JP5825338B2 - 給湯制御システム - Google Patents

給湯制御システム Download PDF

Info

Publication number
JP5825338B2
JP5825338B2 JP2013271235A JP2013271235A JP5825338B2 JP 5825338 B2 JP5825338 B2 JP 5825338B2 JP 2013271235 A JP2013271235 A JP 2013271235A JP 2013271235 A JP2013271235 A JP 2013271235A JP 5825338 B2 JP5825338 B2 JP 5825338B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
heat pump
water heater
pump water
control unit
hot water
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2013271235A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2015124963A (ja
Inventor
暁 武田
暁 武田
松浦 哲哉
哲哉 松浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Daikin Industries Ltd
Original Assignee
Daikin Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Daikin Industries Ltd filed Critical Daikin Industries Ltd
Priority to JP2013271235A priority Critical patent/JP5825338B2/ja
Publication of JP2015124963A publication Critical patent/JP2015124963A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5825338B2 publication Critical patent/JP5825338B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Heat-Pump Type And Storage Water Heaters (AREA)

Description

本発明は、貯湯タンクを有する複数のヒートポンプ給湯器が所定の対象エリアに設置されている状態において、これらの給湯器を制御する給湯制御システムに関するものである。
従来より、例えば特許文献1に示されるようなヒートポンプ給湯器が知られている。特許文献1のヒートポンプ給湯器は、冷凍サイクルを行う冷媒回路と、冷凍サイクルによって得られた温熱で加熱した水を蓄える貯湯タンクとを備える。温熱で水を加熱する運転を、沸き上げ運転と言う。
上記ヒートポンプ給湯器は、例えば集合住宅の各住戸に設置されている。集合住宅には、各ヒートポンプ給湯器の沸き上げ運転を制御する制御システムが構築されている。
特開2012−207914号公報
上記制御システムでは、複数のヒートポンプ給湯器を統括制御する統括制御部と各ヒートポンプ給湯器に対応する給湯器側制御部との間で通信が行われる。しかし、通信環境によっては、統括制御部と少なくとも1つの給湯器側制御部との通信が途絶え、統括制御部が、通信の途絶えた給湯器側制御部を制御することが困難となる虞がある。すると、通信の途絶えた給湯器側制御部が、統括制御部からの運転指令に応じてヒートポンプ給湯器に沸き上げ運転を行わせる仕様であれば、当該ヒートポンプ給湯器の残湯量が使用されていくことで湯切れが生ずる虞がある。逆に、通信の途絶えた給湯器側制御部が統括制御部の知り得ぬところでヒートポンプ給湯器に沸き上げ運転を行わせる仕様であれば、全ヒートポンプ給湯器の消費電力量の合計値が上昇する虞がある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的は、統括制御部と給湯器側制御部との間の通信不良が生じた場合でも、湯切れの発生及び全ヒートポンプ給湯器の消費電力量の合計値の上昇を抑えることである。
第1の発明は、所定の対象エリア(15)に設置されそれぞれが貯湯タンク(75)を有する複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)、を制御する給湯制御システムを対象とする。給湯制御システムは、各上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対応して設けられた複数の給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)と、各上記給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)と通信可能に接続され、複数の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の中から沸き上げ運転の運転対象となる上記ヒートポンプ給湯器を所定台数選び、該運転対象に対して沸き上げ運転制御を行う統括制御部(43)とを備える。上記給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)は、各上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が属するグループ毎の沸き上げ運転の実行可能時間帯(49d)が互いに異なっているスケジュールデータ(49)のうち、対応する上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の上記スケジュールデータ(53)を格納する給湯側メモリ(52)、を有する。上記統括制御部(43)と少なくとも1つの上記給湯器側制御部(50e)との間で通信不良が生じた場合、上記統括制御部(43)との通信が不可能な上記給湯器側制御部(50e)は、上記給湯側メモリ(52)内の上記スケジュールデータ(53)に基づいて、対応する上記ヒートポンプ給湯器(60e)の制御を行い、上記統括制御部(43)は、通信不可能な上記給湯器側制御部(50e)に対応する上記ヒートポンプ給湯器(60e)の上記実行可能時間帯(53d)においては、該ヒートポンプ給湯器(60e)の台数を上記所定台数から減算すると共に、通信可能な上記給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d)に対応する上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d)の中から上記運転対象を上記減算した結果だけ選択することを特徴とする。
ここでは、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)は、沸き上げ運転の実行可能時間帯(49d)が互いに異なる複数のグループのうちのいずれかに属している。統括制御部(43)は、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対応する給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)それぞれと通信可能に接続されている。統括制御部(43)と少なくとも1つの給湯器側制御部(50e)との間で通信不良が生じた場合、統括制御部(43)との通信が途絶えた給湯器側制御部(50e)に対応するヒートポンプ給湯器(60e)は、自身が属するグループにおける実行可能時間帯(53d)に従って沸き上げ運転を行う。一方、統括制御部(43)は、通信が途絶えたヒートポンプ給湯器(60e)の実行可能時間帯(53d)においては、当該ヒートポンプ給湯器(60e)が沸き上げ運転を行っている可能性があることから、通信が途絶えたヒートポンプ給湯器(60e)の台数分を所定台数から減算し、当該減算結果を沸き上げ運転の運転対象の新たな台数として決定する。統括制御部(43)は、複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)から通信の途絶えたヒートポンプ給湯器(60e)を除く残りの給湯器、つまりは通信が正常なヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,・・・)の中から新たな台数だけ選択すると、これを運転対象として沸き上げ運転制御を行う。
従って、統括制御部(43)の制御対象外となる通信不良のヒートポンプ給湯器(60e)が存在する場合でも、当該ヒートポンプ給湯器(60e)が湯切れ状態となることを回避することができる。且つ、ヒートポンプ給湯器(60e)自身が自発的に沸き上げ運転を行うことにより、複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値が上昇することも、防ぐことができる。
第2の発明は、第1の発明において、上記統括制御部(43)は、各上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の上記スケジュールデータ(49)が格納された統括側メモリ(48)、を有し、上記統括側メモリ(48)内の上記スケジュールデータ(49)に基づいて、通信不可能な上記給湯器側制御部(50e)に対応する上記ヒートポンプ給湯器(60e)の上記実行可能時間帯を把握することを特徴とする。
ここでは、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)のスケジュールデータ(53)を各給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)が有するのみならず、統括制御部(43)は、全てのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)のスケジュールデータ(49)を有している。従って、統括制御部(43)は、どのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が通信不良となった場合でも、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の実行可能時間帯(49d,53d)を把握して、通信が途絶えたヒートポンプ給湯器(60e)の台数分を所定台数から減算する演算を確実に行える。
第3の発明は、第1の発明または第2の発明において、各上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が属する上記グループは、各上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の実際の消費電力量に応じて変更されることを特徴とする。
これにより、スケジュールデータ(49,53)は、実際の消費電力量に応じた内容となる。従って、どのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が通信不良となっても、通信不良となったヒートポンプ給湯器が湯切れ状態となることをより確実に回避でき、且つ複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値が上昇することを確実に防ぐことができる。
本発明によれば、統括制御部(43)の制御対象外となる通信不良のヒートポンプ給湯器(60e)が存在する場合、当該ヒートポンプ給湯器(60e)が湯切れ状態となることを回避できる共に、複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値が上昇することを防ぐことができる。
また、上記第2の発明によれば、どのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が通信不良となった場合でも、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の実行可能時間帯(49d)が把握され、通信が途絶えたヒートポンプ給湯器(60e)の台数分を所定台数から減算する演算が確実に実行される。
また、上記第3の発明によれば、どのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が通信不良となっても、通信不良となったヒートポンプ給湯器が湯切れ状態となることをより確実に回避でき、且つ複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値が上昇することを確実に防ぐことができる。
図1は、本実施形態の給湯制御システム及びヒートポンプ給湯器が設けられた集合住宅の概略構成図である。 図2は、図1の給湯制御システムをより簡略化して表した模式図である。 図3は、ヒートポンプ給湯器の構成概略図である。 図4は、給湯制御システムの構成を模式的に示すブロック図である。 図5は、集合住宅に設けられたその他の電気機器の、評価時間帯毎の消費電力量の予測値(y(n))と、ヒートポンプ給湯器の沸き上げ運転に利用できる電力量ΔWとを示すグラフである。 図6は、中央サーバにおける統括制御部と各ヒートポンプ給湯器とが行う動作の経時的変化を表す図である。 図7は、統括側メモリに格納されているスケジュールデータの概念図である。 図8は、給湯側メモリに格納されているスケジュールデータの概念図である。 図9は、実際の消費電力量に基づくヒートポンプ給湯器の順位付けを示すグラフである。 図10は、通信不良時に、中央サーバの統括制御部と各ヒートポンプ給湯器とが行う動作の経時的変化を表す図である。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
≪実施形態≫
<概要>
図1は、本実施形態の給湯制御システム(40)及び複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,・・・)が設けられた集合住宅(15)の構成概略図である。図2は、図1の給湯制御システム(40)をより簡略化して表した図である。
図1,2の集合住宅(15)(対象エリアに相当)には、例えば100戸の住戸(15a,15b,15c,15d,15e,・・・)が設けられている。各住戸(15a,15b,15c,15d,15e,・・・)には、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が1台ずつ設置されている。
ここで、図1を用いて、集合住宅(15)の配電系統(20)について説明する。なお、図1では、2つの住戸(15a,15b)を例示しており、その内部に設けられた各種機器及び周囲機器の接続状態を表している。他の住戸(15c,15d,15e,・・・)においても、図1と同様の構成を有している。
図1に示すように、配電系統(20)には、受変電設備(21)が設けられている。受変電設備(21)は、幹線(22)を介して商用電源(10)に接続され、支線(23)を介して各住戸(15a,15b,・・・)の分電盤(24a,24b,・・・)に接続されている。受変電設備(21)は、共有部(16)に設置された電気器具(例えば、廊下の照明器具等)にも接続されている。受変電設備(21)は、商用電源(10)から例えば6600Vである高圧電力を受電すると、これを100Vや200Vへと降圧して各住戸(15a,15b,・・・)に供給する。各住戸(15a,15b,・・・)の分電盤(24a,24b,・・・)には、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,・・・)と、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,・・・)以外の電気器具(65a,65b,・・・)とが接続されている。
上記電気器具(65a,65b,・・)としては、図示はしていないが、空調機、冷蔵庫、洗濯機、電磁調理器、照明器具等が挙げられる。なお、電気器具(65a,65b,・・・)は、集合住宅(15)の配電系統(20)から電力を供給されて作動するものを意味する。従って、例えば乾電池等を電源として配電系統(20)から切り離された状態で作動する器具は、その他の電気器具(65a,65b,・・・)には含まれない。
図1,2に示すように、給湯制御システム(40)は、集合住宅(15)に設置された複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)を制御するシステムである。給湯制御システム(40)には、集合住宅(15)の外部に設置された中央サーバ(42)が含まれる。
図1に示すように、中央サーバ(42)は、通信ネットワーク(30)を介して基幹電力量計(35)及び光回線終端装置(34a,34b,・・・)と接続されている。基幹電力量計(35)は、1の集合住宅(15)に対応して1つ設置されている。基幹電力量計(35)は、幹線(22)に設けられ、商用電源(10)から集合住宅(15)へ供給される電力量(即ち、集合住宅(15)全体の消費電力量)を計測する。光回線終端装置(34a,34b,・・・)は、ルータ(33a,33b,・・・)、HUB(31a,31b,・・・)、通信アダプタ(32a,32b,・・・)を介してヒートポンプ給湯器(60a,60b,・・・)に接続されている。また、HUB(31a,31b,・・・)には、個別電力量計(36a,36b,・・・)が更に接続されている。個別電力量計(36a,36b,・・・)は、各住戸(15a,15b,・・・)の分電盤(24a,24b,・・・)とヒートポンプ給湯器(60a,60b,・・・)とを繋ぐ配線に接続される。個別電力量計(36a,36b,・・・)は、自身が設けられた住戸(15a,15b,・・・)におけるヒートポンプ給湯器(60a,60b,・・・)の消費電力量を計測する。
図1,2に示す上記給湯制御システム(40)は、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の消費電力量の予測、沸き上げ運転対象の設定及び沸き上げ運転制御等を行うが、その詳細構成及び詳細動作については後述する。
<ヒートポンプ給湯器>
−構成−
図3は、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の概略構成図である。
図2及び図3に示すように、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)は、冷媒回路(70)と貯湯タンク(75)とを有する。冷媒回路(70)は、蒸気圧縮冷媒サイクルを行うものであって、図3に示すように、圧縮機(71)、水熱交換器(72)、膨張弁(73)及び空気熱交換器(74)が順に配管で接続された閉回路にて構成されている。
圧縮機(71)は、ロータリー式またはスクロール式の全密閉型圧縮機である。水熱交換器(72)は、冷媒回路(70)が接続される一次側流路(72a)と、水回路(76)が接続される二次側流路(72b)とを有する。水熱交換器(72)は、二次側流路(72b)を流れる水と一次側流路(72a)を流れる冷媒との間で熱交換を行う。膨張弁(73)は、いわゆる電子膨張弁であって、冷媒回路(70)内に充填されている冷媒を減圧させる。空気熱交換器(74)は、冷媒回路(70)を流れる冷媒と、図示していない室外ファンによって供給された室外空気との間で熱交換させる。
貯湯タンク(75)は、起立状態で設置された円筒状の容器である。貯湯タンク(75)の容積は、例えば300〜500リットル程度である。貯湯タンク(75)には、水回路(76)が接続されている。水回路(76)は、一端が貯湯タンク(75)の下端付近に接続され、他端が貯湯タンク(75)の上端付近に接続される。水回路(76)には、水熱交換器(72)の二次側流路(72b)と、ポンプ(77)とが接続される。ポンプ(77)は、水熱交換器(72)の上流側に配置される。
貯湯タンク(75)には、給水管(78)と出湯管(79)とが接続されている。給水管(78)は、貯湯タンク(75)の下端付近に接続され、水道水を貯湯タンク(75)へ供給する。出湯管(79)は、貯湯タンク(75)の上端付近に接続され、貯湯タンク(75)内の温水を給湯栓や浴槽などへ向けて送り出す。
貯湯タンク(75)には、6つの温度センサ(80~85)が設けられている。温度センサ(80~85)は、貯湯タンク(75)の上下方向に等間隔で配置されている。具体的に、温度センサ(80)は、貯湯タンク(75)の上端部に設置され、温度センサ(85)は、貯湯タンク(75)の下端部に設置されている。
−沸き上げ運転−
上述した構成を有するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)は、貯湯タンク(75)内の水を加熱して温水を生成した後、当該温水を再び貯湯タンク(75)に戻す運転、即ち沸き上げ運転を行う。沸き上げ運転中は、圧縮機(71)及びポンプ(77)が作動する。
沸き上げ運転中は、冷媒回路(70)内を冷媒が循環し、冷凍サイクルが行われる。具体的に、圧縮機(71)から吐出された冷媒は、水熱交換器(72)の一次側流路(72a)へ流入し、二次側流路(72b)を流れる水へ放熱する。放熱後の冷媒は、膨張弁(73)を通過する際に膨張してから空気熱交換器(74)へ流入し、室外空気から吸熱して蒸発する。空気熱交換器(74)を通過した冷媒は、圧縮機(71)へ吸入されて圧縮される。
また、沸き上げ運転中は、水回路(76)を水が流れる。ポンプ(77)は、貯湯タンク(75)の底部に存在する比較的低温(例えば約20℃)の水を吸い込み、水熱交換器(72)の二次側流路(72b)へ向けて吐出する。水熱交換器(72)の二次側流路(72b)へ流入した水は、その一次側流路(72a)を流れる冷媒によって加熱され、比較的高温(例えば約80℃)の高温水となる。水熱交換器(72)から流出した高温水は、貯湯タンク(75)の上部へ供給される。
貯湯タンク(75)は、常に内部空間が水で満たされた満水状態となっている。そのため、沸き上げ運転によって貯湯タンク(75)に高温水が供給されると、貯湯タンク(75)では、貯留された高温水の量が増えるにつれて、高温水の存在する領域が下方へ拡大する。従って、各温度センサ(80~85)が検出した貯湯タンク(75)の上下方向における水の温度分布に応じて、貯湯タンク(75)内に存在する高温水の量(以下、残湯量)が検出されることとなる。
<給湯制御システム>
給湯制御システム(40)の構成について、図1〜図6を用いて説明する。図4は、給湯制御システム(40)の構成を模式的に示す図である。図5は、消費電力量の予測動作を説明するための図であって、その他の電気器具(65a,65b,・・・)全ての評価時間帯(te)毎の消費電力量の予測値(y(n))と、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の沸き上げ運転にて利用できる電力量(ΔW)とをグラフで示している。図6は、中央サーバ(42)における統括制御部(43)と各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)とが行う動作の経時的変化を表す図である。
図4に示すように、給湯制御システム(40)は、主として、中央サーバ(42)に含まれる統括制御部(43)と、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対応する給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)とを備える。従って、統括制御部(43)は1つであるのに対し、給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)は複数存在している。
−統括制御部−
統括制御部(43)は、主にメモリ及びCPU等で構成され、集合住宅(15)内の複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)を統括制御する。統括制御部(43)は、各給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)と通信ネットワーク(30)を介して通信可能に接続されている。統括制御部(43)は、通信状態判定部(44)、消費電力量予測部(45)、沸き上げ対象選定部(46)及び運転指令部(47)として機能すると共に、統括側メモリ(48)を有する。
通信状態判定部(44)は、図2に示す各住戸(15a,15b,15c,15d,15e,・・・)内のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)それぞれとの通信状態の確認動作、及び図1における各電力量計(35,36a,36b・・・)の測定結果のメモリ内への格納動作を行う。
通信状態の確認動作では、通信状態判定部(44)は、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)に対し、通信状態を確認するための応答要求を送信するポーリング動作を行う。応答要求を送信してから所定通信間隔(tc)が経過した時に、応答要求に対する応答を任意のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)から受信した場合、通信状態判定部(44)は、その給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)との通信は現時点では正常であると判定する。これらの動作は、図6で示す所定通信間隔(tc)毎に、統括制御部(43)及び各給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)との間で互いに行われる。つまり、通信状態判定部(44)が応答要求を送信した後、当該応答要求を受信した給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)は、応答要求の受信から所定通信間隔(tc)が経過したタイミングで中央サーバ(42)側に応答を送信する。通信状態判定部(44)は、応答を受信してから更に所定通信間隔(tc)が経過したタイミングで、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)に対して応答要求を再び送信する。
通信状態判定部(44)は、応答要求を送信してから所定通信間隔(tc)が経過した時に、応答が送信されて来なかった給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)がある場合、その給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)からの応答が未受信である回数のカウントを開始する。当該回数が連続してカウントされた結果、回数が例えば3回に達した場合、通信状態判定部(44)は、回数のカウント対象となっているヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)(具体的には、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・))を通信不可能であると判定し、回数をクリアする。
なお、所定通信間隔(tc)としては、例えば5分が挙げられる。
消費電力量予測部(45)は、図1に示す集合住宅(15)に設けられたその他の電気器具(65a,65b,・・・)の消費電力量の合計値を、現時点から24時間先の時点までの各評価時間帯(te)毎に予測する。図5では、その他の電気器具(65a,65b,・・・)の消費電力量の合計値の、各評価時間帯(te)毎の予測値を、“y(1),y(2),y(3),y(4),・・・”にて表している。
ここで、評価時間帯(te)は、図6に示すように上記所定通信間隔(tc)よりも長く、例えば30分と設定される。
この予測の際、消費電力量予測部(45)は、図1の各電力量計(35,36a,36b,・・・)の計測結果を用いる。例えば、消費電力量予測部(45)は、基幹電力量計(35)の計測値から全ての個別電力量計(36a,36b,・・・)の計測値の合計値を減ずる演算を、評価時間帯(te)の計測値毎に行う。基幹電力量計(35)の計測値は、集合住宅(15)全体の実際の消費電力量であり、各個別電力量計(36a,36b,・・・)の計測値は、各住戸(15a,15b,・・・)のヒートポンプ給湯器(60a,60b,・・・)の実際の消費電力量であるため、上記減算結果は、集合住宅(15)に設けられたその他の電気器具(65a,65b,・・・)全ての評価時間帯(te)毎の実際の消費電力量に相当する。消費電力量予測部(45)は、上記減算結果から、平日や休日等の日特性等を考慮して、現時点から24時間先までにその他の電気器具(65a,65b,・・・)全てが評価時間帯(te)毎に消費すると予測される電力量“y(1),y(2),y(3),y(4),・・・”を求める。
更に、消費電力量予測部(45)は、集合住宅(15)に設けられたヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値を、現時点から24時間先の時点までの評価時間帯(te)毎に予測する。この予測の際、消費電力量予測部(45)は、全ての個別電力量計(36a,36b,・・・)の計測値の合計値から、日特性等を考慮して、現時点から24時間先までにヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全てが評価時間帯(te)毎に消費すると予測される電力量を求める。
なお、上述した予測動作は、通信状態判定部(44)によって通信が正常であると判定されたヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が設置されている住戸(15a,15b,15c,15d,15e,・・・)を対象として行われる。
沸き上げ対象選定部(46)は、消費電力量予測部(45)の上記2つの予測結果から上限電力量(Wu)を設定し、当該上限電力量(Wu)に基づいて複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の中から沸き上げ運転対象となるヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)を選定する。
具体的には、沸き上げ対象選定部(46)は、評価時間帯(te)毎のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の予測値を合計すると共に、評価時間帯(te)毎のその他の電気器具(65a,65b,・・・)全ての消費電力量の予測値“y(1),y(2),y(3),y(4),・・・”を合計する。沸き上げ対象選定部(46)は、これらの2つの合計値を更に足し合わせ、その結果から評価時間帯(te)毎の平均値を求める。次いで、沸き上げ対象選定部(46)は、評価時間帯(te)毎のその他の電気器具(65a,65b,・・・)全ての消費電力量の予測値“y(1),y(2),y(3),y(4),・・・”の中から最大値を求める。沸き上げ対象選定部(46)は、当該最大値と上記平均値とのうち大きい方を、上限電力量(Wu)として設定する。図5では、一例として、18時30分から19時までの間のその他の電気器具(65a,65b,・・・)全ての消費電力量の予測値である最大値が、上限電力量(Wu)として設定された場合を示している。
次いで、沸き上げ対象選定部(46)は、現時点から基準時間(ts)までの間における上記予測値“y(1),y(2),y(3),y(4),・・・”の中から最大となる値(図5では予測値“y(1)”)を抽出すると、上限電力量(Wu)と抽出した値y(1)”との電力差(ΔW)を求める。求めた電力差(ΔW)は、基準時間(ts)の間に、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が沸き上げ運転に利用可能な電力量に相当する。
なお、基準時間(ts)は、図5及び図6に示すように、所定通信時間(tc)及び評価時間帯(te)よりも長く、例えば評価時間帯(te)の整数倍に決定される。図5では、基準時間(ts)が、評価時間帯(te)の4倍である2時間に設定された例を示している。
沸き上げ対象選定部(46)は、上述した電力差(ΔW)と、1台のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の単位時間あたりの消費電力量とに基づいて、沸き上げ運転を許可するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の所定台数を決定する。そして、沸き上げ対象選定部(46)は、現時点におけるヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)それぞれの残湯量の少ない順から上記所定台数分だけヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)を選択し、これを沸き上げ運転対象として選定する。
上述した選定動作は、基準時間(ts)毎に行われ、且つ現時点にて通信が正常と判断されたヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)を対象として行われる。一例として、図6では、先の基準時間(ts)ではヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c)が沸き上げ運転対象として選定され、次の基準時間(ts)ではヒートポンプ給湯器(60b,60c,60d)が沸き上げ運転対象として選定された場合を表している。
運転指令部(47)は、通信状態判定部(44)によって通信が正常と判断されたヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)に、沸き上げ運転に関する指令を送信する。例えば、運転指令部(47)は、沸き上げ運転対象に含まれるヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)それぞれに対し、上述した基準時間(ts)の間に沸き上げ運転を行うべき旨の指令を送信することで、沸き上げ運転対象に対して沸き上げ運転制御を行う。
統括側メモリ(48)は、書き換え可能な半導体メモリで構成されている。統括側メモリ(48)には、対象エリア(15)内に設けられている全てのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)のスケジュールデータ(49)が格納されている。スケジュールデータ(49)については“<通信不良時の制御動作>”にて説明する。
−給湯器側制御部−
図2及び図4に示すように、給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)それぞれは、主にルータ(33a,33b,33c,33d,33e,・・・)と通信アダプタ(32a,32b,32c,32d,32e,・・・)とによって構成されている。即ち、各給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)は、ルータ(33a,33b,33c,33d,33e,・・・)によって統括制御部(43)と通信可能に接続されると共に、統括制御部(43)からの運転指令に基づいて、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の制御を行うことができる。
各ルータ(33a,33b,33c,33d,33e,・・・)は、統括制御部(43)からの応答要求に対する応答を行うことで、統括制御部(43)との通信状態の確認動作を行う。具体的に、各ルータ(33a,33b,33c,33d,33e,・・・)は、統括制御部(43)から応答要求が送られてきた場合、応答要求の受信から所定通信間隔(tc)後に統括制御部(43)に応答を送信すると共に、現時点において統括制御部(43)との通信が可能な状態であると判定する。逆に、各ルータ(33a,33b,33c,33d,33e,・・・)は、所定通信間隔(tc)の2倍の間隔毎に統括制御部(43)から送られて来るべき応答要求が送られて来なかった場合、応答要求が未受信である回数のカウントを開始する。当該回数が連続してカウントされた結果、回数が例えば3回に達した場合、ルータ(33a,33b,33c,33d,33e,・・・)は、当該ルータ自身、ならびに、ルータ自身に接続された通信アダプタ(32a,32b,32c,32d,32e,・・・)及びヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が、統括制御部(43)と通信不可能な状態にあると判定し、回数をクリアする。通信不可能な状態にある場合、各ルータ(33a,33b,33c,33d,33e,・・・)は、その旨を通信アダプタ(32a,32b,32c,32d,32e,・・・)に出力する。
通信アダプタ(32a,32b,32c,32d,32e,・・・)は、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)をルータ(33a,33b,33c,33d,33e,・・・)に接続するためのものであると共に、給湯側メモリ(52)と、CPU等で構成された沸き上げ運転制御部(54)とを有する。
給湯側メモリ(52)は、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)のスケジュールデータ(53)を格納している。スケジュールデータ(53)については“<通信不良時の制御動作>”にて説明する。
沸き上げ運転制御部(54)は、統括制御部(43)から沸き上げ運転を行うべき旨の指令が送られてきた場合、当該指令に基づき、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対して基準時間(ts)の間沸き上げ運転を行わせる沸上開始制御を行う。また、沸き上げ運転制御部(54)は、統括制御部(43)との通信が不良である場合、給湯側メモリ(52)内のスケジュールデータ(53)に基づいて沸き上げ運転を開始させる制御を行うこともできる。
<通信不良時の制御動作>
上述のように、給湯制御システム(40)では、基準時間(ts)毎にヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の沸き上げ運転対象を選定する、いわゆる台数制御が行われる(図6参照)。これにより、沸き上げ運転を行っているヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の台数が過剰である状態とはなりにくく、故にヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値の上昇が抑えられている。
上記台数制御は、主に中央サーバ(42)側の統括制御部(43)によって行われるものであり、故に統括制御部(43)とヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)側の給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)との通信が相互に正常であることが必須である。
しかしながら、各住戸(15a,15b,15c,15d,15e,・・・)の通信環境によっては、統括制御部(43)との通信が不安定となる給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)が存在する場合ある。すると、図2の通信ネットワーク(30)よりも給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)側の通信経路にて、通信線の断線及びルータ(33a,33b,33c,33d,33e,・・・)の故障等によって統括制御部(43)との通信が途絶えた給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)が発生する虞がある。1つの統括制御部(43)と少なくとも1つの給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)との間で通信不良が生じると、統括制御部(43)は、全てのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)を制御対象として上記台数制御を行うことが困難となるため、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値の上昇を必ずしも抑えることができるとは言い難い。また、統括制御部(43)からの運転指令に基づいて沸き上げ運転を行うヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)側では、統括制御部(43)との通信不良に起因して沸き上げ運転を停止したままの状態が継続され、ひいては湯切れの状態が引き起こされる虞がある。
そこで、本実施形態に係る給湯制御システム(40)は、統括制御部(43)と少なくとも1つの給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)との間で通信不良が生じた場合、以下の通信不良時の制御動作を行うことで、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値の上昇及び湯切れの発生を防止する。
―スケジュールデータ―
先ず、通信不良時の制御動作にて利用されるスケジュールデータ(49,53)について、図7及び図8を用いて説明する。図7は、統括側メモリ(48)に格納されているスケジュールデータ(49)の概念図である。図8は、給湯側メモリ(52)に格納されているスケジュールデータ(53)の概念図である。
各スケジュールデータ(49,53)は、給湯制御システム(40)が構築され統括制御部(43)と各給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)とが通信可能な状態となった際に、統括制御部(43)からの指令に基づき作成されて各メモリ(48,52)に格納される。従って、スケジュールデータ(49,53)は、通信不良時の制御動作が行われる際には、予め各メモリ(48,52)に格納されている。
統括側メモリ(48)に格納されているスケジュールデータ(49)は、集合住宅(15)に設けられているヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての沸き上げ運転の実行可能時間帯(49d)を示すデータである。給湯側メモリ(52)に格納されているスケジュールデータ(53)は、当該給湯側メモリ(52)を有する給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)に対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の沸き上げ運転の実行可能時間帯を示すデータである。
具体的に、統括側メモリ(48)内のスケジュールデータ(49)では、図7に示すように、レコード番号(49a)、ヒートポンプ給湯器の名称(49b)、所属グループ(49c)及び実行可能時間帯(49d)が、それぞれ対応して格納されている。集合住宅(15)内のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全てには、予め、複数のグループA〜Cのいずれかが割り当てられており、所属グループ(49c)は、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が属するグループA〜Cを表している。
グループA〜Cには、統括制御部(43)との通信が不可能となったヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対して自発的に沸き上げ運転が許可される実行可能時間帯(49d)が決められている。即ち、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)は、仮に統括制御部(43)との通信が途絶えた際、自身が属するグループA〜Cの実行可能時間帯(49d)であれば沸き上げ運転を行うことが可能となっている。実行可能時間帯(49d)は、グループA〜C間で互いに異なっており、図7では、グループA〜C間にて時間帯が重複しないように、各グループA〜Cの実行可能時間帯(49d)が決定されている。一例として、図7では、グループAの実行可能時間帯(49d)は“0:00〜2:00、6:00〜8:00、12:00〜14:00、18:00〜20:00”と決定され、グループBの実行可能時間帯(49d)は“2:00〜4:00、8:00〜10:00、14:00〜16:00、20:00〜22:00”と決定され、グループCの実行可能時間帯(49d)は“4:00〜6:00、10:00〜12:00、16:00〜18:00、22:00〜0:00”と決定されている。そして、複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)は、各グループA〜Cに属するヒートポンプ給湯器の数が概ね均等となるように、予めグルーピングされている。
給湯側メモリ(52)内のスケジュールデータ(53)では、図8に示すように、レコード番号(53a)、ヒートポンプ給湯器の名称(53b)、所属グループ(53c)及び実行可能時間帯(53d)が、それぞれ対応して格納されている。特に、図8のスケジュールデータ(53)は、図7のスケジュールデータ(49)のうち、レコード番号(49a)が“005”である1レコード分に相当する。即ち、各給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)の給湯側メモリ(52)は、図7のスケジュールデータ(49)のうち、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)のスケジュールデータ(53)を格納している。なお、図8では、ヒートポンプ給湯器(60e)に対応する給湯器側制御部(50e)の給湯側メモリ(52)が格納するスケジュールデータ(53)を示している。
上述したスケジュールデータ(49,53)は、例えば数ヶ月毎に更新される。具体的には、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が属するグループA〜Cは、数ヶ月毎に、図9に示す各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の実際の消費電力量に応じて変更される。これに伴い、スケジュールデータ(49,53)も更新される。
より具体的には、スケジュールデータ(49,53)の更新タイミング時、統括制御部(43)は、図9に示すように、前回の更新時から現在までの各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の消費電力量の合計値を多い順に並べる。統括制御部(43)は、並べたヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)を消費電力量の合計値の多いものから順にグループA,B,Cの順序でグループを振り直し、振り直し後の結果をスケジュールデータ(49)に上書きする。そして、統括制御部(43)は、上書き後のスケジュールデータ(49)における各レコードを、該レコードに対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)に送信する。給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)は、受信したレコードを、給湯側メモリ(52)のスケジュールデータ(53)に上書きする。
なお、図9は、実際の消費電力量に基づくヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の順位付けをグラフで示している。
―通信不良時における動作の流れ―
図10は、通信不良時に、中央サーバ(42)の統括制御部(43)と各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)とが行う動作の経時的変化を表す図である。以下では、説明を簡単にするため、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)が5台である場合を例に採る。
はじめに、5台のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)に対応する給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e)と統括制御部(43)との通信が正常であるとする。統括制御部(43)は、5台のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)の中から沸き上げ運転対象を決定し、決定した沸き上げ運転対象のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)に対して、沸き上げ運転を実行するべき旨の運転指令を送信する。当該指令を受信した給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e)は、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)に沸き上げ運転を行わせる。図10の期間(P1)では、基準時間(ts)の間、沸き上げ運転対象である3台のヒートポンプ給湯器(60c,60d,60e)が沸き上げ運転を行い、残りのヒートポンプ給湯器(60a,60b)が沸き上げ運転を停止している場合を例示している。
図10の期間(P1)内において、統括制御部(43)と4つの給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d)との通信は正常であるものの、図2に示すように、統括制御部(43)と給湯器側制御部(50e)との間の通信経路に異常が生じたとする。この場合、統括制御部(43)の通信状態判定部(44)及び給湯器側制御部(50e)のルータ(33e)それぞれは、給湯器側制御部(50e)または統括制御部(43)と通信不可能な状態にあると判定する。
そこで、統括制御部(43)との通信が不可能となった給湯器側制御部(50e)は、図2及び図10の期間(P2,P3,P4)に示すように、期間(P1)の次の期間(P2)(即ち、次の基準時間(ts)以後)より自立運転モードに移行する。自立運転モードでは、給湯側メモリ(52)に格納された図8のスケジュールデータ(53)に基づいて、対応するヒートポンプ給湯器(60e)の制御が行われる。
具体的に、自立運転モードでは、給湯器側制御部(50e)の沸き上げ運転制御部(54)は、対応するヒートポンプ給湯器(60e)の貯湯タンク(75)内の残湯量を、温度センサ(80~85)の検知結果から把握する。把握した貯湯タンク(75)内の残湯量が所定量未満である場合、給湯器側制御部(50e)の沸き上げ運転制御部(54)は、現時刻が図8のスケジュールデータ(53)における実行可能時間帯(53d)の開始タイミングに至った時点で、ヒートポンプ給湯器(60e)に沸き上げ運転を開始させる。貯湯タンク(75)内の残湯量が所定量以上である場合、給湯器側制御部(50e)の沸き上げ運転制御部(54)は、現時刻が図8のスケジュールデータ(53)における実行可能時間帯(53d)の開始タイミングに至っても、ヒートポンプ給湯器(60e)に沸き上げ運転を開始させない。
まとめると、統括制御部(43)との通信が不可能となった給湯器側制御部(50e)は、統括制御部(43)からの運転指令を受信できないため、通信が不可能となった期間(P1)の次の期間(P2,P3,P4)以後より、対応するヒートポンプ給湯器(60e)の沸き上げ運転の開始及び停止を給湯器側制御部(50e)自身で制御する。その際、ヒートポンプ給湯器(60e)の沸き上げ運転が必要な場合には、給湯器側制御部(50e)は、予め割り当てられているヒートポンプ給湯器(60e)の実行可能時間帯(53d)にて沸き上げ運転を行わせる。これにより、給湯器側制御部(50e)が統括制御部(43)からの運転指令を受信できなくても、ヒートポンプ給湯器(60e)の貯湯タンク(75)にて湯切れが発生することを防止できる。
なお、図10では、期間(P2)の開始時点では残湯量が所定量未満であったため、当該期間(P2)の間、ヒートポンプ給湯器(60e)は沸き上げ運転を行っている。期間(P3,P4)の開始時点では残湯量が所定量以上であったため、当該期間(P3,P4)の間、ヒートポンプ給湯器(60e)は沸き上げ運転を停止している。
上記所定量は、貯湯タンク(75)の容量や貯湯タンク(75)から出湯管(79)へと温水が流れる際の最大流速等によって適宜決定されている。
一方、統括制御部(43)は、期間(P1)の間に給湯器側制御部(50e)との通信が途絶えたことから、以後の期間(P2,P3,P4)では、当該給湯器側制御部(50e)に対応するヒートポンプ給湯器(60e)を制御対象から除外する。つまり、統括制御部(43)の沸き上げ対象選定部(46)は、通信不可能なヒートポンプ給湯器(60e)の実行可能時間帯(53e)においては、通信不可能なヒートポンプ給湯器(60e)の台数を、沸き上げ運転対象として選択されるヒートポンプ給湯器の所定台数から減算する。図2及び図10では、通信不可能なヒートポンプ給湯器(60e)が1台であるため、統括制御部(43)の沸き上げ対象選定部(46)は、沸き上げ運転対象の所定台数“3台”から通信不可能な台数“1台”を差し引いた“2台”を、運転対象として選択するべき台数と決定する。
なお、上記台数を決定するにあたり、統括制御部(43)の沸き上げ対象選定部(46)は、統括側メモリ(48)内の図7のスケジュールデータ(49)から、通信不可能となったヒートポンプ給湯器(60e)に対応するレコード“005”を抽出する。統括制御部(43)の沸き上げ対象選定部(46)は、抽出したレコード“005”から、通信不可能となったヒートポンプ給湯器(60e)の実行可能時間帯(49d)を把握することができる。
次いで、統括制御部(43)の沸き上げ対象選定部(46)は、期間(P2,P3,P4)においても通信可能な給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d)に対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d)の中から、上記にて決定した台数分(即ち、減算結果)だけヒートポンプ給湯器を選択し、これを新たな沸き上げ運転対象として決定する。統括制御部(43)の運転指令部(47)は、新たな運転対象として決定されたヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d)に対応する給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d)それぞれに対し、基準時間(ts)の間沸き上げ運転を実行するべき旨の運転指令を送信する。これにより、給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d)に対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d)それぞれは、基準時間(ts)の間沸き上げ運転を行う。
一例として、図10の期間(P2)では、ヒートポンプ給湯器(60a,60b)の2台が運転対象として選択されている。期間(P2)は、通信不可能な給湯器側制御部(50e)に対応するヒートポンプ給湯器(60e)の実行可能時間帯(53d)に該当しており、ヒートポンプ給湯器(60e)が沸き上げ運転を行っている可能性がある。期間(P2)において、ヒートポンプ給湯器(60e)の実際の沸き上げ運転の有無に関わらず、通信可能なヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d)の中から沸き上げ運転対象の所定台数“3台”が選択されると、実際に沸き上げ運転を行っているヒートポンプ給湯器の台数が場合によっては4台となり、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)全ての消費電力量の合計値が上昇してしまう。そこで、統括制御部(43)の沸き上げ対象選定部(46)は、期間(P2)の間にヒートポンプ給湯器(60e)が沸き上げ運転を行うと仮定した上で、沸き上げ運転対象の台数を“3台”から“2台”へと減らし、他のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d)の中から2台を選択している。これにより、通信不可能なヒートポンプ給湯器(60e)が沸き上げ運転を行っていても、沸き上げ運転を行うヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)の台数は過剰とはならないため、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)全ての消費電力量の合計値の上昇を抑えることができる。
なお、期間(P3,P4)は、通信不可能な給湯器側制御部(50e)に対応するヒートポンプ給湯器(60e)の実行可能時間帯(53d)に該当していない。そのため、期間(P3,P4)では、通信不可能なヒートポンプ給湯器(60e)の台数“1台”を運転対象の台数“3台”から減算する演算が行われていない。ヒートポンプ給湯器(60e)の実行可能時間帯(53d)に該当していなければ、ヒートポンプ給湯器(60e)は沸き上げ運転を停止しているため、統括制御部(43)の制御対象外のヒートポンプ給湯器(60e)が要因となってヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)全ての消費電力量の合計値が上昇する虞がない。故に、期間(P3,P4)それぞれでは、通信可能なヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d)の中から沸き上げ運転対象の台数“3台”が選択されている。一例として、期間(P3)ではヒートポンプ給湯器(60a,60c,60d)、期間(P4)ではヒートポンプ給湯器(60b,60c,60d)の各3台が運転対象として選択されている。
また、統括制御部(43)と全ての給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e)との通信が途絶えた場合、全てのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)は、統括制御部(43)の制御対象外となる。この場合、全ての給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e)は、自身の給湯側メモリ(52)内のスケジュールデータ(53)に応じて、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)の沸き上げ運転を行わせる。この際、既に説明したように、各グループA〜Cの実行可能時間帯(49d)は、互いに異なっており重複していない。そのため、たとえ全てのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)と統括制御部(43)との通信が途絶えたとしても、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)が沸き上げ運転を行う時間帯が集中することはなく、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)全ての消費電力量の合計値の上昇は抑えられる。
また、それまで通信不可能であった給湯器側制御部(50e)と統括制御部(43)との通信が復旧した場合、統括制御部(43)は、ヒートポンプ給湯器(60e)を再び制御対象として、沸き上げ運転対象の決定動作等の台数制御を行う。
なお、図示していないが、中央サーバ(42)は、通信ネットワーク(30)を介して各住戸(15a,15b,15c,15d,15e)の所有者が有する端末とも接続されている。通信不可能なヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)が存在する場合、中央サーバ(42)は、該ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)が設けられている住戸(15a,15b,15c,15d,15e)の所有者に、通信が途絶えている旨の情報を、メール手段等によって送信する。この情報により、所有者は、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e)側と中央サーバ(42)側との通信が途絶えていることを知ることができ、給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e)の通信状態の確認動作及び通信状態の復旧動作を行うことができる。
<効果>
図7に示すように、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)は、沸き上げ運転の実行可能時間帯(49d)が互いに異なる複数のグループA〜Cのうちのいずれかに属している。統括制御部(43)は、これらのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対応する給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)それぞれと通信可能に接続されている。統括制御部(43)と給湯器側制御部(50e)との間で通信不良が生じた場合、給湯器側制御部(50e)に対応するヒートポンプ給湯器(60e)は、図8に示すように、自身が属するグループCにおける実行可能時間帯(53d)に従って沸き上げ運転を行う。一方、統括制御部(43)は、通信が途絶えたヒートポンプ給湯器(60e)の実行可能時間帯(53d)においては、ヒートポンプ給湯器(60e)が沸き上げ運転を行っている可能性があることから、ヒートポンプ給湯器(60e)の台数“1台”分を所定台数から減算し、その結果を沸き上げ運転対象の新たな台数として決定する。統括制御部(43)は、複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)から通信が途絶えたヒートポンプ給湯器(60e)を除く残りの給湯器、つまりは通信が正常なヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,・・・)から、減算結果の台数“2台”分を選択すると、これを運転対象として沸き上げ運転制御を行う。
従って、統括制御部(43)の制御対象外となる通信不良のヒートポンプ給湯器(60e)が存在する場合でも、ヒートポンプ給湯器(60e)が湯切れ状態となることを回避することができる。且つ、統括制御部(43)の制御対象外であるヒートポンプ給湯器(60e)が自身で自発的に沸き上げ運転を行うことにより、ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値が上昇することも防ぐことができる。
また、対応するヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)のスケジュールデータ(53)を各給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)が有するのみならず、統括制御部(43)は、全てのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)のスケジュールデータ(49)を有している。従って、統括制御部(43)は、どのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が通信不良となっても、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の実行可能時間帯(49d)を把握し、通信が途絶えたヒートポンプ給湯器(60e)の台数“1台”を所定台数から減算する演算を確実に行うことができる。
また、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が属するグループA〜Cは、各ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の実際の消費電力量に応じて変更される。これにより、どのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が通信不良となっても、通信不良となったヒートポンプ給湯器が湯切れ状態となることをより確実に回避でき、且つ複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)全ての消費電力量の合計値が上昇することを確実に防ぐことができる。
<その他の実施形態>
給湯側メモリ(52)及び沸き上げ運転制御部(54)は、通信アダプタ(32a,32b,32c,32d,32e,・・・)に設けられるのではなく、ルータ(33a,33b,33c,33d,33e,・・・)内またはヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)内に設けられても良い。
ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の所属先のグループA〜Cは、数ヶ月毎に更新されるのではなく、一度設定されたグループA〜Cにて固定であってもよい。この場合、グループ単位でのヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の実際の消費電力量の合計値から、実行可能時間帯(49d,53d)の長さや時間帯が適宜変更されても良い。もしくは、一度設定されたグループA〜Cのみならず、各グループA〜Cの実行可能時間帯(49d,53d)自体も、固定であってもよい。
スケジュールデータ(49,53)は、給湯制御システム(40)の構築時ではなく、給湯制御システム(40)の出荷前に予め設定されていてもよい。また、スケジュールデータ(49,53)の設定動作は、給湯制御システム(40)の利用者によって手動で行われても良い。
図2及び図10では、通信不可能なヒートポンプ給湯器が1台の場合を例示している。しかし、通信不可能なヒートポンプ給湯器の台数は、2台以上であってもよい。この場合、上記と同様、通信不可能なヒートポンプ給湯器は、個々のスケジュールデータ(53)に基づいて個々に自立運転モードにて沸き上げ運転を行う。統括制御部(43)は、通信不可能なヒートポンプ給湯器それぞれの実行可能時間帯において、該ヒートポンプ給湯器の台数を沸き上げ運転対象の所定台数から減算し、通信可能なヒートポンプ給湯器の中から減算結果の台数分だけヒートポンプ給湯器を選択し、これを沸き上げ運転対象として制御する。
また、統括制御部(43)との通信が不可能な給湯器側制御部(50e)は、貯湯タンク(75)内の残湯量が所定量未満となった場合、現時刻が図8のスケジュールデータ(53)の実行可能時間帯(53d)に該当するのであれば、直ちに沸き上げ運転を開始させてもよい。
上記給湯システム(40)が制御対象とする給湯器は、ヒートポンプを熱源とする給湯器に限らず、例えばジュール熱によって貯湯タンク(75)内の水を加熱する給湯器であってもよい。
以上説明したように、本発明は、統括制御部と給湯器側制御部との間の通信不良が生じた場合でも、湯切れの発生及び全ヒートポンプ給湯器の消費電力量の合計値の上昇を抑えるシステムとして有用である。
15 集合住宅(対象エリア)
40 給湯制御システム
43 統括制御部
48 統括側メモリ
49,53 スケジュールデータ
50a,50b,50c,50d,50e,・・・ 給湯器側制御部
52 給湯側メモリ
60a,60b,60c,60d,60e,・・・ ヒートポンプ給湯器
75 貯湯タンク

Claims (3)

  1. 所定の対象エリア(15)に設置されそれぞれが貯湯タンク(75)を有する複数のヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)、を制御する給湯制御システムであって、
    各上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)に対応して設けられた複数の給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)と、
    各上記給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)と通信可能に接続され、複数の上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の中から沸き上げ運転の運転対象となる上記ヒートポンプ給湯器を所定台数選び、該運転対象に対して沸き上げ運転制御を行う統括制御部(43)と
    を備え、
    上記給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d,50e,・・・)は、各上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が属するグループ毎の沸き上げ運転の実行可能時間帯(49d)が互いに異なっているスケジュールデータ(49)のうち、対応する上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の上記スケジュールデータ(53)を格納する給湯側メモリ(52)、を有し、
    上記統括制御部(43)と少なくとも1つの上記給湯器側制御部(50e)との間で通信不良が生じた場合、
    上記統括制御部(43)との通信が不可能な上記給湯器側制御部(50e)は、上記給湯側メモリ(52)内の上記スケジュールデータ(53)に基づいて、対応する上記ヒートポンプ給湯器(60e)の制御を行い、
    上記統括制御部(43)は、通信不可能な上記給湯器側制御部(50e)に対応する上記ヒートポンプ給湯器(60e)の上記実行可能時間帯(53d)においては、該ヒートポンプ給湯器(60e)の台数を上記所定台数から減算すると共に、通信可能な上記給湯器側制御部(50a,50b,50c,50d)に対応する上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d)の中から上記運転対象を上記減算した結果だけ選択する
    ことを特徴とする給湯制御システム。
  2. 請求項1において、
    上記統括制御部(43)は、
    各上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の上記スケジュールデータ(49)が格納された統括側メモリ(48)、を有し、
    上記統括側メモリ(48)内の上記スケジュールデータ(49)に基づいて、通信不可能な上記給湯器側制御部(50e)に対応する上記ヒートポンプ給湯器(60e)の上記実行可能時間帯を把握する
    ことを特徴とする給湯制御システム。
  3. 請求項1または請求項2において、
    各上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)が属する上記グループは、各上記ヒートポンプ給湯器(60a,60b,60c,60d,60e,・・・)の実際の消費電力量に応じて変更される
    ことを特徴とする給湯制御システム。
JP2013271235A 2013-12-27 2013-12-27 給湯制御システム Expired - Fee Related JP5825338B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013271235A JP5825338B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 給湯制御システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2013271235A JP5825338B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 給湯制御システム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2015124963A JP2015124963A (ja) 2015-07-06
JP5825338B2 true JP5825338B2 (ja) 2015-12-02

Family

ID=53535782

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2013271235A Expired - Fee Related JP5825338B2 (ja) 2013-12-27 2013-12-27 給湯制御システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5825338B2 (ja)

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6295933B2 (ja) * 2014-12-03 2018-03-20 三菱電機株式会社 貯湯式給湯システム
JP6493010B2 (ja) * 2015-06-23 2019-04-03 東京電力ホールディングス株式会社 ヒートポンプ式貯湯装置の運転時間設定方法
JP2018197614A (ja) * 2017-05-23 2018-12-13 リンナイ株式会社 給湯器
JP6909651B2 (ja) * 2017-06-29 2021-07-28 リンナイ株式会社 給湯システム
JP7433054B2 (ja) 2020-01-15 2024-02-19 三菱電機株式会社 制御装置、制御装置を備えた給湯システムおよび制御方法
JP7528833B2 (ja) 2021-03-24 2024-08-06 三菱電機株式会社 給湯制御システム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2015124963A (ja) 2015-07-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5825338B2 (ja) 給湯制御システム
US10302312B2 (en) Estimation of unknown states for an electric water heater with thermal stratification and use of same in demand response and condition-based maintenance
US11408616B2 (en) Water heaters with real-time hot water supply determination
US11629884B2 (en) Tank-based and tankless water heater systems
JP6328283B2 (ja) コントローラ、スケジュール作成方法、及びプログラム
US11085667B2 (en) Estimation of temperature states for an electric water heater from inferred resistance measurement
US9500376B2 (en) Fluid heating system, fluid heating method, fluid heating control system, control apparatus, and control method
CN112119266B (zh) 热水器、用于热水器的控制器和非暂时性计算机可读介质
PT2989427T (pt) Sistema de monitorização
JP5835278B2 (ja) 給湯制御システム
JP6065039B2 (ja) 給湯制御システム
JP2018148790A (ja) コントローラ、スケジュール作成方法、及びプログラム
JP2018148789A (ja) コントローラ、スケジュール作成方法、及びプログラム
JP6115831B2 (ja) コントローラ、スケジュール作成方法、及びプログラム
JP5768872B2 (ja) 給湯制御システム
JP5907158B2 (ja) 給湯制御システム
JP2015012719A (ja) 電気機器制御システム
WO2020242851A1 (en) Estimation of temperature states for an electric water heater from inferred resistance measurement
JP6212990B2 (ja) 電気機器制御システム

Legal Events

Date Code Title Description
TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150915

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150928

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 5825338

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees