図1は本実施形態の実施例1に係る電気錠管理システムの機能構成を示すブロック図である。同図において、電気錠管理システムSYは、電気錠制御装置1、及び通信回線13を介して前記電気錠制御装置に通信可能に接続された監視センタ12から基本的に構成されている。
電気錠制御装置1は、メイン制御部6を中心に構成され、電気錠動作指令部4、カードリーダ制御部5、通信インターフェイス7、記憶装置8、入出力回路9、電気錠電源供給部10、電源監視回路11及び履歴情報更新指令部20を含む。なお、電気錠電源供給部10を除く各部がメイン制御部6に接続されている。
電気錠動作指令部4は、入出力回路9を介して扉側の第1ないし第nの電気錠2(1)〜2(n)[以下、単に電気錠と称す。また、nは2以上の整数である。以下同様。]と接続されており、メイン制御部6の制御に従って入出力回路9から電気錠2(1)〜2(n)の施錠及び解錠を出力制御する。また、電気錠2(1)〜2(n)は電気錠電源供給部10から電源の供給を受けている。
カードリーダ制御部5は、扉近くに設置された第1ないし第nのカードリーダ3(1)〜3(n)[以下、単にカードリーダと称す。]と接続されており、カードリーダ3(1)〜3(n)によるカードの読み取り結果をメイン制御部6に入力する。なお、本実施例においては、電気錠2(1)〜2(n)の施錠、解錠を行うためのツールとして磁気カードを用いる場合を例として説明するが、磁気以外の他のICカードや、RFID(Radio Frequency Identification)チップ等の埋め込まれたICタグ等を用いることも可能である。すなわち、本実施例においては、カードリーダ3(1)〜3(n)が情報読取装置として機能し、カードリーダ制御部5が情報読取装置制御部として機能する。
メイン制御部6は、電気錠制御装置1全体の動作を制御する。例えば、メイン制御部6は、カードリーダ3(1)〜3(n)によるカードの読み取り結果を、カードリーダ制御部5を介して取得し、取得した読み取り結果に応じて電気錠2(1)〜2(n)を施錠し若しくは解錠するように電気錠動作指令部4を介して入出力回路9を制御する。
メイン制御部6は、上述したように、カードの読み取り結果に応じて電気錠2(1)〜2(n)の施錠若しくは解錠を判断する際、読み取り結果を検索キーとして、記憶装置8に予め記憶されている複数のカードIDを検索する。読み取り結果に応じたカードIDが記憶装置8に記憶されていた場合、メイン制御部6は、カードの所持者が入室許可されている者であると判断し、施錠若しくは解錠のための制御を行う。
記憶装置8は、動作履歴情報記憶部8A及び動作履歴情報補助記憶部8Bを少なくとも有する。動作履歴情報記憶部8Aは少なくとも電気錠2(1)〜2(n)毎の動作回数を記憶し、動作履歴情報補助記憶部8Bは、電気錠電源供給部10が電気錠2(1)〜2(n)の電源供給不能を検出し、その後、電源供給が復旧した電気錠2(1)〜2(n)に対する動作回数を記憶する。
入出力回路9は、電気錠2(1)〜2(n)と第1ないし第nの扉開閉検知装置21(1〜21(n)[以下、扉開閉検知装置と称す。]に接続されており、電気錠2(1)〜2(n)における施解錠状態及び扉開閉検知装置21(1)〜21(n)における扉の開閉状態の信号を取得してメイン制御部6に入力している。通常、電気錠2(1)〜2(n)における施解錠状態の信号は施錠状態であり電気錠動作指令部4によって電気錠2(1)〜2(n)が解錠された場合に、信号が変化する。これによりメイン制御部6が、電気錠2(1)〜2(n)の解錠を検知する。
通常、扉開閉検知装置21(1)〜21(n)における扉の開閉状態の信号は閉状態であり、電気錠動作指令部4によって電気錠2(1)〜2(n)が解錠され、扉が開かれた場合に信号が変化する。これによりメイン制御部6が、扉が開状態となったことを検知する。なお、扉の開閉については、カードリーダ3(1)〜3(n)にカードを読み取らせて電気錠2(1)〜2(n)を解錠したユーザが手動で開閉する方式であっても良いし、電気錠2(1)〜2(n)が解錠されることにより自動的に開閉する方式であっても良い。
開かれた状態の扉は、扉クローザの自閉力、ユーザによる手動、あるいは自動ドアの駆動機構により閉じられる。その結果、扉開閉検知装置21(1)〜21(n)における扉の開閉状態の信号が閉状態に変化し、メイン制御部6は扉が閉状態となったことを検知する。扉が閉状態となったことを検知すると、メイン制御部6は電気錠2(1)〜2(n)を施錠するために電気錠動作指令部4に対して施錠指令信号を出力する。これにより、電気錠動作指令部4が電気錠2(1)〜2(n)に対して施錠動作を指示する。この指示に応じて電気錠2(1)〜2(n)のデットボルトが突出し、施錠が完了する。なお、電気錠2(1)、カードリーダ3(1)及び扉開閉検知装置21(1)は第1の扉の電気錠、カードリーダ及び扉開閉検知装置に対応し、電気錠2(n)、カードリーダ3(n)及び扉開閉検知装置21(n)は第nの扉の電気錠、カードリーダ及び扉開閉検知装置に対応するというように、かっこ内の数字が同じものがそれぞれ対応関係にある。
デットボルトは、一般的な施錠機構において、扉若しくは扉の枠の一方から突出して他方の窪みに挿入されることにより、扉の開閉を妨げる部品である。一般的な施錠機構においては、鍵穴に鍵を挿入して鍵を回転することによりこのデットボルトが突出して施錠される。電気錠システムにおいては、このデットボルトの突出を電気的な制御によって動作させることにより、施解錠が行われる。施錠が完了すると、電気錠2(1)〜2(n)における施解錠状態を示す信号が施錠状態に変化する。この変化により、メイン制御部6は電気錠2(1)〜2(n)が施錠状態となったことを検知し、一連の施解錠動作が完了する。
施解錠動作が完了すると、メイン制御部6は、電気錠2(1)〜2(n)毎の動作回数を管理するため、記憶装置8の動作履歴情報記憶部8Aに記憶された電気錠2(1)〜2(n)毎の動作回数を加算し、データを更新する。動作履歴情報記憶部8Aに記憶された電気錠2(1)〜2(n)毎の動作回数データは、メイン制御部6に読み込まれて送信データが作成され、通信インターフェイス7から通信回線13を介して監視センタ12へ例えば1ケ月周期で定期的に送信される。
履歴情報更新指令部20は、電気錠2(1)〜2(n)毎に書き込み及び消去可能な図示しないフラグを有している。メイン制御部6は、電気錠2(1)〜2(n)の電源供給不能から電源復旧となった電気錠2(1)〜2(n)に対して、前記フラグに“1”を書き込む。メイン制御部6は、フラグが“1”となっている電気錠2(1)〜2(n)の動作回数を動作履歴情報補助記憶部8Bに格納する。このフラグに書き込まれた“1”を“0”に書換える(消去する)ためには、入出力回路9へ着脱自在に接続される履歴情報更新部であるパーソナルコンピュータ19(以下、パソコン19と称す。)から後述する所定の操作を実行しなければならない。
監視センタ12は、制御装置15を中心に構成され、制御装置15に記憶部16、動作回数算出部17及び取り替え時期判定部18が接続され、また、通信インターフェイス14を介して通信回線13と接続されている。制御装置15は、監視センタ12全体及び監視センタ12に含まれる各部を制御する。制御装置15は、電気錠制御装置1から送信された電気錠2(1)〜2(n)のそれぞれの動作回数データを通信回線13及び通信インターフェイス14を介して受信し、この動作回数データを動作回数算出部17に送信して演算させる。その後、制御装置15は算出した電気錠2(1)〜2(n)毎の累積動作回数を記憶部16へ記憶させる。
取り替え時期判定部18は、動作回数算出部17で算出した月平均動作回数の変化に基づき、予め設定された動作保証回数に達する時期を電気錠2(1)〜2(n)の交換時期として判定し、交換時期に近いものはリストに出力する。保守員は、このリストに基づいて顧客に対して保守点検時に寿命が近い電気錠を報告し、電気錠の交換を提案する。
図2は電気錠管理システムの動作手順を示すフローチャートである。
図2において、電気錠制御装置1の電源監視回路11は、電気錠2(1)〜2(n)毎に電源を供給する電気錠電源供給部10が、停電あるいは電源供給線の断線等によって電源供給不能か否かを判定(検出)する(S1)。ここで、電気錠2(1)〜2(n)を取り替えるときは、電気錠2(1)〜2(n)への電源供給線を外す必要があるので、電源監視回路11は取り替えた電気錠2(1)〜2(n)の電源供給不能を検出することとなる。ステップS1で、電気錠2(1)〜2(n)としているのは、n個ある電気錠のうちの1以上のいずれかの電気錠2(1)〜2(n)が電源断か否かを判定しているからである。
次に、ステップS1で電気錠電源供給部10から電気錠2(1)〜2(n)へ正常に電源が供給されているとき(S1:No)、例えば第1のカードリーダ3(1)のカードリーダ制御部5が、入室のためユーザが図示しないカードを翳したか否かを判定する(S2)。この判定で、カードが翳されたことを、図示しないカードのカードIDによって検出すると(S2:Yes)、カードのカードIDの読み取り結果をメイン制御部6へ出力する。
メイン制御部6では、読み取られた図示しないカードのカードIDに対し、記憶装置8に記憶されているカードIDを検索し、記憶されているカードID情報と照合して当該カードIDの所持者が入室を許可されているか否かを判定する(S3)。メイン制御部6は、このチェックで入室が許可されている判定すると(S3:Yes)、入室が許可された扉に設置された第1の電気錠2(1)を解錠する信号を出力する旨の指令信号を電気錠動作指令部4へ送信する。電気錠動作指令部4は入出力回路9を介して出力指示があった第1の電気錠2(1)に対して入出力回路9を介して解錠信号を出力する(S4)。
ステップS2で、カードリーダ制御部5が第1のカードリーダ3(1)で図示しないカードのカードIDを検出しないとき(S2:No)、及びステップS3で、メイン制御部6が入室否と判定したときは(S3:No)、ステップS1へ戻り、ステップS1以降の処理を繰り返す。
ステップS4の処理終了後、メイン制御部6は、電気錠動作指令部4から入出力回路9を介して第1の電気錠2(1)へ解錠信号を出力させる。その後、第1の電気錠2(1)が設置されている扉の開閉状態を示す信号が、第1の扉開閉検知装置21(1)から入出力回路9を介してメイン制御部6に入力される。メイン制御部6は、この信号に基づいて扉の開閉状態を取得すると、扉が開放されているか否かを判定(検出)する(S5)。ステップS5で、扉が開放状態であると判定(検出)すると(S5:Yes)、次に、扉が閉じられたか否かを、第1の扉開閉検知装置21(1)から入出力回路9を介して入力される信号に基づいて判定する(S6)。ステップS6で、扉が閉鎖状態であると判定(検出)すると(S6:Yes)、メイン制御部6は、施錠信号を出力する旨の指令信号を電気錠動作指令部4へ送信する。電気錠動作指令部4は、受信した指令信号に基づいて入出力回路9を介して第1の電気錠2(1)へ施錠信号を出力する(S7)。
また、ステップS5で、メイン制御部6が第1の電気錠2(1)を解錠したにもかかわらず、扉は開放されず、扉閉状態であると判定した場合には(S5:No)、さらに所定時間である10秒を経過したか否かをタイマの計数により判定する(S8)。そして、10秒を経過した時点(S8:Yes)で、ステップS7に移行し、第1の電気錠2(1)へ施錠指令を出力し、扉の施錠を行わせる。
次いで、メイン制御部6は、電源監視回路11によって電源供給不能を検出した後、電源復旧し、動作履歴情報補助記憶部8Bに動作回数を記憶すべき電気錠2(1)〜2(n)の有無を履歴情報更新指令部20のフラグから抽出する(S9)。ここまでの処理では、ステップS1で、電源監視回路11が第1の電気錠2(1)の電源供給不能を検出していないので、履歴情報更新指令部20のフラグは“0”である。そこで、メイン制御部6は、第1の電気錠2(1)の動作回数を動作履歴情報記憶部8Aに加算し、データを更新する(S10)。
他方、ステップS1で、電源監視回路11が電気錠2(1)〜2(n)の電源供給不能を検出した後、電源供給の復旧を検出すると(S11)、メイン制御部6は、該当する電気錠2(1)〜2(n)に対し、履歴情報更新指令部20のフラグを“1”とするとともに、動作履歴情報補助記憶部8Bへ動作回数を記憶するように設定して(S12)、ステップS2に移行する。
一方、ステップS9で、メイン制御部6が、ステップS12で例えば第1の電気錠2(1)が電源供給不能から電源復旧し、履歴情報更新指令部20のフラグを“1”に設定した場合、抽出した第1の電気錠2(1)の動作回数を動作履歴情報補助記憶部8Bへ記憶させる(S13)。
また、ステップS6で、メイン制御部6が、扉開放を検出すると、扉の開放時限である例えば30秒を計数し(S14)、扉の開放時間が30秒となると(S14:Yes)、扉の開時間超過と判定して通信インターフェイス7を起動し、通信回線13を介して監視センタ12に扉の開時間が超過したという異常信号を送信する(S15)。
図3は電気錠への電源供給不能検出後の保守員の作業手順を示すフローチャートである。
電気錠制御装置1の保守作業を実施する保守員は、電気錠2(1)〜2(n)関する動作回数の保守作業を図3のフローチャートに示した手順で実行する。
動作回数の保守作業を行う場合、保守員は、まず電気錠制御装置1の入出回路9へパソコン19を接続し(SA1)、パソコン19の所定操作で、履歴情報更新指令部20のフラグを検索して“1”なる値の存在を確認する(SA2)。ステップSA2で“1”なる値がなかったときは(SA2:No)、パソコン19を取り外して(SA3)終了する。
ステップSA2で“1”なる値があるとき(SA2:Yes)、保守員はパソコン19の所定操作で該当する電気錠2(1)〜2(n)と、その設置場所を記憶装置8から抽出し、パソコン19の図示しない記憶装置内に格納し(SA4)、パソコン19を取り外す(SA5)。
次いで、保守員は、パソコン19を持参して履歴情報更新指令部20のフラグが“1”を示す電気錠2(1)〜2(n)の設置場所へ出向き、電気錠2(1)〜2(n)の電源遮断が電気錠の取り替えによるものか、停電や断線等のその他の原因によるものかを、電気錠2(1)〜2(n)が設置される室の居住者あるいは管理人への聞き取り調査を実行し(SA6)、その結果をパソコン19へ入力する(SA7)。ステップSA7におけるパソコン19への入力は、電気錠2(1)〜2(n)の電源遮断が電気錠の取り替えに起因するものだけでも良い。
ステップSA7の処理を終了すると、保守員はパソコン19を電気錠制御装置1の入出回路9へ接続し(SA8)、所定の操作を行って履歴情報更新指令部20のフラグが“1”に該当する電気錠2(1)〜2(n)を抽出する(SA9)。そして、抽出した電気錠2(1)〜2(n)についてステップSA7で入力した電源遮断の原因と突き合わせる。この突合せにより電源遮断の原因が電気錠の取り替えによるものか否かを判定する(SA10)。
ステップSA10で、電気錠2(1)〜2(n)の電源断が電気錠の取り替えによるものであると判定されたとき(SA:Yes)、取り替えた電気錠2(1)〜2(n)に対する動作回数の補正は、動作履歴情報補助記憶部8Bに記憶されている値を動作履歴情報記憶部8Aへ上書きして保存する(SA11)ことにより行う。
他方、取り替えによるものでないと判定されたとき(SA:No)には、取り替え以外の電気錠2(1)〜2(n)に対する動作回数の補正は、動作履歴情報記憶部8Aに記憶されている値に動作履歴情報補助記憶部8Bに記憶されている値を加算して動作履歴情報記憶部8Aへ保存する(SA12)ことにより行う。このよう処理することにより、取り替えられた電気錠2(1)〜2(n)の動作回数には、動作履歴情報補助記憶部8Bに記憶した値が反映される。また、動作履歴情報記憶部8Aに記憶された取り替え前の値は消去される。さらに、停電等で電源遮断となった電気錠2(1)〜2(n)の動作回数は、動作履歴情報記憶部8Aに記憶される電源遮断前の値に、動作履歴情報補助記憶部8Bに記憶される電源復旧後の値が加算される。
次に、パソコン19は、ステップSA11及びステップSA12の処理を実施した電気錠2(1)〜2(n)に対し、履歴情報更新指令部20のフラグを“1”から“0”へクリアし(SA13)、履歴情報更新指令部20のフラグに“1”が存在するかを検索する(SA14)。この検索で“1”が存在すれば(SA14:Yes)、ステップSA10へ戻り、ステップ10〜ステップSA14の処理を繰り返す。前記検索で“1”が存在しなければ(SA14:No)、ステップSA3へ戻り、パソコン19を取り外して(SA3)作業を終了する。
このように、電気錠2(1)〜2(n)毎に電源遮断及び電源復旧を検出し、電源遮断前の電気錠2(1)〜2(n)の動作回数を動作履歴情報記憶部8Aへ記憶させ、電源復旧後の電気錠2(1)〜2(n)の動作回数を動作履歴情報補助記憶部8Bへ記憶させて、電源遮断の発生要因が、電気錠取り替えによるものは、動作履歴情報補助記憶部8Bに記憶される電源復旧後の動作回数を反映させたので、動作履歴情報記憶部8Aに記憶される動作履歴情報に基づき、電気錠2(1)〜2(n)毎の交換時期を正確に把握することができる。
なお、電気錠制御装置1のメイン制御部6、監視センタ12の制御装置15及びパソコン19は、それぞれCPU(Central Processor Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)を含み、前記制御は、ROMあるいはHDD等に格納されたプログラムコードをCPU101が読み込んでRAMに展開し、当該RAMをワークエリア及びデータバッファとして使用しながら前記プログラムコードで定義されたプログラムに基づいて実行される。
図4は、本実施形態の実施例2に係る電気錠管理システムの機能構成を示すブロック図である。実施例1の機能構成を示す図1のブロック図と同一の機能構成を示す各部には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
実施例2は実施例1における監視センタ12に、制御装置15に接続された操作部22、表示部23、フラグ抽出部25及び履歴情報更新起動部24を設け、さらに記憶部16に現地調査格納部16Aを設けたものである。その他の各部は実施例1と同一である。
操作部22は、監視センタ12の監視員が操作するもので、監視員が所定の操作を当該操作部22で行い、表示部23に表示される情報に基づいて監視業務を実施する。
現地調査格納部16Aは、保守員によってパソコン19へ入力され、電気錠制御装置1から通信回線13を介して監視センタ12へ送信された電気錠2(1)〜2(n)の電源遮断の原因に対する聞き取り調査結果の情報を格納するものである。すなわち、現地調査格納部16Aには、電気錠2(1)〜2(n)の電源遮断の原因が格納される。
履歴情報更新起動部24は、監視員が所定操作を操作部22で行うことにより、現地調査格納部16Aに格納されている電気錠2(1)〜2(n)の電源遮断の原因を表示部23へ表示させる。フラグ抽出部25は、監視員が所定操作を操作部22で行うことにより、通信回線13を介して電気錠制御装置1と接続するとともに、履歴情報更新指令部20を参照してフラグが“1”となった電気錠2(1)〜2(n)を抽出して表示部23へ表示させる。
このように構成された電気錠管理システムSYでは、電気錠制御装置1の構成は実施例1と同一なので、実施例1で説明した図2のフローチャートに示した手順で動作する。
図5は実施例2における電気錠への電源供給不能検出後の保守員の作業手順を示すフローチャートである。電気錠制御装置1の保守作業を実施する保守員は、電気錠2(1)〜2(n)に関する動作回数の保守作業を図5のフローチャートに示した手順で実行する。
動作回数の保守作業を行う場合、保守員は、まずステップSB1で、電気錠制御装置1の入出回路9へパソコン19を接続し、パソコン19の所定操作で、履歴情報更新指令部20のフラグを検索して“1”なる値の存在を確認する(SB2)。ステップSB2で“1”なる値がなかったときは(SB2:No)、パソコン19を取り外して(SB3)この処理を終了する。
ステップSB2でフラグに“1”なる値があるとき(SB2:Yes)、保守員はパソコン19の所定操作で該当する電気錠2(1)〜2(n)と、その設置場所を記憶装置8から抽出し、パソコン19の図示しない記憶装置内に格納し(SB4)、パソコン19を取り外す(SB5)。
次いで、保守員は、パソコン19を持参して履歴情報更新指令部20のフラグが“1”を示す電気錠2(1)〜2(n)の設置場所へ出向き、電気錠2(1)〜2(n)の電源遮断が電気錠の取り替えによるものか、停電や断線等のその他の原因によるものかを、入力する(SB7)。電源遮断が電気錠の取り替えによるものか、停電や断線等のその他の原因によるものかは、電気錠2(1)〜2(n)が設置される室の居住者あるいは管理人への聞き取り調査により行い(SB6)、聞き取り調査の結果をパソコン19へ入力する。なお、ステップSB7におけるパソコン19への入力は、電気錠2(1)〜2(n)の電源遮断が電気錠の取り替えに起因するものだけでも良い。
ステップSB7の処理を終了すると、保守員はパソコン19を電気錠制御装置1の入出回路9へ接続し(SB8)、所定の操作を行って電気錠制御装置1から通信回線13を介して監視センタ12との接続処理を行う(SB9)。パソコン19と監視センタ12の接続を確認した保守員は、パソコン19へ所定の操作を行ってステップSB7で入力した電気錠2(1)〜2(n)の電源遮断の原因に対する聞き取り調査結果を、監視センタ12の現地調査格納部16Aへ格納し(SB10)、パソコン19を取り外して(SB3)、この処理を終了する。
図6は実施例2における監視センタ12の電気錠への電源供給不能検出後の監視員の作業手順を示すフローチャートである。
この作業手順では、建物に設けられた設備機器の異常発生の通報を監視センタ12で受信すると(SC1)、表示部23へ異常発生情報が表示され、監視センタ12の監視業務を実施する監視員は、この異常発生情報の対応を実施する。また、異常発生情報の対応を実施していないとき、監視員は、上述のステップSB10で保守員から送信された電気錠2(1)〜2(n)の電源断の原因等の情報が格納されている現地調査格納部16Aを参照するか否かを判断する(SC2)。ステップSC2で現地調査格納部16Aを参照しないと判断したときは(SC2:No)、通常の監視業務処理を継続し(SC3)、この処理を終了する。
他方、ステップSC2で現地調査格納部16Aを参照すると判断したとき(SC2:Yes)、監視員は、所定の操作を操作部22から実行し、履歴情報更新起動部24を作動させ、表示部23に電気錠2(1)〜2(n)の電源断の原因等の情報を表示させる。そして表示内容を参照し(SC4)、電源遮断が電気錠の取り替えに起因する電気錠2(1)〜2(n)を制御する電気錠制御装置1が設置される建物名、建物所在地等を特定する(SC5)。ここでステップSC5の電気錠制御装置1が設置される建物名、建物所在地等を特定した結果は、記憶部16の所定エリアに格納しても良く、ノート等に手書きで記述しても良い。
次に、監視員は、ステップSC5で特定した電気錠制御装置1と通信回線13を介した接続の要否かを判断する(SC6)。ステップSC6で電気錠制御装置1との接続が不要と判断したときは(SC6:No)、通常の監視業務処理を継続し(SC3)、この処理を終了する。ここで、監視員は、電気錠制御装置1との接続に関し、ステップSB10で保守員から電気錠2(1)〜2(n)の電源断の原因等の情報が送信されたときでなく、通常の監視業務処理が一段落したときに行えば、監視業務に影響を与えない。
ステップSC6で電気錠制御装置1と接続すると判断すると(SC6:Yes)、監視員は、所定の操作を操作部22で行い、通信回線13を介して電気錠制御装置1との接続処理を行う(SC7)。そして、操作部22で所定操作を行ってフラグ抽出部25を起動し、電源供給不能から電源復旧となり、履歴情報更新指令部20のフラグが“1”に該当する電気錠2(1)〜2(n)を抽出し、表示部23へ表示する(SC8)。そして、抽出した電気錠2(1)〜2(n)について現地調査格納部16Aに格納される電源遮断の原因と突き合わせる。この突合せにより電源遮断の原因が電気錠の取り替えによるものか否かを判定する(SC9)。
ステップSC9で、電気錠2(1)〜2(n)の電源断が電気錠の取り替えによるものであると判定されたとき(SC9:Yes)、操作部22の所定操作を行い、取り替えた電気錠2(1)〜2(n)に対する動作回数の補正は、動作履歴情報補助記憶部8Bに記憶されている値を動作履歴情報記憶部8Aへ上書きして保存する(SC10)ことにより行う。
他方、取り替えによるものでないと判定されたとき(SC9:No)には、取り替え以外の電気錠2(1)〜2(n)に対する動作回数の補正は、動作履歴情報記憶部8Aに記憶されている値に動作履歴情報補助記憶部8Bに記憶されている値を加算して動作履歴情報記憶部8Aへ保存する(SC11)ことにより行う。
このように処理することにより、取り替えられた電気錠2(1)〜2(n)の動作回数には、動作履歴情報補助記憶部8Bに記憶した値が反映される。また、動作履歴情報記億部8Aに記憶された取り替え前の値は消去される。さらに、停電等で電源遮断となった電気錠2(1)〜2(n)の動作回数は、動作履歴情報記憶部8Aに記憶される電源遮断前の値に、動作履歴情報補助記憶部8Bに記憶される電源復旧後の値が加算される。
次に、監視員は、ステップSC10及びステップSC11の処理を実施した電気錠2(1)〜2(n)に対し、操作部22の所定操作で履歴情報更新指令部20のフラグを“1”から“O”へクリアし(SC12)、履歴情報更新指令部20のフラグに“1”が存在するかを検索する(SC13)。この検索で“1”が存在すれば(SC13:Yes)、ステップSC9へ戻り、ステップSC9からステップSC13の処理を繰り返す。ステップSC13の検索で“1”が存在しなければ(SA13:No)、操作部22の所定操作で、電気錠制御装置1との切断処理を行い(SC14)、ステップSC3へ戻り、通常の監視業務処理を継続して作業を終了する。
このように、本実施例2によれば、電気錠2(1)〜2(n)毎に電源遮断及び電源復旧を検出し、電源遮断前の電気錠2(1)〜2(n)の動作回数を動作履歴情報記憶部8Aへ記憶させ、電源復旧後の電気錠2(1)〜2(n)の動作回数を動作履歴情報補助記憶部8Bへ記憶させ、現地で保守員が電源遮断の発生要因を、監視センタ12の現地調査格納部16Aへ格納し、監視センタ12の監視員は、電源遮断後に電源復旧となった電気錠2(1)〜2(n)を抽出するとともに、現地調査格納部16Aの発生要因を参照して取り替えられた電気錠2(1)〜2(n)を特定し、動作履歴情報補助記憶部8Bに記憶される電源復旧後の動作回数を動作履歴情報記憶部8Aに記憶される動作履歴情報に反映させるようにしたので、保守員の作業を、電源遮断の発生要因調査と情報格納という現地作業のみに限定することが可能となり、保守員の作業軽減を図ることができる。
以上のように、本実施形態によれば、次のような効果を奏する。
(1)居室への入退室を許可されたユーザが所有しているカード(記憶媒体)に記憶されるカードID(識別情報)を読み取り、当該カードID(識別情報)を取得するカードリーグ制御部(情報読取装置制御部)5、取得した前記カードID(識別情報)と前記居室への入退室を許可する情報として予め記憶されているカードID(識別情報)との比較結果に基づき、前記居室のドアの電気錠2(1)〜2(n)を施解錠させる信号を出力する電気錠動作指令部4、及び前記電気錠2(1)〜2(n)の施錠及び解錠動作の有無を示す情報を前記電気錠動作指令部4の動作履歴の情報として記憶する動作履歴情報記憶部8Aを含む電気錠制御装置1と、前記動作履歴情報記憶部8Aに記憶された動作履歴の情報に基づき、前記電気錠2(1)〜2(n)の動作回数を算出する動作回数算出部17、及び前記算出された動作回数の変化に基づき取り替え時期を判定する取り替え時期判定部18を含み、前記電気錠制御装置1と通信回線13を介して遠隔的に接続される監視センタ12と、を有し、前記電気錠制御装置1が、前記電気錠毎2(1)〜2(n)の電源供給及び電源供給不能を検出する電源監視回路(電源監視部)11と、前記電源監視回路(電源監視部)11が電源供給不能を検出した後、電源供給が可能となった電気錠2(1)〜2(n)に対する前記電気錠動作指令部4の動作履歴情報を新たに記憶させる動作履歴情報補助記憶部8Bと、前記電源監視回路(電源監視部):LIが電源供給不能を検出した後、電源供給が可能となった電気錠2(1)〜2(n)を特定する履歴情報更新指令部20と、を備えた電気錠管理システムSYにおいて、前記履歴情報更新指令部20で特定された電気錠2(1)〜2(n)に対し、前記動作履歴情報補助記憶部8Bに記憶されている動作履歴情報を前記動作履歴情報記憶部8Aへ上書き保存指令を行うとともに、前記動作履歴情報補助記憶部8Bに記憶されている動作履歴情報を前記動作履歴情報記憶部8Aへ加算して保存指令を行うパソコン(履歴情報更新部)19を備え、前記履歴情報更新指令部20は、特定した電気錠2(1)〜2(n)毎に、所定のフラグ情報を付与し、前記フラグ情報が付与された電気錠2(1)〜2(n)に対し、パソコン(履歴情報更部)19が実行する動作履歴情報記憶部8Aへの上書き保存指令を取り替えられた電気錠2(1)〜2(n)に対して行うとともに、パソコン(履歴情報更新部)19が実行する動作履歴情報記憶部8Aへ加算しての保存指令を、未取り替えの電気錠2(1)〜2(n)に対して行い、動作履歴情報が更新された電気錠2(1)〜2(n)に対するフラグ情報“1”を“0”とする(情報を消去する)ので、電気錠の取り替えの有無にかかわらず、電源供給不能となった後の電気錠2 (1)〜2(n)の動作履歴情報に基づいて電気錠の交換時期を高精度で把握することができる。
また、動作履歴情報補助記憶部8Bに動作履歴情報を記憶させ、この記憶した動作履歴情報を動作履歴情報記憶部8Aに記憶されている動作履歴へ加算追記し、あるいは上書き保存することにより、動作履歴情報記憶部8Aに記憶された動作履歴情報に基づいて電気錠毎の交換時期を正確に把握することができる。さらに、パソコン19の操作によって確実にフラグを初期状態に戻すことができる。
(2)前記パソコン(履歴情報更新部)19は、前記電気錠制御装置1に対して着脱自在に接続されるので、作業者が必要に応じて可搬し、保守作業の対象となる電気錠制御装置に接続して電気錠2(1)〜2(n)に対する動作回数の保守作業を行うことができる。
(3)前記電気錠制御装置1と通信回線13を介して遠隔的に接続される前記監視センタ12(履歴情報更新部)が、保守作業の対象となる電気錠制御装置に接続して電気錠2(1)〜2(n)に対する動作回数の保守作業を行うことができる。
(4)前記監視センタ12は、監視センタ12の監視員が操作する操作部22と、監視業務の情報を表示する表示部23と、履歴情報更新指令部20でフラグ情報が付与された電気錠2(1)〜2(n)に対し、電気錠2(1)〜2(n)の取り替え有無の情報を格納する現地調査格納部16Aと、当該現地調査格納部16Aに格納される電気錠2(1)〜2(n)の取り替え有無の情報を表示部23へ表示させるとともに、電気錠2(1)〜2(n)の建物名及び建物所在地を特定する履歴情報更新起動部24と、通信回線13を介して電気錠制御装置1と接続させ、履歴情報更新指令部20のフラグ情報を表示部23へ表示させるフラグ抽出部25と、を備え、当該フラグ抽出部25が、上書き保存指令及び加算しての保存指令を行うので、監視センタ12側で、現地調査格納部16Aに格納される電気錠2(1)〜2(n)の取り替え有無の情報を参照し、動作履歴情報補助記憶部8Bに記憶される電源復旧後の動作回数を動作履歴情報記憶部8Aに記憶される動作履歴情報に反映させることができる。その結果、保守員の作業を、電源遮断の発生要因調査と情報格納という現地作業のみに限定することが可能となり、電気錠2(1)〜2(n)が設置される現地での保守員の作業を大幅に軽減させることができる。
さらに、本発明は前述した実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形が可能であり、特許請求の範囲に記載された技術思想に含まれる技術的事項の全てが本発明の対象となる。前記実施例は、好適な例を示したものであるが、当業者ならば、本明細書に開示の内容から、各種の代替例、修正例、変形例あるいは改良例を実現することができ、これらは添付の特許請求の範囲に記載された技術的範囲に含まれる。