JP5898101B2 - 巻上機用の電動機 - Google Patents

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本発明は、巻上機用の電動機に関する。
誘導電動機のロータ軸に設けられた吸引体が、ステータコイルが生成する磁束によって磁化され、ロータ軸に摺動可能に装着されたブレーキ盤を吸引することによりブレーキが解放される電動機がある(たとえば特許文献1参照)。この電動機は、ステータコイルが磁束を生成する通電時にブレーキが解放され、ステータコイルが磁束を生成しない無通電時にはブレーキがかかるようになっている。
この電動機は、ブレーキ機構が電動機と同一制御系であるため安全性が高く、応答性も良く、構造が簡単であるという利点がある。特に、この電動機は、電気チェーンブロック等の巻上機に利用するのに適する。この電動機は、所定以上のステータコイル電流でブレーキを解放し、ステータコイルに電流が流れずモータトルクが発生しない状況ではブレーキを解放しないので、巻上機用電動機としてきわめて安全である。
特開昭58−201556号公報
上述した電動機は、専ら誘導電動機が用いられている。誘導電動機は、無負荷状態であっても、ステータコイルに電流を流し続けて磁束を生成している。このため、上述した吸引体は、ステータコイルが生成する磁束によって磁化されることで、ブレーキ盤をロータ側に吸引し、誘導電動機のブレーキを解放することができる。このため、無負荷時においても荷を上げ下げできる。
他方で、省エネルギー化が重要視されている昨今の状況下において、誘導電動機に換えてロータに永久磁石を有することにより消費電力を小さくできる永久磁石式電動機を採用する動きが進んでいる。しかしながら従来の永久磁石式電動機は、無負荷時には、ステータコイルに流れる電流はゼロに近く、ステータコイルは磁束を生成しない。このため、従来の永久磁石式電動機に対し、上述したブレーキ機構(以下では、プルロータ式ブレーキと称する。)を採用すると、吸引体が磁化されず、その結果、吸引体は吸引されず、無負荷時にブレーキを解放することができない。
たとえば従来の永久磁石式電動機に対して無負荷時でもプルロータ式ブレーキを解放できる程度の磁束が生成されるような電流をステータコイルに流すとすれば、無負荷時のモータトルクが必要以上に高くなり、ロータの回転速度も必要以上に速くなる。このように単純に、無負荷時の電流量を増やすだけでは従来の永久磁石式電動機にプルロータ式ブレーキを採用することはできない。
さらに、従来の永久磁石式電動機にプルロータ式ブレーキを採用することが困難である理由について、以下に、従来の誘導電動機との比較例を挙げて説明する。従来の誘導電動機を用いた巻上機用の電動機のモータ部200を図16に示す。モータ部200のブレーキ機構は、ロータ130、吸引体140、ステータ150、コイル150a、ブレーキ盤160、バネ170、内部フレーム180、摩擦板190、およびブレーキ受191を有して構成される。なお、モータ部200の他の構成は、後述する図2のモータ部2の構成と同じであり、ここでの説明は省略する。モータ部200の無通電時には、ブレーキ盤160に設けられた摩擦板190が内部フレーム180のブレーキ受191に当接してブレーキがかかる。また、モータ部200の通電時には、吸引体140がブレーキ盤160を吸引するので、摩擦板190とブレーキ受191との間が離れてブレーキが解放される。
このとき、図16の従来例では、ロータ130と吸引体140との間に、軸方向の隙間が殆ど無い。ここで、仮に、モータ部200を永久磁石式電動機に置き換えると、ロータ130に、永久磁石が埋め込まれることになる。これにより、ロータ130に埋め込まれた永久磁石が発生する磁力線は、ステータ150のみならず吸引体140にも通る。これにより、ステータ140のコイル150aが無通電状態であっても吸引体140にはブレーキ盤160を吸引する力が発生する。
これによれば、モータ部200を永久磁石式電動機に置き換える以前の状態に比べると、ステータ150のコイル150aへの通電時と無通電時とで、吸引体140が発生する吸引力の差が小さくなる。このため、たとえばコイル150aの電流をOFF状態としたときに、ブレーキ盤160が吸引体140から解放され難くなり、ブレーキの応答性が劣化する。この応答性の劣化を改善するためには、たとえばバネ170の弾性力を増強する方法が考えられるが、そのようにした場合、今度は、電動機の起動時に吸引体140がブレーキ盤160を吸引し難くなるので、ここでも応答性の劣化を招くことになり好ましくない。また、永久磁石31の磁力がブレーキ盤吸引に使われることで、電動機の効率が低下し好ましくない。
本発明は、このような背景の下に行われたものであって、上述の問題点の1つまたは複数を解決することができる巻上機用の電動機を提供することを目的とする。
本発明の巻上機用の電動機は、ロータ軸に取り付けられた吸引体と、ロータ軸の軸方向に摺動可能に装着されたブレーキ盤と、ブレーキ盤が接離するフレームと、ブレーキ盤をフレームに接触する方向に動かそうとする力を付与する弾性体とを有し、ロータ軸に取り付けられるロータに対向するステータに巻回されるコイルへの通電時に吸引体によりブレーキ盤を吸引してブレーキ盤をフレームから離し、ブレーキを解放するように構成した巻上機用の電動機において、ロータは、少なくとも一部に永久磁石を有し、ロータの永久磁石の磁力線のほぼ全てがステータに流れるように、ロータと吸引体との間の軸方向の磁気的な隙間は、ロータとステータとの間の軸方向に直交する方向の磁気的な隙間よりも大きいものとされる。
また、本発明の巻上機用の電動機は、コイルに供給される電流を、ステータが磁束を生成するための励磁分電流であるd軸電流成分とモータトルクを発生させるためのトルク分電流であるq軸電流成分とに分解して制御するベクトル制御を実施する制御部を有し、制御部は、コイルの通電中に、コイルに流れる電流が、吸引体がブレーキ盤を吸引し続けてブレーキを解放状態に保持するのに要するブレーキ保持最小電流に達しないときには、d軸電流成分を増大させてブレーキを解放状態に保持する電流を得ることができる。
たとえば、永久磁石がロータに内包され、ロータの磁極が突極性を有するIPM(Interior Permanent Magnet)型であり、制御部は、コイルに供給する電流の電流位相角を突極性に適合するように制御することによりd軸電流成分およびq軸電流成分を制御し、最大効率運転となる電流位相角θ1における運転電流をIとし、前記ブレーキ保持最小電流をIpとするときに、制御部は、
I<Ip
のときには、そのときのq軸電流成分を増大させない電流位相角の範囲で、かつ運転電流がブレーキ保持最小電流Ip以上となる運転を行うことができる。
たとえば、永久磁石が前記ロータの表面に配置されるSPM(Surface Permanent Magnet)型であり、d軸電流成分をidとし、q軸電流成分をiqとし、ブレーキ保持最小電流をIpとするときに、制御部は、
√〔(id)2+(iq)2〕<Ip
のときには、d軸電流成分idを、q軸電流成分Iqはそのままとし、
id≧√〔(Ip)2−(iq)2
と制御することができる。
また、上述の本発明の巻上機用の電動機は、ステータの軸方向の長さの範囲内に、ロータおよび吸引体が収まるように配設されることが好ましい。
本発明によれば、省電力であり、小型化が可能となる巻上機用の電動機を提供することができる。
本発明の第一の実施の形態に係る電動機の全体構成図である。 図1のモータ部の側断面図であり、無通電状態を示す図である。 図2のモータ部の吸引体を軸方向から見た図である。 図3の吸引体を軸方向と直交する方向から見た図である。 図1のモータ部の側断面図であり、通電状態を示す図である。 図1のモータ部のIPM型のロータを示す平面図である。 図6のIPM型のロータに対向するステータのコイルに流れる電流Iの電流位相角θiの状態を示す図である。 図6のIPM型のロータを採用するモータ部の通常運転時のマグネットトルク、リラクタンストルク、トータルトルクを示す図である。 図6のIPM型のロータを採用するモータ部のブレーキ解放状態の電流位相角θ1を示す図である。 図6のIPM型のロータを採用するモータ部の無負荷時でブレーキ解放状態に制御された電流Ip1の電流位相角θ2と無負荷時で制御されていない電流Iの電流位相角θ1とを併せて示す図である。 図9のブレーキ解放状態を維持するための電流Ipの電流位相角を0°〜180°変化されたときのトータルトルク(実線)と無負荷時の電流Iの電流位相角を0°〜180°変化されたときのトータルトルク(一点鎖線)とを示す図である。 図1のモータ部のSPM型のロータを示す平面図である。 図12のSPM型のロータを採用するモータ部の高負荷時のd軸電流成分とq軸電流成分とをブレーキ保持最小電流Ipと共に示す図である。 図12のSPM型のロータを採用するモータ部の従来の無負荷時のd軸電流成分とq軸電流成分とをブレーキ保持最小電流Ipと共に示す図である。 図12のSPM型のロータを採用するモータ部の無負荷時でブレーキ解放状態のd軸電流成分とq軸電流成分とをブレーキ保持最小電流Ipと共に示す図である。 比較例として従来の誘導電動機を用いた構成を示す図である。
(第一の実施の形態)
本発明の第一の実施の形態に係る電動機1について図1〜図11を参照しながら説明する。まず電動機1の主要回路構成を図1を参照しながら説明する。電動機1は、ロータに永久磁石を入れることで消費電力を削減しているモータ部2を有する。モータ部2は、インバータ3から供給される電力によって駆動される。なお、以下の説明では、モータ部2を駆動する電力を構成する駆動電圧および駆動電流のうち駆動電流を制御する技術について主に説明し、駆動電圧についての説明は省略する。
インバータ3は、コンバータ4から供給される直流電流を入力とし、制御装置5によって制御された交流電流を駆動電流としてモータ部2に供給する。なお、コンバータ4は交流電源6から供給される交流電流を直流電流に変換してインバータ3に出力する。
また、インバータ3とモータ部2との間には、電流検出器7が入れられている。電流検出器7が検出したインバータ3から出力される交流電流の情報として、たとえば交流電流の位相に係る情報が制御装置5に伝達される。また、モータ部2からは制御装置5に対してモータ部2のロータ磁極位置センサ(不図示)によって検出されたロータ磁極位置情報および回転速度情報などが伝達される。なお、回転速度情報については、モータ部2が制御装置5に対して直接伝達する他に、制御装置5がモータ部2から伝達されるロータ磁極位置情報に基づいて算出するようにしてもよい。
制御装置5は、d軸電流制御部8とq軸電流制御部9とを有する。ここでd軸とq軸とについての詳細は、図5を参照しつつ後述する。d軸電流とは、モータ部2のステータのコイルを流れる電流成分のうちで、モータ部2のロータを構成する永久磁石によって生成される磁束の方向と磁気的に同方向の磁束を生み出す電流成分であり、モータ部2のステータのコイルの磁束を生成する役割を担う。一方、q軸電流とは、モータ部2のステータのコイルを流れる電流成分のうちで、モータ部2のロータを構成する永久磁石によって生成される磁束の方向と磁気的に直角方向の磁束を生み出す電流成分であり、主に、ロータの回転力(トルク)を発生させる役割を担う。
制御装置5のd軸電流制御部8およびq軸電流制御部9は、制御装置5に対してユーザから指示された要求トルクに見合ったトルクをモータ部2が発生するように、モータ部2から伝達されるロータ磁極位置情報および回転速度情報と、電流検出部7から伝達される交流電流の情報と、に基づいてインバータ3から出力される駆動電流のd軸電流成分およびq軸電流成分をそれぞれ制御する。
モータ部2の構成を図2に示す。図2に示すモータ部2は、巻上機の部品の一つとして巻上機に取り付けられている状態を図示したものであり、その中でモータ部2に関する部分のみを抜き出して図示している。よって、図2に描かれていても説明しない部材については本発明のポイントとは直接関係の無い部材である。
モータ部2は、図2に示すように、前部フレーム10と、後部フレーム11と、を有して筐体が構成される。筐体内には、ステータ12と、永久磁石31を有するロータ13と、ロータ軸14と、前部軸受15Fと、後部軸受15Rと、後部軸受15Rの係止リング16と、後部軸受15Rの係止部材17a,17bと、係止部材17aの座金18と、を有して電動機1の動力発生機構が構成される。ロータ13は、ロータ軸14に固定されている。なお、図2における永久磁石31の配置形態は、後述する図5のIPM(Interior Permanent Magnet)型と図11のSPM(Surface Permanent Magnet)型があり、図2に描かれている永久磁石31の位置は説明の便宜上模式的に図示した位置であり、実際の位置とは異なる。
さらにロータ13の軸方向の後部フレーム11寄りに載置された吸引体19と、吸引体19に吸引される被吸引体としてのブレーキ盤20と、吸引体19とブレーキ盤20とで形成される環状空間21内に配設されたバネ22と、後部フレーム11の内方に、設けられる内部フレーム11aのブレーキ盤20と当接する部分に設けられた摩擦板23と、摩擦板23がブレーキ盤20と当接する部分に相当するブレーキ受24と、を有して電動機1のブレーキ機構が構成される。ここで、前部フレーム10、後部フレーム11および内部フレーム11aによって固定したフレームが構成されている。
また、ロータ13と吸引体19との間の軸方向には、隙間G1が設けられている。この隙間G1は、ロータ13とステータ12との間の軸方向と直交する方向の隙間G2に比べて大きくなっている。この隙間G1は、ロータ13と吸引体19との間で磁気抵抗になる。この隙間G1による磁気抵抗は、ロータ13とステータ12との間の隙間G2による磁気抵抗よりも大きい。これにより、永久磁石31の磁力線は、ステータ12の側には通るが、吸引体19の側には殆ど通らない。したがって、永久磁石31の磁力線によっては、吸引体19の吸引力は発生しない。
これによれば、ステータ12のコイル12aへの無通電時には、吸引体19は吸引力を発生しない。このため、ロータ13が永久磁石31を有してもコイル12aの電流をOFF状態としたときに、ブレーキ盤20が吸引体19から解放され難くなるといった現象は生じない。このため、ロータ13が永久磁石31を有してもブレーキの応答性に影響することはない。さらに、永久磁石31の磁力が吸引体19に漏れず、回転トルクにのみ使われるので、効率の面でも好ましい。
また、ロータ13と吸引体19との間の隙間G1には、皿バネ19aが配設される。この皿バネ19aによれば、ブレーキ盤20が吸引体19に吸引されたときの衝撃を緩和することができる。
なお、吸引体19は、ロータ軸14の軸方向に対して摺動自在である。これにより、ブレーキ盤20が吸引体19に吸引されて吸引体19に衝突したときには、吸引体19が軸方向に、ロータ13の側に移動することにより、衝撃を皿バネ19aによって緩和することができる。また、吸引体19は、ロータ軸14の周方向に対しては自由であっても固定されていてもよいが、自由であるとロータ軸14の吸引体19の内周に接する外周と吸引体19の内周との間で滑りが生じ、この滑りの発生部分が磨耗する可能性があるので固定されていることが好ましい。一方、ロータ軸14に対してブレーキ盤20は、軸方向に対して摺動自在に取付けられているが、ロータ軸14の周方向に対しては回動しないように取付けられている。これにより、ブレーキ盤20の回転を阻止することで、ロータ軸14の回転を阻止できる。
さらに、ブレーキ作動時(すなわち、コイル12aが無通電状態になり吸引体19がブレーキ盤20を解放したとき)の衝撃を緩和するために、係止リング16とロータ軸14の段部との間に、バネ22と比べてバネ圧の弱い弾性部材25が介挿される。なお、弾性部材25は、皿バネを図示したが、コイルバネやその他の形状のバネでもよい。あるいはゴム等の弾性材料を弾性部材25として用いてもよい。また、吸引体19とロータ13との間に、図示しない弾性部材を設け、ブレーキと同時に軸受15Rに作用する衝撃を緩和するようにしてもよい。この場合、ロータ軸14と吸引体19とはスライド可能に固定(スプライン嵌合)されている(たとえば特公昭51−23683号公報参照)。
このように、ロータ13の永久磁石31の磁力線のほぼ全てがステータ12に流れるように、ロータ13と吸引体19との間の軸方向の磁気的な隙間G1は、ロータ13とステータ12との間の軸方向に直交する方向の磁気的な隙間G2よりも大きいものとすることにより、モータ部2に永久磁石式の電動機を採用してもプルロータ式ブレーキを正常に動作させることができる。これによれば、図16に示した誘導電動機を採用するモータ部200に比べて、高い効率で運転することができると共に電力を節約できるモータ部2を実現することができる。したがって、モータ部2を採用する巻上機の高効率化および省電力化を図ることができる。
吸引体19を軸方向から見た様子を図3に示す。また、吸引体19を軸方向と直交する方向から見た様子を図4に示す。吸引体19は、図3および図4に示すように、金属製ボス32の外周に固定された非磁性材料製環体33の周囲に多数の磁性体34を埋設固定して構成する。金属性ボス32の外周に形成された多数の突出部35が非磁性材料製環体33の内周に形成された多数の凹部36に嵌合されている。
吸引体19は、図3に示すように、ロータ軸14が中心部を貫通している。吸引体19は、ロータ軸14に対し、周方向結合用溝37によって嵌合し、ロータ軸14と共に回転する。
吸引体19の磁性体34は、図4に示すようにZ字型であり、図3に示すように放射状に等間隔で配置されている。磁性体34が図4に示すようにZ字型であるのは、ステータ12の磁束の向きをブレーキ盤20の側に向かわせて吸引体19の吸引力を発生させるためである(たとえば実開昭54−29308号公報参照)。
また、被吸引体であるブレーキ盤20は、少なくとも吸引体19と対向する面は磁性材料により構成される。
ステータ12の軸方向の長さは、ロータ13の軸方向の長さに吸引体19の軸方向の長さを加えた長さよりも長いかもしくは等しい。これによりステータ12の軸方向の長さの範囲内に、ロータ13および吸引体19が収まるように配設される。なお、ステータ12には、コイル12aが巻回されている。
その他の部材としては、ロータ軸14は、巻上機を駆動するギア機構中の駆動軸28の中空部と嵌合している。駆動軸28の外周部は、前部軸受15Fの内周部と当接し、ロータ軸14と共に回転する。また、後部フレーム11の座金18側は、ファンカバー29を形成する。ファンカバー29は、多数の通風孔29aを有する。さらに通風孔29aの他にもロータ軸14の端部の回転の様子が外部から見えるような孔を設けてもよい。また、ロータ軸14の後部フレーム11側に、空冷用のファン27が設けられている。このファン27は、後部フレーム11と内部フレーム11aとにはさまれる空間内に配置されている。ファン27は、ロータ軸14の回転と共に回転し、ファンカバー29に開けられた孔または通風孔29aから外気を取り込んでモータ部2の内部フレーム11aと前部フレーム10を冷却する。
なお、一般的に、ロータ軸は、ロータ13のための軸であるが、ここでロータ軸14は、ロータ13の回転中心を軸心に含む部位だけではなく、吸引体19、ブレーキ盤20、およびファン27などが取り付けられている部位も全て含むものをいう。言い換えると、一般的にいうロータ軸とその延長軸とを含めてロータ軸14が構成される。
モータ部2が無通電状態であるときには、ロータ13が有する永久磁石が生成する磁束は、そのほとんどがロータ13とステータ12間に通っていて、吸引体19側にはほとんどその磁束は通らない。そのため、吸引体19がブレーキ盤20を吸引する磁力はほとんど得られない。これによりブレーキ盤20に貼り付けられている摩擦板23は、バネ22のバネ圧によって内部フレーム11aのブレーキ受24に圧接し、モータ部2は、ブレーキが効いている状態(ブレーキ保持状態)になっている。
ここでモータ部2が通電状態になると、ステータ12が生成する磁束により、バネ22のバネ圧に逆らって吸引体19がブレーキ盤20を吸引するために十分な磁力を得ることができる。これによりモータ部2が通電状態になると、無通電状態では離れていた吸引体19とブレーキ盤20とが密着し、ブレーキ盤20の摩擦板23と内部フレーム11aのブレーキ受24とが離れてモータ部2は、ブレーキ解放状態になる。
図2に示すモータ部2は、モータ部2が無通電の状態であり、ブレーキ受24と摩擦板23とが圧接している状態である。また、このときには、吸引体19とブレーキ盤20との間には隙間があいている。これに対し、図5に示すモータ部2は、モータ部2が通電された状態であり、ブレーキ受24が摩擦板23から離れている状態である。また、このときには、吸引体19とブレーキ盤20との間には隙間が無い。図5に示すブレーキ解放状態では、モータ部2のロータ軸14は、自由に回転できるが、図2に示すブレーキ保持状態では、モータ部2のロータ軸14は、ブレーキ受24と摩擦板23との摩擦力によって回転が阻止される。
電動機1におけるモータ部2のロータ13は、図6に示すように、珪素鋼板により円柱状に積層し、形成されるロータ基部30の内部に永久磁石31が内包されたIPM型である。IPM型のロータ13では、磁極に突極性を有し、そのためリラクタンストルクが発生する。この結果、制御装置5は、最大効率制御を行う。図7に示すように、電流の大きさは一定にしてステータ12の電流位相角θiを変化させたときのモータ部2のロータ軸13のマグネットトルク、リラクタンストルク、およびトータルトルクを図8に示す。図8に示すように、モータ部2では、電流位相角は120°付近が最もトータルトルクが大きくなるため最も効率の良い電流位相角であることがわかる。よって、モータ部2が高負荷で運転する際には、電流位相角120°で運転する最大効率制御を行う。このように制御装置5は、ステータ12のコイル12aに供給する電流の電流位相角θをロータ13の突極性に適合するように制御することによりd軸電流成分およびq軸電流成分を制御する。
一方、図9に示すように、モータ部2において、ブレーキ保持最低電流Ipの電流位相角を0°〜180°変化させたときのトータルトルクを図11に実線で示す。このときの最大効率位相角をθ1とする。図11の例では、θ1は120°付近である。また、無負荷時のモータ部2における電流Iの電流位相角を0°〜180°変化させたときのトータルトルクを図11に一点鎖線で示す。このときの最大効率位相角は、やはり120°付近(θ1)である。
このときに図10に示すように、最大効率位相角θ1における電流Iは、電流Ip未満であるため、吸引体19がブレーキ盤20を吸引できず、ブレーキの解放状態を保持できない。このため、図11に示すように、無負荷時のモータ部2の最大トルクとなる最大効率位相角θ1における電流Iのトルク(一点鎖線の頂点部の高さ)を維持できるブレーキ保持最低電流Ip線上の位相角を探すと、無負荷時のトルクと同じであり、かつブレーキ保持最低電流となる位置の電流位相角は、図11に示す電流位相角θ2またはθ3(一点鎖線の頂点部と同じ高さ)となる。よって、モータ電流値を電流Ip(θ2)または電流Ip(θ3)で運転する。これにより、モータ部2の効率は多少犠牲になるもののモータ部2は、ブレーキの解放状態を保持するためのブレーキ保持最低電流Ip(θ2)(=Ip)を確保することができる。なお、図10に示すように、電流Iの電流位相角θ1を電流Ip(θ2)の電流位相角θ2に変更してもq軸電流成分の大きさについては変化していない。すなわち無負荷時の電流Iの電流位相角θ1を電流位相角θ2に変更し、かつ電流値をIpに変更してもモータ部2が発生するトルクの大きさは変更されない。よって、無負荷時のモータ部2のトルクの大きさ(すなわち回転速度)には影響せず、かつブレーキを作動させることができる。
以上説明したように、制御装置5は、モータ部2の通電中に、ステータ12のコイル12aに流れる電流が吸引体19がブレーキ盤20を吸引し続けてブレーキの解放状態を保持するのに要するブレーキ保持最小電流に達しないときには、d軸電流成分idを増大させてブレーキを解放状態に保持する電流を得るので、従来の誘導電動機に比べて低い消費電力の永久磁石式電動機を採用しつつプルロータ式ブレーキを有するモータ部2を実現することができる。また、q軸電流成分iqは変更せずに済むため、モータ部2の無負荷時におけるトルクおよび回転速度の特性は、誘導電動機を採用する場合と同じ特性にすることができる。
たとえば、モータ部2は、無負荷時におけるモータ部2が最大効率運転となる電流位相角θ1の運転電流をIとし、ブレーキ保持最小電流をIpとするときに、制御装置5は、
I<Ip
のときには、そのときのq軸電流成分iqを増大させない範囲で、ブレーキ保持最小電流Ipとなる電流位相角θ2またはθ3によりモータ部2の運転を行うので、q軸電流成分iqは変更せずに済むため、モータ部2の無負荷時におけるトルクおよび回転速度の特性は、誘導電動機を採用する場合と同じ特性にすることができる。なお、電流値がIpで電流位相角をθ2<θ<180度、またはθ3>θ>0度とすることでトルクが低減しつつ無負荷時のブレーキ作動を行わせることができる。
また、ステータ12の軸方向の長さは、ロータ13の軸方向の長さに吸引体19の軸方向の長さを加えた長さよりも長いかもしくは等しく、ステータ12の軸方向の長さの範囲内に、ロータ13および吸引体19が収まるように配設されるので、モータ部2の通電時にステータ12が生成する磁束を吸引体19とブレーキ盤20との間に効率良く通すことができる。これにより、モータ部2の通電時には、ブレーキの解放状態の保持を高い効率により実現することができる。すなわちモータ部2の通電時には、ブレーキの解放状態の保持を小さい消費電力により実現することができる。
(第二の実施の形態)
本発明の第二の実施の形態に係る電動機1A(電動機1と区別する部材には符号にAを付す。)について図12〜図15を参照しながら説明する。第一の実施の形態と第二の実施の形態とは一部が異なる。以下では、第一の実施の形態とは異なる部材および事項について主に説明し、第一の実施の形態と共通する部材および事項についての説明は省略または簡略化する。第二の実施の形態に係る電動機1Aの回路主要構成は、図1に示す電動機1と同様であり、そのモータ部2Aの構成は、図2〜図5に示すモータ部2とはロータ13Aを除き同様となっている。
モータ部2Aのロータ13Aは、図12に示すように、珪素鋼板で形成された円柱状のロータ基部30Aの周囲に、永久磁石31Aが配設されるSPM型である。この場合、磁極がつくる磁束の方向、すなわち永久磁石31Aの中心軸が前述したd軸に対応する。また、d軸と電磁気的に直交するq軸は、図12の例では、2つの永久磁石31Aの間に対応する。
モータ部2Aが高負荷のときには、図13に示すように、d軸電流成分id1とq軸電流成分iq1とが共に大きい。このとき、ステータ12のコイル12aには、d軸電流成分id1のベクトルとq軸電流成分iq1のベクトルとを合成した電流I1が流れる。また、吸引体19がブレーキ盤20を吸引するために必要となる最低電流は、図13に二点鎖線の円で表した電流Ipである。図13の高負荷時には、電流I1は、電流Ipよりも十分に大きいので、ブレーキ盤20は、吸引体19に吸引されてブレーキは解放される。
これに対し、モータ部2Aが無負荷のときには、従来は、図14に示すように、d軸電流成分id2とq軸電流成分iq2とが共に小さい。このとき、ステータ12のコイル12aには、d軸電流成分id2のベクトルとq軸電流成分iq2のベクトルとを合成した電流I2が流れる。図14の無負荷時には、電流I2は、電流Ipよりも小さいので、ブレーキ盤20は、吸引体19に吸引されずにブレーキは解放されない。
ここで本実施の形態に係るモータ部2Aでは、図15に示すように、q軸電流成分iq2はそのままにしておき、d軸電流成分id3
id3≧√〔(Ip)2−(iq22
の関係を満たすような値に設定する。ここでd軸電流成分idは、前述したように、ステータ12の磁束を生成する電流であるため、d軸電流成分を変更してもモータ部2Aが発生するトルクの大きさは変更されない。これによれば、モータ部2Aに流れる電流I2を電流I3(≧Ip>I2)まで増加させてもトルク電流となるq軸電流成分iq2は変わらず無負荷時のモータ部2Aのトルクの大きさ(すなわち回転速度)には影響しない。
以上説明したように、制御装置5Aは、モータ部2Aの通電時に、ステータ12に流れる電流が、吸引体19がブレーキ盤20を吸引してブレーキの解放状態を保持するのに要するブレーキ保持最小電流に達しないときには、d軸電流成分idを増大させてブレーキ保持最小電流以上の電流を得るようにしている。このため、誘導電動機に比べて低い消費電力の永久磁石式電動機を採用しつつプルロータ式ブレーキを有する電動機1Aを実現することができる。また、d軸電流成分idのみを増大させるので、モータ部2Aの無負荷時におけるトルクおよび回転速度の特性は、従来の誘導電動機を採用する場合と同じ特性にすることができる。
たとえばモータ部2Aは、永久磁石がロータ13Aの表面に配置されるSPM型であり、d軸電流成分をidとし、q軸電流成分をiqとし、ブレーキ保持最小電流をIpとするときに、制御装置5Aは、
√〔(id)2+(iq)2〕<Ip
のときには、d軸電流成分idを、
id≧√〔(Ip)2−(iq)2
と制御する。この結果、q軸電流成分iqは変更せずに済むため、モータ部2Aの無負荷時におけるトルクおよび回転速度の特性は、誘導電動機を採用する場合と同じ特性にすることができる。
また、ステータ12の軸方向の長さは、ロータ13Aの軸方向の長さに吸引体19の軸方向の長さを加えた長さよりも長いかもしくは等しく、ステータ12の軸方向の長さの範囲内に、ロータ13Aおよび吸引体19が収まるように配設されるので、モータ部2Aの通電時には、ブレーキの解放状態の保持を小さい消費電力により実現することができる。
また、従来は誘導電動機を採用していたところを電動機1,1Aでは、永久磁石式電動機を採用したことにより、従来と比べて省電力化を図ることができる。さらに、永久磁石式電動機のモータ部2,2Aを採用しても無負荷時あるいは軽負荷時の回転速度の特性については、従来の誘導電動機と同様の特性とすることができる。これによれば従来の誘導電動機による巻上機を使い慣れているユーザに違和感を与えないようにすることができる。
(その他の実施の形態)
本発明の実施の形態は、その要旨を逸脱しない限り様々に変更が可能である。たとえば摩擦板23を内部フレーム11a側に固定したり、さらには摩擦板23と対向するブレーキ受24の側にも摩擦板23と同様の摩擦材料を貼り付けてもよい。
また、図6に示すIPM型または図12に示すSPM型のロータ13,13Aにおけるロータ基部30,30Aおよび永久磁石31,31Aの形状および極数については、これに限定されることなく自由である。
また、図3に示す磁性体34の配置状態については、これに限定することなく自由である。たとえば図3に示す磁性体34の配置状態において、磁性体34を1つおきに間引いてもよい。あるいは、図3に示す磁性体34の配置状態において、さらに磁性体34の数を増やしてもよい。もしくは、図3に示す磁性体34の配置状態において、さらに小さな形状の磁性体を磁性体34の間に配置してもよい。
また、図2および図5の例では、ブレーキ盤20は、バネ22の反発力によって吸引体19から内部フレーム11aに向かって押し上げられる機構になっているが、これに代わる機構として、内部フレーム11aの方向に、ブレーキ盤20を引き付けるようなバネを、ブレーキ盤20と内部フレーム11aとの間に設けてもよい。
また、モータ部2,2Aは、インナーロータ型の例で説明したが、これをアウターロータ型に置き換えても同様に説明することができる。
また、電動機1,1Aを巻上機に適用する例を説明したが、電動機1,1Aの適用範囲をこれに限定するものではない。すなわち、無通電時には、ブレーキがかかり、通電時には、ブレーキが解放されることが必要なものであれば、電動機1,1Aを広く適用することができる。
また、ステータ12の軸方向の長さの範囲内に、ロータ13および吸引体19が収まるように配設されるとして説明したが、これは最良の要件であり、必須の要件ではない。すなわち、ステータ12の軸方向の長さの範囲からロータ13および吸引体19の軸方向の長さが逸脱していても上述の説明の動作は可能である。
また、図2および図5の例では、冷却用のファン27を有する構成を例示したが、ファン27は必須の要件ではなく、無くしてもよい。たとえばモータ部2,2Aの温度があまり上昇しないうちにモータ部2,2Aを停止させるような使用方法を採ればファン27は無くしてもよい。または、モータ部2,2Aの発熱量が低いものを採用すればファン27は無くしてもよい。あるいは、モータ部2,2Aの周囲温度が低ければファン27は無くしてもよい。もしくは、モータ部2,2Aの外部に、空気の流れを作る扇風機などを配置すれば、ファン27は無くしてもよい。
また、制御装置5,5Aについて、無負荷時のブレーキ解放状態を保持するための制御方法について説明したが、さらに、電動機1の起動時の最初に、過電流を短時間だけモータ部2のステータ12のコイル12aに流すことによって、吸引体19から離れているブレーキ盤を吸引するのに十分な磁力を発生させ、ブレーキ作動状態からブレーキ解放状態に確実にする制御を追加してもよい。
また、制御装置5,5Aは、情報処理装置の一例であり、予めインストールされている所定のプログラムを情報処理装置が実行することによって、その情報処理装置に制御装置5,5Aの機能が実現される。たとえば情報処理装置は、メモリ、CPU(Central Processing Unit)、入出力ポートなどを有する。情報処理装置のCPUは、メモリなどから所定のプログラムとして制御プログラムを読み込んで実行する。これにより、情報処理装置には、制御装置5,5Aの機能が実現される。なお、上述したCPUの代わりにASIC(Application Specific Integrated Circuit)、マイクロプロセッサ(マイクロコンピュータ)、DSP(Digital Signal Processor)などを用いてもよい。
また、制御装置5,5Aを構成する情報処理装置が実行するプログラムは、制御装置5,5Aの出荷前に、情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであっても、制御装置5,5Aの出荷後に、情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。また、プログラムの一部が、制御装置5,5Aの出荷後に、情報処理装置のメモリなどに記憶されたものであってもよい。制御装置5,5Aの出荷後に、情報処理装置のメモリなどに記憶されるプログラムは、例えば、CD−ROMなどのコンピュータ読取可能な記録媒体に記憶されているものをインストールしたものであっても、インターネットなどの伝送媒体を介してダウンロードしたものをインストールしたものであってもよい。
また、プログラムは、情報処理装置によって直接実行可能なものだけでなく、ハードディスクなどにインストールすることによって実行可能となるものも含む。また、圧縮されたり、暗号化されたりしたものも含む。
このように、情報処理装置とプログラムによって制御装置5,5Aの機能を実現することにより、大量生産や仕様変更(または設計変更)に対して柔軟に対応可能となる。
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであってもよいし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであってもよい。
また、上述の実施の形態では、モータ部2,2Aのベクトル制御の際のd軸電流成分を制御してブレーキ機構を制御したが、これに対し、モータ部2,2Aに供給される三相交流電源のうちのいずれか一相をベクトル制御から独立したブレーキ機構専用の電源として用いてもよい。これによれば、モータ部2,2Aのベクトル制御とは別の制御によってブレーキ機構を制御することができる。
1,1A…電動機、2,2A…モータ部、3…インバータ、5,5A…制御装置(制御部)、8…d軸電流制御部(制御部の一部)、9…q軸電流制御部(制御部の一部)、10…前部フレーム、11…後部フレーム(他のフレーム)、11a…内部フレーム(フレーム)、12…ステータ、12a…コイル、13,13A…ロータ、14…ロータ軸、15R…後部軸受(軸受)、19…吸引体、20…ブレーキ盤、22…バネ、23…摩擦板、24…ブレーキ受、27…ファン

Claims (5)

  1. ロータ軸に取り付けられた吸引体と、前記ロータ軸の軸方向に摺動可能に装着されたブレーキ盤と、前記ブレーキ盤が接離するフレームと、前記ブレーキ盤を前記フレームに接触する方向に動かそうとする力を付与する弾性体とを有し、前記ロータ軸に取り付けられるロータに対向するステータに巻回されるコイルへの通電時に前記吸引体により前記ブレーキ盤を吸引して前記ブレーキ盤を前記フレームから離し、ブレーキを解放するように構成した巻上機用の電動機において、
    前記ロータは、少なくとも一部に永久磁石を有し、
    前記ロータの永久磁石の磁力線のほぼ全てが前記ステータに流れるように、前記ロータと前記吸引体との間の軸方向の磁気的な隙間は、前記ロータと前記ステータとの間の前記軸方向に直交する方向の磁気的な隙間よりも大きい、
    ことを特徴とする巻上機用の電動機。
  2. 請求項1記載の巻上機用の電動機において、
    前記コイルに供給される電流を、前記ステータが磁束を生成するための励磁分電流であるd軸電流成分とモータトルクを発生させるためのトルク分電流であるq軸電流成分とに分解して制御するベクトル制御を実施する制御部を有し、
    前記制御部は、前記コイルの通電中に、前記コイルに流れる電流が、前記吸引体が前記ブレーキ盤を吸引し続けて前記ブレーキを解放状態に保持するのに要するブレーキ保持最小電流に達しないときには、前記d軸電流成分を増大させて前記ブレーキを解放状態に保持する電流を得る、
    ことを特徴とする巻上機用の電動機。
  3. 請求項2記載の巻上機用の電動機において、
    前記永久磁石が前記ロータに内包され、前記ロータの磁極が突極性を有するIPM(Interior Permanent Magnet)型であり、前記制御部は、前記コイルに供給する電流の電流位相角を前記突極性に適合するように制御することにより前記d軸電流成分および前記q軸電流成分を制御し、最大効率運転となる電流位相角θ1における運転電流をIとし、前記ブレーキ保持最小電流をIpとするときに、
    前記制御部は、
    I<Ip
    のときには、そのときの前記q軸電流成分を増大させない電流位相角の範囲で、かつ前記運転電流が前記ブレーキ保持最小電流Ip以上となる運転を行う、
    ことを特徴とする巻上機用の電動機。
  4. 請求項2記載の巻上機用の電動機において、
    前記永久磁石が前記ロータの表面に配置されるSPM(Surface Permanent Magnet)型であり、前記d軸電流成分をidとし、前記q軸電流成分をiqとし、前記ブレーキ保持最小電流をIpとするときに、
    前記制御部は、
    √〔(id)2+(iq)2〕<Ip
    のときには、前記d軸電流成分idを、前記q軸電流成分Iqはそのままとし、
    id≧√〔(Ip)2−(iq)2
    と制御する、
    ことを特徴とする巻上機用の電動機。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載の巻上機用の電動機において、
    前記ステータの軸方向の長さの範囲内に、前記ロータおよび前記吸引体が収まるように配設される、
    ことを特徴とする巻上機用の電動機。
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