以下、本発明に係る遊技機の第一実施形態について、図面を参照して説明する。まず、図1および図2を参照して、第一実施形態に係るパチンコ機1の機械的構成について説明する。
図1に示すように、パチンコ機1の上半分の部分には遊技盤2が設けられている。遊技盤2は略正方形であり(図2参照)、透明なガラス板を保持した前面枠13によって前面を保護されている。遊技盤2の下部には上皿5が設けられている。上皿5は、発射機に遊技球を供給し、且つ賞品球を受ける。上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられている。下皿6の右横には、遊技球の発射を調整する発射ハンドル7が設けられている。前面枠13の上部の左右の角には、スピーカ48がそれぞれ設けられている。
図2に示すように、遊技盤2の前面には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が形成されている。遊技領域4の略中央には、各種演出を実行する演出装置8が設けられている。演出装置8の左方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。演出装置8の下方には特別図柄始動電動役物15が配設されており、その下方には大入賞口16が設けられている。特別図柄始動電動役物15は開閉部材を備え、開閉部材が開放されると遊技球の入賞が容易になる。大入賞口16も開閉部材を備え、開閉部材が開放された場合にのみ、遊技球は大入賞口16に入賞できる。
演出装置8について説明する。図2に示すように、演出装置8は、LCDからなる表示画面28を中央に備える。表示画面28には様々な映像が表示されるが、特に大当たり判定の結果を遊技者に報知するために、横並びに3つのデモ図柄表示部が設けられている。パチンコ機1は、3つのデモ図柄表示部に表示されるデモ図柄を変動させた後に、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組み合わせを確定表示させることで、大当たり判定の結果を遊技者に報知する。
表示画面28の右方には可動役物30が設けられている。詳細は後述するが、可動役物30は、図示しない回転体を回転させた後に所定の角度で停止させることで、後述する特定演出が継続するか否かを遊技者に報知することができる。可動役物30の下方には、大当たり判定の結果および保留球数を表示する表示部24が設けられている。表示部24は、特別図柄表示部、普通図柄表示部、特別図柄記憶数表示LED、および普通図柄記憶数表示LEDを備える。特別図柄表示部は、2つの7セグメントLEDからなり、大当たり判定の結果を示す特別図柄を表示する。普通図柄表示部は、LEDの点灯および消灯によって普通当たり判定の結果を表示する。特別図柄記憶数表示LEDは、大当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「特別図柄作動保留球数」)を表示する。普通図柄記憶数表示LEDは、普通当たり判定の結果がまだ表示されていない遊技球の個数(所謂「普通図柄作動保留球数」)を表示する。
図3を参照して、パチンコ機1の電気的構成について説明する。パチンコ機1の制御部40は、主基板41、サブ制御基板58、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、払出制御基板45、および中継基板47を主に備える。
主基板41は、パチンコ機1の主制御を司る。主基板41の主基板CPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、データを一時的に記憶するRAM52と、制御プログラム等を記憶したROM53とが設けられている。主基板CPUユニット50には、割込信号発生回路57が接続されている。主基板41は、割込信号発生回路57から割込信号が入力される毎にプログラムを実行する。主基板41は、I/Oインタフェイス54を介してサブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47、出力ポート55、および始動口スイッチ70に接続されている。出力ポート55は、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する。始動口スイッチ70は、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する。
サブ制御基板58は、CPU581、RAM582、およびROM583を備え、ランプドライバ基板46、演出制御基板43、およびスピーカ48に接続している。サブ制御基板58は、主基板41から送信されるコマンドに従って、演出等の総合的な制御を行う。ランプドライバ基板46は可動役物30等を制御する。演出制御基板43は、CPU43a等を備え、サブ制御基板58から受信するコマンドに従って表示画面28の表示を制御する。払出制御基板45は、CPU45a等を備える。払出制御基板45は、主基板41から送信されるコマンドに応じて賞品球払出装置49の動作を制御し、所定数の遊技球を払い出させる。
中継基板47には、普通図柄作動スイッチ71、大入賞口開閉ソレノイド72、電動役物開閉ソレノイド73、大入賞口スイッチ75、および表示部24が接続されている。普通図柄作動スイッチ71は、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する。大入賞口開閉ソレノイド72は、大当たり遊技中に大入賞口16の開閉部材を開閉する。電動役物開閉ソレノイド73は、普通当たり遊技中に特別図柄始動電動役物15の開閉部材を開閉する。大入賞口スイッチ75は、大入賞口16に入賞した遊技球を検出する。
電源基板42は、主基板41および遊技球発射装置37に接続されており、各基板および遊技球発射装置37に直流の安定化した電力を供給する。遊技球発射装置37は、一定間隔(本実施形態では0.6秒)毎に1個ずつ遊技球を遊技領域4へ発射する。
図4を参照して、主基板41のRAM52の記憶エリアについて説明する。RAM52には、カウンタ記憶エリア5201、入賞球フラグ記憶エリア5202、普通当たり関係情報記憶エリア5203、普通図柄作動保留球数記憶エリア5204、大当たり関係情報記憶エリア5205、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206、コマンド関係記憶エリア5207、およびフラグ関係記憶エリア5208が設けられている。
カウンタ記憶エリア5201は、各種のカウンタを記憶する。入賞球フラグ記憶エリア5202は、普通図柄始動ゲート12および各入賞口に遊技球が入賞したか否かを示すフラグを記憶する。普通当たり関係情報記憶エリア5203は、普通図柄始動ゲート12への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する。普通図柄作動保留球数記憶エリア5204は、普通図柄作動保留球数を記憶する。大当たり関係情報記憶エリア5205は、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞時に取得される乱数を記憶する。特別図柄作動保留球数記憶エリア5206は、特別図柄作動保留球数を記憶する。コマンド関係記憶エリア5207は、主基板41から他の基板等へ出力される制御コマンドを記憶する。フラグ関係記憶エリア5208は、入賞球フラグ記憶エリア5202に記憶されるフラグ以外の各種フラグを記憶する。
図5を参照して、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205について説明する。大当たり関係情報記憶エリア5205は、後述するメイン処理の特別図柄処理(図8および図9参照)において使用される。大当たり関係情報記憶エリア5205には複数の記憶エリアが設けられている。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した際に、特別図柄作動保留球数が4未満(0〜3)であれば、番号の若い記憶エリアから順に乱数が記憶される。CPU51は、処理が未だ行われていない記憶エリアの乱数のうち、最も番号の若い記憶エリアを判定エリアとし、判定エリアに記憶されている乱数について大当たり判定等の各種処理を行う。判定エリアに記憶されている乱数に関する処理(具体的には、判定結果を報知する報知演出、および、判定結果が大当たりの場合に実行される大当たり遊技)が終了すると、次に番号が若い記憶エリアが判定エリアとされて、大当たり判定等の処理が繰り返される。なお、処理が終了した記憶エリアの乱数は、適宜消去してもよい。
各記憶エリアには、大当たり判定カウンタの値が記憶される大当たり乱数欄、特別図柄決定カウンタの値が記憶される特別図柄決定乱数欄、および、変動パターン決定カウンタの値が記憶される変動パターン決定乱数欄が設けられている。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞すると、その時点で計数されているそれぞれの乱数取得カウンタの値が各欄に記憶される。大当たり乱数は、大当たり判定のために用いられる。特別図柄決定乱数は特別図柄を決定するために用いられる。変動パターン決定乱数は、大当たり判定の結果を報知する報知演出の演出パターン(デモ図柄の変動パターン)を決定するために用いられる。なお、普通当たり関係情報記憶エリア5203(図4参照)も、大当たり関係情報記憶エリア5205と同様に構成されている。
図6を参照して、ROM53に記憶されている特別図柄変動パターン決定テーブルについて説明する。変動パターンとは、大当たり判定による判定結果を遊技者に報知する際に用いられるデモ図柄の変動のパターンである。この変動パターンによって、表示部24に表示される特別図柄の変動時間(デモ図柄の変動時間に等しい)と、特別図柄の変動に同期して表示画面28、可動役物30、スピーカ48等によって実行される報知演出のパターンとが決定される。サブ制御基板58は、主基板41で決定された変動パターンに基づいて報知演出を制御する。
特別図柄変動パターン決定テーブルには、大当たり判定時の遊技状態(非時短状態中または時短状態中)、および大当たり判定の結果(大当たりまたははずれ)に応じて複数のテーブルが設けられている。それぞれのテーブルには複数種類の変動パターンが割り当てられており、各変動パターンと変動パターン決定乱数の値(0〜511)とが対応付けられている。大当たり判定が行われると、その時点の遊技状態と判定結果とに応じたテーブルが参照され、大当たり乱数と共に取得されている変動パターン決定乱数の値によって変動パターンが決定される。主基板41は、決定した変動パターンを指定するコマンドをサブ制御基板58へ送信する。サブ制御基板58は、指定された変動パターンに応じて報知演出を制御する。
第一実施形態では、1回の報知演出中に連続演出を実行する変動パターンが設けられている。連続演出とは、同一態様の特定演出を複数回繰り返した後にデモ図柄を確定表示させる演出である。詳細には、本実施形態では、左・中・右の3つのデモ図柄を加速して変動させ、左のデモ図柄を停止させてから連続演出を開始する。連続演出では、右のデモ図柄が変動した後に減速する特定演出が複数回繰り返される。リーチ演出A・Bが実行される連続演出では、最後の特定演出において右のデモ図柄が減速した後、左のデモ図柄と同じ図柄が停止する。その後、リーチ演出を経て、判定結果を示すデモ図柄の組合せが確定表示される。リーチ演出が実行されない連続演出では、最後の特定演出において、右のデモ図柄は減速して左のデモ図柄とは異なる図柄で停止する。その後、リーチ演出を経ずに中の図柄がそのまま停止し、はずれを示すデモ図柄の組合せが確定表示される。
判定結果が大当たりの場合の変動パターンは、特定演出の連続回数が多い程、選択される割合が高くなるように設定されている。一方で、判定結果がはずれの場合の変動パターンは、特定演出の連続回数が多い程、選択される割合が低くなるように設定されている。従って、連続演出が実行された場合、特定演出が連続する程、大当たりに対する期待度が高まることになる。遊技者は、特定演出の連続回数に注目しながら遊技を楽しむことができる。
パチンコ機1は、特定演出の実行中に、特定演出の連続が継続するか否かを示す演出である継続当否演出を実行することができる。第一実施形態における継続当否演出は、右のデモ図柄が減速を開始してから停止または再加速するまでの演出である。右のデモ図柄が減速して停止することで、特定演出の連続が終了することが示される。右のデモ図柄が減速した後に再加速することで、特定演出の連続が継続することが示される。遊技者は、特定演出が継続することを期待して継続当否演出に注目する。パチンコ機1は、以上の連続演出の内容を適切に変化させることで、遊技者の興趣を十分に引き付けることができる。以下、処理の詳細について説明する。
図7から図9を参照して、第一実施形態に係るパチンコ機1の主基板41による処理について説明する。パチンコ機1の主制御は、ROM53に記憶されている制御プログラムによって行われる。制御プログラムのメイン処理は、割込信号発生回路57(図3参照)が4ms毎に発生する割込信号をCPU51が感知した際に、CPU51において実行される。
まず、コマンド出力処理が行われる(S10)。コマンド出力処理では、制御コマンドが、サブ制御基板58、払出制御基板45、中継基板47等に出力される。ここで出力される制御コマンドは、前回実施されたメイン処理においてRAM52に記憶された制御コマンドである。
次いで、スイッチ読込処理が行われる(S11)。スイッチ読込処理では、普通図柄始動ゲート12および各入賞口に設けられた各スイッチ(図3参照)の検出結果から、遊技球を検知するための処理が行われる。
次いで、カウンタ更新処理が行われる(S12)。カウンタ更新処理では、RAM52に記憶されている乱数取得カウンタの値が加算され、且つ、タイマカウンタの値が減算される。
次いで、特別電動役物処理が行われる(S13)。特別電動役物処理では、大当たり遊技の動作(主に大入賞口16の開閉部材の開閉動作)を制御するための処理と、大当たり遊技終了後に生起される遊技状態に関する処理とが行われる。
次いで、特別図柄処理が行われる(S14)。詳細は後述するが、特別図柄処理では、大当たり判定、特別図柄の決定、および変動パターンの決定等の処理が行われる(図8および図9参照)。
次いで、普通電動役物処理が行われる(S15)。普通電動役物処理では、普通当たりとなった場合に普通当たり遊技の動作を制御するための処理が行われる。CPU51は、時短状態が生起されていれば、非時短状態中よりも長く特別図柄始動電動役物15を開放させる。
次いで、普通図柄処理が行われる(S16)。普通図柄処理では、普通図柄作動スイッチ71が遊技球を検出することを契機として、普通当たり乱数が取得される。取得された乱数に基づいて、普通当たり判定、普通図柄の変動を制御するためのコマンドの記憶等の処理が行われる。時短状態中に普通当たりと判定される確率は、非時短状態中に普通当たりと判定される確率よりも高い。普通図柄の変動時間は、非時短状態中よりも時短状態中の方が短い。
次いで、払出処理(S17)、エラーチェック(S18)、および情報出力処理(S19)が行われる。払出処理では、賞品球の払い出しが制御される。エラーチェックでは、エラーが発生している場合に、表示画面28およびスピーカ48等を用いてエラーが報知される。情報出力処理では、図示外の遊技場管理用コンピュータに各種の情報が出力される。
図8および図9を参照して、特別図柄処理(S14)の詳細について説明する。まず、特別図柄処理で使用されるフラグについて説明する。RAM52のフラグ関係記憶エリア5208(図4参照)には、大当たり遊技状態フラグ、表示状態フラグ等が記憶されている。大当たり遊技状態フラグは、大当たり遊技中に「1」が記憶されて「ON」となり、大当たり遊技中でない場合には「0」が記憶されて「OFF」となる。特別図柄表示状態フラグは、表示部24の特別図柄が変動している場合に「1」、停止表示されている場合に「2」、変動中でも停止表示中でもない場合に「0」が記憶される。
図8に示すように、特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞したか否かが判断される(S21)。特別図柄始動電動役物15に設けられた始動口スイッチ70が遊技球の入賞を検出すると、メイン処理のスイッチ読込処理(S11、図7参照)において、入賞球フラグ記憶エリア5202の始動口スイッチ70に対応するフラグが「ON」とされる。このフラグが「ON」とされておらず、遊技球が入賞していなければ(S21:NO)、処理はそのままS31の判断へ移行する。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞していれば(S21:YES)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「4」であるか否かが判断される(S22)。「4」であれば(S22:YES)、保留することができる上限に達しているため、処理はそのままS31の判断へ移行する。
特別図柄作動保留球数が「4」でない場合には(S22:NO)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値に「1」が加算される(S23)。次いで、各種乱数が取得され、大当たり関係情報記憶エリア5205(図5参照)における空の記憶エリアのうち、番号が最も若い記憶エリアに記憶される(S24)。具体的には、大当たり乱数欄には大当たり判定カウンタの値が、特別図柄決定乱数欄には特別図柄決定カウンタの値が、変動パターン決定乱数欄には変動パターン決定カウンタの値が、それぞれ記憶される。
次いで、大当たり遊技状態であるか否かが判断される(S31)。大当たり遊技状態フラグが「ON」となっており、大当たり遊技状態中であると判断された場合には(S31:YES)、処理はそのままメイン処理へ戻る。大当たり遊技状態中でなければ(S31:NO)、特別図柄が変動中であるか否かが判断される(S32)。表示状態フラグが「1」でなく、特別図柄が変動中でなければ(S32:NO)、特別図柄が停止表示中であるか否かが判断される(S33)。表示状態フラグが「2」でなく、停止表示中でなければ(S33:NO)、処理はS35(図9参照)へ移行し、大当たり判定が行われる。
大当たり判定では、まず、特別図柄作動保留球数が「1」以上であるか否かが判断される(S35)。RAM52の特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」以上でなければ(S35:NO)、大当たり判定を行うべき遊技球は存在しないので、処理はそのままメイン処理へ戻る。「1」以上であれば(S35:YES)、特別図柄作動保留球数記憶エリア5206の値が「1」減算される(S36)。大当たり関係情報記憶エリア5205(図5参照)の判定エリアが、次の番号の記憶エリアにシフトされる(S37)。
次いで、遊技状態に応じた大当たり判定が行われる(S38)。大当たり判定を行うための判定テーブルには、非確率変動状態中に用いられる低確率判定テーブルと、大当たりと判定される確率が非確率変動状態中よりも高くなる高確率判定テーブルとが設けられている。大当たり判定は、確率変動状態が生起されているか否かに応じて、いずれかの判定テーブルが参照されて行われる。
大当たり判定によって大当たりと判定された場合には(S39:YES)、大当たりであることを示す特別図柄が決定される(S40)。次いで、時短状態中であれば(S41:YES)、特別図柄変動パターン決定テーブル(図6参照)のうち、時短状態中且つ大当たりの場合のテーブルが参照され、変動パターン決定乱数欄の値によって変動パターンが決定される(S42)。時短状態中でなければ(S41:NO)、非時短状態(通常状態)且つ大当たりの場合のテーブルによって変動パターンが決定される(S43)。判定結果がはずれであれば(S39:NO)、はずれであることを示す特別図柄(本実施形態では「−−」)が決定される(S46)。時短状態中であれば(S47:YES)、時短状態中且つはずれのテーブルによって変動パターンが決定され(S48)、時短状態中でなければ(S47:NO)、通常状態且つはずれのテーブルによって変動パターンが決定される(S49)。
次いで、決定された変動パターンを指定すると共に、特別図柄およびデモ図柄の変動(報知演出の開始)を指示するための変動パターン指定コマンドが、RAM52のコマンド関係記憶エリア5207に記憶される(S52)。記憶されたコマンドは、次に実行されるメイン処理のコマンド出力処理(S10、図7参照)において、サブ制御基板58等の他の基板に出力される。次いで、変動パターンに応じて決められている特別図柄の変動時間が、タイマカウンタである特別図柄変動時間カウンタにセットされる(S53)。特別図柄が変動中であることを示す「1」が表示状態フラグに記憶されて(S54)、処理はメイン処理へ戻る。
また、図8に示すS32の判断において、表示状態フラグに「1」が記憶されており、特別図柄が変動中であると判断された場合には(S32:YES)、変動時間が経過したか否かが判断される(S57)。S53(図9参照)でセットされた特別図柄変動時間カウンタの値が「0」となっており、変動時間が経過したと判断された場合には(S57:YES)、特別図柄の変動停止(報知演出の終了)を指示するための特別図柄停止コマンドがRAM52に記憶される(S58)。所定の停止表示時間が、タイマカウンタである特別図柄停止時間カウンタに記憶される(S59)。特別図柄が停止表示中であることを示す「2」が表示状態フラグに記憶されて(S60)、処理はメイン処理へ戻る。一方、S57の判断において、変動時間がまだ経過していないと判断された場合には(S57:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。
また、S33の判断において、表示状態フラグに「2」が記憶されており、特別図柄が停止表示中であると判断された場合には(S33:YES)、S59でセットされたカウンタの値によって、停止表示時間が経過したか否かが判断される(S61)。特別図柄停止時間カウンタの値が「0」でなく、停止表示時間がまだ経過していない場合には(S61:NO)、処理はそのままメイン処理へ戻る。停止表示時間が経過した場合には(S61:YES)、特別図柄が変動中でも停止表示中でもないことを示す「0」が表示状態フラグに記憶される(S62)。次いで、遊技状態移行処理が行われて(S63)、処理はメイン処理へ戻る。遊技状態移行処理(S63)では、判定結果が大当たりである場合に大当たり遊技状態フラグが「ON」とされ、遊技状態が大当たり遊技状態へ移行される。また、時短状態および確率変動状態の終了条件が満たされていれば、これらの遊技状態が終了し、非時短状態および非確率変動状態へ移行される。
図10を参照して、サブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、主基板41から送信されるコマンドに従って、表示画面28、スピーカ48等による演出を制御する処理が行われる。特に、連続演出を実行する変動パターンが主基板41によって指定された場合には、連続演出が実行され、指定された変動パターンで定められている回数だけ特定演出が繰り返される。
サブ制御基板処理が開始されると、まず、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信した否かが判断される(S71)。受信した場合(S71:YES)、コマンドによって指定されている変動パターンが、連続演出を実行する変動パターンであるか否かが判断される(S72)。連続演出を実行する変動パターンでなければ(S72:NO)、変動パターンに応じて報知演出が制御され(S73)、処理はS71の判断へ戻る。
連続演出の変動パターンが指定された場合(S72)、連続演出の制御が開始される。まず、指定された変動パターンで定められている特定演出の連続回数NがRAM582に記憶される(S75)。実行した特定演出の連続回数を計数するための連続回数カウンタnに、「1」がセットされる(S76)。表示画面28内の左・中・右に表示されている3つのデモ図柄の全てが加速され、変動が開始される(S77)。次いで、左のデモ図柄の停止タイミングが到来したか否かが判断される(S78)。デモ図柄の変動が開始してから左のデモ図柄を停止させるまでの時間はあらかじめ定められており、変動開始後の経過時間はタイマカウンタによって計測されている。変動開始後の経過時間が所定時間に達するまで(S78:NO)、S78の判断が繰り返される。経過時間が所定時間に達し、左のデモ図柄の停止タイミングが到来したと判断されると(S78:YES)、左のデモ図柄が停止される(S79)。
次いで、継続当否演出の開始タイミングが到来したか否かが判断される(S80)。継続当否演出の開始タイミングもあらかじめ定められている。開始タイミングが到来していなければ(S80:NO)、S80の判断が繰り返される。開始タイミングが到来すると(S80:YES)、継続当否演出が開始される(S81)。図11に示すように、第一実施形態における継続当否演出では、左に停止しているデモ図柄と同じ数字の右のデモ図柄に対し、停止位置からブレーキがかけられて減速される。右のデモ図柄は、低速状態(ブレーキがかけられた状態)で停止位置を通り過ぎる。
次いで、n回目の継続当否演出の演出時間Tnが経過したか否かが判断される(S82)。第一実施形態では、1回の連続演出中に行われる1回目の継続当否演出の演出時間T1は1秒、2回目の継続当否演出の演出時間T2は2秒、3回目の継続当否演出の演出時間T3は3秒、4回目の継続当否演出の演出時間T4は4秒、5回目の継続当否演出の演出時間T5は5秒に設定されている。つまり、1回の連続演出における2回目以降の継続当否演出の演出時間は、直前に実行される継続当否演出の演出時間よりも長くなり、Tn<Tn+1が成り立つ。演出時間Tnが経過していなければ(S82:NO)、継続当否演出が引き続き実行される(S81)。
継続当否演出の演出時間Tnが経過すると(S82:YES)、実行した特定演出の連続回数nが、指定された変動パターンで定められている連続回数Nに等しいか否かが判断される(S83)。等しくない場合、つまり、実行した連続回数nが実行すべき連続回数Nに未だ達していない場合には(S83:NO)、右のデモ図柄が再加速される(S84)。連続回数カウンタnに「1」が加算されて(S85)、処理はS80の判断へ戻り、特定演出が再度実行される。遊技者は、右のデモ図柄が再加速する演出(所謂「スベリ演出」)が実行されることで、特定演出の連続が継続することを把握することができる。
また、実行した特定演出の連続回数nが、実行すべき連続回数Nに達した場合には(S83:YES)、停止位置を通り過ぎていた右のデモ図柄が停止位置まで戻されて停止され、その後の処理が変動パターンに応じて実行される(S87)。詳細には、リーチ演出を実行する変動パターンであれば、左に停止しているデモ図柄と同じ数字の右のデモ図柄が停止される。そして、変動パターンに応じてリーチ演出が実行される。リーチ演出を実行しない変動パターン(非リーチの変動パターン)であれば、左に停止しているデモ図柄とは異なる数字の右のデモ図柄が停止され、中のデモ図柄が停止する。処理はS71の判断へ戻る。また、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信していなければ(S71:NO)、特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S90)。受信していなければ(S90:NO)、処理はS71の判断へ戻る。特別図柄停止コマンドを受信すると(S90:YES)、大当たり判定の結果を示すデモ図柄の組合せが確定表示されて報知演出が終了し(S91)、処理はS71の判断へ戻る。
第一実施形態では、特定演出の連続が継続する場合と終了する場合との間で、継続当否演出の演出時間Tnは同じ長さに設定されており、且つ、継続当否演出における右のデモ図柄の移動速度(回転速度)も同じである。従って、図11に示すように、右のデモ図柄の位置は、特定演出の連続が継続するか否かに関わらず、演出時間Tnが経過した時点で同一の位置(以下、「分岐位置」という)に達している。その後、特定演出の連続が継続する場合には、右のデモ図柄は上方へ引き返して停止する。連続が終了する場合には、右のデモ図柄は再加速する。従って、右のデモ図柄が分岐位置に近づく程、遊技に対する遊技者の集中の度合いは徐々に高まる。さらに、連続回数が多くなる程、大当たりに対する期待度も高まるので、遊技者の集中の度合いも高まる。なお、本実施形態では、継続当否演出の回数に関わらず分岐位置が同一の位置となるように設定されている。従って、継続当否演出(ブレーキ区間の移動中)における右のデモ図柄の移動速度は、特定演出の連続回数が多くなる程遅くなる。
図12を参照して、第一実施形態のパチンコ機1において実行される連続演出の演出態様および効果について説明する。連続演出を伴う報知演出では、まず3つのデモ図柄の全てが変動を行い、左のデモ図柄が停止した後に連続演出が実行される。連続演出では複数の特定演出が連続し、連続回数が多い程大当たりに対する期待度が高まる。それぞれの特定演出の実行中には、特定演出の連続が継続するか否かを示す継続当否演出が行われる。遊技者は、特定演出の連続が継続するか否かを継続当否演出によって容易に把握することができるため、継続当否演出に強く注目する。そして、パチンコ機1は、1回の連続演出中に、演出時間が異なる複数の継続当否演出を実行することができる。従って、同じテンポで継続当否演出が繰り返される場合とは異なり、連続演出の内容を変化させることができ、継続当否演出に対する遊技者の興趣を強く惹き付けることができる。
第一実施形態における継続当否演出は、右のデモ図柄が減速を開始してから停止または再加速するまでの演出である。パチンコ機1は、継続当否演出において右のデモ図柄を停止または再加速させることで、特定演出の連続が継続するか否かを示す。従って、遊技者は、低速状態で移動しているデモ図柄の動作に強く注目し、右のデモ図柄が分岐位置(停止または再加速する位置)に近づく程、遊技に対する遊技者の集中の度合いは高まる。パチンコ機1は、継続当否演出(右のデモ図柄の低速移動)の時間を変化させることで、それぞれの継続当否演出に対する遊技者の注目を操作することができ、遊技者の興趣を十分に惹き付けることができる。
図12に示すように、継続当否演出の演出時間は、特定演出が連続する程長くなる。換言すると、1回の連続演出における2回目以降の継続当否演出の演出時間は、直前に実行される継続当否演出の演出時間よりも長い。従って、パチンコ機1は、遊技者の期待感を徐々に高めることができる。また、特定演出の連続回数が少ない段階では、大当たりに対する期待度はまだ低いため、演出をテンポ良く進行させて、以後の演出に円滑に移行することができる。
第一実施形態における特定演出は、右のデモ図柄を変動させた後に減速させる演出である。従って、連続演出が実行されると、右のデモ図柄の加速・変動・減速が繰り返し行われるため、遊技者は特定演出の連続回数を把握しやすい。また、遊技機の開発者は、図柄を加速・変動・減速させる通常の動画を利用して特定演出の動画を作成することができるため、特定演出の動画の作成が容易である。なお、第一実施形態では、特定演出が開始されてから継続当否演出(右のデモ図柄の減速)が開始されるまでの時間が一定とされている。従って、特定演出の連続回数が多くなる程、特定演出の演出時間は、継続当否演出の演出時間と同様に長くなる。しかし、特定演出の演出時間は変更してもよい。例えば、特定演出の開始から継続当否演出の開始までの時間を調整することで、全ての特定演出の演出時間を同一としてもよい。
第一実施形態のパチンコ機1は、1回の大当たり判定の結果を報知する1回の報知演出中に、複数の特定演出を繰り返す連続演出を実行する。従って、パチンコ機1は、1回の報知演出に対する遊技者の注目を強く惹き付けることができる。
なお、第一実施形態における特別図柄始動電動役物15が本発明の「始動口」に相当する。図8のS24で大当たり乱数を取得するCPU51が本発明の「乱数取得手段」として機能する。図9のS38で大当たり判定を実行するCPU51が「当たり判定手段」として機能する。表示画面28が本発明の「表示手段」に相当する。図10に示すサブ制御基板処理を実行するCPU581が「演出制御手段」として機能する。図10のS75〜S91で連続演出を制御するCPU581が「連続演出制御手段」として機能する。図10のS80〜S87で継続当否演出を制御するCPU581が「継続当否演出制御手段」として機能する。
図13から図16を参照して、本発明の第二実施形態について説明する。第二実施形態のパチンコ機1では、複数の報知演出にわたって連続演出が実行される点、特定演出の演出内容、および継続当否演出の演出内容等が、前述した第一実施形態と異なるのみである。よって、図1から図5に示す機械的構成および電気的構成、パチンコ機1が実行する処理の一部は、第一実施形態と第二実施形態とで同一である。従って、以下の第二実施形態の説明では、第一実施形態と同一の構成および処理については同一の番号を付し、説明を省略または簡略化する。
図13を参照して、第二実施形態におけるパチンコ機1の主基板41が実行する特別図柄処理について説明する。第二実施形態の特別図柄処理では、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞し(S21:YES)、特別図柄作動保留球数が「4」でなければ(S22:NO)、第一実施形態と同様に、特別図柄作動保留球数に「1」が加算され(S23)、乱数が取得される(S24)。さらに、第二実施形態では、特別図柄作動保留球数をサブ制御基板58へ通知するための保留球数通知コマンドがRAM52に記憶される(S101)。次いで、S24で取得された大当たり乱数についての情報の先読みが行われる(S102)。先読みの結果をサブ制御基板58に通知するための先読み結果通知コマンドが、RAM52に記憶される(S103)。詳細には、S102における先読みの処理では、大当たり判定を行うための判定テーブルに、取得された最新の大当たり乱数を当てはめることで、大当たり判定の結果の先読みが行われる。さらに、先読みされた判定結果の情報と遊技状態とに応じたテーブルが参照されて、実行される変動パターンの先読みが行われる。判定結果および変動パターンの先読みによって得られた情報が、先読み情報としてサブ制御基板58に通知される。なお、S102の処理では、判定結果および変動パターンのいずれか一方のみの情報を取得してもよい。つまり、本発明における「前記当たり判定の判定結果についての情報」とは、判定結果および変動パターンの少なくともいずれかの情報を含んでいればよい。
図14を参照して、第二実施形態におけるパチンコ機1のサブ制御基板58が実行するサブ制御基板処理について説明する。サブ制御基板処理では、まず、先読み結果通知コマンドを主基板41から受信したか否かが判断される(S111)。前述したように、主基板41は、大当たり乱数等を取得すると先読み情報を取得し、保留球数通知コマンドと先読み結果通知コマンドをサブ制御基板58に送信する。これらのコマンドを受信した場合(S111:YES)、保留球数通知コマンドによって通知された特別図柄作動保留球数Hが記憶され、表示画面28に表示される(S112)。次いで、連続演出を実行するか否かの抽選が行われる(S113〜S117)。まず、保留球数Hが「2」以上であるか否かが判断される(S113)。保留球数Hが「1」であれば(S113:NO)、複数回の報知演出にわたる連続演出は実行できない。よって、抽選は行われずに、処理はそのままS111の判断へ戻る。
保留球数Hが「2」以上であれば(S113:YES)、先読み結果通知コマンドによって通知された先読みの結果に応じて、複数の報知演出にわたる連続演出を実行するか否かの抽選が行われる(S114)。例えば、大当たりに対する期待度が高い報知演出を実行する変動パターン(つまり、大当たりの場合に実行されやすいリーチ演出を制御する変動パターン)が先読みされた場合には、期待度が低い変動パターンが先読みされた場合に比べて、連続演出を実行する割合が高くなるようにするとよい。判定結果がはずれであることが先読みされた場合には、連続演出を実行する割合が低くなるようにするとよい。さらに、先読みの結果がはずれであり、且つ連続演出の実行抽選に当選した場合(所謂「ガセ演出」を行う場合)には、大当たりの場合に比べて特定演出の連続回数が少なくなるように設定するとよい。これにより、特定演出の連続回数が多くなる程大当たりに対する期待度が高くなり、遊技者の興趣を強く惹き付けることができる。なお、既に連続演出を実行している場合には、連続演出の重複を避けるために、S114における抽選を行わないようにしてもよい。
次いで、連続演出の実行抽選に当選したか否かが判断される(S115)。当選していなければ(S115:NO)、処理はそのままS111の判断へ戻る。実行することに当選した場合(S115:YES)、特定演出の連続回数NがRAM582に記憶される(S116)。例えば、リーチ演出を実行することが先読みされ、連続演出を経てリーチ演出に移行させる場合には、特別図柄作動保留球数Hが連続回数Nにセットされる。所謂「ガセ演出」を実行する場合には、抽選によって決定された回数(例えば、「1」または「2」)が連続回数Nにセットされる。次いで、実行した特定演出の連続回数を計数するための連続回数カウンタnに「1」がセットされて(S117)、処理はS111の判断へ戻る。
先読み結果通知コマンドを受信していなければ(S111:NO)、主基板41から変動パターン指定コマンドを受信したか否かが判断される(S121)。受信した場合(S121:YES)、連続演出の実行中であるか否かが判断される(S122)。連続演出の実行中でなければ(S122:NO)、受信した変動パターンに応じて報知演出が通常通り制御される(S127)。処理はS111の判断へ戻る。
連続演出の実行中である場合(S122:YES)、連続回数カウンタnの値が、実行すべき連続回数Nに達したか否かが判断される(S123)。実行すべき連続回数Nに未だ達していなければ(S123:NO)、特定演出の連続が継続することを示す継続当否演出が実行される(S124)。
図15に示すように、第二実施形態のパチンコ機1は、デモ図柄を変動させる映像とは別個の継続当否映像80を、デモ図柄の前面に表示させることで、継続当否演出を実行する。従って、継続当否演出の内容を自由に多様化することができる。一例として、本実施形態のパチンコ機1は、特定演出の連続が継続することを示す継続当否映像80として、宝箱を開放させて宝を出す継続確定映像を表示する。一方で、特定演出の連続が終了することを示す継続当否映像80として、開放させた宝箱に宝が入っていない映像である非継続映像を表示する。
1回の連続演出における2回目以降の継続当否映像80の表示時間Tnは、直前に表示される継続当否映像80の表示時間Tn−1よりも長くなるように、表示時間が制御される。つまり、継続当否映像80が連続する程表示時間Tnは長くなり、Tn<Tn+1が成り立つ。継続確定映像の表示制御が終了すると(S124)、連続回数カウンタnの値に「1」が加算される(S125)。その後、指定された変動パターンに応じて残りの報知演出が制御され(S127)、処理はS111の判断へ戻る。また、連続回数カウンタnの値が、実行すべき連続回数Nに達していれば(S123:YES)、非継続映像が時間Tnだけ表示されて(S126)、その後の報知演出へ移行する(S127)。処理はS111の判断へ戻る。ただし、S126の処理では、特定演出の連続回数nが上限に達している場合(つまり、n=4の場合)には、非継続映像は表示されない。また、パチンコ機1は、連続演出中でない場合の報知演出において、非継続映像を時間T1だけ表示する場合がある。つまり、特定演出が1回で終了する場合がある。よって、遊技者は、特定演出が連続した場合に強い期待を抱くことができる。
変動パターン指定コマンドを受信していない場合(S121:NO)、主基板41から特別図柄停止コマンドを受信したか否かが判断される(S128)。受信した場合(S128:YES)、3つのデモ図柄が確定表示されて報知演出が終了し(S129)、処理はS111の判断へ戻る。特別図柄停止コマンドを受信していなければ(S128:NO)、処理はそのままS111の判断へ戻る。なお、S129の処理では、継続確定映像を表示した報知演出を終了させる場合に、所謂チャンス目(例えば、ゾロ目、「357」等の特定のデモ図柄の組合せ)を確定表示させて、特定演出の連続が継続することを示してもよい。
図16を参照して、第二実施形態のパチンコ機1において実行される連続演出の演出態様および効果について説明する。第二実施形態では、連続演出中に複数回繰り返される特定演出は、3つのデモ図柄を変動させた後に減速させて確定表示させる演出である。つまり、大当たり判定の結果を報知する報知演出自体が特定演出となる。従って、遊技機の開発者は、通常の報知演出の動画を利用して容易に特定演出の動画を作成することができる。連続演出を実行する場合、特定演出において少なくとも1つのデモ図柄が変動している間(報知演出の実行中)に継続当否演出が実行される。特定演出の連続が継続する場合には、その旨が継続当否演出において示される。従って、遊技者は継続当否演出に強く注目する。そして、パチンコ機1は、1回の連続演出中に、演出時間が異なる複数の継続当否演出を実行することができる。従って、同じテンポで継続当否演出が繰り返される場合とは異なり、連続演出の内容を変化させることができ、継続当否演出に対する遊技者の興趣を強く惹き付けることができる。
第二実施形態のパチンコ機1は、所謂先読みを利用し、複数の報知演出にわたって連続演出を実行することができる。従って、遊技者は、リーチ演出すら実行されずにはずれであることが示される報知演出に対しても、連続演出が実行されることを期待して注目することができる。そして、パチンコ機1は、特定演出の連続回数が多くなる程、継続当否演出の演出時間を長くすることで、遊技者の期待感を徐々に高めることができる。
なお、第二実施形態において、図5に示すRAM52の大当たり関係情報記憶エリア5205が本発明の「乱数記憶手段」に相当する。図13のS102で先読み情報取得処理を行うCPU51が、本発明の「情報取得手段」として機能する。
本発明は、以上詳述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が可能であることは勿論である。まず、継続当否演出の演出態様は適宜変更することができる。パチンコ機1は、デモ図柄の変動とは別個に可動役物30の動作を制御することで継続当否演出を実行してもよい。例えば、パチンコ機1は、継続当否演出の開始タイミングが到来すると、回転体を回転させる。そして、演出時間Tnが経過した後に、回転体の表面が遊技盤2の表側を向くように回転体を停止させることで、特定演出の連続が継続することを示す。一方、回転体の裏面が遊技盤2の表側を向くように回転体を停止させることで、特定演出の連続が終了することを示す。以上のように、可動役物30を用いることで、多様な継続当否演出を自由に実行することができる。なお、表示画面28と可動役物30を同時に使用して継続当否演出を実行してもよいことは言うまでもない。
第一実施形態における継続当否演出は、右のデモ図柄を減速させた後に停止または再加速させる演出である。この演出内容も適宜変更することができる。例えば、特定演出が連続することを遊技者に通知するためのシンボル図柄を用いて継続当否演出を実行してもよい。より具体的には、パチンコ機1は、左・右のデモ図柄を停止させた後に、通常のデモ図柄の変動中には変動していないシンボル図柄を表示画面28内で減速させる。特定演出の連続を継続させる場合には、所定時間経過後にシンボル図柄を停止させて、全てのデモ図柄を再加速させる演出(所謂「擬似連続変動演出」)を実行する。特定演出の連続を終了させる場合には、所定時間経過後にシンボル図柄以外の図柄を停止させて、はずれを示すデモ図柄の組合せを確定表示させる。この場合、シンボル図柄を減速状態とする時間の長さを変化させることで、遊技者の興趣を強く惹き付けることができる。つまり、1回の報知演出中にデモ図柄の変動および停止を繰り返す擬似連続変動演出にも、本発明は適用できる。
また、左・中・右の3つのデモ図柄のうちの1つの減速状態を継続当否演出とするのではなく、複数のデモ図柄の減速状態を継続当否演出としてもよい。例えば、左のデモ図柄が減速を開始してから停止し、その後に右のデモ図柄が停止または再加速するまでの全てを、継続当否演出としてもよい。1つのデモ図柄の減速状態を継続当否演出とする場合には、3つのデモ図柄のいずれかを用いて継続当否演出を実行すればよく、右のデモ図柄の減速状態に限られない。また、上記第一実施形態では、左に停止した図柄と同一の右のデモ図柄に対して減速制御が行われる。しかし、左に停止した図柄と異なる図柄を減速させることで継続当否演出を実行することも可能である。また、映像を表示する表示画面28を用いてデモ図柄を変動させるのではなく、ドラムに表示されたデモ図柄を機械的に変動させる遊技機にも、本発明は適用できる。
上記第一実施形態では、1回の報知演出中に行われる連続演出において、デモ図柄を減速状態とする継続報知演出を実行する。また、上記第二実施形態では、複数回の報知演出中に行われる連続演出において、デモ図柄とは別個の映像または可動役物30によって継続報知演出を実行する。しかし、1回の報知演出中に行われる連続演出において、デモ図柄とは別個の継続報知演出を実行してもよい、また、複数回の報知演出にわたる連続演出において、デモ図柄を減速状態とする継続報知演出を実行してもよい。
第一・第二実施形態のパチンコ機1は、連続演出において繰り返される複数の特定演出のうち、最後に実行する特定演出以外では、継続当否演出を必ず実行する。しかし、継続当否演出を実行せずに特定演出の連続を継続させる場合があってもよい。この場合でも、実行する継続当否演出の演出時間を変化させることで、遊技者の興趣を強く惹き付けることができる。また、継続当否演出を経ずに特定演出が連続する可能性があるため、遊技者は、特定演出が連続することに対する期待感をより強く抱くことができる。
第一・第二実施形態のパチンコ機1は、1回の連続演出において、継続当否演出の演出時間を徐々に長くする。しかし、継続当否演出の演出時間を変化させる方法はこれに限られない。例えば、特定演出の連続が継続する期待度が高い程、継続当否演出の演出時間が長くなるように、演出時間を制御してもよい。この場合、遊技者は、継続当否演出の演出時間が長くなる程高い期待感を持つことができ、遊技内容に集中することができる。また、複数の継続当否演出の演出時間をランダムに変化させてもよい。
第一・第二実施形態では、大当たり判定の結果を遊技者に報知するために連続演出が実行される。しかし、連続演出は、普通当たり判定の結果を報知するために用いられてもよいし、特定の遊技状態(例えば、確率変動状態)に当選したか否かを報知するために用いられてもよい。