JP5898362B1 - 歯周ポケット清掃用ブラシ - Google Patents

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【課題】歯周ポケットの清掃を行うブラシとして好適なものを提供すること。【解決手段】ブラシ毛束22は、複数のブリッスル20を略円柱状に束ねたものを植毛ヘッド部16に植毛したものであり、ハンドル部14の長手方向と同方向に2列に複数個整列し、且つ各列のブラシ毛束22の毛束先端が前記長手方向に直交する横幅方向の中央側に互い近付く方向に傾斜して植毛され、2列のブラシ毛束22が毛束先端側において互いに押し付けられていることにより、扁平な柱状に変形している。【選択図】図3

Description

本発明は歯周ポケット清掃用ブラシに関する。
従来から知られている歯ブラシとしては、複数のブリッスル(フィラメント)を略円柱状に束ねたブラシ毛束の配列が1列のもの(例えば、特許文献1)、ブラシ毛束の配列が2列のもの(例えば、特許文献2)、ブラシ毛束の配列が2列で、各列のブラシ毛束の毛束先端が互い近付く方向に傾斜して植毛されもの(例えば、特許文献2)、毛丈が異なったブラシ毛束の配置によってブラシ毛束群をハンドル(柄)の長手方向に山形にしたもの(例えば、特許文献1、3)、単一のブラシ毛束の先端形状を円錐状にしたもの(例えば、特許文献4)、毛先がテーパ加工されたブリッスル(フィラメント)を用いたもの(例えば、特許文献1)等がある。
特開2007−202606号公報 特開2004−113614号公報 登録実用新案第3143239号公報 特開2014−210066号公報
歯と歯肉との間にできる歯周ポケットの清掃を行うことは、歯周病の予防・治療に重要なことである。歯周ポケットの清掃を行うブラシは、ブラシ毛束が歯周ポケットに進入し易いこと、歯周ポケット内の歯垢、歯石を接触圧(刷掃圧)によって掻き出すためにブラシ毛束が適度の腰の強さ(曲げ剛性)を有していること、歯周ポケット内の歯垢、歯石を能率よく掻き出すため歯周ポケットに進入するブリッスルの本数が多いことが好ましい。
ブラシ毛束の配列が1列のものは、多列のものに比してブラシ毛束が歯周ポケットに進入し易いが、ブラシ毛束に適度の腰の強さを与えることが難しく、歯周ポケットに進入するブリッスルの本数を多くすることも難しい。ブラシ毛束群をハンドルの長手方向に山形にしたものや、ブラシ毛束が単一のものも、歯周ポケットに進入するブリッスルの本数を多くすることも難しい。
ブラシ毛束の配列が2列のものは、一列のものより歯周ポケットに進入するブリッスルの本数を多くすることができるが、2列合計の横幅が一列のものより大きくなるから、一列のものに比してブラシ毛束が歯周ポケットに進入し難くなる。ブラシ毛束の配列が2列のもので、各列のブラシ毛束の毛束先端が互い近付く方向に傾斜して植毛されたものは、傾斜していなものに比してブラシ毛束が歯周ポケットに進入し好くなるが、ブラシ毛束は毛束先端側においても略円柱状のままであるので、ブラシ毛束が歯周ポケットに進入し難い。ブラシ毛束の配列が1列のものでも、2列のものでも、ブラシ毛束の束径を小さくすると、ブラシ毛束が歯周ポケットに進入し易くなるが、一つのブラシ毛束のブリッスルの本数が少なくなると共に、ブラシ毛束に適度の腰の強さを与えることが難しくなる。
このように、歯周ポケットの清掃を行うブラシとして好適なものが存在しない。
本発明が解決しようとする課題は、歯周ポケットの清掃を行うブラシとして好適なものを提供することである。
本発明による歯周ポケット清掃用ブラシは、棒状のハンドル部(14)および前記ハンドル部(14)の一端に設けられた植毛ヘッド部(16)を有する本体(12)と、前記植毛ヘッド部(16)に植毛された複数個のブラシ毛束(22)とを含み、ブラシ毛束(22)は、複数のブリッスル(20)を略円柱状に束ねたものを前記植毛ヘッド部(16)に植毛したのであり、前記ハンドル部(14)の長手方向と同方向に2列に複数個整列し、且つ各列のブラシ毛束(22)の毛束先端が前記長手方向に直交する横幅方向の中央側に互いに近付く方向に傾斜して植毛され、2列のブラシ毛束(22)が毛束先端側において互いに押し付けられていることにより、平面視で扁平に変形している。
この構成によれば、2列のブラシ毛束(22)が毛束先端側において互いに押し付けられて扁平な柱状に変形しているから、2列のブラシ毛束が毛束先端側において単に隣接しているだけの場合に比して、2列のブラシ毛束(22)の毛束先端側の横幅が小さく、ブリッスル(20)の本数が多くてもブラシ毛束(22)が歯周ポケット(P)に進入し易く、しかも歯周ポケット(P)内の歯垢、歯石を接触圧によって掻き出すために好適な腰の強さを得ることができ、歯周ポケット(P)の清掃を好適に行うことができる。
本発明による歯周ポケット清掃用ブラシは、好ましくは、前記ブリッスル(20)は、毛径が0.15mm〜0.2mmのナイロン製のものであり、前記ブラシ毛束(22)の前記植毛ヘッド部(16)に対する植毛部における毛束外径が1mm〜2mm、前記ブラシ毛束の毛束丈が9mm〜11mmである。
この構成によれば、ブリッスル(20)の本数を少なくすることなく、歯周ポケット(P)の清掃に適した腰の強さを得ることができる。
本発明による歯周ポケット清掃用ブラシは、好ましくは、前記ブラシ毛束(22)の前記長手方向の植毛ピッチが2mm〜4mm、前記横幅方向の植毛ピッチが1.5mm〜3mmである。
この構成によれば、歯周ポケット(P)の清掃において、適度な植毛密度が得られ、歯周ポケット(P)の清掃が効率よく行われる。
本発明による歯周ポケット清掃用ブラシは、好ましくは、前記ブラシ毛束(22)の各列の個数が4である。
この構成によれば、嵩張ることなく、中段の合計4個のブラシ毛束(22)を歯周ポケット(P)に進入させ、前後端のブラシ毛束(22)は清掃対象の一つの歯の歯周ポケット(P)に隣り合う歯の外面に摺接することにより、前後端のブラシ毛束(22)は、中段のブラシ毛束(22)が歯周ポケット(P)に正しく進入した状態を保つ方向に、歯周ポケット清掃用ブラシ(10)が往復動することを案内する作用をする。これにより、中段の合計4個のブラシ毛束(22)による歯周ポケット(P)の清掃が良好に行われる。
本発明による歯周ポケット清掃用ブラシは、好ましくは、前記ブラシ毛束(22)は先端が尖ったテーパ付きのブリッスル(20)を含んでいる。
この構成によれば、ブリッスル(20)が歯周ポケット(P)の奧まで入り易く、歯周ポケット(P)の清掃が良好に行われる。
本発明による歯周ポケット清掃用ブラシによれば、2列のブラシ毛束の毛束先端側の横幅が小さく、ブリッスルの本数が多くてもブラシ毛束が歯周ポケットに進入し易く、しかも歯周ポケット内の歯垢、歯石を接触圧によって掻き出すために好適な腰の強さを得ることができるから、歯周ポケットの清掃を好適に行うことができる。
本発明による歯周ポケット清掃用ブラシの一つの実施形態を示す平面図 本実施形態による歯周ポケット清掃用ブラシの側面図 (A)は図2の線III−IIIに沿った拡大断面図、(B)は図3(A)の線B−Bによる断面図、(C)は図3(A)の線C−Cによる断面図 ブラシ毛束が植毛されていない状態での図2の線III−IIIに沿った拡大断面図 本発明による歯周ポケット清掃用ブラシの植毛ヘッド部のブラシ毛束が植毛されていない状態での拡大平面図 本発明による歯周ポケット清掃用ブラシの使用例を示す説明図
以下に、本発明による歯周ポケット清掃用ブラシの実施形態を、図1〜図6を参照して説明する。
歯周ポケット清掃用ブラシ10は、図1および図2に示されているように、本体12を有する。本体12は、ハンドル部(柄部)14およびハンドル部14の一端に設けられた植毛ヘッド部(植毛台部)16を有し、全体をポリエステル樹脂等によって一体成形されている。本体12の全長は1600mm程度であって植毛ヘッド部16には複数のブラシ毛束22が植毛されている。
ハンドル部14は、軸長(長手方向寸法)が1200mm程度の細長い帯板状(扁平な棒状)をしており、全長に亘って矩形の横断面形状を有する。ハンドル部14は、横幅Waが10mm〜12mm、厚さTaが4mm〜6mm程度であってよい。ハンドル部14は、横幅Waが10mm未満であっても、横幅Waが12mmを超えて大きくても、また、厚さTaが4mm未満であっても、厚さTaが6mmを超えて大きくても、ハンドル部14を手にて掴み難く、ブラシ毛束22が歯周ポケットP(図7)に進入する方向に向かせる操作が行い難くなる。この観点から、ハンドル部14の横幅Waは11mm、厚さTaは5mmであることが、より好ましい。
植毛ヘッド部16はハンドル部14と同方向に長い矩形の板状をしている。植毛ヘッド部16は、横幅Wbが5mm〜7mm、厚さTbがハンドル部14と同じ4mm〜6mm程度であってよい。植毛ヘッド部16は、横幅Wbが5mm未満であると、ブラシ毛束22の必要な植毛領域が得られず、横幅Wbが7mmを超えて大きいと、嵩張りによって植毛ヘッド部16およびブラシ毛束22が口腔内における歯周ポケットPの清掃に適した部位に位置し難くなる。植毛ヘッド部16は、厚さTbが4mm未満であると、必要な強度をもってブラシ毛束22の植毛が行われることが難しくなり、厚さTbが5mmを超えて大きいと、嵩張りによって植毛ヘッド部16およびブラシ毛束22が口腔内における歯周ポケットPの清掃に適した部位に位置し難くなる。これらの観点から植毛ヘッド部16の横幅Wbは6mm、厚さTaは5mmであることが、より好ましい。
植毛ヘッド部16には、図3〜図5に示されているように、一方の面(植毛面)16Aに開口した有底円形の植毛孔18が形成されている。植毛孔18は植毛ヘッド部16の長手方向と同方向に2列に4個整列して形成されている。なお、植毛ヘッド部16の長手方向とハンドル部14の長手方向とは同じ方向である。
各植毛孔18には、図3に示されているように、合成樹脂製の複数のブリッスル20を略円柱状(図3(B)参照)に束ねてなるブラシ毛束22が植毛されている。ブリッスル20は、毛径が0.125mm〜0.2mm(5mil〜8mil)程度のナイロン製のものであることが好ましい。ブリッスル20は、ナイロン製である場合、毛径が0.15mm未満であると、ブラシ毛束22において歯周ポケットPの清掃に適した腰の強さ(曲げ剛性)を得ることが難しくなり、毛径が0.2mmを超えて大きいと、ブラシ毛束22において腰の強さが強くなりすぎ、歯肉に与える刺激が大きくなってブラッシングの不快感が増す。このような観点から、ブリッスル20の毛径は0.153mm〜0.178mmであることが、より好ましい。
ブラシ毛束22の植毛ヘッド部16に対する植毛部における毛束外径D(植毛孔18の内径に略等しい基本外径)が1mm〜2mm程度、ブラシ毛束22の毛束丈Hが9mm〜11mm程度であることが好ましい。ブラシ毛束22の毛束外径Dが1mm未満であると、一つのブラシ毛束22におけるブリッスル20の本数が少なく、歯周ポケットPの清掃に適した腰の強さを得ることが難しくなると共に、歯周ポケットPの清掃効率が低減する。ブラシ毛束22の毛束外径Dが2mmを超えて大きいと、一つのブラシ毛束22におけるブリッスル20の本数が過剰になり、腰の強さが強くなりすぎると共に、ブラシ毛束22が歯周ポケットPに進入し難くなる。ブラシ毛束22の毛束丈Hが9mm未満であると、腰の強さが強くなりすぎると共にブラシ毛束22が歯周ポケットPの所要の深さまで進入し難くなり、毛束丈Hが11mmを超えて大きいと、歯周ポケットPの清掃に適した腰の強さを得ることが難しくなると共に、嵩張りによってブラシ毛束22が口腔内における歯周ポケットPの清掃に適した部位に位置し難くなる。このような観点から、ブラシ毛束22の毛束外径Dは1.3mm、毛束丈Hは10mmであることが、より好ましい。ブラシ毛束22の毛束外径Dが1.3mm、ブリッスル20の毛径が0.178mmである場合、一つのブラシ毛束22のブリッスル数は56になる。
ブラシ毛束22の長手方向(植毛ヘッド部16の長手方向)の植毛ピッチPa(図5参照)は2mm〜4mm程度、ブラシ毛束22の横幅方向(植毛ヘッド部16の横幅方向)の植毛ピッチPb(図5参照)が1.5mm〜3mmであることが好ましい。植毛ピッチPaが2mm未満であると、植毛密度が過多になり、ブラシ毛束22が歯周ポケットPに進入し難くなる。植毛ピッチPaが4mmを超えて大きいと、植毛密度が過小になり、歯周ポケットPの清掃効率が低下する。また同様に、植毛ピッチPbが1.5mm未満であると、植毛密度が過多になり、ブラシ毛束22が歯周ポケットPに進入し難くなる。植毛ピッチPbが3mmを超えて大きいと、植毛密度が過小になり、歯周ポケットPの清掃効率が低下する。このような観点から、植毛ピッチPaは2.7mm、植毛ピッチPbは1.5mmであることが、より好ましい。
毛束外径D=1.3mm、植毛ピッチPa=2.7mm、植毛ピッチPb=2.0mmとすると、植毛ヘッド部16における植毛領域の長手方向寸法La(図5参照)は9.7mm、同横幅寸法Wc(図5参照)は3.3mmになる。なお、植毛ヘッド部16の横幅方向は、植毛面16A上において植毛ヘッド部16の長手方向に直交する方向であり、ハンドル部14の横幅方向と同じ方向である。
植毛孔18の中心軸線Aは、図4に示されているように、植毛面16Aを直角に貫通する軸線Bに対して植毛ヘッド部16の横幅方向の中央側に倒れるように傾斜角θをもって傾斜している。これにより、ブラシ毛束22は、図3に示されているように、各列のブラシ毛束22の毛束先端が植毛ヘッド部16の横幅方向の中央側に互い近付く方向に傾斜角θをもって傾斜して植毛されることになり、両列のブラシ毛束22が毛束先端側において、各ブリッスル20の弾性変形(曲げ変形)のもに、植毛ヘッド部16の横幅方向に互いに押し付けられている。これにより、両列のブラシ毛束22は、毛束先端側では、図3(C)に示されているように、平面視で、植毛ヘッド部16の長手方向に長い扁平な柱状に変形し、互いに寄り添うにして植毛ヘッド部16の横幅方向にも長手方向にも互いに結合し、しかも両列のブラシ毛束22の少なくとも一部のブリッスル20の先端側が互いに交差し合い(混じり合い)、植毛ヘッド部16の長手方向に長い一列になっている。そして両列のブラシ毛束22の毛束先端側に形成される結合部24は、図3(A)に示されているように、横幅方向の横断面で見て、毛束先端側に向かうほど横幅が小さくなる楔形をなしている。
図6は、歯周ポケット清掃用ブラシ10を使用したインプラント歯の歯周ポケットPの清掃状態を示している。図6において、Fは歯槽骨、Gは歯肉、Hは人工歯根(インプラント体)、Jは支台部、Kは人工歯を各々示している。
歯周ポケット清掃用ブラシ10を使用して歯周ポケットPの清掃を行う操作は、箸を掴むように、あるいはペンを握るように、手にてハンドル部14を握り、片肘(歯周ポケット清掃用ブラシ10を掴んでいる側の腕の肘)を付いた姿勢で、親指と人差し指によって、図6に示されているように、結合部24が歯周ポケットPに進入する方向に向くように操作し、植毛ヘッド部16の長手方向の4個のブラシ毛束22のうち前後端を除く中段の合計4個のブラシ毛束22による結合部24、より詳細には結合部24の長手方向(植毛ヘッド部16の長手方向)の先端側あるいは手前側(踵側)を歯周ポケットPの形態に沿って歯周ポケットP内に進入させ、歯周ポケット清掃用ブラシ10をハンドル長手方向の小さいストロークによって往復動(振動)させる。歯周ポケットPに対するブラシ毛束22の進入深さは、毛束先端が歯周ポケットPの溝底に到達する深さであることが好ましい。ブリッスル20は、テーパ付きのブリッスルであるから、ブリッスル20が歯周ポケットPの奧まで入り易く、歯周ポケットPの清掃が良好に行われる。
植毛ヘッド部16における植毛領域の長手方向寸法Laが9.7mmである場合、歯周ポケットPに進入する中段の合計4個のブラシ毛束22の長手方向寸法Lbは4mm程度になる。ヒトの各歯の歯周ポケットPは歯の根元幅と略等しい8mm〜10mmであるから、Lb=4mmである場合、4mm〜6mmのストロークで歯周ポケット清掃用ブラシ10をハンドル長手方向の往復動させることにより、歯周ポケットPの全域に亘ってブラッシングが行われ、歯周ポケットP内の全域に亘って歯垢、歯石の除去が行われる。
このブラッシングにおいて、前後端のブラシ毛束22は清掃対象の一つの歯の歯周ポケットPに隣り合う歯の外面に摺接する。これにより、前後端のブラシ毛束22は、中段のブラシ毛束22が歯周ポケットPに正しく進入した状態を保つ方向に、歯周ポケット清掃用ブラシ10が往復動することを案内する。このことにより、中段の合計4個のブラシ毛束22による歯周ポケットPの清掃が良好に行われる。
2列のブラシ毛束22は、毛束先端側において、植毛ヘッド部16の長手方向に長いに扁平な柱状に変形し、互いに寄り添うにして植毛ヘッド部16の横幅方向にも長手方向に互いに結合し、植毛ヘッド部16の長手方向に長い一列になっているから、2列のブラシ毛束の毛束先端側において単に隣接しているだけの場合に比して、ブリッスル20の本数が同じであっても結合部24の横幅が小さく、ブラシ毛束22が歯周ポケットPに進入し易い。しかも、結合部24は、横幅方向の横断面で見て、毛束先端側に向かうほど横幅が小さくなる楔形をなしているから、結合部24が歯周ポケットPに進入し易い。
更には、歯周ポケットPへの進入が2列のブラシ毛束22の集合体である結合部24である場合には、歯周ポケットPに進入するブリッスル20の本数が、ブラシ毛束が一列のものに比して多い。これらのことにより、歯周ポケットP内の歯垢、歯石を能率よく掻き出すことができる。
更には、2列のブラシ毛束22は、毛束先端側、つまり結合部24においては、弾性変形して互いに寄り添うようにして接触しているから、ブリッスル20が細くても、歯周ポケットPに進入する結合部24は、歯周ポケットP内の歯垢、歯石を接触圧によって掻き出すために好適な腰の強さを得ることができる。これにより、必要な腰の強さが得られた上で、同一の毛束外径Dにおいてブリッスル20の個々の小径化によって歯周ポケットPに進入するブリッスル20の本数が増加する。このことによっても、歯周ポケットPに進入するブリッスル20の本数が増加するから、歯周ポケットP内の歯垢、歯石を能率よく掻き出すことができる。
以上、本発明を、その好適な実施形態について説明したが、当業者であれば容易に理解で
きるように、本発明はこのような実施形態により限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、全てのブリッスル20は、テーパ付きのブリッスルによって構成されていても、あるいは各ブラシ毛束22の一部あるいは歯周ポケットPに進入する中段のブラシ毛束22のみがテーパ付きのブリッスルによって構成されていてもよい。また、歯周ポケットPに進入し易いように、中段のブラシ毛束22の毛束丈Hが他のブラシ毛束22の毛束丈Hより長くてもよい。歯周ポケットPに進入し易い結合部24を得るために、ブラシ毛束22は2列であることは必須あるが、植毛ヘッド部16の長手方向の個数は、3個あるいは5個以上であってもよく、植毛ピッチPaに応じて最適個数が設定されればよい。歯周ポケット清掃用ブラシ10は、インプラント歯の歯周ポケットPの清掃に限られることはなく、天然歯の歯周ポケットの清掃も良好に行うことができる。
また、上記実施形態に示した構成要素は必ずしも全てが必須なものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜取捨選択することが可能である。
10 歯周ポケット清掃用ブラシ
12 本体
14 ハンドル部
16 植毛ヘッド部
16A 植毛面
18 植毛孔
20 ブリッスル
22 ブラシ毛束
24 結合部

Claims (5)

  1. 棒状のハンドル部および前記ハンドル部の一端に設けられた植毛ヘッド部を有する本体と、前記植毛ヘッド部に植毛された複数のブリッスルとを含み、
    前記ブリッスルが、所定数の該ブリッスルを略円柱状に束ねてなる複数個のブラシ毛束をなし、前記ブラシ毛束が、前記ハンドル部の長手方向に沿って、且つ当該長手方向に直交する横幅方向に互いに整合するように2列に整列し、且つ前記横幅方向に互いに整合する2列のブラシ毛束の毛束先端が互いに近付く方向に傾斜して植毛され、
    前記横幅方向に互いに整合する2列のブラシ毛束の毛束先端側が、前記ブリッスルの弾性変形のもとに互いに押し付けられた状態にあって、横幅方向の横断面で見て、毛束先端に向かうほど横幅が小さくなる楔形をなすように互いに寄り添い、且つ前記毛束先端の集合体が平面視で前記長手方向に細長い扁平形状をなす歯周ポケット清掃用ブラシ。
  2. 前記ブリッスルは、毛径が0.15mm〜0.2mmのナイロン製のものであり、前記ブラシ毛束の前記植毛ヘッド部に対する植毛部における毛束外径が1mm〜2mm、前記ブラシ毛束の毛束丈が9mm〜11mmである請求項1に記載の歯周ポケット清掃用ブラシ。
  3. 前記ブラシ毛束の前記長手方向の植毛ピッチが2mm〜4mm、前記横幅方向の植毛ピッチが1.5mm〜3mmである請求項2に記載の歯周ポケット清掃用ブラシ。
  4. 前記ブラシ毛束の各列の個数が4である請求項3に記載の歯周ポケット清掃用ブラシ。
  5. 前記ブラシ毛束は先端が尖ったテーパ付きのブリッスルを含んでいる請求項1から4の何れか一項に記載の歯周ポケット清掃用ブラシ。
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