JP5900882B2 - アパタイト型Ge−La酸化物の合成方法 - Google Patents
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非特許文献1は、“Synthesis of Bi4Ge3O12 ceramic scintillators by the polymetric precursor method”に関するものである。非特許文献1のExperimental(p.538)には、「ビスマス、ゲルマニウム、クエン酸とエチレングリコールを含む水溶液の分解からのビスマス・ゲルマニウム化合物合成」が記載されている。「ランタン・ゲルマニウム酸化物の合成」について記載はない。二酸化ゲルマニウム濃度が約0.05mol/Lと非常に低濃度での合成である。
本発明は、以下の構成を有する。
(3)前記カルボキシル基を有する錯体形成有機酸がクエン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、エチレンジアミン4酢酸、グリシン、サリチル酸の群から選択される1以上の有機酸であることを特徴とする(2)に記載のアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法。
(4)前記混合水溶液調製工程で、二酸化ゲルマニウムを溶解したアンモニア水溶液と、硝酸ランタンを溶解したクエン酸水溶液とを、クエン酸に含まれているカルボキシル基のモル量に対してGe(+4価)とLa(+3価)からなる金属の総価数モル量が0.8倍となるように混合して、更に水溶液のpHが1.2以上1.6以下となるように調整して、混合水溶液を調製することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法。
(6)前記混合水溶液調製工程で、二酸化ゲルマニウムを溶解したアンモニア水溶液と、硝酸ランタン水溶液とを混合して白濁溶液を調整し、前記白濁溶液を希釈硝酸で溶解してから、Ge(+4価)とLa(+3価)からなる金属の総価数モル量の1.25倍(1/0.8倍)のカルボキシル基モル量に相当するモル量のクエン酸を溶解し、アンモニアでpHを1.2以上1.6以下に調整した混合水溶液を調製することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法。
(7)前記混合水溶液調製工程で、二酸化ゲルマニウムを溶解したアンモニア水溶液と、硝酸ランタン水溶液とを混合して白濁溶液を調整し、前記白濁溶液に、Ge(+4価)とLa(+3価)からなる金属の総価数モル量の1.25倍(1/0.8倍)のカルボキシル基モル量に相当するモル量のクエン酸を溶解し、アンモニアでpHを1.2以上1.6以下に調整した混合水溶液を調製することを特徴とする(1)〜(3)のいずれかに記載のアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法。
更に、「Geを含む複合成分酸化物」及び「Geを含む複合成分酸化物アモルファス」の合成に広く適用できる。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態であるアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法について説明する。
まず、アパタイト型Ge−La酸化物について説明する。
図1は、アパタイト型Ge−La酸化物の一例を示す結晶構造図である。
図1に示すように、アパタイト型Ge−La酸化物は、GeO4四面体と、ランタンと、酸素とから構成される。GeとLaの組成比は6:9.67とされている。しかし、本発明の実施形態であるアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法により合成されるアパタイト型Ge−La酸化物は、この組成比に限られるものではない。
次に、本発明の実施形態であるアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法について説明する。
図2は、本発明の実施形態であるアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法を示すフローチャートである。
図2に示すように、アパタイト型Ge−La酸化物の合成方法を示すフローチャートは、混合水溶液調製工程S1と、混合水溶液加熱工程S2と、を有する。
混合水溶液調製工程S1は、有機酸及びアンモニアを含む水溶液中に、Ge又はGe化合物及びLa又はLa化合物を、前記有機酸に含まれているカルボキシル基のモル量に対してGe(+4価)とLa(+3価)からなる金属の総価数モル量が0.8倍となるように溶解し、更に水溶液のpHが1.2以上1.6以下となるように調整して、Ge及びLaを均一に分散させた混合水溶液を調製する工程である。
カルボキシル基(COOH)により、金属と錯体を形成させることができ、金属を均一に分散させた溶液を調整できる。
具体的には、次式(1)で表されるクエン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、エチレンジアミン4酢酸、グリシン、サリチル酸の群から選択される有機酸を挙げることができる。
これらの有機酸を1種以上含有すればよく、2種以上含有させてもよい。
Ge化合物としては二酸化ゲルマニウムを挙げることができる。
混合水溶液のpHを1.2以上1.6以下の範囲とすることにより、混合水溶液内で不純物析出を抑制でき、混合水溶液加熱工程S2において加熱してアパタイト型Ge−La酸化物を合成した際にも、不純物の析出を抑制できる。
混合水溶液のpHを1.2未満又は1.6超とした場合には、アパタイト型Ge−La酸化物を合成すると、不純物が析出する場合が発生する。
La化合物としては硝酸ランタンを挙げることができる。
有機酸に含まれているカルボキシル基のモル量に対してGe(+4価)とLa(+3価)からなる金属の総価数モル量が0.8倍とすることにより、アパタイト型Ge−La酸化物を合成した際にも、不純物の析出を抑制できる。有機酸に含まれているカルボキシル基のモル量に対してGe(+4価)とLa(+3価)からなる金属の総価数モル量が0.8倍未満又は0.8倍超とした場合には、アパタイト型Ge−La酸化物を合成すると、不純物が析出する場合が発生する。
なお、Ge、La以外の金属元素を1種以上含むアパタイト型Ge−La酸化物についても、Ge、La以外の金属元素を1種以上含む水溶液を調整して、混合水溶液を調整できれば、同様の手順で容易に合成できる。
混合水溶液加熱工程S2は、前記混合水溶液を130℃以下の温度で加熱してゲルを形成してから(第1加熱工程)、前記ゲルをアモルファス前駆体からの結晶成長開始温度以下の温度で加熱してアモルファス前駆体を形成した後(第2加熱工程)、前記アモルファス前駆体を前記結晶成長開始温度以上1100℃以下の温度で加熱する(第3加熱工程)工程である。
第1加熱工程は、混合水溶液を130℃以下の温度で加熱してゲルを形成する工程である。
混合水溶液を130℃以下の温度で加熱することにより、均質なゲルを形成できる。
混合水溶液を130℃超の温度で加熱すると、不均一なゲルが形成され、第3加熱工程でアパタイト型Ge−La酸化物を合成すると、不純物が析出する場合が発生する。
第2加熱工程は、ゲルをアモルファス前駆体からの結晶成長開始温度以下の温度で加熱してアモルファス前駆体を形成する工程である。
ゲルをアモルファス前駆体からの結晶成長開始温度以下の温度で加熱することにより、均質なアモルファス前駆体を形成できる。ゲルをアモルファス前駆体からの結晶成長開始温度以上の温度で加熱すると、部分的に結晶化して、不均一なアモルファス前駆体が形成され、第3加熱工程でアパタイト型Ge−La酸化物を合成すると、不純物が析出する場合が発生する。
なお、このとき、ゲルを130℃超の温度で加熱することが好ましい。ゲルを130℃未満の温度で加熱しても良いが、均質なアモルファス前駆体製造に必要な時間が長くなる。
第3加熱工程は、アモルファス前駆体を結晶成長開始温度以上1100℃以下の温度で加熱する工程である。
アモルファス前駆体をその結晶成長開始温度以上1100℃以下の温度で加熱することにより、均質なアパタイト型Ge−La酸化物をほとんど不純物なく合成することができる。
アモルファス前駆体をその結晶成長開始温度未満で加熱した場合には、均質なアパタイト型Ge−La酸化物を合成できない。逆に、アモルファス前駆体を1100℃超の温度で加熱した場合には、不純物が析出し、均質なアパタイト型Ge−La酸化物を合成できない。なお、1100℃超の温度で加熱すると分解の兆候が見られることは一般的なセラミックスプロセスとして知られている。
例えば、昇温温度を遅くして室温から結晶成長開始温度以上1100℃以下の温度まで加熱しても、その加熱工程において、均質なゲルを形成し、前記ゲルから均質なアモルファス前駆体を形成し、前記アモルファス前駆体からアパタイト型Ge−La酸化物を合成できると考えられる。
<ゲルマニウム、ランタン、錯体形成有機酸混合溶液の作製し、pH調整した後に、熱分解した前駆体からのアパタイト相生成>
図3は、実施例1のフローチャートである。図3に示すように、混合水溶液調整工程S1と混合水溶液加熱工程S2とを有する。
まず、約0.8gの二酸化ゲルマニウムを約20mlの蒸留水に分散した後、希釈したアンモニアを滴下して、二酸化ゲルマニウムを溶解して、二酸化ゲルマニウム-アンモニア水溶液を調製した。
次に、ランタンとゲルマニウムのモル比が9.67:6となるように秤量して、約1.5mol%の硝酸ランタン水溶液を調製した。
次に、硝酸ランタン水溶液に、Ge(+4価)とLa(+3価)の総価数モル量の1.25倍(1/0.8倍)のカルボキシル基モル量に相当するクエン酸を混合して、硝酸ランタンを溶解して、(硝酸ランタン+クエン酸)水溶液を調製した。
次に、(硝酸ランタン+クエン酸)水溶液と二酸化ゲルマニウム-アンモニア水溶液を混合して、均質の混合水溶液を調製した。混合水溶液のpHは約1.3であった。
次に、この混合水溶液を攪拌しながら加熱して、過剰の水を蒸発させて、粘性ゲルを作成した。
次に、この粘性ゲルを更にマントルヒーターを用いて熱分解して、アモルファス前駆体を合成した。
次に、アモルファス前駆体の半分量を730℃、3時間、大気中で熱分解して、アパタイト型ランタン・ゲルマニウム酸化物を得た。図4は、実施例1の730℃熱処理試料の粉末X線回折図である。不純物の析出は無かった。
次に、アモルファス前駆体のもう半分量を1000℃、3時間、大気中で熱分解して、アパタイト型ランタン・ゲルマニウム酸化物を得た。図5は、実施例1の1000℃熱処理試料の粉末X線回折図である。1000℃で熱処理した場合も、不純物の析出は無かった。
<クエン酸添加手順の変化による均質溶液化への影響>
図6は、実施例2のフローチャートである。図6に示すように、混合水溶液調整工程S1と混合水溶液加熱工程S2とを有する。
まず、約0.8gの二酸化ゲルマニウムを約20mlの蒸留水に分散した後、希釈したアンモニアを滴下して、二酸化ゲルマニウムを溶解して、二酸化ゲルマニウム-アンモニア水溶液を調製した。
次に、二酸化ゲルマニウム-アンモニア水溶液に、Ge(+4価)とLa(+3価)の総価数モル量の1.25倍(1/0.8倍)のカルボキシル基モル量に相当するクエン酸を混合して、(二酸化ゲルマニウム+クエン酸)-アンモニア水溶液を調製した。
次に、ランタンとゲルマニウムのモル比が9.67:6となるように秤量して、約1.5mol%の硝酸ランタン水溶液を調製した。
次に、硝酸ランタン水溶液と(二酸化ゲルマニウム+クエン酸)-アンモニア水溶液を混合して、均質の混合水溶液を調製した。混合水溶液のpHは約1.3であった。
次に、この混合水溶液を攪拌しながら加熱して、過剰の水を蒸発させて、粘性ゲルを作成した。
次に、この粘性ゲルを更にマントルヒーターを用いて熱分解して、アモルファス前駆体を合成した。
次に、アモルファス前駆体の半分量を730℃、3時間、大気中で熱分解して、アパタイト型ランタン・ゲルマニウム酸化物の単相粉末を得た。図7は、実施例2の730℃熱処理試料の粉末X線回折図である。不純物の析出は無かった。
次に、アモルファス前駆体のもう半分量を1000℃、3時間、大気中で熱分解して、アパタイト型ランタン・ゲルマニウム酸化物の単相粉末を得た。図8は、実施例2の1000℃熱処理試料の粉末X線回折図である。1000℃で熱処理した場合も、不純物の析出は無かった。
このように、実施例1の場合とクエン酸を溶解する手順を変えても、同様のアパタイト型ランタン・ゲルマニウム酸化物が得られた。
<ゲルマニウム、ランタン、錯体形成有機酸混合溶液の作製しpH調整した後に熱分解した前駆体からのアパタイト相生成(過剰な無機酸の中和効果)>
図9は、実施例3のフローチャートである。図9に示すように、混合水溶液調整工程S1と混合水溶液加熱工程S2とを有する。
まず、約0.8gの二酸化ゲルマニウムを約20mlの蒸留水に分散した後、希釈したアンモニアを滴下して、二酸化ゲルマニウムを溶解して、二酸化ゲルマニウム-アンモニア水溶液を調製した。
次に、約1.5mol%の硝酸ランタン水溶液を調製した。
次に、ランタンとゲルマニウムのモル比が9.67:6となるように、約1.5mol%の硝酸ランタン水溶液を二酸化ゲルマニウム-アンモニア水溶液に滴下した。滴下と同時に混合溶液は沈殿物生成により白濁化した。これにより、白濁溶液を調整した。
次に、白濁溶液に、希釈硝酸を加えて沈殿物を溶解して、溶解溶液を調製した。そのときのpHは1.2であった。
次に、この溶解溶液にGe(+4価)とLa(+3価)の総価数モル量の1.25倍(1/0.8倍)のカルボキシル基モル量に相当するクエン酸を溶解させて、クエン酸溶液を調製した。
次に、このクエン酸溶液に希釈アンモニアを滴下してpHを1.6にして、混合水溶液を調製した。
次に、この混合水溶液を攪拌しながら加熱して、過剰の水を蒸発させて、粘性ゲルを作成した。
次に、この粘性ゲルを更にマントルヒーターを用いて熱分解して、アモルファス前駆体を合成した。
次に、アモルファス前駆体の半分量を730℃、3時間、大気中で熱分解して、アパタイト型ランタン・ゲルマニウム酸化物を得た。図10は、実施例3の730℃熱処理試料の粉末X線回折図である。不純物の析出は無かった。
次に、アモルファス前駆体のもう半分量を1000℃、3時間、大気中で熱分解して、アパタイト型ランタン・ゲルマニウム酸化物を得た。図11は、実施例3の1000℃熱処理試料の粉末X線回折図である。不純物の析出は無かった。
過剰な無機酸(今回の場合は硝酸)を含む場合、アンモニアで中和することにより、不純物相の析出は抑制され、所望のアパタイト型ランタン・ゲルマニウム酸化物が合成可能であることが分かった。なお、pH調整が重要であることも分かった。
<クエン酸添加手順の変化による均質溶液化への影響>
図12は、実施例4のフローチャートである。図12に示すように、混合水溶液調整工程S1と混合水溶液加熱工程S2とを有する。
まず、約0.8gの二酸化ゲルマニウムを約20mlの蒸留水に分散した後、希釈したアンモニアを滴下して、二酸化ゲルマニウムを溶解して、二酸化ゲルマニウム-アンモニア水溶液を調製した。
次に、約1.5mol%の硝酸ランタン水溶液を調製した。
次に、ランタンとゲルマニウムのモル比が9.67:6となるように、約1.5mol%の硝酸ランタン水溶液を二酸化ゲルマニウム-アンモニア水溶液に滴下した。滴下と同時に混合溶液は沈殿物生成により白濁化した。これにより、白濁溶液を調整した。
次に、白濁溶液に、Ge(+4価)とLa(+3価)の総価数モル量の1.25倍(1/0.8倍)のカルボキシル基モル量に相当するクエン酸を加え、攪拌して、沈殿物を溶解して、混合水溶液を調製した。
次に、この混合水溶液を攪拌しながら加熱して、過剰の水を蒸発させて、粘性ゲルを作成した。
次に、この粘性ゲルを更にマントルヒーターを用いて熱分解して、アモルファス前駆体を合成した。
次に、アモルファス前駆体を1000℃、3時間、大気中で熱分解して、アパタイト型ランタン・ゲルマニウム酸化物を得た。図13は、実施例4の1000℃熱処理試料の粉末X線回折図である。不純物の析出は無かった。溶液調整法の補足例である。
<クエン酸量の影響>
図14は、比較例1のフローチャートである。
次に、ランタンとゲルマニウムのモル比が9.67:6となるように秤量して、約1.5mol%の硝酸ランタン水溶液を調製した。
次に、硝酸ランタン水溶液に、Ge(+4価)とLa(+3価)の総価数モル量の2.5倍(2/0.8倍)のカルボキシル基モル量に相当するクエン酸を混合して、(硝酸ランタン+クエン酸)水溶液を調製した。
次に、(硝酸ランタン+クエン酸)水溶液と二酸化ゲルマニウム-アンモニア水溶液を混合して、混合水溶液を調製した。混合水溶液のpHは約1.1であった。
次に、この粘性ゲルを更にマントルヒーターを用いて熱分解して、アモルファス前駆体を合成した。
次に、アモルファス前駆体の半分量を730℃、3時間、大気中で熱分解して、アパタイト型ランタン・ゲルマニウム酸化物を得た。図15は、比較例1の730℃熱処理試料の粉末X線回折図である。
次に、アモルファス前駆体のもう半分量を1000℃、3時間、大気中で熱分解して、アパタイト型ランタン・ゲルマニウム酸化物を得た。図16は、比較例1の1000℃熱処理試料の粉末X線回折図である。La2GeO5も不純物として析出した。
これから、クエン酸量がランタンとゲルマニウムの総モル量と等モル量とすることが好ましく、過剰なクエン酸は不純物の析出を促すことが分かった。
<ゲルマニウム、ランタン、錯体形成有機酸混合溶液の作製し、pH調整した後に、熱分解した前駆体からのアパタイト相生成(過剰な無機酸の影響)>
図17は、比較例2のフローチャートである。
次に、約1.5mol%の硝酸ランタン水溶液を調製した。
次に、ランタンとゲルマニウムのモル比が9.67:6となるように、硝酸ランタン水溶液を二酸化ゲルマニウム-アンモニア水溶液に滴下した。滴下と同時に混合溶液は沈殿物生成により白濁化した。これにより、白濁溶液を調整した。
次に、白濁溶液に、希釈硝酸を加えて沈殿物を溶解して、溶解溶液を調製した。そのときのpHは1.2であった。
次に、この溶解溶液にGe(+4価)とLa(+3価)の総価数モル量の1.25倍(1/0.8倍)のカルボキシル基モル量に相当するクエン酸を溶解させて、クエン酸溶液を調製した。そのときのpHは1.0であった。
次に、この粘性ゲルを更にマントルヒーターを用いて熱分解して、アモルファス前駆体を合成した。
次に、アモルファス前駆体を1000℃、3時間、大気中で熱分解して、アパタイト型ランタン・ゲルマニウム酸化物を得た。図18は、比較例2の1000℃熱処理試料の粉末X線回折図である。二酸化ゲルマニウムに加えてLa2Ge2O7構造を有する相も不純物として析出した。
このように、「硝酸塩形成可能金属及びGeの酸化物の製造法」で用いた均質水溶液作成法に錯体形成有機酸であるクエン酸を加えて合成すると、不純物が析出した。過剰な硝酸を含む溶液からの熱分解では合成物の組成不均質性が高いことが分かった。
<ゲルマニウムとクエン酸のみの溶解製確認>
まず、約0.8gの二酸化ゲルマニウムを約20mlの蒸留水に分散した後、クエン酸を加えて攪拌した。
二酸化ゲルマニウムを溶解させることはできなかった。
0.5mol%以上のゲルマニウム濃度のクエン酸塩水溶液を、アンモニアを用いずに直接作製することは不可能であることを確認した。
Claims (7)
- 有機酸及びアンモニアを含む水溶液中に、Ge又はGe化合物及びLa又はLa化合物を、Ge(+4価)とLa(+3価)の総価数モル量が有機酸に含まれるカルボキシル基のモル量に対して0.8倍となるように溶解し、更に水溶液のpHが1.2以上1.6以下となるように調整して、Ge及びLaを均一に分散させた混合水溶液を調製する混合水溶液調製工程と、
前記混合水溶液を130℃以下の温度で加熱してゲルを形成してから、前記ゲルをアモルファス前駆体からの結晶成長開始温度以下の温度で加熱してアモルファス前駆体を形成した後、前記アモルファス前駆体を前記結晶成長開始温度以上1100℃以下の温度で加熱する混合水溶液加熱工程と、を有することを特徴とするアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法。 - 前記有機酸がカルボキシル基(COOH)を有する錯体形成有機酸であることを特徴とする請求項1に記載のアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法。
- 前記カルボキシル基を有する錯体形成有機酸がクエン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸、エチレンジアミン4酢酸、グリシン、サリチル酸の群から選択される1以上の有機酸であることを特徴とする請求項2に記載のアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法。
- 前記混合水溶液調製工程で、二酸化ゲルマニウムを溶解したアンモニア水溶液と、硝酸ランタンを溶解したクエン酸水溶液とを、クエン酸に含まれているカルボキシル基のモル量に対してGe(+4価)とLa(+3価)からなる金属の総価数モル量が0.8倍となるように混合して、更に水溶液のpHが1.2以上1.6以下となるように調整して、混合水溶液を調製することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法。
- 前記混合水溶液調製工程で、二酸化ゲルマニウムを溶解し、クエン酸を添加したアンモニア水溶液と、硝酸ランタンの水溶液とを、前記有機酸のモル量に対してGeとLaからなる金属の総モル量が0.8倍となるように混合して、更に水溶液のpHが1.2以上1.6以下となるように調整して、混合水溶液を調製することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法。
- 前記混合水溶液調製工程で、二酸化ゲルマニウムを溶解したアンモニア水溶液と、硝酸ランタン水溶液とを混合して白濁溶液を調整し、前記白濁溶液を希釈硝酸で溶解してから、Ge(+4価)とLa(+3価)からなる金属の総価数モル量の1.25倍(1/0.8倍)のカルボキシル基モル量に相当するモル量のクエン酸を溶解し、アンモニアでpHを1.2以上1.6以下に調整した混合水溶液を調製することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法。
- 前記混合水溶液調製工程で、二酸化ゲルマニウムを溶解したアンモニア水溶液と、硝酸ランタン水溶液とを混合して白濁溶液を調整し、前記白濁溶液に、Ge(+4価)とLa(+3価)からなる金属の総価数モル量の1.25倍(1/0.8倍)のカルボキシル基モル量に相当するクエン酸を溶解し、アンモニアでpHを1.2以上1.6以下に調整した混合水溶液を調製することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のアパタイト型Ge−La酸化物の合成方法。
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