JP5894945B2 - 蛍光性化合物、その製造方法、及び蛍光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、新規な蛍光性化合物、その製造方法、及び蛍光性樹脂組成物に関する。
蛍光性の発色団を有する有機化合物(以下、「蛍光性化合物」という)は、蛍光性の無機化合物に比べると安価であるため、蛍光性インクや蛍光顔料として、紙、繊維、樹脂等の着色剤に使用されている。
着色剤は、染料と顔料の二種に大別できる。顔料は、発色団を有する分子の凝集体であり、粒径が大きい。これに対して染料は、溶媒や樹脂等の媒体に溶解させることが可能な発色団含有分子である。一般的に顔料で着色した材料は染料で着色した材料に比べて着色剤の粒径が大きいので、透明性や明度、彩度において劣る。
蛍光タグのように分子間で化学反応を行わせる場合を除くと、一般に蛍光性化合物は顔料として使用されることが多い。顔料は一般的に耐光性が高いため、耐光性を向上させることが可能なことがその理由の一つである。染料は、低極性の媒体に対する溶解度が低いことも別の理由として挙げられる。
上記の理由により、蛍光性化合物によって樹脂の着色を行うとき、アクリル樹脂やポリエステル樹脂のような比較的極性の高い樹脂の場合には染料を用いて行うことも可能であるが、ポリオレフィン樹脂やシリコーン樹脂のような極性の低い樹脂の場合には、染料の溶解性が低いために必然的に顔料を用いることとなる。顔料を用いて着色する場合、透明な樹脂組成物を得るためには、顔料を樹脂中で光の波長より小さい大きさに細かく砕きながら均一に分散させる必要がある。しかし、これは多くのエネルギーと時間を消費する工程である。
極性の低い樹脂と蛍光性化合物との相溶性を向上させる方法として、樹脂に蛍光性化合物を結合させる方法がある。例えば、特許文献1(特開2007−169535号公報)には、アミノシリコーン樹脂と蛍光性化合物とを結合させたシリコーン樹脂が記載されている。
蛍光性化合物として利用される化合物は数多く知られているが、例えば、トリアリールアミン誘導体は高輝度、高発光効率の発光を得ることができるため、有機電界発光素子の発光材料として有用である(特許文献2:特開昭58−65440号公報、特許文献3:特許第3412348号公報)。しかし、特許文献2や特許文献3に示されている化合物は、有機溶媒への溶解性および樹脂との相溶性が乏しい。そこで特許文献4(特許第3897879号)にはトリアリールアミン誘導体をアルコキシシリル基で変性することで有機溶媒に対する溶解性を向上させた化合物が示されている。
また、特許文献5(特開2007−63273号公報)にはシロキサニル基をスペーサーとして二分子のトリアリールアミンを連結することにより、有機溶媒に対する溶解性を向上させた化合物が挙げられている。
特開2007−169535号公報 特開昭58−65440号公報 特許第3412348号公報 特許第3897879号公報 特開2007−63273号公報
しかし、上記の従来技術を更に発展させる必要性が存在する。例えば、特許文献1に開示された方法では、未反応の蛍光性化合物の完全な除去が困難であり、保存中や使用中にこれが凝集して析出するため外観や光学特性が変化し、好ましくない。また、高分子であるために、分子量分布を有しており、分子ごとの化学構造が不均一であるため、蛍光性化合物を樹脂内部で均一に分散した状態にすることが難しい。更に、分子内に複数の蛍光性置換基が近接して存在している場合、エキシマ発光により色調が変化する可能性もある。
また、特許文献2や特許文献3を改良した特許文献4に開示された方法は、アルコキシシリル基が反応性であり、加水分解および脱水縮合するため、取り扱いや保存に際して安定性に乏しい問題があった。
特許文献5に開示された方法では、有機溶剤に対する溶解性は向上するものの、脂肪族炭化水素やシリコーン樹脂のような極性の低い溶媒や樹脂に対する溶解性はほとんど改善されず、これらの溶媒や樹脂中で染料や蛍光材料として用いることは難しい。
本発明は、上記事情に鑑みなされたもので、有機溶媒への溶解性、及び樹脂又はプレポリマーやモノマーとの相溶性、特にはシリコーン樹脂との相溶性に優れ、簡便な方法で樹脂組成物をつくることができる蛍光性化合物、これを含有する蛍光性樹脂組成物、並びにその製造方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は下記一般式(1)で表される蛍光性化合物を提供する。
Figure 0005894945
{一般式(1)中、
1〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、もしくは環状の一価炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、ハロゲン原子、水素原子、アミノ基、シアノ基、下記一般式(2)で表されるアミン含有基、及び下記一般式(3)で表されるシロキサン含有基から選択される置換基を表し、但し、Rが存在せず、Xに結合した窒素原子に対してオルト位の炭素が結合してカルバゾール環構造を形成してもよく;
置換基として一般式(2)で表されるアミン含有基を含まない場合は、R1〜Rのうち少なくとも一つが下記一般式(3)で表されるシロキサン含有基であり、置換基として一般式(2)で表されるアミン含有基を含む場合には、R〜Rのうち少なくとも一つが、下記一般式(3)で表されるシロキサン含有基である。
Figure 0005894945
(一般式(2)中、
、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、もしくは環状の1価炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、ハロゲン原子、水素原子、アミノ基、下記一般式(3)で表されるシロキサン含有基から選択される置換基を表し、
mは0又は1である。)
Figure 0005894945
(一般式(3)中、
Sxはケイ素原子数2〜10であって、該ケイ素原子の少なくとも一つに炭素数1〜20の一価炭化水素基が結合した直鎖状、分岐状もしくは環状のオルガノシロキサニル基を表し;
Aは単結合、あるいは1個以上の−O−、−S−、−NR−又はそれらの組み合わせを含んでもよい炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、もしくは環状の二価炭化水素基を表し、但し、Aが環状の二価炭化水素基である場合を除き酸素原子、硫黄原子及び窒素原子のヘテロ原子同士は隣接せず、Rは炭素数1〜20の一価炭化水素基である。)
Xは、同一でも異なってもよく、単結合、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、もしくは環状の二価炭化水素基を表し、炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく;
nは0〜5の整数である。}
好ましい実施形態としては、一般式(1)において、nが1、3、または5であり、Rのいずれか一以上が、一般式(3)で表されるシロキサン含有基である蛍光性化合物が挙げられる。
別の好ましい実施形態としては、一般式(1)において、Rのうち少なくとも一つが一般式(2)で表されるアミン含有基であり、かつRのいずれか一以上が、一般式(3)で表されるシロキサン含有基である蛍光性化合物が挙げられる。
また別の好ましい実施形態としては、一般式(1)において、nが0であり、Rのいずれか一以上が、一般式(3)で表されるシロキサン含有基である蛍光性化合物が挙げられる。
本発明は、別の実施形態によれば、上記いずれかに記載の蛍光性化合物と、樹脂とを含んでなる蛍光性樹脂組成物である。
好ましい実施形態としては、前記樹脂が、シリコーン樹脂である。
本発明は、別の局面によれば、下記一般式(4)で表されるアミン化合物と下記一般式(5)で表される芳香族ハロゲン化合物とを、遷移金属触媒存在下で反応させる工程を含む、蛍光性化合物の製造方法であって、一般式(1)において、nが1、3、または5であり、Rのいずれか一以上が、一般式(3)で表されるシロキサン含有基である蛍光性化合物の製造方法である。
Figure 0005894945
(一般式(4)中、
4aは、それぞれ一般式(1)のRと同一である。)
Figure 0005894945
(一般式(5)中、R1a〜R4aは、それぞれ、一般式(1)におけるR〜Rと同一であり;
はハロゲン原子であり;
は一般式(1)におけるXと同一であり;
oは0〜2の整数を表し、一般式(1)中におけるnと、o=(n−1)/2を満たす)。
本発明は、また別の局面によれば、下記一般式(6)で表されるアミン化合物と下記一般式(7)で表される芳香族ハロゲン化合物とを遷移金属触媒存在下で反応させる工程を含む、蛍光性化合物の製造方法であって、一般式(1)において、Rのうち少なくとも一つが一般式(2)で表されるアミン含有基であり、かつRのいずれか一以上が、一般式(3)で表されるシロキサン含有基である蛍光性化合物の製造方法である。
Figure 0005894945
(一般式(6)中、R5bは、それぞれ一般式(2)のRと同一である。)
Figure 0005894945
(一般式(7)中、R1b〜R4bは、それぞれ、一般式(1)におけるR〜Rと同一であり;
は、それぞれ、一般式(1)におけるXと同一であり;
は、一般式(1)におけるnと同一である。)
Figure 0005894945
(式(8)中、R6bは、それぞれ、一般式(2)におけるRと同一であり;
は、一般式(2)におけるmと同一であり;
はハロゲン原子である。但し、R2bのうち少なくとも1つは、一般式(8)で表される置換基を表す。)
本発明は、また別の局面によれば、下記一般式(10)で表されるアミン化合物と下記一般式(9)で表される芳香族ハロゲン化合物とを遷移金属触媒存在下で反応させる工程を含む、蛍光性化合物の製造方法であって、一般式(1)において、nが0であり、Rのいずれか一以上が、一般式(3)で表されるシロキサン含有基である蛍光性化合物の製造方法である。
Figure 0005894945
(一般式(9)中、Xは、それぞれ、一般式(1)におけるXと同一であり;
はハロゲン原子である。)
Figure 0005894945
(一般式(10)中、R1c、R2cは、それぞれ、一般式(1)におけるR、Rと同一である。)
本発明に係る蛍光性化合物は、有機溶媒への溶解性及び低極性樹脂への相溶性に優れ、かつ蛍光性化合物として十分な蛍光特性を備えている。また、本発明の蛍光性化合物を用いて簡便な方法で蛍光性樹脂組成物を製造することができる。更に、本発明に係る蛍光性樹脂組成物は、透明性や明度、彩度に優れ、特には、蛍光インクや波長変換材料、色素レーザー等といった用途において好ましく用いることができる。
以下に、本発明を、実施形態を参照して説明する。
[蛍光性化合物]
本発明は一実施形態によれば、蛍光性化合物である。本実施形態による蛍光性化合物は、上記一般式(1)で表される。
一般式(1)中、R1〜Rは、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、もしくは環状の一価炭化水素基;炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12のアリーロキシ基;ハロゲン原子、水素原子、アミノ基、シアノ基、上記一般式(2)で表されるアミン含有基、及び上記一般式(3)で表されるシロキサン含有基から選択される置換基を表す。但し、Rが存在せず、窒素原子に対してオルト位の炭素が結合してカルバゾール環構造を形成してもよい。
一般式(1)において、一般式(2)で表されるアミン含有基を置換基として含まない場合は、R1〜Rのうち少なくとも一つが上記一般式(3)で表されるシロキサン含有基である。一方、一般式(1)において、置換基として上記一般式(2)で表されるアミン含有基を含む場合には、R〜Rのうち少なくとも一つが、上記一般式(3)で表されるシロキサン含有基である。
1〜Rを構成してもよい上記一価炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基等の直鎖状飽和炭化水素基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、シクロペンチル基、イソペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基等の分岐状飽和炭化水素基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の環状飽和炭化水素基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、1−メチルプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、オクタデセニル基等のアルケニル基、エチニル基、プロピニル基等のアルキニル基等の不飽和炭化水素基;フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基、ビフェニル基等のアリール基、アラルキル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。
これらのなかでも、特にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、ビニル基、アリル基、フェニル基が好ましい。
上記アルコキシ基の例としては、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
上記アリーロキシ基の例としては、フェノキシ基、p−メチルフェノキシ基、ナフトキシ基等が挙げられる。
上記ハロゲン原子の例としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。
上記アミノ基の例としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等が挙げられる。
上記一般式(2)中、R、Rは、同一でも異なってもよく、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、もしくは環状の一価炭化水素基;炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12のアルコキシ基;炭素数6〜20、好ましくは炭素数6〜12のアリーロキシ基;ハロゲン原子、水素原子、アミノ基、上記一般式(3)で表されるシロキサン含有基から選択される置換基を表す。mは0又は1である。
、Rを構成してもよい一価炭化水素基、アルコキシ基、アリーロキシ基、ハロゲン原子、アミノ基の具体例は、一般式(1)のR1〜Rについて説明したものと同様である。
上記一般式(3)中、Sxは、ケイ素原子数2〜10、好ましくは2〜8、更に好ましくは耐熱性の面から2〜6であって、該ケイ素原子の少なくとも一つに、炭素数が1〜20、好ましくは1〜10、更に好ましくは1〜6の一価炭化水素基が結合した直鎖状、分岐状又は環状のオルガノシロキサニル基を表す。ケイ素原子の数が多い方が有機溶媒への溶解性は向上するが、耐熱性が下がることがある。
ケイ素原子に結合する一価炭化水素基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基等のアルキル基;シクロヘキシル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、ナフチル基等のアリール基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基等のアルケニル基;ベンジル基、フェネチル基等のアラルキル基等が挙げられる。ケイ素原子に結合する一価炭化水素基は、Sx中、例えば、1〜10個であり、好ましくは、1〜8個であり、更に好ましくは、1〜6個である。
Sxの具体例としては、ペンタメチルジシロキサン−1−イル基、3,3,3−トリエチル−1,1−ジメチルジシロキサン−1−イル基、ペンタエチルジシロキサン−1−イル基、3−ビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル基、3−ベンジル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル基、3−tert−ブチル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル基、3,3,3−トリイソプロピル−1,1−ジメチルジシロキサン−1−イル基、3−フェニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル基、1,1−ジフェニル−3,3,3−トリメチルジシロキサン−1−イル基、3,3−ジフェニル−1,1,3−トリメチルジシロキサン−1−イル基、3,3,3−トリフェニル−1,1−ジメチルジシロキサン−1−イル基、3−メチル−1,1,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1−イル基、ペンタフェニルジシロキサン−1−イル基、1−シクロヘキシル−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル基、ヘプタメチルトリシロキサン−1−イル基、5−フェニル-1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン−1−イル基、5,5−ジフェニル-1,1,3,3,5−ペンタメチルトリシロキサン−1−イル基、5,5,5−トリフェニル-1,1,3,3−テトラメチルトリシロキサン−1−イル基、3,3、5−トリフェニル-1,1,5,5−テトラメチルトリシロキサン−1−イル基、ヘプタフェニルトリシロキサン−1−イル基、ノナメチルテトラシロキサン−1−イル基、7,7,7−トリフェニル−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルテトラシロキサン−1−イル基、5,5,7,7,7−ペンタフェニル−1,1,3,3−テトラメチルテトラシロキサン−1−イル基、3,3,5,5,7,7,7−ヘプタフェニル−1,1−ジメチルテトラシロキサン−1−イル基、ノナフェニルテトラシロキサン−1−イル基、ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル基、9,9,9−トリフェニル−1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルペンタシロキサン−1−イル基、7,7,9,9,9−ペンタフェニル−1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルペンタシロキサン−1−イル基、5,5,7,7,9,9,9−ヘプタフェニル−1,1,3,3−テトラメチルペンタシロキサン−1−イル基、3,3,5,5,7,7,9,9,9−デカフェニル−1,1−ジメチルペンタシロキサン−1−イル基、ウンデカフェニルペンタシロキサン−1−イル基、トリデカメチルヘキサシロキサン−1−イル基、ペンタデカメチルヘプタシロキサン−1−イル基、ヘプタデカメチルオクタシロキサン−1−イル基、ノナデカメチルノナシロキサン−1−イル基、ヘンイコサメチルデカシロキサン−1−イル基等の直鎖状オルガノシロキサニル基;1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル基、1−フェニルジメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル基、1−フェニルジメチルシロキシ−3−フェニル−1,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル基、1−フェニルジメチルシロキシ−1,3−ジフェニル−3,3−ジメチルジシロキサン−1−イル基、1,1,5,5−テトラフェニル−1,3,5−トリメチルトリシロキサン−3−イル基、1,1,1,5,5,5−ヘキサフェニル−3−メチルトリシロキサン−3−イル基、1−トリメチルシロキシ−1,3,3,5,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン−1−イル基、1−ペンタメチルジシロキサニルオキシ−1,3,3,5,5,5−ヘキサメチルトリシロキサン−1−イル基、1−トリメチルシロキシ−1,3,3,5,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン−1−イル基、1,1−ビス(トリメチルシロキシ)−3,3,3−トリメチルジシロキサン−1−イル基、1−トリフェニルシロキシ−1,3,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1−イル基、1−トリフェニルシロキシ−1,3,3,5,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサン−1−イル基、1−ペンタフェニルジシロキサニルオキシ−1,3,3,5,5,5−ヘキサフェニルトリシロキサン−1−イル基、1−トリフェニルシロキシ−3,5,5,7,7,9,9,9−オクタフェニルテトラシロキサン−1−イル基、1,1−ビス(トリフェニルシロキシ)−3,3,3−トリフェニルジシロキサン−1−イル基等の分岐状オルガノシロキサニル基;1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン−1−イル基、1,3,5,7−テトラメチル−3,5,7−トリビニルシクロテトラシロキサン−1−イル基、1,3,3,5,5,7,7−ヘプタフェニルシクロテトラシロキサン−1−イル基、1,3,5,7−テトラフェニル−3,5,7−トリビニルシクロテトラシロキサン−1−イル基等の環状オルガノシロキサニル基等が挙げられる。
これらのなかでも、特にペンタメチルジシロキサン−1−イル基、ヘプタメチルトリシロキサン−1−イル基、ノナメチルテトラシロキサン−1−イル基、ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル基、1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル基、1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン−1−イル基、ペンタフェニルジシロキサン−1−イル基、ヘプタフェニルトリシロキサン−1−イル基、ノナフェニルテトラシロキサン−1−イル基、ウンデカフェニルペンタシロキサン−1−イル基、1−トリフェニルシロキシ−1,3,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1−イル基、1,3,3,5,5,7,7−ヘプタフェニルシクロテトラシロキサン−1−イル基が、Sxとして好ましい。合成上の容易さという観点からである。
上記一般式(3)中、Aは単結合、あるいは1個以上の−O−、−S−、−NR−又はそれらの組み合わせを含んでもよい炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12の直鎖状、分岐状、もしくは環状の二価炭化水素基を表す。但し、環状の二価炭化水素基の場合を除き酸素原子、硫黄原子及び窒素原子のヘテロ原子同士は隣接しない。Rは炭素数1〜20の一価炭化水素基である。
は、炭素数1〜20、好ましくは炭素数1〜12の一価炭化水素基であって、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、ペンチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、テトラデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、イコシル基等の直鎖状の飽和炭化水素基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソペンチル基;2−ペンチル基、3−ペンチル基、tert−ペンチル基等の分岐状の飽和炭化水素基;シクロヘキシル基、シクロペンチル基等の環状のアルキル基等の飽和炭化水素基;ビニル基、アリル基、プロペニル基、1−メチルプロペニル基、ブテニル基、ペンテニル基、ヘキセニル基、ヘプテニル基、オクテニル基、ノネニル基、デセニル基、ウンデセニル基、オクタデセニル基等のアルケニル基;アルキニル基等の不飽和炭化水素基;フェニル基、ナフチル基、ベンジル基、フェネチル基、フェニルプロピル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、2,4−ジメチルフェニル基、3,5−ジメチルフェニル基、3,5−ジ−tert−ブチルフェニル基等のアリール基、アラルキル基等の芳香族炭化水素基が挙げられる。これらのなかでも、特にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、ビニル基、アリル基、フェニル基が好ましい。一般式(3)中に、複数のR基が含まれる場合には、複数のR基は、同一でも異なっていてもよい。
Aで表される置換基の具体例としては、単結合;メチレン基、1,2−エタンジイル基、1,1−エタンジイル基、1,2−エテンジイル基、1,1−エテンジイル基、1,3−プロパンジイル基、1,2−プロパンジイル基、2−メチル−1,3−プロパンジイル基、1,3−ブタンジイル基、1,4−ブタンジイル基、1,5−ペンタンジイル基、1,6−ヘキサンジイル基、1,4−シクロヘキサンジイル基、1,7−ヘプタンジイル基、1,8−オクタンジイル基、1,9−ノナンジイル基、1,10−デカンジイル基、1,11−ウンデカンジイル基、1,12−ドデカンジイル基、1,13−トリデカンジイル基、1,14−テトラデカンジイル基、1,15−ペンタデカンジイル基、1,16−ヘキサデカンジイル基、1,17−ヘプタデカンジイル基、1,18−オクタデカンジイル基、1,19−ノナデカンジイル基、1,20−イコサンジイル基等の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族二価炭化水素基;1,3−ベンゼンジイル基、1,4−ベンゼンジイル基、2−メチル−1,4−ベンゼンジイル基、3−メチル−1,4−ベンゼンジイル基、2,5−ジメチル−1,4−ベンゼンジイル基、1,8−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、1,4−アントラセンジイル基、1,5−アントラセンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル、1,6−ピレンジイル基、1,8−ピレンジイル基、2,7−ピレンジイル基、4,9−ピレンジイル基、4−エチルベンゼン−1,2’−ジイル基、4−プロピルベンゼン−1,3’−ジイル基等の芳香族二価炭化水素基;2−オキサ−1,3−プロパンジイル基、3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基、3−オキサ−2−メチル−1,5−ペンタンジイル基、3−オキサ−1,6−ヘキサンジイル基、3−オキサ−2−メチル−1,5−ヘキサンジイル基、3−オキサ−2−メチル−1,6−ヘキサンジイル基、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基、3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基、3−メチル−3−アザ−1,5−ペンタンジイル基、3−メチル−3−アザ−1,6−ヘキサンジイル基、3−フェニル−3−アザ−1,6−ヘキサンジイル基、3−メチル−3−アザ−7−オキサ−1,9−ノナンジイル基、3−チア−1,5−ペンタンジイル基、3,6−ジチア−1,8−オクタンジイル基、2,5−フランジイル基、2,5−チオフェンジイル基、1,2,4−オキサジアゾール−3,5−ジイル基、1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル基、1,2,4−チアジアゾール−3,5−ジイル基、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル基等のヘテロ原子を含む二価炭化水素基等が挙げられる。
これらのなかでも、特に単結合、メチレン基、1,2−エタンジイル基、1,3−プロパンジイル基、2−メチル−1,3−プロパンジイル基、1,4−ブタンジイル基、1,5−ペンタンジイル基、1,6−ヘキサンジイル基、1,7−ヘプタンジイル基、1,8−オクタンジイル基、1,9−ノナンジイル基、1,10−デカンジイル基、1,11−ウンデカンジイル基が、Aで表される置換基として好ましい。より高い溶解性を付与することができるという観点からである。
一般式(3)中、Sx、Aは任意の組み合わせが可能である。Sxがウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル基である場合について例示すると、一般式(3)で表されるシロキサン含有基の具体例としては、ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル基等のシロキサニル基;ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イルメチル基、2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エチル基、1−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エチル基、2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エテニル基、3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピル基、2−メチル−3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピル基、4−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ブチル基、5−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ペンチル基、6−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ヘキシル基、7−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ヘプチル基、8−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)オクチル基、9−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ノニル基、10−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)デシル基、11−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ウンデシル基、12−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ドデシル基、14−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)テトラデシル基、16−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ヘキサデシル基、18−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)オクタデシル基、20−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)イコシル基、4−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)フェニル基、3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)フェニル基、4−[2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エチル]フェニル基、4−[3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピル]フェニル基、4−[2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピル]フェニル基、2−{2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エトキシ}エチル基、3−{2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エトキシ}プロピル基、2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}エチル基、2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}プロピル基、2−{2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}エトキシ}エチル基、2−{2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}プロポキシ}エチル基、2−{2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}プロポキシ}プロピル基等の置換炭化水素基;(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)メトキシ基、2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エトキシ基、3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ基、2−メチル−3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ基、3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ブトキシ基、4−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ブトキシ基、4−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)フェノキシ基、2−{2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エトキシ}エトキシ基、3−{2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エトキシ}プロポキシ基、2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}エトキシ基、2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}プロポキシ基、2−{2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}エトキシ}エトキシ基、2−{2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}プロポキシ}エトキシ基、2−{2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}プロポキシ}プロポキシ基、2−[N−メチル−N−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピル}アミノ]エトキシ基、2−[N−メチル−N−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピル}アミノ]エトキシ基、1−メチル−2−[N−メチル−N−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピル}アミノ]エトキシ基、2−{2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エチルスルファニル}エトキシ基等の置換オルガノキシ基;(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)メトキシカルボニル基、2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エトキシカルボニル基、3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシカルボニル基、2−メチル−3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシカルボニル基、3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ブトキシカルボニル基、4−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)フェノキシカルボニル基、2−{2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エトキシ}エトキシカルボニル基、3−{2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エトキシ}プロポキシカルボニル基、2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}エトキシカルボニル基、2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}プロポキシカルボニル基、2−{2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}エトキシ}エトキシカルボニル基、2−{2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}プロポキシ}エトキシカルボニル基、2−{2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}プロポキシ}プロポキシカルボニル基、2−[N−メチル−N−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピル}アミノ]エトキシカルボニル基、2−[N−メチル−N−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピル}アミノ]エトキシカルボニル基、1−メチル−2−[N−メチル−N−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピル}アミノ]エトキシカルボニル基、2−{2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エチルスルファニル}エトキシカルボニル基等の置換オルガノキシカルボニル基;(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)アセトキシ基、3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピオニルオキシ基、2−メチル−3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピオニルオキシ基、5−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ペンタノイルオキシ基、6−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ヘキサノイルオキシ基、11−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ウンデカノイルオキシ基、4−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ベンゾイルオキシ基、{2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エトキシ}アセチル基、3−{2−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)エトキシ}プロピオニルオキシ基、{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}アセトキシ基、3−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}プロピオニルオキシ基、{2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}エトキシ}アセトキシ基、{2−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロポキシ}プロポキシ}アセトキシ基、3−[N−メチル−N−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピル}アミノ]プロピオニルオキシ基、3−[N−メチル−N−{3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピル}アミノ]プロピオニルオキシ基等の置換アシロキシ基が挙げられる。
一般式(3)で示される基としては、上記Sxの好ましい例と、上記Aの好ましい例とを組み合わせて得られる基が好ましい。特に、ペンタメチルジシロキサン−1−イル基、ヘプタメチルトリシロキサン−1−イル基、ノナメチルテトラシロキサン−1−イル基、ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル基、1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル基、1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン−1−イル基、ペンタフェニルジシロキサン−1−イル基、ヘプタフェニルトリシロキサン−1−イル基、ノナフェニルテトラシロキサン−1−イル基、ウンデカフェニルペンタシロキサン−1−イル基、1−トリフェニルシロキシ−1,3,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1−イル基、1,3,3,5,5,7,7−ヘプタフェニルシクロテトラシロキサン−1−イル基、3−(ペンタメチルジシロキサン−1−イル)プロピル基、3−(ヘプタメチルトリシロキサン−1−イル)プロピル基、3−(ノナメチルテトラシロキサン−1−イル)プロピル基、3−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)プロピル基、3−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)プロピル基、3−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン−1−イル)プロピル基、3−(ペンタフェニルジシロキサン−1−イル)プロピル基、3−(ヘプタフェニルトリシロキサン−1−イル)プロピル基、3−(ノナフェニルテトラシロキサン−1−イル)プロピル基、3−(ウンデカフェニルペンタシロキサン−1−イル)プロピル基、3−(1−トリフェニルシロキシ−1,3,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1−イル)プロピル基、3−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタフェニルシクロテトラシロキサン−1−イル)プロピル基、4−(ペンタメチルジシロキサン−1−イル)ブチル基、4−(ヘプタメチルトリシロキサン−1−イル)ブチル基、3−(ノナメチルテトラシロキサン−1−イル)ブチル基、4−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ブチル基、4−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)ブチル基、4−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン−1−イル)ブチル基、4−(ペンタフェニルジシロキサン−1−イル)ブチル基、4−(ヘプタフェニルトリシロキサン−1−イル)ブチル基、3−(ノナフェニルテトラシロキサン−1−イル)ブチル基、4−(ウンデカフェニルペンタシロキサン−1−イル)ブチル基、4−(1−トリフェニルシロキシ−1,3,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1−イル)ブチル基、4−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタフェニルシクロテトラシロキサン−1−イル)ブチル基、5−(ペンタメチルジシロキサン−1−イル)ペンチル基、5−(ヘプタメチルトリシロキサン−1−イル)ペンチル基、5−(ノナメチルテトラシロキサン−1−イル)ペンチル基、5−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ペンチル基、5−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)ペンチル基、5−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン−1−イル)ペンチル基、5−(ペンタフェニルジシロキサン−1−イル)ペンチル基、5−(ヘプタフェニルトリシロキサン−1−イル)ペンチル基、5−(ノナフェニルテトラシロキサン−1−イル)ペンチル基、5−(ウンデカフェニルペンタシロキサン−1−イル)ペンチル基、5−(1−トリフェニルシロキシ−1,3,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1−イル)ペンチル基、5−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタフェニルシクロテトラシロキサン−1−イル)ペンチル基、6−(ペンタメチルジシロキサン−1−イル)ヘキシル基、6−(ヘプタメチルトリシロキサン−1−イル)ヘキシル基、6−(ノナメチルテトラシロキサン−1−イル)ヘキシル基、6−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ヘキシル基、6−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)ヘキシル基、6−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン−1−イル)ヘキシル基、6−(ペンタフェニルジシロキサン−1−イル)ヘキシル基、6−(ヘプタフェニルトリシロキサン−1−イル)ヘキシル基、6−(ノナフェニルテトラシロキサン−1−イル)ヘキシル基、6−(ウンデカフェニルペンタシロキサン−1−イル)ヘキシル基、6−(1−トリフェニルシロキシ−1,3,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1−イル)ヘキシル基、6−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタフェニルシクロテトラシロキサン−1−イル)ヘキシル基、7−(ペンタメチルジシロキサン−1−イル)ヘプチル基、7−(ヘプタメチルトリシロキサン−1−イル)ヘプチル基、7−(ノナメチルテトラシロキサン−1−イル)ヘプチル基、7−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ヘプチル基、7−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)ヘプチル基、7−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン−1−イル)ヘプチル基、7−(ペンタフェニルジシロキサン−1−イル)ヘプチル基、7−(ヘプタフェニルトリシロキサン−1−イル)ヘプチル基、7−(ノナフェニルテトラシロキサン−1−イル)ヘプチル基、7−(ウンデカフェニルペンタシロキサン−1−イル)ヘプチル基、7−(1−トリフェニルシロキシ−1,3,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1−イル)ヘプチル基、7−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタフェニルシクロテトラシロキサン−1−イル)ヘプチル基、8−(ペンタメチルジシロキサン−1−イル)オクチル基、8−(ヘプタメチルトリシロキサン−1−イル)オクチル基、8−(ノナメチルテトラシロキサン−1−イル)オクチル基、8−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)オクチル基、8−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)オクチル基、8−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン−1−イル)オクチル基、8−(ペンタフェニルジシロキサン−1−イル)オクチル基、8−(ヘプタフェニルトリシロキサン−1−イル)オクチル基、8−(ノナフェニルテトラシロキサン−1−イル)オクチル基、8−(ウンデカフェニルペンタシロキサン−1−イル)オクチル基、8−(1−トリフェニルシロキシ−1,3,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1−イル)オクチル基、8−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタフェニルシクロテトラシロキサン−1−イル)オクチル基、9−(ペンタメチルジシロキサン−1−イル)ノニル基、9−(ヘプタメチルトリシロキサン−1−イル)ノニル基、9−(ノナメチルテトラシロキサン−1−イル)ノニル基、9−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ノニル基、9−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)ノニル基、9−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン−1−イル)ノニル基、9−(ペンタフェニルジシロキサン−1−イル)ノニル基、9−(ヘプタフェニルトリシロキサン−1−イル)ノニル基、9−(ノナフェニルテトラシロキサン−1−イル)ノニル基、9−(ウンデカフェニルペンタシロキサン−1−イル)ノニル基、9−(1−トリフェニルシロキシ−1,3,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1−イル)ノニル基、9−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタフェニルシクロテトラシロキサン−1−イル)ノニル基、10−(ペンタメチルジシロキサン−1−イル)デシル基、10−(ヘプタメチルトリシロキサン−1−イル)デシル基、10−(ノナメチルテトラシロキサン−1−イル)デシル基、10−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)デシル基、10−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)デシル基、10−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン−1−イル)デシル基、10−(ペンタフェニルジシロキサン−1−イル)デシル基、10−(ヘプタフェニルトリシロキサン−1−イル)デシル基、10−(ノナフェニルテトラシロキサン−1−イル)デシル基、10−(ウンデカフェニルペンタシロキサン−1−イル)デシル基、10−(1−トリフェニルシロキシ−1,3,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1−イル)デシル基、10−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタフェニルシクロテトラシロキサン−1−イル)デシル基、11−(ペンタメチルジシロキサン−1−イル)ウンデシル基、11−(ヘプタメチルトリシロキサン−1−イル)ウンデシル基、11−(ノナメチルテトラシロキサン−1−イル)ウンデシル基、11−(ウンデカメチルペンタシロキサン−1−イル)ウンデシル基、11−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)ウンデシル基、11−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタメチルシクロテトラシロキサン−1−イル)ウンデシル基、11−(ペンタフェニルジシロキサン−1−イル)ウンデシル基、11−(ヘプタフェニルトリシロキサン−1−イル)ウンデシル基、11−(ノナフェニルテトラシロキサン−1−イル)ウンデシル基、11−(ウンデカフェニルペンタシロキサン−1−イル)ウンデシル基、11−(1−トリフェニルシロキシ−1,3,3,3−テトラフェニルジシロキサン−1−イル)ウンデシル基、11−(1,3,3,5,5,7,7−ヘプタフェニルシクロテトラシロキサン−1−イル)ウンデシル基がより好ましい。
一般式(1)において、Xは同一でも異なってもよく、単結合、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、もしくは環状の二価炭化水素基を表す。炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよい。この場合、二価炭化水素基において、置換ヘテロ原子と炭素原子との合計数が、1〜20となる。
Xの具体例としては、単結合;メチレン基、1,2−エタンジイル基、1,1−エタンジイル基、1,2−エテンジイル基、1,1−エテンジイル基、1,3−プロパンジイル基、1,2−プロパンジイル基、2−メチル−1,3−プロパンジイル基、1,3−ブタンジイル基、1,4−ブタンジイル基、1,5−ペンタンジイル基、1,6−ヘキサンジイル基、1,4−シクロヘキサンジイル基、1,7−ヘプタンジイル基、1,8−オクタンジイル基、1,9−ノナンジイル基、1,10−デカンジイル基、1,11−ウンデカンジイル基、1,12−ドデカンジイル基、1,13−トリデカンジイル基、1,14−テトラデカンジイル基、1,15−ペンタデカンジイル基、1,16−ヘキサデカンジイル基、1,17−ヘプタデカンジイル基、1,18−オクタデカンジイル基、1,19−ノナデカンジイル基、1,20−イコサンジイル基等の直鎖状、分岐状又は環状の脂肪族二価炭化水素基;1,3−ベンゼンジイル基、1,4−ベンゼンジイル基、2−メチル−1,4−ベンゼンジイル基、3−メチル−1,4−ベンゼンジイル基、2,5−ジメチル−1,4−ベンゼンジイル基、1,8−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、1,4−アントラセンジイル基、1,5−アントラセンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル、1,6−ピレンジイル基、1,8−ピレンジイル基、2,7−ピレンジイル基、4,9−ピレンジイル基、4−エチルベンゼン−1,2’−ジイル基、4−プロピルベンゼン−1,3’−ジイル基等の芳香族二価炭化水素基;2−オキサ−1,3−プロパンジイル基、3−オキサ−1,5−ペンタンジイル基、3−オキサ−2−メチル−1,5−ペンタンジイル基、3−オキサ−1,6−ヘキサンジイル基、3−オキサ−2−メチル−1,5−ヘキサンジイル基、3−オキサ−2−メチル−1,6−ヘキサンジイル基、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジイル基、3,7−ジオキサ−1,9−ノナンジイル基、3−メチル−3−アザ−1,5−ペンタンジイル基、3−メチル−3−アザ−1,6−ヘキサンジイル基、3−フェニル−3−アザ−1,6−ヘキサンジイル基、3−メチル−3−アザ−7−オキサ−1,9−ノナンジイル基、3−チア−1,5−ペンタンジイル基、3,6−ジチア−1,8−オクタンジイル基、2,5−フランジイル基、2,5−チオフェンジイル基、1,2,4−オキサジアゾール−3,5−ジイル基、1,3,4−オキサジアゾール−2,5−ジイル基、1,2,4−チアジアゾール−3,5−ジイル基、1,3,4−チアジアゾール−2,5−ジイル基等のヘテロ原子を含む二価炭化水素基等が挙げられる。
これらのなかでも、特に単結合、1,3−ベンゼンジイル基、1,4−ベンゼンジイル基、2−メチル−1,4−ベンゼンジイル基、3−メチル−1,4−ベンゼンジイル基、2,5−ジメチル−1,4−ベンゼンジイル基、1,8−ナフタレンジイル基、2,7−ナフタレンジイル基、1,4−アントラセンジイル基、1,5−アントラセンジイル基、2,6−アントラセンジイル基、9,10−アントラセンジイル基が、Xとして好ましい。合成上の容易さという観点からである。
本発明の上記一般式(1)で表される蛍光性化合物は、一般式(3)で表されるシロキサン含有基を含むことを特徴とする。ここで、シロキサン含有基のシロキサン部分は構造が明確に規定されており、分子量分布を有するシロキサン混合物ではない。従って、一般式(1)で表される化合物も、混合物ではなく単一化合物である。蛍光性化合物を用いて組成物を製造する際には、蛍光発色団のモル濃度が組成物の蛍光特性を決定する重要な因子である。したがって、モル濃度を正確に決定するために、一般式(1)で表される蛍光性化合物は、単一化合物であることが好ましい。
本発明に係る上記一般式(1)で表される蛍光性化合物は、蛍光特性を最大に発揮させるために、できる限り高純度に精製されていることが望ましい。上述のように、一般式(1)で表される本発明の蛍光性化合物は単一化合物であるため、高純度まで精製することが可能である。精製方法としては、例えば通常の有機化合物と同様に、再結晶や晶析、昇華、溶媒による洗浄、シリカゲルカラムクロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー等の方法が挙げられる。本発明の蛍光性化合物の純度は、液体クロマトグラフィー法で精製する場合には、95%以上とすることが好ましく、より好ましくは98%以上、更に好ましくは99%以上である。不純物を多く含む場合には一般式(1)で表される蛍光性化合物自体の蛍光特性が低下することがある。また、そのような蛍光性化合物を用いて蛍光性樹脂組成物を製造する際に、蛍光性樹脂組成物に濁りが生じることがあるため、組成物としても蛍光特性が低下する場合がある。
液体クロマトグラフィー法による純度決定は、順相、逆相のいずれの条件でも可能である。順相では、例えばGLサイエンス社製Inertsil(登録商標)Diolカラムを、逆相では、例えばウォーターズ社製XBridge(登録商標)C18カラムを使用することができる。また、サイズ排除クロマトグラフィーも有効な方法であり、例えば東ソー(株)製TSK−GEL SuperHZ2000カラムを使用することができる。
次に、本発明に係る上記一般式(1)で表される蛍光性化合物の製造方法について説明する。本発明の蛍光性化合物はトリアリールアミン誘導体であり、様々な方法で製造することができる。例えば、シロキサン含有基を含まないトリアリールアミン誘導体を公知の方法により製造した後に、シロキサン含有基を導入する方法が挙げられる。あるいは、シロキサン含有基を結合させた芳香族ハロゲン化物や芳香族アミンを調製しこれをビルディングブロックとして使用してトリアリールアミン誘導体を構築する方法が挙げられる。後者のなかでも、シロキサン含有基を結合させた芳香族アミン誘導体と芳香族ハロゲン化物を遷移金属触媒存在下で反応させる芳香族アミノ化反応により製造する方法が好ましい。
[第1の製造方法]
本発明の一般式(1)で表される化合物の製造方法は、シロキサン含有基の位置により様々な組み合わせが考えられる。まず、一般式(1)において、nが1、3、または5であり、Rのいずれかが一般式(3)で表されるシロキサン含有基である場合の蛍光性化合物の製造方法について説明する。かかる特徴を有する蛍光性化合物の製造方法を、本明細書において、「第1の製造方法」と指称する。
第1の製造方法は、上記一般式(4)で表されるアミン化合物と、上記一般式(5)で表される芳香族ハロゲン化合物とを、遷移金属触媒存在下で反応させる工程を含む。
上記一般式(4)中、R4aは、それぞれ、一般式(1)のRと同一である。したがって、製造目的物である一般式(1)で表される蛍光性化合物において、シロキサン含有基を導入する箇所に対応するR4aは、シロキサン含有基である必要がある。また、製造目的物である一般式(1)で表される蛍光性化合物において、複数の異なる種類のRが存在する場合には、出発物質の一般式(4)で表されるアミン化合物において、複数の異なる種類のRに対応させるようにR4aを決定する。
一般式(4)で表されるアミン化合物は、常法にしたがって、当業者が適宜合成することができる。
上記式(5)中、R1a〜R4aは、それぞれ、式(1)のR〜Rと同一である。ここでも、目的物である一般式(1)で表される蛍光性化合物において、複数の異なる種類のR〜Rが存在する場合には、出発物質の一般式(5)で表されるアミン化合物において、複数の異なる種類のR〜Rに対応させるようにR1a〜R4aを決定する。Zは、ハロゲン原子であり、例えば、Cl、Br、I、好ましくは、Br、Iである。Xは一般式(1)で定義したXと同じ置換基を表す。
oは0〜2の整数を表し、一般式(1)中のnと、o=(n−1)/2を満たす。すなわち、本実施形態による製造方法で製造した場合には、1分子の一般式(4)で表されるアミン化合物と、2分子の一般式(5)で表される芳香族ハロゲン化合物とが反応して、一般式(1)で表される蛍光性化合物を製造することができる。
上記一般式(5)で表される芳香族ハロゲン化合物は、常法にしたがって、当業者が適宜合成することにより準備することができる。
次に、一般式(4)で表されるアミン化合物と、一般式(5)で表される芳香族ハロゲン化合物とを、遷移金属触媒存在下で反応させる工程において、使用する遷移金属触媒としてはパラジウム触媒、ルテニウム触媒、ロジウム触媒、白金触媒、コバルト触媒、ニッケル触媒が挙げられる。これらの遷移金属触媒の中でも、パラジウム触媒を用いることが好ましい。
パラジウム触媒の具体例としては、ジ−μ−クロロビス[(η−アリル)パラジウム(II)]、酢酸パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム(II)、トランス−ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)、ジクロロ(η−シクロオクタ-1,5-ジエン)パラジウム(II)、トランス−ジ−μ−ブロモ−ビス[o−(ジメシチルホスフィノ)−3,5−ジメチルベンジル]ジパラジウム(II)、トランス−ジ−μ−クロロ-ビス[o−(ジメシチルホスフィノ)−3,5−ジメチルベンジル]ジパラジウム(II)、トランス−ジ−μ−ヨード−ビス[o−(ジメシチルホスフィノ)−3,5-ジメチルベンジル]ジパラジウム(II)、トランス−ジ−μ−アセテート−ビス[o−(t−ブチル−o−トリルホスフィノ)ベンジル]ジパラジウム(II)、トランス−ジ−μ−アセテート−ビス[o−(ジ−t−ブチルホスフィノ)ベンジル]ジパラジウム(II)、トランス−ジ−μ−アセテート−ビス[o−(ジ−o−トリルホスフィノ)ベンジル]ジパラジウム(II)等が挙げられる。
遷移金属触媒の使用量は特に限定されないが、一般式(4)で表されるアミン化合物1モルに対し、0.000001〜0.01モルの範囲とすることが好ましく、0.00001〜0.001モルの範囲とすることが更に好ましい。
上記第1の製造方法では、反応を行う際に配位子を添加してもよい。このような配位子の例としては、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、2−ジ−tert−ブチルホスフィノ−2’−メチルビフェニル、2−(ジ−tert−ブチルホスフィノ)ビフェニル、トリフェニルホスフィン、トリ−o−トリルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ジ−tert−ブチルホスフィノビフェニル、ジシクロヘキシルホスフィノビフェニル、亜リン酸トリフェニル等のリン化合物が挙げられる。これらの配位子の使用量は、触媒として添加する遷移金属原子に対して、0.5〜2当量とすることが好ましく、0.8〜1.5当量とすることがより好ましい。配位子の添加は、遷移金属触媒の添加と同時に実施することができる。
第1の製造方法では反応を行う際に塩基を添加することが好ましい。塩基としては水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等の無機塩、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド等の金属アルコキシド、メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジン等の有機塩基が挙げられる。塩基の使用量は一般式(4)で表されるアミン化合物1モルに対し、0.1〜10モルとすることが好ましく、1〜3モルとすることがより好ましい。塩基の添加は、触媒や配位子と同時に添加するのが好ましい。
一般式(4)で表されるアミン化合物と一般式(5)で表される芳香族ハロゲン化合物との反応時の配合比は特に限定されない。反応性、生産性の点からは、一般式(4)で表されるアミン化合物1モルに対し、一般式(5)で表される芳香族ハロゲン化合物は、1.5〜4モルとすることが好ましく、2.0〜3.0モルとすることがより好ましい。
第1の製造方法における反応温度は、0〜300℃とすることが好ましく、80〜150℃とすることがより好ましい。反応時間は、0.1〜20時間とすることが好ましく、1〜3時間とすることがより好ましい。しかし、反応温度及び反応時間は、当業者が適宜これを決定することができ、上記範囲には限定されない。
反応溶媒としては、エーテル系や炭化水素系溶媒、非プロトン性極性溶媒を使用することができる。具体的には、ペンタン、ヘキサン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、トルエン、キシレン、メシチレン、アセトニトリル、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド又はこれらの混合溶媒等が挙げられる。これらの中でも特に、トルエン、キシレン、メシチレンを用いることが好ましい。
上記製造方法により製造された一般式(1)で表される蛍光性化合物は、前述した精製方法によって精製することができる。
[第2の製造方法]
次に、一般式(1)において、Rのうち少なくとも一つが一般式(2)で表されるアミン含有基であり、かつRのいずれか一以上が、一般式(3)で表されるシロキサン含有基である場合の蛍光性化合物の製造方法について説明する。かかる特徴を有する蛍光性化合物の製造方法を、本明細書において、「第2の製造方法」と指称する。
第2の製造方法は、上記一般式(6)で表されるアミン化合物と、上記一般式(7)で表される芳香族ハロゲン化合物とを、遷移金属触媒存在下で反応させる工程を含む。
一般式(6)中、R5bは、一般式(2)におけるRと同一であり、R5bのいずれかが一般式(3)で表されるシロキサン含有基である。したがって、製造目的物である一般式(1)で表される蛍光性化合物において、シロキサン含有基を導入する箇所に対応するR5bは、シロキサン含有基である必要がある。また、製造目的物である一般式(2)において、複数の異なる種類のRが存在する場合には、出発物質の一般式(6)で表されるアミン化合物において、複数の異なる種類のRに対応させるようにR5bを決定する。
一般式(6)で表されるアミン化合物は、常法にしたがって、当業者が適宜合成することにより準備することができる。
一般式(7)中、R1b〜R4bは一般式(1)におけるR〜Rと同一である。ここでも、目的物である一般式(1)で表される蛍光性化合物において、複数の異なる種類のR〜Rが存在する場合には、出発物質の一般式(7)で表される芳香族ハロゲン化合物において、複数の異なる種類のR〜Rに対応させるようにR1b〜R4bを決定する。ただし、R2bのうち少なくとも一つは一般式(8)で表される置換基を表す。ここでも、目的物である一般式(1)で表される蛍光性化合物において、一般式(2)で表されるアミン含有基が導入されるRに対応するR2bが、一般式(8)で表される置換基である必要がある。Xは、一般式(1)におけるXと同一である。nは、一般式(1)におけるnと同一である。
一般式(8)中、R6bは、一般式(2)におけるRと同一である。製造目的物である一般式(2)において、複数の異なる種類のRが存在する場合には、出発物質の一般式(8)において、複数の異なる種類のRに対応させるようにR6bを決定する。mは、一般式(2)におけるmと同一である。Zは、ハロゲン原子であり、例えばCl、Br、I、好ましくは、Br、Iである。
上記一般式(7)で表される芳香族ハロゲン化合物は、常法にしたがって、当業者が適宜合成することにより準備することができる。
第2の製造方法においても、上記出発物質を除き、第1の製造方法と概ね同じ条件で、同じようにして反応を実施することができる。一般式(6)で表されるアミン化合物と一般式(7)で表される芳香族ハロゲン化合物を、遷移金属触媒存在下で反応させる工程においては、上記第1の製造方法において説明したのと同様の遷移金属触媒を用いることができる。また、その使用量は、一般式(7)で表される芳香族ハロゲン化合物1モルに対し、0.000001〜0.01モルとすることが好ましく、0.00001〜0.001モルの範囲とすることが更に好ましい。
第2の製造方法においても、上記第1の製造方法において説明したのと同様の配位子を使用することができる。その使用量についても、上記第1の製造方法において説明したのと同様で、触媒として添加した化合物の遷移金属原子に対して0.5〜2当量とすることが好ましく、0.8〜1.5当量とすることが更に好ましい。
第2の製造方法においても、一般式(6)で表されるアミン化合物と一般式(7)で表される芳香族ハロゲン化合物を、遷移金属触媒存在下で反応させる工程においては、付加的に、塩基を添加することが好ましい。塩基としては上記第1の製造方法において説明したのと同様のものを用いることができる。塩基の使用量は一般式(7)の化合物1モルに対し、0.1〜10モルとすることが好ましく、1〜3モルとすることがより好ましい。塩基の添加は、上記第1の製造方法において説明したのと同様の時点で行うことができる。
一般式(6)で表されるアミン化合物と一般式(7)で表される芳香族ハロゲン化合物の配合比は特に限定されない。反応性、生産性の点からは、一般式(7)で表される芳香族ハロゲン化合物1モルに対し、一般式(6)で表されるアミン化合物は、1.5〜4モルとすることが好ましく、2.0〜3.0モルとすることが更に好ましい。
第2の製造方法における反応温度もまた、0〜300℃とすることが好ましく、80〜150℃とすることがより好ましい。反応時間は、0.1〜20時間とすることが好ましく、1〜3時間とすることがより好ましい。しかし、反応温度及び反応時間は、当業者が適宜これを決定することができ、上記範囲には限定されない。反応溶媒としては、上記第1の製造方法において説明したのと同様のものを用いることができる。
第2の製造方法により製造された一般式(1)で表される蛍光性化合物は、前述した精製方法によって精製することができる。
[第3の製造方法]
一般式(1)において、nが0であり、Rのいずれか一以上が一般式(3)で表されるシロキサン含有基である場合の蛍光性化合物の製造方法について説明する。かかる特徴を有する蛍光性化合物の製造方法を、本明細書において、「第3の製造方法」と指称する。
第3の製造方法は、上記一般式(10)で表されるアミン化合物と、上記一般式(9)で表される芳香族ハロゲン化合物とを、遷移金属触媒存在下で反応させる工程を含む。
一般式(9)中、Xは、それぞれ、一般式(1)におけるXと同一であり、Zはハロゲン原子であり、例えばCl、Br、I、好ましくは、Br、Iである。上記一般式(9)で表される芳香族ハロゲン化合物は、常法にしたがって、当業者が適宜合成することにより準備することができる。
一般式(10)中、R1c、R2cは、それぞれ、一般式(1)におけるR、Rと同一であり、目的物である一般式(1)で表される蛍光性化合物において、複数の異なる種類のR、Rが存在する場合には、出発物質の一般式(10)で表されるアミン化合物において、複数の異なる種類のR、Rに対応させるようにR1c、R2cを決定する。また、製造目的物である一般式(1)で表される蛍光性化合物においてシロキサン含有基が導入されている箇所に対応する、出発物質の一般式(10)におけるR2cは、シロキサン含有基である必要がある。一般式(10)で表されるアミン化合物は、常法にしたがって、当業者が適宜合成することにより準備することができる。
第3の製造方法においても、上記出発物質を除き、第1の製造方法又は第2の製造方法と概ね同じ条件で、同じようにして反応を実施することができる。第3の製造方法における用いる遷移金属触媒の使用方法及び使用量、配位子の使用方法及び使用量、塩基の使用方法及び使用量、溶媒、反応条件等は第1の製造方法又は第2の製造方法と同様に実施することができる。また、第3の製造方法により製造された一般式(1)で表される蛍光性化合物は、前述した精製方法によって精製することができる。
[蛍光性樹脂組成物]
次に、本発明の別の実施形態による、蛍光性樹脂組成物について説明する。本実施形態による蛍光性樹脂組成物は、本発明の蛍光性化合物と、樹脂とを含んでなる。
本発明の蛍光性化合物については、上記実施形態において、一般式(1)で表して説明したとおりである。本実施形態による蛍光性樹脂組成物は、一般式(1)で表された蛍光性化合物の一種のみを含んでも良く、二種以上を含んでも良い。また、一般式(1)で表された蛍光性化合物を少なくとも一種含んでいれば、一般式(1)以外の構造を有する蛍光性化合物を含んでも良い。
蛍光性樹脂組成物においてマトリクスとなる樹脂は、特定の樹脂には限定されないが、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、シクロオレフィンポリマー、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアミド、ポリイミド、ポリビニルアルコール、シリコーン樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ABS樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン等の熱可塑性あるいは熱硬化性樹脂、天然ゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、EPDM、スチレンブタジエンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム等のエラストマー等が挙げられる。特には、シリコーンオイル、シリコーンゴム、シリコーンレジン、シリコーンゲル等のシリコーン樹脂が好ましい。
本発明の蛍光性樹脂組成物は、液体、固体、ゴム、ゲル等のいずれの状態であってもよい。蛍光性樹脂組成物の状態は、マトリクス樹脂の状態により、あるいは後述する任意成分により、当業者が適宜、調節することができる。また、本発明の蛍光性樹脂組成物中では、蛍光性化合物は凝集せず均一に分散していることが好ましい。蛍光性化合物を均一に分散するためには、蛍光性樹脂組成物の製造方法において、加熱する又は均一になるまでゆっくりと攪拌する工程を含むことが好ましい。
本発明の蛍光性樹脂組成物において、蛍光性化合物の含有量は任意であるが、通常、組成物全体を100%としたときに、例えば、0.001〜10質量%、好ましくは、0.01〜5質量%、より好ましくは0.1〜5質量%である。マトリクス樹脂に相溶する範囲で蛍光性化合物の含有量を決定することが好ましい。したがって、蛍光性樹脂組成物において、蛍光性化合物の含有量は、蛍光性化合物の性質やマトリクス樹脂の性質によるが、蛍光性化合物の含有量が多すぎると濃度消光によって蛍光強度が低下する場合があり、含有量が少なすぎると蛍光強度が十分でなくなる場合がある。
本実施形態による蛍光性樹脂組成物には、蛍光性化合物と樹脂以外に、任意成分を含んでいてもよい。任意成分としては、例えば、水、メタノール、エタノール、ヘキサン、イソオクタン、デカン、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルピロリドン、ジメチルスルホキシド等の溶媒、シリカゲル、酸化チタン、酸化亜鉛、カーボン、水酸化マグネシウム等のフィラー、シランカップリング剤やテトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、ヘキサメチルジシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン等のケイ素化合物、アゾビスイソブチロニトリルや過酸化ベンゾイル等のラジカル重合開始剤、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、ジフェニルヨードニウムヘキサフルオロホスフェート等の光重合開始剤、塩化白金酸、白金(0)ジビニルテトラメチルジシロキサン錯体、ベンジリデンジクロロビス(トリシクロヘキシルホスフィン)ルテニウム等の金属化合物、ガラス繊維や炭素繊維等の繊維、ベンゾフェノン誘導体やヒンダードアミン化合物等の紫外線吸収剤及び光安定剤、フタル酸エステルやアジピン酸エステル等の可塑剤、リン酸エステル等の難燃剤等が挙げられる。
これらの任意成分の含有量は、組成物の発光特性を妨げない範囲で任意に決定することができる。通常、蛍光性樹脂組成物全体の質量に対し、0.01〜80質量%の範囲の任意成分を含んでもよいが、この範囲には限定されない。
次に、本実施形態による蛍光性樹脂組成物を製造方法の観点から説明する。蛍光性樹脂組成物の製造方法は、蛍光性化合物と、樹脂とを混合する工程を含んでなる。蛍光性化合物と、樹脂とを混合する工程としては、例えば、樹脂と蛍光性化合物とを混練して分散させることが挙げられる。他には、液状の樹脂モノマーやプレポリマーに、蛍光性化合物を予め混合溶解させてから、付加重合あるいは縮重合させる方法や、樹脂ワニスに蛍光性化合物を溶解させる方法等が挙げられる。いずれの方法も当業者であれば、常法に従って実施することができる。
本実施形態による蛍光性樹脂組成物においては、構成成分である蛍光性化合物と樹脂との相溶性が高く、樹脂自体の透明性を損なわれることなく着色された蛍光性樹脂組成物となっている。そのため、蛍光インクや波長変換材料、色素レーザー等の様々な用途において広く用いることができる。
次に、本発明を実施例及び比較例により更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例によって何ら限定されるものではない。以下の構造式中、Meはメチル基を示す。
[実施例1]N,N−ビス[4’−(N’,N’−ジ−4−トリルアミノ)ビフェニル−4−イル]−3−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)アニリン(化合物1)の合成
100mlの3つ口フラスコに還流冷却器、攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、4’−(N,N−ジ−4−トリルアミノ)−4−ブロモビフェニル921.1mg(2.15mmol)、3−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)アニリン315.5mg(1.09mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド460.6mg(4.79mmol)、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン82.1mg(0.15mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジパラジウム(0)77.1mg(0.074mmol)とメシチレン8mlを仕込み、115℃で1.5時間攪拌した。得られた溶液を減圧濃縮し、水とトルエンを加えた後、分液操作により有機層を抽出した。得られた溶液を硫酸マグネシウムにより乾燥し、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび分取液体クロマトグラフィーにより精製して薄黄色固体704.9mgを得た。
この固体のNMRスペクトルおよびMALDI−TOFMSスペクトルを測定した結果、N,N−ビス[4’−(N’,N’−ジ−4−トリルアミノ)ビフェニル−4−イル]−3−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)アニリンであることが確認された。
1H−NMR(600MHz,δ in CDCl):0.03(s,18H),0.23(s,3H),2.32(s,12H),7.01−7.10(m,20H),7.12−7.29(m,7H),7.32(brs,1H),7.39−7.46(m,8H)
MALDI−TOFMS m/z:1007.4(M
実施例1で製造された化合物1の構造を下記式(11)に示す。
Figure 0005894945
化合物1の紫外可視吸収スペクトル及び蛍光スペクトルをエタノール中で測定した。最長吸収極大波長は359nm、モル吸光係数は6.50×104であり、最大蛍光波長は410nm(励起波長:359nm)であった。
[実施例2]N,N’−ビス[フェニル−3−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)フェニルアミノビフェニル−4’−イル]−N,N’−ジフェニルベンジジン(化合物2)の合成
100mlの3つ口フラスコに還流冷却器、攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、N,N’−ビス(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−N,N’−ジフェニルベンジジン386.2mg(0.48mmol)、フェニル−3−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)アミン409.4mg(1.05mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド214.4mg(2.23mmol)、1,1−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン61.9mg(0.11mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジバラジウム(0)50.1mg(0.048mmol)とメシチレン8mlを仕込み、110℃で3.5時間攪拌した。得られた溶液を減圧濃縮し、水とトルエンを加えた後、分液操作により有機層を抽出した。得られた溶液を硫酸マグネシウムにより乾燥し、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび分取液体クロマトグラフィーにより精製して薄黄色固体437.4mgを得た。
この固体のNMRスペクトル及びMALDI−TOFMSスペクトルを測定した結果、N,N’−ビス[フェニル−3−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)フェニルアミノビフェニル−4’−イル]−N,N’−ジフェニルベンジジンであることが確認された。
1H−NMR(600MHz,δ in CDCl):0.03(s,36H),0.22(s,6H),6.98−7.32(m,40H),7.42−7.50(m,12H)
MALDI−TOFMS m/z:1415.6(M
実施例2で製造された化合物2の構造を下記式(12)に示す。
Figure 0005894945
化合物2の紫外可視吸収スペクトル及び蛍光スペクトルをエタノール中で測定した。最長吸収極大波長は359nm、モル吸光係数は7.88×10であり、最大蛍光波長は410nm(励起波長:359nm)であった。
[実施例3]N,N−ビス[4’−(N’−フェニル−N’−4’−ジフェニルアミノビフェニル−4−イル)ビフェニル−4−イル]−3−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)アニリン(化合物3)の合成
100mlの3つ口フラスコに還流冷却器、攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、N−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−N’,N’, N’−トリフェニルベンジジン665.8mg(1.03mmol)、フェニル−3−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)アミン108.4mg(0.45mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド211.5mg(2.20mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン21.0mg(0.10mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジバラジウム(0)42.1mg(0.041mmol)とメシチレン5mlを仕込み、120℃で3.5時間攪拌した。得られた溶液を減圧濃縮し、水とトルエンを加えた後、分液操作により有機層を抽出した。得られた溶液を硫酸マグネシウムにより乾燥し、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび分取液体クロマトグラフィーにより精製して薄黄色固体353.2mgを得た。
この固体のNMRスペクトル及びMALDI−TOFMSスペクトルを測定した結果、N,N−ビス[4’−(N’−フェニル−N’−4’−ジフェニルアミノビフェニル−4−イル)ビフェニル−4−イル]−3−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)アニリンであることが確認された。
1H−NMR(600MHz,δ in CDCl):0.03(s,18H),0.23(s,3H),7.00−7.07(m,28H),7.09−7.23(m,28H), 7.24−7.32(m,16H),7.43−7.51(m,16H)
MALDI−TOFMS m/z:1437.6(M
実施例3で製造された化合物3の構造を下記式(13)に示す。
Figure 0005894945
化合物3の紫外可視吸収スペクトル及び蛍光スペクトルをテトラヒドロフラン中で測定した。最長吸収極大波長は363nm、モル吸光係数は2.65×10であり、最大蛍光波長は413nm(励起波長:363nm)であった。
[実施例4]N,N−ビス[4’−(N’−フェニル−N’−4’−ジフェニルアミノビフェニル−4−イル)ビフェニル−4−イル]−3−(ペンタメチルジシロキサン−1−イル)アニリン(化合物4)の合成
100mlの3つ口フラスコに還流冷却器、攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、N−(4’−ブロモビフェニル−4−イル)−N’,N’, N’−トリフェニルベンジジン583.2mg(0.90mmol)、フェニル−3−(ペンタメチルジシロキサン−1−イル)アミン118.7mg(0.41mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド203.6mg(2.12mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン14.0mg(0.069mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジバラジウム(0)31.4mg(0.030mmol)とメシチレン5mlを仕込み、125℃で1.5時間攪拌した。得られた溶液を減圧濃縮し、水とトルエンを加えた後、分液操作により有機層を抽出した。得られた溶液を硫酸マグネシウムにより乾燥し、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび分取液体クロマトグラフィーにより精製して薄黄色固体308.1mgを得た。
この固体のNMRスペクトル及びMALDI−TOFMSスペクトルを測定した結果、N,N−ビス[4’−(N’−フェニル−N’−4’−ジフェニルアミノビフェニル−4−イル)ビフェニル−4−イル]−3−(ペンタメチルジシロキサン−1−イル)アニリンであることが確認された。
1H−NMR(600MHz,δ in CDCl):0.02(s,9H),0.28(s,6H),7.11−7.24(m,28H),7.25−7.32(m,14H),7.35−7.37(m,1H),7.44−7.52(m,16H)
MALDI−TOFMS m/z:1364.7(M
実施例4で製造された化合物4の構造を下記式(14)に示す。
Figure 0005894945
化合物4の紫外可視吸収スペクトル及び蛍光スペクトルをテトラヒドロフラン中で測定した。最長吸収極大波長は363nm、モル吸光係数は2.83×10であり、最大蛍光波長は413nm(励起波長:363nm)であった。
[実施例5]N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−[3−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)フェニル]−ベンジジンの合成
100mlの3つ口フラスコに還流冷却器、攪拌機を取り付け、内部を窒素置換した。このフラスコに、4,4’−ジブロモビフェニル71.3mg(0.23mmol)、フェニル−3−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)フェニルアミン197.3mg(0.51mmol)、ナトリウム−tert−ブトキシド150.8mg(0.63mmol)、トリ−tert−ブチルホスフィン7.5mg(0.037mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)(クロロホルム)ジバラジウム(0)24.8mg(0.024mmol)とメシチレン3mlを仕込み、110℃で7時間攪拌した。得られた溶液を減圧濃縮し、水とトルエンを加えた後、分液操作により有機層を抽出した。得られた溶液を硫酸マグネシウムにより乾燥し、ロータリーエバポレーターにて減圧濃縮した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび分取液体クロマトグラフィーにより精製して無色液体332.0mgを得た。
この液体のMALDI−TOFMSスペクトルを測定した結果、N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ−[3−(1−トリメチルシロキシ−1,3,3,3−テトラメチルジシロキサン−1−イル)フェニル]−ベンジジンであることが確認された。
MALDI−TOFMS m/z:929.5(M
実施例5で製造された化合物5の構造を下記式(15)に示す。
Figure 0005894945
[実施例6]化合物1を含有するシリコーン樹脂組成物の製造
ガラスバイアル中に実施例1で製造した化合物1を10.1mg秤量し、透明シリコーン樹脂SIM−360主剤(信越化学工業(株)製)を室温下で攪拌しながら少量ずつ添加した。溶液が透明となったときに溶解したと判断し、溶解度を計算すると1mmol/Lであった。この混合物に主剤に対して10質量%の硬化剤を添加して混合し、脱泡後に150℃で30分加熱して硬化させ、蛍光性のシリコーン樹脂組成物を得た。なお、化合物1の濃度は上記の濃度以下で任意に変更することが可能であった。
[実施例7]化合物2を含有するシリコーン樹脂組成物の製造
実施例と同様にして化合物2のSIM−360主剤への溶解度を測定したところ、0.5mmol/Lであった。この混合物に主剤に対して10質量%の硬化剤を添加して混合し、脱泡後に150℃で30分加熱して硬化させ、蛍光性のシリコーン樹脂組成物を得た。なお、化合物2の濃度は上記の濃度以下で任意に変更することが可能であった。
[実施例8]化合物3を含有するシリコーン樹脂組成物の製造
実施例と同様にして化合物3のSIM−360主剤への溶解度を測定したところ、0.1mmol/Lであった。この混合物に主剤に対して10質量%の硬化剤を添加して混合し、脱泡後に150℃で30分加熱して硬化させ、蛍光性のシリコーン樹脂組成物を得た。なお、化合物3の濃度は上記の濃度以下で任意に変更することが可能であった。
[実施例9]化合物4を含有するシリコーン樹脂組成物の製造
実施例と同様にして化合物4のSIM−360主剤への溶解度を測定したところ、0.1mmol/Lであった。この混合物に主剤に対して10質量%の硬化剤を添加して混合し、脱泡後に150℃で30分加熱して硬化させ、蛍光性のシリコーン樹脂組成物を得た。なお、化合物4の濃度は上記の濃度以下で任意に変更することが可能であった。
[比較例1]化合物6のシリコーン樹脂への溶解度測定
本比較例1で使用した化合物6の構造を下記式(16)に示す。実施例3と同様にして化合物6のSIM−360主剤への溶解度を測定したところ、白濁状態となり全く溶解しなかった。
Figure 0005894945
本発明の蛍光性化合物は、例えばシリコーン樹脂のような低極性の樹脂を、透明性を損なわずに着色することが可能となるので、高透明性の蛍光性樹脂組成物が得られ、有用性が高い。蛍光インクや波長変換材料、色素レーザー等に使用することができる。また本発明の蛍光性化合物は、トリアリールアミン骨格を有しているので、有機電界発光素子等の有機電子デバイスにおいて電荷輸送性化合物や発光化合物として使用することが可能である。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)で表される蛍光性化合物。
    Figure 0005894945


    {一般式(1)中、
    1〜Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、もしくは環状の一価炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、ハロゲン原子、水素原子、アミノ基、シアノ基、下記一般式(2)で表されるアミン含有基、及び下記一般式(3)で表されるシロキサン含有基から選択される置換基を表し、但し、Rが存在せず、Xに結合した窒素原子に対してオルト位の炭素が結合してカルバゾール環構造を形成してもよく;
    置換基として下記一般式(2)で表されるアミン含有基を含まない場合は、R1〜Rのうち少なくとも一つが下記一般式(3)で表されるシロキサン含有基であり、置換基として下記一般式(2)で表されるアミン含有基を含む場合には、R〜Rのうち少なくとも一つが、下記一般式(3)で表されるシロキサン含有基である。
    Figure 0005894945


    (一般式(2)中、
    、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、もしくは環状の1価炭化水素基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数6〜20のアリーロキシ基、ハロゲン原子、水素原子、アミノ基、下記一般式(3)で表されるシロキサン含有基から選択される置換基を表し、
    mは0又は1である。)
    Figure 0005894945

    (一般式(3)中、
    Sxはケイ素原子数2〜であって、該ケイ素原子の少なくとも一つに炭素数1〜10の一価炭化水素基が結合した直鎖状または分岐状のオルガノシロキサニル基を表す。
    Xは、同一でも異なってもよく、単結合、炭素数1〜20の直鎖状、分岐状、もしくは環状の二価炭化水素基を表し、炭素原子の一部がヘテロ原子で置換されていてもよく;
    nは0〜5の整数である。}
  2. 一般式(1)において、nが1、3、または5であり、Rのいずれか一以上が、一般式(3)で表されるシロキサン含有基である請求項1に記載の蛍光性化合物。
  3. 一般式(1)において、Rのうち少なくとも一つが一般式(2)で表されるアミン含有基であり、かつRのいずれか一以上が、一般式(3)で表されるシロキサン含有基である請求項1に記載の蛍光性化合物。
  4. 一般式(1)において、nが0であり、Rのいずれか一以上が、一般式(3)で表されるシロキサン含有基である請求項1に記載の蛍光性化合物。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の蛍光性化合物と、樹脂とを含んでなる蛍光性樹脂組成物。
  6. 前記樹脂が、シリコーン樹脂である請求項5に記載の蛍光性樹脂組成物。
  7. 下記一般式(4)で表されるアミン化合物と下記一般式(5)で表される芳香族ハロゲン化合物とを、遷移金属触媒存在下で反応させる工程を含む、請求項2に記載の蛍光性化合物の製造方法。
    Figure 0005894945

    (一般式(4)中、
    4aは、それぞれ一般式(1)におけるRと同一である。)

    Figure 0005894945


    (一般式(5)中、R1a〜R4aは、それぞれ一般式(1)におけるR〜Rと同一であり;
    はハロゲン原子であり;
    は一般式(1)におけるXと同一であり;
    oは0〜2の整数を表し、一般式(1)におけるnと、o=(n−1)/2を満たす)。
  8. 下記一般式(6)で表されるアミン化合物と下記一般式(7)で表される芳香族ハロゲン化合物とを遷移金属触媒存在下で反応させる工程を含む請求項3に記載の蛍光性化合物の製造方法。
    Figure 0005894945


    (一般式(6)中、R5bは、それぞれ一般式(2)におけるRと同一である。)

    Figure 0005894945


    (一般式(7)中、R1b〜R4bは、それぞれ一般式(1)におけるR〜Rと同一であり;
    は、それぞれ一般式(1)におけるXと同一であり;
    は、一般式(1)におけるnと同一であり、但し、R2bのうち少なくとも1つは、式(8)で表される置換基を表す。)
    Figure 0005894945
    (一般式(8)中、R6bは、それぞれ一般式(2)におけるRと同一であり;
    は、一般式(2)におけるmと同一であり;
    はハロゲン原子である。)
  9. 下記一般式(10)で表されるアミン化合物と下記一般式(9)で表される芳香族ハロゲン化合物とを遷移金属触媒存在下で反応させる工程を含む請求項4に記載の蛍光性化合物の製造方法。
    Figure 0005894945


    (一般式(9)中、Xは、それぞれ、一般式(1)におけるXと同一であり;
    はハロゲン原子である。)

    Figure 0005894945


    (一般式(10)中、R1c、R2cは、それぞれ、一般式(1)におけるR、Rと同一である。)
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