JP2008075851A - ホイール駆動装置 - Google Patents

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Kenji Suzuki
健司 鈴木
Junichiro Sugimoto
潤一郎 杉本
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KYB Corp
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Abstract

【課題】ホイール駆動装置において密封性の高い土砂侵入防止構造を提供する。
【解決手段】車体側に取り付けられる固定ケーシング10と、この固定ケーシング10にベアリング60を介して回転可能に連結される回転ケーシング20と、固定ケーシング10に設けられるモータ1と、このモータ1の出力を回転ケーシング20に伝達する減速機2とを備えるホイール駆動装置において、固定ケーシング10と回転ケーシング20の間に土砂等の異物が侵入することを防止する円盤状の土砂侵入防止プレート40を介装し、この土砂侵入防止プレート40をベアリング60の内輪61と外輪63の間に画成されるベアリング間隙64に対峙するように配置した。
【選択図】図2

Description

本発明は、パワーショベル等のクローラ式車両のホイール駆動装置に設けられる土砂侵入防止構造に関するものである。
従来、図3に示すように、互いに相対回転する固定ケーシング10と回転ケーシング20を備えるホイール駆動装置において、互いに対向する固定ケーシング10と回転ケーシング20の間にラビリンスシール30を形成するとともに、ラビリンスシール30の内側に固定ケーシング10と回転ケーシング20に摺接するフローティングシール70を設け、ケーシング10、20間に土砂等の異物が侵入することを防止し、ケーシング10、20間から潤滑油が洩れ出さないように封止するものがある(特許文献1参照)。
特開2003−240128号公報 特開2000−346205号公報
しかしながら、このような従来のホイール駆動装置にあっては、ホイール駆動装置に受ける荷重によって固定ケーシング10と回転ケーシング20の相対変位(ガタ)が生じるため、ラビリンスシール30、フローティングシール70の密封性を確保することが難しく、ベアリング60に土砂等の異物が侵入することを十分に防止できないという問題点があった。
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、ホイール駆動装置において密封性の高い土砂侵入防止構造を提供することを目的とする。
本発明は、車体側に取り付けられる固定ケーシングと、この固定ケーシングにベアリングを介して回転可能に連結される回転ケーシングと、固定ケーシングに設けられるモータと、このモータの出力を回転ケーシングに伝達する減速機とを備えるホイール駆動装置において、固定ケーシングと回転ケーシングの間に土砂等の異物が侵入することを防止する円盤状の土砂侵入防止プレートを介装し、この土砂侵入防止プレートをベアリングの内輪と外輪の間に画成されるベアリング間隙に対峙するように配置したことを特徴とするものとした。
本発明によると、土砂侵入防止プレートをベアリングの内輪と外輪の間に画成されるベアリング間隙に対峙するように配置したため、ホイール駆動装置に受ける荷重によって固定ケーシングと回転ケーシングはベアリングを介して相対変位(ガタ)が生じても土砂侵入防止プレートのまわりに大きな隙間が空くことを抑えられ、土砂侵入防止プレートによってベアリング間隙に粒子の細かい土砂等の異物が侵入することを有効に防止できる。
以下、本発明の実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
図1に示すように、パワーショベル等のクローラ式車両に搭載されるホイール駆動装置は、車両本体側に設けられる固定ケーシング10と、この固定ケーシング10に対してベアリング60を介して回転可能に支持される回転ケーシング(ハブ)20を備え、回転ケーシング20の外周にクローラホイール(図示せず)が連結されている。
固定ケーシング10の内部に油圧式モータ1を備え、回転ケーシング20の内部に減速機2を備える。減速機2は遊星歯車機構からなり、モータ1の出力回転を減速して回転ケーシング20に伝達し、クローラホイールを駆動するようになっている。
互いに相対回転する固定ケーシング10と回転ケーシング20の間には、ラビリンスシール30が設けられ、両者の間に画成されるケーシング間室33に土砂等の異物が侵入することを防止するようになっている。
ラビリンスシール30は、互いに対向する固定ケーシング10と回転ケーシング20の間にその断面形状がL字形に曲折したラビリンス隙間31、32として形成され、土砂等の異物が侵入することを防止する。
ラビリンス隙間31は回転ケーシング20の回転径方向に延び、その外周端が外側に開口している。
ラビリンス隙間32は回転ケーシング20の回転軸方向に延び、その一端がラビリンス隙間31に接続し、その他端がケーシング間室33に開口している。
図2に示すように、アンギュラタイプのベアリング60は内輪61、62と外輪63の間に多数のボール65、66が介装され、固定ケーシング10に対して回転ケーシング20を回転径方向と回転軸方向について支持する。
ベアリング60は外輪63を内輪61、62に渡って一体に延びる筒状に形成しているが、これに限らず、内輪61、62と間に各ボール65、66が介装される2つの外輪に分割しても良い。
互いに相対回転する固定ケーシング10と回転ケーシング20の間には土砂侵入防止プレート40が設けられ、ベアリング60の間隙64に土砂等の異物が侵入することを防止するようになっている。
土砂侵入防止プレート40はバネ鋼材によって円盤状に形成され、回転ケーシング20の回転軸に対して直交するように配置され、ベアリング60の内輪61と外輪63に画成されるベアリング間隙64に対峙して設けられる。
土砂侵入防止プレート40はその外周端部41が外輪63に形成された環状溝67に嵌められることにより回転ケーシング20に固定される。
土砂侵入防止プレート40はその内周端部42が内輪61に形成された環状段部68に非接触に対峙することにより、固定ケーシング10に対するシール隙間が形成される。
土砂侵入防止プレート40の内周端部42はその断面が円弧状に湾曲し、環状段部68に対して凸状に膨らんだ部分が対峙する。
ベアリング60にはギア室9の潤滑油が導かれ、ベアリング60の内輪61と外輪63の間にはオイルシール50とダストリップ55が並んで介装される。
樹脂製オイルシール50は金属環51とバネ環52を備え、その外周部が外輪63に溜められ、その内周リップ53が内輪61に摺接することにより、ベアリング間隙64を密封し、ギア室9の潤滑油が洩れ出さないように封止する。
樹脂製ダストリップ55は、その外周部が外輪63に溜められ、その内周部が内輪61に摺接することにより、ベアリング間隙64にダストが侵入することを防止する。
ホイール駆動装置は以上のように構成されて、次に作用及び効果について説明する。
パワーショベル等のクローラ式車両のホイール駆動装置には土砂等が降りかかる環境で使用される。
互いに相対回転する固定ケーシング10と回転ケーシング20の間にラビリンスシール30が設けられることにより、固定ケーシング10と回転ケーシング20間に画成されるケーシング間室33に粒子の大きい土砂等の異物がケーシング間室33に侵入することを防止するものの、粒子の細かい粘土質の土砂等がケーシング間室33に侵入する可能性がある。
これに対処して、固定ケーシング10と回転ケーシング20の間に土砂等の異物が侵入することを防止する円盤状の土砂侵入防止プレート40を介装し、この土砂侵入防止プレート40をベアリング60の内輪61と外輪63の間に画成されるベアリング間隙64に対峙するように配置したため、ベアリング間隙64に粒子の細かい土砂等の異物が侵入することを有効に防止できる。
ホイール駆動装置に受ける荷重によって固定ケーシング10と回転ケーシング20はベアリング60を介して若干量の相対変位(ガタ)が生じるが、土砂侵入防止プレート40が介装されるベアリング間隙64に対峙する位置は、ラビリンスシール30に対峙する従来のフローティングシールが設けられる位置に比べてベアリング60に対する距離が短いため、土砂侵入防止プレート40の取付部間の相対変位量が小さくなり、土砂侵入防止プレート40のまわりに大きな隙間が空くことを抑えられ、土砂侵入防止プレート40によってベアリング間隙64に粒子の細かい土砂等の異物が侵入することを有効に防止できる。
本実施形態においては、土砂侵入防止プレート40をベアリング60の内輪61と外輪63の間に介装したため、土砂侵入防止プレート40をベアリング60のボール65に近づけられ、土砂侵入防止プレート40の取付部間の相対変位量が小さくなり、土砂侵入防止プレート40のまわりに大きな隙間が空くことを抑えられ、土砂侵入防止プレート40によってベアリング間隙64に粒子の細かい土砂等の異物が侵入することを有効に防止できる。
なお、土砂侵入防止プレート40を介装する部位は、ベアリング60の内輪61と外輪63の間に限らず、ベアリング60に近接する固定ケーシング10、回転ケーシング20に設けることも可能である。
本実施形態においては、内輪61と外輪63の間に潤滑油が洩れ出さないようにするオイルシール50を介装したため、オイルシール50によってギア室9の潤滑油が洩れ出さないように封止されることにより、従来設けられていた固定ケーシング10と回転ケーシング20の間に設けられていたフローティングシールを廃止することが可能となり、製品のコストダウンがはかれる。
なお、ベアリング60をグリースで潤滑し、図中左側(ギア室9側)の内輪62と外輪63の間にオイルシールを介装し、ギア室9の潤滑油が洩れ出さないように封止しても良い。
本実施形態においては、固定ケーシング10と回転ケーシング20の間にラビリンス隙間31、32を画成するラビリンスシール30を設け、このラビリンスシール30と土砂侵入防止プレート40の間にケーシング間室33を画成したため、ラビリンスシール30によって粒子の大きい土砂等の異物がケーシング間室33に侵入することを防止し、ラビリンスシール30を通ってケーシング間室33に侵入する粒子の細かい土砂等の異物がベアリング間隙64への侵入することを土砂侵入防止プレート40が防止することにより、ベアリング60の潤滑が保たれる。
また、ラビリンスシール30は、ラビリンス隙間31,32の寸法を固定ケーシング10、回転ケーシング20の上方向に位置する土砂侵入防止領域により下方向に位置する土砂排出領域にて大きく形成しても良い。
この場合、ケーシング間室33に侵入した土砂等がラビリンス隙間31,32を通って外部に排出されることが促され、ケーシング間室33に異物が留まらないようにすることができる。
本発明は上記の実施の形態に限定されずに、その技術的な思想の範囲内において種々の変更がなしうることは明白である。
本発明の土砂侵入防止構造は、例えばパワーショベルや他の車両に設けられるホイール駆動装置に利用できる。
本発明の実施の形態を示すホイール駆動装置の断面図。 同じく図1のA部を拡大した断面図。 従来例を示すホイール駆動装置の断面図。
符号の説明
1 モータ
2 減速機
10 固定ケーシング
20 回転ケーシング
30 ラビリンスシール
31,32 ラビリンス隙間
33 ケーシング間室
40 土砂侵入防止プレート
50 オイルシール
60 ベアリング
61 内輪
62 内輪
63 外輪
64 ベアリング間隙

Claims (4)

  1. 車体側に取り付けられる固定ケーシングと、この固定ケーシングにベアリングを介して回転可能に連結される回転ケーシングと、前記固定ケーシングに設けられるモータと、このモータの出力を前記回転ケーシングに伝達する減速機とを備えるホイール駆動装置において、
    前記固定ケーシングと前記回転ケーシングの間に土砂等の異物が侵入することを防止する円盤状の土砂侵入防止プレートを介装し、この土砂侵入防止プレートを前記ベアリングの内輪と外輪の間に画成されるベアリング間隙に対峙するように配置したことを特徴とするホイール駆動装置。
  2. 前記土砂侵入防止プレートを前記ベアリングの前記内輪と前記外輪の間に介装したことを特徴とする請求項1に記載のホイール駆動装置。
  3. 前記ベアリングの前記内輪と前記外輪の間に潤滑油が洩れ出さないようにするオイルシールを介装したことを特徴とする請求項1または2に記載のホイール駆動装置。
  4. 前記固定ケーシングと前記回転ケーシングの間にラビリンス隙間を画成するラビリンスシールを設け、このラビリンスシールと前記土砂侵入防止プレートの間にケーシング間室を画成したことを特徴とする請求項1から3のいずれか一つに記載のホイール駆動装置。
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