JP5896882B2 - 複合多層ニッケル電気めっき層およびその電気めっき方法 - Google Patents

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Description

本発明は、複合多層、特に、三層ニッケル電気めっき層およびその電気めっき方法に関する。
電解析出は、最も一般的なニッケルめっき技術であって、金属基材の腐食防止に広く適用されている。そのため、ニッケルめっき層は、めっき最外層としてもよく、貴金属電気めっきの下地層としてもよい。ニッケルめっき層は、電気めっき最外層に適応すると、主にインテリア性と機能性の効果を有し、例えば、半光沢または光沢、耐食性および耐摩耗性を有することができる。更なる複雑な電気めっき方法において、貴金属またはその合金が電気めっき最表層とする時に、ニッケルめっき層は、中間層として基材と電気めっき最表層とを好適に張り合わせる。特に、電気めっき最表層が部分的に、若しくは、完全に破損される時に、ニッケルめっき層は耐食層の代わりとしてもよい。
米国特許US4,767,509明細書には、塩化浴を用いてニッケル-リンを基材上に電気めっきする方法が開示されており、全塩素塩電気めっき液は、従来の硫酸塩浴技術より、高い陰極効率、優れた導電性を有し、また、電気めっき工程中に少量の析出しか現れないという長所などを有している。
米国特許US6,099,624明細書には、アルキルスルホン酸ニッケルのような高導電性の電解質を用いてニッケル-リンを電気めっきする方法が開示されており、該方法は高速電気めっきに関する解決手段を提供した。
しかしながら、単層ニッケルは、(1)電気めっき浴効率の劣化、(2)電気めっき層内に存在する比較的に高い内部応力、と言う回避できない欠点を有している。前記(1)の場合、電気めっき浴効率の劣化によって、ニッケル電気めっき層の厚さの増加と伴って電気めっきの析出速度が低下する。例えば、ワット(Watts)ニッケルめっき浴のような硫酸ニッケル含有電気めっき浴の場合、陰極効率とめっき液導電率が相対的に低いため、適切な電気めっき層を得るのは、高電圧または長時間が必要となる。代わりにリン-ニッケルを採用すれば、めっき液の低導電率による電気めっき効率が低くなる以外に、得られるめっき層が常に高い内部応力を有し、それによってめっき層の密着力が低くなるとともに延性に欠ける。さらに、内部応力問題は、めっき層厚さの増加によって重大になる。このような欠陥を有するニッケル電気めっき層は、容易に剥離、裂けまたはクラックし、電気めっき層の一部または全部の保護機能が無効になる。同様な破損効果は、ニッケル層を貴金属電気めっきの下地層とする時にも発揮し、しかも二層の電気めっき層がいずれも破損される。
米国特許US4,908,280明細書には、耐傷付き性と耐食性を有する二層ニッケルの製造方法が開示され、第一層がニッケルめっき層であり、第二層がニッケル-リンめっき層である。二層のニッケルがあるため、増加した厚さでめっき層の耐傷付き性を向上させることができる。
ところで、従来のニッケル電気めっき技術は、単層ニッケルであっても二層ニッケルであっても、限られた耐食性しか提供できなく、耐食性に対する綜合的な要件、特にコーラ電解試験(アップル社の標準)のような新しい業界標準を確実に満たせない場合がよくある。耐コーラ電解試験は、加速試験の方法であって、電気めっき後の部材が少ない塩化ナトリウムのような塩を添加したコーラ溶液で電解した後の耐食性効果を測定する。該試験が非常に厳しいため、下地層がなければ金または金-コバルト電気めっき層が腐食される。
謝原寿ら(MATERIAL PROTECTION, Vol.31, No.6, June,1998)のNd-Fe-B粉末合金の多層電気めっき保護技術に関する研究結果により、化学ニッケルーリンめっき(Ni-P)または銅ニッケル(Cu-Ni)合金めっき層が下地層としてNd-Fe-B基体に優れた気密性を有している。その後めっきを施した高硫ニッケル層の電位が最上層とする半光沢ニッケルと下地層とする銅-ニッケル(Cu-Ni)またはNiP化学めっき層より低いため、腐食が高硫ニッケル層中の横方向に進行するように抑制され、Cu-Ni/Ni-P/高硫-Ni/半光沢ニッケル系と、Ni-P/高硫-Ni/半光沢ニッケル系とは保護性に優れている。日本特許文献JP7-331486AとJP8-3763Aには、それぞれ耐食性を改善した磁性合金の製造方法が開示されている。前者は、具体的に合金の表面に三層のめっき層が積層され、平滑なニッケルめっき膜を合金表面の基膜とし、銅めっき層を中間層とし、Ni-P合金めっき層を表層とし、めっき膜は、好ましくは、電気めっきで密着性の良好なめっき膜が形成され、ピンホールを有効に防止し、耐食性を向上させる。後者は、特定組成の磁性基体金属合金に、アルカリ性無電解めっき浴を用いて銅またはニッケルめっき層を形成し、次いで電気銅めっき層またはニッケル電気めっき層を中間層とし、更に該表面に電気めっきで形成されるリン-ニッケル合金を表層とする。それによって、磁性合金の耐食性が著しく改善される。中国特許文献CN101978096Aは、基板に、好ましくは銅系基板上のNi-P層を含む耐食性の導電層システムおよびその製造方法に関するものである。かかる導電層システムは、表面が電解研磨された基板の(i)Ni層と、(ii)Ni-P層と、(iii)Au層とを備える。
これらの既存技術には様々な多層電気めっき技術が開示されているが、いずれも化学的観点だけから被めっき基板の良好な耐食性と耐摩耗性を実現させた。それ以外、内部応力、ウィスカ成長率、剥離、亀裂、ウロコのリスクを減少させ、溶接性を向上させることについて、いずれも関わっていない。
各種のニッケルめっき層中に、リン-ニッケルが最も内部応力を有している。方法全体において、最初にリン-ニッケル層を電気めっきすると、高内部応力によって多層ニッケルめっきには、めっき下地層から亀裂または剥離が生じる。改良した耐食性、耐久性、導電性、溶接性を実現するため、優先的に解決すべき課題は、ニッケル電気めっき層中に存在する高内部応力の低減および低い電気めっき効率である。
米国特許US4,767,509明細書 米国特許US6,099,624明細書 米国特許US4,908,280明細書 日本特許文献 特開平7-331486 日本特許文献 特開平8-3763 中国特許文献CN101978096A
化学的観点だけから問題を解決しようとする既存のニッケルめっき技術と違って、本発明は、化学的と物理的観点から分析した上で問題を解決しようとする。まず、本発明は、異なるニッケル電気めっき層の内部応力方向が逆向きであるという特徴から、特定の電気めっき順序を決め、内部応力の大部分を解消させる。次いて、本発明では、金属粒子構造が密に配置される二層ニッケルめっき層の間に、柱状構造を有するニッケル電気めっき層(図1に示す)を電気めっきし、該比較的に疎な柱状構造が、被めっき表面とほぼ垂直になり、構造がコンパクトなニッケル電気めっき層間に発生する応力を緩衝する。
具体的には、本発明は、複合多層ニッケル電気めっき層およびその電気めっき方法に関し、前記電気めっき方法で製造される複合多層ニッケル電気めっき層は、第一層のニッケルめっき層と、第二層のニッケルめっき層と、表層のニッケルめっき層とを含み、該三層のニッケルめっき層は、被めっき基材上において、各層のニッケルの内部応力方向が隣接するめっき層の応力方向と逆向きであるような電気めっき順序で配置される。前記第一層のニッケルめっき層が平滑なニッケルであり、前記第二層のニッケルめっき層が半光沢ニッケルであり、前記表層がリン-ニッケルめっき層である。また、本発明の複合多層ニッケル電気めっき層において、ニッケル電気めっき層間の応力を緩衝するため、第二層のニッケル電気めっき層が柱状の構造を有している。隣接するめっき層間の内部応力方向が逆向きであることと、第二層のニッケル電気めっき層が柱状構造を有することとの相乗効果により、ニッケル電気めっき層における内部応力の大部分を削減させることが可能である。本発明は、好ましくは、平滑なニッケル、半光沢ニッケルおよびリン-ニッケルの三層ニッケルを採用する。前記複合多層ニッケルまたは三層ニッケルを順次に金属基材上に電気めっきすることで、めっき層の耐食性と耐摩耗性を向上させ、上記の課題を解決することが可能である。本発明における「耐食性」とは、コーラ電解と塩水噴霧の腐食に対する抵抗力を表す機能であり、表層が貴金属である場合には、例えば、金または金合金の電気めっき層、硝酸蒸気に対する抵抗力を表す機能でもある。本発明の方法では、リン-ニッケルめっき層が必ず最上層であるが、平滑なニッケルと半光沢ニッケルの電気めっき順序も非常に重要である。本発明の複合多層ニッケル電気めっき層は、めっき最外層にしてもよく、貴金属電気めっきの下地層にしてもよい。
本発明は、異なるニッケル電気めっき層の特定の物理的形状(図1を参照)、物理的性質と化学構造を用いて、対応する多層ニッケル電気めっき方法を設計し、特有の複合多層ニッケル電気めっき層が得られる。本発明において、電気めっきの順序が非常に重要であり、前記第一層のニッケルが最初に析出し、次いて前記第二層のニッケルが析出し、前記第一層と前記第二層のニッケルは、一回から数回までの析出を繰り返すことが可能である。平滑なニッケルは、第一層として、各種の基材表面の気孔等の欠陥を補填することにより、金属粒子が密に配置され、平滑な表面を有する電気めっき層が形成される。半光沢ニッケルめっきは、第一層の上に第二層として、平滑なニッケルと平滑なニッケルとの間または平滑なニッケルとリン-ニッケルとの間に緩衝層として、上下二層のニッケルによる内部応力を削減させるという効果を発揮する。本発明では、リン-ニッケルを用いる表層ニッケルは、最後に析出し、ハードコート層に表われ、耐摩耗性に優れ、下地層のニッケルを保護する効果を発揮する。多層ニッケル、特に、三層ニッケル電気めっき層において、各層の内部応力の配向が異なるため、第一層の平滑なニッケルと表層のリン-ニッケル(三層ニッケルであれば、第三層となる)の内部応力が、いずれも引張応力(tensile stress)であるが、第二層の半光沢ニッケルの内部応力が、圧縮応力(compressive stress)であり、このような電気めっき順序で複合多層ニッケル電気めっき層における各層ニッケルの内部応力方向が、隣接するニッケル層の内部応力と逆向きであり、ニッケル電気めっき層中の内部応力の大部分を削減させる。本発明の複合多層ニッケル電気めっき層の第二層のニッケルめっき層は、被めっき金属基材表面とほぼ垂直になる柱状構造の半光沢ニッケルであるため、構造コンパクトで隣接するニッケル電気めっき層の間に生じた応力を緩衝できる。そのため、本発明のニッケル電気めっき方法で製造され物理的形状を有する複合多層または三層のニッケル電気めっき層は、リン-ニッケル層、つまり、表層ニッケルに生じる高い内部応力を削減する。従って、本発明の方法で製造されるめっき層の内部応力は、一般の方法に比べ、最大77%減少することができ、めっき層の密着力、耐剥離性と耐摩耗性を大幅に向上させることができる。
本発明は、さらに、基材の耐食性を高めるため、金属基材上に析出され、平滑なニッケルと、半光沢ニッケルと、リン-ニッケルとを含む複合多層または三層ニッケルの電気めっき方法を提供する。本発明における「耐食性」とは、コーラ電解、硝酸蒸気と塩水噴霧腐食に対する抵抗力を表す機能である。本発明の方法によって、ニッケルめっき層の内部応力を低減し、ウィスカの発生と剥離面積を減少させることが可能になる。
本発明の複合多層ニッケルの電気めっき方法は、金属基材に適用され、コーティング層表面の酸化を抑制し、溶接性を高めた。前記方法で製造される多層ニッケル電気めっき層は、耐食性と耐摩耗性に優れ、電気めっき最外層に適用し、貴金属電気めっきの下地層としてもよい。本発明は革新的なニッケル電気めっき工程を提供し、冗長な従来の工程に対し、時間短縮させて新たな工程に改良した。
本発明の方法で保護される金属基材は、鉄系材料と有色金属を含み、例えば、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、すず、すず合金、ステレス鋼、ステレス鉄、マグネシウム、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、亜鉛合金などを含む。
まとめると、本発明は、複合多層ニッケル電気めっき層およびその電気めっき方法に関し、前記複合多層電気めっき層が、第一層のニッケルと、第二層のニッケルと、表層のニッケルとを含み、第二層のニッケルの内部応力方向が、隣接する上下二層のニッケル電気めっき層の応力方向と逆向きである。前記第一層と第二層のニッケルに対して、一回から数回までの析出を繰り返す。また、本発明の複合多層ニッケル電気めっき層において、前記第二層のニッケルは、被めっき金属基材表面とほぼ垂直になる柱状構造の半光沢ニッケルである。本発明の複合多層ニッケル電気めっき層において、前記平滑なニッケルが第一層として細孔または基材表面の欠陥を補填することによって、形成された電気めっき層は、密に配置される粒子の状態で存在する。第二層の半光沢ニッケルめっき層は、下地層(平滑なニッケル)と、隣接するめっき層または最上層(リン-ニッケル)のニッケル電気めっき層との間の内部応力を緩衝するような効果を発揮する。前記半光沢ニッケルめっき層は、被めっき金属基材表面とほぼ垂直になる柱状構造を有し、このような柱状構造が比較的に疎であり、かつその応力方向が隣接する平滑なニッケルおよび最外層のリン-ニッケルの応力方向と逆向きであるため、めっき層内の応力の大部分が相互に相殺する。最上層のリン-ニッケルは、ハードコート層に表われ、優れた耐摩耗性を有し、下地層のニッケルを保護するような効果を発揮する。そのため、本発明の多層ニッケル電気めっき方法の析出順序は、前記第一層のニッケルが最初に析出し、次いて前記第二層のニッケルが析出し、前記第一層と第二層のニッケルに対して一回から数回までの析出を繰り返すことが可能であり、表層のニッケルが最後に析出するようになる。多層、特に、三層ニッケルめっきは、このような順序で析出を行い、ニッケル電気めっき層全体の内部応力を最大限に減少させる。
以下、本発明の電気めっき方法について順次に詳しく説明する。
ステップ1:表面洗浄処理
電気めっきを操作する前に、陰極にある部材表面に、鉱物油、防錆油、切削水(冷却液)、潤滑グリース、塗料、指紋、不純物の固体粒子、酸化物、角層、煤および錆びなど各種の油脂と不純物を除去する。
ステップ2:表面活性化(オプション)
洗浄後のサンプルを5-15%希硫酸のような酸性溶液中に入れ、基材に活性化させる。一方、酸も洗浄ステップで基材表面に残留した少量のアルカリに中和する。
ステップ3:ニッケル予備めっき(オプション)
洗浄または洗浄と活性化を経過した基材に、予備めっきを実施する。具体的な方法は工業上一般的に使用される予備めっき工程に参照してもよく、本発明に提供される方法で行ってもよい。本発明の方法とは、NiCl2 (250 g/L)とHCl (125 g/L)の電気めっき液で、めっき浴を室温に維持し、陽極電流密度5ASDの電気めっき条件下で基材に対し30秒間の電気めっきを施すという方法である。
ステップ4:多層ニッケルの電気めっき方法
(1)電極:チタンメッシュに配置される高純度なニッケルブロックをニッケル電気めっきの陽極とする。同様にニッケル帯とニッケル棒も電極として適用される。
(2)多層ニッケルの電気めっき方法のパラメータは下記の通りである。
表1 平滑なニッケル
表2 半光沢ニッケル
表3 リン-ニッケル
注:上記RamChemコーキング剤、RamChem光沢剤、RamChem湿潤剤、RamChem R2、RamChemリン補充剤は、いずれもRamChem化学薬品会社の製品であって、市販のものである。
多層ニッケルの電気めっき方法:
多層ニッケル電気めっきの順序は、(i)平滑なニッケル、(ii)半光沢ニッケル、(iii)リン-ニッケルである。
(i)平滑なニッケル
表1に示される割合で、全ての成分を混合して1000Lのめっき液を調製する。めっき浴の温度を45-70℃に、前記溶液のPHを2.5-5.0に維持する。陽極電流密度2.5-25ASDの条件下で10-100秒間の電気めっきを施す。平滑なニッケルめっき層の厚さが20-80μインチである。
(ii)半光沢ニッケル
表2に示される割合で、全ての成分を混合して1000Lのめっき液を調製する。めっき浴の温度を45-70℃に、前記めっき液のPHを2.5-5.0に維持する。陽極電流密度2.5-25ASDの条件下で50-200秒間の電気めっきを施す。半光沢ニッケルめっき層の厚さが約20-100μインチである。
(iii)リン-ニッケル
表3に示される割合で、全ての成分を混合して1000Lのめっき液を調製する。めっき浴の温度を45-70℃に、前記溶液のPHを1.0-2.5に維持させる。陽極電流密度2.5-25ASDの条件下で5-100秒間の電気めっきを施す。リン-ニッケルめっき層の厚さが約5-40μインチである。
(1) 基材の選択
前記多層ニッケル電気めっきは、鉄または非鉄金属基材に適用され、それは銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、すず、すず合金、ステレス鋼、ステレス鉄、マグネシウム、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛、亜鉛合金等を含むが特に限定されない。
本発明の多層ニッケル電気めっき層およびその電気めっき方法は以下のように改良した性能を有する。
本発明の特定の複合多層は、好ましくは、三層のニッケル電気めっき層が、表面コーティング層および金または金合金のような貴金属めっき層の下地層として採用されることが可能である。各種のニッケルめっき層またはニッケルおよび貴金属の表面めっき層の耐食性、耐久性とその他の性能を比較するため、下記の基準で比較試験を行った。
(1)貴金属表層を有する場合と有していない場合のニッケルめっきサンプル、例えば、パラジウム-ニッケル、金-コバルトを表面ペンキとして有する場合と有していない場合のニッケルめっき層。
(2)二層または三層の異なるニッケルめっき層を有するニッケルめっきサンプル。
(3)全てに対し三層のニッケルをめっきしたものの、電解析出順序が異なるサンプル。
貴金属をめっきする前にニッケルめっき層を下地層とするサンプルに対して、同じ貴金属を採用すると同時に、ニッケルめっき層の順序を変更するまたは三層ではなく二層のニッケルめっき層を採用する。結果としては、本発明の複合多層または三層ニッケルの電気めっき方法は、改良した耐食性と耐久性を実現できた。本発明の複合多層または三層のニッケル電気めっきを下地層とし、そして貴金属を表層に電気めっきすることにより、さらにサンプルの耐食性と溶接性を高めた。具体的には、改良した性能が下記の観点で現れる。
(1)改良した耐コーラ電解試験
コーラ電解試験工程において、実施例1の三層ニッケルめっき層をめっきしたサンプルが、腐食浸食に優れた抵抗性を有することが見られる。つまり、平滑なニッケル、半光沢ニッケルとリン-ニッケルの順序を有する三層ニッケルは、最良の結果が得られた。変更した順序(半光沢ニッケル/平滑なニッケル/リン-ニッケル)を有する二層ニッケルサンプルまたは三層ニッケルサンプルも耐コーラ電解試験にある程度の抵抗性を有するが、本発明に提供される三層ニッケルより、良い効果が現れない。
試験結果によれば、ニッケルおよび貴金属めっき層を有するサンプルに対して、電解析出の順序に関係なく、二層ニッケルめっき層を有するサンプルより、三層ニッケルめっき層を有するサンプルが耐食性に優れている。
(2)改良した硝酸蒸気侵食に対する抵抗性
ニッケルめっき層を施した後にAu-CoまたはPd-Niおよび Au-Coをめっきしたサンプルの試験結果を比較する。結果としては、二層ニッケルをめっきした後にAu-Coをめっきすることより、三層ニッケルをめっきした後に最外層としてAu-Coをめっきすることが良い結果を持つ。
(3)改良した塩水噴霧腐食に対する抵抗性
ニッケルだけをめっきしたサンプルの試験結果を比較する。二層ニッケルまたは変更した順序の三層ニッケルより、平滑なニッケル/半光沢ニッケル/リン-ニッケルのような順序の三層ニッケルが優れた性能を持つ。
(4)大幅に減少した内部応力
本発明は、大幅にリン-ニッケルめっき層の内部応力を減少させるという長所を有している。測定により、本発明の方法で製造されためっき層の内部応力は、一般の方法より、最大77%で減少し、内部応力の減少によって剥離と亀裂を防止し、大幅にめっき層の密着力と耐摩耗性を向上させた。また、内部応力の減少によってめっき層におけるウィスカの発生を抑制することができ、該ウィスカの長さが数μmから数mmまでであり、短絡の原因にもなる。
(5)改良した溶接性
ニッケルだけをめっきしたサンプル、またはニッケルめっき層を下地層として貴金属を表層とするサンプルの試験結果を比較する。ニッケルだけをめっきしたサンプルに対して、電気めっきの順序に関係なく、三層ニッケルをめっきしたサンプルは、二層ニッケルをめっきしたサンプルより溶接性に優れている。ニッケル-貴金属めっき層のサンプルに対して、重大な差異が現れない。
本発明の多層ニッケルの電気めっき方法は顕著な効果を持ち、得られるニッケルめっき層は、単独にめっき最表層とする以外に、貴金属電気めっき前の下地層として採用され、そのため、貴金属の用量を低減させ、良い経済的な効果を発揮する。より多くの基材に、コーラ電解、硝酸蒸気と塩水噴霧による腐食に対する抵抗性を含み、改良した耐食性を提供する。本発明の方法により、めっき層の内部応力を減少させ、亀裂、剥離またはクラックの発生する可能性を最低限に抑制する。さらに、本発明は、電気めっき工程の全体時間を短縮すると同時に、基材に優れた耐食性と耐久性を提供し、短時間化かつ経済的な方法を提供する。しかも、被めっき表面の酸化程度を抑制させ、改良した導電性と溶接性が得られる。
図1は、本発明の実施例1における三層ニッケルめっき層のサンプルに対する電子顕微鏡(SEM)の写真である。 ここで、1:第一層の平滑なニッケル、2:第二層の半光沢ニッケル、3:表層のリン-ニッケル、4:銅金属基材、5:充填物。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態についてさらに詳しく説明する。
(本発明の順序に従った三層ニッケル:平滑なニッケル→半光沢ニッケル→リン-ニッケル)
銅片を陰極に接続するとともに、脱脂浴に浸漬する。電圧を5 - 10Vに設定し、約2分間の脱脂を行う。そして、脱イオン水で洗浄した後、10%の硫酸で浸漬して中和かつ活性化させる。再び脱イオン水で洗浄する。スルファミン酸ニッケル100g/L、塩化ニッケル30g/L、ホウ酸40g/L、コーキング剤NHL56LE(市販、RamChem社製品)10mL/L、光沢剤NHL56BR(市販、RamChem社製品)6 mL/Lの成分を含むめっき液で、サンプルを浸漬して平滑なニッケルに電気めっきを施す。電解浴のpHが約3.8である。電流密度15ASDと温度60℃の条件下で、電気めっきを施す。50秒間の電気めっきを施した後、40〜60μインチの平滑なニッケル層が得られる。
それから、脱イオン水でサンプルを洗浄し、スルファミン酸ニッケル80g/L、塩化ニッケル13g/L、ホウ酸40g/L、湿潤剤WA31(市販、RamChem社製品)10mL/L、光沢剤BR311(市販、RamChem社製品)2mL/Lの成分を含む第二の電気めっき液で、サンプルを浸漬して半光沢ニッケルに電気めっきを施す。8ASDの条件下で90秒間電気めっきした後、40〜60μインチの半光沢ニッケルが得られる。採用した電気めっき浴のPHが3.8であり、温度を58℃に維持させる。
続きのステップは、最表層としてリン-ニッケルを電気めっきすることである。脱イオン水でサンプルを洗浄し、スルファミン酸ニッケル100g/L、塩化ニッケル15g/L、ホウ酸40g/L、酸化剤RamTech Nicka 1225 R2(市販、RamChem社製品)30mL/L、光沢剤RamTech Nicka 1225 BR(市販、RamChem社製品)11mL/L、リン補充剤RamTech Nicka 1225 SA(市販、RamChem社製品)15mL/Lの成分を含む第三の電気めっき液で、サンプルを浸漬し、10ASDの条件下で、16秒間電気めっきをした後、15〜30μインチのリン-ニッケルが得られる。採用した電気めっき浴の温度を60℃に、PHを1.5に維持させる。
本実施例に得られる三層ニッケル電気めっきのサンプルに対して、電子顕微鏡(SEM)で分析し、図1は、その断面図である。1は三層ニッケル電気めっきのサンプルにおける第一層の平滑なニッケルであり、3は前記表層のリン-ニッケルであり、該断面図により、中間の2、つまり第二層の半光沢ニッケルが相対的に疎なであるとともに、被めっき金属基材の表面とほぼ垂直になる柱状構造を有することが見られる。
比較実施例1(二層ニッケル:半光沢ニッケル→リン-ニッケル):
実施例1に記載の手順に基づいて、銅片上に厚さ40〜60μインチの半光沢ニッケルを電気めっきし、その後厚さ15〜30μインチのリン-ニッケルを電気めっきする。
比較実施例2(二層ニッケル:平滑なニッケル→リン-ニッケル):
実施例1に記載の手順に基づいて、銅片上に厚さ40〜60μインチの平滑なニッケルを電気めっきし、その後厚さ15〜30μインチのリン-ニッケルを電気めっきする。
比較実施例3(順序を変更させた三層ニッケル:半光沢ニッケル→平滑なニッケル→リン-ニッケル):
実施例1に記載の手順に基づいて、銅片上に厚さ40〜80μインチの半光沢ニッケルを電気めっきし、その後基材に厚さ40〜60μインチの平滑なニッケルを電気めっきする。それから、厚さ15〜30μインチのリン-ニッケルを電気めっきする。
実施例2(本発明の順序に従った三層ニッケル-貴金属電気めっき:平滑なニッケル→半光沢ニッケル→リン-ニッケル→パラジウム-ニッケル→金コバルト):
実施例1に記載の手順に基づいて、銅片上に三層のニッケルを電気めっきする。その後、Pd-Ni電気めっきを施す。それから、Au-Coを電気めっきし、厚さ4〜6μインチの金コバルト層が得られ、該金-コバルトめっき層は、サンプルの耐食性と溶接性をさらに向上させる。
比較実施例4(二層ニッケル-貴金属電気めっき:半光沢ニッケル→リン-ニッケル→Pd-Ni→Au-Co):
実施例1に記載の手順に基づいて、銅片上に厚さ120〜140μインチの半光沢ニッケルおよび厚さ30μインチのリン-ニッケルを電気し、その後厚さ25〜30μインチのPd-Niを電気めっきする。最後に、厚さ4〜6μインチのAu-Coを電気めっきする。
本発明の複合多層ニッケルの電気めっき方法による効果を検証するため、サンプルに対して耐コーラ電解試験、硝酸蒸気試験、塩水噴霧試験と内部応力試験を行う。以下に詳しく説明する。
耐コーラ電解試験:
実施例1、2と比較実施例1〜4によりよって製造された全てのサンプルに耐コーラ電解試験を行う。耐コーラ電解試験の一般工程は下記のようになる。耐コーラ試験の浴液は、5%のNaClを混合した100%のコーラを含む。ステンレス鋼を陰極とする。室温で標準の洗浄と脱脂工程を経過したサンプルをコーラの混合溶液に10分間の電解を行い、電圧が5Vに設定される。次いて、サンプルを超音波液中に配置し、脱イオン水で洗浄し、かつ乾燥し、その後10倍の顕微鏡でサンプルに画像処理し、腐食面積と総面積との割合を推定し、評価は下記の基準で判断した。即ち、腐食面積と総面積の割合が、10%より小さい時に、「優」、10 〜 30 %の時に、「合格」、30%より大きい時に、「不合格」とする。
結果としては、比較実施例4>実施例2>実施例1>比較実施例3>比較実施例1≒比較実施例2となる。
硝酸蒸気試験:
実施例1、2と比較実施例1〜4によって製造された全てのサンプルに、米国試験材料協会基準ASTM B735-2000により硝酸蒸気実験を行い、異なるニッケルでベースにする貴金属層を比較する。操作後のサンプルを10倍の顕微鏡で観察し、顕微鏡下で直径が0.5mm以上の腐食点の数を記録するとともに、評価は下記の基準で判断した。即ち、腐食点の数が5以下である時に、「合格」、腐食点の数が5より大きい時に、「不合格」とする。
結果としては、実施例2>比較実施例4となる。
説明:実施例1と比較実施例1〜3によって製造されたサンプルは、いずれも硝酸蒸気試験に不合格し、貴金属をめっきした材料のみ硝酸蒸気試験に合格する。硝酸試験により、異なるニッケルでベースにする貴金属層における硝酸に対する抵抗性を比較する。結果としては、実施例1の順序による三層ニッケルを貴金属の下地層とするのは好ましい。
塩水噴霧試験:
実施例1と比較実施例1〜3によって製造されたサンプルに、米国試験材料協会基準ASTM B799により塩水噴霧試験を行う。その結果を下記表に示す。
表4 塩水噴霧試験結果
表4に示す試験結果に示すように、24時間の塩水噴霧試験を経過した後、二層ニッケルをめっきしたサンプルおよび変更した順序でめっきした三層ニッケルのサンプルより、本発明の実施例1の順序(平滑なニッケル/半光沢ニッケル/リン-ニッケル)に基づいてめっきした三層ニッケルのサンプル表面上には、腐食することなく変色も最小である。
内部応力試験:
めっき層応力分析装置(SpecialityTesting & DevelopmentCo.社製造)で、多層ニッケル電気めっきを該会社に製造された特定のストリップ状試験片に電気めっきし、その後内部応力を測定する。以下のサンプルに測定を行った。全ての試験サンプルにほぼ同じ厚さのニッケルをめっきした。
(1)平滑なニッケル(15 ASD, 150 sec)
(2)半光沢ニッケル(8 ASD, 180 sec)
(3)リン-ニッケル(15 ASD, 300 sec)
(4)平滑なニッケル(15 ASD, 75 sec)→リン-ニッケル(10 ASD, 60 sec)
(5)平滑なニッケル(15 ASD, 75 sec)→半光沢ニッケル(8 ASD, 60 sec)→リン-ニッケル(10 ASD, 60 sec)
(6)半光沢ニッケル(8 ASD、 90 sec)→平滑なニッケル(15ASD, 15sec)→半光沢ニッケル(8 ASD、 90sec)リン-ニッケル(10 ASD, 30 sec)
(7)平滑なニッケル(15ASD、15sec)→半光沢ニッケル(8 ASD、 90 sec)→平滑なニッケル(15ASD、15sec)→半光沢ニッケル(8 ASD、 60 sec)→リン-ニッケル(10 ASD, 30 sec)
めっき浴条件:双陽極とし、陽極とテストサンプルの間の距離を3インチとし、テストサンプルの表面積を0.0774dm2までとした。
計算式
ニッケルめっき層厚さ(インチ):T =[(めっき後重量-元の重量)/特定金属密度]×0.0509
内部応力(パウンド/平方インチ)=[陽極から陰極までの距離/(3×厚さ)]×テスト定数
ここで、テスト常数は、特定ストリップ状試験片の校正常数であり、メーカーに提供されるものである。
それ以外、端子偏り方向は、めっき層における応力の方向に示すものである。テスト領域の端子が外へ向かって被電気めっき側まで張り出せれば(電気めっき面が外、耐食面が内である)、前記めっき層の応力属性が引張応力である。テスト領域の端子が内へ向かって被電気めっき側まで張り出せれば(電気めっき面が外、耐食面が内である)、前記めっき層の応力属性が圧縮応力である。
表5 内部応力試験結果
*psi:パウンド/平方インチ(poundsper squareinch)。
上記結果からは、下記のことが明らかに分かる。
(1) 半光沢ニッケルは、圧縮内部応力を有するが、平滑なニッケルとリン-ニッケルには、引張内部応力が存在する。
(2) 内部応力の異なる方向で、平滑なニッケルとリン-ニッケルとの間に半光沢ニッケルをめっきする時に、例えば、サンプルDとサンプルEとを比較し、内部応力は、11124.67psi(サンプルD)から2566.97psi(サンプルE)まで大幅に減少し、内部応力の数値は77%減少する。
溶接性試験:
実施例1、2と比較実施例1〜4によって製造された全てのサンプルに、溶接性試験を行う。米国電子回路協会のプリント基板溶接性試験基準IPC/EIAJ-STD-003Aに記載の湿潤平衡試験装置により溶接性を評価した。
結果:実施例2≒比較実施例4>実施例1≒比較実施例3>比較実施例1≒比較実施例2
説明:本発明の順序でのニッケル電気めっき層は、溶接性に優れ、貴金属をめっきした表層によってさらに溶接性を向上させる。

Claims (12)

  1. 第一層のニッケルと、第二層のニッケルと、表層のニッケルとを含む複合多層ニッケル電気めっき層であって、
    前記複合多層ニッケル電気めっき層は、被めっき金属基材上に、複合多層ニッケル電気めっき層における各層のニッケルの内部応力方向が隣接するめっき層の応力方向と逆向きであり、ニッケル電気めっき層の内部応力を低減させるような電気めっき順序で配列され、
    前記第一層のニッケルは、該ニッケル層に粒子が密に配置され且つ表面が平滑である平滑なニッケルであり、その内部応力が引張応力であり、
    前記第二層のニッケルめっき層は、被めっき金属基材表面とほぼ垂直になる柱状構造を有する半光沢ニッケルであり、その内部応力が圧縮応力であり、
    前記表層のニッケルがリン-ニッケルであり、その内部応力が引張応力であり、
    第一層のニッケルと、第二層のニッケルと、表層のニッケルがそれぞれめっきされた後に、熱処理せずに、前記三層のニッケル電気めっき層の内部応力が減少できること、
    を特徴とする複合多層ニッケル電気めっき層。
  2. 第一層のニッケルと、第二層のニッケルと、表層のニッケルとを含む複合多層ニッケル電気めっき層であって、
    前記複合多層ニッケル電気めっき層は、被めっき金属基材上に、複合多層ニッケル電気めっき層における各層のニッケルの内部応力方向が隣接するめっき層の応力方向と逆向きであり、ニッケル電気めっき層の内部応力を低減させるような電気めっき順序で配列され、
    前記第一層のニッケルは、該ニッケル層に粒子が密に配置され且つ表面が平滑である平滑なニッケルであり、その内部応力が引張応力であり、
    前記第二層のニッケルめっき層は、被めっき金属基材表面とほぼ垂直になる柱状構造を有する半光沢ニッケルであり、その内部応力が圧縮応力であり、
    前記表層のニッケルがリン-ニッケルであり、その内部応力が引張応力であり、
    第一層のニッケルと、第二層のニッケルと、表層のニッケルがそれぞれめっきされた後に、熱処理せずに、前記三層のニッケル電気めっき層の内部応力は、第一層であるニッケルと第二層であるリン-ニッケルとがから成る二層の電気めっき層の内部応力に比べて、77%減少することができる、
    を特徴とする複合多層ニッケル電気めっき層。
  3. 第一層のニッケルと、第二層のニッケルと、表層のニッケルとを含む複合多層ニッケル電気めっき層であって、
    前記複合多層ニッケル電気めっき層は、被めっき金属基材上に、複合多層ニッケル電気めっき層における各層のニッケルの内部応力方向が隣接するめっき層の応力方向と逆向きであり、ニッケル電気めっき層の内部応力を低減させるような電気めっき順序で配列され、
    前記第一層のニッケルは、該ニッケル層に粒子が密に配置され且つ表面が平滑である平滑なニッケルであり、その内部応力が引張応力であり、
    前記第二層のニッケルめっき層は、被めっき金属基材表面とほぼ垂直になる柱状構造を有する半光沢ニッケルであり、その内部応力が圧縮応力であり、
    前記表層のニッケルがリン-ニッケルであり、その内部応力が引張応力であり、
    第一層のニッケルと、第二層のニッケルと、表層のニッケルがそれぞれめっきされた後に、熱処理が必要せずに、前記三層のニッケル電気めっき層の内部応力が減少でき、
    前記三層のニッケル電気めっき層上に、一層のPd-Ni電気めっき層と、一層の厚さ4〜6μインチのAu-Co電気めっき層とが、さらに設けられること
    を特徴とする複合多層ニッケル電気めっき層。
  4. 前記複合多層ニッケル電気めっき層の析出順序は、前記第一層のニッケルが最初に析出した後、前記第二層のニッケルが析出し、前記第一層と第二層のニッケルは一回から数回までの析出を繰り返し、前記表層のニッケルが最後に析出するようになることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の複合多層ニッケル電気めっき層。
  5. 前記被めっき金属基材は、鉄系材料または有色金属基材であることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の複合多層ニッケル電気めっき層。
  6. 前記被めっき金属基材は、銅、銅合金、ニッケル、ニッケル合金、すず、すず合金、ステンレス鋼、ステンレス鉄、マグネシウム、マグネシウム合金、アルミニウム、アルミニウム合金、亜鉛または亜鉛合金であることを特徴とする請求項5に記載の複合多層ニッケル電気めっき層。
  7. 前記複合多層ニッケル電気めっき層は、第一層のニッケルと、第二層のニッケルと、表層のニッケルとからなる三層のニッケル電気めっき層であることを特徴とする請求項1または2に記載の複合多層ニッケル電気めっき層。
  8. 請求項1乃至7のいずれか一項に記載の複合多層ニッケル電気めっき層の、
    金属基材の表面めっき層における使用
  9. 請求項1〜2及び4〜7のいずれか一項に記載の複合多層のニッケル電気めっき層の、
    貴金属めっき層または金属合金めっき層の前の下地層における使用
  10. 基材表面に洗浄処理を行うステップ1と、
    任意に酸溶液で洗浄後の基材に表面活性化するステップ2と、
    任意に基材上にニッケルを予備めっきするステップ3と、
    順次に被めっき基材表面に、第一層のニッケルと、第二層のニッケルと、表層のニッケルとを含む多層ニッケルめっき層を電気めっきするステップ4と、
    を備える複合多層ニッケルの電気めっき方法であって、
    取得した複合多層ニッケル電気めっき層における各層のニッケルの内部応力方向が、隣接するめっき層の応力方向と逆向きであり、
    前記第一層のニッケルが平滑なニッケルであり、その内部応力が引張応力であり、
    前記第二層のニッケルめっき層は、被めっき金属基材表面とほぼ垂直になる柱状構造を有する半光沢ニッケルであり、その内部応力が圧縮応力であり、
    前記表層のニッケルがリン-ニッケルであり、その内部応力が引張応力であり、
    第一層のニッケルと、第二層のニッケルと、表層のニッケルがそれぞれめっきされた後に、熱処理せずに、前記三層のニッケル電気めっき層の内部応力が減少できる、
    ことを特徴とする複合多層のニッケル電気めっき方法。
  11. 前記複合多層ニッケルめっき層の析出順序は、前記第一層のニッケルが最初に析出した後、前記第二層の半光沢ニッケルが析出し、前記第一層と第二層のニッケルが一回から数回までの析出を繰り返し、最後に表層のニッケルが析出するようになることを特徴とする請求項10に記載の複合多層ニッケルの電気めっき方法。
  12. 前記第一層のニッケルと第二層のニッケルが一回析出することを特徴とする請求項10に記載の複合多層ニッケルの電気めっき方法。
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