JP2014107611A - 画像処理装置及び画像処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】信号成分の劣化を回避しつつノイズ成分を低減する。
【解決手段】実施形態によれば、画像処理装置は、評価部101及び低減部110を備える。評価部101は、第1のカラー画像をRGB分解することによって得られる第1の色成分画像である注目画像10と、参照画像11とを比較することによって、注目画像10の各画素におけるノイズ成分の寄与度を示す評価値21を得る。低減部110は、注目画像10の各画素の画素値に対して参照画像11の対応画素の画素値を評価値21に基づいて適応的に合成することによって、ノイズ低減後の注目画像30を生成する。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態によれば、画像処理装置は、評価部101及び低減部110を備える。評価部101は、第1のカラー画像をRGB分解することによって得られる第1の色成分画像である注目画像10と、参照画像11とを比較することによって、注目画像10の各画素におけるノイズ成分の寄与度を示す評価値21を得る。低減部110は、注目画像10の各画素の画素値に対して参照画像11の対応画素の画素値を評価値21に基づいて適応的に合成することによって、ノイズ低減後の注目画像30を生成する。
【選択図】図1
Description
実施形態は、画像のノイズ低減技術に関する。
電子部品などに対する検査を自動的に行う外観検査システムは、検査画像に含まれるノイズ成分を適切に低減することによって、高精度な検査が可能となる。他にも、例えば画像の撮影、符号化、復号化、再生などを行うにあたって、画像に含まれるノイズ成分を適切に低減することによって、様々な有利な効果(例えば、符号化効率の向上、再生画像品質の向上など)を得ることができる。
通常、画像に含まれるノイズ成分は、様々なノイズ低減技法によって低減される。しかしながら、係るノイズ低減技法によって、画像に含まれるノイズ成分だけでなく信号成分(特に、エッジなどの高周波成分)までも低減されたり、信号成分が不適切な値に変化したりすることがある。信号成分が低減されたり不適切な値に変化したりすると、ノイズ低減による有利な効果が損なわれるおそれがある。
例えば、ノイズ低減技法の1つとして平滑化フィルタが知られている。平滑化フィルタには、被写体の本来の信号成分(特に高周波成分)が劣化する(ぼやける)というデメリットがある。また、動画像におけるノイズ低減技法として、アベレージングが知られている。アベレージングとは、複数フレーム間で画素値を平均化することによってランダムノイズ成分を低減するものである。例えば、静止した被写体を撮影した動画像においてN枚のフレームを用いてアベレージングを行うと、ランダムノイズ成分を理想的には1/√N倍に低減できる。更に、各フレームにおいて被写体の本来の信号成分は共通に含まれているので、係る信号成分は基本的にはアベレージングによって劣化しない。しかしながら、被写体に動きがあると、フレーム間の画素の対応関係が崩れてしまう。故に、動きのある被写体を撮影した動画像に対してアベレージングを単純に適用することはできない。
実施形態は、信号成分の劣化を回避しつつノイズ成分を低減することを目的とする。
実施形態によれば、画像処理装置は、評価部及び低減部を備える。評価部は、第1のカラー画像をRGB分解することによって得られる第1の色成分画像である注目画像と、1枚以上の参照画像の各々とを比較することによって、1枚以上の参照画像毎に注目画像の各画素におけるノイズ成分の寄与度を示す評価値を得る。低減部は、注目画像の各画素の画素値に対して1枚以上の参照画像の各々の対応画素の画素値を評価値に基づいて適応的に合成することによって、ノイズ低減後の注目画像を生成する。
以下、図面を参照しながら実施形態の説明が述べられる。尚、以降、説明済みの要素と同一または類似の要素には同一または類似の符号が付され、重複する説明は基本的に省略される。
(第1の実施形態)
図1に例示されるように、第1の実施形態に係る画像処理装置は、ノイズ評価部101及びノイズ低減部110を備える。図1の画像処理装置は、注目画像10と1枚の参照画像11を入力し、ノイズ低減後の注目画像30を出力する。
図1に例示されるように、第1の実施形態に係る画像処理装置は、ノイズ評価部101及びノイズ低減部110を備える。図1の画像処理装置は、注目画像10と1枚の参照画像11を入力し、ノイズ低減後の注目画像30を出力する。
注目画像10は、典型的には、あるカラー画像(以下、便宜的に第1のカラー画像と称される)を色分解(例えば、RGB分解)することによって得られる複数の色成分画像のうちのいずれか1つである。参照画像11は、上記複数の色成分画像のうち注目画像10以外のいずれか1つであってもよい。
一般に、R成分画像、G成分画像及びB成分画像を夫々表す電気信号は、個別の電気系統を通じて伝送及び処理される。また、カラーカメラで多く用いられているカラーフィルターを通した後では、色によって重畳されるノイズの特性も変わってくる。これは、光源に含まれるノイズが波長に依存して異なる空間分布および時間分布を持っているために起こる。故に、R成分画像、G成分画像及びB成分画像に夫々重畳されるノイズ成分には独立の成分が多く含まれると推定できる。仮に、例えばG成分画像(注目画像10に相当)の注目画素の信号成分と、R成分画像(参照画像11に相当)の対応画素の信号成分とが十分に近いとする。ここで、信号成分とは、画素における被写体の信号成分に相当する。この場合に、これら注目画素及び対応画素の画素値(即ち、信号成分とノイズ成分との和)を平均化することによって、信号成分を殆ど劣化させることなくノイズ成分の標準偏差を1/√2倍にすることができる。2つの色の信号成分が等しいことは通常では多く発生しないが、第2の実施形態において説明されるサブバンド分解が行われることでその発生頻度は格段に高くなる。
或いは、参照画像11は、上記第1のカラー画像とは異なるカラー画像(以下、便宜的に第2のカラー画像と称される)を色分解することによって得られる複数の色成分画像のうちいずれか1つであってもよい。
具体的には、図2の例において、ある被写体を撮影した動画像の第n(nは任意の整数)フレームを上記第1のカラー画像とし、当該第nフレームをRGB分解することによって得られるR成分画像、G成分画像及びB成分画像のうちG成分画像を注目画像10とする。この場合に、参照画像11は、第nフレームのR成分画像またはB成分画像であってもよいし、第nフレームとは異なる第n−1フレーム、第n+1フレームなど(上記第2のカラー画像に相当する)をRGB分解することによって得られるR成分画像、G成分画像及びB成分画像のうちいずれか1つであってもよい。
尚、参照画像11が注目画像10に対してフレームにおいて異なる場合には、当該参照画像11に必要に応じて動き補償が施されてもよい。ここで、動き補償は、公知のものであってよく、例えば、ブロックマッチングを利用した動き検出を行い、動き検出によって得られた動きベクトルを用いて参照画像の画素を移動させるものである。
前述の通り、参照画像11は任意に選択されてよいが、いずれの種別の画像が参照画像11として好適であるかについて、以下の知見が経験的に得られている。好適度の高い参照画像11を用いることによって、注目画像10の各画素におけるノイズ成分を効果的に低減することが可能となる。
参照画像11の好適度は、当該参照画像11が注目画像10に対してフレームにおいて共通する場合に高くなる。即ち、第nフレームのG成分画像が注目画像10であるとすれば、同じ第nフレームのR成分画像またはB成分画像が参照画像11として好ましい。他方、前述のように、注目画像10に対してフレームにおいて異なる画像の中から参照画像11を選択することもある。このとき、参照画像11の好適度は、当該参照画像11が注目画像10に対して色成分において異なる場合に比べて色成分において共通する場合の方が高くなる。即ち、第nフレームのG成分画像が注目画像10であるならば、第n−1フレーム、第n+1フレームなどのR成分画像及びB成分画像に比べて第n−1フレーム、第n+1フレームなどのG成分画像の方が参照画像11として好ましい。
ノイズ評価部101は、注目画像10及び参照画像11を入力する。ノイズ評価部101は、注目画像10と参照画像11とを比較することによって、注目画像10の各画素におけるノイズ成分の寄与度を示す評価値21を得る。具体的には、ノイズ評価部101は、注目画像10の各画素におけるノイズ成分の寄与度を注目画像10及び参照画像11の画素値を用いて評価する。ノイズ評価部101は、各画素に対する評価値21をノイズ低減部110へと出力する。
具体的には、ノイズ評価部101は、注目画像10の注目画素の画素値と参照画像11の対応画素(例えば、注目画素と同一位置の画素)の画素値との間の差分絶対値に基づいて各画素におけるノイズ成分の寄与度を評価してもよい。例えば、ノイズ評価部101は、差分絶対値と閾値とを比較することによって、2値形式の評価値21を導出してもよい。或いは、ノイズ評価部101は、差分絶対値を正規化することによって、多値形式の評価値21を導出してもよい。
また、ノイズ評価部101は、注目画像10及び参照画像11に亘って形成される画像間ブロックの自己相関関数に基づいて各画素におけるノイズ成分の寄与度を評価してもよい。この画像間ブロックは、注目画像10の注目画素を中心とする複数の画素の集合であり、注目画像10及び参照画像11に亘って形成される。
3×3×2のサイズを持つボックス状の画像間ブロックが図11及び図12に例示されている。即ち、これら画像間ブロックは各画像において3×3のサイズを持ち、2枚の画像(即ち、第nフレームのG成分画像(注目画像10に相当)及びR成分画像(参照画像11に相当))に亘って形成される。ここで、画像間ブロックのサイズ及び形状は任意である。例えば、注目画素毎に画像間ブロックのサイズまたは形状が変更されてもよいし、注目画素毎にサイズまたは形状が相異なる複数の画像間ブロックに基づいて、後述される比の絶対値が算出されてもよい。
具体的には、図11は、注目画素におけるノイズ成分の寄与度が小さい場合の画像間ブロックを例示する。他方、図12は、注目画素におけるノイズ成分の寄与度が大きい場合の画像間ブロックを例示する。
更に、ノイズ評価部101は、自己相関関数の原点の値に対する代表値の比の絶対値を算出する。尚、比の絶対値の代わりに差の絶対値が算出されてもよい。ここで、代表値は、自己相関関数の原点の周囲のいずれかにおける値であり、例えば原点以外における最大の絶対値を持つ値である。但し、最大の絶対値を含む上位の複数(例えば3つ)の絶対値の平均値、中央値または最頻値、若しくは、最小の絶対値などが代表値であってもよい。
以降の説明において、注目画像10はIm(0)と表現されることがあり、注目画像10の座標(i,j)の画素値はIm(i,j,0)と表現されることがある。また、参照画像11はIm(m)と表現されることがあり、参照画像11の座標(i,j)の画素値はIm(i,j,m)と表現されることがある。ここで、mは参照画像11を識別するためのパラメータであって、0以外の値が設定される。座標(i,j)の注目画素における参照画像11(Im(m))に基づく比の絶対値は、ACFpkr(i,j,m)と表現されることがある。
ノイズ評価部101は、任意の注目画素を中心とする画像間ブロック内の自己相関関数を下記数式(1)に従って算出できる。図11の画像間ブロックの自己相関関数が図13に示される。図12の画像間ブロック内の自己相関関数が図15に示される。
尚、自己相関関数は注目画素毎に算出されるので、以降の説明において、参照画像11(Im(m))に基づく、座標(i,j)の注目画素に対応する自己相関関数をRijm(s,t,u)と表すものとする。自己相関関数の原点の値はRijm(0,0,0)で表され、これはRijm(s,t,u)の最大値を示す。原点の周囲の代表値は、Rijm(sr,tr,ur)で表すことができる。即ち、ノイズ評価部101は、座標(i,j)の注目画素における参照画像11(Im(m))に基づく比の絶対値を下記数式(2)に従って算出できる。
注目画素においてノイズ成分の寄与度が大きい場合には、自己相関関数の原点の値と周囲の値との乖離が大きくなりやすい。他方、注目画素においてノイズ成分の寄与度が小さい場合には、自己相関関数の原点の値と周囲の値との乖離が小さくなりやすい。即ち、注目画素においてノイズ成分の寄与度が大きいほど比の絶対値は小さくなりやすい。他方、注目画素において信号成分(即ち、被写体の本来の信号成分)の寄与度が大きいほど比の絶対値は大きくなりやすい。
例えば、図13の自己相関関数の原点の値は36.4であり、図15の自己相関関数の原点の値は36.4である。また、図13の自己相関関数の代表値は−14.8であり、図15の自己相関関数の代表値は−6.4である。即ち、図13の自己相関関数に基づいて算出される比の絶対値は0.41となり、図15の自己相関関数に基づいて算出される比の絶対値は0.18となる。
少なくとも図13及び図15の例によれば、注目画素おけるノイズ成分の寄与度に応じて、比の絶対値が増減する。従って、係る比の絶対値を用いて注目画素におけるノイズ成分の寄与度を評価することが可能である。具体的には、ノイズ評価部101は、上記比の絶対値を用いて多値形式の評価値21を導出してもよいし、上記比の絶対値と閾値とを比較することによって2値形式の評価値21を導出してもよい。
尚、注目画像10のみを考慮して比の絶対値を算出する技法も想定される。この比較例は、参照画像を全く利用せず、注目画素を中心とするブロック内の自己相関関数に基づいて比の絶対値を算出する。比較例において、自己相関関数は上記数式(1)に代えて下記数式(3)に従って算出される。ブロックは、注目画像10内で閉じて形成される。図11の第nフレームのG成分画像で閉じて形成されるブロック内の自己相関関数が図14に示される。図12の第nフレームのG成分画像で閉じて形成されるブロック内の自己相関関数が図16に示される。
尚、ブロック内の自己相関関数もまた注目画素毎に算出されるので、以降の説明において座標(i,j)の注目画素に対応するブロック内の自己相関関数をRij(s,t)と表すものとする。自己相関関数の原点の値はRij(0,0)で表され、これはRij(s,t)の最大値を示す。原点の周囲において最大の絶対値を持つ代表値は、Rij(sr,tr)で表すことができる。即ち、比較例では、座標(i,j)の注目画素における比の絶対値は、上記数式(2)に代えて下記数式(4)に従って算出される。
ここで、図14の自己相関関数の原点の値は18.2であり、図16の自己相関関数の原点の値もまた18.2である。また、図14の自己相関関数の代表値は−6.0であり、図16の自己相関関数の代表値もまた−6.0である。即ち、図14の自己相関関数に基づいて算出される比の絶対値は0.33となり、図16の自己相関関数に基づいて算出される比の絶対値もまた0.33となる。
少なくとも図14及び図16の例によれば、注目画素におけるノイズ成分の寄与度に関わらず、比の絶対値は同程度である。即ち、係る比の絶対値は、注目画素におけるノイズ成分の寄与度を反映しにくく、後述されるノイズ低減に用いられた場合に望ましくない効果(例えば、ノイズ成分の増加または信号成分の劣化)が生じるおそれがある。故に、好ましくは、ノイズ評価部101は、参照画像11の画素値を考慮してノイズ評価を行う。
或いは、ノイズ評価部101は、注目画像10と参照画像11との間の差分画像に閉じて形成されるブロック内の自己相関関数に基づいて各画素におけるノイズ成分の寄与度を評価してもよい。この技法は、参照画像11が注目画像10に対してフレームにおいて共通する場合に好適である。
ブロックは、差分画像内の注目画素を中心とする複数の画素の集合である。3×3のサイズを持つブロックが図20に例示されている。具体的には、このブロックは、2枚の画像(即ち、第nフレームのG成分画像(注目画像10に相当)及びR成分画像(参照画像11に相当))の差分画像に閉じて形成される。
尚、ブロックのサイズ及び形状は任意である。例えば、注目画素毎にブロックのサイズまたは形状が変更されてもよいし、注目画素毎にサイズまたは形状が相異なる複数のブロックに基づいて、後述される比の絶対値が算出されてもよい。
差分画像内のブロックの自己相関関数は、例えば上記数式(3)を適宜変形して利用することで導出可能である。尚、数式(1)及び数式(3)の比較から明らかなように、差分画像内のブロックの自己相関関数を導出するための計算量は、画像間ブロックの自己相関関数を導出するための計算量に比べて抑えられる。
図20の差分画像内のブロックによれば、図21に例示される自己相関関数を導出することができる。ノイズ評価部101は、画像間ブロックの例と同様に比の絶対値を算出し、これを用いて2値形式または多値形式の評価値21を得る。例えば、図21の自己相関関数の原点の値は76.0であり、自己相関関数の代表値は−26.7である。即ち、図21の自己相関関数に基づいて算出される比の絶対値は0.35となる。
ノイズ低減部110は、注目画像10及び参照画像11を入力し、ノイズ評価部101から評価値21を入力する。ノイズ低減部110は、注目画像10の各画素に対して評価値21に応じたノイズ低減を施すことによって、ノイズ低減後の注目画像30を生成する。具体的には、ノイズ低減部110は、評価値21に基づいて、注目画像10の各画素の画素値に対して参照画像11の対応画素の画素値を適応的に合成する。ノイズ低減部110は、ノイズ低減後の注目画像30を出力する。
例えば、評価値21が2値形式である場合には、ノイズ低減部110は以下のように動作すればよい。注目画素に対する評価値21が注目画素においてノイズ成分の寄与度が大きいことを示す値ならば、ノイズ低減部110は注目画素の画素値と、参照画像11の対応画素の画素値とを平均化することによって、ノイズ低減後の注目画像30における対応画素の画素値を生成する。注目画素に対する評価値21が注目画像においてノイズ成分の寄与度が小さいことを示す値ならば、ノイズ低減部110は、注目画素の画素値をそのままノイズ低減後の注目画像30における対応画素の画素値として使用する。
他方、評価値21が多値形式である場合には、ノイズ低減部110は以下のように動作すればよい。ノイズ低減部110は注目画素の画素値と、参照画像11の対応画素の画素値とを重み付き平均化することによって、ノイズ低減後の注目画像30における対応画像の画素値を生成する。但し、参照画像11の対応画素の画素値に与えられる重みは、評価値21によって示される注目画素におけるノイズ成分の寄与度が大きいほど大きくなるものとする。
例えば、ノイズ低減部110は、下記数式(5)に示される演算を行ってもよい。数式(5)の演算によれば、前述の比の絶対値が小さいほど参照画像11の対応画素の画素値には大きな重みが与えられ、注目画素の画素値と重み付き平均化される。以降の説明において、ノイズ低減後の注目画像30はNRIと表現され、ノイズ低減後の注目画像30の座標(i,j)の画素値はNRI(i,j)と表現されることがある。
尚、前述のノイズ評価及びノイズ低減は、利用される参照画像の枚数が増加する場合にも以降の説明を参考に適宜変形して適用することが可能である。一般に、利用される参照画像の枚数が多いほど、ノイズ低減を通じてランダムノイズ成分の標準偏差が小さくなるので、ノイズ低減の効果は向上する。
例えば、図3に示される画像処理装置は、2枚の参照画像11,12を利用する。図3の画像処理装置は、ノイズ評価部101,102及びノイズ低減部111を備える。
ノイズ評価部102は、注目画像10及び参照画像12を入力する。ノイズ評価部102は、注目画像10と参照画像12とを比較することによって、注目画像10の各画素におけるノイズ成分の寄与度を示す評価値22を得る。具体的には、ノイズ評価部102は、注目画像10の各画素におけるノイズ成分の寄与度を注目画像10及び参照画像12の画素値を用いて評価する。尚、ノイズ評価部102は、ノイズ評価部101と同一または類似の処理を行えばよい。ノイズ評価部102は、各画素に対する評価値22をノイズ低減部111へと出力する。
ノイズ低減部111は、注目画像10ならびに参照画像11,12を入力し、ノイズ評価部101から評価値21を入力し、ノイズ評価部102から評価値22を入力する。ノイズ低減部111は、注目画像10の各画素に対して評価値21及び評価値22に応じたノイズ低減を施すことによって、ノイズ低減後の注目画像31を生成する。具体的には、ノイズ低減部111は、注目画像10の各画素の画素値に対して参照画像11及び参照画像12の各々の対応画素の画素値を評価値21及び評価値22に基づいて適応的に合成する。ノイズ低減部111は、ノイズ低減後の注目画像31を出力する。
例えば、評価値21及び評価値22が2値形式である場合には、ノイズ低減部111は以下のように動作すればよい。注目画素に対する評価値21及び評価値22が注目画素においてノイズ成分の寄与度が大きいことを示す値ならば、ノイズ低減部111は注目画素の画素値と、参照画像11の対応画素の画素値と、参照画像12の対応画素の画素値とを平均化することによって、ノイズ低減後の注目画像31における対応画像の画素値を生成する。注目画素に対する評価値21及び評価値22が注目画像においてノイズ成分の寄与度が小さいことを示す値ならば、ノイズ低減部111は注目画素の画素値をそのままノイズ低減後の注目画像31における対応画像の画素値として使用する。注目画素に対する評価値21のみが注目画素においてノイズ成分の寄与度が大きいことを示す値ならば、ノイズ低減部111は注目画素の画素値と、参照画像11の対応画素の画素値とを平均化することによって、ノイズ低減後の注目画像31における対応画像の画素値を生成する。注目画素に対する評価値22のみが注目画素においてノイズ成分の寄与度が大きいことを示す値ならば、ノイズ低減部111は注目画素の画素値と、参照画像12の対応画素の画素値とを平均化することによって、ノイズ低減後の注目画像31における対応画像の画素値を生成する。
他方、評価値21及び評価値22が多値形式であるならば、ノイズ低減部111は、注目画素の画素値と、参照画像11の対応画素の画素値と、参照画像12の対応画素の画素値とを重み付き平均化することによって、ノイズ低減後の注目画像31における対応画像の画素値を生成すればよい。但し、参照画像11の対応画素の画素値に与えられる重みは、評価値21によって示される注目画素におけるノイズ成分の寄与度が大きいほど大きくなるものとする。同様に、参照画像12の対応画素の画素値に与えられる重みは、評価値22によって示される注目画素におけるノイズ成分の寄与度が大きいほど大きくなるものとする。
参照画像の枚数を一般化すれば、本実施形態に係る画像処理装置によって行われる画像処理は図4に例示されるものとなる。図4の画像処理はステップS201から開始する。
ステップS201において、図1の、図3の、または、図示されない画像処理装置は、注目画像(例えば、注目画像10)の各画素におけるノイズ成分の寄与度を1枚以上の参照画像(例えば、参照画像11,12)毎に評価する。
次に、画像処理装置は、注目画像の各画素の画素値に対して、ステップS201のノイズ評価を通じて得られた評価値に基づいて1枚以上の参照画像の対応画素の画素値を適応的に合成する(ステップS202)。ステップS202の完了によって図4の画像処理は終了する。
本実施形態に係る画像処理装置は、図5乃至図9に例示されるように動作してもよい。但し、図5乃至図9は本実施形態に係る画像処理装置の動作を限定するものではない。
図5の動作例では、カラー画像である第nフレームがRGB分解される。そして、RGB分解によって得られたR成分画像、G成分画像及びB成分画像の各々に対して前述のノイズ評価及びノイズ低減が行われる。具体的には、R成分画像を注目画像とし、G成分画像及びB成分画像を参照画像としてノイズ評価及びノイズ低減が行われる。また、G成分画像を注目画像とし、R成分画像及びB成分画像を参照画像としてノイズ評価及びノイズ低減が行われる。更に、B成分画像を注目画像とし、R成分画像及びG成分画像を参照画像としてノイズ評価及びノイズ低減が行われる。ノイズ低減後のR成分画像、G成分画像及びB成分画像は再びRGB合成され、ノイズ低減後の第nフレームとなる。図5の動作例によれば、注目画像とフレームにおいて共通する参照画像が利用されるので、ノイズ成分を効果的に低減することができる。また、図5の動作例は、複数枚のカラー画像を必要としないので、静止画像のノイズ低減に好適である。
図5の動作例では、カラー画像である第nフレームがRGB分解される。そして、RGB分解によって得られたR成分画像、G成分画像及びB成分画像の各々に対して前述のノイズ評価及びノイズ低減が行われる。具体的には、R成分画像を注目画像とし、G成分画像及びB成分画像を参照画像としてノイズ評価及びノイズ低減が行われる。また、G成分画像を注目画像とし、R成分画像及びB成分画像を参照画像としてノイズ評価及びノイズ低減が行われる。更に、B成分画像を注目画像とし、R成分画像及びG成分画像を参照画像としてノイズ評価及びノイズ低減が行われる。ノイズ低減後のR成分画像、G成分画像及びB成分画像は再びRGB合成され、ノイズ低減後の第nフレームとなる。図5の動作例によれば、注目画像とフレームにおいて共通する参照画像が利用されるので、ノイズ成分を効果的に低減することができる。また、図5の動作例は、複数枚のカラー画像を必要としないので、静止画像のノイズ低減に好適である。
図6の動作例では、カラー画像である第n−1フレーム、第nフレーム及び第n+1フレームが夫々RGB分解される。そして、第nフレームのRGB分解によって得られたR成分画像、G成分画像及びB成分画像の各々に対して前述のノイズ評価及びノイズ低減が行われる。具体的には、第nフレームのR成分画像を注目画像とし、第n−1フレーム及び第n+1フレームのR成分画像を参照画像としてノイズ評価及びノイズ低減が行われる。また、第nフレームのG成分画像を注目画像とし、第n−1フレーム及び第n+1フレームのG成分画像を参照画像としてノイズ評価及びノイズ低減が行われる。更に、第nフレームのB成分画像を注目画像とし、第n−1フレーム及び第n+1フレームのB成分画像を参照画像としてノイズ評価及びノイズ低減が行われる。ノイズ低減後の第nフレームのR成分画像、G成分画像及びB成分画像は再びRGB合成され、ノイズ低減後の第nフレームとなる。図6の動作例によれば、注目画像と色成分において共通する参照画像が利用されるので、ノイズ成分を効果的に低減することができる。
図7の動作例によれば、2段階でノイズ評価及びノイズ低減が行われる。第1段階のノイズ評価及びノイズ低減は図5と同様である。具体的には、カラー画像である第n−1フレーム、第nフレーム及び第n+1フレームの夫々に対して第1段階のノイズ評価及びノイズ低減が行われる。更に、図7の動作例によれば、第1段階のノイズ低減後の第nフレームを注目画像とし、第1段階のノイズ低減後の第n−1フレーム及び第n+1フレームを参照画像として第2段階のノイズ評価及びノイズ低減が施される。図7の動作例によれば、2段階に亘ってノイズ評価及びノイズ低減が行われるので、ノイズ成分を効果的に低減することができる。
図8の動作例によれば、2段階でノイズ評価及びノイズ低減が行われる。第1段階のノイズ評価及びノイズ低減は、図6と同様である。具体的には、カラー画像である第nフレームをRGB分解することによって得られるR成分画像、G成分画像及びB成分画像の夫々に対して第1段階のノイズ評価及びノイズ低減が行われる。更に図8の動作例によれば、第1段階のノイズ低減後の第nフレームのR成分画像、G成分画像及びB成分画像の夫々に対して第2段階のノイズ評価及びノイズ低減が行われる。
具体的には、第1段階のノイズ低減後の第nフレームのR成分画像を注目画像とし、第1段階のノイズ低減後の第nフレームのG成分画像及びB成分画像を参照画像として第2段階のノイズ評価及びノイズ低減が行われる。また、第1段階のノイズ低減後の第nフレームのG成分画像を注目画像とし、第1段階のノイズ低減後の第nフレームのR成分画像及びB成分画像を参照画像として第2段階のノイズ評価及びノイズ低減が行われる。更に、第1段階のノイズ低減後の第nフレームのB成分画像を注目画像とし、第1段階のノイズ低減後の第nフレームのR成分画像及びG成分画像を参照画像として第2段階のノイズ評価及びノイズ低減が行われる。第2段階のノイズ低減後の第nフレームのR成分画像、G成分画像及びB成分画像は再びRGB合成され、第2段階のノイズ低減後の第nフレームとなる。図8の動作例によれば、2段階に亘ってノイズ評価及びノイズ低減が施されるので、ノイズ成分を効果的に低減することができる。
図9の動作例では、カラー画像である第n−1フレーム、第nフレーム及び第n+1フレームが夫々RGB分解される。そして、第nフレームのRGB分解によって得られたR成分画像、G成分画像及びB成分画像の各々に対して前述のノイズ評価及びノイズ低減が行われる。具体的には、第nフレームのR成分画像を注目画像とし、残りの8枚の色成分画像(即ち、第n−1フレーム及び第n+1フレームの各色成分画像と、第nフレームのG成分画像及びB成分画像)を参照画像としてノイズ評価及びノイズ低減が行われる。また、第nフレームのG成分画像を注目画像とし、残りの8枚の色成分画像(即ち、第n−1フレーム及び第n+1フレームの各色成分画像と、第nフレームのR成分画像及びB成分画像)を参照画像としてノイズ評価及びノイズ低減が行われる。更に、第nフレームのB成分画像を注目画像とし残りの8枚の色成分画像(即ち、第n−1フレーム及び第n+1フレームの各色成分画像と、第nフレームのR成分画像及びG成分画像)を参照画像としてノイズ評価及びノイズ低減が行われる。ノイズ低減後の第nフレームのR成分画像、G成分画像及びB成分画像は再びRGB合成され、ノイズ低減後の第nフレームとなる。図9の動作例によれば、多数の参照画像が利用されるので、ノイズ成分を効果的に低減することができる。
以上説明したように、第1の実施形態に係る画像処理装置は、基本的に、カラー画像をRGB分解することによって得られるいずれかの色成分画像を注目画像として扱い、当該注目画像と1枚以上の参照画像との比較によって当該注目画像の各画素におけるノイズ成分の寄与度を評価する。そして、この画像処理装置は、上記寄与度の評価値に基づいて、注目画素の画素値に対して1枚以上の参照画像の対応画素の画素値を適応的に合成することによって、ノイズ低減後の注目画像を生成する。従って、この画像処理装置によれば、注目画像の信号成分を維持しつつノイズ成分を低減することができる。
(第2の実施形態)
第2の実施形態に係る画像処理装置は、図17に例示されるように、サブバンド分解部301,302と、ノイズ評価部310と、ノイズ低減部320と、加算部330とを備える。本実施形態に係る画像処理装置は、注目画像10及び参照画像11を2以上のサブバンド成分に分解して画像処理を行う。尚、本実施形態に係るノイズ評価及びノイズ低減もまた、利用される参照画像の枚数が増加する場合に適宜変形して適用することが可能である。
第2の実施形態に係る画像処理装置は、図17に例示されるように、サブバンド分解部301,302と、ノイズ評価部310と、ノイズ低減部320と、加算部330とを備える。本実施形態に係る画像処理装置は、注目画像10及び参照画像11を2以上のサブバンド成分に分解して画像処理を行う。尚、本実施形態に係るノイズ評価及びノイズ低減もまた、利用される参照画像の枚数が増加する場合に適宜変形して適用することが可能である。
サブバンド分解部301は、注目画像10を入力する。サブバンド分解部301は、典型的には、例えばウェーブレット変換を用いて注目画像10を2つのサブバンド成分に分解する。具体的には、サブバンド分解部301は、注目画像10をレベル1の注目高周波画像13−1及びレベル1の注目低周波画像14−1に分解する。ここで、レベルとはサブバンド分解のレベルを意味するものとする。サブバンド分解部301は、注目高周波画像13−1をノイズ評価部310及びノイズ低減部320へと出力する。
或いは、サブバンド分解部301は、フィルタリング処理によって注目画像10からレベル1の注目低周波画像14−1を抽出してもよい。例えば、サブバンド分解部301は、注目画像10内の隣接4画素毎に画素値を平均化することによって、レベル1の注目低周波画像14−1を抽出してもよい。更に、サブバンド分解部301は、当該レベル1の注目低周波画像14−1を注目画像10から減算することによって、レベル1の注目高周波画像13−1を抽出してもよい。
ここで、サブバンド分解が1度だけ実行されるならば、サブバンド分解部301は、注目低周波画像14−1を加算部330へと出力する。他方、サブバンド分解が2回以上に亘って実行されるならば、サブバンド分解部301は、第2回目のサブバンド分解のために、注目低周波画像14−1を自己にフィードバック出力する。
一般化すれば、サブバンド分解部301は、第2,・・・,kmax回目のサブバンド分解のために、レベル1,・・・,kmax−1の注目低周波画像14−1,・・・,14−(kmax−1)をフィードバック入力する。ここで、kmaxは、任意の整数であってサブバンド分解の最大実行回数を表す。サブバンド分解部301は、注目低周波画像14−1,・・・,14−(kmax−1)の各々を2つのサブバンド成分に分解する。具体的には、サブバンド分解部301は、注目低周波画像14−1,・・・,14−(kmax−1)の各々をレベル2,・・・,kmaxの注目高周波画像13−2,・・・,13−kmax及び注目低周波画像14−2,・・・,14−kmaxに分解する。サブバンド分解部301は、注目高周波画像13−2,・・・,13−kmaxをノイズ評価部310及びノイズ低減部320へと出力する。また、サブバンド分解部301は、第3,・・・,kmax回目のサブバンド分解のために、注目低周波画像14−2,・・・,14−(kmax−1)を自己にフィードバック出力する。サブバンド分解部301は、注目低周波画像14−kmaxを加算部330へと出力する。
以降の説明において、レベルkの注目低周波画像14−kはLF(0,k)と表現されることがある。尚、注目画像10は、レベル0の注目低周波画像とみなすことができる。即ち、注目画像10はLF(0,0)と表現できる。ここで、kは0以上kmax以下の値を取り得る変数である。また、レベルkの注目高周波画像13−kはHF(0,k)と表現されることがある。
サブバンド分解部302は、参照画像11を外部から入力する。サブバンド分解部302は、例えばウェーブレット変換を用いて参照画像11を2つのサブバンド成分に分解する。具体的には、サブバンド分解部302は、参照画像11をレベル1の参照高周波画像15−1及びレベル1の参照低周波画像16−1に分解する。サブバンド分解部302は、参照高周波画像15−1をノイズ評価部310及びノイズ低減部320へと出力する。
ここで、サブバンド分解が1度だけ実行されるならば、レベル1の参照低周波画像16−1は本実施形態において不要であるので、サブバンド分解部302は必ずしも参照低周波画像11からレベル1の参照低周波画像16−1を抽出しない。他方、サブバンド分解が2回以上に亘って実行されるならば、サブバンド分解部302は、第2回目のサブバンド分解のために、参照低周波画像16−1を自己にフィードバック出力する。
一般化すれば、サブバンド分解部302は、第2,・・・,kmax−1回目のサブバンド分解のために、レベル1,・・・,kmax−2の参照低周波画像16−1,・・・,16−(kmax−2)をフィードバック入力する。サブバンド分解部302は、参照低周波画像16−1,・・・,16−(kmax−2)の各々を2つのサブバンド成分に分解する。具体的には、サブバンド分解部302は、参照低周波画像16−1,・・・,16−(kmax−2)の各々をレベル2,・・・,kmax−1の参照高周波画像15−2,・・・,15−(kmax−1)及び参照低周波画像16−2,・・・,16−(kmax−1)に分解する。サブバンド分解部302は、参照高周波画像15−2,・・・,15−(kmax−1)をノイズ評価部310及びノイズ低減部320へと出力する。また、サブバンド分解部302は、第3,・・・,kmax回目のサブバンド分解のために、参照低周波画像16−2,・・・,16−(kmax−1)を自己にフィードバック出力する。
更に、サブバンド分解部302は、第kmax回目のサブバンド分解のために、レベルkmax−1の参照低周波画像16−(kmax−1)をフィードバック入力する。サブバンド分解部302は、参照低周波画像16−(kmax−1)を分解し、レベルkmaxの参照高周波画像15−kmaxを得る。但し、レベルkmaxの参照低周波画像は本実施形態において不要であるので、サブバンド分解部302は必ずしも参照低周波画像16−(kmax−1)からレベルkmaxの参照低周波画像を抽出しない。サブバンド分解部302は、参照高周波画像15−kmaxをノイズ評価部310及びノイズ低減部320へと出力する。
以降の説明において、レベルkの参照高周波画像15−kはHF(m,k)と表現されることがある。また、レベルkの参照低周波画像16−kはLF(m,k)と表現されることがある。尚、参照画像11は、レベル0の参照低周波画像とみなすことができる。即ち、参照画像11はLF(m,0)と表現できる。
ノイズ評価部310は、レベル1,・・・,kmaxの注目高周波画像13−1,・・・,13−kmaxをサブバンド分解部301から入力し、レベル1,・・・,kmaxの参照高周波画像15−1,・・・,15−kmaxをサブバンド分解部302から入力する。ノイズ評価部310は、レベルk(k=1,・・・,kmax)の注目高周波画像13−kの各画素に対して、ノイズ評価部101と同一または類似のノイズ評価を行うことによって、レベルkの評価値23−kを得る。即ち、ノイズ評価部310は、注目高周波画像13−kの各画素におけるノイズ成分の寄与度を注目高周波画像13−k及び参照高周波画像15−kの画素値を用いて評価する。ノイズ評価部310は、各画素に対するレベル1,・・・,kmaxの評価値23−1,・・・,23−kmaxをノイズ低減部320へと出力する。
ノイズ低減部320は、サブバンド分解部301からレベル1,・・・,kmaxの注目高周波画像13−1,・・・,11−kmaxを入力し、サブバンド分解部302からレベル1,・・・,kmaxの参照高周波画像15−1,・・・,15−kmaxを入力し、ノイズ評価部310からレベル1,・・・,kmaxの評価値23−1,・・・,23−kmaxを入力する。
ノイズ低減部320は、レベルkの評価値23−kを用いて注目高周波画像13−kに対してノイズ低減部110と同一または類似のノイズ低減を行うことによって、ノイズ低減後のレベルkの注目高周波画像40−kを生成する。具体的には、ノイズ低減部320は、レベルkの注目高周波画像13−kの各画素値に対して、レベルkの評価値23−kに基づいてレベルkの参照高周波画像15−kの対応画素の画素値を適応的に合成することによって、ノイズ低減後のレベルkの注目高周波画像40−kを生成する。ノイズ低減部320は、ノイズ低減後のレベル1,・・・,kmaxの注目高周波画像40−1,・・・,40−kmaxを加算部330へと出力する。以降の説明において、ノイズ低減後のレベルkの注目高周波画像40−kはNRHF(k)と表現されることがある。
加算部330は、レベルkmaxの注目低周波画像14−kmaxをサブバンド分解部301から入力し、ノイズ低減後のレベル1,・・・,kmaxの注目高周波画像40−1,・・・,40−kmaxをノイズ低減部320から入力する。加算部330は、注目低周波画像14−kmaxと、ノイズ低減後のレベル1,・・・,kmaxの注目高周波画像40−1,・・・,40−kmaxとを加算することによって、ノイズ低減後の注目画像32を生成する。加算部330は、ノイズ低減後の注目画像32を外部へと供給する。
図10には、図17の画像処理装置によって行われる画像処理の一例が描かれている。図6の例において、kmax=2であり、m=−1である。また、レベルkの評価値23−kは、上記数式(2)に基づいて算出されており、ACFpkr(k)で表現されている。
以下、図18を用いて図17の画像処理装置によって行われる画像処理が説明される。尚、図18に示される処理ステップの順序は一例であり、各処理ステップは依存関係がない限り任意の順序で実行されてよい。
図18の画像処理はステップS401から開始する。ステップS401において、変数kに0が代入され、処理はステップS402へと進む。ステップS402において、サブバンド分解部301及びサブバンド分解部302は、レベルkの注目低周波画像14−k及びレベルkの参照低周波画像16−kをそれぞれ取り込む。サブバンド分解部301及びサブバンド分解部302は、ステップS402において得られた注目低周波画像14−k及び参照低周波画像16−kをそれぞれサブバンド分解する(ステップS403)。
図18の例では、ノイズ評価部310は、ステップS403において得られたレベルk+1の注目高周波画像13−(k+1)の各画素に対して、当該画素を中心とする画像間ブロック内の自己相関関数を算出する(ステップS404)。ここで、画像間ブロックは注目高周波画像13−(k+1)及びステップS403において得られたレベルk+1の参照高周波画像15−(k+1)に亘って形成される。
そして、図18の例では、ノイズ評価部310は、ステップS404において算出された自己相関関数の原点の値に対する周囲の代表値の比の絶対値を算出することによって、レベルk+1の評価値23−(k+1)を得る(ステップS405)。尚、前述の通り、周囲の代表値とは、例えば、原点以外で最大の絶対値を持つ値である。
但し、ステップS404及びステップS405の代わりに、ノイズ評価部310は、第1の実施形態において説明されたように、差分画像に閉じたブロックの自己相関関数、注目画素と対応画素との差分絶対値を用いてノイズ評価を行ってもよい。
ノイズ低減部320は、ステップS405において得られたレベルk+1の評価値23−(k+1)に基づいて(例えば、上記数式(5)に基づいて)、レベルk+1の注目高周波画像13−(k+1)及びレベルk+1の参照高周波画像15−(k+1)の各画素値を重み付き平均化することにより、ノイズ低減後のレベルk+1の注目高周波画像40−(k+1)を得る(ステップS406)。
但し、ステップS406の代わりに、ノイズ低減部320は、2値形式の評価値23−(k+1)を用いて、レベルk+1の注目高周波画像13−(k+1)及びレベルk+1の参照高周波画像15−(k+1)の各画素値の平均化の実行/省略を切り替えてもよい。
ステップS406の終了時にk+1がkmax未満であれば処理はステップS408へと進み、そうでなければ処理はステップS409へと進む。ステップS408において、kは1だけインクリメントされ、処理はステップS402へと戻る。
ステップS409において、加算部330は、ステップS403において得られたレベルkmaxの注目低周波画像14−kmaxと、ステップS406において得られたノイズ低減後のレベル1,・・・,kmaxの注目高周波画像40−1,・・・,40−kmaxとを加算することによって、ノイズ低減後の注目画像32を得る。ステップS409の完了によって、図18の画像処理は終了する。
以上説明したように、第2の実施形態に係る画像処理装置は、注目画像及び1枚以上の参照画像を複数のサブバンド成分に分解することを許容し、レベルkの注目高周波画像の各画素におけるノイズ成分の寄与度を評価する。そして、この画像処理装置は、上記寄与度の評価値に基づいて、レベルkの注目高周波画像の注目画素の画素値に対して1枚以上のレベルkの参照高周波画像の対応画素の画素値を適応的に合成することによって、ノイズ低減後のレベルkの注目高周波画像を生成する。従って、この画像処理装置によれば、ノイズ成分の周波数特性にマッチした画像処理を行うことができるので、ノイズ成分を更に低減することができる。
(第3の実施形態)
第3の実施形態に係る外観検査システムは、図19に例示されるように、画像処理装置100、画像検査装置500、カメラ510及びステージ520を含む。
カメラ510は、例えばCCD(Charge−Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子を用いたデジタルカメラである。カメラ510は、後述するステージ520の上方から、ステージ520の上面を電子撮影する。カメラ510は、撮像素子によって得られた画素情報をマトリックス状(格子状)に配列して映像化したカラー画像を生成し、後段の画像処理装置100に出力する。
第3の実施形態に係る外観検査システムは、図19に例示されるように、画像処理装置100、画像検査装置500、カメラ510及びステージ520を含む。
カメラ510は、例えばCCD(Charge−Coupled Device)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)などの固体撮像素子を用いたデジタルカメラである。カメラ510は、後述するステージ520の上方から、ステージ520の上面を電子撮影する。カメラ510は、撮像素子によって得られた画素情報をマトリックス状(格子状)に配列して映像化したカラー画像を生成し、後段の画像処理装置100に出力する。
ステージ520は、外観検査の対象となる被測定物OJ(例えば、液晶パネル、集積回路などの電子部品)を載置するためのテーブル状の平面を有するステージである。被測定物OJは、ステージ520においてカメラ510によって撮影される範囲に載置される。被測定物OJがステージ520上で静止した状態で、カメラ510による撮影が行われる。
画像処理装置100は、カメラ510によって得られたカラー画像に対して、第1または第2の実施形態と同一または類似の画像処理を施す。例えば、画像処理装置100は、図1、図3または図17の画像処理装置と同一または類似の構成を備える。即ち、画像処理装置100は、上記カラー画像をRGB分解することによって得られる色成分画像を注目画像10、参照画像11(または12など)などとしてそれぞれ取り込み、画像処理を行ってノイズ低減後の注目画像30(または31,32)を得る。そして、画像処理装置100は、ノイズ低減後の注目画像30(または31,32)に対してRGB合成を行うことによって得られるカラー画像を画像検査装置500に供給する。
画像検査装置500は、画像処理装置100によってノイズ低減された画像を検査画像として入力する。画像検査装置500は、検査画像の画像解析を行う。画像検査装置500は、係る画像解析の結果、被測定物OJの異常(例えば、被測定物OJの欠陥、被測定物OJに付着した異物など)を検出する。
以上説明したように、第3の実施形態に係る外観検査システムは、第1または第2の実施形態に係る画像処理装置と同一または類似の画像処理を行って検査画像を得る。従って、本実施形態に係る外観検査システムによれば、信号成分が維持され、かつ、ノイズ成分が低減された検査画像を利用できるので、高精度な検査が可能となる。
上記各実施形態の処理は、汎用のコンピュータを基本ハードウェアとして用いることで実現可能である。上記各実施形態の処理を実現するプログラムは、コンピュータで読み取り可能な記憶媒体に格納して提供されてもよい。プログラムは、インストール可能な形式のファイルまたは実行可能な形式のファイルとして記憶媒体に記憶される。記憶媒体としては、磁気ディスク、光ディスク(CD−ROM、CD−R、DVD等)、光磁気ディスク(MO等)、半導体メモリなどである。記憶媒体は、プログラムを記憶でき、かつ、コンピュータが読み取り可能であれば、何れであってもよい。また、上記各実施形態の処理を実現するプログラムを、インターネットなどのネットワークに接続されたコンピュータ(サーバ)上に格納し、ネットワーク経由でコンピュータ(クライアント)にダウンロードさせてもよい。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10・・・注目画像、11,12・・・参照画像、13−1・・・レベル1の注目高周波画像、13−kmax・・・レベルkmaxの注目高周波画像、14−1・・・レベル1の注目低周波画像、14−(kmax−1)・・・レベルkmax−1の注目低周波画像、14−kmax・・・レベルkmaxの注目低周波画像、15−1・・・レベル1の参照高周波画像、15−kmax・・・レベルkmaxの参照高周波画像、16−1・・・レベル1の参照低周波画像、16−(kmax−1)・・・レベルkmax−1の参照低周波画像、21,22・・・評価値、23−1・・・レベル1の評価値、23−kmax・・・レベルkmaxの評価値、30,31,32・・・ノイズ低減後の注目画像、40−1・・・ノイズ低減後のレベル1の注目高周波画像、40−kmax・・・ノイズ低減後のレベルkmaxの注目高周波画像、100・・・画像処理装置、101,102,310・・・ノイズ評価部、110,111,320・・・ノイズ低減部、301,302・・・サブバンド分解部、330・・・加算部、500・・・画像検査装置、510・・・カメラ、520・・・ステージ
Claims (9)
- 第1のカラー画像をRGB分解することによって得られる第1の色成分画像である注目画像と、1枚以上の参照画像の各々とを比較することによって、前記1枚以上の参照画像毎に前記注目画像の各画素におけるノイズ成分の寄与度を示す評価値を得る評価部と、
前記注目画像の各画素の画素値に対して前記1枚以上の参照画像の各々の対応画素の画素値を前記評価値に基づいて適応的に合成することによって、ノイズ低減後の注目画像を生成する低減部と
を具備する、画像処理装置。 - 前記1枚以上の参照画像は、前記第1のカラー画像をRGB分解することによって得られる第2の色成分画像を含む、請求項1の画像処理装置。
- 前記1枚以上の参照画像は、前記第1のカラー画像とは異なる第2のカラー画像をRGB分解することによって得られる第1の色成分画像を含む、請求項1の画像処理装置。
- 前記評価部は、前記注目画像の各画素に対して、当該画素を中心として前記注目画像及び前記1枚以上の参照画像の各々に亘って形成される画像間ブロックの自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、前記1枚以上の参照画像毎に前記評価値を導出する、請求項1の画像処理装置。
- 前記評価部は、前記注目画像の各画素に対して、当該画素を中心として前記注目画像及び前記1枚以上の参照画像の各々との差分画像に閉じて形成されるブロックの自己相関関数を算出し、当該自己相関関数の原点の値に対する前記原点以外における最大の絶対値に基づく代表値の比の絶対値を算出することによって、前記1枚以上の参照画像毎に前記評価値を導出する、請求項1の画像処理装置。
- 前記低減部は、前記注目画像の各画素の画素値と、前記1枚以上の参照画像の各々の対応画素の画素値とを重み付き平均することによって、前記ノイズ低減後の注目画像を生成し、
前記1枚以上の参照画像の各々の対応画素の画素値に与えられる重みは、前記評価値の示す前記ノイズ成分の寄与度が大きいほど大きい、
請求項1の画像処理装置。 - 前記低減部は、前記注目画像の各画素の画素値と、前記1枚以上の参照画像のうち前記評価値の示す前記ノイズ成分の寄与度が閾値より大きいものの対応画素の画素値とを平均化することによって、前記ノイズ低減後の注目画像を生成する、請求項1の画像処理装置。
- 第1のカラー画像をRGB分解することによって得られる第1の色成分画像である注目画像を分解することによってレベル1の注目低周波画像及びレベル1の注目高周波画像を得て、レベル1,・・・,kmax−1(kmaxは整数)の注目低周波画像を分解することによってレベル2,・・・kmaxの注目低周波画像及びレベル2,・・・,kmaxの注目高周波画像を得る第1の分解部と、
1枚以上の参照画像の各々を分解することによって1枚以上のレベル1の参照低周波画像及び1枚以上のレベル1の参照高周波画像を得て、1枚以上のレベル1,・・・,kmax−1の参照低周波画像の各々を分解することによって1枚以上のレベル2,・・・,kmaxの参照低周波画像及びレベル2,・・・,kmaxの高周波画像を得る第2の分解部と、
レベルk(k=1,・・・,kmax)の注目高周波画像と、1枚以上のレベルkの参照高周波画像の各々とを比較することによって、前記1枚以上のレベルkの参照高周波画像毎に前記レベルkの注目高周波画像の各画素におけるノイズ成分の寄与度を示すレベルkの評価値を得る評価部と、
前記レベルkの注目高周波画像の各画素の画素値に対して前記1枚以上のレベルkの参照高周波画像の各々の対応画素の画素値を前記レベルkの評価値に基づいて適応的に合成することによって、ノイズ低減後のレベルkの注目高周波画像を生成する低減部と、
前記レベルkmaxの注目低周波画像と、ノイズ低減後のレベル1,・・・,kmaxの注目高周波画像とを加算することによって、ノイズ低減後の注目画像を生成する加算部と
を具備する、画像処理装置。 - 第1のカラー画像をRGB分解することによって得られる第1の色成分画像である注目画像と、1枚以上の参照画像の各々とを比較することによって、前記1枚以上の参照画像毎に前記注目画像の各画素におけるノイズ成分の寄与度を示す評価値を得ることと、
前記注目画像の各画素の画素値に対して前記1枚以上の参照画像の各々の対応画素の画素値を前記評価値に基づいて適応的に合成することによって、ノイズ低減後の注目画像を生成することと
を具備する、画像処理方法。
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JP2012257311A JP2014107611A (ja) | 2012-11-26 | 2012-11-26 | 画像処理装置及び画像処理方法 |
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