JP5900159B2 - コイル部品の製造方法及び製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は、リアクトル又はモータ用コイル等に使用するコイル部品の製造方法及び製造装置に関する。
例えば、特許文献1には、コイル部品の製造方法について、以下の技術が開示されている。
具体的には、1本の巻線によって二つのコイル要素を、その軸方向にかつコイル要素の相互間に巻線の連絡部(渡り部)を介して偏心させた状態で段違い状に形成する。その後、巻線の連絡部を折り返すようにして、第1のコイル要素の右側に第2のコイル要素を並列状に並べる。
このとき、第1のコイル要素の上端面上に第1のピン部材を配置するとともに、第2のコイル要素の下端面上に第2のピン部材を配置する。第2のピン部材は、第1のピン部材の軸線を中心として回転可能に設けられたアーム部材に取り付けられている。
ここで、アーム部材を、第1のピン部材の軸線を中心として右回り方向に回動させることにより、第2のピン部材がアーム部材と一体的に回動される。これにより、二つのコイル要素が並列状に、すなわち第1のコイル要素の右側に第2のコイル要素が並べられる。
このように、特許文献1のコイル部品の製造方法では、巻線の連絡部に第1のピン部材(固定軸)を当接し、折り返すコイル要素に第2のピン部材(回動軸)を当接して、第2のピン部材(回動軸)を第1のピン部材(固定軸)を中心に円運動させることで、コイル要素を折り返す方法であった。
特開2004−55920号公報
しかしながら、特許文献1の製造方法では、回動するコイル要素と固定軸との位置関係は、コイル要素を折り返すにつれて巻線の連絡部が固定軸に巻き付けられるので、その距離が短くなる関係にある。ところが、回動するコイル要素は、回動軸に支持されてアーム部材と一体的に回動される。そのため、折り返す際に、コイル要素と回動治具(アーム部材及び回動軸)との間でずれが生じるので、強度的に弱い渡り部の肉厚が減少したり、回動治具に巻き込まれてにシワが発生する問題があった。また、コイル要素と回動治具との間で無理な力や摩擦が発生して巻線を被覆する絶縁部材が損傷する等の問題があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、コイル折り返し時におけるシワ、傷付き等の防止に寄与できるコイル部品の製造方法及び製造装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明のコイル部品の製造方法及び製造装置は、次のような構成を有している。
(1)一本の巻線で同一巻方向に曲げながら互いに軸心をずらして積層する複数のコイル要素を、互いに隣接するコイル要素の積層方向が反転する方向に折り返して並列状に形成するコイル部品の製造方法であって、
折り返されるコイル要素を支持して回動させる回動治具と、前記コイル要素と隣接する他のコイル要素との間に形成される渡り部に当接する固定軸を有する固定治具とを備え、
前記回動治具を前記固定軸中心に回動して前記コイル要素を折り返す際、前記コイル要素は、前記固定軸に対してインボリュート曲線軌道上を移動することを特徴とする。
(2)(1)に記載されたコイル部品の製造方法において、
前記コイル要素は、前記回動治具に対してスライド可能な把持機で把持されていることを特徴とする。
(3)一本の巻線で同一巻方向に曲げながら互いに軸心をずらして積層する複数のコイル要素を、互いに隣接するコイル要素の積層方向が反転する方向に折り返して並列状に形成するコイル部品の製造装置であって、
折り返されるコイル要素と隣接する他のコイル要素との間に形成された渡り部に当接する固定軸を有する固定治具と、
前記固定軸に対してインボリュート曲線軌道を形成する倣い板と、
前記コイル要素を把持する把持機と、
前記インボリュート曲線軌道に沿って前記把持機を案内する案内部と、
前記案内部をスライド可能に支持し、前記固定軸を中心に回動する回動治具とを備えることを特徴とする。
次に、本発明に係るコイル部品の製造方法及び製造装置の作用及び効果について説明する。
(1)に記載されたコイル部品の製造方法によれば、折り返されるコイル要素を支持して回動させる回動治具と、コイル要素と隣接する他のコイル要素との間に形成される渡り部に当接する固定軸を有する固定治具とを備え、回動治具を固定軸中心に回動してコイル要素を折り返す際、コイル要素は、固定軸に対してインボリュート曲線軌道上を移動するので、コイル折り返し時におけるシワ、傷付き等の防止に寄与できる。
すなわち、回動治具を固定軸中心に回動してコイル要素を折り返す際、コイル要素は、固定軸に対してインボリュート曲線軌道上を移動するので、渡り部が固定軸に巻き付けられた長さに応じてコイル要素は固定軸に接近する。そのため、折り返される渡り部に弛みや伸びが生じることがない。また、回動治具におけるコイル要素支持面と回動するコイル要素との間で無理な力や摩擦が発生しない。そのため、コイル要素の巻線を被覆する絶縁部材が損傷することもない。したがって、コイル折り返し時におけるシワ、傷付き等の防止に寄与できる。
(2)に記載されたコイル部品の製造方法によれば、コイル要素は、回動治具に対してスライド可能な把持機で把持されているので、コイル折り返し時に渡り部が固定軸に巻き付けられた長さに応じて把持機は回動治具に対して移動する。そのため、コイル要素と把持機との間で無理な力やずれが発生しない。その結果、コイル要素の巻線を被覆する絶縁部材がコイル要素を把持する把持機の爪部よって傷つけられることを防止できる。したがって、コイル折り返し時におけるシワ、傷付き等の防止に一層寄与できる。
(3)に記載されたコイル部品の製造装置によれば、折り返されるコイル要素と隣接する他のコイル要素との間に形成された渡り部に当接する固定軸を有する固定治具と、固定軸に対してインボリュート曲線軌道を形成する倣い板と、コイル要素を把持する把持機と、インボリュート曲線軌道に沿って把持機を案内する案内部と、案内部をスライド可能に支持し、固定軸を中心に回動する回動治具とを備えるので、コイル折り返し時におけるシワ、傷付き等の防止に寄与できる。
すなわち、折り返されるコイル要素と隣接する他のコイル要素との間に形成された渡り部に当接する固定軸を有する固定治具を備えるので、折り返されるコイル要素は、渡り部に当接する固定軸を中心に回動する。また、固定軸に対してインボリュート曲線軌道を形成する倣い板と、コイル要素を把持する把持機と、インボリュート曲線軌道に沿って把持機を案内する案内部と、案内部をスライド可能に支持し、固定軸を中心に回動する回動治具とを備えるので、コイル要素を把持する把持機が、回動治具の回動により、渡り部が固定軸に巻き付けられた長さに応じて固定軸に接近することができる。そのため、折り返される渡り部に弛みや伸びが生ぜず、コイル要素を把持する把持機の爪部に無理な力やずれが生じない。したがって、コイル折り返し時におけるシワ、傷付き等の防止に寄与できる。
本発明に係る実施形態であるコイル部品の製造方法によって製造されたコイル部品の斜視図である。 図1に示すコイル部品における渡り部の折り返し方法を説明する斜視図である。(A)は折り返し前を示し、(B)及び(C)は折り返し途中を示し、(D)は折り返し完了を示す。 本発明に係る実施形態であるコイル部品の製造方法に用いる製造装置の斜視図である。 図3に示す製造装置における回動治具の回動状態(a)〜(d)表すA視側面図である。(a)は回動開始前を示し、(b)及び(c)は回動途中を示し、(d)は回動完了を示す。 図4に示す回動治具の回動状態(a)〜(d)において、倣い板とカムフォロア(案内部)との位置関係を説明する模式図である。
次に、本発明に係る実施形態であるコイル部品の製造方法及び製造装置について、図面を参照して詳細に説明する。
<コイル部品の構造>
まず、コイル部品の構造を説明する。図1に、本発明に係る実施形態であるコイル部品の製造方法によって製造されたコイル部品の斜視図を示す。
図1に示すように、コイル部品100は、並列状に配置された同じサイズのコイル要素を、複数個備えている。ここでは、コイル要素が二つの例で説明する。二つのコイル要素1、2は、一本の平角線Hを同一巻方向に曲げ(エッジワイズ曲げ)ながら、それぞれ角筒状に複数回積層されたもので、一本の平角線Hから連続して形成されている。各コイル要素1、2は、直線部11、13、21、23と曲げ部12、22とを備えている。直線部には、短辺11、21と長辺13、23とがある。二つのコイル要素1、2は、長辺13、23同士が近接して並列している。二つのコイル要素1、2は、上端と下端の高さを揃えた状態に配置されている。
二つのコイル要素1、2の上端には、曲げ部12、22間で両者を繋ぐ渡り部3が形成されている。渡り部3において、一方のコイル要素1に対して他方のコイル要素2を積層方向が反転するように折り返している。渡り部3には、コイル要素1の曲げ部12と一部重なるように螺旋状の折り返し部31が形成されている。また、渡り部3は、螺旋状の折り返し部31から傾斜部32を経て隣接する他方のコイル要素2の短辺21に繋がっている。
二つのコイル要素1、2の下端には、外部連結端子14、24がそれぞれ形成されている。外部連結端子14、24は、各コイル要素の短辺11、21から下方に折り曲げられている。
二つのコイル要素1、2の内周側の中空部には、環状の鉄心コア(図示しない)が挿入される。コイル部品100は、鉄心コアとの隙間及びコイル要素1、2の外周側を、樹脂で被覆されて固定されることによって、リアクトルを形成する。
なお、コイル部品100のコイル要素を複数個配置することによって、例えば、モータの固定子コイルを形成することもできる。
<渡り部の折り返し方法>
次に、コイル部品100における二つのコイル要素1、2を繋ぐ渡り部3の折り返し方法を説明する。図2に、図1に示すコイル部品における渡り部の折り返し方法を説明する斜視図を示す。(A)は折り返し前を示し、(B)及び(C)は折り返し途中を示し、(D)は折り返し完了を示す。
図2(A)に示すように、二つのコイル要素1、2を繋ぐ渡り部3を互いの曲げ部間に設け、折り返し完了後において互いに隣接する直線部(長辺)13、23が、略直角に開いた状態である。また、二つのコイル要素1、2は、軸心がずれて、積層方向で段違い状に配置されている。つまり、一方のコイル要素1の上端と他方のコイル要素2の下端とが、同一平面上に配置されている。このとき、図面右側にある一方のコイル要素1は上端が上方を向き、図面左側にある他方のコイル要素2は下端が上方を向いている。コイル要素1、2の下端には、それぞれ外部連結端子14、24が形成されている。
ここでは、渡り部3の折り返し治具として、固定軸41と回動軸51を用いた例で説明する。固定軸41と回動軸51は、いずれも円柱状の当接部を有している。回動軸51は、固定軸41を中心に回転運動を行う。固定軸41は、一方のコイル要素1上端の曲げ部に上方から当接している。固定軸41は、一方のコイル要素1の曲げ部において、外方へ略45度傾斜する方向に延びている。回動軸51は、固定軸41と平行に配置されて、渡り部3に下方から当接している。
図2(B)に示すように、一方のコイル要素1及び固定軸41を固定した状態で、他方のコイル要素2及び回動軸51を矢印Sの方向へ回動させる。矢印Sの方向は、一方のコイル要素1に対して略45度傾斜する方向である。固定軸41は、一方のコイル要素1上端の曲げ部に上方から当接した状態で固定されているので、他方のコイル要素2を矢印Sの方向に回動するに従って、渡り部3が固定軸41の外周に巻き付けられる。回動軸51は、固定軸41との間隔を保ちつつ、渡り部3に下方から当接した状態で、固定軸41を中心に回動する。図2(C)は、他方のコイル要素2を矢印Sの方向へさらに回動させた状態である。他方のコイル要素2をさらに回動させることによって、他方のコイル要素2は一方のコイル要素1に近接する。
図2(D)に示すように、他方のコイル要素2を一方のコイル要素1に対して略45度傾斜する方向(矢印Sの方向)へ略180度折り返すことによって、二つのコイル要素1、2は、長辺13、23同士が近接して並列させることができる。二つのコイル要素1、2は、上端と下端の高さを揃えた状態に配置される。この時、回動軸51は、渡り部3を固定軸41の外周に沿って折り曲げるように押圧している。そのため、渡り部3には、螺旋状の折り返し部31が形成される。この状態で、コイル部品100における二つのコイル要素1、2を繋ぐ渡り部3の折り返しが完了する。
<コイル部品の製造装置>
次に、本実施形態に係るコイル部品の製造方法に用いる製造装置を説明する。図3に、本発明に係る実施形態であるコイル部品の製造方法に用いる製造装置の斜視図を示す。図4に、図3に示す製造装置における回動治具の回動状態(a)〜(d)表すA視側面図を示す。図5に、図4に示す回動治具の回動状態(a)〜(d)において、倣い板とカムフォロア(案内部)との位置関係を説明する模式図を示す。
図3に示すように、コイル部品の製造方法に用いる製造装置10は、固定治具4、回動治具5、及び倣い板6を備えている。
固定治具4は、固定軸41、治具本体42、台板43、及び第1把持機44を有する。
固定軸41は、略円柱状体であって、基端部が治具本体42の前壁に固定されている。固定軸41の先端寄り外周面には、螺旋溝411が形成されている。螺旋溝411は、渡り部3が巻き付けられる溝である。
治具本体42は、略矩形状のブロック体であって、下端が台板43に固定されている。台板43は、水平に配置された板状体である。
台板43の上端には、第1把持機44が固定されている。第1把持機44は、先端が上方に向いた2本の爪部441を有する。爪部441は、先端を一方のコイル要素1の内周側から挿入して、外周側へ開くことによって一方のコイル要素1を把持する。これによって、一方のコイル要素1は、定位置に固定される。このとき、一方のコイル要素1の上端は、上方を向いている。
図3、図4に示すように、回動治具5は、回動軸51、回動板52、案内板53、及び第2把持機54を有する。
回動軸51は、略円柱状体であって、基端部が回動板52の前側に形成したボスに固定されている。
回動板52は、略矩形状板体であって、固定軸41を中心にして反時計周り(矢印Sの方向)に略180度回動可能に構成されている。回動駆動源は、図示しないが、例えば、減速機付きモータを用いることができる。回動板52の前側には、二つの案内溝521が形成されている。
案内板(案内部)53は、縦部材と横部材とからなる略L字状板体であって、縦部材の後側にカムフォロア531を軸支し、横部材の後側に二つの摺動体532を突設している。摺動体532は、回動板52の案内溝521に摺動可能に嵌合されている。横部材の前側には、板状の連結リブ533がカムフォロア531と反対方向に延設されている。
台板43の上端には、第2把持機54が載置されている。第2把持機54は、先端が上方に向いた2本の爪部541を有する。爪部541は、先端を他方のコイル要素2の内周側から挿入して、外周側へ開くことによってコイル要素2を把持する。第2把持機54は、連結リブ533と連結され、案内板53と一体化されている。したがって、第2把持機54は、案内板53と共に回動しながら矢印Fの方向にスライド移動する。
回動開始前においては、第2把持機54に把持された他方のコイル要素2の下端が、上方を向いている。また、渡り部3を回動軸51が下方から支持している。
図3〜図5に示すように、倣い板6は、内周側に中空部が形成された環状部材であって、外周側にインボリュート曲線軌道61が形成され、後側が治具本体42の前側に固定されている。インボリュート曲線軌道61は、法線が固定軸41の外周面に当接するように形成されている。インボリュート曲線軌道61には、案内板53のカムフォロア531が当接している。
図5に示すように、固定軸41とカムフォロア531との距離は、回動開始前(図5のA1)が最も短く、回動途中(図5のA2、A3)で徐々に長くなり、回動完了時(図5のA4)が最も長くなる。そのため、カムフォロア531と反対方向に配置された第2把持機54及び他方のコイル要素2は、カムフォロア531がインボリュート曲線軌道61に沿って移動すると、固定軸41に近接する方向(図3、図4の矢印Fの方向)に移動する。
図4(a)に示すように、回動開始前には、カムフォロア531aがインボリュート曲線軌道61の左端に当接し、第2把持機54が把持する他方のコイル要素2は、固定軸41から所定距離だけ右方向に離間して配置されている。
図4(b)、図4(c)に示すように、その後、回動板52を反時計回り(矢印Sの方向)に回動させると、カムフォロア531b、531cがインボリュート曲線軌道61に沿って下方に移動して、固定軸41とカムフォロア531b、531cとの距離が徐々に長くなる。そのため、カムフォロア531b、531cと反対方向に位置する第2把持機54及び第2把持機54に把持された他方のコイル要素2と固定軸41との距離が短くなる。この距離が短縮された長さは、渡り部3が固定軸41の外周に巻き付けられた長さに等しい。
図4(d)に示すように、更に、回動板52を反時計回り(矢印Sの方向)に回動させると、カムフォロア531dがインボリュート曲線軌道61の右端に移動して、固定軸41とカムフォロア531dとの距離が更に長く(最長に)なる。そのため、カムフォロア531dと反対方向に位置する第2把持機54及び第2把持機54に把持された他方のコイル要素2と固定軸41との距離が更に短く(最短に)なる。この時、他方のコイル要素2は、略180度反転され、固定軸41に外周が当接する位置に近接する。その結果、二つのコイル要素1、2を繋ぐ渡り部3が折り返される。
以上のように、本実施形態に係るコイル部品100の製造方法に用いる製造装置10によれば、一本の巻線で同一巻方向に曲げながら互いに軸心をずらして積層する複数のコイル要素1、2を、互いに隣接するコイル要素の積層方向が反転する方向に折り返して並列状に形成することができる。
<折り返しにおけるシワ、傷付き防止の解決原理>
以上、詳細に説明したように、本発明では、複数のコイル要素が並列したコイル部品において、渡り部を折り返すときに、コイル要素を固定軸に対してインボリュート曲線軌道上を移動させたことを特徴としている。この技術的特徴は、次の基本的な考え方による。
すなわち、渡り部を固定軸に巻き付けてコイル要素を折り返す際、渡り部を固定軸に巻き付けた長さと等しい距離だけ、折り返されるコイル要素を固定軸に近接させて、両者の位置関係を補正する。この位置関係の補正手段として、インボリュート曲線軌道と案内部を設けたのである。これによって、コイル要素と固定軸との位置関係は、渡り部を固定軸に巻き付けた長さと等しい距離だけ常に短縮するよう補正され、渡り部を含むコイル要素に無理な力や摩擦が作用しない。したがって、コイル要素の折り返しにおけるシワ、傷付き等を確実に防止することができる。
<作用効果>
以上、詳細に説明したように、本実施形態に係るコイル部品の製造方法によれば、折り返される他方のコイル要素2を支持して回動させる回動治具5と、コイル要素2と隣接する一方のコイル要素1との間に形成される渡り部3に当接する固定軸41を有する固定治具4とを備え、回動治具5を固定軸41中心に回動してコイル要素2を折り返す際、コイル要素2は、固定軸41に対してインボリュート曲線軌道61上を移動するので、コイル折り返し時におけるシワ、傷付き等の防止に寄与できる。
すなわち、回動治具5を固定軸41中心に回動してコイル要素2を折り返す際、コイル要素2は、固定軸41に対してインボリュート曲線軌道61上を移動するので、渡り部3が固定軸41に巻き付けられた長さに応じてコイル要素2は固定軸41に接近する。そのため、折り返される渡り部3に弛みや伸びが生じることがない。また、回動治具5におけるコイル要素支持面と回動するコイル要素2との間で無理な力や摩擦が発生しない。そのため、コイル要素2の巻線を被覆する絶縁部材が損傷することもない。したがって、コイル折り返し時におけるシワ、傷付き等の防止に寄与できる。
また、本実施形態によれば、コイル要素2は、回動治具5に対してスライド可能な第2把持機54で把持されているので、コイル折り返し時に渡り部3が固定軸41に巻き付けられた長さに応じて第2把持機54は回動治具5の回動板52に対して移動する。そのため、コイル要素2と第2把持機54との間で無理な力やずれが発生しない。その結果、コイル要素2の巻線を被覆する絶縁部材がコイル要素2を把持する第2把持機54の爪部541よって傷つけられることを防止できる。したがって、コイル折り返し時におけるシワ、傷付き等の防止に一層寄与できる。
また、本実施形態によれば、折り返されるコイル要素2と隣接する他のコイル要素1との間に形成された渡り部3に当接する固定軸41を有する固定治具4と、固定軸41に対してインボリュート曲線軌道61を形成する倣い板6と、コイル要素2を把持する第2把持機54と、インボリュート曲線軌道61に沿って第2把持機54を案内する案内板(案内部)53と、案内板53をスライド可能に支持し、固定軸41を中心に回動する回動治具5とを備えるので、コイル折り返し時におけるシワ、傷付き等の防止に寄与できる。
すなわち、折り返されるコイル要素2と隣接する他のコイル要素1との間に形成された渡り部3に当接する固定軸41を有する固定治具4を備えるので、折り返されるコイル要素2は、渡り部3に当接する固定軸41を中心に回動する。また、固定軸41に対してインボリュート曲線軌道61を形成する倣い板6と、コイル要素2を把持する第2把持機54と、インボリュート曲線軌道61に沿って第2把持機54を案内する案内板(案内部)53と、案内板53をスライド可能に支持し、固定軸41を中心に回動する回動治具5とを備えるので、コイル要素2を把持する第2把持機54が、回動治具5の回動により、渡り部3が固定軸41に巻き付けられた長さに応じて固定軸41に接近することができる。そのため、折り返される渡り部3に弛みや伸びが生ぜず、コイル要素2を把持する第2把持機54の爪部541に無理な力やずれが生じない。したがって、コイル折り返し時におけるシワ、傷付き等の防止に寄与できる。
上述した本実施形態は、本発明の要旨を変更しない範囲で変更することができる。
例えば、本実施形態では、インボリュート曲線軌道61を形成した倣い板6を設けている。しかしながら、倣い板6は、必ずしも必要としない。例えば、第2把持機54を多関節ロボットのアームに連結して、インボリュート曲線軌道を描かせることもできる。
本発明は、特にハイブリッド自動車等のインバータに用いるリアクトルや駆動モータの固定子コイルの製造方法及び製造装置として利用できる。
1、2 コイル要素
3 渡り部
4 固定治具
5 回動治具
6 倣い板
10 コイル部品の製造装置
11、21 直線部(短辺)
12、22 曲げ部
13、23 直線部(長辺)
31 折り返し部
41 固定軸
44 第1把持機
51 回動軸
52 回動板
53 案内板(案内部)
54 第2把持機
61 インボリュート曲線軌道
100 コイル部品

Claims (3)

  1. 一本の巻線で同一巻方向に曲げながら互いに軸心をずらして積層する複数のコイル要素を、互いに隣接するコイル要素の積層方向が反転する方向に折り返して並列状に形成するコイル部品の製造方法であって、
    折り返されるコイル要素を支持して回動させる回動治具と、前記コイル要素と隣接する他のコイル要素との間に形成される渡り部に当接する固定軸を有する固定治具とを備え、
    前記回動治具を前記固定軸中心に回動して前記コイル要素を折り返す際、前記コイル要素は、前記固定軸に対してインボリュート曲線軌道上を移動すること、
    前記各コイル要素は、直線部と曲げ部とを備え、それぞれ角筒状に複数回積層されたもので、前記渡り部には、前記他のコイル要素の曲げ部と一部重なるように螺旋状に折り返し部が形成されることを特徴とするコイル部品の製造方法。
  2. 請求項1に記載されたコイル部品の製造方法において、
    前記回動治具には、前記固定軸を中心に回動可能に形成された回動板と、当該回動板に形成された案内溝に沿って案内される案内部と、当該案内部と一体に形成され前記コイル要素を把持する把持機とを備え、
    前記把持機に把持された前記コイル要素は、前記回動板が前記固定軸中心に回動するとき、前記把持機及び前記案内部とともに回動しながら前記固定軸に近接する方向にスライド移動することを特徴とするコイル部品の製造方法。
  3. 一本の巻線で同一巻方向に曲げながら互いに軸心をずらして積層する複数のコイル要素を、互いに隣接するコイル要素の積層方向が反転する方向に折り返して並列状に形成するコイル部品の製造装置であって、
    折り返されるコイル要素と隣接する他のコイル要素との間に形成された渡り部に当接する固定軸を有する固定治具と、
    前記固定軸に対してインボリュート曲線軌道を形成する倣い板と、
    前記コイル要素を把持する把持機と、
    前記インボリュート曲線軌道に沿って前記把持機を案内する案内部と、
    前記案内部をスライド可能に支持し、前記固定軸を中心に回動する回動治具とを備えることを特徴とするコイル部品の製造装置。
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