以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。まず、遊技機の一例であるパチンコ遊技機1の全体の構成について説明する。図1はパチンコ遊技機1を正面からみた正面図である。
パチンコ遊技機1は、縦長の方形状に形成された外枠(図示せず)と、外枠の内側に開閉可能に取り付けられた遊技枠とで構成される。また、パチンコ遊技機1は、遊技枠に開閉可能に設けられている額縁状に形成されたガラス扉枠2を有する。遊技枠は、外枠に対して開閉自在に設置される前面枠(図示せず)と、機構部品等が取り付けられる機構板(図示せず)と、それらに取り付けられる種々の部品(後述する遊技盤6を除く)とを含む構造体である。
ガラス扉枠2の下部表面には打球供給皿(上皿)3がある。打球供給皿3の下部には、打球供給皿3に収容しきれない遊技球を貯留する余剰球受皿4や、打球を発射する打球操作ハンドル(操作ノブ)5が設けられている。また、ガラス扉枠2の背面には、遊技盤6が着脱可能に取り付けられている。なお、遊技盤6は、それを構成する板状体と、その板状体に取り付けられた種々の部品とを含む構造体である。また、遊技盤6の前面には、打ち込まれた遊技球が流下可能な遊技領域7が形成されている。
余剰球受皿(下皿)4を形成する部材には、例えば下皿本体の上面における手前側の所定位置(例えば下皿の中央部分)などに、スティック形状(棒形状)に構成され、遊技者が把持して複数方向(前後左右)に傾倒操作が可能なスティックコントローラ122が取り付けられている。なお、スティックコントローラ122には、遊技者がスティックコントローラ122の操作桿を操作手(例えば左手など)で把持した状態において、所定の操作指(例えば人差し指など)で押引操作することなどにより所定の指示操作が可能なトリガボタン121(図3を参照)が設けられ、スティックコントローラ122の操作桿の内部には、トリガボタン121に対する押引操作などによる所定の指示操作を検知するトリガセンサ125(図3を参照)が内蔵されている。また、スティックコントローラ122の下部における下皿の本体内部などには、操作桿に対する傾倒操作を検知する傾倒方向センサユニット123(図3を参照)が設けられている。また、スティックコントローラ122には、スティックコントローラ122を振動動作させるためのバイブレータ用モータ126(図3を参照)が内蔵されている。
打球供給皿(上皿)3を形成する部材には、例えば上皿本体の上面における手前側の所定位置(例えばスティックコントローラ122の上方)などに、遊技者が押下操作などにより所定の指示操作を可能なプッシュボタン120が設けられている。プッシュボタン120は、遊技者からの押下操作などによる所定の指示操作を、機械的、電気的、あるいは、電磁的に、検出できるように構成されていればよい。プッシュボタン120の設置位置における上皿の本体内部などには、プッシュボタン120に対してなされた遊技者の操作行為を検知するプッシュセンサ124(図3を参照)が設けられていればよい。図1に示す構成例では、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が、上皿及び下皿の中央部分において上下の位置関係にある。これに対して、上下の位置関係を保ったまま、プッシュボタン120及びスティックコントローラ122の取付位置を、上皿及び下皿において左右のいずれかに寄せた位置としてもよい。あるいは、プッシュボタン120とスティックコントローラ122の取付位置が上下の位置関係にはなく、例えば左右の位置関係にあるものとしてもよい。
遊技領域7の中央付近には、液晶表示装置(LCD)で構成された演出表示装置9が設けられている。演出表示装置9の表示画面には、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示に同期した演出図柄の可変表示を行う演出図柄表示領域がある。よって、演出表示装置9は、演出図柄の可変表示を行う可変表示装置に相当する。演出図柄表示領域には、例えば「左」、「中」、「右」の3つの装飾用(演出用)の演出図柄を可変表示する図柄表示エリアがある。図柄表示エリアには「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリアがあるが、図柄表示エリアの位置は、演出表示装置9の表示画面において固定的でなくてもよいし、図柄表示エリアの3つ領域が離れてもよい。演出表示装置9は、演出制御基板に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータによって制御される。演出制御用マイクロコンピュータが、第1特別図柄表示器8aで第1特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させ、第2特別図柄表示器8bで第2特別図柄の可変表示が実行されているときに、その可変表示に伴って演出表示装置9で演出表示を実行させるので、遊技の進行状況を把握しやすくすることができる。
また、演出表示装置9において、最終停止図柄(例えば左右中図柄のうち中図柄)となる図柄以外の図柄が、所定時間継続して、大当り図柄(例えば左中右の図柄が同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)と一致している状態で停止、揺動、拡大縮小もしくは変形している状態、または、複数の図柄が同一図柄で同期して変動したり、表示図柄の位置が入れ替わっていたりして、最終結果が表示される前で大当り発生の可能性が継続している状態(以下、これらの状態をリーチ状態という。)において行われる演出をリーチ演出という。また、リーチ状態やその様子をリーチ態様という。さらに、リーチ演出を含む可変表示をリーチ可変表示という。そして、演出表示装置9に変動表示される図柄の表示結果が大当り図柄でない場合には「はずれ」となり、変動表示状態は終了する。遊技者は、大当りをいかにして発生させるかを楽しみつつ遊技を行う。
なお、この実施の形態では、演出表示装置9における液晶表示の演出として演出図柄の変動表示を行う場合を示しているが、演出表示装置9で行われる演出は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、所定のストーリー性をもつ演出を実行して、大当り判定や変動パターンの決定結果にもとづいてストーリーの結果を表示するような演出を実行するようにしてもよい。例えば、プロレスやサッカーの試合や敵味方のキャラクタが戦うバトル演出を行うとともに、大当りであれば試合やバトルに勝利する演出を行い、はずれであれば試合やバトルに敗北する演出を行うようにしてもよい。また、例えば、勝敗などの結果を表示するのではなく、物語などの所定のストーリーを順に展開させていくような演出を実行するようにしてもよい。
演出表示装置9の表示画面の右上方部には、演出図柄と後述する特別図柄および普通図柄とに次ぐ第4図柄を表示する第4図柄表示領域9c,9dが設けられている。この実施の形態では、後述する第1特別図柄の変動表示に同期して第1特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと、第2特別図柄の変動表示に同期して第2特別図柄用の第4図柄の変動表示が行われる第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dとが設けられている。
この実施の形態では、特別図柄の変動表示に同期して演出図柄の変動表示が実行されるのであるが(ただし、正確には、演出図柄の変動表示は、演出制御用マイクロコンピュータ100側で変動パターンコマンドにもとづいて認識した変動時間を計測することによって行われる。)、演出表示装置9を用いた演出を行う場合、例えば、演出図柄の変動表示を含む演出内容が画面上から一瞬消えるような演出が行われたり、可動物が画面上の全部または一部を遮蔽するような演出が行われるなど、演出態様が多様化してきている。そのため、演出表示装置9上の表示画面を見ていても、現在変動表示中の状態であるのか否か認識しにくい場合も生じている。そこで、この実施の形態では、演出表示装置9の表示画面の一部でさらに第4図柄の変動表示を行うことによって、第4図柄の状態を確認することにより現在変動表示中の状態であるのか否かを確実に認識可能としている。なお、第4図柄は、常に一定の動作で変動表示され、画面上から消えたり遮蔽物で遮蔽されることはないため、常に視認することができる。
なお、第1特別図柄用の第4図柄と第2特別図柄用の第4図柄とを、第4図柄と総称することがあり、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cと第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dを、第4図柄表示領域と総称することがある。
第4図柄の変動(可変表示)は、第4図柄表示領域9c,9dを所定の表示色(例えば、青色)で一定の時間間隔で点灯と消灯とを繰り返す状態を継続することによって実現される。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおける第1特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおける第2特別図柄用の第4図柄の可変表示とは同期している。同期とは、可変表示の開始時点および終了時点が同じであって、可変表示の期間が同じであることをいう。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第1特別図柄用の第4図柄表示領域9cにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、第2特別図柄用の第4図柄表示領域9dにおいて大当りを想起させる表示色(はずれとは異なる表示色。例えば、はずれのときには青色で表示されるのに対して、大当りのときには赤色で表示される。なお、大当りの種類(15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りのいずれであるかに応じて表示色を異ならせてもよい。)で点灯されたままになる。なお、第4図柄表示領域9c,9dの消灯時の表示色は、消灯したときに背景画像と同化して見えなくなることを防止するために、背景画像とは異なる表示色(例えば、黒色)であることが望ましい。
なお、この実施の形態では、第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設ける場合を示しているが、演出表示装置9とは別に、ランプやLEDなどの発光体を用いて第4図柄表示領域を実現するようにしてもよい。この場合、例えば、第4図柄の変動(可変表示)を、2つのLEDが交互に点灯する状態を継続することによって実現されるようにしてもよく、2つのLEDのうちのいずれのLEDが停止表示されたかによって大当り図柄が停止表示されたか否かを表すようにしてもよい。
また、この実施の形態では、第1特別図柄と第2特別図柄とにそれぞれ対応させて別々の第4図柄表示領域9c,9dを備える場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域を演出表示装置9の表示画面の一部に設けるようにしてもよい。また、第1特別図柄と第2特別図柄とに対して共通の第4図柄表示領域をランプやLEDなどの発光体を用いて実現するようにしてもよい。この場合、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、一定の時間間隔で異なる表示色の表示を点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、第1特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときと、第2特別図柄の変動表示に同期して第4図柄の変動表示を実行するときとで、例えば、異なる時間間隔で点灯および消灯を繰り返すような表示を行うことによって、第4図柄の変動表示を区別して実行するようにしてもよい。また、例えば、第1特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときと、第2特別図柄の変動表示に対応して停止図柄を導出表示するときとで、同じ大当り図柄であっても異なる態様の停止図柄を停止表示するようにしてもよい。
遊技盤6における中央部の右側には、識別情報としての第1特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器(第1可変表示部)8aが設けられている。この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第1特別図柄表示器8aは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。第1特別図柄表示器8aの右側には、識別情報としての第2特別図柄を可変表示する第2特別図柄表示器(第2可変表示部)8bが設けられている。第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字を可変表示可能な簡易で小型の表示器(例えば7セグメントLED)で実現されている。すなわち、第2特別図柄表示器8bは、0〜9の数字(または、記号)を可変表示するように構成されている。
小型の表示器は、例えば方形状に形成されている。また、この実施の形態では、第1特別図柄の種類と第2特別図柄の種類とは同じ(例えば、ともに0〜9の数字)であるが、種類が異なっていてもよい。また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bは、それぞれ、例えば、00〜99の数字(または、2桁の記号)を可変表示するように構成されていてもよい。
以下、第1特別図柄と第2特別図柄とを特別図柄と総称することがあり、第1特別図柄表示器8aと第2特別図柄表示器8bとを特別図柄表示器(可変表示部)と総称することがある。
なお、この実施の形態では、2つの特別図柄表示器8a,8bを備える場合を示しているが、遊技機は、特別図柄表示器を1つのみ備えるものであってもよい。
第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示は、可変表示の実行条件である第1始動条件または第2始動条件が成立(例えば、遊技球が第1始動入賞口13または第2始動入賞口14を通過(入賞を含む)したこと)した後、可変表示の開始条件(例えば、保留記憶数が0でない場合であって、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示が実行されていない状態であり、かつ、大当り遊技が実行されていない状態)が成立したことにもとづいて開始され、可変表示時間(変動時間)が経過すると表示結果(停止図柄)を導出表示する。なお、遊技球が通過するとは、入賞口やゲートなどのあらかじめ入賞領域として定められている領域を遊技球が通過したことであり、入賞口に遊技球が入った(入賞した)ことを含む概念である。また、表示結果を導出表示するとは、図柄(識別情報の例)を最終的に停止表示させることである。
演出表示装置9の下方には、第1始動入賞口13を有する入賞装置が設けられている。第1始動入賞口13に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第1始動口スイッチ13aによって検出される。
また、第1始動入賞口(第1始動口)13を有する入賞装置の下方には、遊技球が入賞可能な第2始動入賞口14を有する可変入賞球装置15が設けられている。第2始動入賞口(第2始動口)14に入賞した遊技球は、遊技盤6の背面に導かれ、第2始動口スイッチ14aによって検出される。可変入賞球装置15は、ソレノイド16によって開状態とされる。可変入賞球装置15が開状態になることによって、遊技球が第2始動入賞口14に入賞可能になり(始動入賞し易くなり)、遊技者にとって有利な状態になる。可変入賞球装置15が開状態になっている状態では、第1始動入賞口13よりも、第2始動入賞口14に遊技球が入賞しやすい。また、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、遊技球は第2始動入賞口14に入賞しない。従って、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態では、第2始動入賞口14よりも、第1始動入賞口13に遊技球が入賞しやすい。なお、可変入賞球装置15が閉状態になっている状態において、入賞はしづらいものの、入賞することは可能である(すなわち、遊技球が入賞しにくい)ように構成されていてもよい。
以下、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とを総称して始動入賞口または始動口ということがある。
可変入賞球装置15が開放状態に制御されているときには可変入賞球装置15に向かう遊技球は第2始動入賞口14に極めて入賞しやすい。そして、第1始動入賞口13は演出表示装置9の直下に設けられているが、演出表示装置9の下端と第1始動入賞口13との間の間隔をさらに狭めたり、第1始動入賞口13の周辺で釘を密に配置したり、第1始動入賞口13の周辺での釘配列を、遊技球を第1始動入賞口13に導きづらくして、第2始動入賞口14の入賞率の方を第1始動入賞口13の入賞率よりもより高くするようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図1に示すように、第2始動入賞口14に対してのみ開閉動作を行う可変入賞球装置15が設けられているが、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14のいずれについても開閉動作を行う可変入賞球装置が設けられている構成であってもよい。
第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第1始動入賞口13に入った有効入賞球数すなわち第1保留記憶数(保留記憶を、始動記憶または始動入賞記憶ともいう。)を表示する4つの表示器からなる第1特別図柄保留記憶表示器18aが設けられている。第1特別図柄保留記憶表示器18aは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第1特別図柄表示器8aでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、第1特別図柄表示器8aおよび第2特別図柄表示器8bの上方には、第2始動入賞口14に入った有効入賞球数すなわち第2保留記憶数を表示する4つの表示器からなる第2特別図柄保留記憶表示器18bが設けられている。第2特別図柄保留記憶表示器18bは、有効始動入賞がある毎に、点灯する表示器の数を1増やす。そして、第2特別図柄表示器8bでの可変表示が開始される毎に、点灯する表示器の数を1減らす。
また、演出表示装置9の表示画面の下部には、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられている。この実施の形態では、合計数を表示する合算保留記憶表示部18cが設けられていることによって、可変表示の開始条件が成立していない実行条件の成立数の合計を把握しやすくすることができる。なお、この実施の形態では、合算保留記憶表示部18cにおいて、第1保留記憶と第2保留記憶とが、遊技球を模した画像として第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順に並べて表示されるとともに、第1保留記憶であるか第2保留記憶であるかを認識可能な態様で表示される(例えば、第1保留記憶は赤枠で表示され、第2保留記憶は青枠で表示される)。
演出表示装置9は、第1特別図柄表示器8aによる第1特別図柄の可変表示時間中、および第2特別図柄表示器8bによる第2特別図柄の可変表示時間中に、装飾用(演出用)の図柄としての演出図柄の可変表示を行う。第1特別図柄表示器8aにおける第1特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第2特別図柄表示器8bにおける第2特別図柄の可変表示と、演出表示装置9における演出図柄の可変表示とは同期している。また、第1特別図柄表示器8aにおいて大当り図柄が停止表示されるときと、第2特別図柄表示器8bにおいて大当り図柄が停止表示されるときには、演出表示装置9において大当りを想起させるような演出図柄の組み合わせが停止表示される。
また、図1に示すように、可変入賞球装置15の下方には、特別可変入賞球装置20が設けられている。特別可変入賞球装置20は開閉板を備え、第1特別図柄表示器8aに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときと、第2特別図柄表示器8bに特定表示結果(大当り図柄)が導出表示されたときに生起する特定遊技状態(大当り遊技状態)においてソレノイド21によって開閉板が開放状態に制御されることによって、入賞領域となる大入賞口が開放状態になる。大入賞口に入賞した遊技球はカウントスイッチ23で検出される。
遊技盤6の左側方には、普通図柄表示器10が設けられている。普通図柄表示器10は、普通図柄と呼ばれる複数種類の識別情報(例えば、「○」および「×」)を可変表示する。
遊技球がゲート32を通過しゲートスイッチ32aで検出されると、普通図柄表示器10の表示の可変表示が開始される。この実施の形態では、上下のランプ(点灯時に図柄が視認可能になる)が交互に点灯することによって可変表示が行われ、例えば、可変表示の終了時に下側のランプが点灯すれば当りとなる。そして、普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)である場合に、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。すなわち、可変入賞球装置15の状態は、普通図柄の停止図柄が当り図柄である場合に、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(第2始動入賞口14に遊技球が入賞可能な状態)に変化する。普通図柄表示器10の近傍には、ゲート32を通過した入賞球数を表示する4つのLEDによる表示部を有する普通図柄保留記憶表示器41が設けられている。ゲート32への遊技球の通過がある毎に、すなわちゲートスイッチ32aによって遊技球が検出される毎に、普通図柄保留記憶表示器41は点灯するLEDを1増やす。そして、普通図柄表示器10の可変表示が開始される毎に、点灯するLEDを1減らす。さらに、通常状態に比べて大当りとすることに決定される確率が高い状態である高確率状態(通常状態と比較して、特別図柄の変動表示結果として大当りと判定される確率が高められた状態。ただし、後述する高確率/低ベース状態を除く。)では、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められる。
遊技盤6の遊技領域7の左右周辺には、遊技中に点滅表示される装飾LED25が設けられ、下部には、入賞しなかった打球が取り込まれるアウト口26がある。また、遊技領域7の外側の左右上部には、所定の音声出力として効果音や音声を発声する2つのスピーカ27が設けられている。遊技領域7の外周には、前面枠に設けられた枠LED28が設けられている。
遊技機には、遊技者が打球操作ハンドル5を操作することに応じて駆動モータを駆動し、駆動モータの回転力を利用して遊技球を遊技領域7に発射する打球発射装置(図示せず)が設けられている。打球発射装置から発射された遊技球は、遊技領域7を囲むように円形状に形成された打球レールを通って遊技領域7に入り、その後、遊技領域7を下りてくる。遊技球が第1始動入賞口13に入り第1始動口スイッチ13aで検出されると、第1特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第1の開始条件が成立したこと)、第1特別図柄表示器8aにおいて第1特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第1特別図柄および演出図柄の可変表示は、第1始動入賞口13への入賞に対応する。第1特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第1保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第1保留記憶数を1増やす。
遊技球が第2始動入賞口14に入り第2始動口スイッチ14aで検出されると、第2特別図柄の可変表示を開始できる状態であれば(例えば、特別図柄の可変表示が終了し、第2の開始条件が成立したこと)、第2特別図柄表示器8bにおいて第2特別図柄の可変表示(変動)が開始されるとともに、演出表示装置9において演出図柄の可変表示が開始される。すなわち、第2特別図柄および演出図柄の可変表示は、第2始動入賞口14への入賞に対応する。第2特別図柄の可変表示を開始できる状態でなければ、第2保留記憶数が上限値に達していないことを条件として、第2保留記憶数を1増やす。
この実施の形態では、所定の種別の大当りとなった場合には、大当り遊技終了後にいわゆる確変状態に移行され、遊技状態を高確率状態に移行するとともに、遊技球が始動入賞しやすくなる(すなわち、特別図柄表示器8a,8bや演出表示装置9における可変表示の実行条件が成立しやすくなる)ように制御された遊技状態である高ベース状態に移行する。高ベース状態である場合には、例えば、高ベース状態でない場合と比較して、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高められたり、可変入賞球装置15が開状態となる時間が延長されたりして、始動入賞しやすくなる。なお、この実施の形態では、大当りとなった場合には必ず高確率状態に移行されるのであるが、大当りとなった場合に、高確率状態以外にいわゆる時短状態(例えば、低確率状態、且つ、高ベース状態)に移行される場合もあるように遊技機を構成してもよい。
なお、可変入賞球装置15が開状態となる時間を延長する(開放延長状態ともいう)のでなく、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められる普通図柄確変状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄表示器10における停止図柄が所定の図柄(当り図柄)となると、可変入賞球装置15が所定回数、所定時間だけ開状態になる。この場合、普通図柄確変状態に移行制御することによって、普通図柄表示器10における停止図柄が当り図柄になる確率が高められ、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高まる。従って、普通図柄確変状態に移行すれば、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数が高められ、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。すなわち、可変入賞球装置15の開放時間と開放回数は、普通図柄の停止図柄が当り図柄であったり、特別図柄の停止図柄が確変図柄である場合等に高められ、遊技者にとって不利な状態から有利な状態(始動入賞しやすい状態)に変化する。なお、開放回数が高められることは、閉状態から開状態になることも含む概念である。
また、普通図柄表示器10における普通図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される普通図柄時短状態に移行することによって、高ベース状態に移行してもよい。普通図柄時短状態では、普通図柄の変動時間が短縮されるので、普通図柄の変動が開始される頻度が高くなり、結果として普通図柄が当りとなる頻度が高くなる。従って、普通図柄が当たりとなる頻度が高くなることによって、可変入賞球装置15が開状態となる頻度が高くなり、始動入賞しやすい状態(高ベース状態)となる。
また、特別図柄や演出図柄の変動時間(可変表示期間)が短縮される時短状態に移行することによって、特別図柄や演出図柄の変動時間が短縮されるので、特別図柄や演出図柄の変動が開始される頻度が高くなり(換言すれば、保留記憶の消化が速くなる。)、無効な始動入賞が生じてしまう事態を低減することができる。従って、有効な始動入賞が発生しやすくなり、結果として、大当り遊技が行われる可能性が高まる。
さらに、上記に示した全ての状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか複数の状態に移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。また、上記に示した各状態(開放延長状態、普通図柄確変状態、普通図柄時短状態および特別図柄時短状態)のうちのいずれか1つの状態にのみ移行させることによって、始動入賞しやすくなる(高ベース状態に移行する)ようにしてもよい。
図2は、主基板(遊技制御基板)31における回路構成の一例を示すブロック図である。なお、図2は、払出制御基板37および演出制御基板80等も示されている。主基板31には、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ(遊技制御手段に相当)560が搭載されている。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、ゲーム制御(遊技進行制御)用のプログラム等を記憶するROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段としてのRAM55、プログラムに従って制御動作を行うCPU56およびI/Oポート部57を含む。この実施の形態では、ROM54およびRAM55は遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されている。すなわち、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1チップマイクロコンピュータである。1チップマイクロコンピュータには、少なくともCPU56のほかRAM55が内蔵されていればよく、ROM54は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、外付けであってもよい。遊技制御用マイクロコンピュータ560には、さらに、ハードウェア乱数(ハードウェア回路が発生する乱数)を発生する乱数回路503が内蔵されている。
また、RAM55は、その一部または全部が電源基板910において作成されるバックアップ電源によってバックアップされている不揮発性記憶手段としてのバックアップRAMである。すなわち、遊技機に対する電力供給が停止しても、所定期間(バックアップ電源としてのコンデンサが放電してバックアップ電源が電力供給不能になるまで)は、RAM55の一部または全部の内容は保存される。特に、少なくとも、遊技状態すなわち遊技制御手段の制御状態に応じたデータ(特別図柄プロセスフラグや、高確率フラグなど)と未払出賞球数を示すデータは、バックアップRAMに保存される。遊技制御手段の制御状態に応じたデータとは、停電等が生じた後に復旧した場合に、そのデータにもとづいて、制御状態を停電等の発生前に復旧させるために必要なデータである。また、制御状態に応じたデータと未払出賞球数を示すデータとを遊技の進行状態を示すデータと定義する。なお、この実施の形態では、RAM55の全部が、電源バックアップされているとする。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560においてCPU56がROM54に格納されているプログラムに従って制御を実行するので、以下、遊技制御用マイクロコンピュータ560(またはCPU56)が実行する(または、処理を行う)ということは、具体的には、CPU56がプログラムに従って制御を実行することである。このことは、主基板31以外の他の基板に搭載されているマイクロコンピュータについても同様である。
乱数回路503は、特別図柄の可変表示の表示結果により大当りとするか否か判定するための判定用の乱数を発生するために用いられるハードウェア回路である。乱数回路503は、初期値(例えば、0)と上限値(例えば、65535)とが設定された数値範囲内で、数値データを、設定された更新規則に従って更新し、ランダムなタイミングで発生する始動入賞時が数値データの読出(抽出)時であることにもとづいて、読出される数値データが乱数値となる乱数発生機能を有する。
乱数回路503は、数値データの更新範囲の選択設定機能(初期値の選択設定機能、および、上限値の選択設定機能)、数値データの更新規則の選択設定機能、および数値データの更新規則の選択切換え機能等の各種の機能を有する。このような機能によって、生成する乱数のランダム性を向上させることができる。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数回路503が更新する数値データの初期値を設定する機能を有している。例えば、ROM54等の所定の記憶領域に記憶された遊技制御用マイクロコンピュータ560のIDナンバ(遊技制御用マイクロコンピュータ560の各製品ごとに異なる数値で付与されたIDナンバ)を用いて所定の演算を行なって得られた数値データを、乱数回路503が更新する数値データの初期値として設定する。そのような処理を行うことによって、乱数回路503が発生する乱数のランダム性をより向上させることができる。
また、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14a、カウントスイッチ23からの検出信号を遊技制御用マイクロコンピュータ560に与える入力ドライバ回路58も主基板31に搭載されている。また、可変入賞球装置15を開閉するソレノイド16、および大入賞口を形成する特別可変入賞球装置20を開閉するソレノイド21を遊技制御用マイクロコンピュータ560からの指令に従って駆動する出力回路59も主基板31に搭載されている。
また、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄を可変表示する第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄を可変表示する普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18bおよび普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う。
なお、大当り遊技状態の発生を示す大当り情報等の情報出力信号を、ターミナル基板160を介して、ホールコンピュータ等の外部装置に対して出力する情報出力回路64も主基板31に搭載されている。
この実施の形態では、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段(演出制御用マイクロコンピュータで構成される。)が、中継基板77を介して遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出内容を指示する演出制御コマンドを受信し、演出図柄を可変表示する演出表示装置9の表示制御を行う。
また、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段が、ランプドライバ基板35を介して、枠側に設けられている枠LED28の表示制御を行うとともに、音声出力基板70を介してスピーカ27からの音出力の制御を行う。
図3は、中継基板77、演出制御基板80、ランプドライバ基板35および音声出力基板70の回路構成例を示すブロック図である。なお、図3に示す例では、ランプドライバ基板35および音声出力基板70には、マイクロコンピュータは搭載されていないが、マイクロコンピュータを搭載してもよい。また、ランプドライバ基板35および音声出力基板70を設けずに、演出制御に関して演出制御基板80のみを設けてもよい。
演出制御基板80は、演出制御用CPU101、および演出図柄プロセスフラグ等の演出に関する情報を記憶するRAMを含む演出制御用マイクロコンピュータ100を搭載している。なお、RAMは外付けであってもよい。この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるRAMは電源バックアップされていない。演出制御基板80において、演出制御用CPU101は、内蔵または外付けのROM(図示せず)に格納されたプログラムに従って動作し、中継基板77を介して入力される主基板31からの取込信号(演出制御INT信号)に応じて、入力ドライバ102および入力ポート103を介して演出制御コマンドを受信する。また、演出制御用CPU101は、演出制御コマンドにもとづいて、VDP(ビデオディスプレイプロセッサ)109に演出表示装置9の表示制御を行わせる。
この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100と共動して演出表示装置9の表示制御を行うVDP109が演出制御基板80に搭載されている。VDP109は、演出制御用マイクロコンピュータ100とは独立したアドレス空間を有し、そこにVRAMをマッピングする。VRAMは、画像データを展開するためのバッファメモリである。そして、VDP109は、VRAM内の画像データをフレームメモリを介して演出表示装置9に出力する。
演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに従ってCGROM(図示せず)から必要なデータを読み出すための指令をVDP109に出力する。CGROMは、演出表示装置9に表示されるキャラクタ画像データや動画像データ、具体的には、人物、文字、図形や記号等(演出図柄を含む)、および背景画像のデータをあらかじめ格納しておくためのROMである。VDP109は、演出制御用CPU101の指令に応じて、CGROMから画像データを読み出す。そして、VDP109は、読み出した画像データにもとづいて表示制御を実行する。
演出制御コマンドおよび演出制御INT信号は、演出制御基板80において、まず、入力ドライバ102に入力する。入力ドライバ102は、中継基板77から入力された信号を演出制御基板80の内部に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80の内部から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路でもある。
中継基板77には、主基板31から入力された信号を演出制御基板80に向かう方向にしか通過させない(演出制御基板80から中継基板77への方向には信号を通過させない)信号方向規制手段としての単方向性回路74が搭載されている。単方向性回路として、例えばダイオードやトランジスタが使用される。図3には、ダイオードが例示されている。また、単方向性回路は、各信号毎に設けられる。さらに、単方向性回路である出力ポート571を介して主基板31から演出制御コマンドおよび演出制御INT信号が出力されるので、中継基板77から主基板31の内部に向かう信号が規制される。すなわち、中継基板77からの信号は主基板31の内部(遊技制御用マイクロコンピュータ560側)に入り込まない。なお、出力ポート571は、図2に示されたI/Oポート部57の一部である。また、出力ポート571の外側(中継基板77側)に、さらに、単方向性回路である信号ドライバ回路が設けられていてもよい。
また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122のトリガボタン121に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、トリガセンサ125から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、プッシュボタン120に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、プッシュセンサ124から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、スティックコントローラ122の操作桿に対する遊技者の操作行為を検出したことを示す情報信号としての操作検出信号を、傾倒方向センサユニット123から、入力ポート106を介して入力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してバイブレータ用モータ126に駆動信号を出力することにより、スティックコントローラ122を振動動作させる。
さらに、演出制御用CPU101は、出力ポート105を介してランプドライバ基板35に対してLEDを駆動する信号を出力する。また、演出制御用CPU101は、出力ポート104を介して音声出力基板70に対して音番号データを出力する。
ランプドライバ基板35において、LEDを駆動する信号は、入力ドライバ351を介してLEDドライバ352に入力される。LEDドライバ352は、LEDを駆動する信号にもとづいて枠LED28などの発光体に電流を供給する。
音声出力基板70において、音番号データは、入力ドライバ702を介して音声合成用IC703に入力される。音声合成用IC703は、音番号データに応じた音声や効果音を発生し増幅回路705に出力する。増幅回路705は、音声合成用IC703の出力レベルを、ボリューム706で設定されている音量に応じたレベルに増幅した音声信号をスピーカ27に出力する。音声データROM704には、音番号データに応じた制御データが格納されている。音番号データに応じた制御データは、所定期間(例えば演出図柄の変動期間)における効果音または音声の出力態様を時系列的に示すデータの集まりである。
次に、遊技機の動作について説明する。図4は、主基板31における遊技制御用マイクロコンピュータ560が実行するメイン処理を示すフローチャートである。遊技機に対して電源が投入され電力供給が開始されると、リセット信号が入力されるリセット端子の入力レベルがハイレベルになり、遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)は、プログラムの内容が正当か否か確認するための処理であるセキュリティチェック処理を実行した後、ステップS1以降のメイン処理を開始する。メイン処理において、CPU56は、まず、必要な初期設定を行う。
初期設定処理において、CPU56は、まず、割込禁止に設定する(ステップS1)。次に、割込モードを割込モード2に設定し(ステップS2)、スタックポインタにスタックポインタ指定アドレスを設定する(ステップS3)。そして、内蔵デバイスの初期化(内蔵デバイス(内蔵周辺回路)であるCTC(カウンタ/タイマ)およびPIO(パラレル入出力ポート)の初期化など)を行った後(ステップS4)、RAMをアクセス可能状態に設定する(ステップS5)。なお、割込モード2は、CPU56が内蔵する特定レジスタ(Iレジスタ)の値(1バイト)と内蔵デバイスが出力する割込ベクタ(1バイト:最下位ビット0)とから合成されるアドレスが、割込番地を示すモードである。
次いで、CPU56は、入力ポートを介して入力されるクリアスイッチ(例えば、電源基板に搭載されている。)の出力信号(クリア信号)の状態を確認する(ステップS6)。その確認においてオンを検出した場合には、CPU56は、通常の初期化処理(ステップS10〜S15)を実行する。
クリアスイッチがオンの状態でない場合には、遊技機への電力供給が停止したときにバックアップRAM領域のデータ保護処理(例えばパリティデータの付加等の電力供給停止時処理)が行われたか否か確認する(ステップS7)。そのような保護処理が行われていないことを確認したら、CPU56は初期化処理を実行する。バックアップRAM領域にバックアップデータがあるか否かは、例えば、電力供給停止時処理においてバックアップRAM領域に設定されるバックアップフラグの状態によって確認される。
電力供給停止時処理が行われたことを確認したら、CPU56は、バックアップRAM領域のデータチェックを行う(ステップS8)。この実施の形態では、データチェックとしてパリティチェックを行う。よって、ステップS8では、算出したチェックサムと、電力供給停止時処理で同一の処理によって算出され保存されているチェックサムとを比較する。不測の停電等の電力供給停止が生じた後に復旧した場合には、バックアップRAM領域のデータは保存されているはずであるから、チェック結果(比較結果)は正常(一致)になる。チェック結果が正常でないということは、バックアップRAM領域のデータが、電力供給停止時のデータとは異なっていることを意味する。そのような場合には、内部状態を電力供給停止時の状態に戻すことができないので、電力供給の停止からの復旧時でない電源投入時に実行される初期化処理を実行する。
チェック結果が正常であれば、CPU56は、遊技制御手段の内部状態と演出制御手段等の電気部品制御手段の制御状態を電力供給停止時の状態に戻すための遊技状態復旧処理(ステップS41〜S43の処理)を行う。具体的には、ROM54に格納されているバックアップ時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS41)、バックアップ時設定テーブルの内容を順次作業領域(RAM55内の領域)に設定する(ステップS42)。作業領域はバックアップ電源によって電源バックアップされている。バックアップ時設定テーブルには、作業領域のうち初期化してもよい領域についての初期化データが設定されている。ステップS41およびS42の処理によって、作業領域のうち初期化してはならない部分については、保存されていた内容がそのまま残る。初期化してはならない部分とは、例えば、電力供給停止前の遊技状態を示すデータ(特別図柄プロセスフラグ、高確率フラグ、高ベースフラグなど)、出力ポートの出力状態が保存されている領域(出力ポートバッファ)、未払出賞球数を示すデータが設定されている部分などである。
また、CPU56は、電力供給復旧時の初期化コマンドとしての停電復旧指定コマンドを送信する(ステップS43)。また、CPU56は、バックアップRAMに保存されている表示結果(15R確変大当り、8R確変大当り、突然確変大当り、小当り、またははずれ)を指定した表示結果指定コマンドを演出制御基板80に対して送信する(ステップS44)。そして、ステップS14に移行する。なお、ステップS44において、CPU56は、例えば、後述する特別図柄ポインタの値もバックアップRAMに保存している場合には、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンド(図13参照)も送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は、第1図柄変動指定コマンドや第2図柄変動指定コマンドを受信したことにもとづいて、第4図柄の変動表示を再開するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する変動時間タイマの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、ステップS44で表示結果指定コマンドが送信された後、保存していた変動時間タイマの値の計測を再開して特別図柄の変動表示が再開されるとともに、保存していた変動時間タイマの値がタイムアウトしたときに、さらに後述する図柄確定指定コマンドが送信される。また、この実施の形態では、バックアップRAM領域には、後述する特別図柄プロセスフラグの値も保存される。従って、停電復旧した場合には、保存されている特別図柄プロセスフラグの値に応じたプロセスから特別図柄プロセス処理が再開される。
なお、停電復旧時に必ず表示結果指定コマンドを送信するのではなく、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している変動時間タイマの値が0であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、変動時間タイマの値が0でなければ、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、変動時間タイマが0であれば、停電時に変動中の状態ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
また、CPU56は、まず、バックアップRAM領域に保存している特別図柄プロセスフラグの値が3であるか否かを確認するようにしてもよい。そして、特別図柄プロセスフラグの値が3であれば、変動中に停電した場合であると判断して、表示結果指定コマンドを送信するようにし、特別図柄プロセスフラグが3でなければ、停電時に変動中ではなかったと判断して、表示結果指定コマンドを送信しないようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、バックアップフラグとチェックデータとの双方を用いてバックアップRAM領域のデータが保存されているか否か確認しているが、いずれか一方のみを用いてもよい。すなわち、バックアップフラグとチェックデータとのいずれかを、遊技状態復旧処理を実行するための契機としてもよい。
初期化処理では、CPU56は、まず、RAMクリア処理を行う(ステップS10)。なお、RAMクリア処理によって、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)は0に初期化されるが、任意の値またはあらかじめ決められている値に初期化するようにしてもよい。また、RAM55の全領域を初期化せず、所定のデータ(例えば、普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウント値のデータ)をそのままにしてもよい。また、ROM54に格納されている初期化時設定テーブルの先頭アドレスをポインタに設定し(ステップS11)、初期化時設定テーブルの内容を順次作業領域に設定する(ステップS12)。
ステップS11およびS12の処理によって、例えば、普通図柄当り判定用乱数カウンタ、特別図柄バッファ、総賞球数格納バッファ、特別図柄プロセスフラグなど制御状態に応じて選択的に処理を行うためのフラグに初期値が設定される。
また、CPU56は、サブ基板(主基板31以外のマイクロコンピュータが搭載された基板。)を初期化するための初期化指定コマンド(遊技制御用マイクロコンピュータ560が初期化処理を実行したことを示すコマンドでもある。)をサブ基板に送信する(ステップS13)。例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、初期化指定コマンドを受信すると、演出表示装置9において、遊技機の制御の初期化がなされたことを報知するための画面表示、すなわち初期化報知を行う。
また、CPU56は、乱数回路503を初期設定する乱数回路設定処理を実行する(ステップS14)。CPU56は、例えば、乱数回路設定プログラムに従って処理を実行することによって、乱数回路503にランダムRの値を更新させるための設定を行う。
そして、ステップS15において、CPU56は、所定時間(例えば4ms)毎に定期的にタイマ割込がかかるように遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されているCTCのレジスタの設定を行なう。すなわち、初期値として例えば4msに相当する値が所定のレジスタ(時間定数レジスタ)に設定される。この実施の形態では、4ms毎に定期的にタイマ割込がかかるとする。
初期化処理の実行(ステップS10〜S15)が完了すると、CPU56は、メイン処理で、表示用乱数更新処理(ステップS17)および初期値用乱数更新処理(ステップS18)を繰り返し実行する。表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理を実行するときには割込禁止状態に設定し(ステップS16)、表示用乱数更新処理および初期値用乱数更新処理の実行が終了すると割込許可状態に設定する(ステップS19)。この実施の形態では、表示用乱数とは、大当りとしない場合の特別図柄の停止図柄を決定するための乱数や大当りとしない場合にリーチとするか否かを決定するための乱数であり、表示用乱数更新処理とは、表示用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。また、初期値用乱数更新処理とは、初期値用乱数を発生するためのカウンタのカウント値を更新する処理である。この実施の形態では、初期値用乱数とは、普通図柄に関して当りとするか否か決定するための乱数を発生するためのカウンタ(普通図柄当り判定用乱数発生カウンタ)のカウント値の初期値を決定するための乱数である。後述する遊技の進行を制御する遊技制御処理(遊技制御用マイクロコンピュータ560が、遊技機に設けられている演出表示装置、可変入賞球装置、球払出装置等の遊技用の装置を、自身で制御する処理、または他のマイクロコンピュータに制御させるために指令信号を送信する処理、遊技装置制御処理ともいう)において、普通図柄当り判定用乱数のカウント値が1周(普通図柄当り判定用乱数の取りうる値の最小値から最大値までの間の数値の個数分歩進したこと)すると、そのカウンタに初期値が設定される。
なお、この実施の形態では、リーチ演出は、演出表示装置9において可変表示される演出図柄を用いて実行される。また、特別図柄の表示結果を大当り図柄にする場合には、一部の場合を除いて、リーチ演出が実行される。本実施の形態では、詳細は後述するが、リーチ状態とならずに大当り図柄が停止表示する変動パターンとして「リーチなし大当り」(「突発大当り」ともいう)が設けられている。なお、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示されることとしてもよい。特別図柄の表示結果を大当り図柄にしない場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、乱数を用いた変動パターン種別や変動パターンを決定する抽選を行うことによって、リーチ演出を実行するか否か決定する。ただし、実際にリーチ演出の制御を実行するのは、演出制御用マイクロコンピュータ100である。
タイマ割込が発生すると、CPU56は、図5に示すステップS20〜S34のタイマ割込処理を実行する。タイマ割込処理において、まず、電源断信号が出力されたか否か(オン状態になったか否か)を検出する電源断検出処理を実行する(ステップS20)。電源断信号は、例えば電源基板に搭載されている電源監視回路が、遊技機に供給される電源の電圧の低下を検出した場合に出力する。そして、電源断検出処理において、CPU56は、電源断信号が出力されたことを検出したら、必要なデータをバックアップRAM領域に保存するための電力供給停止時処理を実行する。次いで、入力ドライバ回路58を介して、ゲートスイッチ32a、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号を入力し、それらの状態判定を行う(スイッチ処理:ステップS21)。
次に、CPU56は、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b、普通図柄表示器10、第1特別図柄保留記憶表示器18a、第2特別図柄保留記憶表示器18b、普通図柄保留記憶表示器41の表示制御を行う表示制御処理を実行する(ステップS22)。第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび普通図柄表示器10については、ステップS32,S33で設定される出力バッファの内容に応じて各表示器に対して駆動信号を出力する制御を実行する。
また、遊技制御に用いられる普通図柄当り判定用乱数等の各判定用乱数を生成するための各カウンタのカウント値を更新する処理を行う(判定用乱数更新処理:ステップS23)。CPU56は、さらに、初期値用乱数および表示用乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する処理を行う(初期値用乱数更新処理,表示用乱数更新処理:ステップS24,S25)。
さらに、CPU56は、特別図柄プロセス処理を行う(ステップS26)。特別図柄プロセス処理では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を所定の順序で制御するための特別図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
次いで、普通図柄プロセス処理を行う(ステップS27)。普通図柄プロセス処理では、CPU56は、普通図柄表示器10の表示状態を所定の順序で制御するための普通図柄プロセスフラグに従って該当する処理を実行する。CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値を、遊技状態に応じて更新する。
また、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送出する処理を行う(演出制御コマンド制御処理:ステップS28)。
さらに、CPU56は、例えばホール管理用コンピュータに供給される大当り情報、始動情報、確率変動情報などのデータを出力する情報出力処理を行う(ステップS29)。
また、CPU56は、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23の検出信号にもとづく賞球個数の設定などを行う賞球処理を実行する(ステップS30)。具体的には、第1始動口スイッチ13a、第2始動口スイッチ14aおよびカウントスイッチ23のいずれかがオンしたことにもとづく入賞検出に応じて、払出制御基板37に搭載されている払出制御用マイクロコンピュータに賞球個数を示す払出制御コマンド(賞球個数信号)を出力する。払出制御用マイクロコンピュータは、賞球個数を示す払出制御コマンドに応じて球払出装置97を駆動する。
この実施の形態では、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域(出力ポートバッファ)が設けられているのであるが、CPU56は、出力ポートの出力状態に対応したRAM領域におけるソレノイドのオン/オフに関する内容を出力ポートに出力する(ステップS31:出力処理)。
また、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値に応じて特別図柄の演出表示を行うための特別図柄表示制御データを特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する特別図柄表示制御処理を行う(ステップS32)。
さらに、CPU56は、普通図柄プロセスフラグの値に応じて普通図柄の演出表示を行うための普通図柄表示制御データを普通図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定する普通図柄表示制御処理を行う(ステップS33)。CPU56は、例えば、普通図柄の変動に関する開始フラグがセットされると終了フラグがセットされるまで、普通図柄の変動速度が0.2秒ごとに表示状態(「○」および「×」)を切り替えるような速度であれば、0.2秒が経過する毎に、出力バッファに設定される表示制御データの値(例えば、「○」を示す1と「×」を示す0)を切り替える。また、CPU56は、出力バッファに設定された表示制御データに応じて、ステップS22において駆動信号を出力することによって、普通図柄表示器10における普通図柄の演出表示を実行する。
その後、割込許可状態に設定し(ステップS34)、処理を終了する。
以上の制御によって、この実施の形態では、遊技制御処理は4ms毎に起動されることになる。なお、遊技制御処理は、タイマ割込処理におけるステップS21〜S33(ステップS29を除く。)の処理に相当する。また、この実施の形態では、タイマ割込処理で遊技制御処理が実行されているが、タイマ割込処理では例えば割込が発生したことを示すフラグのセットのみがなされ、遊技制御処理はメイン処理において実行されるようにしてもよい。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態にならずに、リーチにならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示態様を、可変表示結果がはずれ図柄になる場合における「非リーチ」(「通常はずれ」または「非リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび演出表示装置9にはずれ図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示が開始されてから、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態となった後にリーチ演出が実行され、最終的に大当り図柄とはならない所定の演出図柄の組み合わせが停止表示されることがある。このような演出図柄の可変表示結果を、可変表示結果が「はずれ」となる場合における「リーチ」(「リーチはずれ」ともいう)の可変表示態様という。
この実施の形態では、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに大当り図柄が停止表示される場合には、演出図柄の可変表示状態がリーチ状態になった後にリーチ演出が実行され、最終的に演出表示装置9における「左」、「中」、「右」の各図柄表示エリア9L、9C、9Rに、演出図柄が揃って停止表示される(ただし、突然確変大当りの場合には、リーチとはならずに突然確変大当り図柄(例えば「135」)が停止表示される場合もある)。
第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当りである「5」が停止表示される場合には、演出表示装置9において、演出図柄の可変表示態様が「突然確変大当り」である場合と同様に演出図柄の可変表示が行われた後、所定の小当り図柄(突然確変大当り図柄と同じ図柄。例えば「135」)が停止表示されることがある。第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bに小当り図柄である「5」が停止表示されることに対応する演出表示装置9における表示演出を「小当り」の可変表示態様という。
ここで、小当りとは、大当りと比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される当りである。なお、小当り遊技が終了した場合、遊技状態は変化しない。すなわち、確変状態から通常状態に移行したり通常状態から確変状態に移行したりすることはない。また、突然確変大当りとは、大当り遊技状態において大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容されるが大入賞口の開放時間が極めて短い大当りであり、かつ、大当り遊技後の遊技状態を確変状態に移行させるような大当りである(すなわち、そのようにすることにより、遊技者に対して突然に確変状態となったかのように見せるものである)。つまり、この実施の形態では、突然確変大当りと小当りとは、大入賞口の開放パターンが同じである。そのように制御することによって、大入賞口の0.1秒間の開放が2回行われると、突然確変大当りであるか小当りであるかまでは認識できないので、遊技者に対して高確率状態(確変状態)を期待させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
なお、大当り種別が全て確変大当りであるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、本実施の形態に示すように、高確率状態に移行されるのみで高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすることが好ましい。
図6は、あらかじめ用意された演出図柄の変動パターンを示す説明図である。図6に示すように、この実施の形態では、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「非リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−1〜非リーチPA1−4の変動パターンが用意されている。また、可変表示結果が「はずれ」であり演出図柄の可変表示態様が「リーチ」である場合に対応した変動パターンとして、ノーマルPA2−1〜ノーマルPA2−2、ノーマルPB2−1〜ノーマルPB2−2、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2、スーパーPB3−1〜スーパーPB3−2の変動パターンが用意されている。なお、図6に示すように、リーチしない場合に使用される擬似連の演出を伴う非リーチPA1−4の変動パターンについては、再変動が1回行われる。リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−1を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−2を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−1〜スーパーPA3−2を用いる場合には、再変動が3回行われる。なお、再変動とは、演出図柄の可変表示が開始されてから表示結果が導出表示されるまでに一旦はずれとなる演出図柄を仮停止させた後に演出図柄の可変表示を再度実行することである。
また、図6に示すように、この実施の形態では、特別図柄の可変表示結果が大当り図柄または小当り図柄になる場合に対応した変動パターンとして、非リーチPA1−5、ノーマルPA2−3〜ノーマルPA2−4、ノーマルPB2−3〜ノーマルPB2−4、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4、スーパーPB3−3〜スーパーPB3−4、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンが用意されている。なお、図6において、特殊PG1−1〜特殊PG1−3、特殊PG2−1〜特殊PG2−2の変動パターンは、突然確変大当りまたは小当りとなる場合に使用される変動パターンである。また、図6に示すように、突然確変大当りまたは小当りでない場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−3を用いる場合には、再変動が1回行われる。また、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、ノーマルPB2−4を用いる場合には、再変動が2回行われる。さらに、リーチする場合に使用され擬似連の演出を伴う変動パターンのうち、スーパーPA3−3〜スーパーPA3−4を用いる場合には、再変動が3回行われる。また、突然確変大当りまたは小当りの場合に使用され擬似連の演出を伴う特殊PG1−3の変動パターンについては、再変動が1回行われる。また、非リーチPA1−5を用いる場合には、リーチ演出を行わずに大当りとなる。以下、リーチ演出を行わない大当りを「突発大当り」ということがある。
なお、この実施の形態では、図6に示すように、リーチの種類に応じて変動時間が固定的に定められている場合(例えば、擬似連ありのスーパーリーチAの場合には変動時間が32.75秒で固定であり、擬似連なしのスーパーリーチAの場合には変動時間が22.75秒で固定である)を示しているが、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、合算保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。例えば、同じ種類のスーパーリーチを伴う場合であっても、合算保留記憶数が多くなるに従って、変動時間が短くなるようにしてもよい。また、例えば、同じ種類のスーパーリーチの場合であっても、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよく、第2特別図柄の変動表示を行う場合には、第2保留記憶数に応じて、変動時間を異ならせるようにしてもよい。この場合、第1保留記憶数や第2保留記憶数の値ごとに別々の判定テーブルを用意しておき(例えば、保留記憶数0〜2用の変動パターン種別判定テーブルと保留記憶数3,4用の変動パターン種別判定テーブルとを用意しておき)、第1保留記憶数または第2保留記憶数の値に応じて判定テーブルを選択して、変動時間を異ならせるようにしてもよい。
図7は、各乱数を示す説明図である。各乱数は、以下のように使用される。
(1)ランダム1(MR1):大当りの種類(後述する15R確変大当り、8R確変大当り、突然確変大当り)を決定する(大当り種別判定用)
(2)ランダム2(MR2):変動パターンの種類(種別)を決定する(変動パターン種別判定用)
(3)ランダム3(MR3):変動パターン(変動時間)を決定する(変動パターン判定用)
(4)ランダム4(MR4):普通図柄にもとづく当りを発生させるか否か決定する(普通図柄当り判定用)
(5)ランダム5(MR5):ランダム4の初期値を決定する(ランダム4初期値決定用)
なお、この実施の形態では、変動パターンは、まず、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)を用いて変動パターン種別を決定し、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を用いて、決定した変動パターン種別に含まれるいずれかの変動パターンに決定する。そのように、この実施の形態では、2段階の抽選処理によって変動パターンが決定される。
なお、変動パターン種別とは、複数の変動パターンをその変動態様の特徴に従ってグループ化したものである。例えば、複数の変動パターンをリーチの種類でグループ化して、ノーマルリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチAを伴う変動パターンを含む変動パターン種別と、スーパーリーチBを伴う変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連の再変動の回数でグループ化して、擬似連を伴わない変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動1回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動2回の変動パターンを含む変動パターン種別と、再変動3回の変動パターンを含む変動パターン種別とに分けてもよい。また、例えば、複数の変動パターンを擬似連や滑り演出などの特定演出の有無でグループ化してもよい。
なお、この実施の形態では、後述するように、15R確変大当り、8R確変大当りである場合には、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、突発大当りのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA3−4とに種別分けされている。また、突然確変大当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている。また、小当りである場合には、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1に種別分けされている。また、はずれである場合には、リーチも特定演出も伴わない変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−1と、リーチを伴わないが特定演出を伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−2と、リーチも特定演出も伴わない短縮変動の変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA2−3と、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−4と、ノーマルリーチおよび再変動2回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−5と、ノーマルリーチおよび再変動1回の擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA2−6と、スーパーリーチを伴う変動パターン種別であるスーパーCA2−7とに種別分けされている。
図5に示された遊技制御処理におけるステップS23では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、(1)の大当り種別判定用乱数、および(4)の普通図柄当り判定用乱数を生成するためのカウンタのカウントアップ(1加算)を行う。すなわち、それらが判定用乱数であり、それら以外の乱数が表示用乱数(ランダム2、ランダム3)または初期値用乱数(ランダム5)である。なお、遊技効果を高めるために、上記の乱数以外の乱数も用いてもよい。また、この実施の形態では、大当り判定用乱数として、遊技制御用マイクロコンピュータ560に内蔵されたハードウェア(遊技制御用マイクロコンピュータ560の外部のハードウェアでもよい。)が生成する乱数を用いる。なお、大当り判定用乱数として、ハードウェア乱数ではなく、ソフトウェア乱数を用いてもよい。
図8(A)は、大当り判定テーブルを示す説明図である。大当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される大当り判定値が設定されているテーブルである。大当り判定テーブルには、通常状態(確変状態でない遊技状態)において用いられる通常時大当り判定テーブルと、確変状態において用いられる確変時大当り判定テーブルとがある。通常時大当り判定テーブルには、図8(A)の左欄に記載されている各数値が設定され、確変時大当り判定テーブルには、図8(A)の右欄に記載されている各数値が設定されている。図8(A)に記載されている数値が大当り判定値である。
なお、この実施の形態では、確変状態には、大当り抽選において大当りと決定される確率を高めた高確率状態に移行されるとともに、高ベース状態にも移行された状態である場合と、高確率状態にのみ移行され高ベース状態には移行されていない(低ベース状態である)状態である場合との2つのケースがあるが、いずれのケースの場合であっても、確変状態である場合には確変時大当り判定テーブルが用いられ、それ以外の場合に通常時大当り判定テーブルが用いられる。なお、後述するように、この実施の形態では、15R確変大当りまたは8R確変大当りとなると、大当り遊技終了後に高確率状態に移行されるとともに高ベース状態に移行される。そして、大当り終了後、変動表示を70回終了するまで確変状態および高ベース状態が継続する。また、突然確変大当りとなると、大当り遊技終了後に高ベース状態には移行されずに高確率状態に移行される。そして、大当り終了後、変動表示を70回終了するまで確変状態が継続する。従って、この実施の形態では、突然確変大当りの大当り終了後、70回目の変動表示を終了するまでの間、高確率状態のみに移行され、高ベース状態には移行されていない(低ベース状態である)確変状態となる場合がある。
図8(B),(C)は、小当り判定テーブルを示す説明図である。小当り判定テーブルとは、ROM54に記憶されているデータの集まりであって、ランダムRと比較される小当り判定値が設定されているテーブルである。小当り判定テーブルには、第1特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第1特別図柄用)と、第2特別図柄の変動表示を行うときに用いられる小当り判定テーブル(第2特別図柄用)とがある。小当り判定テーブル(第1特別図柄用)には、図8(B)に記載されている各数値が設定され、小当り判定テーブル(第2特別図柄用)には、図8(C)に記載されている各数値が設定されている。また、図8(B),(C)に記載されている数値が小当り判定値である。
なお、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ小当りと決定するようにし、第2特別図柄の変動表示を行う場合には小当りを設けないようにしてもよい。この場合、図8(C)に示す第2特別図柄用の小当り判定テーブルは設けなくてもよい。この実施の形態では、遊技状態が確変状態に移行されているときには主として第2特別図柄の変動表示が実行される。遊技状態が確変状態に移行されているときにも小当りが発生するようにし、確変となるか否かを煽る演出を行うように構成すると、現在の遊技状態が確変状態であるにもかかわらず却って遊技者に煩わしさを感じさせてしまう。そこで、第2特別図柄の変動表示中は小当りが発生しないように構成すれば、遊技状態が確変状態である場合には小当りが発生しにくくし必要以上に確変に対する煽り演出を行わないようにすることができ、遊技者に煩わしさを感じさせる事態を防止することができる。
CPU56は、所定の時期に、乱数回路503のカウント値を抽出して抽出値を大当り判定用乱数(ランダムR)の値とするのであるが、大当り判定用乱数値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当り(後述する15R確変大当り、8R確変大当り、突然確変大当り)にすることに決定する。また、大当り判定用乱数値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りにすることに決定する。なお、図8(A)に示す「確率」は、大当りになる確率(割合)を示す。また、図8(B),(C)に示す「確率」は、小当りになる確率(割合)を示す。また、大当りにするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を大当り図柄にするか否か決定するということでもある。また、小当りにするか否か決定するということは、小当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおける停止図柄を小当り図柄にするか否か決定するということでもある。
なお、この実施の形態では、図8(B),(C)に示すように、小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いる場合には300分の1の割合で小当りと決定されるのに対して、小当り判定テーブル(第2特別図柄)を用いる場合には3000分の1の割合で小当りと決定される場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「小当り」と決定される割合が高い。
図8(D),(E)は、ROM54に記憶されている大当り種別判定テーブル131a,131bを示す説明図である。このうち、図8(D)は、遊技球が第1始動入賞口13に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第1特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aである。また、図8(E)は、遊技球が第2始動入賞口14に入賞したことにもとづく保留記憶を用いて(すなわち、第2特別図柄の変動表示が行われるとき)大当り種別を決定する場合の大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bである。
大当り種別判定テーブル131a,131bは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別判定用の乱数(ランダム1)にもとづいて、大当りの種別を「15R確変大当り」、「8R確変大当り」、「突然確変大当り」のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別判定テーブル131aには「突然確変大当り」に対して10個の判定値が割り当てられている(40分の10の割合で突然確変大当りと決定される)のに対して、大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」に対して5個の判定値が割り当てられている(40分の5の割合で突然確変大当りと決定される)場合を説明する。従って、この実施の形態では、第1始動入賞口13に始動入賞して第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2始動入賞口14に始動入賞して第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、「突然確変大当り」と決定される割合が高い。なお、第1特別図柄用の大当り種別判定テーブル131aにのみ「突然確変大当り」を振り分けるようにし、第2特別図柄用の大当り種別判定テーブル131bには「突然確変大当り」の振り分けを行わない(すなわち、第1特別図柄の変動表示を行う場合にのみ、「突然確変大当り」と決定される場合がある)ようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、所定量の遊技価値を付与する第1特定遊技状態としての突然確変大当りと、該遊技価値よりも多い量の遊技価値を付与する第2特定遊技状態としての15ラウンドの確変大当り「15R確変大当り」および8ラウンドの確変大当り「8R確変大当り」とに決定する場合があるとともに、第1特別図柄の変動表示が実行される場合に高い割合で第1特定遊技状態とすることに決定する場合を示しているが、付与される遊技価値は、この実施の形態で示したようなラウンド数に限られない。例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として1ラウンドあたりの大入賞口への遊技球の入賞数(カウント数)の許容量を多くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、第1特定遊技状態と比較して、遊技価値として大当り中の1回あたりの大入賞口の開放時間を長くした第2特定遊技状態を決定するようにしてもよい。また、例えば、同じ15ラウンドの大当りであっても、1ラウンドあたり大入賞口を1回開放する第1特定遊技状態と、1ラウンドあたり大入賞口を複数回開放する第2特定遊技状態とを用意し、大入賞口の開放回数が実質的に多くなるようにして第2特定遊技状態の遊技価値を高めるようにしてもよい。この場合、例えば、第1特定遊技状態または第2特定遊技状態いずれの場合であっても、大入賞口を15回開放したときに(この場合、第1特定遊技状態の場合には15ラウンド全てを終了し、第2特定遊技状態の場合には未消化のラウンドが残っていることになる)、大当りがさらに継続するか否かを煽るような態様の演出を実行するようにしてもよい。そして、第1特定遊技状態の場合には内部的に15ラウンド全てを終了していることから大当り遊技を終了し、第2特定遊技状態の場合には内部的に未消化のラウンドが残っていることから、大当り遊技が継続する(恰も15回開放の大当りを終了した後にさらにボーナスで大入賞口の開放が追加で始まったような演出)ようにしてもよい。
この実施の形態では、図8(D),(E)に示すように、大当り種別として、「15R確変大当り」、「8R確変大当り」および「突然確変大当り」がある。なお、この実施の形態では、大当り遊技において実行されるラウンド数が15ラウンド、8ラウンドおよび2ラウンドの3種類である場合を示しているが、大当り遊技において実行されるラウンド数は、この実施の形態で示したものに限られない。例えば、7ラウンドの大当り遊技に制御する7R確変大当りや、5ラウンドの大当り遊技に制御する5R確変大当りが設けられていてもよい。また、この実施の形態では、大当り種別が「15R確変大当り」、「8R確変大当り」および「突然確変大当り」の3種類である場合を示しているが、3種類にかぎらず、例えば、4種類以上の大当り種別を設けるようにしてもよい。また、逆に、大当り種別が3種類よりも少なくてもよく、例えば、大当り種別として2種類のみ設けられていてもよい。
「15R確変大当り」とは、15ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するステップS166〜S170参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高ベース状態および高確率状態が終了する(ステップS168,S144,ステップS170,S140参照)。
「8R確変大当り」とは、8ラウンドの大当り遊技状態に制御し、その大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行させる大当りである(この実施の形態では、高確率状態に移行されるとともに高ベース状態にも移行される。後述するステップS166〜S170参照)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高ベース状態および高確率状態が終了する(ステップS168,S144,ステップS170,S140参照)。
また、「突然確変大当り」とは、「15R確変大当り」や「8R確変大当り」と比較して大入賞口の開放回数が少ない回数(この実施の形態では0.1秒間の開放を2回)まで許容される大当りである。すなわち、「突然確変大当り」となった場合には、2ラウンドの大当り遊技状態に制御される。また、「15R確変大当り」や、「8R確変大当り」では、1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が29秒と長いのに対して、「突然確変大当り」では1ラウンドあたりの大入賞口の開放時間が0.1秒と極めて短く、大当り遊技中に大入賞口に遊技球が入賞することは殆ど期待できない。そして、この実施の形態では、その突然確変大当り遊技状態の終了後に確変状態に移行される(この実施の形態では、高ベース状態には移行されずに高確率状態のみに移行される。)。そして、確変状態に移行した後、変動表示を70回終了すると高確率状態が終了する。
なお、前述したように、この実施の形態では、「小当り」となった場合にも、大入賞口の開放が0.1秒間ずつ2回行われ、「突然確変大当り」による大当り遊技状態と同様の制御が行われる。そして、「小当り」となった場合には、大入賞口の2回の開放が終了した後、遊技状態は変化せず、「小当り」となる前の遊技状態が維持される。そのようにすることによって、「突然確変大当り」であるか「小当り」であるかを認識できないようにし、遊技の興趣を向上させている。なお、この実施の形態で示すように大当り種別が全て確変大当り(この実施の形態では、15R確変大当り、8R確変大当り、突然確変大当り)であるように構成する場合、小当りを設けなくてもよい。また、この実施の形態のように大当り種別が全て確変大当りである場合に小当りを設けるように構成する場合には、高確率状態に移行されるのみで高ベース状態を伴わない突然確変大当りを設けるようにすること(大入賞口の開放パターンも突然確変大当りと小当りの場合とで同じにすること)が好ましい。
大当り種別判定テーブル131a,131bには、ランダム1の値と比較される数値であって、「15R確変大当り」、「8R確変大当り」、「突然確変大当り」のそれぞれに対応した判定値(大当り種別判定値)が設定されている。CPU56は、ランダム1の値が大当り種別判定値のいずれかに一致した場合に、大当りの種別を、一致した大当り種別判定値に対応する種別に決定する。
なお、本実施の形態では、上述したように、高確率状態へ移行する大当り種別のみを有することとしたが、高確率状態へ移行しない大当り(いわゆる、通常大当り)を有することとしてもよい。また、高確率状態に移行した場合、所定回数の変動表示を行うことを契機に通常状態へ移行することにより高確率状態を終了するものとしたが、通常大当りを有する構成とした場合、高確率状態に回数制限を設けずに、通常大当りが発生することを契機に通常状態へ移行することで高確率状態を終了する構成としてもよい。
また、本実施の形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特定領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特定領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
なお、本実施の形態では、15R確変大当りまたは8R確変大当りが発生したときに高確率状態と高ベース状態とに移行するとともに、70回の変動表示を終了すると高確率状態と高ベース状態とを終了する構成としたが、各遊技状態に移行してから終了するまでの変動表示の回数は、高確率状態と高ベース状態とで同数でなくてもよい。例えば、大当り終了後に70回の変動表示を終了した際に高ベース状態を終了し、71回の変動表示を終了した際に高確率状態を終了することとしてもよい。
また、本実施の形態では、突然確変大当りが発生したときには、大当り終了後に高ベース状態には移行せずに高確率状態のみに移行することとしたが、これに限らず、15R確変大当りや8R確変大当りの発生時と同様に、確変状態と高ベース状態とに移行することとしてもよい。また、突然確変大当りが発生した際の遊技状態にもとづいて、高ベース状態に移行するか否かを決定することとしてもよい。例えば、高ベース状態において突然確変大当りが発生した場合は高ベース状態に移行する一方、低ベース状態において突然確変大当りが発生した場合は高ベース状態に移行しないこととすれば、突然確変大当りおよび小当りのいずれが発生したのかを遊技者に認識させにくくすることができる。
図9(A)〜(C)は、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを示す説明図である。大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cは、可変表示結果を大当り図柄にする旨の判定がなされたときに、大当り種別の判定結果に応じて、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
各大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、ノーマルCA3−1、ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、特殊CA4−1、特殊CA4−2、非リーチCA3−4の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
例えば、大当り種別が「8R確変大当り」である場合に用いられる図9(A)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aと、大当り種別が「15R確変大当り」である場合に用いられる図9(B)に示す大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bとで、ノーマルCA3−1、ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、非リーチCA3−4の変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。
このように、大当り種別に応じて選択される大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132Cを比較すると、大当り種別に応じて各変動パターン種別に対する判定値の割り当てが異なっている。また、大当り種別に応じて異なる変動パターン種別に対して判定値が割り当てられている。よって、大当り種別を複数種類のうちのいずれにするかの決定結果に応じて、異なる変動パターン種別に決定することができ、同一の変動パターン種別に決定される割合を異ならせることができる。なお、本実施の形態では、「突発大当り」である非リーチCA3−4は、「8R確変大当り」または「15R確変大当り」に割り当てられているものとしたが、「突然確変大当り」にも割り当てられていてもよいし、また、15R確変大当りにのみ割り当てられていることとしてもよいし、8R確変大当りにのみ割り当てられていることとしてもよい。
なお、図9(A),(B)に示すように、この実施の形態では、「15R確変大当り」または「8R確変大当り」である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が150〜221であれば、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、スーパーリーチ大当りについて、擬似連を伴う変動パターン種別(スーパーPA3−3、スーパーPA3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)と、擬似連を伴わない変動パターン種別(スーパーPB3−3、スーパーPB3−4の変動パターンを含む変動パターン種別)とに分けてもよい。この場合、8R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Aおよび15R確変大当り用の大当り用変動パターン種別判定テーブル132Bの両方において、スーパーリーチかつ擬似連を伴う変動パターン種別と、スーパーリーチかつ擬似連を伴わない変動パターン種別とが割り当てられることになる。
また、大当り種別が「突然確変大当り」である場合に用いられる大当り用変動パターン種別判定テーブル132Cでは、例えば、特殊CA4−1、特殊CA4−2といった大当り種別が「突然確変大当り」以外である場合には判定値が割り当てられない変動パターン種別に対して、判定値が割り当てられている。よって、可変表示結果が「大当り」となり大当り種別が「突然確変大当り」となることに応じて突然確変大当り状態に制御する場合には、15R確変大当りや8R確変大当りによる大当り状態に制御する場合とは異なる変動パターン種別に決定することができる。
また、図9(D)は、小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dを示す説明図である。小当り用変動パターン種別判定テーブル132Dは、可変表示結果を小当り図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。なお、この実施の形態では、図9(D)に示すように、小当りとすることに決定されている場合には、変動パターン種別として特殊CA4−1が決定される場合が示されている。
図10(A)〜(D)は、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dを示す説明図である。このうち、図10(A)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3未満である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Aを示している。また、図10(B)は、遊技状態が通常状態であるとともに合算保留記憶数が3以上である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bを示している。また、図10(C)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/高ベース状態(15R確変大当りや8R確変大当りによる大当り終了後、70回目の変動表示を終了するまでの状態)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを示している。また、図10(D)は、遊技状態が確変状態のうちの高確率/低ベース状態(突然確変大当りによる大当り終了後、70回目の変動表示を終了するまでの状態)である場合に用いられるはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを示している。はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Dは、可変表示結果をはずれ図柄にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別を、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)にもとづいて複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。
図10(C),(D)に示すように、この実施の形態では、確変状態である場合であっても、突然確変大当りによる大当り終了後の変動表示が行われる場合には、15R確変大当りや8R確変大当りによる大当り終了後の変動表示が行われる場合までと比較して、スーパーリーチを伴う変動パターンが選択される割合が高い。そのようにすることによって、この実施の形態では、突然確変大当りによる大当り終了後の高確率状態では高い確率でスーパーリーチの変動表示を行うようにすることによって、高確率状態であることに対する遊技者の期待感を高めている。
また、確変状態が終了する所定回数前(例えば、5回前)の変動表示から最終回の変動表示にわたってスーパーリーチとなる割合を高めるように構成することにより、確変状態の終了直前の大当りに対する遊技者の期待感を高めることとしてもよい。この場合、例えば、大当り終了時に後述する高確率回数カウンタや高ベース回数カウンタに75回をセットするようにし(例えば、高確率回数カウンタおよび高ベース回数カウンタの両方に75をセットして、75回の変動表示を終了するまで高確率/高ベース状態が継続するようにしてもよく、高確率回数カウンタに75をセットし、高ベース回数カウンタに70をセットして、確変状態が終了する5変動前から最終回の変動表示までは高確率/低ベース状態に制御するようにしてもよい。なお、確変状態が終了する5変動前から最終回の変動表示までは高確率/低ベース状態に制御する場合には、この実施の形態で示したものと同様の制御に従い、高確率フラグや高ベースフラグを確認することによって、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C,135Dを選択するようにしてもよい(ステップS95,S96,S100,S101参照)。)、変動表示の開始時に、高確率回数カウンタや高ベース回数カウンタの値が残り所定数(例えば5)以内となっているか否か(確変状態の残り回数が所定回数以内となっているか否か)を確認し、所定数(例えば5)以内となっていれば、図10(D)に示すスーパーリーチの割合を高めたはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Dを選択するようにし、カウンタの値がまだ所定数(例えば5)より多ければ、図10(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを選択するようにしてもよい。なお、確変状態が終了する所定回数前(例えば、5回前)の変動表示からスーパーリーチとなる割合を高めるように構成する場合の制御方法は、この実施の形態に示したものにかぎらず、例えば、高確率回数カウンタには、この実施の形態と同様に71をセットし、逆に高ベース回数カウンタに66をセットすることによって、確変状態が終了する5変動前から最終回の変動表示までは高確率/低ベース状態に制御するようにし、高確率回数カウンタの値が残り5以内となっているか否かを確認することによって、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C,135Dを選択するようにしてもよい。また、大当り後の変動回数を高確率回数カウンタや高ベース回数カウンタのカウント値にもとづいて判断するのではなく、他のカウンタを用いて判断するようにしてもよい。例えば、大当り遊技終了後の変動回数をカウントするカウンタを設けるようにし、そのカウンタのカウント値が所定範囲(例えば、71〜75または66〜71。)であるか否かを確認することによって、確変状態が終了する5変動前から最終回の変動表示までの間であるか否かを判定し、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C,135Dを選択するようにしてもよい。また、確変状態が終了する所定回数前(例えば、5回前)の変動表示から最終回の変動表示が終了するまでを高確率/低ベース状態に制御するように構成する場合には、この実施の形態と同様に、変動パターン設定処理において高確率フラグや高ベースフラグの状態によって、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C,135Dを選択するようにしてもよい(ステップS95,S96,S100,S101参照)。
なお、図10に示す例では、遊技状態が高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで別々のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135B〜135Dを用いる場合を示しているが、高ベース状態である場合と合算保留記憶数が3以上である場合とで、共通のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを用いるように構成してもよい。また、図10(C)に示す例では、合算保留記憶数にかかわらず共通の高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cを用いる場合を示しているが、高ベース用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルとして合算保留記憶数に応じた複数のはずれ用変動パターン判定テーブル(判定値の割合を異ならせたテーブル)を用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3未満である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Aと、合算保留記憶数が3以上である場合に用いるはずれ変動パターン種別判定テーブル135Bとの2種類のテーブルを用いる場合を示しているが、はずれ変動パターン種別判定テーブルの分け方は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、合算保留記憶数の値ごとに別々のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ備えてもよい(すなわち、合算保留記憶数0個用、合算保留記憶数1個用、合算保留記憶数2個用、合算保留記憶数3個用、合算保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、合算保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、合算保留記憶数0〜2用、合算保留記憶数3用、合算保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。
また、この実施の形態では、合算保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備える場合を示しているが、第1保留記憶数や第2保留記憶数に応じてはずれ変動パターン種別判定テーブルを複数備えるようにしてもよい。例えば、第1特別図柄の変動表示を行う場合には、第1保留記憶数の値ごとに別々に用意されたはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい(すなわち、第1保留記憶数0個用、第1保留記憶数1個用、第1保留記憶数2個用、第1保留記憶数3個用、第1保留記憶数4個用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルをそれぞれ別々に用いるようにしてもよい)。また、例えば、第1保留記憶数の他の複数の値の組合せに対応したはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。例えば、第1保留記憶数0〜2用、第1保留記憶数3用、第1保留記憶数4用・・・のはずれ変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。この場合であっても、第1保留記憶数や第2保留記憶数が多い場合(例えば3以上)には、変動時間が短い変動パターンを含む変動パターン種別が選択されやすいように構成すればよい。また、このような場合であっても、特定の可変表示パターンとしてのスーパーリーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別に対して共通の判定値を割り当てるように構成すればよい。
なお、「特定の演出態様」とは、スーパーリーチを伴う変動パターンなど、少なくとも大当りに対する期待度が高く設定され、遊技者に大当りに対する期待感を抱かせることができる変動パターン種別、変動パターンのことである。また、「大当りに対する期待度(信頼度)」とは、その特定の演出態様による可変表示(例えば、スーパーリーチを伴う変動表示)が実行された場合に大当りが出現する出現率(確率)を示している。例えば、スーパーリーチを伴う変動表示が実行される場合の大当り期待度は、(大当りと決定されている場合にスーパーリーチが実行される割合)/(大当りと決定されている場合およびハズレと決定されている場合の両方にスーパーリーチが実行される割合)を計算することによって求められる。
各はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A〜135Bには、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値と比較される数値(判定値)であって、非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3、ノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別のいずれかに対応する判定値が設定されている。
なお、図10(A),(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が230〜251であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともスーパーリーチ(スーパーリーチA、スーパーリーチB)を伴う変動表示が実行されることがわかる。
また、図10(A)、(B)に示すように、この実施の形態では、はずれであるとともに遊技状態が通常状態である場合には、変動パターン種別判定用の乱数(ランダム2)の値が1〜79であれば、合算保留記憶数にかかわらず、少なくともリーチを伴わない(擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わない)通常変動の変動表示が実行されることがわかる。そのようなテーブル構成により、この実施の形態では、判定テーブル(はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A,135B)は、リーチ用可変表示パターン(リーチを伴う変動パターン)以外の可変表示パターンのうちの少なくとも一部に対して、保留記憶手段(第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファ)が記憶する権利の数(第1保留記憶数や第2保留記憶数、合算保留記憶数)にかかわらず、共通の判定値(図10(A),(B)に示す例では1〜79)が割り当てられるように構成されている。なお、「リーチ用可変表示パターン以外の可変表示パターン」とは、この実施の形態で示したように、例えば、リーチを伴わず、擬似連や滑り演出などの特定演出も伴わず、可変表示結果が大当りとならない場合に用いられる可変表示パターン(変動パターン)のことである。
なお、この実施の形態では、図9に示すように、現在の遊技状態にかかわらず、共通の大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いる場合を示したが、現在の遊技状態が確変状態であるか通常状態であるかに応じて、それぞれ別々に用意された大当り用変動パターン種別判定テーブルを用いるようにしてもよい。また、この実施の形態では、合算保留記憶数が3以上である場合に、図10(B)に示す短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるように構成する場合を示しているが、現在の遊技状態に応じて短縮変動の変動パターンが選択されうる場合の合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)の閾値を異ならせてもよい。例えば、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数が3である場合に(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数が2である場合に)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにし、遊技状態が高ベース状態である場合には、合算保留記憶数がより少ない1や2の場合でも(または、例えば、第1保留記憶数や第2保留記憶数がより少ない0や1の場合でも)、短縮用のはずれ用変動パターン種別判定テーブルを選択して短縮変動の変動パターンが決定される場合があるようにしてもよい。
図11(A),(B)は、ROM54に記憶されている当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bを示す説明図である。当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、可変表示結果を「大当り」や「小当り」にする旨の判定がなされたときに、大当り種別や変動パターン種別の決定結果などに応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。すなわち、変動パターン種別をノーマルCA3−1〜ノーマルCA3−2、スーパーCA3−3、非リーチCA3−4のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Aが使用テーブルとして選択され、変動パターン種別を特殊CA4−1、特殊CA4−2のいずれかにする旨の決定結果に応じて当り変動パターン判定テーブル137Bが使用テーブルとして選択される。各当り変動パターン判定テーブル137A〜137Bは、変動パターン種別に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)の値と比較される数値(判定値)であって、演出図柄の可変表示結果が「大当り」である場合に対応した複数種類の変動パターンのいずれかに対応するデータ(判定値)を含む。
なお、図11(A)に示す例では、変動パターン種別として、ノーマルリーチのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−1と、ノーマルリーチおよび擬似連を伴う変動パターンを含む変動パターン種別であるノーマルCA3−2と、スーパーリーチを伴う(スーパーリーチとともに擬似連を伴う場合もある)変動パターンを含む変動パターン種別であるスーパーCA3−3と、突発大当りのみを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である非リーチCA3−4とに種別分けされている場合が示されている。また、図11(B)に示す例では、変動パターン種別として、非リーチの変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−1と、リーチを伴う変動パターンを含む変動パターン種別である特殊CA4−2とに種別分けされている場合が示されている。なお、図11(B)において、リーチの有無によって変動パターン種別を分けるのではなく、擬似連や滑り演出などの特定演出の有無によって変動パターン種別を分けてもよい。この場合、例えば、特殊CA4−1は、特定演出を伴わない変動パターンである特殊PG1−1と特殊PG2−1を含むようにし、特殊CA4−2は、特定演出を伴う特殊PG1−2、特殊PG1−3および特殊PG2−2を含むように構成してもよい。
図12は、ROM54に記憶されているはずれ変動パターン判定テーブル138Aを示す説明図である。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、可変表示結果を「はずれ」にする旨の判定がなされたときに、変動パターン種別の決定結果に応じて、変動パターン判定用の乱数(ランダム3)にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために参照されるテーブルである。はずれ変動パターン判定テーブル138Aは、変動パターン種別の決定結果に応じて、使用テーブルとして選択される。
図13および図14は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する演出制御コマンドの内容の一例を示す説明図である。図13および図14に示す例において、コマンド80XX(H)は、特別図柄の可変表示に対応して演出表示装置9において可変表示される演出図柄の変動パターンを指定する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)である(それぞれ変動パターンXXに対応)。つまり、図6に示された使用されうる変動パターンのそれぞれに対して一意な番号を付した場合に、その番号で特定される変動パターンのそれぞれに対応する変動パターンコマンドがある。なお、「(H)」は16進数であることを示す。また、変動パターンを指定する演出制御コマンドは、変動開始を指定するためのコマンドでもある。従って、演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド80XX(H)を受信すると、演出表示装置9において演出図柄の可変表示を開始するように制御する。
コマンド8C01(H)〜8C06(H)は、大当りとするか否か、小当りとするか否か、および大当り種別を示す演出制御コマンドである。演出制御用マイクロコンピュータ100は、コマンド8C01(H)〜8C06(H)の受信に応じて演出図柄の表示結果を決定するので、コマンド8C01(H)〜8C06(H)を表示結果指定コマンドという。
コマンド8D01(H)は、第1特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第1図柄変動指定コマンド)である。コマンド8D02(H)は、第2特別図柄の可変表示(変動)を開始することを示す演出制御コマンド(第2図柄変動指定コマンド)である。第1図柄変動指定コマンドと第2図柄変動指定コマンドとを特別図柄特定コマンド(または図柄変動指定コマンド)と総称することがある。なお、第1特別図柄の可変表示を開始するのか第2特別図柄の可変表示を開始するのかを示す情報を、変動パターンコマンドに含めるようにしてもよい。
コマンド8F00(H)は、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果(停止図柄)を導出表示することを示す演出制御コマンド(図柄確定指定コマンド)である。演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄確定指定コマンドを受信すると、第4図柄の可変表示(変動)を終了して表示結果を導出表示する。
コマンド9000(H)は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに送信される演出制御コマンド(初期化指定コマンド:電源投入指定コマンド)である。コマンド9200(H)は、遊技機に対する電力供給が再開されたときに送信される演出制御コマンド(停電復旧指定コマンド)である。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、遊技機に対する電力供給が開始されたときに、バックアップRAMにデータが保存されている場合には、停電復旧指定コマンドを送信し、そうでない場合には、初期化指定コマンドを送信する。
コマンド9F00(H)は、客待ちデモンストレーションを指定する演出制御コマンド(客待ちデモ指定コマンド)である。
コマンドA001,A002(H)は、ファンファーレ画面を表示すること、すなわち大当り遊技の開始を指定する演出制御コマンド(大当り開始指定コマンド:ファンファーレ指定コマンド)である。この実施の形態では、大当りの種類に応じて、大当り開始指定コマンドまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンドが用いられる。具体的には、「15R確変大当り」や、「8R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(A001(H))が用いられ、「突然確変大当り」や「小当り」である場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(A002(H))が用いられる。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り開始指定用のファンファーレ指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはファンファーレ指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドA1XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口開放中の表示を示す演出制御コマンド(大入賞口開放中指定コマンド)である。なお、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。A2XX(H)は、XXで示す回数目(ラウンド)の大入賞口閉鎖を示す演出制御コマンド(大入賞口開放後指定コマンド)である。なお、大入賞口開放後指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放後指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを終了する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A201(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを終了する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放後指定コマンド(A30A(H))が送信される。
コマンドA301(H)は、大当り終了画面を表示すること、すなわち大当り遊技の終了を指定する演出制御コマンド(大当り終了指定コマンド:エンディング1指定コマンド)である。なお、大当り終了指定コマンド(A301(H))は、「15R確変大当り」や、「8R確変大当り」による大当り遊技を終了する場合に用いられる。コマンドA302(H)は、小当りの遊技の終了または突然確変大当りの遊技の終了を指定する演出制御コマンド(小当り/突然確変大当り終了指定コマンド:エンディング2指定コマンド)である。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、突然確変大当りである場合に突然確変大当り終了指定用のエンディング指定コマンドを送信するものの、小当りである場合にはエンディング指定コマンドを送信しないように構成してもよい。
コマンドB000(H)は、遊技状態が通常状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(通常状態背景指定コマンド)である。コマンドB001(H)は、遊技状態が高確率/高ベース状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率/高ベース状態背景指定コマンド)である。コマンドB002(H)は、遊技状態が高確率/低ベース状態であるときの背景表示を指定する演出制御コマンド(高確率/低ベース状態背景指定コマンド)である。
コマンドC000(H)は、第1始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第1始動入賞指定コマンド)である。コマンドC100(H)は、第2始動入賞があったことを指定する演出制御コマンド(第2始動入賞指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、以下、第1始動入賞指定コマンドと第2始動入賞指定コマンドとを、始動入賞指定コマンドと総称することがある。
コマンドC2XX(H)は、第1保留記憶数と第2保留記憶数との合計である合計数(合算保留記憶数)を指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数指定コマンド)である。コマンドC2XX(H)における「XX」が、合算保留記憶数を示す。コマンドC300(H)は、合算保留記憶数を1減算することを指定する演出制御コマンド(合算保留記憶数減算指定コマンド)である。なお、この実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、合算保留記憶数を減算する場合には合算保留記憶数減算指定コマンドを送信するが、合算保留記憶数減算指定コマンドを使用せず、合算保留記憶数を減算するときに、減算後の合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、保留記憶数を指定するコマンドとして、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、第1保留記憶と第2保留記憶とのうち増加した方の保留記憶数を指定するコマンドを送信するように構成してもよい。具体的には、第1保留記憶が増加した場合に第1保留記憶数を指定する第1保留記憶数指定コマンドを送信し、第2保留記憶が増加した場合に第2保留記憶数を指定する第2保留記憶数指定コマンドを送信するようにしてもよい。
また、この実施の形態では、保留記憶情報として、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とのいずれに始動入賞したかを指定する始動入賞指定コマンドを送信するとともに、合算保留記憶数を指定する合算保留記憶数指定コマンドを送信する場合を示しているが、保留記憶情報として送信する演出制御コマンドは、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、保留記憶数が増加したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを示す保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンドまたは第2保留記憶数加算指定コマンド)を送信する一方、保留記憶数が減少したときに、第1保留記憶数または第2保留記憶数が減少したことを示す保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンドまたは第2保留記憶数減算指定コマンド)を送信するようにしてもよい。
コマンドC4XX(H)およびコマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果の内容を示す演出制御コマンド(入賞時判定結果指定コマンド)である。このうち、コマンドC4XX(H)は、入賞時判定結果のうち、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別の判定結果を示す演出制御コマンド(図柄指定コマンド)である。また、コマンドC6XX(H)は、入賞時判定結果のうち、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかの判定結果(変動パターン種別の判定結果)を示す演出制御コマンド(変動カテゴリコマンド)である。
この実施の形態では、後述する入賞時演出処理(図21参照)において、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞時に、大当りとなるか否かや、小当りとなるか否か、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを判定する。そして、図柄指定コマンドのEXTデータに、大当りや小当りとなることを指定する値や、大当りの種別を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。また、変動カテゴリコマンドのEXTデータに判定結果としての判定値の範囲を指定する値を設定し、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する制御を行う。なお、この実施の形態では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、図柄指定コマンドに設定されている値にもとづいて、表示結果が大当りや小当りとなるか否か、大当りの種別を認識できるとともに、変動カテゴリコマンドにもとづいて、変動パターン種別判定用乱数の値が所定の判定値となる場合には変動パターン種別を認識できる。
図15は、図柄指定コマンドの内容の一例を示す説明図である。図15に示すように、この実施の形態では、大当りや小当りとなるか否かと、大当りの種別とに応じて、EXTデータが設定され、図柄指定コマンドが送信される。
例えば、後述する入賞時演出処理において、「はずれ」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄1指定コマンド)を送信する。また、例えば、「15R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「01(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄2指定コマンド)を送信する。また、例えば、「8R確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「02(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄3指定コマンド)を送信する。また、例えば、「突然確変大当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「04(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄5指定コマンド)を送信する。また、例えば、「小当り」となると判定された場合には、CPU56は、EXTデータに「05(H)」を設定した図柄指定コマンド(図柄6指定コマンド)を送信する。なお、図柄指定コマンドに設定されるEXTデータと、表示結果指定コマンドに設定されるEXTデータとを共通化してもよい。そのように構成すれば、図柄指定コマンドを設定する際と表示結果指定コマンドを設定する際とで、読み出すデータを共通化することができる。
図16および図17は、変動カテゴリコマンドの内容の一例を示す説明図である。図16および図17に示すように、この実施の形態では、いずれの遊技状態であるかと、特別図柄や演出図柄の表示結果がいずれの表示結果となるかと、始動入賞時に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲になると判定したとかとに応じて、EXTデータに値が設定され、変動カテゴリコマンドが送信される。
例えば、始動入賞時に、遊技状態が通常状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合には、CPU56は、EXTデータに「00(H)」を設定した変動カテゴリ1コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値1〜79の範囲には非リーチCA2−1の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ1コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別が非リーチCA2−1となることを認識することができる。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜89となる場合には、EXTデータに「01(H)」を設定した変動カテゴリ2コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が90〜99となる場合には、EXTデータに「02(H)」を設定した変動カテゴリ3コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が100〜169となる場合には、EXTデータに「03(H)」を設定した変動カテゴリ4コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が170〜199となる場合には、EXTデータに「04(H)」を設定した変動カテゴリ5コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が200〜214となる場合には、EXTデータに「05(H)」を設定した変動カテゴリ6コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が215〜229となる場合には、EXTデータに「06(H)」を設定した変動カテゴリ7コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が230〜251となる場合には、EXTデータに「07(H)」を設定した変動カテゴリ8コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、遊技状態が通常状態である場合には、合算保留記憶数にかかわらず、判定値230〜251の範囲にはスーパーCA2−7の変動パターン種別が共通に割り当てられているのであるから、演出制御用マイクロコンピュータ100は、変動カテゴリ8コマンドを受信したことにもとづいて、少なくとも変動パターン種別がスーパーCA2−7となることを認識することができる。
なお、上記のいずれの変動カテゴリに属するかを判定するために用いられる閾値79、89、99、169、199、214および229は、具体的には、図10(A),(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップして導き出されたものである。このことは、以降の変動カテゴリ9〜12,21〜29についても同様であり、図9(A)〜(D)や図10(C),(D)に示す変動パターン種別判定テーブルにおける各変動パターン種別に割り当てられた判定値の範囲の境界となりうる値をピックアップしてカテゴリ判定のために用いられる閾値が導き出される。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/高ベース状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜219となる場合(すなわち、非リーチCA2−3の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「08(H)」を設定した変動カテゴリ9コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が220〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「09(H)」を設定した変動カテゴリ10コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、遊技状態が高確率/低ベース状態且つはずれとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜79となる場合(すなわち、非リーチCA2−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「0A(H)」を設定した変動カテゴリ11コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜251となる場合(すなわち、スーパーCA2−7の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「0B(H)」を設定した変動カテゴリ12コマンドを送信する。
なお、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態や高確率/低ベース状態)である場合にも、判定値230〜251の範囲にスーパーCA2−7の変動パターン種別を割り当てるようにしてもよい。そのようにすれば、遊技状態にかかわらず、スーパーCA2−7の変動パターン種別に対して共通の判定値が割り当てられるようにすることができる。そのため、後述する入賞時演出の処理のステップS232の処理を実行する際に、はずれであれば、遊技状態にかかわらず共通の判定処理を行えばよくなり、プログラム容量をより低減することができる。また、この場合、ステップS226の遊技状態の判定処理も不要とすることができる。
また、例えば、始動入賞時に、「8R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜74となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「10(H)」を設定した変動カテゴリ21コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が75〜149となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「11(H)」を設定した変動カテゴリ22コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が150〜241となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「12(H)」を設定した変動カテゴリ23コマンドを送信する。また、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が242〜251となる場合(すなわち、非リーチCA3−4の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「19(H)」を設定した変動カテゴリ30コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、「15R確変大当り」となると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜38となる場合(すなわち、ノーマルCA3−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「13(H)」を設定した変動カテゴリ24コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が39〜79となる場合(すなわち、ノーマルCA3−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「14(H)」を設定した変動カテゴリ25コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が80〜221となる場合(すなわち、スーパーCA3−3の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「15(H)」を設定した変動カテゴリ26コマンドを送信する。また、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が222〜251となる場合(すなわち、非リーチCA3−4の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「1A(H)」を設定した変動カテゴリ31コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、突然確変大当りとなると判定した場合、後述する入賞時演出処理のステップS232において、CPU56は、まず、変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となるか否かを判定する。変動パターン種別判定用乱数の値が1〜100となる場合(すなわち、特殊CA4−1の変動パターン種別となる場合)には、CPU56は、EXTデータに「16(H)」を設定した変動カテゴリ27コマンドを送信する。次いで、CPU56は、変動パターン種別判定用乱数の値が101〜251場合(すなわち、特殊CA4−2の変動パターン種別となる場合)には、EXTデータに「17(H)」を設定した変動カテゴリ28コマンドを送信する。
また、例えば、始動入賞時に、小当りとなると判定した場合、CPU56は、EXTデータに「18(H)」を設定した変動カテゴリ29コマンドを送信する。
演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)は、主基板31に搭載されている遊技制御用マイクロコンピュータ560から上述した演出制御コマンドを受信すると、図13および図14に示された内容に応じて画像表示装置9の表示状態を変更したり、ランプの表示状態を変更したり、音声出力基板70に対して音番号データを出力したりする。
例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、始動入賞があり第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bにおいて特別図柄の可変表示が開始される度に、演出図柄の変動パターンを指定する変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する。
この実施の形態では、演出制御コマンドは2バイト構成であり、1バイト目はMODE(コマンドの分類)を表し、2バイト目はEXT(コマンドの種類)を表す。MODEデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「1」に設定され、EXTデータの先頭ビット(ビット7)は必ず「0」に設定される。なお、そのようなコマンド形態は一例であって他のコマンド形態を用いてもよい。例えば、1バイトや3バイト以上で構成される制御コマンドを用いてもよい
なお、演出制御コマンドの送出方式として、演出制御信号CD0〜CD7の8本のパラレル信号線で1バイトずつ主基板31から中継基板77を介して演出制御基板80に演出制御コマンドデータを出力し、演出制御コマンドデータの他に、演出制御コマンドデータの取込を指示するパルス状(矩形波状)の取込信号(演出制御INT信号)を出力する方式を用いる。演出制御コマンドの8ビットの演出制御コマンドデータは、演出制御INT信号に同期して出力される。演出制御基板80に搭載されている演出制御用マイクロコンピュータ100は、演出制御INT信号が立ち上がったことを検知して、割込処理によって1バイトのデータの取り込み処理を開始する。
図13および図14に示す例では、変動パターンコマンドおよび表示結果指定コマンドを、第1特別図柄表示器8aでの第1特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)と第2特別図柄表示器8bでの第2特別図柄の変動に対応した演出図柄の可変表示(変動)とで共通に使用でき、第1特別図柄および第2特別図柄の可変表示に伴って演出を行う画像表示装置9などの演出用部品を制御する際に、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるコマンドの種類を増大させないようにすることができる。
図18は、主基板31に搭載される遊技制御用マイクロコンピュータ560(具体的には、CPU56)が実行する特別図柄プロセス処理(ステップS26)のプログラムの一例を示すフローチャートである。上述したように、特別図柄プロセス処理では第1特別図柄表示器8aまたは第2特別図柄表示器8bおよび大入賞口を制御するための処理が実行される。特別図柄プロセス処理において、CPU56は、第1始動入賞口13に遊技球が入賞したことを検出するための第1始動口スイッチ13aがオンしていたら、すなわち、第1始動入賞口13への始動入賞が発生していたら、または、第2始動入賞口14に遊技球が入賞したことを検出するための第2始動口スイッチ14aがオンしていたら、すなわち第2始動入賞口14への始動入賞が発生していたら、始動口スイッチ通過処理を実行する(ステップS311,S312)。そして、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。第1始動入賞口スイッチ13aまたは第2始動口スイッチ14aがオンしていなければ、内部状態に応じて、ステップS300〜S310のうちのいずれかの処理を行う。
ステップS300〜S310の処理は、以下のような処理である。
特別図柄通常処理(ステップS300):特別図柄プロセスフラグの値が0であるときに実行される。遊技制御用マイクロコンピュータ560は、特別図柄の可変表示が開始できる状態になると、保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数(合算保留記憶数)を確認する。保留記憶バッファに記憶される数値データの記憶数は合算保留記憶数カウンタのカウント値により確認できる。また、合算保留記憶数カウンタのカウント値が0でなければ、第1特別図柄または第2特別図柄の可変表示の表示結果を大当りとするか否かを決定する。大当りとする場合には大当りフラグをセットする。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS301に応じた値(この例では1)に更新する。なお、大当りフラグは、大当り遊技が終了するときにリセットされる。
変動パターン設定処理(ステップS301):特別図柄プロセスフラグの値が1であるときに実行される。また、変動パターンを決定し、その変動パターンにおける変動時間(可変表示時間:可変表示を開始してから表示結果を導出表示(停止表示)するまでの時間)を特別図柄の可変表示の変動時間とすることに決定する。また、決定した変動パターンに応じた変動パターンコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行い、特別図柄の変動時間を計測する変動時間タイマをスタートさせる。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS302に対応した値(この例では2)に更新する。
表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302):特別図柄プロセスフラグの値が2であるときに実行される。演出制御用マイクロコンピュータ100に、表示結果指定コマンドを送信する制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS303に対応した値(この例では3)に更新する。
特別図柄変動中処理(ステップS303):特別図柄プロセスフラグの値が3であるときに実行される。変動パターン設定処理で選択された変動パターンの変動時間が経過(ステップS301でセットされる変動時間タイマがタイムアウトすなわち変動時間タイマの値が0になる)すると、演出制御用マイクロコンピュータ100に、図柄確定指定コマンドを送信する制御を行い、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS304に対応した値(この例では4)に更新する。なお、演出制御用マイクロコンピュータ100は、遊技制御用マイクロコンピュータ560が送信する図柄確定指定コマンドを受信すると演出表示装置9において第4図柄が停止されるように制御する。
特別図柄停止処理(ステップS304):特別図柄プロセスフラグの値が4であるときに実行される。大当りフラグがセットされている場合に、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、小当りフラグがセットされている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。なお、この実施の形態では、特別図柄プロセスフラグの値が4となったことにもとづいて、後述するように、特別図柄表示制御処理において特別図柄の停止図柄を停止表示するための特別図柄表示制御データが特別図柄表示制御データ設定用の出力バッファに設定され、ステップS22の表示制御処理において出力バッファの設定内容に応じて実際に特別図柄の停止図柄が停止表示される。
大入賞口開放前処理(ステップS305):特別図柄プロセスフラグの値が5であるときに実行される。大入賞口開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、大入賞口開放中指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS306に対応した値(この例では6)に更新する。なお、大入賞口開放前処理はラウンド毎に実行されるが、第1ラウンドを開始する場合には、大入賞口開放前処理は大当り遊技を開始する処理でもある。また、大入賞口開放中指定コマンドはラウンドごとにそのラウンドを指定する値がEXTデータに設定されて送信されるので、ラウンドごとに異なる大入賞口開放中指定コマンドが送信される。例えば、大当り遊技中の第1ラウンドを実行する際には、ラウンド1を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A101(H))が送信され、大当り遊技中の第10ラウンドを実行する際には、ラウンド10を指定する大入賞口開放中指定コマンド(A10A(H))が送信される。
大入賞口開放中処理(ステップS306):特別図柄プロセスフラグの値が6であるときに実行される。大入賞口開放中処理では、大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残りラウンドがある場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS305に対応した値(この例では5)に更新する。また、大当り中開放後指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行うとともに、全てのラウンドを終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS307に対応した値(この例では7)に更新する。
大当り終了処理(ステップS307):特別図柄プロセスフラグの値が7であるときに実行される。大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。また、遊技状態を示すフラグ(例えば、高確率フラグや高ベースフラグ)をセットする処理を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
小当り開放前処理(ステップS308):特別図柄プロセスフラグの値が8であるときに実行される。小当り開放前処理では、大入賞口を開放する制御を行う。具体的には、カウンタ(例えば、大入賞口に入った遊技球数をカウントするカウンタ)などを初期化するとともに、ソレノイド21を駆動して大入賞口を開放状態にする。また、タイマによって大入賞口開放中処理の実行時間を設定し、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS309に対応した値(この例では9)に更新する。なお、小当り開放前処理は小当り遊技中の大入賞口の開放毎に実行されるが、小当り遊技中の最初の開放を開始する場合には、小当り開放前処理は小当り遊技を開始する処理でもある。
小当り開放中処理(ステップS309):特別図柄プロセスフラグの値が9であるときに実行される。大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ大入賞口の開放回数が残っている場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS308に対応した値(この例では8)に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS310に対応した値(この例では10)に更新する。
小当り終了処理(ステップS310):特別図柄プロセスフラグの値が10であるときに実行される。小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を演出制御用マイクロコンピュータ100に行わせるための制御を行う。そして、内部状態(特別図柄プロセスフラグ)をステップS300に対応した値(この例では0)に更新する。
図19は、ステップS312の始動口スイッチ通過処理を示すフローチャートである。始動口スイッチ通過処理において、CPU56は、まず、第1始動口スイッチ13aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1211)。第1始動口スイッチ13aがオン状態でなければ、ステップS1222に移行する。第1始動口スイッチ13aがオン状態であれば、CPU56は、第1保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第1保留記憶数をカウントするための第1保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1212)。第1保留記憶数が上限値に達していれば、ステップS1222に移行する。
第1保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第1保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1213)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1214)。また、CPU56は、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順を記憶するための保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第1」を示すデータをセットする(ステップS1215)。
この実施の形態では、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合(すなわち、第1始動入賞口13に遊技球が始動入賞した場合)には「第1」を示すデータをセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合(すなわち、第2始動入賞口14に遊技球が始動入賞した場合)には「第2」を示すデータをセットする。例えば、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、第1始動口スイッチ13aがオン状態となった場合には「第1」を示すデータとして01(H)をセットし、第2始動口スイッチ14aがオン状態となった場合には「第2」を示すデータとして02(H)をセットする。なお、この場合、対応する保留記憶がない場合には、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、00(H)がセットされている。
図20(A)は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)の構成例を示す説明図である。図20(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されている。なお、図20(A)には、合算保留記憶数カウンタの値が5である場合の例が示されている。図20(A)に示すように、保留特定領域には、合算保留記憶数カウンタの値の最大値(この例では8)に対応した領域が確保されており、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への入賞にもとづき入賞順に「第1」または「第2」であることを示すデータがセットされる。従って、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)には、第1始動入賞口13および第2始動入賞口14への入賞順が記憶される。なお、保留特定領域は、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第1保留記憶バッファ(図20(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1216)。なお、ステップS1216の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第1特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
図20(B)は、保留記憶に対応する乱数等を保存する領域(保留バッファ)の構成例を示す説明図である。図20(B)に示すように、第1保留記憶バッファには、第1保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。また、第2保留記憶バッファには、第2保留記憶数の上限値(この例では4)に対応した保存領域が確保されている。この実施の形態では、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファには、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が記憶される。なお、第1保留記憶バッファおよび第2保留記憶バッファは、RAM55に形成されている。
次いで、CPU56は、検出した始動入賞にもとづく変動がその後実行されたときの変動表示結果や変動パターン種別を始動入賞時にあらかじめ判定する入賞時演出処理を実行する(ステップS1217)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1218)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1219)。また、CPU56は、第1始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1220)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1221)。
なお、ステップS1218,S1219の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第1始動入賞口13に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1218〜S1221の処理が実行されることによって、第1始動入賞口13への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第1始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
次いで、CPU56は、第2始動口スイッチ14aがオン状態であるか否かを確認する(ステップS1222)。第2始動口スイッチ14aがオン状態でなければ、そのまま処理を終了する。第2始動口スイッチ14aがオン状態であれば、CPU56は、第2保留記憶数が上限値に達しているか否か(具体的には、第2保留記憶数をカウントするための第2保留記憶数カウンタの値が4であるか否か)を確認する(ステップS1223)。第2保留記憶数が上限値に達していれば、そのまま処理を終了する。
第2保留記憶数が上限値に達していなければ、CPU56は、第2保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1224)とともに、合算保留記憶数をカウントするための合算保留記憶数カウンタの値を1増やす(ステップS1225)。また、CPU56は、保留記憶特定情報記憶領域(保留特定領域)において、合算保留記憶数カウンタの値に対応した領域に、「第2」を示すデータをセットする(ステップS1226)。
次いで、CPU56は、乱数回路503やソフトウェア乱数を生成するためのカウンタから値を抽出し、それらを、第2保留記憶バッファ(図20(B)参照)における保存領域に格納する処理を実行する(ステップS1227)。なお、ステップS1227の処理では、ハードウェア乱数であるランダムR(大当り判定用乱数)や、ソフトウェア乱数である大当り種別判定用乱数(ランダム1)、変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)および変動パターン判定用乱数(ランダム3)が抽出され、保存領域に格納される。なお、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を始動口スイッチ通過処理(始動入賞時)において抽出して保存領域にあらかじめ格納しておくのではなく、第2特別図柄の変動開始時に抽出するようにしてもよい。例えば、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、後述する変動パターン設定処理において、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、入賞時演出処理を実行する(ステップS1228)。そして、CPU56は、入賞時演出処理の判定結果にもとづいて図柄指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1229)とともに、変動カテゴリコマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1230)。また、CPU56は、第2始動入賞指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1231)とともに、合算保留記憶数カウンタの値をEXTデータに設定して合算保留記憶数指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1232)。
なお、ステップS1229,S1230の処理を実行することによって、この実施の形態では、遊技状態(高確率状態や高ベース状態であるか否か、大当り遊技状態であるか否か)にかかわらず、CPU56は、第2始動入賞口14に始動入賞するごとに、必ず図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドの両方を演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信する。
また、この実施の形態では、ステップS1229〜S1232の処理が実行されることによって、第2始動入賞口14への始動入賞が発生したときに、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、第2始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドのセットが1タイマ割込内に一括して送信される。
図21は、ステップS1217,S1228の入賞時演出処理を示すフローチャートである。入賞時演出処理では、CPU56は、まず、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の左欄に示す通常時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS220)。この実施の形態では、特別図柄および演出図柄の変動を開始するタイミングで、後述する特別図柄通常処理において大当りや小当りとするか否か、大当り種別を決定したり、変動パターン設定処理において変動パターンを決定したりするのであるが、それとは別に、遊技球が第1始動入賞口13や第2始動入賞口14に始動入賞したタイミングで、その始動入賞にもとづく変動表示が開始される前に、入賞時演出処理を実行することによって、あらかじめ大当りや小当りとなるか否かや、大当りの種別、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかを確認する。そのようにすることによって、演出図柄の変動表示が実行されるより前にあらかじめ変動表示結果や変動パターン種別を予測し、後述するように、入賞時の判定結果にもとづいて、演出制御用マイクロコンピュータ100によって演出図柄の変動表示中に大当りの信頼度を予告する連続予告演出を実行する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が通常時の大当り判定値と一致しなければ(ステップS220のN)、CPU56は、遊技状態が高確率状態(確変状態。高確率/高ベース状態と高確率/低ベース状態とを含む。)であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS221)。高確率フラグがセットされていれば、CPU56は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(A)の右欄に示す確変時の大当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS222)。なお、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS221で確変状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS221で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
大当り判定用乱数(ランダムR)が確変時の大当り判定値とも一致しなければ(ステップS222のN)、CPU56は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り判定用乱数(ランダムR)と図8(B),(C)に示す小当り判定値とを比較し、それらが一致するか否かを確認する(ステップS223)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)に設定されている小当り判定値と一致するか否かを判定する。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値とも一致しなければ(ステップS223のN)、CPU56は、「はずれ」となることを示すEXTデータ「00(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS224)。
次いで、CPU56は、現在の遊技状態を判定する処理を行う(ステップS225)。この実施の形態では、CPU56は、ステップS225において、遊技状態が高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否か(具体的には、高確率フラグおよび高ベースフラグがセットされているか否か)を判定する。なお、始動入賞時にステップS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間には、複数の変動表示が実行される可能性がある。そのため、始動入賞時にステップS225で高確率状態であるか否かおよび高ベース状態であるか否かを確認してから、実際にその始動入賞にもとづく変動表示が開始されるまでの間に遊技状態が変化している(例えば、変動開始前に15R確変大当りや、8R確変大当り、突然確変大当りが発生した場合には通常状態から確変状態に変化している。)場合がある。そのため、始動入賞時にステップS225で判定する遊技状態と変動開始時に判定する遊技状態(後述するステップS61参照)とは、必ずしも一致するとは限らない。なお、そのような不一致を防止するため、現在記憶している保留記憶内の遊技状態の変更を伴うものを特定して、変更後の遊技状態にもとづいて始動入賞時の判定を行うようにしてもよい。
そして、CPU56は、ステップS225の判定結果に応じて、はずれ用の各閾値を設定する(ステップS226)。この実施の形態では、あらかじめ閾値判定を行う閾値判定プログラムが組み込まれており、閾値より大きいか否かを判定することにより、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲にとなるかが判定され、図16および図17に示す変動カテゴリコマンドに設定するEXTデータの値が決定される。
例えば、CPU56は、遊技状態が高確率/高ベース状態であると判定した場合には閾値219を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値219以下であるか否かを判定し、閾値219以下である場合(すなわち、1〜219である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「08(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値219以下でない場合(すなわち、220〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「09(H)」を設定すると判定する(図16参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が高確率/低ベース状態であると判定した場合には閾値79を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0A(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値79以下でない場合(すなわち、80〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「0B(H)」を設定すると判定する(図16参照)。
また、例えば、CPU56は、遊技状態が通常状態であると判定した場合には、合算保留記憶数にかかわらず、閾値79、89、99、169、199、214および229を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値79以下であるか否かを判定し、閾値79以下である場合(すなわち、1〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「00(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値89以下である場合(すなわち、80〜89である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「01(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値99以下である場合(すなわち、90〜99である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「02(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値169以下である場合(すなわち、100〜169である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「03(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値199以下である場合(すなわち、170〜199である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「04(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値214以下である場合(すなわち、200〜214である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「05(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値229以下である場合(すなわち、215〜229である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「06(H)」を設定すると判定する(図16参照)。また、閾値229以下でない場合(すなわち、230〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「07(H)」を設定すると判定する(図16参照)。
なお、上記に示す閾値判定の例では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していくので、後の順番の閾値で判定されたものが前の順番の閾値以下の範囲内となることはない。すなわち、閾値79以下であるか否かを判定した後に、閾値89以下であるか否かを判定するときには、前の順番の閾値以下の1〜79の範囲内となることはなく、80〜89の範囲であるか否かを判定することになる。また、この実施の形態では、閾値の値が小さい方から順に79、89、99、169、199、214および229と判定していく場合を示したが、逆に大きい方から順に229、214、199、169、99、89および79と判定していってもよい。このことは、以下に示す他の閾値を用いた判定を行う場合も同様である。
なお、ステップS225の遊技状態の判定を行うことなく、常に通常状態(低確率/低ベース状態)における閾値を設定するようにしてもよい。そのように構成しても、少なくとも「非リーチはずれ」となる変動パターン種別と「スーパーリーチはずれ」となる変動パターン種別とに関しては判定値の範囲が共通化されているのであるから、「非リーチはずれ」や「スーパーリーチはずれ」となるか否かについては判定することができる。
大当り判定用乱数(ランダムR)が小当り判定値と一致した場合には(ステップS223のY)、CPU56は、「小当り」となることを示すEXTデータ「05(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS227)。
次いで、CPU56は、小当り用の閾値を設定する(ステップS228)。なお、この実施の形態では、CPU56は、閾値251を設定するものとし、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値251以下である(1〜251である)と判定して、変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「18(H)」を設定すると判定するものとする(図17参照)。なお、小当りである場合には、閾値判定を行うことなく、そのままEXTデータ「18(H)」を設定すると判定するようにしてもよい。
ステップS220またはステップS222で大当り判定用乱数(ランダムR)が大当り判定値と一致した場合には、CPU56は、ステップS1216,S1227で抽出した大当り種別判定用乱数(ランダム1)にもとづいて大当りの種別を判定する(ステップS229)。この場合、CPU56は、第1始動入賞口13への始動入賞があった場合(ステップS1217の入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(D)に示す大当り種別判定テーブル(第1特別図柄用)131aを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。また、第2始動入賞口14への始動入賞があった場合(ステップS1228の入賞時演出処理を実行する場合)には、図8(E)に示す大当り種別判定テーブル(第2特別図柄用)131bを用いて大当り種別が「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれとなるかを判定する。
次いで、CPU56は、大当り種別の判定結果に応じたEXTデータを図柄指定コマンドに設定する処理を行う(ステップS230)。この場合、「15R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「15R確変大当り」となることを示すEXTデータ「01(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「8R確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「8R確変大当り」となることを示すEXTデータ「02(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。また、「突然確変大当り」となると判定した場合には、CPU56は、「突然確変大当り」となることを示すEXTデータ「04(H)」を図柄指定コマンドに設定する処理を行う。
そして、CPU56は、ステップS229で判定した大当り種別に応じて、大当り用の各閾値を設定する(ステップS231)。
例えば、CPU56は、「8R確変大当り」と判定した場合には、閾値74、149および241を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値74以下であるか否かを判定し、閾値74以下である場合(すなわち、1〜74である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「10(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値149以下である場合(すなわち、75〜149である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「11(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値241以下である場合(すなわち、150〜241である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「12(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値241以下でない場合(すなわち、242〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「19(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
また、例えば、CPU56は、「15R確変大当り」と判定した場合には、閾値38、79および221を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値38以下であるか否かを判定し、閾値38以下である場合(すなわち、1〜38である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「13(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値79以下である場合(すなわち、39〜79である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「14(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値221以下である場合(すなわち、80〜221である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「15(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値221以下でない場合(すなわち、222〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「1A(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
また、例えば、CPU56は、「突然確変大当り」と判定した場合には、閾値100を設定する。この場合、CPU56は、後述するステップS232において、変動パターン種別判定用乱数の値が閾値100以下であるか否かを判定し、閾値100以下である場合(すなわち、1〜100である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「16(H)」を設定すると判定する(図17参照)。また、閾値100以下でない場合(すなわち、101〜251である場合)には変動カテゴリコマンドのEXTデータとして「17(H)」を設定すると判定する(図17参照)。
次いで、CPU56は、ステップS226,S228,S231で設定した閾値と、ステップS1216,S1227で抽出した変動パターン種別判定用乱数(ランダム2)とを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの判定値の範囲となるかを判定する(ステップS232)。
なお、ステップS226,S228,S231において、あらかじめ定められた閾値を設定するのではなく、変動パターン種別判定テーブル(図9、図10参照)を設定するようにし、ステップS232において、設定した変動パターン種別判定テーブルを用いて、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲やいずれの変動パターン種別となるかを判定するようにしてもよい。
そして、CPU56は、判定結果に応じたEXTデータを変動カテゴリコマンドに設定する処理を行う(ステップS233)。具体的には、CPU56は、ステップS232でいずれの変動パターン種別になると判定したかに応じて、図16および図17に示すような「00(H)」〜「0B(H)」、「10(H)」〜「1A(H)」のいずれかの値を変動カテゴリコマンドのEXTデータに設定する処理を行う。
なお、この実施の形態では、入賞時判定において大当りや小当りとなると判定した場合であっても一律に変動パターン種別判定用乱数の値がいずれの範囲となるかを判定する場合を示したが、大当りや小当りとなると判定した場合には、変動パターン種別判定用乱数の値の範囲の判定を行わないようにしてもよい。そして、大当りまたは小当りとなると入賞時判定したことを示す図柄指定コマンドを送信するとともに、大当りまたは小当りの変動パターン種別となることを包括的に示す変動カテゴリコマンドを送信するようにしてもよい。そして、例えば、演出制御用マイクロコンピュータ100は、具体的にいずれの変動パターン種別となるかまでは示されていないものの、包括的にいずれかの大当りの変動パターン種別となることが示された変動カテゴリコマンドを受信したことにもとづいて、後述する連続予告演出を実行するようにしてもよい。
図22および図23は、特別図柄プロセス処理における特別図柄通常処理(ステップS300)を示すフローチャートである。特別図柄通常処理において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認する(ステップS51)。具体的には、合算保留記憶数カウンタのカウント値を確認する。合算保留記憶数が0であれば、まだ客待ちデモ指定コマンドを送信していなければ、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して客待ちデモ指定コマンドを送信する制御を行い(ステップS51A)、処理を終了する。なお、例えば、CPU56は、ステップS51Aで客待ちデモ指定コマンドを送信すると、客待ちデモ指定コマンドを送信したことを示す客待ちデモ指定コマンド送信済フラグをセットする。そして、客待ちデモ指定コマンドを送信した後に次回のタイマ割込以降の特別図柄通常処理を実行する場合には、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグがセットされていることにもとづいて重ねて客待ちデモ指定コマンドを送信しないように制御すればよい。また、この場合、客待ちデモ指定コマンド送信済フラグは、次回の特別図柄の変動表示が開始されるときにリセットされるようにすればよい。
なお、ステップS51において、CPU56は、合算保留記憶数の値を確認するのではなく、保留特定領域の1番目の領域にデータが設定されているか否かを確認し、設定されていれば保留記憶があると判定してステップS52に移行し、設定されていなければ保留記憶がないと判定してステップS51Aに移行してもよい。
合算保留記憶数が0でなければ、CPU56は、保留特定領域(図20(A)参照)に設定されているデータのうち1番目のデータが「第1」を示すデータであるか否か確認する(ステップS52)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータでない(すなわち、「第2」を示すデータである)場合(ステップS52のN)、CPU56は、特別図柄ポインタ(第1特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのか第2特別図柄について特別図柄プロセス処理を行っているのかを示すフラグ)に「第2」を示すデータを設定する(ステップS53)。保留特定領域に設定されている1番目のデータが「第1」を示すデータである場合(ステップS52のY)、CPU56は、特別図柄ポインタに「第1」を示すデータを設定する(ステップS54)。
ステップS52〜S54の処理が実行されることによって、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される。なお、この実施の形態では、第1始動入賞口13と第2始動入賞口14とに遊技球が入賞した始動入賞順に従って、第1特別図柄の変動表示または第2特別図柄の変動表示が実行される場合を示しているが、第1特別図柄と第2特別図柄とのいずれか一方の変動表示を優先して実行するように構成してもよい。この場合、例えば、高ベース状態に移行された場合には可変入賞球装置15が設けられた第2始動入賞口14に始動入賞しやすくなり第2保留記憶が溜まりやすくなるのであるから、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するようにしてもよい。
なお、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合、図21に示した入賞時演出処理において、大当り判定用乱数(ランダムR)の値を、低確率状態における大当り判定値と比較する処理のみを実行するようにし、高確率状態における大当り判定値とは比較しないようにしてもよい(具体的には、ステップS220の処理のみを実行し、ステップS221,S222の処理は行わないようにしてもよい)。そのように構成すれば、第2特別図柄の変動表示を優先して実行するように構成する場合に、入賞時判定における大当りの判定結果と実際の変動開始時における大当りの決定結果との間にズレが生じることを防止することができる。
次いで、CPU56は、RAM55において、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する(ステップS55)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶バッファにおける第1保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2保留記憶バッファにおける第2保留記憶数=1に対応する保存領域に格納されている各乱数値を読み出してRAM55の乱数バッファ領域に格納する。
そして、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、各保存領域の内容をシフトする(ステップS56)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第1保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。また、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合に、第2保留記憶数カウンタのカウント値を1減算し、かつ、保留特定領域および第2保留記憶バッファにおける各保存領域の内容をシフトする。
すなわち、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合に、RAM55の第1保留記憶バッファにおいて第1保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第1保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、特別図柄ポインタが「第2」を示す場合に、RAM55の第2保留記憶バッファにおいて第2保留記憶数=n(n=2,3,4)に対応する保存領域に格納されている各乱数値を、第2保留記憶数=n−1に対応する保存領域に格納する。また、CPU56は、保留特定領域において合算保留記憶数=m(m=2〜8)に対応する保存領域に格納されている値(「第1」または「第2」を示す値)を、合算保留記憶数=m−1に対応する保存領域に格納する。
よって、各第1保留記憶数(または、各第2保留記憶数)に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各乱数値が抽出された順番は、常に、第1保留記憶数(または、第2保留記憶数)=1,2,3,4の順番と一致するようになっている。また、各合算保留記憶数に対応するそれぞれの保存領域に格納されている各値が抽出された順番は、常に、合算保留記憶数=1〜8の順番と一致するようになっている。
そして、CPU56は、合算保留記憶数の値を1減らす。すなわち、合算保留記憶数カウンタのカウント値を1減算する(ステップS58)。なお、CPU56は、カウント値が1減算される前の合算保留記憶数カウンタの値をRAM55の所定の領域に保存する。
また、CPU56は、現在の遊技状態に応じて背景指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS60)。この場合、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているとともに、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされている場合には、高確率高ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、高確率フラグのみがセットされ、高ベースフラグがセットされていない場合には、高確率低ベース状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、高確率フラグも高ベースフラグもセットされていなければ、通常状態背景指定コマンドを送信する制御を行う。
なお、具体的には、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に演出制御コマンドを送信する際に、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブル(あらかじめROMにコマンド毎に設定されている)のアドレスをポインタにセットする。そして、演出制御コマンドに応じたコマンド送信テーブルのアドレスをポインタにセットして、演出制御コマンド制御処理(ステップS28)において演出制御コマンドを送信する。なお、この実施の形態では、特別図柄の変動を開始するときに、タイマ割込ごとに、背景指定コマンド、変動パターンコマンド、表示結果指定コマンド、合算保留記憶数減算指定コマンドの順に演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されることになる。具体的には、特別図柄の変動を開始するときに、まず、背景指定コマンドが送信され、4ms経過後に変動パターンコマンドが送信され、さらに4ms経過後に表示結果指定コマンドが送信され、さらに4ms経過後に合算保留記憶数減算指定コマンドが送信される。なお、特別図柄の変動を開始するときにはさらに図柄変動指定コマンド(第1図柄変動指定コマンド、第2図柄変動指定コマンド)も送信されるが、図柄変動指定コマンドは、変動パターンコマンドと同じタイマ割込において演出制御用マイクロコンピュータ100に対して送信される。
特別図柄通常処理では、最初に、第1始動入賞口13を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータすなわち第1特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第1」を示すデータ、または第2始動入賞口14を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータすなわち第2特別図柄を対象として処理を実行することを示す「第2」を示すデータが、特別図柄ポインタに設定される。そして、特別図柄プロセス処理における以降の処理では、特別図柄ポインタに設定されているデータに応じた処理が実行される。よって、ステップS300〜S310の処理を、第1特別図柄を対象とする場合と第2特別図柄を対象とする場合とで共通化することができる。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域からランダムR(大当り判定用乱数)を読み出し、大当り判定モジュールを実行する。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1216やステップS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り判定用乱数を読み出し、大当り判定を行う。大当り判定モジュールは、あらかじめ決められている大当り判定値や小当り判定値(図8参照)と大当り判定用乱数とを比較し、それらが一致したら大当りや小当りとすることに決定する処理を実行するプログラムである。すなわち、大当り判定や小当り判定の処理を実行するプログラムである。
大当り判定の処理では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態、高確率/低ベース状態)の場合には、遊技状態が非確変状態(通常状態)の場合よりも、大当りとなる確率が高くなるように構成されている。具体的には、あらかじめ大当り判定値の数が多く設定されている確変時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の右側の数値が設定されているテーブル)と、大当り判定値の数が確変時大当り判定テーブルよりも少なく設定されている通常時大当り判定テーブル(ROM54における図8(A)の左側の数値が設定されているテーブル)とが設けられている。そして、CPU56は、遊技状態が確変状態であるか否かを確認し、遊技状態が確変状態であるときは、確変時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行い、遊技状態が通常状態であるときは、通常時大当り判定テーブルを使用して大当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(A)に示すいずれかの大当り判定値に一致すると、特別図柄に関して大当りとすることに決定する。大当りとすることに決定した場合には(ステップS61)、ステップS71に移行する。なお、大当りとするか否か決定するということは、大当り遊技状態に移行させるか否か決定するということであるが、特別図柄表示器における停止図柄を大当り図柄とするか否か決定するということでもある。
なお、現在の遊技状態が確変状態であるか否かの確認は、高確率フラグがセットされているか否かにより行われる。高確率フラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、確変状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。そして、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では70回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
大当り判定用乱数(ランダムR)の値がいずれの大当り判定値にも一致しなければ(ステップS61のN)、CPU56は、小当り判定テーブル(図8(B),(C)参照)を使用して小当りの判定の処理を行う。すなわち、CPU56は、大当り判定用乱数(ランダムR)の値が図8(B),(C)に示すいずれかの小当り判定値に一致すると、特別図柄に関して小当りとすることに決定する。この場合、CPU56は、特別図柄ポインタが示すデータを確認し、特別図柄ポインタが示すデータが「第1」である場合には、図8(B)に示す小当り判定テーブル(第1特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。また、特別図柄ポインタが示すデータが「第2」である場合には、図8(C)に示す小当り判定テーブル(第2特別図柄用)を用いて小当りとするか否かを決定する。そして、小当りとすることに決定した場合には(ステップS62)、CPU56は、小当りであることを示す小当りフラグをセットし(ステップS63)、ステップS75に移行する。
なお、ランダムRの値が大当り判定値および小当り判定値のいずれにも一致しない場合には(ステップS62のN)、すなわち、はずれである場合には、そのままステップS75に移行する。
ステップS71では、CPU56は、大当りであることを示す大当りフラグをセットする。そして、大当り種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、特別図柄ポインタが示す方の大当り種別判定テーブルを選択する(ステップS72)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、図8(D)に示す第1特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131aを選択する。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、図8(E)に示す第2特別図柄用の大当り種別判定用テーブル131bを選択する。
次いで、CPU56は、選択した大当り種別判定テーブルを用いて、乱数バッファ領域に格納された大当り種別判定用の乱数(ランダム1)の値と一致する値に対応した種別(「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」)を大当りの種別に決定する(ステップS73)。なお、この場合、CPU56は、始動口スイッチ通過処理のステップS1216やステップS1227で抽出し第1保留記憶バッファや第2保留記憶バッファにあらかじめ格納した大当り種別判定用乱数を読み出し、大当り種別の決定を行う。また、この場合に、図8(D),(E)に示すように、第1特別図柄の変動表示が実行される場合には、第2特別図柄の変動表示が実行される場合と比較して、突然確変大当りが選択される割合が高い。
また、CPU56は、決定した大当りの種別を示すデータをRAM55における大当り種別バッファに設定する(ステップS74)。例えば、大当り種別が「15R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「01」が設定され、大当り種別が「8R確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「02」が設定され、大当り種別が「突然確変大当り」の場合には大当り種別を示すデータとして「04」が設定される。
次いで、CPU56は、特別図柄の停止図柄を決定する(ステップS75)。具体的には、大当りフラグおよび小当りフラグのいずれもセットされていない場合には、はずれ図柄となる「−」を特別図柄の停止図柄に決定する。大当りフラグがセットされている場合には、大当り種別の決定結果に応じて、大当り図柄となる「1」、「7」、「9」のいずれかを特別図柄の停止図柄に決定する。すなわち、大当り種別を「突然確変大当り」に決定した場合には「1」を特別図柄の停止図柄に決定し、「8R確変大当り」に決定した場合には「7」を特別図柄の停止図柄に決定し、「15R確変大当り」に決定した場合には「9」を特別図柄の停止図柄に決定する。また、小当りフラグがセットされている場合には、小当り図柄となる「5」を特別図柄の停止図柄に決定する。
なお、この実施の形態では、まず大当り種別を決定し、決定した大当り種別に対応する特別図柄の停止図柄を決定する場合を示したが、大当り種別および特別図柄の停止図柄の決定方法は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、あらかじめ特別図柄の停止図柄と大当り種別とを対応付けたテーブルを用意しておき、大当り種別決定用乱数にもとづいてまず特別図柄の停止図柄を決定すると、その決定結果にもとづいて対応する大当り種別も決定されるように構成してもよい。
そして、特別図柄プロセスフラグの値を変動パターン設定処理(ステップS301)に対応した値に更新する(ステップS76)。
図24は、特別図柄プロセス処理における変動パターン設定処理(ステップS301)を示すフローチャートである。変動パターン設定処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS91)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、大当り用変動パターン種別判定テーブル132A〜132C(図9(A)〜(C)参照)のいずれかを選択する(ステップS92)。そして、ステップS102に移行する。
大当りフラグがセットされていない場合には、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS93)。小当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、小当り用変動パターン種別判定テーブル132D(図9(D)参照)を選択する(ステップS94)。そして、ステップS102に移行する。
小当りフラグもセットされていない場合には、CPU56は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS95)。なお、高ベースフラグは、遊技状態を確変状態に移行するときにセットされ、高ベース状態を終了するときにリセットされる。具体的には、「15R確変大当り」または「8R確変大当り」とすることに決定され、大当り遊技を終了する処理においてセットされる。また、大当り遊技終了後、所定回数(この実施の形態では70回)の変動表示を終了したときにリセットされる。
高ベースフラグがセットされていなければ(ステップS95のN)、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS96)。高確率フラグもセットされていなければ(ステップS96のN)、すなわち、遊技状態が通常状態であれば、CPU56は、合算保留記憶数が3以上であるか否かを確認する(ステップS97)。合算保留記憶数が3未満であれば(ステップS97のN)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択する(ステップS98)。そして、ステップS102に移行する。
合算保留記憶数が3以上である場合(ステップS97のY)には、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135B(図10(B)参照)を選択する(ステップS99)。そして、ステップS102に移行する。
高確率フラグがセットされている場合(ステップS96のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/低ベース状態であれば、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135D(図10(D)参照)を選択する(ステップS100)。そして、ステップS102に移行する。
高ベースフラグがセットされている場合(ステップS95のY)には、すなわち、遊技状態が高確率/高ベース状態であれば(この実施の形態では、低確率/高ベース状態に制御されることはないので、高ベースフラグがセットされていれば高確率/高ベース状態である)、CPU56は、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135C(図10(C)参照)を選択する(ステップS101)。そして、ステップS102に移行する。
この実施の形態では、ステップS95〜S101の処理が実行されることによって、遊技状態が通常状態であって合算保留記憶数が3以上である場合には、図10(B)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Bが選択される。また、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合には、図10(C)に示すはずれ用変動パターン種別判定テーブル135Cが選択される。この場合、後述するステップS102の処理で変動パターン種別として非リーチCA2−3が決定される場合があり、非リーチCA2−3の変動パターン種別が決定された場合には、ステップS105の処理で変動パターンとして短縮変動の非リーチPA1−2が決定される(図12参照)。従って、この実施の形態では、遊技状態が高確率/高ベース状態である場合または合算保留記憶数が3以上である場合には、短縮変動の変動表示が行われる場合がある。なお、この実施の形態では、高確率/高ベース状態で用いる短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図10(C)参照)と、保留記憶数にもとづく短縮変動用の変動パターン種別判定テーブル(図10(B)参照)とが異なるテーブルである場合を示したが、短縮変動用の変動パターン種別判定テーブルとして共通のテーブルを用いるようにしてもよい。
なお、この実施の形態では、遊技状態が高ベース状態である場合であっても、合算保留記憶数がほぼ0である場合(例えば、0であるか、0または1である場合)には、短縮変動の変動表示を行わないようにしてもよい。この場合、例えば、CPU56は、ステップS95でYと判定したときに、合算保留記憶数がほぼ0であるか否かを確認し、合算保留記憶数がほぼ0であれば、はずれ用変動パターン種別判定テーブル135A(図10(A)参照)を選択するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム2(変動パターン種別判定用乱数)を読み出し、ステップS92、S94、S98、S99、S100またはS101の処理で選択したテーブルを参照することによって、変動パターン種別を複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS102)。
次いで、CPU56は、ステップS102の変動パターン種別の決定結果にもとづいて、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定するために使用するテーブルとして、当り変動パターン判定テーブル137A、137B(図11参照)、はずれ変動パターン判定テーブル138A(図12参照)のうちのいずれかを選択する(ステップS103)。また、乱数バッファ領域(第1保留記憶バッファまたは第2保留記憶バッファ)からランダム3(変動パターン判定用乱数)を読み出し、ステップS103の処理で選択した変動パターン判定テーブルを参照することによって、変動パターンを複数種類のうちのいずれかに決定する(ステップS105)。なお、始動入賞のタイミングでランダム3(変動パターン判定用乱数)を抽出しないように構成する場合には、CPU56は、変動パターン判定用乱数(ランダム3)を生成するための変動パターン判定用乱数カウンタから値を直接抽出し、抽出した乱数値にもとづいて変動パターンを決定するようにしてもよい。
次いで、CPU56は、特別図柄ポインタが示す方の図柄変動指定コマンドを、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS106)。具体的には、CPU56は、特別図柄ポインタが「第1」を示している場合には、第1図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、特別図柄ポインタが「第2」を示している場合には、第2図柄変動指定コマンドを送信する制御を行う。また、CPU56は、決定した変動パターンに対応する演出制御コマンド(変動パターンコマンド)を、演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS107)。
次に、CPU56は、RAM55に形成されている変動時間タイマに、選択された変動パターンに対応した変動時間に応じた値を設定する(ステップS108)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)に対応した値に更新する(ステップS109)。
なお、はずれと決定されている場合において、いきなり変動パターン種別を決定するのではなく、まず、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。そして、リーチとするか否かの判定結果にもとづいて、ステップS95〜S102の処理を実行し、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。この場合、あらかじめ非リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示す非リーチCA2−1〜非リーチCA2−3の変動パターン種別を含むもの)と、リーチ用の変動パターン種別判定テーブル(図10に示すノーマルCA2−4〜ノーマルCA2−6、スーパーCA2−7の変動パターン種別を含むもの)とを用意しておき、リーチ判定結果にもとづいて、いずれかの変動パターン種別判定テーブルを選択して、変動パターン種別を決定するようにしてもよい。
また、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理によってリーチとするか否かを決定する場合にも、合算保留記憶数(第1保留記憶数や第2保留記憶数でもよい)に応じて、リーチの選択割合が異なるリーチ判定テーブルを選択して、保留記憶数が多くなるに従ってリーチ確率が低くなるようにリーチとするか否かを決定するようにしてもよい。この場合、CPU56は、例えば、入賞時演出処理における「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かの判定において、リーチ判定テーブルの共通の範囲に割り当てられた判定値に合致するか否かを判定することによって、リーチとなるか否かをあらかじめ判定するようにしてもよい。なお、予告演出の実行割合が低下してしまうことを考慮すると、この実施の形態で示したように、リーチ判定用乱数を用いた抽選処理を行うことなく、変動パターン種別によって「スーパーリーチはずれ」や「非リーチはずれ」となるか否かを事前判定して連続予告演出を行うように構成することが好ましい。
図25は、表示結果指定コマンド送信処理(ステップS302)を示すフローチャートである。表示結果指定コマンド送信処理において、CPU56は、決定されている大当りの種類、小当り、はずれに応じて、表示結果1指定〜表示結果6指定のいずれかの演出制御コマンド(図13参照)を送信する制御を行う。具体的には、CPU56は、まず、大当りフラグがセットされているか否か確認する(ステップS110)。セットされていない場合には、ステップS118に移行する。大当りフラグがセットされている場合、大当りの種別に応じて、「15R確変大当り」であるときには、表示結果2指定コマンドを送信する制御を行うとともに、「8R確変大当り」であるときには、表示結果3指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS112)。なお、「15R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」であるか否かを確認することによって判定でき、「8R確変大当り」であるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「02」であるか否かを確認することによって判定できる。また、CPU56は、確変大当りでない場合、すなわち、突然確変大当りである場合、表示結果5指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS117)。
一方、CPU56は、大当りフラグがセットされていないときには(ステップS110のN)、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS118)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、表示結果6指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS119)。小当りフラグもセットされていないときは(ステップS118のN)、すなわち、はずれである場合には、CPU56は、表示結果1指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS120)。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄変動中処理(ステップS303)に対応した値に更新する(ステップS121)。
図26は、特別図柄プロセス処理における特別図柄変動中処理(ステップS303)を示すフローチャートである。特別図柄変動中処理において、CPU56は、まず、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かを確認する(ステップS1121)。なお、合算保留記憶数減算指定コマンドを既に送信済みであるか否かは、例えば、後述するステップS1122で合算保留記憶数減算指定コマンドを送信する際に合算保留記憶数減算指定コマンドを送信したことを示す合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグをセットするようにし、ステップS1121では、その合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグがセットされているか否かを確認するようにすればよい。また、この場合、セットした合算保留記憶数減算指定コマンド送信済フラグは、特別図柄の変動表示を終了する際や大当りを終了する際に後述する特別図柄停止処理や大当り終了処理でリセットするようにすればよい。
次いで、合算保留記憶数減算指定コマンドを送信済みでなければ、CPU56は、合算保留記憶数減算指定コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ100に送信する制御を行う(ステップS1122)。
次いで、CPU56は、変動時間タイマを1減算し(ステップS1125)、変動時間タイマがタイムアウトしたら(ステップS1126)、演出制御用マイクロコンピュータ100に図柄確定指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS1127)。そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄停止処理(ステップS304)に対応した値に更新する(ステップS1128)。変動時間タイマがタイムアウトしていない場合には、そのまま処理を終了する。
図27は、特別図柄プロセス処理における特別図柄停止処理(ステップS304)を示すフローチャートである。特別図柄停止処理において、CPU56は、大当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS131)。大当りフラグがセットされている場合には、CPU56は、セットされていれば、高確率状態であることを示す高確率フラグ、および高ベース状態であることを示す高ベースフラグをリセットし(ステップS132)、演出制御用マイクロコンピュータ100に大当り開始指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS133)。具体的には、大当りの種別が「15R確変大当り」または「8R確変大当り」である場合には大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))を送信する。また、大当りの種別が突然確変大当りである場合には小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する。なお、大当りの種別が「15R確変大当り」、「8R確変大当り」または「突然確変大当り」のいずれであるかは、RAM55に記憶されている大当り種別を示すデータ(大当り種別バッファに記憶されているデータ)にもとづいて判定される。
また、大当り表示時間タイマに大当り表示時間(大当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS134)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば、「15R確変大当り」の場合には15回。「8R確変大当り」の場合には8回。「突然確変大当り」の場合には2回。)をセットする(ステップS135)。また、大当り遊技における1ラウンドあたりのラウンド時間もセットされる。突然確変大当りの場合には、ラウンド時間として0.1秒がセットされ、15R確変大当りや8R確変大当りの場合、ラウンド時間として29秒がセットされる。そして、特別図柄プロセスフラグの値を大入賞口開放前処理(ステップS305)に対応した値に更新する(ステップS136)。
また、ステップS131で大当りフラグがセットされていなければ、CPU56は、高確率状態であることを示す高確率フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS137)。高確率フラグがセットされている場合には(すなわち、確変状態(高確率/高ベース状態または高確率/低ベース状態)である場合には)、高確率状態における特別図柄の変動可能回数を示す高確率回数カウンタの値を−1する(ステップS138)。そして、CPU56は、減算後の高確率回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS139)、高確率フラグをリセットする(ステップS140)。高確率フラグがセットされていなければ、ステップS141に移行する。
次いで、CPU56は、高ベース状態であることを示す高ベースフラグがセットされているか否か確認する(ステップS141)。高ベースフラグがセットされている場合には(すなわち、高確率/高ベース状態である場合には)、高ベース状態における特別図柄の変動可能回数を示す高ベース回数カウンタの値を−1する(ステップS142)。そして、CPU56は、減算後の高ベース回数カウンタの値が0になった場合には(ステップS143)、高ベースフラグをリセットする(ステップS144)。そして、ステップS145に移行する。なお、高ベースフラグがセットされていなかった場合には、そのままステップS145に移行する。
次いで、CPU56は、小当りフラグがセットされているか否かを確認する(ステップS145)。小当りフラグがセットされていれば、CPU56は、演出制御用マイクロコンピュータ100に小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))を送信する(ステップS146)。また、小当り表示時間タイマに小当り表示時間(小当りが発生したことを、例えば、演出表示装置9において報知する時間)に相当する値を設定する(ステップS147)。また、大入賞口開放回数カウンタに開放回数(例えば2回)をセットする(ステップS148)。そして、特別図柄プロセスフラグの値を小当り開始前処理(ステップS308)に対応した値に更新する(ステップS149)。
小当りフラグもセットされていなければ(ステップS145のN)、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS150)。
図28は、特別図柄プロセス処理における大当り終了処理(ステップS307)を示すフローチャートである。大当り終了処理において、CPU56は、大当り終了表示タイマが設定されているか否か確認し(ステップS160)、大当り終了表示タイマが設定されている場合には、ステップS164に移行する。大当り終了表示タイマが設定されていない場合には、大当りフラグをリセットし(ステップS161)、大当り終了指定コマンドを送信する制御を行う(ステップS162)。ここで、15R確変大当りまたは8R確変大当りであった場合には大当り終了指定コマンドを送信し、突然確変大当りであった場合には小当り/突然確変大当り終了指定コマンドを送信する。そして、大当り終了表示タイマに、演出表示装置9において大当り終了表示が行われている時間(大当り終了表示時間)に対応する表示時間に相当する値を設定し(ステップS163)、処理を終了する。
ステップS164では、大当り終了表示タイマの値を1減算する。そして、CPU56は、大当り終了表示タイマの値が0になっているか否か、すなわち大当り終了表示時間が経過したか否か確認する(ステップS165)。経過していなければ処理を終了する。
大当り終了表示時間を経過していれば(ステップS165のY)、CPU56は、大当りの種別が15R確変大当りまたは8R確変大当りであるか否かを確認する(ステップS166)。なお、15R確変大当りまたは8R確変大当りや突然確変大当りであるか否かは、具体的には、特別図柄通常処理のステップS74で大当り種別バッファに設定されたデータが「01」、「02」または「04」であるか否かを確認することによって判定できる。15R確変大当りまたは8R確変大当りであれば、CPU56は、時短フラグをセットして遊技状態を時短状態に移行させる(ステップS167)とともに、高ベース回数カウンタに70をセットする(ステップS168)。さらに、高確率フラグをセットして遊技状態を確変状態に移行させる(ステップS169)とともに、高確率回数カウンタに70をセットする(ステップS170)。そして、ステップS171に移行する。15R確変大当りまたは8R確変大当りのいずれでもなければ(すなわち、突然確変大当りであれば)、CPU56は、ステップS169へ移行する。
そして、CPU56は、特別図柄プロセスフラグの値を特別図柄通常処理(ステップS300)に対応した値に更新する(ステップS171)。
次に、演出制御手段の動作を説明する。図29は、演出制御基板80に搭載されている演出制御手段としての演出制御用マイクロコンピュータ100(具体的には、演出制御用CPU101)が実行するメイン処理を示すフローチャートである。演出制御用CPU101は、電源が投入されると、メイン処理の実行を開始する。メイン処理では、まず、RAM領域のクリアや各種初期値の設定、また演出制御の起動間隔(例えば、4ms)を決めるためのタイマの初期設定等を行うための初期化処理を行う(ステップS701)。その後、演出制御用CPU101は、タイマ割込フラグの監視(ステップS702)を行うループ処理に移行する。タイマ割込が発生すると、演出制御用CPU101は、タイマ割込処理においてタイマ割込フラグをセットする。メイン処理において、タイマ割込フラグがセットされていたら、演出制御用CPU101は、そのフラグをクリアし(ステップS703)、以下の演出制御処理を実行する。
演出制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、受信した演出制御コマンドを解析し、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする処理等を行う(コマンド解析処理:ステップS704)。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセス処理を行う(ステップS705)。演出制御プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(演出制御プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の表示制御を実行する。
次いで、演出制御用CPU101は、第4図柄プロセス処理を行う(ステップS706)。第4図柄プロセス処理では、制御状態に応じた各プロセスのうち、現在の制御状態(第4図柄プロセスフラグ)に対応した処理を選択して演出表示装置9の第4図柄表示領域9c,9dにおいて第4図柄の表示制御を実行する。
次いで、大当り図柄決定用乱数などの乱数を生成するためのカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理を実行する(ステップS707)。その後、ステップS702に移行する。
図30は、主基板31の遊技制御用マイクロコンピュータ560から受信した演出制御コマンドを格納するためのコマンド受信バッファの一構成例を示す説明図である。この例では、2バイト構成の演出制御コマンドを6個格納可能なリングバッファ形式のコマンド受信バッファが用いられる。従って、コマンド受信バッファは、受信コマンドバッファ1〜12の12バイトの領域で構成される。そして、受信したコマンドをどの領域に格納するのかを示すコマンド受信個数カウンタが用いられる。コマンド受信個数カウンタは、0〜11の値をとる。なお、必ずしもリングバッファ形式でなくてもよい。
なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560から送信された演出制御コマンドは、演出制御INT信号にもとづく割込処理で受信され、RAMに形成されているバッファ領域に保存されている。コマンド解析処理では、バッファ領域に保存されている演出制御コマンドがどのコマンド(図13および図14参照)であるのか解析する。なお、演出制御INT信号にもとづく割込処理は、4msごとに実行されるタイマ割込処理に優先して実行される。
図31および図32は、コマンド解析処理(ステップS704)の具体例を示すフローチャートである。主基板31から受信された演出制御コマンドは受信コマンドバッファに格納されるが、コマンド解析処理では、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファに格納されているコマンドの内容を確認する。
コマンド解析処理において、演出制御用CPU101は、まず、コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されているか否か確認する(ステップS611)。格納されているか否かは、コマンド受信個数カウンタの値と読出ポインタとを比較することによって判定される。両者が一致している場合が、受信コマンドが格納されていない場合である。コマンド受信バッファに受信コマンドが格納されている場合には、演出制御用CPU101は、コマンド受信バッファから受信コマンドを読み出す(ステップS612)。なお、読み出したら読出ポインタの値を+2しておく(ステップS613)。+2するのは2バイト(1コマンド)ずつ読み出すからである。
受信した演出制御コマンドが変動パターンコマンドであれば(ステップS614)、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドを、RAMに形成されている変動パターンコマンド格納領域に格納する(ステップS615)。そして、変動パターンコマンド受信フラグをセットする(ステップS616)。
受信した演出制御コマンドが表示結果指定コマンドであれば(ステップS617)、演出制御用CPU101は、受信した表示結果指定コマンド(表示結果1指定コマンド〜表示結果6指定コマンド)を、RAMに形成されている表示結果指定コマンド格納領域に格納する(ステップS618)。
受信した演出制御コマンドが図柄確定指定コマンドであれば(ステップS619)、演出制御用CPU101は、確定コマンド受信フラグをセットする(ステップS620)。
受信した演出制御コマンドが大当り開始指定コマンド(コマンドA001(H))であれば(ステップS621)、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS622)。
受信した演出制御コマンドが小当り/突然確変大当り開始指定コマンド(コマンドA002(H))であれば(ステップS623)、演出制御用CPU101は、小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグをセットする(ステップS624)。
受信した演出制御コマンドがいずれかの図柄指定コマンドであれば(ステップS651)、演出制御用CPU101は、受信した図柄指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域に格納する(ステップS652)。
図33は、始動入賞時コマンド格納領域の具体例を示す説明図である。図33に示すように、始動入賞時コマンド格納領域には、合算保留記憶数の最大値(この例では8)に対応した領域(格納領域1〜8)が確保されている。この実施の形態では、図19の始動口スイッチ通過処理のステップS1218〜S1221,S1229〜S1232で示したように、第1始動入賞口13または第2始動入賞口14への始動入賞があったときに、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンド(第1始動入賞指定コマンドまたは第2始動入賞指定コマンド)、および合算保留記憶数指定コマンドの4つのコマンドがセットで送信される。そのため、図33に示すように、始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8には、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを対応付けて格納できるように記憶領域が確保されている。
この実施の形態では、演出制御用CPU101は、コマンド解析処理において、受信した順にコマンドを始動入賞時コマンド格納領域の空いている最初の格納領域内に格納していく。この実施の形態では、1タイマ割込内に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順にコマンド送信が行われるので、コマンド受信が正常に行われれば、図33に示すように、各格納領域1〜8に、図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドの順に格納されていくことになる(なお、図33では、格納領域1〜5までコマンドが格納されている例が示されている)。
なお、図33に示す例では、前回の変動表示において7個までの保留記憶が発生して最新のコマンドが格納されている格納領域に合算保留記憶数7を指定する合算保留記憶数指定コマンド(C207(H))が格納され、その後、保留記憶が1つ消化されて2番目の保留記憶にもとづく変動表示が開始されている状況での始動入賞時コマンド格納領域の格納状態が示されている。
また、図33に示す始動入賞時コマンド格納領域に格納されている各コマンドは、演出図柄の変動表示を開始するごと(合算保留記憶数減算指定コマンドを受信するごと)に、後述するステップS663で1つ目の格納領域1に格納されているものから削除され、始動入賞時コマンド格納領域の内容がシフトされる。例えば、図33に示す格納状態において新たな演出図柄の変動表示が開始された場合には、格納領域1に格納されている各コマンドが削除され、格納領域2に格納されている各コマンドが格納領域1にシフトされ、格納領域3に格納されている各コマンドが格納領域2にシフトされ、格納領域4に格納されている各コマンドが格納領域3にシフトされ、格納領域5に格納されている各コマンドが格納領域4にシフトされる。なお、各コマンドが削除されるタイミングは、演出図柄の変動表示を開始するタイミングで後述する演出図柄変動開始処理中であってもよい。
また、この実施の形態では、始動入賞の発生時に受信する図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンド、始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、始動入賞時のコマンドともいう。また、これら始動入賞時のコマンドのうち、第1保留記憶数または第2保留記憶数が増加したことを認識可能な情報を指定するコマンドである始動入賞指定コマンドおよび合算保留記憶数指定コマンドを、包括的に表現する場合に、保留記憶情報ともいう。また、始動入賞時の入賞時演出処理(図21参照)で判定される大当りや小当りとなるか否か、大当り種別の判定結果、変動パターン種別の判定結果を示すコマンドである図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、包括的に表現する場合に、入賞時判定結果指定コマンドや判定結果情報ともいう。
受信した演出制御コマンドがいずれかの変動カテゴリコマンドであれば(ステップS653)、演出制御用CPU101は、受信した変動カテゴリコマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS654A)。そして、変動カテゴリコマンドを受信したことを示す変動カテゴリコマンド受信フラグをセットする(ステップS654B)。
受信した演出制御コマンドが第1始動入賞指定コマンドであれば(ステップS655)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1つ増加させ、合算保留記憶数表示を更新する(ステップS656A)。そして、受信した第1始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS656B)。
受信した演出制御コマンドが第2始動入賞指定コマンドであれば(ステップS657)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける保留表示を1つ増加させ、合算保留記憶数表示を更新する合算保留記憶数表示を更新する(ステップS658A)。そして、受信した第2始動入賞指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS658B)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数指定コマンドであれば(ステップS659)、演出制御用CPU101は、受信した合算保留記憶数指定コマンドを、RAMに形成されている始動入賞時コマンド格納領域の各格納領域1〜8のうち最新の図柄指定コマンド、変動カテゴリコマンドおよび始動入賞指定コマンドが格納されている格納領域に格納する(ステップS660)。
受信した演出制御コマンドが合算保留記憶数減算指定コマンドであれば(ステップS661)、演出制御用CPU101は、合算保留記憶表示部18cにおける1つ目の保留表示を消去し、残りの保留表示を1つずつシフトして、合算保留記憶表示部18cにおける合算保留記憶数表示を更新する(ステップS662)。例えば、合算保留記憶表示部18cの1つ目〜5つ目の保留表示が点灯表示されていた場合に、合算保留記憶数減算指定コマンドを受信した場合には、1つ目の保留表示を削除するとともに、2つ目に表示されていた保留表示を1つ目の表示領域にシフトし、3つ目に表示されていた保留表示を2つ目の表示領域にシフトし、4つ目に表示されていた保留表示を3つ目の表示領域にシフトし、5つ目に表示されていた保留表示を4つ目の表示領域にシフトする。
また、演出制御用CPU101は、始動入賞時コマンド格納領域における格納領域1のデータを削除し、残りのデータをシフトして格納する(ステップS663)。
受信した演出制御コマンドがその他のコマンドであれば、演出制御用CPU101は、受信した演出制御コマンドに応じたフラグをセットする(ステップS684)。そして、ステップS611に移行する。
図34は、図29に示されたメイン処理における演出制御プロセス処理(ステップS705)を示すフローチャートである。演出制御プロセス処理では、演出制御用CPU101は、まず、連続予告演出における演出内容を決定する連続予告演出決定処理を実行する(ステップS800A)。
「連続予告演出」とは、複数回の特別図柄の変動に亘って実行される演出である。本実施の形態では、演出表示装置9にキャラクタAおよびキャラクタBを表示するとともに、変動毎にキャラクタAがキャラクタBに近寄っていき、予告対象である変動にてキャラクタAがキャラクタBの位置に到達した場合に、該変動における大当りに対する期待度を示唆する演出を「連続予告演出」として実行する。
連続予告演出においては、該連続予告演出が次の変動まで継続するか否かを報知する「報知演出」が変動毎に行われる。「報知演出」では、キャラクタAとキャラクタBとがゲームを行い、該ゲームにキャラクタAが敗北すれば次の変動まで連続予告演出が継続せずに終了することを報知し、キャラクタAが勝利すれば次の変動まで連続予告演出が継続することを報知するようになっている。ゲームとは、いわゆる「だるまさんが転んだ」であり、「だるまさんが」と書かれた面の看板が表示にされている間にキャラクタAはキャラクタBに近寄っていき、該看板が「転んだ」と書かれた面に切り替えられたときに、キャラクタAが静止していればキャラクタAの勝利となり、キャラクタAが動いていればキャラクタAの敗北となる。以下、看板が「転んだ」と書かれた面に切り替えられたときにキャラクタAが静止しているパターンの報知演出を「継続報知演出」、看板が「転んだ」と書かれた面に切り替えられたときにキャラクタAが動いているパターンの報知演出を「失敗報知演出」ということがある。
次いで、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値に応じてステップS800〜S810のうちのいずれかの処理を行う。各処理において、以下のような処理を実行する。なお、演出制御プロセス処理では、演出表示装置9の表示状態が制御され、演出図柄の可変表示が実現されるが、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示に関する制御も、一つの演出制御プロセス処理において実行される。なお、第1特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示と、第2特別図柄の変動に同期した演出図柄の可変表示とを、別の演出制御プロセス処理により実行するように構成してもよい。また、この場合、いずれの演出制御プロセス処理により演出図柄の変動表示が実行されているかによって、いずれの特別図柄の変動表示が実行されているかを判断するようにしてもよい。
変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800):遊技制御用マイクロコンピュータ560から変動パターンコマンドを受信しているか否か確認する。具体的には、コマンド解析処理でセットされる変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する。変動パターンコマンドを受信していれば、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に変更する。
演出図柄変動開始処理(ステップS801):演出図柄の変動が開始されるように制御する。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値に更新する。
演出図柄変動中処理(ステップS802):変動パターンを構成する各変動状態(変動速度)の切替タイミング等を制御するとともに、変動時間の終了を監視する。そして、変動時間が終了したら、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に対応した値に更新する。
演出図柄変動停止処理(ステップS803):演出図柄の変動を停止し表示結果(停止図柄)を導出表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理(ステップS808)または変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
大当り表示処理(ステップS804):変動時間の終了後、演出表示装置9に大当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
ラウンド中処理(ステップS805):ラウンド中の表示制御を行う。そして、ラウンド終了条件が成立したら、最終ラウンドが終了していなければ、演出制御プロセスフラグの値をラウンド後処理(ステップS806)に対応した値に更新する。最終ラウンドが終了していれば、演出制御プロセスフラグの値を大当り終了処理(ステップS807)に対応した値に更新する。
ラウンド後処理(ステップS806):ラウンド間の表示制御を行う。そして、ラウンド開始条件が成立したら、演出制御プロセスフラグの値をラウンド中処理(ステップS805)に対応した値に更新する。
大当り終了演出処理(ステップS807):演出表示装置9において、大当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
小当り表示処理(ステップS808):変動時間の終了後、演出表示装置9に小当りの発生を報知するための画面を表示する制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を小当り開放中処理(ステップS809)に対応した値に更新する。
小当り開放中処理(ステップS809):大入賞口の閉成条件の成立を確認する処理等を行う。大入賞口の閉成条件が成立し、かつ、まだ残り開放がある場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り表示処理(ステップS808)に対応した値に更新する。また、全ての開放を終えた場合には、演出制御プロセスフラグの値を小当り終了演出処理(ステップS810)に対応した値に更新する
小当り終了演出処理(ステップS810):演出表示装置9において、小当り遊技状態が終了したことを遊技者に報知する表示制御を行う。そして、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に対応した値に更新する。
図35は、連続予告演出決定処理を示すフローチャートである。連続予告演出決定処理において、演出制御用CPU101は、新たな始動入賞時コマンドを受信したか否かを判定し(ステップS3501)、受信していない場合はそのまま処理を終了する。新たな始動入賞時コマンドを受信した場合、合算保留記憶数が「2」以上であるか否かを判定し(ステップS3502)、「2」未満である場合、すなわち「1」である場合(新たな始動入賞時コマンドを受信しているため「0」であることはない。)、そのまま処理を終了する。このように、合算保留記憶数が「1」である場合には、連続予告演出を実行することを決定し得ない構成としている。仮に、合算保留記憶数が「1」である場合にも連続予告演出を実行することを決定可能とした場合には、連続予告演出の予告対象である保留記憶が発生した次の変動から連続予告演出が開始されるため、単一の変動においてのみ連続予告演出が実行されてしまうこととなり、報知演出が行われなくなってしまう。そこで、本実施の形態のようにすることにより、連続予告演出において報知演出が必ず実行される構成としている。
合算保留記憶数が「2」以上である場合、演出制御用CPU101は、連続予告演出中であることを示す連続予告中フラグがセットされているか否かを判定する(ステップS3503)。セットされている場合には、そのまま処理を終了する。このように、連続予告演出の実行中に新たに発生した保留記憶に対して連続予告演出を実行しないよう構成することにより、複数の保留記憶に対して連続予告演出を同時に実行しないよう構成している。
連続予告中フラグがセットされていない場合、すなわち、連続予告演出の実行中ではない場合、演出制御用CPU101は、新たな保留記憶を予告対象とした連続予告演出を実行するか否かを決定するための連続予告実行抽選を実行する(ステップS3504)。具体的には、図36(A)に示す連続予告実行抽選テーブルを用いて、連続予告演出を実行するか否かを決定する。
図36(A)は、連続予告実行抽選テーブルを示す説明図である。連続予告実行抽選テーブルには、入賞時判定結果ごとに決定事項(連続予告演出を実行することを示す「有」、または連続予告演出を実行しないことを示す「無」)に対応する判定値が割り当てられているが、図36(A)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、連続予告演出を実行するか否かを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(連続予告演出を実行することを示す「有」または連続予告演出を実行しないことを示す「無」)に決定する。従って、図36(A)に示す例では、入賞時判定結果における「有」と「無」とに対応する数値は、決定事項として「有」または「無」が選択される割合(%)を示している。なお、入賞時判定結果は、始動入賞時コマンド格納領域に最後に格納された図柄指定コマンドや変動カテゴリコマンドを参照して特定される。なお、始動入賞時コマンド格納領域に最後に格納された図柄指定コマンドおよび変動カテゴリコマンドを、それぞれ「最新の図柄指定コマンド」および「最新の変動カテゴリコマンド」ということがある。
例えば、入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄2指定コマンドまたは図柄3指定コマンドであれば)、60/100の割合で「有」に決定し、40/100の割合で「無」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄5指定コマンドまたは図柄6指定コマンドであれば)、50/100の割合で「有」に決定し、50/100の割合で「無」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄1指定コマンドであり、最新の変動カテゴリコマンドが変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ10コマンドまたは変動カテゴリ12コマンドであれば)、30/100の割合で「有」に決定し、70/100の割合で「無」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチでない可能性があるはずれであれば(最新の変動カテゴリコマンドが変動カテゴリ1コマンド〜変動カテゴリ7コマンド、変動カテゴリ9コマンドまたは変動カテゴリ11コマンドのいずれかであれば)、5/100の割合で「有」に決定し、95/100の割合で「無」に決定する。
このように、遊技者にとって有利な入賞時判定結果(大当りまたは小当り)である方が遊技者にとって不利な入賞時判定結果(はずれ)であるよりも連続予告演出の実行割合が高い連続演出実行抽選テーブルを用いて連続予告実行抽選を行うことにより、連続予告演出を実行した場合に有利な遊技状態となることに対する期待感を遊技者に与えることができる。
なお、この実施の形態では、図36(A)に示す連続予告実行抽選テーブルの他に、図36(B)に示す成功決定テーブル、図36(C)〜(E)に示す連続実行回数決定テーブル、図36(F)に示す成功文字選択テーブル、および図37に示す看板パターン決定テーブルについても、実際には判定値が割り当てられているが、説明を簡略化するために割り当てられた判定値の割合が示されている。また、それらのテーブルが用いられる後述するステップS3508、S3511、S3512、S3515においても、ステップS3504と同様に、演出制御用CPU101は、例えば、成功の有無、連続実行回数、成功文字または看板パターンを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている事項に決定する。
その後、連続予告実行抽選の結果、演出制御用CPU101は、連続予告演出を実行することが決定されたか否かを判定し(ステップS3505)、実行しないことが決定された場合には、そのまま処理を終了する。実行することが決定された場合には、演出制御用CPU101は、連続予告中フラグをセットし(ステップS3506)、既に実行した連続予告演出の回数を示す実行済回数Kに「0」をセットする(ステップS3507)。そして、演出制御用CPU101は、実行する連続予告演出を予告対象の変動まで継続させる(以下、「成功させる」ということがある)か否かを決定する成功抽選を実行する(ステップS3508)。具体的には、図36(B)に示す成功抽選テーブルを用いて成功抽選を実行する。
図36(B)は、成功抽選テーブルを示す説明図である。成功抽選テーブルには、入賞時判定結果ごとに決定事項(連続予告演出を成功させることを示す「成功」または連続予告演出を成功させない(予告対象の変動まで連続予告演出を継続させない。すなわち、失敗報知演出を実行する。)ことを示す「失敗」)に対応する判定値が割り当てられているが、図36(B)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、連続予告演出を成功させるか否かを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(連続予告演出を成功させることを示す「成功」または連続予告演出を成功させない(失敗させる)ことを示す「失敗」)に決定する。従って、図36(B)に示す例では、入賞時判定結果における「成功」と「失敗」とに対応する数値は、決定事項として「成功」または「失敗」が選択される割合(%)を示している。
例えば、入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄2指定コマンドまたは図柄3指定コマンドであれば)、90/100の割合で「成功」に決定し、10/100の割合で「失敗」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄5指定コマンドまたは図柄6指定コマンドであれば)、80/100の割合で「成功」に決定し、20/100の割合で「失敗」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄1指定コマンドであり、最新の変動カテゴリコマンドが変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ10コマンドまたは変動カテゴリ12コマンドであれば)、70/100の割合で「成功」に決定し、30/100の割合で「失敗」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチでない可能性があるはずれであれば(最新の変動カテゴリコマンドが変動カテゴリ1コマンド〜変動カテゴリ7コマンド、変動カテゴリ9コマンドまたは変動カテゴリ11コマンドのいずれかであれば)、10/100の割合で「成功」に決定し、90/100の割合で「失敗」に決定する。
このように、遊技者にとって有利な入賞時判定結果(大当りまたは小当り)である方が遊技者にとって不利な入賞時判定結果(はずれ)であるよりも連続予告演出を成功させる割合が高い成功抽選テーブルを用いて成功抽選を行うことにより、連続予告演出を成功させた場合に有利な遊技状態となることに対する期待感を遊技者に与えることができる。
その後、演出制御用CPU101は、成功抽選において連続予告演出を成功させることが決定したか否かを判定し(ステップS3509)、成功させることが決定した場合には、実行する連続予告演出における連続回数Kmaxに合算保留記憶数をセットする(ステップS3510)。そして、演出制御用CPU101は、連続予告演出を成功させる場合に連続予告演出の予告対象である変動において表示する成功文字を選択するための成功文字選択抽選を行うとともに抽選結果を記憶し(ステップS3511)、ステップS3514へ移行する。具体的には、図36(F)に示す成功文字選択抽選テーブルを用いて成功文字選択抽選を実行する。
図36(F)は、成功文字選択抽選テーブルを示す説明図である。成功文字選択抽選テーブルには、入賞時判定結果ごとに決定事項(「チャンス」、「激アツ」または「FEVER」)に対応する判定値が割り当てられているが、図36(F)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、いずれの成功文字を表示するか否かを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「チャンス」、「激アツ」または「FEVER」)に決定する。従って、図36(F)に示す例では、入賞時判定結果における「チャンス」、「激アツ」および「FEVER」に対応する数値は、決定事項として「チャンス」、「激アツ」および「FEVER」が選択される割合(%)を示している。
例えば、入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄2指定コマンドまたは図柄3指定コマンドであれば)、30/100の割合で「チャンス」に決定し、60/100の割合で「激アツ」に決定し、10/100の割合で「FEVER」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄5指定コマンドまたは図柄6指定コマンドであれば)、50/100の割合で「チャンス」に決定し、50/100の割合で「激アツ」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄1指定コマンドであり、最新の変動カテゴリコマンドが変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ10コマンドまたは変動カテゴリ12コマンドであれば)、70/100の割合で「チャンス」に決定し、30/100の割合で「激アツ」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチでない可能性があるはずれであれば(最新の変動カテゴリコマンドが変動カテゴリ1コマンド〜変動カテゴリ7コマンド、変動カテゴリ9コマンドまたは変動カテゴリ11コマンドのいずれかであれば)、90/100の割合で「チャンス」に決定し、10/100の割合で「激アツ」に決定する。
このように、「チャンス」よりも「激アツ」の方が大当りまたは小当りに対する信頼度が高い構成としている。また、15R確変大当りまたは8R確変大当りである場合にのみ「FEVER」に決定し得る構成としたため、成功文字として「FEVER」と表示した場合に15R確変大当りまたは8R確変大当りであることを遊技者に報知する構成としている。
ステップS3509において、連続予告演出を成功させない(失敗させる)ことが決定した場合には、演出制御用CPU101は、失敗させる連続予告演出における連続実行回数を決定するための連続実行回数決定抽選を実行する(ステップS3512)。具体的には、合算保留記憶数にもとづいて、図36(C)〜(E)に示す連続実行回数決定テーブルを用いて連続実行回数決定抽選を実行する。
図36(C)〜(E)は、連続実行回数決定テーブルを示す説明図である。連続実行回数決定テーブルには、入賞時判定結果ごとに決定事項(連続予告演出の連続実行回数として「1」、「2」または「3」)に対応する判定値が割り当てられているが、図36(C)〜(E)に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、いずれの連続実行回数の変動に亘って連続予告演出を実行するか否かを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(「1」、「2」または「3」)に決定する。従って、図36(C)〜(E)に示す例では、入賞時判定結果における「1」、「2」または「3」に対応する数値は、決定事項として「1」、「2」または「3」が選択される割合(%)を示している。
図36(C)に示す連続実行回数決定テーブル(合算保留記憶数=2)はステップS3512において、合算保留記憶数が「2」である場合に用いられるテーブルである。また、図36(D)に示す連続実行回数決定テーブル(合算保留記憶数=3)はステップS3512において、合算保留記憶数が「3」である場合に用いられるテーブルである。また、図36(E)に示す連続実行回数決定テーブル(合算保留記憶数≧4)はステップS3512において、合算保留記憶数が「4」以上である場合に用いられるテーブルである。
例えば、図36(C)に示す例では、いずれの入賞時判定結果であっても、100/100の割合で連続実行回数を「1回」に決定する。
また、例えば、図36(D)に示す例では、入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄2指定コマンドまたは図柄3指定コマンドであれば)、連続実行回数を、10/100の割合で「1回」に決定し、90/100の割合で「2回」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄5指定コマンドまたは図柄6指定コマンドであれば)、連続実行回数を、20/100の割合で「1回」に決定し、80/100の割合で「2回」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄1指定コマンドであり、最新の変動カテゴリコマンドが変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ10コマンドまたは変動カテゴリ12コマンドであれば)、連続実行回数を、30/100の割合で「1回」に決定し、70/100の割合で「2回」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチでない可能性があるはずれであれば(最新の変動カテゴリコマンドが変動カテゴリ1コマンド〜変動カテゴリ7コマンド、変動カテゴリ9コマンドまたは変動カテゴリ11コマンドのいずれかであれば)、連続実行回数を、90/100の割合で「1回」に決定し、10/100の割合で「2回」に決定する。
また、例えば、図36(E)に示す例では、入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄2指定コマンドまたは図柄3指定コマンドであれば)、連続実行回数を、5/100の割合で「1回」に決定し、10/100の割合で「2回」に決定し、85/100の割合で「3回」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄5指定コマンドまたは図柄6指定コマンドであれば)、連続実行回数を、10/100の割合で「1回」に決定し、15/100の割合で「2回」に決定し、75/100の割合で「3回」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチはずれであれば(最新の図柄指定コマンドが図柄1指定コマンドであり、最新の変動カテゴリコマンドが変動カテゴリ8コマンド、変動カテゴリ10コマンドまたは変動カテゴリ12コマンドであれば)、連続実行回数を、15/100の割合で「1回」に決定し、20/100の割合で「2回」に決定し、65/100の割合で「3回」に決定する。また、例えば、入賞時判定結果がスーパーリーチでない可能性があるはずれであれば(最新の変動カテゴリコマンドが変動カテゴリ1コマンド〜変動カテゴリ7コマンド、変動カテゴリ9コマンドまたは変動カテゴリ11コマンドのいずれかであれば)、連続実行回数を、85/100の割合で「1回」に決定し、10/100の割合で「2回」に決定し、5/100の割合で「3回」に決定する。
このように、本実施の形態では、合算保留記憶数が「4」以上である場合には、共通の連続実行回数決定テーブルを用いて連続実行回数決定抽選を行うこととしたが、これに限るものではなく、合算保留記憶数毎に異なる連続実行回数決定テーブルを用いて連続実行回数決定抽選を行うこととしてもよい。また、その場合、連続予告演出を失敗させる場合の連続実行回数の最大値を一律で「3」としないものであってもよく、例えば、合算保留記憶数が「8」であれば、連続実行回数として「1」〜「7」のいずれかを決定することとしてもよい。
ステップS3512の後、演出制御用CPU101は、決定した連続実行回数を連続回数Kmaxにセットし(ステップS3513)、連続予告演出におけるキャラクタAの表示位置を示す位置指数Pに、合算保留記憶数に「1」加算した値をセットする(ステップS3514)。本実施の形態において、連続予告演出の報知演出では、キャラクタAは、連続予告演出の予告対象である保留表示よりも一つ右の保留表示領域の上部にて表示が開始され、連続予告演出の予告対象である保留表示の上部へ移動するよう表示される。そして、連続予告演出の予告対象である保留表示の上部において、静止できたか否かによって、連続予告演出が継続されるか否かが報知される。例えば、位置指数Pの値が「2」であれば第2位置(2つ目の保留表示の上部)においてキャラクタAの表示が開始され、報知演出中にキャラクタAが第1位置(1つ目の保留表示の上部)まで近づくように表示される。また、位置指数Pの値が「3」であれば第3位置(3つ目の保留表示の上部)においてキャラクタAの表示が開始され、報知演出中にキャラクタAが第2位置まで近づくように表示される。また、位置指数Pの値が「4」であれば第4位置(4つ目の保留表示の上部)においてキャラクタAの表示が開始され、報知演出中にキャラクタAが第3位置まで近づくように表示される。また、位置指数Pの値が「5」であれば第5位置(5つ目の保留表示の上部)においてキャラクタAの表示が開始され、報知演出中にキャラクタAが第4位置まで近づくように表示される。また、位置指数Pの値が「6」であれば第6位置(6つ目の保留表示の上部)においてキャラクタAの表示が開始され、報知演出中にキャラクタAが第5位置まで近づくように表示される。また、位置指数Pの値が「7」であれば第7位置(7つ目の保留表示の上部)においてキャラクタAの表示が開始され、報知演出中にキャラクタAが第6位置まで近づくように表示される。また、位置指数Pの値が「8」であれば第8位置(8つ目の保留表示の上部)においてキャラクタAの表示が開始され、報知演出中にキャラクタAが第7位置まで近づくように表示される。また、位置指数Pの値が「1」であるときは、連続予告演出の予行対象である変動(連続予告演出の最終変動)の実行中となるため、次の変動まで連続予告演出が継続されるか否かを報知するための報知演出は行われない。また、位置指数Pの値が「9」であるときには、連続予告演出が実行されない構成となっている。
ステップS3514の後、演出制御用CPU101は、連続予告演出において表示する看板の表示態様をパターン化した看板パターンを決定する看板パターン決定抽選を実行し、抽選結果を記憶する(ステップS3515)。具体的には、図37に示す看板パターン決定テーブルを用いて看板パターン決定抽選を実行する。
図37は、看板パターン決定テーブルを示す説明図である。看板パターン決定テーブルには、連続回数Kmaxの値および図柄指定コマンドの示す入賞時判定結果ごとに決定事項(看板パターン)に対応する判定値が割り当てられているが、図37に示す例では、説明を簡略化するために、割り当てられた判定値の割合が示されている。演出制御用CPU101は、例えば、いずれの看板パターンにて看板を表示するかを決定するための乱数を抽出し、抽出した乱数に一致する判定値が割り当てられている決定事項(看板パターン)に決定する。従って、図37に示す例では、図柄指定コマンドにおける各看板パターンに対応する数値は、決定事項として各看板パターンが選択される割合(%)を示している。
例えば、連続回数Kmaxが「1」である場合、最新の図柄指定コマンドが示す入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りであれば、90/100の割合で看板パターンとして「pt10」に決定し、10/100の割合で看板パターンとして「pt11」に決定する。また、例えば、最新の図柄指定コマンドが示す入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りであれば、70/100の割合で看板パターンとして「pt10」に決定し、30/100の割合で看板パターンとして「pt11」に決定する。また、例えば、図柄指定コマンドが示す入賞時判定結果がはずれであれば、20/100の割合で看板パターンとして「pt10」に決定し、80/100の割合で看板パターンとして「pt11」に決定する。
なお、「pt10」は、1回目の変動において赤色の看板を表示する看板パターンであり、「pt11」は、1回目の変動において白色の看板を表示する看板パターンである。
また、例えば、連続回数Kmaxが「2」である場合、最新の図柄指定コマンドが示す入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りであれば、70/100の割合で看板パターンとして「pt20」に決定し、20/100の割合で看板パターンとして「pt21」に決定し、10/100の割合で看板パターンとして「pt22」に決定する。また、例えば、最新の図柄指定コマンドが示す入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りであれば、50/100の割合で看板パターンとして「pt20」に決定し、30/100の割合で看板パターンとして「pt21」に決定し、20/100の割合で看板パターンとして「pt22」に決定する。また、例えば、最新の図柄指定コマンドが示す入賞時判定結果がはずれであれば、10/100の割合で看板パターンとして「pt20」に決定し、20/100の割合で看板パターンとして「pt21」に決定し、70/100の割合で看板パターンとして「pt22」に決定する。
なお、「pt20」は、1,2回目の変動において赤色の看板を表示する看板パターンであり、「pt21」は、1回目の変動において白色の看板を表示し、2回目の変動において赤色の看板を表示する看板パターンであり、「pt22」は、1,2回目の変動において白色の看板を表示する看板パターンである。
また、例えば、連続回数Kmaxが「3」である場合、最新の図柄指定コマンドが示す入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りであれば、40/100の割合で看板パターンとして「pt30」に決定し、30/100の割合で看板パターンとして「pt31」に決定し、20/100の割合で看板パターンとして「pt32」に決定し、10/100の割合で看板パターンとして「pt33」に決定する。また、例えば、最新の図柄指定コマンドが示す入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りであれば、10/100の割合で看板パターンとして「pt30」に決定し、20/100の割合で看板パターンとして「pt31」に決定し、30/100の割合で看板パターンとして「pt32」に決定し、40/100の割合で看板パターンとして「pt33」に決定する。また、例えば、最新の図柄指定コマンドが示す入賞時判定結果がはずれであれば、5/100の割合で看板パターンとして「pt30」に決定し、10/100の割合で看板パターンとして「pt31」に決定し、25/100の割合で看板パターンとして「pt32」に決定し、60/100の割合で看板パターンとして「pt33」に決定する。
なお、「pt30」は、1〜3回目の変動において赤色の看板を表示する看板パターンであり、「pt31」は、1回目の変動において白色の看板を表示し、2,3回目の変動において赤色の看板を表示する看板パターンであり、「pt32」は、1,2回目の変動において白色の看板を表示し、3回目の変動において赤色の看板を表示する看板パターンであり、「pt33」は、1〜3回目の変動において白色の看板を表示する看板パターンである。
また、例えば、連続回数Kmaxが「4」以上である場合、最新の図柄指定コマンドが示す入賞時判定結果が15R確変大当りまたは8R確変大当りであれば、50/100の割合で看板パターンとして「pt40」に決定し、20/100の割合で看板パターンとして「pt41」に決定し、15/100の割合で看板パターンとして「pt42」に決定し、10/100の割合で看板パターンとして「pt43」に決定し、5/100の割合で看板パターンとして「pt44」に決定する。また、例えば、最新の図柄指定コマンドが示す入賞時判定結果が突然確変大当りまたは小当りであれば、20/100の割合で看板パターンとして「pt40」に決定し、20/100の割合で看板パターンとして「pt41」に決定し、20/100の割合で看板パターンとして「pt42」に決定し、20/100の割合で看板パターンとして「pt43」に決定し、20/100の割合で看板パターンとして「pt44」に決定する。また、例えば、最新の図柄指定コマンドが示す入賞時判定結果がはずれであれば、5/100の割合で看板パターンとして「pt40」に決定し、10/100の割合で看板パターンとして「pt41」に決定し、15/100の割合で看板パターンとして「pt42」に決定し、20/100の割合で看板パターンとして「pt43」に決定し、50/100の割合で看板パターンとして「pt44」に決定する。
なお、「pt40」は、1回目の変動から連続予告演出における最後の変動まで赤色の看板を表示する看板パターンであり、「pt41」は、1回目の変動において白色の看板を表示し、2回目の変動から連続予告演出における最後の変動まで赤色の看板を表示する看板パターンであり、「pt42」は、1,2回目の変動において白色の看板を表示し、3回目の変動から連続予告演出における最後の変動まで赤色の看板を表示する看板パターンであり、「pt43」は、1〜3回目の変動において白色の看板を表示し、4回目以降の変動において赤色の看板を表示する看板パターンであり、「pt44」は、1〜4回目の変動において白色の看板を表示する看板パターンである。
このように、本実施の形態では、白色の看板よりも赤色の看板の方が大当りに対する信頼度が高い構成であるとともに、一旦赤色の看板を表示した後には白色の看板を表示しない構成としている。仮に、一旦赤色の看板を表示した後にも白色の看板を表示する構成とした場合には、赤色の看板を表示することにより遊技者に期待感を与えたにもかかわらず、白色の看板を表示することにより遊技者を落胆させてしまう。そこで、本実施の形態のように、信頼度の高い表示態様にて表示した後に、信頼度の低い表示態様にて表示しないよう構成することにより、遊技者に与えた期待感を維持させることができる。
また、本実施の形態では、連続予告演出を成功させる場合、最終変動では報知演出を実行しない(すなわち、看板を表示しない)ものであるため、最終変動以外の変動においてはステップS3515にて記憶した看板パターンを参照して表示態様を決定するものであるが、最終変動ではステップS3515にて記憶した看板パターンは参照しないものである。なお、連続予告演出を失敗させる場合には、最終変動であっても報知演出を実行するため、全ての変動でステップS3515にて記憶した看板パターンを参照して表示態様を決定するものである。
なお、連続予告演出を成功させる場合であっても、失敗させる場合であっても、共通した看板パターンを用いることにしたが、成功させる場合と、失敗させる場合とで、それぞれ異なる看板パターンが設けられていることとしてもよい。例えば、失敗させる場合の看板パターンとしては、本実施の形態のように、連続予告演出の最終変動の看板態様まで含む看板パターンが設けられる一方で、成功させる場合の看板パターンとしては、連続予告演出の最終変動以外の看板態様を含む看板パターンが設けられていることとしてもよい。
また、本実施の形態では、連続回数Kmaxが「4」以上である場合には、連続回数Kmaxの値が「4」〜「8」のうちいずれであっても、共通した割合にて看板パターンを決定することとしたが、これに限るものではない。例えば、連続回数Kmaxが「4」以上である場合にも、「1」〜「3」である場合と同様に、連続回数Kmax毎に異なる割合にて看板パターンを決定することとしてもよい。
また、本実施の形態では、連続回数Kmaxが「4」以上である場合には、4回目以降の変動では同一の表示態様にて看板を表示する看板パターンのみを有することとしているが、4回目以降の変動であっても異なる表示態様にて看板を表示する看板パターンを有することとしてもよい。例えば、連続回数maxが「8」である場合の看板パターンとして、1〜6回目の変動において白色の看板を表示し、7,8回目の変動において赤色の看板を表示する看板パターンを有することとしてもよい。
また、本実施の形態では、看板の表示態様として白色と赤色の2種類の表示態様を有することとしたが、これに限るものではない。例えば、3種類以上の表示態様(例えば、白色、赤色、金色)を有することとしてもよい。
また、本実施の形態では、連続予告演出中の1回の変動に対して一の看板態様が対応付けられることとしたが、連続予告演出中の1回の変動に対して複数の看板態様が対応づけられることとしてもよい。例えば、看板の表面の表示態様と裏面の表示態様とが異なるようにしてもよい。
図38は、図34に示された演出制御プロセス処理における変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)を示すフローチャートである。変動パターンコマンド受信待ち処理において、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS811)。変動パターンコマンド受信フラグがセットされていれば、変動パターンコマンド受信フラグをリセットする(ステップS812)。そして、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動開始処理(ステップS801)に対応した値に更新する(ステップS813)。なお、前述したように、この実施の形態では、停電復旧時にも表示結果指定コマンドの送信が行われる(ステップS44参照)のであるが、図38に示すように、この実施の形態では、通常時には、変動パターンコマンドを受信したことにもとづいて演出図柄変動開始処理に移行し演出図柄の変動表示を開始するので、変動パターンコマンドを受信することなく表示結果指定コマンドを受信したのみでは演出図柄の変動表示は開始されない。
図39は、図34に示された演出制御プロセス処理における演出図柄変動開始処理(ステップS801)を示すフローチャートである。演出図柄変動開始処理において、演出制御用CPU101は、まず、変動パターンコマンド格納領域から変動パターンコマンドを読み出す(ステップS8001)。次いで、演出制御用CPU101は、ステップS8002で読み出した変動パターンコマンド、および表示結果指定コマンド格納領域に格納されているデータ(すなわち、受信した表示結果指定コマンド)に応じて演出図柄の表示結果(停止図柄)を決定する(ステップS8002)。すなわち、演出制御用CPU101によってステップS8002の処理が実行されることによって、可変表示パターン決定手段が決定した可変表示パターン(変動パターン)に応じて、識別情報の可変表示の表示結果(演出図柄の停止図柄)を決定する表示結果決定手段が実現される。なお、変動パターンコマンドで擬似連が指定されている場合には、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、擬似連中の仮停止図柄としてチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせや、通常では表示されない特殊な画像(数字以外の画像であってもよい。)を含む図柄の組み合わせなど。「擬似連図柄」ともいう。)も決定する。また、演出制御用CPU101は、ステップS8002において、「図柄変動時の変動形態の変化」の演出態様の連続演出を実行すると決定されている場合には、演出図柄の停止図柄として、いわゆるチャンス目図柄(例えば、「223」や「445」のように、リーチとならないものの大当り図柄と1つ図柄がずれている図柄の組み合わせ)を決定する。なお、演出制御用CPU101は、決定した演出図柄の停止図柄を示すデータを演出図柄表示結果格納領域に格納する。なお、ステップS8002において、演出制御用CPU101は、受信した変動パターンコマンドにもとづいて大当りであるか否かを判定し、変動パターンコマンドのみにもとづいて演出図柄の停止図柄を決定するようにしてもよい。
図40は、演出表示装置9における演出図柄の停止図柄の一例を示す説明図である。図40に示す例では、受信した表示結果指定コマンドが「15R確変大当り」または「8R確変大当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果2指定コマンドまたは表示結果3指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として3図柄が同じ図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する。なお、「15R確変大当り」または「8R確変大当り」のいずれであるかに応じて停止図柄の決定割合を異ならせてもよい。例えば、「15R確変大当り」である場合には、3図柄が同じ奇数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する割合を高くし、「8R確変大当り」である場合には、3図柄が同じ偶数図柄で揃った演出図柄の組合せを決定する割合を高くするようにしてもよい。
また、受信した表示結果指定コマンドが「突然確変大当り」や「小当り」を示している場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果5指定コマンドまたは表示結果6指定コマンドである場合)、演出制御用CPU101は、停止図柄として「135」などの演出図柄の組合せを決定する。そして、「はずれ」の場合には(受信した表示結果指定コマンドが表示結果1指定コマンドである場合)、上記以外の演出図柄の組み合わせを決定する。ただし、リーチ演出を伴う場合には、左右の2図柄が揃った演出図柄の組み合わせを決定する。また、演出表示装置9に導出表示される3図柄の組合せが演出図柄の「停止図柄」である。
演出制御用CPU101は、例えば、停止図柄を決定するための乱数を抽出し、演出図柄の組合せを示すデータと数値とが対応付けられている停止図柄決定テーブルを用いて、演出図柄の停止図柄を決定する。すなわち、抽出した乱数に一致する数値に対応する演出図柄の組合せを示すデータを選択することによって停止図柄を決定する。
なお、演出図柄についても、大当りを想起させるような停止図柄(左中右が全て同じ図柄で揃った図柄の組み合わせ)を大当り図柄という。また、はずれを想起させるような停止図柄をはずれ図柄という。
次いで、演出制御用CPU101は、演出図柄の変動表示中に演出表示装置9において予告演出(連続予告演出以外の予告演出。例えば、ステップアップ予告演出やミニキャラ予告演出、可動物予告演出、演出羽根役物予告演出などであってもよい。)を実行するか否かを決定したり予告演出の演出態様を設定する予告演出設定処理を実行する(ステップS8003)。
その後、連続予告演出における設定を行うための連続予告演出設定処理を実行する(ステップS8003A)。連続予告演出設定処理の詳細は、図42に後述する。
次いで、演出制御用CPU101は、変動パターン、連続予告演出以外の予告演出を実行する場合にはその連続予告演出以外の予告演出、および連続予告演出を実行する場合には連続予告演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8004)。そして、選択したプロセステーブルのプロセスデータ1におけるプロセスタイマをスタートさせる(ステップS8005)。
図41は、プロセステーブルの構成例を示す説明図である。プロセステーブルとは、演出制御用CPU101が演出装置の制御を実行する際に参照するプロセスデータが設定されたテーブルである。すなわち、演出制御用CPU101は、プロセステーブルに設定されているプロセスデータに従って演出表示装置9等の演出装置(演出用部品)の制御を行う。プロセステーブルは、プロセスタイマ設定値と表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データの組み合わせが複数集まったデータで構成されている。表示制御実行データには、演出図柄の可変表示の可変表示時間(変動時間)中の変動態様を構成する各変動の態様を示すデータ等が記載されている。具体的には、演出表示装置9の表示画面の変更に関わるデータが記載されている。また、プロセスタイマ設定値には、その変動の態様での変動時間が設定されている。演出制御用CPU101は、プロセステーブルを参照し、プロセスタイマ設定値に設定されている時間だけ表示制御実行データに設定されている変動の態様で演出図柄を表示させる制御を行う。
図41に示すプロセステーブルは、演出制御基板80におけるROMに格納されている。また、プロセステーブルは、各変動パターンに応じて用意されている。
なお、演出制御用CPU101は、連続予告演出以外の予告演出を実行することに決定され、連続予告演出以外の予告演出を実行する場合には、ステップS8004において連続予告演出以外の予告演出に対応したプロセステーブルを選択する。
なお、リーチ演出を伴う変動パターンについて演出制御を実行する場合に用いられるプロセステーブルには、変動開始から所定時間が経過したときに左図柄を停止表示させ、さらに所定時間が経過すると右図柄を停止表示させることを示すプロセスデータが設定されている。なお、停止表示させる図柄をプロセステーブルに設定するのではなく、決定された停止図柄、擬似連や滑り演出における仮停止図柄に応じて、図柄を表示するための画像を合成して生成するようにしてもよい。
また、本実施の形態では、いずれの変動パターンコマンドにもとづいて演出図柄の可変表示を行う場合であっても、変動停止直前(変動停止時よりも0.5秒前から変動停止時までの期間)においては低速態様(第1態様)にて演出図柄を可変表示させ、それ以外の期間(変動開始から変動停止時よりも0.5秒前までの期間)においては低速態様よりも可変表示速度が速い高速態様(第2態様)にて演出図柄を可変表示させるプロセステーブルが選択されることとなる。なお、後述するステップS4204,S4207において選択される報知演出は、変動開始から変動停止時よりも0.5秒前までの期間(高速態様にて演出図柄を可変表示されている期間)において実行されるものである。なお、本実施の形態における低速態様または高速態様における可変表示速度は、それぞれ一定のものであることとするが、これに限るものではなく変化を有するものであってもよい。
また、演出制御用CPU101は、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプおよび演出用部品としてのスピーカ27)の制御を実行する(ステップS8006)。例えば、演出表示装置9において変動パターンに応じた画像を表示させるために、VDP109に指令を出力する。また、各種ランプを点灯/消灯制御を行わせるために、ランプドライバ基板35に対して制御信号(ランプ制御実行データ)を出力する。また、スピーカ27からの音声出力を行わせるために、音声出力基板70に対して制御信号(音番号データ)を出力する。
なお、この実施の形態では、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに1対1に対応する変動パターンによる演出図柄の可変表示が行われるように制御するが、演出制御用CPU101は、変動パターンコマンドに対応する複数種類の変動パターンから、使用する変動パターンを選択するようにしてもよい。
次いで、演出制御用CPU101は、変動時間タイマに、変動パターンコマンドで特定される変動時間に相当する値を設定する(ステップS8007)。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動中処理(ステップS802)に対応した値にする(ステップS8008)。
図42は、連続予告演出設定処理を示すフローチャートである。連続予告演出設定処理において、演出制御用CPU101は、まず、連続予告中フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4201)、セットされていない場合にはそのまま連続予告演出設定処理を終了する。セットされている場合には、位置指数Pから「1」を減算し(ステップS4202A)、実行済回数Kに「1」を加算する(ステップS4202B)。
ステップS4202Bの後、演出制御用CPU101は、実行済回数Kと連続回数Kmaxが同値であるか否か、すなわち、連続予告演出の最終変動であるか否かを判定する(ステップS4203)。同値ではない場合、すなわち、連続予告演出の最終変動ではない場合、演出制御用CPU101は、位置指数P、実行済回数Kおよび看板パターンにもとづいて継続連続予告演出を選択し(ステップS4204)、連続予告演出設定処理を終了する。ステップS4204では、具体的には、まず、ステップS3515において記憶した看板パターンと実行済回数Kとを比較することにより、看板の表示態様を決定する。例えば、看板パターンとして「pt32」が記憶されており、実行済回数Kの値が「2」である場合には、看板の表示態様として白色の表示態様を設定する。そして、キャラクタAを表示する位置として、位置指数Pが示す位置を決定する。例えば、上述したように、位置指数Pが「3」である場合には、キャラクタAの表示開始位置として第3位置を決定する。「継続連続予告演出」とは、キャラクタAが静止するパターンの報知演出(継続報知演出)を含む連続予告演出である。
ステップS4203において、実行済回数Kと連続回数Kmaxが同値である場合、すなわち、連続予告演出の最終変動である場合、成功フラグがセットされているか否かを判定し(ステップS4205)、セットされている場合、すなわち、成功させる連続予告演出の最終変動である場合、ステップS3511において記憶した成功文字にもとづいて成功連続予告演出を選択し(ステップS4206)、ステップS4208へ移行する。ステップS4206においては、具体的に、ステップS3511において記憶した成功文字を表示する成功連続予告演出を選択する。なお、連続予告演出を成功させて終了させる変動であるため、ここでは、キャラクタAの表示開始位置として第1位置を決定する。
ステップS4205において、成功フラグがセットされていない場合、すなわち、成功させない(失敗させる)連続予告演出の最終変動である場合、演出制御用CPU101は、位置指数P、実行済回数Kおよび看板パターンにもとづいて、失敗連続予告演出を選択し(ステップS4207)、ステップS4208へ移行する。ステップS4207においては、具体的に、まず、ステップS3515において記憶した看板パターンと実行済回数Kとを比較することにより、看板の表示態様を決定する。例えば、看板パターンとして「pt32」が記憶されており、実行済回数Kの値が「3」である場合には、看板の表示態様として赤色の表示態様を設定する。なお、最終変動であるため、記憶している看板パターンにおける最後の表示態様を決定することとしてもよい。そして、キャラクタAを表示する位置として、位置指数Pが示す位置を決定する。例えば、上述したように、位置指数Pが「3」である場合には、キャラクタAの表示開始位置として第3位置を決定する。「失敗連続予告演出」とは、キャラクタAが動いてしまう報知演出(失敗報知演出)を含む連続予告演出である。
ステップS4208において、演出制御用CPU101は、連続予告中フラグをリセットし(ステップS4208)、実行中の変動を最後に連続予告演出を終了させる。
図43は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動中処理(ステップS802)を示すフローチャートである。演出図柄変動中処理において、演出制御用CPU101は、プロセスタイマの値を1減算するとともに(ステップS8101)、変動時間タイマの値を1減算する(ステップS8102)。プロセスタイマがタイムアウトしたら(ステップS8103)、プロセスデータの切替を行う。すなわち、プロセステーブルにおける次に設定されているプロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定する(ステップS8104)。また、その次に設定されている表示制御実行データ、ランプ制御実行データおよび音番号データにもとづいて演出装置に対する制御状態を変更する(ステップS8105)。
そして、演出制御用CPU101は、変動時間タイマがタイムアウトしていれば(ステップS8111)、演出制御プロセスフラグの値を演出図柄変動停止処理(ステップS803)に応じた値に更新する(ステップS8112)。
図44は、演出制御プロセス処理における演出図柄変動停止処理(ステップS803)を示すフローチャートである。演出図柄変動停止処理において、まず、演出制御用CPU101は、演出図柄の停止図柄を表示していることを示す停止図柄表示フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS8301)。停止図柄表示フラグがセットされていれば、ステップS8305に移行する。この実施の形態では、演出図柄の停止図柄として大当り図柄を表示した場合には、ステップS8304で停止図柄表示フラグがセットされる。そして、ファンファーレ演出を実行するときに停止図柄表示フラグがリセットされる。従って、停止図柄表示フラグがセットされているということは、大当り図柄を停止表示したがファンファーレ演出をまだ実行していない段階であるので、ステップS8302の演出図柄の停止図柄を表示する処理を実行することなく、ステップS8305に移行する。
停止図柄表示フラグがセットされていない場合には、演出制御用CPU101は、決定されている停止図柄(はずれ図柄、大当り図柄)を停止表示させる制御を行う(ステップS8302)。その後、ステップS8302の処理で大当り図柄および小当り図柄のいずれも表示しなかった場合(すなわち、はずれ図柄を表示した場合)には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、ステップS8311に移行する。
ステップS8302の処理で大当り図柄または小当り図柄を停止表示した場合には(ステップS8303のY)、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをセットし(ステップS8304)、大当り開始指定コマンドを受信したことを示す大当り開始指定コマンド受信フラグ、または小当り/突然確変大当り開始指定コマンドを受信したことを示す小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされているか否か確認する(ステップS8305)。大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされている場合には、演出制御用CPU101は、停止図柄表示フラグをリセットし(ステップS8306)、ファンファーレ演出に応じたプロセステーブルを選択する(ステップS8307)。なお、演出制御用CPU101は、大当り開始指定コマンド受信フラグまたは小当り/突然確変大当り開始指定コマンド受信フラグがセットされていた場合には、セットされていたフラグをリセットする。
そして、演出制御用CPU101は、プロセスタイマ設定値をプロセスタイマに設定することによってプロセスタイマをスタートさせ(ステップS8308)、プロセスデータ1の内容(表示制御実行データ1、ランプ制御実行データ1、音番号データ1、可動部材制御データ1)に従って演出装置(演出用部品としての演出表示装置9、演出用部品としての各種ランプ、演出用部品としてのスピーカ27、および演出用部品としての可動部材78と演出羽根役物79a,79b)の制御を実行する(ステップS8309)。その後、演出制御プロセスフラグの値を大当り表示処理(ステップS804)に応じた値に更新する(ステップS8310)。
大当りおよび小当りのいずれともしないことに決定されている場合には(ステップS8303のN)、演出制御用CPU101は、所定のフラグをリセットする(ステップS8311)。例えば、演出制御用CPU101は、第1図柄変動指定コマンド受信フラグや、第2図柄変動指定コマンド受信フラグをリセットする。なお、演出制御用CPU101は、コマンド受信フラグを演出制御プロセス処理や第4図柄プロセス処理において参照されたあと直ぐにリセットするようにしてもよい(例えば、図38のステップS811に示すように、変動パターンコマンド受信フラグを確認すると直ちに変動パターンコマンド受信フラグをリセットするようにしてもよい)。ただし、例えば、図柄変動指定コマンドについては、演出制御プロセス処理と第4図柄プロセス処理との両方で参照されるので、この実施の形態で示すように、変動終了の際に演出図柄変動停止処理などにおいてリセットしたり、大当り終了の際に大当り終了演出処理においてリセットしたりすることが望ましい。そして、演出制御用CPU101は、演出制御プロセスフラグの値を変動パターンコマンド受信待ち処理(ステップS800)に応じた値に更新する(ステップS8312)。
図45および図46は、連続予告演出における表示例を示す説明図である。図45および図46には、連続予告演出の予告対象ではない保留表示が表示されているときに新たな保留記憶が発生し、該新たな保留記憶に対する連続予告演出を実行することが決定された場合における演出表示装置9の表示例について示している。なお、連続予告演出における予告対象である保留記憶が発生したときの合算保留記憶数は「3」であるものとする。従って、ステップS3514においては位置指数Pとして「4」がセットされる。
まず、図45(A)に示すように、連続予告演出の予告対象ではない保留表示501と、連続予告演出の予告対象である保留表示502とが演出表示装置9に表示されている状態において、実行していた変動が停止する。そして、次の変動が開始され、図45(B)に示すように、保留表示502を予告対象とした連続予告演出が開始される。具体的には、「だるまさんが」と記載された看板503(このときの表示態様は白色である)が表示されるとともに、位置指数Pの値が「1」減算されて「3」となることから、第3位置にて表示されたキャラクタA505がキャラクタB504に近づいていく画像が表示される。
そして、失敗連続予告演出が選択されている場合には、図45(D)に示すように、看板503の表示が「だるまさんが」から「転んだ」に切り替えられるとともに、第2位置にてキャラクタA505が動いてしまう報知演出が実行され、実行中の変動にて連続予告演出が終了することとなる。
一方で、継続連続予告演出が選択されている場合には、図45(C)に示すように、看板503の表示が「だるまさんが」から「転んだ」に切り替えられるとともに、第2位置にてキャラクタA505が静止する報知演出が実行され、連続予告演出が継続することが報知される。
そして、図45(C)の後、次の変動が開始されるとともに、図46(A)に示すように、「だるまさんが」と記載された看板503(このときの表示態様は赤色である)が表示されるとともに、位置指数Pの値が「1」減算されて「2」となることから、第2位置にて表示されたキャラクタA505がキャラクタB504に近づいていく画像が表示される。
そして、失敗連続予告演出が選択されている場合には、図46(D)に示すように、図45(D)と同様に、看板503の表示が「だるまさんが」から「転んだ」に切り替えられるとともに、第1位置にてキャラクタA505が動いてしまう報知演出が実行され、実行中の変動にて連続予告演出が終了することとなる。
一方で、継続連続予告演出が選択されている場合には、図46(B)に示すように、図45(C)と同様に、看板503の表示が「だるまさんが」から「転んだ」に切り替えられるとともに、第1位置にてキャラクタA505が静止する報知演出が実行され、連続予告演出が継続することが報知される。
そして、図46(B)の後、成功させる連続予告演出における最終変動が開始され、キャラクタA505がキャラクタB504の位置に到達するとともに、成功文字506として「チャンス」が表示される。
以上に説明したように、この実施の形態によれば、遊技を実行可能な遊技機であって、可変表示を実行可能な可変表示実行手段(本例では、遊技制御用マイクロコンピュータ560における、ステップS300〜S304を実行する部分)と、複数回の可変表示に亘って特定演出(本例では、連続予告演出)を実行可能な特定演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS8003にて設定した連続予告演出に応じたプロセステーブルをステップS8004にて選択し、選択したプロセステーブルを用いてステップS8006,S8105を実行する部分)と、特定演出が開始された後に、特定演出が次の可変表示においても継続して行われるか否かを報知する継続演出(本例では、報知演出(継続報知演出、失敗報知演出))を実行する継続演出実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、ステップS4204,S4207にて設定した連続予告演出に応じたプロセステーブルをステップS8004にて選択し、選択したプロセステーブルを用いてステップS8006,S8105を実行する部分)とを備えている。これにより、特定演出を開始した後にも遊技者を注目させることができる。
なお、本実施の形態では、「特定演出」として、キャラクタAが複数回の変動に亘って移動するとともに、最終変動にてキャラクタBの位置まで到達することにより大当りが発生することに対する信頼度を示す連続予告演出を実行するとともに、「継続演出」として、キャラクタAがキャラクタBの方向に移動するとともに所定のタイミングにて静止するか否かにより次の変動まで特定演出が継続するか否かを示す報知演出を実行することとしたため、継続演出(報知演出)が特定演出(連続予告演出)に含まれることとなったが、それぞれ別々の演出であってもよい。例えば、「特定演出」として、複数回の変動に亘って特定のキャラクタに関する一連の動画を表示する演出を実行するとともに、「継続演出」として、点灯するランプの色調によって特定演出が次の変動まで継続するか否かを報知する演出を実行することとしてもよい。
なお、本実施の形態では、「特定演出」として、予告対象の変動を含む複数の変動に亘る連続予告演出を実行可能であることとしたが、これに限るものではなく、例えば、予告対象の変動を除いた複数の変動に亘る連続予告演出を実行することとしてもよい。
また、本実施の形態では、可変表示手段により可変表示される識別情報(本例では、第1特別図柄、第2特別図柄)と同期して演出用識別情報(本例では、演出図柄)の可変表示を実行可能な演出用可変表示実行手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS801〜S803を実行する部分)を備え、演出用可変表示実行手段は、第1態様(本例では、低速態様)と、該第1態様よりも可変表示速度が速い第2態様(本例では、高速態様)とのいずれかの態様にて、演出用識別情報の可変表示を実行し(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、高速態様の後に低速態様にて演出図柄を変動表示するプロセステーブルをステップS8004において選択し、選択したプロセステーブルを用いてステップS8006,S8105を実行する)、継続演出実行手段は、少なくとも、演出用識別情報の可変表示が第2態様にて実行されているときに継続演出を実行可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、高速態様(第2態様)にて演出図柄が可変表示されている期間において報知演出を実行する)こととした。これにより、演出用識別情報の可変表示が第2態様にて実行されているときの興趣を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、演出図柄の可変表示速度として2種類の態様(低速態様、高速態様)を設けることとしたが、3種類以上の態様を設け、演出内容に応じて可変表示速度を切り替えることとしてもよい。
また、本実施の形態では、継続演出実行手段は、特定演出が実行されている可変表示のうち、最終可変表示を除いた各可変表示において継続演出を実行する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、連続予告演出における最終変動(予告対象である変動)以外の各変動において、ステップS4204またはステップS4207を実行する)こととした。これにより、遊技者に対して特定演出の継続を認識させやすくすることができる。
なお、本実施の形態では、連続予告演出における各変動にて継続演出を実行することとしたが、これに限るものではなく、不定期な変動にて継続演出を実行することとしてもよいし、または1回の連続予告演出に対して1回のみ継続演出を実行可能であることとしてもよい。
また、本実施の形態では、連続予告演出が実行されている変動のうち、予告対象である変動を除いた変動において報知演出を実行するものとしたが、これに限るものではなく、例えば、予告対象である変動においても報知演出を実行するものであってもよい。その場合、予告対象である変動において失敗報知演出が行われることとなるが、仮に保留記憶が記憶されていない状態で報知演出を実行しても、次の変動まで連続予告演出が継続することを遊技者に期待させることができないため、保留記憶が記憶されている状態であることが望ましい。
また、本実施の形態では、継続演出実行手段は、複数種類の演出態様(本例では、報知演出において表示する看板の表示態様が異なる複数の看板パターン)のうちいずれかの演出態様にて継続演出を実行する(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS3515において複数の看板パターンから一の看板パターンを選択し、該一の看板パターンにもとづいた連続予告演出をステップS4204,S4207にて設定し、設定した連続予告演出に応じたプロセステーブルをステップS8004にて選択し、選択したプロセステーブルを用いてステップS8006,S8105を実行する)こととした。これにより、演出効果を向上させることができる。
なお、本実施の形態では、複数の看板パターン(複数種類の演出態様)によって、連続予告演出における予告対象の変動において大当りが発生することに対する信頼度を示すものとしているが、これに限るものではない。例えば、連続予告演出が次の変動まで継続することに対する信頼度を示すものとした場合であってもよい。なお、その場合であっても、結果的に連続予告演出における予告対象の変動において大当りが発生することに対する信頼度を示すことになる。
また、本実施の形態では、継続演出の演出態様として、看板の表示態様が異なる複数種類の看板パターンを有することとしたが、これに限るものではなく、例えば、看板の文字の表示態様(表示内容、フォント、色調、模様、大きさ)が異なる複数種類の演出態様を有することとしてもよい。
また、本実施の形態では、3種類の成功文字(「チャンス」、「激アツ」および「FEVER」)が設けられているものとしたが、これに限るものではない。例えば、2種類以下の成功文字が設けられているものであってもよいし、4種類以上の成功文字が設けられているものであってもよい。
また、本実施の形態では、報知演出の演出態様を一括して決定することとしているが、これに限るものではない。例えば、報知演出を実行する度に演出態様を決定することとしてもよい。
なお、本実施の形態では、連続予告演出において表示されるキャラクタは1パターンのみであることとしたが、複数パターンのキャラクタを表示可能であることとしてもよい。その場合、例えば、複数パターンのキャラクタからいずれかのキャラクタを選択して表示することとし、選択されるキャラクタのパターンによって、連続予告演出の成功または継続しやすさや、大当りが発生することに対する信頼度を示すものであってもよい。
また、本実施の形態では、キャラクタの動作パターンは1パターンのみ(歩くパターンのみ)であることとしたが、複数パターンの動作(歩く、走る、すり足、四つ足、速度変化など)にて表示可能であることとしてもよい。その場合、例えば、複数パターンの動作からいずれかの動作を選択して表示することとし、選択される動作のパターンによって、連続予告演出の成功または継続しやすさや、大当りが発生することに対する信頼度を示すものであってもよい。また、キャラクタの移動態様についても、必ずしも1つ隣の表示位置(例えば、図45(B)(C)では第3位置から第2位置)に移動するものでなくてもよい。例えば、1回の変動にて1つ隣の表示位置(例えば、第4位置から第3位置)に移動するパターンと、1回の変動にて2つ隣の表示位置(例えば、第4位置から第2位置)に移動するパターンと、1回の変動にて3つ隣の表示位置(例えば、第4位置から第1位置)に移動するパターンとが設けられていることとしてもよい。その場合、連続予告演出の予告対象である保留記憶を遊技者に認識させにくくすることができるため、いずれの変動においても連続予告演出の予告対象であることに対する期待感を遊技者に与えることができる。
また、本実施の形態では、連続予告演出において、キャラクタの初期位置を固定する(キャラクタAの初期位置は予告対象である保留記憶に対応する保留表示を基準とした位置であり、キャラクタBの初期位置は第1位置よりも左の位置)こととしたが、これに限るものではない。例えば、キャラクタの初期位置として複数の位置が設けられており、いずれの位置を初期位置とするかによって有利状態となることに対する信頼度が異なるものであってもよい。具体的には、キャラクタAの初期位置がキャラクタBに近い位置である程、大当りが発生することに対する信頼度が高いものであってもよい。
また、本実施の形態では、報知演出におけるキャラクタAの位置によって、連続予告演出の予告対象がいずれの保留表示であるかを示す(報知演出終了時におけるキャラクタAの位置の下部に表示されている保留表示が連続予告演出の予告対象である)こととしているが、これに限るものではなく、いずれの保留表示を予告対象とした連続予告演出であるかを示さないものであってもよい。
また、遊技盤6上の各部材の配置については、図1に示したものに限られない。例えば、流下する遊技球を複数の経路に振り分けるための振分装置が設けられているものであってもよい。具体的には、第1始動入賞口13が配置された第1経路と、第2始動入賞口14が配置された第2経路とに遊技球を振り分ける振分装置が設けられているものであってもよい。
また、本実施の形態では、連続予告演出の予告対象である保留記憶が発生した次の変動から連続予告演出を開始するものとしたが、これに限るものではない。例えば、連続予告演出を開始するタイミングを抽選によって決定し、決定結果にもとづいて連続予告演出を開始するものであってもよい。また、連続予告演出の実行回数の上限回数を設け、保留記憶数にかかわらず、該上限回数を超えないタイミングから連続予告演出を開始することとしてもよい。例えば、連続予告演出の実行回数の上限が4回であり、8個目の保留記憶に対する連続予告演出の実行が決定された場合、該保留記憶が発生してから4回の変動では連続予告演出を開始せずに、連続予告演出の予告対象である保留記憶が3個目の保留記憶になったタイミング(連続予告演出の予告対象である保留記憶が記憶されてから5回目の変動開始タイミング)から連続予告演出を開始することとしてもよい。その場合、連続予告演出の予告対象である変動を含めて4回の連続予告演出を実行することとなる。
また、本実施の形態においては、複数の変動に亘って実行する連続予告演出が開始された後に、該連続予告演出が次の変動においても継続して行われるか否かを報知する継続演出を実行することとしたが、擬似連が開始された後に、該擬似連において次の再変動が行われるか否かを報知する継続演出を実行することとしてもよい。また、連続予告演出のうちの一部の変動において擬似連を実行可能とし、連続予告演出が次の変動においても継続して行われるか否か、および擬似連における次の再変動が行われるか否かを報知する継続演出を実行することとしてもよい。
また、本実施の形態においては、保留表示の表示態様としては、保留表示を固定表示する表示態様のみとしたが、これに限るものではない。例えば、所定の周期で動作表示する特定保留表示を表示可能にしたものであってもよい。具体的には、以下の変形例を用いて説明する。なお、上述した実施の形態と同じ箇所については、説明を省略する。
この変形例においては、上述した実施の形態とは異なり、第1保留記憶と第2保留記憶とが記憶されている場合には、第1保留記憶に対する変動表示よりも第2保留記憶に対する変動表示を優先して実行するものである。また、この変形例においては、上述した実施の形態とは異なり、第1始動入賞口13への始動入賞が発生した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、第1保留記憶数が1増加したことを指定する第1保留記憶数加算指定コマンドが送信され、第2始動入賞口14への始動入賞が発生した場合には、遊技制御用マイクロコンピュータ560から演出制御用マイクロコンピュータ100に対して、第2保留記憶数が1増加したことを指定する第2保留記憶数加算指定コマンドが送信されるものである。また、この変形例においては、上述した実施の形態とは異なり、ステップS656A,S658Aにおいては合算保留記憶数表示の更新は行わないものである。また、この変形例においては、上述した実施の形態とは異なり、遊技状態として、通常状態(低確率/低ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態)および確変状態(高確率/高ベース状態)が設けられており、確変状態に移行する際には確変状態であることを示す確変フラグが、時短状態に移行する際には時短状態であることを示す時短フラグが、それぞれセットされるものである。具体的には、上述した実施の形態に示した大当り種別に加え、大当り遊技状態後に時短状態に移行する通常大当りが設けられているものである。また、この変形例においては、上述した実施の形態に示した合算保留記憶表示部18cに代えて、第1保留記憶数を表示する第1保留記憶表示部および第2保留記憶数を表示する第2保留記憶表示部が設けられている。
図47〜図50は、変形例における、保留表示制御処理(ステップS800A)を示すフローチャートである。保留表示制御処理は、上述した実施の形態における図34に示した演出制御プロセス処理において、連続予告演出決定処理(ステップS800A)の直前、または直後であってステップS800〜S810よりも前に実行される処理である。
保留表示制御処理において、演出制御用CPU101は、まず、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かを確認する(ステップS6000)。なお、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かは、例えば、演出図柄の変動表示中でなく(例えば、後述するステップS8007でセットされる変動時間タイマの値が0であり)、第1保留記憶および第2保留記憶のいずれもない(例えば、合算保留記憶数が0である)ことを確認することにより判定できる。客待ちデモンストレーション表示中であれば、そのまま保留表示制御処理を終了する。すなわち、客待ちデモンストレーション表示中に新たに始動入賞が発生しても、直ちに変動表示が開始され殆ど保留表示を表示する時間がないことから、ステップS6001以降の保留表示を表示する処理を行うことなく(保留表示の表示を行わずに)、そのまま処理を終了する。
なお、演出図柄の変動表示中であっても、第1保留記憶および第2保留記憶のいずれもなく、実行中の変動表示の残り時間が極めて少なく変動表示の終了直前である場合(例えば、残り1秒以内である場合)にも、新たに始動入賞が発生しても実質的に保留表示を表示する時間が殆どないことから、ステップS6001以降の保留表示を表示する処理を行うことなく(保留表示の表示を行わずに)、そのまま処理を終了するようにしてもよい。
また、例えば、演出図柄の変動表示を停止してから直ちに客待ちデモンストレーション表示を開始するのではなく、最後の変動表示を終了してから所定期間(例えば、1分間)経過後に客待ちデモンストレーション表示を開始するように構成している場合であれば、この所定期間中も保留記憶がなく変動表示を実行していない期間なのであるから、ステップS6000でYと判定し、そのまま処理を終了するようにしてもよい。
なお、客待ちデモンストレーション表示中でステップS6000でYと判定して保留表示制御処理を終了した場合には、保留記憶数加算指定コマンド(第1保留記憶数加算指定コマンド、第2保留記憶数加算指定コマンド)を受信しても保留表示を増加させていないのであるから、その後に保留記憶数減算指定コマンド(第1保留記憶数減算指定コマンド、第2保留記憶数減算指定コマンド)を受信しても、保留表示を削除しないように制御する。この場合、例えば、コマンド解析処理において新たな保留記憶数加算指定コマンドを受信したと判定した場合に、客待ちデモンストレーション表示中であるか否かを確認し、客待ちデモンストレーション表示中であれば、その旨を示すフラグをセットし、その後、保留記憶数減算指定コマンドを受信したときに、そのフラグがセットされていれば保留表示を削除する処理を実行しないようにすればよい。また、この場合、保留表示の増減の処理のみをスキップするのではなく、第1保留記憶数や第2保留記憶数の増減の処理自体も行わないようにしてもよい。
客待ちデモンストレーション表示中でなければ、演出制御用CPU101は、新たな始動入賞が発生して新たに始動入賞時のコマンドを受信したか否かを確認する(ステップS6001)。具体的には、図33に示した始動入賞時コマンド格納領域(入賞が発生した始動入賞口毎に異なる格納領域(例えば、第1始動入賞口13に対応する第1始動入賞時コマンド格納領域と、第2始動入賞口14に対応する第2始動入賞時コマンド格納領域)であってもよい)において新たなコマンドが格納されていれば、新たに始動入賞が発生して新たに始動入賞時のコマンドを受信したと判定することができる。
新たに始動入賞時のコマンドを受信してれば(ステップS6001のY)、演出制御用CPU101は、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)であるか否かを確認する(ステップS6002)。なお、遊技状態が確変状態であるか否かは、具体的には、確変状態フラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。
確変状態でなければ、演出制御用CPU101は、遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)であるか否かを確認する(ステップS6003)。なお、遊技状態が時短状態であるか否かは、具体的には、時短状態フラグがセットされているか否かを確認することにより判定できる。
遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)であれば、演出制御用CPU101は、保留予告演出を実行するか否かを決定するための保留予告決定テーブル(不図示)を用いて、新たに受信した変動カテゴリコマンドにもとづいて、保留予告演出を実行するか否かを決定するための乱数を用いた抽選処理を行い、保留予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS6004)。「保留予告演出」とは、予告演出の対象となる変動表示が開始されるよりも前に実行されるいわゆる先読み予告演出の一種であり、第1保留記憶表示部や第2保留記憶表示部における保留表示を通常とは異なる表示態様で表示することにより行われる予告演出である。
保留予告演出を実行しないことに決定した場合には(ステップS6005のN)、演出制御用CPU101は、通常の演出態様で出現演出の実行を開始する(ステップS6006)。
この実施の形態では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)や時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、通常態様の保留表示とは異なる特定保留表示を表示する。「特定保留表示」とは、所定の周期で動作表示する保留表示であり、この実施の形態では、1秒間の周期で反時計回りに1回転する態様の特定保留表示が表示される。なお、「特定保留表示」は、この実施の形態で示したものにかぎらず、所定の周期で動作表示するものであれば、例えば、所定の周期で左右方向や上下方向に揺動するものや、所定の周期で大きさが変化するもの、所定の周期で保留表示内の模様や色が変化するものであってもよい。
また、この実施の形態では、特定保留表示が表示される場合には出現演出が実行される。「出現演出」とは、特定保留表示の表示に伴って実行される演出であり、この実施の形態では、出現演出として、保留表示が濃淡が薄く視認しにくい状態から徐々に濃度が濃くなり視認しやすい状態に変化するような態様の演出が実行される。なお、この実施の形態では、出現演出を開始してから1秒程度をかけて保留表示の濃度が最大となり視認しやすい状態になるものとする。
なお、「出現演出」は、この実施の形態で示したものにかぎらず、特定保留表示の表示に伴って実行される演出であれば、どのような演出態様の演出であってもよい。例えば、保留表示の濃度が徐々に変化しているものにかぎらず、出現演出として、保留表示の大きさが小さく視認しにくい状態から徐々に大きくなり視認しやすい状態に変化するような態様の演出を実行してもよい。また、出現演出において必ずしも保留表示が表示される必要はなく、遊技者が特定保留表示の表示に伴って実行されていることを認識できるのであれば、出現演出として、保留表示を表示することなく所定のキャラクタを表示するような態様の演出を実行してもよい。また、この実施の形態では、出現演出を開始してから1秒程度をかけて保留表示が視認しやすい状態となる場合を示しているが、出現演出の演出期間は、この実施の形態で示したものにかぎらず、例えば、出現演出の演出期間が極めて短く(例えば、0.1秒)、殆ど直ぐに保留表示が表示されるように見えるものであってもよい。
また、この実施の形態では、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合には、出現演出の実行中から保留表示の動作表示を開始する。従って、確変状態(高確率/高ベース状態)である場合には、保留表示が動作表示しながら濃度が徐々に濃くなるような演出が実行され、出現演出の実行中から特定保留表示の表示が開始されるような態様の表示が行われる。一方、遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、出現演出の実行後に保留表示の動作表示を開始する。従って、時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、保留表示が動作表示しない状態で濃度が徐々に濃くなるような演出が実行され、出現演出を終了した後に保留表示の動作表示が開始され、出現演出の実行後に特定保留表示の表示が開始されるような態様の表示が行われる。
また、この実施の形態では、保留予告演出を実行しないことに決定した場合には、通常の演出態様で特定保留表示や出現演出が実行されるのであるが、保留予告演出を実行することに決定した場合には、先読み予告態様で特定保留表示や出現演出が実行される。この実施の形態では、保留表示を白色の丸形表示の内部に白色の三角表示で表示する態様で通常の演出態様の特定保留表示や出現演出を実行するのに対して、保留表示を白色の丸形表示の内部に赤色の三角表示で表示する態様で先読み予告態様の特定保留表示や出現演出を実行する。以下、この実施の形態では、通常の演出態様の特定保留表示や出現演出をそれぞれ「通常特定保留表示」や「通常出現演出」ともいい、先読み予告態様の特定保留表示や出現演出をそれぞれ「先読み特定保留表示」や「先読み出現演出」ともいう。
なお、「通常特定保留表示」や「通常出現演出」、「先読み特定保留表示」、「先読み出現演出」の態様は、この実施の形態で示したものにかぎらず、保留予告演出(先読み予告演出)が実行されているか否かを認識可能なものであればよい。例えば、「通常特定保留表示」や「通常出現演出」では保留表示を回転させるのに対して、「先読み特定保留表示」や「先読み出現演出」では保留表示を左右方向や上下方向に揺動するようにしてもよい。
ステップS6006では、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴わない通常出現演出の実行を開始する。この場合、演出制御用CPU101は、今回新たに受信した保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか第2保留記憶数加算指定コマンドであるかを確認し、第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、第1保留記憶表示部において通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第1保留記憶表示部に保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第1保留記憶が1つもなければ)第1保留記憶表示部の1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第1保留記憶表示部に保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第1保留記憶が1つあれば)第1保留記憶表示部の2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。一方、第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、第2保留記憶表示部において通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部に保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部の1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部に保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部の2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴わない通常出現演出の実行中であることを示す通常出現演出実行中フラグ(動作なし)をセットする(ステップS6007)。また、演出制御用CPU101は、出現演出の演出期間を計測するための出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6008)。そして、ステップS6027に移行する。
保留予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS6005のY)、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴わない先読み出現演出の実行を開始する(ステップS6009)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部において先読み出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部に保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部の1つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部に保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部の2つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始する。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴わない先読み出現演出の実行中であることを示す先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)をセットする(ステップS6010)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6011)。そして、ステップS6027に移行する。
遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)であれば(ステップS6002のY)、演出制御用CPU101は、ステップS6004と同様の処理に従って、保留予告決定テーブルを用いて、新たに受信した変動カテゴリコマンドにもとづいて、乱数を用いた抽選処理を行い、保留予告演出を実行するか否かを決定する(ステップS6012)。
保留予告演出を実行しないことに決定した場合には(ステップS6013のN)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部や第2保留記憶表示部に既に特定保留表示(通常特定保留表示、先読み特定保留表示)が表示されているか否かを確認する(ステップS6014)。既に特定保留表示されている場合には、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6015)。この実施の形態では、前述したように丸形表示の内部に三角表示で表示する態様で特定保留表示を表示するのであるが、その三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態が所定の基準動作位置となっている状態であるものとする。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていなければ、演出制御用CPU101は、通常出現演出を直ちには開始せず、通常出現演出の開始を待機していることを示す通常待機フラグをセットする(ステップS6016)。そして、ステップS6027に移行する。
特定保留表示が表示されていない場合(ステップS6014のN)または表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっている場合(ステップS6015のY)には、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する(ステップS6017)。この場合、演出制御用CPU101は、今回新たに受信した保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか第2保留記憶数加算指定コマンドであるかを確認し、第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、第1保留記憶表示部において通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第1保留記憶表示部に保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第1保留記憶が1つもなければ)第1保留記憶表示部の1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第1保留記憶表示部に保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第1保留記憶が1つあれば)第1保留記憶表示部の2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。一方、第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、第2保留記憶表示部において通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部に保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部の1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部に保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部の2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。
なお、ステップS6017で保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行中であることを示す通常出現演出実行中フラグ(動作あり)をセットする(ステップS6018)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6019)。そして、ステップS6027に移行する。
保留予告演出を実行することに決定した場合には(ステップS6013のY)、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部や第2保留記憶表示部に既に特定保留表示(通常特定保留表示、先読み特定保留表示)が表示されているか否かを確認する(ステップS6020)。既に特定保留表示されている場合には、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6021)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていなければ、演出制御用CPU101は、先読み出現演出を直ちには開始せず、先読み出現演出の開始を待機していることを示す先読み待機フラグをセットする(ステップS6022)。そして、ステップS6027に移行する。
特定保留表示が表示されていない場合(ステップS6020のN)または表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっている場合(ステップS6021のY)には、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う先読み出現演出の実行を開始する(ステップS6023)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部において先読み出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部に保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部の1つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部に保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部の2つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始する。
なお、ステップS6023で保留表示の動作表示を伴う先読み出現演出の実行を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う先読み出現演出の実行中であることを示す先読み出現演出実行中フラグ(動作あり)をセットする(ステップS6024)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6025)。そして、ステップS6027に移行する。
遊技状態が確変状態でも時短状態でもなかった場合(ステップS6003のN。すなわち、通常状態(低確率/低ベース状態)であった場合)には、演出制御用CPU101は、特定保留表示ではない通常態様の保留表示を1増加させる(ステップS6026)。この場合、演出制御用CPU101は、今回新たに受信した保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、第1保留記憶表示部において通常態様で第1保留表示(例えば、白色の丸形表示)を1つ増加させる。また、演出制御用CPU101は、今回新たに受信した保留記憶数加算指定コマンドが第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、第2保留記憶表示部において通常態様で第2保留表示(例えば、白色の丸形表示)を1つ増加させる。
次いで、演出制御用CPU101は、通常待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6027)。通常待機フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6028)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていれば、演出制御用CPU101は、通常待機フラグをリセットする(ステップS6029)。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する(ステップS6030)。この場合、演出制御用CPU101は、今回新たに受信した保留記憶数加算指定コマンドが第1保留記憶数加算指定コマンドであるか第2保留記憶数加算指定コマンドであるかを確認し、第1保留記憶数加算指定コマンドであれば、第1保留記憶表示部において通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第1保留記憶表示部に保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第1保留記憶が1つもなければ)第1保留記憶表示部の1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第1保留記憶表示部に保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第1保留記憶が1つあれば)第1保留記憶表示部の2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。一方、第2保留記憶数加算指定コマンドであれば、第2保留記憶表示部において通常出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部に保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部の1つ目の領域で通常出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部に保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部の2つ目の領域で通常出現演出の実行を開始する。
なお、ステップS6030で保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
次いで、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作あり)をセットする(ステップS6031)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6032)。そして、ステップS6039に移行する。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6033)。先読み待機フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6034)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていれば、演出制御用CPU101は、先読み待機フラグをリセットする(ステップS6035)。
次いで、演出制御用CPU101は、保留表示の動作表示を伴う先読み出現演出の実行を開始する(ステップS6036)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部において先読み出現演出の実行を開始する。また、この際に、例えば、第2保留記憶表示部に保留表示が1つも表示されていなければ(すなわち、第2保留記憶が1つもなければ)第2保留記憶表示部の1つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始し、第2保留記憶表示部に保留表示が1つ表示されていれば(すなわち、第2保留記憶が1つあれば)第2保留記憶表示部の2つ目の領域で先読み出現演出の実行を開始する。
なお、ステップS6036で保留表示の動作表示を伴う通常出現演出の実行を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み出現演出実行中フラグ(動作あり)をセットする(ステップS6037)。また、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマに所定値(本例では、1秒に相当する値)をセットする(ステップS6038)。そして、ステップS6039に移行する。
なお、この実施の形態では、ステップS6014〜S6025,S6027〜S6038の処理が実行されることによって、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合には、既に表示されている特定保留表示の動作表示と同期する態様で保留表示の動作表示を伴う出現演出(通常出現演出、先読み出現演出)の実行を開始するように制御する。
なお、この実施の形態において、保留表示の動作表示が「同期する」とは、動作表示を伴う複数の保留表示間で、保留表示が所定の基準動作位置となるタイミングが同じタイミングとなるようにすることである。具体的には、この実施の形態では、特定保留表示が複数表示されている場合や保留表示の動作を伴う出現演出を実行する場合に、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態となるタイミングが同じタイミングとなるように表示制御している。
なお、保留表示の動作表示を同期させる態様は、この実施の形態で示したものにかぎられない。例えば、複数表示されている保留表示の回転周期が1秒のものと2秒のものとがあるなど、動作周期の異なる保留表示が混在している場合であっても、保留表示が上方向を向いている状態となるタイミングが同じタイミングとなる(この場合、回転周期2秒の保留表示が1回転して再び上方向となるときに、回転周期1秒の保留表示は2回転して再び上方向となることになる)ものであってもよい。また、例えば、回転動作する保留表示と揺動動作する保留表示とがあるなど、動作態様の異なる保留表示が混在している場合であっても、一方の保留表示を上方向を向いている状態から回転動作を開始し、他方の保留表示を最下端の位置から上下方向に揺動動作を開始した場合に、1サイクルの動作周期後に、一方の保留表示が再び上方向を向いている状態となり、他方の保留表示が再び再下端の位置にいる状態となるものであってもよい。そのように、何らかの形態で保留表示が所定の基準動作位置となるタイミングが同じタイミングとなっているものであればよい。
また、この実施の形態では、ステップS6014〜S6025,S6027〜S6038の処理が実行されることによって、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)である場合に、新たな始動入賞が発生したタイミングで既に表示されている特定保留表示が所定の基準動作位置でなかった場合には、所定の基準動作位置となるまで待ってから保留表示の動作表示を伴う出現演出(通常出現演出、先読み出現演出)の実行を開始することによって、既に表示されている特定保留表示の動作表示と同期する態様で保留表示の動作表示を伴う出現演出を実行するようにしている。そのため、始動入賞が発生したタイミングと保留表示の動作表示を伴う出現演出が開始されるタイミングとの間に時間的なズレが生じることになるが、この実施の形態では、保留表示の動作周期は1秒程度であるので、大きく違和感を感じることはない。
なお、始動入賞が発生したタイミングでは一旦動作表示を伴わない態様で出現演出(例えば、静止画像)を表示しておき、所定の基準動作位置となったタイミングで出現演出の動作表示を開始するようにしてもよい。また、例えば、所定の基準動作位置となるまで待つことなく、始動入賞の発生と同時に既に表示される保留表示と同期させて保留表示の動作表示を伴う出現演出を開始するようにしてもよい。この場合、例えば、常にバックグランドで保留表示の動作を伴う出現演出を実行するようにしておき、始動入賞の発生のタイミングで、そのバックグランドで実行していた出現演出の表示を開始するようにすればよい。
また、この実施の形態で示したように、新たな始動入賞が発生した後に所定の基準動作位置(動作表示の同期がとれる位置)となるまで待ってから保留表示の動作表示を伴う出現演出を実行するように構成した場合、動作表示の同期がとれる位置となるまで待っている間にさらに新たな始動入賞が発生するケースも考えられる。そのような場合には、例えば、待機中の保留に対する出現演出や特定保留表示の態様などの情報を一旦記憶し、最新の始動入賞に対してS6014〜S6025,S6027〜S6038の処理を実行するようにすればよい。そして、保留が複数ある場合であっても、出現演出や特定保留表示における動作表示の同期タイミングは同じであるので、最新の始動入賞に対して動作表示の同期がとれる位置となったときに、最新の保留に対する出現演出と待機中であった保留に対する出現演出とを同時に開始することによって、保留表示の動作表示を伴う出現演出を同時に開始するようにすればよい。
次いで、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップS6039)。出現演出期間計測タイマの値が0となっていなければ、演出制御用CPU101は、出現演出期間計測タイマの値を1減算する(ステップS6040)。そして、演出制御用CPU101は、減算後の出現演出期間計測タイマの値が0となっているか否かを確認する(ステップS6041)。
減算後の出現演出期間計測タイマの値が0となっていれば(すなわち、出現演出の演出期間を終了すれば)、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされているか否かを確認する(ステップS6042)。通常出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされていれば、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作なし)をリセットする(ステップS6043)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部や第2保留記憶表示部に既に特定保留表示(通常特定保留表示、先読み特定保留表示)が表示されているか否かを確認する(ステップS6044)。既に特定保留表示されている場合には、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6045)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていなければ、演出制御用CPU101は、通常特定保留表示の表示を直ちには開始せず、通常特定保留表示の表示開始を待機していることを示す通常保留待機フラグをセットする(ステップS6046)。そして、ステップS6059に移行する。
特定保留表示が表示されていない場合(ステップS6044のN)または表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっている場合(ステップS6045のY)には、演出制御用CPU101は、通常特定保留表示の表示を開始する(ステップS6047)。この場合、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部において通常出現演出を実行していた場合には、その第1保留記憶表示部において通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部において通常出現演出を実行していた場合には、その第2保留記憶表示部において通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。
なお、ステップS6047で通常特定保留表示の表示を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6047の処理が実行される前に実行されていた通常出現演出において、保留表示の濃度が徐々に濃くなっていくような演出が行われているので、見た目上は、保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となった後に保留表示の動作表示が開始されるような表示が行われることになる。
通常出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされていなければ(ステップS6042のN)、演出制御用CPU101は、先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされているか否かを確認する(ステップS6048)。先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされていれば、演出制御用CPU101は、先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)をリセットする(ステップS6049)。
次いで、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部や第2保留記憶表示部に既に特定保留表示(通常特定保留表示、先読み特定保留表示)が表示されているか否かを確認する(ステップS6050)。既に特定保留表示されている場合には、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6051)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていなければ、演出制御用CPU101は、先読み特定保留表示の表示を直ちには開始せず、先読み特定保留表示の表示開始を待機していることを示す先読み保留待機フラグをセットする(ステップS6052)。そして、ステップS6059に移行する。
特定保留表示が表示されていない場合(ステップS6050のN)または表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっている場合(ステップS6051のY)には、演出制御用CPU101は、先読み特定保留表示の表示を開始する(ステップS6053)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部において先読み出現演出を実行していた位置に先読み特定保留表示を1増加させる。
なお、ステップS6053で先読み特定保留表示の表示を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6053の処理が実行される前に実行されていた先読み出現演出において、保留表示の濃度が徐々に濃くなっていくような演出が行われているので、見た目上は、保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となった後に保留表示の動作表示が開始されるような表示が行われることになる。
先読み出現演出実行中フラグ(動作なし)がセットされていなければ(ステップS6048のN)、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作あり)がセットされているか否かを確認する(ステップS6054)。通常出現演出実行中フラグ(動作あり)がセットされていれば、演出制御用CPU101は、通常出現演出実行中フラグ(動作あり)をリセットする(ステップS6055)。
次いで、演出制御用CPU101は、通常特定保留表示の表示を開始する(ステップS6056)。この場合、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部において通常出現演出を実行していた場合には、その第1保留記憶表示部において通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部において通常出現演出を実行していた場合には、その第2保留記憶表示部において通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。
なお、この実施の形態では、ステップS6056の処理が実行される前に動作表示を伴う出現演出が実行されており、ちょうど1サイクルの動作周期の動作表示が行われたタイミングで出現演出の演出期間が終了してステップS6056の処理で通常特定表示に切り替わるので、複数の特定保留表示が表示されている場合であっても、他の特定保留表示の動作表示と同期して通常特定保留表示が表示されることになる。また、見た目上は、保留表示の動作表示を実行しながら保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となるような表示が行われる。
通常出現演出実行中フラグ(動作あり)もセットされていなければ(ステップS6054のN。すなわち、先読み出現演出実行中フラグ(動作あり)がセットされていれば)、演出制御用CPU101は、先読み出現演出実行中フラグ(動作あり)をリセットする(ステップS6057)。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み特定保留表示の表示を開始する(ステップS6058)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部において先読み出現演出を実行していた位置に先読み特定保留表示を1増加させる。
なお、この実施の形態では、ステップS6058の処理が実行される前に動作表示を伴う出現演出が実行されており、ちょうど1サイクルの動作周期の動作表示が行われたタイミングで出現演出の演出期間が終了してステップS6058の処理で先読み特定表示に切り替わるので、複数の特定保留表示が表示されている場合であっても、他の特定保留表示の動作表示と同期して先読み特定保留表示が表示されることになる。また、見た目上は、保留表示の動作表示を実行しながら保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となるような表示が行われる。
次いで、演出制御用CPU101は、通常保留待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6059)。通常保留待機フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6060)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていれば、演出制御用CPU101は、通常保留待機フラグをリセットする(ステップS6061)。
次いで、演出制御用CPU101は、通常特定保留表示の表示を開始する(ステップS6062)。この場合、演出制御用CPU101は、第1保留記憶表示部において通常出現演出を実行していた場合には、その第1保留記憶表示部において通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。また、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部において通常出現演出を実行していた場合には、その第2保留記憶表示部において通常出現演出を実行していた位置に通常特定保留表示を1増加させる。
なお、ステップS6062で通常特定保留表示の表示を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6062の処理が実行される前に実行されていた通常出現演出において、保留表示の濃度が徐々に濃くなっていくような演出が行われているので、見た目上は、保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となった後に保留表示の動作表示が開始されるような表示が行われることになる。
通常保留待機フラグがセットされていなければ(ステップS6059のN)、演出制御用CPU101は、先読み保留待機フラグがセットされているか否かを確認する(ステップS6063)。先読み保留待機フラグがセットされていれば、演出制御用CPU101は、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっているか否かを確認する(ステップS6064)。表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていれば、演出制御用CPU101は、先読み保留待機フラグをリセットする(ステップS6065)。
次いで、演出制御用CPU101は、先読み特定保留表示の表示を開始する(ステップS6066)。この場合、保留予告演出が実行されるということは、第2保留記憶が1増加する場合であるので、演出制御用CPU101は、第2保留記憶表示部において先読み出現演出を実行していた位置に先読み特定保留表示を1増加させる。
なお、ステップS6066で先読み特定保留表示の表示を開始する場合、保留表示が所定の基準動作位置となっている状態(本例では、保留表示の丸形表示の内部の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態)から保留表示の回転動作が開始されるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6066の処理が実行される前に実行されていた先読み出現演出において、保留表示の濃度が徐々に濃くなっていくような演出が行われているので、見た目上は、保留表示の濃度が徐々に濃くなって視認しやすい状態となった後に保留表示の動作表示が開始されるような表示が行われることになる。
なお、この実施の形態では、ステップS6042〜S6053,S6059〜S6066の処理が実行されることによって、遊技状態が時短状態(低確率/高ベース状態)である場合には、保留表示の動作表示を伴わない出現演出(通常出現演出、先読み出現演出)を実行した後に、既に表示されている特定保留表示の動作表示と同期する態様で保留表示の動作表示を開始するように制御する。この場合、出現演出の演出期間が終了したタイミングで既に表示されている特定保留表示が所定の基準動作位置でなかった場合には、所定の基準動作位置となるまで待ってから特定保留表示を表示して保留表示の動作表示を開始するようにしている。なお、この実施の形態では、保留表示の動作表示を伴わない出現演出に用いる動画データは、出現演出の演出期間が経過した後も所定期間(例えば、動作周期の1秒間)濃度が最大となった状態の保留表示を表示できるだけのデータ長があるものとし、動作表示の同期がとれるタイミングまで待ってから特定保留表示の表示を開始しても途切れることなく保留表示を表示できるものとする。
また、この実施の形態では、ステップS6009,S6023,S6036,S6053,S6058,S6066が実行されて先読み出現演出や先読み特定保留表示が表示されることによって保留予告演出が実行されるのであるが、変動表示が開始され第2保留表示が1つずつ消化されるに従って、予告対象の先読み特定保留表示の表示位置が1つずつシフトされていき、最終的に予告対象の先読み特定保留表示が消化されて第2保留記憶表示部から消去されることにより、保留予告演出が終了することになる(ステップS667参照)。
また、この実施の形態では、ステップS6014,S6044,S6050で既に表示中の特定保留表示があるか否かを判定する際に、その特定保留表示が通常特定保留表示であるか先読み特定保留表示であるかを特に区別していない。従って、この実施の形態では、既に通常特定保留表示を表示しているときに新たに先読み特定保留表示を表示したり、既に先読み特定保留表示を表示しているときに新たに通常特定保留表示を表示したりする場合があるものとなっており、通常特定保留表示と先読み特定保留表示とを同時に表示させることが可能であり、通常特定保留表示の動作表示と先読み特定保留表示の動作表示とを同期させるものとなっている。
次いで、この実施の形態における出現演出および特定保留表示の表示態様について説明する。図51および図52は、変形例における、出現演出および特定保留表示の表示態様の具体例を説明するための説明図である。このうち、図51は、確変状態(高確率/高ベース状態)時における出現演出および特定保留表示の表示態様の具体例を示している。また、図52は、時短状態(低確率/高ベース状態)時における出現演出および特定保留表示の表示態様の具体例を示している。なお、図51および図52において、(A)(B)(C)の順に演出画面の態様が遷移する。
まず、図51を参照して、確変状態(高確率/高ベース状態)時における出現演出および特定保留表示の表示態様を説明する。図51(A)に示すように、第2保留記憶表示部において特定保留表示(図51では、通常特定保留表示)を2つ表示しているときに、図51(B)に示すように、新たに第2始動入賞口14への始動入賞が発生したものとする。この場合、図51(B)に示すタイミングでは、表示中の2つの特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていない(本例では、特定保留表示中の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態でない)ので(ステップS6015のN参照)、出現演出を直ちには開始せず、出現演出の開始を待機する。
次いで、図51(C)に示すように、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となる(本例では、特定保留表示中の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態となる)と(ステップS6028のY参照)、保留表示の動作表示を伴う出現演出の実行を開始し(ステップS6030参照)、既に実行中の特定保留表示の動作表示に同期して保留表示を動作表示させながら、濃度が薄い状態から徐々に濃度が濃い状態に変化するような態様で出現演出を実行する。
そして、出現演出の演出期間を終了し(ステップS6041のY参照)、保留表示が最大の濃度で表示されている状態となると、図51(D)に示すように、出現演出を実行していた位置で特定保留表示の表示を開始する(ステップS6056参照)
図51に示すような態様の表示が行われることによって、既に実行中の特定保留表示の動作表示に同期して保留表示を動作表示させながら、濃度が薄い状態から徐々に濃度が濃い状態に変化するような態様で特定保留表示が表示されていくような演出が実行され、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に同期して新たな特定保留表示の動作表示が開始されるような演出が実行される。
次に、図52を参照して、時短状態(低確率/高ベース状態)時における出現演出および特定保留表示の表示態様を説明する。図52(A)に示すように、第2保留記憶表示部9bにおいて特定保留表示(図52では、通常特定保留表示)を2つ表示しているときに、図52(B)に示すように、新たに第2始動入賞口14への始動入賞が発生したものとする。この場合、図52(B)に示すタイミングでは、保留表示の動作表示を伴わない出現演出の実行を開始し(ステップS6006参照)、動作表示を伴わない保留表示が濃度が薄い状態から徐々に濃度が濃い状態に変化するような態様で出現演出を実行する。
次いで、出現演出の演出期間を終了し(ステップS6041のY参照)、図52(C)に示すように、保留表示が最大の濃度で表示されている状態となると、図52(C)に示すタイミングでは、表示中の2つの特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となっていない(本例では、特定保留表示中の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態でない)ので(ステップS6045のN参照)、特定保留表示の表示を直ちには開始せず、特定保留表示の表示開始を待機する。
次いで、図52(D)に示すように、表示中の特定保留表示の動作位置が所定の基準動作位置となる(本例では、特定保留表示中の三角表示の三角形の1頂点が上方向を向いている状態となる)と(ステップS6060のY参照)、特定保留表示の表示を開始し(ステップS6062参照)、保留表示の動作表示を開始する。
図52に示すような態様の表示が行われることによって、動作表示を伴わない保留表示の濃度が薄い状態から徐々に濃度が濃い状態に変化し、最大の濃度まで変化した後に特定保留表示が表示されて動作表示が開始されるような演出が実行され、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に同期して新たな特定保留表示の動作表示が開始されるような演出が実行される。
なお、図51および図52に示す例では、特定保留表示として通常特定保留表示のみを表示する場合が示されているが、先読み特定保留表示が表示される場合も、一部または全ての通常特定保留表示が先読み特定保留表示に置き換わるだけで、同様の表示態様で出現演出や特定保留表示が表示される。
また、この実施の形態では、図51および図52に示すように、出現演出や特定保留表示を表示する場合において、表示中の特定保留表示の動作表示と同期がとれるタイミングとなるまで待ってから動作表示を開始する態様で出現演出や特定保留表示を表示する場合を示したが、例えば、そのタイミングで保留が消化されて保留表示のシフトが行われ、表示中の特定保留表示が消去される場合には、同期がとれるタイミングまで待つことなく、動作表示を伴う態様で出現演出を開始したり特定保留表示の表示を開始したりしてもよい。
また、演出表示装置9の表示画面が真っ暗になるような態様のいわゆるブラックアウト演出が実行され、保留表示が画面上から消えるような場合があるように構成されている場合には、同期がとれるタイミングまで待つことなく、そのブラックアウト演出の終了後に動作表示を伴う態様で出現演出を開始したり特定保留表示の表示を開始したりしてもよい。この場合、例えば、ブラックアウト演出の終了後に、全ての特定保留表示を所定の基準動作位置から動作表示をやり直すことによって、全ての特定保留表示の動作表示を同期させて表示するようにすればよい。
また、この実施の形態では、図51および図52に示すように、同期がとれるタイミング(本例では、所定の基準動作位置となったタイミング)までは動作表示自体を開始せず、同期がとれるタイミングで動作表示を開始することによって、特定保留表示の動作態様を同期させて表示する場合を示したが、そのような態様にかぎらず、同期がとれるタイミングであるか否かにかかわらず、例えば、始動入賞したタイミングから動作表示を伴った特定保留表示の表示を開始するようにしてもよい。そして、例えば、既に表示されている特定保留表示とは異なる動作速度でその新たな特定保留表示を動作表示させるようにし、既に表示されている特定保留表示の動作表示に追いつくかまたは追いつかれたタイミングから、既に表示されている特定保留表示と同じ動作速度に変化させる(このタイミングは出現演出の実行中でもよいし実行後でもよい)ことにより、特定保留表示の動作態様を同期させて表示するようにしてもよい。また、例えば、既に表示されている特定保留表示とは同期がずれたまま新たな特定保留表示を動作表示させ、特定のタイミング(例えば、保留表示のシフトのタイミング)で、新たな特定保留表示の動作表示を既に表示されている特定保留表示の動作表示に同期させるようにしてもよい。
以上に説明したように、この変形例によれば、始動領域(本例では、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)を遊技媒体(本例では、遊技球)が通過したことにもとづいて可変表示を行う遊技機であって、始動領域を遊技媒体が通過したにもかかわらず未だ開始されていない可変表示について、保留記憶として記憶する保留記憶手段(本例では、第1保留記憶バッファ、第2保留記憶バッファ)と、保留記憶手段に記憶されている保留記憶の各々に対応して保留表示を表示させる保留表示制御手段(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100における、図47〜図50に示した保留表示制御処理を実行する部分)とを備え、保留表示制御手段は、保留表示として、所定の周期(本例では、1秒)で動作表示する特定保留表示(本例では、図51および図52に示す特定保留表示)を表示させることが可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS6047,S6053,S6056,S6058を実行する)こととした。これにより、演出効果を向上させることができる。
また、この変形例では、始動領域(本例では、第1始動入賞口13、第2始動入賞口14)を遊技媒体(本例では、遊技球)が通過したことにもとづいて可変表示を行う可変表示手段(本例では、第1特別図柄表示器8a、第2特別図柄表示器8b)に特定表示結果(本例では、大当り図柄)が導出表示されたときに遊技者にとって有利な有利状態(本例では、大当り遊技状態)となる遊技機であって、保留表示制御手段は、少なくとも、始動領域を遊技媒体が通過した後に保留表示の表示に伴う特別演出(本例では、出現演出)を実行し、保留表示として、所定の周期(本例では、1秒)で動作表示する特定保留表示(本例では、図51および図52に示す特定保留表示)を表示させることが可能である(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100は、ステップS6047,S6053,S6056,S6058を実行する)。
また、この変形例では、保留表示制御手段は、特定保留表示の表示中に始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて新たな特定保留表示を表示させるときに、特別演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS6012〜S6025,S6027〜S6038を実行する部分)こととした。これにより、特定保留表示の動作表示を同期させるので、特定保留表示を表示可能に構成した場合に保留表示の見栄えを確保することができる。すなわち、同時に複数の特定保留表示が表示される場合に、それらの特定保留表示の動作表示が不統一であったのでは保留表示の見栄えが悪く、特定保留表示を用いた演出効果が低減してしまうおそれがあるが、この実施の形態では、特定保留表示の動作表示を同期させることにより保留表示の見栄えを確保し、そのような特定保留表示を用いた演出効果が低減してしまうような事態を防止している。
また、この変形例では、保留表示制御手段は、特定保留表示の表示中に始動領域を遊技媒体が通過したことにもとづいて新たな特定保留表示を表示させるときに、特別演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる(本例では、演出制御用マイクロコンピュータ100におけるステップS6039〜S6053,S6059〜S6066を実行する部分)こととした。これにより、特定保留表示の動作表示を同期させるので、特定保留表示を表示可能に構成した場合に保留表示の見栄えを確保することができる。すなわち、同時に複数の特定保留表示が表示される場合に、それらの特定保留表示の動作表示が不統一であったのでは保留表示の見栄えが悪く、特定保留表示を用いた演出効果が低減してしまうおそれがあるが、この実施の形態では、特定保留表示の動作表示を同期させることにより保留表示の見栄えを確保し、そのような特定保留表示を用いた演出効果が低減してしまうような事態を防止している。
なお、この変形例では、「有利状態」として特定遊技状態(大当り遊技状態)を用いて説明したが、これに限るものではない。例えば、高確率状態、高ベース状態、小当り遊技状態を「有利状態」とするものであってもよい。
なお、この変形例では、遊技状態によって特定保留表示の同期タイミングを異ならせることとしたが、これに限るものではない。例えば、遊技状態にかかわらず特別演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させることとしてもよいし、または、遊技状態にかかわらず特別演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させることとしてもよい。
また、この変形例において、所定の演出モード(例えば、確変演出モード(赤色の背景色の背景画面を表示する演出モード)、時短演出モード(緑色の背景色の背景画面を表示する演出モード))における保留表示として、所定の周期で動作表示する特定保留表示を表示させることとしてもよい。そして、特定保留表示の表示中に始動領域を遊技球が通過したことにもとづいて新たな特定保留表示を表示させるときに、特定演出の実行中から、または特定演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させることとしてもよい。その場合、特定保留表示の動作表示を同期させるので、特定保留表示を表示可能に構成した場合に保留表示の見栄えを確保することができる。
また、この変形例によれば、特定保留表示として、第1特定保留表示(本例では、通常特定保留表示)と、該第1特定保留表示とは表示態様が異なる第2特定保留表示(本例では、先読み特定保留表示)とを同時に表示させることが可能である。そして、第1特定保留表示の動作表示と第2特定保留表示の動作表示とを同期させる。そのため、表示態様が異なる特定保留表示の動作表示も同期させるので、特定保留表示を表示可能に構成した場合に保留表示の見栄えを確保することができる。
なお、この変形例では、所定の遊技状態(本例では、確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態))である場合に全ての保留記憶に対して特定保留表示を表示する場合を示したが、必ずしも全ての保留記憶に対して特定保留表示を表示する必要はなく、一部の保留記憶に対してのみ特定保留表示を表示するものであってもよい。例えば、遊技状態が確変状態(高確率/高ベース状態)や時短状態(低確率/高ベース状態)である場合に新たな始動入賞が発生すると、乱数を用いた抽選処理により特定保留表示とするか否かを決定し、特定保留表示とすると決定した場合には出現演出を伴って特定保留表示を表示し、特定保留表示としないと決定した場合には通常態様の保留表示を表示するようにしてもよい。そのように特定保留表示と通常態様の保留表示とが混在して表示される場合であっても、少なくとも一部に複数の特定保留表示が表示される場合に、それらの特定保留表示の動作表示が同期して表示されるものであればよい。
また、この変形例では、所定の遊技状態(本例では、確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態))である場合にのみ保留予告演出を実行する場合を示したが、通常状態(低確率/低ベース状態)であっても保留予告演出を実行可能に構成してもよい。この場合、例えば、保留予告演出を伴わない通常態様の保留表示を表示する場合には、保留表示として白色の丸形表示を表示するのに対して、通常状態(低確率/低ベース状態)であるときに保留予告演出を実行することに決定した場合には、保留予告演出を伴う通常態様の保留表示として赤色の丸形表示を表示するなどして、保留予告演出を実行していることが認識できるものであればよい。
また、この変形例では、所定の遊技状態(本例では、確変状態(高確率/高ベース状態)、時短状態(低確率/高ベース状態))である場合に特定保留表示を表示したり、保留予告演出として特定保留表示を表示したりする構成を示したが、それら全ての構成を必ずしも備える必要はなく、いずれか1つのみの構成を備えるようにしてもよい。例えば、所定の遊技状態である場合にのみ特定保留表示を表示可能に構成したり、所定の演出モードである場合にのみ特定保留表示を表示可能に構成したり、保留予告演出としてのみ特定保留表示を表示可能に構成したりしてもよい。
また、この変形例では、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる構成と、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる構成とを示したが、それら両方の構成を必ずしも備える必要はなく、いずれか1つのみの構成を備えるようにしてもよい。例えば、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる構成のみを備えるように構成してもよく、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる構成のみを備えるように構成してもよい。
また、この変形例では、確変状態(高確率/高ベース状態)である場合に、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにし、時短状態(低確率/高ベース状態)である場合に、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるように構成する場合を示したが、逆に、時短状態(低確率/高ベース状態)である場合に、出現演出の実行中から、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにし、確変状態(高確率/高ベース状態)である場合に、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるように構成してもよい。
また、この変形例において、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させる制御を行う場合に、出現演出を終了してから、保留表示の動作表示を開始させるまでの期間は静止画像の保留表示を表示しておき、動作表示の次の周期の開始から動画像の保留表示に切り替えることによって、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにしてもよい。
また、この変形例において、出現演出の実行後に、表示中の特定保留表示の動作表示に新たな特定保留表示の動作表示を同期させるタイミングは、この実施の形態で示したように動作表示を同期させることができるタイミング(本例では、所定の基準動作位置となるタイミング)である場合にかぎらず、様々なタイミングが考えられる。例えば、出現演出を終了した後の次の保留表示をシフトさせるタイミングで、新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにしてもよい。また、例えば、スーパーリーチ演出やいわゆるブラックアウト演出などの所定の演出の実行中に保留表示を消去するように構成する場合であれば、スーパーリーチ演出やブラックアウト演出などの所定の演出の実行後の保留表示を再開するタイミングで、新たな特定保留表示の動作表示を同期させるようにしてもよい。
また、上記の実施の形態では、例えば「1」〜「9」の複数種類の特別図柄や演出図柄を可変表示し表示結果を導出表示する場合を示したが、可変表示は、そのような態様にかぎられない。例えば、可変表示される図柄と導出表示される図柄とが必ずしも同じである必要ななく、可変表示された図柄とは異なる図柄が導出表示されるものであってもよい。また、必ずしも複数種類の図柄を可変表示する必要はなく、1種類の図柄のみを用いて可変表示を実行するものであってもよい。この場合、例えば、その1種類の図柄表示を交互に点灯および点滅を繰り返すことによって、可変表示を実行するものであってもよい。そして、この場合であっても、その可変表示に用いられる1種類の図柄が最後に導出表示されるものであってもよいし、その1種類の図柄とは異なる図柄が最後に導出表示されるものであってもよい。
なお、上述した実施の形態および変形例について、特別図柄や演出図柄の可変表示結果にもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第一種の遊技機)について説明したが、遊技領域に設けられた可変入賞球装置(いわゆる役物)内の特定入賞口(V入賞口)に遊技球が入賞(V入賞)したことにもとづいて大当り遊技状態に移行する遊技機(いわゆる第二種の遊技機)や、第一種と第二種とを組み合わせた遊技機において、複数の期間に応じた特定演出を実行することとしてもよい。
また、本実施の形態では、発生した大当りの大当り種別にもとづいて確変状態へ移行可能とするが、これに限るものではない。例えば、大入賞口内に遊技球が通過可能な特定領域が設けられており、大当り中に該特定領域を遊技球が通過した場合に確変状態へ移行する一方、大当り中に該特定領域を遊技球が通過しなかった場合に通常状態へ移行するようなものであってもよい。その場合、大当り種別によって特定領域への遊技球の通過しやすさを変化させることにより、実質的な確変大当りおよび非確変大当りを実現するものであってもよい。例えば、大当り種別によって大入賞口の開放時間を異ならせることにより、特定領域への遊技球の通過のしやすさを変化させることとしてもよい。具体的には、大入賞口の開放時間が長い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しやすい大当り(実質的な確変大当り)とし、大入賞口の開放時間が短い大当り種別を特定領域へ遊技球が通過しにくい大当り(実質的な非確変大当り)としてもよい。
なお、上記の実施の形態においては、変動時間およびリーチ演出の種類や擬似連の有無等の変動態様を示す変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するために、変動を開始するときに1つの変動パターンコマンドを送信する例を示したが、2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを演出制御用マイクロコンピュータ100に通知するようにしてもよい。具体的には、2つのコマンドにより通知する場合、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、1つ目のコマンドでは擬似連の有無、滑り演出の有無など、リーチとなる以前(リーチとならない場合には所謂第2停止の前)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信し、2つ目のコマンドではリーチの種類や再抽選演出の有無など、リーチとなった以降(リーチとならない場合には所謂第2停止の後)の変動時間や変動態様を示すコマンドを送信するようにしてもよい。この場合、演出制御用マイクロコンピュータ100は2つのコマンドの組合せから導かれる変動時間にもとづいて変動表示における演出制御を行うようにすればよい。なお、遊技制御用マイクロコンピュータ560の方では2つのコマンドのそれぞれにより変動時間を通知し、それぞれのタイミングで実行される具体的な変動態様については演出制御用マイクロコンピュータ100の方で選択を行うようにしてもよい。2つのコマンドを送る場合、同一のタイマ割込内で2つのコマンドを送信する様にしてもよく、1つ目のコマンドを送信した後、所定期間が経過してから(例えば次のタイマ割込において)2つ目のコマンドを送信するようにしてもよい。なお、それぞれのコマンドで示される変動態様はこの例に限定されるわけではなく、送信する順序についても適宜変更可能である。このように2つ乃至それ以上のコマンドにより変動パターンを通知するようにすることで、変動パターンコマンドとして記憶しておかなければならないデータ量を削減することができる。
また、上記の実施の形態では、演出装置を制御する回路が搭載された基板として、演出制御基板80、音声出力基板70およびランプドライバ基板35が設けられているが、演出装置を制御する回路を1つの基板に搭載してもよい。さらに、演出表示装置9等を制御する回路が搭載された第1の演出制御基板(表示制御基板)と、その他の演出装置(ランプ、LED、スピーカ27など)を制御する回路が搭載された第2の演出制御基板との2つの基板を設けるようにしてもよい。
なお、上記の実施の形態において、「割合が異なる」とは、A:B=70%:30%やA:B=30%:70%のような関係で割合が異なるものだけにかぎらず、A:B=100%:0%のような関係で割合が異なるもの(すなわち、一方が100%の割り振りで他方が0%の割り振りとなるようなもの)も含む概念である。
また、上記の実施の形態では、遊技制御用マイクロコンピュータ560は、演出制御用マイクロコンピュータ100に対して直接コマンドを送信していたが、遊技制御用マイクロコンピュータ560が他の基板(例えば、図3に示す音声出力基板70やランプドライバ基板35など、または音声出力基板70に搭載されている回路による機能とランプドライバ基板35に搭載されている回路による機能とを備えた音/ランプ基板)に演出制御コマンドを送信し、他の基板を経由して演出制御基板80における演出制御用マイクロコンピュータ100に送信されるようにしてもよい。その場合、他の基板においてコマンドが単に通過するようにしてもよいし、音声出力基板70、ランプドライバ基板35、音/ランプ基板にマイクロコンピュータ等の制御手段を搭載し、制御手段がコマンドを受信したことに応じて音声制御やランプ制御に関わる制御を実行し、さらに、受信したコマンドを、そのまま、または例えば簡略化したコマンドに変更して、演出表示装置9を制御する演出制御用マイクロコンピュータ100に送信するようにしてもよい。その場合でも、演出制御用マイクロコンピュータ100は、上記の実施の形態における遊技制御用マイクロコンピュータ560から直接受信した演出制御コマンドに応じて表示制御を行うのと同様に、音声出力基板70、ランプドライバ基板35または音/ランプ基板から受信したコマンドに応じて表示制御を行うことができる。
また、上記の実施の形態では、遊技機としてパチンコ機を例にしたが、本発明を、メダルが投入されて所定の賭け数が設定され、遊技者による操作レバーの操作に応じて複数種類の図柄を回転させ、遊技者によるストップボタンの操作に応じて図柄を停止させたときに停止図柄の組合せが特定の図柄の組み合わせになると、所定数のメダルが遊技者に払い出されるスロット機に適用することも可能である。
また、上記の実施の形態では、遊技機として遊技媒体を使用するものを例にしたが本発明による遊技機は、所定数の景品としての遊技媒体を払い出す遊技機に限定されず、遊技球等の遊技媒体を封入し景品の付与条件が成立した場合に得点を付与する封入式の遊技機に適用することもできる。