以下、本発明の実施形態の例を、図面を参照して具体的に説明する。参照される各図において、同一の部分には同一の符号を付し、同一の部分に関する重複する説明を原則として省略する。尚、本明細書では、記述の簡略化上、情報、信号、物理量又は部材等を参照する記号又は符号を記すことによって、該記号又は符号に対応する情報、信号、物理量又は部材等の名称を省略又は略記することがある。例えば、“第1始動口”に対して符号105を割り当てた場合、“第1始動口”を、“第1始動口105”と表記することもあるし、単に“始動口105”と表記することもある。
///基本実施形態///
本発明に係る遊技機に好適な実施形態を詳細に説明する。後に複数の実施形態を説明するが、まず、それら複数の実施形態の基礎となる実施形態として、基本実施形態を説明する。基本実施形態では、本発明に係る遊技機を、旧第一種に属する遊技機(所謂デジパチ)に適用している。
<<遊技機の基本構成>>
図1は、基本実施形態に係る遊技機100の正面図である。図1を参照して遊技機100の基本構成を説明する。遊技機100は、パチンコ遊技機であって、遊技盤101を含む、図1に示された各構成部材を備える。遊技盤101の下部位置には、遊技球を発射するための発射部が配置されている(発射部の詳細構造は図示せず)。尚、上下左右とは、特に記述無き限り、遊技盤101に正対する遊技者から見た上下左右を指し、上下方向も左右方向も遊技盤101の盤面に平行である。上下方向は鉛直方向に平行であり、左右方向は水平方向に平行である。
遊技機100において、発射部の駆動により上方に発射された遊技球は、レール102a及び102b間を上昇して遊技盤101の上部位置に達した後、遊技盤101に形成された遊技領域103内を落下(流下)するようになっている。遊技領域103には、複数の釘(不図示)が設けられており、この釘によって遊技球は不特定な方向に向けて落下する。遊技盤101の前方(遊技者側)において遊技領域103を視認可能に覆うガラス板(不図示)が枠部材113に固定されている。また、遊技盤101において、遊技領域103における遊技球の落下経路には、遊技球の落下方向を変化させる風車や、第1始動口105、第2始動口106、電動チューリップ107、ゲート108、大入賞口109及び普通入賞口110が設置される。
遊技盤101の略中央部分には、液晶ディスプレイパネル等から成る画像表示部104が配置される。画像表示部104は各種の演出画像を表示する。例えば、画像表示部104は、大当たり抽選の抽選結果を表すための特別図柄に対応して設けられた装飾図柄を表示すると共に、遊技機100が大当たり抽選の抽選結果を示すまでに行う演出に関する画像を表示する。画像表示部104は、普通図柄抽選の抽選結果を表すための図柄(普通装飾図柄)などをも表示して良い。
画像表示部104の下方には、第1始動口105及び第2始動口106が設置される。始動口105及び106は、遊技球が通過可能(入賞可能)な始動領域を形成する。所定の第1始動条件又は第2始動条件が成立することによって、大当たり抽選を受けるための権利が取得される。第1、第2始動条件は、夫々、遊技球が始動口105、106を通過することによって、即ち始動口105、106に遊技球が入賞(入球)することによって成立する。また、遊技機100は、始動口105又は106に入賞した遊技球を検出すると、所定個数(例えば3個)の遊技球を払い出す。払い出される遊技球を賞球とも呼ぶ。
第2始動口106の近傍に、電動チューリップ107が設けられる。電動チューリップ107は、遊技球を第2始動口106へ入賞し難くさせる閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも遊技球を第2始動口106へ入賞しやすくさせる開状態(開放した状態)の内の、どちらかの状態をとる。これらの状態の切り替えは、電動チューリップ107が備えるソレノイドによって行われる。実質的には、電動チューリップ107が閉状態であるとき、遊技球の第2始動口106への入賞は不可能であり、電動チューリップ107が開状態であるときにのみ、遊技球の第2始動口106への入賞が可能となる。電動チューリップ107が開状態となることを、電動チューリップ107の開放とも言う。電動チューリップ107は、画像表示部104の右側に配置されたゲート108を遊技球が通過したことにより行われる普通図柄抽選の抽選結果に基づいて開放される。ゲート108も、始動口105及び106と同様、遊技球が通過可能(入賞可能)な始動領域を形成する。
第2始動口106の右側には大入賞口109が設けられる。大入賞口109も、電動チューリップ107のように開閉動作が可能となっており、遊技球を大入賞口109へ入賞し難くさせる閉状態(閉口した状態)と、閉状態よりも遊技球を大入賞口109へ入賞しやすくさせる開状態(開放した状態)の内の、どちらかの状態をとる。これらの状態の切り替えは、大入賞口109が備えるソレノイドによって行われる。実質的には、大入賞口109が閉状態であるとき、遊技球の大入賞口109への入賞は不可能であり、大入賞口109が開状態であるときにのみ、遊技球の大入賞口109への入賞が可能となる。大入賞口109が開状態となることを、大入賞口109の開放とも言う。大入賞口109は、通常、閉鎖されており、大当たり抽選にて大当たりに当選した場合に、所定条件(例えば、30秒経過又は遊技球10個の入賞)を満たすまで開状態となるラウンドを所定回数(例えば16回)だけ繰り返す。遊技機100は、大入賞口109に入賞した遊技球を検出すると、所定個数(例えば15個)の賞球を払い出す。
画像表示部104の側方や下方などには、1以上の普通入賞口110が設置される。遊技機100は、普通入賞口110への入賞を検出した場合には所定個数(例えば10個)の賞球を払い出す。尚、第1始動口105、第2始動口106、ゲート108、大入賞口109、普通入賞口110は、図1に示した位置に限らず遊技領域103内の任意の位置に配置されて良い。遊技領域103の最下部には、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109及び普通入賞口110の何れにも入賞しなかった遊技球を回収する回収口111が設けられている。
遊技盤101の右下部分には情報表示部112が設けられている。情報表示部112の詳細については図2を用いて後述する。尚、情報表示部112の設置位置を任意に変更することができる。
遊技盤101の遊技領域103の外周部分には、枠部材113が設けられている。枠部材113は、遊技盤101の上下左右の4辺において遊技領域103の周囲を囲み、遊技盤101の盤面から遊技者側に突出した形状を有している。枠部材113には、スピーカ114及び演出ライト部115などが組み込まれている。演出ライト部115は複数のランプ及び複数のモータを有しており、各モータの駆動により各ランプによる光の照射方向を上下又は左右方向に変更することができる。
枠部材113の右下位置には、操作ハンドル116が配置されている。操作ハンドル116は遊技者側に突出するような形状を有しており、その外周部には発射指示部材117が設けられている。発射指示部材117は、操作ハンドル116により回転可能に支持されている。遊技者は遊技球を発射させる場合、発射指示部材117を時計回りに回転させる。このとき、発射指示部材117を回転させる角度により、遊技者は遊技球の発射強度を調整できるようになっている。また、操作ハンドル116には、遊技者が発射指示部材117を直接操作していることを検出するセンサなどが設けられている。発射指示部材117が遊技者によって直接操作されていることを当該センサが検出した場合にのみ、遊技機100は遊技球を発射する。
枠部材113において遊技領域103の下方には、演出ボタン118、十字キー119及び打球供給皿120などが設けられている。演出ボタン118及び十字キー119は、遊技者からの操作を受け付けるための操作受付部を構成している。打球供給皿120は遊技球を収容可能な形状を有しており、収容している遊技球を発射部へ送り出す。
また、遊技盤101上には、演出時に駆動される可動役物130が設けられている。例えば、可動役物130を用いた演出の実行時において、可動役物130は、図1に示した位置から下方へスライドして画像表示部104の前面へ進出し、それ以外のときは図示のように画像表示部104の上部に設けられた収納スペースに退避している。
<<情報表示部>>
図2に示す如く、情報表示部112は、大当たり抽選の抽選結果を示す特別図柄を表示する特別図柄表示部201、普通図柄抽選の抽選結果を示す普通図柄を表示する普通図柄表示部202、保留表示部203、ラウンド数表示部204及び右打ち表示部205を備えている。各表示部201〜205をLED(Light Emitting Diode)表示器にて形成することができる。
特別図柄として第1及び第2特別図柄が存在する。特別図柄表示部201は、第1特別図柄を表示する第1特別図柄表示部201a及び第2特別図柄を表示する第2特別図柄表示部201bを有する。保留表示部203は、表示部203a、203b及び203cを有する。第1始動条件の成立による大当たり抽選の権利(後述の特図判定用情報)は、所定数(例えば4)を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数U1として表示部203aに表示される。第2始動条件の成立による大当たり抽選の権利(後述の特図判定用情報)は、所定数(例えば4)を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数U2として表示部203bに表示される。遊技球がゲート108を通過したことによる普通図柄抽選の権利は、所定数(例えば4)を上限として保留され、その保留された権利の個数が保留情報数U3として表示部203cに表示される。
<<遊技機の背面構成>>
図3を参照して、遊技機100の背面構成を説明する。図3は、遊技機100の背面構成を示す、遊技機100の背面斜視図である。遊技機100の裏面には、主制御基板301、賞球制御基板302、演出制御基板303、遊技機100内の各基板に電源を供給する電源基板304、及び、出力端子基板305等が設けられている。それらの基板(特に演出制御基板303)は複数のプリント基板から形成されていても良い。また、遊技機100の裏面には、電源基板304に電力を供給するための電源プラグ315や、電源スイッチ(不図示)も設けられている。
枠部材113は、左右方向の一端側(例えば遊技者から見て左側)においてヒンジ機構部320を介して外枠330に連結されており、ヒンジ機構部320を支点として左右方向の他端側(例えば遊技者から見て右側)を外枠330から離れる方向に回動可能とされている。枠部材113がヒンジ機構部320を支点として扉のように回動することによって、遊技盤101を含む、外枠330の内側部分を開放することができる。枠部材113の他端側(例えば遊技者から見て右側)には、その他端側を外枠330に固定するロック機構(不図示)が設けられている。
<<遊技機の基本動作>>
次に、遊技機100の基本動作について説明する。遊技機100は、第1又は第2始動条件が成立すると、その成立タイミングに応じた特図判定用情報を取得し、特図判定用情報に基づく大当たり抽選を行う。特図判定用情報の取得は、大当たり抽選の権利の取得に相当する。大当たり抽選では、大当たりに当選したか否か(大当たりに当選したか、或いはハズレであるか)が判定される。第1始動条件の成立に基づいて大当たり抽選をおこなった場合、遊技機100は、第1特別図柄表示部201aの第1特別図柄を変動表示させる。そして、この変動表示の開始から所定時間経過後に、大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で(即ち大当たり抽選の抽選結果を示す態様で)第1特別図柄を停止表示させる。一方、第2始動条件の成立に基づいて大当たり抽選をおこなった場合、遊技機100は、第2特別図柄表示部201bの第2特別図柄を変動表示させる。そして、この変動表示の開始から所定時間経過後に、大当たり抽選の抽選結果を示す図柄で(即ち大当たり抽選の抽選結果を示す態様で)第2特別図柄を停止表示させる。
遊技機100は、特別図柄(第1又は第2特別図柄)を変動表示させると、それに合わせて画像表示部104上で装飾図柄を変動表示させ、特別図柄の停止表示に合わせて装飾図柄を停止表示させる。画像表示部104に表示される装飾図柄は、第1〜第3装飾図柄を含み、各装飾図柄には数値又は記号等が対応付けられている。例えば、大当たりを示す所定の図柄で特別図柄を停止表示させた場合(即ち、大当たり抽選で大当たりに当選した場合)には、大当たりを示す組み合わせ(例えば「7・7・7」といった所謂ゾロ目)で第1〜第3装飾図柄を停止表示させる。
当選した大当たりの種類に応じて、停止表示される第1〜第3装飾図柄の組み合わせは異なる。例えば、後述の通常長当たり(図6参照)に当選した場合には、各装飾図柄を通常長当たりを示す青色の装飾図柄(例えば、「3,3,3」及び「7,7,7」を除く「2,2,2」などの数字図柄のゾロ目)で停止表示させ、後述の確変長当たり(図6参照)に当選した場合には、各装飾図柄を確変長当たりを示す赤色の装飾図柄(例えば、「3,3,3」又は「7,7,7」の数字図柄のゾロ目)で停止表示させる。後述の確変短当たり、潜確短当たり(図6参照)又は小当たりに当選した場合には、各装飾図柄を確変短当たり、潜確短当たり又は小当たりを示す装飾図柄(例えば、「チャンス」の文字が記された、モード移行を示す文字図柄のゾロ目)で停止表示させる。尚、確変長当たりに当選した場合であっても、画像表示部104上に通常長当たり等を示す装飾図柄を停止表示させ、その後(例えば大当たり遊技移行前や大当たり遊技移行後)において、確変長当たりであることを明示する昇格演出を行うこともある。
大当たり抽選の結果がハズレの場合(即ち、大当たり抽選に落選した場合、換言すれば、大当たりに当選していない場合)、第1〜第3装飾図柄は、例えば、ハズレを示す所謂バラケ目で停止する。バラケ目とは、第1装飾図柄と第2装飾図柄とを関連性のない図柄で停止させることに相当し、リーチ演出に発展することのない装飾図柄の停止態様である。
大当たりを示す組み合わせで特別図柄を停止表示させると、遊技機100は、大当たり遊技状態となる。大当たり遊技状態では、当選した大当たりに応じたラウンド分(例えば16ラウンド)、大入賞口109を開放させる大当たり遊技が行われる。大入賞口109の開放中に遊技球が大入賞口109へ入賞すると、遊技機100は所定個数の賞球を払い出す。大当たり遊技中には、大当たり抽選は行われない。大当たり遊技状態は、当選したラウンド分の大入賞口109の開放が完了すると終了する。大当たり遊技状態では、右打ちによって遊技が行われる。右打ちとは、遊技領域103の内、遊技領域103を左右に分断する中心線の右側の遊技領域に遊技球が打ち出されることを指す。これに対し、左打ちとは、遊遊技領域103の内、上記中心線の左側の遊技領域に遊技球が打ち出されることを指す。大当たり遊技状態は、通常遊技状態よりも、遊技者にとって有利な遊技状態である(換言すれば、大当たり遊技は、通常遊技状態における遊技よりも遊技者にとって有利である)。大当たり遊技における有利とは、通常遊技状態での遊技と比べて、大入賞口109の開放に伴い、遊技者がより多くの賞球を得やすい(得られる賞球の期待値が大きい)ことを意味する。
大当たり遊技の終了後、遊技機100は、大当たり抽選を行う状態へ復帰する。この際、当選した大当たりの種類に応じて遊技状態が変更されうる。
<<遊技機の遊技状態>>
遊技機100は、大入賞口109の開放を伴う遊技状態(大当たり遊技状態を含む)を除いて、低確率非電サポ遊技状態である通常遊技状態、低確率電サポ遊技状態、確変遊技状態とも言うべき高確率電サポ遊技状態、及び、高確率非電サポ遊技状態の内、何れか1つの遊技状態をとる。電サポとは、電チューサポート機能の略であり、詳細については後述する。
通常遊技状態(低確率非電サポ遊技状態)と低確率電サポ遊技状態は、低確率遊技状態に属する。低確率遊技状態において、遊技機100は、低確率特図当たり判定テーブル(後述の図5のテーブルTAt1参照)を用いた大当たり抽選を行い、基本実施形態では例として、1/399の確率で大当たりに当選する大当たり抽選を行うものとする。
高確率電サポ遊技状態及び高確率非電サポ遊技状態は、高確率遊技状態に属する。高確率遊技状態において、遊技機100は、高確率特図当たり判定テーブル(後述の図5のテーブルTAt2参照)を用いた大当たり抽選を行い、ここでは例として、10/399の確率で大当たりに当選する大当たり抽選を行うものとする。つまり、高確率遊技状態では、低確率遊技状態に比べて、10倍高い確率で大当たりに当選するようになっている。従って、大当たりの当選に関して高確率遊技状態は低確率遊技状態よりも遊技者に有利である。
低確率電サポ遊技状態及び高確率電サポ遊技状態は、電サポ遊技状態に属する。電サポ遊技状態において、遊技機100は、電動チューリップ107の開閉を伴う遊技サポート機能(以下「電サポ」という)を付与する(即ち電サポを発動させる)。電サポの具体的な内容としては、公知の技術のため詳細な説明は省略するが、例えば、電サポが付与されたとき、そうでない時と比べて、普通図柄の変動時間の短縮、普通図柄抽選の当選確率の増加(従って、電動チューリップ107の開放頻度の増加)、及び、電動チューリップ107の開放時間の増加が図られる。電サポ遊技状態では、普通図柄抽選の当選確率の増加に伴い、電サポが付与されない非電サポ遊技状態に比べて、第2始動口106へ遊技球が入賞しやすくなる。電サポ遊技状態では、上述した右打ちによって遊技が行われ、大当たり抽選の契機は主として第2始動口106への入賞となる。
通常遊技状態(低確率非電サポ遊技状態)及び高確率非電サポ遊技状態は、電サポが付与されない非電サポ遊技状態に属する。非電サポ遊技状態では、上述した左打ちによって遊技が行われ、大当たり抽選の契機は主として第1始動口105への入賞となる。上述の説明からも理解されるように、電サポ遊技状態は非電サポ遊技状態よりも相対的に始動条件(第2始動条件)が成立しやすい遊技状態である。従って、始動条件の成立しやすさに関して電サポ遊技状態は非電サポ遊技状態よりも遊技者に有利である。
<<遊技機の内部構成>>
図4を参照して、遊技機100の内部構成を説明する。図4は、遊技機100内の、制御に関わる部分のブロック図である。図4に示す如く、遊技機100に設けられた制御部400は、遊技の進行を制御する主制御部401と、賞球の払い出しを制御する賞球制御部402と、演出内容を制御する演出制御部403とを備えている。制御部400の他、図4に示される各構成要素が遊技機100に設けられる。例えば、図3の主制御基板301、賞球制御基板302及び演出制御基板303により、夫々、図4の主制御部401、賞球制御部402及び演出制御部403が形成され、図3の出力端子基板305は図4の盤用外部情報端子基板491を含む。
[1.主制御部]
主制御部401は、CPU(Central Processing Unit)411と、ROM(Read Only Memory)412と、RAM(Random Access Memory)413と、不図示の入出力インターフェース(I/O)等を備えて構成される。CPU411は、遊技の進行に関する各種プログラム等をROM412から読み出し、RAM413をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、主制御部401には、遊技球を検出する各種スイッチ(以下「SW」と略すことがある)が接続されている。例えば、図示のように、主制御部401には、第1始動口105へ入賞した遊技球を検出する第1始動口SW414aと、第2始動口106へ入賞した遊技球を検出する第2始動口SW414bと、ゲート108を通過した遊技球を検出するゲートSW415と、大入賞口109へ入賞した遊技球を検出する大入賞口SW416と、普通入賞口110へ入賞した遊技球を検出する普通入賞口SW417とが接続されている。
SW414a及び414b並びにSW415〜417の夫々は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を主制御部401へ出力し、主制御部401は、入力された検出信号に基づき、大当たり抽選を受けるための権利に相当する特図判定用情報を記憶したり、特図判定用情報を用いて大当たり抽選をおこなったり、賞球制御部402に対して賞球の払い出し指示をおこなったりする。
SW414a、414b、415、416及び417として、近接スイッチなどを採用することができる。また、第1始動口105が遊技盤101上に複数設けられている場合、複数の第1始動口105の夫々に対して第1始動口SW414aが設けられる。第2始動口106、ゲート108、大入賞口109又は普通入賞口110が複数設けられる場合も同様である。
また、主制御部401には、遊技盤101上の電動役物を駆動させる各種ソレノイドが接続されている。例えば、図示のように、主制御部401には、電動チューリップ107を開閉動作させる電動チューリップソレノイド418と、大入賞口109を開閉動作させる大入賞口ソレノイド419が接続されている。
主制御部401は、普通図柄抽選の抽選結果に基づき電動チューリップソレノイド418に対し電気信号を入力又は非入力とし、大当たり抽選の抽選結果に基づき大入賞口ソレノイド419に対し電気信号を入力又は非入力とする。ソレノイド418、419は、夫々、主制御部401から供給される電気信号を機械的な運動に変換することで、電動チューリップ107の開閉動作、大入賞口109の開閉動作を行う。
また、主制御部401には、図2の情報表示部112内の各種表示部が接続される。図4では、第1特別図柄表示部201a、第2特別図柄表示部201b、普通図柄表示部202及び保留表示部203が主制御部401に接続される様子が図示され、図面の煩雑化防止のため、ラウンド数表示部204及び右打ち表示部205の図示は割愛されている。
主制御部401は、大当たり抽選の抽選結果に基づき第1特別図柄表示部201a又は第2特別図柄表示部201bの表示制御を行い、普通図柄抽選の抽選結果に基づき普通図柄表示部202の表示制御を行う。更に、主制御部401は、保留情報数U1、U2及びU3に基づき保留表示部203の表示内容を制御する。
ここで、主制御部401のCPU411がROM412内のプログラムを実行することで実現される各種処理及びRAM413に設定(即ち記憶)される情報の例について説明する。尚、主制御部401に関して以下に示す処理、プログラム、テーブル及び記憶領域は、CPU411が行う処理、ROM412内のプログラム及びテーブル、並びに、RAM413内の記憶領域の一部に過ぎず、他にも様々な処理、プログラム、テーブル及び記憶領域が、CPU411にて実行、又は、ROM412若しくはRAM413に用意されている。図4に示す如く、ROM412には、テーブルTAt、TZt、THt、FAt、FZt、FHt及びDKtが格納され、RAM413には、記憶領域413a〜413jが設定されている。
CPU411は、ROM412内のメイン処理プログラムにより、メイン処理を実行する(図15参照)。遊技機100へ電力が供給されるとメイン処理が実行される。メイン処理において、CPU411は、主制御部401のCTC(タイマカウンタ)などの内蔵デバイスの初期設定を行って、設定内容を示す設定情報を設定記憶領域413aに記憶させる。例えば、後述のタイマ割込処理を実行する周期などを示す情報が、設定情報に含まれる。
また、メイン処理では、遊技機100への電源の遮断の有無が監視され、電源が遮断された場合にはバックアップ情報を生成して、該バックアップ情報をバックアップ記憶領域413bに記憶させる。RAM413にはバックアップ電源(不図示)により、遊技機100の電源が遮断されても一定期間(例えば1日)電源が供給されるようになっている。このため、RAM413は、遊技機100の電源が遮断されても一定期間、バックアップ記憶領域413bに記憶されたバックアップ情報を保持できる。尚、FeRAM(Ferroelectric Random Access Memory)等の不揮発性のRAM又はフラッシュメモリなどの不揮発性メモリを、RAM413に採用しても良い。この場合、RAM413は、バックアップ電源がなくともバックアップ記憶領域413bに記憶されたバックアップ情報を保持できる。
CPU411は、ROM412内のタイマ割込処理プログラムにより、タイマ割込処理を実行する(図15参照)。タイマ割込処理では、乱数更新処理、スイッチ処理、特別図柄処理、普通図柄処理、電動役物制御処理、賞球処理及び出力処理が順次実行される。タイマ割込処理は、メイン処理によって設定記憶領域413aに記憶された周期で、メイン処理に対して割り込み実行される。
CPU411は、ROM412内の乱数更新処理プログラムにより、乱数更新処理を実行する(図15参照)。乱数更新処理において、CPU411は、カウンタ記憶領域413cに記憶された各乱数カウンタのカウント値に「1」を加算することで各乱数カウンタのカウント値を更新する。カウンタ記憶領域413cには、特図当たり乱数カウンタC1、特図図柄乱数カウンタC2、特図変動パターン乱数カウンタC3、普図当たり乱数カウンタC4及び普図図柄乱数カウンタC5を含む、主制御部401が管理する各種乱数カウンタのカウント値が記憶されている。カウンタC1〜C5は、夫々、特図当たり乱数、特図図柄乱数、特図変動パターン乱数、普図当たり乱数、普図図柄乱数をカウントする。
乱数更新処理において、CPU411は、乱数カウンタC1〜C5の内、何れか任意のカウンタのカウント値が所定の上限値を超えたときには、当該カウンタのカウント値を「0」に戻し、その後、同様のカウントアップを行う。基本実施形態においては例として、特図当たり乱数、特図図柄乱数、特図変動パターン乱数を、夫々、「0〜398」、「0〜99」、「0〜499」の範囲内でカウントさせるものとする。普図当たり乱数及び普図図柄乱数は、例えば「0〜9」の範囲内でカウントされる。尚、基本実施形態における任意の乱数は、特に記述無き限り、整数値のみをとる。
CPU411は、ROM412内のスイッチ処理プログラムにより、スイッチ処理を実行する(図15参照)。スイッチ処理では、始動口スイッチ処理、ゲートスイッチ処理、大入賞口スイッチ処理及び普通入賞口スイッチ処理が順次実行される。
CPU411は、ROM412内の始動口スイッチ処理プログラムにより、始動口スイッチ処理を実行する(図15参照)。始動口スイッチ処理は、第1及び第2始動口スイッチ処理から成る。第1始動口スイッチ処理において、CPU411は、第1始動口SW414aにより第1始動口105に入賞した遊技球が検出されたタイミング(即ち、始動口105への入賞に基づく第1始動条件の成立タイミング)で、カウンタ記憶領域413cのカウンタC1〜C3のカウント値を取得し、取得したカウンタC1〜C3のカウント値を、特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報(特図保留情報)をRAM413の特図判定用情報記憶領域413dに記憶させる。第2始動口スイッチ処理において、CPU411は、第2始動口SW414bにより第2始動口106に入賞した遊技球が検出されたタイミング(即ち、始動口106への入賞に基づく第2始動条件の成立タイミング)で、カウンタ記憶領域413cのカウンタC1〜C3のカウント値を取得し、取得したカウンタC1〜C3のカウント値を特図当たり乱数、特図図柄乱数及び特図変動パターン乱数として含んだ特図判定用情報(特図保留情報)を、RAM413の特図判定用情報記憶領域413dに記憶させる。
特図判定用情報記憶領域413dは、第1始動条件の成立に基づく特図判定用情報及び第2始動条件の成立に基づく特図判定用情報の夫々を、所定数を上限として記憶することができる。ここでは、その所定数が4であるとする。従って、記憶領域413dには、最大8つまでの特図判定用情報を記憶することができる。記憶領域413d内における、第1、第2始動条件の成立を契機とした特図判定用情報の個数が、夫々、上記の保留情報数U1、U2に相当する。また、記憶領域413dに記憶された各特図判定用情報に対し、大当たり抽選を受けるための優先順位が設定されている。基本的に、時間的に先に取得された特図判定用情報に対しより高い優先順位が設定される。但し、第1始動条件の成立によって取得された特図判定用情報と比べ、第2始動条件の成立によって取得された特図判定用情報に対し、より高い優先順位が設定されるものとする。
CPU411は、ROM412内のゲートスイッチ処理プログラムにより、ゲートスイッチ処理を実行する(図15参照)。ゲートスイッチ処理において、CPU411は、ゲートSW415によりゲート108を通過した遊技球が検出されたタイミングで、カウンタ記憶領域413cのカウンタC4及びC5のカウント値を取得し、取得したカウンタC4及びC5のカウント値を普図当たり乱数及び普図図柄乱数として含んだ普図判定用情報(普図保留情報)を、RAM413の普図判定用情報記憶領域413iに記憶させる。
普図判定用情報記憶領域413iは普図判定用情報を、所定数を上限として記憶することができる。ここでは、その所定数が4であるとする。記憶領域413i内における普図判定用情報の個数が上記の保留情報数U3に相当する。記憶領域記憶領域413iに記憶された各普図判定用情報に対し普通図柄抽選を受けるための優先順位が設定されている。時間的に先に取得された普図判定用情報に対しより高い優先順位が設定される。
CPU411は、ROM412内の大入賞口スイッチ処理プログラムにより、大入賞口スイッチ処理を実行する(図15参照)。大入賞口スイッチ処理において、CPU411は、大入賞口109に入賞した遊技球を大入賞口SW416により検出する。
CPU411は、ROM412内の普通入賞口スイッチ処理プログラムにより、普通入賞口スイッチ処理を実行する(図15参照)。普通入賞口スイッチ処理において、CPU411は、普通入賞口110に入賞した遊技球を普通入賞口SW417により検出する。
CPU411は、ROM412内の特別図柄処理プログラムにより、特別図柄処理を実行する(図15参照)。特別図柄処理において、CPU411は、特図判定用情報記憶領域413dに記憶されている特図判定用情報を用いて、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行し、これらの判定結果を特図判定結果記憶領域413eに記憶させる。そして、これらの判定結果に基づき、特別図柄表示部201に表示させた特別図柄の変動表示及び停止表示を行わせる。大当たり抽選は、特図当たり判定及び特図図柄判定を含み(図15参照)、特図変動パターン判定を更に含むと考えても良い。CPU411は、特別図柄の変動表示を開始する際、特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の判定結果を含む変動開始コマンドをRAM413に設定し、特別図柄の変動を停止する際、変動停止コマンドをRAM413に設定する。また、特図当たり判定の結果が大当たり又は小当たりの当選を示しているとき、CPU411は、変動停止コマンドに続きオープニングコマンドをRAM413に設定することで、演出制御部403に対し当たり演出の実行を指示する。これらのコマンドは、後述の出力処理(図15参照)において演出制御部403に出力される。
特別図柄処理において、CPU411は、特図判定用情報記憶領域413d内で最も優先順位を高く設定された特図判定用情報を判定対象(当該判定対象)TTとして取得し、判定対象TTの特図判定用情報を用いて特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行する。判定対象TTとなった特図判定用情報は記憶領域413dから消去されて他の記憶領域(不図示)に移される。
―――特図当たり判定テーブル;図5―――
特別図柄処理において、CPU411は、まず、ROM412に記憶された特図当たり判定テーブルTAtと判定対象TTの特図当たり乱数との比較を伴う特図当たり判定を行う。
図5に、特図当たり判定テーブルTAtの例を示す。図5に示すように、特図当たり判定テーブルTAtは、低確率特図当たり判定テーブルTAt1と、高確率特図当たり判定テーブルTAt2とから構成される。テーブルTAt1及びTAt2の夫々は、大当たりに対応付けられた所定の判定値を有して構成される。
CPU411は、特図当たり判定時(即ち大当たり抽選時)に、高確率遊技フラグがOFFに設定されていた場合にはテーブルTAt1を用いて特図当たり判定を行い、高確率遊技フラグがONに設定されていた場合にはテーブルTAt2を用いて特図当たり判定を行う。そして、CPU411は、判定対象TTの特図当たり乱数が大当たりに対応づけられた判定値と一致した場合には大当たりに当選したと判定し、そうでない場合にはハズレである(即ち大当たりに当選していない)と判定する。遊技機100の遊技状態は、高確率遊技フラグがONであるときに高確率遊技状態であり、高確率遊技フラグがOFFであるときに低確率遊技状態である。
特図当たり乱数は、数値範囲「0〜398」内のいずれかの整数値をとる。テーブルTAt1では、大当たりに対して、“0”の判定値のみを割り当てている。一方、テーブルTAt2では、大当たりに対して、“0〜9”内の計10個の各整数値を判定値に割り当てている。このため、テーブルTAt1を用いて特図当たり判定が行われた場合、大当たりの当選確率(大当たり抽選の当選確率)は1/399となる一方、テーブルTAt2を用いて特図当たり判定が行われた場合、大当たりの当選確率(大当たり抽選の当選確率)は10/399となる。
また、CPU411は、特図当たり判定において小当たりの当落も判定する。小当たりは、大当たりではなく、通常のハズレ(小当たり以外のハズレ)とは異なる特別図柄で表される特定のハズレである。CPU411は、判定対象TTの特図当たり乱数が小当たりに対応づけられた判定値と一致した場合に小当たりに当選したと判定する。テーブルTAt1及びTAt2の何れにおいても、小当たりに対して、“50”の判定値のみが割り当てられている。故に、高確率遊技フラグのON/OFFに依存せず、小当たりの当選確率は1/399である。但し、第2特別図柄についての特図当たり判定においては(第2始動条件の成立に基づく特図当たり判定においては)、特図当たり乱数の如何に関係なく、小当たりに当選することは無い。
―――大当たりの種類;図6―――
図6は、大当たりの種類を示す図である。大当たりとして、特A〜特G及び通A〜通Cがある。特A〜特D及び特Gは確変長当たりに属し、特Eは確変短当たりに属し、特Fは潜確短当たりに属する。通A〜通Cは通常長当たりに属する。特Gは、確変長当たりの一種であるジャンプアップボーナス(JUB)に属する。特A〜特C及び通A〜通Cの夫々のラウンド数は4ラウンドであり、特D及び特Gの夫々のラウンド数は16ラウンドであり、特E及び特Fの夫々のラウンド数は2ラウンドである。尚、大当たりにおける“R”はラウンドを示す。各ラウンドにおいて、大入賞口109の開放時間が所定時間に達するまで又は大入賞口109への遊技球の入賞数が所定数に達するまで、大入賞口109が開放される。
確変長当たり及び通常長当たりにおける各ラウンドの大入賞口109の開放時間(例えば30秒)は、確変短当たり及び潜確短当たりにおける各ラウンドの大入賞口109の開放時間(例えば0.2秒)よりも長い。
各ラウンドの大入賞口109の開放時間は、確変長当たり及び通常長当たり間で同じであるが、確変長当たり及び通常長当たり間で多少異なっていても良い。
各ラウンドの大入賞口109の開放時間は、確変短当たり及び潜確短当たり間で同じであるが、確変短当たり及び潜確短当たり間で多少異なっていても良い。
特Gにおける第1ラウンドの大入賞口109の開放態様は、特Aなどのそれと異なっているが、詳細については後述される。
第1特別図柄についての特図当たり判定において(第1始動条件の成立に基づく特図当たり判定において)、大当たりに当選したとき、その大当たりが、特A、特B、特C、特D、特E、特F、特G、通A、通B、通Cとなる割合は、夫々、5%、5%、5%、30%、15%、15%、7%、7%、6%、5%である。第2特別図柄についての特図当たり判定において(第2始動条件の成立に基づく特図当たり判定において)、大当たりに当選したとき、その大当たりが、特A、特B、特C、特D、通A、通B、通Cとなる割合は、夫々、5%、5%、5%、67%、7%、6%、5%である。つまり、第2特別図柄についての特別図柄処理において(第2始動条件の成立に基づく特別図柄処理において)、特E〜特Gの大当たりに当選することは無い。
尚、上述の数値例から分かるように、大当たりが特Aとなる割合は、第1特別図柄についての特図当たり判定と第2特別図柄についての特図当たり判定との間で同じとなっている(大当たりが特B、特C、通A、通B又は通Cとなる割合も同様)。また、第1又は第2特別図柄についての特図当たり判定において、大当たりが通Aとなる割合(7%)は大当たりが通Bとなる割合(6%)よりも高く、大当たりが通Bとなる割合(6%)は大当たりが通Cとなる割合(5%)よりも高い。
特A〜特E及び特Gの大当たり遊技の終了後、CPU411は、遊技機100の遊技状態を高確率電サポ遊技状態に設定し、次回の大当たりに当選するまで、その設定内容(高確率電サポ遊技状態)を維持する。実際には例えば、特A〜特E及び特Gの大当たり遊技の終了後、次回の大当たりが発生しない限り、特別図柄が10000回変動するまで高確率電サポ遊技状態が維持される。高確率電サポ遊技状態における大当たりの当選確率は “10/399”であるため、特A〜特E及び特Gの大当たり遊技の終了後は、実質的に、次回の大当たりの当選まで高確率電サポ遊技状態が維持されると言える。
特Fの大当たり遊技の終了後、CPU411は、遊技機100の遊技状態を高確率非電サポ遊技状態に設定し、次回の大当たりに当選するまで、その設定内容(高確率非電サポ遊技状態)を維持する。実際には例えば、特Fの大当たり遊技の終了後、次回の大当たりが発生しない限り、特別図柄が10000回変動するまで高確率非電サポ遊技状態が維持される。高確率非電サポ遊技状態における大当たりの当選確率は “10/399”であるため、特Fの大当たり遊技の終了後は、実質的に、次回の大当たりの当選まで高確率非電サポ遊技状態が維持されると言える。
通A、通B又は通Cの大当たり遊技の終了後、CPU411は、特別図柄が所定の電サポ付与回数分だけ変動するまで、遊技機100の遊技状態を低確率電サポ遊技状態に設定し、特別図柄が所定の電サポ付与回数分だけ変動した後は、遊技機100の遊技状態を低確率非電サポ遊技状態(即ち通常遊技状態)に設定する。但し、通A、通B又は通Cの大当たり遊技の終了後、次回の大当たりに当選した場合には、その次回に当選した大当たりの種類に応じ、次回の大当たり遊技の終了後の遊技状態が設定される。例えば、通Aの大当たり遊技の終了後、特別図柄の第1変動目で特Aの大当たりに当選したならば、特Aの大当たり遊技の終了後、遊技機100の遊技状態は高確率電サポ遊技状態に設定される。
電サポ付与回数とは、電サポ遊技状態が維持される特別図柄の変動回数を指す。つまり、或る大当たりに関し、大当たり遊技の終了後において、特別図柄がi回分だけ変動する間、遊技状態が電サポ遊技状態とされ且つ特別図柄がi回分だけ変動した後は非電サポ遊技状態とされるとき、当該大当たりに対応する電サポ付与回数はi回である(iは整数)。通A、通B、通Cに対する電サポ付与回数は、夫々、10回、20回、30回である。特A〜特E及び特Gに対する電サポ付与回数は、それらよりも十分に大きい10000回である。電サポ遊技状態では始動条件が成立し易くなるため、電サポ付与回数が多いほど遊技者にとって有利である。
尚、小当たりに当選した場合も、大入賞口109の開放を伴う遊技(後述の小当たり遊技)が実行されるが、主制御部401は、小当たりの当選を契機として遊技機100の遊技状態(大当たり抽選の当選確率及び電サポ付与の有無)を変化させない。つまり、小当たりの当選の前後間で遊技機100の遊技状態(大当たり抽選の当選確率及び電サポ付与の有無)は変化しない。
特図当たり判定において大当たりに当選したと判定した場合、CPU411は、ROM412に記憶されている特図図柄判定テーブルTZtと判定対象TTの特図図柄乱数とを比較し、比較結果に基づいて大当たりの種類を判定する特図図柄判定を行う。
特図図柄判定テーブルTZtは、第1特図図柄判定テーブルと、第2特図図柄判定テーブルとから構成される。判定対象TTが第1始動条件の成立を契機として取得された特図判定用情報である場合には第1特図図柄判定テーブルを用いて、判定対象TTが第2始動条件の成立を契機として取得された特図判定用情報である場合には第2特図図柄判定テーブルを用いて、特図図柄判定が行われる。第1、第2特別図柄についての大当たりの種類が上述した割合(図6参照)で定まるように、夫々、第1、第2特図図柄判定テーブルが作成されている。
図6から分かるように、第2始動条件の成立による特図図柄判定は、第1始動条件の成立による特図図柄判定よりも遊技者にとって相対的に有利なものとなっている(即ち、より多くの賞球を得やすい)。ここにおける相対的に有利とは、第2始動条件の成立に基づき実行される大当たり遊技において大入賞口109への入賞により得られる賞球数の期待値(ラウンド数の期待値)が、第1始動条件の成立に基づき実行される大当たり遊技において大入賞口109への入賞により得られる賞球数の期待値(ラウンド数の期待値)よりも大きいことを意味する。
―――特図変動パターンテーブル;図7―――
CPU411は、特別図柄処理において、特図変動パターンテーブルTHtと判定対象TTの特図変動パターン乱数とを比較して比較結果に基づき特図変動パターンを判定する特図変動パターン判定を行う。特図変動パターンの判定は特図変動パターンの選択又は設定と同義である。
図7に、特図変動パターンテーブルTHtの例を示す。特図変動パターンテーブルTHtは、チャンスモード用特図変動パターンテーブルTHt_a、分岐演出モード用特図変動パターンテーブルTHt_b、確変モード用特図変動パターンテーブルTHt_c、基準モード用特図変動パターンテーブルTHt_d、及び、潜伏モード用特図変動パターンテーブルTHt_eを含む複数の特図変動パターンテーブルから形成される。
テーブルTHt_a〜THt_eの夫々は、特別図柄の変動態様を各々に定義する複数の特図変動パターンを格納している。特図変動パターン判定において、CPU411は、現在の遊技状態や各種フラグ等に基づき、テーブルTHt_a〜THt_eの内の1つのテーブルを選択し、選択したテーブルに含まれる複数の特図変動パターンの中から、判定対象TTの特図変動パターン乱数に基づき、1つの特図変動パターンを選択する。
テーブルTHt_a、THt_b、THt_c及びTHt_eの説明は後に設けるものとし、ここでは、基準モード用特図変動パターンテーブルTHt_dの例を説明する。通常遊技状態では、主として、基準モード用特図変動パターンテーブルTHt_dを用いて特図変動パターン判定が行われる。
図8に、基準モード用特図変動パターンテーブルTHt_dの例を示す。基準モード用特図変動パターンテーブルTHt_dは、ハズレ用の特図変動パターンテーブルTHt_d1と、大当たり用の特図変動パターンテーブルTHt_d2とを含む。
テーブルTHt_d1及びTHt_d2の夫々は、特図変動パターンTHp_d11〜THp_d16の全部又は一部に対して所定の判定値を対応づけたテーブルである。特図変動パターンTHp_d11〜THp_d16を含む各特図変動パターンは、特別図柄の変動態様を定義したものであり、例えば、特別図柄を変動させる時間(特別図柄の変動表示が行われる時間の長さであって、以下「変動時間」という)を定義している。特図変動パターンTHp_d11は、ノーマルハズレ演出が行われる特図変動パターンであり、特図変動パターンTHp_d12〜THp_d16はリーチ演出が行われる特図変動パターンである(図13参照)。特図変動パターンTHp_d11〜THp_d16における特別図柄の変動時間は、夫々、13.5秒、30秒、40秒、60秒、70秒、90秒である。
テーブルTHt_dを用いた特図変動パターン判定において、CPU411は、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合にはテーブルTHt_d1を選択する一方、特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合にはテーブルTHt_d2を選択する。そして、CPU411は、判定対象TTの特図変動パターン乱数が、選択テーブル(ここでは、THt_d1又はTHt_d2)における特図変動パターンTHp_diに対応付けられた判定値と一致する場合に、判定対象TTに対応する特図変動パターンとして、特図変動パターンTHp_diを選択及び設定する(ここで、iは11以上16以下の整数)。
テーブルTHt_d1では、特図変動パターンTHp_d11、THp_d12、THp_d13、THp_d14、THp_d15に対して、夫々、計475個の判定値「0〜474」、計16個の判定値「475〜490」、計5個の判定値「491〜495」、計3個の判定値「496〜498」、1個の判定値「499」を割り当てている(各判定値は整数)。テーブルTHt_d2では、特図変動パターンTHp_d12、THp_d13、THp_d14、THp_d15、THp_d16に対して、夫々、計25個の判定値「0〜24」、計50個の判定値「25〜74」、計125個の判定値「75〜199」、計290個の判定値「200〜489」、計10個の判定値「490〜499」を割り当てている(各判定値は整数)。
テーブルTHt_d1では、特図変動パターンTHp_d16に対し判定値が割り当てられていない。つまり、テーブルTHt_d1では、プレミアリーチ演出(大当たり確定演出;図13参照)が行われる特図変動パターンTHp_d16が選択されないようになっている。テーブルTHt_d2では、特図変動パターンTHp_d11に対し判定値が割り当てられていない。つまり、テーブルTHt_d2では、ノーマルハズレ演出(図13参照)が行われる特図変動パターンTHp_d11が選択されないようになっている。基準モード用特図変動パターンテーブルTHt_dが用いられる遊技状態では、変動時間が長い特図変動パターンほど大当たり時に選択されやすくハズレ時に選択され難くなっている。つまり、変動時間が長い特図変動パターンほど大当たりに対する信頼度が高くなるように、テーブルTHt_d内の判定値が定められている。
尚、図8には示していないが、保留情報数(U1又はU2)が所定数(例えば3)以上であるときにおいて、判定対象TTの特図当たり判定の結果がハズレであり且つ判定対象TTの特図変動パターン乱数が“0〜474”内の何れかである場合、13.5秒より小さな変動時間(例えば2秒)を持つ特図変動パターンを、判定対象TTに対応する特図変動パターンとして選択及び設定するようにしても良い。
特図判定結果記憶領域413e(図4参照)には、判定対象TTについての特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の各判定結果が、互いに対応付けられた状態で記憶される。
CPU411は、ROM412内の普通図柄処理プログラムにより、普通図柄処理を実行する(図15参照)。普通図柄処理において、CPU411は、普図判定用情報記憶領域413iに記憶されている普図判定用情報などを用いて、普図当たり判定、普図図柄判定及び普図変動パターン判定を順次実行し、これらの判定結果を普図判定結果記憶領域413jに記憶させる。そして、これらの判定結果に基づき、普通図柄表示部202に表示させた普通図柄の変動表示及び停止表示を行わせる。普通図柄抽選は、普図当たり判定及び普図図柄判定を含み(図15参照)、普図変動パターン判定を更に含むと考えても良い。
普通図柄処理において、CPU411は、普図判定用情報記憶領域413i内で最も優先順位を高く設定された普図判定用情報を普図判定対象FFとして取得し、普図判定対象FFの普図判定用情報などを用いて普図当たり判定、普図図柄判定及び普図変動パターン判定を順次実行する。普図判定対象FFとなった普図判定用情報は記憶領域413iから消去されて他の記憶領域(不図示)に移される。
普図当たり判定において、CPU411は、特図当たり判定と同様に、普図判定対象FFの普図当たり乱数が、普図当たり判定テーブルFAtに規定されている判定値であって且つ普図当たりに対応づけられた判定値と一致するかを判定する。そして、CPU411は、普図判定対象FFの普図当たり乱数が普図当たりに対応づけられた判定値と一致すれば普図当たりに当選したと判定し、そうでなければ普図当たりに落選したと判定する。普図当たりには、長開放当たりと短開放当たりとがある。電動チューリップ107が開状態とされる時間は、長開放当たりの方が短開放当たりよりも長い。このため、普図図柄判定テーブルFZtには、長開放当たりに対応づけられた判定値と、短開放当たりに対応づけられた判定値とが定義されている。普図当たりに当選した場合、CPU411は、普図図柄判定において、普図判定対象FFの普図図柄乱数をテーブルFZt内の判定値と比較し、普図判定対象FFの普図図柄乱数が長開放当たりに対応づけられた判定値と一致している場合には長開放当たりに当選したと判定する一方、普図判定対象FFの普図図柄乱数が短開放当たりに対応づけられた判定値と一致している場合には短開放当たりに当選したと判定する。
普図変動パターン判定において、CPU411は、電サポの付与有無などに基づき、普図変動パターンテーブルFHtに含まれる複数の普図変動パターンの中から普図判定対象FFに対する普図変動パターンを選択する。普図変動パターンは、普通図柄の変動時間等を規定している。CPU411は、普図当たり判定、普図図柄判定及び普図変動パターン判定の判定結果が記憶された普図判定結果記憶領域413jの記憶内容に基づいて、普通図柄の表示制御を行わせる。例えば、普図変動パターンが示す変動時間だけ普通図柄の変動を行った後、普図当たり判定の判定結果及び普図図柄判定の判定結果の双方を示す図柄で普通図柄を停止させる。
CPU411は、ROM412内の電動役物制御処理プログラムにより、電動役物制御処理を実行する(図15参照)。電動役物制御処理では、大入賞口処理及び電チュー処理が順次実行される。
―――大入賞口開放パターンテーブル;図9―――
図9に、大入賞口開放パターンテーブルDKtの例を示す。CPU411は、ROM412内の大入賞口処理プログラムにより、大入賞口処理を実行する(図15参照)。大入賞口処理において、CPU411は、特別図柄処理の処理結果などに基づき大入賞口109を開閉動作させる。図9に示す如く、大入賞口開放パターンテーブルDKtには、大当たりの種類ごとの大入賞口109の開放態様を定義する複数の大入賞口開放パターンDKp1〜DKp10と、小当たり当選時の大入賞口109の開放態様を定義する大入賞口開放パターンDKp11が格納されている。特A、特B、特C、特D、特E、特F、特G、通A、通B、通Cに対応する大入賞口開放パターンは、夫々、大入賞口開放パターンDKp1、DKp2、DKp3、DKp4、DKp5、DKp6、DKp7、DKp8、DKp9、DKp10である。
特別図柄処理の処理結果が大当たりの当選を示しているとき、大当たりの種類に応じた大入賞口開放パターンを用いて、大入賞口109が開閉動作される。特別図柄処理の処理結果が小当たりの当選を示しているとき、大入賞口開放パターンDKp11を用いて、大入賞口109が開閉動作される。
パターンDKp1〜DKp11の夫々は、大当たり又は小当たりにおけるラウンド数Rmaxと、各ラウンドでの大入賞口109の開放時間と、オープニング時間と、インターバル時間と、エンディング時間とを定めている。オープニング時間、インターバル時間、エンディング時間は、パターンDKp1〜DKp11間で共通であって、夫々、5秒、2秒、5秒である。オープニング時間、インターバル時間又はエンディング時間を、パターンDKp1〜DKp11に含まれる任意の2以上のパターン間で互いに異ならせても構わない。
パターンDKp1〜DKp3及びDKp8〜DKp10におけるラウンド数Rmaxは4であり、パターンDKp4及びDKp7におけるラウンド数Rmaxは16であり、パターンDKp5、DKp6及びDKp11におけるラウンド数Rmaxは2である。大当たり又は小当たりに当選すると、オープニング時間によるオープニングを経てから、第1ラウンドの大入賞口109の開放が開始され、対応するラウンド数Rmaxの分だけ大入賞口109が開放される。その後、エンディング時間によるエンディングが行われ、その中で、当たり演出の終了を指示するエンディングコマンドがRAM413に設定される。インターバル時間は、互いに隣接するラウンド間の時間を示している。
大入賞口開放パターンDKp1〜DKp4及びDKp7〜DKp10において、各ラウンドでの大入賞口109の開放時間は、30秒分の所定時間(ロング開放時間)である。大入賞口開放パターンDKp1〜DKp4及びDKp8〜DKp10の各ラウンドにおいては、大入賞口109が継続して30秒間開放される。大入賞口開放パターンDKp7の第1ラウンド以外の各ラウンドにおいても、大入賞口109が30秒間継続して開放される。但し、大入賞口開放パターンDKp1〜DKp4及びDKp7〜DKp10が用いられるときの各ラウンドにおいて、大入賞口109の開放時間が30秒に達していなくても、大入賞口109への遊技球の入賞数が所定値(例えば10個)に達した時点で大入賞口109は閉鎖され、当該ラウンドは終了する。
図10(a)を参照し、特Gの大当たりにおける、第1ラウンドでの大入賞口開放パターンDKp7を説明する。特Gの大当たり遊技の第1ラウンドでは、大入賞口109を所定のショート開放時間tJUBO1だけ開放した後、大入賞口109を所定時間tJUBC1だけ閉鎖し、その後再び大入賞口109をショート開放時間tJUBO1だけ開放した後、大入賞口109を所定時間tJUBC2だけ閉鎖し、更にその後に大入賞口109を所定のロング開放時間tJUBO2だけ開放する。時間tJUBO1の2倍と時間tJUBO2との合計は30秒である。
図10(b)、(c)、(d)に、夫々、特Eの大当たり、特Fの大当たり、小当たりにおける大入賞口パターンDKp5、DKp6、DKp11を示す。特E、特Fの大当たり遊技の各ラウンドにおける大入賞口109の開放時間は、夫々、所定のショート開放時間tEO、tFOである。小当たり当選時おける、大入賞口109の開放を伴う遊技を小当たり遊技と呼ぶ。小当たり遊技の各ラウンドにおける大入賞口109の開放時間は所定のショート開放時間tSOである。尚、大当たり遊技と同様、小当たり遊技でも短時間であるとはいえ大入賞口109が開放されるため、小当たり遊技が行われる遊技状態も、通常遊技状態よりも、遊技者にとって有利な遊技状態である、と言える(換言すれば、小当たり遊技は、通常遊技状態における遊技よりも遊技者にとって有利である)。大当たり遊技又は小当たり遊技における有利とは、通常遊技状態での遊技と比べて、大入賞口109の開放に伴い、遊技者がより多くの賞球を得やすい(得られる賞球の期待値が大きい)ことを意味する。
ショート開放時間tJUBO1、tEO、tFO及びtSOの夫々は、大入賞口開放パターンDKp1〜DKp4及びDKp8〜DKp10における各ラウンドでの大入賞口109の開放時間(30秒)より短く、且つ、大入賞口開放パターンDKp7の第2〜第16ラウンドにおける各ラウンドでの大入賞口109の開放時間(30秒)より短く、且つ、大入賞口開放パターンDKp7におけるロング開放時間tJUBO2よりも短い。時間(2×tJUBO1)、(2×tEO)、(2×tFO)及び(2×tSO)の夫々も、大入賞口開放パターンDKp1〜DKp4及びDKp8〜DKp10における各ラウンドでの大入賞口109の開放時間(30秒)より短く、且つ、大入賞口開放パターンDKp7の第2〜第16ラウンドにおける各ラウンドでの大入賞口109の開放時間(30秒)より短く、且つ、大入賞口開放パターンDKp7におけるロング開放時間tJUBO2よりも短い。
ショート開放時間tJUBO1、tEO、tFO及びtSOは、互いに同じ時間であり、ここでは0.2秒であるとする。故に、ロング開放時間tJUBO2は29.6秒である。但し、ショート開放時間による大入賞口109の開放(以下ショート開放とも言う)を遊技者が見たときに、その開放が、特E、特F又は小当たりによる大入賞口109の開放であるのか、特Gの第1ラウンドの大入賞口109の開放であるのかを遊技者が容易に区別できない程度に、ショート開放時間tJUBO1、tEO、tFO及びtSOを互いに若干異ならせても良い。
時間tJUBC1、tJUBC2(図10(a)参照)を、夫々、インターバル時間(2秒)、エンディング時間(5秒)と一致させておくと良い。これにより、実際には特Gに当選していたとしても、ロング開放時間tJUBO2による大入賞口109の開放を見るまでは、大入賞口109のショート開放が特E、特F、特G及び小当たりの何れによるものであるのかを遊技者は認識し難くなる。結果、遊技者に、特E、特F又は特Gへの期待感及び小当たりへの不安感を抱かせることが可能となり、遊技の面白みが増す。
尚、上述の特E、特F及び特Gによる大当たり遊技並びに小当たり遊技の夫々では、ショート開放時間による大入賞口109の開放回数が2回になっているが、ショート開放時間による大入賞口109の開放回数を3回以上にしても良いし、1回にしても良い。但し、ショート開放時間による大入賞口109の開放回数は、特E、特F及び特Gによる大当たり遊技並びに小当たり遊技の間で、共通にしておくことが好ましい。
また、大入賞口処理プログラムは、サブプログラムとして遊技状態設定処理プログラムを実行させる(図15参照)。遊技状態設定処理プログラムによる遊技状態設定処理において、CPU411は、遊技状態を定める高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグなどの各種遊技フラグを遊技フラグ記憶領域413fに設定する。上述したように、遊技機100の遊技状態は、高確率遊技フラグがONであるときに高確率遊技状態であり、高確率遊技フラグがOFFであるときに低確率遊技状態である。遊技機100の遊技状態は、電サポ遊技フラグがONであるときに電サポ遊技状態であり、電サポ遊技フラグがOFFであるときに非電サポ遊技状態である。大当たりの発生に応答して実行される大入賞口処理中の遊技状態設定処理では、発生した大当たりの種類に応じて、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグのON/OFFが設定される他、発生した大当たりの種類に応じて、高確率遊技状態が維持される特別図柄の残りの変動回数を示す高確率遊技残回数X及び電サポ遊技状態が維持される特別図柄の残りの変動回数を示す電サポ遊技残回数JがRAM413に設定される。従って、特A〜特E又は特Gの大当たりに伴う遊技状態設定処理では(図6参照)、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグが共にONとされ且つ回数X及びJに共に「10000」が代入される。特Fの大当たりに伴う遊技状態設定処理では、高確率遊技フラグがONとされ且つ回数Xに「10000」が代入される。通A、通B、通Cの大当たりに伴う遊技状態設定処理では、電サポ遊技フラグがONとされ、且つ、回数Jに夫々「10」、「20」、「30」が代入される。
遊技状態設定処理にて設定された高確率遊技残回数Xは、“X≧1”であるとき特別図柄処理が1回実行されるごとに“1”だけ減算され、“X=0”となると高確率遊技フラグにOFFが設定されて遊技機100の遊技状態は低確率遊技状態となる。遊技状態設定処理にて設定された電サポ遊技残回数Jは、“J≧1”であるとき特別図柄処理が1回実行されるごとに“1”だけ減算され、“J=0”となると電サポ遊技フラグにOFFが設定されて遊技機100の遊技状態は非電サポ遊技状態となる。遊技機100の初期状態において、高確率遊技フラグ及び電サポ遊技フラグはOFFであり且つ回数X及びJには“0”が設定されている。遊技盤101の背面に設けられたRAMクリアスイッチ(不図示)を押すことで遊技機100は初期状態となる。
CPU411は、ROM412内の電チュー処理プログラムにより、電チュー処理を実行する(図15参照)。電チュー処理において、CPU411は、普通図柄処理の処理結果に基づき電動チューリップ107を開閉動作させる。普通図柄抽選で当たりに当選した場合に、所定時間、電動チューリップ107が開状態とされる。
CPU411は、ROM412内の賞球処理プログラムにより、賞球処理を実行する(図15参照)。賞球処理において、CPU411は、第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110の各入賞口への入賞に対して所定個数の賞球を払い出させるための払い出し指示を、賞球コマンドとして賞球情報記憶領域413gに設定する。
CPU411は、ROM412内の出力処理プログラムにより、出力処理を実行する(図15参照)。出力処理において、CPU411は、RAM413内の各記憶領域の記憶内容を示す情報(任意のコマンドを含む)などを、主制御部401に接続された各制御部(賞球制御部402及び演出制御部403を含む)に対して出力する。賞球に関するコマンドは賞球制御部402に出力され、演出に関するコマンドは演出制御部403に出力される。尚、出力処理において、CPU411は自身が認識又は保持している任意の情報(例えば、電サポ遊技フラグ及び高確率遊技フラグの状態を示す情報)を演出制御部403に伝達できる。出力処理の終了によってタイマ割込処理も終了し、タイマ割込処理の終了によってCPU411が実行する処理はメイン処理に戻る(図15参照)。
―――事前判定情報記憶領域;図11―――
また、上述した始動口スイッチ処理プログラムは、サブプログラムとして、事前判定処理を実現する事前判定処理プログラムを実行する(図15参照)。ROM412内の事前判定処理プログラムによる事前判定処理において、CPU411は、特図判定用情報記憶領域413dに記憶されて保留されることとなる特図判定用情報を事前判定対象として設定し、事前判定対象に対して特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定を順次実行する。事前判定対象に対する特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の方法は、判定対象TTに対するそれらの方法と同じである。事前判定処理の判定結果(即ち、事前判定対象に対する特図当たり判定、特図図柄判定及び特図変動パターン判定の判定結果)は事前判定情報記憶領域413hに記憶され、事前判定処理の判定結果を含む事前判定コマンドが演出制御部403に送られるべくRAM413に設定される。或る特図判定用情報に対する事前判定処理は、その特図判定用情報が取得された時に、始動口スイッチ処理の中で実行される。
図11に、事前判定情報記憶領域413hの例を示す。記憶領域413hは第1〜第8の格納領域を有する。記憶領域413hにおける第iの格納領域には、特図判定用情報記憶領域413dに記憶され且つ第i番目の優先順位を有した特図判定用情報に対する事前判定処理の結果が記憶される。
尚、事前判定情報記憶領域413hには、特図当たり判定の判定結果及び特図図柄判定の判定結果の双方を表す図柄を示す情報を記憶させるようにしても良い。具体的には例えば、事前判定対象の特図判定用情報に対する特図当たり判定及び特図図柄判定の判定結果が特A、特Bの大当たりを示すとき、事前判定情報記憶領域413hに、夫々、「1」、「2」という図柄を記憶する一方、それがハズレを示すとき、事前判定情報記憶領域413hに「−」という図柄を記憶するようにしても良い。
また、図4に示すように、主制御部401には盤用外部情報端子基板491が接続されており、主制御部401は、RAM413内の記憶内容を示す情報を、基板491を通じて外部(例えば遊技場のホールコンピュータ)に出力することができる。
[2.賞球制御部]
図4を参照し、賞球制御部402は、CPU421と、ROM422と、RAM423と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU421は、主制御部401からの払い出し指示(賞球コマンド)に基づき、賞球の払い出し制御に関する各種プログラムをROM422から読み出し、RAM423をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行することで、払い出し指示に従う賞球の払い出しを行う。
賞球制御部402には、遊技球を検出する各種SWが接続されている。例えば、図示のように、賞球制御部402には、所定位置の遊技球を検出する定位置検出SW424と、払い出した遊技球を検出する払出球検出SW425と、枠体前面に設けられた打球供給皿120内に遊技球があるかを検出する球有り検出SW426と、打球供給皿120が遊技球で満たされていることを検出する満タン検出SW427とが接続されている。
SW424〜427の夫々は、遊技球を検出したか否かを示す検出信号を賞球制御部402へ出力する。賞球制御部402は、主制御部401から出力された払い出し指示や、SW424〜427から入力される検出信号に基づき、賞球を払い出したり、賞球の払い出しをやめたりする。また、賞球制御部402は、SW424〜427から入力される検出信号を主制御部401へ出力しても良い。
また、賞球制御部402には、発射部428が接続される。賞球制御部402は、発射部428に対する遊技球の発射の操作(遊技者による操作)を検出して遊技球の発射を制御する。発射部428は、遊技のための遊技球を発射するものであり、遊技者による遊技操作を検出するセンサと、遊技球を発射させるソレノイドなどを備える。賞球制御部402は、発射部428のセンサにより遊技操作を検出すると、検出された遊技操作に対応してソレノイド等を駆動させて遊技球を間欠的に発射させ、遊技盤101の遊技領域103に遊技球を打ち出す。
また、賞球制御部402には、賞球を払い出すための払出部429が接続される。払出部429は、遊技球を貯留する不図示の貯留部から所定数の遊技球を払い出すための払出駆動モータを備える。賞球制御部402は、払出部429を制御して払出駆動モータを駆動させることで、各入賞口(第1始動口105、第2始動口106、大入賞口109、普通入賞口110)への入賞に対応した賞球の払い出しを実現する。また、賞球制御部402には枠用外部情報端子基板492が接続されており、賞球制御部402が取り扱う各種情報を、基板492を通じて外部に出力することができる。
[3.演出制御部]
次に、遊技機100の演出制御部403について説明する。
[3−1.演出統括部]
図12は、演出制御部403の内部ブロック図を含む、遊技機100の一部ブロック図である。演出制御部403は、演出制御部403の全体を統括する演出統括部403aと、画像表示部104の表示制御やスピーカ114の音声出力制御を行う画像/音声制御部403bと、演出ライト部115及び遊技盤101上の盤ランプ135の点灯制御並びに可動役物130の駆動制御を行うランプ制御部403cなどを備えている。
演出統括部403aは、CPU431と、ROM432と、RAM433と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU431は、遊技機100が行う演出の制御に関する各種プログラムをROM432から読み出し、RAM433をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
また、演出統括部403aには、遊技者からの操作を受け付ける演出ボタン118及び十字キー119が接続されている。演出ボタン118は、遊技者により操作(即ち押下)されたとき、その旨を示す制御信号を演出統括部403aへ出力する。十字キー119は、複数のキーから成り、遊技者により操作(即ち押下)されたキーに対応する制御信号を演出統括部403aへ出力する。演出統括部403aは、演出ボタン118及び十字キー119から入力される制御信号に基づき、遊技者による操作を受け付けたこと及びその操作内容を示す操作コマンドをRAM433に設定する。
ここで、演出統括部403aのCPU431が実行するプログラムの例及び各プログラムを実行することでRAM433に設定(即ち記憶)される情報の例について説明する。尚、演出統括部403aに関して以下に示す処理、プログラム、テーブル及び記憶領域は、CPU431が行う処理、ROM432内のプログラム及びテーブル、並びに、RAM433内の記憶領域の一部に過ぎず、他にも様々な処理、プログラム、テーブル及び記憶領域が、CPU431にて実行、又は、ROM432若しくはRAM433に用意されている。図12に示す如く、ROM432には、テーブルTEt、Mt、AEt及びFEtが格納され、RAM433には、記憶領域433a〜433dが設定されている。
CPU431は、ROM432内の演出メイン処理プログラムにより、演出メイン処理を実行する(図16参照)。演出統括部403aへの電源の供給に応答して演出メイン処理が実行される。演出メイン処理において、演出統括部403aは、演出統括部403a内のCTCなどの内蔵デバイスの初期設定を行って、設定内容を設定記憶領域433aに記憶させる。
CPU431は、ROM432内の演出タイマ割込処理プログラムにより、演出タイマ割込処理を実行する(図16参照)。演出タイマ割込処理は、演出メイン処理により設定記憶領域433aに記憶された所定の周期で、演出メイン処理に対して割り込み実行される。演出タイマ割込処理では、コマンド受信処理、操作受付処理及びコマンド送信処理が順次実行される。
CPU431は、ROM432内のコマンド受信処理プログラムにより、コマンド受信処理を実行する。コマンド受信処理において、CPU431は、ROM432内の各種サブプログラムを実行させる。コマンド受信処理に付随して実行される各種処理には、ROM432内の特図演出処理プログラム、普図演出処理プログラム及び当たり演出処理プログラムによる特図演出処理、普図演出処理及び当たり演出処理(図16参照)が含まれる。
特図演出処理は、演出開始処理及び演出終了処理を含む。演出制御部403は、変動開始コマンドの受信に応答して演出開始処理を実行することで変動演出を開始した後、変動停止コマンドの受信に応答して演出終了処理を実行することで変動演出を終了する。演出開始処理には、変動演出パターン選択処理が内包される。変動演出パターン選択処理において、CPU431は、主制御部401などから受信されたコマンドに基づき、ROM432に記憶された特図変動演出パターンテーブルTEtから特図変動演出パターンを選択及び判定する。選択及び判定された特図変動演出パターンによる変動演出が特図演出処理において実行される。
―――特図変動演出パターンテーブル;図13―――
図13に、特図変動演出パターンテーブルTEtの例を示す。テーブルTEtには、ノーマルハズレ演出やリーチ演出などの変動演出の演出内容を定義する特図変動演出パターンが、複数、格納されている。図13には、テーブルTEtに格納される特図変動演出パターンの一部として、互いに異なる6つの特図変動演出パターンTEp_d11〜TEp_d16が示されている。特図変動パターンTHp_d11〜THp_d16(図8参照)に対して特図変動演出パターンTEp_d11〜TEp_d16が1対1に対応づけられている。
変動演出とは、特別図柄の変動及び変動終了時において演出制御部403により実行される演出を指し、詳細には、特図変動演出と呼ばれても良い。遊技機100において、変動演出を含む任意の演出は、演出実現要素を用いて実現される。演出実現要素は、画像表示部104による画像表示、スピーカ114による音声出力、演出ライト部115による発光、盤ランプ135による発光、及び、可動役物130の駆動の内、少なくとも1つを含む。
尚、変動演出パターンとして、特別図柄に関する変動演出パターン(即ち、特図変動演出パターン)と普通図柄に関する変動演出パターン(即ち、普図変動演出パターン)とがあるが、以下では、変動演出の内、特別図柄に関する変動演出が主として議論されるため、特図変動演出パターンテーブル、特図変動演出パターンを、以下、変動演出パターンテーブル、変動演出パターンと呼ぶこともある。
ノーマルハズレ演出は、特図変動パターンTHp_d11に対応づけられ、最も頻出する通常のハズレ演出である。リーチ演出とは、例えば3つの装飾図柄(第1装飾図柄〜第3装飾図柄)を変動させる場合、有効ライン上に第1装飾図柄及び第2装飾図柄を同一のもので揃えた後に第3装飾図柄のみを変動させ、変動時間をノーマルハズレ演出のそれよりも長くして、大当たりへの期待を高めるようにした演出である。リーチ演出には、ノーマルリーチ演出、低信頼度リーチ演出、中信頼度リーチ演出、高信頼度リーチ演出及びプレミアリーチ演出がある。プレミアリーチ演出は、大当たり確定を示す演出である。低信頼度リーチ演出、中信頼度リーチ演出、高信頼度リーチ演出、プレミアリーチ演出の順に、大当たりに対する信頼度が高い演出になっている。
コマンド受信処理において、CPU431は、主制御部401から受信したコマンド(例えば変動開始コマンド)に基づき、演出統括部403a内の特図判定結果記憶領域433bの記憶内容が主制御部401の特図判定結果記憶領域413eの記憶内容と同じとなるように、記憶領域433bの記憶内容を更新できる。変動演出パターン選択処理では、更新された記憶領域433b内の特図変動パターンの情報に基づき、特図変動演出パターンテーブルTEtを用いて、当該特図変動パターンに対応する変動演出パターンを選択し、選択結果を記憶領域433bに含めることができる。そして、CPU431は、選択した変動演出パターンに対応する変動演出が実現されるよう、選択した変動演出パターンを示す情報を含んだ変動演出開始コマンドを変動演出の開始指示として送信コマンド記憶領域433dに設定する(即ち記憶させる)。
また、コマンド受信処理において、CPU431は、主制御部401から受信したコマンド(例えば事前判定コマンド)に基づき、主制御部401の事前判定情報記憶領域413hと、演出統括部403aの事前判定情報記憶領域433cとの記憶内容を同期させる。この同期により、記憶領域433cの記憶内容を記憶領域413hのそれと同じにすることができる。但し、記憶領域433cには、記憶領域413h内の各特図変動パターンに対応する各特図変動演出パターンを記憶させることができる(図11、図13及び図14参照)。
―――事前判定情報記憶領域;図14―――
図14に、事前判定情報記憶領域433cの例を示す。記憶領域433cは第1〜第8の格納領域を有する。記憶領域433cにおける第iの格納領域には、特図判定用情報記憶領域413dに記憶され且つ第i番目の優先順位を有した特図判定用情報に対する事前判定処理の判定結果(特図当たり判定及び特図図柄判定の判定結果)及び変動演出パターンの選択結果が記憶される。或る特図判定用情報に対する変動演出パターンの選択結果とは、その特図判定用情報に対する特図変動パターンと変動演出パターンテーブルTEtとに基づき、変動演出パターン選択処理によって選択された変動演出パターンを表す(図11、図13及び図14参照)。
図14の例による記憶領域433cでは、第1の格納領域にノーマルリーチ演出用の変動演出パターンTEp_d12が記憶され、第2の格納領域にノーマルハズレ演出用の変動演出パターンTEp_d11が記憶され、第3の格納領域に高信頼度リーチ演出用の変動演出パターンTEp_d15が記憶されている。更に、第3の格納領域には、特図当たり判定及び特図図柄判定の判定結果として、特Aの大当たりを示す情報が記憶されている。尚、演出制御部403は、記憶領域433cの記憶内容等に基づき、複数の変動演出にわたる一連の連続演出を行うことも可能である。
普図演出処理(図16参照)は、主制御部401から普通図柄に関するコマンドが受信された場合に、CPU431にて実行される。普図演出処理では、普図変動演出パターンテーブルFEt(図12参照)を用いて、普通図柄の変動時における普図演出が実行される。
また、ROM432における当たり演出パターンテーブルAEtには、複数の当たり演出パターンが格納されている。各当たり演出パターンには、大当たり遊技中又は小当たり遊技中に行う当たり演出の演出内容が定義されている。演出制御部403は、主制御部401からのオープニングコマンドの受信に応答して当たり演出処理(図16参照)を実行することで当たり演出を開始し、主制御部401からのエンディングコマンドの受信に応答して当たり演出を終了させる。当たり演出処理において、演出制御部403は、当たりの種類に応じた当たり演出パターンをテーブルAEtから選択し、選択した当たり演出パターンによる当たり演出を実行する。
CPU431は、ROM432内の操作受付処理プログラムにより、操作受付処理を実行する(図16参照)。操作受付処理において、CPU431は、演出ボタン118及び十字キー119からの制御信号を受け付けて、遊技者操作があったことを示す操作コマンドを送信コマンド記憶領域433dに設定する(即ち記憶させる)。
CPU431は、ROM432内のコマンド送信処理プログラムにより、コマンド送信処理を実行する(図16参照)。コマンド送信処理において、CPU431は、送信コマンド記憶領域433dに記憶されている各種コマンドを、演出統括部403aから画像/音声制御部403b又はランプ制御部403cに送信する。画像/音声制御部403b及びランプ制御部403cは、演出統括部403aからのコマンドに従う演出を上記演出実現要素を用いて実現する。
[3−2.画像/音声制御部]
図12を参照し、画像/音声制御部403bは、CPU441と、ROM442と、RAM443と、図示されない入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU441は、演出統括部403aの指示に応じた各種プログラムをROM442から読み出し、RAM443をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行することにより、演出統括部403aから実行指示された演出を実現する。
ROM442には、演出用データが記憶される。演出用データは、背景画像、装飾図柄画像、キャラクタ画像、保留画像、予告演出画像などの画像データや、効果音、BGMなどの音声データ等を含む。
CPU441は画像表示部104の表示内容を制御できる。例えば、CPU441は、演出統括部403aにより実行指示された演出に対応する画像データをROM442から読み込んで、読み込んだ画像データによる画像を画像表示部104に表示させる。この際、CPU441は、画像表示部104の表示画面上に複数の画像を重畳表示させることができる。画像表示部104の表示画面上において、同一位置に複数の画像が重なる場合などには、それらの画像を階層構造で重ねたレイヤが設定される。例えば、下層のレイヤに背景画像を設定し、その上の階層に装飾図柄を設定し、さらにその上の階層に予告画像を設定する。これにより、装飾図柄が背景画像よりも手前に見えるように且つ予告画像が装飾図柄より更に手前に見えるように表示できる。
また、CPU441は、演出統括部403aにより実行指示された演出に対応する音声データをROM442から読み込んで、読み込んだ音声データによる音をスピーカ114から出力させる。
また、ボタン演出が実行されるとき、CPU441は、ボタン演出について所定の有効期間を設定し、有効期間内に演出ボタン118への操作の入力が検出された場合には、ボタン演出にて定義された画像データをROM442から読み込んで、読み込んだ画像データによる画像を画像表示部104に表示させる、及び/又は、ボタン演出にて定義された音声データをROM442から読み込んで、読み込んだ音声データによる音をスピーカ114から出力させる。
[3−3.ランプ制御部]
ランプ制御部403cは、CPU451と、ROM452と、RAM453と、不図示の入出力インターフェース(I/O)などを備えて構成される。CPU451は、演出統括部403aの指示に応じた各種プログラムをROM452から読み出し、RAM453をワークエリアとして使用して、読み出したプログラムを実行する。
ランプ制御部403cは、演出統括部403aから受信したコマンドに基づき、演出ライト部115及び盤ランプ135の点灯制御並びに可動役物130の駆動制御を行うことができる。可動役物130にランプが含まれる場合、可動役物130の駆動制御には、可動役物130内のランプの点灯制御も含まれる。また、ランプ制御部403cには可動役物130の位置検出を行うための役物センサ(不図示)が接続され、ランプ制御部403cは、役物センサの検出信号に基づき可動役物130の駆動制御を行うことができる。
<<信頼度について>>
ここで、用語“信頼度”について説明を補足する。或る1つの特図判定用情報Q1に対して或る演出Q2が行われる場合において、特図判定用情報Q1が大当たりに当選する確率、即ち、特図判定用情報Q1に基づく特図当たり判定において大当たりと判定される期待値(確率論上の期待値)を、大当たりの信頼度、特図判定用情報Q1の信頼度、若しくは、演出Q2の信頼度と呼ぶ、又は、特図判定用情報Q1又は演出Q2に関連する用語(例えば、保留された特図判定用情報Q1についての保留画像)に対応付けつつ単に信頼度と呼ぶ。例えば、情報Q1が保留されている場合、情報Q1の信頼度を保留の信頼度などと呼ぶこともある。情報Q1が保留されているとは、情報Q1が特図判定用情報記憶領域413dに記憶されていて、情報Q1に基づく特別図柄の変動が未だ開始されていない状態を指す。演出Q2は、特図判定用情報Q1に対応する特別図柄の変動中に行われる当該予告(当該予告演出)でありうるし、特図判定用情報Q1に対応する特別図柄の変動開始前に行われる先読み予告(先読み予告演出)でありうる。
1つの特図判定用情報Q1に関して、特図当たり判定の結果が“ハズレ”であって且つ特図判定用情報Q1に対して演出Q2が実行される確率を“r”で表し、特図当たり判定の結果が“大当たり”であって且つ特図判定用情報Q1に対して演出Q2が実行される確率を“v”で表す。そうすると、特図判定用情報Q1に対して演出Q2が行われるときの大当たりの信頼度は、(100×v/(r+v))%である。
例えば、図8の特図変動パターンテーブルTHt_dが用いられる遊技状態において、1つの特図判定用情報Q1が“ハズレ”であって且つ特図判定用情報Q1に特図変動パターンTHp_d13が割り当てられる確率rは “(398/399)×(5/500)”であり、1つの特図判定用情報Q1が“大当たり”であって且つ特図判定用情報Q1に特図変動パターンTHp_d13が割り当てられる確率vは “(1/399)×(50/500)”であるので、特図判定用情報Q1に対して特図変動パターンTHp_d13が割り当てられたときの大当たりの信頼度(特図判定用情報Q1の信頼度、特図変動パターンTHp_d13による演出の信頼度)は、約2.5%となる。同様に例えば、特図判定用情報Q1に対して特図変動パターンTHp_d15が割り当てられたときの大当たりの信頼度(特図判定用情報Q1の信頼度、特図変動パターンTHp_d15による演出の信頼度)は、約42.2%となる。
<<演出モードと特図変動パターンテーブルの関係について>>
また、CPU431は、主制御部401から受信したコマンド等に基づきつつ、演出モードテーブルMtに定義される複数の演出モードの中から1つの演出モードを選択及び設定する。ここで選択される演出モードを、以下、対象演出モードと呼ぶことがある。演出制御部403は対象演出モードにて演出を行う。上記複数の演出モードには、第1〜第5の演出モードとしてのチャンスモード、分岐演出モード、確変モード、基準モード及び潜伏モードが含まれる。演出制御部403は、チャンスモード、分岐演出モード、確変モード、基準モード及び潜伏モード間において、互いに異なる演出を実行する。各演出モードの意義は後述の説明から明らかとなる。
図17に、演出モードテーブルMtの例を示す。図17に示すように、演出モードテーブルMtにおける各演出モードに対しモードフラグが対応付けられている。演出モードとしてチャンスモード、分岐演出モード、確変モード、基準モード、潜伏モードが選択及び使用される状態は、夫々、モードフラグに“1”、“2”、“3”、“4”、“5”が設定される状態に相当する。モードフラグはRAM433に記憶され、CPU431によって、その値が可変設定される。
図18は、演出モードと特図変動パターンテーブル等との関係を示す。以下、説明の明確化のため、特図変動パターン判定において選択され使用される特図変動パターンテーブルを、対象特図変動パターンテーブルと呼ぶことがある。
図19は、大当たり遊技終了後において、第1特別図柄の判定対象TTに対して選択及び使用される特図変動パターンテーブル(即ち対象特図変動パターンテーブル)を表す図である。
図20は、大当たり遊技終了後において、第2特別図柄の判定対象TTに対して選択及び使用される特図変動パターンテーブル(即ち対象特図変動パターンテーブル)を表す図である。
図18に示すように(図7も参照)、主制御部401により、チャンスモード用特図変動パターンテーブルTHt_a、分岐演出モード用特図変動パターンテーブルTHt_b、確変モード用特図変動パターンテーブルTHt_c、基準モード用特図変動パターンテーブルTHt_d、潜伏モード用特図変動パターンテーブルTHt_eが対象特図変動パターンテーブルとして選択及び使用されるとき、演出制御部403により、夫々、チャンスモード、分岐演出モード、確変モード、基準モード、潜伏モードが対象演出モードとして選択及び設定される。
初期状態においては、基準モード用特図変動パターンテーブルTHt_dが対象特図変動パターンテーブルに設定されると共に基準モードが対象演出モードに設定される。
特Aの大当たりに対しては、テーブルTHt_a、THt_b及びTHt_cが関連付けられている。特Aの大当たりによる大当たり遊技の終了後、1〜9回目の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_aが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、且つ、10回目の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_bが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、且つ、11回目以降の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_cが対象特図変動パターンテーブルとして設定される。
但し、特Aの大当たりによる大当たり遊技の終了後、次回の大当たりに当選した場合には、次回の大当たりの種類に応じて、次回の大当たり遊技後の対象特図変動パターンテーブルが設定される。特A以外の大当たりによる大当たり遊技後の対象特図変動パターンテーブルについても同様である。また、大当たりの種類が同じであれば、大当たり遊技終了後において用いられる対象特図変動パターンテーブルは、第1特別図柄についての大当たりと第2特別図柄についての大当たりとの間で共通である。つまり例えば、特Aの大当たりが第1特別図柄についての大当たりであるか第2特別図柄についての大当たりであるかに依存せず、特Aの大当たりによる大当たり遊技の終了後、1〜9回目の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_aが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、且つ、10回目の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_bが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、且つ、11回目以降の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_cが対象特図変動パターンテーブルとして設定される。これは、特A以外の大当たりについても同様である。
特Bの大当たりに対しては、テーブルTHt_a、THt_b及びTHt_cが関連付けられている。特Bの大当たりによる大当たり遊技の終了後、1〜9及び11〜19回目の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_aが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、且つ、10及び20回目の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_bが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、且つ、21回目以降の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_cが対象特図変動パターンテーブルとして設定される。
特Cの大当たりに対しては、テーブルTHt_a、THt_b及びTHt_cが関連付けられている。特Cの大当たりによる大当たり遊技の終了後、1〜9、11〜19及び21〜29回目の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_aが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、且つ、10、20及び30回目の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_bが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、且つ、31回目以降の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_cが対象特図変動パターンテーブルとして設定される。
特D、特E及び特Gの大当たりに対しては、テーブルTHt_cが関連付けられている。特D、特E又は特Gの大当たりによる大当たり遊技の終了後、1回目の特別図柄の変動からテーブルTHt_cが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、2回目以降の特別図柄の変動に対してもテーブルTHt_cが対象特図変動パターンテーブルとして設定される。
通Aの大当たりに対しては、テーブルTHt_a、THt_b及びTHt_dが関連付けられている。通Aの大当たりによる大当たり遊技の終了後、1〜9回目の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_aが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、且つ、10回目の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_bが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、且つ、11回目以降の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_dが対象特図変動パターンテーブルとして設定される。
通Bの大当たりに対しては、テーブルTHt_a、THt_b及びTHt_dが関連付けられている。通Bの大当たりによる大当たり遊技の終了後、1〜9及び11〜19回目の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_aが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、且つ、10及び20回目の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_bが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、且つ、21回目以降の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_dが対象特図変動パターンテーブルとして設定される。
通Cの大当たりに対しては、テーブルTHt_a、THt_b及びTHt_dが関連付けられている。通Cの大当たりによる大当たり遊技の終了後、1〜9、11〜19及び21〜29回目の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_aが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、且つ、10、20及び30回目の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_bが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、且つ、31回目以降の特別図柄の変動に対してはテーブルTHt_dが対象特図変動パターンテーブルとして設定される。
特Fの大当たりに対しては、テーブルTHt_eが関連付けられている。特Fの大当たりによる大当たり遊技の終了後、1回目の特別図柄の変動からテーブルTHt_eが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、2回目以降の特別図柄の変動に対してもテーブルTHt_eが対象特図変動パターンテーブルとして設定される。特Fの大当たりによる大当たり遊技の終了後、次回の大当たりに当選するまで、主制御部401は、対象特図変動パターンテーブルをテーブルTHt_eに維持すると良い。但し、特Fの大当たりによる大当たり遊技の終了後、次回の大当たりに当選することなく、所定回数(例えば40回)分だけ特別図柄が変動したとき、主制御部401は、対象特図変動パターンテーブルをテーブルTHt_eからテーブルTHt_dに変更するようにしても良い。
小当たりに対しても、特Fと同様、テーブルTHt_eが関連付けられている。小当たりによる小当たり遊技の終了後、1回目の特別図柄の変動からテーブルTHt_eが対象特図変動パターンテーブルとして設定され、2回目以降の特別図柄の変動に対してもテーブルTHt_eが対象特図変動パターンテーブルとして設定される。小当たり遊技の終了後、次回の大当たりに当選することなく、所定回数(例えば40回)分だけ特別図柄が変動したとき、主制御部401は、対象特図変動パターンテーブルをテーブルTHt_eからテーブルTHt_dに変更すると良い。
図21(a)〜(e)に、夫々、チャンスモード、分岐演出モード、確変モード、基準モード、潜伏モードにおける画像表示部104の表示例を示す。各演出モードにおいて、演出制御部403は、画像表示部104に背景画像を表示し、背景画像上に装飾図柄等を重畳表示することができる。チャンスモード、分岐演出モード、確変モード、基準モード及び潜伏モード間で背景画像は互いに異なり、装飾図柄等の表示態様もチャンスモード、分岐演出モード、確変モード、基準モード及び潜伏モード間で互いに異なりうる。
テーブルTHt_aに対応するチャンスモード(図18参照)は、低確率電サポ遊技状態及び高確率電サポ遊技状態に共通して使用され且つ現在の遊技状態が電サポ遊技状態であることを遊技者に示唆する演出モードである。従って、チャンスモードによる演出を見た遊技者は、現在の遊技状態が高確率遊技状態及び低確率遊技状態のどちらであるのかを判別不能である又は容易には判別できない。尚、チャンスモード、確変モード及び分岐演出モードによる演出は、遊技者に右打ちを促す演出(例えば、“右打ちして下さい”等の文字の表示)を含む。
テーブルTHt_cに対応する確変モード(図18参照)は、高確率電サポ遊技状態において使用され且つ現在の遊技状態が高確率電サポ遊技状態であることを遊技者に示唆する演出モード(大当たりの当選確率が高確率に制御されていることを遊技者に示唆する特定の演出モード)である。従って、確変モードによる演出を見た遊技者は、現在の遊技状態が高確率電サポ遊技状態であることを比較的容易に理解できる。
テーブルTHt_bに対応する分岐演出モード(図18参照)は、チャンスモードと同様、低確率電サポ遊技状態及び高確率電サポ遊技状態に共通して使用され且つ現在の遊技状態が電サポ遊技状態であることを遊技者に示唆する演出モードである。但し、分岐演出モードの演出は、大当たり遊技の終了後から維持されていたチャンスモード及び電サポ遊技状態での遊技の継続是非、並びに、確変モードへの移行是非の内、少なくとも一方を示唆する分岐演出を含む。分岐演出の具体例については後述する。
テーブルTHt_dに対応する基準モード(図18参照)は、低確率非電サポ遊技状態において使用され且つ現在の遊技状態が低確率非電サポ遊技状態であることを遊技者に示唆する演出モードである。従って、基準モードによる演出を見た遊技者は、現在の遊技状態が低確率非電サポ遊技状態であることを比較的容易に理解できる。
テーブルTHt_eに対応する潜伏モード(図18参照)は、低確率非電サポ遊技状態及び高確率非電サポ遊技状態に共通して使用され且つ現在の遊技状態が高確率遊技状態であるかもしれないことを遊技者に示唆する演出モードである。従って、潜伏モードによる演出を見た遊技者は、現在の遊技状態が高確率遊技状態であることへの期待感を持って遊技を行うことができる。
このように、主制御部401は、大当たり遊技後に低確率遊技状態で遊技を制御している場合には、所定回数目(10、20又は30回目)の特別図柄の変動表示が終了するまで電サポ遊技状態で遊技を制御可能であり、大当たり遊技後に高確率遊技状態で遊技を制御している場合には、所定回数目(10、20又は30回目)の特別図柄の変動表示が終了しても電サポ遊技状態で遊技を継続して制御可能である。
また、主制御部401は、大当たり遊技後に低確率遊技状態で遊技を制御する場合、所定の第1回数目の特別図柄の変動表示が終了するまで電サポ遊技状態で遊技を制御するときと、第1回数目よりも多い所定の第2回数目の特別図柄の変動表示が終了するまで電サポ遊技状態で遊技を制御するときとがある。例えば、主制御部401は、大当たりが通Aである場合には、大当たり遊技後、10回転分(第1回数目に相当)の特別図柄の変動表示が終了するまで電サポ遊技状態で遊技を制御し、大当たりが通B又は通Cである場合には、大当たり遊技後、20又は30回転分(第3回数目に相当)の特別図柄の変動表示が終了するまで電サポ遊技状態で遊技を制御する。
演出制御部403は、大当たり遊技後の特別図柄の変動表示の回数が所定回数目(10、20又は30回目)を超えてから確変モードで演出を行うときと、大当たり遊技後の特別図柄の変動表示の回数が所定回数目(10、20又は30回目)を超える前に確変モードで演出を行うときとがある。例えば、演出制御部403は、大当たりが特Cである場合には大当たり遊技後の特別図柄の変動表示の回数が30回目を超えてから確変モードで演出を行い、大当たりが特A、特B又は特Dである場合には大当たり遊技後の特別図柄の変動表示の回数が30回目を超える前に確変モードで演出を行う。
図18に示されるノーマルハズレの変動時間及びリーチ確率については、後に説明するものとし、先に分岐演出モードにおける演出内容を説明する。
<<分岐演出>>
特A、特B、特C、通A、通B又は通Cの大当たりに当選した場合において、その大当たりによる大当たり遊技後の特別図柄の変動回数が所定の基準数であるとき、演出制御部403は、分岐演出モードにより分岐演出を行う。大当たり遊技後の特別図柄の変動回数とは、換言すれば、大当たり遊技の終了時点から起算した特別図柄の変動回数を指す。例えば基準数が10である場合、“大当たり遊技後の特別図柄の変動回数が所定の基準数であるときに分岐演出を行う”とは、“大当たり遊技後、特別図柄の10回目の変動時において分岐演出を行う”ことを意味する。
図22(a)は、分岐演出の実行期間を示す図である。分岐演出の実行期間は、基準数における特別図柄の変動期間(より詳細には、大当たり遊技後の特別図柄の変動回数が基準数と一致するときにおける特別図柄の変動表示の期間)の全部又は一部を含む。図22では、例として、分岐演出の実行期間が基準数における特別図柄の変動期間の全部と一致している。基準数は、第1基準数としての“10”、第2基準数としての“20”、又は、第3基準数としての“30”である。第1、第2、第3基準数は、夫々、通A、通B、通Cの電サポ付与回数の値と一致する。
図22(b)に示す如く、分岐演出には三択分岐演出と二択分岐演出とがある。特A、特B、特C、通A、通B又は通Cの大当たりに当選した場合において、大当たり遊技後の特別図柄の変動回数が第1又は第2基準数であるとき、演出制御部403は、三択分岐演出を実行することができる。特C又は通Cの大当たりに当選した場合、演出制御部403は、2回分の三択分岐演出を経て、大当たり遊技後の特別図柄の変動回数が第3基準数(30)であるときに二択分岐演出を実行することができる。
分岐演出は、モード移行煽り演出とモード通知演出とを含み(図22(a)参照)、モード移行煽り演出の後にモード通知演出が実行される。分岐演出(特にモード通知演出)を、基準数における特別図柄の変動の次の変動開始時点まで行うようにしても良い。
三択分岐演出、二択分岐演出におけるモード移行煽り演出を、特に、夫々、三択モード移行煽り演出、二択モード移行煽り演出とも呼ぶ。
図23を参照し、三択モード移行煽り演出を説明する。図23は、三択モード移行煽り演出における画像表示部104の表示内容例を表している。図23の三択モード移行煽り演出では、文字「RUSH突入」が示された確変モード移行示唆領域1111と文字「チャンスタイム継続」が示されたチャンスモード継続示唆領域1112と文字「残念」が示された基準モード移行示唆領域1113から成るルーレット画像1110と、「ボタンプッシュでRUSHに止めろ!!」という文字を示す文字画像1121と、演出ボタン118を模したボタン画像1122と、演出ボタン118の操作有効期間を示す有効期間画像1123とが画像表示部104に表示されている。1124は変動表示される装飾図柄を表している。尚、遊技機100において、遊技上の用語“RUSH”は確変モードに対応しており、遊技上の用語“チャンスタイム”はチャンスモードに対応している。
演出制御部403は、三択モード移行煽り演出の実行期間の全部又は一部を操作有効期間に設定し、操作有効期間内に演出ボタン118を押すことを遊技者に促すべく文字画像1121、ボタン画像1122及び有効期間画像1123を画像表示部104に表示させ、一方でルーレット画像1110によるルーレット演出を三択モード移行煽り演出の構成要素として行う。
図24に示す如く、ルーレット演出では、例えば、画像表示部104上で領域1111〜1113の内の1つの領域の明度を残りの2つの領域の明度よりも高くし、明度が高くされる領域を領域1111〜1113間で順番に切り替える。
演出制御部403は、領域1111〜1113の何れか1つをルーレット停止領域に設定する。そして、操作有効期間内に演出ボタン118が押下されたことを検出すると、ルーレット停止領域の固定強調表示を行う。操作有効期間内に演出ボタン118が押下されなかった場合、演出制御部403は、操作有効期間の満了後に、ルーレット停止領域の固定強調表示を行う。ルーレット停止領域の固定強調表示とは、例えば、領域1111〜1113の内、ルーレット停止領域の明度を残りの2つの領域よりも高く設定し、その設定状態を所定時間以上維持することを指す。
図25(a)〜(c)を参照し、ルーレット停止領域の固定強調表示が、三択分岐演出におけるモード通知演出に相当する。確変モード移行示唆領域1111をルーレット停止領域に設定したルーレット停止領域の固定強調表示は、特別図柄の次変動において対象演出モードが確変モードに移行することを示唆する第1のモード通知演出である。チャンスモード継続示唆領域1112をルーレット停止領域に設定したルーレット停止領域の固定強調表示は、大当たり遊技後から維持されていたチャンスモードでの遊技(対象演出モードがチャンスモードに設定されている状態)が特別図柄の次変動においても継続することを示唆する(即ち、特別図柄の次変動においても対象演出モードがチャンスモードとされることを示唆する)第2のモード通知演出である。基準モード移行示唆領域1113をルーレット停止領域に設定したルーレット停止領域の固定強調表示は、大当たり遊技後から維持されていたチャンスモードでの遊技(対象演出モードがチャンスモードに設定されている状態)が特別図柄の次変動において継続しないことを示唆すると共に、特別図柄の次変動においては対象演出モードが基準モードに移行することを示唆する第3のモード通知演出である。
このように、三択分岐演出におけるモード通知演出により、三択分岐演出後の対象演出モードが確変モード、チャンスモード及び基準モードの何れになるのかが示唆されることになる。三択モード移行煽り演出としてのルーレット演出は第1又は第3のモード通知演出の何れかが行われる可能性があることを示唆する前兆演出に相当する、と言える。
図26を参照し(図23も参照)、大当たり1150の大当たり遊技1151の終了後の演出の流れを説明する。大当たり1150は、特A、特B、特C、通A、通B又は通Cの大当たりであるとする。大当たり1150による大当たり遊技1151の終了後の特別図柄の変動回数が第1基準数(10)であるときの三択分岐演出において、ルーレット停止領域は、大当たり1150が特Aであったならば確変モード移行示唆領域1111に設定され、大当たり1150が特B、特C、通B又は通Cであったならばチャンスモード継続示唆領域1112に設定され、大当たり1150が通Aであったならば基準モード移行示唆領域1113に設定される。大当たり1150による大当たり遊技1151の終了後の特別図柄の変動回数が第2基準数(20)であるときの三択分岐演出において、ルーレット停止領域は、大当たり1150が特Bであったならば確変モード移行示唆領域1111に設定され、大当たり1150が特C又は通Cであったならばチャンスモード継続示唆領域1112に設定され、大当たり1150が通Bであったならば基準モード移行示唆領域1113に設定される。尚、図26における第3基準数の対応部分の絵の意義は後述の説明から理解される。
演出制御部403は、大当たり1150の種類に応じて、ルーレット画像1110の表示態様を変化させるようにしても良く、例えば領域1111〜1113の大きさの比率を変えるようにしても良い。ルーレット画像1110の表示態様変化にて、確変モード移行、チャンスモード継続又は基準モード移行への期待感又は不安感を煽ることで、遊技の興趣向上が図られる。
図27(a)及び(b)を参照し、より具体的には例えば、演出制御部403は、領域1111〜1113の大きさを互いに等しくする通常ルーレット表示と、領域1111の大きさを領域1112及び1113のそれらよりも大きくする第1拡大ルーレット表示と、領域1112の大きさを領域1111及び1113のそれらよりも大きくする第2拡大ルーレット表示と、領域1113の大きさを領域1111及び1112のそれらよりも大きくする第3拡大ルーレット表示の内、何れかの表示を選択的に行い得る。通常ルーレット表示、第1拡大ルーレット表示、第2拡大ルーレット表示、第3拡大ルーレット表示を行う確率を、夫々、RLTJ0、RLTJ1、RLTJ2、RLTJ3にて表す。確率RLTJ0、RLTJ1、RLTJ2及びRLTJ3の夫々は0より大きく1未満である。
演出制御部403は、ルーレット演出において、通常ルーレット表示及び第1〜第3拡大ルーレット表示の何れを行うのかを、確率RLTJ0〜RLTJ3による抽選で決定すると良い。この際、三択分岐演出後の特別図柄の次変動時の対象演出モードが、確変モードとなる場合には当該ルーレット演出において確率RLTJ1を確率RLTJ0、RLTJ2及びRLTJ3より高めると良く、チャンスモードとなる場合には当該ルーレット演出において確率RLTJ2を確率RLTJ0、RLTJ1及びRLTJ3より高めると良く、基準モードとなる場合には当該ルーレット演出において確率RLTJ3を確率RLTJ0、RLTJ1及びRLTJ2より高めると良い。
尚、大当たり1150による大当たり遊技1151の終了後の特別図柄の変動回数が第1又は第2基準数であるときの特図当たり判定において、大当たりに当選している場合には、三択分岐演出後に大当たりの当選を示す演出を行うと良い。即ち、この場合例えば、三択分岐演出にて図25(c)に示す第3のモード通知演出を行った後、所定の復活演出などの実行を介して、大当たりの当選を示す態様にて特別図柄及び装飾図柄を停止表示させると良い。
図28を参照し、二択分岐演出を説明する。図28の左側に、二択分岐演出を形成する二択モード移行煽り演出における画像表示部104の表示内容例を示す。図28の二択モード移行煽り演出では、両開きの扉を模した扉画像1210と、「ボタン連打で扉を開放せよ!!」という文字を示す文字画像1221と、演出ボタン118を模したボタン画像1222と、演出ボタン118の操作有効期間を示す有効期間画像1223とが画像表示部104に表示されている。1224は変動表示される装飾図柄を表している。
演出制御部403は、二択モード移行煽り演出の実行期間の全部又は一部を操作有効期間に設定し、操作有効期間内に演出ボタン118を押すことを遊技者に促すべく文字画像1221、ボタン画像1222及び有効期間画像1223を画像表示部104に表示させ、一方で扉画像1210による扉開放煽り演出を二択モード移行煽り演出の構成要素として行う。扉開放煽り演出は、操作有効期間内において演出ボタン118が押された回数に応じ、扉画像1210中の扉が徐々に開いていくような演出である。但し、扉画像1210中の扉が完全に開放されるのか否かは、演出ボタン118の押下回数に関係なく、大当たり1150の種類のみにて決まる。
大当たり1150による大当たり遊技1151の終了後の特別図柄の変動回数が第3基準数(30)であるときの二択分岐演出において、大当たり1150が特Cであったならば扉画像1210中の扉が完全に開放される第4のモード通知演出が実行される一方、大当たり1150が通Cであったならば扉画像1210中の扉が完全に開放されずに最終的に閉じる第5のモード通知演出が実行される。
扉画像1210中の扉が完全に開放される第4のモード通知演出は、特別図柄の次変動において対象演出モードが確変モードに移行すること(即ち大当たり1150が特Cであること)を示唆している。扉画像1210中の扉が完全に開放されずに最終的に閉じる第5のモード通知演出は、特別図柄の次変動において対象演出モードが基準モードに移行すること(即ち大当たり1150が通Cであること)を示唆している。
このように、二択分岐演出におけるモード通知演出により、二択分岐演出後の対象演出モードが確変モード及び基準モードのどちらになるのかが示唆されることになる。二択モード移行煽り演出としての扉開放煽り演出は第4又は第5のモード通知演出が行われる可能性があることを示唆する前兆演出に相当する、と言える。
演出制御部403は、大当たり1150の種類に応じて、扉画像1210の表示態様を変化させるようにしても良く、例えば扉画像1210の色又は模様を変えるようにしても良い。扉画像1210の表示態様変化にて、確変モード移行への期待感又は基準モード移行への不安感を煽ることで、遊技の興趣向上が図られる。
図29(a)及び(b)を参照し、より具体的には例えば、演出制御部403は、扉画像1210の扉の色を白にする白扉表示と、扉画像1210の扉の色を赤にする赤扉表示とを選択的に行い得る。白扉表示、赤扉表示を行う確率を、夫々、DOORJ1、DOORJ2にて表す。確率DOORJ1及びDOORJ2の夫々は0より大きく1未満である。
演出制御部403は、扉開放煽り演出において、白扉表示及び白扉表示の何れを行うのかを、確率DOORJ1及びDOORJ2による抽選で決定すると良い。この際、二択択分岐演出後の特別図柄の次変動時の対象演出モードが、確変モードとなる場合には当該扉開放煽り演出において確率DOORJ2を確率DOORJ1より高めると良く、基準モードとなる場合においては当該扉開放煽り演出において確率DOORJ1を確率DOORJ2より高めると良い。大当たり1150の種類に応じ、扉画像1210の表示態様を3種類以上に変化させても良い。
尚、大当たり1150による大当たり遊技1151の終了後の特別図柄の変動回数が第3基準数であるときの特図当たり判定において、大当たりに当選している場合には、二択分岐演出後に大当たりの当選を示す演出を行うと良い。即ち、この場合例えば、二択分岐演出にて扉画像1210の扉を閉じる第5のモード通知演出を行った後、所定の復活演出などの実行を介して、大当たりの当選を示す態様にて特別図柄及び装飾図柄を停止表示させると良い。
特A、特B、特C、通A、通B又は通Cの大当たりに当選した場合、大当たり遊技後の特別図柄の変動回数が1〜10回転の段階では、大当たりの種類が特A、特B、特C、通A、通B及び通Cの何れであったのかを、遊技者は、画像表示部104を見ただけでは判別不能又は判別困難である。また、特B、特C、通B又は通Cの大当たりに当選した場合、大当たり遊技後の特別図柄の変動回数が1〜20回転の段階では、大当たりの種類が特B、特C、通B及び通Cの何れであったのかを、遊技者は、画像表示部104を見ただけでは判別不能又は判別困難である。大当たりの種類が何であったのかが判明する直前の特別図柄の変動において、上述のような三択分岐演出を行うことで、確変モード突入又はチャンスモード継続への期待感及び基準モード移行への不安感を遊技者に強く抱かせることができ、遊技の興趣向上が図られる。
特C又は通Cの大当たりに当選した場合、大当たり遊技後の特別図柄の変動回数が1〜30回転の段階では、大当たりの種類が特C及び通Cのどちらであったのかを、遊技者は、画像表示部104を見ただけでは判別不能又は判別困難である。大当たりの種類が何であったのかが判明する直前の特別図柄の変動において、上述のような二択分岐演出を行うことで、確変モード突入への期待感及び基準モード移行への不安感を遊技者に強く抱かせることができ、遊技の興趣向上が図られる。
また、図19及び図20等にも示したように、大当たりが特A、特B、特Cになる割合は何れも5%で共通であるのに対し、大当たりが通Aになる割合:7%は大当たりが通Bになる割合:6%よりも高く、大当たりが通Bになる割合:6%は大当たりが通Cになる割合:5%よりも高い。結果、4Rの大当たり遊技後、チャンスモードでの遊技が継続すればするほど、遊技状態が高確率遊技状態であることの割合が高まってゆくことになる。4Rの大当たり遊技の終了後、遊技状態が高確率遊技状態である割合は、特別図柄の変動回数が1〜10回の部分において “(5%+5%+5%)/{(5%+5%+5%)+(7%+6%+5%)}≒45%”より約45%で表されるが、特別図柄の変動回数が11〜20回の部分においてチャンスモードが継続している場合には“(5%+5%)/{(5%+5%)+(6%+5%)}≒48%”より約48%で表され、特別図柄の変動回数が21〜30回の部分においてチャンスモードが継続している場合には“5%/(5%+5%)≒50%”より50%で表されるからである。チャンスモードでの遊技が継続すればするほど遊技状態が高確率遊技状態であることの割合が高まってゆく仕組みを導入することで、遊技者による高確率遊技状態への期待感を徐々に高めてゆくことができ、遊技の面白みが増す。上述の割合に関する具体手数値は勿論例示であり、大当たりが特A、特B、特C、通A、通B、通Cになる割合を、例えば、夫々、7%、7%、7%、6%、4%、2%にすることで、この傾向は更に強まる。
三択分岐演出は、三択分岐演出後の対象演出モードが確変モード、チャンスモード及び基準モードの何れになるのかの示唆を含む演出である限り任意である。例えば、三択分岐演出において演出ボタン118を用いたミニゲームを行い、ミニゲームの結果に応じて、三択分岐演出後の対象演出モードが確変モード、チャンスモード及び基準モードの何れになるのかの示唆を行うようにしても良いし、演出ボタン118への操作を受け付けることなく三択分岐演出を行うようにしても良い。
また例えば、第1扉開放煽り演出と第2扉開放煽り演出との組み合わせを用いて三択分岐演出を構成しても良い。
図30を参照し、具体的には例えば、大当たり1150による大当たり遊技1151の終了後の特別図柄の変動回数が第1基準数(10)であるときの三択分岐演出において、演出制御部403は、まず、二択分岐演出について上述した扉開放煽り演出と同様の第1扉開放煽り演出を行い、第1扉開放煽り演出で扉画像1210上の扉が完全に開放されたときにのみ、第2扉開放煽り演出を行う。この際、第1扉開放煽り演出における扉画像1210上の扉は、大当たり1150が特A、特B、特C、通B又は特Cであったならば完全に開放されるが、大当たり1150が通Aであったならば、完全に開放されずに最終的に閉じる。第2扉開放煽り演出における扉画像1210上の扉は、大当たり1150が特Aであったならば完全に開放されるが、大当たり1150が特B、特C、通B又は特Cであったならば、完全に開放されずに最終的に閉じる。第2基準数での三択分岐演出も同様にできる。
二択分岐演出は、二択分岐演出後の対象演出モードが確変モード及び基準モードのどちらになるのかの示唆を含む演出である限り任意である。例えば、二択分岐演出において演出ボタン118を用いたミニゲームを行い、ミニゲームの結果に応じて、二択分岐演出後の対象演出モードが確変モード及び基準モードのどちらになるのかの示唆を行うようにしても良いし、演出ボタン118への操作を受け付けることなく二択分岐演出を行うようにしても良い。
<<各演出モードの変動時間について>>
図18を再度参照する。対象演出モードがチャンスモード、分岐演出モード、確変モード、基準モード、潜伏モードであるときの特定の変動時間を、夫々、記号tHHa、tHHb、tHHc、tHHd、tHHeにて表す。変動時間tHHa、tHHb、tHHc、tHHd、tHHeは、夫々、特図変動パターンテーブルTHt_a、THt_b、THt_c、THt_d、THt_eから定まる。
ここでは、上記特定の変動時間はノーマルハズレの変動時間であるとする。ノーマルハズレの変動時間とは、特図当たり判定の結果が“ハズレ”である(即ち大当たりに当選していない)ときの特別図柄の変動時間であって、且つ、リーチ演出が実行されずにノーマルハズレ演出が実行されるときの特別図柄の変動時間である。各演出モードにおいて、特図当たり判定の結果が“ハズレ”であるとき、特図当たり判定の結果が“ハズレ”であることを示す1以上のハズレ演出の内、1つのハズレ演出が選択的に実行される。各演出モードにおいて、ノーマルハズレ演出は、特図当たり判定の結果が“ハズレ”であるときに最も高い確率で実行されるハズレ演出である。
ここでは、図18に示す如く、変動時間tHHa、tHHb、tHHc、tHHd、tHHeは、夫々、3秒、10秒、2秒、13.5秒、13.5秒であるとする。ここで示す変動時間tHHa、tHHb、tHHc、tHHd、tHHeの具体的な数値は適宜変更可能であるが、以下の条件が満たされていることが好ましい。
チャンスモードに関する変動時間tHHaは、確変モードに関する変動時間tHHcよりも長いことが好ましく、また基準モードに関する変動時間tHHdよりも短いことが好ましい。確変モードでは電サポが付与されているため、スピーディな遊技を実現すべく、大当たり抽選を高速で実行してゆくことが遊技者に好まれることが多い。チャンスモードでも確変モードと同様に電サポが付与されているため、スピーディな遊技の実現が好まれる。故に、“tHHa<tHHd”且つ“tHHc<tHHd”とすると良い。しかしながら、チャンスモードでの特別図柄の変動回数はごく限られているため、特別図柄の変動時間が短すぎると、チャンスモードでの滞在時間が短くなりすぎてチャンスモードでの遊技を遊技者に楽しませることが難しくなる。故に、“tHHc<tHHa”とすることが好ましい。
分岐演出モードに関する変動時間tHHbは、チャンスモードに関する変動時間tHHaよりも長いことが好ましい。分岐演出モードにおいては、“大当たり”以外の特図当たり判定の結果は常に“ノーマルハズレ”である。つまり、分岐演出モードにおいては、判定対象TTが大当たりに当選していない限り、特別図柄の変動時間は時間tHHbとなる。分岐演出モードにおける分岐演出は、次変動以降において演出モードがどのような演出モードとなるかを示唆する、遊技者にとって特に重要な演出である。このような演出は比較的長い時間をとって実行する方が、遊技者の期待感等を効果的に煽ることができる。故に、“tHHa<tHHb”とすると良い。
尚、図18の例では、変動時間tHHdが変動時間tHHbよりも長くなっているが、その逆であっても良いし、それらを一致させても良い。また、図18の例では、変動時間tHHdと変動時間tHHeが互いに一致しているが、それらの内、一方が他方よりも長くても構わない。
図31に、チャンスモード用特図変動パターンテーブルTHt_a(図7参照)の例を示す。チャンスモード用特図変動パターンテーブルTHt_aは、ハズレ用の特図変動パターンテーブルTHt_a1と、大当たり用の特図変動パターンテーブルTHt_a2とを含む。
テーブルTHt_a1及びTHt_a2は、特図変動パターンTHp_a11〜THp_a13に対して所定の判定値を対応づけたテーブルである。特図変動パターンTHp_a11は、ノーマルハズレ演出が行われる特図変動パターンであり、特図変動パターンTHp_a12及びTHp_a13はリーチ演出が行われる特図変動パターンである。特図変動パターンTHp_a11〜THp_a13における特別図柄の変動時間は、夫々、3秒、30秒、40秒である。特図変動パターンTHp_a11の変動時間が変動時間tHHaに相当する。
特図変動パターンの選択にテーブルTHt_aが用いられるチャンスモードにおいて、CPU411は、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合にはテーブルTHt_a1を選択する一方、特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合にはテーブルTHt_a2を選択する。そして、CPU411は、判定対象TTの特図変動パターン乱数が、選択テーブル(ここでは、THt_a1又はTHt_a2)における特図変動パターンTHp_aiに対応付けられた判定値と一致する場合に、判定対象TTに対応する特図変動パターンとして、特図変動パターンTHp_aiを選択及び設定する(ここで、iは11以上13以下の整数)。判定対象TTに対して特図変動パターンTHp_a11が選択及び設定されるとき、演出制御部403は、チャンスモードにおけるノーマルハズレ演出を実行する。
テーブルTHt_a1では、特図変動パターンTHp_a11、THp_a12に対して、夫々、計450個の判定値「0〜449」、計50個の判定値「450〜499」を割り当てており(各判定値は整数)、特図変動パターンTHp_a13には判定値を割り当てていない。故に、チャンスモードにおいて判定対象TTの特図当たり判定が“ハズレ”を示すとき、その判定結果を示す際の特別図柄の変動時間は、特図変動パターンTHp_a11の変動時間tHHaになり易い(変動時間tHHaとなる確率が最も高い)。テーブルTHt_a2では、特図変動パターンTHp_a13に対して計500個の判定値「0〜499」を割り当てており、特図変動パターンTHp_a11及びTHp_a12には判定値を割り当てていない。尚、上述したように、特図変動パターン乱数は0以上499以下の整数値である。
図32に、分岐演出モード用特図変動パターンテーブルTHt_b(図7参照)の例を示す。分岐演出モード用特図変動パターンテーブルTHt_bは、ハズレ用の特図変動パターンテーブルTHt_b1と、大当たり用の特図変動パターンテーブルTHt_b2とを含む。
テーブルTHt_b1及びTHt_b2は、特図変動パターンTHp_b11及びTHp_b12に対して所定の判定値を対応づけたテーブルである。特図変動パターンTHp_b11は、ノーマルハズレ演出が行われる特図変動パターンであり、特図変動パターンTHp_b12はリーチ演出を介することなく所定の復活演出が行われる特図変動パターンである。特図変動パターンTHp_b11、THp_b12における特別図柄の変動時間は、夫々、10秒、30秒である。特図変動パターンTHp_b11の変動時間が変動時間tHHbに相当する。
特図変動パターンの選択にテーブルTHt_bが用いられる分岐演出モードにおいて、CPU411は、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合にはテーブルTHt_b1を選択する一方、特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合にはテーブルTHt_b2を選択する。そして、CPU411は、判定対象TTの特図変動パターン乱数が、選択テーブル(ここでは、THt_b1又はTHt_b2)における特図変動パターンTHp_biに対応付けられた判定値と一致する場合に、判定対象TTに対応する特図変動パターンとして、特図変動パターンTHp_biを選択及び設定する(ここで、iは11以上12以下の整数)。判定対象TTに対して特図変動パターンTHp_b11が選択及び設定されるとき、演出制御部403は、分岐演出モードにおけるノーマルハズレ演出を実行する。分岐演出モードにおけるノーマルハズレ演出は、上述した分岐演出(三択分岐演出又は二択分岐演出)に相当する。
テーブルTHt_b1では、特図変動パターンTHp_b11に対して計500個の判定値「0〜499」を割り当てており(各判定値は整数)、特図変動パターンTHp_b12には判定値を割り当てていない。テーブルTHt_b2では、特図変動パターンTHp_b12に対して計500個の判定値「0〜499」を割り当てており、特図変動パターンTHp_b11には判定値を割り当てていない。
図33に、確変モード用特図変動パターンテーブルTHt_c(図7参照)の例を示す。確変モード用特図変動パターンテーブルTHt_cは、ハズレ用の特図変動パターンテーブルTHt_c1と、大当たり用の特図変動パターンテーブルTHt_c2とを含む。
テーブルTHt_c1及びTHt_c2は、特図変動パターンTHp_c11〜THp_c13に対して所定の判定値を対応づけたテーブルである。特図変動パターンTHp_c11は、ノーマルハズレ演出が行われる特図変動パターンであり、特図変動パターンTHp_c12及びTHp_c13はリーチ演出が行われる特図変動パターンである。特図変動パターンTHp_c11〜THp_c13における特別図柄の変動時間は、夫々、2秒、30秒、40秒である。特図変動パターンTHp_c11の変動時間が変動時間tHHcに相当する。
特図変動パターンの選択にテーブルTHt_cが用いられる確変モードにおいて、CPU411は、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合にはテーブルTHt_c1を選択する一方、特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合にはテーブルTHt_c2を選択する。そして、CPU411は、判定対象TTの特図変動パターン乱数が、選択テーブル(ここでは、THt_c1又はTHt_c2)における特図変動パターンTHp_ciに対応付けられた判定値と一致する場合に、判定対象TTに対応する特図変動パターンとして、特図変動パターンTHp_ciを選択及び設定する(ここで、iは11以上13以下の整数)。判定対象TTに対して特図変動パターンTHp_c11が選択及び設定されるとき、演出制御部403は、確変モードにおけるノーマルハズレ演出を実行する。
テーブルTHt_c1では、特図変動パターンTHp_c11、THp_c12に対して、夫々、計483個の判定値「0〜482」、計17個の判定値「483〜499」を割り当てており(各判定値は整数)、特図変動パターンTHp_c13には判定値を割り当てていない。故に、確変モードにおいて判定対象TTの特図当たり判定が“ハズレ”を示すとき、その判定結果を示す際の特別図柄の変動時間は、特図変動パターンTHp_c11の変動時間tHHcになり易い(変動時間tHHcとなる確率が最も高い)。テーブルTHt_c2では、特図変動パターンTHp_c13に対して計500個の判定値「0〜499」を割り当てており、特図変動パターンTHp_c11及びTHp_c12には判定値を割り当てていない。
図34に、潜伏モード用特図変動パターンテーブルTHt_e(図7参照)の例を示す。潜伏モード用特図変動パターンテーブルTHt_eは、ハズレ用の特図変動パターンテーブルTHt_e1と、大当たり用の特図変動パターンテーブルTHt_e2とを含む。
テーブルTHt_e1及びTHt_e2は、特図変動パターンTHp_e11〜THp_e13に対して所定の判定値を対応づけたテーブルである。特図変動パターンTHp_e11は、ノーマルハズレ演出が行われる特図変動パターンであり、特図変動パターンTHp_e12及びTHp_e13はリーチ演出が行われる特図変動パターンである。特図変動パターンTHp_e11〜THp_e13における特別図柄の変動時間は、夫々、13.5秒、40秒、50秒である。特図変動パターンTHp_e11の変動時間が変動時間tHHeに相当する。
特図変動パターンの選択にテーブルTHt_eが用いられる潜伏モードにおいて、CPU411は、特図当たり判定の判定結果がハズレの場合にはテーブルTHt_e1を選択する一方、特図当たり判定の判定結果が大当たりの場合にはテーブルTHt_e2を選択する。そして、CPU411は、判定対象TTの特図変動パターン乱数が、選択テーブル(ここでは、THt_e1又はTHt_e2)における特図変動パターンTHp_eiに対応付けられた判定値と一致する場合に、判定対象TTに対応する特図変動パターンとして、特図変動パターンTHp_eiを選択及び設定する(ここで、iは11以上13以下の整数)。判定対象TTに対して特図変動パターンTHp_e11が選択及び設定されるとき、演出制御部403は、潜伏モードにおけるノーマルハズレ演出を実行する。
テーブルTHt_e1では、特図変動パターンTHp_e11、THp_e12に対して、夫々、計450個の判定値「0〜449」、計50個の判定値「450〜499」を割り当てており(各判定値は整数)、特図変動パターンTHp_e13には判定値を割り当てていない。故に、潜伏モードにおいて判定対象TTの特図当たり判定が“ハズレ”を示すとき、その判定結果を示す際の特別図柄の変動時間は、特図変動パターンTHp_e11の変動時間tHHeになり易い(変動時間tHHeとなる確率が最も高い)。テーブルTHt_e2では、特図変動パターンTHp_e13に対して計500個の判定値「0〜499」を割り当てており、特図変動パターンTHp_e11及びTHp_e12には判定値を割り当てていない。
基準モードに関しては、図8に示した特図変動パターンTHp_d11の変動時間が変動時間tHHdに相当する。判定対象TTに対して特図変動パターンTHp_d11が選択及び設定されるとき、演出制御部403は、基準モードにおけるノーマルハズレ演出(図13参照)を実行する。基準モードにおいて判定対象TTの特図当たり判定が“ハズレ”を示すとき、その判定結果を示す際の特別図柄の変動時間は、特図変動パターンTHp_d11の変動時間tHHdになり易い(変動時間tHHdとなる確率が最も高い)。
このように判定対象TTの特図当たり判定が“ハズレ”を示すとき、チャンスモード、分岐演出モード、確変モード、基準モード、潜伏モードにおいては、夫々、特別図柄の変動時間が、変動時間tHHa、tHHb、tHHc、tHHd、tHHeに決定され易い。高確率遊技状態においてすら特図当たり判定が大当たりとなる確率は1/40程度であるため、大当たりの発生可能性を考慮に入れたとしても、チャンスモード、分岐演出モード、確変モード、基準モード、潜伏モードにおいては(即ち、テーブルTHt_a、THt_b、THt_c、THt_d、THt_eが対象特図変動パターンテーブルとして使用されるときにおいては)、夫々、特別図柄の変動時間が、変動時間tHHa、tHHb、tHHc、tHHd、tHHeに決定され易い。
“任意の注目した演出モード(チャンスモード、分岐演出モード、確変モード又は基準モード、潜伏モード)において特別図柄の変動時間が特定の変動時間に決定され易い”とは、例えば、“注目した演出モードにおいて、特別図柄の変動時間は複数の候補変動時間(特定の変動時間を1つの候補変動時間として含み、例えばチャンスモードにおいてはTHp_a11〜a13の3秒、30秒、40秒)の何れかに決定されるが、特別図柄の変動時間が、複数の候補変動時間の内、特定の変動時間になる確率が最も高い(例えば50%より高い)”ことを意味する、或いは例えば、“注目した演出モードにおいて特別図柄の変動時間が特定の変動時間に決定される確率が、注目した演出モード以外の演出モードにおいて特別図柄の変動時間が特定の変動時間に決定される確率(0%でありうる)よりも高い”ことを意味していても良い。
<<各演出モードのリーチ確率について>>
図18を再度参照する。対象演出モードがチャンスモード、分岐演出モード、確変モード、基準モード、潜伏モードであるときのリーチ確率を、夫々、記号RKRa、RKRb、RKRc、RKRd、RKReにて表す。リーチ確率とは、特図当たり判定の結果が“ハズレ”である(即ち大当たりに当選していない)ときにリーチ演出が実行される確率を指す。
チャンスモードでは、特図当たり判定の結果が“ハズレ”である場合、判定対象TTの特図変動パターン乱数が「450〜499」内の整数であるときにリーチ演出が実行される(図31参照)。そして、上述したように、特図変動パターン乱数は0以上499以下の整数値である。故に、チャンスモードにおけるリーチ確率RKRaは、“50/500=1/10”より、1/10である。
同様に考えて、確変モードにおけるリーチ確率RKRcは、“17/500”、即ち約1/30である(図33参照)。同様に考えて、潜伏モードにおけるリーチ確率RKReは、“50/500=1/10”より、1/10である(図34参照)。
基準モードについても同様である。基準モードでは、特図当たり判定の結果が“ハズレ”である場合、特図変動パターン乱数が「475〜499」内の整数であるときにリーチ演出が実行される(図8及び図13参照)。故に、基準モードにおけるリーチ確率RKRdは、“25/500=1/20”より、1/20である。
一方、分岐演出モードにおいてはリーチ演出が行われることが無いため、リーチ確率RKRbはゼロである。分岐演出モードでは分岐演出の実行により、遊技者の注目がチャンスモードの継続是非又は確変モードへの移行是非に集中するため、大当たりに繋がらないようなリーチ演出の実行は分岐演出モードの意義を没却してしまう。故に、分岐演出モードにおいてはリーチ演出を行わない。分岐演出モードにおいて仮に大当たりに当選した場合には、分岐演出の後、所定の復活演出を介して大当たりの告知を行う。
各演出モードのリーチ確率の具体的な数値は適宜変更可能であるが、以下の条件が満たされていることが好ましい。
チャンスモードにおけるリーチ確率RKRaを、基準モードにおけるリーチ確率RKRdより高くすると良い。チャンスモードは現在の遊技状態が高確率遊技状態である可能性を秘めた演出モードであるため、遊技者は、高確率遊技状態であることを期待して比較的早期に大当たりが発生するのではないかと期待する。これに呼応するようにリーチ確率RKRaを比較的高く設定しておくことで、遊技者の期待感を煽ることができる。
確変モードにおけるリーチ確率RKRcを、チャンスモードにおけるリーチ確率RKRaより低くすると良い。確変モードは現在の遊技状態が高確率遊技状態であることに対応する演出モードであり、遊技者の注意は、次回の大当たりがいつ発生するのかというよりも、むしろ、次回の大当たりの種類に向けられる。故に、大当たりに繋がらないようなリーチ演出の多発は、遊技者にとって、あまり好まれるものではない。故に、“RKRc<RKRa”とすると良い。同様の観点から、“RKRc<RKRd”且つ“RKRc<RKRe”とすると良い。
潜伏モードにおけるリーチ確率RKReを、基準モードにおけるリーチ確率RKRdより高くすると良い。潜伏モードは現在の遊技状態が高確率遊技状態である可能性を秘めた演出モードであるため、遊技者は、高確率遊技状態であることを期待して比較的早期に大当たりが発生するのではないかと期待する。これに呼応するようにリーチ確率RKReを比較的高く設定しておくことで、遊技者の期待感を煽ることができる。
尚、上述の遊技機100は、特A〜特Gの大当たりに当選した場合、次回の大当たりに当選するまで高確率遊技状態が完全に又は実質的に維持されるループ機に属する。但し、遊技機100を所謂ST機として形成するようにしても良い。
この場合、特A〜特Gの大当たりによる大当たり遊技の終了後、所定のST回数分の特別図柄の変動が行われる間だけ(即ち、所定のST回数分の大当たり抽選が行われるまで)、遊技機100の遊技状態は高確率遊技状態に維持され、所定のST回数分の特別図柄の変動の完了までに次の大当たりに当選しなかった場合には、特別図柄の次変動において遊技機100の遊技状態は高確率遊技状態から低確率遊技状態に変更される。
ST回数は、1以上の整数であれば幾つでも良いが、通Cの電サポ付与回数が30回とされる遊技機100においては、少なくとも30回より大きいことが望ましい。実際には例えば、ST回数は、高確率遊技状態における大当たりの当選確率(図5の例において、10/399)の逆数の2倍以下又は3倍以下の整数とされる。
<<基本実施形態に関する発明の考察>>
基本実施形態に関する発明について考察する。
基本実施形態の一側面に係る遊技機W0Aは、始動条件の成立により遊技者に有利な特別遊技を行うか否かの判定を行う判定手段と、前記判定の結果に基づいて、図柄を変動表示させる変動時間を決定する決定手段と、図柄表示手段にて前記図柄の変動表示を開始してから前記変動時間の経過後に前記判定の結果を示す態様で前記図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、前記判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記特別遊技が実行された後に、前記判定手段により前記特別遊技を行うと判定される確率を所定の低確率又は前記低確率よりも高い所定の高確率に制御する確率制御手段と、前記低確率に制御されているときに所定回数目の前記図柄の変動表示が終了するまで前記始動条件が成立し易い補助遊技状態(例えば電サポ遊技状態)で遊技を制御可能にし、前記高確率に制御されているときに前記所定回数目の前記図柄の変動表示が終了しても前記補助遊技状態で遊技を継続して制御可能にする補助遊技制御手段と、を備え、前記決定手段は、前記低確率に制御され且つ前記補助遊技状態で遊技が制御されているときであって、前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目未満のときにおいて通常よりも短い第1変動時間(例えば3秒)が決定され易い第1決定条件(例えばTHt_a)で前記変動時間を決定し、前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目のときにおいて前記第1変動時間よりも長い第2変動時間(例えば10秒)を決定可能な第1決定手段と、前記高確率に制御され且つ前記補助遊技状態で遊技が制御されているときであって、前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目未満のときにおいて前記第1変動時間(例えば3秒)が決定され易い第2決定条件(例えばTHt_a)で前記変動時間を決定し、前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目のときにおいて前記第2変動時間(例えば10秒)を決定可能とし、前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目を超えているときにおいて前記第1変動時間よりも短い第3変動時間(例えば2秒)が決定され易い第3決定条件(例えばTHt_c)で前記変動時間を決定する第2決定手段と、を有することを特徴とする。
補助遊技状態では、始動条件が成立しやすいので、図柄の変動時間短縮によるスピーディな遊技進行が好まれ易い。遊技機W0Aでは、補助遊技状態において第1又は第2決定条件により通常よりも短い第1変動時間が決定され易くなるので、スピーディな遊技進行が実現可能である。
一方、前記所定回数目を境に遊技状態が変化しうるため、前記所定回数目における図柄の変動に対しては、特に遊技者の強い関心が注がれる。これを考慮し、遊技機W0Aでは、前記所定回数目において第1変動時間よりも第2変動時間を決定可能とする。これにより、遊技者による高確率制御への期待感又は低確率制御への不安感等を効果的に煽ることができ、遊技の興趣向上が図られる。
また、高確率制御且つ補助遊技状態においては、分岐点である所定回数目を超えると第1変動時間よりも更に短い第3変動時間が決定され易くなるため、スピーディな遊技進行がより促進される。逆に考えると、所定回数目未満では第3変動時間よりも長い第1変動時間で図柄が変動しやすくなるため、所定回数目未満までの遊技時間(或る程度スピーディに遊技が進行するものの、高確率と低確率のどちらに制御されているかの期待及び不安が交錯した面白みのある遊技時間)が短くなりすぎることもなく、バランスがとれ、メリハリの利いた遊技の進行が実現される。
また例えば、前記遊技機W0Aは、前記補助遊技状態で遊技が制御されているときに演出を行う演出制御手段を更に備えていて良く、前記演出制御手段は、前記高確率に制御され且つ前記補助遊技状態で遊技が制御されているときであって、前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目を超えているときにおいて前記高確率に制御されていることを示唆する特定の演出モード(例えば確変モード)で演出を行う特定演出モード制御手段と、前記高確率に制御され且つ前記補助遊技状態で遊技が制御されているときであって、前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目のときにおいて前記特定の演出モードで演出が行われることを示唆する示唆演出(例えばモード通知演出;図22(a)等参照)を行う示唆演出制御手段と、を有していても良い。
これにより、遊技者は、示唆演出が実行されるのではないかということの期待感を持って、所定回数目における演出を味わうことができる。遊技者が演出に惹きつけられている状態は、遊技が充分に楽しまれている状態に相当する。
更に例えば、前記遊技機W0Aにおいて、前記演出制御手段は、前記低確率又は前記高確率に制御され且つ前記補助遊技状態で遊技が制御されているときであって、前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目のときにおいて前記示唆演出が行われる可能性を示唆する前兆演出(例えばモード移行煽り演出;図22(a)等参照)を行う前兆演出制御手段を有していて良く、前記示唆演出制御手段は、前記示唆演出を行う前に前記前兆演出を行うことが可能であって良い。
前兆演出により、示唆演出が実行されるのではないかということの期待感を効果的に煽ることができる。
遊技機W0Aについて説明を補足する。遊技機W0Aにおける判定手段、決定手段、図柄表示制御手段、特別遊技実行手段、確率制御手段及び補助遊技制御手段は、遊技機100においては例えば主制御部401により実現される(但し、図柄を装飾図柄と捉えたならば図柄表示制御手段は演出制御部403により実現される)。遊技機W0Aにおける演出制御手段は、遊技機100においては例えば演出制御部403により実現される。遊技機W0Aにおける図柄は、特別図柄であると考えても良いし、特別図柄に対応する装飾図柄であると考えても良いが、以下では、説明の具体化のため、遊技機W0Aにおける図柄が特別図柄であると考えて、遊技機W0Aについての説明を補足する。
特別遊技は特別入賞口の開放を伴う遊技を含む。特別入賞口は大入賞口109であって良く、従って特別遊技は大入賞口109の開放を伴う遊技(例えば大当たり遊技)であって良い。この場合、判定手段における判定は、特図当たり判定を含み、更に特図図柄判定及び特図変動パターン判定を含みうる。
“前記低確率に制御”とは、例えば、特別遊技の実行後において、新たに特別遊技を行うと判定される確率が確率制御手段により低確率に制御されていることを意味する。同様に、“前記高確率に制御”とは、例えば、特別遊技の実行後において、新たな特別遊技を行うと判定される確率が確率制御手段により高確率に制御されていることを意味する。補助遊技状態は例えば電サポ遊技状態に相当する。遊技機は、補助遊技状態との比較において始動条件が成立しにくい非補助遊技状態(例えば非電サポ遊技状態)で遊技を制御することも可能である。前記低確率又は前記高確率に制御されているときにおける“前記図柄の変動表示の回数”は、前記特別遊技の終了時点から起算した“前記図柄の変動表示の回数”を指すと解釈して良い。
制御部401における決定手段は、特別図柄処理の結果に基づいて、特別図柄を変動表示させる変動時間を決定する。
基本実施形態の例にて具現化された第1決定手段は、低確率電サポ遊技状態で遊技が制御されているときであって、大当たり遊技後の特別図柄の変動回数が所定の基準数(例えば10)未満のときにおいて、通常よりも短い第1変動時間(tHHa;3秒)が決定され易い第1決定条件で特別図柄の変動時間を決定し、大当たり遊技後の特別図柄の変動回数が該基準数と一致するときにおいて、第1変動時間(tHHa;3秒)よりも長い第2変動時間(tHHb;10秒)を特別図柄の変動時間として決定可能である。
基本実施形態の例にて具現化された第2決定手段は、高確率電サポ遊技状態で遊技が制御されているときであって、大当たり遊技後の特別図柄の変動回数が所定の基準数(例えば10)未満のときにおいて、第1変動時間(tHHa;3秒)が決定され易い第2決定条件で特別図柄の変動時間を決定し、大当たり遊技後の特別図柄の変動回数が該基準数と一致するときにおいて第2変動時間(tHHb;10秒)を特別図柄の変動時間として決定可能とし、大当たり遊技後の特別図柄の変動回数が該基準数を超えているときにおいて第1変動時間(tHHa;3秒)よりも短い第3変動時間(tHHc;2秒)が決定され易い第3決定条件で特別図柄の変動時間を決定できる。
基本実施形態において、第1変動時間(変動時間tHHa)と対比される“通常”とは、変動時間tHHd(13.5秒)を指すと考えても良い。例えば、基準モードにおいて、特図当たり判定が“ハズレ”であるとき、判定対象TTの特別図柄の変動時間は、図8のハズレ用の特図変動パターンテーブルTHt_d1にて規定される複数の変動時間の何れかに決定されるが、その複数の変動時間の内、最も高い確率で決定される変動時間が、“通常”の変動時間(tHHd)であると考えて良い。
第1又は第2決定条件に関し、“第1変動時間(例えば変動時間tHHa;3秒)が決定され易い”とは、例えば、第1変動時間を1つの候補変動時間として含む複数の候補変動時間の何れかを特別図柄の変動時間として決定することが可能であるが、その複数の候補変動時間の内、第1変動時間が特別図柄の変動時間として決定される確率が最も高い(例えば50%より高い)ことを意味していて良い。或いは、第1又は第2決定条件に関し、“前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目未満のときにおいて第1変動時間が決定され易い”とは、“前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目のとき”及び“前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目を超えるとき”との比較において、“前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目未満のとき”には第1変動時間が決定される確率が相対的に高いことを意味していても良い。
第3決定条件に関し、“第3変動時間(例えば変動時間tHHc;2秒)が決定され易い”とは、例えば、第3変動時間を1つの候補変動時間として含む複数の候補変動時間の何れかを特別図柄の変動時間として決定することが可能であるが、その複数の候補変動時間の内、第3変動時間が特別図柄の変動時間として決定される確率が最も高い(例えば50%より高い)ことを意味していて良い。或いは、第3決定条件に関し、“前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目を超えているときにおいて第3変動時間が決定され易い”とは、“前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目未満のとき”及び“前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目のとき”との比較において、“及び“前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目を超えるとき”には第3変動時間が決定される確率が相対的に高いことを意味していても良い。
基本実施形態において、第1及び第2決定条件は、図31のチャンスモード用特図変動パターンテーブルTHt_aを用いた変動時間の決定条件に相当し、第3決定条件は、図33の確変モード用特図変動パターンテーブルTHt_cを用いた変動時間の決定条件に相当する。故に、基本実施形態では、第1及び第2決定条件が互いに同じ決定条件となっているが、本発明において、第1及び第2決定条件は互いに異なる決定条件であっても構わない。
例えば、チャンスモード用特図変動パターンテーブルTHt_aとして、互いに異なる第1及び第2のチャンスモード用特図変動パターンテーブルを用意しておいても良い。そして、特A、特B又は特Cの大当たり遊技後には、テーブルTHt_aが用いられるべきときにおいて第1のチャンスモード用特図変動パターンテーブルを用いて特図変動パターンの選択を行い、且つ、通A、通B又は通Cの大当たり遊技後には、テーブルTHt_aが用いられるべきときにおいて第2のチャンスモード用特図変動パターンテーブルを用いて特図変動パターンの選択を行うようにしてもよい。これにより、第1及び第2決定条件が互いに相違することになる。
より具体的には例えば、第1のチャンスモード用特図変動パターンテーブルを図31のテーブルTHt_aそのものとする一方、図31のテーブルTHt_a中のハズレ用のテーブルTHt_a1において特図変動パターンTHp_a11及びTHp_a12に割り当てられる判定値を夫々「0〜450」及び「451〜499」に変更して得られる特図変動パターンテーブルを、第2のチャンスモード用特図変動パターンテーブルとする。そうすれば、第1及び第2決定条件は互いに若干だけ異なる決定条件となる。
基本実施形態の他の側面に係る遊技機W0Bは、始動条件の成立により遊技者に有利な特別遊技を行うか否かの判定を行う判定手段と、図柄表示手段にて図柄の変動表示を開始してから前記判定の結果を示す態様で前記図柄を停止表示させる図柄表示制御手段と、前記判定手段により前記特別遊技を行うと判定された場合、当該特別遊技を実行する特別遊技実行手段と、前記特別遊技が実行された後に、前記判定手段により前記特別遊技を行うと判定される確率を所定の低確率又は前記低確率よりも高い所定の高確率に制御する確率制御手段と、前記低確率に制御されているときに所定回数目の前記図柄の変動表示が終了するまで前記始動条件が成立し易い補助遊技状態(例えば電サポ遊技状態)で遊技を制御可能にし、前記高確率に制御されているときに前記所定回数目の前記図柄の変動表示が終了しても前記補助遊技状態で遊技を継続して制御可能にする補助遊技制御手段と、前記補助遊技状態で遊技が制御されているときに演出を行う演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記高確率に制御され且つ前記補助遊技状態で遊技が制御されているときに、前記高確率に制御されていることを示唆する特定の演出モード(例えば確変モード)で演出を行う特定演出モード制御手段を有し、前記特定演出モード制御手段は、前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目を超えてから前記特定の演出モードで演出を行うときと、前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目を超える前に前記特定の演出モードで演出を行うときとがあることを特徴とする。
特別遊技の実行後、特別遊技を行うと判定される確率が低確率に制御されているときも高確率に制御されているときも、所定回数の図柄の変動表示が終了するまでの期間では、共通して補助遊技状態にすることができる。この場合、その期間では、始動条件の成立しやすさにおいて共通の遊技状態とされるため、低確率に制御されているのか高確率に制御されているのかを遊技者に秘匿することが可能となる。
遊技機W0Bでは、高確率制御を示唆する特定の演出モードでの演出を、図柄の変動表示の回数が所定回数目を超えてから実行する機能を有しているため、その機能を用いれば、所定回数の図柄の変動表示が終了するまでの期間において、遊技者は、高確率制御への期待感又は低確率制御への不安感を持ちながら(ワクワクドキドキしながら)、遊技を楽しむことができるようになる。
また、“前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目を超えてから前記特定の演出モードで演出を行う”ケースと、“前記図柄の変動表示の回数が前記所定回数目を超える前に前記特定の演出モードで演出を行う”ケースがあるため、後者のケースに該当しなかった場合に、遊技者は前者のケースに該当することを強く期待することになり、所定回数の図柄の変動表示が終了するまでの期間における期待感等がより一層増大し、遊技の興趣向上が図られる。
また例えば、前記遊技機W0Bにおいて、前記補助遊技制御手段は、前記低確率に制御されているときに、第1回数目(例えば10回目)の前記図柄の変動表示が終了するまで前記補助遊技状態で遊技を制御するときと、前記第1回数目よりも多い第2回数目(例えば20回目)の前記図柄の変動表示が終了するまで前記補助遊技状態で遊技を制御するときとがあり、前記演出制御手段は、前記低確率又は前記高確率に制御され且つ前記補助遊技状態で遊技が制御されているときであって前記図柄の変動表示の回数が前記第1回数目のときにおいて、前記特定の演出モードで演出が行われる可能性を示唆する前兆演出(例えばモード移行煽り演出;図22(a)等参照)を行う前兆演出制御手段を有していて良い。
この前兆演出により、第1回数目の図柄の変動表示を終えた後に、特定の演出モードでの演出が行われるのではないかという期待感を効果的に煽ることができる。また、第1回数目よりも多い第2回数目の前記図柄の変動表示が終了するまで前記補助遊技状態で遊技が制御されることもあるため、第1回数目における前兆演出が所謂ガセ演出であったとしても高確率制御への期待感が残存し、遊技者は、第2回数目までの前記図柄の変動表示を期待感を持って楽しむことができる。
遊技機W0Bについて説明を補足する。遊技機W0Bにおける判定手段、図柄表示制御手段、特別遊技実行手段、確率制御手段及び補助遊技制御手段は、遊技機100においては例えば主制御部401により実現される(但し、図柄を装飾図柄と捉えたならば図柄表示制御手段は演出制御部403により実現される)。遊技機W0Bにおける演出制御手段は、遊技機100においては例えば演出制御部403により実現される。遊技機W0Bにおける図柄は、特別図柄であると考えても良いし、特別図柄に対応する装飾図柄であると考えても良いが、以下では、説明の具体化のため、遊技機W0Bにおける図柄が特別図柄であると考えて、遊技機W0Bについての説明を補足する。
特別遊技は特別入賞口の開放を伴う遊技を含む。特別入賞口は大入賞口109であって良く、従って特別遊技は大入賞口109の開放を伴う遊技(例えば大当たり遊技)であって良い。この場合、判定手段における判定は、特図当たり判定を含み、更に特図図柄判定及び特図変動パターン判定を含みうる。
“前記低確率に制御”とは、例えば、特別遊技の実行後において、新たに特別遊技を行うと判定される確率が確率制御手段により低確率に制御されていることを意味する。同様に、“前記高確率に制御”とは、例えば、特別遊技の実行後において、新たな特別遊技を行うと判定される確率が確率制御手段により高確率に制御されていることを意味する。補助遊技状態は例えば電サポ遊技状態に相当する。遊技機は、補助遊技状態との比較において始動条件が成立しにくい非補助遊技状態(例えば非電サポ遊技状態)で遊技を制御することも可能である。前記低確率又は前記高確率に制御されているときにおける“前記図柄の変動表示の回数”は、前記特別遊技の終了時点から起算した“前記図柄の変動表示の回数”を指すと解釈して良い。
以下、遊技機100に関する複数の実施形態を説明する。以下に示す各実施形態は、上述の基本実施形態を基礎とする実施形態であり、特に述べない限り且つ矛盾無き限り、上述の記載を以下の各実施形態に適用することができる。以下の各実施形態において上述の説明と矛盾する点については、以下の各実施形態の記載が優先される。以下の各実施形態を上述の基本実施形態と組み合わせて実施することができるほか、以下に示す複数の実施形態の内、任意の2以上の実施形態を組み合わせて実施することもできる。
///第1実施形態///
本実施形態の遊技機100は、コマンド受信処理として図35に示す処理を行う。以下、本実施形態の遊技機100が行うコマンド受信処理の流れを、図35に示すフローチャートに沿って説明する。
―――コマンド受信処理;図35―――
図35を用いて、本実施形態におけるコマンド受信処理を説明する。図35は、本実施形態におけるコマンド受信処理の内容を示すフローチャートである。図35のコマンド受信処理において、CPU431は、まず、主制御部401から事前判定コマンドを受信したか否かを判定する(ステップS20001)。事前判定コマンドは、主制御部401の事前判定処理(図15参照)の判定結果を示すものであり、主制御部401のタイマ割込処理における出力処理(図15参照)において、主制御部401から送信される。
事前判定コマンドを受信していなければ(ステップS20001のNo)、ステップS20006へ移行する。事前判定コマンドを受信していれば(ステップS20001のYes)、事前判定コマンドに基づき事前判定情報記憶領域433c(図14参照)の記憶内容を更新する(ステップS20002)。
CPU431は、ステップS20002において、事前判定コマンドに基づいて事前判定情報記憶領域433cの記憶内容を更新した後に、演出モード制御判定処理を実行(ステップS20003)し、ステップS20004に進む。演出モード制御判定処理では、RAM433に記憶されている演出モードフラグ(演出モードに関する図17のモードフラグに相当)を参照し、現在の演出モード(即ち、対象演出モード)が基準モードである場合に、複数の基準モードのうち、どの基準モードにて演出を行うかを判定する。演出モード制御判定処理の詳細については後述する(図36参照)。
CPU431は、ステップS20004において、演出内容事前判定処理を実行し、ステップS20005に進む。演出内容事前判定処理では、事前判定対象の特別図柄の変動表示中に実行する変動演出の内容を事前に決定するか否かを判定し、事前に演出内容を決定すると判定した場合に、変動演出の内容を決定する処理が実行される。演出内容事前判定処理の詳細については後述する(図47参照)。なお、本実施形態において単に「演出内容」と記載した場合は「変動演出の内容」を示すものとする。
ステップS20005において、CPU431は、事前判定コマンドに基づき、保留情報数(U1又はU2)が「1」だけ増加したことを認識すると共に、事前判定対象に対応する保留画像を画像表示部104に追加表示し、ステップS20006に進み、主制御部401から変動開始コマンドを受信したか否かを判定する。変動開始コマンドを受信していなければ(ステップS20006のNo)、ステップS20008へ直接移行する。変動開始コマンドを受信していれば(ステップS20006のYes)、ステップS20007に進む。なお、CPU431は、ステップS20004において事前に演出内容が決定され、決定された演出内容に特定の権利画像(権利画像の意義は後述記載により明らかとなる)や特定の保留画像を用いた演出(例えば後述する連動演出又は擬似連動演出)が含まれる場合には、当該演出内容に従って、事前判定対象に対応する特定の権利画像又は特定の保留画像を画像表示部104に追加表示する。尚、事前判定コマンドは、保留情報数U1及びU2のどちらが増加したのかを示す情報も含む。
ステップS20007において、CPU431は演出開始処理を実行する。変動開始コマンドに係る特図判定用情報に対して、ステップS20004において事前に演出内容が決定されている場合には、その演出内容情報に従って変動演出を実行し、ステップS20004において事前に演出内容が決定されていない場合には、本ステップにおいて、変動演出の具体的な内容を決定する。CPUはステップS20007にて演出開始処理を行ってからステップS20008に移行する。
ステップS20008において、CPU431は、主制御部401から変動停止コマンドを受信したか否かを判定する。変動停止コマンドを受信していなければ(ステップS20008のNo)、ステップS20010へ直接移行する。変動停止コマンドを受信していれば(ステップS20008のYes)、CPU431は、実行中の変動演出を終了させる演出終了処理を行ってから(ステップS20009)、ステップS20010へ移行する。
ステップS20010において、CPU431は、主制御部401から普通図柄コマンドを受信したか否かを判定する。普通図柄コマンドとして、主制御部401の普通図柄処理において設定される普図変動開始コマンド及び普図変動停止コマンドがある。普通図柄コマンドを受信していなければ(ステップS20010のNo)、ステップS20012へ直接移行する。普通図柄コマンドを受信していれば(ステップS20010のYes)、CPU431は、普図演出処理を行ってから(ステップS20011)、ステップS20012へ移行する。詳細は割愛するが、普図演出処理では、例えば、普図変動開始コマンドの受信に伴って普図変動開始コマンドに依存する普図演出の実行を開始した後、普図変動停止コマンドの受信に伴って普図演出を停止させる。
ステップS20012において、CPU431は、主制御部401からオープニングコマンドを受信したか否かを判定する。オープニングコマンドを受信していなければ(ステップS20012のNo)、ステップS20014へ直接移行する。オープニングコマンドを受信していれば(ステップS20012のYes)、CPU431は、当たり演出を実行するための当たり演出処理を開始し(ステップS20013)、ステップS20014へ移行する。当たり演出として、大当たり遊技中の演出である大当たり演出と、小当たり遊技中の演出である小当たり演出とがある。大当たり演出は、大当たりの種類ごとに定められていて良い。
ステップS20014において、CPU431は、主制御部401からエンディングコマンドを受信したか否かを判定する。エンディングコマンドを受信していなければ(ステップS20014のNo)、そのままコマンド受信処理を終了する。エンディングコマンドを受信している場合(ステップS20014のYes)、CPU431は、実行中の当たり演出処理を停止する一方で、所定のエンディング演出を実行するためのエンディング演出処理を行い(ステップS20015)、コマンド受信処理を終了する。
―――演出モード制御判定処理;図36―――
図36を参照して、図35のステップS20003に示した演出モード制御判定処理を説明する。図36は、演出モード制御判定処理の内容を示すフローチャートである。図36の演出モード制御判定処理において、CPU431は、まず、演出モード制御判定用情報を取得し(ステップS20003−1)、ステップS20003−2に進む。ここで、演出モード制御判定用情報とは、事前判定対象に対応する特図判定用情報に対してCPU411が実行する事前判定処理の結果(以下、「特図判定用情報に対してCPU411が実行する事前判定処理の結果」を「事前判定結果」と称する。)、演出モードフラグを示す情報、基準モードフラグを示す情報、演出内容情報、及び、演出用乱数を含む。
事前判定結果は、上述したように、CPU411により、特図判定用情報に対して実行される事前判定処理の結果である。事前判定は、特図当たり判定、特図図柄判定、及び、特図変動パターン判定(以下、「特図当たり判定、特図図柄判定、及び、特図変動パターン判定」を合わせて「特図判定」と称する。)の権利が消化される前に実行され、特図判定と同様の判定が行われる。事前判定結果は、事前判定コマンドに含まれる情報である。なお、特図判定の権利の消化とは、特図判定が実行されることを示し、特図判定の権利が保留されている場合には、特図判定用情報記憶領域413d内で特図判定の権利の優先順位が最も高く設定された格納領域に記憶された特図判定用情報が、判定対象TTとしてCPU411に取得され、特図判定が実行されることである。
演出モードフラグを示す情報は、各演出モードに対して対応付けられたモードフラグを示す情報であり、上述したようにRAM433に記憶されている。基準モードフラグを示す情報はRAM433に記憶されている。基準モードフラグの詳細は後述するが、演出モードフラグが基準モードを示す場合(演出モードフラグに“4”が設定されている場合)に、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりである期待度が異なって設定された複数の基準モードのうち、いずれの基準モードのフラグが設定されているかを示す情報である。
演出内容情報はRAM433に記憶されている。演出内容情報には、特図判定の権利が消化された特図判定用情報に対して現在実行されている演出内容を示す情報、及び、特図判定の権利が保留されている特図判定用情報に対して演出内容事前判定処理(ステップS20004)が実行された結果、事前に演出内容が決定された場合におけるその演出内容を示す情報が含まれる。
演出用乱数は、CPU431により実行される演出用乱数更新処理により、取得される乱数である。演出用乱数更新処理は、演出タイマ割込処理(図16参照)において、CPU431が演出用乱数更新処理プログラムを実行することにより実行される処理である。演出用乱数更新処理プログラムは、各種演出用乱数取得用のカウンタのカウント値を更新させる。例えば、演出用乱数更新処理プログラムは、1回実行されるごとに、RAM433が備える演出カウンタ記憶領域433e(図12において不図示、図37参照)に記憶された第1演出用乱数カウンタのカウント値、第2演出用乱数カウンタのカウント値、第3演出用乱数カウンタのカウント値、第4演出用乱数カウンタのカウント値、及び、第5演出用乱数カウンタのカウント値に「1」を加算させる。
図37に、演出カウンタ記憶領域433eの記憶内容の例を示す。演出制御部403は、第1演出用乱数カウンタSC1、第2演出用乱数カウンタSC2、第3演出用乱数カウンタSC3、第4演出用乱数カウンタSC4、第5演出用乱数カウンタSC5を有し、演出カウンタ記憶領域433eには、演出制御部403が管理する各種演出用乱数カウンタのカウント値が記憶されている。カウンタSC1〜SC5は、夫々、第1演出用乱数、第2演出用乱数、第3演出用乱数、第4演出用乱数、第5演出用乱数をカウントする。
演出用乱数更新処理プログラムは、第1演出用乱数カウンタSC1のカウント値が所定値(たとえば「299」)に達したときには、たとえば「0」にカウント値を戻させ、再度同様のカウントアップをおこなわせる。また、演出用乱数更新処理プログラムは、第2演出用乱数カウンタSC2のカウント値が所定値(たとえば「299」)に達したときには、たとえば「0」にカウント値を戻させ、再度同様のカウントアップをおこなわせる。また、第3演出用乱数カウンタSC3のカウント値が所定値(たとえば「299」)に達したときには、たとえば「0」にカウント値を戻させ、再度同様のカウントアップをおこなわせる。また、第4演出用乱数カウンタSC4のカウント値が所定値(たとえば「299」)に達したときには、たとえば「0」にカウント値を戻させ、再度同様のカウントアップをおこなわせる。また、第5演出用乱数カウンタSC5のカウント値が所定値(たとえば「299」)に達したときには、たとえば「0」にカウント値を戻させ、再度同様のカウントアップをおこなわせる。
本実施の形態においては上述したように一例として、第1演出用乱数〜第5演出用乱数をたとえば「0〜299」の範囲内でカウントさせるものとするが、各演出用乱数の範囲は異なる範囲が設定されてもよい。CPU431は、ステップS20003−1において、演出カウンタ記憶領域433eに記憶された第1演出用乱数カウンタSC1〜第5演出用乱数カウンタSC5のカウント値を参照して各演出用乱数を取得する。なお、本実施形態では演出用乱数として、5つの演出用乱数(第1〜第5演出用乱数)を取得しているが、演出用乱数の数は5つに限られるものではなく、4つ以下又は6つ以上であってもよい。
ステップS20003−2において、CPU431は、演出モードフラグが示す演出モードが基準モードであるか(演出モードフラグに“4”が設定されているか)否かを判定する。演出モードフラグが基準モードであれば(ステップS20003−2のYes)、ステップS20003−3に進み、演出モードフラグが基準モードでなければ(ステップS20003−2のNo)、演出モード制御判定処理を終了する。
CPU431は、ステップS20003−3において、自身が認識する保留情報数U1が1個以上であるか否かを判定する。保留情報数U1が1個以上であれば(ステップS20003−3のYes)、ステップS20003−4に進み、保留情報数U1が1個以上でない、すなわち0個であれば(ステップS20003−3のNo)、ステップS20003−8に進む。
CPU431は、ステップS20003−4において、先行保留、すなわち、事前判定対象よりも前に特図判定の権利が消化される特図判定用情報に対して、事前に演出内容が決定され、当該演出内容に特別演出(いわゆるリーチ演出)が含まれているか否かを判定する。後述するように、事前判定結果に含まれる特図変動パターンが、特図変動パターンテーブル(図38及び図39参照)において「固定値」が設定される特図変動パターンと一致する場合には、演出内容が事前に決定され、且つ、後述するように、その演出内容にはリーチ演出が含まれる(図49参照)。従って、本ステップにおける判定は、先行保留の事前判定結果に、リーチ演出が実行される特図変動演出パターンに対応付けられる特図変動パターンが含まれるか否かを判定すると言い換えることができる。先行保留の演出内容に特別演出が含まれていれば(ステップS20003−4のYes)、ステップS20003−8に進み、先行保留の演出内容に特別演出が含まれていなければ(ステップS20003−4のNo)、ステップS20003−5に進む。
CPU431は、ステップS20003−5において、第1基準モード実行判定処理を行う。第1基準モード実行判定処理では、事前判定対象の演出内容を決定するにあたって、第1基準モードに対応付けられた演出内容決定テーブル(演出内容決定テーブルの一例については、図50参照。)を選択するか否かを判定する。本実施形態では、事前判定対象の事前判定結果、及び、第1演出用乱数に基づいて、本ステップの判定を行う。
第1基準モード及び後述する第2基準モード及び第3基準モードの意義の詳細は後述するが、簡潔に述べれば、第1基準モードは、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりである期待度(上述の信頼度に相当)の高い先読み演出モードに相当し、第2基準モードは、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりである期待度が第1基準モードよりも低いが第3基準モードよりも高い先読み演出モードに相当し、第3基準モードは、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりである期待度が低い(通常通りである)通常モードに相当する。
ここで、まず、本実施形態において主制御部401のROM412に記憶される特図変動パターンテーブルについて説明する。上述したように、ROM412には、特図変動パターンテーブルとして、チャンスモード用特図変動パターンテーブル、分岐演出モード用特図変動パターンテーブル、確変モード用特図変動パターンテーブル、基準モード用特図変動パターンテーブル、及び、潜伏モード用特図変動パターンテーブルを含む複数の特図変動パターンテーブルが形成される。
図38及び図39は、本実施形態における基準モード用特図変動パターンテーブルの一例である。本実施形態における基準モード用特図変動パターンテーブルは、特図当たり乱数がハズレを示す場合に選択される第1特図変動パターンテーブルTHtt1(図38参照)と、特図当たり乱数が大当たりを示す場合に選択される第2特図変動パターンテーブルTHtt2(図39参照)とを含んで構成される。図4に示すROM412に含まれる特図変動パターンテーブルTHtはテーブルTHtt1とテーブルTHtt2とを含んで構成させることができる。
テーブルTHtt1〜THtt2の夫々は、特図変動パターンTHpA〜THpHの全部又は一部に対し所定の判定値を対応付けたテーブルである。各特図変動パターンTHpA〜THpHは、特別図柄の変動態様(変動時間)を定義したものである。すなわち、各特図変動パターンTHpA〜THpHには夫々変動時間が対応付けられており、特別図柄の変動時間は、夫々、1秒、3秒、10秒、30秒、40秒、60秒、70秒、90秒である。
特図当たり乱数がハズレを示す場合に選択される第1特図変動パターンテーブルTHtt1では、特図変動パターンTHpA〜THpHのうち、パターンTHpA〜THpCには「不定値」が設定され、パターンTHpD〜THpHには「固定値」が設定される。すなわち、「不定値」は、保留数に応じて対応付けられる判定値が異なる特図変動パターンに対して設定され、「固定値」は保留数の如何を問わず対応付けられる判定値が一定の特図変動パターンに対して設定される。一方、特図当たり乱数が大当たりを示す場合に選択される第2特図変動パターンテーブルTHtt2では、保留数の如何を問わず、特図変動パターンTHpA〜THpHに対応付けられる判定値は一定であり、且つ、全ての特図変動パターンTHpA〜THpHに対して「固定値」が設定される。なお、本実施形態においては、テーブルTHtt1において、パターンTHpHに対しては判定値が対応付けられておらず、また、テーブルTHtt2において、パターンTHpA〜THpCに対しては判定値が対応付けられていない。
CPU411は、基準モードにおいて、特図当たり乱数に応じて(特図当たり乱数がハズレを示すか大当たりを示すかに応じて)テーブルTHtt1又はテーブルTHtt2を選択する。その後、CPU411は、事前判定対象の特図変動パターン乱数が、選択テーブルにおける、特図変動パターンTHpXに対応付けられた判定値と一致する場合に、事前判定対象に対応する特図変動パターンとして、特図変動パターンTHpXを選択及び設定する(ここで、XはA〜Hのいずれかのアルファベット)。なお、テーブルThtt1は、保留数に応じて選択される4つのテーブルTHtt1_1〜THtt1_4から構成される。各テーブルTHtt1_1〜THtt1_4は夫々、保留数が0個、1個、2個、3個の場合に選択されるテーブルである。
特図当たり乱数がハズレを示す場合について更に詳説すると、CPU411は、テーブルTHtt1を選択すると共に、テーブルTHtt1において、保留数に応じてテーブルTHtt1_1〜THtt1_4のいずれかを選択する。その後、CPU411は、事前判定対象の特図変動パターン乱数が、テーブルTHtt1内においてテーブルTHtt1_1〜THtt1_4のいずれかにおける、特図変動パターンTHpXに対応付けられた判定値と一致する場合に、事前判定対象に対応する特図変動パターンとして、特図変動パターンTHpXを選択及び設定する(ここで、XはA〜Hのいずれかのアルファベット)。なお、特図変動パターンの選択及び設定における保留数とは、事前判定対象に対応する特図判定用情報よりも優先順位が低い特図判定用情報の数であり、事前判定対象に対応する始動条件の成立(始動口105に対する遊技球の入賞)時において保留数は0個であるから、選択されるテーブルはTHtt1_1である。但し、後述するように、事前判定対象に対して事前に演出内容を決定しない場合には、事前判定対象の特図判定の権利が消化され、特別図柄の変動表示が開始される際(図35のステップS20007)に、演出内容を決定する必要があり、CPU411は、その際に、テーブルTHtt1内で保留数に応じてテーブルTHtt1_1〜THtt1_4のいずれか選択し、特図変動パターンの選択及び設定を実行する。
保留数が0個の場合はテーブルTHtt1_1に示すように、特図変動パターンTHpA、THpB、THpC、THpD、THpE、THpF、THpGに対して、夫々、計60個の判定値「0〜59」、計190個の判定値「60〜249」、計225個の判定値「250〜474」、計16個の判定値「475〜490」、計5個の判定値「491〜495」、計3個の判定値「496〜498」、1個の判定値「499」を割り当てている(各判定値は整数)。
保留数が1個の場合はテーブルTHtt1_2に示すように、特図変動パターンTHpA、THpB、THpC、THpD、THpE、THpF、THpGに対して、夫々、計120個の判定値「0〜119」、計190個の判定値「120〜309」、計165個の判定値「310〜474」、計16個の判定値「475〜490」、計5個の判定値「491〜495」、計3個の判定値「496〜498」、1個の判定値「499」を割り当てている(各判定値は整数)。
保留数が2個の場合はテーブルTHtt1_3に示すように、特図変動パターンTHpA、THpB、THpC、THpD、THpE、THpF、THpGに対して、夫々、計180個の判定値「0〜179」、計190個の判定値「180〜369」、計105個の判定値「370〜474」、計16個の判定値「475〜490」、計5個の判定値「491〜495」、計3個の判定値「496〜498」、1個の判定値「499」を割り当てている(各判定値は整数)。
保留数が3個の場合はテーブルTHtt1_4に示すように、特図変動パターンTHpA、THpB、THpC、THpD、THpE、THpF、THpGに対して、夫々、計240個の判定値「0〜239」、計190個の判定値「240〜429」、計45個の判定値「430〜474」、計16個の判定値「475〜490」、計5個の判定値「491〜495」、計3個の判定値「496〜498」、1個の判定値「499」を割り当てている(各判定値は整数)。
テーブルTHtt2では、特図変動パターンTHpD、THpE、THpF、THpG、THpHに対して、夫々、計25個の判定値「0〜24」、計50個の判定値「25〜74」、計125個の判定値「75〜199」、計290個の判定値「200〜489」、計10個の判定値「490〜499」を割り当てている(各判定値は整数)。
特図当たり乱数がハズレを示す場合に、保留数に応じて選択するテーブルが異なることにより以下の効果を得る。例えば、保留数が0個の場合と、保留数が3個の場合とを比較すると、保留数が0個の場合にパターンTHpAに対応付けられた判定値の数(60個の判定値0〜50)よりも、保留数が3個の場合にパターンTHpAに対応付けられた判定値の数(240個の判定値0〜299)のほうが多い。一方で、保留数が0個の場合にパターンTHpGに対応付けられた判定値の数(225個の判定値250〜474)よりも、保留数が3個の場合にパターンTHpCに対応付けられた判定値の数(45個の判定値430〜474)のほうが少ない。従って、保留数が少ない場合には、より、変動時間が長いパターンが選択されやすく、保留数が多い場合には、より、変動時間が短いパターンが選択されやすくなっている。当該構成により、保留数が少ない場合に、保留消化が短時間で終了して、画像表示部104において特別図柄の変動表示中に実行される演出画像の表示が停止する事態の発生を抑制することができる。一方、保留数が多い場合には、保留消化を短時間で消化させることで、遊技者が遊技球の打ち出しを停止する行為(いわゆる、止め打ち行為)の実行を控えさせ、遊技機の稼働率の低下を防ぐことができる。
ステップS20003−5における第1基準モード実行判定処理に話を戻して、CPU431は、ROM432に記憶される第1基準モード実行判定用テーブルMHt1を参照し、事前判定対象の事前判定結果と第1演出用乱数に基づいて第1基準モード実行判定処理を実行する。
図40に、第1基準モード実行判定用テーブルMHt1の例を示す。第1基準モード実行判定用テーブルMHt1は、ハズレ用の第1基準モード実行判定用テーブルMHt1_1と、大当たり用の第1基準モード実行判定用テーブルMHt1_2とを含む。
テーブルMHt1_1及びMHt1_2の夫々は、特図変動パターンTHpA〜THpHの全部又は一部に対して判定値S1を対応付けたテーブルである。CPU431は、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定結果がハズレを示す場合にはテーブルMHt1_1を選択し、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定結果が大当たりを示す場合にはテーブルMHt1_2を選択する。また、CPU431は、テーブルMHt1_1及びテーブルMHt1_2のいずれかを選択した後に、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図変動パターンに応じて第1基準モード演出の実行・非実行のそれぞれ対して対応付けられる判定値S1と、第1演出用乱数と、を比較する。第1演出用乱数が第1基準モード演出の実行に対応付けられた判定値S1のいずれかと一致する場合には、第1基準モードを実行すると判定し、第1演出用乱数が第1基準モード演出の非実行に対応付けられた判定値S1のいずれかと一致する場合には、第1基準モードを実行しないと判定する。
例えば、CPU431は、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定結果がハズレを示し、且つ、特図変動パターンが特図変動パターンTHpFを示す場合には、テーブルMHt1_1を選択し、取得した第1演出用乱数が、第1基準モード演出実行に対応付けられた判定値(0〜14)のいずれかに一致する場合には、第1基準モードを実行すると判定し、第1基準モード演出非実行に対応付けられた判定値(15〜299)のいずれかに一致する場合には、第1基準モードを実行しないと判定する。
なお、テーブルMHt1_1において、特図変動パターンTHpA〜THpEに対しては第1基準モード演出の非実行に全ての判定値「0〜299」が割り当てられ、実行には判定値が割り当てられない。また、テーブルMHt1_1において、特図変動パターンTHpFとTHpGとを比較すると、変動時間が長い特図変動パターンTHpGにおいて第1基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(20個)は、変動時間が短い特図変動パターンTHpFにおいて第1基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(15個)よりも割り当てられた判定値の数が多く設定され、第1基準モード演出が実行されやすい。
また、テーブルMHt1_2において、特図変動パターンTHpD〜THpEに対しては第1基準モード演出の非実行に全ての判定値「0〜299」が割り当てられ、実行には判定値が割り当てられない。また、テーブルMHt1_2において、特図変動パターンTHpF〜THpHを比較すると、最も変動時間が長い特図変動パターンTHpHにおいて第1基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(110個)、次に変動時間が長い特図変動パターンTHpGにおいて第1基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(100個)、最も変動時間が短い特図変動パターンTHpFにおいて第1基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(90個)の順に、割り当てられた判定値の数が少なく設定され、この順に第1基準モード演出が実行されにくい。
さらに、テーブルMHt1_1とテーブルMHt1_2において同一の特図変動パターンについて比較すると、例えば特図変動パターンTHpFでは、ハズレ時に第1基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(15個)よりも、大当たり時に第1基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(90個)のほうが多く割り当てられ、大当たり時にはハズレ時に比べて高確率で第1基準モード演出が実行されるように設定される。
CPU431は、ステップS20003−5における第1基準モード実行判定後、ステップS20003−6に進み、ステップS20003−5で第1基準モードを実行すると判定したか否かを判定する。ステップS20003−5で第1基準モードを実行すると判定していれば(ステップS20003−6のYes)、ステップS20003−7に進み、基準モードフラグとしてモードフラグ“41”の設定予約を実行する。また、ステップS20003−5で第1基準モードを実行すると判定していなければ(ステップS20003−6のNo)、ステップS20003−8に進む。
図41に、ROM432に記憶される基準モードテーブルMKtの例を示す。図41に示すように、基準モードテーブルMKtにおける第1基準モード、第2基準モード、及び、第3基準モードに対して基準モードフラグが対応付けられている。第1〜第3基準モードが設定されている状態は、夫々、モードフラグに“41”、“42”、“43”が設定される状態に相当する。各モードフラグはRAM433に記憶され、CPU431によって、その値が可変設定される。ステップS20003−7においてCPU431は、基準モードフラグとしてモードフラグ“41”の設定予約を実行し、演出モード制御判定処理を終了する。以下、基準モードフラグとしてモードフラグに“41”、42”、43”が設定されることを夫々、第1基準モードフラグ“41”、第2基準モードフラグ“42” 第3基準モードフラグ“43”を設定すると記載することがある。
ステップS20003−7においてCPU431により実行されるモードフラグ“41”の設定予約は、図44〜図46を参照して後述するように、当該変動の特別図柄の変動表示期間終了後のいずれかのタイミングで、第1基準モードフラグ“41”を設定するように予約することを示し、当該変動の変動表示期間終了後に第1基準モードフラグ“41”を設定すること及びその設定タイミングを示すモードフラグ設定予約情報をRAM433に記憶する。CPU431は図35に示すステップS20007において、RAM433に記憶されたモードフラグ設定予約情報を参照し、モードフラグ設定予約情報に含まれる設定タイミングが到来した際に、第1基準モードフラグ“41”を設定する。
CPU431は、ステップS20003−8において、第2基準モード実行判定処理を行う。第2基準モード実行判定処理では、事前判定対象の演出内容を決定するにあたって、第2基準モードに対応付けられた特図変動演出パターンテーブルを選択するか否かを判定する。本実施形態では、事前判定対象の事前判定結果、及び、第2演出用乱数に基づいて、本ステップの判定を行う。具体的には、第2基準モード実行判定用テーブルMHt2を参照し、事前判定対象の事前判定結果と第2演出用乱数に基づいて判定する。
図42に、ROM432に記憶される第2基準モード実行判定用テーブルMHt2の例を示す。第2基準モード実行判定用テーブルMHt2は、ハズレ用の第2基準モード実行判定用テーブルMHt2_1と、大当たり用の第2基準モード実行判定用テーブルMHt2_2とを含む。
テーブルMHt2_1及びMHt2_2の夫々は、特図変動パターンTHpA〜THpHの全部又は一部に対して判定値S2を対応付けたテーブルである。CPU431は、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定結果がハズレを示す場合にはテーブルMHt2_1を選択し、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定結果が大当たりを示す場合にはテーブルMHt2_2を選択する。また、CPU431は、テーブルMHt2_1及びテーブルMHt2_2のいずれかを選択した後に、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図変動パターンに応じて第2基準モード演出の実行・非実行のそれぞれ対して対応付けられる判定値S2と、第2演出用乱数と、を比較する。第2演出用乱数が第2基準モード演出の実行に対応付けられた判定値S2のいずれかと一致する場合には、第2基準モードを実行すると判定し、第2演出用乱数が第2基準モード演出の非実行に対応付けられた判定値S2のいずれかと一致する場合には、第2基準モードを実行しないと判定する。
例えば、CPU431は、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定結果がハズレを示し、且つ、特図変動パターンが特図変動パターンTHpFを示す場合には、テーブルMHt2_1を選択し、取得した第2演出用乱数が、第2基準モード演出実行に対応付けられた判定値(0〜59)のいずれかに一致する場合には、第2基準モードを実行すると判定し、第2基準モード演出非実行に対応付けられた判定値(60〜299)のいずれかに一致する場合には、第2基準モードを実行しないと判定する。
なお、テーブルMHt2_1において、特図変動パターンTHpA〜THpCに対しては第2基準モード演出の非実行に全ての判定値「0〜299」が割り当てられ、実行には判定値が割り当てられない。また、テーブルMHt2_1において、特図変動パターンTHpD〜THpGとを比較すると、最も変動時間が長い特図変動パターンTHpGにおいて第2基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(70個)、次に変動時間が長い特図変動パターンTHpFにおいて第2基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(60個)、その次に変動時間が長い特図変動パターンTHpEにおいて第2基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(50個)、最も変動時間が短い特図変動パターンTHpDにおいて第2基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(40個)の順に、割り当てられた判定値の数が少なく設定され、この順に第2基準モード演出が実行されにくい。
また、テーブルMHt2_2において、特図変動パターンTHpD〜THpHを比較すると、最も変動時間が長い特図変動パターンTHpHにおいて第2基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(130個)、次に変動時間が長い特図変動パターンTHpGにおいて第2基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(120個)、その次に変動時間が長い特図変動パターンTHpFにおいて第2基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(110個)、その次に変動時間が長い特図変動パターンTHpEにおいて第2基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(100個)、最も変動時間が短い特図変動パターンTHpDにおいて第2基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(90個)の順に、割り当てられた判定値の数が少なく設定され、この順に第2基準モード演出が実行されにくい
さらに、テーブルMHt2_1とテーブルMHt2_2において同一の特図変動パターンについて比較すると、例えば特図変動パターンTHpFでは、ハズレ時に第2基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(60個)よりも、大当たり時に第2基準モード演出の実行に割り当てられた判定値の数(110個)のほうが多く割り当てられ、大当たり時にはハズレ時に比べて高確率で第2基準モード演出が実行されるように設定される。
加えて、第1基準モード演出は、第2基準モード演出よりも実行されにくく設定される。具体的には、図40及び図42を参照して、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果がハズレの場合に選択されるテーブルMHt2_1では、特図変動パターンTHpA〜THpCにおいて第2基準モード演出の実行に判定値S2が割り当てられていないが、テーブルMHt1_1では、特図変動パターンTHpA〜THpCに加えて、特図変動パターンTHpD〜THpEに対しても第1基準モード演出の実行に判定値S1が割り当てられておらず、第1基準モード演出は、変動時間が比較的短い(40秒以下)特図変動パターンの場合に実行されない。また、例えば、特図変動パターンTHpFに対しては、テーブルMHt1_1及びテーブルMHt2_1の夫々において第1基準モード演出の実行、第2基準モード演出の実行に判定値S1、S2が割り当てられているが、判定値の数が前者は15個であるのに対して、後者は60個であり、第2基準モードのほうが実行されやすい。
また、図40及び図42を参照して、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりの場合に選択されるテーブルMHt2_2では、特図変動パターンTHpD〜THpHにおいて第2基準モード演出の実行に判定値S2が割り当てられているが、テーブルMHt1_2では、特図変動パターンTHpD〜THpEにおいて第1基準モード演出の実行に判定値S1が割り当てられておらず、特図変動パターンTHpF〜THpHに対してのみ、第1基準モード演出の実行に判定値S1が割り当られている。従って、第1基準モード演出は、変動時間が比較的短い(40秒以下)特図変動パターンの場合に実行されない。また、例えば、特図変動パターンTHpFに対しては、テーブルMHt1_2及びテーブルMHt2_2の夫々において第1基準モード演出の実行、第2基準モード演出の実行に判定値S1、S2が割り当てられているが、判定値の数が前者は90個であるのに対して、後者は110個であり、第2基準モードのほうが実行されやすい。
図38及び図39を参照して分かるように、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果がハズレの場合には、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりの場合に比べて変動時間が長い(60秒以上)の特図変動パターンが選択されにくく設定されており、上述したように、変動時間が比較的短い(40秒以下)の特図変動パターンにおいては、第1基準モード演出の実行に対して判定値が割り当てられていないため、遊技者は、第1基準モード演出が実行されることによって、変動時間が長い特図変動パターンが選択されたことを認識することができ、すなわち、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりである可能性が高いことを認識することができる。
CPU431は、ステップS20003−8における第2基準モード実行判定後、ステップS20003−9に進み、ステップS20003−8で第2基準モードを実行すると判定したか否かを判定する。ステップS20003−8で第2基準モードを実行すると判定していれば(ステップS20003−9のYes)、ステップS20003−10に進み、第2基準モードフラグ“42”を設定し、演出モード制御判定処理を終了する。また、ステップS20003−8で第2基準モードを実行すると判定していなければ(ステップS20003−9のNo)、ステップS20003−11に進む。
CPU431は、ステップS20003−11において、第3基準モードフラグ“43”を設定し、演出モード制御判定処理を終了する。
以下、第1基準モード、第2基準モード、及び、第3基準モードについて詳説する。上述したように、第1基準モードは、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりである期待度が高い先読み演出モードに相当し、第2基準モードは、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりである期待度が第1基準モードよりも低いが第3基準モードよりも高い先読み演出モードに相当し、第3基準モードは、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりである期待度の低い(通常通りである)通常モードに相当する。以下、第1基準モード、第2基準モード、第3基準モードを夫々、強先読みモード、弱先読みモード、通常モードと称して説明する。
各基準モードでは、特別図柄の変動表示に対応して、実行される変動演出の態様が設定されており、具体的には、基本背景画像態様、装飾図柄の態様、装飾図柄の変動表示態様、擬似連演出態様、特別演出(リーチ演出)態様などが基準モード毎に設定される。但し、基準モード間において、一部態様が同一であってもよく、本実施形態において、通常モードと弱先読みモードは基本背景画像態様以外は同一である。これに対して、強先読みモードの各態様は、通常モード及び弱先読みモードの各態様と異なっている。なお、基本背景画像とは、各々のモードにおいて共通して設定される背景画像であり、装飾図柄の変動表示が主たる演出として実行されている際に、装飾図柄の変動表示の背景として表示されている画像である。
図43は、基本背景画像と装飾図柄の態様とに着目した各モードの例を示し、(a)は通常モードでの演出例、(b)は弱先読みモードでの演出例、(c)は強先読みモードでの演出例を示している。通常モードと弱先読みモードとの比較において、装飾図柄の態様は共通している。また、通常モードと弱先読みモードとの比較において、基本背景画像について、基本背景画像の基本構成(基本背景画像に含まれるオブジェクト(ビル群や並木)は共通しているものの、画像の彩度、明度等が異なる。本実施形態において通常モードと弱先読みモードにおける基本背景画像の差異は、このように、基本構成は共通しているものの、色、明度、彩度、及び、模様の少なくとも1つ以上を変化させている点である。従って、通常モードと弱先読みモードとは遊技者に対して一定の共通性を認識させることができる。
一方、強先読みモードと、通常モード又は弱先読みモードとの比較においては、装飾図柄の態様及び基本背景画像が異なっており(共通するオブジェクトが存在しないか、極めて少なく、異なるオブジェクトが多く含まれる)、遊技者にとって、強先読みモードと、通常モード又は弱先読みモードとに共通性を見出すことができず、全く或いは殆ど異なる変動演出が開始されうることを認識させることができる。
図44に、特図変動(「特別図柄の変動」を意味し、以下、本実施形態及び以降の第2実施形態2〜第6実施形態において「変動」は特図図柄の変動を示す。)の変動表示と第1及び第2の基準モードフラグ設定との関係を示すタイミングチャート例を示す。(a)は特図変動の変動表示と第1基準モードフラグ設定との関係を示すタイミングチャート例であり、(b)は保留情報数U1が0個の場合の、特図変動の変動表示と第2基準モードフラグ設定との関係を示すタイミングチャート例であり、(c)は保留情報数U1が1個の場合の、特図変動の変動表示と第2基準モードフラグ設定との関係を示すタイミングチャート例である。なお、図44に示すように、現在の特別図柄の変動表示に対応する変動演出は、第3基準モードに基づいて実行されていたこととする。また、先行保留の事前判定結果に、リーチ演出が実行される特図変動演出パターンに対応付けられた特図変動パターンが含まれないこととする。
図36のステップS20003−3の判定処理にて示すように、保留情報数U1が0個の場合には、第1基準モード実行判定処理が行われない。図44(a)は先行保留が1個ある場合が示されており、始動条件が成立し(始動口105に遊技球が入賞して第1始動口SW414aがONとなり)、第1基準モード実行判定処理の結果、第1基準モード実行が決定された場合には、当該変動の変動表示期間終了後、第1基準モードフラグを設定する。
図44(a)に示すように、第1基準モードフラグを設定する際に、当該変動の変動表示期間終了後としたのは、始動条件成立時に第1基準モードフラグを設定すると、当該変動の変動表示期間における変動演出が、第1基準モードに基づく変動演出に変更されることとなるが、上述したように第1基準モードと第3基準モードとでは演出態様が全く又は殆ど共通していない。従って、始動条件成立時に第1基準モードフラグを設定すると遊技者にとっては、現在実行されている変動演出が強制的に中断されて全く異なる変動演出が実行されることになるため、遊技者に違和感や不快感を与える可能性があるからである。
図36のステップS20003−3の判定処理にて示すように、保留情報数U1が0個の場合には、第1基準モード実行判定処理が行われずに第2基準モード実行判定処理が行われ、1個以上の場合には、第1基準モードの実行判定の結果、第1基準モードを実行しないと決定された場合に、第2基準モード実行判定処理が行われる。図44(b)は先行保留が0個である場合が示されており、図44(c)は先行保留が1個である場合が示されている。いずれであっても、始動条件が成立し(始動口105に遊技球が入賞して第1始動口SW414aがONとなり)、第2基準モード実行判定処理の結果、第2基準モード実行が決定された場合には、その時に、第2基準モードフラグを設定する。このタイミングで第2基準モードフラグが設定されることにより、遊技者にとっては、当該変動の変動表示中、第1始動口105に遊技球が入賞した際に、基本背景画像が変更されたように認識される。
図44(b)及び(c)に示すように、第2基準モードフラグの設定を、第2基準モードの実行が決定された時に実行することとしたのは、上述したように第2基準モードと第3基準モードとでは演出態様がほぼ共通しており、始動条件成立時に第2基準モードフラグを設定しても、現在実行されている変動演出は継続的に実施され、単に、基本背景画像態様が変更されるのみであるため、遊技者に違和感や不快感を与えることなく、事前判定対象の大当たり期待度を示唆することができるからである。
なお、本実施形態においては、第3基準モードから、第1基準モード又は第2基準モードに演出モードが変更された場合、事前判定対象がハズレであれば、事前判定対象の特別図柄の変動停止後に、第1基準モード又は第2基準モードでの演出を終了し、第3基準モードに戻す(すなわち、第3基準モードフラグを設定する)。
また、本実施形態においては、基準モードに複数の基準モードが含まれることとし、図36のステップS20003−2に示すように、演出モードが基準モードでない場合には演出モード制御判定処理を終了することとしたが、他の演出モード(例えばチャンスモード)が複数のモードを有することとし、その場合に、演出モード制御判定処理を実行することとしてもよい。
また、図36のステップS20003−3において、保留情報数U1が0個の場合に、第1基準モード実行判定処理が実行されないこととしたが、事前判定対象の変動開始コマンドを受信した際に、演出開始処理S20007において、第1基準モード実行判定を行い、第1基準モードを実行すると決定された場合には、事前判定対象の変動演出開始時に第1基準モードフラグを設定することとしてもよい。
また、図44では、現在の特別図柄の変動表示に対応する変動演出は、第3基準モードに基づいて実行されていたこととしたが、第1基準モード又は第2基準モードに基づいて実行されている場合に、図36に示す演出モード制御判定処理を実行することとしてもよい。第3基準モードフラグを設定するタイミングは第2基準モードフラグを設定するタイミングと同様のタイミングに設定される。但し、実行すると決定した基準モードの基準モードフラグの値が、現在設定されている基準モードフラグの値よりも大きい場合には、実行すると決定した基準モードフラグを設定しないことが望ましい。
図44(a)では、第1基準モードの実行が決定された場合において、当該変動の変動表示期間終了後、第1基準モードフラグを設定することとしたが、当該変動の変動表示期間中に第1基準モードフラグが設定されない態様であればよく、例えば図45に示すように、始動条件成立時に、まず、第2基準モードフラグを設定し、当該変動の変動表示期間終了後、第1基準モードフラグを設定することとしてもよい。
図44(b)及び(c)では、第2基準モードフラグを設定する際に、第2基準モード実行の決定後、遅滞なく実行することとしたが、当該変動の変動表示期間中に所定のモード移行示唆を実行し、そのモード移行示唆の終了後に、第2基準モードフラグを設定することとしてもよい。本実施形態でいうモード移行示唆とは、第2基準モードによる変動演出が開始されることを示唆する演出であり、所定の短時間、画面をブラックアウトしたり、第2基準モードを示唆する画像を表示したりする。但し、当該変動の変動表示停止までの残時間がモード移行示唆の演出時間よりも短時間である場合には、モード移行示唆は実行されない。
同様に、第1基準モード実行の決定後、当該変動の変動表示停止までの残時間がモード移行示唆の演出時間よりも長時間である場合に、第1基準モードによる変動演出が開始されることを示唆するモード移行示唆を実行することとしてもよい。モード移行示唆としては、第1の基準モードによる変動演出が開始されることを示唆するモード移行示唆に加え、第1〜第3の装飾図柄の停止図柄を同色図柄とすることによる、いわゆる同色チャンス目演出が実行可能である。
また、図44(b)及び(c)では、第1基準モードフラグ設定タイミングとして、当該変動の変動表示終了後の次変動(すなわち先行保留の変動表示開始時)としたが、次変動以降の変動表示開始時であればよい。
図46には第1基準モードフラグ設定タイミングの変形例を示す。図46は先行保留が3個ある場合を示しており、この場合において、第1基準モードフラグ設定タイミングは、パターン1〜パターン3のいずれであってもよい。
また、本実施形態では、基準モード時において、電サポ遊技状態ではないため、図36のステップS20003−3において保留情報数U1を基準としたが、上述したようにチャンスモード時に演出モード制御判定を行う場合には、保留情報数U2を基準とすればよい。また、基準モード時において、第1始動口105及び第2始動口106に対して交互に遊技球が入賞する遊技機においては、保留情報数U1とU2の合計値を基準とすればよい。
―――演出内容事前判定処理;図47―――
図47を参照して、図35のステップS20004に示した演出内容事前判定処理を説明する。図47は、演出内容事前判定処理の内容を示すフローチャートである。図47の演出内容事前判定処理において、CPU431は、まず、演出内容事前判定用情報を取得し(ステップS20004−1)、ステップS20004−2に進む。ここで、演出内容事前判定用情報とは、事前判定対象の事前判定結果、演出モードフラグを示す情報、基準モードフラグを示す情報、演出内容情報、及び、演出用乱数を含む。
事前判定対象の事前判定結果は、上述したように、事前判定コマンドに含まれる情報である。
演出モードフラグは上述したようにRAM433に記憶されている。基準モードフラグを示す情報は上述したようにRAM433に記憶されている。演出内容情報は上述したようにRAM433に記憶されている。演出用乱数は、上述したように、CPU431により実行される演出用乱数更新処理により、取得される乱数である。
ステップS20004−2において、CPU431は、事前判定対象に対応する特図判定用情報に基づく特図判定の権利が消化される前に、その特図判定用情報に対する演出内容(その特図判定用情報に対応する特別図柄の変動表示中に実行する演出内容)を事前に決定するか否かを判定して、ステップS20004−3に進む。
ステップS20004−2において実行される演出内容事前決定実行判定処理について説明する。本実施形態では、事前判定対象の事前判定結果に基づいて事前判定対象の演出内容を事前に決定するか否かを判定する。
図38及び図39に示し、且つ、上述したように、変動パターンテーブルにおいて、各特図変動パターンには、「不定値」又は「固定値」が設定されている。CPU431は、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果がハズレである場合に、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図変動パターンが、「不定値」が設定された特図変動パターンであるか、「固定値」が設定された特図変動パターンであるかを特定し、「不定値」が設定された特図変動パターンである場合、すなわち、特図変動パターンTHpA〜THpCである場合には、演出内容を事前に決定しないと判定する。一方、CPU431は、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果がハズレであり、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図変動パターンが、「固定値」が設定された特図変動パターンである場合、すなわち、特図変動パターンTHpD〜THpGに対応する場合、及び、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりである場合には、演出内容を事前に決定すると判定する。特図当たり判定の結果が大当たりを示す場合に選択される特図変動パターンテーブルTHtt2においては全ての特図変動パターンに対して「固定値」が設定されているからである。
すなわち、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果がハズレであり、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図変動パターンが、「不定値」が設定された判定値に対応する特図変動パターンTHpA〜THpCである場合には、その後、始動口105に遊技球が入賞するか否かによって特図変動パターンが変更される可能性があり、事前に演出内容を決定したとしても、特図変動パターンの変更に伴って演出内容を変更する必要があり、演出内容を事前に決定した処理が無駄になるおそれがある。これに対して、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果がハズレであり、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図変動パターンが、「固定値」が設定された判定値に対応する特図変動パターンTHpD〜THpGである場合、及び、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりである場合には、特図変動パターンが変更されないので、事前に演出内容を決定したとしても、演出内容を変更しなければならない事態とはならない。
加えて、演出内容を事前に決定可能とすることで、事前判定対象以外の保留に係る特図判定用情報に対応する特別図柄の変動表示中に、事前判定対象に対する特図当たり判定の結果が大当たりである可能性を示唆する演出や、事前判定対象よりも優先順位が高い複数の保留の各保留に係る特図判定用情報に対応する特別図柄の変動表示に跨って事前判定対象に対する特図当たり判定の結果が大当たりである可能性を示唆する演出(いわゆる、先読み演出)を実行することが可能となり、実行可能な演出の幅が広がることで遊技者の興趣を高めることができる。
ステップS20004−2の演出内容事前決定実行判定処理の後、ステップS20004−3に進み、CPU431は、ステップS20004−2における演出内容事前判定手段による判定結果が、演出内容を事前に決定するものであったか否かを判定し、演出内容を事前に決定するものであれば(ステップS20004−3のYes)、ステップS20004−4に進み、演出内容を事前に決定するものでなければ(ステップS20004−3のNo)、演出内容事前判定処理を終了する。
ステップS20004−4においてCPU431は、演出内容事前決定処理を実行し、ステップS20004−5に進む。20004−4において、CPU431は、ステップS20004−1で取得した事前判定対象の事前判定結果、演出モードフラグ、基準モードフラグに基づいて演出内容を決定する。なお、演出内容情報にも基づいて演出内容を決定することとしてもよい。事前判定対象よりも優先順位が高い保留について、事前に演出内容が決定されている場合、先読み演出の実行に一定の制限を課せられることがあるからである。具体的には、例えば、事前判定対象よりも優先順位が一つ高い保留及び二つ高い保留について事前に演出内容が決定されておらず、優先順位が三つ高い保留について事前に演出内容が決定されている場合には、先読み演出として、優先順位が二つ高い保留の特図判定用情報に対応する特別図柄の変動表示の開始以降に実行される先読み演出のみが選択可能な実行演出抽選テーブルが選択される。演出内容の事前決定処理については後述(図48参照)する。
ステップS20004−5においてCPU431は、ステップS20004−4において、決定した演出内容を示す情報(演出内容情報)をRAM433に記憶する。
―――演出内容事前決定処理;図48―――
図48を参照して、図47のステップS20004−4に示した演出内容事前決定処理を説明する。図48は、本実施形態における演出内容事前決定処理の内容を示すフローチャートである。図48の演出内容事前決定処理において、CPU431は、事前判定対象の演出内容を決定する。演出内容は事前判定対象の事前判定結果、演出モードフラグ、基準モードフラグに基づいて決定する。
上述したように、基準モードにおいては、図38及び図39の特図変動パターンテーブルを参照して、事前判定対象の特図判定用情報に含まれる特図変動パターン乱数に対応する特図変動パターンが特定される。そして、CPU431は、特図変動演出パターンテーブルを参照して、特図変動パターンに対応する特図変動演出パターンを特定する。
図49は、本実施形態における特図変動演出パターンテーブルの一例である。図49に示す特図変動演出パターンテーブルTEttには、変動演出の演出内容を定義する特図変動演出パターンが、複数、格納されている。テーブルTEttは、図13の特図変動演出パターンテーブルTEtに含めておくことができる。図49には、テーブルTEttに格納される特図変動演出パターンの一部として、互いに異なる8つの特図変動演出パターンTEpA〜Hが示されている。特図変動パターンTHpA〜THpH(図38及び図39参照)に対して特図変動演出パターンTEpA〜TEpHが1対1に対応づけられている。
ここで基準モードフラグとして、第3基準モードフラグ“43”が設定され(ステップS20004−1で取得した基準モードフラグを示す情報が第3基準モードであり)、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図変動パターンに対応付けられた特図変動演出パターンとして、図49に示す特図変動演出パターンTEpFが特定された場合を例に、演出内容事前決定処理について説明する。
図50に、基準モードフラグとして、第3基準モードフラグ“43”が設定されている場合における図49に示す変動演出パターンTEpF用の演出内容決定テーブルの例を示す。図50に示す演出内容決定テーブルは、ROM432に記憶される。演出内容決定テーブルには、基本演出、予告演出、連動演出/擬似連動演出を含む複数の演出から構成される変動演出パターンが複数、格納されている。変動演出パターンを構成する基本演出、予告演出、連動演出/擬似連動演出には、夫々、判定値S3〜S5が対応付けて構成される。
図48の演出内容事前決定処理において、CPU431は、まず、基本演出の内容を決定する(ステップS20004−4−1)。基本演出とは、一般的に合計3列の装飾図柄表示領域の各列において変動表示される装飾図柄が順次仮停止し、最終的に全列の装飾図柄が停止表示されるまでの間に、画像表示部104に表示される画像演出であり、本実施形態において基本演出は、擬似連演出、特別演出を含んで構成される。
擬似連演出とは、特別図柄の1回分の変動表示において、3列の装飾図柄表示領域のうち、1列以上の装飾図柄表示領域で装飾図柄が仮停止した後に、仮停止した装飾図柄の変動停止が確定せずに、再度変動表示が開始される演出であり、仮停止後、変動表示が開始される回数が多いほど、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりである期待度が高いことを示唆する演出である。図50に示す演出内容決定テーブルにおいて、擬似連演出A−1は、上記仮停止後の変動表示が開始される回数が1回の擬似連演出であり、擬似連演出A−2は、上記仮停止後の変動表示が開始される回数が2回の擬似連演出であり、擬似連演出A−3は、上記仮停止後の変動表示が開始される回数が3回の擬似連演出である。つまり、大当たり期待度は、擬似連演出A−1、A−2、A−3の順に高くなっており、大当たり時においては、ハズレ時に比べて、擬似連演出A−3が選択されやすいように設定される。なお、装飾図柄の仮停止とは、厳密には、装飾図柄を停止させていないが、遊技者に対しては、装飾図柄が停止したと認識させることが可能な態様で微変動させる装飾図柄の変動表示態様である。また、図50に示す演出内容決定テーブルにおいて、擬似連演出が実行されずにリーチ演出が実行される態様について示していないが、擬似連演出が実行されることなくリーチ演出が実行される態様を含んでいてもよい。
基本演出は、第3演出用乱数及び判定値S3に基づいて決定されるものである。第3演出用乱数は、数値範囲「0〜299」内のいずれかの整数値をとる。図50を参照して、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果がハズレである場合に、擬似連演出A−1及び特別演出B−1から構成される基本演出(以下、基本演出X1と称する。)に対して、“0〜4”の判定値が割り当てられている。また、擬似連演出A−2及び特別演出B−1から構成される基本演出(以下、基本演出X2と称する。)に対して、“5〜29”の判定値が割り当てられている。また、擬似連演出A−3及び特別演出B−1から構成される基本演出(以下、基本演出X3と称する。)に対して、“30〜39”の判定値が割り当てられている。そして事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果がハズレであり、且つ、特図変動演出パターンがTEpFである場合に、第3演出用乱数が“0〜4”の判定値のいずれかと一致した場合には、基本演出X1が選択され、“5〜29”の判定値のいずれかと一致した場合には、基本演出X2が選択され、“30〜39”の判定値のいずれかと一致した場合には、基本演出X3が選択される。
一方、事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりである場合に、擬似連演出A−1及び特別演出B−2から構成される基本演出(以下、基本演出X4と称する。)に対して、“0〜1”の判定値が割り当てられている。また、擬似連演出A−2及び特別演出B−2から構成される基本演出(以下、基本演出X5と称する。)に対して、“2〜34”の判定値が割り当てられている。また、擬似連演出A−3及び特別演出B−2から構成される基本演出(以下、基本演出X6と称する。)に対して、“35〜94”の判定値が割り当てられている。そして事前判定対象の事前判定結果に含まれる特図当たり判定の結果が大当たりであり、且つ、特図変動演出パターンがTEpFである場合に、第3演出用乱数が“0〜1”の判定値のいずれかと一致した場合には、基本演出X4が選択され、“2〜34”の判定値のいずれかと一致した場合には、基本演出X5が選択され、“35〜94”の判定値のいずれかと一致した場合には、基本演出X6が選択される。
当該構成により、大当たり時において、基本演出X6に割り当てられた判定値S3の数(60個)は、ハズレ時において、基本演出X3に割り当てられた判定値S3の数(10個)よりも多く、上述したように、大当たり時においては、ハズレ時に比べて、擬似連演出A−3が選択されやすい。
なお、特別演出とは、一般的にリーチ演出といわれるものであり、多くは、3列の装飾図柄表示領域のうち、2列の装飾図柄表示領域において同一の装飾図柄を仮停止させることにより、残りの1列の装飾図柄表示領域において、他の2列の装飾図柄表示領域にて仮停止した装飾図柄と同一の装飾図柄が仮停止すればゾロ目となることを示唆する演出である。特別演出が実行される場合には、他の2列の装飾図柄表示領域において同一の装飾図柄が仮停止された後、残りの1列の装飾図柄表示領域において同一又は異なる装飾図柄が仮停止されるまでの変動時間が、通常よりも長く設定されることで、遊技者の大当たりへの期待度が高められる。図50に示す特別演出B−1とB−2とは、基本的なリーチ演出の構成は共通しているが、前者は最終的にハズレを示す演出が実行され、後者は最終的に大当たりを示す演出が実行される。具体例としては、特別演出B−1とB−2は、メインキャラクターとサブキャラクターとが戦う演出という点で共通するが、前者はサブキャラクターが勝利するのに対して、後者はメインキャラクターが勝利する点で異なる。
CPU431は基本演出を決定後、ステップS20004−4−2に進み、予告演出の実行・非実行決定処理を実行する。予告演出とは、事前判定対象の大当たり期待度を示唆する演出であり、例えば、擬似連演出において、所定の装飾図柄表示領域で装飾図柄が仮停止した後、再度変動表示が開始されるまでの間に実行される演出である。具体的には、可動役物130を用いた演出が例示され、可動役物130が作動することにより、装飾図柄が仮停止した装飾図柄表示領域において装飾図柄の変動表示が再開される。
本実施形態では可動役物130として、図51に示す可動役物130aと、図52に示す可動役物130bを備える。可動役物130aは、刀を象った役物であり、図51(a)に示すように、非作動時は、画像表示部の上部で、鞘に刀身がおさまった状態で、外部から視認可能に配置され、図51(b)に示すように、作動時は、刀身が鞘から抜かれる。図50に示す予告演出C−1は可動役物130aが作動する演出を示す。
また、可動役物130bは、花火を象った役物であり、図52(a)に示すように、非作動時は、外部から視認困難とするために、遊技機100の枠部材113内に、折り畳まれて収納され、図52(b)に示すように作動時は、画像表示部104の大部分を覆うように展開する。図50に示す予告演出C−2は可動役物130bが作動する演出を示す。なお、図52(a)において、折り畳んで収納された可動役物130bの位置を破線にて示している。
予告演出は、第4演出用乱数及び判定値S4に基づいて決定されるものである。第4演出用乱数は、数値範囲「0〜299」内のいずれかの整数値をとる。図50を参照して、ハズレ時且つ基本演出として基本演出X1が決定された場合において、予告演出C−1に対して、“0〜99”の判定値が割り当てられている。また、ハズレ時且つ基本演出として基本演出X1が決定された場合において、予告演出C−2に対して、“100〜199”の判定値が割り当てられている。また、ハズレ時且つ基本演出として基本演出X1が決定された場合において、予告演出の非実行に対して、“200〜299”の判定値が割り当てられている。そして第4演出用乱数が“0〜99”の判定値のいずれかと一致した場合には、予告演出C−1の実行が選択され、“100〜199”の判定値のいずれかと一致した場合には、予告演出C−2の実行が選択され、“200〜299”の判定値のいずれかと一致した場合には、予告演出の非実行が選択される。
一方、当たり時且つ基本演出として基本演出X4が決定された場合において、予告演出C−1に対して、“0〜129”の判定値が割り当てられている。また、当たり時且つ基本演出として基本演出X4が決定された場合において、予告演出C−2に対して、“130〜259”の判定値が割り当てられている。また、当たり時且つ基本演出として基本演出X4が決定された場合において、予告演出の非実行に対して、“260〜299”の判定値が割り当てられている。
当該構成により、大当たり時且つ基本演出として基本演出X4が決定された場合において、予告演出C−1及び予告演出C−2のいずれかに対して割り当てられた判定値S4の数(260個)は、ハズレ時且つ基本演出として基本演出X1が決定された場合において、予告演出C−1及び予告演出C−2のいずれかに対して割り当てられた判定値S4の数(200個)よりも多く、大当たり時においては、ハズレ時に比べて、予告演出が実行されやすくなっている。
なお、本実施形態では擬似連演出実行時において、仮停止した装飾図柄の変動表示が再開されることを遊技者に認識させる予告演出が非実行とされる場合があるが、擬似連演出実行時においては予告演出が必ず実行されることとしてもよい。また、予告演出を実行する際に、予告演出C−1が実行される確率と予告演出C−2が実行される確率が同一確率に設定されている(各予告演出に割り当てられた判定値S4の数が同一に設定されている)が、一方が他方に比べて高確率で実行されるように設定することとしてもよい。
また、本実施形態では、図50に示す演出内容決定テーブルでは、各基本演出が擬似連演出を含んで構成される場合を例示しているが、擬似連演出を含まない基本演出を有していてもよい。その場合、擬似連演出を含まない基本演出に対しては、予告演出の非実行に対して、“0〜299”の判定値が割り当てられることとすればよい。
CPU431は予告演出の実行・非実行の決定処理後、ステップS20004−4−3に進み、ステップS20004−4−2にて、予告演出の実行を決定したか否かを判定する。予告演出の実行を決定した場合には(S20004−4−3のYes)、ステップS20004−4−4に進み、予告演出の非実行を決定した場合には(S20004−4−3のNo)、ステップS20004−4−8に進む。
ステップS20004−4−4において、CPU431は、連動演出実行・非実行決定処理を実行する。本実施形態において、連動演出とは、特図判定の権利が消化され、その特図判定に基づく特別図柄の変動表示が実行中であることを示す特定の権利画像を用いて予告演出の実行(可動役物130a又は130bの作動)を示唆する演出であり、具体的には予告演出C−1、C−2に夫々対応付けられた特定の権利画像が、権利画像表示領域から可動役物130a又は130b近傍の所定領域に向かって移動し、到達するまでの演出である。従って、特定の権利画像が、権利画像表示領域から可動役物130a又は130bに近づく演出が実行されると、その特定の権利画像が、可動役物130a又は130b近傍の所定領域に到達することにより可動役物130a又は130bが作動し得ることが示唆され、遊技者に対して可動役物130a又は130bの作動の期待感を与えることができ、遊技の興趣が向上する。
図53は予告演出に対応付けられた特定の権利画像を示す図であり、図53(a)は予告演出C−1に対応付けられた権利画像PC1を示し、図53(b)は予告演出C−2に対応付けられた権利画像PC2を示す。
図50に示す連動演出D−1は、権利画像PC1を用いて予告演出C−1の実行を示唆する演出であり、連動演出D−2は、権利画像PC2を用いて予告演出C−2の実行を示唆する演出である。以下、連動演出D−1及びD−2の具体的内容について一例を説明する。
図54及び図55は連動演出D−1及び予告演出C−1の関係を示す図である。なお、図54及び図55においては画像表示部104における装飾図柄の変動表示の図示を省略している。図54(a)に示すように、画像表示部104内の権利画像表示領域PR1に権利画像PC1が表示された後、連動演出D−1として、図54(b)に示すように、権利画像PC1が権利画像表示領域PR1から可動役物130a近傍の所定領域GR1に向かって移動を開始する演出が実行される。
さらに、連動演出D−1として、図55(a)に示すように、権利画像PC1が所定領域GR1に到達し、権利画像PC1が消滅する演出が実行されると、その後、予告演出C−1として、図55(b)に示すように可動役物130aが作動する。
図56及び図57は連動演出D−2及び予告演出C−2の関係を示す図である。なお、図56及び図57においては画像表示部104における装飾図柄の変動表示の図示を省略している。図56(a)に示すように、権利画像表示領域PR1に権利画像PC2が表示された後、連動演出D−2として、図56(b)に示すように、権利画像PC2が権利画像表示領域PR1から可動役物130b近傍の所定領域GR2に向かって移動を開始する演出が実行される。
さらに、連動演出D−2として、図57(a)に示すように、権利画像PC2が所定領域GR2に到達し、権利画像PC2が消滅する演出が実行されると、その後、予告演出C−2として、図57(b)に示すように可動役物130bが作動する。
連動演出は、第5演出用乱数及び判定値S5に基づいて決定されるものである。第5演出用乱数は、数値範囲「0〜299」内のいずれかの整数値をとる。図50を参照して、ハズレ時且つ基本演出として基本演出X1が決定され、予告演出C−1の実行が決定された場合において、連動演出D−1の実行に対して、“0〜29”の判定値が割り当てられている。また、ハズレ時且つ基本演出として基本演出X1が決定され、予告演出C−1の実行が決定された場合において、連動演出D−1の非実行に対して、“30〜299”の判定値が割り当てられている。そして第5演出用乱数が“0〜29”の判定値のいずれかと一致した場合には、連動演出D−1の実行が選択され、“30〜299”の判定値のいずれかと一致した場合には、連動演出D−1の非実行が選択される。
一方、当たり時且つ基本演出として基本演出X4が決定され、予告演出C−1の実行が決定された場合において、連動演出D−1の実行に対して、“0〜69”の判定値が割り当てられている。また、当たり時且つ基本演出として基本演出X4が決定され、予告演出C−1の実行が決定された場合において、連動演出D−1の非実行に対して、“70〜299”の判定値が割り当てられている。そして第5演出用乱数が“0〜69”の判定値のいずれかと一致した場合には、連動演出D−1の実行が選択され、“70〜299”の判定値のいずれかと一致した場合には、連動演出D−1の非実行が選択される。
当該構成により、大当たり時且つ基本演出として基本演出X4が決定され、予告演出C−1の実行が決定された場合において、連動演出D−1の実行に対して割り当てられた判定値S5の数(70個)は、ハズレ時且つ基本演出として基本演出X1が決定され、予告演出C−1の実行が決定された場合において、連動演出D−1の非実行に対して割り当てられた判定値S5の数(30個)よりも多く、大当たり時においては、ハズレ時に比べて、連動演出D−1が実行されやすくなっている。
また、ハズレ時且つ基本演出として基本演出X1が決定され、予告演出C−2の実行が決定された場合において、連動演出D−2の実行に対して、“0〜39”の判定値が割り当てられている。また、ハズレ時且つ基本演出として基本演出X1が決定され、予告演出C−2の実行が決定された場合において、連動演出D−2の非実行に対して、“40〜299”の判定値が割り当てられている。
一方、当たり時且つ基本演出として基本演出X4が決定され、予告演出C−2の実行が決定された場合において、連動演出D−2の実行に対して、“0〜99”の判定値が割り当てられている。また、当たり時且つ基本演出として基本演出X4が決定され、予告演出C−2の実行が決定された場合において、連動演出D−2の非実行に対して、“100〜299”の判定値が割り当てられている。
当該構成により、大当たり時且つ基本演出として基本演出X4が決定され、予告演出C−2の実行が決定された場合において、連動演出D−2の実行に対して割り当てられた判定値S5の数(100個)は、ハズレ時且つ基本演出として基本演出X1が決定され、予告演出C−2の実行が決定された場合において、連動演出D−2の非実行に対して割り当てられた判定値S5の数(40個)よりも多く、大当たり時においては、ハズレ時に比べて、連動演出D−2が実行されやすくなっている。
なお、本実施形態では、例えば、ハズレ時において、連動演出D−1の実行に対して割り当てられた判定値S5の数(30個)が、連動演出D−2の実行に対して割り当てられた判定値S5の数(40個)よりも少なくなるように設定しているが、各判定値S5の数は同数でもよいし、連動演出D−2の実行に対して割り当てられた判定値S5の数が連動演出D−1の実行に対して割り当てられた判定値S5の数よりも少なくなるように設定することとしてもよい。
CPU431は連動演出実行・非実行決定処理後、ステップS20004−4−5に進み、ステップS20004−4−4にて、連動演出の実行を決定したか否かを判定する。連動演出の実行を決定した場合には(S20004−4−5のYes)、ステップS20004−4−6に進み、連動演出の非実行を決定した場合には(S20004−4−5のNo)、ステップS20004−4−7に進む。
ステップS20004−4−6において、CPU431は、ステップS20004−4−1で決定した基本演出、20004−4−2で決定した予告演出、及び、20004−4−4で決定した連動演出を含む演出を、事前判定対象に係る特図判定の権利の消化に基づく特別図柄の変動表示中に実行される変動演出の内容を示す演出内容情報としてRAM433に記憶する。当該演出内容情報に基づいて変動演出を実行した場合、連動演出が実行された後に、予告演出が実行されることとなる。
ステップS20004−4−7において、CPU431は、ステップS20004−4−1で決定した基本演出、及び、20004−4−2で決定した予告演出を含む演出を、事前判定対象に係る特図判定の権利の消化に基づく特別図柄の変動表示中に実行される変動演出の内容を示す演出内容情報としてRAM433に記憶する。当該演出内容情報に基づいて変動演出を実行した場合、連動演出が実行されることなく、予告演出が実行されることとなる。
ステップS20004−4−8において、CPU431は、擬似連動演出実行・非実行決定処理を実行する。本実施形態において、擬似連動演出とは、特図判定の権利が消化され、その特図判定に基づく特別図柄の変動表示が実行中であることを示す特定の権利画像を用いて予告演出の非実行(可動役物130a又は130bの非作動)を示唆する演出であり、具体的には予告演出C−1、C−2に夫々対応付けられた特定の権利画像PC1、PC2が、権利画像表示領域PR1から可動役物130a又は130b近傍の所定領域GR1、GR2に向かって移動するが、所定領域GR1、GR2に到達しない演出である。
図50に示す擬似連動演出D−3は、権利画像PC1を用いて予告演出C−1の非実行を示唆する演出であり、擬似連動演出D−4は、権利画像PC2を用いて予告演出C−2の非実行を示唆する演出である。以下、擬似連動演出D−3及びD−4の具体的内容について一例を説明する。
図58は擬似連動演出D−3を示す図である。なお、図58においては画像表示部104における装飾図柄の変動表示の図示を省略している。図58(a)に示すように、権利画像表示領域PR1に権利画像PC1が表示された後、擬似連動演出D−3として、図58(b)に示すように、権利画像PC1が権利画像表示領域PR1から可動役物130a近傍の所定領域GR1に向かって移動を開始する演出が実行される。さらに、擬似連動演出D−3として、図58(c)に示すように、権利画像PC1が所定領域GR1に到達することなく落下する演出が実行される。なお、図58(b)に示す演出中に、擬似連動演出D−3として可動役物130aを微動させる演出を実行することとしてもよい。当該可動役物130aの微動演出により、権利画像PC1が所定領域GR1に到達することに対する遊技者の期待感を高めることができる。
図59は擬似連動演出D−4を示す図である。なお、図59においては画像表示部104における装飾図柄の変動表示の図示を省略している。図59(a)に示すように、権利画像表示領域PR1に権利画像PC2が表示された後、擬似連動演出D−4として、図59(b)に示すように、権利画像PC2が権利画像表示領域PR1から可動役物130b近傍の所定領域GR2に向かって移動を開始する演出が実行される。さらに、擬似連動演出D−4として、図59(c)に示すように、権利画像PC2が所定領域GR2に到達することなく落下する演出が実行される。なお、図59(b)に示す演出中に、擬似連動演出D−4として可動役物130bを微動させる演出を実行することとしてもよい。当該可動役物130bの微動演出により、権利画像PC2が所定領域GR2に到達することに対する遊技者の期待感を高めることができる。
擬似連動演出は、連動演出と同様に、第5演出用乱数及び判定値S5に基づいて決定されるものである。第5演出用乱数は、数値範囲「0〜299」内のいずれかの整数値をとる。図50を参照して、ハズレ時且つ基本演出として基本演出X1が決定され、予告演出の非実行が決定された場合において、擬似連動演出D−3の実行に対して、“0〜39”の判定値が割り当てられている。また、ハズレ時且つ基本演出として基本演出X1が決定され、予告演出の非実行が決定された場合において、擬似連動演出D−4の実行に対して、“40〜99”の判定値が割り当てられている。また、ハズレ時且つ基本演出として基本演出X1が決定され、予告演出の非実行が決定された場合において、擬似連動演出の非実行に対して、“100〜299”の判定値が割り当てられている。そして第5演出用乱数が“0〜39”の判定値のいずれかと一致した場合には、擬似連動演出D−3の実行が選択され、“40〜99”の判定値のいずれかと一致した場合には、擬似連動演出D−4の実行が選択され、“100〜299”の判定値のいずれかと一致した場合には擬似連動演出の非実行が選択される。
一方、当たり時且つ基本演出として基本演出X4が決定され、予告演出の非実行が決定された場合において、擬似連動演出D−3の実行に対して、“0〜2”の判定値が割り当てられている。また、当たり時且つ基本演出として基本演出X4が決定され、予告演出の非実行が決定された場合において、擬似連動演出D−4の実行に対して、“3〜5”の判定値が割り当てられている。また、当たり時且つ基本演出として基本演出X4が決定され、予告演出の非実行が決定された場合において、擬似連動演出の非実行に対して、“6〜299”の判定値が割り当てられている。そして第5演出用乱数が“0〜2”の判定値のいずれかと一致した場合には、擬似連動演出D−3の実行が選択され、“3〜5”の判定値のいずれかと一致した場合には、擬似連動演出D−4の実行が選択され、“6〜299”の判定値のいずれかと一致した場合には擬似連動演出の非実行が選択される。
当該構成により、ハズレ時且つ基本演出として基本演出X1が決定され、予告演出の非実行が決定された場合において、擬似連動演出D−3及び擬似連動演出D−4のいずれかに対して割り当てられた判定値S5の数(100個)は、大当たり時且つ基本演出として基本演出X4が決定され、予告演出の非実行が決定された場合において、擬似連動演出D−3及び擬似連動演出D−4のいずれかに対して割り当てられた判定値S5の数(6個)よりも多く、ハズレ時においては、大当たり時に比べて、擬似連動演出が実行されやすくなっている。
なお、本実施形態では、擬似連動演出が実行される場合に、例えばハズレ時において、擬似連動演出D−4が実行される確率が擬似連動演出D−3が実行される確率よりも高く設定されている(擬似連動演出D−4に割り当てられた判定値S5の数が擬似連動演出D−3に割り当てられた判定値S5の数よりも多く設定されている)が、擬似連動演出D−3が実行される確率が擬似連動演出D−4が実行される確率よりも高く設定されてもよいし、同一確率に設定されてもよい。
また、大当たり時に擬似連動演出が実行される場合があるが、大当たり時には擬似連動演出が選択されない(擬似連動演出の非実行に対して“0〜299”の判定値が割り当てられる)こととしてもよい。
CPU431は擬似連動演出実行・非実行決定処理後、ステップS20004−4−9に進み、ステップS20004−4−8にて、擬似連動演出の実行を決定したか否かを判定する。擬似連動演出の実行を決定した場合には(S20004−4−9のYes)、ステップS20004−4−10に進み、擬似連動演出の非実行を決定した場合には(S20004−4−9のNo)、ステップS20004−4−11に進む。
ステップS20004−4−10において、CPU431は、ステップS20004−4−1で決定した基本演出、及び、20004−4−8で決定した擬似連動演出を含む演出を、事前判定対象に係る特図判定の権利の消化に基づく特別図柄の変動表示中に実行される変動演出の内容を示す演出内容情報としてRAM433に記憶する。当該演出内容情報に基づいて変動演出を実行した場合、擬似連動演出が実行された後に、予告演出は実行されない。
ステップS20004−4−11において、CPU431は、ステップS20004−4−1で決定した基本演出を含む演出を、事前判定対象に係る特図判定の権利の消化に基づく特別図柄の変動表示中に実行される変動演出の内容を示す演出内容情報としてRAM433に記憶する。当該演出内容情報に基づいて変動演出を実行した場合、連動演出、擬似連動演出、及び、予告演出のいずれもが実行されない。
本実施形態で図50に示した演出内容決定テーブルは、変動演出パターンTEpF用の演出内容決定テーブルであって、現在の演出モードが第3基準モードである場合における演出内容決定テーブルであることとしたが、現在の演出モードが第2基準モードである場合にも当該演出内容決定テーブルが参照される。一方、現在の演出モードが第1基準モードである場合には、図50に示した演出内容決定テーブルとは異なる演出内容決定テーブルが参照されるが、第1基準モード用演出内容決定テーブルにおいても、上述した予告演出C−1、C−2、及び、連動演出D−1、D−2、及び、擬似連動演出D−3、D−4が含まれていてもよい。また、演出モードが基準モード以外のモード(チャンスモード、分岐演出モード、確変モード、及び、潜伏モード)である場合も同様である。
ステップS20004において事前に演出内容が決定され、決定された演出内容に連動演出又は擬似連動演出が含まれる場合には、ステップS20005においてCPU431は、実行される連動演出又は擬似連動演出に対応付けられた特定の権利画像に対応する(図柄が共通する)特定の保留画像(図62参照)を画像表示部104の保留画像表示位置に表示する。そして、先行保留の特図判定の権利が消化されるにしたがって、特定の保留画像の表示位置がスライドし、事前判定対象に係る特図判定の権利が消化された際に、特定の権利画像を権利画像表示位置に表示した上で、連動演出又は擬似連動演出を実行することとすればよい
図60及び図61は上記変形例による連動演出例を示す説明図である。図60(a)に示すように、特別図柄の変動表示中であって、先行保留が1個ある状態において、第1始動口105に遊技球が入賞し、当該始動条件の成立に係る事前判定対象の事前判定結果に基づいて連動演出C−1の実行が決定された場合には、図60(b)に示すように事前判定対象に対応する保留画像表示位置QR2に特定の保留画像PC1と図柄が共通する保留画像QC1を表示する。なお、図60(a)において権利画像表示位置PR1には通常の権利画像が表示され、事前判定対象の先行保留に対応する保留画像表示位置QR1には通常の保留画像が表示されている。
そして、現在の特別図柄の変動表示が停止し、先行保留の特図判定用情報に対する特図判定の権利が消化されると、図60(b)において、保留画像表示領域QR1に表示されていた通常の保留画像がシフトするように、権利画像表示領域PR1には通常の権利画像が表示され、保留画像表示領域QR2に表示されていた保留画像QC1がシフトするように保留画像表示領域QR1に表示される(図60(c))。さらに、事前判定対象の先行保留の特別図柄の変動表示が停止し、事前判定対象の特図判定用情報に対する特図判定の権利が消化されると、図60(c)において、保留画像表示領域QR1に表示されていた保留画像QC1がシフトするように、権利画像表示領域PR1には権利画像PC1が表示される(図61(a))。その後は、図55(a)及び(b)と同様に、権利画像PC1が所定領域GR1に到達し、権利画像PC1が消滅する演出が実行されると、可動役物130aが作動する。なお、図60では、当初より、特定の権利画像PC1に対応する特定の保留画像QC1を事前判定対象に対応する保留画像表示領域QR2に表示することとしたが、これに限られるものではない。例えば、保留画像表示領域QR2に保留画像として、通常の保留画像を表示し、特図判定の優先順位があがった際に、保留画像表示位置QR1に保留画像として、通常の保留画像及び特定の保留画像QC1以外の保留画像を表示し、事前判定対象の特図判定の権利が消化された際に、権利画像表示位置PR1に権利画像として特定の権利画像PC1を表示することで、保留画像変化演出を実行することとしてもよい。
なお、本実施形態では、ステップS20004の演出内容事前判定処理にて、予告演出、連動演出、擬似連動演出の実行を決定しているが、これら演出の実行決定タイミングはこれに限られるものではない。演出内容を事前に決定しない場合(図47のステップS20004−3のNoの場合)には、図35のステップS20007において、図48に示した演出内容事前決定処理と同様の処理を行い、予告演出、連動演出、擬似連動演出の実行を決定してもよい。
本実施形態によれば、始動条件の成立により特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段と、前記特別遊技判定の結果に基づいて、図柄を図柄表示手段にて変動表示させてから停止表示させる図柄表示制御手段と、前記特別遊技判定が行われる前に前記特別遊技を行うか否かの事前判定を行う事前判定手段と、前記図柄が変動表示されているときに演出を行わせる演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記事前判定の結果に基づいて、複数回の前記図柄の変動表示に渡って実行される事前判定演出であって、前記特別遊技への期待度が高いことを示唆する第1の事前判定演出及び前記第1の事前判定演出よりも前記期待度が高いことを示唆する第2の事前判定演出のいずれかを行わせる事前判定演出制御手段を有する。なお、特別遊技判定手段は図4を参照して大当たり抽選を行う主制御部401に相当する。また、図柄表示制御手段は図4を参照して特別図柄表示部にて特別図柄の変動表示行う主制御部401に相当する。また、事前判定手段は、図4を参照して事前判定処理を実行する主制御部401に相当する。また、演出制御手段は、図12を参照して変動演出を実行する演出制御部403に相当する。
当該構成によれば、事前判定結果に基づいて、複数回の特別図柄の変動表示に渡って実行される先読み演出モードであって、大当たり遊技への期待度が通常の演出モードよりも高い弱先読みモード及び弱先読みモードよりも大当たり遊技の期待度が高いことを示す強先読みモードのいずれかを実行可能である。従って、実行された先読みモードにより、遊技者に対して大当たり遊技への期待度を認識させることができる。また、弱先読みモード及び強先読みモードは複数回の特別図柄の変動表示に渡って実行されるため、遊技者は複数の特別図柄の変動表示に渡って継続的に大当たり遊技への期待を持つことができ、遊技の興趣が向上する。
また、本実施形態によれば、前記演出制御手段は、前記第1の事前判定演出の実行の是非を判定する第1の事前判定演出移行判定手段と、前記第2の事前判定演出の実行の是非を判定する第2の事前判定演出移行判定手段と、を備え、前記第1の事前判定演出移行判定手段は、前記第2の事前判定演出移行判定手段による判定の結果、前記第2の事前判定演出の実行が否定された場合に、前記第1の事前判定演出の実行の是非を判定する。
当該構成によれば、先読みモードに移行するか否かを判定する際に、まず、強先読みモードに移行するか否かを判定し、強先読みモードに移行しないと判定された場合に、次に、弱先読みモードに移行するか否かを判定する。このように強先読みモードに移行するか否かを、弱先読みモードに移行するか否かよりも先に判定することにより、事前判定処理の結果、大当たり遊技の期待度が高い場合に、強先読みモードへの移行が実行されやすく設定することが可能となる。
本実施形態によれば、始動条件の成立により判定用情報を取得する取得手段と、変動開始条件の成立により、前記判定用情報に基づいて、特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段と、前記特別遊技判定の結果に基づいて、所定の背景画像を表示可能な演出図柄表示手段にて演出図柄を変動表示させてから停止表示させる演出制御手段と、前記演出図柄が変動表示されているときに前記判定用情報が取得されると、当該判定用情報に基づいて前記特別遊技を行うか否かの事前判定を行う事前判定手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記事前判定の結果に基づいて、通常演出モードから前記特別遊技への期待度が高いことを示唆する第1の特殊演出モード又は第2の特殊演出モードに移行させる演出モード移行手段と、各演出モードに応じた背景画像を表示させる背景画像表示制御手段と、を有し、前記背景画像表示制御手段は、前記通常演出モードにおいて第1の表示形態の第1背景画像を表示させ、前記第1の特殊演出モードにおいて前記第1背景画像に含まれる所定のオブジェクトとは異なるオブジェクトを含んだ第2の表示形態の第2背景画像を表示させ、前記第2の特殊演出モードにおいて前記第1背景画像に含まれる所定のオブジェクトの色、明度、模様、及び、彩度の少なくとも1つ以上を変化させた第3の表示形態の第3背景画像が表示される。なお、取得手段は図4を参照して第1又は第2始動条件の成立タイミングに応じた特図判定用情報を取得する主制御部401に相当する。また、特別遊技判定手段は図4を参照して大当たり抽選を行う主制御部401に相当する。また、演出制御手段は、図4及び図12を参照して画像表示部104に所定の背景画像を表示するとともに、装飾図柄を変動表示させてから停止表示させる演出制御部403に相当する。また、事前判定手段は、図4を参照して事前判定処理を実行する主制御部401に相当する。
当該構成によれば、事前判定結果に基づいて、大当たり遊技への期待度が通常の演出モードよりも高い弱先読みモード及び強先読みモードのいずれかを実行可能であり、各先読みモードにおいて画像表示部に表示される背景画像は、弱先読みモードにおいて表示される背景画像が通常モードにおいて表示される背景画像に比べて、色、明度、彩度、及び、模様の少なくとも1つ以上が変化させた背景画像であるのに対して、強先読みモードにおいて表示される背景画像が通常モードにおいて表示される背景画像に比べて、異なるオブジェクトが含まれた背景画像となっている。従って、実行された先読みモードにより、遊技者に対して大当たり遊技への期待度を認識させることができる。また、通常モードにおいて表示される背景画像と比較して、弱先読みモードにおいて表示される背景画像は遊技者に共通性を認識させる背景画像であるのに対して、強先読みモードで表示される背景画像は全く異なる背景画像であるから、遊技者に対して、強先読みモード実行中における変動演出への新鮮さを与え、遊技の興趣が向上する。
また、本実施形態によれば、前記演出モード移行手段は、前記第1の特殊演出モードに移行させる際は変動表示されている前記演出図柄が停止表示された後に移行させ、前記第2の特殊演出モードに移行させる際は変動表示されている前記演出図柄が停止表示される前に移行させることが可能である。
当該構成によれば、弱先読みモードにおいては通常モードと比べて、背景画像を類似する背景画像に変更するのみで、装飾図柄の態様は共通しているため、装飾図柄の停止表示前に変更しても遊技者に違和感や不快感を与える可能性が低く、装飾図柄の停止表示前であってもモード移行が実行しやすい。これに対して、強先読みモードにおいては通常モードと比べて、背景画像が異なるばかりでなく、装飾図柄の態様も異なっており、装飾図柄の停止表示前に変更すると遊技者に違和感や不快感を与えるおそれが高い。従って、強先読みモードへの移行は、装飾図柄の停止表示後とすることで遊技者が違和感や不快感を感じることを防ぐことができる。
本実施形態によれば、始動条件の成立により特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段と、前記特別遊技判定の権利を保留可能な保留手段と、演出を行わせる演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記権利が保留されていることを示す保留図柄を表示手段に表示させる保留表示制御手段と、前記権利が消化された後においても当該権利に応じた当該権利図柄を表示させる当該権利表示制御手段と、前記特別遊技判定の結果に基づいて、当該結果を示唆する予告演出を演出手段に行わせる予告演出制御手段と、を有し、前記当該権利表示制御手段は、特定の当該権利図柄を表示させることが可能であり、前記予告演出制御手段は、前記特定の当該権利図柄を用いて前記予告演出を行わせることが可能である。なお、特別遊技判定手段は図4を参照して大当たり抽選を行う主制御部401に相当する。また、保留手段は、図4を参照して大当たり抽選の権利を所定数を上限として保留し、特図保留情報をRAM413に記憶させる主制御部401に相当する。また、演出制御手段は、図12を参照して変動演出を実行する演出制御部403に相当する。
当該構成によれば、特定の権利画像を用いて、特図判定の結果の結果を示唆する予告演出が実行可能であるため、権利画像として特定の権利画像が表示されることで、遊技者に対して、当該特定の権利図柄(権利画像)に対応付けられた予告演出が実行されうることを認識させることができる。また、予告演出を可動役物を用いた演出とすれば、可動役物を用いた演出は遊技者の興趣を向上させるものであるところ、権利図柄を用いて、その可動役物が作動しうることを示唆する演出が実行されることで、より長期間に渡って遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、前記予告演出制御手段は、前記特定の当該権利図柄が表示されていないとき、前記特定の当該権利図柄を用いないで前記予告演出を行わせる。
当該構成によれば、特定の権利図柄の表示の有無を問わず、任意のタイミングで予告演出を実行することができる。予告演出を可動役物を用いた演出とすれば、前触れなく可動役物を作動させることで、遊技者の興趣を急激に向上させることができる。
///第2実施形態///
第1実施形態において、連動演出又は擬似連動演出は、特定の権利画像を用いて予告演出の実行又は非実行を示唆する演出であることとしたが、本実施形態では、特定の保留画像を用いて予告演出の実行又は非実行を示唆する演出であることとして説明する。
すなわち、第1実施形態では、連動演出又は擬似連動演出に用いられる画像は、連動演出又は擬似連動演出が実行される特別図柄の変動表示期間において、権利画像表示領域PR1に表示される特定の権利画像であることとしたが、本実施形態では、連動演出又は擬似連動演出が実行される特別図柄の変動表示期間において、保留画像表示領域に表示される特定の保留画像であることとする。
本実施形態の連動演出は、具体的には予告演出C−1、C−2に夫々対応付けられた特定の保留画像が、保留画像表示領域から可動役物130a又は130b近傍の所定領域に向かって移動し、到達するまでの演出である。従って、特定の保留画像が、保留画像表示領域から可動役物130a又は130bに近づく演出が実行されると、その特定の保留画像が、可動役物130a又は130b近傍の所定領域に到達することにより可動役物130a又は130bが作動し得ることが示唆され、遊技者に対して可動役物130a又は130bの作動の期待感を与えることができ、遊技の興趣が向上する。
図62は予告演出に対応付けられた特定の保留画像を示す図であり、図62(a)は予告演出C−1に対応付けられた保留画像QC1を示し、図62(b)は予告演出C−2に対応付けられた保留画像QC2を示す。保留画像QC1は権利画像PC1に対応する画像であり、保留画像QC2は権利画像PC2に対応する画像である。本実施形態においては、図53及び図62を参照して分かるように、保留画像QC1と権利画像PC1とは図柄が共通する画像であり、保留画像QC2と権利画像PC2とは図柄が共通する画像である。
本実施形態において、図50に示す連動演出D−1は、保留画像QC1を用いて予告演出C−1の実行を示唆する演出であり、連動演出D−2は、保留画像QC2を用いて予告演出C−2の実行を示唆する演出である。以下、連動演出D−1及びD−2の具体的内容について一例を説明する。
図63及び図64は連動演出D−1及び予告演出C−1の関係を示す図である。なお、図63及び図64においては画像表示部104における装飾図柄の変動表示の図示を省略している。また、保留表示領域QR1〜QR4はこの順に特図判定の権利消化の優先順位が高い。図63(a)に示すように、保留画像表示領域QR2に保留画像QC1が表示された後、連動演出D−1として、図63(b)に示すように、保留画像QC1が保留画像表示領域QR2から可動役物130a近傍の所定領域GR1に向かって移動を開始する演出が実行される。
さらに、連動演出D−1として、図64(a)に示すように、保留画像QC1が所定領域GR1に到達し、保留画像QC1が消滅する演出が実行されると、その後、予告演出C−1として、図64(b)に示すように可動役物130aが作動する。なお、保留画像表示領域QR2に表示される保留画像は、当該保留画像に対応する特図判定の権利が保留されていることを示す画像であり、その権利は消滅しないため、連動演出D−1にて保留画像QC1を用いたとしても、保留画像表示領域QR2には何らかの保留画像を表示する必要がある。従って、例えば図64(b)〜(d)に示すように、保留画像QC1を用いて以降は、通常の保留画像を保留画像表示領域QR2に表示することとすればよい。
図65及び図66は連動演出D−2及び予告演出C−2の関係を示す図である。なお、図65及び図66においては画像表示部104における装飾図柄の変動表示の図示を省略している。図65(a)に示すように、保留画像表示領域QR2に保留画像QC2が表示された後、連動演出D−2として、図65(b)に示すように、保留画像QC2が保留画像表示領域QR2から可動役物130b近傍の所定領域GR2に向かって移動を開始する演出が実行される。
さらに、連動演出D−2として、図66(a)に示すように、保留画像QC2が所定領域GR2に到達し、保留画像QC2が消滅する演出が実行されると、その後、予告演出C−2として、図66(b)に示すように可動役物130bが作動する。なお、保留画像表示領域QR2に表示される保留画像は、当該保留画像に対応する特図判定の権利が保留されていることを示す画像であり、その権利は消滅しないため、連動演出D−2にて保留画像QC2を用いたとしても、保留画像表示領域QR2には何らかの保留画像を表示する必要がある。従って、例えば図66(b)〜(c)に示すように、保留画像QC2を用いて以降は、通常の保留画像を保留画像表示領域QR2に表示することとすればよい。
本実施形態において、図50に示す擬似連動演出D−3は、保留画像QC1を用いて予告演出C−1の非実行を示唆する演出であり、擬似連動演出D−4は、保留画像QC2を用いて予告演出C−2の非実行を示唆する演出である。以下、擬似連動演出D−3及びD−4の具体的内容について一例を説明する。
図67は擬似連動演出D−3を示す図である。なお、図67においては画像表示部104における装飾図柄の変動表示の図示を省略している。図67(a)に示すように、保留画像表示領域QR2に保留画像QC1が表示された後、擬似連動演出D−3として、図67(b)に示すように、保留画像QC1が保留画像表示領域QR2から可動役物130a近傍の所定領域GR1に向かって移動を開始する演出が実行される。さらに、擬似連動演出D−3として、図67(c)に示すように、保留画像QC1が所定領域GR1に到達することなく落下する演出が実行される。なお、図67(b)に示す演出中に、擬似連動演出D−3として可動役物130aを微動させる演出を実行することとしてもよい。当該可動役物130aの微動演出により、保留画像QC1が所定領域GR1に到達することに対する遊技者の期待感を高めることができる。また、保留画像表示領域QR2に表示される保留画像は、当該保留画像に対応する特図判定の権利が保留されていることを示す画像であり、その権利は消滅しないため、擬似連動演出D−3にて保留画像QC1を用いたとしても、保留画像表示領域QR2には何らかの保留画像を表示する必要がある。従って、例えば図67(b)〜(c)に示すように、保留画像QC1を用いて以降は、通常の保留画像を保留画像表示領域QR2に表示することとすればよい。
図68は擬似連動演出D−4を示す図である。なお、図68においては画像表示部104における装飾図柄の変動表示の図示を省略している。図68(a)に示すように、保留画像表示領域QR2に保留画像QC2が表示された後、擬似連動演出D−4として、図68(b)に示すように、保留画像QC2が保留画像表示領域QR2から可動役物130b近傍の所定領域GR2に向かって移動を開始する演出が実行される。さらに、擬似連動演出D−4として、図68(c)に示すように、保留画像QC2が所定領域GR2に到達することなく落下する演出が実行される。なお、図68(b)に示す演出中に、擬似連動演出D−4として可動役物130bを微動させる演出を実行することとしてもよい。当該可動役物130bの微動演出により、保留画像QC2が所定領域GR2に到達することに対する遊技者の期待感を高めることができる。また、保留画像表示領域QR2に表示される保留画像は、当該保留画像に対応する特図判定の権利が保留されていることを示す画像であり、その権利は消滅しないため、擬似連動演出D−4にて保留画像QC2を用いたとしても、保留画像表示領域QR2には何らかの保留画像を表示する必要がある。従って、例えば図68(b)〜(c)に示すように、保留画像QC2を用いて以降は、通常の保留画像を保留画像表示領域QR2に表示することとすればよい。
本実施形態においては、連動演出又は擬似連動演出に用いられる特定の保留画像として、保留画像表示領域QR2に表示される特定の保留画像を用いることとしたが、これに限られるものではなく、保留画像表示領域QR1〜QR4のいずれかに表示される特定の保留画像を用いることとすればよい。例えば、連動演出又は擬似連動演出の実行を決定した際に、どの保留画像表示領域に表示された特定の保留画像を用いるかを決定する処理を実行し、それ以降の始動条件の成立によって当該保留画像表示領域に特図判定の権利が保留されていることを示す保留画像を表示する際に、連動演出又は擬似連動演出で用いられる特定の保留画像を表示することとすればよい。
いずれの保留画像表示領域に、特定の保留画像を表示するかを示す情報は、連動演出又は擬似連動演出に対応付けられて演出内容情報に含めてRAM433に記憶される。ステップS20005において、CPU431は、演出内容情報を参照し、その後の始動条件の成立に基づく特図判定の権利が保留されていることを示す保留画像を表示する位置が、演出内容情報に含まれる連動演出又は擬似連動演出に対応付けられた特定の保留画像を表示すべき位置と一致するか否かを判定し、一致する場合には、当該特定の保留画像を表示する。なお、連動演出又は擬似連動演出が実行される直前に、所定の保留画像表示位置に表示された保留画像(例えば通常の保留画像)を特定の保留画像に変化させる保留画像変化演出を実行することとしてもよい。
また、演出内容事前決定処理において、予告演出は実行するが連動演出を実行しないと決定した場合、或いは、予告演出及び擬似連動演出を実行しないと決定した場合において、事前判定対象の変動開始コマンドを受信した際に、演出開始処理S20007において、保留画像表示領域QR1〜QR4に表示されている保留画像を特定し、表示されている保留画像の中に、実行される予告演出に対応付けられた連動演出で用いることが可能な特定の保留画像が存在し、或いは、擬似連動演出に用いることが可能な特定の保留画像が存在する場合に、その特定の保留画像を用いた連動演出又は擬似連動演出を実行するか否かを判定し、実行を決定してもよい。
本実施形態によれば、始動条件の成立により特別遊技を行うか否かの特別遊技判定を行う特別遊技判定手段と、前記特別遊技判定の権利を保留可能な保留手段と、演出を行わせる演出制御手段と、を備え、前記演出制御手段は、前記権利が保留されていることを示す保留図柄を表示手段に表示させる保留表示制御手段と、前記特別遊技判定の結果に基づいて、当該結果を示唆する予告演出を演出手段に行わせる予告演出制御手段と、を有し、前記保留表示制御手段は、特定の保留図柄を表示させることが可能であり、前記予告演出制御手段は、前記特定の保留図柄を用いて前記予告演出を行わせることが可能である。なお、特別遊技判定手段は図4を参照して大当たり抽選を行う主制御部401に相当する。また、保留手段は、図4を参照して大当たり抽選の権利を所定数を上限として保留し、特図保留情報をRAM413に記憶させる主制御部401に相当する。また、演出制御手段は、図12を参照して変動演出を実行する演出制御部403に相当する。
当該構成によれば、特定の保留画像を用いて、特図判定の結果の結果を示唆する予告演出が実行可能であるため、保留画像として特定の保留画像が表示されることで、遊技者に対して、当該特定の保留図柄(保留画像)に対応付けられた予告演出が実行されうることを認識させることができる。また、予告演出を可動役物を用いた演出とすれば、可動役物を用いた演出は遊技者の興趣を向上させるものであるところ、保留図柄を用いて、その可動役物が作動しうることを示唆する演出が実行されることで、より長期間に渡って遊技者の興趣を向上させることができる。
また、本実施形態によれば、前記予告演出制御手段は、前記特定の保留図柄が表示されていないとき、前記特定の保留図柄を用いないで前記予告演出を行わせる。
当該構成によれば、特定の保留図柄の表示の有無を問わず、任意のタイミングで予告演出を実行することができる。予告演出を可動役物を用いた演出とすれば、前触れなく可動役物を作動させることで、遊技者の興趣を急激に向上させることができる。
///補足事項///
上記第1実施形態では、図50に示す演出内容決定テーブルにおいて、基本演出及び予告演出が別構成とされ、夫々に異なる判定値が割り当てられることとしたが、予告演出が基本演出に含まれる構成であってもよい。例えば基本演出として、予告演出C−1を含む基本演出と、予告演出C−2を含む基本演出と、予告演出を含まない基本演出に対して、夫々判定値S3を割り当てることとしてもよい。当該構成において、図48のステップS20004−4−2及びS20004−4−3の処理の代わりに、基本演出に予告演出が含まれるか否かを判定する処理、及び、基本演出に予告演出が含まれる場合にどの予告演出であるか否かを特定する処理を実行し、ステップS20004−4−4に進むこととすればよい。
上記第1実施形態では、連動演出及び擬似連動演出を特定の権利画像を用いた演出とし、第2実施形態では、連動演出及び擬似連動演出を特定の保留画像を用いた演出としたが、連動演出及び擬似連動演出は、両実施形態を組み合わせて、特定の権利画像及び特定の保留画像を用いた演出の双方が含まれてもよい。例えば、予告演出の実行が決定された後、連動演出を実行するか否かを決定する処理において、特定の権利画像を用いた連動演出と、特定の保留画像を用いた連動演出と、連動演出非実行のいずれかが決定されることとすればよい。
また、上記各実施形態では、連動演出及び擬似連動演出として、特定の権利画像又は特定の保留画像が、権利画像表示位置又は保留画像表示位置から、可動役物近傍の所定領域に向かって移動する演出を実行することとしたが、特定の権利画像又は特定の保留画像を用いて実行される連動演出及び擬似連動演出であればこれに限られるものではない。例えば、予告演出C−1に対応付けられる連動演出として、「剣よ開け」との文字画像を含む特定の権利画像又は特定の保留画像を予告演出C−1実行前に表示し、当該表示が行われた後に、予告演出C−1が実行されることとしてもよい。
また、上記各実施形態では、擬似連動演出として、特定の権利画像又は特定の保留画像が可動役物近傍の所定領域に到達することなく落下する演出が実行されることとしたが、予告演出が実行されない場合であっても、擬似連動演出として、特定の権利画像又は特定の保留画像を可動役物近傍の所定領域に到達させる演出を実行することとしてもよい。
また、上記各実施形態では、擬似連動演出として、特定の権利画像又は特定の保留画像が可動役物近傍の所定領域に到達することなく落下する演出が実行されることとしたが、落下先を、保留画像が表示されたいずれかの保留画像表示領域とし、保留画像表示領域に到達した場合に、当該保留画像を他の保留画像の変更する保留画像変化演出を実行可能としてもよい。
///変形等///
本発明の実施形態は、特許請求の範囲に示された技術的思想の範囲内において、適宜、種々の変更が可能である。以上の実施形態は、あくまでも、本発明の実施形態の例であって、本発明ないし各構成要件の用語の意義は、以上の実施形態に記載されたものに制限されるものではない。上述の説明文中に示した具体的な数値は、単なる例示であって、当然の如く、それらを様々な数値に変更することができる。
また、上述の実施形態では、本発明を旧第一種タイプのパチンコ遊技機に適用した例を説明したが、本発明を、それ以外のタイプ(例えば旧一種二種混合タイプ)のパチンコ遊技機に適用しても良いし、パチンコ遊技機に分類されない、スロットマシンなどの他の遊技機に適用しても良い。パチンコ遊技機では、遊技媒体として遊技球が用いられるが、スロットマシンではコインが遊技媒体として用いられる。
また、各フローチャートに関し、上述した処理の順序は単なる一例に過ぎず、本発明の範囲を逸脱しない範囲で、任意に複数の処理の実行順序を変更できる又は複数の処理を並列に実行できる。