JP5903305B2 - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents

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Description

実施形態は、画像のノイズ低減技術に関する。
電子部品などに対する検査を自動的に行う外観検査システムは、検査画像に含まれるノイズ成分を適切に低減することによって、高精度な検査が可能となる。同様に、X線検査システムもまた、検査画像に含まれるノイズ成分を適切に低減することによって、高精度な検査が可能となる。他にも、例えば画像の撮影、符号化、復号化、再生などを行うにあたって、画像に含まれるノイズ成分を適切に低減することによって、様々な有利な効果(例えば、符号化効率の向上、再生画像品質の向上など)を得ることができる。
通常、画像に含まれるノイズ成分は、様々なノイズ低減技法によって低減される。しかしながら、係るノイズ低減技法によって、画像に含まれるノイズ成分だけでなく信号成分(特に、エッジなどの高周波成分)までも低減されたり、信号成分が不適切な値に変化したりすることがある。信号成分が低減されたり不適切な値に変化したりすると、ノイズ低減による有利な効果が阻害されるおそれがある。
例えば、ノイズ低減技法の1つとして平滑化フィルタが知られている。平滑化フィルタには、被写体の本来の信号成分(特に高周波成分)が劣化する(ぼやける)というデメリットがある。また、動画像におけるノイズ低減技法として、アベレージングが知られている。アベレージングとは、複数フレーム間で画素値を平均化することによってランダムノイズを低減するものである。例えば、静止した被写体を撮影した動画像においてN枚のフレームを用いてアベレージングを行うと、ランダムノイズを理想的には1/√N倍に低減できる。更に、各フレームにおいて被写体の本来の信号成分は共通に含まれているので、係る信号成分は基本的にはアベレージングによって劣化しない。しかしながら、被写体に動きがあると、フレーム間の画素の対応関係が崩れてしまう。故に、動きのある被写体を撮影した動画像に対してアベレージングを単純に適用することはできない。
特開2009−020605号公報
実施形態は、信号成分の劣化を回避しつつノイズ成分を低減することを目的とする。
実施形態によれば、画像処理装置は、第1の分解部と、第2の分解部と、第1の算出部と、合成部と、加算部とを備える。第1の分解部は、注目フレームをレベル1の第1の低周波画像及びレベル1の第1の高周波画像に分解する。第2の分解部は、第1の参照フレームを分解し、レベル1の第2の高周波画像を得る。第1の算出部は、レベル1の第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心としてレベル1の第1の高周波画像及びレベル1の第2の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベル1の第1の重み係数を生成する。合成部は、レベル1の第1の高周波画像に対して少なくともレベル1の第2の高周波画像をレベル1の第1の重み係数に基づいて合成することによって、レベル1の合成高周波画像を生成する。加算部は、少なくともレベル1の合成高周波画像を用いて出力画像を得る。
第1の実施形態に係る画像処理装置を例示するブロック図。 第2の実施形態に係る画像処理装置を例示するブロック図。 第3の実施形態に係る画像処理装置を例示するブロック図。 第1の実施形態に係る画像処理装置によって行われる画像処理を例示するフローチャート。 第3の実施形態に係る画像処理装置によって行われる画像処理を例示するフローチャート。 第3の実施形態に係る画像処理装置によって行われる画像処理の説明図。 時空間ブロックを例示する図。 時空間ブロックを例示する図。 図7の第n−1及び第nフレームに亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を示す図。 図7の第nフレームに閉じて形成される空間ブロック内の自己相関関数を示す図。 図8の第n−1及び第nフレームに亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を示す図。 図8の第nフレームに閉じて形成される空間ブロック内の自己相関関数を示す図。 第6の実施形態に係る外観検査システムを例示するブロック図。 第7の実施形態に係るX線検査システムを例示するブロック図。 X線CTシステムにおいて撮影される断面画像の説明図。
以下、図面を参照しながら実施形態の説明が述べられる。尚、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号が付され、重複する説明は基本的に省略される。また、以降の説明において、簡単化のために一次元の画素値変化が示されることがあるが、これらは二次元の画素値変化として適宜読み替えることができる。
(第1の実施形態)
第1の実施形態に係る画像処理装置は、図1に示されるように、サブバンド分解部101と、サブバンド分解部102と、重み係数算出部110と、高周波画像合成部120と、加算部130とを備える。
図1の画像処理装置は、外部から注目フレーム10及び参照フレーム20を入力する。注目フレーム10及び参照フレーム20は、例えば、同一被写体を撮影した動画像の第nフレーム及び第n−1(或いは第n+1)フレームであってよい。或いは、注目フレーム10及び参照フレーム20は、同一被写体を連続撮影した2枚の静止画像であってもよいし、同一被写体からX線CTによって撮影された2枚の断面画像であってもよい。
図1の画像処理装置は、後述されるように、時空間ブロック内の自己相関関数に基づく重み係数を利用して注目フレーム10及び参照フレーム20の重み付き平均化(即ち、合成)を行うことにより、注目フレーム10の信号成分の劣化を回避しつつノイズを低減する。図1の画像処理装置は、画像処理結果を出力画像50として外部に供給する。
サブバンド分解部101は、注目フレーム10を外部から入力する。サブバンド分解部101は、注目フレーム10を2つのサブバンド成分に分解する。具体的には、サブバンド分解部101は、注目フレーム10を注目高周波画像11及び注目低周波画像12に分解する。サブバンド分解部101は、注目高周波画像11を重み係数算出部110及び高周波画像合成部120へと出力し、注目低周波画像12を加算部130へと出力する。
以降の説明において、注目高周波画像11はHF(0,1)と表現され、注目高周波画像11の座標(i,j)の画素値(濃度値)はHF(0,1,i,j)と表現されることもある。
サブバンド分解部101は、典型的には、注目フレーム10にウェーブレット変換を適用することにより、注目高周波画像11及び注目低周波画像12を得る。或いは、サブバンド分解部101は、フィルタリング処理によって注目フレーム10から注目低周波画像12を抽出してもよい。例えば、サブバンド分解部101は、注目フレーム10内の隣接4画素毎に画素値を平均化することによって、注目低周波画像12を抽出してもよい。更に、サブバンド分解部101は、当該注目低周波画像12を注目フレーム10から減算することによって、注目高周波画像11を抽出してもよい。
サブバンド分解部102は、参照フレーム20を外部から入力する。サブバンド分解部102は、参照フレーム20を2つのサブバンド成分に分解する。具体的には、サブバンド分解部102は、参照フレーム20を参照高周波画像21及び参照低周波画像に分解する。サブバンド分解部102は、参照高周波画像21を重み係数算出部110及び高周波画像合成部120へと出力する。但し、参照低周波画像は本実施形態において不要であるので、サブバンド分解部102は必ずしも参照フレーム20から参照低周波画像を抽出しない。以降の説明において、参照高周波画像21はHF(m,1)と表現され、参照高周波画像21の座標(i,j)の画素値はHF(m,1,i,j)と表現されることもある。mは、注目フレーム10を基準とする参照フレーム20の相対位置を表す。例えば、注目フレーム10が第nフレームに相当し、かつ、参照フレーム20が第n−1フレームに相当するならば、m=−1である。
サブバンド分解部102は、典型的には、参照フレーム20にウェーブレット変換を適用することにより、参照高周波画像21及び参照低周波画像を得る。或いは、サブバンド分解部102は、フィルタリング処理によって参照フレーム20から参照低周波画像を抽出してもよい。例えば、サブバンド分解部102は、参照フレーム20内の隣接4画素毎に画素値を平均化することによって、参照低周波画像を抽出してもよい。更に、サブバンド分解部102は、当該参照低周波画像を参照フレーム20から減算することによって、参照高周波画像21を抽出してもよい。
ここで、注目高周波画像11内の各画素と参照高周波画像21内の各画素とが対応しているならば(即ち、表現対象が同一であるならば)、注目高周波画像11と参照高周波画像21とを平均化することによって、注目高周波画像11に含まれる注目フレーム10のノイズ成分が低減される。しかしながら、例えば撮影位置のずれ、被写体の変化などの影響により、注目高周波画像11内の各画素と参照高周波画像21内の各画素とが必ずしも対応しない。
例えば、参照フレーム20の注目位置にエッジ成分が含まれていて、かつ、注目フレーム10の注目位置に同一のエッジ成分が含まれていなければ、高周波成分の平均化を通じて注目位置の画素値が大きく変化するおそれがある。即ち、平均化された高周波画像の注目位置の画素値に参照フレーム20のエッジ成分の一部が漏れ込むことによって、残像が生じる。また、注目フレーム10の注目位置にエッジ成分が含まれていて、かつ、参照フレーム20の注目位置に同一のエッジ成分が含まれていなければ、平均化を通じて注目位置の画素値が大きく変化するおそれがある。即ち、平均化された高周波画像の注目位置において注目フレーム10のエッジ成分がぼやける。従って、注目高周波画像11及び参照高周波画像21を単純に平均化すると、注目高周波画像11の劣化する画素が局所的に生じるおそれがある。
そこで、図1の画像処理装置は、後述されるように、注目高周波画像11及び参照高周波画像21に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数に基づいて算出される重み係数30を利用して注目高周波画像11及び参照高周波画像21を重み付き平均化することによって、注目フレーム10の信号成分を維持しつつそのノイズ成分を低減する。
重み係数算出部110は、サブバンド分解部101から注目高周波画像11を入力し、サブバンド分解部102から参照高周波画像21を入力する。重み係数算出部110は、注目高周波画像11内の各画素に対して、当該画素を中心とする時空間ブロック内の自己相関関数を算出する。
重み係数算出部110において使用される時空間ブロックは、注目高周波画像11内の注目画素を中心とする複数の画素の集合であり、注目高周波画像11及び参照高周波画像21に亘って形成される。3×3×2のサイズを持つボックス状の時空間ブロックが図7及び図8に例示されている。即ち、これら時空間ブロックは空間方向に3×3のサイズを持ち、時間方向に2のサイズを持つ。ここで、時空間ブロックにおける時間方向とは、フレーム順序の方向と同一の意味で用いられてよい。具体的には、図7は、注目画素の画素値における画像の信号成分の寄与度が大きい場合の時空間ブロックを例示する。ここで、画像の信号成分とは、注目高周波画像11に含まれる被写体の信号成分に相当する。他方、図8は、注目画素の画素値におけるノイズ成分の寄与度が大きい場合の時空間ブロックを例示する。
更に、重み係数算出部110は、自己相関関数の原点の値に対する原点の周囲における代表値の比の絶対値を算出することによって、重み係数30を得る。重み係数算出部110は、重み係数30を高周波画像合成部120へと出力する。
自己相関関数の原点の周囲における代表値は、例えば原点以外における最大の絶対値を持つ値である。但し、最大の絶対値を含む上位の複数(例えば3つ)の絶対値の平均値、中央値または最頻値、若しくは最小の絶対値などが代表値であってもよい。以降の説明において、参照高周波画像21(HF(m,1))に基づく、座標(i,j)の注目画素に対応する重み係数30の値はACFpkr(m,i,j)と表現されることもある。
具体的には、重み係数算出部110は、任意の注目画素を中心とする時空間ブロック内の自己相関関数を下記数式(1)に従って算出できる。図7の時空間ブロック内の自己相関関数が図9に示される。図8の時空間ブロック内の自己相関関数が図11に示される。
Figure 0005903305
尚、自己相関関数は注目画素毎に算出されるので、以降の説明において、参照高周波画像21(HF(m,1))に基づく、座標(i,j)の注目画素に対応する自己相関関数をRmij(s,t,u)と表すものとする。自己相関関数の原点の値はRmij(0,0,0)で表され、これはRmij(s,t,u)の最大値を示す。原点の周囲の代表値は、Rmij(s,t,u)で表すことができる。即ち、重み係数算出部110は、参照高周波画像21(HF(m,1))に基づく、座標(i,j)の注目画素に対応する重み係数30を下記数式(2)に従って算出できる。
Figure 0005903305
注目画素の画素値におけるノイズ成分の寄与度が大きい場合には、自己相関関数の原点の値と周囲の値との乖離が大きくなりやすい。他方、注目画素の画素値における信号成分の寄与度が大きい場合には、自己相関関数の原点の値と周囲の値との乖離が小さくなりやすい。即ち、注目画素の画素値におけるノイズ成分の寄与度が大きいほど重み係数30は小さくなりやすい。他方、注目画素の画素値における信号成分(即ち、被写体の本来の信号成分)の寄与度が大きいほど重み係数30は大きくなりやすい。
例えば、図9の自己相関関数の原点の値は36.4であり、図11の自己相関関数の原点の値は36.4である。また、図9の自己相関関数の代表値は−14.8であり、図11の自己相関関数の代表値は−6.4である。即ち、図9の自己相関関数に基づく重み係数30の値は0.41となり、図11の自己相関関数に基づく重み係数30の値は0.18となる。
少なくとも図9及び図11の例によれば、注目画素の画素値における信号成分の寄与度及びノイズ成分の寄与度に応じて、重み係数30が増減する。従って、係る重み係数30を用いて注目高周波画像11及び参照高周波画像21を重み付き平均化することによって、後述されるように、信号成分を維持しつつノイズ成分を低減することが可能となる。
尚、同一フレームのブロックのみを考慮して重み係数を算出する技法も想定される。この比較例は、参照フレームを全く利用せず、注目画素を中心とする空間ブロック内の自己相関関数に基づいて重み係数を算出する。比較例において、自己相関関数は上記数式(1)に代えて下記数式(3)に従って算出される。空間ブロックは、1フレームで閉じて形成される。図7の第nフレームで閉じて形成される空間ブロック内の自己相関関数が図10に示される。図8の第nフレームで閉じて形成される空間ブロック内の自己相関関数が図12に示される。
Figure 0005903305
尚、空間ブロック内の自己相関関数もまた注目画素毎に算出されるので、以降の説明において座標(i,j)の注目画素に対応する空間ブロック内の自己相関関数をRij(s,t)と表すものとする。自己相関関数の原点の値はRij(0,0)で表され、これはRij(s,t)の最大値を示す。原点の周囲において最大の絶対値を持つ代表値は、Rij(s,t)で表すことができる。即ち、比較例において、座標(i,j)の注目画素に対応する重み係数は、上記数式(2)に代えて下記数式(4)に従って算出される。
Figure 0005903305
ここで、図10の自己相関関数の原点の値は18.2であり、図12の自己相関関数の原点の値もまた18.2である。また、図10の自己相関関数の代表値は−6.0であり、図12の自己相関関数の代表値もまた−6.0である。即ち、図10の自己相関関数に基づく重み係数は0.33となり、図12の自己相関関数に基づく重み係数もまた0.33となる。
少なくとも図10及び図12の例によれば、注目画素の画素値における信号成分の寄与度及びノイズ成分の寄与度に関わらず、重み係数は同程度である。即ち、係る重み係数は、注目画素の画素値における信号成分の寄与度及びノイズ成分の寄与度を反映しにくく、重み付き平均に用いられた場合に望ましくない効果(例えば、ノイズ成分の増加または信号成分の劣化)が生じるおそれがある。故に、本実施形態は、参照フレームを利用して時空間ブロックを形成し、当該時空間ブロック内の自己相関関数から重み係数30を算出することとする。
高周波画像合成部120は、サブバンド分解部101から注目高周波画像11を入力し、サブバンド分解部102から参照高周波画像21を入力し、重み係数算出部110から重み係数30を入力する。高周波画像合成部120は、重み係数30を用いて注目高周波画像11及び参照高周波画像21を重み付き平均化することにより、合成高周波画像40を得る。高周波画像合成部120は、合成高周波画像40を加算部130へと出力する。
具体的には、高周波画像合成部120は、下記数式(5)に示される演算を行ってもよい。数式(5)の演算によれば、重み係数30が小さいほど参照高周波画像21には大きな重みが与えられ、注目高周波画像11と平均化される。以降の説明において、合成高周波画像40はHFCと表現され、合成高周波画像40の座標(i,j)の画素値はHFC(i,j)と表現されることもある。
Figure 0005903305
加算部130は、注目低周波画像12をサブバンド分解部101から入力し、合成高周波画像40を高周波画像合成部120から入力する。加算部130は、注目低周波画像12と抽出高周波画像40とを加算することによって、出力画像50を得る。加算部130は、出力画像50を外部へと供給する。
以下、図4を用いて図1の画像処理装置によって行われる画像処理が説明される。尚、図4に示される処理ステップの順序は一例であり、各処理ステップは依存関係がない限り任意の順序で実行されてよい。
図4の画像処理はステップS401から開始する。ステップS401において、図1の画像処理装置が、注目フレーム10及び参照フレーム20を外部から取り込む。サブバンド分解部101及びサブバンド分解部102は、ステップS401において得られた注目フレーム10及び参照フレーム20をそれぞれサブバンド分解する(ステップS402)。
重み係数算出部110は、ステップS402において得られた注目高周波画像11内の各画素に対して、当該画素を中心とする時空間ブロック内の自己相関関数を算出する(ステップS403)。尚、前述の通り、時空間ブロックは注目高周波画像11及びステップS402において得られた参照高周波画像21に亘って形成される。重み係数算出部110は、ステップS403において算出された自己相関関数の原点の値に対する周囲の代表値の比の絶対値を算出することによって、重み係数30を得る(ステップS404)。尚、前述の通り、周囲の代表値とは、例えば、原点以外で最大の絶対値を持つ値である。
高周波画像合成部120は、ステップS404において得られた重み係数30に基づいて(例えば、上記数式(5)に従って)、注目高周波画像11及び参照高周波画像21の各画素値を重み付き平均化することにより、合成高周波画像40を得る(ステップS405)。加算部130は、ステップS402において得られた注目低周波画像12と、ステップS405において得られた合成高周波画像40とを加算することによって、出力画像50を得る(ステップS406)。ステップS406の完了によって、図4の画像処理は終了する。
以上説明したように、第1の実施形態に係る画像処理装置は、注目高周波画像内の各画素に関して時空間ブロック内の自己相関関数に基づいて重み係数を算出し、当該重み係数に基づいて注目高周波画像及び参照高周波画像を重み付き平均化する。従って、この画像処理装置によれば、注目フレームの信号成分を維持しつつノイズ成分を低減することができる。
尚、本実施形態に対して、様々な変形例が想定できる。例えば、時空間ブロックを形成する前に参照フレームに動き補償が行われてもよい。即ち、注目高周波画像と、動き補償された参照高周波画像とに亘って時空間ブロックが形成されてよい。ここで、動き補償は、公知のものであってよく、例えば、ブロックマッチングを利用した動き検出を行い、動き検出によって得られた動きベクトルを用いて参照フレームの画素を移動させるものである。また、時空間ブロックのサイズ及び形状は任意である。例えば、注目画素毎に時空間ブロックのサイズまたは形状が変更されてもよいし、注目画素毎にサイズまたは形状が相異なる複数の時空間ブロックに基づいて重み係数が算出されてもよい。
(第2の実施形態)
第1の実施形態に係る画像処理装置は、1枚の参照フレームを用いて画像処理を行う。他方、第2の実施形態に係る画像処理装置は、2枚以上の参照フレームを利用して画像処理を行う。
本実施形態に係る画像処理装置は、図2に示されるように、サブバンド分解部101と、サブバンド分解部102と、重み係数算出部110と、サブバンド分解部203と、重み係数算出部211と、高周波画像合成部220と、加算部230とを備える。
図2の画像処理装置は、外部から注目フレーム10、参照フレーム20及び参照フレーム60を入力する。注目フレーム10、参照フレーム20及び参照フレーム60は、例えば、同一被写体を撮影した動画像の第nフレーム、第n−1及び第n+1フレームであってよい。或いは、注目フレーム10、参照フレーム20及び参照フレーム60は、同一被写体を連続撮影した3枚の静止画像であってもよいし、同一被写体からX線CTによって撮影された3枚の断面画像であってもよい。更に、参照フレーム20及び参照フレーム60に加えて1枚以上の参照フレームが利用されてもよい。
サブバンド分解部203は、参照フレーム60を外部から入力する。サブバンド分解部203は、参照フレーム60を2つのサブバンド成分に分解する。具体的には、サブバンド分解部203は、参照フレーム60を参照高周波画像61及び参照低周波画像に分解する。サブバンド分解部203は、参照高周波画像61を重み係数算出部211及び高周波画像合成部220へと出力する。但し、参照低周波画像は本実施形態において不要であるので、サブバンド分解部203は必ずしも参照フレーム60から参照低周波画像を抽出しない。
以降の説明において、前述の参照高周波画像21と同じく、参照高周波画像61はHF(m,1)と表現され、参照高周波画像61の座標(i,j)の画素値はHF(m,1,i,j)と表現されることもある。参照高周波画像21及び参照高周波画像61は、mの値によって区別される。
サブバンド分解部203は、典型的には、参照フレーム60にウェーブレット変換を適用することにより、参照高周波画像61及び参照低周波画像を得る。或いは、サブバンド分解部203は、フィルタリング処理によって参照フレーム60から参照低周波画像を抽出してもよい。例えば、サブバンド分解部203は、参照フレーム60内の隣接4画素毎に画素値を平均化することによって、参照低周波画像を抽出してもよい。更に、サブバンド分解部203は、当該参照低周波画像を参照フレーム60から減算することによって、参照高周波画像61を抽出してもよい。
重み係数算出部211は、サブバンド分解部101から注目高周波画像11を入力し、サブバンド分解部203から参照高周波画像61を入力する。重み係数算出部211は、注目高周波画像11内の各画素に対して、当該画素を中心とする時空間ブロック内の自己相関関数を算出する。重み係数算出部211において使用される時空間ブロックは、注目高周波画像11内の注目画素を中心とする複数の画素の集合であり、注目高周波画像11及び参照高周波画像61に亘って形成される。
更に、重み係数算出部211は、自己相関関数の原点の値に対する原点の周囲における代表値の比の絶対値を算出することによって、重み係数31を得る。重み係数算出部211は、重み係数31を高周波画像合成部220へと出力する。尚、重み係数算出部211の動作は重み係数算出部110と同一または類似であってよいので、その詳細な説明は省略される。
高周波画像合成部220は、サブバンド分解部101から注目高周波画像11を入力し、サブバンド分解部102から参照高周波画像21を入力し、サブバンド分解部203から参照高周波画像61を入力し、重み係数算出部110から重み係数30を入力し、重み係数算出部211から重み係数31を入力する。高周波画像合成部220は、重み係数30及び重み係数31を用いて注目高周波画像11、参照高周波画像21及び参照高周波画像61を重み付き平均化することにより、合成高周波画像41を得る。高周波画像合成部220は、合成高周波画像41を加算部230へと出力する。
具体的には、高周波画像合成部220は、下記数式(6)に示される演算を行ってもよい。数式(6)の演算によれば、重み係数30が小さいほど参照高周波画像21には大きな重みが与えられ、重み係数31が小さいほど参照高周波画像61には大きな重みが与えられ、注目高周波画像11と平均化される。以降の説明において、合成高周波画像41はHFCと表現され、合成高周波画像41の座標(i,j)の画素値はHFC(i,j)と表現されることもある。
Figure 0005903305
加算部230は、注目低周波画像12をサブバンド分解部101から入力し、合成高周波画像41を高周波画像合成部220から入力する。加算部230は、注目低周波画像12と合成高周波画像41とを加算することによって、出力画像51を得る。加算部230は、出力画像51を外部へと供給する。
以上説明したように、第2の実施形態に係る画像処理装置は、2枚以上の参照フレームを利用して第1の実施形態と同一または類似の画像処理を行う。従って、この画像処理装置によれば、より多くの参照フレームを利用した重み付き平均化が行われるので、ノイズ成分を更に低減することができる。
尚、本実施形態に対して、様々な変形例が想定できる。例えば、時空間ブロックを形成する前に2枚以上の参照フレームの一部または全部に動き補償が行われてもよい。即ち、注目高周波画像と動き補償された参照高周波画像とに亘って時空間ブロックが形成されてもよい。また、時空間ブロックのサイズ及び形状は任意である。例えば、注目画素毎に時空間ブロックのサイズまたは形状が変更されてもよいし、注目画素毎にサイズまたは形状が相異なる複数の時空間ブロックに基づいて重み係数が算出されてもよい。
(第3の実施形態)
第1及び第2の実施形態に係る画像処理装置は、注目フレーム及び参照フレームを2つのサブバンド成分に分解して画像処理を行う。他方、第3の実施形態に係る画像処理装置は、注目フレーム及び参照フレームを3以上のサブバンド成分に分解して画像処理を行う。
本実施形態に係る画像処理装置は、図3に示されるように、サブバンド分解部301と、サブバンド分解部302と、重み係数算出部310と、高周波画像合成部320と、加算部330とを備える。
図3の画像処理装置は、外部から注目フレーム10及び参照フレーム20を取得する。図3の画像処理装置は、サブバンド分解を複数回に亘って再帰的に行い、注目フレーム10及び参照フレーム20を3以上のサブバンド成分に分解する。図3の画像処理装置は、時空間ブロック内の自己相関関数に基づく重み係数を利用して注目フレーム10及び参照フレーム20の重み付き平均化を2以上のサブバンド成分毎に行うことにより、注目フレーム10の信号成分の劣化を回避しつつノイズを低減する。
サブバンド分解部301は、注目フレーム10を外部から入力する。サブバンド分解部301は、例えばウェーブレット変換を用いて注目フレーム10を2つのサブバンド成分に分解する。具体的には、サブバンド分解部301は、注目フレーム10をレベル1の注目高周波画像11−1及びレベル1の注目低周波画像12−1に分解する。ここで、レベルとはサブバンド分解のレベルを意味するものとする。尚、注目高周波画像11−1は前述の注目高周波画像11と同一または類似であり、注目低周波画像12−1は前述の注目低周波画像12と同一または類似である。サブバンド分解部301は、注目高周波画像11−1を重み係数算出部310及び高周波画像合成部320へと出力する。また、サブバンド分解部301は、第2回目のサブバンド分解のために、注目低周波画像12−1を自己にフィードバック出力する。
更に、サブバンド分解部301は、第2,・・・,kmax回目のサブバンド分解のために、レベル1,・・・,kmax−1の注目低周波画像12−1,・・・,12−(kmax−1)をフィードバック入力する。ここで、kmaxは、2以上の任意の整数である。サブバンド分解部301は、注目低周波画像12−1,・・・,12−(kmax−1)の各々を2つのサブバンド成分に分解する。具体的には、サブバンド分解部301は、注目低周波画像12−1,・・・,12−(kmax−1)の各々をレベル2,・・・,kmaxの注目高周波画像11−2,・・・,11−kmax及び注目低周波画像12−2,・・・,12−kmaxに分解する。サブバンド分解部301は、注目高周波画像11−2,・・・,11−kmaxを重み係数算出部310及び高周波画像合成部320へと出力する。また、サブバンド分解部301は、第3,・・・,kmax回目のサブバンド分解のために、注目低周波画像12−2,・・・,12−(kmax−1)を自己にフィードバック出力する。サブバンド分解部301は、注目低周波画像12−kmaxを加算部330へと出力する。
以降の説明において、レベルkの注目高周波画像11−kはHF(0,k)と表現され、注目高周波画像11−kの座標(i,j)の画素値はHF(0,k,i,j)と表現されることもある。ここで、kは0以上kmax以下の値を取り得る変数である。また、レベルkの注目低周波画像12−kはLF(0,k)と表現され、レベルkの注目低周波画像12−kの座標(i,j)の画素値はLF(0,k,i,j)と表現されることもある。尚、注目フレーム10は、レベル0の注目低周波画像12−0とみなすことができる。即ち、注目フレーム10はLF(0,0)と表現され、注目フレーム10の座標(i,j)の画素値はLF(0,0,i,j)と表現される。
サブバンド分解部302は、参照フレーム20を外部から入力する。サブバンド分解部302は、例えばウェーブレット変換を用いて参照フレーム20を2つのサブバンド成分に分解する。具体的には、サブバンド分解部302は、参照フレーム20をレベル1の参照高周波画像21−1及びレベル1の参照低周波画像22−1に分解する。尚、参照高周波画像21−1は前述の参照高周波画像21と同一または類似である。サブバンド分解部302は、参照高周波画像21−1を重み係数算出部310及び高周波画像合成部320へと出力する。また、サブバンド分解部302は、第2回目のサブバンド分解のために、参照低周波画像22−1を自己にフィードバック出力する。
更に、サブバンド分解部302は、第2,・・・,kmax−1回目のサブバンド分解のために、レベル1,・・・,kmax−2の参照低周波画像22−1,・・・,22−(kmax−2)をフィードバック入力する。サブバンド分解部302は、参照低周波画像22−1,・・・,22−(kmax−2)の各々を2つのサブバンド成分に分解する。具体的には、サブバンド分解部302は、参照低周波画像22−1,・・・,22−(kmax−2)の各々をレベル2,・・・,kmax−1の参照高周波画像21−2,・・・,21−(kmax−1)及び参照低周波画像22−2,・・・,22−(kmax−1)に分解する。サブバンド分解部302は、参照高周波画像21−2,・・・,21−(kmax−1)を重み係数算出部310及び高周波画像合成部320へと出力する。また、サブバンド分解部302は、第3,・・・,kmax回目のサブバンド分解のために、参照低周波画像22−2,・・・,22−(kmax−1)を自己にフィードバック出力する。
更に、サブバンド分解部302は、第kmax回目のサブバンド分解のために、レベルkmax−1の参照低周波画像22−(kmax−1)をフィードバック入力する。サブバンド分解部302は、参照低周波画像22−(kmax−1)を分解し、レベルkmaxの参照高周波画像21−kmaxを得る。但し、レベルkmaxの参照低周波画像は本実施形態において不要であるので、サブバンド分解部302は必ずしも参照低周波画像22−(kmax−1)からレベルkmaxの参照低周波画像を抽出しない。サブバンド分解部302は、参照高周波画像21−kmaxを重み係数算出部310及び高周波画像合成部320へと出力する。
以降の説明において、レベルkの参照高周波画像21−kはHF(m,k)と表現され、参照高周波画像21−kの座標(i,j)の画素値はHF(m,k,i,j)と表現されることもある。また、レベルkの参照低周波画像22−kはLF(m,k)と表現され、レベルkの参照低周波画像22−kの座標(i,j)の画素値はLF(m,k,i,j)と表現されることもある。尚、参照フレーム20は、レベル0の参照低周波画像22−0とみなすことができる。即ち、参照フレーム20はLF(m,0)と表現され、参照フレーム20の座標(i,j)の画素値はLF(m,i,j)=LF(m,0,i,j)と表現される。
重み係数算出部310は、注目高周波画像11−1をサブバンド分解部301から入力し、参照高周波画像21−1をサブバンド分解部302から入力する。更に、重み係数算出部310は、レベル2,・・・,kmaxの注目高周波画像11−2,・・・,11−kmaxをサブバンド分解部301から入力し、レベル2,・・・,kmaxの参照高周波画像21−2,・・・,21−kmaxをサブバンド分解部302から入力する。重み係数算出部310は、レベルk(k=1,・・・,kmax)の注目高周波画像11−k内の各画素に対して、当該画素を中心とする時空間ブロック内の自己相関関数を算出する。更に、重み係数算出部310は、自己相関関数の原点の値に対する原点の周囲における代表値の比の絶対値を算出することによって、レベルkの重み係数30−kを得る。重み係数算出部310は、レベルkの重み係数30−kを高周波画像合成部320へと出力する。
重み係数算出部310において使用される時空間ブロックは、レベルkの注目高周波画像11−k内の注目画素を中心とする複数の画素の集合であり、注目高周波画像11−k及びレベルkの参照高周波画像21−kに亘って形成される。自己相関関数の原点の周囲における代表値は、例えば原点以外において最大の絶対値を持つ値である。以降の説明において、参照高周波画像21−k(HF(m,k))に基づくレベルkの重み係数30−kはACFpkr(m,k)と表現され、座標(i,j)の重み係数30−kの値はACFpkr(m,k,i,j)と表現されることもある。具体的には、重み係数算出部310は、任意の注目画素を中心とする時空間ブロック内の自己相関関数を下記数式(7)に従って算出できる。
Figure 0005903305
尚、自己相関関数は注目画素毎に算出されるので、以降の説明において、レベルkの参照高周波画像21−k(HF(m,k))に基づく、座標(i,j)の注目画素に対応する自己相関関数をRmkij(s,t,u)と表すものとする。自己相関関数の原点の値はRmkij(0,0,0)で表され、これはRmkij(s,t,u)の最大値を示す。原点の周囲において最大の絶対値を持つ代表値は、Rmkij(s,t,u)で表すことができる。即ち、重み係数算出部310は、レベルkの参照高周波画像21−k(HF(m,k))に基づく、座標(i,j)の注目画素に対応する重み係数30−kを下記数式(8)に従って算出できる。
Figure 0005903305
注目画素の画素値におけるノイズ成分の寄与度が大きいほどレベルkの重み係数30−kは小さくなりやすい。他方、注目画素の画素値における信号成分(被写体の本来の信号成分)の寄与度が大きいほど重み係数30−kは大きくなりやすい。従って、係る重み係数30−kを用いて注目高周波画像11−k及び参照高周波画像21−kを重み付き平均化することによって、信号成分を維持しつつノイズ成分を低減することが可能となる。
高周波画像合成部320は、サブバンド分解部301からレベル1,・・・,kmaxの注目高周波画像11−1,・・・,11−kmaxを入力し、サブバンド分解部102からレベル1,・・・,kmaxの参照高周波画像21−1,・・・,21−kmaxを入力し、重み係数算出部110からレベル1,・・・,kmaxの重み係数30−1,・・・,30−kmaxを入力する。高周波画像合成部320は、レベルkの重み係数30−kを用いて注目高周波画像11−k及び参照高周波画像21−kを重み付き平均化することにより、合成高周波画像40−kを得る。高周波画像合成部320は、レベル1,・・・,kmaxの合成高周波画像40−1,・・・,40−kmaxを加算部330へと出力する。
具体的には、高周波画像合成部320は、下記数式(9)に示される演算を行ってもよい。数式(9)の演算によれば、レベルkの重み係数30−kが小さいほど参照高周波画像21−kには大きな重みが与えられ、注目高周波画像11−kと平均化される。以降の説明において、レベルkの合成高周波画像40−kはHFC(k)と表現され、合成高周波画像40−kの座標(i,j)の画素値はHFC(k,i,j)と表現されることもある。
Figure 0005903305
加算部330は、レベルkmaxの注目低周波画像12−kmaxをサブバンド分解部301から入力し、レベル1,・・・,kmaxの合成高周波画像40−1,・・・,40−kmaxを高周波画像合成部320から入力する。加算部330は、注目低周波画像12−kmaxと合成高周波画像40−1,・・・,40−kmaxとを加算することによって、出力画像52を得る。加算部330は、出力画像52を外部へと供給する。
図6には、図3の画像処理装置によって行われる画像処理の一例が描かれている。図6の例において、kmax=2であり、m=−1である。
以下、図5を用いて図3の画像処理装置によって行われる画像処理が説明される。尚、図5に示される処理ステップの順序は一例であり、各処理ステップは依存関係がない限り任意の順序で実行されてよい。図5の画像処理はステップS501から開始する。ステップS501において、変数kに0が代入され、処理はステップS502へと進む。
ステップS502において、サブバンド分解部301及びサブバンド分解部302は、レベルkの注目低周波画像12−k及びレベルkの参照低周波画像22−kをそれぞれ取り込む。サブバンド分解部301及びサブバンド分解部302は、ステップS502において得られた注目低周波画像12−k及び参照低周波画像22−kをそれぞれサブバンド分解する(ステップS503)。
重み係数算出部310は、ステップS503において得られたレベルk+1の注目高周波画像11−(k+1)内の各画素に対して、当該画素を中心とする時空間ブロック内の自己相関関数を算出する(ステップS504)。尚、前述の通り、時空間ブロックは注目高周波画像11−(k+1)及びステップS503において得られたレベルk+1の参照高周波画像21−(k+1)に亘って形成される。重み係数算出部310は、ステップS504において算出された自己相関関数の原点の値に対する周囲の代表値の比の絶対値を算出することによって、レベルk+1の重み係数30−(k+1)を得る(ステップS505)。尚、前述の通り、周囲の代表値とは、例えば、原点以外で最大の絶対値を持つ値である。
高周波画像合成部320は、ステップS505において得られたレベルk+1の重み係数30−(k+1)に基づいて(例えば、上記数式(9)に従って)、レベルk+1の注目高周波画像11−(k+1)及びレベルk+1の参照高周波画像21−(k+1)の各画素値を重み付き平均化することにより、レベルk+1の合成高周波画像40−(k+1)を得る(ステップS506)。ステップS506の終了時にk+1がkmax未満であれば処理はステップS508へと進み、そうでなければ処理はステップS509へと進む。ステップS508において、kは1だけインクリメントされ、処理はステップS502へと戻る。
ステップS509において、加算部330は、ステップS503において得られたレベルkmaxの注目低周波画像12−kmaxと、ステップS506において得られたレベル1,・・・,kmaxの合成高周波画像40−1,・・・,40−kmaxとを加算することによって、出力画像52を得る。ステップS509の完了によって、図5の画像処理は終了する。
以上説明したように、第3の実施形態に係る画像処理装置は、注目フレーム及び参照フレームを3以上のサブバンド成分に分解することを許容し、レベルkの注目高周波画像毎に時空間ブロック内の自己相関関数に基づいてレベルkの重み係数を算出する。そして、この画像処理装置は、レベルkの重み係数に基づいてレベルkの注目高周波画像及びレベルkの参照高周波画像を重み付き平均化する。従って、この画像処理装置によれば、ノイズ成分の周波数特性にマッチした画像処理を行うことができるので、ノイズ成分が更に低減する。
尚、本実施形態に対して、様々な変形例が想定できる。例えば、時空間ブロックを形成する前に動き補償が行われてもよい。即ち、レベルk(k=1,・・・,kmax)の注目高周波画像と動き補償されたレベルkの参照高周波画像とに亘って時空間ブロックが形成されてよい。また、時空間ブロックのサイズ及び形状は任意である。例えば、注目画素毎に時空間ブロックのサイズまたは形状が変更されてもよいし、注目画素毎にサイズまたは形状が相異なる複数の時空間ブロックに基づいて重み係数が算出されてもよい。
(第4の実施形態)
第4の実施形態において、前述の第2の実施形態及び第3の実施形態が組み合わせられる。即ち、第4の実施形態に係る画像処理装置は、注目フレーム及び2枚以上の参照フレームを3以上のサブバンド成分に分解してノイズ低減処理を行う。
(第5の実施形態)
第5の実施形態に係る画像処理装置は、前述の第1、第2、第3または第4の実施形態に係る画像処理装置と同一または類似の画像処理を複数回に亘って繰り返し試行する。画像処理を複数回に亘って繰り返し試行することによって、注目フレーム10のノイズ成分を段階的に低減することができる。具体的には、第2回目以降の画像処理は、前回の画像処理によって得られた出力画像50(または51,52)が注目フレーム10に置き換わって処理される。
画像処理の試行回数は予め決定されていてもよいし、ある基準に従って繰り返しに対する終了判定が行われてもよい。例えば、試行回数の上限が予め決定されている場合には、画像処理の試行回数が係る上限に達した場合に画像処理の繰り返しの終了が決定されてよい。或いは、重み係数30(30−kまたは31)に基づいて、ノイズ成分が十分に低減されたかを評価し、この評価結果を基準に画像処理の繰り返しに対する終了判定を行うこともできる。例えば、フレーム内の重み係数30(30−kまたは31)の代表値(例えば最大値、平均値、中央値、最頻値、最小値など)が閾値以上となった場合に画像処理の繰り返しが終了される。更に、画像処理を繰り返す場合に、種々のパラメータが更新されてもよい。具体的には、時空間ブロックの形状、サイズなどが更新可能である。
以上説明したように、第5の実施形態に係る画像処理装置は、第1、第2、第3または第4の実施形態と同一または類似の画像処理が複数回に亘って試行されることを許容する。従って、この画像処理装置によれば、第1回目の画像処理によってノイズ成分が十分に低減されなかったとしても、第2回目以降の画像処理によってノイズ成分を段階的に低減することができる。
(第6の実施形態)
第6の実施形態に係る外観検査システムは、図13に示されるように、画像処理装置100、画像検査装置700、カメラ710及びステージ720を含む。
カメラ710は、例えばCCD(Charge−Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子を用いたデジタルカメラである。カメラ710は、後述するステージ720の上方から、ステージ720の上面を電子撮影する。カメラ710は、撮像素子によって得られた画素情報をマトリックス状(格子状)に配列して映像化した画像データを生成し、後段の画像処理装置100に出力する。
ステージ720は、外観検査の対象となる被測定物OJ(例えば、液晶パネル、集積回路などの電子部品)を載置するためのテーブル状の平面を有するステージである。被測定物OJは、ステージ720においてカメラ710によって撮影される範囲に載置される。被測定物OJがステージ720上で静止した状態で、カメラ710による撮影が行われる。
画像処理装置100は、カメラ710によって得られた画像データに対して、第1、第2、第3、第4または第5の実施形態と同一または類似の画像処理を施す。例えば、画像処理装置100は、図1、図2または図3の画像処理装置と同一または類似の構成を備える。即ち、画像処理装置100は、カメラ710によって撮影された2枚分(或いは3枚以上)の画像データを注目フレーム10、参照フレーム20(または60など)などとしてそれぞれ取り込み、画像処理を行って出力画像50(または51,52)を得る。画像処理装置100は、出力画像50(または51,52)を画像検査装置700に供給する。
画像検査装置700は、画像処理装置100によってノイズ低減された画像を検査画像として入力する。画像検査装置700は、検査画像の画像解析を行う。画像検査装置700は、係る画像解析の結果、被測定物OJの異常(例えば、被測定物OJの欠陥、被測定物OJに付着した異物など)を検出する。
以上説明したように、第6の実施形態に係る外観検査システムは、第1、第2、第3、第4または第5の実施形態に係る画像処理装置と同一または類似の画像処理を行って検査画像を得る。従って、本実施形態に係る外観検査システムによれば、注目フレームの信号成分が維持され、かつ、ノイズ成分が低減された検査画像を利用できるので、高精度な検査が可能となる。
(第7の実施形態)
第7の実施形態に係るX線検査システムは、図14に示されるように、画像処理装置100、画像検査装置800、X線源810、カーボンステージ820及びX線イメージセンサ830を含む。
カーボンステージ820は、X線検査の対象となる被測定物OJを載置するためのテーブル状の平面を有するステージである。被測定物OJは、カーボンステージ820においてX線源810によってX線が照射される範囲に載置される。被測定物OJがカーボンステージ820上で静止した状態で、X線源810及びX線イメージセンサ830によるX線撮影が行われる。
X線源810は、カーボンステージ820に載置された被測定物OJに対してX線を照射する。X線イメージセンサ830は、X線源810によって照射されて被測定物OJを透過したX線を検出し、画像データを生成する。X線イメージセンサ830は、画像データを後段の画像処理装置100に出力する。
画像処理装置100は、X線イメージセンサ830によって得られた画像データに対して、第1、第2、第3、第4または第5の実施形態と同一または類似の画像処理を施す。例えば、画像処理装置100は図1、図2または図3の画像処理装置と同一または類似の構成を備える。即ち、画像処理装置100は、X線イメージセンサ830によって撮影された2枚(或いは、3枚以上)の画像データを注目フレーム10、参照フレーム20(または60)としてそれぞれ取り込み、画像処理を行って出力画像50(または51,52)を得る。画像処理装置100は、出力画像50(または51,52)を画像検査装置800に供給する。
画像検査装置800は、画像処理装置100によってノイズ低減された画像を検査画像として入力する。画像検査装置800は、検査画像の画像解析を行う。画像検査装置800は、係る画像解析の結果、被測定物OJの異常を検出する。
以上説明したように、第7の実施形態に係るX線検査システムは、第1、第2、第3、第4または第5の実施形態に係る画像処理装置と同一または類似の画像処理を行って検査画像を得る。従って、本実施形態に係るX線検査システムによれば、注目フレームの信号成分が維持され、かつ、ノイズ成分が低減された検査画像を利用できるので、高精度な検査が可能となる。
尚、本実施形態に係るX線検査システムを医療診断などのために適用し、人間(例えば医師)が検査画像の解析を行う場合も考えられる。係る場合には、画像検査装置800は不要である。人間が検査画像の解析を行う場合にも、信号成分が維持され、かつ、ノイズ成分が低減された検査画像を利用できるので、高精度な検査が可能となることは明らかである。
(第8の実施形態)
前述の第1、第2、第3、第4または第5の実施形態に係る画像処理装置は、X線CTシステム、監視カメラシステム、超音波検査システムなどの種々のシステムにおいて撮影画像に画像処理を施してもよい。尚、X線CTシステムに各実施形態に係る画像処理装置を適用する場合には、例えば図15に示されるように、撮影された複数の断面画像の各々をフレームとみなせばよい。また、フレームを識別するためのインデックスは、例えば各断面画像の撮影位置に基づいて定めればよい。
上記各実施形態の処理は、汎用のコンピュータを基本ハードウェアとして用いることで実現可能である。上記各実施形態の処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記憶媒体に記憶される。記憶媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD−ROM、CD−R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなどである。記憶媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記各実施形態の処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10・・・注目フレーム、11・・・注目高周波画像、12・・・注目低周波画像、20,60・・・参照フレーム、21,61・・・参照高周波画像、30,31・・・重み係数、40,41・・・合成高周波画像、50,51,52・・・出力画像、100・・・画像処理装置、101,102,203,301,302・・・サブバンド分解部、110,211,310・・・重み係数算出部、120,220,320・・・高周波画像合成部、130,230,330・・・加算部、700,800・・・画像検査装置、710・・・カメラ、720・・・ステージ、810・・・X線源、820・・・カーボンステージ、830・・・X線イメージセンサ

Claims (9)

  1. 注目フレームをレベル1の第1の低周波画像及びレベル1の第1の高周波画像に分解する第1の分解部と、
    第1の参照フレームを分解し、レベル1の第2の高周波画像を得る第2の分解部と、
    前記レベル1の第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベル1の第1の高周波画像及び前記レベル1の第2の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベル1の第1の重み係数を生成する第1の算出部と、
    前記レベル1の第1の高周波画像に対して少なくとも前記レベル1の第2の高周波画像を前記レベル1の第1の重み係数に基づいて合成することによって、レベル1の合成高周波画像を生成する合成部と、
    少なくとも前記レベル1の合成高周波画像を用いて出力画像を得る加算部と
    を具備し、
    前記第1の分解部は、前記レベル1の第1の低周波画像をレベル2の第1の低周波画像及びレベル2の第1の高周波画像に分解し、
    前記第2の分解部は、前記第1の参照フレームをレベル1の第2の低周波画像及び前記レベル1の第2の高周波画像に分解し、前記レベル1の第2の低周波画像を分解してレベル2の第2の高周波画像を得て、
    前記第1の算出部は、前記レベル2の第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベル2の第1の高周波画像及び前記レベル2の第2の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベル2の第1の重み係数を生成し、
    前記合成部は、前記レベル2の第1の高周波画像に対して少なくとも前記レベル2の第2の高周波画像を前記レベル2の第1の重み係数に基づいて合成することによって、レベル2の合成高周波画像を生成し、
    前記加算部は、少なくとも前記レベル1の合成高周波画像及び前記レベル2の合成高周波画像を用いて前記出力画像を得る
    画像処理装置。
  2. 第2の参照フレームをレベル1の第3の低周波画像及びレベル1の第3の高周波画像に分解し、前記レベル1の第3の低周波画像を分解してレベル2の第3の高周波画像を得る第3の分解部と、
    前記レベル1の第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベル1の第1の高周波画像及び前記レベル1の第3の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベル1の第2の重み係数を生成し、前記レベル2の第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベル2の第1の高周波画像及び前記レベル2の第3の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベル2の第2の重み係数を生成する第2の算出部と
    を更に具備し、
    前記合成部は、前記レベル1の第1の高周波画像に対して前記レベル1の第3の高周波画像を前記レベル1の第2の重み係数に基づいて更に合成することによって、前記レベル1の合成高周波画像を生成し、前記レベル2の第1の高周波画像に対して前記レベル2の第3の高周波画像を前記レベル2の第2の重み係数に基づいて更に合成することによって、前記レベル2の合成高周波画像を生成する、
    請求項1の画像処理装置。
  3. 注目フレームをレベル1の第1の低周波画像及びレベル1の第1の高周波画像に分解する第1の分解部と、
    第1の参照フレームを分解し、レベル1の第2の高周波画像を得る第2の分解部と、
    前記レベル1の第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベル1の第1の高周波画像及び前記レベル1の第2の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベル1の第1の重み係数を生成する第1の算出部と、
    前記レベル1の第1の高周波画像に対して少なくとも前記レベル1の第2の高周波画像を前記レベル1の第1の重み係数に基づいて合成することによって、レベル1の合成高周波画像を生成する合成部と、
    少なくとも前記レベル1の合成高周波画像を用いて出力画像を得る加算部と
    を具備し、
    前記第1の分解部は、レベルk−1(k=2,・・・,kmax−1であり、kmaxは3以上の整数である)の第1の低周波画像をレベルkの第1の低周波画像及びレベルkの第1の高周波画像に分解し、レベルkmax−1の第1の低周波画像をレベルkmaxの第1の低周波画像及びレベルkmaxの第1の高周波画像に分解し、
    前記第2の分解部は、前記第1の参照フレームをレベル1の第2の低周波画像及び前記レベル1の第2の高周波画像に分解し、レベルk−1の第2の低周波画像をレベルkの第2の低周波画像及びレベルkの第2の高周波画像に分解し、レベルkmax−1の第2の低周波画像を分解してレベルkmaxの第2の高周波画像を得て、
    前記第1の算出部は、前記レベルkの第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベルkの第1の高周波画像及び前記レベルkの第2の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベルkの第1の重み係数を生成し、前記レベルkmaxの第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベルkmaxの第1の高周波画像及び前記レベルkmaxの第2の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベルkmaxの第1の重み係数を生成し、
    前記合成部は、前記レベルkの第1の高周波画像に対して少なくとも前記レベルkの第2の高周波画像を前記レベルkの第1の重み係数に基づいて合成することによって、レベルkの合成高周波画像を生成し、前記レベルkmaxの第1の高周波画像に対して少なくとも前記レベルkmaxの第2の高周波画像を前記レベルkmaxの第1の重み係数に基づいて合成することによって、レベルkmaxの合成高周波画像を生成し、
    前記加算部は、前記レベル1の合成高周波画像、前記レベルkの合成高周波画像、前記レベルkmaxの合成高周波画像及び前記レベルkmaxの第1の低周波画像を加算することによって、前記出力画像を得る
    画像処理装置。
  4. 第2の参照フレームをレベル1の第3の低周波画像及びレベル1の第3の高周波画像に分解し、レベルk−1の第3の低周波画像をレベルkの第3の低周波画像及びレベルkの第3の高周波画像に分解し、レベルkmax−1の第3の低周波画像を分解してレベルkmaxの第3の高周波画像を得る第3の分解部と、
    前記レベル1の第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベル1の第1の高周波画像及び前記レベル1の第3の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベル1の第2の重み係数を生成し、前記レベルkの第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベルkの第1の高周波画像及び前記レベルkの第3の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベルkの第2の重み係数を生成し、前記レベルkmaxの第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベルkmaxの第1の高周波画像及び前記レベルkmaxの第3の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベルkmaxの第2の重み係数を生成する第2の算出部と
    更に具備し、
    前記合成部は、前記レベル1の第1の高周波画像に対して前記レベル1の第3の高周波画像を前記レベル1の第2の重み係数に基づいて更に合成することによって、前記レベル1の合成高周波画像を生成し、前記レベルkの第1の高周波画像に対して前記レベルkの第3の高周波画像を前記レベルkの第2の重み係数に基づいて更に合成することによって、前記レベルkの合成高周波画像を生成し、前記レベルkmaxの第1の高周波画像に対して前記レベルkmaxの第3の高周波画像を前記レベルkmaxの第2の重み係数に基づいて更に合成することによって、前記レベルkmaxの合成高周波画像を生成する、
    請求項3の画像処理装置。
  5. 前記出力画像が前記注目フレームに置き換わって繰り返し入力される、請求項1または請求項3の画像処理装置。
  6. 前記注目フレーム及び前記第1の参照フレームは、共通の被写体を撮影することによって生成される、請求項1または請求項3の画像処理装置。
  7. 前記注目フレーム及び前記第1の参照フレームは、共通の被写体をX線撮影することによって生成される、請求項1または請求項3の画像処理装置。
  8. 注目フレームをレベル1の第1の低周波画像及びレベル1の第1の高周波画像に分解することと、
    第1の参照フレームを分解し、レベル1の第2の高周波画像を得ることと、
    前記レベル1の第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベル1の第1の高周波画像及び前記レベル1の第2の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベル1の第1の重み係数を生成することと、
    前記レベル1の第1の高周波画像に対して少なくとも前記レベル1の第2の高周波画像を前記レベル1の第1の重み係数に基づいて合成することによって、レベル1の合成高周波画像を生成することと
    前記レベル1の第1の低周波画像をレベル2の第1の低周波画像及びレベル2の第1の高周波画像に分解することと、
    前記第1の参照フレームをレベル1の第2の低周波画像及び前記レベル1の第2の高周波画像に分解し、前記レベル1の第2の低周波画像を分解してレベル2の第2の高周波画像を得ることと、
    前記レベル2の第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベル2の第1の高周波画像及び前記レベル2の第2の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベル2の第1の重み係数を生成することと、
    前記レベル2の第1の高周波画像に対して少なくとも前記レベル2の第2の高周波画像を前記レベル2の第1の重み係数に基づいて合成することによって、レベル2の合成高周波画像を生成することと、
    少なくとも前記レベル1の合成高周波画像及び前記レベル2の合成高周波画像を用いて出力画像を得ることと
    を具備する、画像処理方法。
  9. 注目フレームをレベル1の第1の低周波画像及びレベル1の第1の高周波画像に分解することと、
    第1の参照フレームを分解し、レベル1の第2の高周波画像を得ることと、
    前記レベル1の第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベル1の第1の高周波画像及び前記レベル1の第2の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベル1の第1の重み係数を生成することと、
    前記レベル1の第1の高周波画像に対して少なくとも前記レベル1の第2の高周波画像を前記レベル1の第1の重み係数に基づいて合成することによって、レベル1の合成高周波画像を生成することと
    レベルk−1(k=2,・・・,kmax−1であり、kmaxは3以上の整数である)の第1の低周波画像をレベルkの第1の低周波画像及びレベルkの第1の高周波画像に分解し、レベルkmax−1の第1の低周波画像をレベルkmaxの第1の低周波画像及びレベルkmaxの第1の高周波画像に分解することと、
    前記第1の参照フレームをレベル1の第2の低周波画像及び前記レベル1の第2の高周波画像に分解し、レベルk−1の第2の低周波画像をレベルkの第2の低周波画像及びレベルkの第2の高周波画像に分解し、レベルkmax−1の第2の低周波画像を分解してレベルkmaxの第2の高周波画像を得ることと、
    前記レベルkの第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベルkの第1の高周波画像及び前記レベルkの第2の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベルkの第1の重み係数を生成し、前記レベルkmaxの第1の高周波画像内の各画素に対して、当該画素を中心として前記レベルkmaxの第1の高周波画像及び前記レベルkmaxの第2の高周波画像に亘って形成される時空間ブロック内の自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、レベルkmaxの第1の重み係数を生成することと、
    前記レベルkの第1の高周波画像に対して少なくとも前記レベルkの第2の高周波画像を前記レベルkの第1の重み係数に基づいて合成することによって、レベルkの合成高周波画像を生成し、前記レベルkmaxの第1の高周波画像に対して少なくとも前記レベルkmaxの第2の高周波画像を前記レベルkmaxの第1の重み係数に基づいて合成することによって、レベルkmaxの合成高周波画像を生成することと、
    前記レベル1の合成高周波画像、前記レベルkの合成高周波画像、前記レベルkmaxの合成高周波画像及び前記レベルkmaxの第1の低周波画像を加算することによって、出力画像を得ることと
    を具備する、画像処理方法。
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