JP5900986B2 - 電子機器 - Google Patents

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Description

この発明は、圧電素子に所定の電気信号(音声信号)を印加することでパネルを振動させ、当該パネルの振動を人体に伝達させることにより気導音と振動音とを利用者に伝える電子機器に関する。
特許文献1には、携帯電話などの電子機器として、気導音と骨導音とを利用者に伝えるものが記載されている。また、特許文献1には、気導音とは、物体の振動に起因する空気の振動が外耳道を通って鼓膜に伝わり、鼓膜が振動することによって利用者の聴覚神経に伝わる音であることが記載されている。また、特許文献1には、骨導音とは、振動する物体に接触する利用者の体の一部(例えば外耳の軟骨)を介して利用者の聴覚神経に伝わる音であることが記載されている。
特許文献1に記載された電話機では、圧電バイモルフ及び可撓性物質からなる短形板状の振動体が、筐体の外面に弾性部材を介して取り付けられる旨が記載されている。また、特許文献1には、この振動体の圧電バイモルフに電圧が印加されると、圧電材料が長手方向に伸縮することにより振動体が湾曲振動し、利用者が耳介に振動体を接触させると、気導音と振動音とが利用者に伝えられることが記載されている。
特開2005−348193号公報
特許文献1に記載の電子機器は、携帯電話などの筐体の外面に振動体が取り付けられる。そのため、筺体に振動板としてのパネルを取り付けた電子機器については何ら検討されていない。
本発明の目的は、パネルを振動させ気導音と振動音とを発生させるタイプの電子機器であって良好に動作する電子機器を提供することにある。
本発明の第1の電子機器は、パネルと、当該パネルの一辺の近傍に貼り付けられている圧電素子と、を備え、前記圧電素子が駆動すると、前記圧電素子が貼り付けられている位置より前記一辺側の位置において、前記圧電素子が貼り付けられている位置より大きく変位するように、前記パネルが曲げられる。
好適には、前記一辺は、前記パネルのなかで最も大きく変位する位置を有する。
好適には、前記最も大きく変位する位置は、前記一辺の中央近傍である。
本発明の第2の電子機器は、筐体と、圧電素子と、パネルと、を備え、前記圧電素子の長手方向において、前記圧電素子の直上がその周囲と比較して最も高く隆起するように、前記圧電素子によって前記パネルが曲げられ、当該パネルに接触している人体の接触部位が振動して音を伝える電子機器において、前記パネルの前記接触領域における前記筐体内部からの圧力が、当該接触領域と異なる領域における前記筐体内部からの圧力より小さい。
本発明の第3の電子機器は、筐体と、圧電素子と、パネルと、を有し、前記圧電素子の長手方向において、前記圧電素子の直上がその周囲と比較して最も高く隆起するように、前記圧電素子によって前記パネルが曲げられ、当該パネルに接触している人体の接触部位が振動して音を伝える電子機器において、前記パネルの前記接触領域に対して前記筺体の内部から接触する第1弾性部材と、前記パネルの前記接触領域と異なる領域に対して前記筺体の内部から接触する第2弾性部材と、を備え、前記第1弾性部材は、前記第2弾性部材より変形しやすい。
本発明の第4の電子機器は、筐体と、圧電素子と、パネルと、を有し、前記圧電素子の長手方向において、前記圧電素子の直上がその周囲と比較して最も高く隆起するように、前記圧電素子によって前記パネルが曲げられ、当該パネルに接触している人体の接触部位が振動して音を伝える電子機器において、前記パネルの前記接触領域と異なる領域に対して前記筺体の内部から接触する弾性部材と、を備え、前記弾性部材は、前記接触領域には配置されない。
好適には、前記筺体の内部に配置される内部部材をさらに備え、前記第1弾性部材は、前記パネルと前記内部部材との間に配置される。
好適には、前記第1弾性部材は、前記内部部材の外周部に沿って配置される。
好適には、前記第1弾性部材により、前記パネルと前記内部部材とで形成される空間に水又は塵が侵入することが低減される。
本発明の第5の電子機器は、筐体と、圧電素子と、パネルと、を有し、前記圧電素子の長手方向において、前記圧電素子の直上がその周囲と比較して最も高く隆起するように、前記圧電素子によって前記パネルが曲げられ、当該パネルに接触している人体の接触部位が振動して音を伝える電子機器において、前記筺体の内部に配置される内部部材と、前記パネルと前記内部部材との間に配置される弾性部材と、を備え、前記パネルは、前記圧電素子が搭載される搭載領域を有し、前記パネルと前記内部部材とは、前記弾性部材の前記搭載領域に近い側に位置する部分が前記弾性部材の前記搭載領域から遠い側に位置する部分よりも弱く圧縮されるよう相対的に傾いて配置される。
好適には、前記パネルは、人間の耳の対耳輪下脚から対耳珠までの間の距離に相当する長さと、耳珠から対耳輪までの間の距離に相当する幅とを有する領域よりも広い領域が振動する。
好適には、前記パネルは、表示パネル、操作パネル、カバーパネル、充電池を取り外し可能とするためのリッドパネルのいずれかの一部または全部を構成する。
好適には、前記パネルが表示パネルのとき、前記圧電素子は、当該表示機能のための表示領域の外側に配置されている。
好適には、前記パネルは、当該パネルのいずれの箇所においても気導音と振動音とを伝えるための変形が発生する。
好適には、前記パネルは、その振動領域において、当該パネルの主面と交差する方向に振動する箇所を複数有し、当該箇所の各々において、前記振動の振幅の値が時間とともにプラスからマイナスに、あるいはその逆に変動する。
本発明によれば、パネルを振動させ気導音と振動音とを発生させるタイプの電子機器において、筐体からパネルに作用する圧力が考慮された電子機器を提供することが可能となる。
本発明の一実施形態に係る電子機器の機能ブロックを示す図である。 パネルの好適な形状を示す図である。 接触領域について説明する図である。 第1の実施形態に係る電子機器の実装構造を示す図である。 パネルの支持構造について説明する図である。 支持部材について説明する図である。 電子機器の第1の態様を示す図である。 支持部材の例を示す図である。 電子機器の第2の態様を示す図である。 支持部材の例を示す図である。 支持部材の別の例を示す図である。 第1の実施形態におけるパネルの周波数特性を示す図である。 第1の実施形態に係る電子機器のパネルの振動の一例を示す図である。 第2の実施形態に係る電子機器の実装構造を示す図である。 パネルと筐体との接合例を示す図である。
以降、諸図面を参照しながら、本発明の実施態様を詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る電子機器1の機能ブロックを示す図である。電子機器1は、例えば携帯電話(スマートフォン)であって、パネル10、表示部20、圧電素子30、入力部40、制御部50を備える。
パネル10は、接触を検出するタッチパネル、または表示部20を保護するカバーパネル等である。パネル10は、例えばガラス、またはアクリル等の合成樹脂により形成される。パネル10の形状は板状であるとよい。パネル10は、平板であってもよいし、表面が滑らかに傾斜する曲面パネルであってもよい。パネル10は、タッチパネルである場合、利用者の指、ペン、又はスタイラスペン等の接触を検出する。タッチパネルの検出方式は、静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(又は超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、及び荷重検出方式等の任意の方式を用いることができる。
表示部20は、液晶ディスプレイ、有機ELディスプレイ、又は無機ELディスプレイ等の表示デバイスである。表示部20は、パネル10の背面に設けられる。表示部20は、パネル10の背面に配設される。表示部20は、パネル10と離間して配設され、電子機器1の筐体により支持される。
圧電素子30は、電気信号(電圧)を印加することで、構成材料の電気機械結合係数に従い伸縮または湾曲する素子である。これらの素子は、例えばセラミック製や水晶からなるものが用いられる。圧電素子30は、ユニモルフ、バイモルフまたは積層型圧電素子であってよい。積層型圧電素子には、バイモルフを積層した(例えば16層または24層積層した)積層型バイモルフ素子が含まれる。積層型の圧電素子は、例えばPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)からなる複数の誘電体層と、該複数の誘電体層間に配置された電極層との積層構造体から構成される。ユニモルフは、電気信号(電圧)が印加されると伸縮し、バイモルフは、電気信号(電圧)が印加されると湾曲する。
圧電素子30は、パネル10の背面(電子機器1の内部側の面)に配置される。圧電素子30は、接合部材(例えば両面テープ)によりパネル10に取り付けられる。圧電素子30は、中間部材(例えば板金)を介してパネル10に取り付けられてもよい。圧電素子30は、パネル10の背面に配置された状態で、筐体60の内部側の表面と所定の距離だけ離間している。圧電素子30は、伸縮または湾曲した状態でも、筐体60の内部側の表面と所定の距離だけ離間しているとよい。すなわち、圧電素子30と筐体60の内部側の面との間の距離は、圧電素子30の最大変形量よりも大きいとよい。
入力部40は、利用者からの操作入力を受け付けるものであり、例えば、操作ボタン(操作キー)から構成される。なお、パネル10がタッチパネルである場合には、パネル10も利用者からの接触を検出することにより、利用者からの操作入力を受け付けることができる。
制御部50は、電子機器1を制御するプロセッサである。制御部50は、圧電素子30に所定の電気信号(音声信号に応じた電圧)を印加する。制御部50が圧電素子30に対して印加する電圧は、例えば、振動音ではなく気導音による音の伝導を目的とした所謂パネルスピーカの印加電圧である±5Vよりも高い、±15Vであってよい。これにより、利用者が3N以上の力(例えば5N〜10Nの力)で自身の体にパネル10を押し付けた場合であっても、パネル10に十分な振動を発生させ、利用者の体の一部を介する振動音を発生させることができる。尚、どの程度の印加電圧を用いるかは、パネル10の筐体または支持部材に対する固定強度もしくは圧電素子30の性能に応じて適宜調整可能である。
制御部50が圧電素子30に電気信号を印加すると、圧電素子30は長手方向に伸縮または湾曲する。このとき、圧電素子30が取り付けられたパネル10は、圧電素子30の伸縮または湾曲にあわせて変形し、パネル10が振動する。このため、パネル10は、気導音を発生させるとともに、利用者が体の一部(例えば外耳の軟骨)を接触させた場合、体の一部を介する振動音を発生させる。制御部50は、例えば通話相手の音声に係る音声信号に応じた電気信号を圧電素子30に印加させ、その音声信号に対応する気導音及び振動音を発生させることができる。音声信号は、着信メロディ、または音楽を含む楽曲等に係るものであってもよい。なお、電気信号にかかる音声信号は、電子機器1の内部メモリに記憶された音楽データに基づくものでもよいし、外部サーバ等に記憶されている音楽データがネットワークを介して再生されるものであってもよい。
パネル10は、圧電素子30が取り付けられた取付領域だけでなく、取付領域から離れた領域も振動する。パネル10は、振動する領域において、当該パネル10の主面と交差する方向に振動する箇所を複数有し、当該複数の箇所の各々において、振動の振幅の値が、時間とともにプラスからマイナスに、あるいはその逆に変化する。パネル10は、ある瞬間において、振動の振幅が相対的に大きい部分と振動の振幅が相対的に小さい部分とが一見パネル10の略全体にランダムにあるいは周期的に分布した振動をする。即ちパネル10全域にわたって、複数の波の振動が検出される。利用者が例えば5N〜10Nの力で自身の体にパネル10を押し付けた場合であっても、パネル10の上述したような振動が減衰しないためには、制御部50が圧電素子30に対して印加する電圧は、±15Vであってよい。そのため、利用者は、上述したパネル10の取付領域から離れた領域に耳を接触させて音を聞くことができる。
ここで、パネル10は、利用者の耳とほぼ同じ大きさであってよい。また、パネル10は、図2に示すように、利用者の耳よりも大きいものであってもよい。この場合、利用者が音を聞く際、電子機器1のパネル10により耳全体が覆われやすいことから、周囲音(ノイズ)を外耳道に入りにくくできる。パネル10は、例えば、対耳輪下脚(下対輪脚)から対耳珠までの間の距離に相当する長さと、耳珠から対耳輪までの間の距離に相当する幅とを有する領域よりも広い領域が耳と接触することが想定される(または接触する)。以下、パネル10において人体の一部(例えば耳)の接触が想定される領域を接触領域という。パネル10は、少なくともこの接触領域が振動すればよい。パネル10は、好ましくは、耳輪における対耳輪上脚(上対輪脚)近傍の部位から耳垂までの間の距離に相当する長さと、耳珠から耳輪における対耳輪近傍の部位までの間の距離に相当する幅を有する接触領域が振動すればよい。ここで、長さ方向は、この例ではパネル10が延在する長手方向2aであり、その中心から一方の端部寄りに圧電素子30が配置される。また、幅方向は、長手方向と直交する方向2bである。かかる長さおよび幅を有する接触領域は、長方形状の領域であってもよいし、上記の長さを長径、上記の幅を短径とする楕円形状であってもよい。日本人の耳の平均的な大きさは、社団法人 人間生活工学研究センター(HQL)作成の日本人の人体寸法データベース(1992−1994)等を参照すれば知ることができる。尚、パネル10が日本人の耳の平均的な大きさ以上の大きさであれば、パネル10は概ね外国人の耳全体を覆うことができる大きさであると考えられる。
上記のような寸法や形状の接触領域を有することで、パネル10は、ユーザーの耳を覆うことができ、耳に当てたときの位置ずれに対して寛容になる。なお、接触領域は、図3に示すように、最小でも圧電素子30の下端部からパネル10の長手方向2aの中点までの領域11を含むものとする。以下では、かかる領域11を接触領域として説明する。接触領域は、パネル10において圧電素子30が搭載される搭載領域と一部が重なってもよい。接触領域は、搭載領域全体を含んでもよい。
上記の電子機器1は、パネル10の振動により、気導音と、利用者の体の一部(例えば外耳の軟骨)を介する振動音とを利用者に伝えることができる。そのため、従来のダイナミックレシーバと同等の音量の音を出力する場合、パネル10が振動することで空気の振動により電子機器1の周囲へ伝わる音は、ダイナミックレシーバと比較して少ない。したがって、例えば録音されたメッセージを電車内等で聞く場合等に適している。
また、上記の電子機器1は、パネル10の振動によって振動音を伝えるため、例えば利用者がイヤホンまたはヘッドホンを身につけていても、それらに電子機器1を接触させることで、利用者はイヤホンまたはヘッドホンおよび体の一部を介して音を聞くことができる。
上記の電子機器1は、パネル10の振動により利用者に音を伝える。そのため、電子機器1が別途ダイナミックレシーバを備えない場合、音声伝達のための開口部(放音口)を筐体に形成する必要がなく、電子機器1の防水構造が簡略化できる。尚、電子機器1がダイナミックレシーバを備える場合、放音口は、気体は通すが液体は通さない部材によって閉塞されるとよい。気体は通すが液体は通さない部材は、例えばゴアテックス(登録商標)である。
(第1の実施形態)
図4は第1の実施形態に係る電子機器1の実装構造を示す図である。図4(a)は正面図、図4(b)は図4(a)におけるb−b線に沿った断面図である。図4に示す電子機器1はパネル10としてガラス板であるタッチパネルが筐体60(例えば金属や樹脂のケース)の前面に配されたスマートフォンである。
パネル10は支持部材42により表示部20に支持され、表示部20は接合部材44により筐体60のインサート板金46に接合されて支持される。支持部材42は、たとえばスポンジなどの発泡性の弾性部材である。支持部材42によって、パネル10と表示部20との間に水や塵が侵入することを低減できる。また、接合部材44は、たとえば両面テープや接着材である。また、入力部40は筐体60に支持される。圧電素子30は、接合部材70によりパネル10に接着されている。接合部材70は、熱硬化性あるいは紫外線硬化性等を有する接着剤や両面テープ等であり、例えば無色透明のアクリル系紫外線硬化型接着剤である光学弾性樹脂でもよい。パネル10、表示部20および圧電素子30は、それぞれ略長方形状である。
表示部20は、パネル10の短手方向におけるほぼ中央に配置される。圧電素子30は、パネル10の長手方向の端部から所定の距離だけ離間して、当該端部の近傍に、圧電素子30の長手方向がパネル10の短辺に沿うように配置される。表示部20と圧電素子30とは、パネル10の内部側の面に平行な方向において並んで配置される。
ここで、図5を用いて、パネル10の支持構造について説明する。図5には、電子機器1のパネル部分の分解図が模式的に示される。筐体60には、アルミニウムなどのインサート板金46が挿入されて固定される。インサート板金46には接合部材44が積層して取り付けられる。接合部材44は、ここでは、両面テープであり、その上に積層される表示部20の外周に沿って配設される。表示部20は、接合部材44によりインサート板金46に接合される。表示部20には、その外周に沿って支持部材42が配設される。ここでは、支持部材42は、スポンジである。そして、支持部材42に、パネル10が積層して取り付けられる。なお、支持部材42と表示部20、支持部材42とパネル10は、それぞれ接着材等で接着される。なお、パネル10には、表示部20(支持部材42)と重複しない位置に、圧電素子30が取り付けられる。
支持部材42は、スポンジなどの発泡性の弾性部材である。支持部材42は、例えば、高密度で均一なセル構造を持つマイクロセルポリマーシート(マイクロセルウレタンフォーム)である。このマイクロセルポリマーシートは、例えばPET基材に発泡体が支持されて構成される。発泡体の発泡構造は、例えば独立発泡構造であるが、これに限られるものではない。
図6は、支持部材42について説明する図である。図6には、筐体60における支持部材42の配置が示される。パネル10は、支持部材44を介して筐体60からの圧力が作用する。たとえば、図6(a)に示すX−Xの部分断面図において、背面側から順に、筐体60、インサート板金46、接合部材44、表示部20、支持部材42、パネル10という積層構造を通じ、パネル10には支持部材42を介して筐体60からの圧力が作用する。すると、圧電素子30によるパネル10の振動は、パネル10の長手方向にそって接触領域11へ伝わる際、圧電素子30の近傍に配置された支持部材42から圧力を受ける部分で減衰する。そこで、第1の実施形態では、パネル10の接触領域11における筐体60からの圧力が、接触領域11と異なるその他の領域、たとえば、パネル10の下方の領域11´における筐体60からの圧力より小さいことを特徴とする。領域11´における筐体60からの圧力は、たとえば、領域11´において支持部材42を介して筐体60から作用する圧力である。そうすることで、振動が減衰しすぎることを防止し、パネル10の気導音や振動音において良好な音圧を得ることができる。以下、具体的な態様について説明する。
[第1の態様]
図7は、第1の態様を示す図である。第1の態様では、電子機器100は、接触領域11と異なるその他の領域11´でパネル10を支持する支持部材42を有し、接触領域11では支持部材42以上の弾性力によりパネル10を支持する支持部材を有さない。たとえば、図7(a)、(b)に示すように、接触領域側11において支持部材42の一部を設けない。好適には、図7(a)に示すように、圧電素子30に最も近い上端部の一辺を省略することが可能である。あるいは、図7(b)に示すように、上端部の一辺の一部を省略することも可能である。省略される部分の位置はここに示す例に限られないが、圧電素子30に最も近い部分であることが好ましい。また、その長さは、圧電素子30の長手方向の長さ以上であることが好ましい。そうすることで、圧電素子30からの振動を減衰させる筐体60からの圧力を低減できる。また、支持部材42の上端部の一辺またはその一部を省略しても、残りの部分を介してパネル10と表示部20とを接合するので、支持部材42の全体的な内圧は、電子機器100を落下したときの衝撃から表示部20のLCDを保護するために必要な程度に保たれる。
また、たとえば、図7(c)、(d)に示すように、接触領域側11において支持部材42より変形しやすい支持部材42bによりパネル11を支持する。たとえば、支持部材42bは、例えば、支持部材42に用いられるスポンジより変形しやすいスポンジが適宜用いられる。支持部材42bは、例えば、ポリオレフィン系発泡体から成る薄層クリーンフォームである。変形のしやすさは、例えば、JIS規格に準拠したスプリング式硬さ試験機又は針入度計で測定されるものである。支持部材42bは、支持部材42より変形しやすければよく、上記の薄層クリーンフォームに限られない。支持部材42bは、支持部材42と同じマイクロセルポリマーシートであって、支持部材42よりも薄いものであってもよい。
好適には、図7(c)に示すように、圧電素子30に最も近い上端部の一辺に支持部材42bを適用することが可能である。あるいは、図7(d)に示すように、上端部の一辺の一部に適用してもよい。適用される部分の位置はここに示す例に限られないが、圧電素子30に最も近い部分であることが好ましい。また、その長さは、圧電素子30の長手方向の長さ以上であることが好ましい。そうすることで、圧電素子30からの振動を減衰させる筐体60からの圧力を低減できる。なお、図7(c)、(d)の態様は、図7(a)、(b)と比べた場合、パネル10と表示部20との間への異物の侵入を防止する上で有利である。
さらに、たとえば図8(a)に示すように、支持部材42に、接触領域11に対応する部分を除いて剛性部材42cを積層してもよい。剛性部材42cは、たとえば支持部材42に重畳する寸法を有し、上端部の一辺を省略した「コ」の字型のPETシートである。剛性部材42cが積層された部分では、パネル10を取り付けたときに支持部材42が剛性部材42cの厚みの分圧縮され、支持部材42cの内圧が相対的に高くなる。その一方で、領域11´の剛性部材42cが積層されない部分では、内圧が相対的に低くなる。そのため、接触領域11の圧電素子30の近傍において筐体60からの圧力を低減でき、パネル10の振動が阻害されにくくなる。
あるいは、図8(b)に示すように、支持部材42を全体的に用いつつ、接触領域11付近の圧電素子30近傍に、剛性部材42dを設置(接着)してもよい。剛性部材42dは、たとえば、PETシートの切片である。剛性部材42dの寸法は、たとえば、圧電素子30の短手方向の長さを一辺とする矩形形状である。また、その厚さは、剛性部材42dがパネル10を支持することで、接触領域11における支持部材42の内圧が、その他領域11´での内圧と比べて相対的に低下する程度が好ましい。また、PETシート等を付加する代わりに、筐体60側、たとえばインサート板金に凸部を成型して剛性部材を形成してもよい。かかる剛性部材を設けることで、圧電素子30からの振動を減衰させる筐体60からの圧力を低減できる。図8(b)に示すように、パネル10と筺体60との間に剛性部材42dを配置する場合には、パネル10と剛性部材42dとの間にスポンジ又は両面テープ等の弾性部材を配置することが好ましい。これにより、パネル10が振動する際にパネル10と剛性部材42dとが接触することに起因する音のビリつきを低減できる。
[第2の態様]
図9は、第2の態様における電子機器1の長手方向における断面図を模式的に示す。第2の態様では、筐体60は、内部部材(表示部20)に対しパネル10を支持する弾性部材(支持部材42)を有し、接触領域11における表示部20と筐体60との距離d90が、その他の領域11´におけるパネル10と筐体60との距離d92より小さいことを特徴とする。そうすることで、パネル10を取り付けたときに、接触領域11ではその他領域11´より支持部材42、つまりスポンジを圧縮する圧力が弱くなり、反作用として支持部材42からパネル10に作用する圧力を弱くできる。よって、圧電素子30からの振動を減衰させる筐体60からの圧力を低減できる。なお、本第2の態様において、支持部材の厚さは一定であるとする。
具体的には、内部部材(表示部20)は、その他領域11´で表示部20がパネル10に向かって傾斜するように、筐体60(具体的には筐体60に固定されるインサート板金46)に対し表示部20を支持する支持部材22を有する。かかる支持部材22の作用で、その他領域11´において表示部20がパネル10に向かって傾斜するとともに支持部材42を圧縮する。
図10は、支持部材22の具体例を示す図である。図10には、表示部20に対応するLCD(Liquid Crystal Display)モジュールの構造例が、正面図及び両側面図により示される。表示部20は、支持部材22に対応するツメ部22_1〜22_4を有する。ツメ部22_1〜22_4は、インサート板金46に対し表示部20の側面部で当接し、インサート板金46から表示部20を離間させる。ここで、接触領域11に対応するツメ部22_1、22_2の高さより、その他領域11´に対応するツメ部22_3、22_4の高さの方が高い。そうすることで、インサート板金46に対する表示部20の距離を、接触領域11よりその他領域11´の方で大きくすることができる。よって、その他領域11´において表示部20がパネル10に向かって傾斜するとともに支持部材42を圧縮することができる。
なお、ツメ部22_1〜22_4をLCDモジュールの上端部や下端部に設けずに側面部に設けたことで、パネル10の長手方向に振動が伝わるときにその影響で各ツメ部がビリつくことを低減できる。
図11は、支持部材22の別の具体例を示す図である。図11には、表示部20をインサート板金46に接合する接合部材44の例が、筐体60の平面図により模式的に示される。ここでは、接合部材44は、ある程度の厚みを有する両面テープである。たとえば、図11(a)に示すように、接触領域側11において接合部材44の一部、好適には、圧電素子30に最も近い上端部の一辺が省略される。さらに好適には、図11(b)に示すように、接触領域側11において、接合部材44の代わりにより薄い両面テープである接合部材44bが用いられる。そうすることで、インサート板金46に対する表示部20の距離を、接触領域11よりその他領域11´の方で大きくすることができる。よって、その他領域11´において表示部20がパネル10に向かって傾斜し、パネル10を取り付けたときに支持部材42を圧縮することができる。
パネル10と表示部20とを相対的に傾けるための構成は、上述のものに限られない。例えば、筺体60においてパネル10が取り付けられる部分(筺体60の外周を成す壁部)の高さを、筺体60の底面からの高さが、パネル10において圧電素子30が搭載される側の端部から反対側の端部にかけて漸次低くなるように形成する。そして、筺体60の底面と平行に表示部20を配置し、パネル10を筺体60の壁部に配置することでパネル10と表示部20とを相対的に傾けることができる。
図12は、第1の実施形態におけるパネル10の周波数特性を示す図である。図12では、パネル10に均等な圧力が作用する場合の周波数特性121との比較において、接触領域での筐体からの圧力を弱めた場合のパネル10の周波数特性122が示される。横軸は周波数を、縦軸は音圧を示す。図示するように、接触領域での筐体からの圧力を弱めた場合の方が、音圧特性が周波数の全域において改善される。
また、図13は、第1の実施形態に係る電子機器1のパネル10の振動の一例を示す図である。図13では、パネル10に均等な圧力が作用する場合(図13(a))との比較において、接触領域での筐体からの圧力を弱めた場合(図13(b))のパネル10の振動の例が示される。パネル10に筐体から均等な圧力が作用する場合、パネル10の下部は、圧電素子30が取り付けられたパネル10の上部に比して振動しにくくなる。一方、接触領域での筐体からの圧力を弱めた場合には、圧電素子30が取り付けられた取付領域だけでなく、取付領域から離れた領域も振動する。たとえば、ここでは、パネル10の長手方向2aにわたって、振動が図13(a)の場合ほど減衰せずに伝わる様子が示される。このため、利用者は、空気を介する気導音に加え、パネル10の任意の位置に耳を接触させて振動音を聞くことができる。
このように、本実施形態に係る電子機器1によれば、パネル10の背面に取り付けられた圧電素子30の変形に起因してパネル10が変形し、当該変形するパネル10に接触する対象物に対して気導音と振動音とを伝える。これにより、振動体を筐体60の外面に突出させることなく気導音と振動音とを利用者に伝えることができるため、筐体に比べて非常に小さな振動体を人体に接触させる特許文献1に記載の電子機器よりも使い勝手が向上する。また、圧電素子自体に利用者の耳を当てる必要がないので圧電素子30そのものが破損しにくい。また、パネル10ではなく筐体60を変形させる場合には、振動を発生させる際に、利用者が端末を落としてしまいやすいのに対して、パネル10を振動させた場合には、このようなことが起きにくい。
また、圧電素子30はパネル10に接合部材70により接合されている。これにより、圧電素子30の変形の自由度を阻害しにくい状態で圧電素子30をパネル10に取り付けることができる。また、接合部材70は、非加熱型硬化性の接着剤とすることができる。これにより、硬化時に、圧電素子30とパネル10との間に熱応力収縮が発生しにくいという利点がある。また、接合部材70は、両面テープとすることができる。これにより、圧電素子30とパネル10との間に接着剤使用時のような収縮応力がかかりにくいという利点がある。
(第2の実施形態)
図14は第2の実施形態に係る電子機器1の実装構造を示す図である。図14(a)は正面図、図14(b)は図14(a)におけるb−b線に沿った断面図、図14(c)は図14(a)におけるc−c線に沿った断面図である。図14に示す電子機器1はパネル10として表示部20を保護するカバーパネル(アクリル板)が上側の筐体60の前面に配された折りたたみ式の携帯電話である。第2の実施形態では、パネル10と圧電素子30との間には、補強部材80が配置される。補強部材80は、例えば樹脂製の板、板金またはガラス繊維を含む樹脂製の板である。すなわち、第2の実施形態に係る電子機器1は、圧電素子30と補強部材80とが接合部材70により接着され、さらに補強部材80とパネル10とが接合部材70により接着される構造である。
また、第2の実施形態では、表示部20は、筐体60によって支持されている。すなわち、第2の実施形態に係る電子機器1は、表示部20と筐体60の一部である支持部90とが接合部材70により接着される構造である。支持部90は、筐体60の一部としての構成に限定されず、金属や樹脂等により筐体60から独立した部材として構成することが可能である。
かかる構造の場合も、パネル10の取付けにおいて、第1の実施形態における第1、第2の態様を適用することができる。そうすることで、パネル10の接触領域における音圧特性を改善できる。
このように、第2の実施形態に係る電子機器1によれば、パネル10に補強部材80を介して取り付けられた圧電素子30の変形に起因して補強部材80およびパネル10が変形し、当該変形するパネル10に接触する対象物に対して気導音と振動音とを伝える。これにより、振動体自体を耳に当てることなく気導音と振動音とを利用者に伝えることができる。また、圧電素子30は、パネル10の筐体60内部側の面に取り付けられる。このため、振動体を筐体60の外面に突出させることなく気導音と振動音とを利用者に伝えることができる。また、パネル10は、圧電素子30が取り付けられた取付領域だけでなく、パネル10のいずれの箇所においても気導音と振動音とを伝えるための変形が発生する。このため、利用者は、空気を介する気導音に加え、パネル10の任意の位置に耳を接触させて振動音を聞くことができる。
また、圧電素子30とパネル10との間に補強部材80を配置することで、例えばパネル10に外力が加わった場合に、その外力が圧電素子30に伝達され圧電素子30が破損する可能性を低減することができる。また、人体にパネル10を強く接触させても、パネル10の振動が減衰しにくくできる。また、圧電素子30とパネル10との間に補強部材80を配置することで、パネル10の共振周波数が下がり、低周波帯域の音響特性が向上する。なお、補強部材80に換えて、板状の錘を接合部材70により圧電素子30に取り付けてもよい。
本発明を諸図面や実施例に基づき説明してきたが、当業者であれば本開示に基づき種々の変形や修正を行うことが容易であることに注意されたい。従って、これらの変形や修正は本発明の範囲に含まれることに留意されたい。例えば、各部材、各ステップなどに含まれる機能などは論理的に矛盾しないように再配置可能であり、複数の構成部やステップなどを1つに組み合わせたり、或いは分割したりすることが可能である。
例えば、図15に示すとおり、パネル10が筐体60に接合部材70により接合されている構成としても良い。このように、筐体60にパネル10からの振動がダイレクトに伝わりにくくすることで、筐体自体が大きく振動する場合と比較して、ユーザーが電子機器1を落としてしまう恐れを低減できる。また、接合部材70は、非加熱型硬化性の接着剤とすることができる。これにより、硬化時に、筐体60とパネル10との間に熱応力収縮が発生しにくいという利点がある。また、接合部材70は、両面テープとすることができる。これにより、筐体60とパネル10との間に接着剤使用時のような収縮応力が発生しにくいという利点がある。
例えば、パネル10と表示部20とが重畳しない構成である場合、圧電素子30は、パネル10の中央に配設されてもよい。圧電素子30がパネル10の中央に配設された場合、圧電素子30の振動がパネル10全体に均等に伝わり、気導音の品質を向上させたり、利用者が耳をパネル10の様々な位置に接触させても振動音を認識させたりすることができる。なお、上述の実施形態と同様に、圧電素子30は複数個搭載してもよい。
また、上記の電子機器1においては、圧電素子30はパネル10に貼り付けられているが、パネル10と異なる場所に取り付けられてもよい。例えば、圧電素子30は、筐体60に取り付けられてバッテリを覆うバッテリリッドに貼り付けられてもよい。バッテリリッドは携帯電話機等の電子機器1においてパネル10と異なる面に取り付けられることが多いため、そのような構成によれば、利用者はパネル10と異なる面に体の一部(例えば耳)を接触させて音を聞くことができる。
また、パネル10は、表示パネル、操作パネル、カバーパネル、充電池を取り外し可能とするためのリッドパネルのいずれかの一部または全部を構成することができる。特に、パネル10が表示パネルのとき、圧電素子30は、表示機能のための表示領域の外側に配置される。これにより、表示を阻害しにくいという利点がある。操作パネルは、第1実施
形態のタッチパネルを含む。また、操作パネルは、例えば折畳型携帯電話において操作キーのキートップが一体に形成され操作部側筐体の一面を構成する部材であるシートキーを含む。
なお、第1の実施形態および第2の実施形態では、パネル10と圧電素子30とを接着する接合部材およびパネル10と筐体60とを接着する接合部材等を同一の符号を有する接合部材70として説明した。しかしながら、第1実施形態および第2実施形態で用いられる接合部材は、接合する対象である部材に応じて適宜異なるものが用いられてよい。
上述した実施形態をまとめると、次の付記のとおりとなる。
(付記1)
筐体と、
圧電素子と、
前記筐体に取り付けられ、人体の一部と接触する接触領域を有し、前記圧電素子により振動して気導音と前記人体の一部を振動させて伝える振動音とを発生させるパネルとを有し、
前記パネルの前記接触領域における前記筐体からの圧力が、当該接触領域と異なるその他の領域における前記筐体からの圧力より小さいことを特徴とする、
電子機器。
(付記2)
付記1において、
前記筐体は、前記その他の領域で前記パネルを支持する第1の支持部材を有し、前記接触領域で前記第1の支持部材以上の弾性力により前記パネルを指示する支持部材を有さない、電子機器。
(付記3)
付記2において、
前記筐体は、前記接触領域で前記第1の支持部材より小さい弾性力により前記パネルを支持する第2の支持部材を有する、電子機器。
(付記4)
付記2において、
前記筐体は、前記接触領域で前記第1の支持部材と第1の剛性部材とにより前記パネルを支持し、前記その他の領域で前記第1の支持部材により前記パネルを支持する、電子機器。
(付記5)
付記4において、
前記筐体は、前記その他の領域で前記第1の支持部材と前記第1の剛性部材より厚みが小さい第2の剛性部材とにより前記パネルを支持する、電子機器。
(付記6)
付記1において、
前記筐体は、当該筐体内の内部部材に対し前記パネルを支持する弾性部材を有し、
前記接触領域における前記内部部材と前記筐体との距離が、前記その他の領域における前記内部部材と前記筐体との距離より大きいことを特徴とする、電子機器。
(付記7)
付記6において、
前記内部部材は、前記その他領域で当該内部部材が前記パネルに向かって傾斜するように前記筐体に対し当該内部部材を支持する支持部材を有する、電子機器。
(付記8)
付記1乃至7のいずれかにおいて、
前記接触領域は、対耳珠から対耳輪下脚までの長さ以上の距離と、耳珠から対耳輪までの長さ以上の距離とを有する、電子機器。
(付記9)
付記1乃至8のいずれかにおいて、
前記パネルは、その全域が振動する、電子機器。
(付記10)
付記1乃至9のいずれかにおいて、
前記圧電素子は、前記パネルにおける表示部との重複領域の外側に配置される電子機器。
1 電子機器
10 パネル
20 表示部
30 圧電素子
40 入力部
42 支持部材
44 接合部材
46 インサート板金
50 制御部
60 筐体
70 接合部材
80 補強部材
90 支持部

Claims (7)

  1. 筐体と、
    長尺状の圧電素子と、
    前記圧電素子が取り付けられる領域を含む接触領域を有し、自身が前記筐体に取り付けられ、前記圧電素子により振動し、気導音と、前記人体の一部を振動させて伝える振動音とを発生させるパネルとを有し、
    前記圧電素子の長辺方向において該圧電素子の直上がその周囲と比較して最も高く隆起するように、前記圧電素子によって前記パネルが曲げられ、当該パネルに接触する前記接触領域が振動して音を伝えるとともに、
    前記パネルの前記接触領域における前記筐体内部からの圧力が、当該接触領域と異なる領域における前記筐体内部からの圧力より小さく、
    且つ前記接触領域は、前記パネルの表面上の領域を2分したときにおける前記圧電素子が取り付けられた側であり、前記異なる領域は、圧電素子が取り付けられていない側の領域である
    電子機器。
  2. 筐体と、
    長尺状の圧電素子と、
    前記圧電素子が取り付けられる領域を含む接触領域を有し、自身が前記筐体に取り付けられ、前記圧電素子により振動し、気導音と、前記人体の一部を振動させて伝える振動音とを発生させるパネルと、
    前記パネルの前記接触領域に対して前記筺体の内部から接触する第1弾性部材と、
    前記パネルの前記接触領域と異なる領域に対して前記筺体の内部から接触する第2弾性部材と、を備え、
    前記圧電素子の長辺方向において該圧電素子の直上がその周囲と比較して最も高く隆起するように、前記圧電素子によって前記パネルが曲げられ、当該パネルに接触する前記接触領域が振動して音を伝えるとともに、
    前記第1弾性部材は、前記第2弾性部材より変形しやすく、
    且つ前記接触領域は、前記パネルの表面上の領域を2分したときにおける圧電素子が取り付けられた側であり、前記異なる領域は、圧電素子が取り付けられていない側の領域である電子機器。
  3. 請求項1乃至請求項2のいずれか一項において、前記パネルは、HQL作成の日本人の人体寸法データベース(1992−1994)における人間の耳の対耳輪下脚から対耳珠までの間の距離に相当する長さと、HQL作成の日本人の人体寸法データベース(1992−1994)における耳珠から対耳輪までの間の距離に相当する幅とを有する領域よりも広い領域が振動する、電子機器。
  4. 請求項1乃至請求項3のいずれか一項において、前記パネルは、表示パネル、操作パネル、カバーパネル、充電池を取り外し可能とするためのリッドパネルのいずれかの一部または全部を構成する、電子機器。
  5. 請求項4において、前記パネルが表示パネルのとき、
    前記圧電素子は、当該表示機能のための表示領域の外側に配置されている、電子機器。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項において、前記パネルは、当該パネルのいずれの箇所においても気導音と振動音とを伝えるための変形が発生する、電子機器。
  7. 請求項1乃至請求項6のいずれか一項において、前記パネルは、その振動領域において、当該パネルの主面と交差する方向に振動する箇所を複数有し、当該箇所の各々において、前記振動の振幅の値が時間とともにプラスからマイナスに、あるいはその逆に変動する、電子機器。
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