JP5898761B2 - ペースト用チタン系粉末 - Google Patents

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Description

本発明は、電子部品の電極として用いられるチタン薄膜の形成に好適なチタンペースト用の水素化チタン粉または金属チタン粉(以降、両者を包括的に「チタン系粉」と呼称することがある。)に関するものである。
二次電池は、化石燃料に代わる再生可能エネルギーの蓄積手段として有望視されており、今後の更なる需要拡大が望まれている。そのような二次電池の代表例としては、リチウムイオン二次電池や色素増感型太陽電池等が広く知られているが、価格の点で、まだ改善の余地が残されている。
これら二次電池の中でも、色素増感型電池は、高価な高純度シリコンではなく、安価な酸化チタンを用いることで製造コストが抑えられる可能性が高いとされている。なおかつ、小型化、屈曲が可能であるなど、従来の太陽電池にない特性を兼ね備えているので、今後の発展が期待されている。
しかしながら、色素増感型太陽電池においては、電解液としてハロゲン元素であるヨウ素を含む液を用いることが多く電極には高耐食性が求められるため、白金類を蒸着したガラス基板、導電性セラミックであるFTOを蒸着したガラス基板などが電極の材料として検討されている。
しかしながら、上記白金類を蒸着したガラス基板では、耐食性および導電性には問題がないものの、白金による価格上昇が避けられず、低コストであるという色素増感型太陽電池の長所が減殺される。また、ガラス基板に蒸着したFTOのような導電性セラミックは、耐食性およびコストには問題がないものの、金属と較べると導電性に劣る。このように、色素増感型太陽電池の電極には、耐食性、導電性およびコストの各面での全てを満足する材料が望まれている。
また、風力発電などで蓄電に使われようとしているレドックスフロー電池では、内部に硫酸系の液が使われるため、耐食性のある電極が必要となる。従来は、炭素電極などが用いられてきたが、今後は電解液の変更などが考えられており、その際には、更に耐食性の優れた電極が求められてきている。
色素増感型太陽電池やレドックスフロー電池に要求される耐食性の優れた金属材料として、チタン材を挙げることができるが、チタン材は一般的には導電性がやや低いとされるため、電極材として殆ど利用されて来なかった。しかしながら、耐食性が重要視される電池環境では、チタン材が電極材として有望な金属として注目を集めている。
チタンの比抵抗は、80×10−6Ωcmであり、金の3.5×10−6Ωcm、銅の1.7×10−6Ωcm、アルミニウムの2.8×10−6Ωcmなどと較べると高い値ではあるが、導電性セラミクスであるITO(比抵抗150×10−6Ωcm)や、FTO(比抵抗350×10−6Ωcm)と較べると、1/2〜1/4程度も低い値であり、実用に十分耐えうるものと期待されている。
現に、耐食性に優れ、しかも貴金属と較べると価格が安いチタン箔を二次電池の電極として用いる方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。また、実際にチタン箔を電極として用いて色素増感型太陽電池を作成した例は多く報告されている。
色素増感型太陽電池やレドックスフロー電池に使用される電極に求められる要件を列挙すると、(1)連続していること、(2)導電性を保っていること、(3)形状設計に自由度が高いこと、(4)価格的に実用性があること、および(5)厚みが薄いことである。
特許文献1に記載のチタン箔は、その使用量(重量)を削減することにより、電池の価格を低減することができると考えられているが、使用重量を低減させるには、チタン箔を薄くすることが必要となるが、チタン箔は、その厚みが薄くなるほどコストが上昇する傾向にある。
その要因は、現在入手可能なチタン箔は、ほとんどが圧延により製造されている圧延箔であることに起因する。圧延箔は、通常、インゴット溶解、分塊圧延、熱間圧延、冷間圧延などの多くの工程を経て得られている。
このため、(1)納期が長い、(2)市場で調達可能なインゴットサイズが数トン以上のため、ロット単位が大きい、(3)薄くなればなるほど、幅の両端やスラブの長さ方向の両端、板の上下面など、切り取られたり、削られたりする部分が多くなり、歩留まりが低くなる、(4)圧延することによる加工硬化により必要となる焼鈍処理などは、板厚が薄くなればなるほど困難となり、加工費が増える、などの欠点がある。製造するチタン箔が薄くなるほど、これら欠点が顕在化していく。
それに加え、チタン圧延箔は、現在のところ、0.1mm(100μm)程度の厚みまでが市場にて入手可能なサイズであり、量産品では、30μm〜50μm程度の厚みが限度とされている。更なる厚みの薄い電池の電極材が求められつつあり、現状の技術では対応が困難な状況にある。
このように、チタンを電極に使用した安価な二次電池を実現するためには、電極あるいは導電膜に適した薄さを有し、かつ、安価なチタン箔が望まれている。
圧延に替わる金属箔の製造手段として、いわゆる金属粉を含むペーストを基体の上に塗布・乾燥後に、脱媒、焼結を経て金属箔を製作する方法が知られている。この方法においては、金属箔を薄くすることは、コスト上昇につながらず、むしろ材料費の低減につながり、これはコストダウンに寄与するものである。この方法で製造されるチタン製シートの厚みは、ペーストに添加するチタン粉の粒度が微細になるほど、薄くできる。この方法で上述の色素増感型太陽電池に利用するための薄膜用チタン箔を製造するためには、平均粒径が10〜20μm程度の微細なチタン粉が求められる。
チタン粉の製造方法としては、アトマイズ法やREP法、あるいは水素化脱水素法(以下、HDH法)が知られている(例えば、特許文献2参照)。しかしながら、これらの方法で製造されるチタン粉は、通常、粒径が45〜150μmの範囲のものであり、45μm以下の粒径を有するチタン粉の製造方法については開示がない。
また、粒径が5〜74μmであり平均粒径が20μmのチタン粉が知られているが、ペーストに使用するチタン粉としては、まだ、粒径が大きく、粒度分布が広いため、膜を作成した際の表面粗さが大きく、改善の余地が残されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2006−286534号公報(本文) 特開平10−9603号公報(本文) 特開平07−278601号公報(本文)
ただ単に粒径を細かくするのであれば、篩別等の分級により細かい粉のみを抽出する方法が考えられるが、それでは、篩の上に残る粒径の大きな粉を販売できなければ、得られた粉の価格が高騰し、目的としてきた安価な金属箔を手に入れることは不可能となる。このように、粒度分布が狭く、細かい粒径の粒子の含有量が高いチタン粉が求められている。
本発明は、上記状況に鑑みてなされたものであり、従来に比べて厚みの小さい金属チタンシートの製造に適したペースト用チタン系粉の提供を目的としている。
かかる実情に鑑みて前記課題を解決すべく鋭意検討してきたところ、水素化粉砕法で製造された水素化チタン粉末または、これを原料として製造された金属チタン粉末を粉砕機で機械的な粉砕を継続することにより、ペーストに好適な微粒チタンを製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明に係るペースト用チタン系粉は、平均粒径が20μm以下であって、d90が22.50μm以下であり、粒度分布に関するパラメータαおよびβが、以下の関係式を満足することを特徴とするものである。
0.6<β/α<1.0・・・(1)
ここで、α=(d90−d50)/d50、β=(d50−d10)/d50であって、また、d10、d50、d90は、チタン系粉の累積頻度分布に対する積算重量の10%、50%および90%に対応した粒径を意味する。
また、本発明にかかるペースト用チタン系粉とは、水素化粉砕法で製造された水素化チタン粉末または、これを原料として製造された金属チタン粉末であることを好ましい態様とするものである。
本発明に係るチタン系粉は、アトマイズ法によるチタン粉に比べて、歩留まりよく、粒度分布の狭い微粒のチタン系粉を製造でき、その結果、安価な二次電池用電極の提供に資するものである。
実施例1で得られた金属チタン粉の電子顕微鏡写真図である。 実施例2で得られた金属チタン粉の電子顕微鏡写真図である。 実施例3で得られた金属チタン粉の電子顕微鏡写真図である。 本発明のペースト乾燥品を示す写真図である。 本発明のペースト焼成品を示す写真図である。
本発明の最良の実施形態について、図面を適宜使用しながら以下に説明する。
本発明に係るチタン系粉は、平均粒径が20μm以下であって、d90が22.50μm以下であり、粒度分布に関するパラメータαおよびβが、以下の関係式を満足することを特徴とするものである。
0.6<β/α<1.0 ・・・(1)
ここで、α=(d90−d50)/d50、β=(d50−d10)/d50であり、前記したようなパラメータαおよびβの関係式(1)は、d50を平均粒径とし、ここを起点として、(1)式で規定した数値限定の範囲の中において、微粒側に比べて粗粒側の粒度分布範囲が広いチタン系粉であることを意味している。
前記(1)式を満足するような粒度分布を特定することにより、過度な粉砕を必要とせず、二次電池用の電極に好適なチタン粉を歩留まりよく製造することができるという効果を奏するものである。
前記したような粒度分布を有するチタン系粉を用いることにより、従来には無かったような20〜50μmという薄いチタン箔を安価に製造することができるという効果を奏するものである。
本発明に係るチタン系粉は、また、HDH法で製造されたチタン水素化物を原料とすることを好ましい態様とするものである。
より具体的には、水素化粉砕法で製造されたチタン水素化物あるいはこれを脱水素して得られるチタン粉のみならず、例えば、不活性ガス中での加熱処理により得られたチタン粉を用いることもできる。
水素化粉砕法で製造されたチタン系粉は、アトマイズ粉に比べて大気中で酸化あるいは燃焼し難いという特徴があるため、例えば、当該チタン粉のペーストを薄膜として塗布後、乾燥・焼結を経て薄膜チタンを製造する場合には極めて有効であるという効果を奏するものである。
更に、本発明に係るチタン系粉は、水素化法で製造された水素化チタン粉を粉砕法により製造されたもの、または、これを原料として製造されたチタン粉であることを特徴とするものである。
粉砕法により製造されるチタン系粉では、生成されたチタン系粉の下限を維持した状態で、チタン系粉の粒度分布の上限を下限側にシフトさせることができるという特徴を有している。
これに対してチタン粉の別の製法であるアトマイズ法においては、運転条件を変更することで微粒側にチタン粉の粒度分布をシフトさせることができるが、下限も微粒側にシフトする傾向にあり、二次電極用に好適なペーストに使用するためには、微粉側をカットする工程が必要となりコストの点で改善の余地が残されている。
また、アトマイズ法で製造されたチタン粉の形状が球状であるため、異形のチタン粉であるHDH法に比べて効率よく粉砕することが難しいという課題が残されている。
前記の方法で製造されたチタン系粉は、篩別・整粒を行うことにより、本発明に係るチタン系粉を製造することができる。
前記したチタン系粉を原料として製造されたチタン系粉は、例えば、色素増感型太陽電池の導電膜やリチウムイオン電池の電極等に好適に使用することができる。また、その他、金属箔としての用途にも好適に使用することができる。
本願発明に係るチタン系粉の製造方法に係る好ましい態様について以下に説明する。本願に発明に係るチタン系粉は、水素化チタン粉またはチタン粉のいずれかを意味している。そこで、まずは水素化チタン粉の好ましい製法に関して以下に説明する。
本願発明に係る水素化チタン粉は、スポンジチタンあるいはチタンスクラップを原料チタンとし、これを水素化処理することが好ましい。
水素化処理は減圧状態に保持された容器内にて、原料チタンを500〜600℃の温度まで昇温加熱後、前記雰囲気内に水素ガスを供給して水素化処理を開始することが好ましい。
原料チタンと水素ガスとの反応が開始されると、水素ガスの吸収反応が開始される。水素ガスの吸収反応は、発熱反応であるため炉内雰囲気の温度が上昇する傾向を示す。よって、炉内雰囲気の温度上昇が顕在化した後は反応容器の加熱を停止することが好ましい。
原料チタンと水素ガスとの反応量は、反応時間の経過と共に反応容器内に供給する水素ガスの流量も次第に減少させることが好ましい。
反応容器内に供給する水素ガスの流量は、反応容器内の圧力を検知し、同圧力が一定になるように水素ガスを供給することが好ましい。このような手段は、例えば、反応容器内の圧力を基準とし、炉内圧力が一定になるように、水素ガス供給配管の出口側に、設けた圧力系が一定になるいような制御設備を導入することで達成される。
前記した方法により水素供給量がゼロになった時点で、原料チタンの水素化反応を停止することができる。
前記方法で水素化処理されたチタン粉は、室温まで冷却後に反応容器より抜き出すことが好ましい。
反応容器から抜き出された水素化チタンは崩壊性に富んでいるために、公知のクラッシャーを用いて粉砕・整粒処理することが好ましい。粉砕雰囲気は、大気圧あるいは不活性ガス雰囲気で製造することが好ましい。
本願発明においては、反応容器から抜き出された水素化チタンは、20μm以下になるまで粉砕・整粒処理することが好ましく、更には、15μm以下がより好ましいとされる。
この際、粉砕工程により製造された水素化チタン粉の粒度分布が、請求項1に規定した範囲の(1)式を満足するまで粉砕することが好ましい。このような範囲になるまで粉砕することにより、微粒側の粒度に対する影響を及ぼすことなく、粉砕された水素化チタン粉の粗粒分を微粒側にシフトさせることができるという効果を奏するものである。
なお、粉砕法においては、粉砕を重ねても更に微粉側にシフトさせることはなく、粗粒側のみが微粒側にシフトする傾向を示す。よって、整粒の際には微粉側をカットする必要はなく、粗粒側をカットするだけで済む、という効果を奏するものである。
本願発明に係る水素化チタン粉の粒度分布パラメータであるαに対するβの比(β/α)は、0.6超であって、1.0未満が好ましく、さらには、β/αの比は、0.6超0.8以下がより好ましいとされる。
粒度分布パラメータβ/αは、その値が大きいほど粗粒側の比率を低下させることができるという効果を奏するものである。
しかしながら、上記のように規定したパラメータβ/αの比が1以上となると、得られるチタン系粉の平均粒度が大きくなる場合があり、目的とする厚み(薄さ)の電池用電極に供することが難しくなる。また、同チタン系粉を使用したペーストを準備し、これを基板に塗布して形成される層の表面粗さが所定の基準範囲から逸脱する場合があった。
これに対して、β/αが0.6以下の領域となると製造されるチタン系粉も微細化され、その結果、大気中においても発火する危険性が増大し、ハンドリングの上で好ましくない。
よって、本願発明に係る粒度分布パラメータであるαに対するβの比(β/α)は、0.6超であって1.0未満が好ましい範囲とされる。
なお、粉砕処理を経ないで製造されたアトマイズ法によるチタン粉では、アトマイズの条件を変更することにより、チタン粉の粒度分布を調整することはできるが、製造するチタン粉を微粒側にシフトさせようとすると、粒度分布全体が微粒側にシフトする傾向を示し、その結果、粗粒側のみならず微粒側に対しても整粒処理する必要が出てくる。
上記方法で製造された水素化チタン粉は、次いで、減圧雰囲気下にて、600〜700℃まで加熱処理することが好ましい。水素化チタン粉を加熱・減圧雰囲気下に保持することで水素化チタン中の水素を離脱させることにより本願発明に係るチタン粉を得ることができる。
脱水素処理にされた水素化チタン粉、即ち、チタン粉は、相互に焼結している場合があるため、適宜、粉砕・整粒処理することが好ましい。
脱水素処理後のチタン粉を粉砕処理は、公知の粉砕機を使用して進めることができる。粉砕処理は、水素化チタンの粉砕と同様に、所定の粒度分布を有するチタン粉を製造することができるという効果を奏するものである。
本願発明に係る水素化チタンあるいは水素化チタン粉は、粒度分布が狭く、粒度が揃っているために、二次電池用の電極製造用原料として好適に用いることができる。また、フィルター等の原材料としても好適に使用することができる。
次の試験条件および装置構成により試験を行なった。
1.チタン粉の製造
チタン切粉を原料として、以下の条件にて水素化チタン粉を得た。
1)原料:インゴットから切削されたチタン切り粉
2)水素化処理温度:650〜660℃
3)粉砕装置:ホソカワミクロン社製ACMパルメライザー
2.ペースト・薄膜処理
以下の条件にて、ドクターブレード法により、チタン膜を得た。
1)ペースト中のチタン含有率:70%
2)バインダー:ターピネオール、エチルセルロース
3)塗布膜厚み:100μm
4)塗布面:PETシート
5)脱媒処理
雰囲気:大気中
温度:350℃
時間:3時間
7)焼成
雰囲気:減圧雰囲気
温度:350℃
時間:3時間
[実施例1]
VARで溶解されたチタンインゴットの白皮切粉を標記条件で水素化処理後、45分の粉砕処理をした。図1の電子顕微鏡写真は、前記方法で製造された水素化チタン粉を得た。得られた水素化チタン粉のd10、d50、d90、α、およびβを表1に整理した。ここで、d10、d50、およびd90は、累積頻度分布において積算重量比が10%、50%および90%に対応した粒度を意味する。
また、得られた水素化チタン粉を用いて、標記条件にてチタン膜を得た。同チタン膜の板厚、水平距離、平均粗さ、最大高さ、10点粗さ、凸凹間隔、山頂間隔及びRa自乗値(以下、これらを単に、「表面状態」と呼ぶ。)を測定し、その結果を表2に示した。
表2に示した評価は、◎であり、これは、チタン膜としての物理的特性を充分に満足していることを意味する。なお、表2中の◎、○および×の判定基準を表3に示した。
このように測定された平均粗さ、最大高さ、10点粗さ、凹凸間隔、山頂間隔およびRa自乗値は、チタン膜としての物理的特性を充分に満足するものである。
[実施例2]
実施例1において、粉砕整粒時間を180分にした以外は、同じ条件下にて処理を行ない、図2の電子顕微鏡写真に示す水素化チタンを得た。また、得られた水素化チタン粉を用いて、実施例1と同様にチタン膜の表面状態を測定し、表2に示した。
測定された平均粗さ、最大高さ、10点粗さ、凹凸間隔、山頂間隔およびRa自乗値は、チタン膜としての物理的特性を充分に満足するものである。
[実施例3]
実施例1において、粉砕整粒時間を240分にした以外は、同じ条件下にて処理を行ない、図3の電子顕微鏡写真に示す水素化チタンを得た。また、得られた水素化チタン粉を用いて、実施例1と同様にチタン膜の表面状態を測定し、表2に示した。
測定された平均粗さ、最大高さ、10点粗さ、凹凸間隔、山頂間隔およびRa自乗値のうち、Ra自乗値は実施例1に比べてやや劣るもののチタン膜としての物理的特性を充分に満足するものである。
[実施例4]
実施例3で製造された水素化チタン粉を脱水素して得られたチタン粉を用いた以外は、同じ条件でチタン膜を形成させて、上記の物性を調査した。その結果チタン膜としての物理的特性を充分に満足するものである。
[比較例1]
実施例1において使用した粉砕機以外の粉砕機を用いて従来行われてきた粉砕法により、粉砕した。また、得られたチタン粉を用いて、実施例1と同様にチタン膜の表面状態を測定し、表2に示した。
測定された平均粗さ、最大高さ、10点粗さ、凹凸間隔、山頂間隔およびRa自乗値は、チタン膜としての物理的特性を充分に満足するものではなかった。
[比較例2]
実施例1の水素化粉砕法で製造された水素化チタン粉に代えて、従来行われてきた粉砕法により、粉砕時間を120分として実施例1に近い粒度分布を有する水素化チタン粉を製造した。また、得られた水素化チタン粉を用いて、実施例1と同様にチタン膜の表面状態を測定し、表2に示した。
測定された平均粗さ、最大高さ、10点粗さ、凹凸間隔、山頂間隔およびRa自乗値は、チタン膜としての物理的特性を充分に満足するものではなかった。
測定された平均粗さ、最大高さ、10点粗さ、凹凸間隔、山頂間隔およびRa自乗値は、チタン膜としての物理的特性を充分に満足するものではなかった。
以上の実施例および比較例により、製品としての要求特性を充足するパラメータαおよびβは、0.6<β/α<1.0を充足することが好ましいことが確認された。
表1において、板厚とは、上記写真2で示したペースト焼成品の厚みを、また、水平距離とは、前記ペースト焼成品に表面状態を検出する際に測定した距離を表す。ここで、表中の文言の意味は、以下のとおりである(JIS B0601による)。
・(算術)平均粗さ(Ra):
粗さ曲線の、平均線からの絶対値偏差の平均値をマイクロ メートル(μm)で表したものをいう。
・最大高さ(Ry):
粗さ曲線において、基準長さ毎の最低谷底から最大山頂までの高さをマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
・10点(平均)粗さ(Rz):
粗さ曲線において、基準長さ毎の山頂の高い方から5点、谷底の低い方から5点を選び、その平均高さをマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
・凸凹間隔(Sm):
粗さ曲線が、平均線と交差する交点から求めた山谷-周期の間隔の平均値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
・山頂間隔(S):
隣り合う局部山頂間の間隔の平均値をマイクロメートル(μm)で表したものをいう。
・Ra2乗(RMS):
平均線から測定曲線までの偏差の二乗を平均した値の平方根を意味する。
当実施例により粒度分布パラメータの比であるβ/αが0.6超であって、1未満とすることにより、これを用いて製造されるチタン膜が平滑度に優れていることが確認された。
本発明は、色素増感型太陽電池、二次電池の電極用として好適なチタン製シートの製造用ペーストとして好適に使用することができるという効果を奏するものである。

Claims (3)

  1. 平均粒径が20μm以下であって、d90が22.50μm以下であり、粒度分布に関するパラメータαおよびβが、以下の関係式を満足することを特徴とするペースト用チタン系粉。
    0.6<β/α<1.0・・・(1)
    ここで、
    α=(d90−d50)/d50
    β=(d50−d10)/d50
    (d10、d50、d90は、チタン粉の累積粒度分布に対する積算重量の10%、50%および90%に対応した粒径)
  2. 前記平均粒径が13.38μm以下であることを特徴とする請求項1に記載のペースト用チタン系粉。
  3. 前記ペースト用チタン系粉が電池の電極用であることを特徴とする請求項1に記載のペースト用チタン系粉。
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