JP2009110181A - 移動経路評価装置および移動経路評価プログラム - Google Patents

移動経路評価装置および移動経路評価プログラム Download PDF

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Abstract

【課題】移動体の目的に対する移動体の実際の移動履歴の適切さを評価できるようにする。
【解決手段】所定の空間内を移動する移動体の観測された実移動履歴の適切さを評価する移動経路評価装置に、移動体が目的を達成するために通過すべき1以上の目的地を経由するすべての経路のうち空間内の所定の条件を満たす1以上の理想経路候補を抽出する理想経路生成手段26と、理想経路候補と実移動履歴との差異に基づいて、実移動履歴の適切さを示す評価値を算出する実移動履歴評価手段11と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定の空間内を移動する移動体の観測された実移動履歴の適切さを評価する移動経路評価装置および移動経路評価プログラムに関する。
製造現場や店舗など人の集まる場所での人の動きは、フロアレイアウトや作業手順書の問題点の発見や、商品の販促活動に用いられている。
たとえば、製造現場では、作業者の後を作業改善担当者が追いかけながら作業者の動きを記録し、ムダを発見するという改善活動が定期的に行われる場合がある。IE(Industrial Engineering)では、このようなムダを発見するために人や装置の稼働状況を測定し、製造現場の稼働率の向上に寄与している。
また、店舗においては、顧客の後を覆面調査員が追いかけながら顧客の動きを記録し、アンケートやインタビューの結果と合わせて、品揃えや店舗のフロアレイアウトなどの問題点を指摘する場合がある。指摘された問題点を改善することによって、店舗の利益率や売上げの向上に寄与している。
問題のある動きの一つに、目的から定められる移動経路から外れた移動、すなわち想定外の移動があげられる。たとえば、製造現場の作業者は通常作業手順書で決められた作業を行うべきである。そこで、通常作業者は作業手順書に記された製品や部品や工具がある場所を結ぶように移動すると考えられる。そのような移動経路から外れた移動、すなわち作業手順書から想定される移動とは異なる移動をしている場合は、何らかのトラブルやムダ作業が発生していると考えられる。そこで、その発生時刻や場所を特定し、その原因を改善することができれば、作業者の作業効率を向上させることができる。
また、店舗内における顧客の動きは、大きく目的購買行動と目的外購買行動の二つに分けられる。目的購買行動は、来店前に決めていた商品を購入する行動である。目的外購買行動は、あらかじめ決めていない商品を購入する行動である。目的購買行動をとる顧客は、来店目的の商品が置いてある場所と出口とを結ぶように移動する。来店目的は、入り口で入店前に行ったアンケートなどによって得ることができる。このような経路からはずれた移動を取る原因として、たとえば他に気になる商品を見つけたこと、迷い行動などが考えられる。そのような行動が生じる場所、人数、顧客属性を知ることは、店舗での販促活動やレイアウトの改善に有効である。
また、空港などの公共施設においては、訪れる人の動きは目的によって決められている。そこで、目的によって決められた移動から大きく外れた移動は、不審者である可能性が高いため、注意しなければならない移動である。
しかし、このような活動は、人手による観測が必要であるため、結果が出るまでに時間がかかり、コストがかかるという問題点がある。
近年、センサ技術の発達により、センサの小型化、価格低下が進み、様々な場所にセンサを設置することが可能になった。そのため、それらセンサを用いて人の動きを自動に観測することができるようになってきた。観測を自動化することにより、今までは困難であった長期間にわたる観測や、大人数の観測が可能となった。
人を観測するセンサとして、RFID(Radio Frequency IDentification)やカメラなどが存在するが、人手による観測と同じ粒度で人の移動を観測することは困難である。このため、今まで人手による観測の場合と同じ評価方法を用いることができない。そこで、センサから自動的に得られる膨大な量の観測結果から問題のある箇所を発見するためには、新たな評価方法によって観測結果を評価しなければならない。
特許文献1には、動線情報を基にレイアウトの移動コストがあらかじめ許容範囲内であるかどうかを判定し、許容範囲を超えた場合にレイアウトの最適化を行う装置が開示されている。
特開2006−22309号公報 Ernesto de Queiros Vieira Martins、他著、"An algorithm for ranking loopless path"、Research Report、ポルトガル、Univ. de Coimbra、1997年5月
どのような場所においても、目的によって定められる移動経路から外れた移動は、より詳細を調査するために注目すべき行動である。しかし、一つの場所に訪れる人の目的は、一般的に大量にあり、またその目的を果たすための移動経路は複数ある。そのため、人が目的に合わせて移動経路を指定すること、そこからどれだけ外れているかを評価することは現実的ではない。
また、特許文献1に開示された装置は、移動体の移動コストという評価方法を用いたレイアウト評価のみを目的とするものである。実際の製造現場では、決められた計画と実際の動きがどれだけずれているかであり、それは必ずしも移動コストだけでは発見できない。たとえば、ある作業を忘れた場合は、移動コストは低いが見つけなければならないし、何かのトラブル対応で想定していなかった作業が発生していたことは、移動コストだけの観測ではわからない。
そこで、本発明は、移動体の目的に対する移動体の実際の移動履歴の適切さを評価できるようにすることを目的とする。
上述の目的を達成するため、本発明は、所定の空間内を移動する移動体の観測された実移動履歴の適切さを評価する移動経路評価装置において、前記移動体が目的を達成するために通過すべき1以上の目的地を経由するすべての経路のうち前記空間内の所定の条件を満たす1以上の理想経路候補を抽出する理想経路生成手段と、前記理想経路候補と前記実移動履歴との差異に基づいて、前記実移動履歴の適切さを示す評価値を算出する実移動履歴評価手段と、を有することを特徴とする。
また、本発明は、所定の空間内を移動する移動体の観測された実移動履歴の適切さを評価する移動経路評価プログラムにおいて、コンピュータに、前記移動体が目的を達成するために通過すべき1以上の目的地を経由するすべての経路のうち所定の条件を満たす1以上の理想経路候補を抽出する理想経路生成機能と、前記理想経路候補と前記実移動履歴との差異に基づいて、前記実移動履歴の適切さを示す評価値を算出する実移動履歴評価機能と、を実現させることを特徴とする。
本発明によれば、移動体の目的に対する移動体の実際の移動履歴の適切さを評価できる。
本発明に係る移動経路評価装置および移動経路評価プログラムの実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、同一または類似の構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
移動経路評価装置は、所定の空間内を移動する移動体の観測された実移動履歴の適切さを評価する装置である。ここで移動体とは、所定の空間内で移動する人などの物体である。評価対象の移動体としては、たとえば製造現場で働く作業者や、店舗内の顧客が挙げられる。
図1は、本発明に係る移動体経路評価装置の一実施の形態におけるブロック図である。
移動経路評価装置は、理想経路生成手段26と、実移動履歴評価手段11とを有している。理想経路生成手段26は、移動体が目的を達成するために通過すべき1以上の目的地を経由するすべての経路のうち、空間内の所定の条件を満たす1以上の理想経路候補を抽出する。実移動履歴評価手段11は、理想経路候補と実移動履歴との差異に基づいて、実移動履歴の適切さを示す評価値を算出する。算出された評価値は、たとえば、実移動履歴および理想経路候補とともに表示装置12に表示される。
評価値は、たとえば、理想経路候補を通過した場合と実移動履歴とのそれぞれの場所を通過するときの経過時間のずれに基づく時間ずれ評価式、および、理想経路候補に含まれる場所と実移動履歴に含まれる場所の違いに基づく場所遷移評価式、の少なくとも1つを用いて算出される。また、評価値は、さらに、前記実移動履歴に推奨場所および通行禁止場所が含まれるか否かに基づくペナルティ評価式を用いて算出してもよい。評価値は、さらに、評価対象の実移動履歴以外の移動実績に基づく実績評価式を用いてもよい。移動実績は、実移動履歴を記憶する実移動履歴データベース29から抽出する。このような評価値の算出に用いるパラメータは、たとえば評価パラメータデータベース10に記憶されている。
移動体が目的を達成するために通過すべき1以上の目的地を経由するすべての経路は、たとえば移動経路生成手段25が生成する。移動経路生成手段25は、目的地情報およびレイアウト情報に基づいて目的地のすべてを経由するすべての経路を含む移動経路候補を生成する。
目的地を示す目的地情報は、たとえば、目的情報およびレイアウト情報に基づいて、目的地生成手段24によって生成される。移動体の目的を示す目的情報は、たとえば移動体目的データベース21に記憶されている。空間内のレイアウトを示すレイアウト情報は、たとえばレイアウトデータベース22に記憶されている。
理想経路生成手段26が生成する理想経路候補の個数は、有限である必要がある。そこで、理想経路生成手段26が生成する理想経路候補の個数を制限するためのパラメータを、たとえば理想経路生成パラメータデータベース27に記憶させておく。
理想経路生成手段26は、移動経路候補のそれぞれについて重みの合計値を算出し、その合計値と前記所定の条件とに基づいて理想経路候補を抽出してもよい。移動経路の重みの合計の算出に用いる移動体の役割に応じたレイアウトの物理量に対する重みは、たとえば移動体役割データベース23に記憶されている。抽出された理想経路候補は、たとえば理想経路データベース28に記憶される。
この移動経路評価装置は、たとえば単一あるいはネットワークで結合された複数の計算機に各データベース、各手段などの機能を持たせることによって実現することもできる。
このような移動経路評価装置を用いると、移動体の目的などから抽出される理想的な移動経路と、観測された実際の移動動線を比較することができる。これにより、移動体の目的に対する移動体の実際の移動履歴の適切さを評価できる。また、理想的な移動経路から外れた移動を自動的に発見することもできる。
次に、この移動経路評価装置を用いた移動経路の評価の手順を説明する。
図2は、本実施の形態における移動経路評価方法のフローチャートである。
まず、必要な初期設定を行う(工程S1)。この初期設定には、たとえば、移動体目的データベース21、レイアウトデータベース22、移動体役割データベース23、理想経路生成パラメータデータベース27および評価パラメータデータベース10への情報の記憶が含まれる。また、理想経路データベース28および実移動履歴データベース29に記憶されているレコードをすべて削除してもよい。その後、移動体の実移動履歴を取得する(工程S2)。
また、たとえば目的地情報を生成し(工程S3)、移動経路候補を生成し(工程S4)、移動経路の重みを算出(工程S5)した後に、その重みを用いて理想経路候補を抽出する(工程S6)。その後、移動体の実移動履歴および理想経路候補を用いて、その実移動履歴の評価値を算出し(工程S7)、評価結果を表示する(工程S8)。移動体の実移動履歴の取得(工程S2)は、実移動履歴の評価(工程S7)の前であれば、理想経路候補の抽出(工程S6)の後であってもよい。
次に、この移動経路評価装置について、より具体的な例を挙げながら説明する。
図3は、本実施の形態における移動体目的データベースの例である。図3には、移動体のIDが001の移動体(移動体001)に関するレコードの一部を示した。
移動体目的データベース21は、移動体の目的を記録した1以上のレコードからなるデータベースである。移動体目的データベース21の各レコードは、移動体のID、移動体の目的、および、その目的を行う順番を含む。
たとえば移動体が製造現場で働く作業者の場合には、レコードに記録された目的は、作業手順書などに記された作業内容である。また、たとえば店舗内の顧客の場合には、レコードに記録された目的は、アンケートなどで入手した来店目的、購入目的品物、購入度合いなどである。
図3に示した例は、移動体001の目的が、はじめに「第1部品置場の部品Aを第1工具置場にある工具Bで第2の製品に取り付ける」作業であり、次に「第2の製品を梱包する」ことを示している。移動体のIDの代わり、移動体の属性や役割を表すIDを記録してもよい。順番の代わりに時刻を記録してもよい。目的を自由記述文で記入してもよい。
図4は、本実施の形態における目的データベースの他の例である。図4には、移動体001に関するレコードの一部を示した。
目的データベース21は、図4に示すように目的と場所の組で記述してもよい。この例では、移動体001の最初の目的が、「第1部品置場から部品Aを運搬」と「第1工具置場から工具Aを運搬」することを示している。この時、「部品Aの運搬」と「工具Aの運搬」はどちらが先でもよい。次の目的は、「製品置場で、部品Aを第2の製品に取り付ける」ことを示している。
図5は、本実施の形態におけるレイアウト情報の例である。
レイアウトデータベース22は、移動体が移動するフロアレイアウトに関する物理量を、レイアウト情報として記録している。レイアウト情報は、たとえばCADなどの設計支援ツールを用いて生成される。たとえば移動体が製造現場で働く作業者の場合、レイアウト情報は、製品置場、工具置場、部品置場などの作業者が作業する場所の名前と位置と広さ、そこに置かれている部品、製品、工具の名前、位置、向き、重さ、部品や工具などが置いてある棚の高さ、向き、人が通過することができる通路の位置、幅、長さ、勾配、人が通ることができない障害物の位置、大きさなどを表す情報である。また、移動体が店舗の顧客の場合、レイアウト情報は、商品の名前、位置、向き、通路の幅、長さ、購買、商品が置いてある棚(商品棚)の名前、位置、幅、高さ、POP(Point of Purchase)の位置、大きさ、レジの位置などを表す情報である。
図5に示すレイアウト情報が与えられると、たとえば目的地である第1工具置場、第2工具置場、第1部品置場、第2部品置場、製品置場の内、第2部品置場および第2工具置場のいずれかを通過しなければ修理場へ行くことができないことがわかる。また、レイアウト情報のうち、移動体が移動可能な経路を示す移動経路情報は、グラフ構造として与えることができる。
図6は、本実施の形態における移動経路情報を表現したグラフ構造の例である。
移動経路情報は、たとえば、目的地のすべてをノード31とし、2つの目的地間(ノード間)の移動可能な通路をエッジ32としてつないだグラフ構造を用いて表現することができる。図6は、目的地が、第1工具置場、第2工具置場、第1部品置場、第2部品置場、製品置場、修理場所の6か所の場合の移動経路情報である。
図7は、本実施の形態における移動体役割データベースの例である。
移動体役割データベース23は、移動体の役割と、その役割に応じたフロアレイアウトの物理量に対する重みと、その役割に該当する移動体IDとの組を表す1以上のレコードからなるデータベースである。役割に応じたフロアレイアウトの物理量に対する重みは、たとえばこの移動体経路評価装置のユーザによって決定される。
役割としては、移動体が製造現場で働く作業者の場合、たとえば作業に対する熟練度合いを表す熟練度や運搬作業者、組立作業者、梱包作業者といったような作業内容の種別などを用いる。また、移動体が店舗内の顧客の場合、たとえばアンケートなどで入手した、性別、年齢、来店頻度、商品に対する嗜好性、POPに対する感度などを移動体の役割として用いる。
役割に応じたフロアレイアウトの物理量に対する重みは、そこを通過あるいは経由する経路の選択し難さを表す。たとえば、重み1の距離10mの経路と、重み1の距離5mの経路の選択では、距離の短い5mの経路が選択される。一方、重み1の距離10mの経路と、重み3の距離5mの経路の選択では、距離の長い10mの経路が選択される。
移動体が製造現場で働く運搬作業者の場合は、台車に部品を載せて運ぶ際には、通路幅が狭い通路や勾配の激しい通路は通りづらいため、距離は多少長くなったとしても通りやすい道を選択するべきである。しかし、移動体がその製造現場で働く組立作業者の場合は、台車を使用しないため単純に距離の短い方を通過すべきである。そこで、運搬作業者の場合は通路の幅が狭い場合と勾配がある場合は重みが大きくなるように重みを設定してもよい。
また、移動体が店舗内の顧客の場合、目的地までの移動距離の短さよりも、嗜好性の強い売り場を通過するか否かが経路選択に対して重要な場合がある。このような場合には、嗜好性の強い場所を通過するか否かに応じて重みの大きさを設定してもよい。
図7に示す例では、移動体001、移動体003が運搬熟練者であること、移動体002、移動体005が運搬初心者であること、移動体004が組立作業者であることが記録されている。
また、運搬熟練者に対しては、距離に対して1の重み、道幅が60cm以上の場合は10の重み、道幅が60cm未満の場合は1の重み、勾配が5度以上の場合は3の重みを、それぞれ重みとすることを示している。運搬初心者に対しては、距離に対して1の重み、道幅が60cm以上の場合は10の重み、道幅が60cm未満の場合は1の重み、勾配が5度以上の場合は5の重みを、それぞれ重みとすることを示している。組立熟練者に対しては、距離に対して5の重み、勾配が5度以上の場合は1の重みをそれぞれ重みとすることを示している。ここで、距離の単位はmm、道幅の単位はcm、勾配の単位は度としている。
移動体役割データベース23は、このように勾配の大きさや、道幅の広さに応じて場合分けをして重みを設定するだけではなく、重みを勾配の大きさあるいは道幅の広さの関数として記憶してもよい。
図8は、本実施の形態における移動体役割データベースの他の例である。
図8の例でも、移動体001、移動体003が運搬熟練者であること、移動体002、移動体005が運搬初心者であること、移動体004が組立作業者であることが記録されている。しかし、図8の例では、図7に示す例とは異なり、重みを勾配の大きさあるいは道幅の広さの関数として表現している。運搬熟練者は、距離に対して1の重み、道幅の逆数に対して10の重み、勾配に対して3の重みとしていることを示している。運搬初心者は、距離に対して1の重み、道幅の逆数に対して10の重み、勾配に対して5の重みとしていることを示している。組立熟練者は、距離に対して5の重み、道幅の逆数に対して3の重み、勾配に対して1の重みとしていることを示している。ここで、距離の単位はmm、道幅の単位はcm、勾配の単位は度としている。
重みは、スカラー値以外に、2次関数、対数関数や指数関数といったユーザ定義する関数の形式で記録してもよい。これら重みは、ユーザが設定するのではなく、過去の移動体の移動履歴の観測結果から算出してもよい。
目的地生成手段24は、たとえば移動体目的データベース21から評価対象の移動体の目的情報を抽出する。目的データベース21において目的が図3に示すように自然言語で記述されている場合、たとえば自然言語処理によって目的地を抽出することができる。この場合、まず、レイアウト情報に記録されている場所や部品とマッチする単語が含まれていた場合、その単語を抜き出す。次に、その単語が場所を示す単語ならばその単語を目的地とし、その単語がたとえば部品、製品、工具、商品などの目的物を示す単語ならば、レイアウトデータベース22を参照し、たとえば作業場所や商品棚などの目的物が置いてある場所を目的地とする。同一レコードに同一名の目的地がある場合は、一つの目的地としてもよい。目的地とともに目的物を抽出し、理想経路生成手段26に対して出力してもよい。
移動体が目的を達成するために通過すべき1以上の目的地を経由する経路は、たとえば移動経路生成手段25によって生成される。移動経路生成手段25は、目的地情報およびレイアウト情報に基づいて、移動体が目的を達成するために通過すべき1以上の目的地のすべてを経由するすべての経路を含む移動経路候補を生成する。目的地情報とは、移動体の目的地を示す情報である。レイアウト情報とは、移動体が移動する空間内のレイアウトを示す情報である。
目的地情報は、目的情報およびレイアウト情報に基づいて、たとえば目的地生成手段24が生成する。目的情報は、たとえば移動体目的データベース21に記録されている。また、レイアウト情報は、レイアウトデータベース22に記録されている。
移動経路生成手段25が生成する移動経路候補は、移動体が目的を達成するために通過すべき1以上の目的地のすべてを経由する経路以外を含んでいてもよい。たとえば、目的地生成手段24から入力される目的地以外に、レイアウトデータベース22に記録されているすべての場所をノードとして、移動経路候補を生成してもよい。したがって、移動体が製造現場で働く作業者の場合は製品置場、工具置場、部品置場などの作業者が作業する場所、移動体が店舗に訪れた顧客の場合は商品棚などのすべての場所をノード31としてもよい。あるいは、移動体役割データベース23に記録されているフロアレイアウトの物理量に対する重みで記述されている場所、および条件に該当するすべての場所をノード31として、移動経路候補を生成してもよい。
理想経路生成パラメータデータベース27は、理想経路生成手段26で生成する理想経路候補の本数を決定するために必要な条件とパラメータを記録した1以上のレコードからなるデータベースである。条件とパラメータとは、生成する経路の上限数とパラメータ、経路の重みの合計の下限値とパラメータ、一番近い重みとの差とパラメータなどである。
理想経路生成手段26は、たとえばこのようにして得られた移動経路候補のうち、所定の条件を満たす1以上の経路を、理想的な経路(理想経路候補)として抽出する。移動経路候補がそれぞれ理想的か否かは、たとえば、出発地から最終目的地に至る経路上に存在するノードとエッジの重みの合計値によって判断する。このノードとエッジの重みの合計値が所定の条件を満たす1以上の経路を理想経路候補とする。理想経路生成手段26は、たとえば重み算出手段と最適経路選択手段を有している。重み算出手段は、移動経路候補のノード31とエッジ32の重みの合計値を算出する。最適経路選択手段は、重み算出手段が算出したノード31とエッジ32の重みの合計値を用いて、移動経路候補から理想経路候補を選択する。
ノード31とエッジ32の重みの合計値の算出には、レイアウト情報と、移動体の役割と、その役割に応じて決められたレイアウトの物理量に対する重みと、移動経路情報とを用いる。レイアウト情報は、レイアウトデータベース22から入力される。移動体の役割、および、役割に応じて決められたフロアレイアウトの物理量に対する重みは、移動体役割データベース23から入力される。フロア内の移動経路候補を示す移動経路情報は、移動経路生成手段25から入力される。理想経路候補が満たすべき所定の条件は、理想経路生成パラメータデータベース27から入力される。
理想経路生成手段26の重み算出手段は、レイアウトデータベース22に記録されたレイアウト情報と、移動体役割データベース23に記録された役割と、その役割に応じてユーザによって決められたフロアレイアウトの物理量に対する重みとを用いて移動経路生成手段25から入力される移動経路情報のすべてのノード31とすべてのエッジ32に対して重みを計算し、最適経路選択手段に出力する。
たとえば、移動体が製造現場で働く作業者の場合は、エッジ32の重みは、ノード31間をつなぐ経路内に含まれる通路に対して、距離と作業者の役割によって定まる勾配および道幅に対する重みを各通路の距離にかけた値の合計値をエッジ重みとする。移動体役割データベースが図7で表わされる場合、運搬熟練者が移動するエッジに、道幅100cm、距離1m、勾配3度の通路と、道幅10cm、距離2m、勾配10度の通路とが含まれるとき、このエッジ32の重みは次式で表される。
エッジの重み=1000×1×10×1+2000×1×1×3=16000
移動体役割データベース23が図8で表される場合、運搬熟練者が移動するエッジに、道幅100cm、距離1m、勾配3度の通路と、道幅10cm、距離2m、勾配10度の通路とが含まれるとき、このエッジ32の重みは次式で表される。
エッジの重み=1000×1+1/100×10+3×3+2000×1+1/10×10+10×3=3040.1
さらに、通路だけでなく、ノード31間をつなぐ経路内に含まれる工具置場、部品置場、製品置場などの作業場所に関する重みをエッジ32の重みに加えてもよい。作業場所に関する重みは、たとえば広さや属性といった作業場所の情報に対応させて、移動体データベースに移動体の役割ごとに記憶しておく。
また、エッジ32の重みには、その経路に推奨ルートが含まれるか否か、あるいは総移動距離に対する推奨ルートの距離の割合の逆数に応じた重みを加えてもよい。この推奨ルートは、たとえばあらかじめユーザが、入力装置を用いて移動体役割データベース23に登録をしておく。
ノード31間を移動する経路が複数存在する場合は、重みが最小値となるものをそのエッジ32の重みとする。あるいは、複数の重みの平均値をエッジ32の重みとしてもよい。また、複数の重みの中間値をエッジ32の重みとしてもよい。また、エッジ32の重みをあえて1つとせずに、重みが小さいものから所定の個数の重みを記録してもよい。
ノードの重みは、ノードに該当する工具置場、部品置場、製品置場などの作業場所についてのたとえば広さや属性に関する情報と、移動体データベースに移動体の役割ごとに記録されている重みを用いて算出する。
図9は、本実施の形態における重み算出手段が出力する結果の例を示すグラフ構造である。図9において、ノード31の内部およびエッジ32の近傍の四角で囲んだ数値は、それぞれのノード31あるいはエッジ32の重みを示す。
図9の例は、たとえば製造現場から第1部品置場へ移動する際の重みが10、製造現場から第1部品置場を経由して第2工具置場へ移動する際の重みが80であることを表している。
最適経路選択手段は、移動経路情報、ノード31およびエッジ32の重み、並びに、目的地情報に基づいて、所定の条件とパラメータを満たすまで重みの合計値が小さい順に経路を抽出する。この際、移動経路情報は、移動経路生成手段25から入力される。ノード31およびエッジ32の重みは、重み算出手段から入力される。また、目的地情報は、目的地生成手段24から入力される。所定の条件とパラメータは、理想経路生成パラメータデータベース27に記録されている。このようにして抽出された経路は、最適経路選択手段によって理想経路候補として理想経路データベース28に出力される。
最適経路選択手段は、移動体がその時位置している場所と目的地との間の理想経路候補を求める最適化問題を解く。移動体がその時位置している場所とは、一つ前の順番の目的地である。理想経路候補は、1つだけとは限らず、たとえば第1から第KまでのK個の理想経路候補を求めてもよい。
重みつきのグラフ構造が与えられた場合に、ある2点間の第1から第Kまでの理想経路候補を求める際のアルゴリズムとして、たとえば、MartinsらのMPS法が知られている(たとえば非特許文献1参照)。
Kの値は、理想経路生成パラメータデータベース27に記録された条件と、その条件に用いるパラメータによって決まる。たとえば、理想経路生成パラメータデータベース27に記録されている条件が、生成する経路の上限数で、その上限を表すパラメータがAであった場合、KはAとなる。
理想経路生成パラメータデータベース27に、理想経路候補の数の上限が条件として記録されていない場合、最適経路を求めた後、条件式を満たしているかを判断し、満たしていれば次に最適な経路を求めるという手順を、条件式を満たさなくなるまで順次繰返す。これにより、第1からKまでの最適経路を求める。
たとえば、条件が経路の重みの合計の下限を定めるもので、そのパラメータがBであった場合は、最適経路を求め、その経路の重みの合計とBとを比較し、重みが小さければ次の最適経路を求めるという手順を、経路の重みの合計値がDを越えるまで繰り返す。経路の重みの合計値がDを超えるまでに算出された経路数が、Kとなる。
また、一番近い重みとの差が所定の値以上であることが条件で、そのパラメータがCであった場合は、最適経路と次の最適経路の差を計算し、その差がC以上になるまでその手順を繰返す。経路の重みの差がC以上になるまでに算出された経路数が、Kとなる。
目的地が複数存在し、その順番が指定されていない場合は、たとえば訪問する順番として考えられるすべての2点間の組合せの数に対して、所定の条件を満たすような理想経路候補を生成し、そのすべてを理想経路候補として出力する。あるいは、理想経路生成パラメータデータベース27に条件として経路の上限数とそのパラメータKが記録されている場合には、生成した理想経路の中から上位K本を選択して理想経路候補として出力してもよい。
たとえば目的地が、A、B、Cの三箇所であった場合、訪問する順番の組合せは(A,B,C)、(A,C,B)、(B,A,C)、(B,C,A)、(C,A,B)、(C,B,A)の6通り考えられる。理想経路候補の上限数が5本であった場合、5×5×6=150本の理想経路候補を出力してもよいし、生成した150本の経路から、重みが少ない順に経路6本を選択し理想経路候補として出力してもよい。
図10は、本実施の形態における理想経路データベースの例である。
理想経路データベース28は、移動体のIDと、目的の順番と、1以上の理想経路候補情報の組を記録した1以上のレコードからなるデータベースである。理想経路候補情報は、理想経路生成手段26から出力され、移動経路と、その理想経路候補の順番および重みの合計値を表す情報が含まれている。
図10の例では、理想経路候補情報として、理想経路候補の順番、その重み、理想経路候補の3種類を用いている。理想経路候補は、移動体の移動していく場所を順次並べたものである。
図10には、移動体001の現在地が製品置場、目的地が第1部品置場と第1工具置場であり、理想経路候補の生成本数の上限が2本の場合の理想経路候補を記録した例を示している。図10における1行目のレコードは、移動体001の1番目の目的に対する1番目の理想経路候補が「製品置場、第1部品置場、第1工具置場」であり、その重みが「40」であることを示している。2行目のレコードは、移動体001の1番目の目的に対する2番目の理想経路候補が「製品置場、第1工具置場、第1部品置場」であり、その重みが「50」であることを示している。目的地が2箇所、で生成経路の上限値が2なので、2×2×2=8本の理想経路候補が記録されている。
図11は、本実施の形態における実移動履歴データベースの例である。
実移動履歴データベース29は、移動体のIDと、観測された移動体の移動情報の組みを表す1以上のレコードからなるデータベースである。本実施の形態では、移動情報として観測時刻、滞在時間、場所名の3種類を用いる。図11における1行目のレコードは、「移動体001が観測時刻10:30:00に製品置場に現れて15秒間滞在した」ことを表している。2行目のレコードは、「移動体001が観測時刻10:32:06に工具置場1へ現れて26秒間滞在した」ことを表している。
あるレコードの滞在終了時刻と次のレコードの観測時刻との差分をとることで、場所間の移動に要した時間が得られる。たとえば、1行目および2行目のレコードから、移動体001は製品置場から第1工具置場への移動に、10:30:15から10:32:06までの111秒を要していることがわかる。
移動体の移動情報を観測する方法としては、移動体の目的スポットにRFIDタグまたはRFIDタグリーダを設置し、移動体にRFIDタグまたはRFIDタグリーダを持たせる方法がある。あるいは、カメラを用いて得た画像に対して画像処理を施すことによって観測してもよい。また、3台以上の場所に無線LANの基地局を設置し、移動体に受信機を持たせて、それぞれの無線LANの基地局からの無線信信号の到達時間から距離を算出して三点測量を行うことにより観測することもできる。
図12は、本実施の形態における評価パラメータデータベースの例である。
評価パラメータデータベース10は、移動体のIDと評価関数のパラメータを示した1以上のレコードからなるデータベースである。評価関数として、たとえば、時間ずれ評価式f(x)、場所遷移評価式g(x)、ペナルティ評価式h(x)、実績評価式s(x)のそれぞれによって得られる値の重み付けした和を用いる。図11の評価パラメータデータベース10には、移動体のIDに対する各評価式のパラメータと、それぞれの評価式の重みが記録されている。
この例では、移動体001の評価値e(x)を以下の式で求める。
e(x)=5f(x)+8g(x)+10h(x)+s(x)
時間ずれ評価式f(x)は、たとえば次の式で表される。
f(x)=d1×Σ|m(k)‐Σm(x)|+d2×Σ|n(k)‐Σn(x)|
ここで、
m(k):理想経路候補kの通路の通過時刻と通過する場所での滞在時間
m(x):実移動履歴xの目的地までの到達時間
n(k):目的情報から算出される滞在時間
n(x):実移動履歴xの目的場所での滞在時間
d1,d2:パラメータ
である。
この式は、目的地までの移動時間のずれと目的スポットでの滞在時間のずれに、それぞれ重みd1,d2を乗じて加算した値が、時間ずれ評価値であることを表している。
図12の例は、移動体001に対して、d1=1、d2=5であることを示している。この場合、通路の移動のずれよりも作業時間のずれを重視している。
場所遷移評価式g(x)は、次式で表される。
g(x)=C1×A1(k,x)+C2×A2(k,x)+C3×A3(k,x)
ここで、
A1(k,x):理想経路候補kに含まれず、実移動履歴xに含まれる場所数
A2(k,x):実移動履歴xに含まれず、理想経路候補kに含まれる場所数
A3(k,x):(理想経路候補kと実移動履歴xで順番が異なる場所数)/全場所数
C1,C2,C3:パラメータ
である。
たとえば、理想経路候補が(製品置場、第1部品置場、第1工具置場)、実移動経路が(製品置場、第2工具置場、第2部品置場、第1部品置場、第1工具置場)の場合、A1(k)=2、A2(k)=0、A3(k)=0となる。理想経路候補が(製品置場、第1部品置場、第1工具置場)、実移動経路が(製品置場、第1工具置場、第1部品置場)の場合、A1(k)=0、A2(k)=0、A3(k)=2/3となる。この式では、場所遷移の順番がずれているか否か、および、含まれている場所が異なるか否かを評価している。
ペナルティ評価式h(x)は、次式で表される。
h(x)=E1×p(r)−E2×q(r)
ここで、
r(x):経路xで通過する場所または通路
p(r):場所または通路rが通行してはいけない場所の場合は1、それ以外は0
q(r):場所または通路rが推奨場所の場合は1、それ以外は0
E1,E2:パラメータ
である。
この式は、推奨場所および通路、あるいは、通行をしてはいけない場所および通路を通行したか否かによって評価値を算出することを示している。たとえば、実移動経路が(製品置場、第2工具置場、第2部品置場、第1部品置場、第1工具置場)のとき、第2工具置場が推奨場所、第2部品置場が通行してはいけない場所であり、E1=10、E2=2の場合、評価値は10−2=8となる。
実績評価式s(x)は、次式で表される。
s(x)=F1×U1(x)+F2×U2(x)
ここで、
U1:同一IDを持つ移動体の移動実績に評価対象の実移動履歴xと同様の移動遷移が含まれる回数
U2:他の移動体の移動実績に評価対象の実移動履歴xと同様の移動遷移が含まれる回数
F1,F2:パラメータ
である。
この式は、評価対象の実移動経路xが、同一IDを持つ移動体や他の移動体に良く現れる移動遷移か否かによって評価値を算出することを表している。この式によって、他の移動体の影響や、同一移動体の嗜好を評価式に加味することができる。たとえば、F1=−5、F2=−3のとき、移動体001の実移動遷移(製品置場、第1部品置場、第1工具置場)が、移動体001の移動経路に3回、他の4つ移動体に1回ずつ現れていた場合、評価値は(−5×3)+(−3×4)=−27となる。
評価パラメータは、たとえばあらかじめユーザが入力しておく。あるいは、作業者の総時間や経験などの別の評価値に基づいて移動体の良い悪いのみを評価し、たくさんの移動体に対しての評価結果を用いて、評価パラメータを決めてもよい。移動体のIDの代わりに、役割を用いて役割ごとに評価値の重みパラメータを決定してもよい。また、理想経路候補の重みや順位に対するパラメータもあわせて記録し、評価値に加えるときに用いてもよい。
実移動履歴評価手段11は、移動体の実移動履歴に対して、理想経路候補と目的情報とフロア情報と役割情報と評価に用いる重みとを用いて、評価値を算出する。理想経路候補のうち、改善評価値が最も低い経路を理想経路とし、表示装置12に出力する。この際には、その理想経路の改善効果評価値、および、実移動履歴を併せて出力してもよい。
改善評価値の算出の際、移動体の実移動履歴は、実移動履歴データベース29から入力される。また、1以上の理想経路候補は、理想経路データベース28から入力され、それぞれの理想経路候補に対して、評価値が算出される。目的情報は、目的データベース21から入力される。フロア情報は、レイアウトデータベース22から入力される。移動体の役割情報は、移動体役割データベース23から入力される。評価関数に用いる重みは、評価パラメータデータベース10から入力される。
実移動履歴評価手段11は、まず実移動履歴データベース29に記録された移動体の実移動履歴を選択する。次に、理想経路データベース28に記録された特定の目的番号のすべての理想経路候補に対して、選択された実移動履歴の評価値を算出する。この際、移動体は目的番号の順番に目的を果たすことを前提とする。
評価値は、理想経路と実移動履歴の時間のずれを表す時間ずれ評価式と、理想経路と実移動経路に含まれる場所遷移の違いを現す場所遷移評価式と、推奨場所もしくは通行してはいけない場所を通過したか否かを表すペナルティ評価式と、移動体がいつも使用する、もしくは他の移動体が多く使用するか否かを表す実績評価式の各出力に対して、評価パラメータデータベース10に記録された重みパラメータを掛けた値の合計値である。
実移動履歴評価手段11は、すべての理想経路候補に対して評価値を求め、もっとも値の小さい評価値を持つ理想経路候補を理想経路とし、評価値と実移動経路とともに表示装置12に出力する。すべての理想経路候補の評価値があらかじめ定められた値に満たなかった場合は、その目的は実際に果たされなかったとして表示装置12に出力して、次の目的番号の理想経路候補との評価値の算出を行っても良い。
表示装置12は、実移動履歴と、その評価値と、理想経路とを表示装置12に表示する。評価値が高い移動経路は、理想経路からのずれが大きく、注目すべき移動経路である。
評価値が高い移動経路は、たとえば、製造現場においては作業手順書にはなかった作業、あるいは、ムダが多く含まれる作業である。また、店舗内顧客においては事前アンケートとは異なる行動を行なっていた顧客の移動経路である。
図13は、本実施の形態における表示装置による表示例である。
この例では、表示装置12の表示画面40の左側にフロアレイアウト、右側にグラフを表示している。フロアレイアウトには実移動履歴と理想経路をそれぞれ異なる色で表示する。たとえば、理想経路は製品置場、第2工具置場、第2部品置場、製品置場の順番に移動する経路であるにもかかわらず、実際は、製品置場、第2工具置場、第2部品置場、第1部品置場、製品置場の順番に移動していることを表している。このような表示形式を用いることにより、理想経路にはない第1部品置場を一目で確認できる。
また、グラフは横軸が時刻、縦軸が場所を表す。理想経路は製品置場、第2工具置場、第2部品置場、製品置場の順番に移動する経路であるにもかかわらず、実際は製品置場、第2工具置場、第2部品置場、第1部品置場、製品置場の順番に移動し、かつ、第2部品置場での滞在時間が長かったことを示す。このようなグラフを用いることによって、場所の遷移だけでなく時間のずれを一目で確認できる。
すべての実移動経路と理想経路を表示装置12に表示するのではなく、あらかじめユーザによって定められた評価値の上限値よりも大きな評価値の移動経路のみを表示させてもよい。また、表示装置12に表示する他、アラームを鳴らしてもよい。
また、評価値と実移動履歴と理想経路とを一つの組とするレコードとしてデータベースに蓄積し、複数のレコードを評価値の高い順、あるいは低い順にソートをして表示してもよい。これにより、たとえば、製造現場では単数または複数の日の複数または単数の作業者の実移動履歴と理想経路をデータベースに記録し評価値の高い順に改善していくことができる。また、作業者ごとに評価値を合計し、評価値が高い作業者を改善の対象とすることができる。店舗内の顧客については、単数あるいは複数の日における、単数あるいは複数の移動体の実移動経路と理想経路をデータベースに記録し、評価値の高い順に顧客を表示させることにより、評価値の高い、低いによって分類された顧客の嗜好などの属性の傾向を調査することができる。
なお、以上の説明は単なる例示であり、本発明は上述の各実施の形態に限定されず、様々な形態で実施することができる。
本発明に係る移動体経路評価装置の一実施の形態におけるブロック図である。 本発明に係る移動体経路評価装置の一実施の形態における移動経路評価方法のフローチャートである。 本発明に係る移動体経路評価装置の一実施の形態における移動体目的データベースの例である。 本発明に係る移動体経路評価装置の一実施の形態における目的データベースの例である。 本発明に係る移動体経路評価装置の一実施の形態におけるレイアウト情報の例である。 本発明に係る移動体経路評価装置の一実施の形態における移動経路情報を表現したグラフ構造の例である。 本発明に係る移動体経路評価装置の一実施の形態における移動体役割データベースの例である。 本発明に係る移動体経路評価装置の一実施の形態における移動体役割データベースの例である。 本発明に係る移動体経路評価装置の一実施の形態における重み算出手段が出力する結果の例を示すグラフ構造である。 本発明に係る移動体経路評価装置の一実施の形態における理想経路データベースの例である。 本発明に係る移動体経路評価装置の一実施の形態における実移動履歴データベースの例である。 本発明に係る移動体経路評価装置の一実施の形態における評価パラメータデータベースの例である。 本発明に係る移動体経路評価装置の一実施の形態における表示装置による表示例である。
符号の説明
10…評価パラメータデータベース、11…実移動履歴評価手段、12…表示装置、21…移動体目的データベース、22…レイアウトデータベース、23…移動体役割データベース、24…目的地生成手段、25…移動経路生成手段、26…理想経路生成手段、27…理想経路生成パラメータデータベース、28…理想経路データベース、29…実移動履歴データベース、31…ノード、32…エッジ、40…表示画面

Claims (8)

  1. 所定の空間内を移動する移動体の観測された実移動履歴の適切さを評価する移動経路評価装置において、
    前記移動体が目的を達成するために通過すべき1以上の目的地を経由するすべての経路のうち前記空間内の所定の条件を満たす1以上の理想経路候補を抽出する理想経路生成手段と、
    前記理想経路候補と前記実移動履歴との差異に基づいて、前記実移動履歴の適切さを示す評価値を算出する実移動履歴評価手段と、
    を有することを特徴とする移動経路評価装置。
  2. 前記評価値は、前記理想経路候補を通過した場合と前記実移動履歴とのそれぞれの場所を通過するときの経過時間のずれに基づく時間ずれ評価式、および、前記理想経路候補に含まれる場所と前記実移動履歴に含まれる場所の違いに基づく場所遷移評価式、の少なくとも1つを用いて算出されることを特徴とする請求項1に記載の移動経路評価装置。
  3. 前記評価値は、さらに、前記実移動履歴に推奨場所および通行禁止場所が含まれるか否かに基づくペナルティ評価式を用いて算出されることを特徴とする請求項2に記載の移動経路評価装置。
  4. 前記実移動履歴を記憶する実移動履歴データベースを有し、
    前記評価値は、さらに、評価対象の前記実移動履歴以外の前記実移動履歴データベースに記憶された移動実績に基づく実績評価式を用いて算出されることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の移動経路評価装置。
  5. 前記移動体の目的を示す目的情報を記憶する移動体目的データベースと、
    前記空間内のレイアウトを示すレイアウト情報を記憶するレイアウトデータベースと、
    前記目的情報および前記レイアウト情報に基づいて前記目的地を示す目的地情報を生成する目的地生成手段と、
    前記目的地情報および前記レイアウト情報に基づいて前記目的地のすべてを経由するすべての経路を含む移動経路候補を生成する移動経路生成手段と、
    を有し、前記理想経路生成手段は前記移動経路候補から理想経路候補を抽出することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の移動経路評価装置。
  6. 前記移動体の役割とその役割に応じた前記レイアウトの物理量に対する重みを記憶する移動体役割データベースと、
    を有し、前記理想経路生成手段は、前記移動経路候補のそれぞれについて前記重みの合計値を算出し、その合計値と前記所定の条件とに基づいて前記理想経路候補を抽出することを特徴とする請求項5に記載の移動経路評価装置。
  7. 前記実移動履歴を前記理想経路候補および前記評価値とともに表示する表示装置、
    を有することを特徴とする請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の移動経路評価装置。
  8. 所定の空間内を移動する移動体の観測された実移動履歴の適切さを評価する移動経路評価プログラムにおいて、コンピュータに、
    前記移動体が目的を達成するために通過すべき1以上の目的地を経由するすべての経路のうち所定の条件を満たす1以上の理想経路候補を抽出する理想経路生成機能と、
    前記理想経路候補と前記実移動履歴との差異に基づいて、前記実移動履歴の適切さを示す評価値を算出する実移動履歴評価機能と、
    を実現させるための移動経路評価プログラム。
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