JP5903115B2 - 鞍乗型車両の蒸発燃料処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗型車両における蒸発燃料処理装置に関する。
燃料タンクから蒸発燃料が外に放出されることを抑制する蒸発燃料処理装置を設ける場合、パワーユニットを燃料タンクの下方に配置した鞍乗型車両では、従来、例えば下記特許文献1に示されるように、蒸発燃料を吸着、パージするキャニスタが内燃機関から後方の離れた位置にあり、キャニスタの配置スペース確保や配管の短縮と、キャニスタからのパージ燃料ガスによる混合気の急激な変化防止とを両立させることが課題であった。
特許4918527号公報(図1〜図3)
本発明は、かかる従来技術に鑑みてなされたものであり、キャニスタの配置スペースの確保や配管の短縮ができ、キャニスタからのパージ燃料ガスによる混合気の急激な変化を防止でき、パージ燃料ガスによるエンジン性能への影響を防止してエンジン性能を高めることができる鞍乗型車両の蒸発燃料処理装置を提供することを課題とする。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、クランクケースに対して上方に内燃機関のシリンダ部を備えるパワーユニットを、燃料タンクの下方に配置した鞍乗型車両の蒸発燃料処理装置において、前記シリンダ部から後方に、気化器を備える吸気通路が配置され、前記燃料タンクに接続されたキャニスタが、前記吸気通路とクランクケースとの間であって前記気化器の下部近傍に配置され、前記キャニスタからの戻りパージ配管が、前記吸気通路の側方空間において、前記気化器の下部近傍から上方に延びたのち逆U字部を形成することで迂回して吸気通路に接続され、前記キャニスタからの前記戻りパージ配管が前記吸気通路に接続される戻り開口部は、前記気化器のスロットルバルブ上流側のバルブ開閉部近傍に設けられ、前記戻りパージ配管には、前記キャニスタから前記内燃機関へのパージ燃料ガスを前記戻り開口部側の負圧に応じて制限する負圧制限バルブが設けられ、前記負圧制限バルブは、前記戻りパージ配管が前記気化器の下部近傍から上方に延びる途中に、入口を下方に出口を上方にして介装され、前記負圧制限バルブの出口から前記逆U字部の頂部までの距離が、前記逆U字部の頂部から前記戻り開口部までの距離より小さく設定されることを特徴とする鞍乗型車両の蒸発燃料処理装置である。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の鞍乗型車両の蒸発燃料処理装置において、前記戻りパージ配管が接続される前記気化器の戻り開口部は、側面視で前記吸気通路の下縁部に位置し、前記戻りパージ配管の前記逆U字部の上端は、側面視で前記吸気通路の上縁部以上に位置することを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の鞍乗型車両の蒸発燃料処理装置において、前記負圧制限バルブは、前記吸気通路の外壁に設けられた支持ボスにステーを介して取り付けられたことを特徴とする。
請求項に記載の発明は、請求項に記載の鞍乗型車両の蒸発燃料処理装置において、前記キャニスタは保護カバーにより下方を覆われたことを特徴とする。
請求項1に記載の発明の鞍乗型車両の蒸発燃料処理装置によれば、キャニスタをクランクケースと内燃機関のシリンダ部とで囲ってキャニスタの保護性を高め、且つ、キャニスタを気化器の下部近傍に配置してキャニスタからの戻りパージ配管を吸気通路の側方空間において逆U字状として、キャニスタおよび戻りパージ配管の配置スペースを確保しつつ、配管の高低差を利用してパージ燃料ガスの急激な戻りを防止し、パージ燃料ガスによるエンジン性能への影響を防止してエンジン性能を高めることができる。
そして、簡易な負圧制限バルブによって、アイドリング時のスロットルバルブ上流側近傍でのリーク負圧においてはパージ燃料ガスを制限して混合気のばらつきを防止し、それ以上のスロットルバルブの開度ではスロットルバルブ近傍に発生する負圧を有効利用してパージ燃料ガスを供給して安価にパージ性能を向上することができる。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、吸気通路の上下幅を利用して、逆U字部の配管長さを確保して、パージ性能のより安定化を図ることができる。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、負圧制限バルブを介して吸気通路の外壁によって戻りパージ配管の振動を防止して、戻りパージ配管内のパージ燃料ガスの乱れが防止され、パージ性能を向上できる。
請求項の発明によれば、請求項の発明の効果に加え、内燃機関側からの熱の影響によるキャニスタ内の気化量の過大化が防止されて、キャニスタが内燃機関近傍にありながら、最適なパージ量によるエンジン性能の安定化を図ることができる。
本発明の一実施形態に係る蒸発燃料処理装置を備えた自動二輪車の右側面図である。 図1に示される自動二輪車において、車体カバー、燃料タンク殻体、車体フレーム、気化器を外して示す、蒸発燃料処理装置周囲の要部右側面図である。なお、気化器は、二点鎖線で外形が示される。 図2中の気化器の右側面図である。 図3中IV−IV矢視による、気化器の立面断面図である。 図2中のキャブレターの左側面図である。 本実施形態の蒸発燃料処理装置の模式図であり、図8中のVI−VI矢視図に相当する。 図1に示される自動二輪車において、車体カバー、燃料タンク殻体、車体フレームを外して示す、蒸発燃料処理装置周囲の要部左側面図である。 図2中のキャニスタを、右斜め上方から見た斜視図である。 図2中概ねIX矢視により、右斜め前方から見た斜視図であり、キャニスタからの戻りパージ配管の取付け説明図である。 下流側吸気通路を備える吸気管の斜視図であり、その外壁に形成された支持ボスに、戻りパージ配管の負圧制限バルブを取付けるためのステーを締結した状態で示される。
図1から図10に基づき、本発明の一実施形態に係る鞍乗型車両の蒸発燃料処理装置につき説明する。
本実施形態において、鞍乗型車両はパワーユニット5を搭載した自動二輪車1であり、特許請求の範囲および本明細書の説明における前後左右上下等の向きは、本実施形態の蒸発燃料処理装置100を備えた車両(自動二輪車1)の向きに従うものとする。
図中矢印FRは車両前方を、LHは車両左方を、RHは車両右方を、UPは車両上方を、それぞれ示す。
本実施形態に係る自動二輪車(本発明における「鞍乗型車両」)1の右側面を図1に示すように、本実施形態の自動二輪車1の車体フレーム2は、ヘッドパイプ20からは、車幅方向中央を後方にメインフレーム21が、若干下方に傾斜して延出した後に、下方に屈曲してメイン急傾斜部21aを形成しているとともに、ヘッドパイプ20からはさらに車幅方向中央を斜め後下方に向けてダウンフレーム22が延出している。
自動二輪車1は、内燃機関3のクランクケース30内の後部に変速機4を一体に備えたパワーユニット5を搭載しており、クランクケース30の前部が、ダウンフレーム22の下部の支持ブラケット22aに上下2か所で締結され、クランクケース30の後部が、メインフレーム21のメイン急傾斜部21aの下部の支持ブラケット21bに上下2か所で締結されて、パワーユニット5が車体フレーム2に支持される。
メインフレーム21の屈曲部からは左右一対のシートレール23が途中屈曲部を形成しながら後方に延出しており、シートレール23の屈曲部とメイン急傾斜部21aの中央部とを連結したバックステー24がシートレール23を支持している。
以上のような車体フレーム2において、ヘッドパイプ20にはフロントフォーク10が枢支され、その下端に前輪11が軸支され、フロントフォーク10の枢軸の上端に操舵ハンドル12が設けられ、メインフレーム21の下部に設けられたピボット軸25に前端を軸支されたリヤフォーク13が後方へ延出し、その後端に後輪14が軸支され、リヤフォーク13の中央部とバックステー24との間にリヤクッション15が介装されている。
メインフレーム21には燃料タンク8が左右両側に跨るように架設され、燃料タンク8の後方にシート17がシートレール25に支持されて設けられている。
車体フレーム2のダウンフレーム22の上部を左右両側からフロントカバー18Aが覆い、内燃機関3とシート17との間の左右両側をサイドカバー18Bが覆い、シートレール25の後半をリヤカバー18Cが覆っている。
燃料タンク8の下方には、クランクケース30に対して上方に内燃機関3のシリンダ部32を備えるパワーユニット5が、クランク軸31を自動二輪車1の車幅方向、すなわち左右方向に配向させて、気筒を若干前傾させて起立した姿勢で配置されている。
本実施形態の内燃機関3は、空冷単気筒のSOHC型4ストロークサイクル内燃機関である。
内燃機関3は、クランク軸31を回転自在に軸支するクランクケース30の前部においてやや前方斜めに上方にシリンダブロック33およびシリンダヘッド34が順次重ねられて一体に締結され、シリンダヘッド34の上にはシリンダヘッドカバー35が被せられ、シリンダブロック33、シリンダヘッド34、シリンダヘッドカバー35からなるシリンダ部32が、前述のようにクランクケース30から上方に僅かに前方に前傾して突設されている。
また、クランクケース30の後部には、クランク軸31と平行にメイン軸41とカウンタ軸42が設けられており、メイン軸41とカウンタ軸42の図示しない複数組の変速ギヤは常時噛み合って変速機4を構成している。
カウンタ軸42はクランクケース30を左方に貫通して外部に突出して、パワーユニット5の最終の出力軸となっており、突出部位に出力スプロケット26がスプライン嵌合されている。
出力スプロケット26に巻き掛けられる駆動チェーン27が、後輪14側の被動スプロケット14aに架渡されてチェーン伝達機構が構成され、後輪14に動力が伝達される。
シリンダヘッド34から前方に延出した排気管36は、下方に屈曲し、さらに後方に屈曲してクランクケース30の下面に沿って後方にかつ右側に寄って後輪14の右側に配置されたマフラー37に連結されている。
図2は、図1に示される自動二輪車1の中央部を、サイドカバー18B、燃料タンク8の殻体8a、車体フレーム2を外して右側面を示すものであり、気化器62は外形のみ二点鎖線で示される。
シリンダヘッド34の吸気ポート34aには、金属製の吸気管61が接続し後方に延出して気化器62に接続し、気化器62は、硬質ゴム製のコネクティングチューブ63を介して後方に位置する上流側のエアクリーナケース64に連結している。
すなわち、気化器62内のキャブ内吸気通路6Bを挟んで吸気管61内の下流側吸気通路6Cとコネクティングチューブ62内の上流側吸気通路6Aとによって、内燃機関3のシリンダ部32から後方に、エアクリーナケース63とシリンダヘッド34の吸気ポート34aとの間を接続し気化器62を備える吸気通路6(6A、6B、6C)が形成されている。
本実施形態の気化器62は、その右側面を示す図3と、図3中IV−IV矢視による立面断面を示す図4と、左側面を示す図5とに示されるように、前後方向に配されたキャブ内吸気通路6Bに、スロットルバルブ65と図示しない負圧作動型のベンチュリーピストンによるベンチュリー部とを備えた公知の負圧作動型気化器であり、ベンチュリー部の下方には、燃料をキャブ内吸気通路6Bに供給するまで一定の液位で一時貯蔵するフロート室66が備えられている。
フロート室へは燃料タンク8からの重力落下によって常時加圧供給される燃料が、燃料供給管81(図2参照)によって燃料受給口67(図5参照)からフロート室66に供給される。
本実施形態の自動二輪車1は、燃料タンク8で発生した蒸発燃料ガスを直接大気に放出せずガス処理を行うための蒸発燃料処理装置100を備えている。
図8中VI−VI矢視図に相当する図6に模式的に示されるように、本実施形態の蒸発燃料処理装置100は、キャニスタ9とそれに接続される配管等で構成されている。
キャニスタ9は活性炭等の吸着剤を内蔵する円筒状の容器であり、本実施形態において円筒軸を車幅方向に配向して、下流側吸気通路6Cを形成する吸気管61とクランクケース30との間であって、気化器62の下部近傍に配置されて、自動二輪車1のメインフレーム急傾斜部21aに取り付けられる(図1、図8参照)。
キャニスタ9の右端部9aの略中心にはチャージ管91の一端91aが接続され、チャージ管91の他端91bには燃料タンク8から蒸発燃料ガスを導出するブリーザ配管82が接続し(図2参照)、キャニスタ9は燃料タンク8と接続される。
自動二輪車1の駐車時等において、燃料タンク8内の燃料が暖められて発生した蒸発燃料ガスはブリーザ配管82、チャージ管91を経由してキャニスタ9内に送られ、キャニスタ9内の吸着剤に吸着される。
さらに、キャニスタ9の右端部9aの前部には、チャージ管91の前方に位置して戻りパージ管92の一端92aが接続され、戻りパージ管92の他端92bは気化器62の戻り開口部68に(図3、図4参照)接続される。
吸着された蒸発燃料ガスは、内燃機関3の稼働によって生じる吸気系の負圧によってパージされ、戻りパージ配管92(図2参照)を通り吸気通路6に戻され、内燃機関3において燃焼することで、ガスの浄化がなされる
キャニスタ9の左端部9bには、大気と連通する新気導入管93とドレイン管94が接続されている。新気導入管93は、吸着剤に吸着された蒸発燃料ガスがパージされるときキャニスタ9内に外気を導入してパージを容易に行わせるものであり。ドレイン管94は、蒸発燃料ガスの吸着時にキャニスタ9内の不要な気体、液体を排出して吸着を容易に行わせるものである。
図7に示されるように、新気導入管93の外方端93bは、キャニスタ9の後方に位置するバッテリケース50の凹部51に挿入されており、支持構造の簡略化と、路面より離れ燃料タンク8、シート17、サイドカバー18B等に囲まれた位置によって(図1参照)、新気導入において塵埃の混入と内燃機関の熱の影響を抑制している。
また、ドレイン管94は、後部下方に延びてクランクケース30の下方に至り、車体下部において外方端94bが下方に開口しており、ドレインされる気体、液体による車体および乗員への影響を抑制している。
図2に示されるように、燃料タンク8の上部の給油キャップ部80に設けられた気液分離器からは、燃料タンク8内で発生した蒸発燃料ガスを導出するブリーザ管82が下方に延出している。
一方、中心軸を車幅方向に配向する円筒状のキャニスタ9は、下流側吸気通路6Cを形成する吸気管61とクランクケース30(図1参照)との間であって、気化器62の下部近傍に配置されており、キャニスタ9の右端部9a中央に一端91aが接続して、上流側吸気通路6Aを形成するコネクティングチューブ62の下方を左方に通過して上方に延びるチャージ管91の他端91bに、ブリーザ管82が接続している。
そのため、前述のように燃料タンク8内から発生した蒸発燃料ガスは、ブリーザ管82とチャージ管91を介してキャニスタ9内に送られ、吸着剤に吸着される。
さらに、キャニスタ9の右端部9aの前部には、チャージ管91の前方に位置して戻りパージ管92の一端92aが接続され、戻りパージ管92の他端92bは、気化器62の戻り開口部68に(図3、図4参照)接続される。
図3、図4に示されるように、戻り開口部68は、側面視で気化器62内のキャブ内吸気通路6Bの下縁部6Bbに位置しており、一端側が戻りパージ管92の他端92bが接続されるノズル部に形成されるとともにノズル部と気化器62の壁部に気化器62内のキャブ内吸気通路6Bの軸方向に穿設された軸方向孔68aと、軸方向孔68aと接続してキャブ内吸気通路6B内に向けて気化器62の壁部に穿設された連通孔68bを備えている。
なお、連通孔68bの外方向端は栓部材69で塞がれている。
連通孔68bの内方向端部は、気化器62のスロットルバルブ65の上流側のバルブ開閉部6Bcの近傍に開口する。すなわち、戻り開口部68は、気化器62のスロットルバルブ65の上流側のバルブ開閉部6Bcの近傍に開口するように設けられ、戻りパージ管92を、軸方向孔68a、連通孔68bを介してキャブ内吸気通路6B、すなわち吸気通路6に接続する。
また、戻りパージ配管92は、下流側吸気通路6Cを形成する吸気管61の右側方空間において、気化器62の下部近傍から上方に延びたのち逆U字部92cを形成することで迂回して配管長を確保したうえで、戻り開口部68のノズル部に接続する。
そして、戻りパージ配管92の逆U字部92cの上端は、図1、図2に示されるように、側面視で吸気管61内の下流側吸気通路6Cの上縁部6Ca以上に位置している(図9も参照)。
そのため逆U字部92cは、キャブ内吸気通路6Bの下縁部6Bbと下流側吸気通路6Cの上縁部6Caとの間を上下することで、限られたスペースの中で吸気通路6(6B、6C)の上下幅を利用して、逆U字部92cの配管長さを確保して、パージ性能のより安定化が図られている。
以上のように、本実施形態においてキャニスタ9は、クランクケース30と内燃機関3のシリンダ部32とで囲われるのでキャニスタ9の保護性を高められている。
キャニスタ9が気化器62の下部近傍に配置されて、キャニスタ6からの戻りパージ配管92が、下流側吸気通路6Cを形成する吸気管61の右側方空間において逆U字状として配置されているので、キャニスタ9と戻りパージ配管92の配置スペースが確保され、且つ、配管長の高低差を利用してパージ燃料ガスの急激な戻りが防止され、自動二輪車1の振動、傾斜においても凝縮した液体燃料がキャニスタ9から吸気通路6へ流入することが防止され、パージ燃料ガスによるエンジン性能への影響を防止してエンジン性能を高めることができるものとなっている。
また、戻りパージ配管92には、キャニスタ9から吸気通路6を介して内燃機関3へ吸入されるパージ燃料ガスを、戻り開口部68側の負圧に応じて制限する負圧制限バルブ7が設けられている。
負圧制限バルブ7は、戻り開口部68側が一定以上の負圧になったときのみ、キャニスタ9側から気化器62の戻り開口部68側へパージ燃料ガスの流入を許すワンウエイバルブである。
すなわち、戻り開口部68は、気化器62のキャブ内吸気通路6Bに対して、スロットルバルブ65の上流側のバルブ開閉部6Baの近傍に開口しており、アイドリング時のスロットルバルブ65上流側近傍でのリーク負圧の範囲においては、負圧制限バルブ7は、パージ燃料ガスの流入を制限して不安定なリーク負圧による混合気のばらつきを防止している。
そして、一定以上の負圧を生じるそれ以上のスロットルバルブ65の開度では、戻り開口部68に一定以上の負圧が生じるので、負圧制限バルブ7が開き、スロットルバルブ65近傍に発生する負圧を有効利用してパージ燃料ガスを供給することができ、簡易な負圧制限バルブ7によって、安価にパージ性能を向上することができる。また、気化器62側からの吹き返しガスも防止する。
図9に示されるように、負圧制限バルブ7は略円筒状をなして吸気管61の側方を通過する戻りパージ配管92に介装されるが、それ自体は環状のゴムバンド71に挟持される。
また、ゴムバンド71の外側面には接線方向の嵌合通孔72備える固定突起73が一体に形成されている。
一方、図10に示されるように、吸気管61の側壁61a、すなわち吸気通路6(下流側吸気通路6C)の外壁61aには、支持ボス61bが一体に設けられており、支持ボス61bに設けられた雌ねじ穴に螺入されるボルト61cによってバルブ取付けステー(本発明における「ステー」)61dが締結されている。
バルブ取付けステー61dの先端には嵌合突起61eが設けられ、図9に示されるように、嵌合突起61eをゴムバンド71の嵌合通孔72に嵌入させることによって、負圧制限バルブ7が下流側吸気通路6Cの外壁61aに設けられた支持ボス61bにバルブ取付けステー61dを介して容易に取り付けられる。
そのため戻りパージ配管92は負圧制限バルブ7を介して下流側吸気通路6Cの外壁61aによって支持されるので、戻りパージ配管92の振動が防止され、戻りパージ配管92内のパージ燃料ガスの乱れが防止され、パージ性能が向上するものとなる。
また、図8に示されるように(図6参照)、キャニスタ9は、左端側を解放し(図7参照)、右端側を略解放した筒状の硬質ゴム製の保護カバー95内に保持されており、周方向前および下側が保護カバー95の筒部95aに覆われている。
したがって、キャニスタ9は、下流側吸気通路6Cを形成する吸気管61とクランクケース30との間であって内燃機関3のシリンダ部32の後方近傍に配置されながら、内燃機関3側からの熱の影響によるキャニスタ9内の気化量の過大化が防止されて、最適なパージ量によるエンジン性能の安定化を図ることができる。
また、保護カバー95の筒部95aの上部には接線方向の嵌合通孔96備える固定突起97が一体に形成されている。
一方、図8に示されるように、キャニスタ9の後部に隣接するメインフレーム21のメイン急傾斜部21aには、キャニスタ9に面する側にキャニスタ取付けステー28が設けられており、キャニスタ取付けステー28の先端には嵌合突起28aが設けられ、嵌合突起28aを保護カバー95の嵌合通孔96に嵌入させることによって、キャニスタ9が、メイン急傾斜部21aに設けられたキャニスタ取付けステー28に保護カバー95を介して容易に取り付けられる
以上の本実施形態の自動二輪車1の蒸発燃料処理装置100の特徴を、以下まとめて述べる。
すなわち、クランクケース30に対して上方に内燃機関3のシリンダ部32を備えるパワーユニット5を、燃料タンク8の下方に配置した自動二輪車1の蒸発燃料処理装置100において、シリンダ部32から後方に、気化器62を備える吸気通路6(6A、6B、6C)が配置され、燃料タンク8に接続されたキャニスタ9が、下流側吸気通路6Cを有する吸気管61とクランクケース30との間であって気化器62の下部近傍に配置され、キャニスタ9からの戻りパージ配管92が、下流側吸気通路6Cを有する吸気管61の側方空間において、気化器62の下部近傍から上方に延びたのち逆U字部92cを形成することで迂回してキャブ内吸気通路6Bに接続されている。
そのため、キャニスタ9をクランクケース30と内燃機関3のシリンダ部32とで囲ってキャニスタ9の保護性を高め、且つ、キャニスタ9を気化器62の下部近傍に配置してキャニスタ9からの戻りパージ配管92を下流側吸気通路6Cを有する吸気管61の側方空間において逆U字状として、キャニスタ9および戻りパージ配管92の配置スペースを確保しつつ、配管の高低差を利用してパージ燃料ガスの急激な戻りを防止し、パージ燃料ガスによるエンジン性能への影響を防止してエンジン性能を高めることができる。
また、キャニスタ9からの戻りパージ配管92がキャブ内吸気通路6Bに接続される戻り開口部68は、気化器62のスロットルバルブ65上流側のバルブ開閉部6Bc近傍に設けられ、戻りパージ配管62には、キャニスタ9から内燃機関3へのパージ燃料ガスを戻り開口部68側の負圧に応じて制限する負圧制限バルブ7が設けられている。
そのため、簡易な負圧制限バルブ7によって、アイドリング時のスロットルバルブ65上流側近傍でのリーク負圧においてはパージ燃料ガスを制限して混合気のばらつきを防止し、それ以上のスロットルバルブ65の開度ではスロットルバルブ65近傍に発生する負圧を有効利用してパージ燃料ガスを供給して安価にパージ性能を向上することができる。
また、戻りパージ配管92が接続される気化器62の戻り開口部68は、側面視でキャブ内吸気通路6Bの下縁部6Bbに位置し、戻りパージ配管92の逆U字部92cの上端は、側面視で下流側吸気通路6Cの上縁部6Ca以上に位置しているので、吸気通路6(6B、6C)の上下幅を利用して、逆U字部92cの配管長さを確保して、パージ性能のより安定化を図ることができる。
また、負圧制限バルブ7は、下流側吸気通路6Cを有する吸気管61の側壁61a、すなわち下流側吸気通路6Cの外壁61aに設けられた支持ボス61bにバルブ取付けステー61dを介して取り付けられたので、負圧制限バルブ7を介して下流側吸気通路6Cの外壁61aによって戻りパージ配管92の振動を防止して、戻りパージ配管92内のパージ燃料ガスの乱れが防止され、パージ性能が向上する。
そして、キャニスタ9は保護カバー95により下方を覆われているので、内燃機関3側からの熱の影響によるキャニスタ9内の気化量の過大化が防止されて、キャニスタ9が内燃機関3近傍にありながら、最適なパージ量によるエンジン性能の安定化を図ることができるものとなっている。
以上、本発明に係る一実施形態の鞍乗型車両の蒸発燃料処理装置につき説明したが、本発明の態様が上記実施形態に限定されず、本発明の要旨の範囲で、多様な態様で実施されるものを含むことは勿論である。
例えば、本発明の鞍乗型車両は、実施形態の自動二輪車に限らず例えば、3輪、4輪のバギー車等、多様な鞍乗型車両であってよく、請求項1の要件を備える鞍乗型車両であればよい。
また、各機器の左右の配置は、説明の便宜上、図示のものに特定して記載したが、上記実施形態に示すものと左右逆となる配置のものであってもよく、本発明に含まれる。
1…自動二輪車(本発明における「鞍乗型車両」)、2…車体フレーム、3…内燃機関、4…変速機、5…パワーユニット、6…吸気通路、6A…上流側吸気通路、6B…キャブ内吸気通路、6Bb…下縁部、6Bc…バルブ開閉部、6C…下流側吸気通路、6Ca…上縁部、7…負圧制限バルブ、8…燃料タンク、9…キャニスタ、21…メインフレーム、21a…メイン急傾斜部、28…キャニスタ取付けステー、28a…嵌合突起、30…クランクケース、31…クランク軸、32…シリンダ部、50…バッテリケース、51…凹部、61…吸気管、61a…側壁(下流側吸気通路の外壁)、61b…支持ボス、61c…ボルト、61d…バルブ取付けステー(本発明における「ステー」)、61e…嵌合突起、62…気化器、63…コネクティングチューブ、64…エアクリーナケース、65…スロットルバルブ、68…戻り開口部、68a…軸方向孔、68b…連通孔、71…ゴムバンド、72…嵌合通孔、73…固定突起、82…ブリーザ管、91…チャージ管、92…戻りパージ配管、92c…逆U字部、93…新気導入管、94…ドレイン管、95…保護カバー、96…嵌合通孔、97…固定突起、100…蒸発燃料処理装置

Claims (4)

  1. クランクケース(30)に対して上方に内燃機関(3)のシリンダ部(32)を備えるパワーユニット(5)を、燃料タンク(8)の下方に配置した鞍乗型車両(1)の蒸発燃料処理装置(100)において、前記シリンダ部(32)から後方に、気化器(62)を備える吸気通路(6)が配置され、前記燃料タンク(8)に接続されたキャニスタ(9)が、前記吸気通路(6)とクランクケース(30)との間であって前記気化器(62)の下部近傍に配置され、前記キャニスタ(9)からの戻りパージ配管(92)が、前記吸気通路(6)の側方空間において、前記気化器(62)の下部近傍から上方に延びたのち逆U字部(92c)を形成することで迂回して吸気通路(6)に接続され、
    前記キャニスタ(9)からの前記戻りパージ配管(92)が前記吸気通路(6)に接続される戻り開口部(68)は、前記気化器(62)のスロットルバルブ(65)上流側のバルブ開閉部(6Bc)近傍に設けられ、前記戻りパージ配管(92)には、前記キャニスタ(9)から前記内燃機関(3)へのパージ燃料ガスを前記戻り開口部(68)側の負圧に応じて制限する負圧制限バルブ(7)が設けられ、
    前記負圧制限バルブ(7)は、前記戻りパージ配管(92)が前記気化器(62)の下部近傍から上方に延びる途中に、入口を下方に出口を上方にして介装され、前記負圧制限バルブ(7)の出口から前記逆U字部(92c)の頂部までの距離が、前記逆U字部(92c)の頂部から前記戻り開口部(68)までの距離より小さく設定される
    ことを特徴とする鞍乗型車両の蒸発燃料処理装置。
  2. 前記戻りパージ配管(92)が接続される前記気化器(62)の戻り開口部(68)は、側面視で前記吸気通路(6)の下縁部(6Bb)に位置し、前記戻りパージ配管(92)の前記逆U字部(92c)の上端は、側面視で前記吸気通路(6)の上縁部(6Ca)以上に位置することを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両の蒸発燃料処理装置。
  3. 前記負圧制限バルブ(7)は、前記吸気通路(6)の外壁(61a)に設けられた支持ボス(61b)にステー(61d)を介して取り付けられたことを特徴とする請求項に記載の鞍乗型車両の蒸発燃料処理装置。
  4. 前記キャニスタ(9)は保護カバー(95)により下方を覆われたことを特徴とする請求項に記載の鞍乗型車両の蒸発燃料処理装置。
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