JP5907111B2 - 気筒間空燃比ばらつき異常検出装置 - Google Patents

気筒間空燃比ばらつき異常検出装置 Download PDF

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Description

本発明は、多気筒内燃機関の気筒間空燃比ばらつき異常検出装置に係り、特に、一部の気筒の異常に起因して当該一部の気筒の空燃比が残部の気筒の空燃比に対し比較的大きくずれる異常(インバランス異常)を検出するための装置に関する。
一般に、触媒を利用した排気浄化システムを備える内燃機関では、排気中有害成分の触媒による浄化を高効率で行うため、内燃機関で燃焼される混合気の空気と燃料との混合割合、すなわち空燃比のコントロールが欠かせない。こうした空燃比の制御を行うため、内燃機関の排気通路に空燃比センサを設け、これによって検出された空燃比を所定の目標空燃比に一致させるようフィードバック制御を実施している。
一方、多気筒内燃機関においては、通常全気筒に対し同一の制御量を用いて空燃比制御を行うため、空燃比制御を実行したとしても実際の空燃比が気筒間でばらつくことがある。このときばらつきの程度が小さければ、空燃比フィードバック制御で吸収可能であり、また触媒でも排気中有害成分を浄化処理可能なので、排気エミッションにそれ程影響を与えず、特に問題とならない。
しかし、例えば一部の気筒の燃料噴射系が故障するなどして、気筒間の空燃比が大きくばらつくと、排気エミッションを悪化させてしまい、問題となる。このような排気エミッションを悪化させる程の大きな空燃比ばらつきは異常として検出するのが望ましい。特に自動車用内燃機関の場合、排気エミッションが悪化した車両の走行を未然に防止するため、気筒間空燃比ばらつき異常を車載状態(オンボード)で検出することが要請されている。
特開2007−113515号公報
ところで、気筒間空燃比ばらつき異常を検出する場合、空燃比センサの出力変動度合いに相関するパラメータの値を算出し、この算出されたパラメータに基づいてばらつき異常を検出することが考えられる。
また、ばらつき異常の原因となっている異常気筒をも特定できるようにすることが、その後の迅速な修理等のため望ましい。特に、異常気筒は1気筒とは限らず、2気筒の場合もある。よって異常気筒が2気筒である場合にその2気筒を特定できるようにすることが望ましい。
そこで本発明は、上記事情に鑑みて創案され、その目的は、ばらつき異常の原因となっている異常気筒が2気筒である場合に、異常気筒の可能性がある2気筒の組み合わせを特定可能な気筒間空燃比ばらつき異常検出装置を提供することにある。
本発明の一の態様によれば、
少なくとも3つ以上の複数の気筒に共通の排気通路に設置された空燃比センサの出力変動度合いが大きくなるほど大きくなるパラメータの値を算出し、該算出されたパラメータの値に基づいて気筒間空燃比ばらつき異常を検出する気筒間空燃比ばらつき異常検出装置であって、該気筒間空燃比ばらつき異常検出装置は、異常気筒が2気筒である場合に異常気筒の可能性がある2気筒の組み合わせを特定するものであり、
(A)前記複数の気筒のうちの2気筒に対する燃料噴射量を強制的に変更して前記パラメータの値を算出するステップと、
(B)前記2気筒を全ての2気筒の組み合わせのうちの他の組み合わせの2気筒に変更して前記ステップ(A)を繰り返すステップと、
(C)前記ステップ(A)および(B)で算出された複数の前記パラメータの値のうちの最小値に対応する2気筒の組み合わせを特定するステップと、
を実行するように構成され、
前記ステップ(B)において、全ての2気筒の組み合わせについて前記燃料噴射量の変更と前記パラメータの値の算出とが実行されるよう、前記ステップ(A)を繰り返す、
ことを特徴とする気筒間空燃比ばらつき異常検出装置が提供される。
好ましくは、前記ステップ(A)において、燃料噴射量の変更が燃料噴射量の増量である。
本発明によれば、ばらつき異常の原因となっている異常気筒が2気筒である場合に、異常気筒の可能性がある2気筒の組み合わせ特定することができるという、優れた効果が発揮される。
本発明の実施形態に係る内燃機関の概略図である。 触媒前センサおよび触媒後センサの出力特性を示すグラフである。 気筒間空燃比ばらつき度合いに応じた排気空燃比の変動を示すグラフである。 図3のU部に相当する拡大図である。 インバランス割合と出力変動パラメータの関係を示すグラフである。 異常気筒特定の方法および原理を説明するための図である。 各気筒の空燃比のばらつき状態を示す図であり、#1,#3気筒にリーンずれが発生している例を示す。 各気筒の空燃比のばらつき状態を示す図であり、#1,#4気筒にリーンずれが発生している例を示す。 各気筒の空燃比のばらつき状態を示す図であり、#1,#3気筒にリーンずれが発生している例を示す。 各気筒の空燃比のばらつき状態を示す図であり、#1,#4気筒にリーンずれが発生している例を示す。 ばらつき異常検出処理のフローチャートである。 強制アクティブ制御の実行パターンを示す表である。 異常気筒と異常種別を特定するためのテーブルを示す。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づき説明する。
図1は、本実施形態に係る内燃機関の概略図である。図示されるように、内燃機関(エンジン)1は、シリンダブロック2に形成された燃焼室3の内部で燃料および空気の混合気を燃焼させ、燃焼室3内でピストンを往復移動させることにより動力を発生する。内燃機関1は複数の気筒を備え、本実施形態では#1から#4までの四つの気筒を備える。また本実施形態の内燃機関1は自動車に搭載された多気筒内燃機関であり、より具体的には直列4気筒火花点火式内燃機関である。本発明に係る内燃機関の気筒数、形式等は特に限定されないが、気筒数は3以上である。
図示しないが、内燃機関1のシリンダヘッドには吸気ポートを開閉する吸気弁と、排気ポートを開閉する排気弁とが気筒毎に配設されており、各吸気弁および各排気弁はカムシャフトによって開閉させられる。シリンダヘッドの頂部には、燃焼室3内の混合気に点火するための点火プラグ7が気筒毎に取り付けられている。
各気筒の吸気ポートは気筒毎の枝管4を介して吸気集合室であるサージタンク8に接続されている。サージタンク8の上流側には吸気管13が接続されており、吸気管13の上流端にはエアクリーナ9が設けられている。そして吸気管13には、上流側から順に、吸入空気量を検出するためのエアフローメータ5(吸入空気量検出装置)と、電子制御式のスロットルバルブ10とが組み込まれている。吸気ポート、枝管4、サージタンク8及び吸気管13により吸気通路が形成される。
吸気通路、特に吸気ポート内に燃料を噴射するインジェクタ(燃料噴射弁)12が気筒毎に配設されている。インジェクタ12から噴射された燃料は吸入空気と混合されて混合気をなし、この混合気が吸気弁の開弁時に燃焼室3に吸入され、ピストンで圧縮され、点火プラグ7で点火燃焼させられる。なおインジェクタは燃焼室3内に燃料を直接噴射するものであってもよい。
一方、各気筒の排気ポートは排気マニフォールド14に接続される。排気マニフォールド14は、その上流部をなす気筒毎の枝管14aと、その下流部をなす排気集合部14bとからなる。排気集合部14bの下流側には排気管6が接続されている。排気ポート、排気マニフォールド14及び排気管6により排気通路が形成される。
また、排気マニフォールド14の排気集合部14bから下流側の排気通路は、複数の気筒である#1〜#4気筒に共通の排気通路を形成する。
排気管6の上流側と下流側にはそれぞれ三元触媒からなる触媒、すなわち上流触媒11と下流触媒19が直列に取り付けられている。これら触媒11,19は酸素吸蔵能(Oストレージ能)を有する。すなわち、触媒11,19は、排気ガスの空燃比がストイキ(理論空燃比、例えばA/F=14.6)より大きい(リーンな)ときに排気ガス中の過剰酸素を吸蔵し、NOxを還元する。また触媒11,19は、排気ガスの空燃比がストイキより小さい(リッチな)ときに吸蔵酸素を放出し、排気ガス中のHC,COを酸化する。
上流触媒11の上流側及び下流側にそれぞれ排気ガスの空燃比を検出するための第1及び第2の空燃比センサ、即ち触媒前センサ17及び触媒後センサ18が設置されている。これら触媒前センサ17及び触媒後センサ18は、上流触媒11の直前及び直後の位置に設置され、排気中の酸素濃度に基づいて空燃比を検出する。このように上流触媒11の上流側の排気合流部に単一の触媒前センサ17が設置されている。本実施形態の場合、触媒前センサ17が本発明にいう「空燃比センサ」に該当する。
上述の点火プラグ7、スロットルバルブ10及びインジェクタ12等は、制御装置としての電子制御ユニット(以下ECUと称す)20に電気的に接続されている。ECU20は、何れも図示されないCPU、ROM、RAM、入出力ポート、および記憶装置等を含むものである。またECU20には、図示されるように、前述のエアフローメータ5、触媒前センサ17、触媒後センサ18のほか、内燃機関1のクランク角を検出するクランク角センサ16、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ15、その他の各種センサが図示されないA/D変換器等を介して電気的に接続されている。ECU20は、各種センサの検出値等に基づいて、所望の出力が得られるように、点火プラグ7、スロットルバルブ10、インジェクタ12等を制御し、点火時期、燃料噴射量、燃料噴射時期、スロットル開度等を制御する。
スロットルバルブ10にはスロットル開度センサ(図示せず)が設けられ、スロットル開度センサからの信号がECU20に送られる。ECU20は、通常、アクセル開度に応じて定まる目標スロットル開度に、スロットルバルブ10の開度(スロットル開度)をフィードバック制御する。
ECU20は、エアフローメータ5からの信号に基づき、単位時間当たりの吸入空気の量である吸入空気量すなわち吸気流量を検出する。そしてECU20は、検出したアクセル開度、スロットル開度および吸入空気量の少なくとも一つに基づき、エンジン1の負荷を検出する。
ECU20は、クランク角センサ16からのクランクパルス信号に基づき、クランク角自体を検出すると共にエンジン1の回転数を検出する。ここで「回転数」とは単位時間当たりの回転数のことをいい、回転速度と同義である。本実施形態では1分間当たりの回転数rpmのことをいう。
触媒前センサ17は所謂広域空燃比センサからなり、比較的広範囲に亘る空燃比を連続的に検出可能である。図2に触媒前センサ17の出力特性を示す。図示するように、触媒前センサ17は、排気空燃比に比例した大きさの電圧信号Vfを出力する。排気空燃比がストイキであるときの出力電圧はVreff(例えば約3.3V)である。
他方、触媒後センサ18は所謂O2センサからなり、ストイキを境に出力値が急変する特性を持つ。図2に触媒後センサ18の出力特性を示す。図示するように、排気空燃比がストイキであるときの出力電圧、すなわちストイキ相当値はVrefr(例えば0.45V)である。触媒後センサ18の出力電圧は所定の範囲(例えば0〜1V)内で変化する。排気空燃比がストイキよりリーンのとき、触媒後センサの出力電圧はストイキ相当値Vrefrより低くなり、排気空燃比がストイキよりリッチのとき、触媒後センサの出力電圧はストイキ相当値Vrefrより高くなる。
上流触媒11及び下流触媒19は、それぞれに流入する排気ガスの空燃比A/Fがストイキ近傍のときに排気中の有害成分であるNOx,HCおよびCOを同時に浄化する。この三者を同時に高効率で浄化できる空燃比の幅(ウィンドウ)は比較的狭い。
そこで通常運転時、上流触媒11に流入する排気ガスの空燃比がストイキ近傍に制御されるように、空燃比フィードバック制御がECU20により実行される。この空燃比フィードバック制御は、触媒前センサ17によって検出された排気空燃比を所定の目標空燃比であるストイキに一致させるように燃料噴射量を制御する主空燃比制御(主空燃比フィードバック制御)と、触媒後センサ18によって検出された排気空燃比をストイキに一致させるように燃料噴射量を制御する補助空燃比制御(補助空燃比フィードバック制御)とからなる。
このように目標空燃比をストイキとする空燃比フィードバック制御をストイキ制御という。ストイキは基準空燃比をなす。ストイキ制御においては、全気筒の燃料噴射量が同一量だけ一律に補正される。
さて、全気筒のうちの一部の気筒に燃料系もしくは空気系の異常が発生し、気筒間に空燃比のばらつき(インバランス:imbalance)が発生する場合がある。例えば#1気筒のインジェクタ12が故障し、#1気筒が他の#2、#3及び#4気筒よりも燃料噴射量が多くなり、その空燃比が大きくリッチ側にずれる場合等である。このときでも前述のストイキ制御により比較的大きな補正量を与えれば、触媒前センサ17に供給されるトータルガスの空燃比、すなわち全気筒の平均空燃比をストイキに制御できる場合がある。しかし、気筒別に見ると、#1気筒がストイキより大きくリッチ、#2、#3及び#4気筒がストイキより若干リーンであり、全体のバランスとしてストイキとなっているに過ぎず、エミッション上好ましくないことは明らかである。そこで本実施形態では、かかる気筒間空燃比ばらつき異常を検出する装置が装備されている。
以下、本実施形態におけるばらつき異常検出の態様を説明する。
図3に示すように、気筒間空燃比ばらつきが発生すると、1エンジンサイクル(=720°CA)内での排気空燃比の変動が大きくなる。(B)の空燃比線図a,b,cはそれぞればらつき無し、1気筒のみ20%のインバランス割合でリッチずれ、及び1気筒のみ50%のインバランス割合でリッチずれの場合の、触媒前センサ17による検出空燃比A/Fを示す。見られるように、ばらつき度合いが大きくなるほど空燃比変動の振幅が大きくなる。
ここでインバランス割合(%)とは、気筒間空燃比のばらつき度合いに相関する一つのパラメータである。即ち、インバランス割合とは、全気筒のうちある1気筒のみが燃料噴射量ズレを起こしている場合に、その燃料噴射量ズレを起こしている気筒(インバランス気筒)の燃料噴射量がどれくらいの割合で、燃料噴射量ズレを起こしていない気筒(バランス気筒)の燃料噴射量即ち基準噴射量からズレているかを示す値である。インバランス割合をIB、インバランス気筒の燃料噴射量をQib、バランス気筒の燃料噴射量即ち基準噴射量をQsとすると、IB=(Qib−Qs)/Qsで表される。インバランス割合IBが大きいほど、インバランス気筒のバランス気筒に対する燃料噴射量ズレが大きく、空燃比ばらつき度合いは大きい。なお本実施形態の場合、基準噴射量Qsはストイキ相当の燃料噴射量に等しい。
図3から理解されるように、インバランス割合が大きいほど、すなわち気筒間空燃比のばらつき度合いが大きいほど、触媒前センサ17の出力変動が大きくなる。
よってこの特性を利用し、本実施形態では、触媒前センサ17の出力変動度合いに相関するパラメータである出力変動パラメータXを、気筒間空燃比ばらつき度合いに相関するパラメータとして用い、且つ出力変動パラメータXの値を算出(あるいは検出)する。そしてこの算出された出力変動パラメータXの値に基づき、ばらつき異常を検出する。なお、前述のインバランス割合は単に説明目的のためだけに用いる。
以下に出力変動パラメータXの値の算出方法を説明する。図4は図3のU部に相当する拡大図であり、特に1エンジンサイクル内の触媒前センサ出力の変動を簡略的に示す。触媒前センサ出力としては、触媒前センサ17の出力電圧Vfを空燃比A/Fに換算した値を用いる。但し触媒前センサ17の出力電圧Vfを直接用いることも可能である。
図4(B)に示すように、ECU20は、1エンジンサイクル内において、所定のサンプル周期τ毎に、触媒前センサ出力A/Fの値を取得する。そして今回(n)のタイミングで取得した値A/Fと、前回(n−1)のタイミングで取得した値A/Fn−1との差の絶対値(出力差という)ΔA/Fを次式(1)により求める。この出力差ΔA/Fは今回のタイミングにおける微分値あるいは傾きの絶対値と言い換えることができる。
Figure 0005907111
最も単純には、この出力差ΔA/Fnが触媒前センサ出力の変動を表す。変動度合いが大きくなるほど空燃比線図の傾きが大きくなり、出力差ΔA/Fnが大きくなるからである。そこで所定の1タイミングにおける出力差ΔA/Fnの値を出力変動パラメータの値とすることができる。
但し、本実施形態では精度向上のため、複数の出力差ΔA/Fnの平均値を出力変動パラメータの値とする。本実施形態では、Mエンジンサイクルの間(Mは2以上の整数。例えばM=100)、出力差ΔA/Fnをサンプル周期τ毎に積算し、最終積算値をサンプル数で除して出力変動パラメータXの値を求める。触媒前センサ出力の変動度合いが大きくなるほど出力変動パラメータXの値は大きくなる。
触媒前センサ出力A/Fは増加する場合と減少する場合とがあるので、これら各場合の一方についてだけ上記出力差ΔA/Fnあるいはその平均値を求め、これを出力変動パラメータの値としても良い。特に1気筒のみリッチずれの場合、当該1気筒に対応した排気ガスを触媒前センサが受けた時にその出力が急速に減少(リッチ側に変化)する傾向があるので、減少側のみの値をリッチずれ異常検出のために用いることも可能である。もっとも、これに限定されず、増加側の値のみを用いることも可能である。
また、触媒前センサ出力の変動度合いに相関するのうち、その変動度合いが大きくなるほど大きくなる値を出力変動パラメータの値とすることができる。例えば、1エンジンサイクル内における触媒前センサ出力の最大ピークと最小ピークの差(所謂ピークトゥピーク; peak to peak)、または2階微分値の最大ピークまたは最小ピークの絶対値に基づいて、出力変動パラメータを算出することもできる。触媒前センサ出力の変動度合いが大きいほど、触媒前センサ出力の最大ピークと最小ピークの差は大きくなり、また2階微分値の最大ピークまたは最小ピークの絶対値も大きくなるからである。
図5には、インバランス割合IB(%)と出力変動パラメータXの値の関係を示す。図示されるように、インバランス割合IBと出力変動パラメータXの値の間には強い相関関係があり、インバランス割合IBの絶対値が増加するほど出力変動パラメータXの値も増加する傾向にある。
算出された出力変動パラメータXの値を、所定の判定値と比較して、ばらつき異常の有無を判定することが可能である。例えば、算出された出力変動パラメータXの値が判定値以上であればばらつき異常あり(異常)、算出された出力変動パラメータXの値が判定値より小さければばらつき異常なし(正常)と判定することができる。
ところで、ばらつき異常を検出する場合、併せて、ばらつき異常の原因となっている異常気筒、すなわち空燃比ずれを起こしている気筒をも特定できるようにすることが、その後の迅速な修理等のため望ましい。一方、異常気筒は1気筒とは限らず、2気筒の場合もある。よって異常気筒が2気筒である場合には、その2気筒を特定できるようにすることが望ましい。
そこで本実施形態では、以下の方法によりばらつき異常を検出し、併せて、異常気筒が2気筒である場合にもその2気筒を特定できるようにしている。
ここで、本実施形態における異常気筒特定方法および原理を図6を参照しつつ説明する。
図6(A)に示すように、例えば#1気筒のみに異常が発生し、#1気筒の燃料噴射量がストイキ相当量に対し40%の割合で多くなり(即ちインバランス割合が+40%)、他の#2,#3,#4気筒では燃料噴射量がストイキ相当量である(即ちインバランス割合が0%)場合を想定する。このとき、ストイキ制御をある程度の時間実行すると、やがて図6(B)に示すように、トータルの燃料噴射量がストイキ相当量となるように#1気筒では+30%のインバランス割合、他の#2,#3,#4気筒ではそれぞれ−10%のインバランス割合となる。このときにもやはり各気筒でストイキ相当量に対し+または−の噴射量ずれが生じている。
この図6(B)の状態から、例えば図6(C)に示すように、#1気筒の燃料噴射量をストイキ相当量の40%だけ強制的もしくはアクティブに減量したとする。すると#1気筒は−10%のインバランス割合となり、他の#2,#3,#4気筒のインバランス割合と等しくなる。
この状態から、#1気筒の強制減量状態を維持しつつ、ストイキ制御をある程度の時間実行すると、やがて図6(D)に示すように、各気筒の燃料噴射量が+10%ずつ補正され、各気筒の燃料噴射量がストイキ相当量になる(即ち各気筒のインバランス割合は0%)。
図示しないが、出力変動パラメータXの値は、図6(A)に示した状態では大きい値であるが、図6(D)に示した状態では小さい値となる。このことから、燃料噴射量を強制的に減量したときに出力変動パラメータXの値が所定値以上低下した気筒、もしくは所定値以下に低下した気筒は、異常気筒(特にリッチずれ異常気筒)であると特定することができる。
一方、図6(B)の状態から、例えば図6(E)に示すように、正常な#2気筒において燃料噴射量をストイキ相当量の40%だけ強制的に減量したとする。こうすると各気筒のインバランス割合は#1気筒では変わらず+30%、#2気筒では−50%、#3,#4気筒では変わらずー10%となる。
この状態から、#2気筒の強制減量状態を維持しつつ、ストイキ制御をある程度の時間実行すると、やがて図6(F)に示すように、トータルの燃料噴射量がストイキ相当量となるように#1気筒では+40%、#2気筒では−40%、#3,#4気筒では0%となる。
この場合、図示しないが、出力変動パラメータXの値は、図6(A)に示した状態から図6(F)に示した状態にかけてそれ程低下しない。このことから、燃料噴射量を強制的に減量したときに出力変動パラメータXの値が所定値以上低下しなかった気筒、もしくは所定値以下に低下しなかった気筒は、異常気筒ではなく、正常気筒であると特定することができる。
図示しないが、逆のパターンで、例えば図6(A)の例のうち#1気筒のみが異常でその燃料噴射量が−40%少なくなっている(即ちインバランス割合が−40%)場合を想定する。すると、気筒毎に燃料噴射量を強制的に増量した場合に、出力変動パラメータXの値が所定値以上低下した気筒もしくは所定値以下に低下した気筒は異常気筒(特にリーンずれ異常気筒)であり、そうでない気筒は正常気筒であると特定することができる。
なお、これら燃料噴射量の増量および減量を総称して燃料噴射量の変更という。また上記のように燃料噴射量を強制的に変更する制御を強制アクティブ制御という。
ここで述べた方法は異常気筒が1気筒の場合である。しかし、異常気筒が2気筒の場合だと、全く同じ方法で異常気筒を特定するのが困難である。
図7には、各気筒の空燃比のばらつき状態を示す。縦軸は空燃比A/Fを表し、横軸の気筒は点火順すなわち#1,#3,#4,#2の順に記載されている。破線が強制アクティブ制御前の状態、実線が強制アクティブ制御後の状態を示す。
図7の例では、破線で示すように、点火順で連続する2気筒、具体的には#1,#3気筒にリーンずれが発生している。そしてストイキ制御の結果、トータルの空燃比がストイキになるように、#4,#2気筒の空燃比がストイキに対しリッチ側にずらされている。
この状態から、先の方法と同じように、#1気筒のみに対してリーンずれを少なくするように燃料噴射量の強制増量を行ったとする。すると各気筒の空燃比は図中実線で示す如くなる。#3気筒のリーンずれは解消せず、むしろ増大している。気筒間の空燃比ばらつき度合いが依然として大きいため、強制アクティブ制御の前から後にかけての出力変動パラメータXの値の低下量は少なく、#1,#3気筒をリーンずれ異常気筒と特定することが困難である。#1気筒の代わりに#3気筒に対して燃料噴射量の強制増量を行ったとしても同様である。
図8の例では、破線で示すように、点火順で180°CA離れた2気筒、具体的には#1,#4気筒にリーンずれが発生している。そしてストイキ制御の結果、トータルの空燃比がストイキになるように、#3,#2気筒の空燃比がストイキに対しリッチ側にずらされている。
この状態から、#1気筒のみに対してリーンずれを少なくするように燃料噴射量の強制増量を行ったとする。すると各気筒の空燃比は図中実線で示す如くなる。#4気筒のリーンずれは解消せず、むしろ増大している。気筒間の空燃比ばらつき度合いが依然として大きいため、強制アクティブ制御の前から後にかけての出力変動パラメータXの値の低下量は少なく、#1,#4気筒をリーンずれ異常気筒と特定するのが困難である。#1気筒の代わりに#4気筒に対して燃料噴射量の強制増量を行ったとしても同様である。
このように、異常気筒が1気筒であれば、その1気筒に対し空燃比ずれを少なくするような燃料噴射量の強制変更を行うことにより、出力変動パラメータXの値を低下させ、その異常な1気筒を特定することが出来る。しかし、異常気筒が2気筒の場合だと、その2気筒のうちのいずれか1気筒に対し、空燃比ずれを少なくするような燃料噴射量の強制変更を行っても、出力変動パラメータXの値を低下させることが出来ず、異常な2気筒を特定することが出来ない。
そこで本実施形態では、1気筒に対する燃料噴射量の強制変更に加えて、2気筒に対する燃料噴射量の強制変更をも併せて行う。これにより、詳しくは後述するように、異常気筒が2気筒である場合にその2気筒を確実に特定することができる。
図9には、図7と同様に#1,#3気筒にリーンずれが発生している例を示す。ここでは、#1気筒と#3気筒の2気筒に対し、リーンずれを少なくするように燃料噴射量の強制増量を行っている。増量後の各気筒の空燃比は図中実線で示す通りであり、#1,#3気筒のリーンずれが解消していると共に、気筒間の空燃比ばらつき度合いが小さくなっている。よって強制アクティブ制御の前から後にかけての出力変動パラメータXの値の低下量が大きくなり、#1,#3気筒をリーンずれ異常気筒と特定することが可能である。
図10には、図8と同様に#1,#4気筒にリーンずれが発生している例を示す。ここでも、#1気筒と#4気筒の2気筒に対し、リーンずれを少なくするように燃料噴射量の強制増量を行っている。増量後の各気筒の空燃比は図中実線で示す通りであり、#1,#4気筒のリーンずれが解消していると共に、気筒間の空燃比ばらつき度合いが小さくなっている。よって強制アクティブ制御の前から後にかけての出力変動パラメータXの値の低下量が大きくなり、#1,#4気筒をリーンずれ異常気筒と特定することが可能である。
リッチずれ異常が発生している2気筒についても同様に、燃料噴射量の強制減量を行うことにより、それら2気筒を特定することが可能である。
本実施形態における4気筒エンジンの場合、燃料噴射量を1気筒ずつ順番に強制増量する4パターン、燃料噴射量を1気筒ずつ順番に強制減量する4パターン、および燃料噴射量を2気筒ずつ順番に強制増量する6パターンの計14パターンを実行し、各パターンについて出力変動パラメータXの値の算出を行う。そして、14パターンのうち、最小の出力変動パラメータXの算出値が得られたパターンにおける気筒を、異常気筒と特定する。
次に、本実施形態における具体的なばらつき異常検出処理について説明する。当該検出処理はECU20により、図11のフローチャートに表されるようなアルゴリズムに従って実行される。
まずステップS101において、ばらつき異常検出を実行するのに適した所定の前提条件が成立したか否かが判断される。例えば次の各条件が成立した場合に前提条件が成立する。
(1)エンジンの暖機が終了している。
(2)触媒前センサ17および触媒後センサ18が活性化している。
(3)上流触媒11および下流触媒19が活性化している。
(4)エンジンの回転数Neと負荷KLが所定範囲内にある。例えば回転数Neが1200〜2000(rpm)の範囲内にあり、且つ負荷KLが40〜60(%)の範囲内にある。
(5)ストイキ制御中である。
なお前提条件については他の例も可能である。例えば、(6)エンジンが定常運転中である、という条件を加えてもよい。
前提条件が成立してなければ待機し、前提条件が成立したならばステップS102に進む。なおS102以降の各ステップは前提条件が成立している場合に限って実行されるものとする。
ステップS102〜S104では、強制アクティブ制御を実行していないとき(あるいは実行する前)の状態、すなわち成行状態での出力変動パラメータX1の値が算出される。
まずステップS102において、前述の出力差ΔA/Fが逐次的に算出および積算される。そしてステップS103において、Mエンジンサイクルが経過したか否かが判断される。経過してなければステップS102に戻り、経過したならばステップS104において出力変動パラメータX1の値が算出される。このとき、Mエンジンサイクルの間積算された出力差ΔA/Fの積算値がサンプル数で除され、出力変動パラメータX1の値が求められる。
次いで、ステップS105において出力変動パラメータX1の値が所定の一次判定値α1と比較される。X1<α1のとき、ステップS121に進んで、ばらつき異常は生じていない旨の正常判定がなされ、検出処理が終了される。他方、X1≧α1のときには、正常と確定できずばらつき異常が生じている可能性があるので、正常か異常かを最終的に確定すべくS106以降のステップに進む。
このステップS105においては、正常か否かについての一次判定が実質的に実行されている。そして正常でないと判定されたとき、後のステップS114またはS117において、正常か異常かについての最終的な二次判定が実行されることとなる。
ステップS106では、所定のパターンiに従って強制アクティブ制御が実行される。iは1から14までの整数であり、各パターンは図12に示す通りである。
図12に示すように、例えばパターン1は、#1気筒の燃料噴射量をストイキ相当量に対し10%増量する(+10%で表記)パターンである。同様に、パターン2,3,4はそれぞれ、#2,#3,#4気筒の燃料噴射量をストイキ相当量に対し10%増量するパターンである。
パターン5は、#1気筒の燃料噴射量をストイキ相当量に対し10%減量する(−10%で表記)パターンである。同様に、パターン6,7,8はそれぞれ、#2,#3,#4気筒の燃料噴射量をストイキ相当量に対し10%減量するパターンである。
パターン9は、#1気筒と#2気筒の燃料噴射量をそれぞれストイキ相当量に対し10%増量するパターンである。同様に、パターン10は#1気筒と#3気筒の燃料噴射量を増量するパターン、パターン11は#1気筒と#4気筒の燃料噴射量を増量するパターン、パターン12は#2気筒と#3気筒の燃料噴射量を増量するパターン、パターン13は#2気筒と#4気筒の燃料噴射量を増量するパターン、パターン14は#3気筒と#4気筒の燃料噴射量を増量するパターンである。これらパターン9〜14により全ての2気筒の組み合わせが網羅される。ここで燃料噴射量を減量するパターンがないのは、2気筒増量するパターンと2気筒減量するパターンとで同じ結果が得られるからである。
こうして、1気筒に対する増量と減量、および2気筒に対する増量との全ての組み合わせが網羅されることとなり、異常気筒を精度良く特定することができる。なお、増量や減量の方法は上記以外の方法も可能である。
図11に戻って、ステップS106の最初の実行時にはi=1であり(つまりiの初期値は1)、パターン1で強制アクティブ制御が実行される。すなわち、#1気筒に対し燃料噴射量の強制増量が実行される。
次いでステップS107では、ステップS102と同様に出力差ΔA/Fnが算出および積算される。そしてステップS108において、ステップS103と同様にMエンジンサイクルが経過したか否かが判断される。経過してなければステップS107に戻る。経過したならばステップS109において、強制アクティブ制御実行時における出力変動パラメータX2の値が算出される。このときの算出方法はステップS104と同様である。
次いで、ステップS110において、iの値が14以上に達したか否かが判断される。達してなければステップS120においてiの値が1だけインクリメントされ、ステップS106に戻る。これにより次のパターンで出力変動パラメータX2iの値が算出されることとなる。こうして、燃料噴射量の増量または減量の対象となる1気筒または2気筒が次々と変更され、その都度、燃料噴射量の増量または減量と、出力変動パラメータX2iの値の算出とが繰り返される。
他方、iの値が14以上に達したならば、これは14パターンの全てについて出力変動パラメータX2iの値の算出を終えたことになるから、ステップS111に進む。
ステップS111においては、算出済みの14個の出力変動パラメータX2iの値のうちの最小値に対応したパターンixが決定される。この最小値は、空燃比ばらつき度合いが最小となるような出力変動パラメータの値を意味する。
そして、ステップS112において、決定されたパターンiに基づき、異常気筒と異常種別が特定される。この特定は、予め定められ図13に示されるようなテーブルを用いて実行される。
図13に示すように、例えば決定されたパターンiがパターン1であるとき、異常気筒は#1気筒であり(単に「#1」と表記)、異常種別は空燃比リーンずれ(単に「リーン」と表記)であると特定される。
また、例えば決定されたパターンiがパターン9であるとき、異常気筒は#1気筒と#2気筒であり(単に「#1#2」と表記)、異常種別は空燃比リーンずれであるか、または、異常気筒は#3気筒と#4気筒であり(単に「#3#4」と表記)、異常種別は空燃比リッチずれ(単に「リッチ」と表記)であると特定される。
この2気筒異常のパターンについて説明する。パターン9は、図12から理解されるように、#1気筒と#2気筒の燃料噴射量を強制増量して出力変動パラメータX2の値が一番小さくなったパターンである。これは、元々の#1,#2気筒のリーンずれが減少させられて出力変動パラメータX2の値が小さくなった場合と、元々の#3,#4気筒のリッチずれに合うように#1,#2気筒がリッチずれし、その後ストイキ制御により#1〜#4気筒のリッチずれが一律に減少させられて出力変動パラメータX2の値が小さくなった場合との2通りがある。よって図13において、パターン9は、#1,#2気筒のリーンずれと、#3,#4気筒のリッチずれとの何れかであることを意味する。
図11に戻って、異常気筒と異常種別が特定されたならば、ステップS113に進んで、異常気筒が1気筒であるか否かが判断される。言い換えれば、ステップS111で決定されたパターンiがパターン1〜8の何れかかどうかが判断される。
イエスならば、ステップS114に進んで、パターンiのときに算出された強制アクティブ制御実行時の出力変動パラメータX2ixの値が、所定の二次判定値(第1の二次判定値)α2と比較される。なおこの出力変動パラメータX2ixは前述の最小の出力変動パラメータに該当する。
X2ix≧α2のとき、ステップS115に進んで、ばらつき異常が生じている旨の異常判定がなされ、検出処理が終了される。他方、X2ix<α2のときには、ステップS116に進んで正常判定がなされ、検出処理が終了される。この二次判定により、正常か異常かが最終的に確定することになる。なお、異常判定がなされた場合、異常の事実をユーザに知らせるべくチェックランプ等の警告装置が起動される。また異常気筒と異常種別に関する情報がECU20に記憶され、後の修理段階での利用に供される。
ここで、パターンixで強制アクティブ制御を実行したときには、異常気筒の元々の空燃比ずれを解消させるように燃料噴射量を強制変更するので、強制アクティブ制御実行時の出力変動パラメータX2ixの値は、強制アクティブ制御実行前の出力変動パラメータX1の値よりも小さくなるのが通常である。従って、二次判定値α2は、基本的に一次判定値α1よりも小さい値に設定される。
なお、ステップS116で正常と判定された場合、ステップS112で特定された異常気筒は、異常の可能性はあったが実は異常でなかったことになる。従ってここでは、現に異常な気筒だけでなく、異常の可能性がある気筒も含めて異常気筒という。他方、ステップS115で異常と判定された場合には、ステップS112で特定された異常気筒が現に異常であることが確定する。また、異常気筒に対しその空燃比ずれを少なくするように強制アクティブ制御を実行すると、当該空燃比ずれをある程度解消し、出力変動パラメータの値を減少させることができる。しかし、元々の異常気筒の空燃比ずれ量が大きいと空燃比ずれを十分解消することができない。よってステップS115で異常判定されることとなる。なお、触媒前センサ17の応答性が遅い場合には、異常気筒に対し強制アクティブ制御を実行しても出力変動パラメータの値は大きく減少しない。このような場合にも、ステップS115で異常判定される。
一方、ステップS113がノーの場合、異常気筒は2気筒であり、ステップS111で決定されたパターンiはパターン9〜14の何れかであることを意味する。この場合も、異常気筒が1気筒のときと同様の処理が行われる。
すなわち、ステップS117に進んで、パターンiのときに算出された強制アクティブ制御実行時の出力変動パラメータX2ixの値が、所定の二次判定値(第2の二次判定値)α2と比較される。
この二次判定値α2は、異常気筒が2気筒のときに最適な値となるよう、予め実験等を通じて適合されている。この二次判定値α2も基本的に一次判定値α1よりも小さい値である。またこの二次判定値α2は、通常、異常気筒が1気筒のときの前述の二次判定値(第1の二次判定値)α2と異なる値である。
X2ix≧α2のとき、ステップS118に進んで異常判定がなされ、検出処理が終了される。他方、X2ix<α2のときには、ステップS119に進んで正常判定がなされ、検出処理が終了される。これにより正常か異常かが確定されることになる。
なお、図11に示した検出処理からステップS113〜S119を省略した変形例が可能である。つまり上述のような一次判定、二次判定といった二段階の判定を行わず、ステップS105の判定により正常か異常かを最終的に判定し、この判定結果が異常であった場合、ステップS106〜S112で異常気筒を特定することが可能である。具体的には、ステップS105においてX1<α1のときステップS121に進んで正常判定する。他方、ステップS105においてX1≧α1のとき図示しないステップにおいて異常判定し、その後ステップS106〜S112を実行する。
以上、本発明の好適な実施形態を詳細に述べたが、本発明の実施形態は他にも様々なものが考えられる。例えば上記の数値は例示であり、種々の変更が可能である。また上記の説明において、リッチ側とリーン側の一方についてしか説明していない箇所があるが、一方への説明が他方へも適用可能であることが、当業者によって容易に理解されるであろう。
2気筒に対し燃料噴射量の変更を行う際、上記実施形態ではパターン9〜14の如く燃料噴射量の増量を行った。しかしながら、当該2気筒に対し燃料噴射量の減量を行ってもよい。あるいは、パターンを増やして、2気筒に対する燃料噴射量の増量と減量を順次行ってもよい。例えばパターン9〜14で燃料噴射量の増量を行い、パターン15〜20で燃料噴射量の減量を行う。
本発明が適用されるエンジンの気筒数は任意である。またV型8気筒エンジンの場合、本実施形態の直列4気筒エンジンの構成を各バンクに適用してV型8気筒エンジンを構成することができる。この場合、各バンクに対して個別に上述の検出処理を適用することが可能である。
本発明の実施形態は前述の実施形態のみに限らず、特許請求の範囲によって規定される本発明の思想に包含されるあらゆる変形例や応用例、均等物が本発明に含まれる。従って本発明は、限定的に解釈されるべきではなく、本発明の思想の範囲内に帰属する他の任意の技術にも適用することが可能である。
1 内燃機関(エンジン)
6 排気管
11 上流触媒
12 インジェクタ
14 排気マニフォールド
17 触媒前センサ
18 触媒後センサ
19 下流触媒
20 電子制御ユニット(ECU)

Claims (2)

  1. 少なくとも3つ以上の複数の気筒に共通の排気通路に設置された空燃比センサの出力変動度合いが大きくなるほど大きくなるパラメータの値を算出し、該算出されたパラメータの値に基づいて気筒間空燃比ばらつき異常を検出する気筒間空燃比ばらつき異常検出装置であって、該気筒間空燃比ばらつき異常検出装置は、異常気筒が2気筒である場合に異常気筒の可能性がある2気筒の組み合わせを特定するものであり、
    (A)前記複数の気筒のうちの2気筒に対する燃料噴射量を強制的に変更して前記パラメータの値を算出するステップと、
    (B)前記2気筒を全ての2気筒の組み合わせのうちの他の組み合わせの2気筒に変更して前記ステップ(A)を繰り返すステップと、
    (C)前記ステップ(A)および(B)で算出された複数の前記パラメータの値のうちの最小値に対応する2気筒の組み合わせを特定するステップと、
    を実行するように構成され
    前記ステップ(B)において、全ての2気筒の組み合わせについて前記燃料噴射量の変更と前記パラメータの値の算出とが実行されるよう、前記ステップ(A)を繰り返す、
    ことを特徴とする気筒間空燃比ばらつき異常検出装置。
  2. 前記ステップ(A)において、燃料噴射量の変更が燃料噴射量の増量である
    ことを特徴とする請求項に記載の気筒間空燃比ばらつき異常検出装置。
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