JP5900156B2 - 圧電ダイヤフラムおよびそれを備えたインクジェット記録ヘッド - Google Patents

圧電ダイヤフラムおよびそれを備えたインクジェット記録ヘッド Download PDF

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Description

本発明は、圧力室が形成された基板上に圧電薄膜を有する圧電ダイヤフラムと、その圧電ダイヤフラムを備えたインクジェット記録ヘッドとに関するものである。
インクを吐出するアクチュエータ(ダイヤフラム)を有するインクジェット記録ヘッドにおいては、近年益々高レベルな性能が求められており、印字の高密度化、高速化、低コスト化がさらに必要となってきている。印字の高密度化には、ダイヤフラムの小型化、高密度化が有効であり、低コスト化には、ダイヤフラムの小型化、高密度化、低駆動電圧化が有効である。ダイヤフラムの小型化、高密度化、低駆動電圧化には、薄膜圧電素子(圧電薄膜)をダイヤフラムに用いることが有効な手段となるため、このような圧電薄膜を用いたダイヤフラム(圧電ダイヤフラム)の開発に各社とも力を注いでいる。
このような圧電ダイヤフラムの一つが、例えば特許文献1に開示されている。特許文献1の圧電ダイヤフラムでは、圧力室が形成された基板上に圧電薄膜を設けた構成において、基板の厚さ方向に垂直な面内での圧力室の断面形状を、横長の長方形(縦横比の異なる四角形)としている。
特開平11−77998号公報(請求項1、図1、図3等参照)
ところが、特許文献1では、圧力室の断面形状を四角形とすることで圧力室の四隅に角部が存在するため、この角部付近でインクの流れが滞りやすくなり、また、上記角部に気泡も溜まりやすくなるため、インクの吐出性能が低下する。このようなインクの吐出性能の低下を回避するためには、圧力室断面の外形に、圧力室外側に凸となる形状の曲線部を含ませて、インクや気泡が滞留するような角部を無くすようにすることが有効である。
一方、圧電ダイヤフラムでは、圧電薄膜と基板との密着性が度々問題となる。一般的には、圧電薄膜の成膜条件を調整したり、基板と圧電薄膜との間に密着層を形成することによって、圧電薄膜の密着性を向上させることが可能である。しかし、密着性を向上させるための圧電薄膜の成膜条件の調整は非常に難しく、成膜条件の少しの変化で圧電性能の低下を招くことも多々ある。また、密着性と圧電性能とはトレードオフの関係になることも多いため、成膜条件の調整による密着性向上の効果は、あまり期待できない。また、圧電薄膜はその成膜時に下層の影響を少なからず受けるため、密着層を形成する場合は、密着層が圧電薄膜に悪影響を及ぼし、圧電薄膜の性能低下を招く場合がある。また、密着層という新たな層が構成として増えたり、密着層の形成工程が増えることは、コスト増加にもつながる。
さらに、一般的に、圧電ダイヤフラムを駆動したときの圧電薄膜の剥離応力は、バルクの圧電体の剥離応力よりも大きくなる傾向にあり(剥離応力は電界強度(単位厚み当たりの印加電圧)に比例するため)、膜厚が薄い圧電薄膜は剥離に対して不利な傾向にある。
また、圧力室上方に位置する圧電薄膜は、駆動効率の観点から、圧力室の外形(側壁)よりも内側で上記外形に沿うように形成されるのが一般的であるが、圧力室の断面の縦横比が異なる場合には、圧力室の断面の長軸方向(長手方向)と短軸方向(短手方向)とで、圧電薄膜と圧力室の側壁との距離(クリアランス)を適切に設定しないと、圧電薄膜の剥離応力が短軸方向端部よりも長軸方向端部で大きくなって、長軸方向端部で圧電薄膜が剥離しやすくなることが実験的にわかっている。
特に、上述したように圧力室の外形に曲線部が含まれて、圧電薄膜の少なくとも一部が圧力室の曲線部に沿った曲線部で形成されると、圧電薄膜が曲線部を含まない場合に比べて圧電薄膜の密着性がさらに低下することがわかっており、長軸方向端部で圧電薄膜がさらに剥離しやすくなる。
したがって、断面の縦横比が異なる圧力室の外形に曲線部が含まれ、圧電薄膜の少なくとも一部が圧力室の曲線部に沿うように形成される構成においては、圧電性能の低下やコスト増加を招くことなく、長軸方向端部における圧電薄膜の剥離応力を低減して、圧電薄膜の密着性を確保することが望まれる。
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、断面の縦横比が異なる圧力室の外形に曲線部が含まれ、圧電薄膜の少なくとも一部が圧力室の曲線部に沿うように形成されている場合でも、長軸方向端部における圧電薄膜の剥離応力を低減することができ、これによって、圧電性能の低下やコスト増加を招くことなく、圧電薄膜の密着性を確保することができる圧電ダイヤフラムと、それを備えたインクジェット記録ヘッドとを提供することにある。
本発明の一側面による圧電ダイヤフラムは、圧力室が形成された基板と、前記基板上に設けられて、少なくとも一部が前記圧力室の上方に位置する圧電薄膜とを有し、前記圧力室の、前記基板の厚さ方向に垂直な断面の縦横比が異なり、前記圧力室の前記断面の外形の少なくとも一部が、該圧力室の外側に凸となる形状の曲線部を含む圧電ダイヤフラムであって、前記圧力室の上方において、前記圧電薄膜の少なくとも一部は、前記圧力室の前記曲線部に沿うように形成されており、前記圧力室の前記断面の長軸方向における、前記圧力室の側壁と前記圧電薄膜との距離をd1μm、前記断面の短軸方向における、前記圧力室の側壁と前記圧電薄膜との距離をd2μmとしたときに、
1>d2
である。
圧力室の断面の縦横比が異なり、圧力室の外形の少なくとも一部が圧力室外側に凸形状の曲線部を含み、圧力室の上方で圧電薄膜の少なくとも一部が圧力室の曲線部に沿うように形成されている構成において、d1>d2を満足することにより、圧電薄膜の成膜条件を調整したり、圧電薄膜の下層に密着層を設けることなく、圧力室の断面の長軸方向端部における圧電薄膜の剥離応力を低減することができる。これにより、成膜条件の調整による圧電性能の低下や、密着層を設けることによるコスト増加を招くことなく、圧電薄膜の密着性を確保することができる。
上記構成において、前記圧力室の前記長軸方向の幅をL1μmとし、前記短軸方向の幅をW1μmとしたときに、
1<L1/W1<2
であることが望ましい。
1/W1<2を満足することにより、圧力室の変位体積の急激な低下によるダイヤフラムの駆動効率の急激な低下を回避することができる。なお、圧力室の断面の縦横比は異なっているため、1<L1/W1については必然的に満足する。
上記構成において、
1<W1/4
であることが望ましい。
1が増大するほど、長軸方向端部における圧電薄膜の剥離応力を低減することができるが、d1がW1/4以上では、剥離応力の低減効果が少なくなる一方で、所定の吐出量を得るための駆動電圧が急激に増大し、駆動効率が低下する。したがって、上記の条件式を満足することにより、剥離応力の低減効果を大きく得ながら、駆動効率の低下を回避することができる。
上記構成において、前記圧力室の前記断面の外形が、前記長軸方向に平行に位置して互いに対向する2本の直線部を含み、前記曲線部は、前記2本の直線部の一方の端部同士を連結する第1曲線部と、他方の端部同士を連結する第2曲線部とを含む構成であってもよい。
この構成では、圧力室の曲線部(第1曲線部、第2曲線部)は、圧力室の長軸と交わるように位置する。したがって、圧電薄膜の一部は、圧力室の曲線部に沿って、上記長軸と交わるように位置することになる。このような構成において、d1>d2を満足することにより、圧電薄膜の上記長軸と交わる部分(曲線部)における剥離応力を低減することができる。
特に、圧力室の第1曲線部および第2曲線部が半円状である場合には、圧電薄膜の一部も圧力室の曲線部に沿って半円状となる。このような構成において、d1>d2を満足することにより、圧電薄膜の半円状の部分における剥離応力を低減することができる。
上記構成において、前記圧力室の前記断面の外形が、直線部と前記曲線部とを交互に連結して形成されており、前記直線部は、前記長軸方向に平行に位置して互いに対向する2本の第1直線部と、前記短軸方向に平行、または前記長軸方向および前記短軸方向の両方向に対して傾斜するように位置する第2直線部とを含んでいてもよい。
この構成では、圧力室の断面の外形は略多角形状となるが、このような圧力室を有する構成において、d1>d2を満足することにより、長軸方向端部における圧電薄膜の剥離応力を低減することができる。
上記構成において、前記圧力室の前記断面の外形が、全て前記曲線部で形成されていてもよい。この場合、圧力室上方では、圧電薄膜の全体が圧力室の曲線部に沿う形状で形成されることになる。このような形状の圧力室および圧電薄膜を有する構成において、d1>d2を満足することにより、長軸方向端部における圧電薄膜の剥離応力を低減することができる。
特に、圧力室の曲線部が楕円形状である場合には、圧電薄膜も楕円形状となり、d1>d2を満足することにより、楕円形状の圧電薄膜の長軸方向端部における剥離応力を低減することができる。
上記構成において、前記圧電薄膜は、前記圧力室の上方から、前記圧力室の前記長軸方向の一端側の側壁上方に引き出されていてもよい。このように、圧電薄膜を圧力室の上方から側壁上方に引き出す構成においても、長軸方向において圧電薄膜の引き出し側とは反対側の端部と圧力室の側壁との距離をd1として、d1>d2を満足することにより、圧電薄膜の上記端部における剥離応力を低減することができる。
本発明の一側面によるインクジェット記録ヘッドは、上述した構成の圧電ダイヤフラムと、前記圧電ダイヤフラムの前記圧力室に収容されたインクを吐出するノズル孔が形成されたノズル基板とを有している。
上述した圧電ダイヤフラムによれば、圧電薄膜の成膜条件の調整による圧電性能の低下や、密着層を設けることによるコスト増加を招くことなく、圧電薄膜の密着性を確保することができる。したがって、このような圧電ダイヤフラムを用いることにより、高性能、低コストで、信頼性の高いインクジェット記録ヘッドを実現することができる。
圧力室の断面の縦横比が異なり、圧力室の外形の少なくとも一部が曲線部を含む構成において、d1>d2を満足することにより、長軸方向端部における圧電薄膜の剥離応力を低減することができる。これにより、圧電薄膜の少なくとも一部が圧力室の曲線部に沿うように形成されている場合であっても、成膜条件の調整による圧電性能の低下や、密着層を設けることによるコスト増加を招くことなく、圧電薄膜の密着性を確保することができる。
本発明の実施の形態に係る圧電ダイヤフラムの概略の構成を示す平面図および断面図である。 インク吐出に必要な駆動電圧と圧電薄膜の剥離応力の振幅との関係をプロットした説明図である。 駆動電圧の印加時間と圧電薄膜の剥離応力との関係を示すグラフである。 圧力室のX軸方向の幅L1とY軸方向の幅W1との比であるL1/W1と、圧力室の変位体積との関係を示すグラフである。 X軸方向における圧力室の側壁と圧電薄膜との距離d1と、圧電薄膜の剥離応力の振幅との関係を示すとともに、上記距離d1と駆動電圧との関係を示すグラフである。 (a)〜(d)は、上記圧電ダイヤフラムを有するインクジェット記録ヘッドの製造方法における製造工程の一部を示す断面図である。 (a)〜(d)は、上記インクジェット記録ヘッドの製造方法における製造工程の残りの一部を示す断面図である。 (a)〜(c)は、上記インクジェット記録ヘッドの製造方法における製造工程のさらに残りの一部を示す断面図である。 (a)および(b)は、上記インクジェット記録ヘッドの製造方法における製造工程の残りを示す断面図である。 上記圧電ダイヤフラムの他の構成を示す平面図および断面図である。 上記圧電ダイヤフラムのさらに他の構成を示す平面図である。 上記圧電ダイヤフラムのさらに他の構成を示す平面図である。 上記圧電ダイヤフラムのさらに他の構成を示す平面図である。
本発明の実施の一形態について、図面に基づいて説明すれば、以下の通りである。
〔1.圧電ダイヤフラムの構成〕
図1は、本実施形態に係る圧電ダイヤフラム10の概略の構成を示す平面図と断面図とを併せて示したものである。圧電ダイヤフラム10は、基板1上に、絶縁膜2と、下部電極3と、圧電薄膜4と、上部電極5とをこの順で積層して構成されている。
基板1は、単結晶Si(シリコン)単体からなる半導体基板またはSOI(Silicon on Insulator)基板で構成されている。基板1には凹部が形成されており、この凹部が吐出媒体としてのインクを収容する圧力室1aとなっている。圧力室1aの上壁、つまり、基板1において厚みの薄くなった部分は振動板を構成している。また、基板1において圧力室1aの周囲は側壁1bとなっており、圧力室1aは側壁1bによって囲まれている。
絶縁膜2は、例えばSiO2(酸化シリコン)からなり、基板1の保護および絶縁の目的で形成されている。なお、絶縁膜2は、自然酸化膜であってもよいし、基板1の熱酸化によって形成される膜であってもよい。
下部電極3は、Ti(チタン)およびPt(白金)からなる各層をこの順で積層して構成されている。Ti層は、絶縁膜2とPt層との密着性を向上させるために形成されている。Pt層は、圧電薄膜4が表面に形成される電極、つまり、圧電薄膜4の下地となる電極である。
圧電薄膜4は、結晶構造がペロブスカイト型のPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)で構成されている。圧電薄膜4は、下部電極3上に設けられて、圧力室1aの上方に位置している。
上部電極5は、Cr(クロム)およびAu(金)からなる各層をこの順で積層して構成されており、圧電薄膜4の形成領域よりも内側に形成されている。Cr層は、その上層のAu層と圧電薄膜4との密着性を向上させる目的で形成されている。なお、Crの代わりにTiを用いてもよく、Auの代わりにPtを用いてもよい。上部電極5および下部電極3は、図示しない制御回路に電気的に接続されている。
上記の構成において、制御回路から、圧電薄膜4を挟む下部電極3および上部電極5に電気信号を印加すると、圧電薄膜4が左右方向に伸縮し、バイメタルの効果によって圧電薄膜4および圧力室1aの上壁の振動板が上下に湾曲する。したがって、圧力室1a内にインクを収容しておけば、そのインクを外部に吐出させることが可能となり、圧電ダイヤフラム10をインクジェット記録ヘッド50(図9(b)参照)のアクチュエータとして用いることができる。
〔2.圧力室および圧電薄膜の形状設定について〕
次に、上記した圧力室1aおよび圧電薄膜4の形状の設定について説明する。本実施形態では、圧力室1aの断面の縦横比が異なっている。ここで、圧力室1aの断面とは、基板1の厚さ方向に垂直な断面を指し、以下でもこの意味で用いるものとする。また、圧力室1aの断面の縦横比が異なるとは、圧力室1aの断面内で互いに垂直な2方向において、圧力室1aの最大幅(直径、内径)が互いに異なっていることを意味する。
つまり、図1では、圧力室1aの断面内で互いに垂直な2方向を、X軸方向およびY軸方向としたときに、圧力室1aにおけるX軸方向の幅L1(μm)とY軸方向の幅W1(μm)とは互いに異なっており、本実施形態では、L1>W1である。幅L1および幅W1がこのような関係であることから、本実施形態では、幅L1の方向(X軸方向)を、長軸方向または長手方向とも称し、X軸のことを長軸とも称する。また、幅W1の方向(Y軸方向)を、短軸方向または短手方向とも称し、Y軸のことを短軸とも称する。
なお、上記のX軸およびY軸は、広義には、圧力室1aの断面の中心Oを通る基板1に垂直な軸(Z軸(図示せず))に対してそれぞれ垂直で、互いに垂直な2軸である。したがって、X軸およびY軸の表現は、圧力室1aのみならず、例えば圧電薄膜4についても用いることができるものとする。
また、圧力室1aの断面の外形の少なくとも一部は、曲線部を含んでいる。より詳しくは、圧力室1aの断面の外形は、直線部11と、圧力室1aの外側(側壁1b側)に凸となる形状の曲線部12とで構成されている。直線部11は、X軸方向に平行に位置して互いに対向する2本の直線部11a・11bで構成されている。曲線部12は、Y軸に対して対称に位置する2本の半円状の曲線部12a(第1曲線部)・12b(第2曲線部)で構成されている。曲線部12aは、2本の直線部11a・11bの一方の端部同士を連結し、曲線部12bは、2本の直線部11a・11bの他方の端部同士を連結している。したがって、曲線部12a・12bは、X軸と交わるようにそれぞれ位置している。また、曲線部12a・12bは、X軸方向の外側(Y軸側とは反対側)に凸となるようにそれぞれ位置している。
圧力室1aの上方において、圧電薄膜4の少なくとも一部は、圧力室1aの曲線部12に沿うように形成されている。本実施形態では、圧電薄膜4は、その全体が圧力室1aの外形よりも小さく、かつ、その外形に沿うように形成されており、圧電薄膜4の縦横比(後述するP1とW2との比)も圧力室1aと同様に異なっている。
このような圧電薄膜4は、直線部21と曲線部22とを含んで構成されている。直線部21は、圧力室1aの直線部11に沿い、X軸方向に平行に位置して互いに対向する2本の直線部21a・21bで構成されている。曲線部22は、圧力室1aの曲線部12に沿い、Y軸に対して対称に位置する2本の半円状の曲線部22a・22bで構成されている。曲線部22aは、2本の直線部21a・21bの一方の端部同士を連結し、曲線部22bは、2本の直線部21a・21bの他方の端部同士を連結している。したがって、曲線部22a・22bは、X軸と交わるようにそれぞれ位置している。また、曲線部22a・22bは、X軸方向の外側に凸となるようにそれぞれ位置している。
図1の平面図より、圧力室1aの外形および圧電薄膜4の外形は、X軸およびY軸の両方に対して対称(線対称)な形状となっていることがわかる。
ここで、X軸方向における圧力室1aの側壁1bと圧電薄膜4との距離をd1μmとし、Y軸方向における圧力室1aの側壁1bと圧電薄膜4との距離をd2μmとする。本実施形態では、
1>d2
となるように、圧力室1aおよび圧電薄膜4の形状が設定されている。より具体的には、圧電薄膜4の直線部21a・21bの長さをL2(μm)とし、圧電薄膜4のY軸方向の幅をW2(μm)として、L1=330μm、W1=230μm、L2=76μm、W2=190μmである。このとき、圧電薄膜4のX軸方向の幅P1(μm)は、L2+W2で表され、266μmである。よって、d1=(L1−P1)/2=32μmであり、d2=(W1−W2)/2=20μmである(すなわちd1>d2)。なお、本実施形態のこのような数値例を実施例1とする。
図2は、インク吐出に必要な駆動電圧(上下電極間に印加する電圧)と、圧電薄膜4の剥離応力の振幅との関係をプロットした説明図である。なお、実施例1との比較のため、L1等の数値を変えて作製した比較例1〜3の圧電ダイヤフラムにおける駆動電圧と剥離応力の振幅との関係を図2に併せて示す。ちなみに、比較例1および3における圧力室1aの断面形状は真円(縦横比が1)であり、比較例2における圧力室1aの断面形状は、実施例1と同様に、X軸方向に長尺状(縦横比が1よりも大きい形状)である。比較例1〜3におけるL1等の具体的な数値は、以下の通りである。
比較例1:L1=W1=230μm、P1=W2=210μm、d1=d2=10μm
比較例2:L1=330μm、W1=230μm、P1=290μm、W2=190μm、d1=d2=20μm
比較例3:L1=W1=230μm、P1=W2=170μm、d1=d2=30μm
ここで、図3は、駆動電圧として正弦波を印加したときの印加時間と圧電薄膜4の剥離応力との関係を示すグラフである。圧電薄膜4の剥離応力は、圧電薄膜4の初期応力Δσ0(電圧非印加時に圧電薄膜4にかかっている応力)と、駆動電圧の印加によって発生する剥離応力との和で示される。図2の縦軸における剥離応力の振幅Δσとは、駆動電圧の印加によって発生する剥離応力の変化量、つまり、圧電薄膜4の全体の剥離応力から初期応力Δσ0を差し引いた部分に相当する。
図2より、圧力室1aの断面形状が真円の比較例1および3よりも、断面の縦横比が異なる比較例2および実施例1のほうが、剥離応力の振幅Δσが小さくなることがわかる。よって、圧力室1aは、断面の縦横比が異なる形状、すなわち、直線部11と曲線部12とを含む形状であることが望ましいと言える。
次に、圧力室1aの断面の縦横比が異なる場合において、d1=d2、d1>d2のそれぞれにおいて、X軸方向とY軸方向とで圧電薄膜4の剥離応力(振幅Δσ)の大きさを調べた。このとき、X軸方向については、X軸方向の端部A(図1参照)を評価点として、その端部Aにおける圧電薄膜4の剥離応力を調べ、Y軸方向については、Y軸方向の端部B(図1参照)を評価点として、その端部Bにおける圧電薄膜4の剥離応力を調べた。その結果を表1(d1=d2の場合)および表2(d1>d2の場合)に示す。
Figure 0005900156
Figure 0005900156
ここで、表1のパターンI、II、IIIは、以下のように各寸法を設定したものである。
パターンI :L1=330μm、W1=230μm、P1=290μm、W2=190μm、d1=d2=20μm
パターンII:L1=330μm、W1=230μm、P1=290μm、W2=190μm、d1=d2=20μm(上記各寸法はパターンIと同じであるが、上部電極5の寸法がパターンIよりも20μm小さい)
パターンIII :L1=330μm、W1=230μm、P1=270μm、W2=170μm、d1=d2=30μm
また、表2のパターンIV、V、VIは、以下のように各寸法を設定したものである。
パターンIV:L1=330μm、W1=230μm、P1=270μm、W2=190μm、d1=30μm、d2=20μm
パターンV :L1=330μm、W1=230μm、P1=270μm、W2=190μm、d1=30μm、d2=20μm(上記各寸法はパターンIVと同じであるが、上部電極5の寸法がパターンIVよりも20μm小さい)
パターンVI:L1=330μm、W1=230μm、P1=244μm、W2=170μm、d1=43μm、d2=30μm
表1より、d1=d2の場合は、常にX軸方向の端部Aにおける剥離応力が大きくなることがわかる。したがって、この場合は、圧電薄膜4のX軸方向の端部Aから剥離が発生する。一方、表2より、d1>d2の場合は、端部Aにおける剥離応力を低減できていることがわかる。したがって、d1>d2とすることで、ダイヤフラム駆動中の圧電薄膜4の剥離を抑制することができる。なお、上記した実施例1は、表2のパターンVの形状に近い。
以上のように、圧力室1aの断面の縦横比が異なり、圧力室1aの外形の少なくとも一部が曲線部12を含む構成において、d1>d2を満足することにより、X軸方向の端部Aにおける圧電薄膜4の剥離応力を、d1=d2の場合よりも低減することができる。したがって、圧電薄膜4の剥離応力を低減するにあたって、圧電薄膜4の成膜条件を調整したり、圧電薄膜4の下層に密着層を設ける必要がなくなる。
圧力室1aの上方で、圧電薄膜4が圧力室1aの外形に沿うように形成されると、圧電薄膜4は、圧力室1aの曲線部12に沿う曲線部22を含むことになるが、このような構成であっても、d1>d2を満足することにより、成膜条件の調整による圧電性能の低下や、密着層を設けることによるコスト増加を招くことなく、圧電薄膜4の密着性を確保することができる。その結果、圧電ダイヤフラム10を用いたインクジェット記録ヘッドの信頼性を向上させることができる。
また、薄膜の圧電体(圧電薄膜4)を用いることで、圧電ダイヤフラム10の小型化、高密度化、低駆動電圧化が可能となるため、この圧電ダイヤフラム10をインクジェット記録ヘッドに適用することにより、インクジェット記録ヘッドの小型化、高密度化、低コスト化を達成することができる。そして、小径ドットのインクを低電圧で吐出することができるので、印字の高密度化、高精細化、低コスト化も達成できる。
さらに、圧電薄膜4の密着力の向上を成膜条件だけに頼る必要がなく、圧電薄膜4の成膜条件の設定においては、圧電特性の向上だけに注力することができる。これにより、圧電性能向上のための条件設定幅が広がり、結果として良質な膜を作製し易くなる。
また、本実施形態では、圧力室1aの断面の縦横比が異なる構成において、圧力室1aの曲線部12a・12bがX軸と交わるように位置し、圧電薄膜4の曲線部22a・22bもX軸と交わるように位置している。したがって、d1>d2とすることで、X軸と交わる上記曲線部22a・22bでの剥離応力を低減することができる。特に、圧電薄膜4の曲線部22a・22bが半円状である構成において、上記の効果を得ることができる。
〔3.L1/W1の望ましい範囲について〕
図4は、表2のパターンV(d1=30μm、d2=20μm)においてL1/W1を変化させたときの、L1/W1と圧力室1aの変位体積(インク吐出量)との関係を示すグラフである。なお、このときの圧力室1aの断面の面積は一定とし、駆動電圧も一定とする。また、図4の縦軸の変位体積は、圧力室1aの断面の縦横比が1の場合の変位体積を1として規格化して示している。
同図より、L1/W1が2以上となると、変位体積が急激に小さくなり、ダイヤフラムの駆動効率が急激に低下することがわかる。このように、L1/W1が2以上では、駆動効率が急激に低下するため、L1/W1=1の場合と同じ駆動電圧で、L1/W1=1の場合と同じ変位体積を発生させようとすると、L1/W1=1の場合よりも圧力室1aの断面の面積を増大させる必要がある。したがって、前述した特許文献1のように、圧力室が細長い形状の場合、本実施形態と同じ変位体積を得るためには、圧力室の面積を増大させる必要が生じる。
一方、吐出媒体であるインクには、圧力を受けた際に自身が圧縮して圧力を吸収する(損失する)作用がある。このため、上記のように圧力室の断面の面積を増大させると、圧力を受けるインクの量も多くなり(圧力を吸収するインクの量も多くなり)、インクの吐出効率が低下する。
したがって、変位体積の急激な低下による駆動効率の急激な低下、およびインクの圧縮作用による吐出効率の低下を回避するためには、L1/W1<2であることが望ましい。なお、本実施形態では、圧力室1aの断面の縦横比は異なっているため、L1/W1>1である。よって、これらをまとめると、1<L1/W1<2を満足することが望ましいと言える。
なお、図4においては、L1/W1が4以上である場合も、変位体積は徐々に小さくなり、例えばL1/W1=16では、変位体積はL1/W1=1のときを基準にして0.2程度となる。つまり、図4では、変位体積は0.4に漸近しているわけではない。
〔4.d1の望ましい範囲について〕
図5は、表2のパターンV(L1=330μm、W1=230μm)においてd1を変化させたときの、そのd1と、X軸方向の端部Aにおける圧電薄膜4の剥離応力の振幅Δσとの関係を示すとともに、d1と、所定量のインク滴を吐出するために必要な駆動電圧との関係を示すグラフである。
同図より、d1が増大するほど、端部Aにおける圧電薄膜4の剥離応力を低減することができるが、d1がW1/4以上では、剥離応力の低減効果が少なくなり、その一方で、所定の吐出量を得るための駆動電圧が急激に増大し、駆動効率が低下する。したがって、剥離応力の低減効果を大きく得ながら、駆動効率の低下を回避するためには、d1<W1/4を満足することが望ましいと言える。
〔5.インクジェット記録ヘッドの製造方法〕
次に、上記した圧電ダイヤフラム10を有するインクジェット記録ヘッド50の製造方法について説明する。図6〜図9は、インクジェット記録ヘッド50の製造方法における各製造工程を示す断面図である。なお、以下で示す膜厚等の数値は全て一例であり、これらの数値に限定されるわけではない。
まず、図6(a)に示すように、絶縁膜2として熱酸化膜(厚さ2μm)が両面に付いたSiからなる基板1(厚さ200μm)を用意する。そして、図6(b)に示すように、基板1の裏面に、SiO2(厚さ2μm)からなる絶縁膜2aを、TEOS−CVD法、すなわち、テトラエトキシシラン(TEOS)を原料ガスとして用いたCVD(Chemical Vapor Deposition)法で成膜する。
続いて、図6(c)に示すように、基板1の裏面側の絶縁膜2a上に、レジストを塗布して露光、現像を行い、レジストパターン7を得る。このレジストパターン7は、後述の工程で圧力室1aを加工形成するためのパターンである。そして、図6(d)に示すように、レジストパターン7をマスクパターンとして、RIE(Reactive Ion Etching;反応性イオンエッチング)装置にて、トリフルオロメタン(CHF3)ガスを用いて絶縁膜2・2aをドライエッチングし、レジストで保護されていないSiO2層を除去する。
次に、図7(a)に示すように、基板1の表面(絶縁膜2aとは反対側の面)に、Ti(厚さ20nm)、Pt(厚さ100nm)の各層をスパッタ法で順に成膜し、下部電極3を形成する。さらに、図7(b)に示すように、下部電極3上に、PZT(厚さ5μm)をスパッタ法で600℃の温度で成膜し、圧電薄膜4を形成する。成膜した膜(PZT膜)は、良好な圧電特性が得られるペロブスカイト相を有し、基板1の面に垂直な<100>方向に配向している。
続いて、図7(c)に示すように、圧電薄膜4上に、上部電極5をパターニングするためのリフトオフ用のレジストパターン8を形成する。そして、図7(d)に示すように、レジストパターン8上およびレジストパターン8の形成されていない圧電薄膜4上に、Cr(厚さ10nm)およびAu(厚さ90nm)の各層を蒸着法で順に成膜し、上部電極5を形成する。
その後、図8(a)に示すように、基板1を剥離液に浸漬し、レジストパターン8を剥離する。その結果、リフトオフによってパターニングされた上部電極5が得られる。次に、図8(b)に示すように、上部電極5を覆うように、圧電薄膜4をパターニングするためのレジストパターン9を形成する。そして、図8(c)に示すように、基板1をフッ硝酸に浸漬して圧電薄膜4をエッチングし、パターニングする。
次に、図9(a)に示すように、基板1の裏面の絶縁膜2・2aのパターンをマスクとして、基板1をICP(Inductively Coupled Plasma;誘導結合プラズマ)装置のボッシュプロセスで深堀加工し、圧力室1aを作製する。これにより、圧電ダイヤフラム10が完成する。
最後に、圧電ダイヤフラム10の基板1とガラス基板31(厚さ200μm)とを陽極接合により貼り合わせ、上記のガラス基板31とSi基板からなるノズル基板(厚さ300μm)とを陽極接合により貼り合わせることにより、インクジェット記録ヘッド50が完成する。上記のガラス基板31には、直径100μmの孔31aが空いており、上記のノズル基板32には、圧力室1aに収容されたインクを吐出するためのノズル孔32aとして、直径50μmおよび直径20μmの2段孔が形成されている。圧力室1a内のインクは、ガラス基板31の孔31aおよびノズル基板32のノズル孔32aを介して外部に吐出されることになる。
上述した圧電ダイヤフラム10の構成によれば、圧電薄膜4の成膜条件の調整による圧電性能の低下や、密着層を設けることによるコスト増加を招くことなく、圧電薄膜4の密着性を確保することができる。したがって、このような圧電ダイヤフラム10を用いることにより、高性能、低コストで、信頼性の高いインクジェット記録ヘッド50を実現することができる。
〔6.圧電ダイヤフラムの他の構成〕
図10は、圧電ダイヤフラム10の他の構成を示す平面図および断面図である。同図に示すように、圧電薄膜4は、圧力室1aの上方から、圧力室1aのX軸方向の一端側の側壁1bの上方に引き出されていてもよい。この構成では、圧電薄膜4上に形成される上部電極5を、圧力室1aの上方から、圧力室1aのX軸方向の一端側の側壁1bの上方に引き出すことが可能となる。
このような構成では、X軸方向において圧電薄膜4の引き出し側とは反対側の端部Aと圧力室1aの側壁1bとの距離をd1として、d1>d2を満足することにより、引き出し側とは反対側の端部Aにおける圧電薄膜4の剥離応力を低減することができる。
特に、図10の構成では、圧電薄膜4を圧力室1aの上方から側壁1bの上方に引き出すために、圧電薄膜4の全体ではなく、その一部のみが圧力室1aの外形(曲線部12を含む)に沿う形状となっているが、この場合であっても、d1>d2を満足することにより、上記の効果を得ることができる。
なお、図10の構成において、圧電薄膜4の引き出し側の端部では、反対側の端部Aのように、剥離応力が集中するポイントが無いため、剥離応力が端部Aよりも大きくなることはない。したがって、剥離応力については、端部Aでの剥離応力のみを考慮すればよい。
以上で説明した圧電ダイヤフラム10においては、圧力室1aの曲線部12および圧電薄膜4の曲線部22がX軸上に位置する例であるが、曲線部12および曲線部22はX軸上に位置していなくてもよい。
図11および図12は、圧電ダイヤフラム10のさらに他の構成を示す平面図である。これらの図に示すように、圧力室1aの断面の外形が、直線部13と曲線部12とを交互に連結して形成されていてもよい。そして、直線部13は、X軸方向に平行に位置して互いに対向する2本の第1直線部13a・13aと、Y軸方向に平行、またはX軸方向およびY軸方向の両方向に対して傾斜するように位置する第2直線部13bとを含んでいてもよい。ここで、第1直線部13aは、第2直線部13bよりも長いものとする。
なお、第2直線部13bの本数は特に限定されるわけではなく、図11に示すように、Y軸と平行に位置する2本だけであってもよいし、図12のように、Y軸と平行に位置する2本に、X軸およびY軸の両方に対して(90°以外の角度で)傾斜する4本を加えた計6本であってもよいし、図示はしないがそれ以上の本数であってもよい。圧力室1aの外形は、第2直線部13bの本数に応じた略多角形状(多角形の各角部にアールが付けられた形状)となり、圧電薄膜4も、圧力室1aの外形に沿った略多角形状となる。つまり、圧電薄膜4の外形は、圧力室1aの外形に沿って、直線部21と曲線部22とを交互に連結した形状となる。
このような構成であっても、d1>d2を満足することにより、X軸方向端部における圧電薄膜4の剥離応力を低減することができる。
また、図13は、圧電ダイヤフラム10のさらに他の構成を示す平面図である。同図に示すように、圧力室1aの断面の外形が、全て曲線部12で形成されていてもよい。図13では、曲線部12は楕円形状となっている。
この場合、圧力室1aの上方では、圧電薄膜4の外形も、圧力室1aの外形に沿った楕円形状の曲線部22で形成されることになり、その曲線部22の一部がX軸と交わる。このような構成において、d1>d2を満足することにより、圧電薄膜4のX軸と交わる端部での剥離応力を低減することができる。特に、圧力室1aの曲線部12が楕円形状であり、圧電薄膜4の曲線部22が楕円形状となる場合において、d1>d2を満足することにより、上記の効果を得ることができる。
なお、図10〜図13の構成において、さらに、1<L1/W1<2や、d1<W1/4を満足することによって、上述した効果が得られるのは勿論のことである。
なお、圧電薄膜4を圧力室1aの上方から側壁1bの上方に引き出す図10の構成を、図11〜図13の構成に適用することも勿論可能である。
本発明の圧電ダイヤフラムは、例えばインクジェット記録ヘッドに利用可能である。
1 基板
1a 圧力室
1b 側壁
4 圧電薄膜
10 圧電ダイヤフラム
11 直線部
11a 直線部
11b 直線部
12 曲線部
12a 曲線部
12b 曲線部
13 直線部
13a 第1直線部
13b 第2直線部
32 ノズル基板
32a ノズル孔
50 インクジェット記録ヘッド

Claims (11)

  1. 圧力室が形成された基板と、
    前記基板上に設けられて、少なくとも一部が前記圧力室の上方に位置する圧電薄膜とを有し、
    前記圧力室の、前記基板の厚さ方向に垂直な断面の縦横比が異なり、前記圧力室の前記断面の外形の少なくとも一部が、該圧力室の外側に凸となる形状の曲線部を含む圧電ダイヤフラムであって、
    前記圧電薄膜は、結晶構造がペロブスカイト型のチタン酸ジルコン酸鉛で構成されており、
    前記圧力室の上方において、前記圧電薄膜の少なくとも一部は、前記圧力室の前記曲線部に沿うように形成されており、
    前記圧力室の前記断面の長軸方向における、前記圧力室の側壁と前記圧電薄膜との最短距離をd1μm、前記断面の短軸方向における、前記圧力室の側壁と前記圧電薄膜との最短距離をd2μmとしたときに、
    1>d2
    であることを特徴とする圧電ダイヤフラム。
  2. 前記圧力室の前記長軸方向の幅をL1μmとし、前記短軸方向の幅をW1μmとしたときに、
    1<L1/W1<2
    であることを特徴とする請求項1に記載の圧電ダイヤフラム。
  3. 1<W1/4
    であることを特徴とする請求項2に記載の圧電ダイヤフラム。
  4. 前記圧力室の前記断面の外形が、前記長軸方向に平行に位置して互いに対向する2本の直線部を含み、
    前記曲線部は、前記2本の直線部の一方の端部同士を連結する第1曲線部と、他方の端部同士を連結する第2曲線部とを含むことを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の圧電ダイヤフラム。
  5. 前記第1曲線部および前記第2曲線部は、半円状であることを特徴とする請求項4に記載の圧電ダイヤフラム。
  6. 前記圧力室の前記断面の外形が、直線部と前記曲線部とを交互に連結して形成されており、
    前記直線部は、前記長軸方向に平行に位置して互いに対向する2本の第1直線部と、前記短軸方向に平行、または前記長軸方向および前記短軸方向の両方向に対して傾斜するように位置する第2直線部とを含んでいることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の圧電ダイヤフラム。
  7. 前記圧力室の前記断面の外形が、全て前記曲線部で形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の圧電ダイヤフラム。
  8. 前記曲線部は、楕円形状であることを特徴とする請求項7に記載の圧電ダイヤフラム。
  9. 前記圧電薄膜は、前記圧力室の上方から、前記圧力室の前記長軸方向の一端側の側壁上方に引き出されていることを特徴とする請求項1から8のいずれかに記載の圧電ダイヤフラム。
  10. 前記圧力室の前記長軸方向の幅をL 1 μmとし、前記短軸方向の幅をW 1 μmとし、
    前記圧電薄膜の前記長軸方向の幅をP 1 μmとし、前記短軸方向の幅をW 2 μmとしたとき、
    1 =(L 1 −P 1 )/2
    2 =(W 1 −W 2 )/2
    であることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の圧電ダイヤフラム。
  11. 請求項1から10のいずれかに記載の圧電ダイヤフラムと、
    前記圧電ダイヤフラムの前記圧力室に収容されたインクを吐出するノズル孔が形成されたノズル基板とを有していることを特徴とするインクジェット記録ヘッド。
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