JP5905124B2 - 情報処理システムおよび情報処理方法 - Google Patents
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Description
本発明は、情報処理システムおよび情報処理方法に関する。より具体的には、店舗における顧客の動向をシミュレートする情報処理システムおよび情報処理方法に関する。
本技術分野の背景技術として、特許文献1および2がある。
特許文献1には、位置端末(GPSなど)を有する車や人の移動情報に基づき、場所ごとの滞留時間、次に移動する場所の確率を算出し、これにより、位置端末を持たない人も含み、動線を推定する技術が記載されている。
また、特許文献2には、3次元地図情報上を、人間を想定したエージェント(視野の広さ、高さ、移動経路を入力)を歩かせることで、人間の視野に入りやすい場所とそうでない場所の度合い(自然監視性)を推定し、これによって、防犯シミュレーションを行う技術が記載されている。
従来、店舗における商品配置は、現場の担当者の勘と経験に多く依存して決定されている。なぜなら、商品の特性、顧客の行動特性(滞在時間、購入点数、など)、場所の特性(棚の位置や高さ)など購入を決定づける要因が複雑であり、一番顧客を見ている担当者がこれらの要因を最も理解していると考えられているからである。すなわち、従来は、座標Pの商品Mが購入される可能性は、fをある関数として以下の式(1)で示す関係性があり、これを最も理解しているのが担当者である、という考えのもとに、店舗の商品配置が決定されていた。
「座標Pの商品Mが購入される可能性」=f(「場所の特性」、「商品の特性」、「顧客の行動特性」) …(1)
ここで、係る方法は当然、個々の担当者の技量に強く依存するものであり、複数の要因からなる複合的な系について、必ずしも妥当な配置ができるとは限らない。そこで、複合的な各要因を単純化し、商品配置の決定をより容易ならしめるための技術が望まれる。しかしながら、係る技術については、上記各特許文献はもとより、いずれの文献にも記載も示唆も無かった。
「座標Pの商品Mが購入される可能性」=f(「場所の特性」、「商品の特性」、「顧客の行動特性」) …(1)
ここで、係る方法は当然、個々の担当者の技量に強く依存するものであり、複数の要因からなる複合的な系について、必ずしも妥当な配置ができるとは限らない。そこで、複合的な各要因を単純化し、商品配置の決定をより容易ならしめるための技術が望まれる。しかしながら、係る技術については、上記各特許文献はもとより、いずれの文献にも記載も示唆も無かった。
以上を踏まえ、本願発明の目的は、商品配置の決定をより容易ならしめる技術を提供することである。
上記課題を解決するために、例えば請求の範囲に記載の構成を採用する。本願は上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、以下の通りである。
すなわち、情報処理システムであって、顧客が店舗に入店後の時間経過に対する滞在確率に関する第1の情報、店舗に設けられた複数の棚のそれぞれの間の距離を示す第2の情報、および、店舗に顧客が滞在する滞在時間と顧客が棚間で移動を行う移動周期を示す第3の情報とが入力される入力部と、第1の情報、第2の情報、並びに、第3の情報、および、a)顧客は、店舗の入り口から移動を開始する、b)顧客は、複数の棚のうち移動距離が遠くのより近くにある棚に移動する確率が高い、c)顧客は、滞在時間しか店舗に滞在しない、d)顧客は、移動先の棚をランダムに移動する、というシミュレーション条件を記憶する記憶部と、第1の情報、第2の情報、第3の情報、および、シミュレーション条件とを用いて、複数の棚のそれぞれに対して顧客が滞在する確率を計算するシミュレータ部と、確率を棚に対応付けて表示する表示部と、を有することを特徴とする。
または、情報処理方法であって、顧客が店舗に入店後の時間経過に対する滞在確率に関する第1の情報、店舗に設けられた複数の棚のそれぞれの間の距離を示す第2の情報、および、店舗に顧客が滞在する滞在時間と顧客が棚間で移動を行う移動周期を示す第3の情報を入力として受け付ける工程と、第1の情報、第2の情報、並びに、第3の情報、および、a)顧客は、店舗の入り口から移動を開始する、b)顧客は、複数の棚のうち移動距離が遠くのより近くにある棚に移動する確率が高い、c)顧客は、滞在時間しか店舗に滞在しない、d)顧客は、移動先の棚をランダムに移動する、というシミュレーション条件とを用いて、複数の棚のそれぞれに対して顧客が滞在する確率を計算する工程と、確率を棚に対応付けて表示する工程と、を有することを特徴とする。
または、情報処理システムであって、店舗における棚の座標情報、棚の棚番号、および、これらを紐付けた情報を入力する入力部と、棚の座標情報、棚の棚番号、および、これらを紐付けた情報を記憶する記憶部と、棚の座標情報、棚の棚番号、および、これらを紐付けた情報を用いて、店舗の顧客のある時刻tにおける滞在位置または滞在確率を求める第1の処理と、顧客の時刻(t+Δt)における滞在位置または滞在確率を求める第2の処理と、を複数回繰り返すことによって、棚毎の前記顧客の立寄りやすさ、または、棚毎の売上予測を算出するシミュレータ部と、立寄りやすさ、または、売上予測を表示する表示部と、を有することを特徴とする。
本願発明によれば、商品配置の担当者が、商品配置を決定することがより容易となる。
最初に、本発明の概要を説明する。前述の通り、座標Pの商品Mが購入される可能性を決定する要因には、場所の特性、商品の特性、および、顧客の行動特性がある。ここで本願発明者らは、前記各要因のうち、特に場所の特性に着目した。
なぜなら、商品の特性は、季節やエリアによる影響や流行の影響等による時間的な変動が大きいのに対し、場所の特性は、店舗の間口の設計や実施している業務等により定まるため時間的な変動が小さいためである。そのため、場所の特性について、一度値を算出すると、長期に渡って利用可能であり、特に有益である。
そこで、本願発明者らは、前述の式(1)を、gをある関数として、以下の式(2)に変形するためのシミュレーション技術を検討した。
「座標Pの商品Mが購入される可能性」=「場所の特性」*g(「商品の特性」) …(2)
上記式(1)を式(2)へ変形する方法とは、顧客の移動経路情報に基づいて顧客の行動特性を定数化し、場所の特性をシミュレーションして定量的な値として算出することである。係る変形ができれば、商品配置の決定者が、場所の特性のみ、商品の特性のみをそれぞれ分けて検討することが可能となり、より商品配置の決定が容易となる。
「座標Pの商品Mが購入される可能性」=「場所の特性」*g(「商品の特性」) …(2)
上記式(1)を式(2)へ変形する方法とは、顧客の移動経路情報に基づいて顧客の行動特性を定数化し、場所の特性をシミュレーションして定量的な値として算出することである。係る変形ができれば、商品配置の決定者が、場所の特性のみ、商品の特性のみをそれぞれ分けて検討することが可能となり、より商品配置の決定が容易となる。
以上を踏まえ、本発明の実施の形態に係る顧客シミュレータシステムについてその概略を説明する。本実施例に係る顧客シミュレータシステムは、店舗のレイアウト情報として、商品の棚配置、通路、および出入り口を、店舗特性として、POSによる商品間関連、顧客移動距離、および顧客滞在時間を、それぞれ入力情報と顧客シミュレータしている。シミュレータには、店舗レイアウト評価コンテンツと商品棚配置最適化コンテンツが含まれる。
これらのコンテンツは、顧客シミュレータのシミュレート結果を用いている。この顧客シミュレータは、a)顧客は、記店舗の入り口から移動を開始する、b)顧客は、複数の棚のうち移動距離が遠くのより近くにある棚に移動する確率が高い、c)顧客は、所定の滞在時間しか店舗に滞在しない、d)顧客は、移動先の棚をランダムに移動する、という条件の元にシミュレーションを行うことによって、顧客の移動経路情報に基づいて顧客の行動特性を定数化し、場所の特性をシミュレーションして定量的な値として算出する。その上で、店舗レイアウト評価コンテンツは、商品の影響を排除した顧客動線と立寄りやすさを予測するコンテンツであり、例えば、新規出店時や店舗レイアウト変更時に、レイアウト案に対する顧客立寄りを予測することを可能とする。次に、商品棚配置最適化コンテンツは、顧客立寄りに加えて、例えば、棚配置変更による顧客単価、購買点数、購買品目数の増減まで予測することを可能とする。
図1に、第1の実施の形態のシステム概要を示す。第1の実施の形態では、ユーザ(US)がクライアント(CL)を操作することで、コンテンツ(K)を閲覧することができる。クライアント(CL)はネットワーク(NW)に接続させており、ユーザ(US)からの要求をクライアント(CL)経由で、アプリケーションサーバ(AS)に送信する。アプリケーションサーバ(AS)では、ユーザ(US)の要求に基づき、処理を行ない、その結果をクライアント(CL)に送信する。クライアント(CL)は受け取った結果を用いて画面を生成し、ディスプレイ(CLID)のコンテンツ(K)に表示する。
図2A、図2B、は一つの実施形態である顧客シミュレータシステムの構成要素を示す説明図であり、図示の都合上分割して示してあるが、各々図示された各処理は相互に連携して実行される。
図2A、図2B、は一つの実施形態である顧客シミュレータシステムの構成要素を示す説明図であり、図示の都合上分割して示してあるが、各々図示された各処理は相互に連携して実行される。
図2AおよびBは、顧客シミュレータシステムの処理を行なうアプリケーションサーバ(AS)、閲覧者に解析結果から画面を出力するクライアント(CL)までの一連の流れを示している。
本システムは、アプリケーションサーバ(AS)とクライアント(CL)によって構成されている。これらはそれぞれ処理部、記憶部、ネットワークインタフェース等を備えた通常の計算機構成を有している。
図2Aに示すアプリケーションサーバ(AS)は、顧客シミュレータの処理を実行する。アプリケーションサーバ(AS)において、図2Bに示すクライアント(CL)からの依頼を受けた際、設定された時刻に自動、又は、手動にて、アプリケーションが起動される。アプリケーションサーバ(AS)によって解析された結果は、図2Bに示すクライアント(CL)にネットワーク(NW)を通して送信される。
図2Aに示すアプリケーションサーバ(AS)は、顧客シミュレータの処理を実行する。アプリケーションサーバ(AS)において、図2Bに示すクライアント(CL)からの依頼を受けた際、設定された時刻に自動、又は、手動にて、アプリケーションが起動される。アプリケーションサーバ(AS)によって解析された結果は、図2Bに示すクライアント(CL)にネットワーク(NW)を通して送信される。
アプリケーションサーバ(AS)は、送受信部(ASS)、記憶部(ASM)および制御部(ASC)を備える。
送受信部(ASS)は、図2Bに示すクライアント(CL)との間でデータの送信および受信を行なう。具体的には、送受信部(ASS)は、クライアント(CL)から送られてきたコマンドを受信し、制御部(ASC)で顧客回遊シミュレーションを行ない、解析結果をクライアント(CL)に送信する。
記憶部(ASM)は、ハードディスク、メモリ又はSDカードのような外部記録装置で構成される。記憶部(ASM)は、シミュレーションを実行するためのデータベースや設定条件および結果を格納する。具体的には、記憶部(ASM)は、シミュレーションデータベース(D)、売上データベース(E)、棚データベース(F)、マップデータベース(G)、立寄データベース(H)、課金データベース(I)を格納する。
シミュレーションデータベース(D)は、シミュレーションを実行する際に必要なパラメータや出力結果を格納するデータベースである。売上データベース(E)は、POSデータ等の購入に関するデータを格納するデータベースである。棚データベース(F)は、棚に関するデータを格納するデータベースである。マップデータベース(G)は、棚配置等のマップに関するデータを格納するデータベースである。立寄データベース(H)は、顧客の商品や棚への立寄りに関するデータを格納するデータベースである。課金データベース(I)は、ユーザ(US)が顧客シミュレータを使用する際の課金に関するデータを格納するデータベースである。
制御部(ASC)は、中央処理部CPU(図示省略)を備え、データの送受信の制御およびのシミュレーションを実行する。具体的には、CPU(図示省略)があらかじめ制御部(ASC)に登録されているプログラムを実行する。通信制御(ASCC)は、有線又は無線によるクライアント(CL)との通信のタイミングを制御する。さらに、通信制御(ASCC)は、データの形式変換、および、データの種類別に行き先の振り分けを実行する。
顧客シミュレータ(AP)は、クライアント(CL)からの依頼に基づき、記憶部(ASM)に登録しているデータの中から必要なデータを選別し、シミュレーションを行なう処理である。顧客シミュレータ(AP)は、店舗レイアウト評価(APA)、立寄りシミュレーション(APB)、店舗レイアウト評価学習(APC)、商品棚置換計算(APD)、課金(APE)から構成されている。
店舗レイアウト評価(APA)は、設定された棚配置と商品から、場の効果と商品の効果に切り分けることでレイアウトの評価を行なう処理である。立寄りシミュレーション(APB)は、設定された棚配置から、立寄率をシミュレーションから求める処理である。店舗レイアウト評価学習(APC)は、実測における棚配置と立寄率、その業種における立寄りに関するパラメータを学習する処理である。商品棚置換計算(APD)は、店舗レイアウト評価(APA)を用いて、棚と商品を選択することで、売上を予測する処理である。課金(APE)は、ユーザ(US)が顧客シミュレータを使用する際に課金する処理である。
Webサーバ(ASCW)は、クライアント(CL)からのアクセスIOを制御する処理を行なう。クライアント(CL)は設定情報を入手する際にはWebサーバ(ASCW)を経由する。また、顧客シミュレータ(AP)での結果をWebサーバ(ASCW)経由で、クライアント(CL)に送信する。
解析した結果はシミュレーションデータベース(D)に格納してあり、送受信部(ASSR)を通じて、図2Bに示すクライアント(CL)に送信する。
図2Bに示すクライアント(CL)は、ユーザとの接点であり、データの入出力を行なう。クライアント(CL)は、入出力部(CLI)、送受信部(CLS)、記憶部(CLM)および制御部(CLC)を備える。
入出力部(CLI)は、ユーザとのインタフェースとなる部分である。入出力部(CLI)は、ディスプレイ(CLID)、キーボード(CLIK)およびマウス(CLIM)等を備える。必要に応じて外部入出力(CLIU)に他の入出力装置を接続することもできる。
入出力部(CLI)は、ユーザとのインタフェースとなる部分である。入出力部(CLI)は、ディスプレイ(CLID)、キーボード(CLIK)およびマウス(CLIM)等を備える。必要に応じて外部入出力(CLIU)に他の入出力装置を接続することもできる。
ディスプレイ(CLID)は、CRT(CATHODE−RAY TUBE)又は液晶ディスプレイ等の画像表示装置である。ディスプレイ(CLID)は、プリンタ等を含んでもよい。
送受信部(CLS)は、図2Aに示すアプリケーションサーバ(AS)との間でデータの送信および受信を行う。具体的には、送受信部(CLS)は、解析条件情報(CLMP)をアプリケーションサーバ(AS)に送信し、解析結果を受信する。
記憶部(CLM)は、ハードディスク、メモリ又はSDカードのような外部記録装置で構成される。記憶部(CLM)は、解析条件情報(CLMP)および描画設定情報(CLMT)等の、解析や描画に必要な情報を記録する。
解析条件情報(CLMP)は、ユーザから設定された解析対象のメンバーの数および解析方法の選択等の条件を記録する。
描画設定情報(CLMT)は、図面のどの部分に何をプロットするかという描画位置に関する情報を記録する。さらに、記憶部(CLM)は、制御部(CLC)のCPU(図示省略)によって実行されるプログラムを格納してもよい。
制御部(CLC)は、CPU(図示省略)を備え、通信の制御、クライアントユーザ(US)からの解析条件の入力、および、解析結果をクライアントユーザ(US)に提示するための描画等を実行する。具体的には、CPUは、記憶部(CLM)に格納されたプログラムを実行することによって、通信制御(CLCC)、Webブラウザ(CLCW)、解析設定(CLCT)、描画設定(CLCP)、コンテンツ生成(CLCA)の処理を実行する。
通信制御(CLCC)は、有線又は無線によるアプリケーションサーバ(AS)との間の通信のタイミングを制御する。また、通信制御(CLCC)は、データの形式を変換し、データの種類別に行き先を振り分ける。
Webブラウザ(CLCW)は、ユーザ(US)とのインタフェースであり、解析条件情報(CLMP)や描画設定情報(CLMT)の設定を行ない、また、アプリケーションサーバ(AS)での結果からコンテンツ生成(CLCA)によって出力された結果をWebブラウザ(CLCW)に表示する。
解析条件(CLCT)は、ユーザから入出力部(CLI)を介して指定される解析条件を受け取り、記憶部(CLM)の解析条件情報(CLMP)に記録する。ここでは、解析に用いるデータの案件や日時などの種類および解析のためのパラメータ等が設定される。クライアント(CL)は、これらの設定をアプリケーションサーバ(AS)に送信して解析を依頼し、それと並行して描画設定(CLCP)を実行する。
Webブラウザ(CLCW)は、ユーザ(US)とのインタフェースであり、解析条件情報(CLMP)や描画設定情報(CLMT)の設定を行ない、また、アプリケーションサーバ(AS)での結果からコンテンツ生成(CLCA)によって出力された結果をWebブラウザ(CLCW)に表示する。
解析条件(CLCT)は、ユーザから入出力部(CLI)を介して指定される解析条件を受け取り、記憶部(CLM)の解析条件情報(CLMP)に記録する。ここでは、解析に用いるデータの案件や日時などの種類および解析のためのパラメータ等が設定される。クライアント(CL)は、これらの設定をアプリケーションサーバ(AS)に送信して解析を依頼し、それと並行して描画設定(CLCP)を実行する。
描画設定(CLCP)は、描画設定情報(CLMT)に基づいて解析結果を表示する方法、および、図面をプロットする位置を計算する。この処理の結果は、記憶部(CLM)の描画設定情報(CLMT)に記録される。
コンテンツ生成(CLCA)は、アプリケーションサーバ(AS)から取得した解析結果を描画設定情報(CLMT)に記載されている形式にもとづいて表示画面を生成する。例えば、描画設定情報(CLMT)には図1におけるコンテンツ(K)である、作成された表示結果は、Webブラウザ(CLCW)を経由し、ディスプレイ(CLOD)等の出力装置を介してユーザに提示される。
図3は、顧客シミュレータ(AP)の立寄りシミュレーション(APB)のフローチャートである。本処理は、場所の特性である場所バイアスを求めるための要素である立寄率S(複数の棚のそれぞれに対して顧客が滞在する確率)を求める処理である。この処理は、図4で説明する店舗レイアウト評価(APA)の部分的なフローであるが、図11で説明する店舗レイアウト評価学習(APC)でも共通して用いるため、ここで先立って説明する。
以下の処理では、立寄率Sの高い棚は、立寄りやすい場所の棚であるとの仮説のもと、立寄率をシミュレーションで求める。
処理を開始(APB1)すると、入力(APB2)で必要な入力ファイルを読み込む。必要な入力ファイルとは、場所に関する情報(棚の配置、出入り口の場所等)および顧客の行動特性に関する情報である。
まず、場所に関する情報は、店舗に儲けられた複数の棚のそれぞれの距離を示す情報であり、店舗のレイアウト情報等により通常既知である。
次に、顧客の行動特性に関する情報は、顧客の移動経路(時刻と棚位置を対応付ける情報)を、ビデオカメラやウェアラブルセンサ等、各種センサにて測定することで得られる情報であり、顧客が店舗に入店後の時間経過に対する滞在確率に関する情報である。
ここで、本願発明者らが本発明に先立ち、店舗での顧客の行動特性について実証実験を行ったところ、ある棚の前にいる顧客が別の棚に移動する(以下、「ホッピング」と称する)確率は、棚間の距離(棚間に障害物等がある場合は、迂回路の距離を考慮した実効的な距離)が遠いほど低くなることがわかった。ここで、この顧客の行動特性は、横軸を棚間の移動距離の順位(より遠くに移動した顧客をグラフの右側)、縦軸を当該距離移動した人数とすると、いわゆる「指数分布」に従い、このグラフの縦軸を対数軸とした場合に直線で近似できるような振る舞いを示すことがわかった。従って、指数分布の傾きと切片が分かると、顧客の行動特性が一意に決まることがわかる。よって、顧客の振る舞いを、分布の傾きと切片の2値で定数化することが可能である。この切片が、顧客の滞在時間オフセット(顧客の殆どが一律に店舗に滞在する時間)を決め、傾きが、滞在時間(この時間毎に、滞在確率が1/eになる)を決める。このようにして、顧客の振る舞いを、滞在時間オフセットと滞在時間で定数化する。ここで、特定の人気商品によって、ある場所の立ち寄り頻度が異常に高くなる等、商品の特性が顧客の振る舞いに影響を与えることは当然あり得るが、上述の知見はあくまでも顧客の行動の確率的な特性にのみ着目しているため、商品の影響が排除されたものである。
話を立寄りシミュレーション(APB)のフローチャートに戻す。入力(APB2)では、例えば、立寄りシミュレーション(APB)に必要な入力ファイルを読み込む該当の案件ID(DP1)のパラメータテーブル(DP)の滞在時間オフセット(DP5)、滞在時間(DP6)、移動周期(DP7)、移動距離(DP8)、シミュレーション時間(DP9)と棚データベース(F)の棚間距離テーブル(FD)を読み込む。これらの各テーブルの詳細については後述する(各テーブルの詳細について以下同様)。
状態遷移確率(APB3)では、その棚へ立寄りやすさを求める。ここでは、ホッピング毎に、顧客がランダムウォークするものとしている。状態遷移確率の求め方は、2つのステップから構成されている。
(ステップ1.)状態遷移を求める。
(ステップ1.)状態遷移を求める。
tr(i、j)=exp(−dd(i、j)/beta)
ここで、tr(i、j)は状態遷移確率、dd(i、j)は棚間距離テーブル(FD)、betaは移動距離(DP8)である。
(ステップ2.)正規化をする。
ここで、tr(i、j)は状態遷移確率、dd(i、j)は棚間距離テーブル(FD)、betaは移動距離(DP8)である。
(ステップ2.)正規化をする。
なお、状態遷移確率(APB3)の式は一例であり、他の計算式でもかまわない。
状態遷移確率マトリックス(APB4)は、状態遷移確率(APB3)によって出力された結果である。内容については図13で説明する。
ホッピング別確率(APB5)とは、それぞれの棚について、ホッピング毎にその棚に行く確率を求めたものである。計算式は、4つのステップから構成されている。
(ステップ1.)初期条件を決める。
(ステップ1.)初期条件を決める。
ここでは、入口に重みを加えておく。これは、シミュレーションのスタート時には、顧客は入り口に居る、という振る舞いを表現するものである。具体的には、マップデータベース(G)のマップテーブル(GM)のアイコン種類(GM7)で、入口や初期立寄の棚に重みを加える。式で示すと以下のようになる。
pm(j、1)=1
ここで、pm(j、1)はホッピング別の確率テーブルである。1はホッピング回数の1番目、すなわちスタートである。なお、店舗に複数の入り口がある場合でも、この影響は正規化により吸収されるため、複数の入り口それぞれの重みを1として良い。
(ステップ2.)ホッピング数がk回のとき棚jに行く確率を決める。
ここで、pm(j、1)はホッピング別の確率テーブルである。1はホッピング回数の1番目、すなわちスタートである。なお、店舗に複数の入り口がある場合でも、この影響は正規化により吸収されるため、複数の入り口それぞれの重みを1として良い。
(ステップ2.)ホッピング数がk回のとき棚jに行く確率を決める。
pm(j、k)=pm(i、k−1)*tr(i、j)
ここで、tr(i、j)は状態遷移確率、pm(j、k)はホッピング別の確率テーブルである。
(ステップ3.)継続時間パラメータを決める。
ここで、tr(i、j)は状態遷移確率、pm(j、k)はホッピング別の確率テーブルである。
(ステップ3.)継続時間パラメータを決める。
ここでは、時間が滞在時間オフセット(DP5)で指定した時間より小さかったら、係数1。大きかったら、係数=exp(−総ホッピング数/滞在時間)とする。そして、pm(j、k)=pm(j、k)*係数を行なう。
(ステップ4.)2〜3を総ホッピング数まで繰り返す。ホッピング別確率(APB5)の式は一例であり、他の計算式でもかまわない。
(ステップ4.)2〜3を総ホッピング数まで繰り返す。ホッピング別確率(APB5)の式は一例であり、他の計算式でもかまわない。
係る処理により、t回目(tは自然数)の位置から、(t+1)回目の位置へ移動する確率を算出する。
ホッピング別確率配列(APB6)は、ホッピング別確率(APB5)によって出力された結果である。詳細は図14で説明する。
ホッピング累積確率(APB7)では、ホッピング累計で棚jに行く確率を求めたものである。計算式は、4つのステップから構成されている。
(ステップ1.)初期条件として0を代入する。
(ステップ2.)以下の式により、ホッピング数がk回までに棚jに行く確率を求める。
(ステップ1.)初期条件として0を代入する。
(ステップ2.)以下の式により、ホッピング数がk回までに棚jに行く確率を求める。
cc(j、k)=cc(j、k−1)+(1−cc(j、k−1))*pm(j、k)
ここで、cc(i、k)は累積確率である。すなわち、(ホッピング数がk−1回までに棚jに立寄った確率)+(ホッピング数がk−1回までに棚jに立寄っていない確率)*(ホッピング数k回の時に棚jに立寄る確率)である。
(ステップ3.)2を総ホッピング数まで繰り返す。
(ステップ4.)ccが総ホッピング数の時の値を立寄率S(APB8)として出力する。
立寄率S(APB8)はホッピング累積確率(APB7)によって出力された結果である。詳細は図15で説明する。
ここで、cc(i、k)は累積確率である。すなわち、(ホッピング数がk−1回までに棚jに立寄った確率)+(ホッピング数がk−1回までに棚jに立寄っていない確率)*(ホッピング数k回の時に棚jに立寄る確率)である。
(ステップ3.)2を総ホッピング数まで繰り返す。
(ステップ4.)ccが総ホッピング数の時の値を立寄率S(APB8)として出力する。
立寄率S(APB8)はホッピング累積確率(APB7)によって出力された結果である。詳細は図15で説明する。
また、POSテーブル(EP)から日毎の売上の商品毎の相関から商品間のネットワーク図を作成し、これから求めた係数を立寄りシミュレーション(APB)に含めてもよい。ネットワーク上のノードが商品、エッジが関係を示している。これを組み合わせることで、ネットワーク上で互いが近いかと遠いかによって、移動の頻度が異なるというモデルとなる。
図4は、顧客シミュレータ(AP)の店舗レイアウト評価(APA)のフローチャートである。
入力(APA2)では、店舗レイアウト評価(APA)に必要な入力ファイルを読み込む。入力ファイルとは具体的には、パラメータテーブル(DP)および棚間距離テーブル(FD)における、所望の案件ID(DP1,FD1)に対応するデータである。
立寄りシミュレーション(APA3)では、入力(APA2)のデータを使って、図3で説明したシミュレーションを行なう。立寄率S(APA4)は立ち寄りシミュレーション(APA3)の出力結果である。
場所バイアス処理(APA5)は、立寄率S(APA4)と図11で説明する店舗レイアウト評価学習(APC)によって求めた立寄りモデル(APA6)を使って、場所の効果を求める。立寄りモデル(APA6)はパラメータテーブル(DP)の立寄りモデル(DP10)と同じものである。
場所バイアス処理の計算式は、場所バイアス = 1 / (1 + exp(-1 * (立寄り率S * 傾き + 切片)))である。これは、一例であり、他の計算式でもかまわない。
場所バイアス(APA7)は場所バイアス処理(APA5)の出力結果である。内容については図16で示した。
バイアス処理(APA8)では、売上(APA9)から場所の効果を排除した商品群の効果(以下、「商品効果」)を求める。バイアス処理(APA8)の入力は、場所バイアス(APA7)と売上(APA9)である。売上(APA9)は、売上データベース(E)の売上テーブル(EU)と同等である。
バイアス処理(APA8)の計算式は、売上 = 場所バイアス * 商品効果である。これは、一例であり、他の計算式でもかまわない。
商品効果(APA10)はバイアス処理(APA8)の出力結果であり、場所の効果を排除した商品群の効果を示したものである。
商品効果(APA10)はバイアス処理(APA8)の出力結果であり、場所の効果を排除した商品群の効果を示したものである。
図5は、顧客シミュレータを用いた、店舗レイアウト評価コンテンツのシーケンス図である。図5は、クライアント(CL)、アプリケーションサーバ(AP)とアプリケーションサーバ(AP)の記録部(APM)から構成されている。それぞれの縦線の矢印は時系列で処理の早い順を意味している。また、それぞれの横線の矢印はそれぞれの構成要素の関係を示している。
最初に、サーバ起動(AP1)では、アプリケーションサーバ(AP)のサーバを起動させおくことで、クライアント(CL)からのアクセス受け入れ可能状態にする。アプリ起動(CL1)は、ユーザ(US)が店舗レイアウト評価コンテンツを起動したことを示している。条件入力(CL2)は、顧客シミュレータを行なうまでの条件設定を行なう。クライアント(CL)の解析条件(CLCT)で実行され、解析条件情報(CLMP)に記録される。計算実行(CL3)では、アプリケーションサーバ(AP)に対して、店舗レイアウト評価コンテンツの開始を指示する。
次に、アプリケーションサーバ(AP)からの課金情報送信(AP2)に対し、、課金データベース(I)側は、課金テーブル(IK)を更新する。クリック数(IK4)を元に課金するならば、課金テーブル(IK)の該当する項目を1増加させる。クラウド使用時間(IK5)を元に課金するならば、課金テーブル(IK)の該当する項目について、開始時刻を記録する。これが、更新(I1)である。さらに、終了時の場合には、クリック数(IK4)をカウントせず、または、クラウド使用時間(IK5)の開始時刻と終了時刻から利用時間を求めて、その値を使用時間としてクラウド使用時間(IK5)に加算する。
次に、アプリケーションサーバ(AP)からの条件送信(AP3)に対し、解析条件情報(CLMP)からシミュレーションデータベース(D)のパラメータテーブル(DP)を参照し、分析に必要なデータを記憶部(ASM)のシミュレーションデータベース(D)、棚データベース(F)および売上データベース(E)から入手する。これが、条件検索(DFE1)である。送信(DFE2)では、上記で求めたデータをアプリケーションサーバ(AP)に送る。
店舗レイアウト評価(APA)では、図4で示した店舗レイアウト評価(APA)を行なう。コンテンツ生成(CLCA)では、店舗レイアウト評価(APA)の結果がクライアント(CL)へ送信されたもの描画設定(CLCP)を用いながら作成していく。終了(CL5)は店舗レイアウト評価コンテンツの終了である。
以上をまとめると、本実施例に係る顧客シミュレータシステムは、顧客が店舗に入店後の時間経過に対する滞在確率に関する第1の情報(顧客の行動特性)、店舗に設けられた複数の棚のそれぞれの間の距離を示す第2の情報(場所に関する情報)、および、店舗に顧客が滞在する滞在時間(DP6)と顧客が棚間で移動を行う移動周期(DP7)を示す第3の情報とが入力される入力部(送受信部ASS)と、第1の情報、第2の情報、並びに、第3の情報、および、a)顧客は、店舗の入り口から移動を開始する、b)顧客は、複数の棚のうち移動距離が遠くのより近くにある棚に移動する確率が高い、c)顧客は、滞在時間しか店舗に滞在しない、d)顧客は、移動先の棚をランダムに移動する、というシミュレーション条件を記憶する記憶部と、第1の情報、第2の情報、第3の情報、および、シミュレーション条件とを用いて、複数の棚のそれぞれに対して顧客が滞在する確率を計算するシミュレータ部(顧客シミュレータAP)と、確率を棚に対応付けて表示する表示部(ディスプレイCLID)と、を有することを特徴とする。
または、情報処理方法であって、顧客が店舗に入店後の時間経過に対する滞在確率に関する第1の情報、店舗に設けられた複数の棚のそれぞれの間の距離を示す第2の情報、および、店舗に顧客が滞在する滞在時間と顧客が棚間で移動を行う移動周期を示す第3の情報を入力として受け付ける工程(条件入力CL2)と、第1の情報、第2の情報、並びに、第3の情報、および、a)顧客は、店舗の入り口から移動を開始する、b)顧客は、複数の棚のうち移動距離が遠くのより近くにある棚に移動する確率が高い、c)顧客は、滞在時間しか店舗に滞在しない、d)顧客は、移動先の棚をランダムに移動する、というシミュレーション条件とを用いて、複数の棚のそれぞれに対して顧客が滞在する確率を計算する工程(計算実行CL3)と、確率を棚に対応付けて表示する工程(コンテンツ生成CLCA)と、を有することを特徴とする。
係る特徴により、本実施例に係る情報処理システムおよび情報処理方法は、売上を、場所の特性である場所バイアスと、商品の特性である商品効果とに、分離できる。これにより、商品配置の決定の際に、担当者は、場所の特性のみ、商品の特性のみを、それぞれ分けて検討することができるようになる。従って、より個々の担当者の能力に左右されず、より精度の高い商品配置の決定が可能となるものである。さらに、後述する、様々なアプリケーションを実現できる。
図6は、店舗レイアウト評価コンテンツ(KA)の画面である。KA1は店舗名(DP2)である。KA2は店舗レイアウト評価シミュレーションの計算実行開始ボタンである。図5のシーケンス図における計算実行(CL3)と同じである。KA3はシミュレーションデータベース(D)のパラメータテーブル(DP)のパラメータである。KA4は場所バイアスと商品効果の散布図を表示するグラフである。KA5は棚のレイアウトを編集するための設定画面である。KA6は棚のレイアウトである。KA7は店舗レイアウト評価シミュレーション結果である立寄率を表示する画面である。KA8は棚のレイアウトの凡例である。KA9は棚のレイアウト評価シミュレーション結果である顧客単価を表示する画面である。KA10は棚のレイアウト評価シミュレーション結果である顧客購買点数を表示する画面である。KA11は棚のレイアウト評価シミュレーション結果である顧客購買品目数を表示する画面である。
図6は、起動時の画面であり、この画面から、KA5やKA6を用いて棚のレイアウトを決める。そして、図7のKBは、計算実行(CL3)した結果である。図7では、場所の特性を意味する場所バイアスの結果を表示している。KB6では、棚のレイアウトにおける棚に配色されている色の濃さによって場所バイアスの大きさを表しており、濃い色の方が場所バイアスの値が大きい。すなわち、KB61<KB62<KB63である。それぞれの値については凡例KB8に表示がある。図7のように、場所バイアスのみを複数の棚のそれぞれに対応付けて図示を行う構成により、店舗レイアウトにおける場所の効果の影響を、商品配置の決定の担当者が直観的に理解することがより容易となる。
図7の画面に対し、KB5の立寄りの置き換え候補を選択した場合の画面が図8である。図8では、場所の特性である場所バイアスに加え、さらに商品の特性である商品効果を重畳して図示している。図8のKCでは、棚置換の候補と、棚を置き換えた時の特性を示している。KC4は場所バイアスと商品効果の散布図であり、各ノードKC41〜43は棚と棚に配置されている商品を意味している。
KCでは、ノードの絵柄によって意味が異なり、商品効果、場所バイアスのそれぞれについて、それぞれの棚が、平均値より大きいか否かを示している。KC41は、商品効果が平均より高く、場所バイアスが平均より低い棚である。KC42は、商品効果が平均より低く、場所バイアスが平均より高い棚である。KC43は、上記以外の棚である。
KC6は、棚のレイアウトにおける評価結果である。棚の絵柄によって、意味が異なる。商品効果、場所バイアスのそれぞれの平均に対して、KC61は、商品効果が平均より高く、場所バイアスが平均より低い棚である。KC62は、商品効果が平均より低く、場所バイアスが平均より高い棚である。KC63は、上記以外の棚である。
図8の構成により、場所バイアスと商品効果の釣り合っていない棚(KC61,62)を直観的に把握することが可能となり、より商品配置の決定が容易となる。さらに、KC61の棚のいずれかの商品と、KC62の棚のいずれかの商品の位置関係を交換することで、より顧客単価を高められる等の予測もより容易となる。
図9の画面は、図8のKC6の棚にある商品の配置を移動(置換)させた結果を示している。置換した棚はKD61とKD62である。置換した際に、KD9、KD10、KD11を再計算した結果が表示される。さらに、初期値との差についても表示される。KD9には、図10で作成された売上モデル(APD4)から、以下に示す顧客単価を計算した結果を表示する。この処理は全ての棚に対して行ない、変化があった棚には置き換え後の場所バイアスの値を代入した合計値を計算する。ここで、パラメータテーブル(DP)の売上モデル(DP11)には、以下に示す顧客単価の式の傾きと切片が格納されている。
顧客単価=B’*a+b
a=売上モデルの傾き
b=売上モデルの切片
B’=置き換えた場所の場所バイアス
これは、一例であり、売上モデルに相応しい、他の計算式でもかまわない。
顧客単価=B’*a+b
a=売上モデルの傾き
b=売上モデルの切片
B’=置き換えた場所の場所バイアス
これは、一例であり、売上モデルに相応しい、他の計算式でもかまわない。
KD9にはさらに、顧客単価だけでなく、置き換え前と置き換え後での、顧客単価の変化量である増減金額と増減率を表示する。
KD10は、KD9の顧客単価を、顧客購買点数と置き換えて求めた結果である。KD11は、KD9の顧客単価を、顧客購買品目数と置き換えて求めた結果である。どちらも、計算の詳細はKD9と同様である。なお、計算の詳細は図10で後述する。
図9の構成により、商品の配置を置き換えた際の変換を、商品配置の担当者が容易に把握することが可能となる。例えば図9の例では、KD9〜11の値が全て増加しており、KD61と62の棚の置き換えが好ましいことが容易にわかる。逆に、これらの値が減少している場合は、当該棚の置き換えは好ましくないことが容易にわかる。
図10は、顧客シミュレータ(AP)の商品棚置換計算(APD)のフローチャートである。商品棚置換計算(APD)では、商品の特性である商品効果と置き換えた棚(場所)の特性である場所バイアスを売上モデルにて処理することで、売上を予測する。
入力(APD2)では、場所バイアス(APA7)と商品効果(APA10)のファイルを読み込む。売上モデル生成(APD3)では、入力(APD2)を基にした回帰を行なう。売上モデルを生成することによって、棚配置後の売上の予測ができるようになる。求められた回帰式が売上モデル(APD4)である。単回帰の場合の式はY=X*傾き+切片となるため、傾きと切片が、売上モデル(APD4)となる。他の回帰計算を用いる場合は、必要なパラメータを適宜売上モデル(APD4)とすれば良い。この、売上モデル(APD4)は、売上モデル(DP11)に代入される。
図11は、顧客シミュレータ(AP)の店舗レイアウト評価学習(APC)のフローチャートである。これは、店舗レイアウト評価(APA)を行ないための立寄りモデル(APA6)を求めるための学習である。
入力(APC2)では、立寄りシミュレーション(APB)に必要な入力ファイルを読み込む。具体的には、該当の案件ID(DP1)のパラメータテーブル(DP)の滞在時間オフセット(DP5)、滞在時間(DP6)、移動周期(DP7)、移動距離(DP8)、シミュレーション時間(DP9)と棚データベース(F)の棚間距離テーブル(FD)を読み込む。
立寄りシミュレーション(APC3)では、図3と同様に、入力(APC2)のデータ使って、シミュレーションを行なう。棚配置の立寄り率Sを求めるために立寄りシミュレーション(APC3)を行なう。立寄率S(APC4)は、立ち寄りシミュレーション(APC3)の出力結果である。
立寄りモデル生成(APC5)では、立寄率S(APC4)と立寄率(APC6)を基にした回帰を行なう。立寄りモデルを生成することによって、次回以降、実測による立寄率(APC6)を求めなくても、立ち寄りシミュレーション(APC3)による結果である立寄率S(APC4)だけあれば、店舗のレイアウト評価ができるようになる。立寄率(APC6)については図23で説明する。
立寄りモデル生成(APC5)で、求められた回帰式が立寄りモデル(APC7)である。この立寄りモデル(APC7)を、立寄りモデル(DP10)に代入して、店舗レイアウト評価学習(APC)は終了する(APC8)。
図12〜17において、シミュレーションに使用するテーブルを説明する。これらのデータは、シミュレーションデータベース(D)に格納される。以下で説明する各テーブルにおいて、説明していないパラメータが必要な場合には、任意に追加してもよい。
図12は、顧客シミュレータ(AP)に必要なパラメータを格納するパラメータテーブル(DP)である。
図12は、顧客シミュレータ(AP)に必要なパラメータを格納するパラメータテーブル(DP)である。
図12において、案件ID(DP1)は、案件を識別するためのIDである。案件名(DP2)は、案件名称である。店No(DP3)は、店舗を識別するための番号である。日時(DP4)は、シミュレーションの対象となった日付である。もし、複数日にまたがる場合には、複数日を指定してもよい。もし、日付と時刻が必要な場合には、両方格納してもよい(以下日付について同様)。滞在時間オフセット(DP5)は、シミュレーションを実行する際のオフセットとなる値である。値の単位は秒である。滞在時間(DP6)は、シミュレーションを実行する際の顧客の滞在時間であり、この時間毎に顧客の滞在確率が1/eとなる値である。値の単位は秒である。
移動周期(DP7)は、シミュレーション実行時の、前棚から次棚まで平均移動周期である。単位は秒である。移動距離(DP8)は、シミュレーション実行時の、前棚から次棚まで平均移動距離である。単位はメートルである。シミュレーション時間(DP9)は、シミュレーションを実行する時間である。単位は秒である。
立寄りモデル(DP10)は、場所バイアス処理にて用いるモデルパラメータである。モデルは、フィッティング関数の各種パラメータの値か、当該フィッティング関数そのものの式にて構成されている。売上モデル(DP11)は、場所バイアス処理にて用いるモデルパラメータである。モデルは、同様に値や式にて構成されている。
図13は、その棚への立寄りやすさを示す状態遷移確率を格納する状態遷移確率マトリックステーブル(DM)である。
図13において、案件ID(DM1)は、案件を識別するためのIDである。日時(DM2)は、シミュレーションの対象となった日付である。棚ID1(DM3)は、棚1を識別するための番号であり、棚ID2(DM4)は、棚2を識別するための番号である。ここで、棚ID1(DM3)や棚ID2(DM4)が間口(段(横)と列(縦))に分かれている場合には、それが識別できるように格納してもよい。状態遷移確率(DM5)には、立寄りシミュレーション(APB)の状態遷移確率(APB3)の出力結果を格納する。
図14は、ホップ別の棚毎のその棚への立寄り確率を格納するホップ別確率テーブル(DH)である。これも、シミュレーションに使用するデータなので、シミュレーションデータベース(D)に含まれている。次に、内容の説明を行なう。
図14において、案件ID(DH1)は、案件を識別するためのIDである。日時(DH2)は、シミュレーションの対象となった日付である。ホッピング回数(DH3)は、ホッピングを繰り返した回数である。ホッピング回数の最大値は、シミュレーション時間(DP9)を移動周期(DP7)で割った値である。棚ID(DH4)は、棚を識別するための番号である。ホップ別確率(DH5)は、立寄りシミュレーション(APB)のホップ別確率(APB5)の計算結果である。
図15は、シミュレーションの結果である棚毎の立寄り率を格納するための立寄率Sテーブル(DT)である。
図15において、案件ID(DT1)は、案件を識別するためのIDである。日時(DT2)は、シミュレーションの対象となった日付である。棚ID(DT3)は、棚を識別するための番号である。立寄率S(DT4)は、立寄りシミュレーションの、後述するホップ累積確率(APB6)の計算結果である。
図16は、シミュレーションの結果から商品の影響を取り除き場所の効果のみを求めた場所バイアステーブル(DB)である。
図16において、案件ID(DB1)は、案件を識別するためのIDである。日時(DB2)は、シミュレーションの対象となった日付である。棚ID(DB3)は、棚を識別するための番号である。場所バイアス(DB4)は、店舗レイアウト評価(APA)の場所バイアス処理(APA5)の計算結果である。
図17は、売上から場の影響を取り除き商品の効果を求めた商品効果商品効果テーブル(DU)である。 図17において、案件ID(DU1)は、案件を識別するためのIDである。日時(DU2)は、シミュレーションの対象となった日付である。棚ID(DU3)は、棚を識別するための番号である。商品ID(DU4)は、商品を識別するための番号である。商品効果(DU5)は、店舗レイアウト評価(APA)のバイアス処理(APA8)の計算結果である。
図18〜19において、売上データベース(E)に格納されるテーブルを説明する。図18は、顧客毎の売上を求めた、POSテーブル(EP)である。 図18において、日時(EP1)は、その商品がレジに登録された日時である。すなわち、購入した日時である。顧客ID(EP2)は、購入した顧客を識別するための番号である。商品ID(EP3)は、購入した商品を識別するための番号である。商品情報(EP4)は、商品ID(EP3)の商品情報である。その商品の詳細が分かればよく、バーコード等の言語情報でなくでもかまわない。単価(EP5)は、商品ID(EP3)の1個あたりの値段である。個数(EP6)は、商品ID(EP3)の購入した商品の個数である。店No(EP7)は、店舗を識別するための番号である。レジNo(EP8)は、店No(EP7)内のレジを識別するための番号である。レシートNo(EP9)は、レジNo(EP8)における購入した商品を1会計ごとに識別するための番号である。
このような値を代入することで、レジにおける一会計単位での、売上品目数、購入点数。売上金額がわかる。具体的には、店No(EP7)とレジNo(EP8)とレシートNo(EP9)を組み合わせることで1人のお客の会計が特定できる。
図19は、商品の売り上げを示した、売上テーブル(EU)である。これはPOSテーブル(EP)から商品毎に売上を集計したものである。
図19において、案件ID(EU1)は、案件を識別するためのIDである。日時(EU2)は、シミュレーションの対象となった日付である。すなわち、購入した日時である。商品ID(EU3)は、商品を識別するための番号である。商品情報(EU4)は、商品ID(EU3)の商品情報である。その商品の詳細が分かればよく、バーコード等の言語情報でなくでもかまわない。売上金額(EU5)は、日時(EU2)における商品ID毎の売上金額であり、対象となる日時(EU2)における商品毎の売上をPOSテーブル(EP)の単価(EP5)と個数(EP6)を掛けたものを集計することで求めたものである
図20〜21において、棚データベース(F)に格納されるテーブルを説明する。図20は、商品と棚とを関係付けることを示した、棚商品テーブル(FT)である。これを用いることによって、どの商品がどの棚に配置されているかがわかる。
図20〜21において、棚データベース(F)に格納されるテーブルを説明する。図20は、商品と棚とを関係付けることを示した、棚商品テーブル(FT)である。これを用いることによって、どの商品がどの棚に配置されているかがわかる。
図20において、案件ID(FT1)は、案件を識別するためのIDである。日時(FT2)は、シミュレーションの対象となった日付である。棚ID(FT3)は、棚を識別するための番号である。棚が間口(段(横)と列(縦))に分かれている場合には、それが識別できるように格納してもよい(以下同様)。同棚設置商品数(FT4)は、棚に異なる商品が何種類配置されているかを記載する。例えば、商品「アイス」と「冷凍食品」の2種類が棚「A」で扱われている場合には、2となる。商品ID(FT5)は、商品を識別するための番号である。同商品設置棚数(FT6)は、同じ商品が複数の棚にて扱っている場合には、商品IDに対して、取り扱っている棚の数を記載する。例えば、商品「アイス」が棚「A」「B」「C」で扱っている場合には、3となる。このような値を保持することによって、棚毎の売上を求める際に、売上を棚数で割ることで、1棚あたりの売上を求めることができる。
図21は、障害物を考慮した2棚間の距離を格納する棚間距離テーブル(FD)であり、2つの棚IDと距離との関係を示している。
図21において、案件ID(FD1)は、案件を識別するためのIDである。日時(FD2)は、シミュレーションの対象となった日付である。棚ID1(FD3)は、棚1を識別するための番号である。棚ID2(FD4)は、棚2を識別するための番号である。棚ID1(FD3)と棚ID2(FD4)が間口(段(横)と列(縦))に分かれている場合には、それが識別できるように格納してもよい。
距離(FD5)は、障害物を考慮した棚ID1(FD3)と棚ID2(FD4)の距離である。単位はメートルである。距離の求め方は、ダイクストラ法、ベルマンフォード法、A*アルゴリズムなど、一般的な最短経路問題のアルゴリズムを使うことができる。
距離(FD5)は、障害物を考慮した棚ID1(FD3)と棚ID2(FD4)の距離である。単位はメートルである。距離の求め方は、ダイクストラ法、ベルマンフォード法、A*アルゴリズムなど、一般的な最短経路問題のアルゴリズムを使うことができる。
図22は、コンテンツ(K)上にて表示する必要がアイコン情報を格納するためのマップテーブル(GM)である。これは、マップデータベース(G)に格納されている。
コンテンツ(K)は、画面上に棚や障害物等のアイコンを指定することで入力を支援し、アイコン表示することでユーザが理解しやすくするものである。マップテーブル(GM)は、コンテンツ(K)におけるアイコンとマップとの対応表を示したものである。
図22において、案件ID(GM1)は、案件を識別するためのIDである。日時(GM2)は、シミュレーションの対象となった日付である。背景マップファイル(GM3)は、コンテンツ(K)の背景に表示する地図ファイルである。棚ID(GM4)は、棚を識別するための番号である。座標X(GM5)は、マップ基準点(原点)から見た配置する際のX座標値である。座標Y(GM6)は、マップ基準点(原点)から見た配置する際のY座標値である。アイコン種類(GM7)は、表示する際のアイコンの種類である。1が棚、2が障害物、3が初期立寄、4が入口、5が出口、6がレジである。複数の機能を有している場合には、複数の番号を割り当ててもよい。例えば、出入り口ならば4と5である。領域サイズX(GM8)は、マップから見た時に、座標X(GM5)を中心として、X軸方向の大きさを示したものである。
領域サイズY(GM9)は、マップから見た時に、座標Y(GM6)を中心として、Y軸方向の大きさを示したものである。取り出し方向(GM10)とは、棚を設置した際に、基準点から見て、取り出し口の方向を示したものである。1が上、2が下、3が左、4が右である。
図23は、実測によって求めた棚毎の立寄り率を格納するための立寄率テーブル(HT)である。これは、立寄データベース(H)に格納されている。
図23において、案件ID(HT1)は、案件を識別するためのIDである。日時(HT2)は、シミュレーションの対象となった日付である。棚ID(HT3)は、棚を識別するための番号である。立寄率(HT4)は、実測によって求めた棚毎の立寄り率を求めたものである。計測方法はアンケート、カメラ、レーザ計測、センサなど、一般的な計測方法を用いることができる。
図24は、シミュレーションの利用時間や回数を記録しておくことで、課金するためもととなるデータであり、課金テーブル(IK)に記録される。これは、課金データベース(I)に格納されている。次に、内容の説明を行なう。
図24において、利用者ID(IK1)は、本アプリを使用したユーザ(US)を識別するためのIDである。案件ID(IK2)は、案件を識別するためのIDである。日時(IK3)は、シミュレーションの対象となった日付である。クリック数(IK4)はクライアント(CL)からアプリケーションサーバ(AS)へクエリを送信した回数である。クラウド使用時間(IK5)はアプリケーションサーバ(AS)にて処理にかかった時間を格納する。もし、クリック数(IK4)やクラウド使用時間(IK5)を詳細に分類する時には、クエリ内容やページ毎に詳細化して使用状況を課金テーブル(IK)に格納してもよい。
以上で説明した本実施例に係る情報処理システムの特徴を、データベースおよびテーブルの構成から説明すると、店舗における棚の座標情報(座標X(GM5)および座標Y(GM6))、棚の棚番号(棚ID(GM4))、および、これらを紐付けた情報(マップテーブル(GM))を入力する入力部(送受信部ASS)と、棚の座標情報、棚の棚番号、および、これらを紐付けた情報を用いて、店舗の顧客のある時刻tにおける滞在位置または滞在確率を求める第1の処理と、顧客の時刻(t+Δt)における滞在位置または滞在確率を求める第2の処理と、を複数回繰り返すことによって、棚毎の前記顧客の立寄りやすさ、または、棚毎の売上予測を算出するシミュレータ部(顧客シミュレートタAP)と、立寄りやすさ、または、売上予測を表示する表示部(ディスプレイCLID)と、を有することを特徴とする。
係る構成により、上述した店舗レイアウト評価コンテンツを実現し、商品の特性を排除した顧客動線と立寄りやすさを予測することが可能となる。
さらには、棚番号(棚ID(FT3))、当該棚番号を有する棚に配置される商品情報(商品ID(FT5))、並びに、これらを紐付ける情報(棚商品テーブル(FT))、と、売上情報(売上金額(EU5))、商品情報(商品ID(EU1))、および、これらを紐付ける情報(売上テーブル(EU))とをさらなる入力とすることで、上述した商品棚配置最適化コンテンツを実現し、例えば、棚配置変更による顧客単価、購買点数、購買品目の増減まで予測することが可能となる。
なお、本実施例に係る各発明は、人が回遊する場所に適用できるシステムであり、店舗だけでなく、工場、工事現場、物流倉庫などにも適用することが可能である。
AS アプリケーションサーバ
ASS 送受信部
ASC 制御部
ASCC 通信制御
ASCW Webサーバ
AP 顧客シミュレータ
APA 店舗レイアウト評価
APB 立寄りシミュレーション
APC 店舗レイアウト評価学習
APD 商品棚置換計算
APE 課金
ASM 記憶部
D シミュレーションデータベース
E 売上データベース
F 棚データベース
G マップデータベース
H 立寄データベース
I 課金データベース
CL クライアント
CLS 送受信部
CLC 制御部
CLCC 通信制御
CLCA コンテンツ生成
CLCP 描画設定
CLCT 解析条件
CLCW Webブラウザ
CLM 記憶部
CLMP 解析条件情報
CLMT 描画設定情報
CLI 入出力部
CLID ディスプレイ
CLIK キーボード
CLIM マウス
CLIU 外部入出力
K コンテンツ
NW ネットワーク
US ユーザ
ASS 送受信部
ASC 制御部
ASCC 通信制御
ASCW Webサーバ
AP 顧客シミュレータ
APA 店舗レイアウト評価
APB 立寄りシミュレーション
APC 店舗レイアウト評価学習
APD 商品棚置換計算
APE 課金
ASM 記憶部
D シミュレーションデータベース
E 売上データベース
F 棚データベース
G マップデータベース
H 立寄データベース
I 課金データベース
CL クライアント
CLS 送受信部
CLC 制御部
CLCC 通信制御
CLCA コンテンツ生成
CLCP 描画設定
CLCT 解析条件
CLCW Webブラウザ
CLM 記憶部
CLMP 解析条件情報
CLMT 描画設定情報
CLI 入出力部
CLID ディスプレイ
CLIK キーボード
CLIM マウス
CLIU 外部入出力
K コンテンツ
NW ネットワーク
US ユーザ
Claims (15)
- 顧客が店舗に入店後の時間経過に対する滞在確率に関する第1の情報、前記店舗に設けられた複数の棚のそれぞれの間の距離を示す第2の情報、および、前記店舗に顧客が滞在する滞在時間と前記顧客が前記棚間で移動を行う移動周期を示す第3の情報とが入力される入力部と、
前記第1の情報、前記第2の情報、並びに、前記第3の情報、および、
a)前記顧客は、前記店舗の入り口から移動を開始する、
b)前記顧客は、前記複数の棚のうち移動距離が遠くのより近くにある棚に移動する確率が高い、
c)前記顧客は、前記滞在時間しか前記店舗に滞在しない、
d)前記顧客は、移動先の棚をランダムに移動する、
というシミュレーション条件を記憶する記憶部と、
前記第1の情報、前記第2の情報、前記第3の情報、および、前記シミュレーション条件とを用いて、前記複数の棚のそれぞれに対して前記顧客が滞在する確率を計算するシミュレータ部と、
前記確率を前記棚に対応付けて表示する表示部と、を有することを特徴とする情報処理システム。 - 請求項1において、
前記第1の情報は、前記顧客が前記店舗に滞在する時間のオフセットと、前記顧客が前記店舗に滞在する確率が1/eになる時間の2つの値により一意に定まる関数であること特徴とする情報処理システム。 - 請求項1において、
前記シミュレータ部は、前記移動周期毎の移動のうち、t回目(tは自然数)の位置から、(t+1)回目の位置へ移動する確率を求めることを特徴とする情報処理システム。 - 請求項1において、
前記入力部に、前記店舗における売上を含む第4の情報がさらに入力され、
前記シミュレータ部は、前記第4の情報をさらに用いて、前記売上から前記確率を排除した情報である商品効果を計算し、
前記表示部は、前記確率および前記商品効果を表示することを特徴とする情報処理システム。 - 請求項4において、
前記シミュレータ部は、前記確率および前記商品効果の平均値を算出し、
前記表示部は、前記複数の棚のそれぞれを、前記確率が平均値より大きいか否か、および、前記商品効果が平均値より大きいか否か、の2つの情報を識別できる表示態様で表示することを特徴とする情報処理システム。 - 請求項4において、
前記表示部において、前記複数の棚のそれぞれは、移動可能に構成され、
前記シミュレータ部は、前記複数の棚のいずれかを移動させた際の、前記確率および前記商品効果をさらに算出することを特徴とする情報処理システム。 - 請求項1において、
前記シミュレータ部は、前記顧客の顧客単価、顧客購買点数、又は顧客購買品目数のうち少なくとも1つをさらに算出し、
前記表示部は、前記顧客の顧客単価、前記顧客購買点数、又は前記顧客購買品目数のうち少なくとも1つをさらに表示することを特徴とする情報処理システム。 - 顧客が店舗に入店後の時間経過に対する滞在確率に関する第1の情報、前記店舗に設けられた複数の棚のそれぞれの間の距離を示す第2の情報、および、前記店舗に顧客が滞在する滞在時間と前記顧客が前記棚間で移動を行う移動周期を示す第3の情報を入力として、入力部により受け付ける第1の工程と、
前記第1の情報、前記第2の情報、並びに、前記第3の情報、および、
a)前記顧客は、前記店舗の入り口から移動を開始する、
b)前記顧客は、前記複数の棚のうち移動距離が遠くのより近くにある棚に移動する確率が高い、
c)前記顧客は、前記滞在時間しか前記店舗に滞在しない、
d)前記顧客は、移動先の棚をランダムに移動する、
というシミュレーション条件とを用いて、前記複数の棚のそれぞれに対して前記顧客が滞在する確率をシミュレータ部により計算する第2の工程と、
前記確率を前記棚に対応付けて表示部により表示する第3の工程と、を有することを特徴とする情報処理方法。 - 請求項8において、
前記第1の情報は、前記顧客が前記店舗に滞在する時間のオフセットと、前記顧客が前記店舗に滞在する確率が1/eになる時間の2つの値により一意に定まる関数であること特徴とする情報処理方法。 - 請求項8において、
前記第2の工程において、前記移動周期毎の移動のうち、t回目(tは自然数)の位置から、(t+1)回目の位置へ移動する確率を求めることを特徴とする情報処理方法。 - 請求項8において、
前記第1の工程において、前記店舗における売上を含む第4の情報がさらに入力され、
前記第2の工程において、前記第4の情報をさらに用いて、前記売上から前記確率を排除した情報である商品効果をさらに計算し、
前記第3の工程において、前記確率および前記商品効果を表示することを特徴とする情報処理方法。 - 請求項11において、
前記第2の工程において、前記確率および前記商品効果の平均値を算出し、
前記第3の工程において、前記複数の棚のそれぞれを、前記確率が平均値より大きいか否か、および、前記商品効果が平均値より大きいか否か、の2つの情報を識別できる表示態様で表示することを特徴とする情報処理方法。 - 請求項8において、
前記第2の工程において、前記顧客の顧客単価、顧客購買点数、又は顧客購買品目数のうち少なくとも1つをさらに算出し、
前記第3の工程において、前記顧客の顧客単価、前記顧客購買点数、又は前記顧客購買品目数のうち少なくとも1つをさらに表示することを特徴とする顧客シミュレータシステム。 - 店舗における棚の座標情報、前記棚の棚番号、前記店舗に設けられた複数の棚のそれぞれの間の距離、および、これらを紐付けた情報を入力する入力部と、
前記棚の座標情報、前記棚の棚番号、前記距離、および、これらを紐付けた情報を用いて、前記店舗の顧客のある時刻tにおける前記複数の棚のそれぞれに対して前記顧客が滞在する滞在確率を求める第1の処理と、前記顧客の時刻(t+Δt)における前記滞在確率を求める第2の処理と、を行い所定の時刻までに前記複数の棚のそれぞれに対して前記顧客が移動する確率を求める第3の処理を行い、前記第3の処理を複数回繰り返すことによって、前記棚毎の前記顧客の立寄りやすさを算出するシミュレータ部と、
前記立寄りやすさを表示する表示部と、を有することを特徴とする情報処理システム。 - 請求項14において、
前記入力部は、
前記棚番号、当該棚番号を有する棚に配置される商品情報、並びに、これらを紐付ける情報、及び、売上情報、前記商品情報、および、これらを紐付ける情報と、をさらなる入力とすることを特徴とする情報処理システム。
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