JP5897753B1 - 防雪フード - Google Patents

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Abstract

【課題】デフロスト運転時の熱損失を抑制することで、効率のよい霜取りを行うことのできる防雪フードを提供する。【解決手段】空調室外機6の上部に設けられている空気吹出口61を積雪から防ぐために包囲壁部2とフード部3とを備えた防雪フード1であって、複数枚の羽板4が前記空気吹出口61を覆うようにして平行に並べて配置され開閉自在に軸支されているとともに、それぞれの羽板4を連動させて一体的に開閉動作させる開閉連動手段5を設けている。【選択図】 図1

Description

本発明は、空調室外機の空気吹出口に設けられる防雪フードに関するものである。
空調室外機の空気吸込口や空気吹出口等の開口部に雪が付着すると、熱交換効率の低下や機器の故障の原因となる。特に、北海道等の積雪の多い地方では対策が大きな問題である。従来、そのような空調室外機の防雪対策として、空調室外機の開口部に防雪フードを設ける発明が提案されている。
例えば、特開2003−214660号公報には、空気吸込口を側面に設けるとともに空気吹出口を上面に設けて、熱交換器を内部に収容した室外機本体と、この室外機本体内に前記空気吹出口と対向して配置され、外気を前記空気吸込口から室外機本体内に吸い込んで室外熱交換器に通して前記空気吹出口から吹き出す室外送風機と、前記空気吹出口を覆うように取付けられて、前記空気吹出口が雪によって塞がれるのを防止する防雪フードと、を備えた空気調和機の室外機が記載されている(特許文献1)。
特開2003−214660号公報
しかしながら、特許文献1に記載された発明では、積雪を防ぐことができるが、外気温が低下した際に開口部付近に付着する霜を防ぐことができないという問題がある。一般的には外気温が2℃から−2℃付近で霜が付着しやすいといわれており、東北・北海道のほとんどの地域で霜対策が求められている。
そして、そのような霜対策として、従来、冷媒の流れを反転させ、熱交換によって暖めた冷媒の熱で室外機自体を暖めて霜を溶かし、室外機の能力を復活させるようになっている。これは一般的にデフロスト運転と呼ばれており、電気式のヒートポンプを用いる空調室外機では、ガス式のヒートポンプや灯油式のヒートポンプとは異なり運転時に発生する熱が少ないため必須の機能となっている。
しかし、暖かい空気は自然に上昇するため、デフロスト運転時の熱が上面の空気吹出口から逃げてしまい空調室外機が暖まりにくいという問題がある。そのため、デフロスト運転で溶けきらない霜が空気吸込口で成長し、寝氷となって内部の熱交換器等を破損させてしまうことがある。一方、霜を完全に溶かすためには長時間のデフロスト運転を続けたり、デフロスト運転の回数を増加しなければならないため、暖房が長時間あるいは何回も停止することになり、暖房効率が悪く、消費電力も増加してしまう。
本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであって、デフロスト運転時の熱損失を抑制することで、効率のよい霜取りを行うことのできる防雪フードを提供することを目的としている。
本発明に係る防雪フードは、空調室外機の上部に設けられている空気吹出口を積雪から防ぐために包囲壁部とフード部とを備えた防雪フードであって、複数枚の羽板が前記空気吹出口を覆うようにして平行に並べて配置され開閉自在に軸支されているとともに、それぞれの羽板を連動させて一体的に開閉動作させる開閉連動手段を設けている。
また、本発明の一態様として、前記開閉連動手段は、各羽板の開閉軸を連結してなるルーバー機構で構成されていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、前記各羽板には、その先端側に略凸状の補強折部が形成されていてもよい。
また、本発明の一態様として、前記複数枚の羽根は、それぞれ厚さ0.5mmのアルミニウム板によって形成されているとともに、7枚で構成されていてもよい。
さらに、本発明の一態様として、前記各羽根の最大開口角度が70度に設定されていてもよい。
また、本発明の一態様として、前記防雪フードは、その包囲壁部が前記空気吹出口の高さよりも高く形成されているとともに、その正面側には上方位置に開口部が形成されており、かつこの開口部と対向位置にある背面側には複数個の通気孔が形成されていてもよい。
本発明によれば、デフロスト運転時の熱損失を抑制することで、効率のよい霜取りを行うことができる。
本発明に係る防雪フードの一実施形態を示す図である。 本実施形態の防雪フードにおける羽板が開いた状態を示す図である。 本実施形態の防雪フードにおける羽板が閉じた状態を示す図である。 実施例1における2台の空調室外機の消費電力量の推移を表すグラフである。 実施例3および実施例4において用いた空調室外機のデジタル写真画像である。 実施例2において空調室外機の上部に設けられた空気吹出口を覆う羽板を示すデジタル写真画像である。 本実施例2において羽板を左右に分割した場合のデジタル写真画像である。 本実施例2における羽板の接続部を示すデジタル写真画像である。 本実施例2における羽板の形状を示す拡大側面図である。 本実施例2において気流シミュレーションにより算出された空気吹出口から吹き出される空気の流れ方向および風圧を示す図である。 本実施例2において背面壁の高さの異なる条件により、気流シミュレーションにより算出された空気吹出口から吹き出される空気の流れ方向および風圧を示す図である。 実施例3において空調室外機に設けられた温度計の位置を示す図である。 本実施例3においてデフロスト運転開始時からの温度上昇を示すグラフである。
以下、本発明に係る防雪フードの一実施形態について図面を用いて説明する。
本実施形態の防雪フード1は、図1に示すように、空調室外機6の上部に設けられている空気吹出口61を積雪から防ぐための包囲壁部2とフード部3とを備えるとともに、前記空気吹出口61を覆う複数枚の板状の羽板4およびそれぞれの羽板4を一体的に開閉動作させる開閉連動手段5を有する。以下、各構成について説明する。
まず、本実施形態の防雪フード1を取り付ける空調室外機6について簡単に説明する。本実施形態における空調室外機6は、図1に示すように、上部に空気吹出口61が設けられており、左右の両側面および背面には空気を取り込む空気吸込口62が設けられている。また、図視しないが、内部には熱交換器を備えており、取り込まれた空気との間で熱交換を行い冷媒を冷却または加熱できるようになっている。
また、前記空気吹出口61には、ファンが設けられており、熱交換後の空気を空調室外機6の外に吹き出させることができるようになっている。
なお、空調室外機6は、特に限定されるものではなく、各種メーカーにより製造されている市販のものから適宜選択してよい。
つぎに、本実施形態の防雪フード1の各構成について説明する。
包囲壁部2は、前記空調室外機6の上部に設けられた空気吹出口61を積雪から防ぐためのものであり、前記空気吹出口61の周囲を覆うように設けられている。本実施形態における包囲壁部2は、左右の両側面に設けられる側面壁21と、前面側に設けられる前面壁22と、背面側に設けられる背面壁23とを有する。
側面壁21は、側面を覆うものであり、空気吹出口61から吹き出された熱交換後の空気が、前記空調室外機6の左右に設けられた空気吸込口62に直接的に吸い込まれるのを防止している。熱交換後の空気がショートカットして前記空調室外機6内に流入し、熱交換器の過加熱等を防止するためである。
前面壁22は、従来の防雪フードには無い構成であり、前記空気吹出口61の前面側を覆うとともに上端部に複数枚の羽板4を設けることができるようになっている。つまり、前面壁22は、前記空気吹出口61の高さよりも高く形成されている。一方、この前面壁22の上方には開口部24が形成されており、前記空気吹出口61から吹き出された空気を前面側に排出できるようになっている。
背面壁23は、前記開口部24と対向位置にある背面側を覆うものであり、前記開口部24の高さよりも低く形成されている。また、複数個の通気孔25が形成されており、前記通気孔25により空気を流通させることで前記空気吹出口61から吹き出された空気を前面側の開口部24から逃げやすいようになっている。
フード部3は、前記包囲壁部2の上部を覆うことで、前記包囲壁部2とともに前記空気吹出口61の積雪を防止するものである。本実施形態におけるフード部3は、後方の低い背面壁23側から前方の高い前面側に向けて傾斜された傾斜面を有しており、前記空気吹出口61から吹き出された空気を前面側の開口部24から排出されやすくなっている。
つぎに、本実施形態における羽板4について説明する。この羽板4は、図2に示すように、冷暖房を行う通常運転時には前記空気吹出口61から吹き出される空気の風圧によって開口される一方、デフロスト運転時には、図3に示すように、自重により倒れて前記空気吹出口61を閉鎖するものである。
各羽板4は、風圧によって開口されやすいように軽量化するとともに、前記風圧によって撓まない強度を備えることが好ましい。実験を繰り返して試行錯誤した結果、本実施形態における羽板4は、厚さが0.5mmのアルミニウム板によって形成されている。また、図2に示すように、先端側には、略凸状に折り曲げられて補強された補強折部41を有しており、あわせて前記空気吹出口61から吹き出される空気を受けやすい形状になっている。さらに、本実施形態における羽板4は、図1に示すように、記空気吹出口61の幅と同じ長さを有しており、1枚毎の軽量化と、強度および風圧による開口しやすさを考慮して、前記空気吹出口61の幅に対して7枚配置できる幅に形成されている。
本実施形態では、7枚の羽板4が前記前面壁22の上部に沿って前記空気吹出口61を覆うようにして平行に並べて配置され、開閉軸42によって開閉自在に軸支されている。
なお、羽板4の素材は、アルミニウムに限定されるものではなく、軽量かつ高強度を保てる化学合成樹脂や強化繊維プラスチック等から適宜選択してよい。
開閉連動手段5は、それぞれの羽板4を連動させて一体的に開閉動作させるものであり、本実施形態では、各羽板4の開閉軸42を連結してなるルーバー機構で構成されている。具体的には、図2および図3に示すように、各羽板4の下方側に接続部51が設けられており、各接続部51が一本の連結棒52に回動自在に連結されている。
また、本実施形態における開閉連動手段5は、閉鎖時には、図3に示すように、各羽板4が自重により略水平位置に揺動して完全に空気吹出口61を閉鎖するようになっており、開口時には、図2に示すように、傾斜させる最大開口角度が約70度のときに前記連結棒52が開閉軸42に当接してこの最大角度以上に開かないように設定されている。この開閉角度範囲にすることで、通常運転時には、空気吹出口61から吹き出される空気の流れを妨げないようにするとともに、デフロスト運転時には、自重によって完全に閉鎖するようにしている。
なお、開閉連動手段5による各羽板4の開閉角度範囲は、特に限定されるものではなく、各羽板4の形状や重さ、空調室外機6から吹き出される風圧等に基づき、適宜選択してよい。
つぎに、本実施形態の防雪フード1における各構成の作用について説明する。
まず、空調室外機6により暖房および冷房の通常運転の場合について説明する。通常運転時において、空調室外機6では上部の空気吹出口61に設けられたファンが稼働する。ファンが稼働することにより、空気が空気吸込口62から前記空調室外機6内に取り入れられ熱交換器によって冷媒との間で熱交換が行われる。熱交換後の空気は、前記ファンによって前記空気吹出口61から吹き出される。
本実施形態の防雪フード1では、吹き出された空気の風圧で羽板4が持ち上げられる。この際、羽板4を約0.5mm厚のアルミニウム材料によって軽量化されているとともに、各羽板4の傾斜角度が大きくなっても吹き出された空気が先端側に設けられた略凸状の補強折部41によって効率よく受ける。よって、図2に示すように、各羽板4は大きく揺動し、空気吹出口61の上方を開口して排気を阻害しない。これは、空調室外機6が弱運転に設定されて、ファンにより吹き出される空気の風圧が弱い場合であっても同様である。
また、開閉連動手段5では、ルーバー機構により各羽板4を連動させて一体的に開閉動作させる。風圧を受けた羽板4は、開閉軸42を中心に回転し、この回転力が下方に設けられた接続部51に伝達され、前記接続部51に連結された連結棒52によって他の羽板4を揺動させる。このように各羽板4が一体的に開閉するので気流シミュレーションに沿った空気の流れを維持することができ、効率性を高められる。また、本実施形態では、傾斜させる最大開口角度が、70度になるまで揺動することができるので、最適な熱交換を行うことが可能である。
つぎに、デフロスト運転時について説明する。空調室外機6では、冷媒配管内の温度、冷媒配管内の圧力、外気温および前回のデフロスト運転からの時間等に基づきデフロスト運転へと切り換える。
デフロスト運転時には、熱交換器を流れる冷媒の方向を反転させる。また、前記空気吹出口61に設けられたファンを停止し、冷媒の温度が必要以上に低下するのを防止する。
各羽板4は、ファンが停止することにより空気が吹き出されないため自重により閉鎖する。本実施形態では、羽板4の傾斜される最大角度が70度に設定されていることにより、重心位置が開閉軸42より閉鎖される側に常に配置されているため確実に閉鎖することができる。
空調室外機6内の空気は熱交換器により暖められる。羽板4および空気吹出口61の周囲の包囲壁部2は、前記空調室外機6内で暖められて上昇し空気吹出口61から漏れ出た空気を外に逃がさないようにする。よって、熱は、空調室外機6の内部に閉じこめられ、前記空調室外機6全体が暖まり、この熱によって、空気吸込口62に付着した霜が溶ける。
これにより、デフロスト時間が短縮される。また、溶け残りが生じにくくなるため、デフロスト運転の回数も低減することができる。
以上のような本実施形態の防雪フード1によれば、以下の効果を得ることができる。
1.デフロスト運転時における空調室外機6内の熱を閉じこめ、デフロスト運転時間の短縮、デフロスト運転回数の低減を図ることができる。
2.デフロスト運転時間の短縮およびデフロスト運転回数の低減により、消費電力を抑制することができる。
3.羽板4の素材、形状、重量を好適条件に設定することによって、通常運転時における排気効率を好適な値に保持しつつ、デフロスト運転も効率的に行うことができる。
つぎに、以下の実施例では、市販のビル用の空調室外機を使用して、従来品の防雪フードを設けた場合と、本発明に係る防雪フードを設けた場合のデフロスト運転に対する効果を比較した。
実施例1では、比較実験の前に、使用する空調室外機および空調室内機による個体差の有無について確認した。
使用した空調室外機は、三菱電機社製PURY-HP280SDMGである。この空調室外機を室外に2台並べて設置した。また、各空調室外機には、空調室内機としてPLFY-P140BMG2をそれぞれ2台ずつ接続し、これらの空調室内機を建物の同室に設置した。
本実施例1では、各空調室外機を室内温度が同条件に保たれるように約1週間連続運転し、その時の消費電力の比較を行った。その結果、図4に示すように、各空調室外機の消費電力の時間変動に大きな差はなかった。また、当該期間中の消費電力の差は約2.7%であった。
よって、2台の空調室外機による個体差はないことが確認できた。そこで、実施例3では、図5に示すように、一方の空調室外機には従来の防雪フードを設け、他方の空調室外機には本発明に係る防雪フードを設けて実験を行った。
実施例2では、本発明に係る防雪フードにおける羽板の形状等について検討を行った。羽板の設計は、空調室外機の空気吹出口から吹き出される風圧によって開口されるとともに、羽板自体の強度および製造コストの観点から行った。材質は、軽量でかつ腐食に強いアルミニウムを用いることとした。
『板厚について』
試験に用いた羽板の厚さは、それぞれ0.4mm、0.5mm、0.6mmおよび0.8mmとした。各羽板について空調室外機の空気吹出口におけるファンの出力を変化させて、風圧によって羽板が開口されるか否かを確認した。試験結果を表1に示す。
(表1)
表1に示すように、板厚が0.5mmの場合、空調室外機の空気吹出口におけるファンの最大出力に対して30%未満でも羽板が立ち上がり、空気吹出口が開口された。また、板厚が0.6mmの場合、前記ファンの最大出力に対して30%以上の風量のときに空気吹出口が開口された。さらに、板厚が0.8mmの場合、前記ファンの最大出力に対して40%以上の風量のときに空気吹出口が開口された。
また、板厚が0.4mmの場合、軽量化はされているが、低風量時でもスムーズな開閉が行われなかった。これは、風圧によって羽板の撓みが生じ、却って開閉しにくくなったもの考えられる。
以上より、空調室外機の空気吹出口におけるファンの最弱運転時の際の羽板の開きやすさや風圧に対する強度を考慮すると、羽板の板厚は0.5mmに形成するのが好ましい。
『羽板の幅および枚数について』
つぎに、板厚0.5mmの羽板を用いて、羽板の幅および空気吹出口を覆うための枚数について最適値を得るための試験を行った。本試験は、図6に示すように、空気吹出口の全体を覆うように、羽板の枚数に応じて羽板の幅を変えて行った。羽板の枚数が6枚の場合には羽板の幅は140mm、羽板の枚数が7枚の場合には羽板の幅は100mm、羽板の枚数が10枚の場合には羽板の幅が80mmであった。試験結果を表2に示す。
(表2)
表2に示すように、羽板の枚数が7枚の場合には、低風量によって空気吹出口が開口された。一方、羽板の枚数が6枚の場合には、幅が広くなりすぎて一枚の重量が重くなり、低風量によっては開口できなかった。
また、羽板の枚数が10枚の場合には、各羽板の重さが軽量化されるものの、空気吹出口を開口するには7枚の場合よりも強い風量が必要であった。これは、羽板の枚数が増えたことにより回転軸との摩擦が増えたためルーバー機構がスムーズに作用しなかったものと考えられる。また、コスト面から考えても、羽板の枚数が増えると製造コストが高くなるため、7枚の方が好ましいといえる。
さらに、図7に示すように、羽板の幅を100mmに形成、長さ方向に2分割することで、1枚当たりの羽板の重量を軽くしてみたところ、結果としては分割しない場合と殆ど変わらなかった。よって、製造コストを考慮すれば分割する必要はない。以上より、強度、低風量による開閉動作、製造コスト等を考慮すると、羽板の枚数は7枚とし、羽板の幅を100mmに形成することが好ましい。
『羽板の閉鎖初期角度について』
各羽板が閉鎖状態の角度(以下、「閉鎖初期角度」という)について検討を行った。本実施例2では、閉鎖初期角度を0度から20度まで変更して開口のしやすさについて評価した。その結果、風量に対する開きやすさについては大きな差はなかった。一方、20度に設定した場合は、閉鎖時の密閉度を高めるために別途、複雑な構造が必要であり、製造コストが増えると考えられる。
以上より、各羽板の閉鎖初期角度は、0度に設定することが好ましい。
『羽板の接続位置について』
羽板の幅方向に対する開閉軸の位置について検討を行った。本実施例2では、図8に示すように、接続部の固定箇所に長孔を形成し、前記接続部の固定位置を内側または外側に寄せて実験を行った。その結果、開閉軸の位置の違いによる開閉動作には大きな差は生じなかった。
『羽板の形状について』
つぎに、ソリッドワークス社製の気流シミュレーションを用いて、羽板の形状の違いによる圧力損失の影響を検討した。本実施例2では、羽板の形状を、図9に示すように、先端側を空気吹出口側に折り曲げた角度(以下、「折り部1」という)、基端側を前記空気吹出口に折り曲げた角度(以下、「折り部2」という)を変えて、それぞれシミュレーションを行った。シミュレーション結果および各折り部により想定される強度を表3に示す。
(表3)
図10は、前記気流シミュレーションにより計算された空気吹出口近傍の空気の流れおよび圧力を示したものである。図中の矢印が空気の流れの方向を示している。また、矢印の色が濃いほど風圧が強いことを示している。
折り部1および折り部2の折り曲げ角度は、浅い場合よりも深い場合の方が強度が強くなることが想定される。また、気流シミュレーションの結果より、補強折部の深さが深くなると圧力損失も大きくなり、開口がしやすくなるが、その一方、大きくなりすぎると抵抗となるため、適度なバランスが必要であることが確認された。本実施例2では、折り部1が150度、折り部2が120度に設定したときに、圧力損失と開口のしやすさとのバランスがよかった。
『羽板の最大開口角度について』
また、気流シミュレーションに基づき、図9に示すように、各羽板を傾斜させる最大開口角度の違いによる圧力損失の影響について検討を行った。シミュレーション結果を表4に示す。
(表4)
表4に示すように、各羽板の最大開口角度が大きくなるほど圧力損失が減らせることがわかる。
一方、デフロスト運転時において、空調室外機の空気吹出口におけるファンが止まった状態では、羽板を自重により閉鎖させる必要があり、そのためには羽板の重心位置が常に開閉軸上を越えないようにしなければならない。
以上の点を考慮して、羽板を傾斜させる最大開口角度は約70度に設定することが好ましい。
『背面壁の高さについて』
さらに、気流シミュレーションによって、背面壁の高さの違いによる圧力損失への影響についての検討を行った。その結果、図11に示すように、背面壁の高さが低いほど圧力損失は小さくなり、熱交換後の空気が前面側の開口部からスムーズに排出されることがわかる。また、製造コストについても、材料費が減るため、背面壁の高さは低い方が良いことがわかった。従来の防雪フードにおける背面壁の高さは、フード部の前方側の高さに対して300mm低く形成されているのに対し、本実施例2では、背面壁の高さがフード部の前方側の高さに対して450mm低く形成されている場合の方が前面側の開口部からスムーズに排出されることがわかった。
以上より、羽板の形状は、先端側に略凸状の補強折部を設けることにより、強度を増大させられるとともに適度に風圧を受け易くすることができる。ただし、補強折部の窪みが深すぎると、通常運転時の空気吹出口から吹き出される空気の流れを妨げることとなるため、窪みは折り部1が150度、折り部2が120度程度の浅めの方がよい。
本実施例3では、従来の防雪フードを設けた空調室外機と、本発明に係る空調室外機とのデフロスト運転状況の違いについて検証した。デフロスト運転の状況確認には、三菱電機ビル空調管理システムM−NETメンテナンスツールを用いた。
『比較実験条件について』
実験は、平成26年12月から翌年の3月までの約4ヶ月間行った。実験では、デフロスト運転積算時間、デフロスト所要時間、室外機内温度、室外機外温度、消費電力をそれぞれ1分間隔で測定した。温度計は、図11に示すように、空調室外機の空気吹出口の内および外、空気吸込口の左上、空気吸込口の左下、空気吸込口の右上、空気吸込口の右下、空気吸込口の後方上および空気吸込口の後方下にそれぞれ設置した。また、各空調室外機のブレーカーに電力計を設け、消費電力を計測した。
『デフロスト運転による空調室外機内の温度上昇について』
期間中に確認されたデフロスト運転において、ランダムに20ケースを抽出し、その平均値から、デフロスト運転による空調室外機内の温度上昇について比較を行った。
図13は、吹き込み側後方、吹き込み側右および吹き込み側左の3箇所におけるデフロスト経過時間に対する平均温度を示す。図13に示すように、従来の防雪フードを用いた場合は、デフロスト運転開始から3分後に1.6℃から3.6℃へと2.0℃の温度上昇が確認された。
一方、本発明に係る防雪フードを設置した場合、3分後には1.3℃から11.2℃となり約10℃の温度上昇が確認された。
そして、従来の防雪フードの場合、3分をピークにその後徐々に温度が低下したが、本発明に係る防雪フードの場合には3分経過後の温度が上昇し、5分後にはその温度差が9.5℃となった。
以上より、本発明に係る防雪フードを設けることにより、デフロスト運転時において室外機内の温度を効果的に保持し、著しい温度上昇効果を得ることが確認された。
『デフロスト運転の各種比較および消費電力の比較について』
つぎに、実験期間中におけるデフロスト運転の積算時間、デフロスト運転の回数、デフロスト運転の所要時間および消費電力について比較検証を行った。測定結果を表5に示す。
(表5)
従来の防雪フードを設けた空調室外機では、デフロスト運転の積算時間は1572分であった。一方、本発明に係る防雪フードを設けた空調室外機では、デフロスト運転の積算時間が753分と半減以上の効果が得られた。同様に、デフロスト運転の運転回数についても、従来の防雪フードでは341回であったのに対して、本発明に係る防雪フードでは148回となり、こちらも半減以上の効果が得られた。
また、全期間における従来の防雪フードを設けた空調室外機の消費電力は約3621kWhだったのに対し、本発明に係る防雪フードを設けた空調室外機の消費電力は約3368kWhであった。よって、本発明に係る防雪フードを設けた場合、4ヶ月で約7%という高い省電力化が実現される。
なお、本発明に係る防雪フードは、前述した実施形態に限定されるものではなく、適宜変更することができる。
例えば、防雪フード1は、空調室外機6の上部に一体的に固定されていてもよく、取り外し可能に構成されていてもよい。
1 防雪フード
2 包囲壁部
3 フード部
4 羽板
5 開閉連動手段
6 空調室外機
21 側面壁
22 前面壁
23 背面壁
24 開口部
25 通気孔
41 補強折部
42 開閉軸
51 接続部
52 連結棒
61 空気吹出口
62 空気吸込口

Claims (6)

  1. 空調室外機の上部に設けられている空気吹出口を積雪から防ぐために包囲壁部とフード部とを備えた防雪フードであって、
    複数枚の羽板が前記空気吹出口を覆うようにして平行に並べて配置され開閉自在に軸支されているとともに、それぞれの羽板を連動させて一体的に開閉動作させる開閉連動手段を設けており、
    前記羽板は、前記空気吹出口から吹き出される空気の風圧によって前記空気吹出口を開口し、前記空気吹出口から空気が吹き出されないときには自重により前記空気吹出口を閉鎖する、前記防雪フード。
  2. 前記開閉連動手段は、各羽板の開閉軸を連結してなるルーバー機構で構成されている、請求項1に記載の防雪フード。
  3. 前記各羽板には、その先端側の裏面に窪みを備える略凸状の補強折部が形成されている、請求項1または請求項2に記載の防雪フード。
  4. 前記複数枚の羽板は、それぞれ厚さ0.5mmのアルミニウム板によって形成されているとともに、7枚で構成されている、請求項1から請求項3のいずれかに記載の防雪フード。
  5. 前記各羽板の最大開口角度が70度に設定されている、請求項1から請求項4のいずれかに記載の防雪フード。
  6. 前記防雪フードは、その包囲壁部が前記空気吹出口の高さよりも高く形成されているとともに、その正面側には上方位置に開口部が形成されており、かつこの開口部と対向位置にある背面側には複数個の通気孔が形成されている、請求項1から請求項5のいずれかに記載の防雪フード。
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