JP6057867B2 - 貯湯式給湯装置 - Google Patents

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Description

本発明は、時間帯別電力料金制度の深夜時間帯等の電力需要の低い特定時間帯に湯を沸き上げて貯湯する貯湯式給湯装置に関するものである。
従来よりこの種の貯湯式給湯装置においては、特許文献1に開示されているように、太陽光発電装置が接続されている場合に、深夜時間帯等の電力需要の低い特定時間帯での沸き上げ終了時刻をこの特定時間帯の終了時刻よりも早めるようにして、太陽光発電装置の発電電力を貯湯式給湯装置の沸き上げ運転で消費しないように配慮したものが知られている。
特開2012−163238号公報
ところが、この従来のものでは、ユーザーの熱量需要が多くて必要沸き上げ時間が長い場合に、沸き上げ開始時刻が特定時間帯の開始時刻付近に決定されるが、特定時間帯の開始時刻付近は電力会社管内の電力需要がまだ下がっていないため、特定時間帯の開始時刻付近の電力需要が増加してしまう一方で、沸き上げ終了時刻付近では従来より少なかった電力需要がさらに減少し、特定時間帯中の電力需要の差が広がってしまうという課題があった。
そこで、本発明は上記課題を解決するため、湯水を貯湯する貯湯タンクと、前記貯湯タンク内の湯水を加熱して沸き上げる加熱手段と、前記加熱手段で沸き上げる特定時間帯を設定する特定時間帯設定手段と、電力需要が低い低電力需要時間帯の情報を設定する低電力需要情報設定手段と、前記貯湯タンク内の湯水の給湯等による使用熱量を算出記憶する使用熱量記憶手段と、前記貯湯タンク内に沸き上げる湯量を算出する沸き上げ必要量算出手段と、前記使用熱量記憶手段で記憶している前記使用熱量から前記加熱手段で沸き上げる沸き上げ目標温度を決定する沸き上げ目標温度決定手段と、前記沸き上げ必要量を前記沸き上げ目標温度に沸き上げるのに必要な必要沸き上げ時間を算出する沸き上げ必要時間算出手段と、前記特定時間帯設定手段の特定時間帯の情報と、前記低電力需要情報設定手段の低電力需要時間帯の情報と、前記沸き上げ必要時間算出手段の必要沸き上げ時間の情報とに基づき、以下のA〜Dの条件に従って沸き上げ開始時刻を決定する沸き上げ開始時刻決定手段と、前記沸き上げ開始時刻となると前記加熱手段を駆動して沸き上げ運転を開始する沸き上げ制御手段と、を有したものとした。
A:前記必要沸き上げ時間が前記特定時間帯よりも長い場合は、前記特定時間帯の開始時刻を前記沸き上げ開始時刻とする。
B:前記必要沸き上げ時間が前記低電力需要時間帯の開始時刻と前記特定時間帯の終了時刻間の時間帯よりも長く、かつ前記特定時間帯より短い場合は、前記特定時間帯の終了時刻から前記必要沸き上げ時間だけ遡った時刻を前記沸き上げ開始時刻とする。
C:前記必要沸き上げ時間が前記低電力需要時間帯の開始時刻と前記特定時間帯の終了時刻間の時間帯よりも短く、かつ前記低電力需要時間帯よりも長い場合は、前記低電力需要時間帯の開始時刻を前記沸き上げ開始時刻とする。
D:前記必要沸き上げ時間が前記低電力需要時間帯よりも短い場合は、前記低電力需要時間帯の終了時刻から前記必要沸き上げ時間だけ遡った時刻を前記沸き上げ開始時刻とする。
また、前記低電力需要情報設定手段は、外部の情報機器と通信可能とし、この外部の情報機器から低電力需要時間帯を取得して設定するものとした。
また、前記低電力需要情報設定手段を、前記低電力需要時間帯を手動設定可能に構成したものとした。
また、前記低電力需要情報設定手段は、予め決められた時間帯を低電力時間帯として設定しているものとした。
また、前記低電力需要情報設定手段は、外部の太陽光発電装置の発電開始時刻に基づいて低電力需要時間帯の終了時刻を設定するものとした。
本発明によれば、特定時間帯の中でも電力需要が低い低電力需要時間帯に沸き上げを行うことができ、必要沸き上げ時間が比較的長い場合でも、できるだけ特定時間帯の開始時刻や終了時刻付近の電力需要が比較的高い時間帯を回避して沸き上げ運転を行うことができる。そのため、特定時間帯中の電力需要の差を縮小することに資するものである。
本発明の一実施形態の設置構成の概略構成図 同一実施形態の貯湯式給湯装置の概略構成図 同一実施形態の制御手段の制御ブロック図 同一実施形態の沸き上げ動作を説明するためのフローチャート図 同一実施形態の電力需要カーブと沸き上げ開始時刻の決定方法を説明するためのタイムチャート図
本発明の一実施形態の貯湯式給湯機としてのヒートポンプ貯湯式給湯機1を図面に基づいて説明する。
このヒートポンプ貯湯式給湯機1は、図1に示すように、太陽光発電装置101が設置された住宅等に設置され、他の設備機器等と同様に、分電盤102を介して電力会社103からの電力で主に駆動されるものである。太陽光発電装置101は、太陽光によってパネルで発電した直流電力を交流に変換するパワーコンディショナ104を介して分電盤102に電力供給し、分電盤102では、住宅等内で消費する電力以上の発電電力量があると電力会社103へ売電するようにしている。
105はHEMS(ホームエネルギーマネジメントシステム)機器等の情報機器で、インターネット回線等を介して外部の電力会社103等のサーバー(図示せず)と双方向通信可能に構成されていると共に、家庭内の各種機器(ヒートポンプ貯湯式給湯機1、分電盤102、パワーコンディショナ104、各設備機器、各家電機器)と双方向通信可能に構成され、家庭内の電力消費状態、動作をマネジメントするためのものである。
次に、このヒートポンプ貯湯式給湯機1について説明すると、図2に示すように、2は湯水を貯湯するステンレス製の貯湯タンク3を有した貯湯タンクユニット、4は貯湯タンク3内の湯水を主に深夜時間帯等の特定時間帯に沸き上げる加熱手段としてのヒートポンプユニット、5は給湯設定温度を変更する等の操作を行うためのリモートコントローラである。
貯湯タンクユニット2には、貯湯タンク3底部に市水を給水する給水管6と、貯湯タンク3上部から出湯する出湯管7と、給水管6から分岐された給水バイパス管8と、出湯管7からの湯水と給水バイパス管8からの水とを給湯設定温度になるように混合する給湯混合弁9と、給湯混合弁9で混合された湯が流通する給湯管10と、給湯管10途中に設けられ給湯温度を検出する給湯温度センサ11と、給湯管10途中に設けられ給湯流量を検出する給湯流量センサ12と、給水バイパス管8途中に設けられ給水温度を検出する給水温度センサ13と、貯湯タンク2の側面上下に複数設けられてそれぞれ貯湯温度を検出する貯湯温度センサ14と、給水管6に設けられ市水の給水圧を一定の圧力に減圧する減圧弁15と、貯湯タンク2内の過圧を逃がす過圧逃がし弁16と、ヒートポンプユニット4で加熱するため貯湯タンク2底部から取り出した湯水を流通させる加熱往き管17と、ヒートポンプユニット4で加熱された湯水を貯湯タンク2上部へ戻すために流通させる加熱戻り管18とが設けられている。
また、貯湯タンクユニット2には、貯湯タンク2内の湯の熱で浴槽19からの浴水を加熱するための風呂熱交換器20と、浴槽19と風呂熱交換器20とを浴水が循環可能に接続する風呂循環回路21と、風呂循環回路21途中に設けられ浴水を循環させる風呂循環ポンプ22と、風呂循環回路21を風呂熱交換器20をバイパスして接続する熱交バイパス管23と、浴槽19からの浴水を風呂熱交換器20側へ流すか熱交バイパス管23側へ流すかを切り替える三方弁24と、浴槽19から風呂熱交換器20へ流れる浴水の温度を検出する風呂温度センサ25と、風呂循環回路21の浴水の循環の有無を検知する流水スイッチ26と、浴槽19内の水位を検出するための水位センサ27とが設けられている。
さらに、貯湯タンクユニット2には、給湯管10から分岐されて風呂循環回路21途中に接続される湯はり管28と、湯はり管27途中に設けられ湯はり流量を検出する湯はり流量センサ29と、湯はり管28途中に設けられ湯はり温度を検出する湯はり温度センサ30と、湯はり管28途中に設けられた電磁弁よりなる湯はり開閉弁31と、湯はり開閉弁31の下流に設けられ、湯はり開閉弁31上流側の給水圧よりも浴槽19からの逆流圧が高いときに浴水を外部に排水するホッパー弁32とが設けられている。
ヒートポンプユニット4には、冷媒を圧縮する圧縮機33と、圧縮された高温冷媒と貯湯タンク3からの湯水とを熱交換する冷媒水熱交換器34と、冷媒水熱交換器34で放熱された冷媒を減圧する膨張弁35と、低温低圧の冷媒を蒸発する蒸発器36と、圧縮機33、冷媒水熱交換器34、膨張弁35、蒸発器36を環状に接続した冷凍サイクル配管37と、蒸発器36に熱源となる外気を送風する送風機38と、外気温度を検出する外気温度センサ39と、冷媒水熱交換器34の水側に貯湯タンク3からの湯水を供給する加熱循環ポンプ40と、加熱往き管16から冷媒水熱交換器34に流入する湯水の温度を検出する入水温度センサ41と、冷媒水熱交換器34から加熱戻り管17へ流出する湯水の温度を検出する沸き上げ温度センサ42とが設けられている。
リモートコントローラ5には、給湯機に関する各種の情報(給湯設定温度、風呂設定温度、風呂設定湯量、残湯量、給湯機の作動状態等)を表示する表示部43と、給湯設定温度および風呂設定温度あるいは風呂設定湯量を設定操作するための設定スイッチ44と、浴槽19へ風呂設定湯量の湯はりを指示する湯はりスイッチ45等の複数の操作スイッチ46とが設けられている。
47は貯湯タンクユニット2内に設けられ、給湯温度センサ11、給湯流量センサ12、給水温度センサ13、貯湯温度センサ14、風呂温度センサ25、流水スイッチ26、水位センサ27、湯はり流量センサ29、湯はり温度センサ30の検出値が入力され、給湯混合弁9、風呂循環ポンプ22、三方弁24、湯はり開閉弁31の作動を制御すると共に、ヒートポンプユニット4およびリモートコントローラ5と必要な情報を送受信可能に接続された貯湯制御手段である。ここで、貯湯制御手段47は、MPU等の論理回路を有してメモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って作動を制御するものである。
48はヒートポンプユニット4内に設けられ、外気温度センサ39、入水温度センサ41、沸き上げ温度センサ42の検出値が入浴され、圧縮機33、膨張弁35、送風機38、加熱循環ポンプ40の作動を制御すると共に、貯湯制御手段47と必要な情報を送受信可能に接続された加熱制御手段である。ここで、加熱制御手段48は、MPU等の論理回路を有してメモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って作動を制御するものである。
49はリモートコントローラ5内に設けられ、操作スイッチ46の操作信号や貯湯制御手段47からの信号を受け、表示部43に予め定められた必要な表示を行わせると共に、貯湯制御手段47に操作信号に基づく信号を送信するリモコン制御手段である。ここで、リモコン制御手段49は、MPU等の論理回路を有してメモリを参照しつつ予め記憶されているプログラムに従って作動を制御するものである。
ここで、貯湯制御手段47と加熱制御手段48とリモコン制御手段49は互いに必要な情報を授受して、互いに連携してヒートポンプ貯湯式給湯機1の作動を制御する制御手段として振る舞うものである。
図3は、貯湯制御手段47の要部の制御ブロック図で、51は特定時間帯Xの開始時刻t1と終了時刻t2を設定する特定時間帯設定手段で、特定時間帯設定手段51は予め複数の電力会社の電力料金制度に対応した特定時間帯Xの開始時刻t1とt2が複数セット記憶されており、設置業者によってユーザーが選択した電力料金制度に応じた特定時間帯Xが設定されるものである。
52は電力需要が低い低電力需要時間帯Yの開始時刻t3と終了時刻t4を設定する低電力需要情報設定手段で、情報機器105が電力会社103等から入手した低電力需要時間帯情報に基づいて低電力需要時間帯Yの開始時刻t3と終了時刻t4が設定されるものである。
53は給湯流量センサ12で検出する給湯流量や湯はり流量センサ28で検出する湯はり流量等の情報に基づいて一日分の給湯等の使用熱量Qを算出して複数日分記憶する使用熱量記憶手段である。使用熱量Qは、常時給湯流量センサ12および湯はり流量センサ29の出力を監視し、給湯設定温度と給水温度と給湯流量および風呂設定温度と給水温度と湯はり流量とからそれぞれ給湯の使用熱量と湯はりの使用熱量を算出し加算することで算出するもので、これにさらに風呂熱交換器20で浴槽水の加熱に消費された熱量の概算分を加算するようにしてもよい。
54は貯湯タンク1の容量Vから貯湯温度センサ13で検出する所定温度以上の残湯量Vzを減算して貯湯タンク1内に沸き上げる容量(沸き上げ必要量Vn)を算出する沸き上げ必要量算出手段、55は使用熱量記憶手段53で記憶している過去複数日分の使用熱量Qからヒートポンプユニット30で沸き上げる湯の温度(沸き上げ目標温度Ts)を決定する沸き上げ目標温度決定手段、56は沸き上げ必要量算出手段54で算出された沸き上げ必要量Vnを沸き上げ目標温度決定手段55で決定した沸き上げ目標温度Tsに沸き上げるのに必要な時間(必要沸き上げ時間H)を、ヒートポンプユニット30の定格加熱能力Wと給水温度Twを用いて算出する沸き上げ必要時間算出手段である。
57は特定時間帯設定手段51の特定時間帯Xの情報と、低電力需要情報設定手段52の低電力需要時間帯Yの情報と、沸き上げ必要時間算出手段56の必要沸き上げ時間Hの情報とに基づき、以下のA〜Dの条件に従って沸き上げ開始時刻tpsを決定する沸き上げ開始時刻決定手段である。
A:必要沸き上げ時間Hが特定時間帯Xよりも長い場合は、特定時間帯Xの開始時刻t1を沸き上げ開始時刻tpsとする。
B:必要沸き上げ時間Hが低電力需要時間帯Yの開始時刻t3と特定時間帯Xの終了時刻間t2の時間帯(Y+Z)よりも長く、かつ特定時間帯Xより短い場合は、特定時間帯Xの終了時刻t2から必要沸き上げ時間Hだけ遡った時刻を沸き上げ開始時刻tpsとする。
C:必要沸き上げ時間Hが低電力需要時間帯Yの開始時刻t3と特定時間帯Xの終了時刻t2間の時間帯(Y+Z)よりも短く、かつ低電力需要時間帯Yよりも長い場合は、低電力需要時間帯Yの開始時刻t3を沸き上げ開始時刻tpsとする。
D:必要沸き上げ時間Hが低電力需要時間帯Yよりも短い場合は、低電力需要時間帯Yの終了時刻t4から必要沸き上げ時間Hだけ遡った時刻を沸き上げ開始時刻tpsとする。
そして、貯湯制御手段47は、現在時刻が沸き上げ開始時刻決定手段57で決定した沸き上げ開始時刻tpsになると、沸き上げ運転を開始すべく加熱制御手段48に対して駆動指令を出力するようにしているものである。
次に、本発明の沸き上げ動作時の作動を図4のフローチャート図に基づいて説明する。
まず特定時間帯Xの開始時刻t1が到来すると(ステップS1でYes)、貯湯制御手段47は全貯湯温度センサ14の検出温度を確認し、沸き上げ不可能な下限温度である所定温度以上の残湯量Vzを算出し(ステップS2)、沸き上げ必要量算出手段54にて予め記憶されている貯湯タンク1の有効容量Vから残湯量Vzを減算して沸き上げ必要量Vnを算出する(ステップS3)。
次に沸き上げ目標温度決定手段55にて使用熱量記憶手段53で記憶されている過去複数日分の使用熱量Qに基づいて沸き上げ目標温度Tsを決定する(ステップS4)。ここでは沸き上げ目標温度決定手段55は使用熱量Qに基づいて沸き上げ目標温度Tsを決定するためのデータテーブルが予め記憶されており、使用熱量Qが多いほど沸き上げ目標温度Tsは高い温度に決定されるようにしている。なお、沸き上げ目標温度Tsの決定に際して、外気温度センサ39で検出する外気温度が低いほど沸き上げ目標温度Tsを高い温度となるように補正するようにしてもよいものである。
そして沸き上げ必要時間算出手段56にて、沸き上げ必要量Vnに沸き上げ目標温度Tsから給水温度センサ13で検出していた最低給水温度Twを減算した値を、予め記憶されているヒートポンプユニット3の定格加熱能力Wで除算して、沸き上げ必要量Vnの湯水を沸き上げ目標温度Tsまで沸き上げるのに必要な時間(必要沸き上げ時間H)を算出する(ステップS5)。
次に沸き上げ開始時刻決定手段57にて特定時間帯設定手段51の特定時間帯Xの情報と、低電力需要情報設定手段52の低電力需要時間帯Yの情報と、沸き上げ必要時間算出手段56の必要沸き上げ時間Hの情報とに基づき、以下のA〜Dの条件に従って沸き上げ開始時刻tpsを決定する。
A:必要沸き上げ時間Hが特定時間帯Xよりも長い場合は、特定時間帯Xの開始時刻t1を沸き上げ開始時刻tpsとする。
B:必要沸き上げ時間Hが低電力需要時間帯Yの開始時刻t3と特定時間帯Xの終了時刻間t2の時間帯(Y+Z)よりも長く、かつ特定時間帯Xより短い場合は、特定時間帯Xの終了時刻t2から必要沸き上げ時間Hだけ遡った時刻を沸き上げ開始時刻tpsとする。
C:必要沸き上げ時間Hが低電力需要時間帯Yの開始時刻t3と特定時間帯Xの終了時刻t2間の時間帯(Y+Z)よりも短く、かつ低電力需要時間帯Yよりも長い場合は、低電力需要時間帯Yの開始時刻t3を沸き上げ開始時刻tpsとする。
D:必要沸き上げ時間Hが低電力需要時間帯Yよりも短い場合は、低電力需要時間帯Yの終了時刻t4から必要沸き上げ時間Hだけ遡った時刻を沸き上げ開始時刻tpsとする。
図5には、A〜Dの条件に従った沸き上げ開始時刻tpsの決定例を図示している。
ここで、Aでは必要沸き上げ時間Hが特定時間帯Xよりも長いため、電気料金単価の安い特定時間帯Xを目一杯沸き上げ運転するように沸き上げ開始時刻tpsを特定時間帯Xの開始時刻t1としている。
Bでは必要沸き上げ時間Hが特定時間帯Xよりも短く、低電力需要時間帯Yの開始時刻t3と特定時間帯Xの終了時刻間t2の時間帯(Y+Z)よりも長いため、特定時間帯Xの終了時刻t2までに沸き上げ運転が終了するように、特定時間帯Xの終了時刻t2から沸き上げ必要時間Hだけ遡った時刻を沸き上げ開始時刻tpsとしている。
Cでは低電力需要時間帯Yの開始時刻t3と特定時間帯Xの終了時刻間t2の時間帯(Y+Z)よりも短く、必要沸き上げ時間Hが低電力需要時間帯Yよりも長いため、低電力需要時間帯Yを目一杯沸き上げ運転すると共に、特定時間帯Xの低電力需要時間帯Y外の夜時間(t1〜t3間)と朝時間(t4〜t2)のうち比較的電力需要の低い朝時間(t4〜t2)に沸き上げ運転がされるよう、沸き上げ開始時刻tpsを低電力需要時間帯Yの開始時刻t3としている。
Dでは必要沸き上げ時間Hが低電力需要時間帯Yよりも短いため、低電力需要時間帯Y内のうち比較的電力需要の低い明け方に沸き上げ運転がされるよう低電力需要時間帯Yの終了時刻t4から沸き上げ必要時間Hだけ遡った時刻を沸き上げ開始時刻tpsとしている。
そして、貯湯制御手段47は現在時刻が沸き上げ開始時刻決定手段57で決定した沸き上げ開始時刻tpsとなると(ステップS7でYes)、加熱制御手段48に対して沸き上げ運転の開始指示を出力し、加熱制御手段48は圧縮機33や膨張弁35、送風機38を駆動してヒートポンプサイクルによる沸き上げ運転を開始する(ステップS8)。
貯湯タンク1最下部の貯湯温度センサ14が所定温度以上を検出すると、沸き上げが終了したと判断して(ステップS9でYes)、貯湯制御手段47は沸き上げ運転の停止指示を加熱制御手段48に対して出力し、加熱制御手段48は圧縮機33や膨張弁35、送風機38を駆動停止処理してヒートポンプサイクルによる沸き上げ運転を停止する(ステップS10)。
このように、特定時間帯Xの中でも電力需要が低い低電力需要時間帯Yに沸き上げを行うことができ、必要沸き上げ時間Hが比較的長い場合でも、できるだけ特定時間帯Xの開始時刻t3や終了時刻t4付近の電力需要が比較的高い時間帯を回避して沸き上げ運転を行うことができる。そのため、特定時間帯X中の電力需要の差を縮小することに資するものである。
また、低電力需要時間帯Yは電力需要情報に基づいて定められることとなるため、地域特性や季節、環境や時代に合わせて適切に特定時間帯X中の電力需要の差を縮小することに資するものである。
なお、本発明は上記一実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を変更しない範囲で改変可能なものであり、例えば加熱手段としてヒートポンプユニット4ではなく貯湯タンク1に設けた電熱ヒータを用いる構成でもよいものである。
また、低電力需要情報設定手段52は情報機器105からの低電力需要時間帯Yの情報に基づいて低電力需要時間帯Yの開始時刻t3と終了時刻t4を設定しているが、電力会社103が発表する電力需要情報に関する文書等に基づいた時間を、ユーザーがリモートコントローラ5の操作スイッチ46の操作して入力することに応じて低電力需要時間帯Yの開始時刻t3と終了時刻t4を設定するように構成してもよいものであり、適切に低電力需要時間帯Yの開始時刻t3と終了時刻t4が操作設定されれば、低電力需要時間帯Yは電力需要情報に基づいて定められることとなるため、季節や時代に合わせて適切に特定時間帯X中の電力需要の差を縮小することに資することができるものである。
また、予め定められた時間を低電力需要時間帯Yの開始時刻t3と終了時刻t4を設定するように構成したものであっても、特定時間帯Xの中でも電力需要が低い低電力需要時間帯Yに沸き上げを行うことができ、必要沸き上げ時間Hが比較的長い場合でも、できるだけ特定時間帯Xの開始時刻t1や終了時刻t2付近の電力需要が比較的高い時間帯を回避して沸き上げ運転を行うことができるものである。
また、低電力需要情報設定手段52は、太陽光発電装置101と連携することも可能で、ここでは、低電力需要情報設定手段52は、電力需要が低い低電力需要時間帯Yの開始時刻t3と、後述する終了時刻t4を設定する低電力需要情報設定手段で、情報機器105が電力会社103等から入手した低電力需要時間帯情報に基づいて低電力需要時間帯Yの開始時刻t3を設定し、情報機器105を介して太陽光発電装置101の発電実績のうち発電開始時刻の情報を取得し、この発電開始時刻に基づいて低電力需要時間帯Yの終了時刻t4を設定するようにしている。
このようにして、低電力需要時間帯Yの終了時刻t4を太陽光発電装置101の発電開始時刻に基づいた時刻として設定するので、必要沸き上げ時間Hが短い場合は、発電開始前に沸き上げ運転を終わらせるようにするため太陽光発電装置101の発電による売電量を増加することができ、必要沸き上げ時間Hが低電力需要時間帯Yよりも長い場合は、できるだけ特定時間帯Xの開始時刻t1や終了時刻t2付近の電力需要が比較的高い時間帯を回避して沸き上げ運転を行うことができ、適切に特定時間帯X中の電力需要の差を縮小することに資することができるものである。
なお、低電力需要情報設定手段52は、低電力需要時間帯Yの開始時刻t3は特定時間帯Xの開始時刻t1よりも遅い時刻で、低電力需要時間帯Yの終了時刻t4は特定時間帯Xの終了時刻t2よりも早い時刻であることを前提としているが、もしもそれぞれ時刻が逆転する場合は、特定時間帯Xの開始時刻t1または終了時刻t2を低電力需要時間帯Yの開始時刻t3または終了時刻t4にそれぞれ設定するようにして、電力料金が不要に高くなってしまうことを防止している。
また、使用熱量記憶手段53、沸き上げ必要量設定手段54、沸き上げ温度設定手段55、沸き上げ必要時間算出手段56は既に公知の構成を採用することを妨げるものではない。
101 太陽光発電装置
105 情報機器
1 ヒートポンプ貯湯式給湯機
3 貯湯タンク
4 ヒートポンプユニット(加熱手段)
51 特定時間帯設定手段
52 低電力需要情報設定手段
53 使用熱量記憶手段
54 沸き上げ必要量算出手段
55 沸き上げ目標温度決定手段
56 沸き上げ必要時間算出手段
57 沸き上げ開始時刻決定手段

Claims (5)

  1. 湯水を貯湯する貯湯タンクと、
    前記貯湯タンク内の湯水を加熱して沸き上げる加熱手段と、
    前記加熱手段で沸き上げる特定時間帯を設定する特定時間帯設定手段と、
    電力需要が低い低電力需要時間帯の情報を設定する低電力需要情報設定手段と、
    前記貯湯タンク内の湯水の給湯等による使用熱量を算出記憶する使用熱量記憶手段と、
    前記貯湯タンク内に沸き上げる湯量を算出する沸き上げ必要量算出手段と、
    前記使用熱量記憶手段で記憶している前記使用熱量から前記加熱手段で沸き上げる沸き上げ目標温度を決定する沸き上げ目標温度決定手段と、
    前記沸き上げ必要量を前記沸き上げ目標温度に沸き上げるのに必要な必要沸き上げ時間を算出する沸き上げ必要時間算出手段と、
    前記特定時間帯設定手段の特定時間帯の情報と、前記低電力需要情報設定手段の低電力需要時間帯の情報と、前記沸き上げ必要時間算出手段の必要沸き上げ時間の情報とに基づき、以下のA〜Dの条件に従って沸き上げ開始時刻を決定する沸き上げ開始時刻決定手段と、
    前記沸き上げ開始時刻となると前記加熱手段を駆動して沸き上げ運転を開始する沸き上げ制御手段と、
    を有したことを特徴とする貯湯式給湯装置。
    A:前記必要沸き上げ時間が前記特定時間帯よりも長い場合は、前記特定時間帯の開始時刻を前記沸き上げ開始時刻とする。
    B:前記必要沸き上げ時間が前記低電力需要時間帯の開始時刻と前記特定時間帯の終了時刻間の時間帯よりも長く、かつ前記特定時間帯より短い場合は、前記特定時間帯の終了時刻から前記必要沸き上げ時間だけ遡った時刻を前記沸き上げ開始時刻とする。
    C:前記必要沸き上げ時間が前記低電力需要時間帯の開始時刻と前記特定時間帯の終了時刻間の時間帯よりも短く、かつ前記低電力需要時間帯よりも長い場合は、前記低電力需要時間帯の開始時刻を前記沸き上げ開始時刻とする。
    D:前記必要沸き上げ時間が前記低電力需要時間帯よりも短い場合は、前記低電力需要時間帯の終了時刻から前記必要沸き上げ時間だけ遡った時刻を前記沸き上げ開始時刻とする。
  2. 前記低電力需要情報設定手段は、外部の情報機器と通信可能とし、この外部の情報機器から低電力需要時間帯を取得して設定することを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯装置。
  3. 前記低電力需要情報設定手段を、前記低電力需要時間帯を手動設定可能に構成したことを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯装置。
  4. 前記低電力需要情報設定手段は、予め決められた時間帯を低電力時間帯として設定していることを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯装置。
  5. 前記低電力需要情報設定手段は、外部の太陽光発電装置の発電開始時刻に基づいて低電力需要時間帯の終了時刻を設定するようにしたことを特徴とする請求項1記載の貯湯式給湯装置。
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