定コマンド「D1H08H」〜「D4H08H」は、事前判定内容として「弱リーチグループ」を特定している。同様に、図11(c)に示すように、変短状態時における特図2用の事前判定コマンド「D1H08H」〜「D4H08H」は、事前判定内容として「弱リーチグループ」を特定している。
なお、図6で説明したように、非変短状態時の特図2に対応する「弱リーチグループ」には、変動内容として「超短縮変動T3」を特定する変動パターンP3が対応付けられている。その一方で、図8(a)で説明したように、変短状態時の特図2に対応する「弱リーチグループ」には、変動内容として「通常変動TT1」、「短縮変動TT2」又は「超短縮変動TT3」を特定する変動パターンP30〜P32が対応付けられている。これにより、同じ事前判定コマンドが出力されたとしても、設定されている演出モードの違い(この例では、非変短状態時の演出モードと変短状態時の演出モード)によって、異なる図柄変動ゲームが指定されることになる。
次に、特別図柄開始処理を図12に従って説明する。
主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行中であるか否か、又は当り遊技中であるか否かを判定する(ステップS40)。ステップS40の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップS40の判定結果が否定(当り遊技中ではなく、かつ図柄変動ゲーム中ではない)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第2保留記憶数を読み出す(ステップS41)。続いて、主制御用CPU30aは、ステップS41で読み出した第2保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否か(保留中の第2特図変動ゲームが存在するか否か)を判定する(ステップS41)。
ステップS41の判定結果が否定(第2保留記憶数=0)の場合、主制御用CPU30aは、主制御用RAM30cに記憶されている第1保留記憶数を読み出す(ステップS42)。続いて、主制御用CPU30aは、ステップS42で読み出した第1保留記憶数が「0(零)」よりも大きいか否か(保留中の第1特図変動ゲームが存在するか否か)を判定する(ステップS42)。ステップS42の判定結果が否定(第1保留記憶数=0)の場合、主制御用CPU30aは、保留中の第1特図変動ゲームが存在しないため、特別図柄開始処理を終了する。一方、ステップS42の判定結果が肯定(第1保留記憶数>0)の場合、保留中の第1特図変動ゲームが存在するので、主制御用CPU30aは、第1保留記憶数を1減算する(ステップS43)。また、第1保留記憶数が「1」以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の第1特図変動ゲームが存在するので、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に割り当てられた特別図柄変動処理フラグに第1特図変動ゲームを実行することを示す値「0」を設定する。また、主制御用CPU30aは、1減算後の第1保留記憶数を表すように第1特別図柄保留表示装置13aの表示内容を変更する。また、主制御用CPU30aは、減算後の第1保留記憶数を指示する第1保留指定コマンドを統括制御用CPU31aに出力するために送信バッファにセットする。その後、主制御用CPU30aは、ステップS45に移行する。
一方、ステップS41の判定結果が肯定(第2保留記憶数>0)の場合、保留中の第2特図変動ゲームが存在するので、第2保留記憶数を1減算する(ステップS44)。また、第2保留記憶数が「1」以上の場合、主制御用CPU30aは、保留中の第2特図変動ゲームが存在するので、主制御用RAM30cの所定の記憶領域に割り当てられた特別図柄変動処理フラグに第2特図変動ゲームを実行することを示す値「1」を設定する。また、主制御用CPU30aは、1減算後の第2保留記憶数を表すように第2特別図柄保留表示装置13bの表示内容を変更する。また、主制御用CPU30aは、減算後の第2保留記憶数を指示する第2保留指定コマンドを統括制御用CPU31aに出力するために送信バッファにセットする。
また、主制御用CPU30aは、ステップS43又はステップS44の対象となる特図を対象とし、最も早く記憶した保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数、リーチ判定用乱数、変動パターン振分用乱数(振分用乱数R1,R2)及び特図振分用乱数などの各値を読み出す。なお、主制御用CPU30aは、各乱数の値を読み出した後、保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶されている各乱数を保留記憶数「1」に対応する記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶されている各乱数を保留記憶数「2」に対応する記憶領域に記憶する。同様に、主制御用CPU30aは、保留記憶数「4」に対応する記憶領域に記憶されている各乱数を保留記憶数「3」に対応する記憶領域に記憶する。すなわち、主制御用CPU30aは、図柄変動ゲームの実行(保留記憶数の1減算)に伴って、保留記憶数毎の情報(乱数の値)の記憶領域をシフトさせるシフト処理を実行する。その後、主制御用CPU30aは、ステップS45に移行する。
そして、ステップS45に移行した主制御用CPU30aは、確変状態が付与されているか否かを判定する。なお、確変フラグによる確変状態の確認方法は前述しているため、ここでは説明を省略する。ステップS45の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、低確率状態での大当り抽選を行う(ステップS46)。ステップS46における大当り抽選は、ステップS43又はステップS44の対象となる特図のうち、最も早く記憶した保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と低確率状態用の大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かによって行う。そして、ステップS46の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、低確率状態の大当り抽選で当選したことから、大当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための大当り変動処理を実行する(ステップS47)。大当り変動処理において主制御用CPU30aは、大当り図柄(特図1又は特図2)を決定する。また、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの種類及び変短状態が付与されているか否かを確認し、遊技状態(確変状態の有無及び変短状態の有無)に対応した変動パターン振分テーブルを選択する。詳しくは、非変短状態であるならば、特図変動ゲームの種類及び大当り抽選の抽選確率にかかわらず、テーブルTA2(図7)を選択する。一方、変短状態であるならば、特図変動ゲームの種類及び大当り抽選の抽選確率にかかわらず、テーブルTB2(図8(b))を選択する。
そして、主制御用CPU30aは、選択した変動パターン振分テーブルの中から、振分用乱数R1の値に基づいてリーチグループを特定するとともに、特定したリーチグループの中から、振分用乱数R2の値に基づいて当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップS45の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、高確率状態での大当り抽選を行う(ステップS48)。ステップS48における大当り抽選は、ステップS43又はステップS44の対象となる特図のうち、最も早く記憶した保留記憶数に対応付けられた当り判定用乱数の値と高確率状態用の大当り判定値を比較し、両値が一致するか否かによって行う。そして、ステップS48の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、高確率状態の大当り抽選で当選したことからステップS47に移行する。
また、ステップS46又はステップS48の判定結果が否定(大当りではない)の場合、主制御用CPU30aは、大当り判定時に読み出した当り判定用乱数の値が主制御用ROM30bに記憶されている小当り判定値と一致するか否かを判定して小当り判定(小当り抽選)を行う(ステップS49)。ステップS49の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、小当り抽選で小当りに当選したことから、小当り変動となる図柄変動ゲームを実行させるための小当り変動処理を実行する(ステップS50)。小当り変動処理において主制御用CPU30aは、小当り図柄(特図1又は特図2)を決定する。また、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの種類及び変短状態が付与されているか否かを確認し、遊技状態(確変状態の有無及び変短状態の有無)に対応した変動パターン振分テーブルを選択する。詳しくは、非変短状態であるならば、特図変動ゲームの種類及び大当り抽選の抽選確率にかかわらず、テーブルTA2(図7)を選択する。一方、変短状態であるならば、特図変動ゲームの種類及び大当り抽選の抽選確率にかかわらず、テーブルTB2(図8(b))を選択する。そして、主制御用CPU30aは、選択した変動パターン振分テーブルの中から、振分用乱数R1の値に基づいてリーチグループを特定するとともに、特定したリーチグループの中から、振分用乱数R2の値に基づいて当り変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップS49の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、大当り又は小当りとならないことを判定する。そして、主制御用CPU30aは、作動フラグの値を確認し、変短状態が付与されているか否かを判定する(ステップS51)。その後、主制御用CPU30aは、ステップS43又はステップS44の対象となる特図のうち、最も早く記憶した保留記憶数に対応付けられたリーチ判定用乱数の値を読み出す。
そして、主制御用CPU30aは、読み出したリーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較し、当該リーチ判定値と一致するか否かのリーチ許可抽選を実行する(ステップS52)。ステップS52において主制御用CPU30aは、現在の遊技状態に即したリーチ判定値を用いてリーチ許可判定を行う。なお、前述したように、リーチ判定値は、保留記憶数にかかわらず、同一の遊技状態において同一個数と設定されている。これにより、ステップS52の抽選に当選する確率は、同一遊技状態であれば、保留記憶数がどのような値であっても同一となる。ただし、前述したように、非変短状態時の第2特図変動ゲーム、及び変短状態時の第1特図変動ゲームでは、リーチ判定値が設定されていない。
ステップS52の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS56に移行する。一方、ステップS52の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、減算後(ステップS43又はステップS44)の保留記憶数を確認する(ステップS53)。その後、主制御用CPU30aは、ステップS43又はステップS44の対象となる特図のうち、最も早く記憶した保留記憶数に対応付けられた振分用乱数R1の値が、リーチグループに対応付けられているか否かを判定する(ステップS54)。
ステップS54において主制御用CPU30aは、ステップS53で確認した保留記憶数と、特図変動ゲームの種類と、遊技状態にしたがって、振分用乱数R1の値が対応付けられた選択グループを特定する(図6、図8(a)参照)。ただし、前述したように、取得した振分用乱数R1の値と保留記憶数によっては、非リーチグループが特定されることもある。本実施形態では、リーチ判定用乱数の値とリーチ判定値を比較してリーチ演出の実行許可を判定する主制御用CPU30aが、リーチ許可判定手段として機能する。
ところで、同一の選択範囲では、保留記憶数にかかわらず、同一範囲の振分用乱数R1の値が対応付けられている。このため、保留記憶数に応じてリーチになる場合とリーチにならない場合とはあるが、保留記憶数が変わったとしても、事前判定で特定された選択範囲に定められているリーチグループ以外のリーチグループに定められているリーチ演出に変化することはない。また、保留記憶数が少なくなるほど非リーチグループが選択される確率が高くなるように設定しているが、保留記憶数が多い場合であっても大当り期待度が高く設定されたリーチグループも選択可能としているので、保留記憶数が多い場合でも、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出の出現機会が減少しない。また、前述したように、変短状態中の第2特図変動ゲームでは、非リーチグループに振分用乱数R1の値を対応付けていないので、必ずステップS54が肯定判定されることになる。
図12の説明に戻り、ステップS54の判定結果が肯定の場合、リーチグループを特定したことになるので、主制御用CPU30aは、はずれリーチ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのリーチ変動処理を実行する(ステップS55)。ステップS55において主制御用CPU30aは、はずれ図柄(特図1又は特図2)を決定する。また、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの種類及び変短状態が付与されているか否かを確認し、遊技状態(確変状態の有無及び変短状態の有無)に対応した変動パターン振分テーブルを選択する。詳しくは、非変短状態であるならば、特図変動ゲームの種類及び大当り抽選の抽選確率にかかわらず、テーブルTA1(図6)を選択する。一方、変短状態であるならば、特図変動ゲームの種類及び大当り抽選の抽選確率にかかわらず、テーブルTB1(図8(a))を選択する。そして、主制御用CPU30aは、選択した変動パターン振分テーブルの中から、振分用乱数R1の値に基づいてリーチグループを特定するとともに、特定したリーチグループの中から、振分用乱数R2の値に基づいてはずれリーチ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
一方、ステップS54の判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、ステップS52にてリーチ演出の実行を許可したが、ステップS54で非リーチグループを特定したことから、リーチ演出を実行しないことを決定する。そして、主制御用CPU30aは、非リーチグループを特定したことから、はずれ変動となる図柄変動ゲームを実行させるためのはずれ変動処理を実行する(ステップS56)。ステップS56において主制御用CPU30aは、はずれ図柄(特図1又は特図2)を決定する。また、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームの種類及び変短状態が付与されているか否かを確認し、遊技状態(確変状態の有無及び変短状態の有無)に対応した変動パターン振分テーブルを選択する。詳しくは、非変短状態であるならば、特図変動ゲームの種類及び大当り抽選の抽選確率にかかわらず、テーブルTA1(図6)を選択する。一方、変短状態であるならば、特図変動ゲームの種類及び大当り抽選の抽選確率にかかわらず、テーブルTB1(図8(a))を選択する。そして、主制御用CPU30aは、選択した変動パターン振分テーブルの中から、振分用乱数R2の値に基づいてはずれ変動用の変動パターンを選択し、決定する。その後、主制御用CPU30aは、特別図柄開始処理を終了する。
また、図12の特別図柄開始処理において特別図柄及び変動パターンを決定した主制御用CPU30aは、決定事項にしたがって生成した制御コマンドを所定のタイミングで統括制御用CPU31aに出力する。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、変動パターンを指示するとともに図柄変動ゲームの開始を指示する変動パターン指定コマンドを図柄変動ゲームの開始に際して最初に出力する。また、主制御用CPU30aは、特図を指示する特図指定コマンドを主制御用の変動パターン指定コマンドの出力後、次に出力する。そして、主制御用CPU30aは、変動パターンに定められている変動時間の経過時に図柄変動ゲームの終了(図柄の確定停止)を指示する全図柄停止コマンドを変動時間の経過に伴って出力する。ちなみに、本実施形態における変動パターン指定コマンド、特図指定コマンド、全図柄停止コマンドは、特図1用及び特図2用がそれぞれ設定されている。
次に、当り遊技終了後の遊技状態に関して主制御用CPU30aが実行する制御を説明する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率を高確率状態(確変状態)とする場合には確変フラグに「1」を設定するとともに、高確率状態であることを指示する確変コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に大当り抽選の抽選確率を低確率状態とする場合には確変フラグに「0」を設定するとともに、低確率状態であることを指示する非確変コマンドを出力する。
また、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与する場合には作動フラグに「1」を設定するとともに、変短状態であることを指示する作動コマンドを出力する。一方、主制御用CPU30aは、大当り遊技終了後に変短状態を付与しない場合には作動フラグに「0」を設定するとともに、非変短状態であることを指示する非作動コマンドを出力する。また、主制御用CPU30aは、変短状態を付与する場合、大当りの種類毎に設定された変短上限回数を、作動回数として主制御用RAM30cの所定の記憶領域に設定する。そして、主制御用CPU30aは、特図変動ゲームが実行される毎に作動回数を「1」減算し、値が「0」となると、作動フラグに「0」を設定し、非作動コマンドを出力する。
主制御用CPU30aは、大当り遊技の開始時に、確変フラグ、作動フラグ、及び作動回数に「0」を設定する。これにより、大当り遊技中の遊技状態は、低確+変短なしとなる。また、主制御用CPU30aは、小当り遊技の場合、小当り抽選の当選時の遊技状態を継続させることから、確変フラグ、作動フラグ及び作動回数の現在の設定値を何れも維持する。
次に、普図ゲームに関する普通図柄開始処理を説明する。
最初に、主制御用CPU30aは、普図ゲームの実行中又は普図当り抽選の当選に基づく開閉羽根16の動作中か否かの普図実行条件を判定する。この判定結果が肯定(普図ゲーム中又は開閉羽根16の動作中である)の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。その一方で、この判定結果が否定(普図ゲーム中ではなく、かつ開閉羽根16の動作中でもない)の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数が「0」よりも大きいか否かの普図保留判定を行う。この判定結果が否定の場合、主制御用CPU30aは、普通図柄開始処理を終了する。
一方、普図保留判定の判定結果が肯定の場合、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数の数を「1」減算し、更新後(減算後)の普図保留記憶数を表示するように普通図柄保留表示装置の表示内容を制御する。また、主制御用CPU30aは、普図保留記憶数に対応付けられて主制御用RAM30cの所定の記憶領域に記憶されている普図当り判定用乱数の値を読み出す。そして、主制御用CPU30aは、読み出した普図当り判定用乱数の値と普図当り判定値を比較し、両値が一致するか否かの普図当り判定を行う。このとき、主制御用CPU30aは、作動フラグを確認し、非変短状態の場合、非変短状態用の普図当り判定値を用いる一方で、変短状態の場合、変短状態用の普図当り判定値を用いる。この遊技状態に応じた普図当り判定値の選択により、変短状態中は、普図当り判定(普図当り抽選)の抽選確率が高確率に変動する。
また、主制御用CPU30aは、普図ゲームの変動時間を定めた普図用の変動パターンを選択する。このとき、主制御用CPU30aは、遊技状態が非変短状態の場合、第1の変動時間(例えば5秒)を定めた普図用の変動パターンを選択する一方で、遊技状態が変短状態の場合、第1の変動時間よりも短い第2の変動時間(例えば1秒)を定めた普図用の変動パターンを選択する。この遊技状態に応じた変動時間の異なる変動パターンの選択により、変短状態中は、普図ゲームの変動時間が短縮される。
続いて、普図用の変動パターンを選択した主制御用CPU30aは、当該変動パターンにしたがって普通図柄表示装置20に普図ゲームを実行させる。そして、主制御用CPU30aは、普図用の変動パターンに定める変動時間の経過時に、普図当り判定を肯定判定している場合には当り図柄を普通図柄表示装置20に確定停止表示させる一方で、普図当り判定を否定判定している場合にははずれ図柄を普通図柄表示装置20に確定停止表示させる。
また、普図当り判定を肯定判定した場合、主制御用CPU30aは、普図ゲームの終了後(当り図柄の確定停止表示後)、開閉羽根16を所定の動作パターンにしたがって開閉動作させる。具体的に言えば、主制御用CPU30aは、非変短状態時の場合、開閉羽根16を、第1開放時間(本実施形態では0.2秒)で第1回数(本実施形態では1回)分、開放動作させる。一方、主制御用CPU30aは、変短状態時の場合、開閉羽根16を、第1開放時間よりも長い第2開放時間(本実施形態では1.5秒)で、第1回数よりも多い第2回数(本実施形態では3回)分、開放動作させる。この遊技状態に応じた異なる動作パターンによる開閉羽根16の開放動作の制御により、変短状態中は、開閉羽根16の開放時間が長くなる。
次に、統括制御基板31の統括制御用CPU31aが、統括制御プログラムに基づいて実行する各種処理を説明する。
統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、特図指定コマンドを入力すると、当該コマンドにしたがって演出表示装置11に一旦停止表示又は確定停止表示させる飾図の図柄組み合わせを決定する。そして、統括制御用CPU31aは、決定した飾図を指示する飾図指定コマンドを表示制御基板32に出力する。また、統括制御用CPU31aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板32に出力する。
また、統括制御用CPU31aは、入力した確変コマンド、非確変コマンド、作動コマンド、及び非作動コマンドから遊技状態を特定し、現在の遊技状態を遊技者に報知するための演出モードを設定するとともに、その設定した演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。なお、統括制御用CPU31aは、設定する演出モードを示す値をモードフラグに設定することによって管理する。ちなみに、統括制御用CPU31aは、第1潜確モードM1cの背景画像については、モードフラグとは別に、背景画像を示す値を背景フラグにセットすることによって管理する。そして、統括制御用CPU31aは、上記各コマンドから特定される遊技状態と、当りの種類をもとに演出モードの移行を制御する。
具体的に説明すると、図4に示すように、統括制御用CPU31aは、大当りAが決定された場合、設定されている演出モードの種類にかかわらず、大当り遊技終了後の演出モードを「高確+変短あり」の高確確定モードM3に設定する。一方、統括制御用CPU31aは、大当りBが決定された場合、設定されている演出モードの種類にかかわらず、大当り遊技終了後の演出モードを第2潜確モードM2に設定する。
また、「低確+変短なし」の通常モードM1a、「低確+変短なし」の先読みモードM1b、又は「低確+変短なし」の第1潜確モードM1cが設定されているときに大当りCが決定された場合、統括制御用CPU31aは、以下のような制御を実行する。同様に、変短状態の有無にかかわらず、通常モードM1a、先読みモードM1b、又は第1潜確モードM1cが設定されているときに小当りEが決定された場合も、統括制御用CPU31aは、以下のような制御を実行する。すなわち、統括制御用CPU31aは、大当り抽選の抽選確率に従って、第1潜確モードM1cの青背景、緑背景、及び赤背景のうちいずれかを設定する(図15の背景決定テーブルTD0参照)。ただし、赤背景は、高確率状態の場合のみ移行可能としているため、統括制御用CPU31aは、低確率状態である場合、青背景又は緑背景を設定する。
一方、「高確+変短なし」の通常モードM1a、「高確+変短なし」の先読みモードM1b、又は「高確+変短なし」の第1潜確モードM1cが設定されているときに大当りCが決定された場合、統括制御用CPU31aは、「高確+変短あり」の高確確定モードM3に設定する。また、第2潜確モードM2が設定されているときに大当りCが決定された場合、統括制御用CPU31aは、高確確定モードM3に設定する。また、高確確定モードM3が設定されているときに大当りCが決定された場合、統括制御用CPU31aは、高確確定モードM3に設定する。
また、統括制御用CPU31aは、大当りDが決定された場合、設定されている演出モードの種類にかかわらず、大当り遊技後の演出モードを「低確+変短あり」の第2潜確モードM2に設定する。なお、統括制御用CPU31aは、大当りDを経由して第2潜確モードM2に移行させた場合、変短状態の終了に伴って、大当り遊技終了後、51回目の図柄変動ゲームから変短なしの演出モードのうちいずれかに移行させる。一方、大当りBを経由して第2潜確モードM2に移行させた場合、大当り遊技終了後、51回目の図柄変動ゲームであっても第2潜確モードM2を設定する。これにより、第2潜確モードM2で行われる図柄変動ゲームの回数が「51回」を越えた時点で、高確率状態であることが確定する。
また、第2潜確モードM2が設定されているときに小当りEが決定された場合、統括制御用CPU31aは、第2潜確モードM2に設定する。また、高確確定モードM3が設定されているときに小当りEが決定された場合、統括制御用CPU31aは、高確確定モードM3に設定する。
このように構成された本実施形態のパチンコ遊技機では、当り遊技を経由したモード移行に加えて、予め定めた所定条件が成立した際にも演出モードが移行する。本実施形態における所定条件は、演出モードを移行させるか否かの移行抽選で移行を決定することとしている。なお、以下の説明では、先読みモードM1bへ移行させるか否かの移行抽選を「先読み移行抽選」と示す一方で、第1潜確モードM1cの背景画像を変化させるか否かの移行抽選を「背景移行抽選」と示す。
背景移行抽選の抽選結果に基づいて背景画像を移行させる場合、統括制御用CPU31aは、背景移行抽選の抽選結果に基づく背景画像に対応する値を背景フラグに設定する。その後、統括制御用CPU31aは、決定した背景画像を指示する背景指定コマンドを表示制御用CPU32aに出力する。本実施形態では、演出モードを設定する統括制御用CPU31aが、演出モード制御手段として機能する。
次に、表示制御基板32について説明する。
表示制御基板32の表示制御用CPU32aは、変動パターン指定コマンドを入力すると、これらのコマンドの指示内容にしたがって演出内容を選択するとともに、該演出内容で図柄変動ゲームを行わせるように画像表示部GHの表示内容を制御する。このとき、表示制御用CPU32aは、選択した演出内容をもとに表示制御用ROM32bの画像データを用いて前記演出内容に沿った画像を表示するための表示用データを生成する。そして、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲームの開始に伴って該ゲームの開始からの経過時間を計時することにより、その計時した時間と表示用データをもとに画像表示部GHに映し出す画像を所定の制御周期毎に切り替える。そして、表示制御用CPU32aは、図柄変動ゲームにおいて飾図指定コマンドで指示された飾図を導出するとともに、全図柄停止コマンドの入力によって飾図による図柄組み合わせを確定停止表示させるように画像表示部GHの表示内容を制御する。また、表示制御用CPU32aは、モード指定コマンド又は背景指定コマンドを入力すると、その指示内容に基づき、背景画像を画像表示させる。本実施形態では、振分用乱数R1,R2によって特定された変動パターンにしたがって、図柄変動ゲームを演出表示装置11に表示させる表示制御用CPU32aが、ゲーム制御手段として機能する。
このように構成された本実施形態のパチンコ遊技機では、第1潜確モードM1c(特に赤背景)から通常モードM1aに移行した場合、その他の背景画像(青背景又は緑背景)であったときとは異なる態様で演出を実行するようになっている。具体的に説明すると、通常モードM1a、第1潜確モードM1cの青背景及び緑背景のうちいずれかが設定されている場合、実行中の図柄変動ゲームが大当りとなる可能性を示唆する予告演出として、画像表示部GHにコメントが表示されるコメント予告が実行されるようになっている。コメント予告は、大当り抽選に当選した場合、及び当選しなかった場合のどちら場合であっても実行され得る。一方、第1潜確モードM1cの赤背景が設定されている場合、コメント予告として、通常モードM1a、第1潜確モードM1cの青背景及び緑背景のうちいずれかが設定されている場合には設定されない特殊コメント(図13参照)と、ランプRaが赤色に点滅している画像が表示されるようになっている。そして、第1潜確モードM1cに赤背景が設定されているときに表示されていた特殊コメントとランプRaを模した画像は、通常モードM1aに移行した場合であっても、次回大当り抽選に当選するまでの間、継続表示される。
なお、以下に説明する背景変化演出、保留変化演出、及び先読みモードM1bへの移行は、変短状態が付与されていないときに実行される演出であるため、以下の説明では、第1特図変動ゲームを中心に説明する。
最初に、背景変化演出の制御内容について、図16及び図17に従って説明する。
本実施形態では、赤背景から通常モードM1aに移行した場合、赤背景に再度、移行させるか否かの背景移行抽選が実行されるようになっている。この場合、赤背景から通常モードM1aに移行した後、その通常モードM1aが設定されてから実行された図柄変動ゲームの実行回数と大当り抽選の抽選確率に従って移行確率を定めた背景決定テーブルTD1(図16(a))が設定されている。一方、第1潜確モードM1cが設定されている場合、該モードが設定されてから実行された図柄変動ゲームの実行回数と、大当り抽選の抽選確率に従って、移行先の背景画像を決定するための背景決定テーブルが設定されている。具体的には、青背景が設定されている場合のテーブルとして背景決定テーブルTD2(図16(b))が、緑背景が設定されている場合のテーブルとして背景決定テーブルTD3(図17(a))が、赤背景が設定されている場合のテーブルとして背景決定テーブルTD4(図17(b))が、それぞれ設定されている。
図16(a)に示す背景決定テーブルTD1では、赤背景から通常モードM1aに移行後、その通常モードM1aが設定されてから実行された図柄変動ゲームの回数毎に、第1抽選乱数(図中、「乱数1」と示す)の取り得る数値(本実施形態では、0〜198までの全199種類の整数値)が、「当選」及び「非当選」に対して、所定個数ずつ振分けられている。なお、第1抽選乱数は、演出モード(又は背景画像)を移行させるか否かを決定するために参照される乱数である。さらに、背景決定テーブルTD1では、第2抽選乱数(図中、「乱数2」と示す)の取り得る数値(本実施形態では、0〜250までの全251種類の整数値)が、「赤背景(図中、「赤」と示す)」のみを選択可能となるように振分られている。なお、第2抽選乱数は、第1抽選乱数を用いた背景移行抽選で移行が決定された場合に移行先の演出モード(背景画像)を決定するために参照される乱数である。
また、背景決定テーブルTD2〜TD4では、第1潜確モードM1cが設定されてから実行された図柄変動ゲームの回数毎に、第1抽選乱数の取り得る数値が、「当選」及び「非当選」に対して、所定個数ずつ振分けられている。さらに、背景決定テーブルTD2〜TD4では、第2抽選乱数の取り得る数値が、「通常モードM1a(図中、「通常」と示す)」、「青背景(図中、「青」と示す)」、「緑背景(図中、「緑」と示す)」、及び「赤背景」に対して、所定個数ずつ振分られている。
最初に、通常モードM1aが設定されている際の赤背景への移行態様について、図16(a)に従って説明する。
図16(a)に示す背景決定テーブルTD1では、大当り抽選の抽選確率が低確率状態である場合、赤背景から移行した通常モードM1aで実行された図柄変動ゲームの回数にかかわらず、「非当選」のみが選択されるように第1抽選乱数の値が対応付けられている。これにより、大当り抽選の抽選確率が低確率状態であれば、赤背景に再度、移行することがない。一方、大当り抽選の抽選確率が高確率状態である場合、赤背景から移行した通常モードM1aで実行された図柄変動ゲームの回数が「1〜5」であれば、「非当選」のみが選択されるように第1抽選乱数の値が対応付けられている。一方、大当り抽選の抽選確率が高確率状態である場合、赤背景から移行した後の通常モードM1aで実行された図柄変動ゲームの回数が「6回以上」であれば、「赤背景」又は「非当選」が選択されるように第2抽選乱数の値が対応付けられている。これにより、通常モードM1aが設定されている場合であっても、大当り抽選の抽選確率が高確率状態であれば、再度、赤背景に移行可能となる。
次に、第1潜確モードM1cの青背景が設定されている際の移行態様について、図16(b)に従って説明する。
図16(b)に示す背景決定テーブルTD2では、大当り抽選の抽選確率にかかわらず、第1潜確モードM1cが設定されてから実行された図柄変動ゲームの回数が「1〜5」である場合、「非当選」のみが選択されるように第1抽選乱数の値が対応付けられている。さらに、大当り抽選の抽選確率にかかわらず、第1潜確モードM1cが設定されてから実行された図柄変動ゲームの回数が「19」である場合も、「非当選」のみが選択されるように第1抽選乱数の値が対応付けられている。つまり、演出モードが通常モードM1aに移行する直前の図柄変動ゲームでは、背景変化が起こらないようになっている。一方、大当り抽選の抽選確率にかかわらず、第1潜確モードM1cが設定されてから実行された図柄変動ゲームの回数が「20」である場合、必ず、「通常モードM1a」を選択し得るように第2抽選乱数の値が対応付けられている。つまり、第1潜確モードM1cは、20回目の図柄変動ゲームで設定されている背景画像にかかわらず、20回目の図柄変動ゲームの実行を以て終了する演出モードとなる。なお、第1潜確モードM1c滞在中に背景画像が変化したとしても、「20回」に到達していないのであれば、第1潜確モードM1cの開始時から計測していた図柄変動ゲーム数はリセットされない。
また、第1潜確モードM1cが設定されてから実行された図柄変動ゲームの回数が「6〜18」である場合、低確率状態であるときには、「緑背景」を選択し得るように第2抽選乱数の値が対応付けられている。一方、高確率状態である場合は、低確率状態である場合に比して背景移行抽選に当選する確率が高くなるように第1抽選乱数の値が対応付けられているとともに、「緑背景」又は「赤背景」を選択可能となるように第2抽選乱数の値が対応付けられている。ただし、「赤背景」が選択される確率は、極めて低く設定されている。
次に、第1潜確モードM1cの緑背景が設定されている際の移行態様について、図17(a)に従って説明する。
図17(a)に示す背景決定テーブルTD3では、大当り抽選の抽選確率にかかわらず、第1潜確モードM1cが設定されてから実行された図柄変動ゲームの回数が「1〜5」である場合、「非当選」のみが選択されるように第1抽選乱数の値が対応付けられている。さらに、大当り抽選の抽選確率にかかわらず、第1潜確モードM1cが設定されてから実行された図柄変動ゲームの回数が「19」である場合も、「非当選」のみが選択されるように第1抽選乱数の値が対応付けられている。また、大当り抽選の抽選確率にかかわらず、第1潜確モードM1cが設定されてから実行された図柄変動ゲームの回数が「20」である場合、必ず、「通常モードM1a」を選択し得るように第2抽選乱数の値が対応付けられている。
一方、大当り抽選の抽選確率が低確率状態である場合、第1潜確モードM1cが設定されてから実行された図柄変動ゲームの回数が「6〜18」であるときにも、「非当選」のみが選択されるように第1抽選乱数の値が対応付けられている。一方、高確率状態である場合、第1潜確モードM1cが設定されてから実行された図柄変動ゲームの回数が「6〜18」であるときには、「非当選」も選択可能であるが、「当選」が選択されたときには「赤背景」のみを選択可能となるように第2抽選乱数の値が対応付けられている。
次に、第1潜確モードM1cの赤背景が設定されている際の移行態様について、図17(b)に従って説明する。
前述したように、赤背景は大当り抽選の抽選確率が高確率状態である場合のみ設定可能であるため、図17(b)に示す背景決定テーブルTD4では、大当り抽選の抽選確率が低確率状態である場合、第1,第2抽選乱数の値が対応付けられていない。
一方、大当り抽選の抽選確率が高確率状態である場合、第1潜確モードM1cが設定されてから実行された図柄変動ゲームの実行回数が「1〜5」又は「19」であるときには「非当選」のみが選択されるように第1抽選乱数の値が対応付けられている。一方、第1潜確モードM1cが設定されてから実行された図柄変動ゲームの回数が「6〜18」であるときには、「非当選」も選択可能であるが、「当選」が選択されたときには、再度、「赤背景」のみを選択可能となるように第2抽選乱数の値が対応付けられている。また、第1潜確モードM1cが設定されてから実行された図柄変動ゲームの回数が「20」である場合、必ず「通常モードM1a」を選択し得るように第2抽選乱数の値が対応付けられている。
このような移行形態により、第1潜確モードM1cは、設定されている背景の色にかかわらず、第1潜確モードM1cに移行してから20回目の図柄変動ゲームが実行されるまでの間を上限として設定可能な演出モードとなる。つまり、「20回の図柄変動ゲームが実行されること」を移行条件として、第1潜確モードM1cにおいて赤背景まで移行していたとしても通常モードM1aに移行する。また、背景移行抽選に当選した場合、現在設定されている背景画像よりも高確期待度が低く設定された背景画像が選択されることがないよう、乱数値を振り分けている。
そして、統括制御用CPU31aは、現在の大当り抽選の抽選確率と現在設定されている演出モードの種類と、第1潜確モードM1cが設定されているときには現在設定されている背景画像の種類と、を確認して、いずれか1つの背景決定テーブルを特定する(図16、図17)。その後、統括制御用CPU31aは、演出モードに移行してから実行された図柄変動ゲームの回数に従って、決定したテーブルから移行先の背景画像を決定する。本実施形態では、背景決定テーブルに従って移行先の背景を決定することが、変化抽選に相当する。そして、統括制御用CPU31aは、移行先の演出モードを特定するモード指定コマンドを表示制御基板32に出力する。なお、第1潜確モードM1cにおいて背景画像のみを変化させる場合、統括制御用CPU31aは、背景画像を特定する背景指定コマンドを表示制御基板32に出力する。
また、通常モードM1aから第1潜確モードM1cに移行した場合、統括制御用CPU31aは、通常モードM1aが設定されてからカウントしていたゲーム回数をリセットする。一方、第1潜確モードM1c内において背景画像を変化させる場合、統括制御用CPU31aは、第1潜確モードM1cが設定されてからカウントしていたゲーム回数をリセットしない。
さらに、統括制御用CPU31aは、前述した過程で特定した演出モード中、図14に示すコメント決定テーブルTEに従って、コメント予告の種類を選択し、選択したコメントを指示するコメント指示コマンドを表示制御基板32に出力する。なお、赤背景を設定した場合、統括制御用CPU31aは、図14に示すテーブルに従って、特殊コメントとしての「コメントK4」を選択し、当該コメントを指示するコメント指示コマンドを表示制御基板32に出力する。これにより、赤背景の表示に加え、別途、コメントK4の内容でコメント予告が実行される。また、赤背景から通常モードM1aに移行した場合も、統括制御用CPU31aは、図14に示すテーブルに従って、「コメントK4」を選択し、当該コメントを指示するコメント指示コマンドを表示制御基板32に出力する。具体的には、統括制御用CPU31aは、背景フラグの値をリセットすることなく記憶しておき、通常モードM1aに移行した際に、背景フラグに「赤背景」を示す値がセットされているのであれば、コメントK4を選択する。これにより、通常モードM1aが設定されている期間中も特殊コメントを表示させることが可能となる。なお、統括制御用CPU31aは、大当り抽選に当選するまで、背景フラグの値を維持する。一方、赤背景以外の背景画像が設定されている場合、「コメントK4」に乱数の値を振り分けていないので、赤背景が設定されていないときには「コメントK4」でコメント予告が実行されることがない。ただし、赤背景の直後に通常モードM1aに移行した場合は、図14のテーブルから「コメントK4」を選択可能である。
そして、コメント指示コマンドを入力した表示制御用CPU32aは、該コマンドで指示されるコメントを表示させるように演出表示装置11を制御する。なお、入力したコマンドが「コメントK4」を特定している場合、表示制御用CPU32aは、該コマンドに従って、「コメントK4」に対応する内容のコメントと、ランプRaの点灯画像を表示させるように演出表示装置11を制御する。
本実施形態では、背景画像の変化を伴って実行される第1潜確モードM1cが、特別演出モードに相当し、第1潜確モードM1cにおける背景画像の変化が、報知演出及び第2報知演出に相当する。さらに、第1潜確モードM1cの赤背景が、その報知態様からは高確率状態である旨を確定的に報知しない特殊報知態様に相当する。また、特殊コメントとランプRaの点灯画像を表示させる演出(以下、発光演出と示す)が、第1報知演出に相当する。また、背景画像を変化させるように演出表示装置11を制御する表示制御用CPU32aが、報知制御手段として機能する。
以下、背景変化演出の流れについて図22に従って説明する。
図22(a)は、低確率状態時における背景画像の変化態様である。
通常モードM1aの設定時に、小当りEに当選し、図15に基づいて青背景への移行が決定されたとすると、移行を決定したときに行われていた図柄変動ゲームの終了後に、第1潜確モードM1cに移行する。この場合、図14に示す振分に従ってコメント予告の演出内容が決定されるが、コメントK4は選択されないので、発光演出が行われずその他のコメント予告(例えば、コメントK1)が実行される。
そして、第1潜確モードM1cが設定されてから10回目の図柄変動ゲームの開始時に、図16(b)に基づく背景移行抽選に当選したとすると、青背景から緑背景に移行する。なお、緑背景の設定中も、図14に示す振分に従ってコメント予告の演出内容が決定されるが、コメントK4は選択されないので、発光演出が行われずその他のコメント予告(例えば、コメントK2)が実行される。なお、青背景から緑背景への移行は、同一の演出モード内における背景変化であるため、第1潜確モードM1cの開始時から計測していた図柄変動ゲームの回数はリセットされない。
さらに、第1潜確モードM1cが設定されてから20回目の図柄変動ゲームの開始時には、図17(a)に基づく背景移行抽選に従って移行先が決定され、緑背景から通常モードM1aに移行する。また、通常モードM1aにおいても、図14に示す振分に従ってコメント予告の演出内容が決定されるが、コメントK4は選択されないので、発光演出が行われずその他のコメント予告(例えば、コメントK1)が実行される。
図22(b)は、高確率状態時における背景画像の変化態様である。
第1潜確モードM1cが設定されてから7回目の図柄変動ゲームの開始時に、図16(b)に基づく背景移行抽選に当選したとすると、青背景から緑背景に移行する。また、第1潜確モードM1cが設定されてから10回目の図柄変動ゲームの開始時に、図17(a)に基づく背景移行抽選に当選したとすると、緑背景から赤背景に移行する。また、赤背景に移行したことによって、図14に示す振分からコメントK4が選択可能となり、コメントK4が選択された際には、コメントK4が表示されることに伴って発光演出も実行される。コメントK4と発光演出は、高確確定モードM3設定時のように高確率状態であることを明確に報知するわけではないが、高確率状態時のみ実行可能とされた予告演出である。
その後、第1潜確モードM1cが設定されてから20回目の図柄変動ゲームの開始時には、図17(b)に基づく背景移行抽選に従って移行先が決定され、赤背景から通常モードM1aに移行する。ただし、直前まで赤背景が設定されていたことにより、通常モードM1aであってもコメントK4のコメント予告と発光演出が行われる。これにより、画像表示部GHに表示されている背景画像は、高確期待度が低い通常モードM1aに対応する背景画像であるが、高確率状態時のみ表示可能とされていたコメントK4のコメント予告と発光演出が行われるので、遊技者は高確率状態であることを認識する。そして、その通常モードM1aの設定時に、図16(a)に基づく背景移行抽選に当選したとすると、再度、第1潜確モードM1cの赤背景に移行する。そして、コメントK4のコメント予告と発光演出が行われる。このコメント予告と発光演出は、大当り抽選に当選したときには、大当り遊技の開始時に終了する。
ところで、本実施形態のパチンコ遊技機では、前述したように事前演出を実行可能に構成されている。本実施形態では、「保留変化演出」と、「先読みモードM1bへの移行」の2種類の事前演出が設定されている。
以下、事前演出を実行させるために統括制御基板31が行う制御内容を説明する。
統括制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力すると、該コマンドで特定される保留記憶数に従って、該コマンドを対応する統括制御用RAM31cの記憶領域に設定する。なお、事前判定コマンドに従って演出内容を決定した場合には、その内容を指示する各種情報を、対応する統括制御用RAM31cの記憶領域に設定する。また、統括制御用CPU31aは、変動パターン指定コマンドを入力する毎に、現在の保留記憶数から−1(1減算)した保留記憶数に新たに対応付けて事前判定コマンド及び各種情報を統括制御用RAM31cに記憶する。
そして、統括制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力すると、入力したコマンドに従って、保留変化演出の実行可否の決定、及び先読みモードM1bへの移行抽選をそれぞれ独立して行う。つまり、保留変化演出と先読みモードM1bへの移行は、同時に起こる場合がある。そして、保留変化演出の演出内容、又は先読みモードM1bへの移行を決定した統括制御用CPU31aは、その内容を指示する演出指示コマンドを表示制御基板32に出力する。そして、これらの演出に係る各種コマンドを入力した表示制御用CPU32aは、該コマンドに従って、保留変化演出を実行させる又は先読みモードM1bへ移行させる。
ただし、本実施形態では、保留変化演出中に新たに保留変化演出を開始させないように規制している。したがって、統括制御用CPU31aは、保留変化演出の実行中に事前判定コマンドを入力したとしても、該コマンドに基づいて保留変化演出を新たに開始させない。なお、統括制御用CPU31aは、保留変化演出の開始時、又は先読みモードM1bへの移行時に、事前演出の種類と事前演出の実行中であるか否かを判別する実行中フラグに対応する値をセットするようになっている。これにより、統括制御用CPU31aが、実行中フラグにセットした値を確認することで、事前演出の実行中であるか否か、実行中である場合にはその種類を判別することができる。そして、実行中フラグにセットされた値が保留変化演出の実行中であることを示す値であった場合、統括制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力しても保留変化演出を実行しない。
一方、先読みモードM1bが設定されているときに新たに事前判定コマンドを入力した場合、統括制御用CPU31aは、入力した事前判定コマンドに従って、再度、先読みモードM1bに移行させるか否かの移行抽選を実行する。そして、移行抽選に当選したときには、一旦、通常モードM1aに移行させた後、同一の図柄変動ゲーム内で、再度、先読みモードM1bに移行させる指示を表示制御用CPU32aに行う。
なお、統括制御用CPU31aは、大当り抽選又は小当り抽選に当選した場合、統括制御用RAM31cに記憶した事前判定コマンド及び事前演出にかかる各種情報をリセットする。また、統括制御用CPU31aは、低確率状態時に非共通大当り用の事前判定コマンドを入力したときも、該コマンドに基づいて保留変化演出を実行しない。一方、高確率状態時に非共通大当り用の事前判定コマンドを入力したときは、該コマンドに基づいて保留変化演出を実行する。同様に、統括制御用CPU31aは、保留記憶数の違いによって非リーチグループを特定することがある振分用乱数R1の値を取得している場合も、該コマンドに基づいて保留変化演出を実行しない。事前判定の実行時には「リーチグループ」を特定していたにもかかわらず、図柄変動ゲームの開始時における保留記憶数が少ない場合には、非リーチグループが特定される可能性もあり、そのような場合には、事前判定の対象となった図柄変動ゲームの開始前に行われた事前演出の大当りに対する信頼度が低下してしまうからである。
ちなみに、先読みモードM1bには、事前判定コマンドを入力する度に行う先読み移行抽選に当選したときに移行するようになっている。このため、先読みモードM1bの移行契機となる図柄変動ゲームの内容が当りとなるか否かや、リーチと事前判定されていたが実際のゲーム開始時にリーチとならないなどは、先読みモードM1bへの移行に影響を与えない。つまり、先読みモードM1bへの移行可否には、事前判定コマンドの種類は関与せず、事前判定コマンドの入力を契機に行う移行抽選に当選したか否かが関与することになる。
最初に、保留変化演出について、図18に従って説明する。
図18に示すように、第1始動入賞口14で遊技球が検知された場合、その遊技球が何球目の第1始動保留球であるかによって異なる保留色の変化パターンを設定している。そして、その変化パターンを特定し得るように変化パターン毎に保留オフセット値を対応付けている。変化パターンでは、変化後の保留色が変化前の保留色よりも不利な色とならないようにその変化態様が定められている。保留変化演出の変化色としては、青色(通常色)<緑色<赤色<虹色の順に有利な色として定められている。
例えば、第1保留記憶数が「1」である場合、保留オフセット値「1」には、第1始動入賞口14への入球時に、第1個別表示領域Ha1を「青色」で表示させる内容が対応付けられている。また、第1保留記憶数が「2」である場合、保留オフセット値「9」には、第1始動入賞口14への入球時に第1個別表示領域Ha2を「青色」で表示させ、1回の第1特図変動ゲームの終了後に、第1個別表示領域Ha1を「緑色」で表示させる内容が対応付けられている。また、第1保留記憶数が「3」である場合、保留オフセット値「20」には、次のような変化パターンが対応付けられている。その内容は、第1始動入賞口14への入球時に第1個別表示領域Ha3を「青色」で表示させ、1回の第1特図変動ゲームの終了後に、第1個別表示領域Ha2を「青色」で表示させ、その後、再度、1回の第1特図変動ゲームの終了後に、第1個別表示領域Ha1を「緑色」で表示させる内容である。以下、その他の保留オフセット値についても、それぞれ異なる変化パターンが対応付けられている。
そして、統括制御用CPU31aは、保留変化演出を実行させる場合、事前判定コマンドを入力すると、該コマンドで特定される第1保留記憶数と、事前判定コマンドを入力した時点における大当り抽選の抽選確率に従って、保留色決定テーブル(図19(a),(b))を特定する。保留色決定テーブルを特定した統括制御用CPU31aは、該テーブルから、入球時の第1始動保留球が第1保留記憶数「1」となるときの保留色(最終変化色)を抽選で決定する。
図19(a)は、入球時の第1保留記憶数が「1」である場合に参照される保留色決定テーブルTF1を示す一方で、図19(b)は、入球時の第1保留記憶数が「3」である場合に参照される保留色決定テーブルTF2を示す。なお、ここでは図示しないが、入球時の第1保留記憶数が「2」、「4」である場合に参照される保留色決定テーブルも、図19(b)に示す保留色決定テーブルTF2と同様に設定されている。具体的には、最終変化色を「青」、「緑」、「赤」、及び「虹」のいずれとするかが抽選で決定されるように乱数値が定められている点、最終変化色を決定した後に、最終変化色よりも前の変化色を保留オフセット値に従って決定する点が、保留色決定テーブルTF2と同一である。ただし、保留記憶数が異なるため、保留変化色の変化パターンを定めた保留オフセット値の選択範囲が異なる点が、保留色決定テーブルTF2と異なっている。
図19(a),(b)では、大当りAが事前判定されている場合、大当り抽選の抽選確率にかかわらず、最終変化色として「青」、「緑」、「赤」、及び「虹」のうちいずれかを選択可能となるように乱数の取り得る値が対応付けられている。ただし、大当り抽選の抽選確率が低確率状態よりも高確率状態である場合に、「赤」や「虹」が選択される確率が高くなるように乱数の値が対応付けられている。
また、大当りBが事前判定されている場合、大当り抽選の抽選確率にかかわらず、最終変化色として「青」、「緑」、及び「赤」のうちいずれかを選択可能となるように乱数の値が対応付けられている。また、大当りCが事前判定されている場合、低確率状態時には、最終変化色として「青」、「緑」、及び「赤」のうちいずれかを選択可能となるように乱数の値が対応付けられているが、高確率状態時には、最終変化色として「青」又は「緑」が選択されるように乱数の値が対応付けられている。さらに、大当りDが事前判定されている場合、低確率状態時には、最終変化色として「青」、「緑」、及び「赤」のうちいずれかを選択可能となるように乱数の値が対応付けられているが、高確率状態時には、最終変化色として「青」のみが選択されるように乱数の値が対応付けられている。また、小当りEが事前判定されている場合、低確率状態時には、最終変化色として「青」又は「緑」が選択可能となるように乱数の値が対応付けられているが、高確率状態時には、最終変化色として「青」のみが選択されるように乱数の値が対応付けられている。
また、図19(a),(b)では、「弱弱リーチグループ」又は「非リーチグループ」と事前判定されている場合、大当り抽選の抽選確率にかかわらず、最終変化色として「青」のみが選択可能となるように乱数の値が対応付けられている。また、「弱リーチグループ」、「中リーチグループ」又は「特殊リーチグループ」と事前判定されている場合、大当り抽選の抽選確率にかかわらず、最終変化色として「青」<「緑」の順に選択確率が高くなるように乱数の値が対応付けられている。
一方、「強リーチグループ」と事前判定されている場合、最終変化色として「青」、「緑」、「赤」が選択可能となるように乱数の値が対応付けられているが、大当り抽選の抽選確率が高確率状態である場合の方が、低確率状態である場合に比して「赤」の選択確率が高くなるように乱数の値が対応付けられている。なお、ここには図示していないが、保留記憶数「2」、「4」の場合も、図19(a),(b)で選択可能とされた最終変化色と同一の最終変化色が選択されるように乱数値が対応付けられている。そして、その選択確率の高低関係も、図19(a),(b)と同一に設定されている。例えば、保留記憶数「2」、「4」のときに「強リーチグループ」が事前判定されている場合、大当り抽選の抽選確率が高確率状態である場合の方が、低確率状態である場合に比して「赤」の選択確率が高くなるように乱数の値が対応付けられている。
このように、本実施形態では、低確率状態時と高確率状態時において、保留変化演出の演出内容として定められた保留変化色は同一であるが、一部の変化色に対してその選択確率を異ならせている。さらに、その選択確率を異ならせた対象となる保留変化色を、大当り期待度が高く設定された「赤」とし、かつ低確率状態時よりも高確率状態時において「赤」の選択確率を高く設定した。このため、最終的に「赤色」で保留変化演出が実行された場合、赤色となった始動保留球に基づく図柄変動ゲーム自体の大当り期待度が高く、かつそのゲームがはずれたとしても、大当り抽選の抽選確率が高確率状態である確率が高いことになる。
図20(a)は、最終変化色として「緑」が、図20(b)は、最終変化色として「赤」が、図20(c)は、最終変化色として「虹」がそれぞれ決定されたときに参照される保留オフセット値決定テーブルを示す。また、図20(a)〜(c)において、保留オフセット値の後ろに記載されている括弧内の色は、(入球時の保留色(第1個別表示領域Ha3)・第1個別表示領域Ha2の保留色・最終変化色(第1個別表示領域Ha1))となっている。
図19を用いて説明したように、「弱弱リーチグループ」又は「非リーチグループ」と事前判定された場合、最終変化色として「緑」を選択可能としていない。これにより、図20(a)では、「弱弱リーチグループ」又は「非リーチグループ」に対して乱数の値を振り分けていない。一方、「弱リーチグループ」又は「小当りE」と事前判定されている場合、入球時から最終変化色までを「緑」とする変化パターンを特定する保留オフセット値「17」のみが選択可能となるように乱数の値が振分けられている。一方、「弱弱リーチグループ」、「非リーチグループ」、「弱リーチグループ」及び「小当りE」を除くその他のリーチグループが事前判定された場合には、3種類の保留オフセット値のうちいずれかを選択可能となるように乱数の値が対応付けられている。3種類の保留オフセット値は、「17」と、(青・青・緑)の変化パターンを特定する「20」と、(青・緑・緑)の変化パターンを特定する「23」である。
図19を用いて説明したように、「弱弱リーチグループ」、「弱リーチグループ」、「中リーチグループ」、「特殊リーチグループ」、「小当りE」、又は「非リーチグループ」と事前判定された場合、最終変化色として「赤」を選択可能としていない。これにより、図20(b)では、これらのグループに対して乱数の値を振り分けていない。一方、「大当り」と事前判定されている場合、大当りの種類にかかわらず、保留オフセット値「18」、「21」、「24」、「26」、「29」、「31」のうちいずれかを選択可能となるように所定個数ずつ乱数の値が対応付けられている。
また、本実施形態では、(青・赤・赤)の変化パターンを特定する「26」のように、最終変化色よりも前の始動保留球で、直前の始動保留球から2段階以上変化するような変化パターン(例えば、(青・青・赤・赤)など)を、大当り抽選の当選時、又は「強リーチグループ」が事前判定されたときに選択可能としている。具体的には、リーチが事前判定されたときよりも大当りが事前判定されたときに選択確率が高くなるように乱数の値を対応付けている。これにより、最終変化色よりも前の始動保留球で、直前の始動保留球から2段階以上変化した際には、遊技者に大当りとなることに期待を持たせ易いことになる。
図19を用いて説明したように、「大当りA」と事前判定された場合しか、最終変化色として「虹」を選択可能としていない。これにより、図20(c)では、「大当りA」を除く全ての当り又は全ての「リーチグループ」に対して乱数の値を振り分けていない。一方、「大当りA」と事前判定されている場合、保留オフセット値「19」、「22」、「25」、「27」、「28」、「30」、「32」〜「35」のうちいずれかを選択可能となるように所定個数ずつ乱数の値が対応付けられている。本実施形態では、最終変化色として「赤色」で保留変化演出が実行されることが、特定演出に相当する。
そして、統括制御用CPU31aは、事前判定コマンドを入力すると、該コマンドで特定される保留記憶数に対応する保留色決定テーブルを特定し(保留記憶数が「1」の場合は図19(a)、保留記憶数が「3」の場合は図19(b))、該テーブルの中から大当り抽選の抽選確率に従って、最終変化色を決定する。最終変化色を決定した統括制御用CPU31aは、その最終変化色に対応する保留オフセット値決定テーブル(保留記憶数が「3」の場合は、図20(a)〜(c))を選択する。その後、統括制御用CPU31aは、選択した保留オフセット値決定テーブルから、事前判定コマンドで指示される演出内容に従って保留オフセット値を選択する。そして、統括制御用CPU31aは、決定した保留オフセット値を指示する変化色指示コマンドを表示制御基板32に出力する。なお、この変化色指示コマンドは、保留変化演出の開始時に1度だけ、表示制御基板32に出力されるようになっている。これにより、変化色指示コマンドを入力した表示制御用CPU32aは、変化色指示コマンドで指示される内容を表示制御用RAM32cに記憶しておき、変動パターン指定コマンドを入力する度に、表示制御用RAM32cの記憶内容を確認して変化色指示コマンドで指示される保留色に順次変化させるように、演出表示装置11を制御する。
本実施形態では、事前判定コマンドの入力時に大当り抽選の抽選確率を判定する統括制御用CPU31aが、状態判定手段として機能する。また、保留変化演出の変化パターンを決定する統括制御用CPU31aが、演出内容決定手段として機能する。また、保留色決定テーブルTF1,TF2において、高確率状態時に参照される保留オフセット値を決定するための乱数の値の集合体(図19(a),(b)の向かって右側における「高確」に該当する振分)が、高確用グループに相当する。一方、低確率状態時に参照される保留オフセット値を決定するための乱数の値の集合体(図19(a),(b)の向かって左側における「低確」に該当する振分)が、低確用グループに相当する。また、事前演出としての保留変化演出を演出表示装置11に実行させる表示制御用CPU32aが、演出制御手段として機能する。
以下、保留変化演出の流れについて図23に従って説明する。
図23(a)は、低確率状態時における保留変化演出の変化態様である。なお、図23(a)では、(緑・緑・赤)の変化パターンを特定する保留オフセット値「29」が選択されるとともに、「強リーチグループ」に分類されたはずれリーチ変動用の変動パターンが選択されたことを前提とする。
この場合、第1個別表示領域Ha1,Ha2は、「青色」で表示されているが、時点j1に示すように、第1保留記憶数「3」に相当する第1始動保留球の入球時に、第1個別表示領域Ha3が緑色に変化する。その後、時点j2に示すように、図柄変動ゲームの開始時に第1始動保留球が1減算されることに伴って、第1個別表示領域Ha1が「青色」で、第1個別表示領域Ha2が「緑色」で表示される。
そして、時点j2で示す実行中の図柄変動ゲームの終了後、時点j3に示すように、図柄変動ゲームの開始時に第1始動保留球が1減算されることに伴って、「緑色」で表示されていた始動保留球に対応する保留色が変化し、第1個別表示領域Ha1が「赤色」で表示される。その後、時点j4に示すように、「赤色」で表示されている第1個別表示領域Ha1に対応する第1始動保留球に基づく図柄変動ゲームが実行される。ちなみに、本実施形態では、保留変化演出中に新たな保留変化演出の実行を許可していない。これにより、保留変化演出中に始動口スイッチSW1,SW2で遊技球が検知されたとしても、その検知した遊技球に基づく保留変化演出は、通常色である「青色」で行われることになる。
一方、図23(b)は、高確率状態時における保留変化演出の変化態様である。なお、図23(b)においても、図23(a)と同一の保留オフセット値と変動パターンが選択されたことを前提とする。
この場合、時点j5〜j8では、図23(a)の時点j1〜j4と同じ流れで保留変化演出が行われる。ただし、大当り抽選の抽選確率が高確率状態であるため、赤色に変化する保留変化演出を伴って実行される最終回の図柄変動ゲームで大当りとならなかったとしても、その変化演出によって大当り抽選の抽選確率が高確率状態であることが報知されていることになる。なお、前述したように、低確率状態時にも赤色に変化する保留変化演出が実行されるので、大当り抽選の抽選確率が低確率状態である場合であっても、赤色に変化する保留変化演出が実行されたときには、遊技者は、高確率状態となっていることを期待することになる。
次に、先読みモードM1bへの移行態様について、図21に従って説明する。
先読みモードM1bには、事前判定コマンドを入力する度に実行される先読み移行抽選に当選した場合に移行する。先読み移行抽選では、次変動で先読みモードM1bに移行させるか否かが決定される。そして、該先読み移行抽選に当選した場合、統括制御用CPU31aは、先読み移行抽選の当選結果を示す当選フラグに、当選したことを示す値を設定する。なお、統括制御用CPU31aは、図21に示す移行抽選テーブルTGを参照して先読み移行抽選を実行する。
図21に示す移行抽選テーブルTGでは、保留記憶数にかかわらず、事前に判定した図柄変動ゲームの内容(当りの種類、リーチグループの種類)と、事前判定コマンドを入力したときにおける大当り抽選の抽選確率毎に、先読みモードM1bの移行の可否に対して、乱数の取り得る数値(0〜210までの211通りの整数値)が所定個数ずつ対応付けられている。
具体的に説明すると、大当りA,B,D、又は「強リーチグループ」と事前判定された場合、低確率状態時においては、「移行あり」が選択可能となるように乱数の値が振分けられている。ただし、はずれ時よりも大当り当選時に「移行あり」が選択される確率が高くなるように乱数の値が振分けられている。一方、高確率状態時においては、低確率状態よりも「移行あり」が選択される確率が高くなるように乱数の値が振分けられている。その一方で、大当りDと事前判定された場合、低確率状態時においては「移行なし」又は「移行あり」が選択可能となるが、高確率状態時においては「移行なし」のみが選択可能となるように乱数の値が対応付けられている。一方、大当りA,B,D、及び「強リーチグループ」を除くその他の演出内容が事前判定された場合、大当り抽選の抽選確率にかかわらず、「移行なし」のみが選択可能となるように乱数の値が振分けられている。
当り抽選にしたときに選択される当りの種類の割合や「強リーチグループ」の選択率を加味すると、このような振分態様とすることで、低確率状態よりも高確率状態時において先読みモードM1bに移行し易くなり、その結果、先読みモードM1bに移行した際には高確率状態である可能性が高いことになる。また、先読みモードM1bには、大当り又は大当り期待度が高く設定された変動内容が事前判定されたときに移行し易くなっているので、先読みモードM1bに移行した際には、大当りとなる可能性が高いとも言える。
このように、本実施形態では、低確率状態時と高確率状態時において、同一の選択肢(先読みモードM1bに移行させるか否か)が定められているが、その選択確率を異ならせている。より詳しくは、高確率状態時は低確率状態時に比して、高確率で先読みモードM1bに移行させ易くしたことで、先読みモードM1bに移行した際には、大当り抽選の抽選確率が高確率状態である確率が高いことになる。したがって、同じ演出内容が事前判定された場合であっても、設定されている大当り抽選の抽選確率によって、先読みモードM1bに移行する確率が異なる。
そして、事前判定コマンドを入力した統括制御用CPU31aは、図21のテーブルに従って先読み移行抽選を実行する。先読み移行抽選に当選した場合、統括制御用CPU31aは、当選フラグに、当選したことを示す値を設定し、先読み移行抽選で移行を決定した図柄変動ゲームの終了後、次の図柄変動ゲームの開始時に先読みモードM1bに移行させる。ただし、統括制御用CPU31aは、どの図柄変動ゲームの実行時であっても先読みモードM1bに移行させるわけではなく、特定の変動パターンが指示された場合に、先読みモードM1bへの移行を指示するモード指定コマンドを出力する。すなわち、特定の変動パターンが指示されていない場合には、統括制御用CPU31aは、モード指定コマンドを出力しない。
なお、前述したように、統括制御用CPU31aは、先読みモードM1bの設定中や、上限数まで記憶されている始動保留球のうち複数球で先読み移行抽選に当選した場合であっても、2回目以降の先読み移行抽選への当選を無効とすることなく、先読み移行抽選に当選した回数だけ先読みモードM1bに移行可能としている。これにより、統括制御用CPU31aは、先読みモードM1bを開始させた後、当選フラグに当選したことを示す値が設定されていることを認識した際には、その当選フラグが設定されている図柄変動ゲームが開始されるまでに行われる図柄変動ゲーム、及びその当選フラグが設定されている図柄変動ゲームの開始時に、通常モードM1aへの移行を指示するモード指定コマンドを出力する。そして、統括制御用CPU31aは、当選フラグが設定されている図柄変動ゲームよりも前であって、通常モードM1aへの移行を指示した同じ図柄変動ゲームにおいて、再度、先読みモードM1bへの移行を指示するモード指定コマンドを出力する。このとき、統括制御用CPU31aは、モードフラグの値を通常モードM1aを示す値に変更することなく、通常モードM1aへの移行を指示するモード指定コマンドのみを表示制御基板32に出力することになる。これにより、先読みモードM1b中のモード移行は、制御的に演出モードが移行しているのではなく、見た目的に背景画像が変化する態様となる。
一方、先読み移行抽選に複数回当選していない場合、統括制御用CPU31aは、先読み移行抽選を行った図柄変動ゲームの終了後、次の図柄変動ゲームの開始時に先読みモードM1bへの移行を指示するモード指定コマンドを出力する。そして、当選フラグが設定されている始動保留球に基づく図柄変動ゲームが終了するまで、先読みモードM1bを設定し、該ゲームの終了を以て通常モードM1aへの移行を指示するモード指定コマンドを出力する。
そして、モード指定コマンドを入力した表示制御用CPU32aは、該コマンドで指示される背景画像に所定のタイミングで変化させるように、演出表示装置11を制御する。
本実施形態では、図21を用いて行われる先読み移行抽選に当選したか否かを判定する統括制御用CPU31aが、当選判定手段として機能する。また、先読みモードM1bに移行させるか否かを決定する統括制御用CPU31aが、演出内容決定手段として機能する。また、図21に示す移行抽選テーブルTGにおいて、高確率状態時に参照される移行の可否を決定するための乱数の値の集合体(図21の向かって右側における「高確」に該当する振分)が、高確用グループに相当する。一方、低確率状態時に参照される移行の可否を決定するための乱数の値の集合体(図21の向かって左側における「低確」に該当する振分)が、低確用グループに相当する。
以下、先読みモードM1bへの移行態様について図24に従って説明する。
図24(a)は、通常モードM1aが設定されているときに、第1保留記憶数「2」、「4」に対応する第1始動保留球で先読みモードM1bへの移行が決定されたことを前提とする。
この場合、通常モードM1aの終了後、次の図柄変動ゲームの開始時に、通常モードM1aから先読みモードM1bに移行する(1回目)。そして、先読みモードM1bに移行して1回目の図柄変動ゲームの終了後、2回目の図柄変動ゲームでは、先読みモードM1bが継続して設定されている(2回目)。その後、先読みモードM1bに移行して3回目の図柄変動ゲームの開始時に、先読みモードM1bから通常モードM1aに移行し、3回目の図柄変動ゲーム中に、再度、通常モードM1aから先読みモードM1bに移行する。そして、先読みモードに移行してから3回目の図柄変動ゲームの終了後、4回目の図柄変動ゲームでは、先読みモードM1bが継続して設定されている(4回目)。なお、4回目の図柄変動ゲームの実行中に第1始動入賞口14に遊技球が入球したが、先読み移行抽選に当選しなかったとすると、4回目の図柄変動ゲームの終了後、次の図柄変動ゲームでは、先読みモードM1bから通常モードM1aに移行する。
このような流れで図柄変動ゲームが実行されたことにより、先読み移行抽選に当選した回数だけ先読みモードM1bに突入したかのような態様でモード移行が行われることになる。
一方、図24(b)は、先読みモードM1bが設定されているときに、第1保留記憶数「4」に対応する第1始動保留球で先読みモードM1bへの移行が決定されたことを前提とする。
この場合、移行抽選に当選した図柄変動ゲームの終了後、次の図柄変動ゲームの開始時に、先読みモードM1bから通常モードM1aに移行し、1回目の図柄変動ゲーム中に、再度、通常モードM1aから先読みモードM1bに移行する。そして、先読みモードに移行してから1回目の図柄変動ゲームの終了後、2回目〜4回目の図柄変動ゲームでは、先読みモードM1bが継続して設定されている。なお、4回目の図柄変動ゲームの実行中に第1始動入賞口14に遊技球が入球したが、先読み移行抽選に当選しなかったとすると、4回目の図柄変動ゲームの終了後、次の図柄変動ゲームでは、先読みモードM1bから通常モードM1aに移行する。
このような流れで図柄変動ゲームが実行されたことにより、移行抽選に当選した回数だけ先読みモードM1bに突入したかのような態様でモード移行が行われることになる。
したがって、本実施形態によれば、以下のような効果を得ることができる。
(1)演出内容決定手段(統括制御用CPU31a)は、事前判定が行われた時の演出モードが潜確モード(第1潜確モードM1c)であった場合、状態判定手段(統括制御用CPU31a)によって高確率状態と判定されたときには、高確用グループ(図19(a),(b)の向かって右側における「高確」に該当する振分)を用いて事前演出(保留変化演出)の演出内容を決定する。一方で、状態判定手段によって低確率状態と判定されたときには、低確用グループ(図19(a),(b)の向かって左側における「低確」に該当する振分)を用いて事前演出の演出内容を決定する。さらに、高確用グループと低確用グループとで、選択対象となる同一内容の事前演出(最終変化色)の一部においてその選択確率を異ならせた。これにより、事前演出の演出内容によって、保留中の図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを判定することができるとともに、状態判定手段の判定結果を反映して事前演出の演出内容が決定されることになる。つまり、事前演出によって状態判定手段の反映結果が報知されることで、事前演出の付加価値が高められることになるので、遊技者の事前演出に対する興趣を十分に高めることができる。
(2)高確率状態及び低確率状態のいずれの場合でも設定される潜確モードが設定されているときには、大当り抽選の抽選確率を判断することができなかったとしても、最終変化色が決定される割合を大当り抽選の抽選確率に応じて異ならせた。これにより、保留変化演出の演出内容から大当り抽選の抽選確率を判断することができるので、遊技者に抽選確率を推測させる機会を与えることができる。
(3)事前演出の内容を保留変化演出としたことで、事前演出の実行によって、どの始動保留球が大当りの可能性が高いのかを遊技者に分かり易く報知するとともに、事前判定実行時の抽選確率を遊技者に推測させることができるので、1つの演出によって複数の事項(抽選確率、大当りの可能性の高い始動保留球)を報知することができる。
(4)保留されている図柄変動ゲームが大当り期待度の低い内容であっても、事前判定実行時の抽選確率が高確率状態である場合には、特定演出(最終変化色を「赤」とすること)を決定することで、特定演出の出現によって、抽選確率が高確率状態であることを報知することができる。これにより、図柄変動ゲームの演出内容に関しては、遊技者にとって有利な展開とならない可能性もあるが、抽選確率に関しては、高確率状態となっている可能性が高いため、事前演出の演出内容から遊技者を落胆させることなく、遊技者の事前演出に対する興趣を十分に高めることができる。
(5)(青・赤・赤)の変化パターンを特定する「26」のように、最終変化色よりも前の始動保留球で、直前の始動保留球から2段階以上変化するような変化パターン(例えば、(青・青・赤・赤)など)を、大当り抽選の当選時、又は「強リーチグループ」が事前判定されたときに選択可能とした。具体的には、リーチが事前判定されたときよりも大当りが事前判定されたときに選択確率が高くなるように乱数の値を対応付けた。これにより、最終変化色よりも前の始動保留球で保留色が2段階以上超えて変化した際には、遊技者に大当りとなることに期待を持たせ易くすることができることになる。
(6)報知制御手段(表示制御用CPU32a)は、特殊報知態様(第1潜確モードM1cの赤背景)で第2報知演出(背景変化演出)が行われているときに移行条件が成立した場合、大当り抽選の抽選確率が高確率状態であること示す第1報知演出(特殊コメントの表示と発光演出)を別途実行させる。これにより、高確率状態である場合のみ実行される特殊報知態様まで到達したにもかかわらず、特別演出モード(第1潜確モードM1c)が終了し、再度、演出モードが移行したとしても、第1報知演出にて高確率状態であることが報知される。したがって、演出モードの移行によって、確変状態が付与されていないという不安を遊技者に与えないようにすることができる。
(7)高確率状態である場合のみ実行される特殊報知態様で第2報知演出が行われている状態からその他の演出モードに移行した場合、遊技者は、高確率状態ではなくなったかもしれないと不安を抱く虞がある。ところが、特別演出モードからその他の演出モードに移行したとしても、第1報知演出によって高確率状態であることが報知されるので、遊技者に不安を与えることがない。
(8)特別演出モードでは、規定回数(20回)の図柄変動ゲームが実行されるまでの間、変化抽選(図16及び図17による背景移行抽選)への当選によって高確期待度が高く設定された第2報知演出の報知態様に変化可能となっている。したがって、報知態様の段階的な変化を経て特殊報知態様に到達したにもかかわらず、移行条件が成立したときには、特殊報知態様が終了して、新たな演出モードに移行することになる。このような場合であっても、第1報知演出にて高確率状態であることが報知されるので、演出モードの移行によって、確変状態が付与されていないという不安を遊技者に与えないようにすることができる。
(9)特別演出モードから高確期待度が最も低い低期待度モード(通常モードM1a)に移行した場合、その演出モードの種類から高確率状態であることに期待を持ち難い。ところが、低期待度モードが設定されている期間中であっても第1報知演出が実行されるため、高確率状態であることへの期待感を継続することができる。
(10)高確率状態は、次回大当り抽選に当選するまでの間、継続される。これにより、モード移行によって高確率状態が終了するということがないので、演出モードが変化した場合であっても、第1報知演出が実行されたことによって高確率状態となっていることに期待を持たせることができる。
(11)規定回数の図柄変動ゲームが実行されると、演出モードの移行に伴って第2報知演出の報知態様も変化することになるので、移行条件が成立する直前から第2報知演出の報知態様が頻繁に変化すると、遊技者に鬱陶しい思いをさせることになる。ところが、規定回数以前の所定回数目(実施形態では19回目)の図柄変動ゲームから第2報知演出の報知態様の変化を規制することで、規定回数の直前で何回も報知態様が変化することがなくなるため、遊技者に鬱陶しい思いをさせることがない。
(12)演出内容決定手段(統括制御用CPU31a)は、事前判定が行われた時の演出モードが潜確モード(変短なしの潜確モード)であった場合、状態判定手段(統括制御用CPU31a)によって高確率状態と判定されたときには、高確用グループ(図21の向かって右側における「高確」に該当する振分)を用いて事前演出(先読みモードM1bへの移行)の演出内容を決定する。一方で、状態判定手段によって低確率状態と判定されたときには、低確用グループ(図21の向かって左側における「低確」に該当する振分)を用いて事前演出の演出内容を決定する。さらに、高確用グループと低確用グループとで、選択対象となる同一内容の事前演出(先読みモードM1bへの移行の有無)においてその選択確率を異ならせた。これにより、事前演出の演出内容によって、保留中の図柄変動ゲームが大当りとなるか否かを判定することができるとともに、状態判定手段の判定結果を反映して事前演出の演出内容が決定されることになる。つまり、事前演出によって状態判定手段の反映結果が報知されることで、事前演出の付加価値が高められることになるので、遊技者の事前演出に対する興趣を十分に高めることができる。
(13)高確率状態及び低確率状態のいずれの場合でも設定される潜確モードが設定されているときには、大当り抽選の抽選確率を判断することができなかったとしても、先読みモードM1bへの移行割合を大当り抽選の抽選確率に応じて異ならせた。これにより、先読みモードM1bに移行したか否かによって大当り抽選の抽選確率を判断することができるので、遊技者に抽選確率を推測させる機会を付与することができる。
(14)事前演出には、特別潜確モード(先読みモードM1b)に移行する態様の演出が含まれる。そして、特別潜確モードに移行する態様で行われる事前演出は、同一の演出内容であると事前判定された場合であっても、事前判定実行時の抽選確率が高確率状態である場合に特別潜確モードに移行する確率が、低確率状態である場合よりも高くなるように割合を定めた。これにより、特別潜確モードに移行するか否かだけで、抽選確率が高確率状態であることに期待を持たせることができる。
(15)事前判定コマンドの入力を契機に移行抽選を実行し、該移行抽選に当選する度に特別潜確モードに移行するので、特別潜確モードに何回転滞在しているかよりも、特別潜確モードに何回移行したかが、大当り抽選の抽選確率の示唆に必要な移行形態となる。これにより、特別潜確モードに移行する度に、高確率状態であることに期待を持たせることができる。
(16)移行抽選に当選した回数を全て反映して、先読みモードM1bへのモード移行演出が行われるので、特別潜確モードに何回転滞在しているかよりも、特別潜確モードに何回移行したかが、大当り抽選の抽選確率の示唆に必要な移行形態となる。これにより、特別潜確モードに移行する度に、高確率抽選状態であることに期待を持たせることができる。
(17)先読みモードM1bには、移行抽選に当選する度に何度も移行可能であるため、演出モードの変化により、同一の演出モードに長い期間滞在している場合よりも、遊技者を飽きさせない。
(18)特定グループ(第1選択範囲F1〜第5選択範囲F5)に対応付けられた変動判定値(振分用乱数R1と一致する整数の値)のうち、特定判定値(リーチグループを特定する振分用乱数R1と一致する整数の値)の個数を保留記憶数に応じて変更した。これにより、リーチ状態を表示する特定変動内容(はずれリーチ変動)で図柄変動ゲームが実行される割合を保留記憶数に応じて変更することができる。このため、特定変動内容を伴う図柄変動ゲームの出現率を保留記憶数に応じて変化させ、遊技者の興趣向上を図ることができる。
(19)保留記憶数が多くなると、図柄変動ゲームの消化効率を下げないために、リーチ演出が実行される確率を低く設定することが望ましい。ただし、大当り期待度が高いリーチ演出は、はずれ時にあまり出現しないので、保留記憶数が多い場合には、リーチ演出の実行確率自体が低いことに加えて、大当り期待度が低いリーチ演出ばかりが出現する可能性が高い。ところが、保留記憶数が多くなる場合であっても、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出を選択し得るように特定判定値を対応付けたことで、保留記憶数が多い場合にリーチ演出が実行されたときであっても、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出を出現させる機会を与え、遊技者の興趣向上を図ることができる。
(20)取得した振分用乱数R1の値が保留記憶数にかかわらず必ず「リーチ」と判定される共通判定値と一致した場合のみ、事前演出(保留変化演出)を実行させるようにした。これにより、事前判定の実行時には事前演出の実行を決定したが、実際に図柄変動ゲームが開始されるときに保留記憶数が変化してしまい、事前演出を実行できないということがないので、保留記憶数の影響を受けることなく事前演出を実行することができる。
(21)演出モード毎に異なる変動内容に対して同一の事前判定コマンドを対応付けたとしても、演出モードの違いによって変動内容を特定することができるので、演出モード毎に異なるコマンドを対応付ける必要がない。よって、制御手段の記憶容量を削減に貢献することができる。
(22)事前リーチ許可判定の判定結果(図9のステップS26)が否定の場合には、リーチ状態を表示しない非特定変動内容を確定的に決定するので、不必要な制御を実行せずに済む。
(23)図9のステップS26の判定は、保留記憶数に影響されることなく行われるので、特定の演出内容の出現率に関し、保留記憶数毎に大きな差が生じることがない。
(24)第5選択範囲F5では、保留記憶数にかかわらず、「特別リーチグループ」が選択可能となるように乱数値を振分けた。これにより、特定のリーチ演出に関しては、保留記憶数にかかわらず略同一の割合で出現するため、特別リーチ演出の大当り期待度に保留記憶数の違いによってばらつきを生じさせることがない。
(25)保留記憶数に基づいてリーチ演出の実行可否を判定し、リーチ演出の実行が決定されたときに、保留記憶数に関係なくリーチ演出の内容を定めた変動パターンを決定したとする。この場合、保留記憶数に関係なく定められた変動パターン振分テーブルからリーチ変動用の変動パターンが選択されるので、特定のリーチ演出の出現率は、そのテーブルにおける選択確率に依存する。そして、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出を定めた変動パターンの選択確率が低く設定されている場合、保留記憶数が多いほどリーチ確率が低く設定されているのであれば、大当り期待度が高く設定されたリーチ演出を定めた変動パターンが選択される確率は極めて低い。ところが、図9のステップS26の判定は、保留記憶数に影響されることなく実行される。一方、振分用乱数R1の振分としては、保留記憶数が多くなるほど「非リーチグループ」が選択される確率が高くなるように設定する一方で、保留記憶数が多い場合であっても、大当り期待度が高く設定されたリーチグループを選択し得るように振分けた。これにより、保留記憶数が多い場合であっても、リーチ演出の実行が決定されたときには、大当り期待度が高く設定された内容のリーチ演出の出現率を低下させることがない。
なお、上記実施形態は以下のように変更しても良い。
・ 実施形態の保留変化演出では、図19(a),(b)において、「弱弱リーチグループ」や「弱リーチグループ」など、大当り期待度が低く設定されたリーチグループが選択された場合であっても、高確率状態時には、最終変化色として「赤色」が選択される確率が高くなるように、乱数の値を振分けても良い。これにより、「弱弱リーチ」の内容で図柄変動ゲームが実行された場合、最終変化色が赤色となったにもかかわらず、大当り期待度の低いリーチ演出が実行されることになるが、赤色の保留変化演出によって高確率状態となっていることに期待を持たせ易い。
・ 実施形態において、規定回数の図柄変動ゲームが実行されたことによって第1潜確モードM1cから移行してくる演出モードは、通常モードM1aに限られない(例えば、先読みモードM1b)。ただし、第1潜確モードM1cの青背景に定められた高確期待度以下の演出モードが望ましい。
・ 実施形態において背景変化の規制を行う図柄変動ゲーム数は、どのような回数からであっても構わない。
・ 実施形態では、第1潜確モードM1cの赤背景から通常モードM1aに移行した場合であっても、コメント予告及び発光演出を行わず、高確率状態である旨を報知しなくても良い。
・ 実施形態において、通常モードM1aが設定されているときにコメントK4及び発光演出が行われる期間を、所定回数(例えば、通常モードM1aに移行してから20回など)で区切っても良い。
・ 実施形態における第1潜確モードM1cの終了条件は、規定回数の図柄変動ゲームが実行されることとしたが、その他の条件成立によって終了しても良い。例えば、移行抽選への当選によって終了しても良い。
・ 実施形態では、第1潜確モードM1cの赤背景に到達した時点で、高確率状態であることが確定しているので、その時点で特殊コメントの表示や発光演出を行わなくても良い。
・ 実施形態の先読みモードM1bへの移行演出では、図21において、「弱弱リーチグループ」や「弱リーチグループ」など、大当り期待度が低く設定されたリーチグループが選択された場合であっても、高確率状態時には、先読みモードM1bへ移行する確率が高くなるように、乱数の値を振分けても良い。これにより、「弱弱リーチ」の内容で図柄変動ゲームが実行された場合、先読みモードM1bに移行したにもかかわらず、大当り期待度の低いリーチ演出が実行されることになるが、先読みモードM1bに移行したことによって高確率状態となっていることに期待を持たせ易い。
・ 実施形態は、確変状態が、予め定めた回数の図柄変動ゲームが実行されるまでしか付与されない遊技機に採用しても良い。
・ 実施形態では、演出モード毎に選択可能な変動パターンの種類を全て同一とし、その選択割合だけ異ならせても良い。また、演出モード毎に選択可能な変動パターンを全て異ならせつつ、1つの事前判定コマンドでモード毎に異なる変動内容を特定するように対応付けても良い。
・ 実施形態では、演出モード毎に選択可能な変動パターンの種類を区分していたが、遊技状態(変短状態の有無、確変状態の有無)によって選択可能な変動パターンの種類を区分しても良い。また、遊技状態は、その遊技状態を生起する契機となった直前の当り図柄の種類によって定義しても良い。
・ 実施形態における変化色指示コマンドでは、1回の図柄変動ゲームの開始時における変化色のみを特定するようにし、図柄変動ゲームの開始時に、毎回、変化色指示コマンドを出力するような態様としても良い。
・ 実施形態では、図9のステップS22及び図12のステップS49の判定結果が否定の場合、リーチ許可判定を実行することなく、保留記憶数に応じてリーチグループ又は非リーチグループが選択されるようにしても良い。この場合、保留記憶数が多いほど非リーチグループが選択される確率が高くなるように乱数の値を対応付けても良い。
・ 実施形態では、リーチグループと非リーチグループとで構成される選択範囲の個数を変更しても良い。例えば、その個数を1個とし、残りをリーチグループのみで構成されている選択範囲としても良い。
・ 実施形態における先読みモードM1bへの移行は、第1保留記憶数「4」であるときに移行抽選に4回当選したとすると、2回目以降の図柄変動ゲームの開始時に、通常モードM1aに、一旦、移行させた後、同一の図柄変動ゲームで、再度、先読みモードM1bに移行させても良い。また、1回の図柄変動ゲームで、通常モードM1aへの移行と先読みモードM1bへの復帰を、移行抽選に当選した回数だけ実行しても良い。
・ 実施形態において、先読みモードM1bから、一旦、移行する演出モードは、通常モードM1aに限られない(例えば、第1潜確モードM1cの青背景)。ただし、先読みモードM1bに定められた高確期待度以下の演出モードが望ましい。
・ 実施形態における先読みモードM1bへの移行抽選は、事前判定コマンドの入力によって先読みモードM1bへの移行を決定した後、該コマンドに基づく図柄変動ゲームよりも前に消化される図柄変動ゲームのうち何回の図柄変動ゲームで移行させるか否かを抽選で決定するような態様としても良い。
・ 実施形態における先読みモードM1bへの移行抽選や、保留変化演出では、保留記憶数に応じてリーチ判定値と一致しないリーチ判定用乱数の値を取得していたとしても、図柄変動ゲームの開始時におけるリーチ許可判定が肯定判定されたのであれば、事前演出を実行しても良い。
・ 実施形態における保留変化演出や先読みモードM1bへの移行演出は、変短ありの潜確モードが設定されているときに実行されるものであっても良い。
・ 実施形態では、保留記憶数毎に選択グループの選択率を異ならせるのではなく、保留記憶数にかかわらず1つのテーブルから選択グループを選択させるようにしても良い。この場合、選択肢としての選択グループの中に非リーチグループを設定しなくても良い。ただし、リーチグループを選択した後に保留記憶数を参照し、保留記憶数に応じて、決定したリーチグループを非リーチグループに変更しても良い。つまり、リーチグループを変更するか否かを乱数抽選によって決定するようにし、保留記憶数が多いほど、「変更」に対して乱数の値を多く対応付けるようにしても良い。この場合、主制御用CPU30aがリーチグループの変更を決定する抽選を行うこともできるし、統括制御用CPU31aが、リーチグループの変更を決定する抽選を行うことができる。また、大当り期待度が高く設定されたリーチグループが特定された際には、保留記憶数にかかわらずグループを変更しないようにしても良い。
・ 実施形態では、大当り抽選の抽選確率によって、リーチ許可判定(図9のステップS26)の当選確率を変更しなくても良い。
・ 実施形態では、非変短状態時における第2特図変動ゲーム、及び変短状態時における第2特図変動ゲームで、リーチ許可判定(図9のステップS26)が肯定判定されるようにリーチ判定用乱数の値を対応付けても良い。
・ 実施形態では、特殊コメントの表示又は発光演出のいずれか一方のみを行うようにしても良い。また、第1報知演出は、発光体による発光などその他の演出装置で行われる演出であっても良い。
・ 実施形態における当りの種類を変更しても良い。例えば、大当りCと小当りEを設定しなくても良い。
・ 実施形態では、保留記憶数「1」と「2」で振分用乱数R1の振分を異ならせても良い。
・ 実施形態は、1種類の特図変動ゲームを実行する遊技機に採用しても良い。
・ 実施形態において、特図指定コマンドに代えて、大当りの種類を特定可能な専用のコマンドを設定しても良い。また、大当りの抽選結果や大当りの種類を、変動パターンから特定できるようにしても良い。
・ 実施形態において、演出表示装置11は液晶ディスプレイ型としたが、ドットマトリクス型、有機EL型、プラズマディスプレイ型などとしても良く、これらを組み合わせた表示装置を用いても良い。
・ 実施形態では、統括制御基板31を省略し、統括制御基板31が実行していた制御を表示制御基板32が実行するようにしても良い。
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想を以下に追記する。
(イ)前記特別演出モードは、前記当り抽選の抽選確率が低確率状態及び高確率状態のどちらの場合であっても設定可能な演出モードであって、前記報知制御手段は、前記規定回数以前である所定回数目の図柄変動ゲームから前記第2報知演出の報知態様の変化を規制する。
(ロ)当りか否かの当り抽選の抽選確率が高確率状態であることへの期待度が異なる複数種類の演出モードを備え、実行中の図柄変動ゲームの当否に関わらず、予め定めた移行条件が成立した際には、演出モードを移行させる遊技機において、前記移行条件の成立を契機に前記演出モードを移行させる演出モード制御手段と、前記高確率状態であることへの期待度を示す高確期待度が異なる複数の報知態様を変化させて行う報知演出を報知手段に実行させる報知制御手段と、を備え、前記演出モードには、前記報知演出が行われる特別演出モードを含み、前記報知態様には、前記高確率状態である場合のみ設定されるが、前記報知態様からは前記高確率状態である旨を確定的に報知しない特殊報知態様を含み、前記演出モード制御手段は、前記特殊報知態様で前記報知演出が行われているときに前記移行条件が成立した場合、前記特別演出モードを終了させた後、前記特殊報知態様よりも前記高確期待度が低く設定されている演出モードに移行させることを特徴とする遊技機。