JP5907389B2 - 離型フィルム付き銅箔、および、銅箔 - Google Patents

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本発明はプリント配線板用途やタッチパネル用途に好適に使用される離型フィルム付き銅箔および剥離することで得られる銅箔に関する。
コンピュータのマイクロプロセッサ等として使用される半導体集積回路素子(以下、「半導体素子」と称する)は、近年、高性能化、多機能化が進んでいる。このため、半導体素子の端子間ピッチは狭ピッチ化が求められており、半導体素子が搭載されるプリント配線板であるパッケージ基盤等も配線パターンの微細化が求められている。
プリント配線板の配線パターンを形成する方法は、例えばサブトラクティブ法やセミアディティブ法がある。サブトラクティブ法は全面に銅箔を張られたパッケージ基盤から、不要な部分を取り除いて回路を形成する方法であり、配線として残したい部分にインクや塗料を塗布して覆い、金属腐食性の薬品でエッチングさせて必要な回路を形成する方式である。一方、セミアディティブ法は絶縁体基盤に回路パターンを後から付け加える方法であり、パターンを形成しない部分にレジストを形成し、レジストのない部分に電解または無電解めっきを施すことでパターンを形成する方法である。配線材料には銅箔が好適に用いられるが、どちらの方法でも配線パターンを微細化するためには銅箔の厚みを薄くすることや表面粗さが小さいことなどが求められる。
一般に銅箔の製造には圧延加工による方法と電解による方法などがある。
圧延加工による製造方法は、ある一定の幅を持った複数のロールを回転させ、それらのロール間に銅板を通すことで銅板に圧力を加えて薄く伸ばす方法である。圧延加工によって作製された銅箔(以下、圧延銅箔)には表面粗さが制御されたものがある。(例えば特許文献1)圧延ロールの表面粗さを変化させることで作製された圧延銅箔の表面粗さを変化させるものである。圧延銅箔の表面は圧延ロール表面の転写によるものであり、表面粗さも圧延ロールの表面粗さに依存する。
一方、電解による製造方法は回転する金属ドラムに銅を電着させる方法である。電解法ではキャリア箔の表面に接合界面層を介して銅箔を形成する方法がある。(例えば特許文献2)キャリア箔の上に薄膜形成手段を用いて有機系の接合界面層を形成し、次いでこの界面層の上に電解法で銅箔を形成する方法である。電解法で作製した銅箔では表面粗さRaが0.3μm程度の銅箔が得られる。
また、この他の銅箔の製造方法にキャリア箔の表面に接合界面層を介して物理蒸着法によって銅箔層を形成する方法がある。(例えば特許文献3、4)キャリア箔の接合界面層にグラファイト構造などの炭素層とチタン層を含み、スパッタリング法や電子ビーム法で銅箔を形成する方法である。この方法で作製した銅箔の表面は接合界面層を含めたキャリア箔の表面粗さに依存するため、表面粗さRaは0.3μm程度である。
特開2012−106283号公報 特開2001−62955号公報 特開2007−307767号公報 特開2008−255462号公報
しかしながら、回路パターンの形成はエッチング液を用いて銅箔を表面から溶解することよって形成されるため、銅箔の表面粗さや厚みは回路の形成性、特にパターンの直線性に影響する。実際、厚みが2〜5μmで表面粗さRaが0.2〜0.4μmの銅箔を用いても数μmオーダーのライン&スペースの微細パターンを作製することは極めて困難である。特に回路パターンの直線性には表面粗さの影響が大きい。このような微細パターンを作製するには厚みが5μm以下でかつ表面粗さRaが0,1μm以下の銅箔である必要がある。
特許文献1のような圧延箔は、薄くしようとするほど機械強度が低下するため、薄膜化が難しく10μm以下の厚みの銅箔を作るのは極めて困難である。また、ロールからの転写によって圧延方向(流れ方向)に無数の縦スジが生じている。したがって表面粗さも圧延方向に対しては低く制御できるが、圧延方向と垂直な方向には制御できず、厚みが5μm以下でかつ表面粗さRaが0,1μm未満であるような銅箔を作製することが出来ない。
特許文献2のような電解箔は、キャリア箔を用いているために5μm以下の銅箔を作製できるが、電解箔は液相中で作製するので表面粗さの制御が難しく、Raが0.2μm以下の銅箔を作製することができない。
特許文献3、4のような物理蒸着法によって作製された銅箔は、5μm以下の厚みの薄い銅箔を作製することが可能であるが、キャリアに銅箔のような金属箔を用いており、上記のように金属箔は表面粗さRaが0.2μmより大きいため、作製された銅箔も表面粗さRaが0.2μmより大きくなる。
そこで本発明では、フィルムを用いて物理蒸着法によって作製することによってライン&スペースの微細パターンを作製できるような銅箔を作製することを目的とした。
本発明者らは、上記の課題に鑑み鋭意検討した結果、真空蒸着法を用いて蒸着を行い、基材を選択することによって、膜厚が薄く表面粗さが小さい銅箔を得るに至った。
すなわち、本発明は、フィルムの一方の面に剥離層を設け、該剥離層のフィルムと接していない面に銅層を設けた離型フィルム付き銅箔であって、該銅箔の厚みが0.5μm以上5.0μm以下であり、かつ該銅箔の該剥離層と接していない面の表面粗さRaが0.1μm以下であることを特徴とする離型フィルム付き銅箔に関する。
好ましい実施態様は、前記記載のフィルムと銅箔との剥離力が1.0g/cm以上5.0g/cm以下であることを特徴とする離型フィルム付き銅箔に関する。
好ましい実施態様は、前記記載の銅箔が真空蒸着法によって形成されたことを特徴とする離型フィルム付き銅箔に関する。
好ましい実施態様は、前記記載の剥離層がアミノ樹脂であることを特徴とする離型フィルム付き銅箔に関する。
好ましい実施態様は、前記記載の銅箔の、剥離層と接している面の表面粗さRaが0.1μm以下であることを特徴とする離型フィルム付き銅箔に関する。
さらに、本発明は、前記記載の離型フィルム付き銅箔から銅層のみを剥離することで得られる銅箔に関する。
本発明の離型フィルム付き銅箔および剥離することで得られる銅箔は厚みが薄くその表面が平滑なものであり、ピッチ幅の狭いプリント配線板の配線板が得られる。加えて本発明で得られた銅箔は表面抵抗が小さく高周波用途にも好適に用いることができる。
離型フィルム付き銅箔の断面模式図である。
本発明について以下に説明する。
本発明の離型フィルム付き銅箔は、フィルム、剥離層および銅層がこの順に形成されているものである。
本発明で用いられるフィルムは、ポリエチレンテレフタラートフィルム等のポリエステルフィルム、ポリエチレンフィルムやポリプロピレンフィルム等のポリオレフィンフィルム、またはポリイミドフィルムなどが例示される。かかるフィルムは耐熱性の観点からポリエチレンテレフタラートフィルム、ポリイミドフィルムなどが好適である。
またかかるフィルムの厚みは特に限定されるものではないが、例えばポリエチレンテレフタラートフィルムを用いた場合、5μm以上200μm以下の厚みが用いられる。より好ましくは25μm以上100μm以下である。
本発明ではフィルムの一面に剥離層が設けられており、フィルムと剥離層を含めて基材としている。剥離層はかかる剥離層の上に銅層が形成することができればよく、銅層形成後に該銅層とフィルムを剥がすことが出来ればよい。また、剥離した銅層に回路パターンを形成する際に銅層を溶解する方法が用いられ、その溶解には、例えば、塩化第二鉄、塩化第二銅、硫酸加水などのエッチング液が好適に用いられるが、溶解した銅成分とともにエッチング液中に剥離層の成分が混入して汚染しまうことがある。剥離層に、シリコン樹脂やセルロース樹脂、フッ素樹脂を用いるとエッチング液の汚染に伴い、溶解速度の減少やパターン形成性の悪化をまねくおそれがある。上記の理由から、該剥離層に用いられる樹脂としては、アミノ樹脂が好ましい。アミノ樹脂にはユリア樹脂、メラミン樹脂、アニリン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂などがあり、特に限定はされないが、分解温度や揮発性の観点からメラミン樹脂が特に好ましい。
かかる剥離層をフィルムへ塗布する方法はコーティング方法などが例示されるが特に限定はされない。コーティング方法は、グラビアコータ、コンマコータ、リバースコータ、スリットダイコータなどが用いられる。
かかる剥離層の厚みが0.1μm未満であると、剥離層が基材表面を十分に覆っていない可能性があり、銅層とフィルムを剥離するときの剥離力が大きくなってしまい、剥離できなくなる可能性がある。また、剥離層の厚みが2.0μmを超えると真空蒸着を行って銅層を形成する際に、剥離層が気化することによって金属層中にピンホールなどの欠点を生じせしめるおそれがある。よって好ましい剥離層の厚みは0.1μm以上2.0μm以下である。
かかる剥離層のフィルムと接していない面の表面粗さは、真空蒸着によって形成される金属層の表面粗さに影響を及ぼす。例えば、金属層の剥離層と接している面は剥離層の表面が転写され、また金属層は面厚みがほぼ一定であるため、金属層の該剥離層と接していない面も剥離層の表面粗さに依存することとなる。したがって剥離層のフィルムに接していない面の表面粗さRaは0.1μm以下であることが好ましい。
本発明における銅層は表面粗さが低く作製するため物理蒸着法で形成されることが好ましい。ここで物理蒸着法には真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法があるが、数百nmから数μmの厚みを作製する場合、基材にうける熱を考慮すると真空蒸着法によって形成されることがより好ましい。真空蒸着法の加熱方式には、るつぼ加熱方式、高周波加熱方式、抵抗加熱方式、エレクトロンビーム加熱方式などがあるが、特に限定はされない。また、これらの方式は単独で用いてもまた複合して用いてもよい。また蒸着中に基材を冷却しながら蒸着を行ってもよい。
かかる銅層は単層で形成されてもよいし、複数の層で形成されていてもよい。また耐表面酸化の観点から銅層の表面にニッケル層を設けてもよいし、またクロメート処理やシランカップリング処理を施してもよい。
また、かかる銅層の厚みはが0.5μm以上5.0μm以下であること必要がある。5.0μmを超えると銅層自体の反りにより、自然に剥離してしまうおそれがある。また基材にかかる熱量も大きくなり、基材に熱変形が生じてしまうおそれがある。厚みが0.5μm未満であると銅層中のピンホールやボイドなどの欠陥が増えるため好ましくない。好ましくは0.5μm以上4.0μm以下、さらに好ましくは0.5μm以上3.0μm以下である。
本発明の離形フィルム付き銅箔は、剥離層と接していない面の銅層の表面粗さRaが0.1μm以下であることが望ましい。0.1μmを超えるとエッチングによって回路パターンを形成したときの目的とする幅に対しての誤差が大きくなる。より好ましくは0.05μm以下である。また剥離層と接している面の銅層の表面粗さRaは0.1μm以下であることが好ましい。表面粗さは低ければ低いほどよいが0.001μm未満にすることは測定上では不可能である。
また本発明の離形フィルム付き銅箔は、常態での該フィルムと銅層との剥離力が1.0g/cm未満であると銅層が自然剥離してしまうおそれがある。5.0g/cmを超えると剥離中に銅層が裂けてしまったり剥離した銅層に剥離層が付着したりする恐れがある。よって状態での銅層とフィルムの剥離力は1.0g/cm以上5.0g/cm以下が好ましい。

本発明で得られた銅箔はエッチングによってピッチ幅の狭いパターンを作製することが出来る。
本発明で作製した銅箔は回路用途に限られず、例えば電磁波用途、高周波回路用途、タッチパネル用途や転写箔の用途に用いることが出来る。
なお、本発明は、以上説明した各構成に限定されるものではなく、種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。
(剥離力の測定)
離形フィルム付き銅箔を150cm×20cmの大きさにカットした。カットしたサンプルの金属層とフィルムを剥離層を介して一部剥離してテンシロンで剥離力を測定した。フィルムの方向は任意とした。フィルムをテンシロンに固定して金属層を180°ピールで剥離して得られた値を1cmに換算して剥離力とした。
(表面粗さの測定)
表面粗さRaはJIS B 0601-1994に定義される算術平均粗さのことであり、粗さ曲線からその平均線の方向に基準粗さ(l)だけ抜き取り、この抜き取り部分の平均線の方向にX軸を、X軸と直行する方向にY軸を取り、粗さ曲線をy=f(x)であらわしたときに、次の式によって求められる値である。
Figure 0005907389
離形フィルム付き銅箔を10cm×10cmの大きさにカットした。カットしたサンプルはレーザー顕微鏡(VK-8500、キーエンス製)を用いて表面観察を行いJIS B0601-1994に準拠して行った。株式会社キーエンス製の超深度形状測定顕微鏡VK-8500および付属の画像計測・解析ソフトVK-H1Wを用い、カットオフ値は0.25μmとした。該ソフトにおいて、「計測」、「表面粗さ」の順に選択し、100μmの長さを指定して表面粗さRaを求めた。測定はサンプルのある一方向とその垂直な方向で測定して値の大きな方を表面粗さRaとした。表面粗さRaは金属層の剥離層と接している面と接していない面の両方を測定した。
(パターン精度の測定)
得られた離形フィルム付き銅箔の金属面にレジストマスクを用いてエッチングを行い、L/S=50/50μmの回路パターンを作製した。エッチングはノズル噴射型のエッチングマシンを用い、ノズル噴射圧力を0.05MPaとして30秒間エッチングした。得られた回路パターンを金属顕微鏡で観察し、パターン方向100μmに対して該パターン方向と垂直な方向の振れ幅を測定しパターン精度とした。
(実施例1)
厚さ75μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、タイプ名T−60)に、グラビアコータ法でメラミン樹脂を1.0μmの厚さにコーティングし、剥離層をもつフィルムを作成した。このフィルムのメラミン樹脂コート面に、成膜速度20μm/min、ライン速度5m/minで銅を4.0μmの厚さにエレクトロンビーム加熱方式で真空蒸着した。離形フィルム付き銅箔を剥離したところ、剥離力は1.5g/cmであった。銅箔の表面粗さRaは基材と接している面が0.01μm、基材と接していない面が0.03μmであった。エッチングによりパターンを形成したところパターンの精度は±0.2μmであった。
(実施例2)
厚さ100μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、タイプ名T−60)に、コンマコータ法でメラミン樹脂を0.5μmの厚さにコーティングし、剥離層をもつフィルムを作成した。このフィルムのメラミン樹脂コート面に、スパッタリング方式で20nmの厚さの銅を作製した後、成膜速度20μm/min、ライン速度6.7m/minで銅を合計3.0μmの厚さになるように誘導加熱方式で真空蒸着した。離形フィルム付き銅箔を剥離したところ、剥離力は9.8g/cmであった。銅箔の表面粗さRaは基材と接している面が0.03μm、基材と接していない面が0.03μmであった。エッチングによりパターンを形成したところパターンの精度は±0.3μmであった。
(実施例3)
厚さ50μmの2軸延伸されたポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製、タイプ名Kapton EN)に、リバースコータ法でメラミン樹脂を1.5μmの厚さにコーティングし、剥離層をもつフィルムを作成した。このフィルムのメラミン樹脂コート面に、成膜速度10μm/min、ライン速度20m/minで銅を0.5μmの厚さにエレクトロンビーム加熱方式で真空蒸着した後、メッキ法を用いて電解めっき膜を形成し厚みを成長させ金属層の厚みを3μmとした。離形フィルム付き銅箔を剥離したところ、剥離力は1.4g/cmであった。銅箔の表面粗さRaは基材と接している面が0.01μm、基材と接していない面が0.03μmであった。エッチングによりパターンを形成したところパターンの精度は±0.9μmであった。
(実施例4)
厚さ75μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、タイプ名T−60)に、スリットダイコータ法でシリコン樹脂を1.0μmの厚さにコーティングし、剥離層をもつフィルムを作成した。このフィルムのシリコン樹脂コート面に、成膜速度15μm/min、ライン速度5m/minで銅を3.0μmの厚さにエレクトロンビーム加熱方式で真空蒸着した。離形フィルム付き銅箔を剥離したところ、剥離力は1.5g/cmであった。銅箔の表面粗さRaは基材と接している面が0.08μm、基材と接していない面が0.09μmであった。エッチングによりパターンを形成したところパターンの精度は±0.9μmであった。
(実施例5)
厚さ75μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、タイプ名T−60)に、グラビアコータ法でメラミン樹脂を0.2μmの厚さにコーティングし、剥離層をもつフィルムを作成した。このフィルムのメラミン樹脂コート面に、成膜速度20μm/min、ライン速度5m/minで銅を4.0μmの厚さにエレクトロンビーム加熱方式で真空蒸着した。離形フィルム付き銅箔を剥離したところ、剥離力は1.6g/cmであった。銅箔の表面粗さRaは基材と接している面が0.15μm、基材と接していない面が0.08μmであった。エッチングによりパターンを形成したところパターンの精度は±0.8μmであった。
(実施例6)
厚さ50μmの2軸延伸されたポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製、タイプ名Kapton EN)に、グラビアコータ法でメラミン樹脂を2.0μmの厚さにコーティングし、剥離層をもつフィルムを作成した。このフィルムのメラミン樹脂コート面に、成膜速度10μm/min、ライン速度5m/minで銅を2.0μmの厚さにエレクトロンビーム加熱方式で真空蒸着した後、成膜速度10μm/min、ライン速度10m/minでニッケルを1μmの厚さに抵抗加熱方式で真空蒸着した。離形フィルム付き銅箔を剥離したところ、剥離力は1.6g/cmであった。銅箔の表面粗さRaは基材と接している面が0.01μm、基材と接していない面が0.05μmであった。エッチングによりパターンを形成したところパターンの精度は±0.3μmであった。
(比較例1)
厚さ75μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、タイプ名T−60)に、グラビアコータ法でメラミン樹脂を0.2μmの厚さにコーティングし、剥離層をもつフィルムを作成した。このフィルムのメラミン樹脂コート面に、成膜速度10μm/min、ライン速度30m/minで銅を0.33μmの厚さにエレクトロンビーム加熱方式で真空蒸着した。離形フィルム付き銅箔を剥離したところ、剥離力は0.9g/cmであった。銅箔表面にはボイドなどの欠陥が多く観察された。銅箔の表面粗さRaは基材と接している面が0.01μm、基材と接していない面が0.12μmであった。エッチングによりパターンを形成したところパターンの精度は±1.5μmであった。
(比較例2)
厚さ100μmの2軸配向ポリエチレンテレフタレートフィルム(東レ(株)製、タイプ名T−60)に、グラビアコータ法でメラミン樹脂を0.2μmの厚さにコーティングし、剥離層をもつフィルムを作成した。このフィルムのメラミン樹脂コート面に、成膜速度30μm/min、ライン速度3m/minで銅を10μmの厚さにエレクトロンビーム加熱方式で真空蒸着した。フィルムは熱変形してしまいフィルム上にシワが多発した。また得られた離形フィルム付き銅箔は金属層が自然剥離してしまった。銅箔の表面粗さRaは基材と接している面が0.02μm、基材と接していない面が0.04μmであった。自然剥離とシワの発生のため回路パターンを作製できずにパターン精度の評価は出来なかった。
(1) 金属層
(2) 剥離層
(3) フィルム
(4) 基材

Claims (5)

  1. フィルムの一方の面に剥離層を設け、該剥離層のフィルムと接していない面に銅層を設けた離型フィルム付き銅箔であって、該銅箔の厚みが0.5μm以上5.0μm以下であり、該剥離層がアミノ樹脂であり、該銅箔の該剥離層と接していない面の表面粗さRaが0.05μm以下であることを特徴とする離型フィルム付き銅箔。
  2. 該フィルムと銅箔との剥離力が1.0g/cm以上5.0g/cm以下である請求項1に記載の離型フィルム付き銅箔。
  3. 銅箔が真空蒸着法によって形成された請求項1または2に記載の離型フィルム付き銅箔。
  4. 銅箔の、剥離層と接している面の表面粗さRaが、フィルムのある一方向およびその一方向に垂直な一方向でいずれも0.05μm以下である請求項1〜のいずれかに記載の離型フィルム付き銅箔。
  5. 請求項1〜のいずれかに記載の離型フィルム付き銅箔から銅層のみを剥離することで得られることを特徴とする銅箔の製造方法
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