JP5894836B2 - 無限軌道駆動装置のシール構造 - Google Patents

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Description

本発明は、車両の無限軌道駆動装置内を密封するシール構造に関するものである。
例えば油圧ショベル等の無限軌道車両は、土木工事現場等でぬかるんだ泥の上を走行するような場合に、無限軌道帯を駆動する無限軌道駆動装置が泥にまみれて回転作動することがある。このような無限軌道駆動装置には、泥等の異物が侵入することを防止するシール構造として、車両に取り付けられる固定ハウジングと無限軌道帯を駆動する回転ケーシングとの間にラビリンスシール及びフローティングシールを備えるものがある(特許文献1参照)。
この種のラビリンスシールは、フローティングシールのまわりに画成されるクランク状に曲折した断面形状の隙間を有し、泥等の異物がフローティングシールのまわりに侵入することを防止するようになっている。
フローティングシールは、固定ハウジングと回転ケーシングの内壁面の間に、一対のOリングを介して装着される一対の金属製シールリングを備え、各Oリングに押される各シールリングが互いに摺接する。これにより、装置内の潤滑油が外部に漏出しないように密封するとともに、外部から異物が装置内に侵入することを防止するようになっている。
特開2001−248735号公報
しかしながら、このような従来の無限軌道駆動装置のシール構造にあっては、軸受けのガタ等によって回転ケーシングが固定ハウジングに対して偏心し、フローティングシールが介装される回転ケーシング及び固定ハウジングの間隔が回転周方向について増減するため、フローティングシールによって泥等の異物の侵入を防止することが難しいという問題点があった。
また、フローティングシールは金属製シールリングどうしの摺接部に生じる摩擦熱の熱量が大きいため、装置内の潤滑油やシール材が過熱される心配があり、フローティングシールの摩擦損失が大きいという問題点があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、泥等の異物の侵入を防止し、摩擦損失を低減する無限軌道駆動装置のシール構造を提供することを目的とする。
本発明は、車両の無限軌道帯を駆動する回転ケーシングと固定ハウジングとの間を遮蔽する無限軌道駆動装置のシール構造であって、回転ケーシング及び固定ハウジングの一方に形成される環状のシール収容溝と、回転ケーシング及び固定ハウジングの他方に形成される環状のスライド面と、シール収容溝に収容されるシールリングと、シール収容溝に収容されシールリングをスライド面に押し付ける弾性部材と、シール収容溝にシールリングと並んで収容されるバックアップリングと、を備え、シールリングはシール収容溝の外部側に位置する溝側面に当接するように介装され、バックアップリングはシール収容溝の内部側に位置する溝側面に当接するように介装される
本発明では、軸受けのガタ等によって回転ケーシングが軸固定ハウジングに対して偏心して回転作動するときに、弾性部材の弾性復元力によって押されるシールリングがシール収容溝にて移動することにより、シールリングがスライド面から離れないように摺接する追従性が確保され、回転ケーシングと固定ハウジングとの間を遮蔽する状態が維持される。
シールリングは、シール収容溝に収容され、スライド面に摺接するため、要求される剛性が低く抑えられ、低摩擦樹脂材を用いることが可能となる。そして、シールリング及び弾性部材の材質、形状を任意に設定してシールリングをスライド面に押し付ける力を適度に調節することが可能となる。これにより、シールリングとスライド面との摺接部に生じる摩擦損失を低減できるとともに、摩擦熱によって無限軌道駆動装置内の潤滑油やシール材が過熱されることを防止し、これらの寿命延長がはかれる。
本発明の第1実施形態に係る無限軌道駆動装置の断面図である。 本発明の第1実施形態に係る無限軌道駆動装置のシール構造の断面図である。 本発明の第1実施形態に係るシールユニットの断面図である。 本発明の第2実施形態に係るシールユニットの断面図である。
以下、本発明の実施形態を添付図面に基づいて説明する。
(第1実施形態)
図1は、例えば油圧ショベル等のクローラ式車両に設けられる無限軌道駆動装置1のシール構造を示す断面図である。無限軌道駆動装置1は、固定ハウジング10に対して回転作動する回転ケーシング(ハブ)20を備え、この回転ケーシング20に図示しないスプロケット(クローラホイール)が連結される。回転ケーシング20が回転作動することにより、スプロケットに噛み合う図示しない無限軌道帯(クローラベルト)が循環して、車両が走行するようになっている。
固定ハウジング10は、図示しない車両フレームに連結される。固定ハウジング10の内部には、油圧モータ2が設けられる。この油圧モータ2は、例えば斜板式ピストンモータが用いられ、図示しない油圧源から供給される作動油によって回転軸Oを中心として回転作動する。
回転ケーシング20は、固定ハウジング10に対してベアリング3を介して回転可能に支持される。回転ケーシング20は、回転軸Oを中心として回転作動する。
回転ケーシング20の内部には、図示しない減速ギア機構5が設けられる。この減速ギア機構5は、油圧モータ2の出力回転を減速して回転ケーシング20に伝達する。回転ケーシング20の内側には減速ギア機構5を収容するギア室9が画成される。
円筒状の回転ケーシング20には、その外壁部22から環状に突出する回転フランジ部25が形成される。この回転フランジ部25は、回転軸Oと直交する半径方向に延びる回転フランジ端面26を有し、この回転フランジ端面26に開口する複数のネジ孔29が形成される。前記したスプロケット(クローラホイール)は、回転フランジ端面26に当接するように組み付けられ、ネジ孔29に螺合するボルト(図示せず)を介して回転フランジ部25に締結され、回転ケーシング20と共に回転作動する。
固定ハウジング10と回転ケーシング20の間には、ラビリンスシール30が設けられる。このラビリンスシール30は、固定ハウジング10に形成される環状凹部13と、回転ケーシング20に形成される環状凸部23との間に画成される。これにより、ラビリンスシール30は、クランク状に曲折した断面形状を有し、泥等の異物がギア室9に侵入することを防止するようになっている。
ラビリンスシール30は、その一端が無限軌道駆動装置1の外部に開口する半径方向シール間隙31と、この半径方向シール間隙31の他端にその一端が接続する軸方向シール間隙32と、この軸方向シール間隙32の他端にその一端が接続する半径方向シール間隙33とによって構成され、この半径方向シール間隙33の他端にその一端が接続する軸方向シール間隙34が設けられ、この軸方向シール間隙34の他端がギア室9のベアリング3のまわりに開口している。半径方向シール間隙31、33は、回転軸Oと直交する半径方向に延びる円盤状の空間を画成している。軸方向シール間隙32、34は、回転軸O方向に延びる円筒状の空間を画成している。
ラビリンスシール30の半径方向シール間隙33を遮蔽するシールユニット40が設けられる。このシールユニット40は、固定ハウジング10に形成される環状のスライド面46と、回転ケーシング20に形成される環状のシール収容溝45と、このシール収容溝45に収容されるシールリング50と、このシールリング50をスライド面46に押し付けるOリング42と、シールリング50のギア室9側に並んで介装されるバックアップリング43と、を備える。
半径方向シール間隙33は、固定ハウジング10の環状凹部13の底面19と、回転ケーシング20の環状凸部23の端面28との間に画成される。
環状凹部13の底面19にスライド面46が設けられる。スライド面46は、機械加工によって所定の表面粗度となるように形成される。なお、上述した構成に限らず、スライド面46を固定ハウジング10と別体で形成してもよい。
環状凸部23の端面28に環状のシール収容溝45が開口する。シール収容溝45は、スライド面46に対峙するように配置される。
図2に示すように、シール収容溝45は回転軸O方向に延びる溝側面45A、45Bと、回転軸Oに直交する半径方向に延びる溝底面45Cと、を有する。シールリング50は、シール収容溝45の外部側(ラビリンスシール30を介して外部に連通する側)に位置する溝側面45Aに当接するように介装される。バックアップリング43は、シール収容溝45の内部側(ギア室9に連通する側)に位置する溝側面45Bに当接するように介装される。シールリング50は、溝側面45Aとバックアップリング43の間に挟まれ、回転軸O方向について変位可能に支持される。
シールリング50は、合い口を持たないリング状に形成され、その全周に渡ってシール収容溝45に嵌合される。シールリング50及びシール収容溝45は、共に回転軸O方向に延びる環状に形成されているため、シールリング50に合い口を持たせる必要がなく、シールリング50をシール収容溝45に嵌合させることができる。
Oリング42は、シールリング50をスライド面46に押し付ける弾性部材として設けられ、ゴム材によってリング状に形成される。Oリング42は、円形状の断面を有する。Oリング42は、シールリング50の内側(背後側)にてシール収容溝45に圧縮して介装され、シールリング50のリング端面52(図3参照)を押圧する。
バックアップリング43は、矩形の断面形状を有し、例えばポリアミド等の樹脂材によって形成され、シールリング50より高い剛性を有する。バックアップリング43は、図示しない合い口端部によって画成される合い口隙間を有するリング状に形成される。バックアップリング43は、合い口隙間を拡げた状態でシール収容溝45に嵌め込まれる。
バックアップリング43は、スライド面46に押圧されるシールリング50がギア室9側にはみ出さないように支持するバックアップ機能を果たす。
バックアップリング43は、軸方向シール間隙34側(図2において下側)に介装され、シール収容溝45のギア室9側の溝側面45Bに当接する。
なお、上述した構成に限らず、一対のバックアップリング43がシールリング50及びOリング42を挟むように介装される構成としてもよい。また、バックアップリングを用いないでシールリング50の形状が維持される場合には、シールユニット40はバックアップリングを備えない構成としてもよい。
図3に示すように、シールリング50は、スライド面46に対峙するシール部51と、略矩形の断面形状に沿うリング端面52及び両リング側面(外周面、内周面)53、54と、を有する。シール部51は、スライド面46に摺接する2つのリップ部51A、51Bと、このリップ部51A、51Bの間にて窪むリップ間凹部51Cと、を有する。
なお、シールリング50は、上述した構成に限らず、シール部51の断面が直線状に延び、凹凸を持たない構成としてもよい。この場合に、シールリング50は、シール部51がスライド面46に対して円筒面状に接触する。
シールリング50は、例えばPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)の樹脂材によって形成されるが、これに限らず、他の低摩擦樹脂材を用いてもよい。
シールリング50が低摩擦樹脂材によって形成されることにより、金属によって形成されるスライド面46に対するシールリング50の摩擦係数は、従来のフローティングシールにおける金属どうしの摺接部に比べて小さく抑えられる。
シールリング50がスライド面46に押し付けられる力は、Oリング42の弾性復元力とシールリング50自体の弾性復元力とによって得られる。Oリング42及びシールリング50の材質、形状を任意に設定することにより、シールリング50とスライド面46との間に生じる摩擦力が小さく抑えられる。
以下、無限軌道駆動装置1の動作について説明する。
車両の走行時に、無限軌道駆動装置1は油圧モータ2が回転ケーシング20を回転作動させ、回転ケーシング20と共に回転するスプロケットに噛み合う図示しない無限軌道帯(クローラベルト)を循環させる。例えば土木工事現場等で車両がぬかるんだ泥の上を走行するような場合に、無限軌道帯が泥にめり込みながら循環し、無限軌道駆動装置1も泥にまみれて作動する。
上記の作動時に、無限軌道駆動装置1はラビリンスシール30によって泥等の異物が侵入することが防止されるとともに、ラビリンスシール30の半径方向シール間隙33がシールユニット40によって密封されることによって、ギア室9の潤滑油が外部に洩れ出さないように封止される。
環状凸部23の端面28に環状のシール収容溝45が開口するため、環状凸部23内のシールユニット40を囲むようにしてラビリンスシール30の軸方向シール間隙32が延びている。このようにシールユニット40のまわりにラビリンスシール30が配置されるため、シールユニット40の介装スペースを利用してラビリンスシール30の長さが十分に確保される。これにより、ラビリンスシール30によって泥等の異物がシールユニット40のまわりに侵入することを有効に抑えられることと、固定ハウジング10及び回転ケーシング20が大型化することを抑えられること、とを両立できる。
無限軌道駆動装置1が上記のように土砂や泥水等が存在する環境で使用される場合に、固定ハウジング10の外壁部12と回転ケーシング20に付着した泥等がラビリンスシール30に押し込まれることがある。
ラビリンスシール30に入った泥等の異物が半径方向シール間隙33に侵入しても、シールリング50のリップ部51Aがスライド面46に摺接することによって半径方向シール間隙33が遮蔽されているため、異物がギア室9に侵入することが防止される。
一方、シールリング50のリップ部51Bがスライド面46に摺接することによって半径方向シール間隙33が遮蔽されるため、ギア室9の潤滑油が外部に洩れ出さないように封止される。
上記無限軌道駆動装置1の作動時に、ベアリング3のガタ等によって固定ハウジング10に対して回転ケーシング20が偏心し、半径方向シール間隙33の間隙幅(回転軸O方向について環状凹部13の底面19と環状凸部23の端面28との距離)が回転周方向について例えば数ミリ程度増減する。このように固定ハウジング10のスライド面46に対して回転ケーシング20のシール収容溝45が変位することに対応して、Oリング42の弾性復元力によって押されるシールリング50がシール収容溝45の溝側面45Aに沿って移動する。これにより、シールリング50がスライド面46から離れないように摺接し、泥等の異物がギア室9に侵入することを防止するとともに、ギア室9の潤滑油が外部に洩れ出さないように封止する。
上記ラビリンスシール30に入ってシールユニット40に遮蔽された泥等がシールリング50とシール収容溝45の溝側面45Aの隙間を通ってシール収容溝45に入っても、この泥等はOリング42を介してシール収容溝45内に閉じ込められ、泥等がギア室9に侵入することが防止される。シール収容溝45内に入り込んだ泥等は、Oリング42を圧縮し、Oリング42によって押されるシールリング50がスライド面46に押し付けられ、シールリング50とスライド面46間の密封性が高まる。
以上の実施形態によれば、以下に示す作用効果を奏する。
〔1〕回転ケーシング20に形成される環状のシール収容溝45と、固定ハウジング10に形成される環状のスライド面46と、シール収容溝45に収容されるシールリング50と、シール収容溝45に収容されシールリング50をスライド面46に押し付けるOリング42と、を備えるため、固定ハウジング10のスライド面46に対して回転ケーシング20のシール収容溝45が変位することに対応して、Oリング42の弾性復元力によって押されるシールリング50がシール収容溝45にて移動することにより、シールリング50がスライド面46から離れないように摺接し、回転ケーシング20と固定ハウジング10との間を遮蔽する。
シールリング50は、シール収容溝45に収容され、スライド面46に摺接するため、要求される剛性が低く抑えられ、低摩擦樹脂材を用いることが可能となる。さらに、シールリング50及びOリング42の材質形状を任意に設定してシールリング50をスライド面46に押し付ける力を適度に調節することが可能となる。これにより、シールリング50とスライド面46との摺接部に生じる摩擦損失を低減して車両の燃費低減がはかれるとともに、摩擦熱によって無限軌道駆動装置1内の潤滑油やシール材が過熱されることを防止し、これらの寿命延長がはかれる。
なお、上述した構成に限らず、固定ハウジングにシール収容溝が設けられ、回転ケーシングにスライド面が設けられる構成としてもよい。この場合に、シールユニットのシールリング等は固定ハウジングに介装され、回転ケーシングと共に回転せず、密封性が維持される。
〔2〕シール収容溝45は回転ケーシング20の回転軸O方向に延びる溝側面45Aを有するため、回転ケーシング20がベアリング3のガタ等によって回転軸Oに対して偏心すると、シールリング50がシール収容溝45の溝側面45Aに摺接して回転軸O方向に移動することにより、シールリング50がスライド面46から離れないように摺接し、回転ケーシング20と固定ハウジング10との間を遮蔽する。
なお、上述した構成に限らず、回転軸O方向に延びる軸方向シール間隙34を遮蔽するシールユニットを備え、このシールユニットのシール収容溝は回転軸Oと直交する半径方向に延びる溝側面を有する構成としてもよい。この場合に、スライド面は回転軸O方向に延びる構成とし、シール収容溝に収容されるシールリングが半径方向に変位してスライド面に追従する。
〔3〕シール収容溝45にシールリング50と並んで収容されるバックアップリング43を備え、シールリング50はシール収容溝45の外部側に位置する溝側面45Aに当接するように介装され、バックアップリング43はシール収容溝45の内部側に位置する溝側面45Bに当接するように介装されるため、シールユニット40に遮蔽された泥等がシール収容溝45に入ってもバックアップリング43を介してシール収容溝45内に閉じ込められ、泥等がギア室9に侵入することが防止されるとともに、シールリング50がスライド面46に押し付けられる力が高まり、シールリング50とスライド面46間の密封性が高まる。
(第2実施形態)
次に図4に示す本発明の第2実施形態を説明する。図4は、シールユニット41の断面図である。この構成は第1実施形態と基本的に同じであるため、以下では、第1実施形態と相違する点のみについて説明する。なお、第1実施形態と同一の構成には同一の符号を付す。
シールユニット41は、固定ハウジング10に形成される環状のスライド面46と、回転ケーシング20に形成される環状のシール収容溝45と、このシール収容溝45に収容されるシールリング50と、このシールリング50をスライド面46に押し付けるXリング47と、シールリング50のギア室9側に並んで介装されるバックアップリング43と、を備える。
Xリング47は、シールリング50をスライド面46に押し付ける弾性部材として設けられ、ゴム材によってリング状に形成される。Xリング47は、4つの凸部47A〜47DからなるX字状の断面を有する。
Xリング47は、シールリング50の内側(背後側)にてシール収容溝45に圧縮して介装され、その弾性復元力によってシールリング50のリング端面52(図3参照)を押圧し、シールリング50をスライド面46に押し付ける。
シール収容溝45内には断面矩形の収容空間が画成され、この収容空間を画成する部位はシール収容溝45の溝側面45Aと溝底面45Cとバックアップリング43の側面とシールリング50のリング端面52によって4つの環状角部を有する。Xリング47の凸部47A〜47Dは、上記収容空間を画成する4つの環状角部に当接し、シールリング50とシール収容溝45の間を密封する。シール収容溝45内の圧力が高まるのに伴って、Xリング47の凸部47A〜47Dが当接部に押圧され、シールリング50とシール収容溝45間の密封性が高まるとともに、シールリング50がスライド面46に押し付けられる力が高まり、シールリング50とスライド面46間の密封性が高まる。
以上の第2実施形態によれば、第1実施形態と同様に前記〔1〕〜〔3〕の作用効果を奏するとともに、以下に示す作用効果を奏する。
〔4〕弾性部材として断面がX字形のXリング47が設けられるため、Xリング47がシール収容溝45内の圧力によって弾性変形することにより、シールリング50とシール収容溝45間の密封性が高まるとともに、シールリング50とスライド面46間の密封性が高まる。
本発明は上記の実施形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
本発明の無限軌道駆動装置のシール構造は、無限軌道帯(履帯)を循環して走行する例えば油圧ショベル等の建設機械や他の車両に利用できる。
11 無限軌道駆動装置
10 固定ハウジング
20 回転ケーシング
42 Oリング(弾性部材)
45 シール収容溝
45A、45B 溝側面
46 スライド面
47 Xリング(弾性部材)
50 シールリング

Claims (3)

  1. 車両の無限軌道帯を駆動する回転ケーシングと固定ハウジングの間を遮蔽する無限軌道駆動装置のシール構造であって、
    前記回転ケーシング及び前記固定ハウジングの一方に形成される環状のシール収容溝と、
    前記回転ケーシング及び前記固定ハウジングの他方に形成される環状のスライド面と、
    前記シール収容溝に収容されるシールリングと、
    前記シール収容溝に収容され前記シールリングを前記スライド面に押し付ける弾性部材と、
    前記シール収容溝に前記シールリングと並んで収容されるバックアップリングと、を備え、
    前記シールリングは前記シール収容溝の外部側に位置する溝側面に当接するように介装され、
    前記バックアップリングは前記シール収容溝の内部側に位置する溝側面に当接するように介装されることを特徴とする無限軌道駆動装置のシール構造。
  2. 前記シール収容溝は前記回転ケーシングの回転軸方向に延びる溝側面を有することを特徴とする請求項1に記載の無限軌道駆動装置のシール構造。
  3. 前記弾性部材として断面がX字形のXリングが設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の無限軌道駆動装置のシール構造。
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