JP2013170500A - 遠心回転機のインペラの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】放電加工により流路を形成した後、その放電加工面に生じた変質層を湿式研磨で除去するにあたり、うねりを生じさせることなく研磨面を平滑化できるインペラの製造方法を提供すること。
【解決手段】遠心回転機のインペラの製造方法は、気体の入口141から出口142までの流路14を放電加工により形成する流路形成工程と、インペラ10を研磨液に浸漬することで流路14の内壁を湿式研磨する湿式研磨工程と、を備えており、湿式研磨行程では、研磨液を流路14の外部に向けて吸引する第1ノズル20および第2ノズル30が流路14内に挿入される。
【選択図】図3

Description

本発明は、遠心圧縮機などの遠心回転機に使用されるインペラの製造方法に関する。
遠心圧縮機のインペラとして、回転軸に設けられるディスクと、ディスクに対向するカバーと、これらディスクとカバーとの間の空間を仕切る複数のブレードとを備えたものが知られている。
このインペラでは、ディスクおよびカバーの互いの対向面と、隣り合うブレードとで囲まれた部分が、気体を圧縮するための流路となっている。この流路は、インペラの内周側で軸方向に開口した入口から、外周側へと次第に湾曲し、外周端で出口が径方向に開口した複雑な形状を呈している。これまで、このような流路を有するインペラは、通常、ディスク、カバー、およびブレードを二体または三体の部材に分け、これらの部材を溶接することによって製造されている。ところが、溶接を健全に行うためには、技術的困難が伴う。
そこで、一体の素材からインペラを製造することがしばしば行なわれており、この場合に、流路の形成方法として放電加工が採用されている(例えば、特許文献1、2)。放電加工を行うと、被加工物が溶解、凝固を繰り返すため、非常に硬く、かつ多数の割れを伴った変質層が形成される。そこで、特許文献1、2では、この変質層を酸洗により除去している。
また、特許文献3には、放電加工による変質層を酸洗によって除去する際に、攪拌翼を回転させることで酸洗液を攪拌することが記載されている。
特開2010−89190号公報 特開2010−285919号公報 特開平8−300228号公報
しかし、本発明者らの検討によれば、湿式研磨を行うと、図10に示すように、研磨量が他の部分よりも少ない微小なスジ状部91が研磨面90に形成されることを確認した。このスジ状部91の存在により、研磨面90が高さ方向にうねってしまう。このうねりWは、遠心回転される流体の流れを阻害するので圧力損失の原因となる。
本発明は、上述した課題に基づいてなされたものであって、その目的は、放電加工により流路を形成した後、その放電加工面に生じた変質層を湿式研磨で除去するにあたり、うねりを生じさせることなく研磨面を平滑化できるインペラの製造方法を提供することにある。
本発明者らが、上記のうねりWについて探求したところ、湿式研磨に伴う酸化還元反応により生じる水素ガスがうねりWの原因であることが判明した。つまり、水素ガスが気泡となり研磨面(被加工面)に沿って滞留することによって被加工面と研磨液との接触が妨げられた部分の研磨が進まないため、研磨が進んだ部分と進まない部分とが生じる結果、うねりWが発生する。
ここで、特許文献3と同様に、攪拌翼を回転させて研磨液を撹拌したとしても、うねりWの発生を抑制して研磨面の平滑化を図るのに十分ではない。複雑な形状をしたインペラの流路内にまで研磨液の攪拌効果を及ぼすことが難しいためと解される。
そこでなされた本発明の遠心回転機のインペラの製造方法は、インペラに導入される気体の入口から出口までの流路を放電加工により形成する流路形成工程と、インペラを研磨液に浸漬することで流路の内壁を湿式研磨する湿式研磨工程と、を備えている。
そして本発明は、湿式研磨行程において、研磨液を流路の外部に向けて吸引する吸引ノズルを流路内に挿入することを特徴とする。
この発明によれば、吸引ノズルによって研磨液と共に水素ガスが吸引されて流路外に排出される。その上、吸引ノズルを介して研磨液が流路外に向けて吸引、排出されるのに伴って流路内に周囲の研磨液が流入、補充されるので、吸引が行われている限り、流路内の研磨液に流れが生じる。この研磨液流によるエネルギが、流路内壁(放電加工面であり、研磨面)から水素ガスを強制的に離脱させる。したがって、水素ガスによって研磨液と流路内壁との接触が妨げられることなく、流路内壁に研磨液が均一に接触する。これにより、前述したうねりの発生を回避あるいは抑制できるので、流路内壁を平滑化できる。
さらには、流路内壁との酸化還元反応により金属イオン濃度が増加した研磨液が流路外に排出されることにより、それよりも金属イオン濃度の低い新鮮な研磨液に流路内の研磨液が入れ替わるので、湿式研磨を効率良く行える。
そして、本発明によれば、吸引ノズルにより吸引された研磨液の金属イオン濃度の検知、測定を行うことにより、研磨能力が維持されるように研磨液を管理することもできる。
本発明において、「湿式研磨」は、化学研磨および電解研磨の総称として用いる。
なお、吸引ノズルの吸引孔が内壁に対向する位置に設けられていれば、流路内壁に滞留する水素ガスをより確実に吸引して流路外に排出できるので、流路内壁をより平滑化できる。
本発明における湿式研磨工程では、流路内で吸引ノズルを繰り返し移動させることが好ましい。
吸引ノズルが繰り返し移動されると、吸引ノズルの吸引孔が流路内壁に対向する位置が変位するので、流路内壁に対して研磨液を均等に吸引することができる。研磨液と共に水素ガスも均等に吸引されるため、流路内壁をより平滑化できる。
また、移動される吸引ノズルによって流路内の研磨液が攪拌されるため、流路内壁に水素ガスが滞留し難くなる点でも、流路内壁をより平滑化できる。
本発明の遠心回転機のインペラの製造方法において、吸引ノズルは、入口から挿入される第1ノズルと、出口から挿入される第2ノズルとからなることも好ましい。
流路の入口から挿入されるものと、流路の出口から挿入されるものとの2つのノズルを用いることにより、ノズルの形状を流路の形状に対応させることができるので、流路内壁の全体に亘って水素ガスの滞留を抑制できる。ノズルの形状が流路の形状に対応していれば、ノズルの吸引孔が流路内壁の近くに位置することとなるので、流路内壁に滞留する水素ガスを効率良く吸引できる。
本発明の遠心回転機のインペラの製造方法では、湿式研磨として電解研磨を選択する場合、吸引ノズルを電極としても用いることが好ましい。
この発明によれば、研磨液の吸引、排出によって流路内壁への水素ガスの滞留を妨ぐことで流路内壁を平滑化しつつ、別途電極を用意することなく電解研磨を行うことができる。
本発明の遠心回転機のインペラの製造方法によれば、放電加工によって流路内壁に生じた変質層を湿式研磨によって除去する際に、うねりを生じさせることなく研磨面を平滑化できる。
第1実施形態に係る遠心回転機のインペラの平面図である。 インペラの流路に沿った断面図(図1のII−II線矢視図)である。 流路内壁の湿式研磨に用いられる装置の概略構成を示す図である。 湿式研磨に用いられる第1ノズルおよび第2ノズルをインペラの流路と共に示す平面図である。 第2ノズルを示す斜視図である。 単一の吸引ノズルが用いられる例を示す図である。 第1実施形態の変形例における吸引ノズルの平面図である。 第1実施形態の別の変形例における吸引ノズルの平面図である。 第2実施形態で行う電解研磨に用いられる装置の概略構成を示す図である。 研磨面のうねりを模式的に示す斜視図である。
以下、添付図面に示す実施の形態に基づいてこの発明を詳細に説明する。
〔第1実施形態〕
図1および図2に示すインペラ10は、遠心回転機の回転軸に組み付けられる回転体として、遠心圧縮機などの遠心回転機に搭載されるものである。インペラ10は、遠心回転機の回転軸に同軸に設けられる略円盤状のディスク11と、ディスク11に間隔をおいて対向するカバー12と、ディスク11とカバー12との間を仕切り、気体の流路14を形成する複数の羽根形状のブレード13とを主たる構成要素として備えている、これらディスク11、カバー12およびブレード13を備えたインペラ10は、ステンレス鋼などの高強度耐熱合金からなる一体の素材から放電加工により形成されている。
なお、回転軸に沿った回転軸線Cに近い側がインペラ10における内周側であり、遠い側が外周側である。また、以下では、インペラ10を示す図2における上・下に基づいて上・下が定義されるものとする。さらに、図1および図2において、気体は流路14内を矢印Fの向きに流れる。
ディスク11は、回転軸を嵌挿させる軸孔110を有している。ディスク11の表面11aは、外周側から内周側に向かうにつれて次第に上向きに突出するように湾曲している。
ディスク11と同心の円環状とされるカバー12もまた、ディスク11の表面11aの形状に倣って、外周側から内周側に向かうにつれて次第に上向きに突出するように湾曲している。
ブレード13は、互いに対向するディスク11の表面11aとカバー12の裏面12aとの間に、回転軸線Cを中心に放射状に設けられている。このブレード13は、ディスク11の表面11aの形状に倣って湾曲するとともにディスク11の周方向に向けても湾曲している。
隣り合うブレード13の対向する側面13aおよび側面13b、ディスク11の表面11a、およびカバー12の裏面12aによって区画された空間がそれぞれ、遠心回転機に導入される気体の流路14とされている。
この流路14は、径方向および回転軸方向のいずれに対しても湾曲した形状となっており、放電加工(形彫り放電加工)により形成されている。
以上のように構成される回転圧縮機のインペラ10が、図示しない駆動部により回転軸線C周りに回転駆動されると、流路14内に径方向の内周側から外周側へ向かう矢印Fで示される気体の流れが発生するとともに、その気体が回転で生じる遠心力により加速される。これによって、流路14の入口141から吸い込まれた空気が、流路14内で圧縮されて出口142から排出され、図示しない外部機器へと送られる。
上記インペラ10を製造する際には、形彫り放電加工により流路14が形成された後、放電加工されることで流路14の内壁(表面11a、裏面12a、側面13a、側面13b)に生じた変質層を除去する湿式研磨が行われる。
湿式研磨は、図3および図4に示すように、研磨液槽17内の研磨液にインペラ10を浸漬させた状態で行われる。
研磨液槽17は、インペラ10よりも大きい開口を有し、その内部には、インペラ10の上端まで浸漬するのに足りる量の研磨液が入れられている。この研磨液槽17は、図示を省略するが、研磨液が補充される液入口と、研磨液が排出される液出口とを有しており、図示しない液管理装置による制御の下、金属の溶解により劣化した研磨液が新しいものに入れ替えられる。
本実施形態は、研磨液への浸漬により流路14を湿式研磨するにあたり、流路14内に第1ノズル20および第2ノズル30を挿入するとともに、これらの第1ノズル20および第2ノズル30により流路14内の研磨液を吸引して流路14外に排出することに最も大きな特徴を有している。
また、本実施形態では、いずれも導電性材料(例えばカーボン)から形成された第1ノズル20および第2ノズル30が、流路14を形成するための放電加工の電極としても用いられる。ただし、第1ノズル20および第2ノズル30が当該電極として用いられなくてもよい。
第1ノズル20は、流路14の入口141側の形状に倣って湾曲した形状とされている。この第1ノズル20は、ポンプP1が接続される開放端21と、流路14の奥側に挿入される閉塞端22と、ポンプP1が生じさせる吸引力によって減圧される内部空間23と、内部空間23へと研磨液を吸引するための複数の吸引孔25とを有している。なお、この説明からもわかるように、ポンプP1は吸引力を生じさせるものが使用される。ポンプP2も同じである。
一方、第2ノズル30は、流路14の出口142側の形状に倣って湾曲した形状とされている。この第2ノズル30は、ポンプP2が接続される開放端31と、流路14の奥側に挿入される閉塞端32と、ポンプP2が生じさせる吸引力によって減圧される内部空間33と、内部空間33へと研磨液を吸引するための複数の吸引孔35とを有している。
図5に示す第2ノズル30を例にとり、吸引孔35の配置について説明する。第2ノズル30においてカバー12に対向する上面30aには、複数の吸引孔35が流路14に沿って並んでいる。吸引孔35は、本実施形態では第2ノズル30の幅方向の一端側と他端側とに一列ずつ、合計二列で並んでいるが、列数等、具体的な配列形態は任意である。また、噴出孔35は、上面30aにおいて幅方向および長手方向のいずれにもほぼ等間隔で配置されているが、必ずしも等間隔で配置されていなくてもよい。
ディスク11に対向する下面30bにも、上面30aと同様に吸引孔35が配置されている。また、隣り合うブレード13にそれぞれ対向する側面30cおよび側面30dにも、流路14に沿って複数の吸引孔35が配置されている。
上面30a、下面30b、側面30c、および側面30dと、流路14内壁との間には、研磨液をスムーズに流すことができる程度のクリアランス(例えば、約5mm)が存在する。
第1ノズル20の吸引孔25も、第2ノズル30の上面30a、下面30b、側面30c、および側面30dに相当する各面に、吸引孔35と同様に配置されている。流路14内壁とのクリアランスおよび孔径についても吸引孔35と同様に決められている。吸引孔25および吸引孔35は、互いに等しい孔径とされているが、これらは相違していてもよい。
また、第1ノズル20および第2ノズル30にはそれぞれ、図示しない駆動手段が接続されている。これらの駆動手段により、第1ノズル20および第2ノズル30が流路14内に挿入されるとともに、流路14内で流れの前後方向に繰り返し移動される。また、第1ノズル20および第2ノズル30は、必要に応じて流路14の幅方向(インペラ10の周方向)にも繰り返し移動される。本実施形態では、前後方向、幅方向のいずれにも移動させている。
なお、第1ノズル20および第2ノズル30は、手動で移動されてもよい。
本実施形態で使用される研磨液としては、酸、アルカリ、および塩を成分に含むものを用いることができる。化学研磨用の研磨液としては、例えば、Hを8wt%およびNHHFを4wt%含むものを用いることができる。また、後述する電解研磨用の研磨液としては、例えば、リン酸(HPO)を85wt%含むものを用いることができる。ここで例示した研磨液はいずれも炭素鋼に適する。
次に、インペラ10の製造方法を説明する。
なお、製造されたインペラ10を稼動させる際には、インペラ10は任意の姿勢に設置されるが、以下に示す流路形成工程および湿式研磨工程では、インペラ10の回転軸線Cが鉛直方向に沿い、入口141が鉛直方向の上向きとなるようにインペラ10が設置される。
先ず、別途外形が形成された一体の素材を第1ノズル20および第2ノズル30を用いて形彫り放電加工することにより、各流路14を形成する流路形成工程を行う。これにより、ディスク11、カバー12、ブレード13、および流路14を備えたインペラ10が成形される。
本実施形態では、まず入口141から、形成される流路14の奥へと第1ノズル20を送りながら、流路14の入口141側を彫り進め、次いで出口142から、形成される流路14の奥へと第2ノズル30を送りながら、流路14の出口142側を彫り進める。第1ノズル20および第2ノズル30と被加工物の間に電圧を印加して放電させ、放電時の熱で被加工物を溶解させながら電極形状を被加工物に転写すると、入口141から出口142まで連通した流路14が形成される。
なお、第1ノズル20および第2ノズル30は、放電加工用の溶液を加工対象部位に供給するのに用いることもできる。
放電加工面には、前述したように、変質層が形成される。この変質層は、カーボン含有割合が高く、母材よりも硬いために割れ易いので、多くの微小な割れを含む。このような割れが、金属疲労特性を低下させたり、流路14を流れる気体の抵抗となって圧力損失を増大させるおそれがある。
このため、インペラ10の内壁を研磨液に接触させることで、放電加工による変質層を除去する湿式研磨工程(化学研磨工程)を実施する。
湿式研磨工程において、研磨液にインペラ10が浸漬されることにより、流路14内壁に研磨液が接触するので、研磨液の成分と流路14の内壁との酸化還元反応により、流路内壁(放電加工面)の表層から所定の深さまでが溶解されることで変質層が除去される。
このとき発生する水素ガスに対処するために、次のようにして湿式研磨を行う。
まず、第1ノズル20を入口141から流路14内に挿入するとともに、第2ノズル30を出口142から流路14内に挿入する。次いで、ポンプP1を作動させることにより、第1ノズル20を介して流路14内の研磨液を入口141側に向けて連続して吸引して、研磨液を流路14外へと排出するとともに、ポンプP2を作動させることにより、第2ノズル30を介して流路14内の研磨液を出口142側に向けて連続して吸引して、研磨液を流路14外へと排出する。本実施形態では、第1ノズル20および第2ノズル30を流路14内で繰り返し前後方向および幅方向に移動させる。
なお、ここでは第1ノズル20および第2ノズル30を同時に流路14に挿入する例を示したが、第1ノズル20および第2ノズル30を順に流路14に挿入、吸引することを本発明は許容する。第1ノズル20を先に挿入してもよいが、第2ノズル30を先に挿入する方が好ましい。
すなわち、まず第2ノズル30を出口142から流路14内に挿入し、ポンプP2を作動させることにより、研磨液を流路14外へと排出する。この作業を所定時間だけ続けた後に、吸引を停止して、第2ノズル30を流路14から退避させる。次いで、第1ノズル20を入口141から流路14内に挿入し、ポンプP1を作動させることにより、研磨液を流路14外へと排出する。
ここで、研磨に伴って発生する水素ガスの一部は、流路14内壁に滞留せずに浮上し、また、流路14内壁に滞留した水素ガスの一部は脱離等で流路14内壁から離れて浮上する。このため、第2ノズル30、第1ノズル20の順に流路14内に挿入すれば、第2ノズル20を用いる研磨時に浮上した水素ガスもろとも、第1ノズル20を用いる研磨時に吸引できるので、第1ノズル20を先に挿入したために第1ノズル20を用いる研磨時に浮上した水素ガスを第2ノズル30で引き戻すように吸引することとなる場合よりも吸引効率を高くできる。
酸化還元反応に伴って発生する水素ガスは、吸引孔25および吸引孔35から研磨液と共に第1ノズル20および第2ノズル30の内部に吸引されて流路14外へと排出される。
しかも、研磨液が流路14外に排出されると、排出された分だけ流路14内に研磨液槽17の研磨液が流入するので、吸引が続いている間、流路14内には吸引される向きに研磨液の流れが生じる。その研磨液流が持つエネルギにより、水素ガスが流路14の内壁から離脱する。
以上によって、研磨液と流路14内壁との接触が水素ガスによって妨げられずに、研磨液を流路14の内壁に均一に接触させることができるので、流路14の内壁は、図10のようなうねりWが生じることなく平滑化される。
その上、研磨液の排出、流入に伴って流路14内の研磨液が入れ替わることにより、流路14内壁には、未だ金属溶解によって劣化していない研磨能力の高い新鮮な研磨液が常時接触するので、湿式研磨を効率良く行える。
第1ノズル20および第2ノズル30により吸引された研磨液は、液管理装置によって金属イオン濃度が測定される。その金属イオン濃度に基づいて、研磨液槽17内の研磨液が入れ替えられる。
本実施形態では、流路14内で第1ノズル20および第2ノズル30を繰り返し移動させることにより、吸引孔25および吸引孔35が流路14内壁に対向する位置が変位するので、流路14内壁の位置によらず研磨液を均等に吸引することができる。このときに研磨液と共に水素ガスも均等に吸引されるため、流路14内壁をより平滑化できる。
また、移動される第1ノズル20および第2ノズル30によって流路14内の研磨液が攪拌されることにより、流路14の内壁に水素ガスがより滞留し難くなる。
なお、第1ノズル20および第2ノズル30の移動距離(ストローク)は任意である。
上記の湿式研磨工程の後、必要に応じて、例えば機械加工によって外形の仕上げを行う。以上により、インペラ10が完成する。
本実施形態によれば、流路14内壁を湿式研磨するにあたり、流路14内に挿入される第1ノズル20の各吸引孔25および第2ノズル30の各吸引孔35から研磨液を吸引して排出することにより、流路14の内壁を平滑化できる。これにより、インペラ10を用いた遠心回転機は、流路14を流れる気体に対する内壁の抵抗が小さくなるので、圧力損失を低減できる。
本実施形態では2つの第1ノズル20および第2ノズル30を用いる例を説明したが、図6に示すように、本発明は1つの吸引ノズル40を流路14に挿入することによって湿式研磨することもできる。吸引ノズル40は、上記の第2ノズル30と同様に吸引孔35を有しており、入口141から挿入されても、出口142から挿入されてもいずれでもよい。
この吸引ノズル40は、流路14の長さよりも短いものの、その吸引孔35から吸引された研磨液が流路1外に排出され、その分、研磨液が流路14内に流入するので、所定の流速を持つ研磨液流が流路14内に形成される。また、吸引ノズル40の吸引孔35から、研磨液と共に水素ガスが吸引される。
以上により、流路14内壁への水素ガスの滞留を避け、研磨液を流路14の内壁に均一に接触させることができるので、単一の吸引ノズル40を用いても、流路14内壁を平滑化できる。
なお、上述の第1ノズル20、第2ノズル30、および吸引ノズル40に形成される吸引孔は、次に示すように、流路14の各部における流速を考慮の上、その孔径や、単位面積あたりの個数(孔密度)が決められることが好ましい。
流路14において、ブレード13の側面13a側を背、ブレード13の側面13b側を腹と呼ぶと、流路14を流れる研磨液の流速が背よりも腹で大きい。そのため、腹側の方が、背側よりも研磨効率が高いので、水素ガスがより多く発生し、流路14内壁に滞留する水素ガスの量も多くなる。
そこで、腹側で発生する水素ガスを吸引するのに十分な吸引流量が得られるように、図7に示すように、腹側に位置する吸引孔25および吸引孔35の孔径(直径)を大きく設定している。
なお、孔径を大きくする代わりに、図8に示すように、孔密度を大きくすることもできる。孔径や孔密度を大きくすることによって、吸引孔の開口がノズルの各面の単位面積に占める比率(開口密度)を大きくすれば、水素ガスをより確実に吸引して排出できる。
さらに、水素ガスの挙動を考慮の上、吸引孔25および吸引孔35の孔径、単位面積あたりの個数(孔密度)を決めることもできる。水素ガスはディスク11側からカバー12に向けて上昇するので、ディスク11側よりもカバー12側に滞留し易くなる。このため、カバー12側に滞留する水素ガスをより確実に吸引して排出できるように、カバー12に対向するノズル上面に位置する吸引孔25および吸引孔35の孔径や孔密度を大きく設定することも好ましい。
〔第2実施形態〕
次に示す第2実施形態では、電解研磨によって変質層を除去する。電解研磨により、化学研磨では研磨が困難な材質(例えば,オーステナイト系ステンレス鋼、二相(オーステナイト・フェライト)ステンレス鋼など)であっても研磨が可能となる。
本実施形態では、図9に示すように、第1ノズル20および第2ノズル30が電解研磨に用いられる電極も兼ねている。
電極として用いられる第1ノズル20および第2ノズル30は、例えばカーボン等の導電性材料から形成される。そうでなくても、導電性の部材を組み込むことによって、第1ノズル20および第2ノズル30を電極として構成することができる。
なお、吸引孔の孔径が大き過ぎると電流分布が乱れ易くなるので,孔径は適切な大きさに設定する。例えば、孔径を5mmとすれば、流路14内壁を均一に研磨できる。
第1ノズル20および第2ノズル30を流路14内に挿入し、それら第1ノズル20および第2ノズル30とインペラ10との間に電源19によって電圧を印加すると、流路14の内壁の表層が溶解される。これによって流路14内壁が研磨される。
本実施形態によっても、第1ノズル20の吸引孔25および第2ノズル30の吸引孔35から流路14内の研磨液を吸引して流路14外に排出することで水素ガスの滞留を避けることができるので、研磨面を平滑化できる。
上記各実施形態では、流路14の入口141が鉛直方向の上向きとなるようにインペラ10を設置した状態で、流路形成工程および湿式研磨工程を実施したが、それらの工程におけるインペラ10の姿勢は任意である。例えば、各実施形態とは逆に、入口141側が鉛直方向の下向きとなるようにインペラ10を設置してもよい。
以上の説明において、吸引ノズルは複数の吸引孔を有していたが、本発明は、吸引ノズルが単一の吸引孔のみ有する構成をも許容する。その吸引孔から、研磨液と共に水素ガスが吸引されることに加え、吸引により、所定の流速を持つ研磨液流が流路内に形成されるので、水素ガスの滞留が防止される。それによって流路内壁の平滑化を図れる。
上記で述べた以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更することが可能である。
10 インペラ
11 ディスク
12 カバー
13 ブレード
14 流路
19 電源
20 第1ノズル
25 吸引孔
30 第2ノズル
35 吸引孔
40 吸引ノズル
110 軸孔
141 入口
142 出口
P1,P2 ポンプ

Claims (4)

  1. 入口から出口までの流路が形成された遠心回転機のインペラの製造方法であって、
    前記流路を放電加工により形成する流路形成工程と、
    前記インペラを研磨液に浸漬することで前記流路の内壁を湿式研磨する湿式研磨工程と、を備え、
    前記湿式研磨工程では、前記研磨液を前記流路の外部に向けて吸引する吸引ノズルが前記流路内に挿入される、
    ことを特徴とする遠心回転機のインペラの製造方法。
  2. 前記湿式研磨工程では、前記流路内で前記吸引ノズルを繰り返し移動させる、
    請求項1に記載の遠心回転機のインペラの製造方法。
  3. 前記吸引ノズルは、前記入口から挿入される第1ノズルと、前記出口から挿入される第2ノズルと、からなる、
    請求項1または2に記載の遠心回転機のインペラの製造方法。
  4. 前記湿式研磨工程では、前記吸引ノズルを電極として電解研磨を行う、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の遠心回転機のインペラの製造方法。
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