JP5901269B2 - アルマイト処理方法 - Google Patents
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Description
旋回スクロールは、主に軽量化のためにアルミニウムあるいはアルミニウム合金で作製され、その表面は陽極酸化処理(以下、アルマイト処理)を施すことで耐摩耗性の向上が図られている。この旋回スクロールのアルマイト処理をする際に、アルマイト処理を施したくない部分(特許文献1では軸受部)をゴム製のマスキングで覆うことで、アルマイト処理の処理液(電解液)が当該部分に付着するのを防止することが特許文献1に開示されている。
本発明は、このような課題に基づいてなされたもので、マスキングゴムを用いることなく、アルマイト処理される部材(ワーク)の不必要な領域にアルマイト処理に用いられる処理液が付着するのを効果的に防止できるアルマイト処理方法を提供することを目的とする。
本発明は、アルマイト処理を施す処理領域と、アルマイト処理を施さない非処理領域と、を有するワークにアルマイト処理する方法に関するものである。
本発明は、非処理領域を処理液に浸けることなく、かつ、処理領域を処理液に浸けながらアルマイト処理を行いつつ、非処理領域の周囲をフードで覆い、外部からこのフードの内部に気流を供給することで、処理液に浸けられていないワークの非処理領域の周囲から処理液ミストを排除する。
そして、本発明におけるワークはスクロール型圧縮機の旋回スクロールであり、旋回スクロールのラップ壁が処理液に浸けられ、旋回スクロールの端板及びボス部は処理液の液面よりも上方に置かれており、フードの裾が、端板の周囲を取り囲む、ことを特徴とする。
また、本発明において、処理液の波立ちを抑制するのに、処理液を保持する処理槽の上縁に複数の窪みを周方向に沿って設けることが好ましい。処理槽内の処理液を複数の窪みから均等に排出させることで、処理液の波立ちを抑制できる。
本実施の形態は、図1に示すように、スクロール型圧縮機の旋回スクロールにアルマイト処理する例に基づいて本発明を説明する。
はじめに、ワークである旋回スクロール20について説明する。
圧縮機のハウジングに形成された冷媒導入ポートからハウジング内に冷媒が導入され、旋回スクロール20と図示しない固定スクロールとの間に形成された圧縮室において冷媒が圧縮される。そして、圧縮された冷媒は、ハウジングに形成された冷媒吐出ポートから吐出される。
旋回スクロール20は、円板状の端板21の一面側に、渦巻状のラップ壁22が立設されている。また、端板21の他面側には、円筒状のボス部23が形成されている。このボス部23には、通常、軸受が圧入により収容される。そして、この軸受に支持される駆動軸に連結された例えばエンジンを駆動源として旋回スクロール20が公転旋回運動される。なお、ここで示す旋回スクロール20はあくまで一例にすぎないが、いずれの旋回スクロールであっても、ラップ壁22及びボス部23を備えている点では同じである。
なお、本実施形態で行なわれるアルマイト処理には、公知のアルマイト処理が適用される。つまり、陽極酸化処理によりアルミニウムの表面に活性な酸素を発生させ、これとアルミニウムとを反応させ酸化アルミニウムを形成させるという、手順により皮膜を表面に形成する処理を本実施形態は広く適用できる。
また、処理装置10には、アルマイト処理を行うための電気的な要素、あるいは、処理液Lを外部から処理槽1に供給し、または、処理槽1内の処理液Lを外部に排出する配管、その他の要素が設けられるが、これらも周知の技術を適用できるので、説明を省略する。
吐出ポンプ3を駆動することにより、供給管4から処理液L内に向けて処理液Lを送り込むことにより、処理槽1内の処理液Lに噴流を生じさせることで、旋回スクロール20の温度上昇を防止する。
フード6は、通路6aと、通路6aと内部が連通する傘状の作用部6bと、を備える。そしてフード6は、作用部6bが端板21及びボス部23を覆うように旋回スクロール20と対向して配置される。
連結管7は、一端が通路6aと接続され、他端が吐出ポンプ8と接続される。
吐出ポンプ8を作動させると、連結管7及び通路6aを介して、作用部6bの内部に圧縮空気を供給することができる。
この際、吐出ポンプ3を駆動することにより、処理液Lを撹拌して、旋回スクロール20の温度上昇を防ぐ。この撹拌により処理液ミストが発生するが、吐出ポンプ8を駆動することにより、フード6の作用部6bの内部に圧縮空気が供給される。この空気は、作用部6bの末端において端板21との隙間から外部に流出する。この際、端板21の周囲にある処理液Lの液面Sに向けて空気が吹き付けられるので、処理液Lの液面Sが波立つのを抑えることができる。また、仮に、作用部6bの内部に処理液ミストが浸入したとしても、作用部6bの内部に供給された空気の流れに乗ることで、旋回スクロール20の非処理領域である端板21及びボス部23に付着するのが防止される。
なお、処理装置10を囲うチャンバを設け、このチャンバ内を吸引することで、フード6の内部から処理液ミストの排出を促進することができる。
このフード6は、作用部6bの下端縁に、その内側に突出するかえり6cを備える。好ましい形態においては、このかえり6cの内径が端板21の外径よりも少し大きく形成される。そして、このかえり6cが端板21の外周に近接し、しかもかえり6cが処理液Lの液面Sより離れるように、フード6が配置される。
図2に示される好ましい形態によると、かえり6cを設けることにより、空気流を端板21の周囲の液面Sに案内することができるので、端板21の周囲の処理液Lの波立ちをより効果的に防ぎ、処理液Lが端板21、さらにはラップ壁22にかかるのを避けることができる。
この形態は、処理液Lの液面Sに蓋9を被せる。なお、蓋9は、フード6よりも外側に設けられる。
この形態によると、旋回スクロール20の温度上昇を防ぐための処理液Lの撹拌による波立ちを抑制することができるので、処理液ミストが非処理領域に付着するのをより確実に抑制できる。
この処理槽1は、その上縁に複数の逆三角形状の排出口1aを周方向に沿って設けており、処理槽1からオーバーフローする処理液Lはこの排出口1aから外部に排出される。そして、処理液Lの液面Sが排出口1aの下端部より上昇しても、その上昇液面位置が排出口1aに臨んでいる限り、排出口1aにおける液面Sの上昇による液流通断面積の増加分だけオーバーフロー量が増加するだけである。したがって、排出口1aのない処理槽1の上端縁から一斉にオーバーフローするのに比べると、オーバーフロー量が著しく増加することはなく、また、液面Sが下降してもオーバーフロー量が著しく減少してしまうこともない。よって、処理槽1における液面Sの上下変動があっても、オーバーフロー量の増減を抑えることができるので、液面Sの波立ちが抑制される。
この形態は、撹拌部2の供給管4を途中で分岐し、さらに、分岐管4aの吐出端がラップ壁22のラップエンド(図中、ラップ壁の下端)に対向させる。ここでラップエンドは、ラップ壁22の外側終端であり、アルマイト処理中に電流が集中しやすく、バーニング(焼け)が生じやすい。そこで、ラップエンドにおける冷却を促進するために、分岐管4aから処理液Lをラップエンドに向けて直接供給するのが好ましい。
なおここでは、分岐管4aを設ける例を示したが、ラップエンド用に独立した撹拌部を設けることもできることは言うまでもない。
以上は気流を供給し処理液ミストを排除する実施形態を示したが、図6に示すように、旋回スクロール20の非処理領域(端板21及びボス部23)に気流を吹き付けることでも、処理液ミストが非処理領域に付着するのを抑制できる。この場合、吐出ポンプ8の代わりに吸引ポンプ11を設け、連結管7を介してフード6の内部を減圧することで、非処理領域への処理液ミストの付着を避けることもできる。
また、複数の旋回スクロール20を1つの処理槽1でアルマイト処理することができる。この場合、複数の旋回スクロール20を覆うように形成されたフードが用いられる。
さらに、以上では旋回スクロールを例に本発明のアルマイト処理を説明したが、本発明はこれに限らず、他のアルミニウム又はアルミニウム合金製のワークを対象としてアルマイト処理を行うことができる。
1a 排出口
2 撹拌部
3 吐出ポンプ
4 供給管
4a 分岐管
5 吸引部
6 フード
6a 通路
6b 作用部
6c かえり
7 連結管
8 吐出ポンプ
9 蓋
10 処理装置
11 吸引ポンプ
20 旋回スクロール
21 端板
22 ラップ壁
23 ボス部
L 処理液
S 液面
Claims (5)
- アルマイト処理を施す処理領域と、前記アルマイト処理を施さない非処理領域と、を有するワークにアルマイト処理を施す方法であって、
前記非処理領域を処理液に浸けることなく、かつ、前記処理領域を処理液に浸けながらアルマイト処理を行いつつ、
前記非処理領域の周囲をフードで覆い、外部から前記フードの内部に気流を供給することで、前記処理液に浸けられていない前記ワークの前記非処理領域の周囲から処理液ミストを排除し、
前記ワークがスクロール型圧縮機の旋回スクロールであり、
前記旋回スクロールのラップ壁が前記処理液に浸けられ、
前記旋回スクロールの端板及びボス部は前記処理液の液面よりも上方に置かれており、
前記フードの裾が、前記端板の周囲を取り囲む、
ことを特徴とするアルマイト処理方法。 - 前記処理領域の周囲における前記処理液の液面に向けて前記気流を導く、内側に突出するかえりを、前記フードの末端部分に設ける、
請求項1に記載のアルマイト処理方法。 - 前記ワークが浸かっている領域を除いて、前記処理液の前記液面に蓋を被せる、
請求項1又は2に記載のアルマイト処理方法。 - 前記処理液を保持する処理槽の上縁に、複数の逆三角形状の窪みを周方向に沿って設ける、
請求項1〜3のいずれか一項に記載のアルマイト処理方法。 - 前記ワークがスクロール型圧縮機の旋回スクロールであり、
前記旋回スクロールのラップ壁を前記処理領域としてアルマイト処理を行う場合、
前記ラップ壁のラップエンドに向けて前記処理液を供給することで、前記ラップエンドの冷却を促進する、
請求項1〜4のいずれか一項に記載のアルマイト処理方法。
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