JP2011047579A - 空気調和機 - Google Patents

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【課題】吹出口から上向きと下向きの両方の向きに空気を送出することが可能であり、かつ、開閉部材に断熱材を貼る必要がない空気調和機を提供する。
【解決手段】空気調和機1の開閉パネル110は、ファン130によってキャビネット100から送出される空気を吹き出すための吹出口120を開放または閉塞する。上軸116は吹出口120の上部において、下軸118は吹出口120の下部において、中軸117は上軸116と下軸118との間において、開閉パネル110をキャビネット100に支持する。上モータ181は上軸116を移動させる。下モータ191は中軸117を移動させるとともに、上軸116を中心に、または、下軸118を中心にして開閉パネル110を回動させる。回動させられた開閉パネル110は、吹出口120の上端121と下端122とから離隔して吹出口120に支持される。
【選択図】図2

Description

この発明は空気調和機に関する。
従来、空気調和機には、吹出口から吹き出される空気の向きを変更する風向変更板を備えるものがある。
例えば、特許第3198911号公報(特許文献1)には、吹出口に備えられた水平案内羽根を駆動して、空調空気を前方へと吹出す水平吹きと下方吹きとを行い、また、水平案内羽根で吹出口を閉じる羽根駆動機構を備えた空気調和機が記載されている。この空気調和機では、水平案内羽根を支持する2つの可動軸を移動させることによって水平案内羽根が駆動される。
特開2009−63258号公報(特許文献2)と特開2009−63259号公報(特許文献3)と特開2009−63260号公報(特許文献4)と特開2009−63261号公報(特許文献5)には、導風パネルが上下の軸を中心にして上下両開き可能な空気調和機が記載されている。この空気調和機では、導風パネルが上開きあるいは下開きにおいて最大に開いたとき、導風パネルがキャビネットに接触するように、導風パネルの前後の端部を形成することにより、吹き出した風が漏れることを防ぐ。
特許第3198911号公報 特開2009−63258号公報 特開2009−63259号公報 特開2009−63260号公報 特開2009−63261号公報
しかしながら特許第3198911号公報(特許文献1)に記載の空気調和機では、空調空気を前方へと吹出す水平吹きと下方吹きとを行うことはできるが、空調空気を上方向に吹き出すように水平案内羽根を駆動することはできない。空気調和機では、特に冷房運転を行う場合には、空調空気を水平吹きや下方吹きにすると、冷たい空気が空気調和対象室内の人に直接当たり、不快感を与えることがある。
一方、特開2009−63258号公報(特許文献2)と特開2009−63259号公報(特許文献3)と特開2009−63260号公報(特許文献4)と特開2009−63261号公報(特許文献5)に記載の空気調和機では、導風パネルに結露しないように、導風パネルの内側に断熱材を設ける必要がある。
そこで、この発明の目的は、吹出口から上向きと下向きの両方の向きに空気を送出することが可能であり、かつ、開閉部材に断熱材を貼る必要がない空気調和機を提供することである。
この発明に従った空気調和機は、ファンと、筐体と、板状の開閉部材と、第1の可動軸と、固定軸と、第2の可動軸と、第1の駆動部と、第2の駆動部とを備える。
筐体はファンを収容する。開閉部材は、ファンによって筐体から送出される空気を吹き出すための吹出口を開放または閉塞する。第1の可動軸は、開閉部材を吹出口の上部において筐体に支持する。固定軸は、開閉部材を吹出口の下部において筐体に支持する。第2の可動軸は、開閉部材を第1の可動軸と固定軸との間において筐体に支持する。第1の駆動部は、第1の可動軸を移動させる。第2の駆動部は、第2の可動軸を移動させるとともに、第1の可動軸を中心に、または、固定軸を中心にして開閉部材を回動させる。
第1の可動軸を中心に、または、固定軸を中心にして回動させられた開閉部材は、吹出口の上端と下端とから離隔して吹出口に支持される。
このように構成された空気調和機では、第1の可動軸を中心にして開閉部材が回動させられると、開閉部材は、吹出口の上端と下端とから離隔して吹出口に支持される。第1の可動軸は固定軸よりも上方に配置されているので、開閉部材は比較的上部を中心に回動されて、吹出口に支持される。このようにして吹出口に支持された開閉部材と吹出口の下端との間には、開閉部材と吹出口の上端との間よりも大きな間隔があけられる。
開閉部材と吹出口の下端との間には、開閉部材と吹出口の上端との間よりも大きな間隔があけられているので、ファンが駆動されると、ファンによって送出される空気は、全体的に下向きに送出される。また、ファンによって送出される空気は、吹出口の上端と開閉部材の上端との間と、吹出口の下端と開閉部材の下端との間との両方を通って、筐体から送出される。すなわち、ファンによって送出される空気は、板状の開閉部材の両表面に沿って流れて、筐体から送出される。
一方、固定軸を中心にして開閉部材が回動させられると、開閉部材は、吹出口の上端と下端とから離隔して吹出口に支持される。固定軸は第1の可動軸よりも下方に配置されているので、開閉部材は比較的下部を中心に回動されて、吹出口に支持される。このようにして吹出口に支持された開閉部材と吹出口の上端との間には、開閉部材と吹出口の下端との間よりも大きな間隔があけられる。
開閉部材と吹出口の上端との間には、開閉部材と吹出口の下端との間よりも大きな間隔があけられているので、ファンが駆動されると、ファンによって送出される空気は、全体的に上向きに送出される。また、ファンによって送出される空気は、吹出口の上端と開閉部材の上端との間と、吹出口の下端と開閉部材の下端との間との両方を通って、筐体から送出される。すなわち、ファンによって送出される空気は、板状の開閉部材の両表面に沿って流れて、筐体から送出される。
このように、ファンによって送出される空気が開閉部材の両表面に沿って流れるので、開閉部材の両表面の温度がほぼ同じ温度にされる。したがって、ファンによって送出される空気と、空気調和対象室内の空気との間に温度差がある場合にも、開閉部材の両表面の間に温度差が生じにくく、開閉部材に結露しにくい。開閉部材に結露しにくいので、開閉部材に断熱材を設ける必要がない。
このようにすることにより、吹出口から上向きと下向きの両方の向きに空気を送出することが可能であり、かつ、開閉部材に断熱材を貼る必要がない空気調和機を提供することができる。
この発明に従った空気調和機は、当該空気調和機が暖房運転を行なう場合に、第1の駆動部が第1の可動軸を移動させることによって固定軸を筐体から外し、第2の駆動部が第2の可動軸を移動させるとともに開閉部材を第1の可動軸を中心にして回動させるように構成されていることが好ましい。
このようにすることにより、開閉部材を、第1の可動軸を中心にして回動し、吹出口の上端と下端とから離隔して吹出口に支持しやすくなる。また、このようにすることにより、ファンによって送出される空気を下向きにしやすくなる。なお、暖房運転では、ファンによって送出される空気は、空気調和対象室内の空気と比較して温度が高く、空気調和対象室内の上部に滞留しやすい。そこで、ファンによって送出される空気を下向きにすることによって、暖かい空気が空気調和対象室内の下部に流れやすくすることができる。
この発明に従った空気調和機は、当該空気調和機が冷房運転を行なう場合に、第2の駆動部が第2の可動軸を移動させることによって第1の可動軸を筐体から外し、第2の駆動部が第2の可動軸を移動させるとともに開閉部材を固定軸を中心にして回動させるように構成されていることが好ましい。
このようにすることにより、開閉部材を、固定軸を中心にして回動し、吹出口の上端と下端とから離隔して吹出口に支持しやすくなる。また、このようにすることにより、ファンによって送出される空気を上向きにしやすくなる。なお、冷房運転では、ファンによって送出される空気は、空気調和対象室内の空気と比較して温度が低く、空気調和対象室内の下部に滞留しやすい。そこで、ファンによって送出される空気を上向きにすることによって、冷たい空気が空気調和対象室内の下部に流れて、直接、空気調和対象室内の人に当たって不快感を与えることを防ぐことができる。
この発明に従った空気調和機は、固定軸を筐体に取り付けるための取付部材を備えることが好ましい。取付部材はバネを含み、バネは、筐体に取り付けられた固定軸を筐体の外側に向かって付勢することが好ましい。
このようにすることにより、開閉部材の固定軸を空気調和機の筐体から取り外すことが容易になる。
以上のように、この発明によれば、吹出口から上向きと下向きの両方の向きに空気を送出することが可能であり、かつ、開閉部材に断熱材を貼る必要がない空気調和機を提供することができる。
本発明の一つの実施の形態に係る空気調和機の運転が停止されているときの外観を示す斜視図である。 本発明の一つの実施の形態に係る空気調和機の運転が停止されているときの内部の機構を模式的に示す図である。 図2に示す空気調和機から駆動部を取り除いたときの状態を示す図である。 本発明の一つの実施の形態に係る空気調和機が暖房準備状態にあるときの外観を示す斜視図である。 本発明の一つの実施の形態に係る空気調和機が暖房準備状態にあるときの内部の機構を模式的に示す図である。 図5に示す空気調和機から駆動部を取り除いたときの状態を示す図である。 本発明の一つの実施の形態に係る空気調和機が暖房運転されているときの外観を示す斜視図である。 本発明の一つの実施の形態に係る空気調和機が暖房運転されているときの内部の機構を模式的に示すである。 図8に示す空気調和機から駆動部を取り除いたときの状態を示す図である。 本発明の一つの実施の形態に係る空気調和機が冷房運転されているときの外観を示す斜視図である。 本発明の一つの実施の形態に係る空気調和機が冷房運転されているときの内部の機構を模式的に示す図である。 図11に示す空気調和機から駆動部を取り除いたときの状態を示す図である。
以下、この発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、この発明の一つの実施の形態の空気調和機1は、筐体としてキャビネット100と、キャビネット100の下部に取り付けられる開閉部材として湾曲した板状の開閉パネル110とによって全体が覆われている。開閉パネル110は、キャビネット100の吹出口上壁部101と吹出口下壁部102との間に配置されている。空気調和機1においては、開閉パネル110が取り付けられている側を正面側とする。
図2と図3に示すように、キャビネット100の内部には、ファン130と、ファン130の上方においてファン130とキャビネット100の内壁面との間に配置される熱交換器140とが収容されている。熱交換器140の下端は、吹出口上壁部101の上に配置されたドレンパン103と、キャビネット100の背面側の内部に配置されたドレンパン104に受容されている。キャビネット100の吹出口上壁部101と吹出口下壁部102との間には吹出口120が形成されている。吹出口120には開閉パネル110が配置されている。開閉パネル110は、表面111に凸面が形成され、裏面112に凹面が形成されるように湾曲している。開閉パネル110の上端114は吹出口120の上端121に対向し、開閉パネル110の下端115は吹出口120の下端122に対向している。
開閉パネル110の裏面112上には、複数のリブ113が形成されている。この実施の形態においては、リブ113は、開閉パネル110の左側の端部から少し中央寄りの位置に1本形成され、開閉パネル110の右側の端部から少し中央寄りの位置に1本形成されて、合計2本、形成されている。それぞれのリブ113は、開閉パネル110の上端114から下端115に向かう方向に沿って延びるように形成されている。リブ113の上部には、第1の可動軸として上軸116が形成されている。リブ113の下部には、固定軸として下軸118が形成されている。リブ113において上軸116と下軸118との間には、第2の可動軸として中軸117が形成されている。上軸116と中軸117と下軸118は、リブ113から突出するように形成された突起である。
上軸116には、L字形状の上軸取付部材151が係合されている。上軸取付部材151の一方の端部には上フック152が形成されており、この上フック152が上軸116に係合されている。上軸116と上フック152とは着脱可能に係合されている。上軸116は、開閉パネル110が、下軸118を中心にして回動されたときに上フック152から外れるように、上フック152に係合されている。上軸取付部材151において上フック152と反対側の端部には、上軸取付歯車153が固着されている。上軸取付部材151の下方においてキャビネット100の内壁面上には、上軸受け154が設けられている。上軸受け154も上フック152と同様にフック形状に形成されている。
中軸117には、棒状の中軸取付部材161の一方の端部162が取り付けられている。中軸取付部材161は、中軸117を中心にして回動するように取り付けられている。中軸取付部材161の他方の端部163は、レール164にはめ込まれている。レール164は、キャビネット100の側壁内面に、キャビネット100の正面側から背面側に向かう方向にほぼ沿って形成されている。中軸取付部材161の端部163は、レール164に沿って移動することができる。中軸取付部材161の端部163はまた、中軸取付歯車165に取り付けられている。中軸取付部材161は、中軸取付歯車165を中心にして回動するように取り付けられている。
下軸118には、取付部材として下軸取付部材171の一方の端部171aと下フック172とが係合されている。下フック172は下軸118の上部に係合している。下軸取付部材171の端部171aは、下軸118を斜め下方向から支持するように下軸118に係合している。下軸取付部材171の端部171aは、キャビネット100に取り付けられたバネ173によってキャビネット100の吹出口120から外側に向かって付勢されている。下軸118は、下軸取付部材171の端部171aを介してバネ173によってキャビネット100の吹出口120から外側に向かって付勢されている。下軸取付部材171の他方の端部と下フック172は、キャビネット100の内側に固着されている。下軸118は、開閉パネル110の全体が下方向に移動されたときに下軸取付部材171の端部171aと下フック172とから外れるように、下軸取付部材171の端部171aと下フック172に係合されている。
キャビネット100の側壁の内側には、第1の駆動部として上モータ181と、第2の駆動部として下モータ191とが取り付けられている。上モータ181には、上モータ歯車182が取り付けられている。下モータ191には、下モータ歯車192が取り付けられている。
上モータ181は、上モータ歯車182が、上軸取付部材151の上軸取付歯車153と噛み合うように配置されている。下モータ191は、下モータ歯車192が、中軸取付部材161の中軸取付歯車165と噛み合うように配置されている。
このように、空気調和機1の運転が停止されて開閉パネル110が吹出口120を閉じているときには、開閉パネル110は、上軸116と、中軸117と、下軸118の3軸によってキャビネット100に支持される。
このように構成された空気調和機1の動作について説明する。
最初に、空気調和機1が暖房運転を行うときの動作について説明する。
図4から図6に示すように、暖房運転を行うときには、まず、空気調和機1の開閉パネル110が暖房準備状態にされる。
開閉パネル110が暖房準備状態にされるときには、上モータ181が駆動され、上モータ歯車182が所定の角度、図において時計回りに回転する。上モータ歯車182が時計回りに回転すると、上モータ歯車182と噛み合っている上軸取付歯車153が図において反時計回りに回転する。上軸取付歯車153が反時計回りに回転すると、上軸取付歯車153に固着されている上軸取付部材151が移動される。このとき、上軸取付部材151は、上フック152が下方向に移動するように移動される。上フック152が下方向に移動すると、上フック152に係合している上軸116も上フック152に係合したままで下方向に移動する。下方向に移動した上軸116は、上フック152の下方に取り付けられている上軸受け154に係合して、上軸受け154によって下方向から支持される。
上軸116は開閉パネル110のリブ113から突出しているので、上軸116が下方向に移動すると、開閉パネル110全体が下方向に移動する。開閉パネル110が下方向に移動すると、中軸117に取り付けられている中軸取付部材161の中軸117側の端部162が下方向に移動するが、下モータ191が駆動されていないので、中軸取付部材161の他方の端部163は移動しない。また、開閉パネル110が下方向に移動すると、下フック172と下軸取付部材171の端部171aに係合している下軸118が、下フック172と下軸取付部材171の端部171aから外れる。下軸取付部材171の端部171aはバネ173によって吹出口120の外側に向かって付勢されており、下フック172は下軸118の上側から下軸118に係合しているので、下軸118は容易に下軸取付部材171の端部171aと下フック172とから外れる。
下軸118が下フック172と下軸取付部材171の端部171aから外れることによって、開閉パネル110は、上軸116と中軸117とによってキャビネット100の吹出口120に支持される。
次に、図7から図9に示すように、下モータ191が駆動され、下モータ歯車192が所定の角度、図において時計回りに回転する。下モータ歯車192が時計回りに回転すると、下モータ歯車192と噛み合っている中軸取付歯車165が図において反時計回りに回転する。中軸取付歯車165が反時計回りに回転すると、中軸取付歯車165に取り付けられている中軸取付部材161の端部がレール164に沿って移動される。このとき、中軸取付部材161は、キャビネット100の背面側から正面側に向かって移動される。中軸取付部材161がキャビネット100の背面側から正面側に向かって移動されると、中軸取付部材161に取り付けられている中軸117も、キャビネット100の背面側から正面側に向かって移動される。
中軸117がキャビネット100の背面側から正面側に向かって移動されると、開閉パネル110もキャビネット100の背面側から正面側に向かって移動する方向に、中軸117を中心に力を受ける。しかし、開閉パネル110は中軸117だけでなく、上軸116によってもキャビネット100に支持されており、上軸116を移動させる上モータ181は駆動されないので、開閉パネル110全体がそのままキャビネット100の背面側から正面側に向かって移動することはできない。そのため、開閉パネル110は、上軸116を中心にして、開閉パネル110の下端115が、キャビネット100の背面側から正面側に押し出されるように、回動する。上軸116を中心にして、このように開閉パネル110が回動すると、開閉パネル110の上端114は、開閉パネル110の下端115と逆に、キャビネット100の背面側に向かって移動する。開閉パネル110は、表面111を上に、裏面112を下に向けた状態にされる。
このようにして、吹出口120の上部において上軸116と中軸117とで開閉パネル110が支持されて、吹出口120が開放される。開閉パネル110は吹出口120の上部において支持されているので、開閉パネル110の下端115と吹出口120の下端122との間は、開閉パネル110の上端114と吹出口120の上端121との間よりも大きく開放されている。また、開閉パネル110の上端114は、吹出口120の上端121と離隔されている。
開閉パネル110がこのように吹出口120に支持された状態でファン130と熱交換器140とが駆動されると、ファン130によって送出される空気の大部分は、開閉パネル110の裏面112と吹出口120の下端122との間を通って、キャビネット100の外に送出される。また、ファン130によって送出される空気の残りは、開閉パネル110の表面111と吹出口120の上端121との間を通って、キャビネット100の外に排出される。
暖房運転では、空気調和対象室内の空気よりも暖かい空気がファン130によって送出される。開閉パネル110の表面111と裏面112の両面に沿って、ファン130によって送出される暖かい空気が流れるので、ファン130によって送出される空気と空気調和対象室内の空気との間に温度差があっても、開閉パネル110の表面111と裏面112との間には温度差が生じにくい。そのため、開閉パネル110に断熱材を設けなくても、開閉パネル110に結露が生じにくい。
このようにして、空気調和機1の暖房運転が行われる。
次に、空気調和機1の冷房運転について説明する。
図10から図12に示すように、冷房運転時には、上モータ181は駆動されず、下モータ191だけが駆動される。下モータ191が駆動されて、下モータ歯車192が図において時計回りに回転されると、下モータ歯車192と噛み合っている中軸取付歯車165が図において反時計回りに回転する。中軸取付歯車165が反時計回りに回転すると、中軸取付歯車165に取り付けられている中軸取付部材161の端部が、レール164にそって、キャビネット100の背面側から正面側に向かって移動する。
中軸取付部材161の端部がレール164に沿ってキャビネット100の背面側から正面側に向かって移動すると、中軸取付部材161の他方の端部に取り付けられている中軸117も、キャビネット100の背面側から正面側に向かって移動される。中軸117が移動するときには、開閉パネル110にも、キャビネット100の背面側から正面側に向かって押される力が加えられる。
開閉パネル110は中軸117だけでなく、下軸118によってもキャビネット100に支持されている。そのため、上モータ181が駆動されないまま、このように開閉パネル110に力が加えられると、開閉パネル110は下軸118を中心にして、開閉パネル110の上端が、キャビネット100の背面側から正面側に押し出されるように回動する。開閉パネル110がこのように回動すると、上モータ歯車182と上軸取付歯車153を介して上軸取付部材151に取り付けられている上軸116が、上軸取付部材151の上フック152から外れる。
上軸116が上フック152から外れることによって、開閉パネル110は、中軸117と下軸118とによってキャビネット100の吹出口120に支持される。
次に、下モータ191がさらに駆動され、下モータ歯車192がさらに図において時計回りに回転する。下モータ歯車192がさらに時計回りに回転すると、下モータ歯車192と噛み合っている中軸取付歯車165もさらに反時計回りに回転し、中軸取付歯車165に取り付けられている中軸取付部材161の端部がレール164に沿って、さらにキャビネット100の正面側に向かって移動される。中軸取付部材161がキャビネット100の背面側から正面側に向かって移動されると、中軸取付部材161に取り付けられている中軸117も、キャビネット100の背面側から正面側に向かって移動される。
中軸117がキャビネット100の背面側から正面側に向かって移動されると、開閉パネル110もキャビネット100の背面側から正面側に向かって移動する方向に、中軸117を中心に力を受ける。しかし、開閉パネル110は中軸117だけでなく、下軸118によってもキャビネット100に支持されており、下軸118は下フック172によって筐体に固定されている。そのため、開閉パネル110は、下軸118を中心にして、開閉パネル110の上端が、キャビネット100の背面側から正面側に押し出されるように、回動する。下軸118を中心にして、このように開閉パネル110が回動すると、開閉パネル110の下端は、開閉パネル110の上端と逆に、キャビネット100の背面側に向かって回動される。開閉パネル110は、表面111を下に、裏面112を上に向けた状態にされる。
このようにして、吹出口120の下部において中軸117と下軸118とで開閉パネル110が支持されて、吹出口120が開放される。開閉パネル110は吹出口120の下部において支持されているので、開閉パネル110の上端114と吹出口120の上端121との間は、開閉パネル110の下端115と吹出口120の下端122との間よりも大きく開放されている。また、開閉パネル110の下端115は、吹出口120の下端122と離隔されている。
開閉パネル110がこのように吹出口120に支持された状態でファン130と熱交換器140とが駆動されると、ファン130によって送出される空気の大部分は、開閉パネル110の裏面112と吹出口120の上端121との間を通って、キャビネット100の外に送出される。また、ファン130によって送出される空気の残りは、開閉パネル110の表面111と吹出口120の下端122との間を通って、キャビネット100の外に排出される。
冷房運転では、空気調和対象室内の空気よりも冷たい空気がファン130によって送出される。開閉パネル110の表面111と裏面112の両面に沿って、ファン130によって送出される冷たい空気が流れるので、ファン130によって送出される空気と空気調和対象室内の空気との間に温度差があっても、開閉パネル110の表面111と裏面112との間には温度差が生じにくい。そのため、開閉パネル110に断熱材を設けなくても、開閉パネル110に結露が生じにくい。
また、湾曲した板状の開閉パネル110の裏面112が吹出口120の上端121の方向を向くようにして吹出口120が開放されているので、吹出口120から送出された冷たい空気は、天井に向かって流れる。天井に向かって流れた冷たい空気は、天井に沿って流れて、壁面に衝突し、壁面に沿って床面に向かって流れるので、空気調和対象室内の人に直接、冷たい風が当たることを防ぐことができる。
以上のように、空気調和機1は、ファン130と、キャビネット100と、板状の開閉パネル110と、上軸116と、下軸118と、中軸117と、上モータ181と、下モータ191とを備える。
キャビネット100はファン130を収容する。開閉パネル110は、ファン130によってキャビネット100から送出される空気を吹き出すための吹出口120を開放または閉塞する。上軸116は、開閉パネル110を吹出口120の上部においてキャビネット100に支持する。下軸118は、開閉パネル110を吹出口120の下部においてキャビネット100に支持する。中軸117は、開閉パネル110を上軸116と下軸118との間においてキャビネット100に支持する。上モータ181は、上軸116を移動させる。下モータ191は、中軸117を移動させるとともに、上軸116を中心に、または、下軸118を中心にして開閉パネル110を回動させる。
上軸116を中心に、または、下軸118を中心にして回動させられた開閉パネル110は、吹出口120の上端121と下端122とから離隔して吹出口120に支持される。
このように構成された空気調和機1では、上軸116を中心にして開閉パネル110が回動させられると、開閉パネル110は、吹出口120の上端121と下端122とから離隔して吹出口120に支持される。上軸116は下軸118よりも上方に配置されているので、開閉パネル110は比較的上部を中心に回動されて、吹出口120に支持される。このようにして吹出口120に支持された開閉パネル110と吹出口120の下端122との間には、開閉パネル110と吹出口120の上端121との間よりも大きな間隔があけられる。
開閉パネル110と吹出口120の下端122との間には、開閉パネル110と吹出口120の上端121との間よりも大きな間隔があけられているので、ファン130が駆動されると、ファン130によって送出される空気は、全体的に下向きに送出される。また、ファン130によって送出される空気は、吹出口120の上端121と開閉パネル110の上端114との間と、吹出口120の下端122と開閉パネル110の下端115との間との両方を通って、キャビネット100から送出される。すなわち、ファン130によって送出される空気は、板状の開閉パネル110の両表面111に沿って流れて、キャビネット100から送出される。
一方、下軸118を中心にして開閉パネル110が回動させられると、開閉パネル110は、吹出口120の上端121と下端122とから離隔して吹出口120に支持される。下軸118は上軸116よりも下方に配置されているので、開閉パネル110は比較的下部を中心に回動されて、吹出口120に支持される。このようにして吹出口120に支持された開閉パネル110と吹出口120の上端121との間には、開閉パネル110と吹出口120の下端122との間よりも大きな間隔があけられる。
開閉パネル110と吹出口120の上端121との間には、開閉パネル110と吹出口120の下端122との間よりも大きな間隔があけられているので、ファン130が駆動されると、ファン130によって送出される空気は、全体的に上向きに送出される。また、ファン130によって送出される空気は、吹出口120の上端121と開閉パネル110の上端114との間と、吹出口120の下端122と開閉パネル110の下端115との間との両方を通って、キャビネット100から送出される。すなわち、ファン130によって送出される空気は、板状の開閉パネル110の表面111と裏面112の両表面に沿って流れて、キャビネット100から送出される。
このように、ファン130によって送出される空気が開閉パネル110の両表面111に沿って流れるので、開閉パネル110の両表面111の温度がほぼ同じ温度にされる。したがって、ファン130によって送出される空気と、空気調和対象室内の空気との間に温度差がある場合にも、開閉パネル110の表面111と裏面112の両表面の間に温度差が生じにくく、開閉パネル110に結露しにくい。開閉パネル110に結露しにくいので、開閉パネル110に断熱材を設ける必要がない。
このようにすることにより、吹出口120から上向きと下向きの両方の向きに空気を送出することが可能であり、かつ、開閉パネル110に断熱材を貼る必要がない空気調和機1を提供することができる。
また、空気調和機1は、空気調和機1が暖房運転を行なう場合に、上モータ181が上軸116を移動させることによって下軸118をキャビネット100から外し、下モータ191が中軸117を移動させるとともに開閉パネル110を上軸116を中心にして回動させるように構成されている。
このようにすることにより、開閉パネル110を、上軸116を中心にして回動し、吹出口120の上端121と下端122とから離隔して吹出口120に支持しやすくなる。また、このようにすることにより、ファン130によって送出される空気を下向きにしやすくなる。なお、暖房運転では、ファン130によって送出される空気は、空気調和対象室内の空気と比較して温度が高く、空気調和対象室内の上部に滞留しやすい。そこで、ファン130によって送出される空気を下向きにすることによって、暖かい空気が空気調和対象室内の下部に流れやすくすることができる。
また、空気調和機1は、空気調和機1が冷房運転を行なう場合に、下モータ191が中軸117を移動させることによって上軸116をキャビネット100から外し、下モータ191が中軸117を移動させるとともに開閉パネル110を下軸118を中心にして回動させるように構成されている。
このようにすることにより、開閉パネル110を、下軸118を中心にして回動し、吹出口120の上端121と下端122とから離隔して吹出口120に支持しやすくなる。また、このようにすることにより、ファン130によって送出される空気を上向きにしやすくなる。なお、冷房運転では、ファン130によって送出される空気は、空気調和対象室内の空気と比較して温度が低く、空気調和対象室内の下部に滞留しやすい。そこで、ファン130によって送出される空気を上向きにすることによって、冷たい空気が空気調和対象室内の下部に流れて、直接、空気調和対象室内の人に当たって不快感を与えることを防ぐことができる。
また、空気調和機1は、下軸118をキャビネット100に取り付けるための下軸取付部材171を備える。下軸取付部材171はバネ173を含み、バネ173は、キャビネット100に取り付けられた下軸118をキャビネット100の外側に向かって付勢する。
このようにすることにより、開閉パネル110の下軸118を空気調和機1のキャビネット100から取り外すことが容易になる。
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものである。
1:空気調和機、100:キャビネット、110:開閉パネル、116:上軸、117:中軸、118:下軸、120:吹出口、121:吹出口の上端、122:吹出口の下端、130:ファン、171:下軸取付部材、173:バネ、181:上モータ、191:下モータ。

Claims (4)

  1. ファンと、
    前記ファンを収容する筐体と、
    前記ファンによって前記筐体から送出される空気を吹き出すための吹出口を開放または閉塞する板状の開閉部材と、
    前記開閉部材を前記吹出口の上部において前記筐体に支持する第1の可動軸と、
    前記開閉部材を前記吹出口の下部において前記筐体に支持する固定軸と、
    前記開閉部材を前記第1の可動軸と前記固定軸との間において前記筐体に支持する第2の可動軸と、
    前記第1の可動軸を移動させる第1の駆動部と、
    前記第2の可動軸を移動させるとともに、前記第1の可動軸を中心に、または、前記固定軸を中心にして前記開閉部材を回動させる第2の駆動部とを備え、
    第1の可動軸を中心に、または、前記固定軸を中心にして回動させられた前記開閉部材は、前記吹出口の上端と下端とから離隔して前記吹出口に支持される、空気調和機。
  2. 当該空気調和機が暖房運転を行なう場合に、
    第1の駆動部が前記第1の可動軸を移動させることによって前記固定軸を前記筐体から外し、前記第2の駆動部が前記第2の可動軸を移動させるとともに前記開閉部材を前記第1の可動軸を中心にして回動させるように構成されている、請求項1に記載の空気調和機。
  3. 当該空気調和機が冷房運転を行なう場合に、
    第2の駆動部が前記第2の可動軸を移動させることによって前記第1の可動軸を前記筐体から外し、前記第2の駆動部が前記第2の可動軸を移動させるとともに前記開閉部材を前記固定軸を中心にして回動させるように構成されている、請求項1に記載の空気調和機。
  4. 前記固定軸を前記筐体に取り付けるための取付部材を備え、
    前記取付部材はバネを含み、
    前記バネは、前記筐体に取り付けられた前記固定軸を前記筐体の外側に向かって付勢する、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の空気調和機。
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