JP5897162B2 - Psf1遺伝子発現抑制剤 - Google Patents
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Description
項1.
PSF1遺伝子発現抑制活性を有する、キュウリグサ(Trigonotis peduncularis)、ウワバミソウ(Elatostema involucratum)、プナー(Tetramerista glabra)、及びヘリコニア・コリンシアナ(Heliconia collinsiana)から成る群より選択される1種以上の植物の抽出物を含む、PSF1遺伝子発現抑制剤。
項2.
がんの予防又は治療剤である、項1に記載のPSF1遺伝子発現抑制剤。
項3.
該抽出物が、アルコール抽出物である、項1又は2に記載のPSF1遺伝子発現抑制剤。
項4.
該抽出物が、ウワバミソウの脂肪酸低級アルキルエステル溶媒抽出物又は塩化脂肪族低級炭化水素溶媒抽出物である、項1又は2に記載のPSF1遺伝子発現抑制剤。
項5.
該抽出物が、ウワバミソウの地上部、プナーの果実、ヘリコニア・コリンシアナの葉の抽出物である、項1〜3のいずれかに記載のPSF1遺伝子発現抑制剤。
項6.
PSF1遺伝子発現抑制活性を有する、キュウリグサ(Trigonotis peduncularis)、ウワバミソウ(Elatostema involucratum)、プナー(Tetramerista glabra)、及びヘリコニア・コリンシアナ(Heliconia collinsiana)から成る群より選択される1種以上の植物の抽出物が濃縮された食品。
項7.
PSF1遺伝子発現抑制活性を有するキュウリグサ(Trigonotis peduncularis)、ウワバミソウ(Elatostema involucratum)、プナー(Tetramerista glabra)、及びヘリコニア・コリンシアナ(Heliconia collinsiana)から成る群より選択される1種以上の植物の抽出物のPSF1遺伝子発現抑制させるための使用(但し、ヒトに対する医療行為を除く)。
項8.
PSF1遺伝子発現抑制活性を有するキュウリグサ(Trigonotis peduncularis)、ウワバミソウ(Elatostema involucratum)、プナー(Tetramerista glabra)、及びヘリコニア・コリンシアナ(Heliconia collinsiana)から成る群より選択される1種以上の植物の抽出物を、PSF1遺伝子発現抑制が必要な対象に投与することを含む、癌の治療方法。
製造例1:キュウリグサ、ウワバミソウの抽出物の調製
高知県(日本)で採集したキュウリグサの全草の乾燥物2グラムに80%エタノール20mlを加え、50℃で8時間時々振盪し、室温で一晩静置した。これを自然濾過し、濾液の一部10mlを50℃で窒素パージを用いて乾燥させ、次いで一晩凍結乾燥させて、キュウリグサの抽出物129mgを得た。同様の手順で、80%エタノール20mlを用い、高知県(日本)で採集したウワバミソウの地上部の乾燥物2グラムから得られた濾液の一部10mlを乾固させ、抽出物123mgを得た。
プナーの果実及びヘリコニア・コリンシアナの葉の乾燥物各100gにメタノール約1リットルを加え、室温で、時々振盪しながら4日間静置した。これを濾過し、濾液を40〜45℃にてロータリーエバポレートを用いて減圧濃縮した。得られた残渣を、真空ポンプを用いて一晩乾燥し、プナー、ヘリコニア・コリンシアナの抽出物をそれぞれ10.28g、9.18g得た。
PSF1遺伝子プロモーター制御下にEGFPを発現する肺がん細胞株 LLC (Cancer Res 70, 1215-1224, 2010)を、大阪大学から入手した。この細胞株を10%胎仔牛由来血清(FCS)、100 units/mlのペニシリン、100 μg/mlのストレプトマイシンを添加したDMEM中で、5% CO2、37℃の条件下で培養した。このようにして培養したLLCを104細胞ずつ6well培養皿に播種し、2mlの上記培養液中で24時間培養した。上記製造例1及び2で得た各抽出物を、最終濃度が100μg/mlとなるようにdimethyl sulfoxide (DMSO; ナカライ テスク社製)に溶解し、2μlをLLCを培養したウェルに添加した。ネガティブコントロールには、DMSOのみを2μl添加した。ポジティブコントロールには、製造例1と同様の方法でRhus taitensisの葉から得た抽出物を最終濃度が100μg/mlとなるように添加した。その後、前記培養条件で16時間培養し、細胞の形態を顕微鏡で観察した。結果を図1に示す。ネガティブコントロールの細胞像と同様に、キュウリグサ、ウワバミソウ、プナー、及びヘリコニア・コリンシアナの抽出物を添加した細胞の形態は特に変化なく、細胞死が誘導されていないことが示された。一方、Rhus taitensisの抽出物を添加した細胞では、球状に変化し、培養液中に浮いていたため、細胞死の誘導が確認された。
試験例1と同じ条件で培養したLLC細胞を5%FCSを含むリン酸緩衝液(PBS)で1回洗浄した後、500μlの5%FCSを含むPBSに分散させた。そこに、propidium iodide(PI:BD Bioscience社製)を2μl加えて穏やかに混和し、室温、暗所で15分間反応させた。その後、細胞をフローサイトメーター(FACS Calibur:Becton Dickinson社製)に供し、GFP蛍光強度(横軸)及びPI蛍光強度(縦軸)についてフローサイトメトリー法を用いて解析した(図2)。ネガティブコントロールの細胞ではほとんどがGFP陽性PI陰性である。これは、細胞が生存しており、PSF1の遺伝子が転写され続けていることを意味する。一方、ポジティブコントロールであるRhus taitensisの抽出物を添加した細胞では、PI強度が上昇し、細胞死が誘導されたことが確認された。これらと比較して、キュウリグサ、ウワバミソウ、プナー、及びヘリコニア・コリンシアナの抽出物を添加した細胞では、PIの強度はさほど上昇せず、GFP強度は低下することが確認された。この結果から、キュウリグサ、ウワバミソウ、プナー、及びヘリコニア・コリンシアナの抽出物によって、細胞死は誘導されないがPSF1遺伝子のプロモーター活性が抑制されることが判明した。
定量リアルタイムPCR を用いて、LLC細胞,ヒトglioma細胞 (A172), breast cancer細胞 (MCF7), lung cancer細胞 (RERF-LC-KJ), gastric cancer細胞 (HGC-27), colon cancer細胞 (HT29), prostate cancer細胞 (PC3), cervical cancer細胞 (HELA),及びleukemia細胞 (MEG01)におけるPSF1遺伝子の発現に対する影響を検討した。これらの細胞を試験例1と同様の条件で培養し、各抽出物で処理したがん細胞から、kit (Qiagen社製)を用いて、トータルRNAを得た。尚、LLC細胞以外の細胞については、各抽出物を最終濃度が500μg/mlとなるように10μl添加し、その際のネガティブコントロールにおいてはDMSOのみを10μl添加した。次に、ExScript RT reagent Kit(タカラ社製)を用いて、回収した各全RNAからcDNAをそれぞれ合成し、得られたcDNAを用いて、PSF1の発現をリアルタイムPCR法によって解析した。比較対照として解糖系酵素であるGAPDH(Glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase)のmRNAの発現量も測定した。リアルタイムPCRは、Stratagene Mx300P (Stratagene社製)を用いて実施した。マウスPSF1をPCRで合成する際のプライマーとして、以下の配列を用いた。
5´- CTCCCAGCGACCTCATGTAA -3´(配列番号2)
マウスGAPDHをPCRで合成するためのプライマーとして以下の配列を用いた。
5´- AACTTTGGCATTGTGGAAGG -3´(配列番号3)
5´- GGATGCAGGGATGATGTTCT -3´(配列番号4)
ヒトPSF1をPCRで合成する際のプライマーとして、以下の配列を用いた。
5´- ACCTGTATGACCGCTTGCTTC -3´(配列番号5)
5´- TTCATCTCCTCCCAGTGAC-3´(配列番号6)
ヒトGAPDHをPCRで合成する際のプライマーとして、以下の配列を用いた。
5´- ACCCAGAAGACTGTGGATGG -3´(配列番号7)
5´- CCCTGTTGCTGTAGCCAAAT -3´(配列番号8)
KLN205細胞(マウス扁平上皮肺癌細胞)は独立行政法人理化学研究所から入手した。この細胞を、10%FBS (Hyclon社)、Non-Essential Amino Acids (Lonza社)、ペニシリン(100units/ml ;Invitrogen社)、及びストレプトマイシン (100μg/ml; Invitrogen社)を含有するEagle MEM(日水製薬社)を用いて培養した。80%コンフレントまで培養後、Trypsin/EDTA (Invitrogen社)により回収し、PBSにて2.0x106細胞/mLに調製した。
下記の表1に示す各種の抽出溶媒10mlを用い、上記製造例1と同様の手順で、ウワバミソウの地上部1g(乾燥重量)から抽出物を調製した。但し、「還流」の記載があるものは、還流温度で1時間還流抽出を行った。各抽出物について、試験例1及び2と同様の試験を行い、細胞死誘導活性はなく、PSF1遺伝子発現抑制活性を有するものについて、活性ありと判断した。その結果を表1に示す。
Claims (7)
- PSF1遺伝子発現抑制活性を有する、キュウリグサ(Trigonotis peduncularis)、ウワバミソウ(Elatostema involucratum)、プナー(Tetramerista glabra)、及びヘリコニア・コリンシアナ(Heliconia collinsiana)から成る群より選択される1種以上の植物の抽出物を含む、PSF1遺伝子発現抑制剤。
- PSF1遺伝子発現抑制活性を有する、ウワバミソウ(Elatostema involucratum)の地上部の抽出物、プナー(Tetramerista glabra)の果実の抽出物、又はヘリコニア・コリンシアナ(Heliconia collinsiana)の葉の抽出物を含む、PSF1遺伝子発現抑制剤。
- がんの予防又は治療剤である、請求項1又は2に記載のPSF1遺伝子発現抑制剤。
- キュウリグサ(Trigonotis peduncularis)、ウワバミソウ(Elatostema involucratum)、プナー(Tetramerista glabra)、及びヘリコニア・コリンシアナ(Heliconia collinsiana)から成る群より選択される1種以上の植物をアルコール抽出することを含む、請求項1に記載のPSF1遺伝子発現抑制剤の製造方法。
- ウワバミソウを脂肪酸低級アルキルエステル溶媒又は塩化脂肪族低級炭化水素溶媒で抽出することを含む、請求項1に記載のPSF1遺伝子発現抑制剤の製造方法。
- PSF1遺伝子発現抑制活性を有する、プナー(Tetramerista glabra)、及びヘリコニア・コリンシアナ(Heliconia collinsiana)から成る群より選択される1種以上の植物の抽出物が濃縮された食品。
- PSF1遺伝子発現抑制活性を有するキュウリグサ(Trigonotis peduncularis)、ウワバミソウ(Elatostema involucratum)、プナー(Tetramerista glabra)、及びヘリコニア・コリンシアナ(Heliconia collinsiana)から成る群より選択される1種以上の植物の抽出物のPSF1遺伝子発現抑制させるための使用(但し、ヒトに対する医療行為を除く)。
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