JP5907158B2 - 給湯制御システム - Google Patents

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Description

本発明は、貯湯タンクを有する複数のヒートポンプ給湯器が所定の対象エリアに設置されている状態において、これらの給湯器を制御する給湯制御システムに関するものである。
従来より、例えば特許文献1に示されるようなヒートポンプ給湯器が知られている。特許文献1のヒートポンプ給湯器は、冷凍サイクルを行う冷媒回路と、冷凍サイクルによって得られた温熱で加熱した水を蓄える貯湯タンクとを備える。温熱で水を加熱する運転を、沸き上げ運転と言う。
上記ヒートポンプ給湯器は、例えば集合住宅の各住戸に設置されている。そして、集合住宅には、各ヒートポンプ給湯器の沸き上げ運転を制御する制御システムが構築されている。
特開2012−207914号公報
上記制御システムでは、集合住宅内の全ヒートポンプ給湯器の消費電力量の合計値を抑えるために、沸き上げ運転の運転対象となるヒートポン給湯器を一定時間毎に決定する制御が行われる。しかし、上記制御では、沸き上げ運転の運転対象となるヒートポンプ給湯器は、一定時間の間固定されている。そのため、一定時間の間に、沸き上げ運転の運転対象外であって沸き上げ運転を行っていないヒートポンプ給湯器において、利用者によって温水が大量に使用されても、当該ヒートポンプ給湯器は沸き上げ運転を行うことができない。すると、当該ヒートポンプ給湯器が湯切れ状態に至る虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、ヒートポンプ給湯器の消費電力量の合計値の上昇を抑えつつ、湯切れ状態の発生を抑制することである。
第1の発明は、所定の対象エリア(15)に設置されそれぞれが貯湯タンク(75)を有する複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)、を制御する給湯制御システムであって、複数の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)のうち沸き上げ運転を行っていない上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b)の残湯量を検出する残湯量検出部(80〜85)と、沸き上げ運転を行っていない上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b)のうち上記残湯量が所定量未満である湯量不足給湯器(60a)がある場合、複数の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)のうち沸き上げ運転を行っている上記ヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)の少なくとも1台に対して沸き上げ運転を停止させる沸上停止制御を行うと共に、上記湯量不足給湯器(60a)に沸き上げ運転を開始させる沸上開始制御を行う運転制御部(41)とを備える。上記運転制御部(41)は、上記湯量不足給湯器(60a)の上記残湯量が検出された時から所定時間(tp)が経過するまでの間に上記沸上停止制御を行い、上記所定時間(tp)の経過後に上記沸上開始制御を行うことを特徴とする。
この給湯制御システム(40)は、残湯量が所定量未満となり湯量が不足傾向にある湯量不足給湯器(60a)がある場合、当該湯量不足給湯器(60a)に対し緊急的に沸き上げ運転を行わせる沸上開始制御のみならず、現在沸き上げ運転を行っているヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)の少なくとも1台に対し沸き上げ運転を停止させる沸上停止制御を行う。これにより、湯量不足給湯器(60a)が緊急的に沸き上げ運転を行っても、全てのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の消費電力量の合計値は上昇しない。従って、湯切れの発生及び消費電力量の上昇を抑制することができる
更に、ここでは、湯量不足給湯器(60a)がある場合、ヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)の少なくとも1台が沸き上げ運転を先に停止してから、湯量不足給湯器(60a)は沸き上げ運転を開始する。従って、全てのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の消費電力量の合計値の上昇をより確実に抑制することができる。
の発明は、第の発明において、上記運転制御部(41)は、上記沸上停止制御を行うことが可能な複数の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の統括制御部(43)と、上記統括制御部(43)と通信可能に接続されると共に各上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対応して設けられ、上記沸上停止制御に基づく制御または上記沸上開始制御を、対応する上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対して行うことが可能な複数の給湯器側制御部(50)とを有し、上記統括制御部(43)及び各上記給湯器側制御部(50)は、互いに所定通信間隔(tc)毎に通信を行い、上記所定時間(tp)は、上記所定通信間隔(tc)の2倍以上の長さであることを特徴とする。
統括制御部(43)及び給湯器側制御部(50)は、互いに所定通信間隔(tc)毎に通信を行う。そのため、湯量不足給湯器(60a)が発生した場合、当該湯量不足給湯器(60a)は統括制御部(43)にその旨の情報を送信するが、統括制御部(43)が他のヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)に対して沸き上げ運転の停止を指示するタイミングは、湯量不足給湯器(60a)が発生した旨の情報を受信してから所定通信間隔(tc)後となる。すると、他のヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)が沸き上げ運転を停止するよりも先に、湯量不足給湯器(60a)が沸き上げ運転を開始してしまい、一時的にヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値が上昇する虞がある。
これに対し、ここでは、沸上停止制御は、湯量不足給湯器(60a)の発生時から所定時間(tp)が経過するまでの間に行われ、沸上開始制御は、所定時間(tp)の経過後に行われる。更に、所定時間(tp)は、所定通信間隔(tc)の2倍以上の長さである。即ち、湯量不足給湯器(60a)が沸き上げ運転を開始するタイミングは、確実に他のヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)が沸き上げ運転を停止した後となる。従って、統括制御部(43)と給湯器側制御部(50)とが所定通信間隔(tc)毎に通信を行う場合において、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値の一時的な上昇は抑制される。
の発明は、第1の発明または第2の発明において、上記運転制御部(41)は、上記湯量不足給湯器(60a)が存在する際に沸き上げ運転を行っている上記ヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)が複数ある場合、該ヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)の残湯量が多い順に該ヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)を所定台数選び、選んだ該ヒートポンプ給湯器(60c)に対して上記沸上停止制御を行うことを特徴とする。
ここでは、沸き上げ運転の停止対象には、現在沸き上げ運転中のヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)のうち、残湯量の比較的多い給湯器が選択される。従って、沸き上げ運転の停止対象における湯切れの発生の可能性が低くなる。
本発明によれば、湯切れの発生及び消費電力量の上昇を抑制することができる。
また、本発明によれば、全てのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の消費電力量の合計値の上昇をより確実に抑制することができる。
上記第の発明によれば、統括制御部(43)と給湯器側制御部(50)とが所定通信間隔(tc)毎に通信を行う場合において、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値の一時的な上昇は抑制される。
また、上記第の発明によれば、沸き上げ運転の停止対象における湯切れの発生の可能性が低くなる。
図1は、本実施形態の給湯制御システム及びヒートポンプ給湯器が設けられた集合住宅の概略構成図である。 図2は、図1の給湯制御システムをより簡略化して表した模式図である。 図3は、ヒートポンプ給湯器の構成概略図である。 図4は、給湯制御システムの構成を模式的に示すブロック図である。 図5は、集合住宅に設けられたその他の電気機器の、評価時間帯毎の消費電力量の予測値(y(n))と、ヒートポンプ給湯器の沸き上げ運転に利用できる電力量ΔWとを示すグラフである。 図6は、中央サーバにおける統括制御部と各ヒートポンプ給湯器とが行う動作の経時的変化を表す図である。 図7は、緊急沸き上げ制御動作時に、中央サーバの統括制御部と各ヒートポンプ給湯器とが行う動作の経時的変化を表す図である。 図8は、推定した残湯量に基づくヒートポンプ給湯器の順位付けを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
≪実施形態≫
<概要>
図1は、本実施形態の給湯制御システム(40)及び複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,・・・)が設けられた集合住宅(15)の構成概略図である。図2は、図1の給湯制御システム(40)をより簡略化して表した図である。
図1,2の集合住宅(15)(対象エリアに相当)には、例えば100戸の住戸(15a,15b,15c,15d,15e,・・・)が設けられている。各住戸(15a,15b,15c,15d,15e,・・・)には、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が1台ずつ設置されている。
ここで、図1を用いて、集合住宅(15)の配電系統(20)について説明する。なお、図1では、2つの住戸(15a,15b)を例示しており、その内部に設けられた各種機器及び周囲機器の接続状態を表している。他の住戸(15c,15d,15e,・・・)においても、図1と同様の構成を有している。
図1に示すように、配電系統(20)には、受変電設備(21)が設けられている。受変電設備(21)は、幹線(22)を介して商用電源(10)に接続され、支線(23)を介して各住戸(15a,15b,・・・)の分電盤(24a,24b,・・・)に接続されている。受変電設備(21)は、共有部(16)に設置された電気器具(例えば、廊下の照明器具等)にも接続されている。受変電設備(21)は、商用電源(10)から例えば6600Vである高圧電力を受電すると、これを100Vや200Vへと降圧して各住戸(15a,15b,・・・)に供給する。各住戸(15a,15b,・・・)の分電盤(24a,24b,・・・)には、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,・・・)と、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,・・・)以外の電気器具(65a,65b,・・・)とが接続されている。
上記電気器具(65a,65b,・・)としては、図示はしていないが、空調機、冷蔵庫、洗濯機、電磁調理器、照明器具等が挙げられる。なお、電気器具(65a,65b,・・・)は、集合住宅(15)の配電系統(20)から電力を供給されて作動するものを意味する。従って、例えば乾電池等を電源として配電系統(20)から切り離された状態で作動する器具は、その他の電気器具(65a,65b,・・・)には含まれない。
図1,2に示すように、給湯制御システム(40)は、集合住宅(15)に設置された複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)を制御するシステムである。給湯制御システム(40)には、集合住宅(15)の外部に設置された中央サーバ(42)が含まれる。
図1に示すように、中央サーバ(42)は、通信ネットワーク(30)を介して基幹電力量計(35)及び光回線終端装置(34a,34b,・・・)と接続されている。基幹電力量計(35)は、1の集合住宅(15)に対応して1つ設置されている。基幹電力量計(35)は、幹線(22)に設けられ、商用電源(10)から集合住宅(15)へ供給される電力量(即ち、集合住宅(15)全体の消費電力量)を計測する。光回線終端装置(34a,34b,・・・)は、ルータ(33a,33b,・・・)、HUB(31a,31b,・・・)、通信アダプタ(32a,32b,32c,32d,32e,・・・)を介してヒートポンプ給湯器(60a,60b,・・・)に接続されている。また、HUB(31a,31b,・・・)には、個別電力量計(36a,36b,・・・)が更に接続されている。個別電力量計(36a,36b,・・・)は、各住戸(15a,15b,・・・)の分電盤(24a,24a,・・・)とヒートポンプ給湯器(60a,60b,・・・)とを繋ぐ配線に接続される。個別電力量計(36a,36b,・・・)は、自身が設けられた住戸(15a,15b,・・・)におけるヒートポンプ給湯器(60a,60b,・・・)の消費電力量を計測する。
上記給湯制御システム(40)は、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の消費電力量の予測、沸き上げ運転対象の設定及び沸き上げ運転制御等を行うが、その詳細構成及び詳細動作については後述する。
<ヒートポンプ給湯器>
−構成−
図3は、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の概略構成図である。
図2及び図3に示すように、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)は、冷媒回路(70)と貯湯タンク(75)とを有する。冷媒回路(70)は、蒸気圧縮冷媒サイクルを行うものであって、図3に示すように、圧縮機(71)、水熱交換器(72)、膨張弁(73)及び空気熱交換器(74)が順に配管で接続された閉回路にて構成されている。
圧縮機(71)は、ロータリー式またはスクロール式の全密閉型圧縮機である。水熱交換器(72)は、冷媒回路(70)が接続される一次側流路(72a)と、水回路(76)が接続される二次側流路(72b)とを有する。水熱交換器(72)は、二次側流路(72b)を流れる水と一次側流路(72a)を流れる冷媒との間で熱交換を行う。膨張弁(73)は、いわゆる電子膨張弁であって、冷媒回路(70)内に充填されている冷媒を減圧させる。空気熱交換器(74)は、冷媒回路(70)を流れる冷媒と、図示していない室外ファンによって供給された室外空気との間で熱交換させる。
貯湯タンク(75)は、起立状態で設置された円筒状の容器である。貯湯タンク(75)の容積は、例えば300〜500リットル程度である。貯湯タンク(75)には、水回路(76)が接続されている。水回路(76)は、一端が貯湯タンク(75)の下端付近に接続され、他端が貯湯タンク(75)の上端付近に接続される。水回路(76)には、水熱交換器(72)の二次側流路(72b)と、ポンプ(77)とが接続される。ポンプ(77)は、水熱交換器(72)の上流側に配置される。
貯湯タンク(75)には、給水管(78)と出湯管(79)とが接続されている。給水管(78)は、貯湯タンク(75)の下端付近に接続され、水道水を貯湯タンク(75)へ供給する。出湯管(79)は、貯湯タンク(75)の上端付近に接続され、貯湯タンク(75)内の温水を給湯栓や浴槽などへ向けて送り出す。
貯湯タンク(75)には、6つの温度センサ(80〜85)が設けられている。温度センサ(80〜85)は、貯湯タンク(75)の上下方向に等間隔で配置されている。具体的に、温度センサ(80)は、貯湯タンク(75)の上端部に設置され、温度センサ(85)は、貯湯タンク(75)の下端部に設置されている。
−沸き上げ運転−
上述した構成を有するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)は、貯湯タンク(75)内の水を加熱して温水を生成した後、当該温水を再び貯湯タンク(75)に戻す運転、即ち沸き上げ運転を行う。沸き上げ運転中は、圧縮機(71)及びポンプ(77)が作動する。
沸き上げ運転中は、冷媒回路(70)内を冷媒が循環し、冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮機(71)から吐出された冷媒は、水熱交換器(72)の一次側流路(72a)へ流入し、二次側流路(72b)を流れる水へ放熱する。放熱後の冷媒は、膨張弁(73)を通過する際に膨張してから空気熱交換器(74)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。空気熱交換器(74)を通過した冷媒は、圧縮機(71)へ吸入されて圧縮される。
また、沸き上げ運転中は、水回路(76)を水が流れる。ポンプ(77)は、貯湯タンク(75)の底部に存在する比較的低温(例えば約20℃)の水を吸い込み、水熱交換器(72)の二次側流路(72b)へ向けて吐出する。水熱交換器(72)の二次側流路(72b)へ流入した水は、その一次側流路(72a)を流れる冷媒によって加熱され、比較的高温(例えば約80℃)の高温水となる。水熱交換器(72)から流出した高温水は、貯湯タンク(75)の上部へ供給される。
貯湯タンク(75)は、常に内部空間が水で満たされた満水状態となっている。そのため、沸き上げ運転によって貯湯タンク(75)に高温水が供給されると、貯湯タンク(75)では、貯留された高温水の量が増えるにつれて、高温水の存在する領域が下方へ拡大する。従って、各温度センサ(80〜85)が検出した貯湯タンク(75)の上下方向における水の温度分布に応じて、貯湯タンク(75)内に存在する高温水の量(以下、残湯量)が検出されることとなる。
<給湯制御システム>
本実施形態に係る給湯制御システム(40)の構成について、図1〜図6を用いて説明する。図4は、給湯制御システム(40)の構成を模式的に示す図である。図5は、消費電力量の予測動作を説明するための図であって、その他の電気器具(65a,65b,・・・)全ての評価時間帯(te)毎の消費電力量の予測値(y(n))と、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の沸き上げ運転にて利用できる電力量(ΔW)とをグラフで示している。図6は、中央サーバ(42)における統括制御部(43)と各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)とが行う動作の経時的変化を表す図である。
図4に示すように、給湯制御システム(40)は、温度センサ(80〜85)(残湯量検出部に相当)と運転制御部(41)とを備える。
温度センサ(80〜85)それぞれは、図3に示すように、貯湯タンク(75)内の各位置での水の温度を検出する。これにより、上述したように、温度センサ(80〜85)は、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の残湯量、具体的には温度センサ(80〜85)自身が設けられた貯湯タンク(75)内の残湯量を検出することができる。
図4に示すように、運転制御部(41)は、中央サーバ(42)に含まれる統括制御部(43)、及び、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対応する給湯器側制御部(50)を有する。従って、統括制御部(43)は1つであるのに対し、給湯器側制御部(50)は複数存在している。
−統括制御部−
統括制御部(43)は、主にメモリ及びCPU等で構成され、集合住宅(15)内の複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)を統括制御する。統括制御部(43)は、通信状態判定部(44)、消費電力量予測部(45)、沸き上げ対象選定部(46)、運転指令部(47)及び沸き上げ停止対象決定部(48)として機能する。
通信状態判定部(44)は、図2に示す各住戸(15a,15b,15c,15d,15e,・・・)内のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)それぞれとの通信状態の確認動作、及び図1における各電力量計(35,36a,36b・・・)の測定結果のメモリ内への格納動作を行う。
通信状態の確認動作では、通信状態判定部(44)は、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の給湯器側制御部(50)に対し、通信を確認するための応答要求を送信するポーリング動作を行う。応答要求を送信してから所定通信間隔(tc)が経過した時に、当該応答要求に対する応答を任意のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の給湯器側制御部(50)から受信した場合、通信状態判定部(44)は、その給湯器側制御部(50)との通信は現時点では正常であると判断する。これらの動作は、図6で示す所定通信間隔(tc)毎に、統括制御部(43)及び各給湯器側制御部(50)との間で互いに行われる。つまり、通信状態判定部(44)が応答要求を送信した後、当該応答要求を受信した給湯器側制御部(50)は、応答要求の受信から所定通信間隔(tc)が経過したタイミングで中央サーバ(42)側に応答を送信する。通信状態判定部(44)は、給湯器側制御部(50)からの応答を受信してから更に所定通信時間(tc)が経過したタイミングで、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の給湯器側制御部(50)に対して応答要求を再び送信する。
通信状態判定部(44)は、応答要求を送信してから所定通信間隔(tc)が経過した時に、応答が送信されて来なかった給湯器側制御部(50)がある場合、その給湯器側制御部(50)からの応答が未受信である回数のカウントを開始する。当該回数が連続してカウントされた結果、回数が例えば3回に達した場合、通信状態判定部(44)は、回数のカウント対象となっているヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)(具体的には、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の給湯器側制御部(50))を通信不可能であると判断し、回数をクリアする。通信不可能なヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)は、統括制御部(43)による制御対象から外される。
なお、所定通信間隔(tc)としては、例えば5分が挙げられる。
消費電力量予測部(45)は、図1に示す集合住宅(15)に設けられたその他の電気器具(65a,65b,・・・)の消費電力量の合計値を、現時点から24時間先の時点までの各評価時間帯(te)毎に予測する。図5では、その他の電気器具(65a,65b,・・・)の消費電力量の合計値の、各評価時間帯(te)毎の予測値を、“y(1),y(2),y(3),y(4),・・・”にて表している。
ここで、評価時間帯(te)は、図6に示すように上記所定通信間隔(tc)よりも長く、例えば30分と設定される。
この予測の際、消費電力量予測部(45)は、図1の各電力量計(35,36a,36b,・・・)の計測結果を用いる。例えば、消費電力量予測部(45)は、基幹電力量計(35)の計測値から全ての個別電力量計(36a,36b,・・・)の計測値の合計値を減ずる演算を、評価時間帯(te)の計測値毎に行う。基幹電力量計(35)の計測値は、集合住宅(15)全体の実際の消費電力量であり、各個別電力量計(36a,36b,・・・)の計測値は、各住戸(15a,15b,・・・)のヒートポンプ給湯器(60a,60b,・・・)の実際の消費電力量であるため、上記減算結果は、集合住宅(15)に設けられたその他の電気器具(65a,65b,・・・)全ての評価時間帯(te)毎の実際の消費電力量に相当する。消費電力量予測部(45)は、上記減算結果から、平日や休日等の日特性等を考慮して、現時点から24時間先までにその他の電気器具(65a,65b,・・・)全てが評価時間帯(te)毎に消費すると予測される電力量“y(1),y(2),y(3),y(4),・・・”を求める。
更に、消費電力量予測部(45)は、集合住宅(15)に設けられたヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値を、現時点から24時間先の時点までの評価時間帯(te)毎に予測する。この予測の際、消費電力量予測部(45)は、全ての個別電力量計(36a,36b,・・・)の計測値の合計値から、日特性等を考慮して、現時点から24時間先までにヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全てが評価時間帯(te)毎に消費すると予測される電力量を求める。
沸き上げ対象選定部(46)は、消費電力量予測部(45)の上記2つの予測結果から上限電力量(Wu)を設定し、当該上限電力量(Wu)に基づいて沸き上げ運転対象となるヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)を選定する。
具体的には、沸き上げ対象選定部(46)は、評価時間帯(te)毎のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の予測値を合計すると共に、評価時間帯(te)毎のその他の電気器具(65a,65b,・・・)全ての消費電力量の予測値“y(1),y(2),y(3),y(4),・・・”を合計する。沸き上げ対象選定部(46)は、これらの2つの合計値を更に足し合わせ、その結果から評価時間帯(te)毎の平均値を求める。次いで、沸き上げ対象選定部(46)は、評価時間帯(te)毎のその他の電気器具(65a,65b,・・・)全ての消費電力量の予測値“y(1),y(2),y(3),y(4),・・・”の中から最大値を求める。沸き上げ対象選定部(46)は、当該最大値と上記平均値とのうち大きい方を、上限電力量(Wu)として設定する。図5では、一例として、18時30分から19時までの間のその他の電気器具(65a,65b,・・・)全ての消費電力量の予測値である最大値が、上限電力量(Wu)として設定された場合を示している。
次いで、沸き上げ対象選定部(46)は、現時点から基準時間(ts)までの間における上記予測値“y(1),y(2),y(3),y(4),・・・”の中から最大となる値(図5では予測値“y(1)”)を抽出すると、上限電力量(Wu)と抽出した値y(1)”との電力差(ΔW)を求める。求めた電力差(ΔW)は、基準時間(ts)の間に、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が沸き上げ運転に利用可能な電力量に相当する。
なお、基準時間(ts)は、図5及び図6に示すように、所定通信時間(tc)及び評価時間帯(te)よりも長く、例えば評価時間帯(te)の整数倍に決定される。図5では、基準時間(ts)が、評価時間帯(te)の4倍である2時間に設定された例を示している。
沸き上げ対象選定部(46)は、上述した電力差(ΔW)と、1台のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の単位時間あたりの消費電力量とに基づいて、沸き上げ運転を許可するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の台数を決定する。そして、沸き上げ対象選定部(46)は、現時点におけるヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)それぞれの残湯量の少ない順から上記台数分だけヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)を選択し、これを沸き上げ運転対象として選定する。
上述した選定動作は、基準時間(ts)毎に行われ、且つ現時点にて通信が正常と判断されたヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)を対象として行われる。一例として、図6では、先の基準時間(ts)ではヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c)が沸き上げ運転対象として選定され、次の基準時間(ts)ではヒートポンプ給湯器(60b,60c,60d)が沸き上げ運転対象として選定された場合を表している。
運転指令部(47)は、通信状態判定部(44)によって通信が正常と判断されたヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の給湯器側制御部(50)に、沸き上げ運転に関する指令を送信する。例えば、運転指令部(47)は、沸き上げ運転対象に含まれるヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の給湯器側制御部(50)それぞれに対し、上述した基準時間(ts)の間に沸き上げ運転を行うべき旨の指令を送信する。また、運転指令部(47)は、“<緊急沸き上げ時の制御動作>”にて説明するように、沸き上げ運転の停止指令を送信することも可能である。
沸き上げ停止対象決定部(48)は、“<緊急沸き上げ時の制御動作>”にて説明するように、沸き上げ運転中のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)のいずれかを緊急的に運転停止させざるを得ない状況となった場合に、その対象となるヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)を決定する。
−給湯器側制御部−
図2及び図4に示すように、給湯器側制御部(50)は、主にルータ(33a,33b,33c,33d,33e,・・・)とHP制御部(51)とによって構成され、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対応して設けられている。即ち、給湯器側制御部(50)は、ルータ(33a,33b,33c,33d,33e,・・・)によって統括制御部(43)と通信可能に接続されると共に、統括制御部(43)からの運転指令に基づいて、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の制御を行うことができる。HP制御部(51)は、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,・・・)内に設けられている。
HP制御部(51)は、メモリ及びCPU等を有し、残湯量判定部(52)及び沸き上げ運転制御部(53)として機能する。
残湯量判定部(52)は、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の温度センサ(80〜85)の検知結果に基づいて、該ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の残湯量を判定する。例えば図3において、高温水である条件を“50度以上”と定義した場合、残湯量判定部(52)は、検出結果が50度以上の温度センサ(80〜85)が位置する貯湯タンク(75)の部分的な容量に対応する分だけ、高温水が残っていると判断することができる。
沸き上げ運転制御部(53)は、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に沸き上げ運転を実行させたり、沸き上げ運転を停止させたりする制御を行う。具体的に、統括制御部(43)から沸き上げ運転を行うべき旨の指令が送られてきた場合、沸き上げ運転制御部(53)は、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対し、基準時間(ts)の間沸き上げ運転を行わせる沸上開始制御を行う。逆に、統括制御部(43)から沸き上げ運転の停止指令が送られてきた場合、沸き上げ運転制御部(53)は、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対し、沸き上げ運転を停止させる制御を行う。
<緊急沸き上げ時の制御動作>
上述のように、給湯制御システム(40)では、基準時間(ts)毎にヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の沸き上げ運転対象を選定する、いわゆる台数制御が行われる(図6参照)。これにより、全台のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が沸き上げ運転を行っている状態とはなりにくく、故にヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値の上昇が抑えられている。
しかしながら、上述した台数制御では、沸き上げ運転対象は、基準時間(ts)の間固定されており、変更されない。一方で、利用者によるヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の利用の仕方によっては、沸き上げ運転中ではないヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に貯留された高温水が基準時間(ts)の間に大量に使用され、湯切れ状態が引き起こされる虞がある。
そこで、本実施形態に係る給湯制御システム(40)は、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値の上昇を抑えつつも、湯切れ状態が引き起こされることを防止するべく、湯切れ状態が生じる虞のあるヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)を緊急的に沸き上げる制御を行うと共に、現在沸き上げ運転中のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の少なくとも1台を緊急的に停止させる制御を行う。これを、緊急沸き上げ時の制御動作と言う。
以下、緊急沸き上げ時の制御動作について、図2,図4,図7及図8を用いて詳述する。図7は、緊急沸き上げ制御動作時に、中央サーバ(42)の統括制御部(43)と各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)とが行う動作の経時的変化を表す図である。図8は、推定された残湯量に基づくヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の順位付けを示すグラフである。
具体的には、上述した台数制御が行われている際、沸き上げ運転を行っていないヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)では、温度センサ(80〜85)が温度検出を行い、残湯量判定部(52)は、温度センサ(80〜85)の検出結果から残湯量を判定する。更に、残湯量判定部(52)は、把握した残湯量が所定量未満か否かを判定する。
例えば、図2及び図7において、ヒートポンプ給湯器(60a,60b)が沸き上げ運転を停止しており、沸き上げ運転対象であるヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)が沸き上げ運転を行っているとする。この際、ヒートポンプ給湯器(60a,60b)では、残湯量が所定量未満か否かが判定される。図2に示すように、ヒートポンプ給湯器(60a)の残湯量が所定量未満であると判定された場合、図7に示すように、ヒートポンプ給湯器(60a)の残湯量判定部(52)は、その旨を示す信号を中央サーバ(42)の統括制御部(43)に送信する。当該送信動作は、図7の通信タイミングに同期して行われる。ヒートポンプ給湯器(60a)は、温度センサ(80〜85)が残湯量を検出した時から所定時間(tp)の間、待機状態となる。
なお、図2では、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の残湯量を斜線で表し、所定量を太線で表している。所定量は、予めHP制御部(51)のメモリ内に格納されており、貯湯タンク(75)の容量や貯湯タンク(75)から出湯管(79)へと温水が流れる際の最大流速等によって適宜決定されている。
残湯量が所定量未満である旨を示す信号をヒートポンプ給湯器(60a)から受信した中央サーバ(42)の統括制御部(43)は、当該ヒートポンプ給湯器(60a)を“湯量不足給湯器”と定義し(図2及び図7参照)、湯切れが生ずる虞のあるヒートポンプ給湯器(60a)が存在すると判断する。統括制御部(43)の沸き上げ停止対象決定部(48)は、図7に示すように、現在の沸き上げ運転対象、即ち湯量不足給湯器(60a)が存在する際に沸き上げ運転中である3台のヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)の中から少なくとも1台を、沸き上げ運転を停止させる対象として決定する。
具体的には、沸き上げ停止対象決定部(48)は、沸き上げ運転対象であるヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)それぞれの現時点における残湯量を、それまでの各ヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)の沸き上げ運転の累積時間から推定する。沸き上げ停止対象決定部(48)は、図8に示すように、推定した残湯量が多い順に沸き上げ運転対象であるヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)を並べる。沸き上げ停止対象決定部(48)は、並べたヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)のうち最も残湯量が多いと推定されるものから順に所定台数選択し、これを沸き上げ停止対象として決定する。図7では、沸き上げ停止対象として、ヒートポンプ給湯器(60c)が選択された場合を例示している。
沸き上げ停止対象とする所定台数は、湯量不足給湯器(ここでは、ヒートポンプ給湯器(60a))の容量や、沸き上げ運転における単位時間あたりの消費電力量、沸き上げる水の量等によって決定される。従って、所定台数は、固定ではなく、その時々の湯量不足給湯器に応じて決定されてもよい。図2及び図7では、湯量不足給湯器及び沸き上げ停止対象が1台ずつである場合を例示している。
なお、図7に示すように、沸き上げ停止対象の決定動作は、残湯量が所定量未満である旨を示す信号を統括制御部(43)が受信した時から所定通信間隔(tc)が経過するまでの間に行われる。
沸き上げ停止対象が決定された後、運転指令部(47)は、決定した沸き上げ停止対象(ここではヒートポンプ給湯器(60c))に対して、沸き上げ運転の停止指令を送信することで、沸上停止制御を行う。この送信動作も、図7の通信タイミングに同期して行われる。
沸き上げ運転の停止指令を中央サーバ(42)側から受信したヒートポンプ給湯器(60c)の沸き上げ運転制御部(53)は、現在行っている沸き上げ運転を直ちに停止させる。
すると、ヒートポンプ給湯器(60a)にて所定量未満である残湯量が検出された時から、ヒートポンプ給湯器(60c)が沸き上げ運転を停止するまでの所要時間は、最長でも所定通信間隔(tc)の2倍と言える。
そこで、図7に示すように、湯量不足給湯器であるヒートポンプ給湯器(60a)の沸き上げ運転制御部(53)は、所定量未満である残湯量を検出した時から、所定通信間隔(tc)の2倍以上の長さを有する所定時間(tp)が経過した後に、沸き上げ運転を開始させる沸上開始制御を行う。これにより、ヒートポンプ給湯器(60a)が実際に沸き上げ運転を開始するのは、沸き上げ運転対象であった他のヒートポンプ給湯器(60c)が既に沸き上げ運転を停止した後となっている。即ち、本実施形態に係る給湯制御システム(40)では、ヒートポンプ給湯器(60a)が待機状態となっている間、即ち湯量不足給湯器(50a)の残湯量が検出された時から所定時間(tp)が経過するまでの間に、ヒートポンプ給湯器(60c)に対する沸上停止制御が行われる。従って、急遽沸き上げ運転が必要となったヒートポンプ給湯器(60a)が発生しても、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全体の消費電力量が急激に上昇することはない。
その後、前回に沸き上げ運転対象が決定された時から基準時間(ts)が経過した時点で、統括制御部(43)は、台数制御に基づき新たな沸き上げ運転対象を決定する。この際、緊急沸き上げ制御動作にて急遽沸き上げ運転を行ったヒートポンプ給湯器(60a)の残湯量、及び、急遽沸き上げ運転が停止されたヒートポンプ給湯器(60c)の残湯量等が考慮され、新たな沸き上げ運転対象が決定され制御される。
<効果>
本実施形態1に係る給湯制御システム(40)によれば、残湯量が所定量未満となり湯量が不足傾向にある湯量不足給湯器(60a)がある場合、当該湯量不足給湯器(60a)に対し緊急的に沸き上げ運転を行わせる沸上開始制御のみならず、現在沸き上げ運転を行っているヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)の少なくとも1台に対し沸き上げ運転を停止させる沸上停止制御が行われる。これにより、湯量不足給湯器(60a)が緊急的に沸き上げ運転を行っても、全てのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の消費電力量の合計値は上昇しない。従って、湯切れの発生及び消費電力量の上昇の抑制をすることができる。
特に、本実施形態では、沸き上げ運転中のヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)の少なくとも1台が沸き上げ運転を先に停止してから、湯量不足給湯器(60a)は沸き上げ運転を開始する。従って、全てのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の消費電力量の合計値の上昇をより確実に抑制することができる。
ところで、統括制御部(43)及び給湯器側制御部(50)は、互いに所定通信間隔(tc)毎に通信を行っている。そのため、湯量不足給湯器(60a)が発生した場合、当該湯量不足給湯器(60a)の発生を受信した統括制御部(43)が他のヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)に対して沸き上げ運転の停止を指示するタイミングは、湯量不足給湯器(60a)が発生した旨の情報を受信してから所定通信間隔(tc)後となる。すると、他のヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)が沸き上げ運転を停止するよりも先に、湯量不足給湯器(60a)が沸き上げ運転を開始してしまい、一時的にヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値が上昇する虞がある。
これに対し、本実施形態に係る給湯制御システム(40)は、湯量不足給湯器(60a)の発生時から所定時間(tp)が経過するまでの間に沸上停止制御を行い、所定時間(tp)の経過後に沸上開始制御を行う。更に、所定時間(tp)は、所定通信間隔(tc)の2倍以上の長さである。即ち、湯量不足給湯器(60a)が沸き上げ運転を開始するタイミングは、確実に他のヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)が沸き上げ運転を停止した後となる。従って、統括制御部(43)と給湯器側制御部(50)とが所定通信間隔(tc)毎に通信を行う場合において、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値の一時的な上昇は抑制される。
また、沸き上げ停止対象には、現在沸き上げ運転中のヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)のうち、図8に示すように残湯量の比較的多いヒートポンプ給湯器(60c)が選択される。従って、沸き上げ運転の停止対象(ここでは、ヒートポンプ給湯器(60c))での湯切れの発生の可能性が低くなる。
<その他の実施形態>
残湯量が所定量未満か否かを判断する際の閾値である所定値は、全てのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)にて共通であってもよい。また、夏季や冬季などの季節、日中または夜中等の時間帯、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の過去の使用湯量の実績値等に応じて、所定値は、適宜可変されてもよい。
湯量不足給湯器の沸上開始制御は、湯量不足給湯器自身の給湯器側制御部(50)が行う代わりに、中央サーバ(42)の統括制御部(43)が行っても良い。
貯湯タンク(75)内の温度センサ(80〜85)の数は、図3に限定されない。また、温度センサ(80〜85)とは別途、残湯量を検出するセンサが設けられていても良い。
給湯制御システム(40)が制御対象とする給湯器は、ヒートポンプを熱源とする給湯器に限らず、例えばジュール熱によって貯湯タンク(75)内の水を加熱する給湯器であってもよい。
以上説明したように、本発明は、いずれかのヒートポンプ給湯器にて緊急的に沸き上げ運転を行う必要が生じた場合にも、湯切れを回避しつつ複数のヒートポンプ給湯器全体の消費電力量の上昇を抑えるシステムとして有用である。
15 集合住宅(対象エリア)
40 給湯制御システム
41 運転制御部
43 統括制御部
50 給湯器側制御部
60a,60b,60c,60d,60e,・・・ ヒートポンプ給湯器
75 貯湯タンク
80〜85 温度センサ(残湯量検出部)

Claims (3)

  1. 所定の対象エリア(15)に設置されそれぞれが貯湯タンク(75)を有する複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)、を制御する給湯制御システムであって、
    複数の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)のうち沸き上げ運転を行っていない上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b)の残湯量を検出する残湯量検出部(80〜85)と、
    沸き上げ運転を行っていない上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b)のうち上記残湯量が所定量未満である湯量不足給湯器(60a)がある場合、複数の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)のうち沸き上げ運転を行っている上記ヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)の少なくとも1台に対して沸き上げ運転を停止させる沸上停止制御を行うと共に、上記湯量不足給湯器(60a)に沸き上げ運転を開始させる沸上開始制御を行う運転制御部(41)と
    を備え、
    上記運転制御部(41)は、
    上記湯量不足給湯器(60a)の上記残湯量が検出された時から所定時間(tp)が経過するまでの間に上記沸上停止制御を行い、
    上記所定時間(tp)の経過後に上記沸上開始制御を行う
    ことを特徴とする給湯制御システム。
  2. 請求項において、
    上記運転制御部(41)は、
    上記沸上停止制御を行うことが可能な複数の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の統括制御部(43)と、
    上記統括制御部(43)と通信可能に接続されると共に各上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対応して設けられ、上記沸上停止制御に基づく制御または上記沸上開始制御を、対応する上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対して行うことが可能な複数の給湯器側制御部(50)と
    を有し、
    上記統括制御部(43)及び各上記給湯器側制御部(50)は、互いに所定通信間隔(tc)毎に通信を行い、
    上記所定時間(tp)は、上記所定通信間隔(tc)の2倍以上の長さである
    ことを特徴とする給湯制御システム。
  3. 請求項1または請求項2において、
    上記運転制御部(41)は、上記湯量不足給湯器(60a)が存在する際に沸き上げ運転を行っている上記ヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)が複数ある場合、該ヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)の残湯量が多い順に該ヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)を所定台数選び、選んだ該ヒートポンプ給湯器(60c)に対して上記沸上停止制御を行う
    ことを特徴とする給湯制御システム。
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