JP5900218B2 - ポリウレタンフォームに含まれるトルエンの低減方法 - Google Patents

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Description

本発明は、ポリウレタンフォームに含まれるトルエンの低減方法に関する。更に詳しくは、本発明は、ポリウレタンフォームに含有されたトルエンを効果的に低減できるポリウレタンフォームに含まれるトルエンの低減方法に関する。
近年、各種製品の使用時に放出される揮発性有機化合物(以下、単に「VOC」という)に対する関心が高まり、これを低減する試みが種々なされている。ポリウレタンフォームに含まれるVOCを低減する方法として、下記特許文献1及び下記特許文献2が知られている。尚、独泡性のポリウレタンフォームのクラッシングに関して下記特許文献3及び下記特許文献4が知られている。
特開2006−045443号公報 特開2010−137517号公報 特開平10−044249号公報 特開平11−347269号公報
本発明は、ポリウレタンフォーム内のトルエンを効果的に低減できるポリウレタンフォームに含まれるトルエンの低減方法を提供することを目的とする。
本発明者は、特に車両におけるVOCについて検討を行っていたところ、従来から排出が知られている各種のVOC以外に、従来知られていないトルエンの放出があることを知見した。更に、その発生源は、内装材として多用されているポリウレタンフォームであることが分かった。しかし、ポリウレタンフォームの何が原因でトルエンが放出されるのか、またどのような場合にトルエンが放出されるのかが長く不明であった。
一般に、ポリウレタンフォームは、ポリオール化合物とポリイソシアネート化合物との反応に際して発泡されて形成される。このうち、ポリイソシアネート化合物として利用されるトルエンジイソシアネート(以下、単に「TDI」ともいう)は、トルエンを原料として合成される成分である。このため、トルエンの残留があり、それが発生源となることも危惧されたが、本発明者の調査によると、トルエンの残留はほとんど無く、製品となったポリウレタンフォームにおけるトルエンの発生源とはなっていないことが分かった。
その一方で、ポリウレタンフォームの原料として用いられるポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物以外の、各種の添加剤からはトルエンが検出される場合があることが分かった。その理由は、原料としてトルエンが用いられていなくとも、各種添加剤を製造するためのプラントを洗浄する溶剤等としてトルエンが用いられており、そのトルエンが残留されて添加剤に含有されている可能性があることが分かった。このトルエンは、必ず含まれる訳ではなく、含まれるメーカーもあれば含まれないメーカーもあり、更には、含まれるロットもあれば含まれないロットもあることが分かった。
更に、ポリウレタンフォームに、トルエンが含有されてしまった場合に、ポリウレタンフォームからトルエンが放出されなくなるまでの時間を測定すると、極めて長期を要することが分かった。一方で、ポリウレタンフォームを拡大観察すると、独立気泡はほとんど認められず、連通気泡によって内部が構成されていることが分かった。このことから、本発明者は、自然なガス交換が連泡性のポリウレタンフォームにおいてなされているはずであるが、フォーム内部にトルエンが残留し易い要因があり、放出減衰に時間を要するものと考えた。そこで、ポリウレタンフォーム内に残留されたトルエンを含む揮発性有機化合物の低減について検討を行った。
従来から、VOCとしてよく知られているホルムアルデヒド及びアセトアルデヒド等は、極性を有するため、この特性を利用して除去や補足を行うことが容易であった(即ち、ホルムアルデヒド及びアセトアルデヒド等は、化学反応性が比較的高い)。しかし、トルエン等は、極性を有さず、常温における反応性に乏しい安定な化合物である(即ち、トルエン等は、化学反応性が低い)。このため、酸・アルカリ反応を利用した捕捉や、電荷を利用した捕捉を行うことができず、また、活性炭による物理吸着を行っても、温度上昇による再放出(脱離)を生じて有効な捕捉にならないことが分かった。加えて、沸点が比較的高いために、製品への影響を考慮した低温の加温では十分に低減させることもできなかった。
このような種々の検討を重ねたうえで、本発明者は以下の発明を完成させるに至った。
即ち、上記問題点を解決するために、請求項1に記載のポリウレタンフォームに含まれるトルエンの低減方法は、連泡性のポリウレタンフォームを70℃以上130℃以下に加熱して、加熱ポリウレタンフォームとする加熱工程と、
前記加熱ポリウレタンフォームを耐圧容器内に収容し、1kPa以上30kPa以下まで2〜5回に分割して段階的に減圧して、前記加熱ポリウレタンフォーム内に含有されるトルエンを揮発させる揮発工程と、を備えることを要旨とする。
請求項2に記載のポリウレタンフォームに含まれるトルエンの低減方法は、請求項1において、前記耐圧容器が、減圧破泡処理を行うことができるクラッシング装置であることを要旨とする。
請求項3に記載のポリウレタンフォームに含まれるトルエンの低減方法は、請求項1又は2において、前記揮発工程後のポリウレタンフォームに含まれるトルエンが、前記揮発工程後のポリウレタンフォーム全体に対して1.37×10 −6 質量%未満であることを要旨とする。
請求項4に記載のポリウレタンフォームに含まれるトルエンの低減方法は、請求項1乃至3のうちのいずれかにおいて、前記連泡性のポリウレタンフォームは、シリコーン系整泡剤を用いて得られることを要旨とする。
本発明のポリウレタンフォームに含まれるトルエンの低減方法によれば、ポリウレタンフォーム内からトルエンを効果的に低減できる。
更に、連泡性のポリウレタンフォームが、シリコーン系整泡剤を用いて得られる場合は、とりわけ効果的にトルエンを低減できる。
本発明について、本発明による典型的な実施形態の非限定的な例を挙げ、言及された複数の図面を参照しつつ以下の詳細な記述にて更に説明するが、同様の参照符号は図面のいくつかの図を通して同様の部位を示す。
トルエンの放出量の変化を示すグラフである。
ここで示される事項は例示的なものおよび本発明の実施形態を例示的に説明するためのものであり、本発明の原理と概念的な特徴とを最も有効に且つ難なく理解できる説明であると思われるものを提供する目的で述べたものである。この点で、本発明の根本的な理解のために必要である程度以上に本発明の構造的な詳細を示すことを意図してはおらず、図面と合わせた説明によって本発明の幾つかの形態が実際にどのように具現化されるかを当業者に明らかにするものである。
本発明のポリウレタンフォームに含まれるトルエンの低減方法は、加熱工程と揮発工程とを備えることを要旨とするものである。
また、本発明のポリウレタンフォームの製造方法は、加熱工程と揮発工程とを備えることを要旨とするものである。
上記「加熱工程」は、連泡性のポリウレタンフォームを70℃以上130℃以下に加熱して、加熱ポリウレタンフォームとする工程である。
連泡性のポリウレタンフォームは、どのようにして得られたものであってもよい。例えば、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物等を含む組成物が、樹脂化とともに発泡されて、独泡性のポリウレタンフォームが形成された後、破泡処理を経て得られた連泡性のポリウレタンフォームであってもよい。また、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物等を含む組成物が、発泡によって膨張しつつ、同時に破泡を生じながら樹脂化されることで得られた連泡性のポリウレタンフォームであってもよい。
尚、本発明では、連続気泡率(ASTMD2856−70に準拠)が50%以上であるポリウレタンフォームを連泡性ポリウレタンフォームというものとする。
上記加熱は、どのような形態で行ってもよい。即ち、例えば、バッチ式の加熱炉に投入して加熱してもよく、ライン式の加熱炉を通過させて加熱してもよく、更に、その他の様々な加熱手段を用いることができる。これらの加熱形態は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
また、加熱手段も特に限定されず、熱風をあてて加熱する手段(熱風加熱手段)を用いてもよく、赤外線照射により加熱する手段(赤外線加熱手段)を用いてもよく、更に、その他の様々な加熱手段を用いることができる。これらの加熱手段は1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
加熱工程における加熱温度は、70℃以上130℃以下である。この加熱温度は、75℃以上が好ましく、80℃以上がより好ましく、90℃以上が更に好ましく、100℃以上が特に好ましい。加熱温度の上限は特に限定されないものの、得られるポリウレタンフォームの物性に大きく影響しないことが好ましく、130℃以下であり、125℃以下が好ましく、120℃以下がより好ましく、115℃以下が更に好ましく、110℃以下が特に好ましい。
尚、上記加熱温度は、測定対象であるポリウレタンフォームの内部の中心まで熱電対を差し込んで測定(熱電対温度計を利用して測定)される温度であるとする。
上記「揮発工程」は、加熱ポリウレタンフォームを耐圧容器内に収容し、1kPa以上30kPa以下まで2〜5回に分割して段階的に減圧して、加熱ポリウレタンフォーム内に含有されるトルエンを揮発させる工程である。
即ち、加熱ポリウレタンフォーム内に含まれたトルエンを含むVOCは、減圧環境で沸点が降下される。この降下された沸点が、加熱ポリウレタンフォームの温度を下回ることで、当該成分が揮発される。このため、通常、上記加熱工程は、揮発工程において減圧によって降下されるトルエンの沸点よりも、高い温度にポリウレタンフォームを加熱する工程である。逆に、揮発工程は、加熱工程において加熱されたポリウレタンフォームの温度よりも、トルエンの沸点が低い温度となるように減圧して、トルエンの沸点を降下させる工程である。
例えば、常圧(約101.3kPa)におけるトルエンの沸点は約111℃である。これに対して、30kPaにおける沸点は約70℃にまで降下され、更に、10kPaにおける沸点は約50℃まで降下され、特に4kPaにおける沸点は約30℃まで降下される。このように、トルエンを含むVOCは、各成分毎に、減圧により各々の標準沸点よりも低い沸点となる。一方、ポリウレタンフォームは加熱工程において予熱されている。例えば、70℃以上に加熱された加熱ポリウレタンフォーム内に含まれたトルエンは、沸点降下によって減圧後の沸点が70℃以下になれば、加熱ポリウレタンフォーム内で揮発し、フォーム外へと排出され易くなる。
実際には、減圧の進行に伴い、フォーム内に含有された水分等の気化によって、加熱ポリウレタンフォーム自体の温度が低下する。このため、トルエンを含むVOCの沸点が、加熱ポリウレタンフォーム内の温度を超える状況は短時間しか得られない場合もあるが、その短時間の間に、極めて効果的にトルエンを含むVOCを加熱ポリウレタンフォーム内から取り出すことが可能であることが分かった。
このようなことから、通常、加熱工程では、前述のように、加熱ポリウレタンフォームは70℃以上に加熱されていることが好ましく、更に、揮発工程では、30kPa以下に減圧される。この減圧は、更に、20kPa以下が好ましく、10kPa以下がより好ましく、5kPa以下が更に好ましく、4kPa以下が特に好ましい。尚、どの程度に減圧してもよいが、減圧によるポリウレタンフォームの外観品質の確保及びポリウレタンフォーム内の空気の抜け程度の観点から、減圧下限値は、1kPa以上であり、2kPa以上が好ましく、3kPa以上が好ましい。
揮発工程における減圧方法は特に限定されず、耐圧容器(減圧されても内部容積を維持する容器)内に加熱ポリウレタンフォームを収容し、この耐圧容器内を減圧することで、加熱ポリウレタンフォームを減圧環境下におく。
このような装置としては、独立気泡を有するポリウレタンフォームを減圧破泡処理することができるクラッシング装置を利用できる。また、所望の値まで1回で減圧を行ってもよいが、徐々に段階的に行うことができ、特に複数回に分割して減圧を行うことが好ましく、本発明では、2〜5回に分割して段階的に減圧する。例えば、100kPaから25kPaまで減圧する場合には、2〜5回に分割して段階的に減圧することが好ましく、2〜4回に分割して段階的に減圧することがより好ましい。
更に、揮発工程では、必要に応じて減圧下のポリウレタンフォームを加熱することができる。減圧によって減圧下のポリウレタンフォームの温度は低下するために、前述のように、減圧によって降下されたトルエン等の沸点を上回るように、ポリウレタンフォームの温度を維持することが難しい。このため、揮発工程においても加熱することで、減圧によって降下されたトルエン等の沸点を上回るようにポリウレタンフォームの温度を維持する、又は、維持する時間をより長くすることが可能となる。
この減圧下のポリウレタンフォームの加熱方法は特に限定されないが、特にマイクロ波加熱を行うことが好ましい。減圧下のポリウレタンフォームは、耐圧容器内において、実質的な断熱状態に置かれている。このため、外部からの熱源からの熱を伝導させることが難しい。これにたいして、マイクロ波加熱であれば、耐圧容器内のポリウレタンフォームを直接的に加熱することができる。
また、本発明で用いるポリウレタンフォームは、通常、軟質ポリウレタンフォームである。この軟質ポリウレタンフォームの原料は、ポリオール化合物及びポリイソシアネート化合物が必要とされる他、通常、触媒、発泡剤、整泡剤等を用いることができる。
上記ポリオール化合物は、その分子中にヒドロキシル基を少なくとも2つ有する化合物である。このポリオール化合物としては、ポリエーテル系ポリオール、ポリエステル系ポリオール、アルキレングリコール、及び、ポリエーテル系ポリオール又はポリエステル系ポリオールを用いたポリマーポリオール等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリエーテル系ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の多価アルコールに、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドが付加されたポリエーテル系ポリオールが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリエステル系ポリオールとしては、脂肪族カルボン酸及び/又は芳香族カルボン酸と、多価アルコールと、を重縮合して得られるポリエステルポリオール化合物が挙げられる。脂肪族カルボン酸としては、マロン酸、コハク酸及びアジピン酸等が挙げられ、芳香族カルボン酸としてはフタル酸等が挙げられる。また、多価アルコールとしては、前述のポリエーテルポリオールを構成することができる上記多価アルコールをそのまま適用できる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
アルキレングリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−ブタンジオール、ジプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、グリセリン、ペンタエリスリトール、ソルビトール、トリメチロールプロパン、シクロヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の多価アルコールが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記ポリイソシアネート化合物は、その分子中にイソシアネート基を少なくとも2つ有する化合物である。このポリイソシアネート化合物としては、脂肪族系ポリイソシアネート、芳香族ポリイソシアネート、及びこれらの変性化合物が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
ポリイソシアネート化合物の配合量は、特に限定されないが、ポリオール化合物全体100質量部に対して、通常、10〜60質量部である。
脂肪族ポリイソシアネートとしては、ヘキサメチレンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキサメタンジイソシアネート等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
芳香族ポリイソシアネートとしては、トルエンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ナフタレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、ポリメリックポリイソシアネート(クルードMDI)等を挙げることができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
変性ポリイソシアネート化合物としては、脂肪族ポリイソシアネート又は芳香族ポリイソシアネートのカルボジイミド変性化合物が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記触媒としては、アミン類(アミン化合物)及び有機金属化合物が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
アミン類としては、モノアミン類、ジアミン類、トリアミン類、ポリアミン類、環状アミン類、アルコールアミン類、エーテルアミン類等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
有機金属化合物としては、有機錫化合物、有機水銀化合物、有機鉛化合物等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
触媒の配合量は、特に限定されないが、アミン類を用いる場合には、ポリオール化合物全体100質量部に対して、通常、0.01〜2質量部である。有機金属化合物を用いる場合には、ポリオール化合物全体100質量部に対して、通常、0.01〜1質量部である。
上記発泡剤としては、水、炭化水素(ペンタン等)、液化炭酸ガス、塩化アルキレン(メチレンクロライド及びエチレンクロライド等)などが挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
発泡剤の配合量は、特に限定されないが、水を用いる場合には、ポリオール化合物全体100質量部に対して、通常、0.5〜7質量部である。
整泡剤としては、各種界面活性剤を適宜用いることができる。即ち、例えば、脂肪酸塩等の石鹸系界面活性剤(石鹸系整泡剤)、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルエーテルスルホン酸塩等のスルホン酸塩系界面活性剤(スルホン酸塩系整泡剤)、ラウリル硫酸塩等の高級アルコール系界面活性剤(高級アルコール系整泡剤)、アミノ酸系界面活性剤(アミノ酸系整泡剤)、シリコーン系界面活性剤(シリコーン系整泡剤)、フッ素化合物系界面活性剤(フッ素化合物系整泡剤)等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
また、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、非イオン系界面活性剤等、いずれの界面活性剤も使用することができる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
整泡剤の配合量は、特に限定されないが、ポリオール化合物全体100質量部に対して、通常、0.001〜5質量部である。
上記の整泡剤のなかでも、本発明の方法は、整泡剤として、シリコーン系整泡剤を用いた場合に特に効果的にその作用を発揮させることができる。
シリコーン系整泡剤は、ポリシロキサン鎖を骨格として有する化合物である。また、ポリエーテル変性された化合物であってもよく、ポリエーテル・ポリシロキサンブロック重合体(ポリシロキサン鎖及びポリオキシアルキレン鎖のブロック構造)であってもよく、その他の変性及び構造の化合物であってもよい。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
このうち、ポリエーテル変性されたシリコーン系整泡剤は、通常、ポリシロキサン鎖及びポリオキシアルキレン鎖を有し、主鎖であるポリシロキサン鎖に、ポリオキシアルキレン鎖が変性された構造を有することができる。変性形態は特に限定されず、片末端変性、両末端変性、グラフト変性等が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
上記ポリシロキサン鎖は、通常、側鎖に有機基を有するオルガノポリシロキサン鎖であり、例えば、ポリジメチルシロキサン鎖が挙げられる。また、上記ポリオキシアルキレン鎖としては、ポリオキシエチレン鎖、ポリオキシプロピレン鎖等の1種のオキシアルキレン基から構成されたポリオキシアルキレン鎖、及び、オキシエチレンオキシプロピレンブロック鎖、オキシエチレンオキシプロピレンランダム鎖等の2種以上のオキシアルキレン基から構成されたポリオキシアルキレン鎖が挙げられる。これらは1種のみを用いてもよく2種以上を併用してもよい。
これらのなかでも、例えば、主鎖としてポリジメチルシロキサン鎖を有し、側鎖としてポリオキシアルキレン鎖を有するシリコーン系整泡剤では、ポリオキシアルキレン鎖が、オキシエチレン基(E)とオキシプロピレン基(P)との両方を含むものであることが好ましい。このようなシリコーン系整泡剤におけるポリジメチルシロキサン鎖のジメチルシロキサン単位数は10〜200とすることができる。また、オキシエチレン基(E)とオキシプロピレン基(P)とのモル比(E/P)は3〜9とすることができる。更に、ポリオキシアルキレン鎖の平均分子量は500〜2000とすることができる。
その他、本発明で用いるポリウレタンフォームには、ポリオール化合物、ポリイソシアネート化合物、触媒、発泡剤、及び、整泡剤以外にも、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、充填剤、着色剤等を適宜用いることができる。
本発明によって得られるポリウレタンフォームの形状、大きさ等は特に限定されず、その用途も特に限定されない。このポリウレタンフォームとしては、例えば、自動車、鉄道車両、船舶及び飛行機等の内装材として用いられる。このうち自動車用品としては、自動車用内装材等が挙げられる。具体的には、シートパッド、ヘッドレストパッド、アームレストのパッド材、ドアトリムのアームレストパッド等が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に具体的に説明する。
(1)比較例1
トルエン放出が認められる連泡性のポリウレタンフォームを、前述の加熱工程及び揮発工程を経ることなく、そのまま利用して、トルエンの放出量を測定した。
即ち、車両の後部座席用のシートパッド(製品実物大、質量約3500g、体積約0.06m)を容積1mの密閉容器に投入した後、容器内の気体を純窒素ガス(水分及び他のガスを含まない)で置換した。その後、密閉容器を40℃(大気圧下)の加熱炉内に2時間放置した。
次いで、自動車技術会によるJASO規格「JASO M 902 自動車部品−内装材−揮発性有機化合物(VOC)放散測定方法」内に規定されたJIS A1966に準拠して、上記2時間放置後における密閉容器のトルエン濃度を測定した。その結果、トルエンの放出量は47.965(μg/個)であった。
尚、このポリウレタンフォームには、整泡剤としてシリコーン系整泡剤が利用されている。
(2)実施例1
比較例1で利用したものと同じ連泡性のポリウレタンフォームを、温度80℃の加熱炉に1時間放置して、温度80℃の加熱ポリウレタンフォームを得た。ついで、減圧クラッシング装置内に、加熱ポリウレタンフォームを投入し、4kPaまで段階的に三回に分割して減圧を行い、揮発性有機化合物の除去・低減を行い、実施例1のポリウレタンフォームを得た。
得られた実施例1のポリウレタンフォームについて、比較例1と同じ方法でトルエンの放出量を測定した。即ち、実施例1のポリウレタンフォームを容積1mの密閉容器に投入した後、容器内の気体を純窒素ガス(水分及び他のガスを含まない)で置換し、その後、密閉容器を40℃(大気圧下)の加熱炉内に2時間放置した。次いで、JIS A1966に準拠して、2時間放置後の密閉容器内のトルエン濃度を測定した。その結果、トルエン放出量は22.357(μg/個)であった。
(3)実施例2
比較例1で利用したものと同じ連泡性のポリウレタンフォームを、温度90℃の加熱炉に1時間放置して、温度90℃の加熱ポリウレタンフォームを得た。ついで、減圧クラッシング装置内に、加熱ポリウレタンフォームを投入し、4kPaまで段階的に三回に分割して減圧を行い、揮発性有機化合物の除去・低減を行った。
こうして得られた実施例2のポリウレタンフォームを、比較例1と同じ測定に供し、トルエンの放出量を測定した。その結果、トルエン放出量は21.315(μg/個)であった。
(4)実施例3
比較例1で利用したものと同じ連泡性のポリウレタンフォームを、温度100℃の加熱炉に1時間放置して、温度100℃の加熱ポリウレタンフォームを得た。ついで、減圧クラッシング装置内に、加熱ポリウレタンフォームを投入し、4kPaまで段階的に三回に分割して減圧を行い、揮発性有機化合物の除去・低減を行った。
こうして得られた実施例3のポリウレタンフォームを、比較例1と同じ測定に供し、トルエンの放出量を測定した。その結果、トルエンの放出量は17.864(μg/個)であった。
(5)実施例の効果
上記(1)〜(4)の結果を図1にグラフとして示した。この結果から、本発明のポリウレタンフォームの揮発性有機化合物の低減方法を施さなかった比較例1のポリウレタンフォームに対して、この低減方法を施した実施例1〜3のポリウレタンフォームでは、極めて効果的にトルエンの放出量が低減されたことが分かる。即ち、比較例1に対して実施例1〜3のトルエン放出量は37.2〜46.6%と半分以下にまで低減された。
更に、同様に測定されたエチルベンゼンは、比較例1において31.913(μg/個)であったのに対して、実施例1〜3で10.077〜12.760(μg/個)にまで著しく低減された。即ち、エチルベンゼン放出量は37.2〜46.6%と半分以下にまで低減された。
また、キシレンは、比較例1において47.094(μg/個)であったのに対して、実施例1〜3では12.676〜16.237(μg/個)にまで著しく低減された。即ち、キシレン放出量は26.9〜34.5%と半分以下にまで低減された。
更に、スチレンは、比較例1において27.000(μg/個)であったのに対して、実施例1〜3では4.138〜6.393(μg/個)にまで著しく低減された。即ち、スチレン放出量は15.3〜23.7%と四分の1以下にまで低減された。
以上から、本発明のポリウレタンフォームの揮発性有機化合物の低減方法及びポリウレタンフォームの製造方法は、揮発性有機化合物としては沸点が高い化合物であっても、更には、極性に乏しく化学的な捕捉が困難な安定した化合物に対しても極めて効果的に作用されることが分かる。
前述の例は単に説明を目的とするものでしかなく、本発明を限定するものと解釈されるものではない。本発明を典型的な実施形態の例を挙げて説明したが、本発明の記述および図示において使用された文言は、限定的な文言ではなく説明的および例示的なものであると理解される。ここで詳述したように、その形態において本発明の範囲または精神から逸脱することなく、添付の特許請求の範囲内で変更が可能である。ここでは、本発明の詳述に特定の構造、材料および実施例を参照したが、本発明をここにおける開示事項に限定することを意図するものではなく、むしろ、本発明は添付の特許請求の範囲内における、機能的に同等の構造、方法、使用の全てに及ぶものとする。

Claims (4)

  1. 連泡性のポリウレタンフォームを70℃以上130℃以下に加熱して、加熱ポリウレタンフォームとする加熱工程と、
    前記加熱ポリウレタンフォームを耐圧容器内に収容し、1kPa以上30kPa以下まで2〜5回に分割して段階的に減圧して、前記加熱ポリウレタンフォーム内に含有されるトルエンを揮発させる揮発工程と、を備えることを特徴とするポリウレタンフォームに含まれるトルエンの低減方法。
  2. 前記耐圧容器が、減圧破泡処理を行うことができるクラッシング装置である請求項1に記載のポリウレタンフォームに含まれるトルエンの低減方法。
  3. 前記揮発工程後のポリウレタンフォームに含まれるトルエンが、前記揮発工程後のポリウレタンフォーム全体に対して1.37×10 −6 質量%未満である請求項1又は2に記載のポリウレタンフォームに含まれるトルエンの低減方法。
  4. 前記連泡性のポリウレタンフォームは、シリコーン系整泡剤を用いて得られる請求項1乃至3のうちのいずれかに記載のポリウレタンフォームに含まれるトルエンの低減方法。
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