JP5904112B2 - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Description

本発明は、内燃機関の気筒を開閉する吸気弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に、関する。
従来、作動液の圧力により吸気弁のバルブタイミングを調整する液圧式のバルブタイミング調整装置が、広く知られている。一般に液圧式バルブタイミング調整装置は、内燃機関のクランク軸及びカム軸とそれぞれ連動して回転するハウジングロータ及びベーンロータを備えており、ハウジングロータ内においてベーンロータが作動液の圧力を受けることで、それらロータ間の回転位相が変化する。かかる回転位相変化の結果、バルブタイミングが調整されることになる。
さて、液圧式バルブタイミング調整装置の一種として特許文献1には、内燃機関において最遅角位相よりも進角した回転位相を中間位相として、当該中間位相へ到達した回転位相を内燃機関の始動時にロックすることが、開示されている。こうしたロック機能によれば、吸気弁を閉じるタイミングが可及的に早くなることで、気筒での実圧縮比が高くなるので、圧縮加熱によって気筒内ガスの温度が上昇し、燃料気化が促進されることになる。故に、例えば極低温等の低温環境下にて停止状態のまま放置された内燃機関の冷間始動時には、始動性を確保できるのである。
しかし、吸気弁の閉じタイミングが早い特許文献1の液圧式バルブタイミング調整装置では、気筒での高い実圧縮比に起因して、例えば常温等の比較的高温環境下にある内燃機関の温間始動時に、次の問題を発生するおそれがある。その問題の一つは、ノッキングの発生である。また、別の一つは、アイドルストップシステム乃至はハイブリッドシステムに適用された内燃機関の再始動時、あるいはイグニッションオフによるエンジン停止直後の再始動時に、気筒内ガスの圧縮時温度が高くなり過ぎて点火前に自己着火するプリイグニションを招くことや、圧縮反力が大きいことでクランキング回転の変動が増大して不快な振動乃至は騒音を招くことである。
そこで、特許文献2に開示される液圧式バルブタイミング調整装置では、気筒内のピストンが下死点に到達するよりも遅いタイミングにて吸気弁を閉じるための遅角位相と、当該遅角位相よりも進角した中間位相とのうち一方を、内燃機関の始動時に選択している。このような回転位相の選択によれば、内燃機関の温度(以下、「エンジン温度」という)に適した始動を実現することが、可能となる。
特許第4161356号公報 特開2002−256910号公報
ところが、特許文献2の液圧式バルブタイミング調整装置では、内燃機関の温間始動時に作動液の圧力をハウジングロータ内のベーンロータに与えることで、回転位相のロックではなく調整により、遅角位相を選択している。そのため、作動液の圧力が低下している始動時には、カム軸からの変動トルク作用によってベーンロータがハウジングロータに対する進角側へと相対回転し、回転位相が遅角位相からずれ易くなる。
また、特許文献2の液圧式バルブタイミング調整装置では、内燃機関の冷間始動時に中間位相への回転位相変化を変動トルクによって生じさせるため、ハウジングロータ内のベーンロータに圧力を与える作動液がドレンされている。その結果、ロック体に圧力を与える作動液もドレンされるため、当該ロック体がロック解除位置に移動して、中間位相でのロックが困難となってしまうのである。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、エンジン温度に適した始動を実現する液圧式のバルブタイミング調整装置を、提供することにある。
本発明は、内燃機関の気筒(7)を開閉する吸気弁(9)のバルブタイミングを、作動液の圧力により調整するバルブタイミング調整装置において、内燃機関のクランク軸と連動して回転するハウジングロータ(11)と、内燃機関のカム軸(2)と連動して回転し、ハウジングロータ内において作動液の圧力を受けることにより、ハウジングロータに対する回転位相が変化するベーンロータ(14)と、主ロック部材(160,3160)及び主ロック孔(162)を有し、気筒内のピストン(8)が下死点に到達するよりも遅いタイミングにて吸気弁を閉じるための回転位相である主ロック位相(Pm)において、主ロック部材が主ロック孔へ嵌入することにより、回転位相をロックする主ロック手段(16,3016)と、副ロック部材(170)及び副ロック孔(172)を有し、主ロック位相よりも進角した回転位相である副ロック位相(Ps)において、副ロック部材が副ロック孔へ嵌入することにより、回転位相をロックする副ロック手段(17)と、主ロック部材の移動を制御するロック制御手段(18,2018,3018)とを、備え、ベーンロータは、ハウジングロータ外に張り出して主ロック部材を支持する張出構造(144)を、有し、主ロック孔は、ハウジングロータに形成され、主ロック部材は、主ロック孔に嵌入する嵌入位置(Li)と、主ロック孔から脱出する脱出位置(Le)とに、往復移動し、ロック制御手段は、停止した内燃機関の温度が設定温度(Ts)以上となる間の温間停止状態の主ロック位相において、主ロック部材を嵌入位置に駆動する膨張状態(Se)となる一方、停止した内燃機関の温度が設定温度未満となった後の冷間停止状態の主ロック位相において、主ロック部材を脱出位置に駆動する収縮状態(Sc)となる感温体(183,2183,3163)を、有することを特徴とする。
このような本発明の特徴によると、停止した内燃機関にてエンジン温度が設定温度以上となる間の温間停止状態の主ロック位相では、感温体が膨張状態となる。このとき、ハウジングロータ外への張出構造によってベーンロータが支持する主ロック部材は、ハウジングロータの主ロック孔に対して嵌入位置に駆動されるため、主ロック位相での回転位相ロックが達成され得る。ここで、気筒内ピストンが下死点に到達するよりも遅いタイミングにて吸気弁を閉じる主ロック位相では、内燃機関の次の始動時に、下死点到達後のピストンのリフトアップに応じて気筒内ガスが吸気系に押出されることで、実圧縮比が低下する。故に、設定温度以上での温間停止後となる温間始動時には、主ロック位相での回転位相ロックを維持して、ノッキングやプリイグニション、不快な振動乃至は騒音といった始動不具合(以下、単に「始動不具合」という)の発生を、抑制できる。
これに対し、停止した内燃機関にてエンジン温度が設定温度未満となった後の冷間停止状態の主ロック位相では、感温体が収縮状態となる。このとき、ベーンロータの支持する主ロック部材は、ハウジングロータの主ロック孔に対して脱出位置に駆動されるため、主ロック位相での回転位相ロックが解除され得る。故に、内燃機関の次の始動時には、カム軸からの変動トルク作用によってベーンロータがハウジングロータに対する進角側へと相対回転する。その結果、主ロック位相よりも進角した副ロック位相にまで回転位相が変化すると、副ロック部材が副ロック孔に嵌入して回転位相が副ロック位相にロックされることで、吸気弁を閉じるタイミングが可及的に早くなる。これにより、気筒内ガスの押出し量が減少して、当該ガスの温度が実圧縮比と共に上昇するので、設定温度未満での冷間停止後となる冷間始動時にあっても、着火性を向上させて始動性を確保できる。
以上の如き本発明の特徴によれば、エンジン温度に適した始動を実現可能となる。
ここで、本発明のさらなる特徴としては、主ロック機構は、主復原力を発生する主弾性部材(163,3163)を、有し、主ロック部材は、ベーンロータの径方向において、内側の嵌入位置と外側の脱出位置とに往復移動し、内燃機関の始動後の通常運転状態において主復原力に抗して発生する遠心力は、内燃機関の停止により消失する。
この特徴によると、主弾性部材の主復原力に抗した遠心力は、内燃機関の停止により消失するので、当該停止に伴って主ロック部材は、ベーンロータの径方向(以下、解決手段の欄では、単に「径方向」という)内側の嵌入位置側へと移動する。この後、温間停止状態の主ロック位相では、設定温度以上にて膨張状態となる感温体により、主ロック部材が嵌入位置に駆動されるので、主ロック位相での回転位相ロックが達成され得る。また一方、冷間停止状態の主ロック位相では、設定温度未満にて収縮状態となる感温体により、主ロック部材が脱出位置に駆動されるので、主ロック位相での回転位相ロックが解除され得る。さらに、内燃機関の始動後の通常運転状態では、遠心力を受ける主ロック部材が主復原力に抗した径方向外側の脱出位置側へと移動することで、主ロック位相からの回転位相変化が許容され得る。以上によれば、温間始動時と冷間始動時とにそれぞれ適した回転位相への切替えと、始動後の通常運転時における自由なバルブタイミング調整とを、実現可能となる。
本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置の基本構成を示す図であって、図2のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図2とは異なる作動状態を示す断面図である。 図1のIV−IV線矢視図である。 図1のバルブタイミング調整装置の一作動状態を示す模式図である。 図1のバルブタイミング調整装置の図5とは別の作動状態を示す模式図である。 図1のバルブタイミング調整装置の図5,6とは別の作動状態を示す模式図である。 図1のバルブタイミング調整装置の図5〜7とは別の作動状態を示す模式図である。 図1のバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための模式図である。 図1のバルブタイミング調整装置の特徴を説明するための特性図である。 図1のバルブタイミング調整装置に作用する変動トルクについて説明するための特性図である。 図1のバルブタイミング調整装置について一作動例を説明するためのグラフである。 図1のバルブタイミング調整装置について図12とは別の作動例を説明するためのグラフである。 本発明の第二実施形態によるバルブタイミング調整装置の一作動状態を示す模式図である。 図14のバルブタイミング調整装置の図14とは別の作動状態を示す模式図である。 本発明の第三実施形態によるバルブタイミング調整装置を、図4に対応して示す図である。 図16のバルブタイミング調整装置の図16とは別の作動状態を示す模式図である。 図16のバルブタイミング調整装置の図16,17とは別の作動状態を示す模式図である。
以下、本発明の複数の実施形態を図面に基づいて説明する。尚、各実施形態において対応する構成要素には同一の符号を付すことにより、重複する説明を省略する場合がある。各実施形態において構成の一部分のみを説明している場合、当該構成の他の部分については、先行して説明した他の実施形態の構成を適用することができる。また、各実施形態の説明において明示している構成の組み合わせばかりではなく、特に組み合わせに支障が生じなければ、明示していなくても複数の実施形態の構成同士を部分的に組み合せることができる。
(第一実施形態)
図1に示すように、本発明の第一実施形態によるバルブタイミング調整装置1は、車両の内燃機関に搭載される。尚、本実施形態において内燃機関の停止及び始動は、エンジンスイッチSWのオフ指令及びオン指令に応じるだけでなく、アイドルストップシステムISSのアイドルストップ指令及び再始動指令にも応じて、実現される。
(基本構成)
まず、バルブタイミング調整装置1の基本構成につき、説明する。バルブタイミング調整装置1は、「作動液の圧力」として作動油の圧力を利用する液圧式であり、機関トルクの伝達によりカム軸2が開閉する「動弁」として吸気弁9(後に詳述する図10参照)のバルブタイミングを調整する。図1〜4に示すようにバルブタイミング調整装置1は、内燃機関にてクランク軸(図示しない)から出力される機関トルクをカム軸2へ伝達する伝達系に設置の回転駆動部10と、当該駆動部10を駆動するために作動油の入出を制御する制御部40とを、備えている。
(回転駆動部)
図1,2,4に示すように、回転駆動部10において金属製のハウジングロータ11は、リアプレート13とフロントプレート15とをシューリング12の軸方向両端部にそれぞれ締結してなる。シューリング12は、円筒状のハウジング本体120、複数のシュー121,122,123及びスプロケット124を有している。図2に示すように各シュー121,122,123は、ハウジング本体120のうち回転方向に所定間隔ずつあけた箇所から、径方向内側へ突出している。回転方向において隣り合うシュー121,122,123の間には、それぞれ収容室20が形成されている。スプロケット124は、タイミングチェーン(図示しない)を介してクランク軸と連繋する。かかる連繋により内燃機関の回転中は、機関トルクがクランク軸からスプロケット124へと伝達されることで、ハウジングロータ11がクランク軸と連動して一定方向(図2の時計方向)に回転する。
図1,2に示すように金属製のベーンロータ14は、ハウジングロータ11内に同軸上に収容されており、軸方向両端部をそれぞれリアプレート13とフロントプレート15とに摺動させる。ベーンロータ14は、円筒状の回転軸140及び複数のベーン141,142,143を有している。回転軸140は、カム軸2に対して同軸上に固定されている。かかる固定によりベーンロータ14は、カム軸2と連動してハウジングロータ11と同一方向(図2の時計方向)に回転可能しつつ、ハウジングロータ11に対して相対回転可能となっている。
図2に示すように各ベーン141,142,143は、回転軸140のうち回転方向に所定間隔ずつあけた箇所から径方向外側へ突出し、それぞれ対応する収容室20に収容されている。各ベーン141,142,143は、対応する収容室20を回転方向に分割することで、作動油が入出する進角室22,23,24及び遅角室26,27,28を、ハウジングロータ11内に区画している。具体的には、シュー121及びベーン141の間には進角室22が形成され、シュー122及びベーン142の間には進角室23が形成され、シュー123及びベーン143の間には進角室24が形成されている。また一方、シュー122及びベーン141の間には遅角室26が形成され、シュー123及びベーン142の間には遅角室27が形成され、シュー121及びベーン143の間には遅角室28が形成されている。
図1,4に示すようにベーンロータ14は、ハウジングロータ11外に張り出す張出構造144を、他要素140,141,142,143と一体回転可能に有している。具体的に張出構造144は、ブッシュ部144a、アーム部144b及び支持部144cを、同一の金属材料により一体形成している。有底円筒状のブッシュ部144aは、フロントプレート15の中心孔150の内周側を同軸上に貫通している。帯形平板状のアーム部144bは、ブッシュ部144aから径方向両側にそれぞれ延出することで、フロントプレート15と間隔をあけて実質平行に向き合っている。円弧板状の支持部144cは、一方のアーム部144bから軸方向のハウジングロータ11側へ突出しており、ハウジング本体120及びフロントプレート15の各外周面と摺動する。
支持部144cは、円筒状の金属製主ロック部材160を、回転軸140に対して実質垂直な軸方向、即ちベーンロータ14の径方向に往復移動可能に支持している。また、シューリング12は、ハウジング本体120の外周面にて支持部144c側へ向かって開口する主ロック孔162を、円筒孔状に形成している。こうした構成下、図5に示すように主ロック部材160は、回転中のベーンロータ14に作用する遠心力の消失により、主ロック孔162へと嵌入する。かかる嵌入により主ロック部材160は、ハウジングロータ11に対するベーンロータ14の回転位相(以下、単に「回転位相」という)を、図2の主ロック位相Pmにロックする。また一方、図6〜8に示すように主ロック部材160は、ベーンロータ14に作用する遠心力を受けること等により、主ロック孔162から脱出する。かかる脱出により主ロック部材160は、主ロック位相Pmでの回転位相ロックを解除する。
図1,2に示すようにベーン142は、回転軸140に対して偏心する円筒状の金属製副ロック部材170を、軸方向に往復移動可能に支持している。また、ベーン142は、作動油の入出する円環空間状のロック解除室171を、副ロック部材170の周りに形成している。さらにリアプレート13は、ベーンロータ14側へ向かって開口する副ロック孔172を、円筒孔状に形成している。こうした構成下、図7に示すように副ロック部材170は、ロック解除室171からの作動油排出により、副ロック孔172へと嵌入する。かかる嵌入により副ロック部材170は、回転位相を図3の副ロック位相Psにロックする。また一方、図1,5,6,8に示すように副ロック部材170は、ロック解除室171に導入された作動油の圧力を受けることで、副ロック孔172から脱出する。かかる脱出により副ロック部材170は、副ロック位相Psにおける回転位相のロックを解除する。
以上の回転駆動部10では、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28に対して入出される作動油の圧力を、ベーンロータ14がハウジングロータ11内にて受ける。このとき、各ロック部材160,170による回転位相ロックの解除下、進角室22,23,24への作動油導入且つ遅角室26,27,28からの作動油排出が生じることで、回転位相が進角側へ変化する(例えば、図2から図3への変化)。その結果、バルブタイミングが進角調整される。また一方、各ロック部材160,170による回転位相ロックの解除下、遅角室26,27,28への作動油導入且つ進角室22,23,24からの作動油排出が生じることで、回転位相が遅角側へ変化する(例えば、図3から図2への変化)。その結果、バルブタイミングが遅角調整される。さらに、各ロック部材160,170による回転位相ロックの解除下、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28に作動油が閉じ込められることで、回転位相の変化が抑制されて、バルブタイミングが略一定に保持される。
(制御部)
図1,5に示す制御部40において、主進角通路41は、回転軸140に形成されて進角室22,23,24と連通している。主遅角通路45は、回転軸140に形成されて遅角室26,27,28と連通している。ロック解除通路49は、回転軸140に形成されてロック解除室171と連通している。
回転軸140に形成される主供給通路50は、供給源としてのポンプ4に搬送通路3を介して連通している。ここでポンプ4は、内燃機関の回転中に機関トルクを受けて駆動されるメカポンプであり、当該回転中は、ドレンパン5から吸入した作動油を継続して吐出する。それと共に、カム軸2及びその軸受を貫通する搬送通路3は、カム軸2の回転に拘らずに常にポンプ4の吐出口と連通可能となっている。これらのことから、ポンプ4から主供給通路50への作動油供給は、クランキングにより内燃機関が始動して完爆することで高い必要圧力にて行われ、また内燃機関と共に停止することとなる。
副供給通路52は、回転軸140に形成されて主供給通路50から分岐している。副供給通路52は、ポンプ4から供給される作動油を、主供給通路50を通じて受ける。ドレン回収通路54は、回転駆動部10に設けられている。ドレン回収通路54は、ドレン回収部としてのドレンパン5と共に大気に開放され、当該ドレンパン5へ作動油を排出可能となっている。
制御弁60は、リニアソレノイド62が発生する駆動力と、付勢部材64が当該駆動力と反対向きに発生する復原力とを利用する、所謂スプール弁である。制御弁60は、図1,2に示すスリーブ66内のスプール68を軸方向に往復移動させる。スプール68が図5〜7のロック領域Rlへ移動したときには、ポンプ4からの作動油が遅角室26,27,28に導入されると共に、進角室22,23,24及びロック解除室171の作動油がドレンパン5に排出される。スプール68が図8の遅角領域Rrへ移動したときには、進角室22,23,24の作動油がドレンパン5に排出されると共に、ポンプ4からの作動油が遅角室26,27,28及びロック解除室171に導入される。スプール68が図8の進角領域Raへ移動したときには、遅角室26,27,28の作動油がドレンパン5に排出されると共に、ポンプ4からの作動油が進角室22,23,24及びロック解除室171に導入される。スプール68が図8の保持領域Rhへ移動したときには、ポンプ4からの作動油がロック解除室171に導入されつつ、進角室22,23,24及び遅角室26,27,28に作動油が閉じ込められる。
制御回路80は、図1に示すリニアソレノイド62やエンジンスイッチSW、内燃機関の各種電装品等と電気接続されるマイクロコンピュータであり、アイドルストップシステムISSを構成している。制御回路80は、リニアソレノイド62への通電及びアイドルストップを含む内燃機関の運転を、コンピュータプログラムに従い制御する。
(主ロック機構)
次に、図1,2,4に示すように、主ロック部材160及び主ロック孔162の組に主弾性部材163を組み合わせてなる「主ロック手段」としての主ロック機構16につき、詳細に説明する。尚、以下の実施形態の説明では、ベーンロータ14の径方向を単に「径方向」という。
図1,4に示すように段付円柱状の主ロック部材160は、ハウジング本体120側の大径ロック部160aを、主ロック孔162に対して入出させる。ここで特に、図5の如く大径ロック部160aが主ロック孔162に嵌入する位置を嵌入位置Liと定義し、図6〜8の如く大径ロック部160aが主ロック孔162から脱出する位置を脱出位置Leと定義する。かかる定義によれば、主ロック部材160は、径方向内側の嵌入位置Liと径方向外側の脱出位置Leとに往復移動することになる。また、回転中のベーンロータ14に作用する遠心力は、主ロック部材160に対して脱出位置Le側へと作用することになる。
図1,4に示すように主弾性部材163は、金属製の円弧状板ばねであり、ハウジング本体120の外周面に沿って一対配置されている。各主弾性部材163は、張出部144にてアーム部144bから突出する金属製突出ピン144dと、後に詳述する可動シリンダ181との間に、介装されている。かかる介装状態の各主弾性部材163は、図5〜8の如く可動シリンダ181を介して主ロック部材160をハウジング本体120側へと付勢するように、主復原力を発生する。したがって、図5,6の主ロック位相Pmにおいて主復原力は、主ロック孔162側となる嵌入位置Li側へ向かって、主ロック部材160に作用する。尚、本実施形態の各主弾性部材163は、遠心力の発生時に、嵌入位置Li側への主復原力を主ロック部材160に作用させる弾性変形状態となるが、遠心力の消失時にも、後に詳述する内側ストッパ144eの係止作用により当該弾性変形状態を維持する。
以上の構成下、主ロック孔162への主ロック部材160の嵌入により実現される主ロック位相Pmは、図2,9に示す如き最遅角位相に予設定されている。そして、特に本実施形態の主ロック位相Pmは、図10に示すように、内燃機関の気筒7内のピストン8が下死点BDCに到達するタイミングよりも遅いタイミングにて吸気弁9を閉じるための回転位相に、予設定されている。
(ロック制御機構)
次に、図1,2,4に示すように、主ロック機構16に組み付けられる「ロック制御手段」としてのロック制御機構18につき、詳細に説明する。
ロック制御機構18は、主ロック部材160の移動を制御するために、可動シリンダ181、シール部材182及び感温体183を組み合わせて構成されている。
図1,4に示すように金属製の可動シリンダ181は、有底円筒状であり、ハウジング本体120の外周側に配置されている。可動シリンダ181は、張出構造144との間の各主弾性部材163により、弾性支持されている。かかる支持により可動シリンダ181は、張出構造144に設けられたストッパ144e,144fの間において径方向の内側と外側とに往復移動可能となっている。ここで、可動シリンダ181の径方向内側において支持部144cに形成される内側ストッパ144eは、当該シリンダ181の径方向内側への移動を係止により規制する。また一方、可動シリンダ181の径方向外側において張出構造144のブラケット144gに形成される外側ストッパ144fは、当該シリンダ181の径方向外側への移動を係止により規制する。尚、ブラケット144gは、支持部144cと別の金属材料により別体形成されて、支持部144cに固定されている。
本実施形態において遠心力の消失する内燃機関の停止中、各主弾性部材163から主復原力を受けて径方向内側へと付勢される可動シリンダ181は、図5,6の如く内側ストッパ144eに係止される。それと共に、遠心力が主復原力より小さくなる内燃機関の始動中も、径方向内側へと付勢される可動シリンダ181は、図5〜7の如く内側ストッパ144eに係止される。また一方、始動後において遠心力が主復原力より大きくなる内燃機関の通常運転中は、径方向外側へと付勢される可動シリンダ181は、図8の如く外側ストッパ144fに係止される。
図1,4に示すように、可動シリンダ181に形成されるシリンダ室181aには、主ロック部材160のうちハウジング本体120とは反対側の小径ピストン部160bが、進退可能に同軸上に挿入されている。シリンダ室181aと小径ピストン部160bの間は、ゴム製のOリングであるシール部材182の介装によって、シールされている。
感温体183は、液状の非圧縮性サーモワックスであり、周囲温度に従う膨縮特性を有している。感温体183は、図1,2,4に示すように、シリンダ室181a内に液密に封入されている。かかる封入構造により感温体183は、周囲温度を決めるエンジン温度に応じて膨縮することで、可動シリンダ181に対して主ロック部材160を相対的に駆動する。
具体的に、エンジン温度が設定温度Ts(後に詳述の図12,13参照)以上となる図5の場合に感温体183は、体積膨張により膨張状態Seとなることで、内圧を上昇させる。その結果、上昇した内圧を感温体183から受ける主ロック部材160では、小径ピストン部160bの一部がシリンダ室181aから径方向内側へと押出される。このとき特に、内燃機関の停止中又は始動中の主ロック位相Pmでは、内側ストッパ144eに係止される可動シリンダ181に対して、図5の如く主ロック部材160が嵌入位置Liに駆動される。
また一方、エンジン温度が設定温度Ts未満となる図6,7の場合に感温体183は、体積収縮により収縮状態Scとなることで、内圧を低下させる。その結果、低下した内圧を感温体183から受ける主ロック部材160では、小径ピストン部160bがシリンダ室181a内に引込まれる。このとき特に、内燃機関の停止中又は始動中の主ロック位相Pmでは、内側ストッパ144eに係止される可動シリンダ181に対して、主ロック部材160が脱出位置Leに駆動される。
さらに、本実施形態において図8に示す内燃機関の通常運転中は、エンジン温度に拘らず、即ち感温体183の膨縮状態Se,Scに拘らず、主復原力に抗した遠心力によって可動シリンダ181が、主ロック部材160と共に径方向外側へと付勢される。その結果、可動シリンダ181が外側ストッパ144fに係止されると共に、主ロック部材160が脱出位置Leに移動する。
尚、上述の設定温度Tsは、内燃機関の停止中の主ロック位相Pmにて主ロック部材160が主ロック孔162に対する嵌入状態から脱出状態へ切り替わるときのエンジン温度と実質一致するように、例えば40〜60℃の範囲内等の温度に予設定される。
(副ロック機構)
次に、図1,2に示すように、副ロック要素170,171,172の組に副弾性部材173及び制限溝174を組み合わせてなる「副ロック手段」としての副ロック機構17につき、詳細に説明する。
図1に示すように副弾性部材173は、金属製のコイルスプリングであり、ベーン142内に収容されている。副弾性部材173は、ベーン142にてリアプレート13とは反対側のスプリング受部142aと、副ロック部材170のスプリング受部170aとの間において、軸方向に介装されている。かかる介装状態により副弾性部材173は、副ロック部材170をリアプレート13側へ付勢するように、副復原力を発生する。したがって、図7,8の副ロック位相Psにおいて副復原力は、副ロック孔172側へと向かって副ロック部材170に作用する。また、ロック解除室171からの圧力作用により副ロック部材170を駆動する力は、副復原力に抗して副ロック部材170に作用する。
図2,3,5に示すように制限溝174は、リアプレート13において回転方向に延伸する有底長孔状に、形成されている。この制限溝174の中途部の溝底には、副ロック孔172が開口している。かかる開口構造により、副ロック孔172の回転方向両側にて副ロック部材170が制限溝174に進入するときには、副ロック位相Psを挟む所定の回転位相領域に、回転位相が制限される。また、回転位相が副ロック位相Psに到達することで、制限溝174内の副ロック部材170が副ロック孔172に嵌入するときには、図7の副ロック位相Psにて回転位相ロックが実現される。
以上の構成下、副ロック孔172への副ロック部材170の嵌入により実現される副ロック位相Psは、図3,9に示す如く主ロック位相Pmよりも進角した中間位相に、予設定されている。そして、特に本実施形態の副ロック位相Psは、図10に示すように、内燃機関の気筒7内のピストン8が下死点BDCに到達するタイミング乃至はその近傍のタイミングにて吸気弁9を閉じるための回転位相に、予設定されている。
(ベーンロータへの変動トルク作用)
次に、カム軸2からベーンロータ14に作用する変動トルクにつき、説明する。
内燃機関の回転中は、カム軸2が開閉駆動する吸気弁9からのスプリング反力等に起因して、変動トルクがベーンロータ14に作用する。図11に例示するように変動トルクは、ハウジングロータ11に対する進角側へ作用する負トルクと、ハウジングロータ11に対する遅角側へ作用する正トルクとの間にて、交番変動する。本実施形態の変動トルクについては、カム軸2及びその軸受間のフリクション等に起因して、正トルクのピークトルクが負トルクのピークトルクよりも大きくなっており、それらの平均トルクが正トルク側(遅角側)に偏っている。
(ベーンロータの付勢構造)
次に、ベーンロータ14を副ロック位相Psへ向かって付勢するための付勢構造につき、説明する。
図4に示す回転駆動部10において各ロータ11,14には、それぞれ係止ピン110,146が設けられている。第一係止ピン110は、フロントプレート15においてハウジング本体120とは軸方向反対側へ突出する円柱状に、形成されている。第二係止ピン146は、支持部144cとは反対側のアーム部144bから軸方向のフロントプレート15側へと突出する円柱状に、形成されている。これら各係止ピン110,146は、ロータ11,14の回転中心線から実質同一距離だけ偏心した箇所に、軸方向では互いにずれて配置されている。
図1,4に示すように、フロントプレート15及び各アーム部144bの間には、進角弾性部材19が配置されている。進角弾性部材19は、実質同一平面上にて金属素線を巻いた渦巻きスプリングであり、その渦巻き中心がロータ11,14の回転中心線と心合わせされている。進角弾性部材19の内周側端部は、回転軸140の外周部に巻装されている。進角弾性部材19の外周側端部は、図4の如くU字状に屈曲されて係止部190を形成している。係止部190は、係止ピン110,146のうち回転位相に応じたピンにより、係止可能となっている。
以上の構成下、副ロック位相Psよりも遅角側、即ちロック位相Ps,Pmの間に回転位相が変化した状態では、係止部190が第一係止ピン110に係止される。このとき、係止部190から第二係止ピン146が離脱するので、進角弾性部材19がねじり弾性変形して発生する復原力は、ハウジングロータ11に対する進角側の回転トルクとしてベーンロータ14に作用する。即ちベーンロータ14は、進角側の副ロック位相Psへ向かって付勢される。ここで、ロック位相Ps,Pmの間にて進角弾性部材19の復原力は、遅角側に偏った変動トルク(図11参照)の平均値よりも大きくなるように、予設定されている。また一方、副ロック位相Psよりも進角側に回転位相が変化した状態では、係止部190が第二係止ピン146に係止される。このとき、係止部190から第一係止ピン110が離脱するので、進角弾性部材19によるベーンロータ14の付勢作用は制限される。
(作動)
次に、装置1の作動を詳細に説明する。
(1) 通常運転
始動により完爆した後における内燃機関の通常運転状態では、スプール68を領域Rr,Ra,Rhのいずれかに移動させる。このときベーンロータ14には、主復原力より大きな遠心力が作用すると共に、内燃機関の回転速度に応じた高い圧力にて、ポンプ4からの作動油供給が図12,13の如く継続される。その結果、遠心力を受ける主ロック部材160は、感温体183の膨縮状態Se,Scに拘らず主ロック孔162から脱出すると共に、ロック解除室171の作動油圧力を受ける副ロック部材170は、副ロック孔172から脱出する。したがって、各ロック位相Pm,Psでの回転位相ロックの解除状態が維持されることになる(図8)。こうしたロック解除状態下、スプール68の移動位置を領域Rr,Ra,Rhのいずれかに適時に変更することで、バルブタイミングが適宜調整される。
(2) 停止・始動
エンジンスイッチSWのオフ指令又はアイドルストップシステムISSのアイドルストップ指令といった停止指令に応じて、図12,13の如く内燃機関が停止するときには、燃料カットにより内燃機関を慣性回転状態とする前に、スプール68をロック領域Rlに移動させる。このときポンプ4からの作動油供給は、内燃機関の回転速度に応じた高い圧力にて継続される。故に、遅角室26,27,28の作動油圧力によって回転位相が最遅角位相としての主ロック位相Pmに変化する。
こうした主ロック位相Pmへの変化後において内燃機関を図12,13の如く慣性回転状態とすると、遠心力が主復原力よりも低下すると共に、ポンプ4からの供給圧力が当該慣性回転の速度に応じて低下する。その結果、主復原力を受ける可動シリンダ181は、径方向内側への移動を内側ストッパ144eにより規制されると共に、遅角室26,27,28の作動油圧力が低下する。さらに、慣性回転が完全に停止すると、遠心力及び遅角室26,27,28の作動油圧力が消失して、内燃機関が主ロック位相Pmでの停止状態となる。
図12の如くエンジン温度が設定温度Ts以上となる間の温間停止状態では、内側ストッパ144eに係止された可動シリンダ181のシリンダ室181a内にて、感温体183が膨張状態Seとなる。その結果、主ロック部材160は、シリンダ室181aから押出されて嵌入位置Liに駆動される(図5)。またこのとき、ロック解除室171の圧力消失状態にて副復原力を受ける副ロック部材170は、副ロック孔172及び制限溝174の外部でリアプレート13と接触する(図5)。こうした駆動及び接触の結果、回転位相が主ロック位相Pmにロックされる。
この後、エンジンスイッチSWのオン指令又はアイドルストップシステムISSの再始動指令といった始動指令に応じて、内燃機関のクランキングが設定温度Ts以上で開始される温間始動時には、図12に示すように感温体183が膨張状態Seに維持される。またこのとき、スプール68の移動位置はロック領域Rlに保持され、且つポンプ4からの作動油供給は実質止まった状態となる。これらのことから、主復原力より遠心力の小さな状態にて主ロック部材160は、嵌入位置Liを維持する(図5)。それと共に、ロック解除室171の圧力消失状態にて副復原力を受ける副ロック部材170は、副ロック孔172及び制限溝174の外部でリアプレート13と接触する(図5)。こうした嵌入維持及び接触の結果、回転位相が主ロック位相Pmにロックされた状態で、内燃機関が完爆する。
以上に対し、図13の如くエンジン温度が設定温度Ts未満になった後の冷間停止状態では、内側ストッパ144eに係止された可動シリンダ181のシリンダ室181a内にて、感温体183が収縮状態Scとなる。その結果、主ロック部材160は、シリンダ室181a内に引込まれて脱出位置Leに駆動される(図6)。またこのとき、ロック解除室171の圧力消失状態にて副復原力を受ける副ロック部材170は、副ロック孔172及び制限溝174の外部でリアプレート13と接触する(図6)。こうした駆動及び接触の結果、各ロック位相Pm,Psでの回転位相ロックが解除された状態となる。
この後、エンジンスイッチSWのオン指令又はアイドルストップシステムISSの再始動指令といった始動指令に応じて、内燃機関のクランキングが設定温度Ts未満で開始される冷間始動時には、図13に示すように感温体183が収縮状態Scに維持される。またこのとき、スプール68の移動位置はロック領域Rlに保持され、且つポンプ4からの作動油供給は実質止まった状態となる。これらのことから、主復原力より遠心力の小さな状態にて主ロック部材160は、脱出位置Leを維持する(図6)。それと共に、ロック解除室171の圧力消失状態にて副復原力を受ける副ロック部材170は、副ロック孔172及び制限溝174の外部でリアプレート13と接触することになる(図6)。
このようにして各ロック位相Pm,Psでの回転位相ロックが解除されている冷間始動時のベーンロータ14は、負トルクの作用によってハウジングロータ11に対する進角側へと相対回転することで、主ロック位相Pmから回転位相を進角させる。その結果、ロック解除室171の圧力消失状態にて副復原力を受ける副ロック部材170は、まず、制限溝174へと進入する。これにより、正トルク作用時のベーンロータ14がハウジングロータ11に対する遅角側へと相対回転しても、主ロック位相Pmへの回転位相の戻りは、図13の如く制限されることになる。
さらにこの後、負トルクの作用により回転位相がさらに進角して副ロック位相Psまで変化すると、ロック解除室171の圧力消失状態にて副復原力を受ける副ロック部材170は、副ロック孔172へ嵌入する(図7)。またこのとき、主復原力より遠心力の小さな状態にて主ロック部材160は、脱出位置Leを維持する(図7)。こうした嵌入及び脱出維持の結果、図13に示すように回転位相が副ロック位相Psにロックされた状態で、内燃機関が完爆する。
(作用効果)
以上説明した第一実施形態によると、停止した内燃機関にてエンジン温度が設定温度Ts以上となる間の温間停止状態の主ロック位相Pmでは、感温体183が膨張状態Seとなる。このとき、ハウジングロータ11外への張出構造144によってベーンロータ14が支持する主ロック部材160は、ハウジングロータ11の主ロック孔162に対して嵌入位置Liに駆動されるため、主ロック位相Pmでの回転位相ロックが達成され得る。ここで、気筒7内のピストン8が下死点BDCに到達するよりも遅いタイミングにて吸気弁9を閉じる主ロック位相Pmでは、内燃機関の次の始動時に、下死点到達後のピストン8のリフトアップに応じて気筒7内ガスが吸気系に押出されることで、実圧縮比が低下する(デコンプレッション効果)。故に、設定温度Ts以上での温間停止後となる温間始動時、例えばアイドルストップシステムISSによる再始動が頻繁に繰り返される場合でも、主ロック部材160を嵌入位置Liに定位させて主ロック位相Pmでの回転位相ロックを維持することで、始動不具合の発生を抑制できる。
これに対し、停止した内燃機関にてエンジン温度が設定温度Ts未満になった後の冷間停止状態の主ロック位相Pmでは、感温体183が収縮状態Scとなる。このとき、ベーンロータ14の支持する主ロック部材160は、ハウジングロータ11の主ロック孔162に対して脱出位置Leに駆動されるため、主ロック位相Pmでの回転位相ロックが解除され得る。故に、内燃機関の次の始動時には、カム軸2からの変動トルク作用のうち負トルク作用によって、ベーンロータ14がハウジングロータ11に対する進角側へと相対回転する。その結果、主ロック位相Pmよりも進角した副ロック位相Psにまで回転位相が変化すると、副ロック部材170が副ロック孔172に嵌入して回転位相が副ロック位相Psにロックされることで、吸気弁9を閉じるタイミングが可及的に早くなる。これにより、気筒7内ガスの押出し量が減少して、当該ガスの温度が実圧縮比と共に上昇するので、設定温度Ts未満での冷間停止後となる冷間始動時、例えば極低温環境下での車両の長時間放置後の始動時やシステムISSにより一時停止したまま運転終了する場合の再始動時等にあっても、着火性を向上させて始動性を確保できる。
以上の如き第一実施形態によれば、エンジン温度に適した始動を実現することが、可能となる。
ここで特に、各主弾性部材163の主復原力に抗した遠心力は、内燃機関の停止により消失するので、当該停止に伴って主ロック部材160は、径方向内側の嵌入位置Li側へと移動する。この後、温間停止状態の主ロック位相Pmでは、設定温度Ts以上にて膨張状態Seとなる感温体183により、主ロック部材160が嵌入位置Liに駆動されるので、主ロック位相Pmでの回転位相ロックが達成され得る。また一方、冷間停止状態の主ロック位相Pmでは、設定温度Ts未満にて収縮状態Scとなる感温体183により、主ロック部材160が脱出位置Leに駆動されるので、主ロック位相Pmでの回転位相ロックが解除され得る。さらに、内燃機関の始動後の通常運転状態では、遠心力を受ける主ロック部材160が主復原力に抗した径方向外側の脱出位置Le側へ移動することで、主ロック位相Pmからの回転位相変化が許容され得る。以上によれば、温間始動時と冷間始動時とにそれぞれ適した回転位相への切替えと、始動後の通常運転時における自由なバルブタイミング調整とを、実現可能となる。
加えて、主ロック部材160の進退するシリンダ室181a内に感温体183としてのサーモワックスが封入される可動シリンダ181は、張出構造144との間に介装される各主弾性部材163により、径方向の内側と外側とに往復移動可能に支持される。こうした支持形態において、主復原力に抗して発生する遠心力の消失後には、温間停止状態のシリンダ室181a内にてサーモワックスが膨張状態Seとなることで、主ロック部材160がシリンダ室181aから押出されて嵌入位置Liに駆動される。これにより、主ロック位相Pmでの回転位相ロックは、設定温度Ts以上のエンジン温度に応じた適時に達成され得る。また一方、冷間停止状態のシリンダ室181a内では、サーモワックスが収縮状態Scとなることで、主ロック部材160がシリンダ室181a内に引込まれて脱出位置Leに駆動される。これにより、主ロック位相Pmでの回転位相ロックは、設定温度Ts未満のエンジン温度に応じた適時に解除され得る。さらに、始動後の通常運転状態では、主復原力に抗した遠心力により可動シリンダ181が主ロック部材160と共に径方向外側へと付勢されることで、主ロック部材160が脱出位置Le側に移動して、主ロック位相Pmからの回転位相変化が許容され得る。以上によれば、温間始動時と冷間始動時とにそれぞれ適した回転位相への切替えと、始動後の通常運転時におけるバルブタイミング調整とを、正確に実現可能となる。
また加えて、各主弾性部材163から主復原力を受ける可動シリンダ181は、遠心力の消失する内燃機関の停止に伴って、径方向内側への移動を張出構造144の内側ストッパ144eによって規制される。かかる規制によりシリンダ室181a内の感温体183であるサーモワックスは、膨張状態Seとなることで、主ロック部材160を嵌入位置Liまで確実に押出し得る一方、収縮状態Seとなることで、主ロック部材160を脱出位置Leまで確実に引込み得る。したがって、温間始動時と冷間始動時とにそれぞれ適した回転位相への切替えにつき、信頼性を高めることが可能となる。さらに、主復原力に抗した遠心力を受ける可動シリンダ181は、径方向外側への移動を張出構造144の外側ストッパ144fによって規制されるので、当該シリンダ181を支持する各主弾性部材163の塑性変形を抑制して、耐久性を高めることも可能となる。
さらに加えて、主ロック位相Pm及び副ロック位相Ps間の回転位相においてベーンロータ14は、ハウジングロータ11に対する進角側へ進角弾性部材19によって付勢される。故に、内燃機関の冷間始動時に進角弾性部材19の付勢作用を受けるベーンロータ14は、変動トルク作用のうち負トルク作用も相俟って、ハウジングロータ11に対する回転位相を副ロック位相Psまで素早く変化させ得る。これによれば、冷間始動時の内燃機関において変動トルクを発生させるクランキングの開始から、副ロック位相Psにて回転位相をロックするまでに要する時間を、短縮できるので、特に冷間停止後の冷間始動性につき、信頼性を高めることが可能となる。
(第二実施形態)
図14,15に示すように、本発明の第二実施形態は第一実施形態の変形例である。
(ロック制御機構)
第二実施形態において、「ロック制御手段」としてのロック制御機構2018は、可動ガイド2181及び感温体2183を組み合わせて構成されている。金属製の可動ガイド2181は、各部160a,160bが進退可能なガイド孔2181aを形成の貫通円筒状である以外は、第一実施形態の可動シリンダ181と実質同一の構成を有している。したがって、張出構造144との間の各主弾性部材163によって往復移動可能に支持される可動ガイド2181は、径方向の内側と外側とへの移動を、内側ストッパ144eと外側ストッパ144fとにより規制される。
感温体2183は、ガイド孔2181a内に一対収容されている。各感温体2183は、帯形平板状のバイメタルであって、周囲温度に従う膨縮特性を有している。各感温体2183は、可動ガイド2181と主ロック部材160との間に保持されている。ここで各感温体2183は、熱膨張率が異なる高膨張層2183aと低膨張層2183bとを、それぞれ有している。特に本実施形態において低膨張層2183bは、高膨張層2183aよりも線膨張係数が低く、且つ高膨張層2183aのハウジング本体120側に積層されている。かかる積層構造により各感温体2183は、エンジン温度に応じて膨縮することで、可動ガイド2181に対して主ロック部材160を相対的に駆動する。
具体的に、エンジン温度が設定温度Ts以上となる図14の場合に各感温体2183は、それぞれの層2183a,2183bの体積膨張により膨張状態Seとなることで、ハウジング本体120側に湾曲する。その結果、各感温体2183によって押圧される主ロック部材160では、大径ロック部160aの一部がガイド孔2181aから径方向内側へと押出される。このとき特に、内燃機関の停止中又は始動中の主ロック位相Pmでは、内側ストッパ144eに係止される可動ガイド2181に対して、図14の如く主ロック部材160が嵌入位置Liに駆動される。
また一方、エンジン温度が設定温度Ts未満となる図15の場合に各感温体2183は、それぞれの層2183a,2183bの体積収縮により収縮状態Scとなることで、ハウジング本体120とは反対側に湾曲する。その結果、各感温体2183によって押圧される主ロック部材160では、大径ロック部160aがガイド孔2181a内に引込まれる。このとき特に、内燃機関の停止中又は始動中の主ロック位相Pmでは、内側ストッパ144eに係止される可動ガイド2181に対して、図15の如く主ロック部材160が脱出位置Leに駆動される。
さらに、本実施形態において内燃機関の通常運転中は、エンジン温度に拘らず、即ち各感温体2183の膨縮状態Se,Scに拘らず、主復原力に抗した遠心力によって可動ガイド2181が、主ロック部材160と共に径方向外側へと付勢される。その結果、可動ガイド2181が外側ストッパ144fに係止されると共に、主ロック部材160が脱出位置Leに移動する(図示はなし)。
(作動)
ここまで説明した構成の第二実施形態では、第一実施形態で説明した作動において「可動シリンダ181」、「可動シリンダ181のシリンダ室181a」、「感温体183」及び「シリンダ室181a内」をそれぞれ、「可動ガイド2181」、「ガイド孔2181a」、「各感温体2183」及び「可動ガイド2181と主ロック部材160との間」と読み替えた内容が、実現される。
(作用効果)
以上説明した第二実施形態に特有の作用効果に説明する。
第二実施形態によると、主ロック部材160の進退するガイド孔2181a内に各感温体2183としてのバイメタルが収容される可動ガイド2181は、各主弾性部材163により、径方向の内側と外側とに往復移動可能に支持される。こうした支持形態において、主復原力に抗して発生する遠心力の消失後には、温間停止状態の要素2181,160間にて各バイメタルが膨張状態Seとなることで、主ロック部材160がガイド孔2181aから押出されて嵌入位置Liに駆動される。これにより、主ロック位相Pmでの回転位相ロックは、設定温度Ts以上のエンジン温度に応じた適時に達成され得る。また一方、冷間停止状態の要素2181,160間にて各バイメタルが収縮状態Scとなることで、主ロック部材160がガイド孔2181a内に引込まれて脱出位置Leに駆動される。これにより、主ロック位相Pmでの回転位相ロックは、設定温度Ts未満のエンジン温度に応じた適時に解除され得る。さらに、始動後の通常運転状態では、主復原力に抗した遠心力により可動ガイド2181が主ロック部材160と共に径方向外側へと付勢されることで、主ロック部材160が脱出位置Le側に移動して、主ロック位相Pmからの回転位相変化が許容され得る。以上によれば、温間始動時と冷間始動時とにそれぞれ適した回転位相への切替えと、始動後の通常運転時におけるバルブタイミング調整とを、正確に実現可能となる。
加えて、各主弾性部材163から主復原力を受ける可動ガイド2181は、遠心力の消失する内燃機関の停止に伴って、径方向内側への移動を張出構造144の内側ストッパ144eによって規制される。かかる規制により要素2181,160間の各感温体2183であるバイメタルは、膨張状態Seとなることで、主ロック部材160を嵌入位置Liまで確実に押出し得る一方、収縮状態Seとなることで、主ロック部材160を脱出位置Leまで確実に引込み得る。したがって、温間始動時と冷間始動時とにそれぞれ適した回転位相への切替えにつき、信頼性を高めることが可能となる。さらに、主復原力に抗した遠心力を受ける可動ガイド2181は、径方向外側への移動を張出構造144の外側ストッパ144fによって規制されるので、当該ガイド2181を支持する各主弾性部材163の塑性変形を抑制して、耐久性を高めることも可能となる。
(第三実施形態)
図16〜18に示すように、本発明の第三実施形態は第一実施形態の変形例である。
(主ロック機構)
第三実施形態において、「主ロック手段」としての主ロック機構3016は、小径ピストン部160bのない主ロック部材3160を、有している。かかる主ロック部材3160は、図18の如く径方向外側の外側ストッパ144fにより係止されることで、当該外側への移動を脱出位置Leにて規制される。
(ロック制御機構)
図16〜18に示す第三実施形態において、「ロック制御手段」としてのロック制御機構3018は、「感温体」としての主弾性部材3163を主ロック機構3016と共有している。主弾性部材3163は、バイメタル製の円弧状板ばねであり、ハウジング本体120の外周面に沿って一対配置されている。各主弾性部材3163は、突出ピン144dと主ロック部材3160との間に介装されることで、主ロック部材3160を径方向の内側と外側に往復移動可能に支持している。
本実施形態においても主復原力の発生機能を果たす各主弾性部材3163は、主ロック部材3160を直接的にハウジング本体120側へと付勢する。但し、本実施形態の各主弾性部材3163は、遠心力の発生時に、嵌入位置Li側への主復原力を主ロック部材160に作用させる弾性変形状態となるが、遠心力の消失時には、自然長状態となる。そのため、内側ストッパ144eは、不要となっている。
また、「感温体」としての機能をも果たすために各主弾性部材3163は、熱膨張率が異なる高膨張層3163aと低膨張層3163bとを、それぞれ有している。特に本実施形態において低膨張層3163bは、高膨張層3163aよりも線膨張係数が低く、且つ高膨張層3163aのハウジング本体120側に積層されている。かかる積層構造により各主弾性部材3163は、エンジン温度に応じて膨縮することで、主ロック部材3160を直接的に駆動する。
具体的に、エンジン温度が設定温度Ts以上となる図17の場合に各主弾性部材3163は、それぞれの層3163a,3163bの体積膨張により膨張状態Seとなることで、ハウジング本体120側に湾曲する。その結果、各主弾性部材3163によって押圧される主ロック部材3160は、特に内燃機関の停止中又は始動中の主ロック位相Pmでは、図17の如く嵌入位置Liに駆動される。
また一方、エンジン温度が設定温度Ts未満となる図18の場合に各主弾性部材3163は、それぞれの層3163a,3163bの体積収縮により収縮状態Scとなることで、ハウジング本体120とは反対側に湾曲する。その結果、各主弾性部材3163によって押圧される主ロック部材3160は、特に内燃機関の停止中又は始動中の主ロック位相Pmでは、図18の如く脱出位置Leに駆動される。このとき、特に本実施形態の主ロック部材3160は、脱出位置Leに移動して外側ストッパ144fに係止される。
さらに、本実施形態において内燃機関の通常運転中は、エンジン温度に拘らず、即ち各主弾性部材3163の膨縮状態Se,Scに拘らず、主復原力に抗した遠心力によって主ロック部材3160が径方向外側へと付勢される。その結果、主ロック部材3160は、脱出位置Leに移動して外側ストッパ144fに係止される。
(作動)
ここまで説明した構成の第三実施形態では、第一実施形態とは一部異なる作動が通常運転、停止及び始動に関して実現される。そこで、以下では、第三実施形態に特有な通常運転、停止及び始動に関する作動を、詳細に説明する。
まず、通常運転状態では、遠心力を受ける主ロック部材3160が、各主弾性部材3163の膨縮状態Se,Scに拘らず、主ロック孔162から脱出する。
次に、エンジン温度が設定温度Ts以上となる間の温間停止状態では、各主弾性部材3163が膨張状態Seとなることで、主ロック部材3160が嵌入位置Liに駆動されて(図17)、回転位相が主ロック位相Pmにロックされる。またこの後、設定温度Ts以上での温間始動時には、各主弾性部材3163が膨張状態Seに維持される以外は第一実施形態と同様の原理により、回転位相が主ロック位相Pmにロックされたまま内燃機関が完爆する。
以上に対し、エンジン温度が設定温度Ts未満となった後の冷間停止状態では、各主弾性部材3163が収縮状態Scとなることで、主ロック部材3160が脱出位置Leに駆動されて(図18)、主ロック位相Pmでの回転位相ロックが解除される。またこの後、設定温度Ts未満での冷間始動時には、各主弾性部材3163が収縮状態Scに維持される以外は第一実施形態と同様の原理により、回転位相が副ロック位相Psに変化した後に内燃機関が完爆することになる。
(作用効果)
以上説明した第三実施形態に特有の作用効果に説明する。
第三実施形態によると、主ロック部材3160は、張出構造144との間に「感温体」且つ主弾性部材3163として介装される各バイメタルにより、径方向の内側と外側とに往復移動可能に支持される。こうした支持形態において、主復原力に抗して発生する遠心力の消失後には、温間停止状態にて各バイメタルが膨張状態Seとなることで、主ロック部材3160が嵌入位置Liに駆動される。これにより、主ロック位相Pmでの回転位相ロックは、設定温度Ts以上のエンジン温度に応じた適時に達成され得る。また一方、冷間停止状態では、主ロック部材3160を支持する各バイメタルが収縮状態Scとなることで、主ロック部材3160が脱出位置Leに駆動される。これにより、主ロック位相Pmでの回転位相ロックは、設定温度Ts未満のエンジン温度に応じた適時に解除され得る。さらに、始動後の通常運転状態では、主復原力に抗した遠心力により径方向外側へと付勢される主ロック部材3160が脱出位置Le側に移動するので、主ロック位相Pmからの回転位相変化が許容され得る。以上によれば、温間始動時と冷間始動時とにそれぞれ適した回転位相への切替えと、始動後の通常運転時におけるバルブタイミング調整とを、正確に実現可能となる。
加えて、主復原力に抗した遠心力を受ける主ロック部材3160は、径方向外側への移動を張出構造144の外側ストッパ144fによって規制されるので、当該主ロック部材3160を支持する各主弾性部材3163の塑性変形を抑制して、耐久性を高めることも可能となる。
(他の実施形態)
ここまで、本発明の複数の実施形態について説明したが、本発明は、それらの実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態及び組み合わせに適用することができる。
具体的には、第一〜第三実施形態に関する変形例1として、気筒7内のピストン8が下死点BDCに到達するタイミングよりも遅いタイミングに吸気弁9を閉じる回転位相となる限りにおいて、最遅角位相よりも進角側の主ロック位相Pmを採用してもよい。また、第一〜第三実施形態に関する変形例2として主ロック部材160,3160を、遠心力ではなく、作動油の圧力により脱出位置Leへ駆動してもよい。さらに、第一〜第三実施形態に関する変形例3として、副ロック部材170をハウジングロータ11に支持させ、副ロック孔172をベーンロータ14に形成してもよい。またさらに、第一〜第三実施形態に関する変形例4として、内燃機関の完爆に伴って又は任意の時に作動油の供給を開始可能な電動ポンプを、ポンプ4に採用してもよい。
第一〜第三実施形態に関する変形例5としては、進角弾性部材19を設けなくてもよく、この場合、スプール68のロック領域Rlへの移動と内燃機関の慣性回転とを実行する順番を、逆にしてもよい。また、第一〜第三実施形態に関する変形例6として、エンジンスイッチSWのオフ指令に応じて内燃機関が停止するときに、回転位相を副ロック位相Psにロックさせた後、エンジンスイッチSWのオン指令に応じて内燃機関が始動するときに、当該位相Psでの回転位相ロックをそのまま実現させてもよい。あるいは、第一〜第三実施形態に関する変形例7として、アイドルストップシステムISSのアイドルストップ指令に応じて内燃機関が停止するときに、回転位相を副ロック位相Psにロックさせた後、アイドルストップシステムISSの再始動指令に応じて内燃機関が始動するときに、当該位相Psでの回転位相ロックをそのまま実現させてもよい。
第一及び第二実施形態に関する変形例8としては、例えばゴム製部材等を主弾性部材163に採用してもよい。また、第一〜第三実施形態に関する変形例9として、例えばゴム製部材等を副弾性部材173に採用してもよい。さらに、第一及び第二実施形態に関する変形例10として、第三実施形態に準じて、遠心力の消失時に主弾性部材163を自然長状態としてもよく、この場合に内側ストッパ144eを設けなくてもよい。またさらに、第一〜第三実施形態に関する変形例11としては、外側ストッパ144fを設けなくてもよい。
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、7 気筒、8 ピストン、9 吸気弁、11 ハウジングロータ、14 ベーンロータ、16,3016 主ロック機構、17 副ロック機構、18,2018,3018 ロック制御機構、19 進角弾性部材、144 張出構造、144e 内側ストッパ、144f 外側ストッパ、160,3160 主ロック部材、162 主ロック孔、163,3163 主弾性部材、170 副ロック部材、172 副ロック孔、181 可動シリンダ、181a シリンダ室、182 シール部材、183 感温体、2181 可動ガイド、2181a ガイド孔、2183 感温体、BDC 下死点、Le 脱出位置、Li 嵌入位置、Pm 主ロック位相、Ps 副ロック位相、Sc 収縮状態、Se 膨張状態、Ts 設定温度

Claims (11)

  1. 内燃機関の気筒(7)を開閉する吸気弁(9)のバルブタイミングを、作動液の圧力により調整するバルブタイミング調整装置において、
    前記内燃機関のクランク軸と連動して回転するハウジングロータ(11)と、
    前記内燃機関のカム軸(2)と連動して回転し、前記ハウジングロータ内において作動液の圧力を受けることにより、前記ハウジングロータに対する回転位相が変化するベーンロータ(14)と、
    主ロック部材(160,3160)及び主ロック孔(162)を有し、前記気筒内のピストン(8)が下死点に到達するよりも遅いタイミングにて前記吸気弁を閉じるための前記回転位相である主ロック位相(Pm)において、前記主ロック部材が前記主ロック孔へ嵌入することにより、前記回転位相をロックする主ロック手段(16,3016)と、
    副ロック部材(170)及び副ロック孔(172)を有し、前記主ロック位相よりも進角した前記回転位相である副ロック位相(Ps)において、前記副ロック部材が前記副ロック孔へ嵌入することにより、前記回転位相をロックする副ロック手段(17)と、
    前記主ロック部材の移動を制御するロック制御手段(18,2018,3018)とを、備え、
    前記ベーンロータは、前記ハウジングロータ外に張り出して前記主ロック部材を支持する張出構造(144)を、有し、
    前記主ロック孔は、前記ハウジングロータに形成され、
    前記主ロック部材は、前記主ロック孔に嵌入する嵌入位置(Li)と、前記主ロック孔から脱出する脱出位置(Le)とに、往復移動し、
    前記ロック制御手段は、停止した前記内燃機関の温度が設定温度(Ts)以上となる間の温間停止状態の前記主ロック位相において、前記主ロック部材を前記嵌入位置に駆動する膨張状態(Se)となる一方、停止した前記内燃機関の温度が前記設定温度未満となった後の冷間停止状態の前記主ロック位相において、前記主ロック部材を前記脱出位置に駆動する収縮状態(Sc)となる感温体(183,2183,3163)を、有することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記主ロック機構は、主復原力を発生する主弾性部材(163,3163)を、有し、
    前記主ロック部材は、前記ベーンロータの径方向において、内側の前記嵌入位置と外側の前記脱出位置とに往復移動し、
    前記内燃機関の始動後の通常運転状態において前記主復原力に抗して発生する遠心力は、前記内燃機関の停止により消失することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記ロック制御手段(18)は、前記主ロック部材(160)の進退するシリンダ室(181a)を形成する可動シリンダ(181)を、有し、
    前記可動シリンダは、前記張出構造との間に介装される前記主弾性部材(163)により、前記径方向の内側と外側とに往復移動可能に支持され、
    前記感温体(183)は、前記シリンダ室内に封入されるサーモワックスであることを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  4. 前記張出構造は、前記径方向において前記可動シリンダの内側への移動を規制する内側ストッパ(144e)を、有することを特徴とする請求項3に記載のバルブタイミング調整装置。
  5. 前記張出構造は、前記径方向において前記可動シリンダの外側への移動を規制する外側ストッパ(144f)を、有することを特徴とする請求項3又は4に記載のバルブタイミング調整装置。
  6. 前記ロック制御手段(2018)は、前記主ロック部材(160)の進退するガイド孔(2181a)を形成する可動ガイド(2181)を、有し、
    前記可動ガイドは、前記張出構造との間に介装される前記主弾性部材(163)により、前記径方向の内側と外側とに往復移動可能に支持され、
    前記感温体(2183)は、前記ガイド孔内に収容されて前記可動ガイドと前記主ロック部材との間に保持されるバイメタルであることを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  7. 前記張出構造は、前記径方向において前記可動ガイドの内側への移動を規制する内側ストッパ(144e)を、有することを特徴とする請求項6に記載のバルブタイミング調整装置。
  8. 前記張出構造は、前記径方向において前記可動ガイドの外側への移動を規制する外側ストッパ(144f)を、有することを特徴とする請求項6又は7に記載のバルブタイミング調整装置。
  9. 前記ロック制御手段(3018)は、前記感温体として前記主弾性部材(3163)を前記主ロック手段(3016)と共有し、
    前記感温体としての前記主弾性部材は、前記主ロック部材(3160)と前記張出構造との間に介装され、前記主ロック部材を前記径方向の内側と外側とに往復移動可能に支持するバイメタルであることを特徴とする請求項2に記載のバルブタイミング調整装置。
  10. 前記張出構造は、前記径方向において前記主ロック部材の外側への移動を規制する外側ストッパ(144f)を、有することを特徴とする請求項9に記載のバルブタイミング調整装置。
  11. 前記主ロック位相及び前記副ロック位相間の前記回転位相において、前記ハウジングロータに対して前記ベーンロータを進角側へ付勢する進角弾性部材(19)を、備えることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載のバルブタイミング調整装置。
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