JP5900691B1 - 多孔質複合体および骨再生材料 - Google Patents

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Abstract

【課題】優れたOCPの均一分散性を有し、かつOCPとコラーゲンが十分に混合されている多孔質複合体を提供することを目的とする。【解決手段】第8リン酸カルシウムとコラーゲンとを含む多孔質複合体であって、多孔質複合体の平面である5.0mm?5.0mmの範囲を走査型電子顕微鏡(SEM)で15倍に拡大して得られた画像において、第8リン酸カルシウムの凝集粒子のフラクタル次元(D)が0.60以上であり、a)第8リン酸カルシウムの凝集粒子からなる部分、b)第8リン酸カルシウムの微粒子及びコラーゲンからなる部分、並びにc)コラーゲンからなる部分のうち、c)コラーゲンからなる部分の面積割合が5%以下であることを特徴とする、多孔質複合体。【選択図】なし

Description

本発明は、多孔質複合体および多孔質複合体を含む骨再生材料に関する。
従来使用されている骨再生材料としては、ヒドロキシアパタイト(HA)などのリン酸カルシウムが知られている(例えば、特許文献2、特許文献3、特許文献4、特許文献5参照)。
近年、HAの前駆物質である第8リン酸カルシウム(Octacalcium phosphate、以下、「OCP」という)は、HAやβ−第3リン酸カルシウム(β−TCP)等の他のリン酸カルシウムに比して、骨再生の促進作用が高く、生体内での吸収性も高いことが分かってきた(例えば、特許文献1参照)。このようにOCPは、リン酸カルシウムの中でも骨再生材料として特に優れた特性を有している。
しかし、OCPは無機物であるために形状付与性に乏しい。このため、OCP単独では、広範囲の骨欠損部の再生等への適用は難しい。そこで、OCPとコラーゲンとの複合体を骨再生材料として用いることが提案されている(例えば、特許文献1参照)。生体内に埋入されたOCPによる骨再生過程では、OCP顆粒を核(起点)として骨再生が起こることが知られている。
また、非特許文献1には、生体内に埋入したOCPとコラーゲンとの複合体とコラーゲンのみの多孔質体との骨再生についての比較がなされており、コラーゲンのみの多孔質体では十分な骨再生が起こらないことが開示されている。
特開2006−167445号公報 特開2010−273847号公報 特開2003−260124号公報 特開2009−132601号公報 特開2005−279078号公報 特開平5−070113号公報
TISSUE ENGINEERING PartA誌 15巻 1号 23〜32ページ 2009年
OCPは生体内に埋入されると生体類似アパタイトに変換し、優れた骨伝導能(Osteoconduction)、すなわち骨組織に存在する骨芽細胞を活性化し骨形成を促すことが知られている。実際に体内において、埋入されたOCP自身が生体内吸収性を示して骨再生を促進することが報告されており、さらにはOCPがHAと比較して前骨芽細胞から骨芽細胞への分化促進能を有することも報告されている。OCPとコラーゲンとの複合体からなる骨再生材料においても、OCPは前記同様、生体内吸収性を示した優れた骨再生促進及び骨芽細胞分化促進能を有する。
これまでOCPとコラーゲンとを含む多孔質複合体において、OCP凝集粒子の均一分散に着目した検討は行われていなかった。そこで本発明は、OCPとコラーゲンとを含む多孔質複合体において、OCPが大きな凝集を保持しつつ、均一分散している多孔質複合体及びそれを含む骨再生材料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記課題を鑑み鋭意検討したところ、OCPとコラーゲンとを含む多孔質複合体の製造工程におけるOCPとコラーゲンの混合工程において、撹拌を所定の範囲に制御することにより、優れたOCPの均一分散性を有し、かつOCPとコラーゲンが十分に混合されている多孔質複合体を見出した。更なる検討と改良を重ね、以下に代表される発明を提供する。
[1] 第8リン酸カルシウムとコラーゲンとを含む多孔質複合体であって、
多孔質複合体の平面である5.0mm×5.0mmの範囲を走査型電子顕微鏡(SEM)で15倍に拡大して得られた画像において、第8リン酸カルシウムの凝集粒子のフラクタル次元(D)が0.60以上であり、a)第8リン酸カルシウムの凝集粒子からなる部分、b)第8リン酸カルシウムの微粒子及びコラーゲンからなる部分、並びにc)コラーゲンからなる部分のうち、c)コラーゲンからなる部分の面積割合が5%以下であることを特徴とする、多孔質複合体。
[2] [1]に記載の多孔質複合体を含む骨再生材料。
本発明によれば、大きな粒径のOCPの凝集粒子及びOCP微粒子が均一分散していることにより、多孔質複合体の不均一性に由来する骨伝導能のばらつきを抑制することができるとともに、長期にわたる優れたOCPの骨再生促進の効果の持続を期待することができる。さらに、OCPが均一分散していることにより、多孔質複合体により高い圧縮弾性率(ヤング率)を付与することができ、加工性に優れ、かつ破損しにくい特性を持つ多孔質複合体、及びそれを含む骨再生材料を提供することができる。
実施例1における多孔質複合体のSEM観察画像である。 比較例3における多孔質複合体のSEM観察画像である。 実施例1におけるフラクタル次元および粒子割合の算出に用いた解析画像である。 比較例3におけるフラクタル次元および粒子割合の算出に用いた解析画像である。 実施例1についての圧縮弾性率測定における応力−ひずみ曲線を示すグラフである。
[多孔質複合体]
本発明の多孔質複合体は、第8リン酸カルシウムとコラーゲンとを含む多孔質の複合体(OCP/コラーゲン複合体)である。本発明の多孔質複合体の好ましい態様は、コラーゲンが3次元のスポンジ状構造を形成しており、OCPの微小粒子が該スポンジ状構造中に存在するとともに、少なくとも100μm以上の大きさのOCPの凝集粒子が存在している多孔質複合体である。本発明の多孔質複合体からなる骨再生材料は、多孔質体構造によって、多孔質内部に骨芽細胞が進入し、新生骨の形成を促進する内部骨形成を実現している。
OCP(Ca(PO・5HO)は、種々公知の方法によって調製することができ、例えば、LeGerosの滴下法(LeGeros RZ,Calcif Tissue Int 37:194-197,1985)や特許文献6に開示される合成装置(三流管)を使用した方法などによって調製することができる。また、混合法によって調製することができ、具体的には、例えば、リン酸二水素ナトリウム水溶液と、酢酸カルシウム水溶液を適切な条件下で混合し、生成した沈殿物を回収することにより、OCPを得ることができる。沈殿物から得られたOCPは、乾燥させ、電動ミル等を用い粉砕し、粒子状の粉体にして用いることが好ましい。粒径は10〜1000μmの範囲であることが好ましく、より好ましくは100〜500μmに調製することが好ましく、さらに好ましくは300〜500μmに調製することが好ましい。粒径は、ふるい分け法によりふるいの目開きのサイズによって分級することができる。
コラーゲンとしては、その由来、性状などは特に限定されず、種々のコラーゲンを使用することができる。好ましくは、蛋白分解酵素(例えばペプシン、プロナーゼ等)で可溶化することにより得られ、テロペプチドが除去されている酵素可溶化コラーゲンが使用される。コラーゲンのタイプとしては、繊維性コラーゲンであるI型、II型、III型及びIV型コラーゲンが好ましく、生体内に大量に含まれるI型コラーゲン、又はI型及びIII型コラーゲンの混合物が特に好ましい。原料としては、特に限定されないが、豚、牛などの皮膚、骨、腱等や魚のうろこなどに由来するコラーゲンを好ましく用いることができる。コラーゲンは生体由来成分であるので、安全性が高いという特長を有し、特に酵素可溶化コラーゲンはアレルゲン性も低く好ましい。上記のコラーゲンとしては、市販の製品を使用してもよい。
本発明の多孔質複合体において、OCPとコラーゲンの配合比は、所望する形状付与性、操作性、生体親和性などに応じて適宜調整することができる。コラーゲン1重量部に対するOCPの配合比は、好ましくは0.5〜35重量部、より好ましくは1〜20重量部、更に好ましくは2〜10重量部である。コラーゲン1に対してOCPが0.5重量部未満であると、得られた複合体の骨再生機能が劣るおそれがあり、また35重量部を超えると形状付与性が低下するおそれがある。
本発明は、多孔質複合体の平面である5.0mm×5.0mmの範囲を走査型電子顕微鏡(SEM)で15倍に拡大して得られた画像において、OCPの凝集粒子のフラクタル次元(D)が0.70以上であることを特徴とする。フラクタル次元(D)は0.75以上であることがより好ましく、0.80以上であることがさらに好ましい。フラクタル次元(D)が大きいほどOCP凝集粒子の分散状態が良好であることを示す。具体的には以下のように算出する。
(多孔質複合体のSEM画像)
多孔質複合体の平面である少なくとも5.0mm×5.0mmの正方形の範囲が含まれるよう、多孔質複合体の断面写真を走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影する。この際の撮影条件は、加速電圧15.0kV、低真空(30Pa)、後方散乱電子検出、Working Distance(WD)40mm、倍率15倍である。多孔質複合体が外表面に少なくとも5.0mm×5.0mmの平面を有する場合、その表面を撮影することができる。撮影する5.0mm×5.0mmの平面は多孔質複合体の断面であってもよく、その場合は多孔質複合体の平滑切断面の表面を撮影することができる。撮影面にはコーティング等が施されていないことが望ましく、例えば多孔質複合体の外表面にコーティングがある場合には、撮影面にコーティング層が含まれないよう切断した断面を撮影する。サンプルの厚みは一定であることが好ましく、サンプルの破れが生じたりしないよう、少なくとも0.5mm以上であることが好ましい。サンプルは、多孔質複合体を5.0mm×5.0mmにカットしてから撮影に供することもできるが、好ましくは、少なくとも5.0mm×5.0mmの正方形の範囲を含む大きさのサンプルを作製してSEMで撮影し、その後撮影画像において5.0mm×5.0mmの範囲を指定することができる。
(フラクタル次元(D))
フラクタル次元(D)は下記の方法により算出する。下に示すすべての画像処理は画像処理ソフトウェア ImageJ(Ver.1.48以降)を用いて行う。
(1)5.0mm×5.0mmの正方形の範囲を指定したSEM画像(以下、本段落において「解析画像」という。)をImageJに取り込む。
(2)解析画像を二値化(閾値:90pixel)する。
(3)色調を反転させる。
(4)解析画像をそれぞれn分割(n=2、3、4、5)する。
(5)n分割した解析画像の各区画について、各区画の面積に対するOCP凝集粒子の占める面積分率を算出する。
(6)n分割した解析画像について、各区画すべての面積分率の平均値(μ)および標準偏差(σ)を算出する。
(7)D(n)を下式により算出する。
D(n)=σ/μ
(8)D(n)と1/nを両対数グラフにプロットし、近似直線(累乗近似)の傾きを求める。
(9)近似直線の傾きに−1を乗じ、フラクタル次元(D)を算出する。
なお、(4)の作業は(2)の前に行ってもよい。(4)の作業はWindows(登録商標)PaintなどImageJ以外の画像処理ソフトにより行うことができる。また、SEM画像の色調の具合により(2)の二値化ができない場合、もしくはOCP凝集粒子以外の部分がOCP凝集粒子の部分と混同されてしまう場合、まず、SEM画像においてOCP凝集粒子の部分のみを黒色で塗りつぶし、その他の部分を白色とするか、もしくはOCP凝集粒子の部分のみを白色と塗りつぶし、その他の部分を黒色とすることができる。その後ImageJに取り込み、(2)以降の作業を行う。予めOCP凝集粒子の部分のみを黒色で塗りつぶし、その他の部分を白色とした場合、(3)の色調を反転させる作業は不要である。
フラクタル次元(D)が0.70未満であると、多孔質複合体を適用した部位における均一な骨伝導能が成されない恐れがあり、さらにOCPの緩効性が期待できない可能性がある。特に数週間から数か月の骨再生に有する期間の間、骨伝導能を継続的に促すためにも、OCPがすぐに消失しない大きな凝集粒子が均一に存在することが重要であると考えられる。OCPはまた、多孔質複合体におけるコラーゲンの骨格構造において強度を補強する役目を担っており、後述するとおり、OCP凝集粒子のフラクタル次元が低くなると、圧縮弾性率が低下する。圧縮弾性率が低いと、骨欠損部への充填の際の操作容易性が劣る結果となり、さらに本発明の多孔質複合体を骨欠損部に充填する際に、前記複合体が崩壊してしまったり、気孔が潰れてしまったりすると、その後の骨再生に悪影響を与えることになる。
(コラーゲンからなる部分の面積割合)
本発明の多孔質複合体は、平面である5.0mm×5.0mmの範囲を走査型電子顕微鏡(SEM)で15倍に拡大して得られた画像において、a)OCPの凝集粒子からなる部分、b)OCPの微粒子及びコラーゲンからなる部分、並びにc)コラーゲンからなる部分のうち、c)コラーゲンからなる部分の面積割合が5%以下であることを特徴とする。
本発明の多孔質複合体の好ましい態様は、a)OCPの凝集粒子からなる部分、b)OCP及びコラーゲンからなる部分、並びにc)コラーゲンからなる部分から構成される。このうち、a)OCPの凝集粒子からなる部分とは、リン酸カルシウムが凝集しており、15倍に拡大したSEM画像において目視で粒子状物が確認できる部分である。通常SEM画像においては、白色に近い色で表現される。元素分析を行った場合、カルシウムCaとリンPが多く検出される。b)OCPの微粒子及びコラーゲンからなる部分とは、コラーゲンのスポンジ状構造の中に、OCPの100μm未満のような微小粒子が混在している状態の部分であり、OCPの微粒子は15倍に拡大したSEM画像において目視で確認することが困難である。通常SEM画像においては、a)OCPの凝集粒子からなる部分よりは明度が下がり、灰色〜白色で表現される。元素分析を行った場合、炭素C、カルシウムCa及びリンPが検出される。c)コラーゲンからなる部分とは、コラーゲンのスポンジ状構造の中に、OCPの微粒子がわずかしか存在しないか、あるいは全く存在しない状態の部分をいう。通常SEM画像においては、黒色に近い暗色で表現される。元素分析を行った場合、炭素Cが検出されるが、カルシウムCaとリンPはほとんど検出されない。
コラーゲンからなる部分の面積割合は下記の方法により求める。
(1)5.0mm×5.0mmの正方形の範囲を指定したSEM画像(以下、本段落において「解析画像」という。)をImageJに取り込む。
(2)解析画像を二値化(閾値:90pixel)する。
(3)コラーゲンからなる部分を抽出する。
(4)コラーゲン部分面積(S)を算出する。
(5)解析画像の面積(S)を算出する。
(6)コラーゲンからなる部分の面積割合(R)を下式により算出する。
=S/S×100
なお、SEM画像の色調の具合により(2)の二値化ができない場合、もしくはコラーゲンからなる部分がコラーゲンからなる部分以外と混同されてしまう場合、まず、SEM画像においてコラーゲンからなる部分のみを黒色で塗りつぶし、その他の部分を白色とするか、もしくはコラーゲンからなる部分のみを白色と塗りつぶし、その他の部分を黒色とすることができる。その後ImageJに取り込み、(2)以降の作業を行う。予めコラーゲンからなる部分のみを白色で塗りつぶし、その他の部分を黒色とした場合、(2)と(3)のプロセスの間に色調を反転させる作業が必要である。
解析画像全体において、コラーゲンからなる部分の面積は5%以下が好ましく、4%以下がより好ましく、3%以下がさらに好ましい。コラーゲンからなる部分が5%より大きくなると、多孔質複合体の構造が不均一となり、骨伝導能が低下する可能性がある。さらに、コラーゲンからなる部分が5%より大きくなると圧縮弾性率が大きく低下する。
さらに、本発明において、OCPの凝集粒子全体における300μm以上の長さを有する凝集粒子の面積割合が75%以上であることが好ましい。好ましくは85%以上であり、より好ましくは95%以上である。ここで、OCPの凝集粒子全体とは、上述のSEM画像において、目視で確認できるすべての粒子状物が占める面積の合計をいう。300μm以上の長さを有するとは、前記SEM画像において、各凝集粒子の輪郭に接する最長間隔の平行線間の距離が300μm以上であることをいう。
具体的には下記の方法により算出する。
(1)5.0mm×5.0mmの正方形の範囲を指定したSEM画像(以下、本段落において「解析画像」という。)をImageJに取り込む。
(2)解析画像を二値化(閾値:90pixel)する。
(3)色調を反転させる。
(4)OCP凝集粒子全体の面積を求める。
(5)300μm以上の長さを有するOCP凝集粒子を抽出する。
(6)OCP凝集粒子全体の面積(S)および300μm以上のOCP凝集粒子の面積(S)から、300μm以上のOCP凝集粒子の割合(R)を下式により算出する
=S/S×100
なお、SEM画像の色調の具合により(2)の二値化ができない場合、もしくはOCP凝集粒子以外の部分がOCP凝集粒子の部分と混同されてしまう場合、まず、SEM画像においてOCP凝集粒子の部分のみを黒色で塗りつぶし、その他の部分を白色とするか、もしくはOCP凝集粒子の部分のみを白色と塗りつぶし、その他の部分を黒色とすることができる。その後ImageJに取り込み、(2)以降の作業を行う。予めOCP凝集粒子の部分のみを黒色で塗りつぶし、その他の部分を白色とした場合、(3)の色調を反転させる作業は不要である。
本発明の多孔質複合体は、圧縮弾性率が好ましくは0.05MPa以上であり、より好ましくは0.08〜0.30MPa、更に好ましくは0.10〜0.20MPaである。圧縮強度が0.05MPa未満である場合、多孔質複合体の操作性が低下する傾向がある。すなわち、本発明の多孔質複合体を骨欠損部に充填する際に、前記複合体が崩壊してしまったり、気孔が潰れてしまったりすると、その後の骨再生に悪影響を与えることになる。上限は特に定められるものではないが、骨欠損部への充填の際の操作容易性の観点から、0.30MPa以下であることが好ましい。
本発明における圧縮弾性率は下記の方法により測定される。
(圧縮弾性率測定)
温度:25℃、湿度:65%の環境下、直径8.5mm、長さ15mmの円柱状試料をリン酸緩衝生理食塩水(10mMリン酸ナトリウム、0.14M塩化ナトリウム、pH7.4)に30分間浸漬する。その後、試料表面の水気を軽く拭い、精密万能試験機(オートグラフAGS−J、株式会社島津製作所製、ロードセル容量:1kN)を用いて、単軸荷重を負荷する。具体的には、サンプルを長辺が下方圧盤(材質:ステンレス、内径:100mm、厚さ:25mm)に対し垂直となるようにセットした後、上方圧盤(材質:ステンレス、内径:100mm、厚さ:25mm)を10mm/minの速度で下げ、サンプルが80%歪んだところで試験機を止める。そして、得られた応力−ひずみ曲線の初期直線部分の傾きから圧縮弾性率を求める。
本発明の多孔質複合体は、多孔質複合体の気孔径が3〜40μmであることが好ましい。気孔径が40μmを超える場合、多孔質複合体の強度が低下する傾向がある。一方、気孔径が3μm未満である場合、骨芽細胞等の骨代謝系細胞の侵入が起こり難くなり、骨再生の促進作用が低下する恐れがある。本発明の多孔質複合体のより好ましい気孔径は5〜20μmである。
気孔径は水銀ポロシメーター(Mercury porosimeter)による細孔分布測定を用いて測定し、具体的には以下の方法により測定される。
(気孔径測定)
前処理として、サンプルを120℃で4時間恒温乾燥する。前処理後の各サンプルについて、以下の測定装置を用いた水銀圧入法により、以下の条件で細孔径0.0018〜200μmの細孔分布を求める。
測定装置:オートポアIV9520(micromeritics社製)
測定条件:サンプルと水銀の接触角:140deg
水銀の表面張力0.48N/m(1dyne=10−5Nで換算)。
発明における気孔径とは、水銀圧入法による測定圧力から得られた細孔分布曲線において、最も大きな面積を有するピークの極大値を示す細孔径の値である。
多孔質複合体の気孔率(空隙率)は80〜99%であることが好ましく、より好ましくは85〜98%である。気孔率は水銀圧入法による全細孔容積と見かけ密度を用いて下記の式により求められる。
気孔率(%)= 全細孔容積/{(1/見かけ密度)+全細孔容積}×100
本発明の多孔質複合体の形状は、直方体(ブロック体)、円筒体もしくはタブレット状、又は顆粒であることが好ましい。直方体である場合の大きさは5mm×5mm×5mm以上の大きさが好ましく、一般に上限は100mm×100mm×100mm以内の範囲であることが好ましい。直方体は立方体に限られない。円筒状である場合の大きさは、直径が5〜50mmであることが好ましく、高さは1〜50mmの範囲であることが好ましい。顆粒状である場合、形状は球体に限られず不定形でもよいが、直径が0.1〜10mmであることが好ましい。
本発明の多孔質複合体は骨欠損部に補填することにより使用されるが、骨欠損部に十分な血液もしくは体液が認められる場合には、多孔質複合体をそのまま、もしくは適当な形状に切断し補填することができる。骨欠損部に十分な血液等が認められない、又は多孔質複合体を元の形状で補填できない場合は、多孔質複合体を血液もしくは生理食塩水等に浸漬し、多孔質複合体がスポンジ状の弾力性を示すことを確認した上で骨欠損部に補填することができる。
[多孔質複合体の製造方法]
本発明の多孔質複合体の製造方法は、OCPとコラーゲンを混合する製造方法が好ましく、下記のような製造方法を用いることができる。
(1)まず、濃度を0.1〜5重量%、pHを7〜8に調整し、ゲル化したコラーゲン溶液にOCPを添加し、混練してOCPとコラーゲンの混合物を作製する。(2)次いで、当該混合物を適当な型に加えて成型し、凍結し、凍結乾燥することにより複合体を得る。(3)得られた当該複合体は、必要に応じて、熱脱水架橋処理を施し、更に、慣用の滅菌法(例えば、γ線照射、電子線照射、エチレンオキサイドガス等)により滅菌する。
ここで、コラーゲンとOCPを混練する工程において、従来十分に混練することが必要であることが当業者の一致する認識であったところ、驚くべきことに本発明者は、混練を十分に行うことが、逆にフラクタル次元や300μm以上の粒子割合を低下させる原因になることを見出した。混練する工程は、2〜4枚のプロペラ型やパドル型等の撹拌翼(impeller)を有する攪拌機や自転・公転ミキサーを用いることができるが、撹拌翼を有する攪拌機の場合、100〜300rpmで15〜300秒間撹拌することが好ましく、100〜300rpmで30〜120秒間撹拌することがより好ましい。自転・公転ミキサーを用いる場合、500〜1500rpmで30〜300秒撹拌することが好ましく、500〜1500rpmで45〜120秒撹拌することがより好ましい。コラーゲンとOCPを混練する工程は薬さじ等をもちいて手作業で行うこともできるが、この場合も、一定速度で30〜120秒間撹拌することが好ましく、速度に応じて適宜撹拌時間を調整することが好ましい。
本発明の多孔質複合体の製造方法は、OCPとコラーゲンとを含むゲル、ゾルまたは液体を液体冷媒に浸漬し急速凍結した後、凍結乾燥する工程を含むことが好ましい。液体冷媒は、第8リン酸カルシウムとコラーゲンとを含むゲル、ゾルまたは液体の凍結温度より低い温度の液体であり、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、アセトニトリル、液体窒素が挙げられる。該液体冷媒の温度は、好ましくは−20℃以下であり、より好ましくは−40℃以下であり、さらに好ましくは−80℃以下である。
第8リン酸カルシウムとコラーゲンとを含むゲル、ゾルまたは液体を液体冷媒浸漬によって急速に凍結させることにより、得られる多孔質複合体の気孔径を小さくすることができると考えられる。
本発明の多孔質複合体は、熱処理もしくは熱脱水架橋処理が施されていることが好ましい。熱処理により、OCP分子構造の一部が崩れて骨形成系細胞の侵入が起こり易くなり、骨再生が促進されると共に、コラーゲンが架橋して形状保持力が向上する。
熱処理の温度は、好ましくは50〜200℃、より好ましくは60〜180℃である。また、熱処理は、減圧条件下で行うことが好ましい。圧力は、好ましくは0〜3000Pa、より好ましくは0〜300Paである。熱処理の処理時間は、好ましくは2時間〜10日間、より好ましくは12時間〜5日間である。
本発明の多孔質複合体は、OCPおよびコラーゲンの他に、例えば、骨形成能を有するサイトカイン(bone morphogenetic protein-2、transforming growth factor β1など)を含有していてもよく、係るサイトカインを含有させることにより、骨再生速度を速めることができる。
本発明の多孔質複合体は、それ以外にも、この分野で慣用の配合成分を含ませることができる。かかる配合成分としては、例えば、生体吸収性高分子(ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリ乳酸−ポリエチレングリコール共重合体等)、OCP以外の生体吸収性リン酸カルシウム(β−TCP等)や非吸収性リン酸カルシウム(ヒドロキシアパタイト等)を挙げることができる。
[骨再生材料]
本発明は、さらに上記の多孔質複合体を含む骨再生材料に関する。骨再生材料は歯科口腔外科領域、整形外科領域における骨欠損修復、開頭、開胸術後の骨欠損修復などに用いることができる。例えば、歯科口腔外科領域においては、歯周病、嚢胞腔、萎縮歯槽堤、顎裂部、抜歯窩等により生じた骨欠損に対し、多孔質複合体からなる骨再生材料を補填することにより、数週間から数ヶ月には優れた骨再生効果が確認できる。整形外科領域においては、例えば骨腫瘍切除後の骨欠損、骨折等外傷により生じた骨欠損に対し、本骨再生材料を骨欠損部に補填し、骨再生を促進することができる。
以下、実施例を挙げて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
(1)OCPの調製
まず、OCP調製用の1液および2液を次の通り調製した。
[1液]リン酸二水素ナトリウム二水和物31.2gを蒸留水2500gに溶解し、1液を調製した。
[2液]酢酸カルシウム一水和物35.2gを蒸留水2500gに溶解し、2液を調製した。
次に、1液をセパラブルフラスコに入れ、マントルヒーターにて70℃に昇温した。次に、撹拌機(東京理化器械社製、MAZELA Z)に撹拌翼(羽径12cm)を取り付け、250rpmの速度で撹拌しながら、1液に対して2液を約28mL/minの速度で滴下した。滴下終了後、1液と2液の混合液を70℃、250rpmでさらに2時間撹拌した。
次に、上記混合液中に生成した沈殿物をメンブレンフィルター(孔径3μm、アドバンテック東洋社製、A300A293C)を用いてろ過し、回収した。回収した沈殿物を蒸留水1500mLに分散させ、15分間撹拌し洗浄した。同様のろ過、洗浄の工程をさらに3回繰り返した。
次に、洗浄後の沈殿物を、恒温乾燥機を用いて30℃で24時間乾燥した。乾燥後の沈殿物を電動ミルにて粉砕した後、ふるいを用いて粒径を300〜500μmに分級し、粉体を得た。最後に、得られた粉体に対して120℃で2時間の乾熱滅菌を行った。
(2)OCP/コラーゲン複合体(多孔質複合体)の調製
I型及びIII型コラーゲンを含むブタ真皮由来コラーゲン(日本ハム社製、NMPコラーゲンPS)1重量部を4℃に冷却した蒸留水200重量部に溶解し、約0.5重量%のコラーゲン溶液を得た。液温を4℃に保ちながらコラーゲン水溶液に水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを約7.4に調整しコラーゲン懸濁液を得た。次いで、得られたコラーゲン懸濁液を遠心瓶に入れ、遠心分離機(トミー精工社製、GRX−250)を用い7000×gの遠心力で20分間遠心した後、コラーゲン懸濁液中のコラーゲンが3重量%となるように上清を廃棄しコラーゲンゲルを得た。
次に、コラーゲンゲルにOCP(粒径300〜500μm)をOCPとコラーゲンが重量比で77:23となるように加えた後、撹拌翼(相互理化学硝子製作所社製、4枚羽根、羽径 7cm)を取り付けた撹拌機(東京理化器械社製、MAZELA Z)を用いて、300rpmの回転速度で60秒混合し、OCP/コラーゲン複合ゲルを得た。これを円柱状の内部空間を有するプラスチック容器(内径8.5mm、容積約3.0cm)に入れて、230×gの遠心力で1分間遠心して脱泡した。
容器を密閉し、被凍結体の容積に対して大過剰の−80℃に冷却したメタノールに浸漬して急速に凍結した。容器を開栓した後、凍結体を凍結乾燥機により乾燥(−10℃、48時間)させ成形した。次いで、これを減圧下、150℃で24時間加熱し熱脱水架橋を行った。得られた円柱体はメスで厚さ1.5mmまたは15mmにカットした。最後に、電子線を照射(15kGy)し、滅菌を行った。このようにして、実施例1の多孔質複合体を得た。
(実施例2)
実施例2では、コラーゲンゲルとOCPの混合の際に、撹拌翼を取り付けた撹拌機を用い、300rpmの回転速度で300秒混合した。それ以外は実施例1と同じ方法により多孔質複合体を得た。
(実施例3)
実施例3では、コラーゲンゲルとOCPの混合の際に、自転公転ミキサー(シンキー社製、あわとり練太郎 ARE−310)を用い、1000rpmの回転速度で60秒混合した。それ以外は実施例1と同じ方法により多孔質複合体を得た。
(比較例1)
比較例1では、コラーゲンゲルとOCPの混合の際に、撹拌翼を取り付けた撹拌機を用い、100rpmの回転速度で15秒混合した。それ以外は実施例1と同じ方法により多孔質複合体を得た。
(比較例2)
比較例2では、コラーゲンゲルとOCPの混合の際に、撹拌翼を取り付けた撹拌機を用い、300rpmの回転速度で900秒混合した。それ以外は実施例1と同じ方法により多孔質複合体を得た。
(比較例3)
コラーゲンゲルとOCPの混合の際に、自転公転ミキサーを用い、300rpmの回転速度で15秒混合した。それ以外は実施例1と同じ方法により多孔質複合体を得た。
(比較例4)
コラーゲンゲルとOCPの混合の際に、自転公転ミキサーを用い、2000rpmの回転速度で900秒混合した。それ以外は実施例1と同じ方法により多孔質複合体を得た。
(画像解析)
画像解析は、1.5mm厚にカットした試料の断面を以下の条件にて観察したSEM画像について行った。解析範囲は試料の断面上任意の1辺 約5mmの正方形内(以下、解析画像)を解析に用いた。
測定装置:SU1510、日立製作所社製
測定条件:加速電圧 15kV
低真空(30Pa)
反射電子観察
WD 40mm
倍率 15倍
(フラクタル次元)
OCP粒子のコラーゲンマトリックス上への分散度合を定量化するために、フラクタル次元(D)を用いた。フラクタル次元(D)の算出は以下の手順で行った。なお、下に示すすべての画像処理は画像処理ソフトウェア ImageJを用いて行った。
1.解析画像の取得
2.解析画像を二値化(閾値:90pixel)
3.色調の反転
4.解析画像をn分割(n=2、3、4、5)
5.各区画について、OCP粒子を示す画像の面積分率を算出
6.各分割水準毎の面積分率の平均値(μ)および標準偏差(σ)を算出
7.D(n)を下式により算出
D(n)=σ/μ
8.D(n)と1/nを両対数グラフにプロットし、近似直線の傾きを求める
9.近似直線の傾きに−1を乗じ、フラクタル次元(D)を算出
(コラーゲン部分割合)
OCPとコラーゲンゲルの混合が十分かを評価する指標として、コラーゲン部分割合を解析画像から算出した。コラーゲン部分割合の算出は、以下の手順で行った。
1.解析画像の取得
2.解析画像を二値化(閾値:90pixel)
3.コラーゲン部分の抽出
4.コラーゲン部分面積(S)の算出
5.解析画像面積(S)の算出
6.コラーゲン部分面積割合(R)を下式により算出
=S/S×100
(300μm以上のOCP粒子割合)
300μm以上のOCP粒子割合を以下の手順にて算出した。
1.解析画像の取得
2.解析画像を二値化(閾値:90pixel)
3.色調の反転
4.粒子径の計測
5.300μm以上のOCP粒子の抽出
6.全粒子面積(S)および300μm以上のOCP粒子面積(S)の算出
7.300μm以上のOCP粒子割合(R)を下式により算出
=S/S×100
なお、本測定における粒子径とは、各凝集粒子の輪郭に接する最長間隔の平行線間の距離が300μm以上として定義した。
(圧縮弾性率測定)
温度:25℃、湿度:65%の環境下、直径8.5mm、長さ15mmの円柱状試料をリン酸緩衝生理食塩水(10mMリン酸ナトリウム、0.14M塩化ナトリウム、pH7.4)に30分間浸漬した。その後、試料表面の水気を軽く拭い、精密万能試験機(オートグラフAGS−J、株式会社島津製作所製、ロードセル容量:1kN)を用いて、単軸荷重を負荷した。具体的には、サンプルを長辺が下方圧盤(材質:ステンレス、内径:100mm、厚さ:25mm)に対し垂直となるようにセットした後、上方圧盤(材質:ステンレス、内径:100mm、厚さ:25mm)を10mm/minの速度で下げ、サンプルが80%歪んだところで試験機を止めた。そして、得られた応力−ひずみ曲線の初期直線部分の傾きから圧縮弾性率を求めた。
(気孔率測定)
上記実施例1〜3並びに比較例1〜4で得られた直径8.5mm、厚さ1.5mmの円柱状(タブレット状)のサンプルについて、気孔率を以下のようにして測定した。
前処理として、サンプルを120℃で4時間恒温乾燥した。前処理後の各サンプルについて、以下の測定装置を用いた水銀圧入法により、以下の条件で細孔直径0.0036〜200μmの細孔分布を求めた。
測定装置:オートポアIV9520(micromeritics社製)
測定条件:サンプルと水銀の接触角:140deg
水銀の表面張力0.48N/m(1dyne=10−5Nで換算)。
気孔率は水銀圧入法による全細孔容積と見かけ密度を用いて下記の式により求められる。
気孔率(%)= 全細孔容積/{(1/見かけ密度)+全細孔容積}×100
上記実施例および比較例についてのフラクタル次元、コラーゲン部分割合、気孔率および圧縮弾性率の測定結果を表1に示す。
表1に示される結果から、実施例1〜3のサンプル(多孔質複合体)は、フラクタル次元が0.7以上かつコラーゲン部分割合が3%以下であり、OCP粒子が均一分散し、かつ十分な混合が達成されていた。
比較例1のサンプルは、フラクタル次元が0.7以上でOCP粒子の均一分散性は良好であるが、やや撹拌が不足していたため、コラーゲン部分割合が11%と十分な混合が達成されていなかった。
比較例2および比較例4のサンプルは、コラーゲンのみの部分は存在しておらず、十分な混合が達成されていたが、意外なことに過度の撹拌によりOCP粒子はディスク外周部に偏在しており、フラクタル次元は0.7以下と低い値であった。
比較例3のサンプルは、フラクタル次元が0.53と低く、かつコラーゲン部分割合が45%と非常に高い結果となった。これらの結果から、この撹拌条件では明らかに撹拌不足であると考えられた。
また、実施例1〜3のサンプルの圧縮弾性率は約0.1MPaと比較例1〜4のサンプルの1.6〜3.1倍高い値となった。これは、実施例1〜3においてOCP粒子が複合体全体に均一分散し、かつOCPとコラーゲンが十分に混合されていない部分が少ないため、OCP粒子が複合体中で補強材として効率的に機能したためと考えられる。
今回開示された実施形態および実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
本発明の多孔質複合体及びそれを含む骨再生材料は、高い骨再生能を有し、かつ適度な機械的強度を有することから、主に歯科口腔外科領域、整形外科領域における骨欠損修復に有用である。

Claims (2)

  1. 第8リン酸カルシウムとコラーゲンとを含む多孔質複合体であって、
    多孔質複合体の平面である5.0mm×5.0mmの範囲を走査型電子顕微鏡(SEM)で15倍に拡大して得られた画像において、第8リン酸カルシウムの凝集粒子のフラクタル次元(D)が0.70以上であり、a)第8リン酸カルシウムの凝集粒子からなる部分、b)第8リン酸カルシウムの微粒子及びコラーゲンからなる部分、並びにc)コラーゲンからなる部分のうち、c)コラーゲンからなる部分の面積割合が5%以下であることを特徴とする、多孔質複合体。
  2. 請求項1に記載の多孔質複合体を含む骨再生材料。
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