JP2013217199A - プロペラファンおよび空気調和機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ボス3の外周に複数の羽根1が設けられた羽根車2と、ボス3に連結されたモーター軸4を介して羽根車2を回転駆動する駆動モーター5と、を備え、ボス3は、駆動モーター5を覆うカバー6を有するとともに、ボス3の先端面にカバー6内の空間7に連通する通風孔8を有し、通風孔8に近接して、羽根車2の回転方向側にリブ9を設ける。
【選択図】図5
Description
しかし、このような構造にすると、駆動モーター周りの空気の循環が行われないので、駆動モーターが回転する際に発生する熱を熱交換することができず、駆動モーターの温度が上昇することになる。そのため、駆動モーターの軸受のベアリングの寿命が短期化し、信頼性の高いプロペラファンが得られないという問題がある。
そこで、従来より、駆動モーターを冷却する技術が提案されている。
例えば、特許文献1では、駆動モーターを覆うボスに複数の通風孔を設けている。
特許文献2では、駆動モーターを覆うカバーを有するボスを二重壁構造とし、内側のボス部分に傾斜状の突起と通風孔を設け、外側のボス部分に傾斜状の突起によりガイドされる斜め外側に向けた通風孔を設けている。
特許文献3では、ターボファンの電動機を覆う壁に通風孔を設け、通風孔を覆うような壁部を設け、開放部から主板側へ空気が流れるように構成している。
特許文献2では、ボスのカバーを二重構造にすることで異物の侵入を防止しているが、構造が複雑になるため製造面で不利である。
特許文献3では、通風孔の開口部を覆ってしまうため、通風抵抗が大きくなり、冷却効果が小さくなる等の問題点があった。
前記ボスは、前記駆動モーターを覆うカバーを有するとともに、該ボスの先端面に前記カバー内の空間に連通する通風孔を有し、
前記通風孔に近接して、前記羽根車の回転方向側にリブが設けられているものである。
図1は本発明の実施の形態1に係るプロペラファン10の正面図、図2はこのプロペラファン10の概略断面図である。
この実施の形態1に係るプロペラファン10は、図1および図2に示すように、ボス3の外周に複数の羽根1が設けられた羽根車2と、ボス3に連結されたモーター軸4を介して回転駆動する駆動モーター5とを備えている。さらに、ボス3は、駆動モーター5を覆うカバー6を有し、ボス3の先端面にはカバー6の空間7に連通する通風孔8と、通風孔8に近接して、羽根車2の回転方向(図1中、矢印A方向)側にリブ9が設けられている。
図3はプロペラファン10における異物侵入防止機構の動作を説明するための模式図である。なお、図3中の矢印は空気の流れを示す。
プロペラファン10を回すために駆動モーター5が回転すると、駆動モーター5の磁力とインバーター基板の電気エネルギーが熱エネルギーに変化するため、ボス3内の空間7の空気は駆動モーター5が発生する熱と熱交換を行い、空間7の空気の温度は上昇する。温度上昇した空気はプロペラファン10とボス3の内壁面11の回転により移動し、さらに回転運動による遠心力が発生するため、空間7の空気の圧力が上昇する。また、温度上昇した空気は強制対流を発生するため、空間7の空気は通風孔8から流れ出ることで駆動モーター5を冷却することができる。
この際、空気中のほこり等の異物がプロペラファン10全体に付着し堆積するが、図3の矢印のように空気の流れがリブ9と衝突することによって、空気中の異物がリブ9でせき止められるので、通風孔8に異物が入らない。そのため、通風孔8に異物が堆積することなく、通風孔8への異物の侵入を防ぐことができる。
図4から明らかなように、従来のプロペラファンに比べて実施の形態1のプロペラファン10では、通風孔8の開口率が、20年間に相当する期間で90%以上を維持することが確認できた。
したがって、実施の形態1のプロペラファン10は、通風孔8への異物の侵入を防ぐことができるので、通風孔8に異物が堆積することがなく、空間7の空気の流れを妨げないので、長期にわたり駆動モーター5の冷却効果を持続できる効果が得られる。
図5は本発明の実施の形態2に係るプロペラファン10の正面図で、図6はこのプロペラファン10の概略断面図である。
この実施の形態2は、複数(例えば、6個)の通風孔8と複数(例えば、6個)のリブ9を等間隔に設けた場合を示すものである。すなわち、ボス3の先端面に複数の通風孔8を等間隔に設け、各通風孔8に近接して、羽根車2の回転方向(図5中、矢印A方向)側にリブ9を設けたものである。リブ9を複数設けることによって、ボス3の強度を向上させることができる。その他の構成は実施の形態1と同様である。
プロペラファン10を回すため駆動モーター5が回転すると、駆動モーター5の磁力とインバーター基板の電気エネルギーが熱エネルギーに変化するため、ボス3内の空間7の空気は駆動モーター5が発生する熱と熱交換を行い、空間7の空気の温度は上昇する。温度上昇した空気はプロペラファン10とボス3の内壁面11の回転により移動し、さらに回転運動による遠心力が発生するため、空間7の空気の圧力が上昇する。また、温度上昇した空気は強制対流を発生するため、空間7の空気は通風孔8から流れ出ることで駆動モーター5を冷却することができる。
この際、空気中のほこり等の異物がプロペラファン10全体に付着し堆積するが、空気の流れがリブ9と衝突することによって、空気中の異物がリブ9でせき止められるので、通風孔8に異物が入らない。そのため、通風孔8に異物が堆積することなく、通風孔8への異物の侵入を防ぐことができる。
図7から明らかなように、実施の形態2によれば、実施の形態1と比較して、駆動モーター5の入力を0.2W低減することができた。
図8は本発明の実施の形態3に係るプロペラファン10の正面図である。
この実施の形態3は、実施の形態2の全体構造と機能を同様にし、さらに通風抵抗を低減し、駆動モーター5の入力(供給電力量)を低減できるようにしたものである。
図8に示すように、この実施の形態3では、通風孔8に近接して羽根車2の回転方向(図8中、矢印A方向)側に設けられたリブ9を例えば湾曲状に形成し、リブ9の外周端部9aが羽根車2の回転方向と反対側へ後退する形状に形成した点が実施の形態2と相違する。
プロペラファン10を回すために駆動モーター5が回転すると、駆動モーター5の磁力とインバーター基板の電気エネルギーが熱エネルギーに変化するため、ボス3内の空間7の空気は駆動モーター5が発生する熱と熱交換を行い、空間7の空気の温度は上昇する。温度上昇した空気はプロペラファン10とボス3の内壁面11の回転により移動し、さらに回転運動による遠心力が発生するため、空間7の空気の圧力が上昇する。また、温度上昇した空気は強制対流を発生するため、空間7の空気は通風孔8から流れ出ることで駆動モーター5を冷却することができる。
この際、空気中のほこり等の異物がプロペラファン10全体に付着し堆積するが、空気の流れが回転方向と反対側に外周端部9aを後退させた形状のリブ9と衝突することによって、空気中の異物がリブ9でせき止められるので、通風孔8に異物が入らない。そのため、通風孔8に異物が堆積することなく、通風孔8への異物の侵入を防ぐことができる。
また、空気がリブ9と衝突する際、リブ9の湾曲面に沿ってスムーズに流れるため、通風抵抗を低減させることができる。
図9から明らかなように、実施の形態3によれば、リブ9を羽根車2の回転方向と反対側へ後退する形状とすることで、実施の形態2と比較して、駆動モーター5の入力を0.2W低減することができた。
図10は本発明の実施の形態4に係るプロペラファン10の正面図で、図11はこのプロペラファン10の概略断面図である。
この実施の形態4は、全体構造及び機能は実施の形態1〜3と同様であるが、さらに通風孔8の開口率が大きくなるように構成したものである。すなわち、複数の通風孔8がボス3の先端面に等間隔に設けられ、さらに各通風孔8に近接して、羽根車2の回転方向(図10中、矢印A方向)側にリブ9が設けられている。ここで、図10に示すように、一つのリブ9を間にして回転方向の前後となる二つの通風孔8a、8bにおいて、当該リブ9に対して前方位置の通風孔8aと当該リブ9との中心間距離をL1、当該リブ9に対して後方位置の通風孔8bと当該リブ9との中心間距離をL2としたとき、
L2≦1/2・L1 ・・・(1)
を満たし、さらに当該リブ9の高さL3が通風孔8の直径Dに対し、
2/3・D≦L3≦D ・・・(2)
となるようにリブ9を設けている。
なお、上記の中心間距離L1は、通風孔8aと当該リブ9との中心間円弧距離または中心間弦距離をいう。また、中心間距離L2は、通風孔8bと当該リブ9との中心間円弧距離または中心間弦距離をいう。なお、式(1)、式(2)は実験結果により定めたものである。
0<L2<πR/Xとなる。なお、図10はX=6のときの図である。
よって、リブ9の高さL3は、式(2)を満たすことが好ましい。
プロペラファン10を回すために駆動モーター5が回転すると、駆動モーター5の磁力とインバーター基板の電気エネルギーが熱エネルギーに変化するため、ボス3内の空間7の空気は駆動モーター5が発生する熱と熱交換を行い、空間7の空気の温度は上昇する。温度上昇した空気はプロペラファン10とボス3の内壁面11の回転により移動し、さらに回転運動による遠心力が発生するため、空間7の空気の圧力が上昇する。また、温度上昇した空気は強制対流を発生するため、空間7の空気は通風孔8から流れ出ることで駆動モーター5を冷却することができる。
この際、空気中のほこり等の異物がプロペラファン10全体に付着し堆積するが、空気の流れがリブ9と衝突することによって、空気中の異物がリブ9でせき止められるので、通風孔8に異物が入らない。そのため、通風孔8に異物が堆積することなく、通風孔8への異物の侵入を防ぐことができる。
さらに、リブ9の高さL3についても、同様に通風孔8の開口率を大きく維持するため、式(2)のようにリブ9の高さL3を、通風孔8の直径Dに対し、2/3〜1倍の範囲となるように設定することが好ましい。
図13から明らかなように、実施の形態4のプロペラファン10では、通風孔8の開口率が、20年間に相当する期間で95%以上を維持することが確認できた。
したがって、実施の形態4のプロペラファン10は、実施の形態1よりも通風孔8への異物の侵入を防ぐことができるので、通風孔8に異物が堆積することがなく、空間7の空気の流れを妨げないので、長期にわたり駆動モーター5の冷却効果を持続できる効果が得られる。
図14は本発明の実施の形態5に係るプロペラファンの正面図である。
この実施の形態5は、実施の形態3よりさらに通風抵抗を低減し、駆動モーター5の入力(消費電力量)を低減できるようにしたものである。
図14に示すように、リブ9の内周端Aと外周端Bとを結ぶ直線N1と、リブ9の内周端Aにおけるボス3中心と同心円C1の接線N2とのなす角度をθとするとき、リブ9の角度θは羽根車2の回転方向と反対側(反回転方向側)の角度として、
30゜≦θ≦60゜ ・・・(3)
を満たすように、リブ9を反回転方向側へ後退した形状としたものである。その他の構成は実施の形態3と同様である。
プロペラファン10を回すために駆動モーター5が回転すると、駆動モーター5の磁力とインバーター基板の電気エネルギーが熱エネルギーに変化するため、ボス3内の空間7の空気は駆動モーター5が発生する熱と熱交換を行い、空間7の空気の温度は上昇する。温度上昇した空気はプロペラファン10とボス3の内壁面11の回転により移動し、さらに回転運動による遠心力が発生するため、空間7の空気の圧力が上昇する。また、温度上昇した空気は強制対流を発生するため、空間7の空気は通風孔8から流れ出ることで駆動モーター5を冷却することができる。
この際、空気中のほこり等の異物がプロペラファン10全体に付着し堆積するが、空気の流れが反回転方向側へ外周端部9aを後退させた形状のリブ9と衝突することによって、空気中の異物がリブ9でせき止められるので、通風孔8に異物が入らない。そのため、通風孔8に異物が堆積することなく、通風孔8への異物の侵入を防ぐことができる。
また、空気がリブ9と衝突する際、リブ9の湾曲面に沿ってスムーズに流れるため、通風抵抗を低減させることができる。
図15から分かるように、リブ9の角度θが30゜〜60゜の範囲であれば、駆動モーター5の入力は最小およびその近傍の値となるため、リブ9の角度θが式(3)を満たすように、リブ9を反回転方向側へ後退した形状に形成することが好ましい。
図16から明らかなように、実施の形態5によれば、リブ9の角度θが式(3)を満たすように、リブ9が湾曲形状をなし、リブ9の外周端部9aを羽根車2の反回転方向側へ後退した形状とすることで、実施の形態3と比較して、駆動モーター5の入力を0.2W低減することができた。
一方、図18は、リブ9の幅Wと駆動モーター5の入力との関係を示すグラフである。リブ9の幅Wが例えば4.0mm以上になると、図18に示すように、リブ9の翼面上の流れが乱されるため、駆動モーター5の入力が悪化する。
したがって、リブ9の幅Wは、L3≦W≦2・L3(mm)とすることが好ましい。
図19は本発明の実施の形態6を示すもので、本発明に係るプロペラファン10を備えた空気調和機100の構成図である。
この実施の形態に係る空気調和機100は、主に実施の形態3〜5の構造と機能を備えたプロペラファン10を、熱交換器20の上流側に配置したものである。
図19に示すように、空気調和機100は、室内の空気を吸い込む上部吸込み口21と、吸込み口21から吸い込まれた空気をろ過するフィルター22と、ろ過された空気と冷凍サイクルの冷媒と熱交換することにより、調和空気を生成する熱交換器20と、調和空気を室内へ吹き出す吹出し口23と、熱交換器20で結露した水を受けるドレンパン24とで構成されており、プロペラファン10がフィルター22および熱交換器20の上流側に配置されている。
室内空気は上部吸込み口21から空気調和機100に流入し、上部吸込み口21から吸い込まれた空気がフィルター10でろ過されて、ろ過された空気が冷凍サイクルの冷媒と熱交換を行うことによって調和空気が生成され、前記調和空気は吹出し口23から室内へ流出する。その過程で、吸込み口21から流入した室内空気は、プロペラファン10がフィルター22および熱交換器20の上流側に配置されているため、ろ過されずにプロペラファン10に流入する。そのため、ほこり等の異物を多く含んだ室内空気がプロペラファン10を通過する。従来のプロペラファンは、リブ9が設けられていないため、通風孔8に異物が侵入してしまうが、本発明に係るプロペラファン10は、通風孔8に近接して、羽根車2の回転方向側にリブ9を設けているため、通風孔8への異物の侵入を防ぐことができ、また、回転方向と反対側に後退した形状のリブ9を設けることによって通風抵抗を低減することができる。
Claims (7)
- ボスの外周に複数の羽根が設けられた羽根車と、
前記ボスに連結されたモーター軸を介して前記羽根車を回転駆動する駆動モーターと、
を備え、
前記ボスは、前記駆動モーターを覆うカバーを有するとともに、該ボスの先端面に前記カバー内の空間に連通する通風孔を有し、
前記通風孔に近接して、前記羽根車の回転方向側にリブが設けられている
ことを特徴とするプロペラファン。 - 通風孔は等間隔に設けられ、各通風孔に近接して、前記羽根車の回転方向側にリブが設けられていることを特徴とする請求項1記載のプロペラファン。
- リブが湾曲形状をなしており、リブの外周端部が、前記羽根の回転方向と反対側へ後退する形状となっていることを特徴とする請求項1または2記載のプロペラファン。
- 一つのリブを間にして、前記羽根車の回転方向の前後となる二つの通風孔において、当該リブに対して前方位置の通風孔と当該リブとの中心間距離をL1、当該リブに対して後方位置の通風孔と当該リブとの中心間距離をL2としたとき、
L2≦1/2・L1
を満たし、さらに当該リブの高さL3が通風孔の直径Dに対し、
2/3・D≦L3≦D
となるように当該リブを設けたことを特徴とする請求項2または3記載のプロペラファン。 - リブの内周端と外周端とを結ぶ直線N1と、リブの内周端におけるボス中心と同心円の接線N2とのなす角度をθとするとき、角度θは前記羽根車の回転方向と反対側の角度として、
30゜≦θ≦60゜
を満たすように、リブが前記羽根車の回転方向と反対側へ後退した形状となっていることを特徴とする請求項3または4記載のプロペラファン。 - リブの幅Wは、リブの高さL3に対し、L3≦W≦2.0・L3であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のプロペラファン。
- 室内の空気を吸い込む上部吸込み口と、前記上部吸込み口から吸い込まれた空気をろ過するフィルターと、ろ過された空気と冷凍サイクルの冷媒とを熱交換することにより、調和空気を生成する熱交換器と、前記調和空気を室内へ吹き出す吹出し口と、前記熱交換器で結露した水を受けるドレンパンと、請求項1〜6のいずれか一項に記載のプロペラファンとを備え、該プロペラファンが前記熱交換器の上流側に配置されていることを特徴とする空気調和機。
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