JP5901489B2 - 四輪駆動車両の駆動力伝達装置 - Google Patents
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Description
なお、上記で括弧内に記した参照符号は、後述する実施形態における対応する構成要素に付した符号を参考のために例示したものである。
図7は、車両1の定常走行時におけるビスカスカップリング10及びトルク伝達切替機構60の状態を示す図である。定常走行時のピストン61は、後側の退避位置にあり、背面側油室71の油圧及びOリング73,74の摩擦力にてこの位置で保持される。したがって、ピストン61のドグ歯61dとインナーハブ17のドグ歯17dとの係合が切り離された状態となる。そのため、インナーハブ17からインプットシャフト12へのトルク伝達が遮断される。
図8は、車両の急加速時におけるビスカスカップリング10及びトルク伝達切替機構60の状態を示す図である。同図に示すように、車両の急加速による加速度に応じた慣性力がスプールバルブ65に作用すると、潤滑油から受ける受圧面積の差による推力との合力により、スプールバルブ65が小径部65a側(後側)へ移動する。すると、ピストン61の背面側油室71に油圧が供給されることで、受圧面積の大きい大径部61bの推力が押し勝ち、ピストン61が前側の係合位置へ移動する。これにより、ピストン61のドグ歯61dとインナーハブ17のドグ歯17dとが噛み合い、インナーハブ17からインプットシャフト12へのトルク伝達が行われる。したがって、ビスカスカップリング10を介したトルクが後輪W3,W4側へ伝達される状態(四輪駆動状態)となる。その一方で、車両の加速度が弱まると、スプールバルブ65が前側の位置へ戻る。これにより、収容室63内の作動油の状態が定常状態へ復帰し、背面側油室71の油圧が抜けるため、ピストン61のドグ歯61dとインナーハブ17のドグ歯17dとの係合が切り離されて、ビスカスカップリング10を介したトルクが後輪W3,W4側へ伝達されない状態(二輪駆動状態)となる。
図9は、車両の登坂発進時におけるビスカスカップリング10及びトルク伝達切替機構60の状態を示す図である。登坂発進においても、車両1の傾斜角により作用する慣性力でスプールバルブ65が小径部65a側へ移動し、背面側油室71及び中間油室72とドレンポート63cとの間が閉鎖される。これにより、ピストン61が係合位置へ移動するような油圧が供給されるが、極低車速では、この供給油圧が低くなる。しかし、登坂路での停車前に当該供給油圧が十分な油圧である間に、ピストン61が前側の係合位置へ移動することで、ピストン61のドグ歯61dとインナーハブ17のドグ歯17dとが噛み合うように設定されている。そのため、背面側油室71の残圧とOリング73,74の摩擦力とによりピストン61が係合位置に保持される。これにより、次回の車両発進時にビスカスカップリング10を介したトルク伝達が行えるようスタンバイしておくことができる。車両の発進後は、前輪(駆動輪)W1,W2のスリップが収まりビスカスカップリング10の伝達トルクが十分に小さくなれば、ピストン61のドグ歯61dとインナーハブ17のドグ歯17dとの係合部分に加わる荷重が低減する。そのため、走行路の傾斜度が平地に戻り次第、ピストン61のドグ歯61dとインナーハブ17のドグ歯17dとの係合が切り離される。
図10は、車両1の後進発進時におけるビスカスカップリング10及びトルク伝達切替機構60の状態を示す図である。車両1の後進では、急勾配での発進時には走破性を必要とするため四輪駆動(4WD)状態となるが、定常状態での発進時には、二輪駆動(2WD)である。そして、車両の傾斜角による慣性力がピストン61に作用し、車両の停車時は、背面側油室71の油圧がゼロの状態で反力が無いため、ピストン61が係合位置へ移動する。これにより、ピストン61のドグ歯61dとインナーハブ17のドグ歯17dとが噛み合った状態でのスタンバイが可能となる。発進後は、車速の増加に伴うテーパローラベアリング38,39の回転数増加によって上昇した背面側油室71の油圧がピストン61を非係合位置へ押し戻すよう作用する。そのため、前輪(駆動輪)W1,W2のスリップが収まり、ビスカスカップリング10の伝達トルクが十分に小さくなれば、ピストン61のドグ歯61dとインナーハブ17のドグ歯17dとの噛合部分に加わる荷重が低減するため、ドグ歯61dとドグ歯17dの係合が切り離される。このとき、スプールバルブ65は、大径部65b側(前側)に位置するため、ピストン61の背面側油室71は、ドレンポート63cに連通して解放されている。したがって、収容室63内の潤滑油の油圧がピストン61の作動を妨げることはない。
2 駆動力伝達経路
3 エンジン
4 トランスミッション
5 フロントディファレンシャル
6,6 フロントドライブシャフト
7 プロペラシャフト
9,9 リアドライブシャフト
10 ビスカスカップリング
11 ハウジング
12 インプットシャフト
13 アウタープレート(第1プレート部材)
14 インナープレート(第2プレート部材)
15 カバー部材
16 作動室
17 インナーハブ
17d ドグ歯
30 リアディファレンシャル(ディファレンシャル機構)
31 ディファレンシャルケース
32 差動部
34 リングギヤ
35 ピニオンギヤ
36 ピニオンシャフト
37 ベアリング室
38,39 テーパローラベアリング
38a,39a ローラ
40 リターン油路(戻り油路)
41 ディファレンシャルキャリヤ(ケーシング)
42 ガイド部
43 オイルシール
44 油路
45 潤滑油貯留部
46 フラップ弁(開閉弁)
46a フラップ板
46b コイルバネ
50 潤滑油流通路
51 第1油路
52 第1ポート
53 第2油路
54 第2ポート
55 第3油路
56 ドレン油路
57 シール部材
60 トルク伝達切替機構
61 ピストン
61a 小径部
61b 大径部
61c 連結部
61d ドグ歯
61e スプライン係合部
61f 通路
63 収容室
63c ドレンポート
65 スプールバルブ
65a 小径部
65b 大径部
65c 連結部
71 背面側油室
72 中間油室
73,74 Oリング(シール部材)
W1,W2 前輪(駆動輪)
W3,W4 後輪(従動輪)
Claims (5)
- 駆動源からの駆動力を主駆動輪及び副駆動輪に伝達する駆動力伝達経路における前記駆動源と前記副駆動輪との間に配置された回転差応動型のトルク伝達部を有するトルク伝達装置と、前記副駆動輪に伝達する駆動力を配分するためのディファレンシャル機構と、を備える四輪駆動車両の駆動力伝達装置であって、
前記トルク伝達装置は、前記トルク伝達部からのトルクが伝達される回転部材と、前記副駆動輪側に駆動力を伝達する出力軸と、前記回転部材と前記出力軸との間でのトルク伝達の有無を切り替えるトルク伝達切替機構と、を備え、
前記ディファレンシャル機構は、前記出力軸に連結されたピニオンシャフトと、前記ピニオンシャフトの端部に設けられて前記副駆動輪側のギヤに噛合するピニオンギヤと、少なくとも前記ピニオンギヤと前記ピニオンシャフトを収容してなるケーシングと、前記ピニオンシャフトを前記ケーシングに回転自在に支持するベアリングと、前記副駆動輪側のギヤの回転で掻き上げられた潤滑油を前記ベアリングに導くためのガイド部と、を備え、
前記トルク伝達切替機構は、前記出力軸上に相対回転不能かつ軸方向に移動可能に設置されたピストンと、該ピストンを収容すると共に前記ディファレンシャル機構の潤滑油を充填してなる収容室と、前記回転部材に設けたドグ歯と、前記ピストンに設けたドグ歯と、前記収容室内で摺動可能に設置されたスプールバルブと、を備え、
前記ベアリングに導かれた潤滑油を該ベアリングの回転に伴う排出圧で前記トルク伝達切替機構の前記収容室に導入し、該収容室から前記ケーシング内に戻すように構成すると共に、
前記スプールバルブが前記車両の慣性力に応じて前記収容室内を移動すると、前記ピストンにかかる油圧が変化することで、前記ピストンのドグ歯と前記回転部材のドグ歯との係合・非係合が切り替わるように構成した
ことを特徴とする四輪駆動車両の駆動力伝達装置。 - 前記スプールバルブが車両の前方向への加速度で前側へ移動したときに、前記収容室内の油圧で前記ピストンのドグ歯が前記回転部材のドグ歯と噛合する係合位置へ前記ピストンが移動し、
前記スプールバルブが車両の後方向への加速度で後側へ移動したときに、前記ピストンのドグ歯と前記回転部材のドグ歯との噛合が解除される非係合位置へ前記ピストンが移動するように構成した
ことを特徴とする請求項1に記載の四輪駆動車両の駆動力伝達装置。 - 前記ベアリングは、前記ピニオンシャフトの軸方向に対して傾斜する軸上を転動するローラを備えたテーパローラベアリングである
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の四輪駆動車両の駆動力伝達装置。 - 前記ベアリングを収容したベアリング室内の潤滑油を前記ケーシング内に戻す戻し油路と、該戻し油路に設置した開閉弁とを備え、
前記開閉弁は、前記戻し油路を流通する潤滑油の油圧が所定以上になると開くことで、前記ベアリング室の油圧を所定圧以下に調圧するように構成した
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の四輪駆動車両の駆動力伝達装置。 - 前記トルク伝達部は、前記駆動源からの駆動力が伝達される回転軸に接続されたハウジングと、前記出力軸上に相対回転可能に設置された前記回転部材であるインナーハブと、前記ハウジングと前記インナーハブとの間に画成した粘性流体を充填してなる作動室と、前記ハウジングに連結されて前記回転軸の軸方向に沿って積層した複数の第1プレート部材と、前記インナーハブに連結された複数の第2プレート部材と、を備え、
前記作動室内で前記回転軸の軸方向に沿って前記第1プレート部材と前記第2プレート部材とが交互に配列された構成である
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の四輪駆動車両の駆動力伝達装置。
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